JP2020147796A - Uoe鋼管用の溶接金属及びそれを溶接部に有するuoe鋼管 - Google Patents

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浩久 田邉
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出 湊
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勇次 荒井
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Abstract

【課題】応力除去焼鈍後に引張強さ、かつ靭性に優れるUOE鋼管用の溶接金属を提供する。【解決手段】溶接金属は、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.01〜0.10未満、Mn:1.00〜1.80%、Cr:0.10〜1.00%、O:0.010〜0.040%、Ti:0.005〜0.100%、Al:0.005〜0.050%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜1.00%、B:0.0001〜0.0055%、Nb:0.01〜0.10%、V:0.01〜0.10%、Mo:0.01〜0.30%、残部Fe及び不純物からなり、式(1)及び式(2)を満たし、応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満、0℃でのシャルピー吸収エネルギーが50J以上である。((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3(1)、1.50≦Mn+Cr≦1.90(2)【選択図】図1

Description

本発明は、溶接金属及びそれを溶接部に有する鋼管、さらに詳しくは、UOE鋼管用の溶接金属及びそれを溶接部に有するUOE鋼管に関する。
掘削された原油や天然ガスを長距離搬送するパイプラインは、複数のラインパイプで構成される。ラインパイプには、安全性の観点から高い靭性が要求される。ラインパイプ用の鋼管として、UOE鋼管が利用される場合がある。UOE鋼管とは、厚板を特殊なプレス機でU字状とした後、O字状に成形して、接合部をアーク溶接した後、内側からエキスパンダーで拡管(E)して所定の寸法に仕上げた鋼管である。ラインパイプ用のUOE鋼管には、優れた靭性が求められる。
特開平8−269566号公報(特許文献1)、特開2001−121289号公報(特許文献2)、特開2001−158939号公報(特許文献3)、特開2002−060905号公報(特許文献4)、特開2013−023714号公報(特許文献5)、特開2013−023713号公報(特許文献6)及び特開2016−151052号公報(特許文献7)は、靭性を高めた溶接金属を提案する。
特許文献1〜特許文献6には、主に、製品強度上昇に直結する合金元素(たとえばNb、Si、V等)量を低減して、応力除去焼鈍(以下、SRともいう)後の強度上昇をできるだけ抑制することにより、溶接金属の靭性を高める技術が記載されている。
特許文献7には、特許文献1〜特許文献6の技術とは異なる手段により、SR後の溶接金属の靭性を確保する技術が記載されている。
特開平8−269566号公報 特開2001−121289号公報 特開2001−158939号公報 特開2002−060905号公報 特開2013−023714号公報 特開2013−023713号公報 特開2016−151052号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献7では、SR後の靭性確保のために、高価な元素であるMo、Ni及び希土類元素等を、溶接金属中に高い含有量で含有する。特許文献7ではさらに、対象となる製品強度が高すぎる。そのため、特許文献1〜特許文献7の技術では、コストが極めて高い。中程度の製品強度レベル(引張強さ600〜760MPa未満)において、コスト増を招かず、かつ合金成分制御に大きな制約がなく、SR後の靭性に優れる溶接鋼管の製造技術は、いまだ確立されていない。
本発明の目的は、応力除去焼鈍後に中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)を有し、かつ、応力除去焼鈍後の靭性に優れるUOE鋼管用の溶接金属及びそれを溶接部に有するUOE鋼管を提供することである。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属は、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.01〜0.10未満、Mn:1.00〜1.80%、Cr:0.10〜1.00%、O:0.010〜0.040%、Ti:0.005〜0.100%、Al:0.005〜0.050%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜1.00%、B:0.0001〜0.0055%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、N:0.0100%以下、Nb:0.01〜0.10%、V:0.01〜0.10%、Mo:0.01〜0.30%、W:0〜0.10%、Bi:0〜0.020%、Ca:0〜0.010%、Mg:0〜0.010%、REM:0〜0.010%、Zr:0〜0.010%、及び、残部Fe及び不純物からなり、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有し、応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満であり、応力除去焼鈍後の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0が50J以上である。
((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3 (1)
1.50≦Mn+Cr≦1.90 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管は、上記の化学組成を有するUOE鋼管用の溶接金属を溶接部に有する。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属及びそれを溶接部に有するUOE鋼管は、応力除去焼鈍後に中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)を有し、かつ、応力除去焼鈍後の靭性に優れる。
図1は、F1=((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)と応力除去焼鈍後の溶接金属の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー(SR後靭性)vE0(J)との関係を示す図である。
本発明者らは、上述の課題を解決するために調査及び検討を行った。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
応力除去焼鈍(SR)後の靭性を高めるためには、Pの粒界偏析を抑制すればよい。SR中にPの粒界偏析が促進されれば、粒界脆化が促進される。その結果、SR後の溶接金属の靭性が大きく低下する。したがって、Pの粒界偏析を抑制すれば、SR後の溶接金属の靭性が高まる。一般的に、Mo及びBは、Pの粒界偏析を抑制するといわれている。
