JP2020106477A - デュアルコム分光法における干渉信号の測定方法 - Google Patents

デュアルコム分光法における干渉信号の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料を通過して変化する光周波数コムの各周波数モードの位相情報を正確に測定し、試料の移動を不要とし、高速に測定する。【解決手段】本発明のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法では、通過幅が被測定部17の測定幅19より大きい光周波数コム311の進路上で、光周波数コム311が通過する領域の一部に被測定部17を配置し、試料配置位置320より光周波数コム311,321の進行方向の奥側において、光周波数コム312と光周波数コム313とを一括して受光する。光周波数コム312,313のそれぞれと固体試料5を通過しない光周波数コムとの干渉信号に基づいて、光周波数コム312の光パルス11の時間軸上の位置と、光周波数コム313の透過光パルス9及び多重反射光パルス10の時間軸上の位置とを位相スペクトルとして測定する。【選択図】図7

Description

本発明は、デュアルコム分光法における干渉信号の測定方法に関する。
デュアルコム分光法は、繰り返し周波数の異なる2つの光周波数コムを用いたフーリエ変換分光法の1つであり、広波長域・高精度・高分解能な測定を可能にする分光法である。精密なスペクトルを超高速で計測できるため、デュアルコム分光法は、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier transform infrared spectrometer:FTIR)に代わる新しい分光法として期待されている。
デュアルコム分光法を用いた計測によって、固体試料の物性情報を位相スペクトルとして取得できる。位相スペクトルを取得するためには、2つの光周波数コムのうち1つの光周波数コムの進路上に固体試料を設置し、固体試料を通過した光周波数コムと通過しない光周波数コムとの干渉波形を取得する。リアルタイムで干渉波形の位相補正及びコヒーレント積算を行うことによって、固体試料の特性を含む位相スペクトルを検出できる(例えば、非特許文献1参照)。さらに、検出した位相スペクトルをフーリエ解析することによって、固体試料の物性情報が得られる。
"Dual-comb spectroscopy for rapid characterization of complex optical properties of solids", Akifumi Asahara, Akiko Nishiyama, Satoru Yoshida, Ken-ichi Kondo, Yoshiaki Nakajima and Kaoru Minoshima, Optics Letters, Vol. 41, No. 21, pp. 4971-4974, 2016.
デュアルコム分光法を用いた位相スペクトルの取得時には、例えば、互いに繰り返し周波数の異なる2つの光周波数コムのうちの一方の光周波数コムを固体試料の情報をのせるための信号光パルスとし、他方の光周波数コムを信号光パルスとマルチヘテロダイン干渉させるためのローカル光パルスとする。信号光パルスの進路上に固体試料を配置し、信号光パルスが固体試料を透過する、あるいは内部反射(多重反射)した後に透過する際の時間領域における光パルスの位相遅れを測定する。固体試料の位相屈折率(単に、屈折率ともいう)に依存して生じる光パルスの位相遅れを測定するためには、標準とする光パルス、すなわち固体試料を通過せずに位相遅れのない光パルスとの時間軸上のずれを検出する。
上述の非特許文献1をはじめとして、従来のデュアルコム分光法を用いた干渉信号の測定では、固体試料を透過した光パルスの位相遅れを測定するために、固体試料の移動が必須であった。固体試料の移動では、信号光パルスの進路に対して固体試料を機械的に挿入及び退避させる。信号光パルスの進路に固体試料を挿入した場合と信号光パルスの進路から固体試料を退避させた場合のそれぞれの信号光パルスとローカル光パルスとをマルチヘテロダイン干渉させ、干渉波形を取得する。位相検出の精度を向上させるためには、信号光パルスを互いに異なる進路を進むように2つに分け、第1の信号光パルスの進路に対して固体試料を上述のように挿入及び退避させる。試料を通過しない第2の信号光パルスを参照光パルスとして、第1の信号光パルスと参照光パルスとをそれぞれ、ローカル光パルスとマルチヘテロダイン干渉させ、それぞれの干渉波形を取得すればよい。
しかしながら、信号光パルスの進路に対して固体試料の挿入及び退避させる際に、遅い位相揺らぎが生じる。図1の横軸は、デュアルコム分光において信号光パルスとローカル光パルスとの干渉波形を観測する時間スケールtをlogスケールで示している。時間スケールtは、1つの測定値を取得してから次の測定値を取得するまでの時間を表している。図1の縦軸は、干渉波形の位相揺らぎの大きさδφ(位相の不確かさ)をlogスケールで示している。図1に示すように、観測時間tが零から所定値t近傍まで大きくなるにしたがって、測定値の積算により信号対雑音比が低下するため、位相揺らぎδφは減少する(領域R−1)。観測時間tが所定値t近傍からさらに大きくなると、数秒単位の長周期の位相ドリフトの影響で、位相揺らぎδφは増大する(領域R−3)。信号光パルスの進路上に固体試料を挿入及び退避させる際に、このような長周期の位相ドリフトが測定値の位相揺らぎδφに含まれる。
