JP2020156078A - アンテナ装置、アンテナモジュール、及び通信装置 - Google Patents

アンテナ装置、アンテナモジュール、及び通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実装基板の寸法や誘電率による制約を受けにくくし、寸法や誘電率の自由度を高めたアンテナ装置を提供する。【解決手段】放射導体が、相互に反対方向を向く一対の主表面を有する金属板材で構成されている。誘電体部材が、一対の主表面の各々の周縁部の少なくとも一部を含む第1表面領域において、放射導体をその厚さ方向に挟んで放射導体を保持している。一対の主表面の少なくとも一方の、第1表面領域以外の第2表面領域が露出している。【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置、アンテナモジュール、及び通信装置に関する。
アンテナの放射導体やグランド導体が設けられた多層配線基板(実装基板)に高周波集積回路素子を実装したアンテナモジュールが公知である(特許文献1等)。実装基板の内層にグランド導体が配置され、その上に誘電体層を介して放射導体が配置されている。実装基板に実装された高周波集積回路素子と放射導体とが、実装基板に設けられた給電線によって接続される。
特開2013−46291号公報
放射導体とグランド導体とからなるアンテナにおいて、アンテナの特性は、放射導体とグランド導体との位置関係、例えば両者の間隔に依存する。また、アンテナ特性は、放射導体とグランド導体との周囲の誘電率にも依存する。グランド導体を実装基板の内層に配置し、放射導体を実装基板の表層に配置する構成では、グランド導体と放射導体との間隔等のアンテナ装置の寸法が、実装基板の厚さ等の寸法によって制約される。また、放射導体とグランド導体との周囲の誘電率は実装基板の誘電率に依存する。本発明の目的は、実装基板の寸法や誘電率による制約を受けにくくし、寸法や誘電率の自由度を高めたアンテナ装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
相互に反対方向を向く一対の主表面を有する金属板材からなる放射導体と、
前記一対の主表面の各々の周縁部の少なくとも一部を含む第1表面領域において、前記放射導体を前記放射導体の厚さ方向に挟んで前記放射導体を保持する誘電体部材と
を有し、
前記一対の主表面の少なくとも一方の、前記第1表面領域以外の第2表面領域が露出しているアンテナ装置が提供される。
本発明の他の観点によると、
上記アンテナ装置と、
前記実装基板に実装され、前記放射導体に高周波信号を供給し、または前記放射導体から高周波信号が入力される高周波集積回路素子と
を有するアンテナモジュールが提供される。
本発明のさらに他の観点によると、
上記アンテナモジュールと、
前記高周波集積回路素子に中間周波信号またはベースバンド信号を供給するベースバンド集積回路素子と
を有する通信装置が提供される。
実装基板の寸法や誘電率による制約を受けにくくし、寸法及び誘電率の自由度を高めたアンテナ装置が提供される。放射導体のうち誘電体部材に挟まれていない第2表面領域が露出しているため、第2表面領域を誘電体部材で覆う構造と比べて、放射導体の周辺の誘電率を下げることができる。放射導体の周囲の誘電率が下がると、波長短縮効果が小さくなり、共振周波数が同一である場合には放射導体の寸法が大きくなる。放射導体の寸法が大きくなると、アンテナ利得が高くなる。また、放射導体の寸法が大きくなると、放射導体からなる共振器のQが低下し、その結果、動作周波数帯域が広くなる。
図1は、第1実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図2A及び図2Bは、それぞれ第1実施例によるアンテナ装置の平面図及び底面図である。 図3Aは、図2A及び図2Bの一点鎖線3A−3Aにおける断面図であり、図3Bは、図2A及び図2Bの一点鎖線3B−3Bにおける断面図である。 図4Aは、第2実施例によるアンテナ装置の底面図であり、図4B及び図4Cは、第3実施例及びその変形例によるアンテナ装置の底面図である。 図5は、第4実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図6A及び図6Bは、それぞれ第5実施例及びその変形例によるアンテナ装置の引出部及びその近傍の斜視図である。 図7Aは、第6実施例によるアンテナ装置の底面図であり、図7Bは、第6実施例によるアンテナ装置を実装基板に実装する前の状態を示す断面図であり、図7Cは、実装後の断面図である。 図8A及び図8Bは、それぞれ第6実施例の第1変形例によるアンテナ装置の断面図及び底面図であり、図8C及び図8Dは、それぞれ第6実施例の第2変形例によるアンテナ装置の断面図及び底面図である。 図9A及び図9Bは、それぞれ第7実施例によるアンテナ装置の斜視図及び底面図であり、図9Cは、図9Bの一点鎖線9C−9Cにおける断面図である。 図10Aは、第7実施例の変形例によるアンテナ装置の底面図であり、図10Bは、図10Aの一点鎖線10B−10Bにおける断面図である。 図11A及び図11Bは、それぞれ第8実施例によるアンテナ装置の斜視図及び底面図であり、図11Cは、図11Bの一点鎖線11C−11Cにおける断面図である。 図12Aは、第9実施例によるアンテナ装置の斜視図であり、図12Bは、図12Aの一点鎖線12B−12Bで示した平面における断面図である。 図13は、第9実施例の変形例によるアンテナ装置の斜視図である。 図14は、第10実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図15は、第11実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図16A及び図16Bは、第11実施例の変形例におけるアンテナ装置の概略平面図である。 図17は、第12実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図18Aは、アンテナ装置を組み立てた状態での図17の一点鎖線18A−18Aで示した平面における断面図であり、図18Bは、アンテナ装置を組み立てた状態での図17の一点鎖線18B−18Bで示した平面における断面図である。 図19は、第13実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図20Aは、アンテナ装置を組み立てた状態での図19の一点鎖線20A−20Aで示した平面における断面図であり、図20Bは、アンテナ装置を組み立てた状態での図19の一点鎖線20B−20Bで示した平面における断面図である。 図21Aは、第14実施例によるアンテナモジュールの模式的な断面図であり、図21Bは、比較例によるアンテナモジュールの模式的な断面図である。 図22A及び図22Bは、それぞれ第15実施例によるアンテナモジュールの斜視図及び断面図であり、図22Cは、アンテナ装置の放射導体及びグランド導体の斜視図である。 図23は、第15実施例の他の変形例によるアンテナモジュールの斜視図である。 図24A及び図24Bは、第16実施例によるアンテナモジュールの平面図及び底面図である。 図25は、図24A及び図24Bの一点鎖線25−25における断面図である。 図26Aは、第17実施例によるアンテナ装置の放射導体及びグランド導体の斜視図であり、図26Bは、第17実施例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図27A及び図27Bは、第17実施例の変形例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図28Aは、第18実施例によるアンテナモジュールが搭載された通信機器の筐体の枠の断面図であり、図28Bは、第18実施例の変形例によるアンテナモジュールが搭載された通信機器の筐体の枠の概略断面図である。 図29は、第18実施例の他の変形例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に搭載した状態の概略断面図である。 図30は、第18実施例のさらに他の変形例によるアンテナ装置を搭載したヘッドマウントディスプレイの斜視図である。 図31は、第19実施例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図32A及び図32Bは、第20実施例によるアンテナ装置の断面図であり、それぞれ第7実施例の図17A及び図17Bに対応する。 図33Aは、本変形例によるアンテナ装置の断面図であり、図33Bは、図33Aの一点鎖線33B−33Bにおける平断面図である。 図34Aは、第21実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図34Bは、放射導体及び誘電体部材の斜視図である。 図35A、図35B、図35C及び図35Dは、第21実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体の正面図である。 図36Aは、第22実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図36Bは、放射導体及び誘電体部材の斜視図であり、図36C及び図36Dは、それぞれ第22実施例によるアンテナ装置の正面図及び側面図である。 図37Aは、第23実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図37Bは、第23実施例によるアンテナ装置の誘電体部材の斜視図である。 図38A及び図38Bは、第23実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図である。 図39A及び図39Bは、第24実施例によるアンテナ装置の製造方法の製造途中段階におけるアンテナ装置の下パーツの平面図である。 図40は、製造途中段階におけるアンテナ装置の下パーツの平面図である。 図41A及び図41Bは、製造途中段階におけるアンテナ装置の上パーツの平面図である。 図42A及び図42Bは、それぞれカシメ後、及びアンテナ装置切り離し後の図40及び図41Bの一点鎖線42A−42Aにおける断面図である。 図43Aは、第24実施例による製造方法で製造したアンテナ装置の断面図であり、図43Bは、第24実施例の変形例による製造方法で作製したアンテナ装置の断面図である。 図44は、第25実施例によるアンテナ装置の放射導体と給電線路との結合箇所及びその近傍の斜視図である。 図45は、第25実施例によるアンテナ装置の一部の断面図である。 図46Aは、第25実施例の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図であり、図46Bは、第25実施例の他の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図である。 図47A及び図47Bは、それぞれ第26実施例によるアンテナ装置の斜視図及び断面図である。 図48Aは、第26実施例の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図であり、図48Bは、第26実施例の他の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。 図49は、第27実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図50は、第27実施例によるアンテナ装置の断面図である。
[第1実施例]
図1から図3Bまでの図面を参照して、第1実施例によるアンテナ装置及びアンテナモジュールについて説明する。
図1は、第1実施例によるアンテナ装置30の斜視図である。図2A及び図2Bは、それぞれ第1実施例によるアンテナ装置30の平面図及び底面図である。図3Aは、図2A及び図2Bの一点鎖線3A−3Aにおける断面図である。図3Bは、図2A及び図2Bの一点鎖線3B−3Bにおける断面図である。
第1実施例によるアンテナ装置30は、金属板材からなる放射導体31と、放射導体31を支持する誘電体部材40とを含む。放射導体31は、相互に反対方向を向く一対の主表面と、一方の主表面の縁から他方の主表面の縁まで連続する端面とを有する。放射導体31の平面形状の輪郭は、中心同士を一致させて2つの長方形を直角に交差させた図形の輪郭とほぼ同一である。言い換えると、矩形の金属板材の四隅を小さな矩形状に切り落とした平面形状を有する。ここで、「矩形」とは、四隅が直角の四角形を意味し、長方形及び正方形を含む。矩形の四隅を切り落とす前の形状を放射導体31の基本形状ということとする。
放射導体31の基本形状の1つの辺の中心から、基本形状の内側に向かって切込部34が設けられている。切込部34の最奥部から、切込部34内を通り、基本形状の外側に向かって、放射導体31と同一の金属板材からなる引出部32が延びている。引出部32は、1番目の屈曲箇所321で放射導体31の厚さ方向に屈曲され、その屈曲箇所よりも先端側の2番目の屈曲箇所322で逆方向に屈曲されている。2番目の屈曲箇所322より先端に近い部分は、放射導体31に対してほぼ平行であり、平面視において、基本形状の、切込部34が設けられている辺に対して直角方向に延びている。
誘電体部材40は、放射導体31の四隅に設けられた矩形状の切落部33の端面に沿うL字形の部分を厚さ方向に挟んでいる。放射導体31のうち誘電体部材40で挟まれた部分を被挟持部35ということとする。放射導体31の一方の主表面を上面と定義し、他方の主表面を下面と定義する。放射導体31の端面が、上面と下面とを接続する。誘電体部材40は、被挟持部35の一方の主表面(上面)から端面を経由して反対側の主表面(下面)に至る連続する領域を覆っている。ここで、「覆っている」構造には、誘電体部材40が端面に密着している構造、及び誘電体部材40と端面とが空隙を挟んで対向している構造が含まれる。引出部32は、1番目の屈曲箇所321で、放射導体31の上面に連続する面が外側になるように屈曲されており、2番目の屈曲箇所322で、放射導体31の上面に連続する面が内側になるように屈曲されている。
放射導体31と誘電体部材40とは、例えばインサート成型により一体成型される。または、樹脂成型品である誘電体部材40に放射導体31を圧入し、カシメや接着剤によって放射導体31と誘電体部材40とを相互に固定してもよい。
放射導体31の上面のうち、被挟持部35以外の領域は誘電体部材40で覆われていない。誘電体部材40で覆われていない領域を露出領域36ということとする。図2Aにおいて露出領域36に相対的に淡いハッチングを付し、被挟持部35に相対的に濃いハッチングを付している。例えば、放射導体31の露出領域36は、大気に晒されている。
放射導体31の切落部33以外の端面は、誘電体部材40で覆われておらず基本的に露出している。なお、製造プロセス上、誘電体部材40の回り込みによって端面の一部に誘電体部材40と同一材料の被膜が形成される場合がある。
誘電体部材40は、放射導体31の上面側では、切落部33に対応した4つの部分に分離されている。この4つの部分は、放射導体31の下面側で相互に繋がっている。誘電体部材40(図2B)は、放射導体31の下面のうち、切込部34の周辺以外の領域を覆っている。切込部34の周辺において、放射導体31の下面がU字状に露出している。図2Bにおいて、放射導体31の露出した領域にハッチングを付している。引出部32は、その両面が露出している。
アンテナ装置30は、誘電体部材40の下面(図2Bに示された面)が実装基板50(図3A、図3B)に対向する姿勢で実装基板50に実装される。実装基板50はアンテナ装置30を支持する支持部材として機能する。以下、誘電体部材40の、実装基板50に対向する面を対向面41(図2B、図3A、図3B)ということとする。アンテナ装置30を実装基板50に実装した状態で、放射導体31は実装基板50に対して平行になる。引出部32は、1番目の屈曲箇所321において、放射導体31からの引出箇所よりも引出部32の先端が実装基板50に近づくように屈曲されている。
実装基板50(図3A)に、給電線路51(図1、図3A)及び給電線路51に連続するランド52(図1、図3A)が設けられている。アンテナ装置30の引出部32の2番目の屈曲箇所322より先端側の部分が、ハンダ60(導電性材料)によりランド52に機械的に固定されるとともに、電気的に接続されている。引出部32とランド52とがハンダ60で電気的に接続されることにより、引出部32とランド52とが電磁気的に結合する。引出部32は、給電線を兼ねている。引出部32を実装基板50に固着させることにより、アンテナ装置30が実装基板50に表面実装される。
実装基板50(図3A、図3B)の表面(アンテナ装置30が実装されている面)にグランド導体53が設けられている。放射導体31とグランド導体53とがパッチアンテナを構成する。すなわち、放射導体31とグランド導体53とがパッチアンテナとして動作し、電波を放射する。給電線路51及びグランド導体53がソルダーレジスト膜54で覆われている。ソルダーレジスト膜54に、ランド52を露出させる開口が設けられている。ハンダ60は、この開口内に充填される。