しかしながら、本発明者らは、Mo及びBが粒界析出物の生成も促進することに着目した。粒界析出物とは、たとえば粒界炭化物である。粒界炭化物とはたとえば、M23(C,B)6(Mは置換型元素)、M2(CB)やM3(CB)などである。粒界析出物は、SR中に粗大化すると、SR後の溶接金属の靭性を大きく低下させる。したがって、粗大な粒界析出物の析出を抑制する必要がある。
上記の知見を基に、本発明者らは、Pの粒界偏析及び粗大な粒界析出物の析出に関わる元素であるMn、Mo、Cr及びBの含有量と、SR後の溶接金属の靭性との関係について、種々調査を行った。図1は、F1=((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)とSR後の溶接金属の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー(SR後靭性)vE0(J)との関係を示す図である。図1は、後述の実施例により得られた。
図1を参照して、F1が20.3を超える場合、SR後の溶接金属の靭性は低い値で一定である。一方、F1が20.3未満になれば、SR後の溶接金属の靭性が顕著に高まる。つまり、F1=20.3付近に、変曲点が存在する。
以上より、UOE鋼管用の溶接金属の化学組成が、その他の組成を満たした上で、式(1)を満たせば、Pの粒界偏析が抑制され、かつ、粗大な粒界析出物の析出を抑制できる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。
((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F1=((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)と定義する。F1は、SR後の溶接金属の靭性の指標である。具体的には、F1が20.3以上であれば、SR中のPの粒界偏析は抑制されるものの、粗大な粒界析出物が析出する場合や、粒界析出物が粗大でなくてもPの粒界偏析がかえって大きくなり過ぎる場合がある。その結果、SR後の溶接金属の靭性が大きく低下する。したがって、F1は20.3未満である。
本発明者らはさらに、SR後の溶接金属の靭性を高めるために、アシキュラーフェライトに着目した。本明細書において、アシキュラーフェライトとは、溶接後の冷却中に、溶接金属中に存在する酸化物系介在物を起点に核生成・成長し、結晶粒の内部に析出した炭化物を含まず、尖った形状を有するフェライト粒である。アシキュラーフェライトは、通称、針状フェライトともいう。ここで、尖った形状とは、結晶粒断面(成長方向に平行)が直線状又は波線状の粒界を有し、結晶粒断面の粒界周長が、その結晶粒断面の等面積円の円周長の1.5倍以上となる形状を指す。
アシキュラーフェライトは、本願のような中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)を有するUOE鋼管用の溶接金属においては、SR後の靭性を高める。そこで、本発明者らは、アシキュラーフェライトを得るための化学組成について種々検討した。
その結果、本発明者らは、UOE鋼管用の溶接金属が、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.01〜0.10未満、Mn:1.00〜1.80%、Cr:0.10〜1.00%、O:0.010〜0.040%、Ti:0.005〜0.100%、Al:0.005〜0.050%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜1.00%、B:0.0001〜0.0055%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、N:0.0100%以下、Nb:0.01〜0.10%、V:0.01〜0.10%、Mo:0.01〜0.30%、W:0〜0.10%、Bi:0〜0.020%、Ca:0〜0.010%、Mg:0〜0.010%、REM:0〜0.010%、Zr:0〜0.010%、及び、残部Fe及び不純物からなる化学組成を有する場合、Al/Oを適正に制御することで、溶接後の冷却中に、溶接金属中に存在する酸化物系介在物を起点にアシキュラーフェライトを成長させられることを見出した。
本発明者らはさらに、SR後のUOE鋼管用の溶接金属の強度を制御する方法について検討した。その結果、UOE鋼管用の溶接金属の化学組成が、その他の組成を満たした上で、式(2)を満たせば、SR後の溶接金属の引張強さを、600〜760MPa未満とすることができることを見出した。
1.50≦Mn+Cr≦1.90 (2)
ここで、式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F2=Mn+Crと定義する。F2は、SR後の溶接金属の強度の指標である。F2が1.50%未満では、SR後の溶接金属の引張強さ600MPaを確保することが難しい。一方、F2が1.90%を超えると、SR後の溶接金属部の引張強さが760MPa以上となり、高強度になりすぎる。したがって、F2は、1.50〜1.90である。
以上の知見に基づいて完成した本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属は、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.01〜0.10未満、Mn:1.00〜1.80%、Cr:0.10〜1.00%、O:0.010〜0.040%、Ti:0.005〜0.100%、Al:0.005〜0.050%、Cu:0.10〜1.00%、Ni:0.10〜1.00%、B:0.0001〜0.0055%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、N:0.0100%以下、Nb:0.01〜0.10%、V:0.01〜0.10%、Mo:0.01〜0.30%、W:0〜0.10%、Bi:0〜0.020%、Ca:0〜0.010%、Mg:0〜0.010%、REM:0〜0.010%、Zr:0〜0.010%、及び、残部Fe及び不純物からなり、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有し、応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満であり、応力除去焼鈍後の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0が50J以上である。
((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3 (1)
1.50≦Mn+Cr≦1.90 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
なお、本発明の実施の形態において、「応力除去焼鈍(SR)後」とは、熱処理温度:600〜650℃、及び、熱処理時間:1〜30時間として、応力除去焼鈍処理した後、を意味する。
上記UOE鋼管用の溶接金属の上記化学組成は、式(3)を満たすことが好ましい。
0.20≦Al/O≦1.00 (3)
ここで、式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
上記UOE鋼管用の溶接金属の上記化学組成は、W:0.01〜0.10%を含有してもよい。
上記UOE鋼管用の溶接金属の上記化学組成は、Bi:0.001〜0.020%を含有してもよい。
上記UOE鋼管用の溶接金属の上記化学組成は、Ca:0.0001〜0.010%、Mg:0.0001〜0.010%、希土類元素:0.0001〜0.010%、及び、Zr:0.001〜0.010%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管は、上記の化学組成を有するUOE鋼管用の溶接金属を溶接部に有する。