また、上述のように参照光パルスを用いる場合は、参照光パルスとローカル光パルスとの干渉波形を位相基準とした信号補正処理により、前述の位相揺らぎδφを除去することで、位相検出を高精度化できる。しかしながら、参照光パルスは信号光パルスとは異なる進路に分岐されるので、参照光パルスと信号光パルスとが異なって通過する空間領域や進路を分岐するための光学部品等における環境変動の影響が、位相揺らぎδφとは別の位相ゆらぎとして測定値に及ぶ可能性がある。したがって、参照光パルスを用いても、第1の信号光パルスの進路上に固体試料を設置する際に、測定値の位相揺らぎδφに長周期の位相ドリフトが付加される。
すなわち、従来のデュアルコム分光法を用いた光パルスの測定では、試料を通過するか否かということによって変化する光周波数コムの信号光パルスの時間的な遅れを正確に測定することが難しく、位相揺らぎδφが大きくなるという問題があった。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであって、測定対象の試料を通過して変化する光周波数コムの各周波数モードの位相情報を正確に測定可能であって、試料の移動が不要で、高速に測定可能なデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法を提供する。
本発明のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法は、互いに異なる繰り返し周波数を有する第1の光周波数コムと第2の光周波数コムとを用いたデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法であって、単一の前記第1の光周波数コムの進行方向に直交する幅方向における通過幅が試料の被測定部の前記幅方向における測定幅より大きい通過幅調節済単一第1光周波数コムの進路上の試料配置位置で、前記幅方向において前記通過幅調節済単一第1光周波数コムが通過する領域の一部に前記被測定部を配置する第1工程と、前記試料配置位置より前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの進行方向の奥側において、前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記被測定部から出射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムとを一括して受光する第2工程と、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記第2の光周波数コムとの第1の干渉信号を生成し、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記第2の光周波数コムの第2の干渉信号を生成する第3工程と、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの光パルスの時間軸上の位置を参照位置とし、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの光パルスの時間軸上の位置を測定対象位置とし、前記第1の干渉信号及び前記第2の干渉信号に基づいて前記参照位置に対する前記測定対象位置の情報を取得する第4工程と、を備える。
上述のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法において、前記第3工程で取得した前記参照位置に対する前記測定対象位置の情報に基づいて前記試料の物性情報を算出する第5工程をさらに備えてもよい。
上述のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法において、前記第2工程において、前記被測定部から出射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムは、前記進行方向に沿って前記被測定部を透過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと、前記被測定部の入射面と出射面との間を前記進行方向に沿って多重反射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと、を含んでもよい。
本発明によれば、測定対象の試料を通過して変化する光周波数コムの各周波数モードの位相情報を正確に測定可能であって、試料の移動が不要で、高速に測定可能なデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法が提供される。