実装基板50の、アンテナ装置30が実装されている面とは反対側の面に高周波集積回路素子(RFIC)57が実装されている。なお、アンテナ装置30と高周波集積回路素子57とを同一の面に実装してもよい。高周波集積回路素子57はベースバンド集積回路素子67に接続される。ベースバンド集積回路素子67は高周波集積回路素子57に中間周波信号またはベースバンド信号を供給する。
高周波集積回路素子57は、給電線路51を介して放射導体31に高周波信号を供給する。さらに、放射導体31で受信された高周波信号が給電線路51を介して高周波集積回路素子57に入力される。高周波集積回路素子57が実装された実装基板50と、アンテナ装置30とにより、アンテナモジュールが構成される。本明細書において、アンテナ装置30、実装基板50、及び高周波集積回路素子57を含む装置をアンテナモジュールという。なお、放射導体31と誘電体部材40とからなるアンテナ装置30と、アンテナ装置30を実装した実装基板50とをまとめてアンテナ装置という場合がある。放射導体31と誘電体部材40とからなるアンテナ装置30を、実装基板50を含むアンテナ装置と区別するためにアンテナセルという場合がある。アンテナセル、高周波集積回路素子57が実装された実装基板50、及びベースバンド集積回路素子67を有する装置を通信装置という。
次に、第1実施例の優れた効果について説明する。
アンテナ装置の高利得化及び広帯域化を図るために、放射導体とグランド導体との間隔を広くすること(高背化)、及び放射導体とグランド導体との間の誘電体材料の比誘電率を低くすること(低誘電率化)が好ましい。
放射導体とグランド導体との両方を多層配線構造の実装基板に設ける従来の構造では、放射導体とグランド導体との間隔が実装基板の厚さに制約されるため、高背化を図ることが困難である。例えば、放射導体とグランド導体との間隔は、50μm以上とすることが好ましい。一般的なプリント基板等の実装基板に放射導体とグランド導体とを配置する構成では、多層配線層間の絶縁層の厚さの制約から、放射導体とグランド導体との間隔を50μm以上にすることは困難である。第1実施例の構成を採用することにより、放射導体とグランド導体との間隔を50μm以上にしたアンテナ装置(アンテナセル)を容易に実現することができる。なお、パッチアンテナとして動作させるために、放射導体とグランド導体との間隔を、アンテナ装置の動作周波数帯の中心波長(真空中における波長)の1/2倍以下とすることが好ましい。
また、実装基板に適した誘電体材料を用いる必要があることから、低誘電率化にも制約がある。なお、放射導体とグランド導体との間の誘電体材料の比誘電率は、1以上5以下とすることが好ましく、1以上3以下とすることがより好ましい。
実装基板のグランド導体と放射導体との間の誘電体層の層数を増やすことにより高背化を図ることが可能であるが、この構造を採用することは、工数及び製造コストの増加につながる。また、実装基板を高背化及び低誘電率化すると、実装基板のグランド導体と表層の誘電体層とによって表面波が伝搬しやすくなるという弊害が生じる。本来、アンテナから空間中に放射すべき電力の一部が表面波になることにより、アンテナの放射効率が相対的に低下するとともに、他のアンテナとのアイソレーションが劣化する。さらに、実装基板のグランド導体と放射導体との間の誘電体層を、他の誘電体層より低誘電率の材料で形成すると、熱膨張係数の相違等により、基板に反りが発生しやすくなるという弊害も生じる。
第1実施例では、アンテナ装置30を実装基板50とは別に作製するため、アンテナ装置30の寸法や材料を、実装基板50の寸法や材料に制約されることがない。このため、実装基板50のグランド導体53と、アンテナ装置30の放射導体31との間隔を容易に広げること(高背化)が可能である。また、誘電体部材40として、実装基板50の誘電体材料とは異なる低誘電率の材料を用いること(低誘電率化)が可能である。その結果、アンテナ装置の高利得化及び広帯域化を図ることが可能になる。特に、第1実施例によるアンテナ装置がミリ波帯で動作する場合に、高利得化及び広帯域化を図るという効果が、顕著に現れる。したがって第1実施例によるアンテナ装置は、ミリ波帯用のアンテナとして好適に用いることが可能である。
また、第1実施例では、放射導体31の上面の大部分が誘電体部材40で覆われていないため、放射導体31の周辺の実効的な誘電率が低くなる。放射導体31の周辺の実効的な誘電率が高い場合と比べて、共振周波数が一定の条件の下で放射導体31の寸法を大きくすることができる。その結果、指向性を高め、高い利得を得ることが可能になる。
放射導体31と誘電体部材40とを密着させて放射導体31を誘電体部材40に固着させる構造では、両者の密着性が悪い場合、剥離によって放射導体31が誘電体部材40から脱落してしまう。これに対し第1実施例では、放射導体31の被挟持部35を誘電体部材40で挟んでいる。このため、放射導体31と誘電体部材40との密着性が悪い場合でも、誘電体部材40に対して放射導体31を強固に固定することができる。
第1実施例では、放射導体31の被挟持部35は、相互に反対方向を向く少なくとも2つの端面を含む。例えば、アンテナ装置30の平面図を、切込部が設けられている縁が下側になるように見たとき(図2A)、右上の被挟持部35は右方向を向く端面を含み、左上の被挟持部35は左方向を向く端面を含んでいる。この2つの端面は相互に反対方向を向いている。この2つの端面に誘電体部材40が接することにより、誘電体部材40に対して放射導体31の左右方向の位置が固定される。また、図2Aにおいて、右上の被挟持部35は上方向を向く端面を含み、右下の被挟持部35は下方向を向く端面を含んでいる。この2つの端面は相互に反対方向を向いている。この2つの端面に誘電体部材40が接することにより、誘電体部材40に対して放射導体31の縦方向の位置が固定される。
誘電体部材40に対して放射導体31の位置を固定するために、放射導体31の端面のうち誘電体部材40で覆われている領域を、放射導体31の厚さ方向と直交する任意の方向に関して、誘電体部材40に対する放射導体31の移動を拘束する位置に配置するとよい。ここで、「移動を拘束」とは、自由な移動ができないような状態にすることを意味する。例えば、完全に固定して全く移動できないような状態にすること、及びあるストロークの範囲内でのみ移動できるような状態にすることを意味する。放射導体31が誘電体部材40に対して、任意の方向に関してあるストロークの範囲内でのみ移動できるような状態にすることにより、誘電体部材40からの放射導体31の脱落を防止することができる。また、「任意の方向に関して」とは、「放射導体31の厚さ方向に対して直交するすべての方向に関して」という意味である。
第1実施例では、引出部32の2番目の屈曲箇所322より先端側の部分が、放射導体31に対して平行である。すなわち、この部分はランド52に対しても平行である。引出部32を1箇所のみで屈曲させて高さ方向に延びる先端面をランド52に対向させる構造と比べて、引出部32とランド52とが対向する領域の面積が広くなる。このため、アンテナ装置30と実装基板50との機械的な接着強度を強くすることができる。
また、第1実施例では、誘電体部材40の対向面41が実装基板50の表面に接触した状態で、アンテナ装置30が実装基板50に固定される。このため、実装基板50に設けられたグランド導体53と放射導体31との間隔の、設計値からのずれを小さくすることができる。その結果、放射導体31とグランド導体53とで構成されるパッチアンテナにおいて、ほぼ設計値通りの特性を得ることができる。
次に、第1実施例の変形例について説明する。
第1実施例では、矩形の金属板材の四隅を小さな矩形状に切り落とした平面形状を持つ放射導体31を用いているが、放射導体31をその他の形状としてもよい。例えば、放射導体31を正方形や長方形としてもよい。この場合、正方形や長方形の四隅の近傍を被挟持部35とすればよい。低誘電率化による高利得化及び広帯域化を図ることの十分な効果を得るために、放射導体31の端面の一部から内側に広がる部分を、被挟持部35とするとよい。また、放射導体31の上面及び下面のうち被挟持部35が占める割合を、平面視における面積で1%以上25%以下とすることが好ましい。
また、第1実施例では、放射導体31の四隅の矩形状の切落部33(図1)の端面に沿うL字形の部分を誘電体部材40が挟んでいるが、他の部分を挟む構造としてもよい。例えば、放射導体31の一対の主表面の各々の周縁部の少なくとも一部を含む第1表面領域において、誘電体部材40が放射導体31を挟み、少なくとも一方の主表面の、第1表面領域以外の第2表面領域が露出した構造としてもよい。ここで、「周縁部」とは、主表面の縁を外周線とする環状の領域を意味する。「周縁部の少なくとも一部」であるから、第1表面領域は、主表面の外周線の周方向の全域に亘って配置されていてもよいし、周方向に関して一部にのみ配置されていてもよい。第1実施例では、被挟持部35(図1)の上面及び下面が第1表面領域に相当する。第1表面領域の、周方向と直交する方向の寸法は、誘電体部材40で挟むことによって放射導体31を支持する十分な機械的強度が得られるように決定するとよい。
また、「第2表面領域が露出」とは、第2表面領域が誘電体部材40から露出していることを意味する。すなわち、少なくとも一方の主表面の第2表面領域の上には、放射導体31を挟んでいる誘電体部材40が配置されていない。第2表面領域が露出した構造の例として、放射導体31の第2表面領域が大気またはその他のガスに晒されている構造、第2表面領域が誘電体部材40とは異なる絶縁材料からなる絶縁被膜で覆われている構造等が挙げられる。なお、放射導体31が、ベース金属板と、その表面にメッキされたメッキ層とで構成される場合には、メッキ層の表面を主表面と考えればよい。
第1実施例の図1等では、放射導体31及び誘電体部材40の頂点や稜を角張らせているが、必要に応じて、C面取りやR面取りした構造としてもよい。また、第1実施例では、給電線路51(図3A)を実装基板50の最も上の層(表層)に配置しているが、実装基板50の内層に配置してもよい。
[第2実施例]
次に、図4Aを参照して第2実施例によるアンテナ装置ついて説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置(図1、図2A、図2B)と共通の構成については説明を省略する。
図4Aは、第2実施例によるアンテナ装置30の底面図である。第1実施例では、放射導体31の基本形状の1辺に、切込部34及び引出部32が設けられている。これに対し第2実施例では、放射導体31の基本形状の隣り合う2つの辺の中心に、それぞれ切込部34及び引出部32が設けられている。2本の引出部32がそれぞれ給電線となり、2本の引出部32と放射導体31との接続箇所が、それぞれ給電点となる。平面視において放射導体31の中心と、2つの給電点とをそれぞれ接続する直線は相互に直交する。
次に、第2実施例の優れた効果について説明する。
第2実施例によるアンテナ装置は、相互に直交する2つの偏波を放射することができる。2つの偏波に位相差を与えることで、円偏波等を放射することも可能である。
[第3実施例]
次に、図4Bを参照して第3実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置(図1、図2A、図2B)と共通の構成については説明を省略する。
図4Bは、第3実施例によるアンテナ装置30の底面図である。第3実施例では、放射導体31に切込部34を設ける前の平面形状が円形である。円周上の1箇所に切込部34が設けられており、その最奥部から引出部32が引き出されている。放射導体31の縁の3箇所に被挟持部35が画定されている。3つの被挟持部35は、ほぼ円形の放射導体31の周方向に等間隔に配置されている。被挟持部35が放射導体31の厚さ方向に誘電体部材40によって挟まれることにより、放射導体31が誘電体部材40に支持されている。
次に、第3実施例の優れた効果について説明する。
被挟持部35を周方向に等間隔に配置することにより、放射導体31の厚さ方向と直交する任意の方向(すなわち、すべての方向)に関して、誘電体部材40に対する放射導体31の位置が拘束される。なお、3個以上の複数の被挟持部35を配置してもよい。この場合、複数の被挟持部35の位置を頂点とする多角形の内側に放射導体31の中心が位置するように、被挟持部35を配置するとよい。
次に、図4Cを参照して第3実施例の変形例について説明する。
図4Cは、第3実施例の変形例によるアンテナ装置30の底面図である。本変形例の、放射導体31の形状は、図4Bに示した第3実施例の放射導体31の形状と同一である。図4Cに示した変形例では、1つの被挟持部35が、切込部34の近傍を除く放射導体31のほぼ全周にわたって配置されている。この場合にも、放射導体31の厚さ方向と直交する任意の方向に関して、誘電体部材40に対する放射導体31の移動が拘束される。この効果を得るために、被挟持部35の端面で構成される円弧の中心角が180°より大きくなるように、被挟持部35を配置することが好ましい。
[第4実施例]
次に、図5を参照して第4実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置(図1、図2A、図2B)と共通の構成については説明を省略する。
図5は、第4実施例によるアンテナ装置30の斜視図である。第1実施例では、引出部32(図1)の2番目の屈曲箇所322より先端側の部分が、平面視において放射導体31の切込部34が設けられている縁に対して直角方向に延びている。これに対して第4実施例では、引出部32の2番目の屈曲箇所322より先端側の部分が、平面視において放射導体31の切込部34が設けられている縁に対して斜め方向に延びている。
次に、第4実施例の優れた効果について説明する。
第4実施例では、実装基板50(図3A)に設けられている給電線路51が延びる方向と、アンテナ装置30の平面視における姿勢との関係の自由度が高まる。例えば、平面視において、給電線路51が延びる方向に対して放射導体31の縁が斜めになる姿勢でアンテナ装置30を実装することができる。これにより、実装基板50の配線レイアウトの自由度が高まり、レイアウト設計が容易になるという効果が得られる。
[第5実施例]
次に、図6Aを参照して第5実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置(図1、図2A、図2B)と共通の構成については説明を省略する。
図6Aは、第5実施例によるアンテナ装置30の引出部32及びその近傍の斜視図である。第1実施例(図1)では、引出部32がハンダ60を介して給電線路51に電気的に直接接続(短絡)されている。これに対し第5実施例では、引出部32の2番目の屈曲箇所322より先端の結合部323と、実装基板に設けられた結合部511とが、近接配置されることによって誘導性結合している。すなわち、引出部32と給電線路51とが、誘導性結合によって電気的に接続されている。両者の結合部323と511とは、平面視において重なり、同一方向に延びている。両者の間には、例えば実装基板の表面を覆うソルダーレジスト膜(図示を省略)が配置されている。結合部511は、ビア導体512を介して内層の給電線路51に接続されている。
次に、アンテナ装置側の結合部323と実装基板側の結合部511とが十分に誘導性結合するための好ましい形状及び寸法について説明する。結合部323及び結合部511は、ともに一方向に長い棒状または板状の形状を有している。結合部323と結合部511とは、それらの長手方向が相互に平行になり、両者の間隔が長手方向に関してほぼ一定になる位置関係を有する。結合部323と結合部511との間隔は、アンテナ装置30の動作周波数帯の真空中における中心波長の1/4以上1/2以下とすることが好ましい。さらに、結合部323の厚さ、及び結合部323と結合部511との間隔を、両者が一定の間隔で平行配置されている部分の長さ方向の寸法より小さくすることが好ましい。
次に、第5実施例の優れた効果について説明する。
第1実施例(図1)では、引出部32とランド52とをハンダ60で電気的に接続することにより、アンテナ装置30を実装基板50(図3A)に固定している。第5実施例では、例えばアンテナ装置30の誘電体部材40(図1)を実装基板50に接着剤等を用いて固着させることにより、ハンダを用いることなく給電線路51と放射導体31とを結合させることができる。
次に、第5実施例の変形例について説明する。
第5実施例では、結合部511を表層に配置し、給電線路51を内層に配置しているが、両者を共に表層に配置してもよい。
次に、図6Bを参照して第5実施例の他の変形例について説明する。
