JP2020082533A - 特殊潜像模様形成体及び特殊潜像模様形成体用データの作成方法 - Google Patents

特殊潜像模様形成体及び特殊潜像模様形成体用データの作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 特別な判別具等を必要とせず、基材を透過光下で観察すると連続階調画像として表現することが可能な特殊潜像模様形成体を提供する。【解決手段】 本発明は、光透過性を有する基材上に潜像画像を形成するポジ画線及びネガ画線から成る潜像層と、潜像層を反射光下で隠蔽する隠蔽層と、潜像画線と同一濃度のカモフラージュ画線から成るカモフラージュ層を積層した形成体であり、透過光下で観察した際にネガ画線の一部をカモフラージュ画線が隠蔽することで、ポジ画像から成る潜像画像が出現する特殊潜像模様形成体である。【選択図】 図1

Description

本発明は、株券、債券等の有価証券、銀行券、旅券、各種証明書、重要書類等の偽造、改ざんの防止が求められるセキュリティ印刷物において、肉眼にて光を透過して観察することで、フルカラーの潜像模様が視認できる特殊潜像模様形成体及びそのデータの作成方法に関するものである。
セキュリティ印刷物は、その性質上、偽造や複製がされにくいことが要求される。また、偽造や複製がされたか否かを目視により簡易に判別可能とするため、印刷物に光を透過させて観察する(透かして見る)ことによって、表裏に印刷された各々の異なっていた模様が合成され、意味を成す模様として現れる表裏合成模様と称される偽造防止技術が公知となっている。
表裏合成模様によるセキュリティ印刷物の偽造防止方法は、外国銀行券等にみられるように単純な模様の合成であって、それらの合成模様を潜像化したものではなく、合成模様を部分的な要素に分割して、それぞれ被印刷体の表裏に印刷を施したものである。
また、本出願人は、表裏合成模様の潜像化を可能とする技術として、光を透過する被印刷体の表裏いずれか一方に万線や網点等によって各種模様を印刷し、他方には万線や網点等により潜像とすべき図柄を施した画線から成る各種模様を、互いに印刷位置が合うように印刷し、この印刷物を光で透かして見ると表裏の模様が合成され、潜像が連続階調の画像として出現する技術について出願している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、従来の表裏合成模様の情報の乏しさを補うために、プロセス色分解又は人為的に色分けすることで得られたシアン、マゼンタ、イエローの三原色の分解画像を、色ごとに万線、網点等の各種スクリーン模様の潜像として施し、これら三つの潜像を施した画像に光を透過する被印刷体の表裏いずれか一方にプロセスインキで印刷し、他方には潜像を施していない各色を用いた万線、網点等の各種スクリーン模様を、一方の同じ刷色の印刷位置と合わせてプロセスインキで印刷したことを特徴とする潜像がカラー画像として出現する表裏模様合成印刷物を既に出願している(例えば、特許文献2参照)。
特願平3−332716号公報 特許第3362171号公報
しかしながら、特許文献1の表裏合成模様印刷物は、連続階調を有する表裏合成模様は視認されるものの、表現できる画像はモノトーンであり、潜像にカラー画像の色彩変化が持つ複雑な情報を施すことができないという課題が残されていた。
また、特許文献2の表裏合成模様印刷物は、フルカラーの表裏合成模様を付与できるものの、基材の一方の面に潜像を施したスクリーン模様を形成し、他方の面におけるスクリーン模様が形成された位置と重畳する位置に潜像を施していないスクリーン模様を形成し、これら二つの模様の重なりによってフルカラーの表裏合成模様を可視化させるものであることから、少しでも刷り合わせがずれた場合に合成画像が再現されないという課題が残されていた。
さらに、特許文献1及び2の表裏合成模様印刷物は、あらかじめ表用及び裏用の印刷版面を作製し、表裏面に対して印刷を施すものであることから、1枚ごとに異なる画像を形成する可変印刷としての適用ができないという課題が残されていた。
本発明は、前述した課題に鑑みなされたものであり、フルカラーの表裏合成模様を形成する際に、光透過性を有する基材上に、潜像模様を形成するポジ画像及びネガ画像を形成し、その上に隠蔽層を、更にその上にカモフラージュ模様を形成することで、刷り合わせズレによる影響がなく、かつ、デジタル印刷機を用いた可変印刷が可能な特殊潜像模様形成体及びそのデータの作成方法に関するものである。