信号光パルスを観測する時間に対する位相揺らぎの変化を表す概略図である。 周波数領域及び時間領域の光周波数コムの模式図である。 デュアルコム分光法の原理を説明するための模式図である。 デュアルコム分光法のモデル及び光パルスのふるまいについて説明するための模式図である。 本発明のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法に基づいて位相プロファイルを測定する測定装置の概略図である。 図5に示す測定装置の一部を示す概要図である。 図5に示す測定装置の領域174を拡大した図である。 図5に示す測定装置の一部を拡大した図である。
以下、本発明のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法(以下、単に「測定方法」という場合がある)の実施形態について、図面を参照して説明する。
[原理的説明]
図2の右側に示すように、光周波数コムは、周波数領域において周波数軸で零に対してオフセット周波数fCEOを有する第1の光周波数モードと、周波数軸で第1の光周波数モードに対して繰り返し周波数frepの正の整数倍の間隔をあけて並ぶ複数の第2の光周波数モードと、を有する。周波数軸の零からm番目の光周波数モードの周波数fは、次に示す(1)式で表される。
Figure 2020106477
以下では、第1の周波数モードと第2の光周波数モードとをまとめて光周波数モード(または、複数の光周波数モード)と称する。光周波数コムの周波数分布(スペクトル)をフーリエ変換して時間領域で見ると、図2の左側に示すように、繰り返し周期(1/frep)を有する光パルス列が現れる。
デュアルコム分光法は、繰り返し周波数が互いに異なる2つの光周波数コム(第1の光周波数コムと第2の光周波数コム)を用いたフーリエ変換分光法である。2つの光周波数コムの繰り返し周波数をそれぞれ、繰り返し周波数frep1,frep2とする。繰り返し周波数frep1を基準とすると、繰り返し周波数frep2は、次に示す(2)式で表される。
Figure 2020106477
なお、(2)式におけるΔfrepは、2つの光周波数コムの繰り返し周波数差を表す。
図3に示すように、デュアルコム分光法では、繰り返し周波数差Δfrepを有する2つの光周波数コム1,2のうち、光周波数コム1(第1の光周波数コム、図3に示すSignal)のみが固体試料5(試料、図3に示すSample)を通過し、光周波数コム2(第2の光周波数コム、図3に示すLocal;LO)は固体試料5を通過しない。固体試料5を通過することにより、光周波数コム1のスペクトルは、固体試料5の物性情報の影響を受けて変化する。つまり、固体試料5を透過することにより、光周波数コム1は光周波数コム3に変化する。光周波数コム3の繰り返し周波数は、光周波数コム1の繰り返し周波数frep1に等しい。一方、光周波数コム3の複数の周波数モードがなす包絡線は、光周波数コム1の複数の周波数モードがなす包絡線とは異なる。これらの包絡線の差異に、固体試料5の物性情報が反映されている。
光周波数コム2,3同士をマルチヘテロダイン検出することによって、光周波数コム3の振幅及び位相の情報を無線周波数コム4(図3に示すRadio FrequencyComb;RF周波数コム)として取得できる。RF周波数コム4の繰り返し周波数は、繰り返し周波数差Δfrepに等しい。また、RF周波数コム4の複数の周波数モードがなす包絡線は、光周波数コム3の複数の周波数モードがなす包絡線を反映している。したがって、光周波数コム3に反映された固体試料5の物性情報を、光周波数コム3よりも低い繰り返し周波数を有するRF周波数コム4によって検出できる。
デュアルコム分光によって導出可能な物性情報には、例えば、厚みL、群屈折率n(ω)及び位相屈折率n(ω)が含まれる。ωは、固体試料5を通過する光周波数コム1の角周波数を表し、2πf(fは、角周波数ωに対応する光周波数コム1の周波数)で表される。群屈折率n(ω)及び位相屈折率n(ω)は、それぞれ角周波数ωの関数である。
厚みLは、固体試料5の幾何学的な厚みを表す。群屈折率n(ω)は、光周波数コムの光パルスの伝搬速度に対応する屈折率であり、次に示す(3)式で表される。
Figure 2020106477
位相屈折率n(ω)は、次に示す(4)式の複素屈折率nに含まれる。iは虚数単位であり、κは固体試料5の吸収係数を表す。
Figure 2020106477
例えば石英ガラスの消衰係数のように、消衰係数κが例えば0以上0.001以下であって十分に小さい場合は、複素屈折率nとして実部の位相屈折率n(ω)のみを考慮する。
固体試料5の上述の物性情報を取得するために、図4に示すモデルを想定する。図4の上段に示すように、固体試料5は、互いに平行な入射面6と出射面7とを有する。入射面6及び出射面7が光周波数コム1の進路に対して略直交するように配置されている。光周波数コム1が入射面6から固体試料5に入射すると、光周波数コム1の一部は、固体試料5の内部を進行し、透過した光周波数コム3として出射面7から出射する。また、光周波数コム1の残りの一部は、固体試料5の内部を通り、出射面7で反射さした後に入射面6に折り返して進み、入射面6で反射した後、多重反射した光周波数コム3として出射面7から出射する。光周波数コム1の残りの残部は、さらに入射面6及び出射面7との間で固体試料5の内部をより多く多重反射した光周波数コム3として固体試料5から順次出射する。本実施形態では、図4に示すように固体試料5を透過した光周波数コム3と固体試料5を2回多重反射した光周波数コム3を扱う。