図6Bは、本変形例によるアンテナ装置30の引出部32及びその近傍の斜視図である。第5実施例(図6A)では、引出部32の結合部323と、実装基板側の給電線路51に接続された結合部511とが誘導性結合している。これに対し、本変形例では、引出部32の結合部323と、実装基板側の給電線路51に接続された結合部511とが容量性結合することにより、電気的に接続されている。両者を容量性結合させるために、結合部323及び結合部511が、平面的に広がっておりキャパシタを形成している。結合部323と結合部511との間には、例えば実装基板に設けられたソルダーレジスト膜(図示を省略)が配置されている。
次に、アンテナ装置側の結合部323と実装基板側の結合部511とが十分に容量性結合するための好ましい形状及び寸法について説明する。結合部323及び結合部511は、ともに平板状の形状を有し、両者が一定の間隔を隔てて配置されている。結合部323及び結合部511が一定の間隔を隔てて平行に配置されている領域(平面視において相互に重なっている領域)が正方形または長方形である場合、正方形または長方形の一辺の長さを、結合部323の厚さ方向の寸法より長くすることが好ましい。さらに、結合部323と結合部511との間隔を、平面視において両者が重なっている領域の一辺の長さより狭くすることが好ましい。
本変形例においても、第5実施例の場合と同様に、ハンダを用いることなく給電線路51と放射導体31とを結合させることができる。また、結合部323及び511が平面的に広がっているため、アンテナ装置30の実装時における位置ずれ許容閾値が大きくなるという効果が得られる。
[第6実施例]
次に、図7A、図7B及び図7Cを参照して第6実施例によるアンテナ装置及びアンテナモジュールについて説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1から図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図7Aは、第6実施例によるアンテナ装置30の底面図であり、図7Bは、第6実施例によるアンテナ装置30を実装基板50に実装する前の状態を示す断面図であり、図7Cは、実装後の断面図である。第1実施例では、アンテナ装置30の対向面41(図3A、図3B)がほぼ平坦である.これに対し,第6実施例では,対向面41に、放射導体31と平行な第1領域41Aと、放射導体31からの高さが第1領域41Aよりも低い第2領域41Bとが画定されている。第2領域41Bは、第1領域41A内に設けられたほぼ円形の凹部の底面により構成される。
ソルダーレジスト膜54に開口55が設けられている。開口55内にグランド導体53が露出している。この開口55は、アンテナ装置30の対向面41に画定されている第2領域41Bに対向する。
アンテナ装置30を実装する際には、開口55内のグランド導体53に接着剤56を塗布しておく。接着剤56によってアンテナ装置30が実装基板50に固着される。アンテナ装置30を実装した状態で、接着剤56(図7C)は、アンテナ装置30の対向面41の第2領域41Bを構成する凹部内に入り込む。
次に、第6実施例の優れた効果について説明する。第6実施例では、アンテナ装置30の引出部32(図1、図3A)がハンダ60によって実装基板50に固着されるとともに、誘電体部材40が接着剤56によって実装基板50に固着される。このため、アンテナ装置30を実装基板50により強固に固定することができる。
接着剤56は、第2領域41Bを構成する凹部内に入り込み、第1領域41Aにはみ出さない分量とすることが好ましい。接着剤56をこの分量とすることにより、対向面41の第1領域41Aが実装基板50に接触する。従って、第1実施例の場合と同様に、グランド導体53から放射導体31までの間隔の、設計値からのずれを小さくすることができる。
接着剤56をソルダーレジスト膜54に塗布すると、アンテナ装置30を接着した後、アンテナ装置30と接着剤56とが、ソルダーレジスト膜54と共に、実装基板50から脱離してしまう場合がある。第6実施例では、ソルダーレジスト膜54に設けられた開口55を通してグランド導体53に接着剤56が塗布されるため、アンテナ装置30がソルダーレジスト膜54と共に実装基板50から脱落してしまう事態の発生を抑制することができる。
次に、図8Aから図8Dまでの図面を参照して第6実施例の変形例について説明する。
図8A及び図8Bは、それぞれ第6実施例の第1変形例によるアンテナ装置30の断面図及び底面図である。第1変形例では、第2領域41Bの平面形状が角丸正方形である。このように、第2領域41Bの平面形状を円形以外の形状、例えば多角形や角丸多角形としてもよい。
図8C及び図8Dは、それぞれ第6実施例の第2変形例によるアンテナ装置30の断面図及び底面図である。第2変形例では、第2領域41Bが、円環状の平面形状を持つ溝の底面及び側面により構成される。第2領域41Bを円環状の溝で形成すると、第6実施例と比べて、対向面41に対して斜めまたは垂直な面(溝の側面)の面積が増える。対向面41に対して斜めまたは垂直な面に接着剤が接触することにより、実装基板に平行なあらゆる方向においてせん断強度が高くなるという効果が得られる。第2領域41Bを構成する溝の平面形状を、円環状に代えて多角形等の環状にしてもよいし、不定形の環状にしてもよい。ここで、「平面形状」とは、平面視における形状を意味する。
[第7実施例]
次に、図9Aから図9Cまでの図面を参照して、第7実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第6実施例によるアンテナ装置30(図7A、図7B、図7C)と共通の構成については説明を省略する。
図9A及び図9Bは、それぞれ第7実施例によるアンテナ装置30の斜視図及び底面図である。図9Cは、図9Bの一点鎖線9C−9Cにおける断面図である。第6実施例では、対向面41の相対的に低い第2領域41B(図7A、図7B、図7C)が、第1領域41A内に配置された凹部により構成されている。これに対し第7実施例では、ほぼ矩形の対向面41のうち四隅の近傍に第1領域41Aが画定されており、それ以外の領域が、相対的に低い第2領域41Bとされている。すなわち、4つの第1領域41Aが相互に離隔して配置されている。第2領域41Bは平面視においてほぼ十字型の平面形状を有し、対向面41の中心を含む領域から対向面41の縁まで達している。
次に、第7実施例によるアンテナ装置の優れた効果について説明する。
第7実施例においても、第2領域41B内に接着剤を配置することにより、第6実施例と同様に、アンテナ装置30を実装基板50に実装した状態で、第1領域41Aを実装基板50に接触させることができる。また、第1領域41Aが対向面41の四隅に配置されているため、第1領域41Aを実装基板50に接触させることにより、アンテナ装置30の傾き方向の姿勢を安定させることができる。
また、第7実施例においては、対向面41の全域に対して第2領域41Bが占める割合が、第6実施例の場合よりも大きい。このため、接着剤の分量を多くして、アンテナ装置30をより強固に実装基板50(図7B、図7C)に固着することができる。
次に、図10A及び図10Bを参照して第7実施例の変形例によるアンテナ装置について説明する。
図10Aは、第7実施例の変形例によるアンテナ装置30の底面図であり、図10Bは、図10Aの一点鎖線10B−10Bにおける断面図である。本変形例では、第2領域41Bのほぼ中心に円環状の平面形状を持つ凹部41Cが設けられている。アンテナ装置30を実装基板50(図7C)に実装した状態で、接着剤56(図7C)が凹部41C内に侵入している。本変形例では、第2領域41Bに凹部41Cを設けることにより、実装基板50へのアンテナ装置30の固着強度及びせん断強度を、より高めることができる。
[第8実施例]
次に、図11A、図11B、及び図11Cを参照して、第8実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第7実施例によるアンテナ装置(図9A、図9B、図9C)と共通の構成については説明を省略する。
図11A及び図11Bは、それぞれ第8実施例によるアンテナ装置30の斜視図及び底面図であり、図11Cは、図11Bの一点鎖線11C−11Cにおける断面図である。第7実施例では、放射導体31(図9A、図9B、図9C)の下面の全域が誘電体部材40で覆われている。これに対し第8実施例では、放射導体31の被挟持部35が誘電体部材40で挟まれており、放射導体31の上面及び下面のうち被挟持部35以外の領域は誘電体部材40で覆われていない。例えば、放射導体31の誘電体部材40で覆われていない領域は、大気に露出している。放射導体31の四隅にそれぞれ位置する誘電体部材40は相互に4つのブロックに分離されている。
誘電体部材40の4つのブロックの各々の対向面41に、第1領域41Aと、平面形状が円環状の凹部の側面及び底面で構成された第2領域41Bが画定されている。誘電体部材40の4つのブロックの各々の対向面41の第2領域41Bを画定する凹部に接着剤が充填されて、アンテナ装置30が実装基板50(図7B、図7C)に実装される。
次に、第8実施例の優れた効果について説明する。
第8実施例では、誘電体部材40の対向面41に4つの円環状の凹部が設けられているため、1つの凹部(図8C、図8D)が設けられているアンテナ装置30と比べて、実装基板へのアンテナ装置30の固着強度及びせん断強度が強くなるという効果が得られる。また、第8実施例では、放射導体31の上面及び下面の、被挟持部35以外の領域が誘電体部材40で覆われていないため、片面のみが誘電体部材40で覆われていない場合と比べて、放射導体31の周囲の誘電率がさらに低くなる。その結果、アンテナ特性を改善することが可能である。例えば、アンテナの広帯域化及び高利得化を図ることができる。
次に、第8実施例の変形例について説明する。
第8実施例では、対向面41の第2領域41Bの平面形状を円環状にしたが、その他の平面形状を持つ環状にしてもよい。また、円形や角丸多角形等の平面形状を持つ凹部によって第2領域41Bを画定してもよい。
第8実施例では、放射導体31の下面のうち被挟持部35以外の領域を露出させ、誘電体部材40を4つのブロックに分離しているが、棒状または帯状の誘電体部材で4つのブロックを相互に連結してもよい。例えば、放射導体31の下面の外縁部または周縁部を覆い、外縁部または周縁部以外の領域を露出させるように誘電体部材40を配置してもよい。放射導体31の四隅に配置された4つのブロックが相互に連結されて誘電体部材40が一体化されることにより、放射導体31をより安定的に支持することができる。例えば、放射導体31が薄く、十分な機械的強度を持たない場合、誘電体部材40で放射導体31を補強することができる。
[第9実施例]
次に、図12A及び図12Bを参照して第9実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図12Aは、第9実施例によるアンテナ装置30の斜視図である。図12Bは、第9実施例によるアンテナ装置30を実装基板50に実装した状態の断面図であり、図12Aの一点鎖線12B−12Bで示した平面における断面に相当する。
第1実施例(図1、図3A、図3B)では、放射導体31の切込部34の最奥部から引き出された引出部32を実装基板にハンダ60で固着させることによって、アンテナ装置30が実装基板50に固定される。これに対し、第9実施例では、放射導体31の相互に反対方向を向く2つの端面からそれぞれ固着部37が相互に反対方向に向かって延びている。固着部37の幅は、放射導体31の1つの端面の長さと等しい。固着部37の各々は、下方に向かって湾曲しており、その先端面において実装基板50の固着用ランド58にハンダ61によって接続されている。固着部37の先端面が実装基板50の固着用ランド58に接続されることにより、アンテナ装置30が実装基板50に固定される。第9実施例では、放射導体31に第1実施例の切込部34及び引出部32(図1、図2A、図2B)は設けられていない。
また、第1実施例では、誘電体部材40(図1、図2B)が放射導体31の下面をほぼ覆っている。これに対し、第9実施例では、誘電体部材40が4つの個々のブロックに分離されており、4つのブロックがそれぞれ放射導体31の四隅の被挟持部35を挟み込んでいる。放射導体31の上面及び下面の両方の、被挟持部35以外の領域が露出している。アンテナ装置30を実装基板50に実装した状態で、誘電体部材40の4つのブロックの対向面41が実装基板50のソルダーレジスト膜54に接触する。
実装基板50に、表層のグランド導体53及び内層のグランド導体59が設けられている。グランド導体53と59との間に、給電線路51が配置されている。表層のグランド導体53に結合用のスロット65が設けられている。平面視において結合用のスロット65は放射導体31の一部と重なる。また、給電線路51は、平面視において結合用のスロット65と交差、好ましくは直交している。放射導体31は、結合用のスロット65を介して給電線路51に結合しており、給電線路51から放射導体31にスロット結合給電が行われる。
固着用ランド58(図12A)は、実装基板50のグランド導体53、59から電気的に絶縁されており、フローティング状態にされている。このため、固着部37は、第1実施例の引出部32(図1)とは異なり、給電線としては動作しない。
次に、第9実施例の優れた効果について説明する。
第9実施例では、平面視において放射導体31の両側に固着部37が設けられており、この固着部37によってアンテナ装置30が実装基板50に実装される。すなわち、固着部37が、アンテナ装置30を実装基板50に固定させる機能を持つ。このため、第1実施例のように1つの引出部32(図1)によって実装する構造と比べて、アンテナ装置30をより強固に実装基板50に固着することができる。
また、第9実施例では、固着部37が給電線を兼ねていないため、給電の態様に制約されることなく、機械的な固着のみに着目して、固着部37の寸法及び形状を設定することができる。
次に、第9実施例の変形例について説明する。
第9実施例では、固着部37を接続する固着用ランド58をグランド導体53、59から切り離してフローティング状態にしている。その他の構成として、固着用ランド58をグランドに落としてもよい。この構成を採用する場合には、ソルダーレジスト膜54に開口を設け、固着部37の先端面を表層のグランド導体53に接続するとよい。
次に、図13を参照して第9実施例の他の変形例によるアンテナ装置について説明する。本変形例では、固着部37が1番目の屈曲箇所371で下方に向かって屈曲され、1番目の屈曲箇所371よりも先端側の2番目の屈曲箇所372で反対側に屈曲されている。2番目の屈曲箇所372より先端側の部分は、放射導体31に対してほぼ平行である。このような構成とすると、固着部37のうち実装基板50(図12B)の固着用ランド58にハンダ61で固着される部分の面積が大きくなる。その結果、実装基板50へのアンテナ装置30の固着強度を高めることができる。
次に、第9実施例のさらに他の変形例について説明する。
図12A及び図12Bに示した変形例では、給電線路51から放射導体31にスロット結合給電が行われる。スロット結合給電に代えて、第1実施例(図1)のように、放射導体31から引出部32を引き出して、引出部32を給電線路51に直接接続してもよい。また、第5実施例(図6A)のように、引出部32と給電線路51とを誘導性結合させてもよいし、第5実施例の変形例(図6B)のように、引出部32と給電線路51とを容量性結合させてもよい。なお、第1実施例(図1)では、引出部32が、放射導体31を給電線路51に電気的に接続する機能の他に、アンテナ装置30を実装基板50に固定させるための固着部としても機能する。
第9実施例(図12A)及びその変形例(図13B)では、固着部37の幅が、放射導体31の1つの端面の長さと等しいが、固着部37の幅を、放射導体31の1つの端面の長さより細くしてもよい。例えば、固着部37の幅を、第1実施例の引出部32(図1)のように細くしてもよい。
[第10実施例]
次に、図14を参照して第10実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図14は、第10実施例によるアンテナ装置30の斜視図である。誘電体部材40に金属製の複数の固着部38が埋め込まれている。固着部38は、放射導体31に接触しておらず、電気的に接続されていない。例えば、4つの固着部38が、平面視において誘電体部材40の四隅に埋め込まれている。固着部38の各々の表面の一部分が、誘電体部材40の対向面41に露出している。固着部38の露出した面は、放射導体31から見て誘電体部材40の対向面41とほぼ同一の高さに配置されている。
固着部38の各々は、誘電体部材40から容易に脱落しない形状を持つ。例えば、固着部38の各々は、対向面41に対して平行な部分と、この部分に対して鋭角に折り曲げられた部分とを含む。固着部38は、それぞれハンダ62により実装基板の固着用ランド66に固着される。固着部38は、アンテナ装置30を実装基板50(図3A、図3B)に実装するときに、ハンダ62等の接着材料の基礎部分として用いられる。なお、給電線を兼ねる引出部32も、第1実施例の場合と同様に実装基板50のランド52にハンダ60により固着される。