本発明の特殊潜像模様形成体は、光透過性を有する基材上の少なくとも一部に、潜像模様、隠蔽層及びカモフラージュ模様の順に積層された潜像構造を有し、潜像模様は、規則的に所定のピッチ及び画線幅で万線状に配列された潜像画線が形成され、隠蔽層は、光透過性を有し、潜像模様及びカモフラージュ模様とは異なる色で、かつ、反射光下で基材の一方の面側から観察した場合に他方の面側に形成された潜像模様又はカモフラージュ模様を隠蔽する隠蔽要素が形成され、カモフラージュ模様は、潜像画線と同一のピッチ及び画線幅で万線状に配列されたカモフラージュ画線が第1の色で形成され、潜像画線は、潜像模様の基カラー画像の色彩を有するポジ画像を形成するポジ画線と、ポジ画像を階調反転したネガ画像を形成するネガ画線から成り、ポジ画線は、i)基材及び第1の色とは異なるプロセスカラーから成る無彩色の第2の色及び基カラー画像の色に対応した有色の第3の色を有するか、又はii)基材及び第1の色とは異なる基カラー画像の色に対応した特色の第5の色を有し、ネガ画線は、i)の場合、第2の色及び第3の色とは補色のプロセスカラーから成る第4の色を有するか、又は、ii)の場合、第5の色とは補色の特色から成る第6の色を有し、ポジ画線及びネガ画線は、同一の画線幅で隣接して形成され、潜像画線及びカモフラージュ画線のいずれか一方が、基カラー画像の連続階調に対応したレリーフ形状に形成され、潜像画線を構成するネガ画線とカモフラージュ画線は、少なくとも一部が重なるように形成されて成り、潜像構造を、基材の一方の面側から反射光下で観察した場合、潜像模様が一様の濃度の第2の色で観察されるか、又はカモフラージュ模様が一様の濃度の第1の色で観察され、基材の他方の面側から反射光下で観察した場合、潜像模様が一様の濃度の第2の色で観察されるか、又はカモフラージュ模様が一様の濃度の第1の色で観察され、潜像構造を透過光下で観察した場合、カモフラージュ画線によってネガ画線が隠蔽されることで、ポジ画像が潜像模様として視認されることを特徴とする特殊潜像模様形成体である。
また、本発明の特殊潜像模様形成体における潜像模様及びカモフラージュ模様は、50%の面積率で形成されたことを特徴とする特殊潜像模様形成体である。
また、本発明は、特殊潜像模様形成体が前述のi)の場合で、かつ、潜像画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、基カラー画像を複数の領域に区分けし、領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、領域平均化画像を多値モノクロ画像に変換した第1の多値モノクロ画像と第1の多値モノクロ画像を階調反転した第2の多値モノクロ画像とを作製する多値モノクロ画像生成工程と、第1の多値モノクロ画像に第1のパターンファイルを適用したポジ状の第1−1の2値画像と、第2の多値モノクロ画像に第2のパターンファイルを適用したネガ状の第1−2の2値画像を作製する第1の2値画像生成工程と、第1−1の2値画像と第1−2の2値画像が隣接するように合成する基本マスク画像生成工程と、基本マスク生成工程で得られた基本マスク画像から、ポジ画線用の下部スリットマスク及びネガ画線用の上部スリットマスクを生成する上下マスク画像生成工程と、ネガ画線用として、領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を階調反転させた第1−1の多値カラー情報と色相反転させた第1−2の多値カラー情報を作製して、50%の濃度値に平均化して合成することにより第1の多値カラー情報を備えた第1の多値カラー画像を生成し、ポジ画線用として、領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を明度反転させた第2−1の多値カラー情報を作製して、基多値カラー情報と50%の濃度値に平均化して合成することにより第2の多値カラー情報とした第2の多値カラー画像を生成する多値カラー画像生成工程と、第1の多値カラー画像に上部スリットマスクを、第2の多値カラー画像に下部スリットマスクを適応するマスク処理工程と、第1の多値カラー画像を構成しているネガ画線及び第2の多値カラー画像を構成しているポジ画線が隣接するように合成する有色潜像模様生成工程とを備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