以下、本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属、及びUOE鋼管について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[UOE鋼管用の溶接金属の化学組成]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属の化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.01〜0.12%
炭素(C)は、SR後の溶接金属の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。その結果、溶接金属の靭性が低下する。したがって、C含有量は0.01〜0.12%である。C含有量の好ましい下限は0.02%である。C含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.07%である。
Si:0.01〜0.10未満
シリコン(Si)は、SR後の溶接金属の強度を高める。Si含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、溶接金属の強度が高くなりすぎる。Si含有量が高すぎればさらに、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。その結果、溶接金属の靭性が低下する。Si含有量が高すぎればさらに、酸化物の主体がSi酸化物となる。酸化物の主体がSi酸化物となれば、アシキュラーフェライト組織が生成しにくくなる。その結果、溶接金属の強度及び靭性が低下する。したがって、Si含有量は0.01〜0.10未満である。Si含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.04%である。Si含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.07%である。
Mn:1.00〜1.80%
マンガン(Mn)は、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。Mn含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。Mn含有量が高すぎればさらに、粒界析出物が粗大化する。その結果、溶接金属の強度及び靭性が低下する。したがって、Mn含有量は1.00〜1.80%である。Mn含有量の好ましい下限は1.20%であり、さらに好ましくは1.30%である。Mn含有量の好ましい上限は1.70%であり、さらに好ましくは1.60%である。
Cr:0.10〜1.00%
クロム(Cr)は、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。Cr含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、溶接金属の強度が高くなりすぎる。Cr含有量が高すぎればさらに、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。Cr含有量が高すぎればさらに、粒界析出物が粗大化する。その結果、溶接金属の強度及び靭性が低下する。したがって、Cr含有量は0.10〜1.00%である。Cr含有量の好ましい下限は0.15%であり、さらに好ましくは0.20%である。Cr含有量の好ましい上限は0.90%であり、さらに好ましくは0.80%である。
SRすることにより、溶接金属中には、粗大な粒界析出物が析出する。粒界析出物のサイズはできるだけ小さい方が、SR後の溶接金属の強度及び靭性が高まる。化学組成としては、(Mn+Mo)/Crが8を超えないようすることで、粒界析出物の最大長さを500nm以下に抑制することが可能である。粒界析出物の最大長さを500nm以下に抑制することで、SR後の溶接金属の強度及び靭性が高まる。したがって、(Mn+Mo)/Crは8を超えないほうが好ましい。
O:0.010〜0.040%
酸素(O)は、アシキュラーフェライトの生成核となる酸化物を形成させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。O含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、O含有量が高すぎれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、O含有量は0.010〜0.040%である。O含有量の好ましい下限は0.015%であり、さらに好ましくは0.020%である。O含有量の好ましい上限は0.034%であり、さらに好ましくは0.033%である。
Ti:0.005〜0.100%
チタン(Ti)は、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。Ti含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Ti含有量が高すぎれば、溶接金属の強度及び靭性がかえって低下する。したがって、Ti含有量は0.005〜0.100%である。Ti含有量の好ましい下限は0.007%であり、さらに好ましくは0.009%である。Ti含有量の好ましい上限は0.050%であり、さらに好ましくは、0.030である。
Al:0.005〜0.050%
アルミニウム(Al)は、アシキュラーフェライトの生成核となる酸化物を形成させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Al含有量は、0.005〜0.050%である。Al含有量の好ましい下限は0.006%であり、さらに好ましくは、0.007%である。Al含有量の好ましい上限は0.030%であり、さらに好ましくは0.020である。本明細書において、Al含有量はTotal−Al(全Al)を意味する。
Cu:0.10〜1.00%
銅(Cu)は、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。Cu含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Cu含有量が高すぎれば、溶接金属の強度が高くなりすぎる。Cu含有量が高すぎればさらに、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。その結果、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Cu含有量は0.10〜1.00%である。Cu含有量の好ましい下限は0.11%であり、さらに好ましくは0.13%である。Cu含有量の好ましい上限は0.50%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Ni:0.10〜1.00%
ニッケル(Ni)は、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。Ni含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、溶接金属の強度が高くなりすぎる。Ni含有量が高すぎればさらに、マルテンサイト等の硬質組織が増加する。したがって、Ni含有量は0.10〜1.00%である。Ni含有量の好ましい下限は0.20%である。Ni含有量の好ましい上限は0.50%であり、さらに好ましくは0.30%である。
B:0.0001〜0.0055%