第1実施例では、放射導体31から引き出された引出部32(図1)のうち、2番目の屈曲箇所より先端側の部分を放射導体31に対して平行に配置することにより、実装基板50(図3A)との接触面積を広げている。第10実施例では、引出部32が放射導体31から引き出されて放射導体31の厚さ方向に屈曲され、その先端面が実装基板のランド52に対向する。引出部32は、その先端面においてハンダ60によってランド52に固着される。
次に、第10実施例の優れた効果について説明する。
第10実施例では、給電線を兼ねる引出部32の他に、固着部38においてもアンテナ装置30が実装基板に固着される。第1実施例と比べて固着箇所が多いため、実装基板へのアンテナ装置30の実装強度を増すことができる。
[第11実施例]
次に、図15を参照して第11実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図15は、第11実施例によるアンテナ装置30の斜視図である。第11実施例によるアンテナ装置30は、第1実施例によるアンテナ装置30と同一構造の複数(例えば4個)の個別のアンテナ装置30Rを含んでいる。個別のアンテナ装置30Rの誘電体部材40が接続部42により相互に接続されている。平面視において、4個の個別のアンテナ装置30Rが2行2列の行列状に配置され、行方向及び列方向に隣り合う2つの個別のアンテナ装置30Rの誘電体部材40同士が接続部42により相互に接続されている。誘電体部材40と接続部42とは、一体成型される。
次に、第11実施例の優れた効果について説明する。
第11実施例では、放射導体31の数を増やすことによって、利得の向上を図ることができる。さらに、第1実施例による複数のアンテナ装置30を実装基板50(図3A、図3B)に実装する場合と比べて、複数の個別のアンテナ装置30Rの相対位置の精度を容易に高めることができる。さらに、複数の個別のアンテナ装置30Rの各々に引出部32が設けられており、複数の引出部32によってアンテナ装置30が実装基板50に固着されるため、アンテナ装置30の実装強度を高めることができる。また、複数の個別のアンテナ装置30Rを含むアンテナ装置30をインサート成型によって一体的に作製することにより、製造コストの低下を図ることができる。
次に、第11実施例の変形例について説明する。
第11実施例では4個の個別のアンテナ装置30Rを一体化しているが、2個以上の複数の個別のアンテナ装置30Rを一体化してもよい。また、第11実施例では、行方向及び列方向に隣り合う2つの個別のアンテナ装置30Rの誘電体部材40の間に接続部42を配置している。その他の接続構成として、平面視において4つの個別のアンテナ装置30Rを包含する平板状の誘電体部材により、複数の個別のアンテナ装置30Rの誘電体部材40を連続させてもよい。
次に、図16A及び図16Bを参照して第11実施例の他の変形例によるアンテナ装置について説明する。
図16A及び図16Bは、第11実施例の変形例によるアンテナ装置30の概略平面図である。図16Aに示した変形例においては、個別の複数のアンテナ装置30Rが一次元に、例えば1本の直線に沿って並べられている。図16Aにおいて、個別のアンテナ装置30Rにハッチングを付している。相互に隣り合う2つの個別のアンテナ装置30Rの誘電体部材40が接続部42によって相互に接続されている。個別のアンテナ装置30Rの間隔は一定ではなく、複数の個別のアンテナ装置30Rで構成されるアレイアンテナの中央部から端部に向かって間隔が広くなっている。
図16Bに示した変形例においては、複数の個別のアンテナ装置30Rが二次元的に行列状に配置されている。列方向に隣り合う2つの個別のアンテナ装置30Rの間隔は一定であるが、行方向に隣り合う2つの個別のアンテナ装置30Rの間隔は一定ではない。例えば、複数の個別のアンテナ装置30Rが一体化された1つのアンテナ装置30において、行方向の一方の端部から他方の端部に向かって間隔が広くなっている。
図16Bに示した変形例による2つのアンテナ装置30が、複数の個別のアンテナ装置30Rの配置が鏡面対称になる姿勢で、行方向に並べられている。この2つのアンテナ装置30が列方向に複数個並べられている。個別のアンテナ装置30Rの行方向の間隔は、対称軸から遠ざかるに従って広くなっている。
図16Aまたは図16Bに示した変形例のように、複数の個別のアンテナ装置30Rを不等間隔で配置することにより、サイドローブを抑圧することが可能になる。図16Bに示した変形例では、複数の個別のアンテナ装置30Rを行方向に関して不等間隔に配置し、列方向に関して等間隔に配置しているが、行方向及び列方向の両方向に関して不等間隔に配置してもよい。
[第12実施例]
次に、図17、図18A及び図18Bを参照して第12実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30及びアンテナモジュール(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図17は、第12実施例によるアンテナ装置30の分解斜視図である。第12実施例によるアンテナ装置30は、下パーツ30Lと上パーツ30Uとで構成される。
下パーツ30Lは、放射導体31L、引出部32L及び誘電体部材40Lを含む。放射導体31L、引出部32L及び誘電体部材40Lは、第1実施例によるアンテナ装置30の放射導体31、引出部32及び誘電体部材40とほぼ同様の構成を有する。下パーツ30Lにおいては、放射導体31Lの上面側に配置されている誘電体部材40Lの四隅に位置する上面に、それぞれ突起43が設けられている。
上パーツ30Uは、放射導体31U(第2放射導体)及び誘電体部材40Uを含む。放射導体31Uは、下パーツ30Lの放射導体31Lとほぼ同様の平面形状を有する。すなわち、矩形の四隅を切落した十字状の平面形状を有する。四隅の切落部33Uの端面に沿う被挟持部35Uが、誘電体部材40Uで挟まれて支持されている。なお、放射導体31Lの切落し前の矩形と、放射導体31Uの切落とし前の矩形とが同一の寸法である必要はない。また、放射導体31Uの切落部33Uと、放射導体31Lの切落部33Lとが同一の寸法である必要もない。
上パーツ30Uの放射導体31Uの上面は、その全域が誘電体部材40Uで覆われている。下面は、被挟持部35U以外の領域が露出している。平面視において誘電体部材40Uの形状は、放射導体31Uの切落し前の矩形の形状とほぼ同一である。誘電体部材40Uの、切落部33Uに対応する領域に、上面から下面まで達する貫通孔44が設けられている。下パーツ30Lの4つの突起43を、それぞれ4つの対応する貫通孔44に挿入することにより、下パーツ30Lと上パーツ30Uとの位置合わせが行われる。
図18Aは、アンテナ装置30を組み立てた状態での図17の一点鎖線18A−18Aで示した平面における断面図である。貫通孔44に突起43が挿入されている。突起43の先端は、上パーツ30Uの上面より上方まで突出している。突起43にカシメ加工を行うことにより、上パーツ30Uが下パーツ30Lに固定されている。例えば、突起43のカシメには熱カシメを適用することができる。下パーツ30Lの放射導体31Lと、上パーツ30Uの放射導体31Uとの間に、大気が満たされた空隙が形成される。
下パーツ30Lの放射導体31Lの上面から、誘電体部材40Lの突起43を除いた部分の最上面までの高さをHLで表す。上パーツ30Uの放射導体31Uの下面から、誘電体部材40Uの下面までの高さをHUで表す。放射導体31Lと31Bとの間隔は、HL+HUに等しくなる。
図18Bは、アンテナ装置30を組み立てた状態での図17の一点鎖線18B−18Bで示した平面における断面図である。下パーツ30Lの放射導体31Lと、上パーツ30Uの放射導体31Uとの間に、大気が満たされた空隙が形成されている。放射導体31Lと放射導体31Uとは、電磁界結合する程度に近接配置されている。放射導体31Lと放射導体31Uとは相互に平行に配置されており、両者の間隔は、放射導体31L,31Uの共振方向の寸法よりも狭い。このような構成にすることにより、放射導体31L、31Uの厚さ方向の高次モード共振の発生を抑制し、高い放射効率を得ることができる。
次に、第12実施例の優れた効果について説明する。
第12実施例では、上パーツ30Uの放射導体31Uが無給電素子として働き、スタック型パッチアンテナが構成される。このため、広帯域化を図ることが可能である。放射導体31Lと31Uとの間に空隙が設けられているため、両者の間に誘電体材料が充填されている構成と比べて、放射導体31L、31Uの周辺の実効的な誘電率を低くする(低誘電率化を図る)ことが可能である。
放射導体31Lと放射導体31Uとの間隔HL+HUは、誘電体部材40Lと誘電体部材40Uとの製造プロセス上の寸法精度に依存する。誘電体部材40Lと誘電体部材40Uとの寸法精度を高めることにより、放射導体31Lと放射導体31Uとの間隔HL+HUの寸法精度を高めることができる。
次に、第12実施例の変形例について説明する。
第12実施例では、上パーツ30Uの誘電体部材40Uと、下パーツ30Lの誘電体部材40Lとを、別々に成型された誘電体部材で実現しているが、両者を一体的に成型した単一の部材で実現してもよい。また、本明細書において、誘電体部材40Uと誘電体部材40Lとを合わせて、単に「誘電体部材」という場合がある。
第12実施例では、上パーツ30Uの放射導体31Uの上面の全域が誘電体部材40Uで覆われているが、放射導体31Uの上面の一部分を露出させてもよい。すなわち、放射導体31の上面の一部の領域の上には、誘電体部材40Uを配置しない構造としてもよい。放射導体31Uの上面の一部分を露出させることにより、放射導体31Uの周囲のさらなる低誘電率化を図ることができる。
[第13実施例]
次に、図19、図20A及び図20Bを参照して第13実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第12実施例によるアンテナ装置30(図17、図18A、図18B)と共通の構成については説明を省略する。
図19は、第13実施例によるアンテナ装置30の分解斜視図である。図20A及び図20Bは、それぞれアンテナ装置30を組み立てた状態での図19の一点鎖線20A−20A及び一点鎖線20B−20Bで示した平面における断面図である。
第13実施例では、上パーツ30Uの放射導体31Uの中心に開口39(図19、図20B)が設けられている。下パーツ30Lの放射導体31Lと上パーツ30Uの放射導体31Uとの間にスペーサ40Sが配置されている。スペーサ40Sは、放射導体31Uに設けられた開口39を通って、放射導体31Uの上面を覆う誘電体部材40Uに繋がっている。スペーサ40Sの高さは、HL+HUに等しい。
次に、第13実施例の優れた効果について説明する。
下パーツ30Lの放射導体31Lと誘電体部材40Lとを一体成型した後、金属と樹脂との熱膨張係数の相違に起因して、放射導体31Lが上方にむかって凸になるように湾曲してしまう場合がある。同様に、上パーツ30Uにおいても、放射導体31Uが下方に向かって凸になるように湾曲してしまう場合がある。放射導体31L、31Uが湾曲すると、両者の間隔が設計値からずれ、設計値通りの性能が発揮できなくなる。
第13実施例では、スペーサ40Sが配置されているため、放射導体31L、31Uの湾曲が抑制される。その結果、放射導体31Lと放射導体31Uとの間隔がほぼ設計値通りに維持され、所期の性能を確保することができる。スペーサ40Sは誘電体部材40Uと一体成型されるため、放射導体31L、31Uに対するスペーサ40Sの十分な位置精度を確保することができる。このため、スペーサ40Sを配置することによるアンテナ特性のばらつきの増加を抑制することができる。
放射導体31Uに設ける開口39は、放射導体31Uに誘起される高周波電流の妨げにならない程度に小さくすることが好ましい。また、開口39が、誘電体部材40Uとスペーサ40Sとを一体成型するために、液状の樹脂が通過できる程度に大きくすることが好ましい。開口39の大きさは、高周波電流の妨げにならないこと、及び液状の樹脂が通過できることという条件を満たすように設定するとよい。
次に、第13実施例の変形例について説明する。
第13実施例では、上パーツ30Uの放射導体31Uに開口39を設け、上パーツ30Uの誘電体部材40Uとスペーサ40Sとを一体成型している。逆に、下パーツ30Lの放射導体31Lに開口を設け、下パーツ30Lの誘電体部材40Lとスペーサ40Sとを一体成型してもよい。
第13実施例では、スペーサ40Sを、平面視において放射導体31Uのほぼ中心に配置しているが、放射導体31L、31Uの湾曲を抑制することができる位置であれば、スペーサ40Sを中心からずれた位置に配置してもよい。
[第14実施例]
次に、図21A及び図21Bを参照して、第14実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第12実施例によるアンテナ装置(図17、図18A、図18B)と共通の構成については説明を省略する。
図21Aは、第14実施例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。第14実施例では、下側の放射導体31Lの下面のうち、被挟持部35L以外の領域が大気に露出している。下側の放射導体31Lと上側の放射導体31Uとの間は、第12実施例と同様に空隙になっている。実装基板50に設けられた給電線路51及び放射導体31Lから延びる引出部32Lを介して放射導体31Lに高周波信号が供給される。
図21Bは、比較例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。比較例においては、下側の放射導体31L及び上側の放射導体31Uが、共に実装基板50に作り込まれている。実装基板50の内層に設けられたグランド導体53と放射導体31Lとの間、及び下側の放射導体31Lと上側の放射導体31Uとの間には、実装基板50の誘電体材料が配置されている。
次に、図21Bに示した比較例と対比して、図21Aに示した第14実施例の優れた効果について説明する。
第14実施例では、実装基板50に設けられたグランド導体53と、実装基板50に実装されたアンテナ装置30の下側の放射導体31Lとの間に空隙が設けられている。さらに、第12実施例(図17、図18A、図18B)と同様に、下側の放射導体31Lと上側の放射導体31Uとの間にも空隙が設けられている。このため、図21Bに示した比較例と比べて、放射導体31L、31Uの周辺の実効的な誘電率が低くなるという優れた効果が得られる。
さらに、図21Bに示した比較例では、所望のアンテナ特性に基づいてグランド導体53から上側の放射導体31Uまでの高さが設定される。この高さに基づいて、実装基板50を全体的に厚くしなければならない。これに対し、図21Aに示した第14実施例では、アンテナ装置30が実装基板50に表面実装されるため、比較例と比べて実装基板50を薄くすることができる。実装基板50にフレキシブル基板を用いる場合には、フレキシブル基板が曲げやすくなるという効果が得られる。
[第15実施例]
次に、図22A、図22B、図22Cを参照して第15実施例によるアンテナ装置及びアンテナモジュールについて説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30及びアンテナモジュール(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図22A及び図22Bは、それぞれ第15実施例によるアンテナモジュールの斜視図及び断面図である。図22Cは、アンテナ装置30の放射導体31及びグランド導体45の斜視図である。図22Cにおいては、放射導体31及びグランド導体45を構成する金属板材を、厚さを持たない板として示している。
実装基板50に複数のアンテナ装置30が実装されている。第1実施例では、アンテナ装置30が実装基板50(図3A、図3B)に実装された状態で、放射導体31が実装基板50の表面に対して平行である。これに対し第15実施例では、複数のアンテナ装置30の各々の放射導体31が、実装基板50の表面に対して垂直である。
第1実施例では、放射導体31と、実装基板50に設けられたグランド導体53(図3A、図3B)とによってパッチアンテナが構成される。これに対し第15実施例では、アンテナ装置30がグランド導体45を含んでいる。放射導体31とグランド導体45とがほぼ平行に配置されており、放射導体31とグランド導体45とによりパッチアンテナが構成される。グランド導体45は、少なくとも一部分において誘電体部材40に挟まれることにより誘電体部材40に支持されている。
誘電体部材40は、放射導体31及びグランド導体45に対して垂直な側面を有している。この垂直な側面を実装基板50に対向させた姿勢で、アンテナ装置30が実装基板50に実装される。実装基板50に対向する側面を対向面41ということとする。