また、本発明は、特殊潜像模様形成体が前述のii)の場合で、かつ、潜像画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、基カラー画像を複数の領域に区分けし、領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、領域平均化画像から特定の色域を抽出する色域抽出工程と、色域抽出工程で抽出された特定の色の第3の多値モノクロ画像に第1のトーンカーブを適用した多値モノクロポジ画像と、第2のトーンカーブを適用した多値モノクロネガ画像を生成する多値モノクロ階調変換工程と、多値モノクロポジ画像に第3のパターンファイルと下部スリットマスクを適用した第2−1の2値画像と、第3のパターンファイルと上部スリットマスクを適用した第2−2の2値画像を生成し、多値モノクロネガ画像に第4のパターンファイルと下部スリットマスクを適用した第3−1の2値画像と、第4のパターンファイルと上部スリットマスクを適用した第3−2の2値画像を生成する特色用2値画像生成工程と、第2−1の2値画像と第2−2の2値画像を合成する2値画像の第1の合成工程と、第3−1の2値画像と第3−2の2値画像を合成する2値画像の第2の合成工程と、第1の合成工程で得られたポジ画像用の合成画像と、第2の合成工程で得られたネガ画像用の合成画像を合成する特色潜像模様生成工程とを備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
また、本発明は、特殊潜像模様形成体が前述のi)の場合で、かつ、カモフラージュ画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、基カラー画像を複数の領域に区分けし、領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、領域平均化画像を多値モノクロ画像に変換した第1の多値モノクロ画像と第1の多値モノクロ画像を階調反転した第2の多値モノクロ画像とを作製する多値モノクロ画像生成工程と、第1の多値モノクロ画像に第1のパターンファイルを適用したポジ状の第1−1の2値画像と、第2の多値モノクロ画像に第2のパターンファイルを適用したネガ状の第1−2の2値画像を作製する第1の2値画像生成工程と、第1−1の2値画像と第1−2の2値画像が隣接するように合成する白色カモフラージュ模様生成工程と、ネガ画線用として、領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を階調反転させた第1−1の多値カラー情報と色相反転させた第1−2の多値カラー情報を作製して、50%の濃度値に平均化して合成することにより第1の多値カラー情報を備えた第1の多値カラー画像を生成し、ポジ画線用として、領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を明度反転させた第2−1の多値カラー情報を作製して、基多値カラー情報と50%の濃度値に平均化して合成することにより第2の多値カラー情報とした第2の多値カラー画像を生成する多値カラー画像生成工程と、第1の多値カラー画像に上部スリットマスクを、第2の多値カラー画像に下部スリットマスクを適応するマスク処理工程と、第1の多値カラー画像を構成しているネガ画線及び第2の多値カラー画像を構成しているポジ画線が隣接するように合成する有色潜像模様生成工程とを備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