ホウ素(B)は、SR後の溶接金属中で、粒界炭化物等の粒界析出物の析出を促進する。したがって、SR後の溶接金属の靭性の観点からは、できるだけ低減するほうがよい。しかしながら、B含有量が少なすぎると、粒界フェライト(粒界に沿って成長するフェライト)が析出しやすくなる。そのため、溶接金属まま(SR前の溶接金属)の靭性が大きく低下する。その結果、SR後の溶接金属の靭性が低下する。一方、B含有量が高すぎれば、SR中に粗大な粒界析出物が析出する。その結果、溶接金属の靭性が低下する。したがって、B含有量は、0.0001〜0.0055%である。B含有量の好ましい下限は0.0002%であり、さらに好ましくは0.0003%である。B含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
P:0.030%以下
燐(P)は、不可避に含有される不純物である。つまり、P含有量は0%超である。Pは、SR後の溶接金属の靭性を低下する。したがって、P含有量は0.030%以下である。P含有量の好ましい上限は0.020%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、通常の工業生産において、P含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは、0.002%である。
S:0.010%以下
硫黄(S)は、不可避に含有される不純物である。つまり、S含有量は0%超である。Sは、SR後の溶接金属の靭性を低下する。したがって、Sの含有量は0.010%以下である。S含有量の好ましい上限は0.008%であり、さらに好ましくは0.005%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、通常の工業生産において、S含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは、0.002%である。
N:0.0100%以下
窒素(N)は、不可避に含有される不純物である。つまり、N含有量は0%超である。Nは、SR後の溶接金属の強度を高める。しかしながら、N含有量が高すぎれば、溶接金属の凝固時に粗大な窒化物が晶出し、溶接金属の靭性が低下する。したがって、N含有量は、0.0100%以下である。N含有量の好ましい上限は0.0090%である。
Nb:0.01〜0.10%
ニオブ(Nb)は、SR後の溶接金属中で、微細な粒界析出物を形成する。その結果、SR後の溶接金属の強度が高まる。Nb含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Nb含有量が高すぎれば、粗大な粒界析出物が析出する。その結果、SR後の溶接金属の靭性が低下する。したがって、Nb含有量は0.01〜0.10%である。Nb含有量の好ましい下限は0.02%である。Nb含有量の好ましい上限は0.05%であり、さらに好ましくは0.03%である。
V:0.01〜0.10%
バナジウム(V)は、SR後の溶接金属中で、微細な粒界析出物を形成する。その結果、SR後の溶接金強度が高まる。V含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、V含有量が高すぎれば、粗大な粒界析出物が析出する。その結果、SR後の溶接金属の靭性が低下する。したがって、V含有量は0.01〜0.10%である。V含有量の好ましい下限は0.02%である。V含有量の好ましい上限は0.05%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Mo:0.01〜0.30%
モリブデン(Mo)は、SR後の溶接金属中で、微細な粒界析出物を形成する。その結果、SR後の溶接金属の強度が高まる。Mo含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Mo含有量が高すぎれば、粗大な粒界析出物が析出する。その結果、SR後の溶接金属の靭性が低下する。したがって、Mo含有量は0.01〜0.30%である。Mo含有量の好ましい下限は0.02%である。Mo含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
[式(1)について]
上記化学組成はさらに、式(1)を満たす。
((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F1=((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)と定義する。F1は、SR後の溶接金属の靭性の指標である。具体的には、F1が20.3以上であれば、SR中のPの粒界偏析は抑制されるものの、粗大な粒界析出物が析出する場合や、粒界析出物が粗大でなくてもPの粒界偏析がかえって大きくなり過ぎる場合がある。その結果、SR後の溶接金属の靭性が大きく低下する。したがって、F1は20.3未満である。ただしF1の過剰な低減は工業的には、いたずらにコスト増を招く。F1の好ましい下限は10.0であり、さらに好ましくは11.0であり、さらに好ましくは12.0であり、さらに好ましくは13.0である。F1の好ましい上限は20.0であり、さらに好ましくは19.5であり、さらに好ましくは19.0である。
[式(2)について]
1.50≦Mn+Cr≦1.90 (2)
ここで、式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F2=Mn+Crと定義する。F2は、SR後の溶接金属の強度の指標である。F2が1.50%未満では、溶接金属の引張強さ600MPaを確保することが難しい。一方、F2が1.90%を超えると、溶接金属部の引張強さが760MPa以上となり、高強度になりすぎる。したがって、F2は、1.50〜1.90である。F2の好ましい下限は、1.70%である。F2の好ましい上限は1.80%である。
本実施形態によるUOE鋼管用の溶接金属の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とはUOE鋼管用の溶接金属を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、本実施形態のUOE鋼管用の溶接金属に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素について]
上述のUOE鋼管用の溶接金属はさらに、Wを含有してもよい。
W:0〜0.10%
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Wは、SR後の溶接金属中で、微細な粒界析出物を形成する。その結果、SR後の溶接金属の強度が高まる。しかしながら、W含有量が高すぎれば、粗大な粒界析出物が析出する。その結果、SR後の溶接金属の靭性が低下する。したがって、W含有量は0〜0.10%である。W含有量の好ましい下限は0.01%である。W含有量の好ましい上限は0.05%であり、さらに好ましくは0.03%である。
上述のUOE鋼管用の溶接金属はさらに、Biを含有してもよい。
Bi:0〜0.020%
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Biは、溶接金属の凝固組織を均一にする。その結果、SR後の溶接金属の強度及び靭性を高める。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、SR後の溶接金属の靭性がかえって低下する。したがって、Bi含有量は、0〜0.020%である。Bi含有量の好ましい下限は、0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。Bi含有量の好ましい上限は、0.015%であり、さらに好ましくは0.010%である。
