JP2020162039A - データ中継装置、データ中継方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
圧縮符号化された映像データを、視聴者が視聴した場合、いずれの圧縮符号化パラメータが用いられているかにより、視聴者の体感品質は異なる。視聴者の体感品質の指標値は、映像体感品質QoE(Quality of Experience)と呼ばれる。
LTE(Long Term Evolution)や、Wi−Fiのような無線区間を含むベストエフォート型のネットワークでは、電波品質の変化や他のユーザのクロストラフィックにより、単位時間あたりに通信可能なデータ量を表す通信スループットが大きく変動する。
端末装置の数の増加に伴って、トランスコードによるデータ中継装置の処理負荷が増大し、データ中継装置の許容処理量を超えると、処理遅延が発生する。この処理遅延を解消するためには、演算素子を追加する必要があるが、コストが増加してしまう。
アプリケーション層マルチキャストでは、データ配信装置からデータ中継装置を介した全ての端末装置までの通信品質の中で、最も低い通信品質で符号化してデータ配信装置から映像データを配信する方式が、一般的に用いられる。
一方、非特許文献1のアプリケーション層マルチキャストでは、複数の端末装置に、映像データを配信する場合に、1台でも極端に通信品質が悪くなると、他の全ての端末装置も低品質な映像を視聴することになる。
そのため、データ中継装置を介して、複数の端末装置に映像データを送信する場合には、端末装置の数に応じて、データ中継装置のトランスコードによる処理負荷が増大する一方で、極端に通信品質の悪い端末装置が存在すると、全ての端末装置の映像体感品質が著しく低下する。
始めに、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるデータ中継システム100の構成を示すシステム構成図である。データ中継システム100は、データ配信装置10、データ中継装置20、複数の端末装置30A、30B、30Cを備える。
データ中継装置20は、映像データのコンテンツを有料又は無料で配信する業者が保有するPCなである。データ中継装置20は、ネットワークN1を介して、データ配信装置10に接続されており、データ中継装置20から送信される映像データを受信する。また、データ中継装置20は、インターネットなどのネットワークN2を介して、複数の端末装置30A、30B、30Cに接続されており、データ中継装置20から受信した映像データを、必要に応じてトランスコードした後、複数の端末装置30A、30B、30Cに送信する。
データ配信装置10は、符号化パラメータ受信部11、符号化パラメータ制御部12、データ記憶部13、データ圧縮符号部14、データ送信部15を備える。
符号化パラメータ受信部11は、データ配信装置10が、データ中継装置20に、映像データを送信する際に用いられる符号化パラメータを、ネットワークN1を介して、データ中継装置20から受信し、符号化パラメータ制御部12に出力する。なお、符号化パラメータには、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4などがある。
データ記憶部13は、ハードディスクなどの記憶装置であり、視聴者により視聴されるコンテンツの映像データを、多数、記憶しており、その中の1つの映像データを、符号化パラメータ制御部12からの指示に基づき、符号化パラメータ制御部12に出力する。
データ圧縮符号部14は、符号化パラメータ制御部12から入力される映像データを、符号化パラメータ制御部12から入力される符号化パラメータを用いて、圧縮符号化し、データ送信部15に出力する。
データ送信部15は、データ圧縮符号部14から出力される圧縮符号化された映像データを、ネットワークN1を介して、データ中継装置20に送信する。
データ中継装置20は、データ受信部21、通信品質取得部22、符号化パラメータ制御部23a、トランスコード部24、データ送信部25、符号化パラメータ送信部26を備える。
データ送信部25は、データ受信部21から出力される映像データ、又は、トランスコード部24から出力される映像データを、ネットワークN2を介して、複数の端末装置30A、30B、30Cに送信する。