放射導体31の平面形状は矩形であり、2つの給電点46A、46Bが設けられている。2つの給電点46A、46Bは、相互に隣り合う2つの辺の中点よりもやや内側に配置されている。放射導体31の2つの給電点46A、46Bからそれぞれ引出部32A、32Bが、放射導体31の厚さ方向に引き出されている。引出部32A、32Bは、給電点46A、46Bから厚さ方向に引き出された後、ほぼ直角に屈曲され、放射導体31に平行な方向に延びて対向面41(図22B)に達する。引出部32A、32Bの先端面が対向面41に露出する。引出部32A、32Bは、放射導体31とグランド導体45との間に配置されている。グランド導体45の端面の一部分が対向面41(図22B)に露出している。グランド導体45に対する平面視において、グランド導体45は放射導体31より大きく、放射導体31を包含している。
実装基板50に、グランド導体53及び複数の給電線路51が設けられている。引出部32A、32Bの先端面がハンダ63により、実装基板50の給電線路51に接続される。グランド導体45が、ハンダ64により、実装基板50のグランド導体53に接続される。さらに、実装基板50の表面及び内層に、パッチアンテナ70が設けられている。実装基板50に高周波集積回路素子57が実装されている。
次に、第15実施例の優れた効果について説明する。
第15実施例では、実装基板50に設けられたパッチアンテナ70は、実装基板50の法線方向に強い指向性を持つ。実装基板50に実装された複数のアンテナ装置30は、グランド導体45から放射導体31に向かう方向に強い指向性を持つ。従って、実装基板50の法線方向とエンドファイア方向との両方に強い指向性を持つアンテナモジュールが実現される。
放射導体31に2箇所の給電点46A、46Bを配置することにより、偏波方向が相互に直交する2種類の電波の送受信を行うことができる。
次に、第15実施例の変形例について説明する。
第15実施例では、1つの放射導体31に2つの給電点46A及び46Bが配置されているが、給電点46A、46Bのうち一方のみを配置してもよい。相互に直交する2種類の偏波面から1つを選択して電波を放射する必要がない場合には、給電点を1つにしてもよい。
第15実施例では、引出部32A、32Bを放射導体31から、一旦厚さ方向に引き出しているが、引出部32A、32Bを放射導体31と共通の平面上に配置してもよい。また、第15実施例ではアンテナ装置30に設けられたグランド導体45を実装基板50に設けられたグランド導体53に電気的に接続しているが、グランド導体45は必ずしも実装基板50のグランド導体53に電気的に接続しなくてもよい。
図23は、第15実施例の他の変形例によるアンテナモジュールの斜視図である。第15実施例では、1つの誘電体部材40に1つの放射導体31が支持されている。図23に示した変形例では、1つの誘電体部材40に複数の放射導体31が支持されている。この構成とすることにより、複数の放射導体31の相対位置の精度を高めることができる。
[第16実施例]
次に、図24A、図24B、図25を参照して第16実施例によるアンテナ装置及びアンテナモジュールについて説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30及びアンテナモジュール(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図24A及び図24Bは、第16実施例によるアンテナモジュールの平面図及び底面図である。実装基板50としてフレキシブル基板が用いられる。実装基板50は、矩形の第1部分50Aと、第1部分50Aの4つの辺からそれぞれ外側に向かって延びる4つの第2部分50Bとを含む。第1部分50A及び第2部分50Bの各々の上面に、複数のアンテナ装置30が実装されている。例えば、第1部分50A及び第2部分50Bの各々の上面に、6個のアンテナ装置30が2行3列、または3行2列の行列状に配置されている。
第1部分50Aの下面に、システムインパッケージ(SiP)モジュール75及びコネクタ76が実装されている。SiPモジュール75は、高周波集積回路素子、高周波集積回路素子の動作に必要な抵抗素子、コンデンサ、インダクタ、DCDCコンバータ等の周辺回路部品を1枚のパッケージ基板に実装したものである。コネクタ76は、実装基板50に設けられた伝送線路を介してSiPモジュール75に接続されている。SiPモジュール75は、実装基板50に設けられた複数の給電線路を介して、それぞれ複数のアンテナ装置30に接続されている。
図25は、図24A及び図24Bの一点鎖線25−25における断面図である。実装基板50が、ほぼ四角錘台の形状を持つ放熱部材77の上面及び斜面に沿うように変形して配置されている。放熱部材77として、単体として存在する金属ブロック(ヒートシンク)を用いてもよいし、通信端末の筐体内に収容されている放熱部材を用いてもよい。第1部分50Aが放熱部材77の上面の上に配置され、第2部分50Bが放熱部材77の斜面の上に配置される。図24Bは、放熱部材77を取り外した状態の底面図である。実装基板50は、複数のネジ78によって放熱部材77に固定されている。
次に、第16実施例の優れた効果について説明する。
第16実施例では、実装基板50にフレキシブル基板が用いられているため、複数のアンテナ装置30の正面方向(放射導体31(図1)の法線方向)を相互に異なる方向に向けることができる。これにより、広指向性アンテナを実現することができる。
また、放射導体31が実装基板50に設けられるのではなく、アンテナ装置30に備えられており、アンテナ装置30が実装基板50に実装される。このため、図21A及び図21Bを比較して説明したように、実装基板50を薄くすることができる。その結果、実装基板50が曲げやすいという優れた効果が得られる。
次に、第16実施例の変形例について説明する。
第16実施例では、実装基板50にSiPモジュール75を実装しているが、高周波集積回路素子、抵抗素子、コンデンサ、インダクタ、DCDCコンバータ等を個別に実装基板50に実装してもよい。
[第17実施例]
次に、図26A及び図26Bを参照して第17実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図26Aは、第17実施例によるアンテナ装置30の放射導体31及びグランド導体45の斜視図である。第17実施例によるアンテナ装置30は、複数、例えば3個の放射導体31、及び1枚のグランド導体45を含む。複数の放射導体31は、グランド導体45に対して平行に配置されている。複数の放射導体31の各々に対応して、グランド導体45に結合用のスロット47が設けられている。グランド導体45をその法線方向から平面視した状態で、放射導体31がグランド導体45に包含されている。
図26Bは、第17実施例によるアンテナ装置30を通信機器の筐体の枠80に実装した状態の断面図である。アンテナ装置30が、枠80を有する筐体内に収容されている。本明細書において、放射導体31と誘電体部材40とを含むアンテナ装置30と、アンテナ装置30を実装した筐体とをまとめてアンテナ装置という場合がある。第17実施例によるアンテナ装置30は、放射導体31、グランド導体45、及び誘電体部材40を含む。誘電体部材40は、放射導体31の一部分、及びグランド導体45の少なくとも一部分を厚さ方向に挟むことにより、放射導体31及びグランド導体45を支持している。グランド導体45から放射導体31を臨む方向と同一の方向を向く誘電体部材40の面を上面と定義し、その反対方向を向く面を下面と定義する。誘電体部材40の上面を筐体の枠80の内面に対向させた姿勢で、接着剤81により、アンテナ装置30が筐体の枠80に実装される。筐体が、アンテナ装置30を機械的に支持する支持部材として機能する。
誘電体部材40の下面に対向するように、実装基板50が筐体内に配置される。グランド導体45は、放射導体31と実装基板50との間に位置する。筐体内に、高周波集積回路素子57(図3A)及びベースバンド集積回路素子67(図3A)が収容されている。例えば、高周波集積回路素子57は実装基板50に実装されている。実装基板50は、表層のグランド導体53、内層のグランド導体59、及び両者の間に配置された給電線路51を含む。また、実装基板50には、高周波集積回路素子57(図3A)が実装されている。給電線路51が、結合用のスロット47を介して放射導体31に結合する。これにより、放射導体31にスロット結合給電が行われる。
アンテナ装置30に設けられたグランド導体45を、実装基板50に設けられた表層のグランド導体53に短絡させることが好ましい。例えば、アンテナ装置30に金属製の板バネを設け、この板バネを介してアンテナ装置30のグランド導体45と実装基板50のグランド導体53とを電気的に接続するとよい。グランド導体45の一部分を変形させて板バネとして利用してもよい。
次に、第17実施例の優れた効果について説明する。
第17実施例では、筐体の枠80に対して所定の位置にアンテナ装置30及び実装基板50を取り付けることにより、実装基板50の給電線路51とアンテナ装置30の放射導体31とを結合させることができる。アンテナ装置30を筐体の枠80以外の筐体の部分に実装してもよい。
次に、図27A及び図27Bを参照して第17実施例の変形例によるアンテナ装置について説明する。
図27A及び図27Bは、第17実施例の変形例によるアンテナ装置30を通信機器の筐体の枠80に実装した状態の断面図である。図27Aに示した変形例では、筐体の枠80に機械的支持部82が設けられている。機械的支持部82は、筐体の枠80から突出する複数のクランプ用の爪を含む。機械的支持部82は、この爪でアンテナ装置30をクランプすることにより、アンテナ装置30を筐体の枠80に支持する。例えば、機械的支持部82は、筐体の枠80に対するアンテナ装置30の姿勢及び位置を特定の状態に維持する。図27Bに示した変形例では、アンテナ装置30の誘電体部材40に、その上面から下面まで貫通する複数の貫通穴が設けられている。この貫通穴を通るネジ83によって、アンテナ装置30が筐体の枠80にネジ止めされている。機械的支持部82を筐体の枠80以外の筐体の部分に設けてもよい。また、筐体の枠80以外の筐体の部分にアンテナ装置30をネジ止めしてもよい。
[第18実施例]
次に、図28Aを参照して、第18実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第17実施例によるアンテナ装置(図26A、図26B)と共通の構成については説明を省略する。
図28Aは、第18実施例によるアンテナ装置を、通信機器の筐体の枠80に搭載した状態の断面図である。内部に空洞が設けられている薄板状の筐体の端面となる枠80の内面に、アンテナ装置30が実装されている。アンテナ装置30は、筐体の端面が向く方向に高い指向性を有する。
次に、図28B、図29、図30を参照して、第18実施例の変形例について説明する。
図28Bは、第18実施例の変形例によるアンテナ装置の概略断面図である。第18実施例では、アンテナ装置30が筐体の枠80の内面に固定されている。これに対し、図28Bに示した変形例では、アンテナ装置30が筐体の枠80に埋め込まれている(埋設または内包されている)。本変形例では、筐体の枠80に対してアンテナ装置30をより強固に固定することができる。
放射導体31の表面の一部を露出させる構成を採用することの効果が減殺されないように、枠80を形成する樹脂と、放射導体31との間に空洞を確保することが好ましい。
図29は、第18実施例の他の変形例によるアンテナ装置の概略断面図である。本変形例では、筐体の枠80に複数のアンテナ装置30(アンテナセル)が取り付けられている。複数のアンテナ装置30の放射導体31の法線方向は、相互に異なる方向を向いている。実装基板50に設けられた複数の給電線路51が、それぞれ複数のアンテナ装置30の放射導体31にスロット結合している。実装基板50にはフレキシブル基板が用いられており、フレキシブル基板は、複数のアンテナ装置30の放射導体31の法線方向の向きに応じて変形している。
図30は、第18実施例のさらに他の変形例によるアンテナ装置を搭載したヘッドマウントディスプレイの斜視図である。ヘッドマウントディスプレイは、ディスプレイ収容部100、フロント支持部101、及び装着バンド102を含む。ディスプレイ収容部100にディスプレイが収容される。ディスプレイ収容部100にフロント支持部101が取り付けられている。装着バンド102がフロント支持部101に接続されている。アンテナ装置30は、ディスプレイ収容部100、フロント支持部101、及び装着バンド102の少なくとも1つに搭載される。ヘッドマウントディスプレイは、人物の頭部に装着して使用される。
例えば、ディスプレイ収容部100に搭載したアンテナ装置30は、ヘッドマウントディスプレイを装着した人物の正面方向に強い指向性を持つ。フロント支持部101に搭載したアンテナ装置30は、ヘッドマウントディスプレイを装着した人物の正面から斜め上方向に強い指向性を持つ。装着バンド102に搭載したアンテナ装置30は、ヘッドマウントディスプレイを装着した人物の側方に強い指向性を持つ。
複数のアンテナ装置30を、それぞれ放射導体31(図1等)の法線方向が異なる姿勢でヘッドマウントディスプレイに実装すると、ヘッドマウントディスプレイを装着した人物が頭の向きを変えても、電波を安定して送受信することができる。
[第19実施例]
次に、図31を参照して第19実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第17実施例によるアンテナ装置30(図26A、図26B)と共通の構成については説明を省略する。
図31は、第19実施例によるアンテナ装置30を通信機器の筐体の枠80に実装した状態の断面図である。第17実施例では、放射導体31と共にパッチアンテナを構成するグランド導体45(図26B)がアンテナ装置30に設けられている。これに対し、第19実施例では、実装基板50に設けられた表層のグランド導体53が、放射導体31と共にパッチアンテナを構成する。グランド導体53は、放射導体31と給電線路51との間に位置する。グランド導体53に給電用のスロット65が設けられている。
次に、第19実施例の優れた効果について説明する。
第19実施例においても、第17実施例の場合と同様に、実装基板50に設けられた給電線路51と放射導体31とが給電用のスロット65を介して結合する。第19実施例ではアンテナ装置30にグランド導体を設けないため、第17実施例と比べて、アンテナ装置30の薄型化、低コスト化を図ることができる。
[第20実施例]
次に、図32A及び図32Bを参照して第20実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第13実施例によるアンテナ装置30(図19、図20A、図20B)と共通の構成については説明を省略する。
図32A及び図32Bは、第20実施例によるアンテナ装置の断面図であり、それぞれ第13実施例の図20A及び図20Bに対応する。第13実施例では、アンテナ装置30(図19、図20A、図20B)の誘電体部材40L、40Uの材料について特に規定していない。第20実施例では、誘電体部材40L、40Uとして、内部に複数の気泡48を包含している樹脂が用いられる。誘電体部材40L、40Uとして、例えば発泡スチロール等を用いることができる。
次に、第20実施例の優れた効果について説明する。
第20実施例では、誘電体部材40L、40Uとして、複数の気泡48を包含する樹脂を用いているため、誘電体部材40L、40Uの低誘電率化を図ることができる。その結果、アンテナの特性向上を図ることが可能になる。
次に、第20実施例の変形例について説明する。第20実施例では、誘電体部材40L、40Uとして複数の気泡48を包含する樹脂を用いたが、気泡の代わりに、ベースとなる樹脂に、ベースとなる樹脂よりも低誘電率の複数のフィラーを含有させてもよい。
次に、図33A及び図33Bを参照して、第20実施例の他の変形例によるアンテナ装置について説明する。
図33Aは、本変形例によるアンテナ装置30の断面図である。図33Bは、図33Aの一点鎖線33B−33Bにおける平断面図である。本変形例では、誘電体部材40L、40Uに液晶ポリマーが用いられる。液晶ポリマーの直鎖49は、射出成型時における液晶ポリマー流体の流れの方向とほぼ平行に配向する。このため、液晶ポリマーの直鎖49は、放射導体31L、31Uの表面近傍において、表面にほぼ平行に配向する。平面視において放射導体31Lのほぼ中心から液晶ポリマーを注入する場合、液晶ポリマーの直鎖49は、放射状に配向する。
次に、第20実施例の本変形例の優れた効果について説明する。
液晶ポリマーには、通常の樹脂に比べて誘電率の低いものが多い。誘電率の低い液晶ポリマーを用いることにより、誘電体部材40L、40Uの誘電率を低下させることができる。その結果、アンテナの特性向上を図ることが可能になる。