図4の上段に示すように、光周波数コム1の光パルス8が固体試料5を通過すると、一定の時間の経過後、透過した光周波数コム3の透過光パルス9(図4に示す“Transmitted pulse”)と、出射面7及び入射面6で多重反射(2回多重反射)した光周波数コム3の多重反射光パルス10(図4に示す“First echo”)として現れる。
図4の下段に示すように、光パルス8が固体試料5を通過せずに一定の時間が経過すると、参照光パルス11となる。なお、「固体試料5を通過せずに」ということは、「固体試料5と同じ厚みLと大気の屈折率nairとを有する固体試料(図4に破線で示す仮想試料)12を通過する」ことと同じ意味である。参照光パルス11に対する透過光パルス9の位相スペクトルφ(ω)は、次に示す(5)式で表される。
Figure 2020106477
(5)式におけるNは、透過光パルス9の位相オフセット係数を表す。参照光パルス11に対する多重反射光パルス10の位相スペクトルφ(ω)は、次に示す(6)式で表される。cは、真空中の光速を表す。nairは、大気の屈折率を表す。
Figure 2020106477
(5)式及び(6)式によって、固体試料5の厚みLは、次に示す(7)式で表される。(7)式は、厚みLと位相スペクトルφ(ω),φ(ω)の傾きとの相対関係を示す式であり、位相スペクトルφ(ω),φ(ω)の傾きに基づいて、厚みLが求められるということを意味する。
Figure 2020106477
ここで、(5)式の両辺を角周波数ωで微分すると、次に示す(8)式が得られる。
Figure 2020106477
(3)式を変形すると、次に示す(9)式が得られ、(9)式を(8)式に代入すると、後述の(10)式が導かれる。
Figure 2020106477
Figure 2020106477
(10)式を群屈折率n(ω)について整理すると、固体試料5の群屈折率n(ω)は、次に示す(11)式で表される。(11)式は、群屈折率n(ω)と位相スペクトルφ(ω)の傾きとの相対関係を示す式であり、少なくとも位相スペクトルφ(ω)の傾きに基づいて、群屈折率n(ω)が求められるということを意味する。
Figure 2020106477
しかしながら、(5)式では、位相スペクトルφ(ω)が簡略化されており、位相オフセット係数Nが考慮されていない。(7)式及び(11)式のように、角周波数ωに対する位相スペクトルφ(ω),φ(ω)の傾きに着目すればよい場合は、位相オフセット係数Nを必ずしも考慮しなくてよい。図4に示すように、位相オフセット係数Nを考慮すると、正確な位相スペクトルΦ(ω)は、次に示す(12)式のように表される。
Figure 2020106477
デュアルコム分光法に基づくヘテロダイン検出では、(5)式及び(6)式の右辺の第2項の差異は取得できず(すなわち、視覚化されず)、本来位相の絶対スペクトルΦ(ω)を2πで割った余りが位相スペクトルφ(ω),φ(ω)として取得される。したがって、デュアルコム分光法に基づく測定結果に基づいて、位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を位相オフセット2πNで補正しなくても、前述のように固体試料5の厚みLと群屈折率n(ω)は容易に、かつ直接導出される。
固体試料5の位相屈折率n(ω)は、次に示す(13)式のように表され、位相オフセット係数Nをパラメータとして含んでいる。
Figure 2020106477
すなわち、固体試料5の位相屈折率n(ω)を正確に導出するためには、厚みL、位相スペクトルφ(ω)及び位相オフセット係数Nをそれぞれ所定の方法で正確に求める必要がある。
[本発明のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法]
本発明の測定方法では、デュアルコム分光法に基づいて透過光パルス9及び多重反射光パルス10の時間軸上の位相差に基づいて位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を正確に測定できる。
本発明の測定方法に基づいて位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を正確に測定するための測定装置の一例として、図5に示すデュアルコム分光測定装置210が挙げられる。図5に示すように、デュアルコム分光測定装置210は、2つの光周波数コム1,2を生成するための構成として、光周波数コム出力部210A,210Bと、周波数制御部290と、連続発振レーザー(以下、CWレーザーという)292と、周波数安定化部294と、を備える。