なお、符号化パラメータ送信部26は、データ中継装置20と、複数の端末装置30A、30B、30Cとの通信品質の状況に基づいて、データ配信装置10のデータ圧縮符号部14が圧縮符号化する際に用いる符号化パラメータを、符号化パラメータ受信部11に送信しても良い。例えば、データ中継装置20と、複数の端末装置30A、30B、30Cとの通信品質が向上した場合には、高い品質が得られる符号化パラメータに代えたり、データ中継装置20と、複数の端末装置30A、30B、30Cとの通信品質が劣化した場合には、低い品質が得られる符号化パラメータに代えたりするために、符号化パラメータ送信部26は、その符号化パラメータを、符号化パラメータ受信部11に送信しても良い。
第1の集合生成部231は、通信品質取得部22から出力される通信品質に基づき、データ配信装置10からのデータの送信、及び、各端末装置30A、30B、30Cへのデータの送信に用いられている符号化パラメータの集合Pを生成し、第2の集合生成部232aに出力する。
要素選択部233aは、集合Λの各要素において、全ての端末装置30A、30B、30Cの映像体感品質の総和が最大となる要素Λqmaxを選択し、符号化パラメータ決定部234aに出力する。
記憶部235は、メモリなどであり、データ中継装置20について予め設定される最大処理負荷の値を記憶する。例えば、最大処理負荷は、データ中継装置20の管理者などにより設定され、データ中継装置20のトランスコード部24がトランスコードの処理を行う際に許容される上限の処理負荷が設定される。
端末装置30Aは、データ受信部31、デコード部32、表示部33、通信品質測定部34、通信品質送信部35を備える。
データ受信部31は、データ中継装置20のデータ送信部25から、ネットワークN2を介して送信される映像データであって、端末装置30A用の符号化パラメータを用いてトランスコードされた映像データを受信し、デコード部32、通信品質測定部34に出力する。
表示部33は、ディスプレイなどの表示機器であり、デコード部32から出力される映像データを表示する。
通信品質測定部34は、データ受信部31が、データ中継装置20のデータ送信部25から受信する信号に基づき、データ中継装置20と端末装置30Aとの間の通信品質を測定し、通信品質測定部35に出力する。
なお、端末装置30Bの通信品質測定部34は、データ受信部31が、データ中継装置20のデータ送信部25から受信する信号に基づき、データ中継装置20と端末装置30Bとの間の通信品質を測定し、通信品質測定部35に出力する。また、端末装置30Cの通信品質測定部34は、データ受信部31が、データ中継装置20のデータ送信部25から受信する信号に基づき、データ中継装置20と端末装置30Cとの間の通信品質を測定し、通信品質測定部35に出力する。
通信品質送信部35は、通信品質測定部34から出力される通信品質を、ネットワークN2を介して、データ中継装置20の通信品質取得部22に送信する。
図6は、本発明の第1の実施形態によるデータ中継システム100で行われる処理を示すシーケンス図である。
始めに、データ中継装置20の通信品質取得部22は、ネットワークN2を介して、端末装置30A、30B、30Cの通信品質送信部35から送信される通信品質を取得する(ステップS101、S102、S103)。
そして、データ中継装置20のデータ受信部21は、ネットワークN1を介して、データ配信装置10のデータ送信部15から送信される映像データを受信する(ステップS105)。
そして、データ中継装置20の符号化パラメータ決定部234aは、各端末装置30A、30B、30Cに映像データを送信する際に用いる符号化パラメータと、データ配信装置10からデータ中継装置20に映像データを配信させる際に用いられる符号化パラメータを決定する(ステップS106)。
そして、データ中継装置10のデータ圧縮符号部14は、データ中継装置20に送信する映像データを、ステップS107でデータ中継装置20から受信した符号化パラメータを用いて圧縮符号化し、データ送信部15から、データ中継装置20に送信する(ステップS108)。
また、データ中継装置20のトランスコード部24は、ステップS108で、端末装置30Bについて決定された符号化パラメータを用いて、データ配信装置10から受信した映像データをトランスコードし、ネットワークN2を介して、端末装置30Bのデータ受信部31に送信する(ステップS110)。
なお、データ中継装置20からデータ中継装置20が受信した映像データで用いられている符号化パラメータと、所定の端末装置30に割り当てられた符号化パラメータとが同じである場合には、その所定の端末装置30に対しては、トランスコード部24でトランスコードを行うことなく、データ中継装置20からデータ中継装置20が受信した映像データが、その所定の端末装置30に送信される。