また、本発明は、特殊潜像模様形成体が前述のii)の場合で、かつ、カモフラージュ画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、基カラー画像を複数の領域に区分けし、領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、領域平均化画像から特定の色域を抽出する色域抽出工程と、色域抽出工程で抽出された特定の色の第3の多値モノクロ画像に第1のトーンカーブを適用した多値モノクロポジ画像と、第2のトーンカーブを適用した多値モノクロネガ画像を生成する多値モノクロ階調変換工程と、多値モノクロポジ画像に第5のパターンファイルを適用した第2−1の2値画像と、第6のパターンファイルを適用した第3−1の2値画像を生成し、多値モノクロネガ画像に第7のパターンファイルを適用した第2−2の2値画像と、第8のパターンファイルを適用した第3−2の2値画像を生成する特色用2値画像生成工程と、第2−1の2値画像と第3−1の2値画像を合成する2値画像の第1の合成工程と、第2−2の2値画像と第3−2の2値画像を合成する2値画像の第2の合成工程と、第1の合成工程で得られたポジ画像用の合成画像と、第2の合成工程で得られたネガ画像用の合成画像を合成する特色潜像模様生成工程とを備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
また、領域平均化工程の前に、基カラー画像に対して彩度を上げる彩度調整工程を備えたことを特徴とする特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
さらに、領域平均化工程の後に、領域平均化画像に対して、基材表面の水平方向に対して各領域の境目を目立たなくさせるためのボカシ処理を行う水平ボカシ処理工程を備えたことを特徴とする特殊潜像模様形成体用データの作成方法である。
本発明の特殊潜像模様形成体は、特殊な判別具等を用いることなく、肉眼によりフルカラーの連続階調画像が視認できることから、潜像模様に豊富な色彩感を付与することが可能となった。
また、本発明の特殊潜像模様形成体は、特色インキによって潜像模様のポジ画像及びネガ画像を形成しているため、多少の刷り合わせズレが生じても、違和感なく、フルカラーの潜像模様が視認される構成であり、かつ、基材の一方の面に潜像画線と隠蔽画線を重ねて形成することから、印刷適正の自由度が向上するとともに、潜像模様の再現性が高いという効果が得られた。
本発明の特殊潜像模様形成体の一例を示す図。 本発明の特殊潜像模様形成体の展開図。 本発明の特殊潜像模様形成体の効果を示す図。 特殊潜像模様形成体を作成するための装置のブロック図。 特殊潜像模様形成体用のデータを作成する方法のフローチャート図。 基カラー画像を示す図。 基カラー画像に領域平均化処理を施した画像を示す図。 領域平均化処理を施した画像にボカシ処理を施した画像を示す図。 第1及び第2の多値モノクロ画像を示す図。 第1の多値モノクロ画像に第1のパターンファイルを適用した第1−1の2値画像を示す図。 第2の多値モノクロ画像に第2のパターンファイルを適用した第1−2の2値画像を示す図。 第1−1の2値画像と第1−2の2値画像を合成した基本マスク画像(白色カモフラージュ模様)を示す図。 第1の多値カラー画像を示す図。 第2の多値カラー画像を示す図。 多値カラー情報における画素の濃度値を示す図。 補色関係の第4の色を有するネガ画線を示す図。 補色関係の第3の色を有するポジ画線を示す図。 特殊潜像模様形成体を構成する有色潜像模様を説明する図。 カモフラージュ画線と有色潜像模様の配置関係を示す図。 特色カラーを用いて潜像模様を作成する方法を示すフローチャート図。 領域平均化処理を施した画像から肌色を抽出した第3の多値モノクロ画像を示す図。 第3の多値モノクロ画像にトーンカーブを適用して多値モノクロポジ画像及び多値モノクロネガ画像を生成した図。 肌色用画像を生成するために適用するパターンファイルの種類を示す図。 パターンファイルを適用した肌色を表現する第2の2値画像を示す図。 第2の2値画像と補色関係を有する第3の2値画像を示す図。 特色用の有色潜像模様を示す図。 無色透明基材に表裏模様がそれぞれ印刷される状態を示す図。 通常反射光での観察時と裏面から光を透過して観察した場合を示す図。 第3の実施の形態における特殊潜像模様形成体の展開図。 第3の実施の形態における特殊潜像模様形成体の効果を示す図。 特殊潜像模様形成体を作成するための装置のブロック図。 特殊潜像模様形成体用データを作成する方法のフローチャート図。 第1の多値カラー画像を示す図。 第2の多値カラー画像を示す図。 特殊潜像模様形成体を構成する有色潜像模様を説明する図。 カモフラージュ画線と有色潜像模様の配置関係を示す図。 特色カラーを用いて潜像模様を作成する方法を示すフローチャート図。 