上述のUOE鋼管用の溶接金属はさらに、Ca、Mg、希土類元素、及び、Zrからなる群から選択される1種又は2種以上を含有してもよい。これらの元素はSR後の溶接金属の靭性を高める。
Ca:0〜0.010%
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは、溶接金属中に、微細な介在物を分散させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、溶接欠陥等が発生しえる。したがって、Ca含有量は、0〜0.010%である。Ca含有量の好ましい下限は、0.0001%であり、さらに好ましくは0.0003%である。Ca含有量の好ましい上限は、0.005%である。
Mg:0〜0.010%
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは、溶接金属中に、微細な介在物を分散させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、溶接欠陥等が発生しえる。したがって、Mg含有量は、0〜0.010%である。Mg含有量の好ましい下限は、0.0001%であり、さらに好ましくは0.0003%である。Mg含有量の好ましい上限は、0.005%である。
希土類元素:0〜0.010%
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは、溶接金属中に、微細な介在物を分散させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、溶接欠陥等が発生しえる。したがって、REM含有量は、0〜0.010%である。REM含有量の好ましい下限は、0.0001%であり、さらに好ましくは0.0003%である。REM含有量の好ましい上限は、0.005%である。
本明細書において、REMとは、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素の総称である。REM含有量は、UOE鋼管用の溶接金属に含有されるREMがこれらの元素のうち1種である場合、その元素の含有量を意味する。UOE鋼管用の溶接金属に含有されるREMが2種以上である場合、REM含有量は、それらの元素の総含有量を意味する。REMについては、一般的にミッシュメタルに含有される。このため、たとえば、ミッシュメタルの形で添加して、REM含有量が上記の範囲となるように含有させてもよい。
Zr:0〜0.010%
ジルコニウム(Zr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Zrは、溶接金属中に、微細な介在物を分散させる。その結果、SR後の溶接金属の靭性が高まる。しかしながら、Zr含有量が高すぎれば、溶接欠陥等が発生しえる。したがって、Zr含有量は、0〜0.010%である。Zr含有量の好ましい下限は、0.001%である。Zr含有量の好ましい上限は、0.005%である。
Ca、Mg、希土類元素、及び、Zrからなる群から選択される1種又は2種以上の上記効果をより確実に得るためには、Ca、Mg、希土類元素、及び、Zrからなる群から選択される1種又は2種以上を、合計で0.0003%以上含有することが好ましい。
[式(3)について]
上記UOE鋼管用の溶接金属の上記化学組成は、式(3)を満たすことが好ましい。
本願発明の、中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)を有するUOE鋼管用の溶接金属において、化学組成が、その他の組成を満たした上で、式(3)を満たせば、溶接金属中に酸化物が適切に生成される。溶接金属中に酸化物が生成されれば、SR中、溶接金属中の酸化物を生成核として、アシキュラーフェライトが生成される。そのため、UOE鋼管用の溶接金属において、化学組成が、その他の組成を満たした上で、式(3)を満たせば、アシキュラーフェライト主体のミクロ組織を得やすくなる。溶接金属のミクロ組織において、アシキュラーフェライトが主体であれば、SR前及びSR後の溶接金属の靭性が高まる。これは、溶接金属にSR処理を実施すると、SR後の靭性は低下するが、SR前の靭性をできるだけ高くしておくことで、SR後も高い靭性を確保しやすくなるためである。
0.20≦Al/O≦1.00 (3)
ここで、式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
F3=Al/Oと定義する。F3は、O含有量に対するAl含有量の割合を示し、SR前及びSR後の溶接金属の靭性の指標である。具体的には、F3は、溶接金属中の酸化物組成に影響を及ぼす。溶接金属中の酸化物は、アシキュラーフェライトの生成核となるが、F3が0.20以上、及び、F3が1.00以下である場合、溶接金属中に、アシキュラーフェライトの核となる酸化物が十分に生成される。酸化物が十分に生成されるため、アシキュラーフェライトが十分に生成される。そのため、SR前の溶接金属の靭性が高まる。その結果、SR後の溶接金属の靭性を高くしやすくなる。したがって、F3は、0.20〜1.00である。F3の好ましい下限は、0.30である。F3の好ましい上限は、0.80であり、さらに好ましくは0.70である。
なお、上記の本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属の化学組成は、厳密には、母材の化学組成と溶け込み量、溶接材料の化学組成、さらにサブマージアーク溶接を想定する場合には、使用するフラックスの塩基度によってほぼ決まり、溶け込み量は母材の溶接接合部の形状によって決定される。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属は、溶接材料を用いて後述する方法で溶接することにより形成される。本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属は、SR後に、中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)と、優れた靭性とを有する。溶接金属の化学組成は、溶接金属中のどの部位においても、上記の溶接金属の化学組成で記載した各元素含有量の範囲内である。
得られたUOE鋼管の溶接金属の元素組成は、次のとおり測定できる。溶接金属の巾中央位置から母材が混入しないように、切粉試験片を採取する。採取した切粉を用いて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP発光分光分析法)を用いて、分析する。
[応力除去焼鈍(SR)後の溶接金属の引張強さ:600〜760MPa未満]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属のSR後の引張強さは、600〜760MPa未満である。本発明の実施の形態において、SR後の引張強さとは、熱処理温度:600〜650℃、及び、熱処理時間:1〜30時間として、溶接金属にSR処理した後の引張強さを意味する。
SR後の引張強さが600MPa未満の場合、UOE鋼管用の溶接金属としての強度が足りない。SR後の引張強さが760MPa以上の場合、強度が高すぎる。したがって、UOE鋼管用の溶接金属のSR後の引張強さは、600〜760MPa未満である。
SR後の引張強さは、次のとおり測定する。SR後の溶接金属から、溶接金属が平行部の中央となるように溶接線方向に引張試験片(JIS Z3111(2005) A2号)を採取する。引張試験片は、溶接軸方向に採取する。引張試験片の平行部は、肩部を含めてすべて溶接金属となるように採取する。各試験片に対して、常温(25℃)大気中で、JIS Z3111(2005)に準拠して、引張試験を実施する。