始めに、符号化パラメータ制御部23aの第1の集合生成部231は、データ配信装置10からデータ中継装置20に送信される映像データに用いられている符号化パラメータと、データ中継装置20から各端末装置30A、30B、30Cに送信される映像データの送信に用いられている符号化パラメータの集合Pを生成する(ステップS201)。
次に、符号化パラメータ制御部23aの要素選択部233aは、ステップS202で生成した集合Λの各要素において、全ての端末装置30の映像体感品質の総和が最大となる要素Λqmaxを選択する(ステップS203)。
始めに、第1の集合生成部231は、通信品質取得部22から出力される通信品質であって、データ配信装置10とデータ中継装置20との間の通信品質に基づく符号化パラメータPupを取得する(ステップS301)。
なお、符号化パラメータには、映像ビットレート(画質)、フレームレート(滑らかさ)、解像度などの情報が含まれており、本願では、符号化パラメータの大小を比較する際は、映像ビットレートの大小を比較する。
次に、第1の集合生成部231は、n台の端末装置30の通信品質に基づく符号化パラメータを1つずつ取り出していき、次の符号化パラメータがあるか否かについて判定する(ステップS304)。ステップS304で、第1の集合生成部231が、次の符号化パラメータが無いと判定した場合には(ステップS304でNO)、第1の集合生成部231は、図8に示すフローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS304で、第1の集合生成部231が、次の符号化パラメータが有ると判定した場合には(ステップS304でYES)、第1の集合生成部231は、ステップS305の処理を行う。
一方、第1の集合生成部231が、符号化パラメータpiが、符号化パラメータPupよりも小さいと判定した場合には(ステップS305でYES)、第1の集合生成部231は、符号化パラメータpiを、集合Pに追加し(ステップS306)、上述したステップS304の処理を行う。
図8に示すフローチャートの処理を行うことにより、データ配信装置10から送信された送信された映像データで用いられている符号化パラメータPup、及び、符号化パラメータPup未満かつ各端末装置30に映像データを送信する際に用いることができる符号化パラメータを含む集合Pが生成される。
次に、第2の集合生成部232aは、データ中継装置20で、符号化パラメータpを用いてトランスコードする場合の処理負荷L(p)を取得する(ステップS402)。例えば、処理負荷L(p)は、データ中継装置20のCPU(Central Processing Unit)使用率に基づいて算出され、予め、記憶部235に記憶され、第2の集合生成部232aにより読み出される。
次に、第2の集合生成部232aは、集合Λを、空集合Φを用いて初期化する(ステップS404)。
図9に示すフローチャートの処理を行うことにより、トランスコード部24のトランスコードによる処理負荷が、最大処理負荷Lmaxを超えない集合Λであって、任意の符号化パラメータの割当パターンを持つ集合Λが作成される。
始めに、要素選択部233aは、i番目の端末装置30の通信品質vi(i=0,1,・・・,n−1)を、通信品質取得部22から取得する(ステップS501)。
次に、要素選択部233aは、変数である最大の映像体感品質Qmaxと、そのインデックスを初期化する(ステップS504)。つまり、要素選択部233aは、映像体感品質Qmax=0に設定するとともに、そのインデックスを0に設定する。
つまり、要素選択部233aは、Λiの符号化パラメータのパターンで映像データを送信した場合の各端末装置30における映像体感品質の総和Q(Λi)=ΣjQ(vj,pj)(j=0,1,・・・,n−1:pj∈Λi)を求める(ステップS506)。
一方、映像体感品質Qmaxが、映像体感品質の総和Q(Λi)よりも小さい場合には(ステップS507でYES)、要素選択部233aは、ステップS508の処理を行う。
図10のフローチャートで示す処理が行われることにより、要素選択部233aは、データ中継装置20の処理負荷が最大処理負荷Lmaxを超えず、かつ、全ての端末装置30の映像体感品質が最大となる符号化パラメータの割当パターンΛqmax=Λindexを求めることができる。
次に、符号化パラメータ決定部234aは、要素Λqmaxの符号化パラメータの中で、最大の映像ビットレートを持つ符号化パラメータをPqmaxとする(ステップS602)。