肌色用画像を生成するために適用するパターンファイルの種類を示す図。 パターンファイルを適用した肌色を表現する第2の2値画像を示す図。 第2の2値画像と補色関係を有する第3の2値画像を示す図。 特色用の有色潜像模様を示す図。 無色透明基材に表裏模様がそれぞれ印刷される状態を示す図。 通常反射光での観察時と裏面から光を透過して観察した場合を示す図。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が対象とする特殊潜像模様形成体(以下「形成体」という。)(1)を含む冊子と、その基カラー画像(15)の例である。本発明における「形成体」(1)の意味については後述する。図1では、旅券冊子を例として、表紙と裏表紙の間に複数の記録用のページがとじ部により一体化されており、表紙の見返しページ(基材)(2)には、基カラー画像(15)から得られた所有者の顔画像(3)、個人情報(4)、冊子番号(5)、更には本発明の特徴点である特殊潜像模様(以下「特殊潜像」という。)(6)が形成されている。なお、図1に示した形成体(1)を含む旅券冊子は、一例に過ぎず、必ずしも同じようなデザイン(配置)である必要はない。
特殊潜像(6)の大きさについては、基材(2)全体にわたって形成してもよいが、実際の活用形態を考慮すると、図1に示したように、基材(2)上の一部に透明窓を形成することが好ましい。したがって、大きさについては、他の模様に影響を及ぼさなければ、特に限定はなく、基材(2)上の少なくとも一部に配置されることとなる。
図2は、第1の実施の形態における特殊潜像(6)の構成を示す展開図である。本実施の形態における特殊潜像(6)は、不透明の黒色のカモフラージュ画線(9)と、有色の潜像画線(11)から成る。カモフラージュ画線(9)の総体画線面積率と潜像画線(11)の総体画線面積率は1対1で、それぞれ50%の画線面積率となっている。したがって、カモフラージュ画線(9)は、第1の色として黒色に、潜像画線(11)は、ハーフトーンの灰色として目視されている。なお、第1の実施の形態では、カモフラージュ画線(9)を黒色で形成しているが、潜像模様(10)の構成によっては、白色(無色)のカモフラージュ画線(9)とすることもできる。
また、基材(2)については、カモフラージュ模様(8)及び潜像模様(10)の各々が透過光で観察できれば特に制限はないが、光透過性の高い紙基材又は無色透明なプラスチック素材であることが好ましい。
本実施の形態における形成体(1)の効果を図3に示す。まず、基材(2)上に潜像画線(11)を形成し、その上を覆い隠すように隠蔽層(12)を形成し、更にその上に、潜像画線(11)と等しい位置をもってカモフラージュ画線(9)が備わっている。そして、図3(a)のように、観察者(16)の視点が基材(2)に対して垂直となる真上から反射光下で観察した場合には、特殊潜像(6)は、カモフラージュ画線(9)を形成した黒色として視認でき、図3(b)に示すように、観察者(16)に対し基材(2)の反対側から光源(56)が発する光を透過して(透かして)観察した場合は、連続階調を備えた潜像部(7)を視認できる。
(特殊潜像模様形成体の作製装置)
次に、形成体(1)の作製装置及び形成体用データの作成方法について説明する。本発明は、写真等のフルカラー階調を有する基カラー画像(15)を、画線を用いて構成した特殊潜像(6)として印刷模様内にカラー階調のイメージとして埋め込み、そのままのカラー階調のイメージとして出現することが可能な形成体(1)用データの作成方法に関するものである。本実施の形態における形成体(1)の作製装置は、図4のブロック図に示すように、入力手段(M1)、編集手段(M2)、出力手段(M3)、表示手段(M4)、通信インターフェース(M5)及びデータベース(M6)を少なくとも備えている。
入力手段(M1)は、カラー画像入力手段(M1a)と情報入力手段(M1b)とで構成され、カラー画像入力手段(M1a)における基カラー画像(15)の入力は、デジタルカメラ、スキャナ等、特に限定されるものではない。また、データベース(M6)又は通信インターフェース(M5)によって、あらかじめ登録されたデータベースサーバから画像、テキスト等を得ることもできる。