光周波数コム出力部210Aは、光周波数コム1を出射する。光周波数コム出力部210Bは、光周波数コム2を出射する。周波数制御部290は、光周波数コム出力部210A,210Bのそれぞれに対して光周波数コム1,2のそれぞれのオフセット周波数差ΔfCEOを制御するための基準信号を入力する。CWレーザー292は、光周波数コム1,2同士の位相を同期させる。周波数安定化部294は、CWレーザー292から出射された連続発振光(以下、CW光という)と光周波数コム1,2のそれぞれとのビート信号とを制御する。
図5及び図6では、光周波数コム出力部210A,210Bのそれぞれの光周波数コム出射部220、オフセット周波数制御部218のファンクションジェネレータ(Function generator:FG)64、繰り返し周波数制御部222のFG74、ピエゾ(PZT)素子230等の主要部分を図示し、主要部分以外の構成の図示は省略する。光周波数コム出力部210A,210Bのそれぞれは、前述の主要部分以外に、図6に示すように半導体レーザ(LD)や多数の光学素子等から構成されている。
光周波数コム出力部210A,210Bはそれぞれ、光周波数コム光源212、光干渉部214、ビート信号検出部216、オフセット周波数制御部218、光周波数コム出射部220、及び、繰り返し周波数制御部222を備えている。
光周波数コム光源212は、例えばループ型のファイバレーザである。光周波数コム光源212は、エルビウム添加ファイバ(EDF)24と、LD26と、を備える。EDF24からの光の出射方向(図6における時計回りの方向)に沿って光アイソレータ34、光カプラ32、ファイバレーザの共振器長を変更可能なPZT素子230、及び、偏波コントローラ28がEDF24によって連結されている。
光カプラ32から出射された光周波数コムは、光干渉部214と、光周波数コム出射部220に供給される。光カプラ32と光干渉部214及び光周波数コム出射部220との間には、光カプラ32に近い側から順に偏波コントローラ38、EDF増幅器40が設けられている。EDF増幅器40は、EDF39と、励起LD41と、光カプラ43と、を備える。光カプラ32と光干渉部214までの各構成と、光カプラ32と光周波数コム出射部220までの各構成は、光ファイバ36によって連結されている。EDF増幅器40と光干渉部214との間には、高非線形光ファイバ(High-nonlinear fiber:HNLF)42が配置されている。HNLF42からは、入射する前よりも広帯域な光周波数コムが出射する。
光干渉部214は、光周波数コム光源212に近い側から順に、ファイバコリメータ44、集光レンズ46、λ/2波長板48、周期分極反転ニオブ酸リチウム(periodically-poled lithium niobate:PPLN)50、光バンドパスフィルタ52を備える。PPLN50からは、広帯域の光周波数コム(2f)と、PPLN50で新たに生成された第二高調波(2×1f)とが重なった成分が出射する。
広帯域の光コムと第二高調波は、ビート信号検出部216で干渉する。ビート信号検出部216では、広帯域の光コムと第二高調波とのビート信号が検出される。PPLN50から出射した光は、ビート信号検出部216のフォトディテクタ54によって検出される。フォトディテクタ54から出力された電気信号は、電気ケーブル56を介してオフセット周波数制御部218に伝送され、電気ケーブル58を介して繰り返し周波数制御部222に伝送される。
オフセット周波数制御部218は、高周波バンドパスフィルタ61、高周波アンプ62、ファンクションジェネレータ(Function generator:FG)64、周波数変換器(Double Balanced Mixer:DBM)66、ループフィルタ68を備える。オフセット周波数制御部218は、FG64から発信される参照信号の周波数が変更されると、ループフィルタ68によって励起LD26の印加電流にフィードバックをかける。すなわち、FG64から発信される参照信号の周波数を制御することによって、光周波数コム光源212から出射される光コムのオフセット周波数fCEOが制御される。
繰り返し周波数制御部222は、高周波バンドパスフィルタ71、高周波アンプ72、FG74、DBM76、ループフィルタ78を備える。繰り返し周波数制御部222は、FG74から発信される参照信号の周波数が変更されると、ループフィルタ78によってPZT素子230にフィードバックをかける。すなわち、FG74から発信される参照信号の周波数を制御することによって、光周波数コム光源212から出射される光周波数コムの繰り返し周波数frepが制御される。
図5に示す周波数安定化部294は、コンピュータに内蔵されたプログラム等からなる周波数制御部290と、FG130,132と、DBM108,118と、PID制御器110,120と、を備える。光周波数コム出力部210Aから出射された光周波数コム1は、光カプラ102を介して光カプラ104に入射する。CWレーザー292から出射されたCW光は、光カプラ112を介して光カプラ104に入射する。光カプラ104で合わさった光周波数コム1とCW光は、フォトディテクタ等の受光部106で受光され、電気信号に変換される。受光部106から発せられた電気信号は、DBM108に入力され、FG130からの参照信号と合わさる。DBM108からの出力は、PID制御器110に入力される。PID制御器110からの出力は、CWレーザー292への入力電流値にフィードバックされる。