液晶ポリマーの誘電率は異方性を持ち、直鎖49に対して直交する方向の誘電率が相対的に低い。誘電体部材40L、40Uの実効的な誘電率を下げるために、直鎖49の配向方向を電界の方向に対して直交させることが好ましい。放射導体31L、31Uの表面の近傍において、電界は表面に対して垂直である。本変形例では、放射導体31L、31Uの表面近傍において、液晶ポリマーの直鎖49が、放射導体31L、31Uの表面に対して平行に配向している。すなわち、液晶ポリマーの直鎖49が、電界と直交する方向に配向している。このため、放射導体31L、31Uの表面の近傍における実効的な誘電率を下げることができる。その結果、アンテナの特性向上を図ることが可能になる。
[第21実施例]
次に、図34A、図34Bを参照して第21実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図34Aは、第21実施例によるアンテナ装置30の放射導体31の斜視図であり、図34Bは、放射導体31及び誘電体部材40の斜視図である。第1実施例では、アンテナ装置30及び実装基板50(図3A、図3B)により、パッチアンテナが構成される。これに対し、第21実施例では、アンテナ装置30及び実装基板(図示せず)のグランド導体によってモノポールアンテナが構成される。
モノポールアンテナの放射導体31は、矩形の金属板材で構成されている。放射導体31の1つの端面(矩形の1つの辺)の中点から、給電線を兼ねる引出部32が引き出されている。引出部32は、放射導体31と共通の平面上に配置されており、その先端面において、実装基板の給電線路に接続される。
放射導体31が、その周縁部において誘電体部材40によって挟まれることにより、誘電体部材40に支持されている。誘電体部材40によって挟まれている部分を被挟持部35ということとする。被挟持部35は、引出部32が引き出されている端面と、その端面に連続する2つの端面とに沿うU字状の形状を有する。
誘電体部材40も、被挟持部35の形状に対応してU字状の形状を有する。誘電体部材40は、放射導体31に直交する対向面41を有しており、対向面41を実装基板に対向させた姿勢でアンテナ装置30が実装基板に実装される。引出部32の先端面は、対向面41に露出している。アンテナ装置30が実装基板に実装された状態で、放射導体31が実装基板に対して垂直になる。モノポールアンテナのグランドとして機能するグランド導体は実装基板に設けられる。
次に、第21実施例の優れた効果について説明する。
金属板材からなる放射導体31の一部の被挟持部35を誘電体部材40で挟んで放射導体31を支持するという構成は、パッチアンテナに限らず、モノポールアンテナにも採用することができる。
次に、図35Aから図35Dまでの図面を参照して、第21実施例の変形例について説明する。
図35Aから図35Dまでの各図面は、第21実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体31の正面図である。図35Aの変形例では、放射導体31が細長い帯状の形状を持つ。図35Bの変形例では、放射導体31が円形である。図35Cの変形例では、放射導体31が三角形であり、放射導体31の一つの頂点から引出部32が引き出されている。図35Dの変形例では、放射導体31が涙の滴(ティアドロップ)形であり、ティアドロップ形の細く突き出た箇所から引出部32が引き出されている。図35Aから図35Dまでの図面に示した変形例のように、放射導体31として、種々の形状の金属板材を用いることができる。
[第22実施例]
次に、図36Aから図36Dまでの図面を参照して第22実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図36Aは、第22実施例によるアンテナ装置30の放射導体31の斜視図であり、図36Bは、放射導体31及び誘電体部材40を含むアンテナ装置30の斜視図である。図36C及び図36Dは、それぞれ第22実施例によるアンテナ装置30の正面図及び側面図である。
第22実施例によるアンテナ装置30の放射導体31は、帯状の金属板材を長手方向に2箇所でほぼ直角に折り曲げた形状を有する。正面から見て放射導体31は、下方に向かって開いたU字状の形状を有する。放射導体31の2つの下方を向く端面は、放射導体31の上面と平行な共通の平面上に位置する。誘電体部材40は、底板40C、2つの角被覆部40D、及び内面被覆部40Eで構成される。
底板40Cは、放射導体31の一方の下端から他方の下端まで架け渡されている。放射導体31の下端の一部は底板40Cに埋め込まれている。言い換えると、下端の一部は、底板40Cの誘電体材料によって挟み込まれている。底板40Cの下方を向く面(以下、対向面41という。)を実装基板に対向させた姿勢でアンテナ装置30が実装基板に実装される。放射導体31の2つの下端の先端面は、底板40Cの対向面41に露出している。
2つの角被覆部40Dは、それぞれ放射導体31の折れ曲がり箇所に配置されており、折れ曲がり箇所の近傍の外側の面、内側の面、及び端面を覆っている。言い換えると、角被覆部40Dは、放射導体31の一部を挟み込んでいる。内面被覆部40Eは、放射導体31の内側の面を覆っている。放射導体31の外側を向く面の大部分は露出している。
放射導体31の2つの下端が、それぞれ実装基板のグランド導体及び給電線路に接続される。これにより、放射導体31はループアンテナとして動作する。
次に、第22実施例の優れた効果について説明する。
金属板材からなる放射導体31の一部の被挟持部35を誘電体部材40で挟んで放射導体31を支持するという構成は、パッチアンテナに限らず、ループアンテナにも採用することができる。また、底板40Cが放射導体31の一方の下端から他方の下端まで架け渡されているため、放射導体31の形状を安定的に維持することができる。
次に、第22実施例の変形例について説明する。第22実施例では、放射導体31を角が直角に折れ曲がったU字状にしているが、角に丸みを持たせてもよい。さらに、放射導体31を半円筒状にしてもよい。
[第23実施例]
次に、図37A及び図37Bを参照して第23実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第1実施例によるアンテナ装置30(図1、図3A、図3B)と共通の構成については説明を省略する。
図37Aは、第23実施例によるアンテナ装置30の放射導体31の斜視図である。放射導体31は1枚の金属板材を抜き打ち加工し、折り曲げることにより作製される。図37Aにおいては、この金属板材を、厚さを持たない板として示している。
放射導体31は、天板31D、及び4枚の側板31Eを含む。天板31Dは、矩形の四隅を正方形状に切り落とした平面形状を有する。4枚の側板31Eは、それぞれ天板31Dの4つの縁から下方に向かって延びる。天板31Dと側板31Eとのなす角度はほぼ直角である。4枚の側板31Eの下側の端面は、天板31Dに平行な共通の平面上に位置する。
天板31Dの1つの縁の中心から内側にむかう切込部34が設けられている。切込部34の最奥部から、給電線を兼ねる引出部32が下方に向かって延びる。引出部32の下端は、側板31Eの下側の端面と共通の平面上に位置する。天板31Dにスロット31Fが設けられている。
図37Bは、第23実施例によるアンテナ装置30の誘電体部材40の斜視図である。誘電体部材40は、4本の下端被覆部40F、4本の柱40G、及び4本の梁40Hを含む。4本の下端被覆部40Fは、それぞれ放射導体31の4枚の側板31E(図37A)の下端を外側と内側から挟む。側板31Eの下方の端面は露出している。4本の柱40Gは、側板31Eの側方の端面に沿う部分を外側と内側から挟むとともに、側方の端面を覆う。相互に隣り合う2枚の側板31Eの相互に近接する一組の側方端面に対して1本の柱40Gが設けられる。4本の梁40Hは、それぞれ天板31Dと側板31Eとの間の折れ曲がり箇所を外側と内側とから挟む。
側板31Eの下方の端面が実装基板(図示せず)のグランド導体に接続され、給電線を兼ねる引出部32の下方の端面が実装基板の給電線路に接続される。放射導体31に高周波信号が供給されると、放射導体31で画定されるキャビティ内で電磁界の共振が生じる。キャビティ内に発生した電磁界がスロット31Fから外部に放射される。
次に、第23実施例の優れた効果について説明する。
金属板材からなる放射導体31の一部の被挟持部35を誘電体部材40で挟んで放射導体31を支持するという構成は、パッチアンテナに限らず、スロットアンテナにも採用することができる。また、4枚の側板31Eの下端が下端被覆部40Fを介して周方向に繋がるため、放射導体31の形状の安定性を高めることができる。
次に、図38A及び図38Bを参照して、第23実施例の変形例について説明する。
図38A及び図38Bは、第23実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体31の斜視図である。図38Aに示した変形例では、4つの側板31Eのうち1つの側板31Eにスロット31Fが設けられている。図38Bに示した変形例では、第23実施例によるアンテナ装置の放射導体31の4つの側板31Eのうち1つの側板31Eが除去されて開口31Gが設けられている。
図38Aに示した変形例では、側板31Eのスロット31Fから外部に電波が放射される。図38Bに示した変形例では、開口31Gから外部に電波が放射される。このように、図38A及び図38Bに示した変形例によるアンテナ装置は、実装基板の厚さ方向に対して直交する横方向に電波を放射することができる。
[第24実施例]
次に、図39Aから図43Bまでの図面を参照して、第24実施例によるアンテナ装置の製造方法について説明する。第24実施例では、第13実施例によるスタック構造のアンテナ装置30(図19、図20A、図20B)を例にとって、製造方法について説明する。
図39Aから図40までの図面は、製造途中段階におけるアンテナ装置30の下パーツ30Lの平面図である。図39Aに示すように、帯状の金属板材90に塑性加工、例えば打ち抜き加工を施すことにより、下パーツ30Lの放射導体31L及び引出部32L(図19)の輪郭形状を形成する。金属板材90として、金属製のコア板材の表面に、コア板材よりも高導電率の金属をメッキしたものを用いる。金属板材90の長手方向に複数の放射導体31Lが連なって形成される。図39Aにおいて、1つの放射導体31Lとなる部分を破線91で囲んでいる。
図39Bに示すように、引出部32Aを屈曲させる。図40に示すように、インサート成型により、放射導体31Lの各々に誘電体部材40L(樹脂部材)を密着させる。これにより、金属板材90と誘電体部材40Lからなる一体成型構造が得られる。この段階で、突起43が形成される。図40は、下パーツ30L(図19)の平面図に相当するため、図40では、放射導体31Lの四隅に誘電体部材40Lが現れているが、四隅の誘電体部材40Lは、放射導体31Lの底面側で相互に繋がっている。
図41A及び図41Bは、製造途中段階におけるアンテナ装置30の上パーツ30Uの平面図である。図41Aに示すように、帯状の金属板材92に塑性加工、例えば打ち抜き加工を施すことにより、上パーツ30Uの放射導体31U(図19)の輪郭形状を形成する。金属板材92として、下パーツ30L用の金属板材90(図39A)と同一の層構造を有するものを用いる。金属板材92の長手方向に複数の放射導体31Uが連なって形成される。図41Aにおいて、1つの放射導体31Uとなる部分を破線93で囲んでいる。この段階で、放射導体31Uのほぼ中心に開口39が設けられる。
図41Bに示すように、インサート成型により、放射導体31Uの各々に誘電体部材40Uを密着させる。これにより、金属板材92と誘電体部材40Uとからなる一体成型構造が得られる。この段階でスペーサ40S及び貫通孔44が形成される。
その後、下パーツ30Lの突起43(図40)を上パーツ30Uの貫通孔44(図41B)に挿入し、カシメ(例えば、熱カシメ)を行うことにより、下パーツ30Lに上パーツ30Uを取り付ける。図42Aは、カシメ後の図40及び図41Bの一点鎖線42A−42Aにおける断面図である。上パーツ30Uの誘電体部材40Uと一体のスペーサ40Sが、下パーツ30Lの放射導体31Lに接触し、放射導体31Lと31Uとの間に空隙が確保されている。
図42Bに示すように、複数の下パーツ30Lが連なっている金属板材90及び複数の上パーツ30Uが連なっている金属板材92からアンテナ装置30を切り離すことにより、アンテナ装置30が完成する。
図43Aは、第24実施例による製造方法で製造したアンテナ装置30の断面図である。下パーツ30Lに上パーツ30Uがカシメにより固定されている。下パーツ30Lの放射導体31Lは、コア板材90Aと、その両面を覆う表面層90Bとの3層構造を有する。表面層90Bには、コア板材90Aとは異なる金属材料が用いられる。塑性加工(図39A)によって形成された端面には、コア板材90Aの端面が露出している。上パーツ30Uの放射導体31Uも、コア板材92Aと、その両面を覆う表面層92Bとの3層構造を有する。表面層92Bには、コア板材92Aとは異なる金属材料が用いられる。
コア板材90A、92Aとして、例えば、リン青銅、黄銅、純銅、洋白、ベリリウム銅、チタン銅、コルソン合金等を用いることができる。特に、塑性加工に適したリン青銅を用いるとよい。表面層90B、92Bは、例えばメッキ法により形成される。表面層90B、92Bとして、表面導電率の増大または電極保護の観点から、Au、Ag、Sn、Pd等を用いるとよい。なお、表面層90B、92Bの下地層として、Ni、Cu等を用いるとよい。
次に、第24実施例の優れた効果について説明する。
下パーツ30Lの放射導体31L、及び上パーツ30Uの放射導体31Uは、それぞれ1枚の金属板材90、92から形成される。このような形成方法は、放射導体31L、31Uを展開すると平面になるような形状としていることにより可能になる。第24実施例による製造方法を適用すると、複数の板材から放射導体を形成する方法と比べて、製造プロセスが簡単化され、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、下パーツ30Lの放射導体31Lと誘電体部材40Lとが、インサート成型により一体化される。さらに、上パーツ30Uの放射導体31Uと誘電体部材40Uとも、同様にインサート成型により一体化される。このため、放射導体31L、31Uをそれぞれ誘電体部材40L、40Uで支持する構造を容易に作製することができる。
塑性加工に適したコア板材90A、92Aを用いることにより、容易に、かつ高精度に金属板材90、92の加工を行うことができる。表面層90B、92Bにより、放射導体31の機械的強度を増したり、化学的劣化を抑制したりすることができる。さらに、コア板材90A、92Aよりも高導電率の表面層90B、92Bを用いることにより、放射導体31L、31Uの十分な電気的特性を確保することができる。
次に、図43Bを参照して第24実施例の変形例について説明する。
図43Bは、第24実施例の変形例による製造方法で作製したアンテナ装置30の断面図である。第24実施例では、コア板材90A、92Aに表面層90B、92Bを形成した後に、塑性加工を行う。これに対し、本変形例では、コア板材90A、92Aの打ち抜き加工を行った後に、表面層90B、92Bを形成する。このため、コア板材90A、92Aの端面も表面層90B、92Bで覆われる。
本変形例では、コア板材90A、92Aの端面も表面層90B、92Bで覆われている。表面層90B、92Bにコア板材90A、92Aより導電率の高い金属材料を用いる場合、放射導体31の表面導電率をより高めることができる。
第24実施例では、板金加工により放射導体31L、31Uを作製しているが、他の方法により作製することも可能である。例えば、粉末状の金属を焼成して放射導体31L、31Uを作製してもよい。
[第25実施例]
次に、図44及び図45を参照して第25実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第5実施例の変形例(図6B)によるアンテナ装置と共通の構成については説明を省略する。
図44は、第25実施例によるアンテナ装置の放射導体31と給電線路51との結合箇所及びその近傍の斜視図である。第25実施例においても、第5実施例の変形例(図6B)と同様に、アンテナ装置30の引出部32の先端の結合部323と、実装基板50の給電線路51に接続された結合部511とが容量性結合している。第25実施例では、平面視において引出部32の結合部323が実装基板50側の結合部511より小さく、結合部511に包含されている。ここで、引出部32の結合部323は、引出部32の先端部分のうち、結合部511に対して平行な対向面を有する部分と定義される。
実装基板50の上面から1層目の導体層に、導体膜からなる結合部511が配置されており、3層目の導体層に給電線路51が配置されている。結合部511は、1層目と2層目との間のビア導体512、2層目の内層ランド513、2層目と3層目との間のビア導体512、及び3層目の内層ランド513を介して給電線路51に接続されている。