一方、情報入力手段(M1b)は、キーボード等から入力するか、又はデータベース(M6)と同じパソコン内に登録されている数値情報、通信インターフェース(M5)によって、あらかじめ入力された外部のデータベースサーバから数値情報を得ることができる。この数値情報とは、後述する出力解像度等である。
編集手段(M2)は、前処理画像生成手段(M2a)と、有色潜像模様生成手段(M2b)と、マスク画像生成手段(M2c)とで構成されている。通信インターフェース(M5)又はデータベース(M6)から得られたカラー画像、数値情報、パターンファイル等により、前処理画像生成手段(M2a)では前処理画像が生成され、有色潜像模様生成手段(M2b)では有色潜像模様(10)が生成され、マスク画像生成手段(M2c)ではカモフラージュ模様(8)が生成される。
出力手段(M3)は、インクジェットプリンタ等のコンピュータからの画像を印刷可能な印刷装置等であり、特に限定されるものではない。表示手段(M4)は、パソコンのモニタ、専用のモニタ等、特に限定されるものではない。また、通信インターフェース(M5)は、USB、RS−232C、IEEE1394等、特に限定されるものではない。
次に、形成体(1)用データの作成方法について、図5を用いて詳細に説明する。データの作成方法については、一点鎖線に囲まれた大きく三つの処理フローから構成されている。前処理フローは、前処理画像生成手段(M2a)において実行され、有色潜像模様生成フローは、有色潜像模様生成手段(M2b)において実行され、マスク画像生成フローは、マスク画像生成手段(M2c)において実行される。
(前処理フロー)
まず、前処理フローについて説明する。カラー画像を設定するStep1は、例えば、デジタルカメラ等から入力された基カラー画像を設定する。本実施の形態における基カラー画像(15)は、図6に示された顔写真から成る、例えば、24bitRGB形式といった多値カラー画像であり、画像解像度を1,200dpi、画像サイズを1,535×1,535Pixelとした。
なお、必要に応じてStep1−2の基カラー画像(15)の彩度を上げる彩度調整工程を加えてもよい。彩度を上げる理由としては、図3(b)で示した基材(2)を透過光下で観察した際に、より鮮やかにカラー画像を現出させるためである。
次に、Step2の領域平均化処理工程では、基カラー画像(15)を領域平均化処理によって、多値カラー画像から成る領域平均化画像(19)に変換する。領域平均化処理は、図7に示したように、基カラー画像(15)中の横画素数(v)と縦画素数(h)の領域内における近傍の画素濃度で平均値にすることである。本実施の形態では、横画素数(v)を24Pixel、縦画素数(h)を48Pixelとした。なお、縦画素数(h)は、後述する特殊潜像(6)のピッチ(P)に相当するものである。
また、Step2で変換された領域平均化画像(19)に対し、水平ボカシ処理によって、図8に示したように、横画素数(v)の方向に所定の画素数の近傍をぼかした多値カラー画像から成る水平ボカシ処理画像(20)に変換するStep2−2の水平ボカシ処理工程を加えてもよい。水平ボカシ処理は、後述する潜像模様(10)とカモフラージュ模様(8)の高品質化のための処理であり、必ずしも必要とされる処理ではない。本実施の形態では、横画素数(v)の方向に24Pixelの水平ボカシ処理を施した。
領域平均化画像(19)又は水平ボカシ処理画像(20)は、有色潜像模様生成フロー及びマスク画像生成フローに移行し、各々の処理が自動的に実行される。
(マスク画像生成フロー)
次に、マスク画像生成フローについて説明する。Step3は、多値モノクロ画像生成工程として、二つの多値モノクロ画像を生成する。一つ目の画像は、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)が、図9(a)に示したように、例えば、8bitグレースケール形式といった第1の多値モノクロ画像(21)に変換される。
二つ目の画像は、一つ目の画像として生成された第1の多値モノクロ画像(21)の階調反転、すなわち各々の画素濃度値(グレーレベル)が反転され、図9(b)に示したように、第1の多値モノクロ画像(21)に対してネガ状の第2の多値モノクロ画像(22)に変換される。例えば、第1の多値モノクロ画像(21)が8bit形式であった場合、多値情報(D0)の画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式1で変換することによって階調反転された多値情報(D1)となる。