つまり、符号化パラメータ決定部234aは、i番目の端末装置30に送信する映像データについては、トランスコードを行わず、データ配信装置10から受信した映像データを、そのままi番目の端末装置30に送信すると決定する(ステップS605)。
なお、符号化パラメータ決定部234aは、符号化パラメータ送信部26に対して、符号化パラメータPqmaxを出力する。また、符号化パラメータ決定部234aは、トランスコード部24に対して、ステップS605又はステップS606の決定結果を出力する。
第1の実施形態によるデータ中継装置20によれば、複数の端末装置30に、映像データを配信する場合に、データ中継装置20のトランスコード処理による処理負荷を抑えつつ、全ての端末装置30の映像体感品質を最大化することができる。
なお、第1の実施形態の具体例では、データ中継装置20と、データ配信装置10、端末装置30A、30B、30Cとの間の通信品質が、図12の状態である場合について説明する。また、複数の端末装置30が、3台(端末装置30A、30B、30C)の場合について説明する。
図12では、任意の時刻において、通信品質C11>C12>Cup1>C13となっている。図12では、通信品質C13が、他の通信品質C11、C12、Cup1と比較して、悪くなっている。
なお、第1の実施形態の具体例では、記憶部235に予め記憶される最大処理負荷Lmaxが5である場合について説明する。
データ配信装置10との間の通信品質(Cup1)よりも高い品質の符号化パラメータで、トランスコード部24が圧縮符号化することによりトランスコードを行った場合、リアルタイムに映像を配信することができずに、映像再生の途絶や乱れが生じる。この問題を解決するため、データ配信装置10から、データ中継装置20を介して、各端末装置30A、30B、30Cに映像データを送信する際に用いられる符号化パラメータは、通信品質がCup1)以下の符号化パラメータを用いる。
図12に示す状況の場合には、端末装置30A、30B、30Cに映像データを送信する際に用いられる符号化パラメータの集合Pは、{Pup,pv303}となる。
集合P={Pup,pv303}の各要素を、端末装置30A、30B、30Cに対して、任意のパターンで割り当てると、割当パターンは、(Pup,Pup,Pup)、(Pup,Pup,pv303)、(Pup,pv303,Pup)、(pv303,Pup,Pup)、(Pup,pv303,pv303)、(pv303,Pup,pv303)、(pv303,pv303,Pup)、(pv303,pv303,pv303)の計8パターンとなる。なお、例えば、割当パターン(Pup,pv303,Pup)は、端末装置30Aに、符号化パラメータPupを割り当て、端末装置30Bに、符号化パラメータpv303を割り当て、端末装置30Aに、符号化パラメータPupを割り当てることを示している。
次に、第2の集合生成部232aは、図9のステップS406の処理に基づき、各割当パターンの処理負荷L(pj)の総和を算出する。
また、端末装置30Cに、符号化パラメータPupを用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v303,Pup)が0.5であり、端末装置30Cに、符号化パラメータpv303を用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v303,pv303)が2.0である場合について説明する。
集合Λの要素(Pup,Pup,pv303)における映像体感品質の総和Q(Λ0)は、Q(Λ1)=4.0+4.0+2.0=10.0となる。
集合Λの要素(Pup,pv303,Pup)における映像体感品質の総和Q(Λ0)は、Q(Λ2)=4.0+2.0+0.5=6.5となる。
集合Λの要素(pv303,Pup,Pup)における映像体感品質の総和Q(Λ0)は、Q(Λ3)=2.0+4.0+0.5=6.5となる。
よって、要素選択部233aは、映像体感品質の総和が最大となるQ(Λ1)が得られる要素(Pup,Pup,pv303)を選択する。
また、選択したΛqmaxでは、端末装置30Bには、符号化パラメータPupが割り当てられているため、データ中継装置20のトランスコード部24は、データ配信装置10から受信する映像データについて、トランスコードを行うことなく、端末装置30Bに送信する。