1層目の導体層にグランド導体53が配置され、2層目から4層目までの導体層に、それぞれ内層のグランド導体59が配置されている。いずれのグランド導体53、59においても、平面視において結合部511を包含する開口514が設けられている。結合部511、内層ランド513、及びビア導体512は、これらの開口514の内部に配置されている。3層目のグランド導体59は、給電線路51から一定の間隔を隔てて配置されている。給電線路51は、トリプレート構造のストリップラインである。
図45は、第25実施例によるアンテナ装置の一部の断面図である。実装基板50の1層目の導体層の上に、ソルダーレジスト膜54が配置されている。実装基板50の、引出部32の結合部323に対向する面とは反対側の面(以下、下面という。)に、下面のグランド導体59が配置されている。1層目のグランド導体53、及び2層目から4層目までのグランド導体59には開口514が設けられているが、下面のグランド導体59には開口514が設けられていない。4層目のグランド導体59には開口514が設けられているため、3層目の内層ランド513と下面のグランド導体59との間には、金属膜が配置されていない。
1層目の結合部511と、グランド導体53との横方向の最小間隔をG1と表記し、2層目及び3層目の内層ランド513と、それぞれの同一層内のグランド導体53との横方向の最小間隔をG2と表記する。3層目の内層ランド513と下面のグランド導体59との厚さ方向の最小間隔をG3と表記する。引出部32の結合部323と、実装基板50側の結合部511との間隔をG4と表記する。間隔G4は、間隔G1、G2、G3のいずれよりも狭い。
次に、第25実施例の優れた効果について説明する。
第25実施例においても、第5実施例の変形例(図6B)と同様に、ハンダを用いることなく給電線路51と放射導体31とを電磁気的に結合させることができる。さらに、第25実施例では、平面視において一方の結合部323が他方の結合部511より小さく、結合部511に包含されている。アンテナ装置30を実装基板50に実装する際に位置ずれが生じても、そのずれ量が小さければ、平面視において一方の結合部323が他方の結合部511に包含された状態が維持される。このため、一方の結合部323と他方の結合部511とに位置ずれが生じた場合でも、両者の結合の強さを、目標値に維持することができる。また、引出部32の形状にばらつきがあっても、結合部323の対向面の面積が許容範囲内であれば、一方の結合部323と他方の結合部511との結合の強さを、目標値に維持することができる。
アンテナ装置30の位置ずれや、引出部32の加工ばらつきを十分吸収するために、アンテナ装置30の実装時の位置精度や、引出部32の加工精度に応じて、結合部323及び結合部511の平面視における寸法を決定するとよい。例えば、平面視において結合部511に包含される最大の円の直径を、結合部323を包含する最小の円の直径より大きくし、その差を50μm以上とすることが好ましく、100μm以上とすることがより好ましい。
さらに、第25実施例では、間隔G4が、間隔G1、G2、G3のいずれよりも狭い。アンテナ装置30の実装時の位置精度や、引出部32の加工精度に起因して間隔G4にばらつきが生じる。間隔G4がばらついても、間隔G4が、最小間隔G1、G2、G3のいずれよりも狭いという条件が満たされていれば、間隔G4のばらつきが結合部323と結合部511との結合状態に与える影響は小さい。間隔G4がばらついても、上記条件が満たされるように、間隔G1からG4までの大きさを決定するとよい。例えば、間隔G1、G2、G3のうち最小の間隔と、間隔G4との差が、間隔G4の1.2倍以上になるように設計することが好ましい。
次に、図46A及び図46Bを参照して第25実施例の変形例について説明する。
図46Aは、第25実施例の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図である。第25実施例では、実装基板50とアンテナ装置30側の結合部323との間に、空洞が確保されており、空洞には大気が満たされている。これに対して図46Aに示した変形例では、引出部32の先端の結合部323が、接着剤120によって実装基板50に固定されている。結合部323の全体が接着剤120の中に埋め込まれており、結合部323と実装基板50との間の空間が接着剤120で満たされている。
図46Bは、第25実施例の他の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図である。図46Bに示した変形例では、結合部323の対向面は接着剤120に埋め込まれているが、結合部323の、対向面とは反対側の面(上面)は、接着剤120から露出している。本変形例においても、結合部323の対向面と実装基板50との間の空間は、接着剤120で満たされている。
図46A及び図46Bに示した変形例では、結合部323と結合部511との間の空間に、ソルダーレジスト膜54及び接着剤120が満たされており、大気は存在しない。このため、第25実施例(図44、図45)の場合と比べて、結合部323と結合部511との間の静電容量が大きくなる。第25実施例の場合と静電容量が同一という条件の下では、結合部323及び結合部511を小さくすることができる。さらに、引出部32の先端が実装基板50に固定されるため、引出部32が破損しにくいという優れた効果が得られる。
[第26実施例]
次に、図47A及び図47Bを参照して、第26実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第7実施例によるアンテナ装置(図9A、図9B、図9C)と共通の構成については説明を省略する。
図47A及び図47Bは、それぞれ第26実施例によるアンテナ装置の斜視図及び断面図である。第7実施例(図9A、図9B、図9C)では、誘電体部材40の四隅の第1領域41A以外の第2領域41Bに接着剤を塗布し、この接着剤によってアンテナ装置30が実装基板50に固定される。これに対して第26実施例では、四隅の第1領域41Aの底面にそれぞれ接着剤56を塗布している。この接着剤56により、アンテナ装置30が実装基板50に固定される。すなわち、誘電体部材40の底面のうち、相対的に低い第2領域41Bではなく、相対的に高い第1領域4Aに接着剤56が塗布される。
次に、第26実施例の優れた効果について説明する。
第7実施例では、第2領域41Bに接着剤を塗布する際に塗布量が不足して、塗布された接着剤の厚さが、第2領域41Bを基準とした第1領域41Aの高さ未満である場合、十分な接着強度が得られない。十分な接着強度得るためには、第1領域41Aの底面より上まで盛り上がるように接着剤を大量に塗布しなければならない。これに対して第26実施例では、接着剤の量が少なくても、アンテナ装置30を実装基板50に十分強固に固定することができる。
次に、図48A及び図48Bを参照して、第26実施例の変形例によるアンテナ装置について説明する。第26実施例では、アンテナ装置30が1枚の放射導体31を有しているが、以下に説明する変形例では、アンテナ装置30が第12実施例(図17)等のように2枚の放射導体31L、31Uを有する場合について説明するが、これらの変形例において、アンテナ装置30が1枚の放射導体31を有する構成を採用してもよい。
図48Aは、第26実施例の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。第26実施例(図47A、図47B)では、誘電体部材40の底面の第1領域41Aが、実装基板50の上面に対して平行である。これに対して図48Aに示した変形例では、第1領域41Aが球面のように湾曲している。このため、第1領域41Aがそれぞれ実装基板50にほぼ一点で点接触する。接着剤56に複数のフィラー56Fが分散されている。第1領域41Aと実装基板50との間に接着剤56を挟んだ状態でアンテナ装置30を実装基板50に押し付けると、第1領域41Aと実装基板50との間に存在していたフィラー56Fが、第1領域41Aと実装基板50との接触点の側方に移動する。これにより、第1領域41Aを実装基板50に容易に点接触させることができる。
図48Bは、第26実施例の他の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。本変形例では、第1領域41Aの各々が実装基板50の上面に対して傾斜しており、第1領域41Aがそれぞれ実装基板50に線接触する。本変形例においても、第1領域41Aと実装基板50とが線接触する位置からフィラー56Fが側方に排除される。このため、第1領域41Aを実装基板50に容易に線接触させることができる。
図48A及び図48Bに示した変形例では、第1領域41Aと実装基板50とが、点接触または線接触し、フィラー56Fが接触位置から側方に排除されるため、アンテナ装置30の傾斜や、アンテナ装置30の高さのばらつきが生じにくいという優れた効果が得られる。
[第27実施例]
次に、図49及び図50を参照して、第27実施例によるアンテナ装置について説明する。以下、第12実施例におるアンテナ装置(図17、図18A、図18B)と共通の構成については説明を省略する。
図49及び図50は、それぞれ第27実施例によるアンテナ装置の分解斜視図及び断面図である。第12実施例では、下側の放射導体31Lと上側の放射導体31Uとの間の空洞(図18B)が、アンテナ装置30の外部の空間と繋がっている。これに対して第27実施例では、下側の誘電体部材40Lが、下側の放射導体31Lの上面のうち、四隅以外の周縁部の上にも配置されている。上側の誘電体部材40Uの下面の周縁部は、上側の誘電体部材40Uで覆われている。上パーツ30Uを下パーツ30Lに装着すると、下側の誘電体部材40Lのうち放射導体31Lの周縁部に配置された部分と、上側の誘電体部材40Uのうち放射導体31Uの周縁部に配置された部分とが接触する。これにより、放射導体31Lと放射導体31Uとの間の空洞110(図50)が、外部の空間から隔離される。
第7実施例(図9A、図9B、図9C)では、下側の誘電体部材40Lの対向面41の四隅の第1領域41Aが、他の第2領域41Bより高くなっている。このため、下側の誘電体部材40Lの対向面41と実装基板50との間の空洞が、外部の空間に繋がる。これに対して第27実施例では、下側の誘電体部材40Lの対向面41のうち、外周線に沿う周縁部の周方向全域において、内奥部より高くなっている。このため、下側の誘電体部材40Lの対向面41と実装基板50との間の空洞111(図50)が、外部の空間から隔離される。空洞110、111は、外部の空間から大気が侵入できないように気密性を保って隔離される必要はなく、微小なパーティクルや異物の侵入を防止することができる程度に隔離されていればよい。
次に、第27実施例の優れた効果について説明する。
第27実施例では、外部の空間から空洞110、111への異物の侵入が抑制される。これにより、空洞110、111に異物が侵入することによるアンテナ特性の変動を抑制することができる。
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
30 アンテナ装置
30L 下パーツ
30U 上パーツ
30R 個別のアンテナ装置
31、31L 放射導体
31U 放射導体(第2放射導体)
31D 天板
31E 側板
31F スロット
31G 開口
32、32A、32B、32L 引出部
33、33L、33U 切落部
34 切込部
35、35L、35U 被挟持部
36 露出領域
37、38 固着部
39 開口
40、40L、40U 誘電体部材
40C 底板
40D 角被覆部
40E 内面被覆部
40F 下端被覆部
40G 柱
40H 梁
40S スペーサ
41 対向面
41A 第1領域
41B 第2領域
41C 凹部
42 接続部
43 突起
44 貫通孔
45 グランド導体
46A、46B 給電点
47 結合用のスロット
48 気泡
49 液晶ポリマーの直鎖
50 実装基板
50A 実装基板の第1部分
50B 実装基板の第2部分
51 給電線路
52 ランド
53 グランド導体
54 ソルダーレジスト膜
55 開口
56 接着剤
56F フィラー
57 高周波集積回路素子(RFIC)
58 固着用ランド
59 内層のグランド導体
60、61、62、63、64 ハンダ
65 結合用のスロット
66 固着用ランド
67 ベースバンド集積回路素子
70 パッチアンテナ
75 システムインパッケージ(SiP)モジュール
76 コネクタ
77 放熱部材
78 ネジ
80 筐体の枠
81 接着剤
82 機械的支持部
83 ネジ
90 金属板材
90A コア板材
90B 表面層
91 アンテナ装置の1つの下パーツを囲む破線
92 金属板材
92A コア板材
92B 表面層
93 アンテナ装置の1つの上パーツを囲む破線
100 ディスプレイ収容部
101 フロント支持部
102 装着バンド
110、111 空洞
120 接着剤
321 引出部の1番目の屈曲箇所
322 引出部の2番目の屈曲箇所
323 引出部の結合部
371 固着部の1番目の屈曲箇所
372 固着部の2番目の屈曲箇所
511 給電線路の結合部
512 ビア導体
513 内層ランド
514 開口
図1は、第1実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図2A及び図2Bは、それぞれ第1実施例によるアンテナ装置の平面図及び底面図である。 図3Aは、図2A及び図2Bの一点鎖線3A−3Aにおける断面図であり、図3Bは、図2A及び図2Bの一点鎖線3B−3Bにおける断面図である。 図4Aは、第2実施例によるアンテナ装置の平面図であり、図4B及び図4Cは、第3実施例及びその変形例によるアンテナ装置の平面図である。 図5は、第4実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図6A及び図6Bは、それぞれ第5実施例及びその変形例によるアンテナ装置の引出部及びその近傍の斜視図である。 図7Aは、第6実施例によるアンテナ装置の底面図であり、図7Bは、第6実施例によるアンテナ装置を実装基板に実装する前の状態を示す断面図であり、図7Cは、実装後の断面図である。 図8A及び図8Bは、それぞれ第6実施例の第1変形例によるアンテナ装置の断面図及び底面図であり、図8C及び図8Dは、それぞれ第6実施例の第2変形例によるアンテナ装置の断面図及び底面図である。 図9A及び図9Bは、それぞれ第7実施例によるアンテナ装置の斜視図及び底面図であり、図9Cは、図9Bの一点鎖線9C−9Cにおける断面図である。 図10Aは、第7実施例の変形例によるアンテナ装置の底面図であり、図10Bは、図10Aの一点鎖線10B−10Bにおける断面図である。 図11A及び図11Bは、それぞれ第8実施例によるアンテナ装置の斜視図及び底面図であり、図11Cは、図11Bの一点鎖線11C−11Cにおける断面図である。 図12Aは、第9実施例によるアンテナ装置の斜視図であり、図12Bは、図12Aの一点鎖線12B−12Bで示した平面における断面図である。 図13は、第9実施例の変形例によるアンテナ装置の斜視図である。 図14は、第10実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図15は、第11実施例によるアンテナ装置の斜視図である。 図16A及び図16Bは、第11実施例の変形例におけるアンテナ装置の概略平面図である。 図17は、第12実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図18Aは、アンテナ装置を組み立てた状態での図17の一点鎖線18A−18Aで示した平面における断面図であり、図18Bは、アンテナ装置を組み立てた状態での図17の一点鎖線18B−18Bで示した平面における断面図である。 図19は、第13実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図20Aは、アンテナ装置を組み立てた状態での図19の一点鎖線20A−20Aで示した平面における断面図であり、図20Bは、アンテナ装置を組み立てた状態での図19の一点鎖線20B−20Bで示した平面における断面図である。 図21Aは、第14実施例によるアンテナモジュールの模式的な断面図であり、図21Bは、比較例によるアンテナモジュールの模式的な断面図である。 図22A及び図22Bは、それぞれ第15実施例によるアンテナモジュールの斜視図及び断面図であり、図22Cは、アンテナ装置の放射導体及びグランド導体の斜視図である。 図23は、第15実施例の他の変形例によるアンテナモジュールの斜視図である。 図24A及び図24Bは、第16実施例によるアンテナモジュールの平面図及び底面図である。 図25は、図24A及び図24Bの一点鎖線25−25における断面図である。 図26Aは、第17実施例によるアンテナ装置の放射導体及びグランド導体の斜視図であり、図26Bは、第17実施例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図27A及び図27Bは、第17実施例の変形例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図28Aは、第18実施例によるアンテナモジュールが搭載された通信機器の筐体の枠の断面図であり、図28Bは、第18実施例の変形例によるアンテナモジュールが搭載された通信機器の筐体の枠の概略断面図である。 