[SR後の溶接金属の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0が50J以上]
本発明の実施の形態による、SR後の、UOE鋼管用の溶接金属の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0は、50J以上である。ここで,Eはシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーであることを表す。Eの左下添え字vはシャルピー衝撃試験片がVノッチであることを表す。右下添え字0はシャルピー衝撃試験における試験温度が0℃であることを表す。本発明の実施の形態において、SR後のvE0とは、熱処理温度:638℃、及び、熱処理時間:12時間として、溶接金属にSR処理した後の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーを意味する。
SR後のvE0が50J未満の場合、UOE鋼管用の溶接金属の靭性が低すぎる。したがって、SR後のvE0は、50J以上が必要である。SR後のvE0の上限は特に限定されないが、たとえば300Jである。
SR後の溶接金属のシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0は、次のとおり測定する。溶接後であってSR後の溶接金属から、シャルピー衝撃試験用の試験片(SR後試験片)を採取する。具体的には、溶接後であってSR後の溶接金属にノッチを加工した、フルサイズのVノッチシャルピー衝撃試験片(ノッチ深さ2mm)を3本採取する。Vノッチシャルピー衝撃試験片は、溶接軸が試験片の平行部長さの中央になるように、かつ、溶接軸と直角方向に採取する。各試験片に対して、0℃にて、JIS Z2242(2005)に準拠したシャルピー衝撃試験を実施する。3本の試験片のシャルピー衝撃試験値の平均値を求めて、SR後のvE0とする。
なお、本願発明において、溶接後であって、SR前の溶接金属の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0は、200J以上であることが好ましい。本願発明において、溶接後であって、SR前のvE0の測定方法は、その試験片の採取方法も含め、SR後のvE0の測定方法と同様である。
[UOE鋼管用の溶接金属のミクロ組織について]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属のミクロ組織は、微細なアシキュラーフェライトを主体とし、残部はラス状ベイナイト組織であることが好ましい。主体とするとは、アシキュラーフェライト組織が、少なくとも50面積%以上であることを意味する。UOE鋼管用の溶接金属の上記ミクロ組織は、SRの前後で大きな変化はない。
アシキュラーフェライトの面積率は次の方法で測定される。溶接金属の任意の位置から、横断面サンプルを採取する。採取されたサンプルの表面を研磨する。研磨後、ビレラ(Vilella)試薬を用いて、研磨されたサンプル表面をエッチングする。光学顕微鏡(観察倍率100倍、観察視野650μm×860μm)を用いて、任意の5視野において、エッチングされた表面におけるアシキュラーフェライトを特定する。特定には、たとえば、周知の画像処理ソフトが用いられる。エッチングされた各組織(アシキュラーフェライト、ラス状ベイナイト等)のコントラストは異なるため、コントラストに基づいてアシキュラーフェライトを特定する。各視野で特定されたアシキュラーフェライトの総面積を、5視野の総面積(観察視野650μm×860μm×5)で除した値を、溶接金属中のアシキュラーフェライトの面積率(%)と定義する。
[UOE鋼管について]
溶接材料を用いて、母材を溶接すれば、本発明の実施の形態による溶接金属と、母材とを備えたUOE鋼管が製造される。本発明の実施の形態によるUOE鋼管は、本発明の実施の形態による溶接金属を溶接部に有する。本発明の実施の形態によるUOE鋼管は中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)と、優れた靭性とを有する。
[母材について]
母材はたとえば、高強度溶接鋼管である。母材の化学組成は周知の化学組成であり、特に限定されない。母材の化学組成はたとえば、次のとおりである。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管の母材はたとえば、質量%で、C:0.03〜0.10%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.80〜2.50%、Cr:0.10〜1.00%、Ti:0.001〜0.100%、Al:0.005〜0.100%、Cu:0.01〜1.00%、Ni:0.01〜1.00%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Nb:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%、V:0.01〜0.50%、W:0.01〜0.50%、N:0.0100%以下、Bi:0〜0.05%、B:0〜0.0100%、Ca:0〜0.01%、Mg:0〜0.01%、REM:0〜0.01%、Zr:0〜0.01%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有する。
[UOE鋼管用の溶接金属の製造方法]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属は、周知の製造方法により製造される。UOE鋼管用の溶接金属はたとえば、溶接ワイヤ等に加工された溶接材料を、サブマージアーク溶接することにより、製造される。
[溶接材料について]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属を製造する際に用いる溶接材料の化学組成は周知の化学組成であり、限定されない。本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属を製造する際に用いる溶接材料はたとえば、質量%で、C:0.005〜0.40%、Si:0.005〜1.00%、Mn:0.20〜4.00%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Cu:0.50%以下、Al:0.001〜0.100%、Ti:0.500%以下、Nb:0.1%以下、V:0.10%以下、N:0.01%以下、Ni:6.00%以下、Cr:3.00%以下、Mo:4.00%以下、O:0〜0.01%、を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有する。
本発明の実施の形態によるUOE鋼管は、溶接される際に、フラックスを含有してもよい。
[フラックスについて]
本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属を製造する際のサブマージアーク溶接に用いるフラックスの組成は周知の化学組成であり、限定されない。本発明の実施の形態におけるフラックスはたとえば、質量%で、SiO2:1〜30%、MnO:1.0〜30.0%、CaO:1.0〜30.0%、CaF2:1.0〜60.0%、MgO:1.0〜20.0%、Al23:1〜50%、TiO2:1〜30%、BaO:1〜20%、B23:0.05〜0.4%、K2O:0.1〜2%、Li2O:0.1〜2%以下、FeO:0.1〜5%、及び、ZrO2:1〜20%を含む組成を有する。本発明の実施の形態によるUOE鋼管用の溶接金属を製造する際に用いるフラックスの式(4)で計算される塩基度BIは、0.2〜3.8であるのが好ましい。