これにより、データ中継装置20は、複数の端末装置30A、30B、30Cに、映像データを配信する場合に、データ中継装置20のトランスコード処理による処理負荷を、最大処理負荷Lmaxよりも小さくしつつ、全ての端末装置30A、30B、30Cの映像体感品質の総和Q(Λ1)を最大化することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態が、第1の実施形態と同様の構成を採り、又は、同様の処理を行う部分については、それらの説明を省略する。なお、第1の実施形態では、最大処理負荷Lmaxを用いて、端末装置30に映像データを送信する際に用いる符号化パラメータを決定する場合について説明したが、第2の実施形態では、最大処理負荷Lmaxではなく、独自評価値Wを用いて、符号化パラメータを決定する場合について説明する。
第2の実施形態では、データ中継装置20が、符号化パラメータ制御部23a(図4)の代わりに、符号化パラメータ制御部23b(図13)を備えている点において、第1の実施形態と相違する。
図13に示すように、符号化パラメータ制御部23bは、第1の集合生成部231、第2の集合生成部232b、要素選択部233b、符号化パラメータ決定部234b、記憶部235を備える。
始めに、符号化パラメータ制御部23bの第1の集合生成部231は、データ配信装置10からデータ中継装置20に送信される映像データに用いられている符号化パラメータと、データ中継装置20から各端末装置30A、30B、30Cに送信される映像データの送信に用いられている符号化パラメータの集合Pを生成する(ステップS701)。
次に、符号化パラメータ制御部23bの要素選択部233bは、ステップS702で生成された集合Λの各要素において、独自評価値Wが、最大となる要素Λwmaxを選択する(ステップS703)。
また、第1の実施形態では、図7のステップS204の処理(及び、図11のフローチャートの処理)において、Λqmaxを用いていたが、第2の実施形態の図14のステップS704の処理では、Λqmaxの代わりに、Λwmaxを用いるため、図14のステップS704の処理については、詳細なフローチャートの説明を省略する。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、符号化パラメータp(X)の大小を比較する場合は、映像ビットレートの大小を比較する場合について説明する。
次に、第2の集合生成部232bは、集合Λを、空集合Φを用いて初期化する(ステップS802)。
図15に示す処理を行うことにより、第1の実施形態の図7のステップS202で生成される集合Λとは異なり、全ての割当パターンを持つ集合Λが生成される。
次に、要素選択部233bは、通信品質Xの端末装置30について、符号化パラメータYで、映像データを送信した場合の映像体感品質Q(X,Y)を取得する(ステップS902)。なお、第2の実施形態においても、映像体感品質Q(X,Y)は、第1の実施形態で説明した方法と同じ方法により算出される。
次に、要素選択部233bは、データ中継装置が、符号化パラメータpを用いてトランスコードする場合の処理負荷L(p)を、記憶部235から読み出すことにより取得する(ステップS904)。なお、第2の実施形態においても、処理負荷L(p)は、第1の実施形態で説明した方法と同じ方法により算出される。
次に、要素選択部233bは、通信品質がXである端末装置30に対して、映像データを符号化パラメータYでトランスコードして送信する際の独自評価値W=(q/l)・Q(X,Y)/L’(Y)を定義する(ステップS906)。値q及び値lは、感度係数であり、端末装置30の視聴者から入力される値が使用される。独自評価値Wは、映像体感品質が増減するような符号化パラメータに対して比例して増減する特性を持つ。一方、独自評価値Wは、トランスコード処理負荷の増減に対しては反比例して増減する特性を持つ。
次に、要素選択部233bは、ステップS903で取得した集合Λから、要素を1つずつ取り出していくことにより、残りの要素があるか否かについて判定する(ステップS908)。残りの要素が無い場合には(ステップS908でNO)、要素選択部233bは、図16に示すフローチャートの処理を終了する。一方、残りの要素が有る場合には(ステップS908でYES)、要素選択部233bは、ステップS909の処理を行う。
つまり、要素選択部233bは、独自評価値の総和W(Λi)=ΣjW(vj,pj)(pj∈Λi)を求める(ステップS909)。