CWレーザー292から出射されたCW光は、光カプラ112を介して光カプラ114にも入射する。光周波数コム出力部210Bから出射された光周波数コム2は、光カプラ122を介して光カプラ114に入射する。光カプラ114で合わさった光周波数コム2とCW光はフォトディテクタ等の受光部116で受光され、電気信号に変換される。受光部116から発せられた電気信号は、DBM118に入力され、FG132からの参照信号と合わさる。DBM118からの出力は、PID制御器120に入力される。PID制御器120からの出力は、光周波数コム出力部210Bの光周波数コム光源212におけるPZT素子230の変位量にフィードバックされる。
デュアルコム分光測定装置210において、光周波数コム1に対して光周波数コム2を追随させ、位相同期のとれたデュアルコムを生成するためには、先ず光周波数コム1の繰り返し周波数frep1及びオフセット周波数fCEO1を光周波数コム出力部210AのFG64,74から発信される参照信号の周波数に合わせて安定化させる。次に、光周波数コム出力部210Aより出力される光周波数コム1とCW光とのビート信号をFG130からの参照信号に対して安定化させる。次に、光周波数コム出力部210Bから出力される光周波数コム2のオフセット周波数fCEO2を安定化させたうえで、CW光と光周波数コム2とのビート信号を検出し、検出したビート信号をFG118からの参照信号に対して安定化させる。このような手順により、光周波数コム1,2の繰り返し周波数frep1,frep2をそれぞれCW光の周波数を追随させる。つまり、光周波数コム1に対して光周波数コム2が追随し、互いに位相同期のとれたデュアルコムが得られる。
また、周波数制御部290は、オフセット周波数差ΔfCEO、オフセット周波数fCEO1、オフセット周波数fCEO2、繰り返し周波数差Δfrep、繰り返し周波数frep1、繰り返し周波数frep2の6つのパラメータ同士が任意の整数比で表される相対関係が成り立つように、オフセット周波数fCEO1,fCEO2及び繰り返し周波数frep1,frep2の4つのパラメータを制御する。
デュアルコム分光測定装置210では、上述のように制御されてファイバコリメータ141から出射された光周波数コム1は、折り返しミラー171によって折り返され、ビームエキスパンダー172によって拡げられる。図7に示すように、ビームエキスパンダー172によって拡げられた光周波数コム1の通過幅(すなわち、光周波数コム1の進路に直交する方向(幅方向)における光周波数コム1の大きさ)301は、固体試料5の被測定部17の幅方向における測定幅19より大きく、例えば測定幅19の略2倍である。
固体試料5は均一な厚みLを有し、入射面6及び出射面7は光周波数コム1の進路に対して直交し且つ互いに平行になっている。被測定部17は、固体試料5の物性情報を得るために光周波数コム1を照射する必要がある部分を意味する。被測定部17が固体試料5の任意の部分であって(すなわち、固体試料5のどの部分に光周波数コム1を照射しても測定対象の透過光パルス9及び多重反射光パルス10を得られて)、光周波数コム1を実質的に拡げられる大きさより固体試料5における光周波数コム1の幅方向における大きさが大きい場合は、ビームエキスパンダー172で適当な大きさまで通過幅301を大きくし、幅方向に拡げられた光周波数コム(通過幅調節済単一第1光周波数コム)311の片側に固体試料5を挿入できる。
図7に示すように、光周波数コム311の進路上の試料配置位置320で、幅方向において光周波数コム311が通過する領域の一部に被測定部17が配置されている。このことによって、試料配置位置320より光周波数コム311の進行方向の奥側(すなわち、前方)に、幅方向において被測定部17を通過していない光周波数コム312と被測定部17から出射した光周波数コム313とが空間分割された状態で、光周波数コム321が現れる。
図5に示すように、試料配置位置320より光周波数コム311の進行方向の奥側に出射した光周波数コム321は、ビームエキスパンダー176に入射する。光周波数コム321の通過幅は、ビームエキスパンダー176によって光周波数コム2の通過幅(すなわち、光周波数コム2の進路に直交する方向(幅方向)における光周波数コム2の大きさ)と同程度の大きさまで縮められる。ビームエキスパンダー176を通過した光周波数コム321は、ビームスプリッター146に入射し、反射され、光周波数コム2と進路を共通にして進む。
光周波数コム321,2は、フォトディテクター160で受光される。図8に示すように、ビームスプリッター146から進行する光周波数コム321では、幅方向において光周波数コム312,313が隣接して互いに異なる領域を通っている。また、ビームスプリッター146とフォトディテクター160との間の光周波数コム321,2の進路上には、集光レンズ165が配置されている。集光レンズ165から光周波数コム321,2の進行方向の奥側且つ集光レンズ165から集光レンズ165の焦点距離だけ離れた位置に、フォトディテクター160の受光部162が配置されている。光周波数312,313と光周波数コム2は、受光部162の同一領域で受光される。