BI=(CaO+MgO+BaO+CaF2+0.5(MnO+FeO))/(SiO2+0.5(Al23+TiO2)) (4)
[UOE鋼管の製造方法]
UOE鋼管の製造方法は、上記母材に対して溶接材料を用いて溶接する工程(溶接工程)と、溶接後の溶接金属に対して応力除去焼鈍を実施する工程(応力除去焼鈍工程)とを備える。以下、各工程について詳述する。
[溶接工程]
上述の母材に対して溶接を実施して溶接金属を形成する。母材の形状は特に限定されない。母材は鋼板であってもよいし、鋼管であってもよい。
溶接には、たとえば上述の母材を用いる。溶接方法は特に限定されない。しかしながら、溶接ラインパイプの製造としては、サブマージアーク溶接を採用するのが好ましい。サブマージアーク溶接時の溶接条件は特に限定されない。
[応力除去焼鈍工程]
溶接後、溶接金属に対して応力除去焼鈍を実施する。応力除去焼鈍の方法は特に限定されない。応力除去焼鈍の方法はたとえば、溶接金属を含む溶接部に、バンドヒーター及びインダクションヒーター等の熱処理装置を配置して、応力除去焼鈍を実施する。又は、UOE鋼管全体を加熱炉内で加熱する。応力除去焼鈍における熱処理温度、及び、その熱処理温度での保持時間(熱処理時間)は次のとおりである。
熱処理温度:600〜650℃
熱処理時間:1〜30時間
熱処理温度が低すぎる場合、又は、熱処理時間が短すぎる場合、応力除去が十分に進まない。一方、熱処理温度が高すぎれば、溶接金属の一部がオーステナイト変態温度を超え、靭性が低下する。また、熱処理時間が長すぎれば、焼戻しが過剰となり、SR後の溶接金属の強度が低下する。したがって、熱処理温度は600〜650℃であり、熱処理時間は母材の厚さ20mm当たり1〜30時間である。ここで、母材の厚さは、肉厚である。熱処理温度及び熱処理時間がこの条件を満たせば、本発明の実施の形態による溶接金属の引張強さを600〜760MPa未満とすることができ、かつ、優れた靭性が得られやすい。応力除去焼鈍工程における加熱速度は特に規定しない。
応力除去焼鈍工程における冷却は放冷でもよい。応力除去焼鈍工程における冷却は、好ましくは水冷である。応力除去焼鈍工程における冷却速度は、100℃/s以上であることが好ましい。応力除去焼鈍工程における冷却速度が100℃/s以上であれば、粒界析出物の粗大化や不純物元素の偏析などを抑制する効果が期待できる。その結果、SR後のUOE鋼管用の溶接金属の靭性が高まる。
[実施例1]
種々の化学組成及び製造条件でUOE鋼管用の溶接金属を溶接部に有するUOE鋼管を製造して、UOE鋼管用の溶接金属の強度と靭性とを評価した。
[母材の製造]
表1に示す化学組成を有する溶鋼を、実験室にて製造した。溶鋼を用いて、スラブを製造した。
Figure 2020147796
スラブに対して、1250℃で30分加熱した後、900℃以上で熱間圧延を実施して、鋼板を製造した。板厚20mmの母材鋼板(以下、単に母材という)を製造した。母材を、室温まで水スプレーで冷却した。
[UOE鋼管用の溶接金属の製造]
表2に示す化学組成を有する溶鋼を製造し、溶鋼を用いてインゴットを製造した。インゴットに対して熱間鍛造、熱間圧延及び機械加工して、直径4.0mmの溶接ワイヤを製造した。製造された溶接ワイヤをサブマージアーク溶接用の溶接材料とした。
Figure 2020147796
製造した母材を使って、4電極サブマージアーク溶接により、片側一層の溶接金属を製造した。
Figure 2020147796
4電極サブマージアーク溶接の溶接条件は、次に示すとおりであった。
開先:60°V開先、
第1電極:Y1、溶接電流900A、溶接電圧33V、
第2電極:Y2、溶接電流850A、溶接電圧35V、
第3電極:Y3、溶接電流700A、溶接電圧40V、
第4電極:Y3、溶接電流650A、溶接電圧45V、
溶接速度:1.5m/min、
溶接入熱量:46.7kJ/cm
得られた溶接金属に対して、元素組成を測定した。溶接金属の元素組成の測定方法は以下のとおりであった。溶接金属から母材が混入しないように、切粉試験片を採取した。採取した切粉を用いて、ICP発光分光分析法を用いて、分析した。得られた溶接金属の元素組成を表4に示す。
Figure 2020147796
溶接後のUOE鋼管に対して、熱処理温度638℃、及び、熱処理時間12時間で応力除去焼鈍を実施した。その後、空冷した。
[シャルピー衝撃試験]
溶接後の溶接金属から、シャルピー衝撃試験用の試験片(溶接まま試験片)を採取した。さらに、溶接後であって応力除去焼鈍後の溶接金属から、シャルピー衝撃試験用の試験片(SR後試験片)を採取した。具体的には、溶接後の溶接金属、及び、溶接後であって応力除去焼鈍後の溶接金属にノッチを加工した、フルサイズのVノッチシャルピー衝撃試験片(ノッチ深さ2mm)をそれぞれ3本採取した。Vノッチシャルピー衝撃試験片は、溶接軸が試験片の平行部長さの中央になるように、かつ、溶接軸と直角方向に採取した。各試験片に対して、0℃にて、JIS Z2242(2005)に準拠したシャルピー衝撃試験を実施した。試験結果に基づいて、次のとおり靭性判定を行った。3本の試験片のシャルピー衝撃試験値の平均値を求めた。溶接まま試験片(SR前試験片)において、シャルピー衝撃試験値の平均値が200J以上、かつ、SR後試験片において、シャルピー衝撃試験値の平均値が50J以上のものを、合格とした。結果を表5に示す。
Figure 2020147796
[強度評価試験]
製造された応力除去焼鈍後の溶接金属から、溶接金属が平行部の中央となるように溶接線方向に引張試験片(JIS Z3111(2005) A2号)を採取した。引張試験片は、溶接軸方向に採取した。引張試験片の平行部は、肩部を含めてすべて溶着金属となるように採取した。各試験片に対して、JIS Z3111(2005)に準拠して、引張試験を実施した。応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満となる場合を合格とした。結果を表5に示す。
[溶接金属のアシキュラーフェライトの面積率]
上述のSR後の溶接金属から、断面ミクロ試験片を採取した。このミクロ試験片を、研磨、腐食して、組織を現出した。任意の5視野を100倍で観察して、アシキュラーフェライトの面積率を求めた。アシキュラーフェライトの面積率は、本発明例ではすべて50面積%以上であった。
[試験結果]
表4及び表5を参照して、試験番号1〜試験番号8は、溶接まま試験片の靭性(溶接まま靭性vE0)が200J以上であり、かつ、SR後の靭性(SR後靭性vE0)が50J以上であった。さらに、SR後の引張強さ(SR後TS)が600〜760MPa未満であった。
一方、試験番号9及び試験番号10は、F1が20.3以上であった。そのため、SR後靭性vE0が50J未満であった。
試験番号11は、B含有量が高く、F1も20.3以上であった。そのため、SR後靭性vE0が50J未満であった。
試験番号12は、F1が20.3以上であった。さらに、F3が0.20未満であった。そのため、溶接まま靭性vE0が200J未満であった。
試験番号13は、F3が1.00を超えた。そのため、溶接まま靭性vE0が200J未満であった。
試験番号14は、C含有量が低かった。そのため、SR後TSが600MPa未満であった。
試験番号15は、F2が1.90を超えた。そのため、SR後TSが760MPa以上となった。
[実施例2]
種々の化学組成及び製造条件でUOE鋼管用の溶接金属及びUOE鋼管を製造して、UOE鋼管用の溶接金属の強度と靭性とを評価した。
[母材の製造]
表6に示す化学組成を有する溶鋼を実機工場にて製造した。溶鋼を用いて、スラブを製造した。
Figure 2020147796