つまり、要素選択部233bは、Wmaxを、W(Λi)とするとともに、インデックスを、iとすることにより、Wmax及びそのインデックスを更新する(ステップS911)。
なお、第2の実施形態の具体例では、データ中継装置20と、データ配信装置10、端末装置30A、30B、30Cとの間の通信品質が、図17の状態である場合について説明する。また、複数の端末装置30が、3台(端末装置30A、30B、30C)の場合について説明する。また、予め視聴者により入力される感度係数が、l=1、q=1である場合について説明する。
図17では、任意の時刻において、通信品質Cup>C21>C22>C23となっている。図17では、通信品質Cup2が、他の通信品質C21、C22、C23と比較して、良くなっている。
データ配信装置10との間の通信品質(Cup2)よりも高い品質の符号化パラメータで、トランスコード部24が圧縮符号化することによりトランスコードを行った場合、リアルタイムに映像を配信することができずに、映像再生の途絶や乱れが生じる。この問題を解決するため、データ配信装置10から、データ中継装置20を介して、各端末装置30A、30B、30Cに映像データを送信する際に用いられる符号化パラメータは、通信品質がCup2)以下の符号化パラメータを用いる。
図17に示す状況の場合には、端末装置30A、30B、30Cに映像データを送信する際に用いられる符号化パラメータの集合Pは、{Pup,pv301,pv302,pv303}となる。
集合P={Pup,pv301,pv302,pv303}の各要素を、端末装置30A、30B、30Cに対して、任意のパターンで割り当てた場合、割当パターンは、64通りあるが、ここでは、説明を簡略化するために、端末装置30の通信品質を超える符号化パラメータは、割り当てられない場合について説明する。
ここでは、端末装置30Aに、符号化パラメータpv301を用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v301,pv301)が3.0であり、端末装置30Aに、符号化パラメータpv302を用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v301,pv302)が2.5であり、端末装置30Aに、符号化パラメータpv303を用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v301,pv303)が2.0であり、端末装置30Aに、符号化パラメータpv303を用いて映像データを配信する際の映像体感品質Q(v301,pv303)が2.0である場合について説明する。
要素選択部233bは、各割当パターンの独自評価値Wを、順番に計算する。割当パターンΛ0=(pv301,pv302,pv303)について、最大の符号化パラメータは、pv301であり、端末装置30Bに対しては、符号化パラメータpv302を用いてトランスコードを行い、端末装置30Cに対しては、符号化パラメータpv303を用いてトランスコードを行う必要がある。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ0)を、W(Λ0)=W(v301,pv301)+W(v302,pv302)+W(v303,pv303)=(3.0/1)+(2.5/4)+(2.0/3)=4.291と算出する。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ1)を、W(Λ1)=W(v301,pv301)+W(v302,pv303)+W(v303,pv303)=(3.0/1)+(2.0/3)+(2.0/3)=4.333と算出する。
要素選択部233bは、端末装置30Aに対して符号化パラメータpv302を用いる場合の独自評価値W(v301,pv302)と、端末装置30Bに対して符号化パラメータpv302を用いる場合の独自評価値W(v302,pv302)と、端末装置30Cに対して符号化パラメータpv303を用いる場合の独自評価値W(v303,pv303)とを用いて独自評価値W(Λ2)を、算出する。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ2)を、W(Λ2)=W(v301,pv302)+W(v302,pv302)+W(v303,pv303)=(2.5/1)+(2.5/1)+(2.0/3)=5.666と算出する。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ2)を、W(Λ2)=W(v301,pv302)+W(v302,pv303)+W(v303,pv303)=(2.5/1)+(2.0/3)+(2.0/3)=3.833と算出する。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ3)を、W(Λ3)=W(v301,pv303)+W(v302,pv302)+W(v303,pv303)=(2.0/3)+(2.5/1)+(2.0/3)=3.833と算出する。