フォトディテクター160において光周波数コム312,2が干渉した第1の干渉信号は、RF周波数コム342として生成される。フォトディテクター160において光周波数コム313,2が干渉した第2の干渉信号は、RF周波数コム343として生成される。つまり、本実施形態では、不図示の第1の干渉信号及び第2の干渉信号をRF周波数コム342,343として取得する。
データ処理部98では、フォトディテクター160から送信されるRF周波数コム342,343、及び前述の(5)式から(13)式に基づいて、固体試料5の厚みL、群屈折率n(ω)及び位相屈折率n(ω)等の物性情報を取得する。
すなわち、本実施形態の測定方法は、少なくとも第1工程から第3工程までを備え、第4工程をさらに備える。第1工程では、幅方向に対して通過する通過幅が被測定部17の測定幅19より大きい光周波数コム311の進路上の試料配置位置320で、幅方向において光周波数コム311が通過する領域の一部に被測定部17を配置する。第2工程では、試料配置位置320より光周波数コム311,321の進行方向の奥側において、被測定部17を通過していない光周波数コム312と被測定部17から出射した光周波数コム313とを一括して、フォトディテクター160で受光する。第3工程では、第2工程において一括して受光した光周波数コム321のうち光周波数コム312と光周波数コム2との第1の干渉信号をRF周波数コム342として生成する。また、第3工程では、第2工程において一括して受光した光周波数コム321のうち光周波数コム313と光周波数コム2との第2の干渉信号をRF周波数コム343として生成する。第4工程では、光周波数コム312の光パルス11の時間軸上の位置を参照位置とし、光周波数コム313の透過光パルス9及び多重反射光パルス10の時間軸上の位置を測定対象位置とし、RF周波数コム342,343に基づいて参照位置に対する測定対象位置の情報を位相スペクトルφDC(ω)としてデータ処理部98によって取得する。第5工程では、参照位置に対する測定対象位置の情報に基づいて固体試料5の物性情報を算出する。
本実施形態の測定方法によれば、単一の光周波数コム321において光周波数コム312,313を空間分割し、光周波数コム312,313との差を試料配置位置320において固体試料5を通過したか否かということのみにすることができる。言い換えれば、参照光パルスである光パルス11と、透過光パルス9及び多重反射光パルス10のそれぞれとの差異を、試料配置位置320において固体試料5を通ったか否かということのみにすることができる。また、透過光パルス9と多重反射光パルス10は、試料配置位置320において固体試料5を透過するか、それとも多重反射するかという進路が異なり、これらの進路以外は共通の進路をとる光周波数コム311,321に基づく。さらに、固体試料5を一旦配置すれば、光周波数コム311の進路上に挿入または当該進路から退避させる等の機械的な動作は不要になる。したがって、RF周波数コム342,343の差異に、図4に示す位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を良好に反映し、光周波数コム311の進路上に対する固体試料5の挿入及び退避をさせたときに生じる遅い位相揺らぎをキャンセルし、従来の測定方法に比べて図1に示す位相揺らぎδφを領域R−2に近づけて抑えることができる。
上述のように本実施形態の測定方法によって位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を正確に測定できるので、位相スペクトルφ(ω),φ(ω)に基づいて導出される固体試料5の物性情報の精度を高くすることができる。上述の作用効果は、複数の光周波数モードのそれぞれの周波数軸上の位置や、光パルスの時間軸上の位置が正確である光周波数コムを用いて、光パルスの位相スペクトル(すなわち、時間軸上の情報)を正確に測定する際に、上述のように大きな効果を発揮する。
本実施形態の測定方法によれば、第2工程において、被測定部17から出射した光周波数コム321は、光周波数コム311の進行方向に沿って被測定部17を透過した光周波数コム313−1と、被測定部17の入射面6と出射面7との間を進行方向に沿って多重反射した光周波数コム313−2と、を含む。
上述のように本実施形態の測定方法によって位相スペクトルφ(ω),φ(ω)を一括して正確に測定できる。なお、本実施形態では、図4に例示した透過光パルス9及び多重反射光パルス10を測定対象とした。出射面7と入射面6との間で多重反射の回数が増すにしたがってパワーが低下するが、出射面7と入射面6との間で4回、6回、・・・とより多くの回数で多重反射した光パルスが出射され、それらの光パルスの位相スペクトルφDC(ω)を測定できる。したがって、透過光パルス9及び多重反射光パルス10をはじめとして固体試料5の出射面7から出射される光パルスの参照光パルス11に対する位相スペクトルφDC(ω)に基づいて、厚みL、群屈折率φ(ω)、位相屈折率φ(ω)をはじめとして固体試料5の物性情報を高精度に取得できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、光周波数コム1は、ビームエキスパンダー172によって拡げられると説明した。しかしながら、光周波数コム1を通過幅301を有するように拡げる方法は、特に限定されず、ビームエキスパンダー172以外の光学部品でなされてもよい。また、ファイバコリメータ141の出射口が通過幅301より大きく加工され、ファイバコリメータ141から通過幅301を有する光周波数コム311が直接出射してもよい。