連続鋳造で製造したスラブの制御圧延と制御冷却により、板厚22mmの母材鋼板(以下、単に母材という)を製造した。試験番号16の母材及び試験番号17の母材の引張強さ(TS)は、それぞれ771MPa及び774MPaであった。試験番号16の母材及び試験番号17の母材の降伏強さ(YS)はそれぞれ633MPa及び641MPaであった。試験番号16の母材及び試験番号17の母材の降伏比YR(=YS/TS)はそれぞれ82%及び83%であった。
製造した母材をUOプレス成形(Uプレスとそれに続くOプレスによる成形)により、O字状のオープンパイプに成形した。オープンパイプの内外面から各1層のサブマージアーク溶接を行い、外形21インチ(53.3cm)の溶接鋼管(12m)を製造した。製造した溶接鋼管を、拡管率1.0%で拡管した。なお、このときに使用した溶接材料及びフラックスは実施例1と同様である。
サブマージアーク溶接の溶接条件は、次に示すとおりであった。
内面溶接条件は、開先:60°V開先、第1電極:Y1、第2電極:Y2、第3電極:Y3、溶接入熱量:38.5kJ/cmであった。
外面溶接条件は、開先:60°V開先、第1電極:Y1、第2電極:Y2、第3電極:Y3、第4電極:Y3、溶接入熱量:47.4kJ/cmであった。
得られたUOE鋼管の溶接金属に対して、元素組成を測定した。溶接金属の元素組成の測定方法は以下のとおりであった。溶接金属から母材が混入しないように、切粉試験片を採取した。採取した切粉を用いて、ICP分光分析法を用いて、分析した。得られた溶接金属の元素組成を表7に示す。
Figure 2020147796
溶接後のUOE鋼管に対して、熱処理温度638℃、及び、熱処理時間12時間で応力除去焼鈍を実施した。その後、空冷した。
[シャルピー衝撃試験]
溶接後の溶接金属から、シャルピー衝撃試験用の試験片(溶接まま試験片)を採取した。さらに、溶接後であって応力除去焼鈍後の溶接金属から、シャルピー衝撃試験用の試験片(SR後試験片)を採取した。具体的には、溶接後の溶接金属、及び、溶接後であって応力除去焼鈍後の溶接金属にノッチを加工した、フルサイズのVノッチシャルピー衝撃試験片(ノッチ深さ2mm)をそれぞれ3本採取した。Vノッチシャルピー衝撃試験片は、溶接軸が試験片の平行部長さの中央になるように、かつ、溶接軸と直角方向に採取した。各試験片に対して、0℃にて、JIS Z2242(2005)に準拠したシャルピー衝撃試験を実施した。試験結果に基づいて、次のとおり靭性判定を行った。3本の試験片のシャルピー衝撃試験値の平均値を求めた。溶接まま試験片において、シャルピー衝撃試験値の平均値が200J以上、かつ、SR後試験片において、シャルピー衝撃試験値の平均値が50J以上のものを、合格とした。結果を表8に示す。
Figure 2020147796
[強度評価試験]
製造された応力除去焼鈍後の溶接金属から、溶接金属が平行部の中央となるように溶接線方向に引張試験片(JIS Z3111(2005) A2号)を採取した。引張試験片は、溶接軸方向に採取した。引張試験片の平行部は、肩部を含めてすべて溶着金属となるように採取した。各試験片に対して、JIS Z3111(2005)に準拠して、引張試験を実施した。応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満となる場合を合格とした。結果を表8に示す。
[溶接金属のアシキュラーフェライトの面積率]
上述のSR後の溶接金属から、断面ミクロ試験片を採取した。このミクロ試験片を、研磨、腐食して、組織を現出した。任意の5視野を100倍で観察して、アシキュラーフェライトの面積率を求めた。アシキュラーフェライトの面積率は、本発明例では50面積%以上であった。
[試験結果]
表7及び表8を参照して、試験番号17は、溶接まま試験片の靭性(溶接まま靭性vE0)が200J以上であり、かつ、SR後靭性が50J以上であった。さらに、SR後の引張強さTSが600〜760MPa未満であった。
一方、試験番号16は、F1が20.3以上であった。そのため、SR後靭性vE0が50J未満であった。
このように本発明の要件を満足する場合のみ、UOE鋼管用の溶接金属は中程度の強度(引張強さ600〜760MPa未満)及び優れた靭性を有することが明らかであり、得られたUOE鋼管も中程度の強度及び優れた靭性を有する。
本発明によれば、中程度の強度及び優れた靭性を有するUOE鋼管用の溶接金属、及び、それを溶接部に有するUOE鋼管が得られる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.01〜0.12%、
    Si:0.01〜0.10未満、
    Mn:1.00〜1.80%、
    Cr:0.10〜1.00%、
    O:0.010〜0.040%、
    Ti:0.005〜0.100%、
    Al:0.005〜0.050%、
    Cu:0.10〜1.00%、
    Ni:0.10〜1.00%、
    B:0.0001〜0.0055%、
    P:0.030%以下、
    S:0.010%以下、
    N:0.0100%以下、
    Nb:0.01〜0.10%、
    V:0.01〜0.10%、
    Mo:0.01〜0.30%、
    W:0〜0.10%、
    Bi:0〜0.020%、
    Ca:0〜0.010%、
    Mg:0〜0.010%、
    REM:0〜0.010%、
    Zr:0〜0.010%、及び、
    残部Fe及び不純物からなり、式(1)及び式(2)を満たす化学組成を有し、応力除去焼鈍後の引張強さが600〜760MPa未満であり、応力除去焼鈍後の0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0が50J以上である、UOE鋼管用の溶接金属。
    ((Mn+Mo)/Cr)+875(P+B)<20.3 (1)
    1.50≦Mn+Cr≦1.90 (2)
    ここで、式(1)及び式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  2. 請求項1に記載のUOE鋼管用の溶接金属であって、
    前記化学組成は、式(3)を満たす、UOE鋼管用の溶接金属。
    0.20≦Al/O≦1.00 (3)
    ここで、式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のUOE鋼管用の溶接金属であって、
    前記化学組成は、
    W:0.01〜0.10%を含有する、UOE鋼管用の溶接金属。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のUOE鋼管用の溶接金属であって、
    前記化学組成は、
    Bi:0.001〜0.020%を含有する、UOE鋼管用の溶接金属。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のUOE鋼管用の溶接金属であって、
    前記化学組成は、
    Ca:0.0001〜0.010%、
    Mg:0.0001〜0.010%、
    希土類元素:0.0001〜0.010%、及び、
    Zr:0.001〜0.010%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、UOE鋼管用の溶接金属。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化学組成を有するUOE鋼管用の溶接金属を溶接部に有する、UOE鋼管。
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