要素選択部233bは、端末装置30Aに対して符号化パラメータpv303を用いる場合の独自評価値W(v301,pv303)と、端末装置30Bに対して符号化パラメータpv303を用いる場合の独自評価値W(v302,pv303)と、端末装置30Cに対して符号化パラメータpv303を用いる場合の独自評価値W(v303,pv303)とを用いて独自評価値W(Λ5)を、算出する。
具体的には、要素選択部233bは、独自評価値W(Λ5)を、W(Λ5)=W(v301,pv303)+W(v302,pv303)+W(v303,pv303)=(2.0/1)+(2.0/1)+(2.0/1)=6.0と算出する。
次に、符号化パラメータ決定部234bは、選択されたΛwmax(ここでは、要素(pv303,pv303,pv303))から、データ配信装置10に送信する符号化パラメータと、端末装置30A、30B、30Cに対してトランスコードを行うか否かと、端末装置30A、30B、30Cに対してトランスコードを行う場合に各端末装置30A、30B、30Cに対して用いられる符号化パラメータを決定する。
これにより、独自評価値Wが最大となるように、データ中継装置20は、複数の端末装置30A、30B、30Cに対して、映像データを配信することができる。
符号化パラメータ決定部201は、前記データ中継装置に関する所定の処理負荷Lmaxと、データ中継装置200がデータ配信装置10及び複数の端末装置30A、30B、30Cと通信する際の通信品質Cup1、C11、C12、C13と、複数の端末装置30A、30B、30Cにおける映像品質Q(X,Y)とに基づいて、符号化パラメータを決定する。
トランスコード部202は、符号化パラメータ決定部201が決定した符号化パラメータを用いて、データ配信装置10から受信したデータであって、複数の端末装置30A、30B、30Cに送信するデータに対して、トランスコードを行う。
データ中継装置300は、図7〜11に示すフローチャートの処理、図14〜16に示すフローチャートの処理、又は、図19に示すフローチャートの処理を、プログラムにより実行する。
データ中継装置300は、CPU301、主記憶装置302、補助記憶装置303、インタフェース304、バス305を備える。
CPU301は、データ中継装置300を構成する各部を制御する。例えば、CPU301は、主記憶装置302に記憶されているプログラムであって、上述したデータ中継装置20又はデータ中継装置200の機能を実現するためのプログラムを、主記憶装置302から読み出す。また、CPU301は、プログラムの実行中に取得したデータを、補助記憶装置303に記憶させ、必要に応じて、そのデータを読み出して利用する。
主記憶装置302は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
補助記憶装置303は、メモリなどの小容量の記憶装置である。
インタフェース304は、データ中継装置と、データ配信装置10及び端末装置30との間で、データを送受信する。
バス305は、データ中継装置300を構成する各部に接続され、データ中継装置300を構成する各部の間で、データのやり取りを行う際に用いられる。
11・・・符号化パラメータ受信部
12・・・符号化パラメータ制御部
13・・・データ記憶部
14・・・データ圧縮符号部
15・・・データ送信部
20・・・データ中継装置
21・・・データ受信部
22・・・通信品質取得部
23a・・・符号化パラメータ制御部
23b・・・符号化パラメータ制御部
24・・・トランスコード部
25・・・データ送信部
26・・・符号化パラメータ送信部
30、30A、30B、30C・・・端末装置
31・・・データ受信部
32・・・デコード部
33・・・表示部
34・・・通信品質測定部
35・・・通信品質送信部
100・・・データ中継システム
200・・・データ中継装置
201・・・符号化パラメータ決定部
202・・・トランスコード部
231・・・第1の集合生成部
232a・・・第2の集合生成部