また、上述の実施形態では、物性情報を取得する対象として吸収係数が無視できる程度に小さい固体試料を想定した。しかしながら、吸収係数を考慮した適切な数式やモデルを上述の内容に導入することによって、本発明に係る位相屈折率の導出方法は、汎用的な試料の位相屈折率の導出が可能になる。また、位相屈折率の異方性が大きくなければ、測定時に用いる試料は固体試料に限定されない。
また、上述の実施形態の測定対象は固体試料5の位相屈折率であるが、本発明の測定方法は、固体試料5の位相屈折率に限らず、固体試料5の誘電率や伝導率を測定対象とすることができる。すなわち、本発明の測定方法によれば、光周波数コムの干渉信号に基づいて取得可能な測定に広く適用できる。
1・・・光周波数コム(第1の光周波数コム)
2・・・光周波数コム(第2の光周波数コム)
5・・・固体試料(試料)
17・・・被測定部
19・・・測定幅
301・・・通過幅
311・・・光周波数コム(通過幅調節済単一第1光周波数コム)
312・・・光周波数コム(被測定部を通過していない通過幅調節済単一第1光周波数コム)
313・・・光周波数コム(被測定部から出射した通過幅調節済単一第1光周波数コム)

Claims (3)

  1. 互いに異なる繰り返し周波数を有する第1の光周波数コムと第2の光周波数コムとを用いたデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法であって、
    単一の前記第1の光周波数コムの進行方向に直交する幅方向における通過幅が試料の被測定部の前記幅方向における測定幅より大きい通過幅調節済単一第1光周波数コムの進路上の試料配置位置で、前記幅方向において前記通過幅調節済単一第1光周波数コムが通過する領域の一部に前記被測定部を配置する第1工程と、
    前記試料配置位置より前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの進行方向の奥側において、前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記被測定部から出射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムとを一括して受光する第2工程と、
    前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記第2の光周波数コムとの第1の干渉信号を生成し、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと前記第2の光周波数コムとの第2の干渉信号を生成する第3工程と、
    前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過していない前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの光パルスの時間軸上の位置を参照位置とし、前記第2工程において一括して受光した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムのうち前記被測定部を通過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムの光パルスの時間軸上の位置を測定対象位置とし、前記第1の干渉信号及び前記第2の干渉信号に基づいて前記参照位置に対する前記測定対象位置の情報を取得する第4工程と、
    を備えるデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法。
  2. 前記第3工程で取得した前記参照位置に対する前記測定対象位置の情報に基づいて前記試料の物性情報を算出する第5工程をさらに備える、
    請求項1に記載のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法。
  3. 前記第2工程において、
    前記被測定部から出射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムは、
    前記進行方向に沿って前記被測定部を透過した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと、
    前記被測定部の入射面と出射面との間を前記進行方向に沿って多重反射した前記通過幅調節済単一第1光周波数コムと、を含む、
    請求項1または請求項2に記載のデュアルコム分光法における干渉信号の測定方法。
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