図29は、第18実施例の他の変形例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に搭載した状態の概略断面図である。 図30は、第18実施例のさらに他の変形例によるアンテナ装置を搭載したヘッドマウントディスプレイの斜視図である。 図31は、第19実施例によるアンテナ装置を通信機器の筐体の枠に実装した状態のアンテナモジュールの断面図である。 図32A及び図32Bは、第20実施例によるアンテナ装置の断面図であり、それぞれ第13実施例の図20A及び図20Bに対応する。 図33Aは、第20実施例の変形例によるアンテナ装置の断面図であり、図33Bは、図33Aの一点鎖線33B−33Bにおける平断面図である。 図34Aは、第21実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図34Bは、放射導体及び誘電体部材の斜視図である。 図35A、図35B、図35C及び図35Dは、第21実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体の正面図である。 図36Aは、第22実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図36Bは、放射導体及び誘電体部材の斜視図であり、図36C及び図36Dは、それぞれ第22実施例によるアンテナ装置の正面図及び側面図である。 図37Aは、第23実施例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図であり、図37Bは、第23実施例によるアンテナ装置の誘電体部材の斜視図である。 図38A及び図38Bは、第23実施例の変形例によるアンテナ装置の放射導体の斜視図である。 図39A及び図39Bは、第24実施例によるアンテナ装置の製造方法の製造途中段階におけるアンテナ装置の下パーツの平面図である。 図40は、製造途中段階におけるアンテナ装置の下パーツの平面図である。 図41A及び図41Bは、製造途中段階におけるアンテナ装置の上パーツの平面図である。 図42A及び図42Bは、それぞれカシメ後、及びアンテナ装置切り離し後の図40及び図41Bの一点鎖線42A−42Aにおける断面図である。 図43Aは、第24実施例による製造方法で製造したアンテナ装置の断面図であり、図43Bは、第24実施例の変形例による製造方法で作製したアンテナ装置の断面図である。 図44は、第25実施例によるアンテナ装置の放射導体と給電線路との結合箇所及びその近傍の斜視図である。 図45は、第25実施例によるアンテナ装置の一部の断面図である。 図46Aは、第25実施例の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図であり、図46Bは、第25実施例の他の変形例によるアンテナ装置の一部の断面図である。 図47A及び図47Bは、それぞれ第26実施例によるアンテナ装置の斜視図及び断面図である。 図48Aは、第26実施例の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図であり、図48Bは、第26実施例の他の変形例によるアンテナ装置の模式的な断面図である。 図49は、第27実施例によるアンテナ装置の分解斜視図である。 図50は、第27実施例によるアンテナ装置の断面図である。
図4Aは、第2実施例によるアンテナ装置30の平面図である。第1実施例では、放射導体31の基本形状の1辺に、切込部34及び引出部32が設けられている。これに対し第2実施例では、放射導体31の基本形状の隣り合う2つの辺の中心に、それぞれ切込部34及び引出部32が設けられている。2本の引出部32がそれぞれ給電線となり、2本の引出部32と放射導体31との接続箇所が、それぞれ給電点となる。平面視において放射導体31の中心と、2つの給電点とをそれぞれ接続する直線は相互に直交する。
図4Bは、第3実施例によるアンテナ装置30の平面図である。第3実施例では、放射導体31に切込部34を設ける前の平面形状が円形である。円周上の1箇所に切込部34が設けられており、その最奥部から引出部32が引き出されている。放射導体31の縁の3箇所に被挟持部35が画定されている。3つの被挟持部35は、ほぼ円形の放射導体31の周方向に等間隔に配置されている。被挟持部35が放射導体31の厚さ方向に誘電体部材40によって挟まれることにより、放射導体31が誘電体部材40に支持されている。
次に、図4Cを参照して第3実施例の変形例について説明する。
図4Cは、第3実施例の変形例によるアンテナ装置30の平面図である。本変形例の、放射導体31の形状は、図4Bに示した第3実施例の放射導体31の形状と同一である。図4Cに示した変形例では、1つの被挟持部35が、切込部34の近傍を除く放射導体31のほぼ全周にわたって配置されている。この場合にも、放射導体31の厚さ方向と直交する任意の方向に関して、誘電体部材40に対する放射導体31の移動が拘束される。この効果を得るために、被挟持部35の端面で構成される円弧の中心角が180°より大きくなるように、被挟持部35を配置することが好ましい。
次に、第9実施例のさらに他の変形例について説明する。
図12A及び図12Bに示した第9実施例では、給電線路51から放射導体31にスロット結合給電が行われる。スロット結合給電に代えて、第1実施例(図1)のように、放射導体31から引出部32を引き出して、引出部32を給電線路51に直接接続してもよい。また、第5実施例(図6A)のように、引出部32と給電線路51とを誘導性結合させてもよいし、第5実施例の変形例(図6B)のように、引出部32と給電線路51とを容量性結合させてもよい。なお、第1実施例(図1)では、引出部32が、放射導体31を給電線路51に電気的に接続する機能の他に、アンテナ装置30を実装基板50に固定させるための固着部としても機能する。
第9実施例(図12A)及びその変形例(図13)では、固着部37の幅が、放射導体31の1つの端面の長さと等しいが、固着部37の幅を、放射導体31の1つの端面の長さより細くしてもよい。例えば、固着部37の幅を、第1実施例の引出部32(図1)のように細くしてもよい。
下パーツ30Lの放射導体31Lの上面から、誘電体部材40Lの突起43を除いた部分の最上面までの高さをHLで表す。上パーツ30Uの放射導体31Uの下面から、誘電体部材40Uの下面までの高さをHUで表す。放射導体31Lと31Uとの間隔は、HL+HUに等しくなる。
誘電体部材40の下面に対向するように、実装基板50が筐体内に配置される。グランド導体45は、放射導体31と実装基板50との間に位置する。筐体内に、高周波集積回路素子57(図3A)及びベースバンド集積回路素子67(図3A)が収容されている。実装基板50は、表層のグランド導体53、内層のグランド導体59、及び両者の間に配置された給電線路51を含む。また、実装基板50には、高周波集積回路素子57(図3A)が実装されている。給電線路51が、結合用のスロット47を介して放射導体31に結合する。これにより、放射導体31にスロット結合給電が行われる。
図39Bに示すように、引出部32Lを屈曲させる。図40に示すように、インサート成型により、放射導体31Lの各々に誘電体部材40L(樹脂部材)を密着させる。これにより、金属板材90と誘電体部材40Lからなる一体成型構造が得られる。この段階で、突起43が形成される。図40は、下パーツ30L(図19)の平面図に相当するため、図40では、放射導体31Lの四隅に誘電体部材40Lが現れているが、四隅の誘電体部材40Lは、放射導体31Lの底面側で相互に繋がっている。
1層目の結合部511と、グランド導体53との横方向の最小間隔をG1と表記し、2層目及び3層目の内層ランド513と、それぞれの同一層内のグランド導体59との横方向の最小間隔をG2と表記する。3層目の内層ランド513と下面のグランド導体59との厚さ方向の最小間隔をG3と表記する。引出部32の結合部323と、実装基板50側の結合部511との間隔をG4と表記する。間隔G4は、間隔G1、G2、G3のいずれよりも狭い。
図47A及び図47Bは、それぞれ第26実施例によるアンテナ装置の斜視図及び断面図である。第7実施例(図9A、図9B、図9C)では、誘電体部材40の四隅の第1領域41A以外の第2領域41Bに接着剤を塗布し、この接着剤によってアンテナ装置30が実装基板50に固定される。これに対して第26実施例では、四隅の第1領域41Aの底面にそれぞれ接着剤56を塗布している。この接着剤56により、アンテナ装置30が実装基板50に固定される。すなわち、誘電体部材40の底面のうち、相対的に低い第2領域41Bではなく、相対的に高い第1領域41Aに接着剤56が塗布される。
図49及び図50は、それぞれ第27実施例によるアンテナ装置の分解斜視図及び断面図である。第12実施例では、下側の放射導体31Lと上側の放射導体31Uとの間の空洞(図18B)が、アンテナ装置30の外部の空間と繋がっている。これに対して第27実施例では、下側の誘電体部材40Lが、下側の放射導体31Lの上面のうち、四隅以外の周縁部の上にも配置されている。上側の放射導体31Uの下面の周縁部は、上側の誘電体部材40Uで覆われている。上パーツ30Uを下パーツ30Lに装着すると、下側の誘電体部材40Lのうち放射導体31Lの周縁部に配置された部分と、上側の誘電体部材40Uのうち放射導体31Uの周縁部に配置された部分とが接触する。これにより、放射導体31Lと放射導体31Uとの間の空洞110(図50)が、外部の空間から隔離される。
第7実施例(図9A、図9B、図9C)では、誘電体部材40の対向面41の四隅の第1領域41Aが、他の第2領域41Bより高くなっている。このため、誘電体部材40の対向面41と実装基板50との間の空洞が、外部の空間に繋がる。これに対して第27実施例では、下側の誘電体部材40Lの対向面41のうち、外周線に沿う周縁部の周方向全域において、内奥部より高くなっている。このため、下側の誘電体部材40Lの対向面41と実装基板50との間の空洞111(図50)が、外部の空間から隔離される。空洞110、111は、外部の空間から大気が侵入できないように気密性を保って隔離される必要はなく、微小なパーティクルや異物の侵入を防止することができる程度に隔離されていればよい。

Claims (20)

  1. 相互に反対方向を向く一対の主表面を有する金属板材からなる放射導体と、
    前記一対の主表面の各々の周縁部の少なくとも一部を含む第1表面領域において、前記放射導体を前記放射導体の厚さ方向に挟んで前記放射導体を保持する誘電体部材と
    を有し、
    前記一対の主表面の少なくとも一方の、前記第1表面領域以外の第2表面領域が露出しているアンテナ装置。
  2. 前記誘電体部材は、前記一対の主表面のうち一方の主表面の前記第1表面領域から端面を経由して他方の主表面の前記第1表面領域に至る連続する領域を覆っている請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記放射導体の端面のうち前記誘電体部材で覆われている領域は、前記放射導体の厚さ方向と直交する任意の方向に関して、前記誘電体部材に対して前記放射導体を固定する位置に配置されている請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. さらに実装基板を有し、
    前記誘電体部材は、前記実装基板に対向する対向面を有し、前記対向面の少なくとも一部の領域が接着剤によって前記実装基板に接着されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記対向面は第1領域と第2領域とを含み、前記放射導体から前記第1領域までの高さが、前記放射導体から前記第2領域までの高さより高く、前記第1領域及び前記第2領域の一方が前記実装基板に接着されている請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第2領域は、平面視において前記第1領域の内部に設けられた環状の平面形状を持つ凹部により画定されており、前記第2領域が前記実装基板に接着されている請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 平面視において前記第2領域の内部に、環状の平面形状を持つ凹部が設けられており、前記凹部の中に前記接着剤が侵入しており、前記第2領域が前記実装基板に接着されている請求項5に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1領域は前記実装基板に点接触または線接触しており、
    前記接着剤がフィラーを含み、
    前記第1領域が前記接着剤によって前記実装基板に接着されている請求項5に記載のアンテナ装置。
  9. さらに、
    実装基板と、
    前記放射導体から引き出された固着部と
    を有し
    前記固着部は、前記放射導体と同一の金属板材で形成され、先端が前記誘電体部材から露出しており、露出した部分が前記実装基板に固着されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  10. さらに、
    実装基板と、
    前記誘電体部材に固定された金属製の固着部と
    を有し、
    前記誘電体部材は、前記実装基板に対向する対向面を有し、
    前記固着部は、前記放射導体に接触しておらず、前記誘電体部材の対向面に露出しており、前記固着部が前記実装基板に固着されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  11. さらに、前記放射導体に対して平行に配置され、前記放射導体に近接配置された第2放射導体を有し、
    前記第2放射導体は金属板材で形成されており、前記第2放射導体の一部分が前記誘電体部材で厚さ方向に挟まれており、前記放射導体と前記第2放射導体との間に空隙を有する請求項4乃至10いずれか1項に記載のアンテナ装置。
  12. さらに、前記放射導体と前記第2放射導体との間に配置されたスペーサを有する請求項11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記実装基板に給電線路が設けられており、前記放射導体は前記給電線路に電磁気的に結合している請求項4乃至12のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  14. さらに、前記放射導体から引き出された引出部を有し、
    前記引出部は、前記放射導体と同一の金属板材で形成され、先端が前記誘電体部材から露出しており、
    前記実装基板は、前記給電線路に接続されたランドを有し、
    前記引出部の先端が前記ランドに導電性材料で固着されている請求項13に記載のアンテナ装置。
  15. さらに、前記放射導体から引き出された引出部を有し、
    前記引出部は、前記放射導体と同一の金属板材で形成され、先端が前記誘電体部材から露出しており、
    前記引出部の先端が前記給電線路に誘導性結合及び容量性結合の一方により結合している請求項13に記載のアンテナ装置。
  16. 前記引出部の先端が、前記放射導体からの引出箇所よりも前記実装基板に近づくように、前記引出部が屈曲されている請求項14または15に記載のアンテナ装置。
  17. 前記放射導体と前記給電線路との間に配置されたグランド導体を、さらに有し、
    前記放射導体と前記給電線路とが、前記グランド導体に設けられたスロットを介してスロット結合している請求項13に記載のアンテナ装置。
  18. 前記実装基板はフレキシブル基板であり、
    各々が前記放射導体と前記誘電体部材とを含む複数のアンテナセルが、前記実装基板に実装されており、
    前記複数のアンテナセルの一部が実装された前記実装基板の表面と、前記複数のアンテナセルの他の一部が実装された前記実装基板の表面とが、相互に異なる方向を向いている請求項4乃至17のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  19. 請求項4乃至18のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記実装基板に実装され、前記放射導体に高周波信号を供給し、または前記放射導体から高周波信号が入力される高周波集積回路素子と
    を有するアンテナモジュール。
  20. 請求項19に記載のアンテナモジュールと、
    前記高周波集積回路素子に中間周波信号またはベースバンド信号を供給するベースバンド集積回路素子と
    を有する通信装置。
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