232b・・・第2の集合生成部
233a、233b・・・要素選択部
234a、234b・・・符号化パラメータ決定部
235・・・記憶部
300・・・データ中継装置
301・・・CPU
302・・・主記憶装置
303・・・補助記憶装置
304・・・インタフェース
305・・・バス
N1・・・ネットワークN1
N2・・・ネットワークN2
Claims (10)
- データ中継装置であって、
前記データ中継装置に関する所定の処理負荷と、前記データ中継装置がデータ配信装置及び複数の端末装置と通信する際の通信品質と、前記複数の端末装置における映像品質とに基づいて、符号化パラメータを決定する符号化パラメータ決定部と、
前記符号化パラメータ決定部が決定した前記符号化パラメータを用いて、前記データ配信装置から受信したデータであって、前記複数の端末装置に送信するデータに対して、トランスコードを行うトランスコード部と、
を備えるデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部が決定した前記符号化パラメータに基づいて、前記データ配信装置が前記データ中継装置にデータを送信する際に用いられる符号化パラメータを決定し、その符号化パラメータを、前記データ配信装置に送信する送信部を、
更に備える請求項1に記載のデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部は、前記トランスコード部が前記トランスコードを行う際の処理負荷が、前記所定の処理負荷を超えないように、かつ、前記映像品質が最大となるように、前記符号化パラメータを決定する
請求項1に記載のデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部は、前記所定の処理負荷と前記映像品質とに基づいて、独自評価値を算出し、前記独自評価値が最大となるように、前記符号化パラメータを決定する
請求項1に記載のデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部は、前記複数の端末装置ごとに、前記符号化パラメータを決定し、
前記トランスコード部は、前記複数の端末装置ごとに、前記符号化パラメータ決定部により決定された前記符号化パラメータを用いて、前記データをトランスコードする
請求項1から4のいずれかに記載のデータ中継装置。 - 前記複数の端末装置ごとに決定された前記符号化パラメータを用いて、前記トランスコード部によりトランスコードされた前記データを、前記複数の端末装置に送信する送信部を更に備える
請求項1に記載のデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部は、前記データ配信装置から送信されるデータで用いられている符号化パラメータを超えないように、前記トランスコード部がトランスコードを行う際に用いる前記符号化パラメータを決定する
請求項1から6のいずれかに記載のデータ中継装置。 - 前記符号化パラメータ決定部が決定し、前記複数の端末装置の少なくとも1つに割り当てられた符号化パラメータが、前記データ配信装置から送信されたデータで用いられている符号化パラメータと同じである場合には、前記トランスコード部は、前記データについてトランスコードを行うことなく、前記複数の端末装置の少なくとも1つに、前記データを送信する
請求項1から6のいずれかに記載のデータ中継装置。 - データ中継装置に関する所定の処理負荷と、前記データ中継装置がデータ配信装置及び複数の端末装置と通信する際の通信品質と、前記複数の端末装置における映像品質とに基づいて、符号化パラメータを決定し、
決定した前記符号化パラメータを用いて、前記データ配信装置から受信したデータであって、前記複数の端末装置に送信するデータに対して、トランスコードを行う
データ中継方法。 - データ中継装置のコンピュータを、
前記データ中継装置に関する所定の処理負荷と、前記データ中継装置がデータ配信装置及び複数の端末装置と通信する際の通信品質と、前記複数の端末装置における映像品質とに基づいて、符号化パラメータを決定する符号化パラメータ決定手段、
前記符号化パラメータ決定手段が決定した前記符号化パラメータを用いて、前記データ配信装置から受信したデータであって、前記複数の端末装置に送信するデータに対して、トランスコードを行うトランスコード手段、
として機能させるプログラム。
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