(数式1)
Figure 2020082533
次に、Step4では、第1の2値画像生成工程として、Step3で生成された第1の多値モノクロ画像(21)に、図10に示したような第1のパターンファイル(A)を適用する。第1のパターンファイル(A)は、臨界値配列画像とも呼ばれる多値画像であり、縦の画素数は、Step2において近傍の画素濃度で平均値にする際に用いられた縦画素数(h)と等しく、本実施の形態では、48Pixelとしている。第1のパターンファイル(A)が第1の多値モノクロ画像(21)全体に適用されることで、図10に示したポジ状の第1−1の2値画像(23)が生成される。
併せてStep3で生成されたネガ状の第2の多値モノクロ画像(22)に、図11に示したような第2のパターンファイル(B)を適用する。第2のパターンファイル(B)は、第1のパターンファイル(A)と同じく、臨界値配列画像とも呼ばれる多値画像であり、縦の画素数は、Step2において近傍の画素濃度で平均値にする際に用いられた縦画素数(h)と等しく、本実施の形態では48Pixelとしている。第2のパターンファイル(B)がネガ状の第2の多値モノクロ画像(22)全体に適用されることで、図11に示したネガ状の第1−2の2値画像(24)が生成される。
次に、Step5の基本マスク画像生成工程では、Step4で生成された第1−1の2値画像(23)と第1−2の2値画像(24)が合成され、図12に示す第1の2値画像となる基本マスク画像(25)が完成する。このとき、第1−1の2値画像(23)と第1−2の2値画像(24)の合成については、それぞれの画像を示す全体領域同士が同じ領域に配置されることとなるが、第1−1の2値画像(23)をポジ状に構成しているポジ画線(40)と、第1−2の2値画像(24)をネガ状に構成しているネガ画線(41)とは重ならず、図12の第1の2値画像のように、隣接して配置されていることとなる。
次に、Step6の上下マスク画像生成工程では、Step5で生成された基本マスク画像(25)は、Step6−1の上部スリットマスク画像生成工程によって、基本マスク画像(25)における画線下部を縦画素数(h)の1/4画素分を縮退させる。これにより、図13に示す上部スリットマスク画像(Q1)が生成される。一方、Step6-2の下部スリットマスク画像生成工程によって、基本マスク画像(25)における画線上部を縦画素数(h)の1/4画素分を縮退させる。これにより、図14に示す下部スリットマスク画像(Q2)が生成される。
(有色潜像模様生成フロー)
次に、図5の点線で囲われた有色潜像模様生成フローについて説明する。Step7は、多値カラー情報変換工程として、領域平均化画像(19)又は水平ボカシ処理画像(20)の基多値カラー情報(R0、G0、B0)を、ネガ画線(13)及びポジ画線(14)の基となる多値カラー情報に変換する。まず、ネガ画線(13)用として、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)のいずれかの多値カラー画像の階調反転が行われる。例えば、領域平均化画像(19)又は水平ボカシ処理画像(20)が24bitRGB形式であった場合、基多値カラー情報(R0、G0、B0)の画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式2で変換することによって階調反転された第1−1の多値カラー情報(R1、G1、B1)となる。すなわち、基カラー画像(15)の基多値カラー情報(R0、G0、B0)が、例えば、図15(a)に示す画素の濃度値であったとき、階調反転された第1−1の多値カラー情報(R1、G1、B1)は、図15(b)に示す画素の濃度値に変換される。
(数式2)
Figure 2020082533
次に、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)のいずれかの多値カラー画像の色相反転が行われる。例えば、領域平均化画像(19)又は水平ボカシ処理画像(20)が24bitRGB形式であった場合、基多値カラー情報(R0、G0、B0)の画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式3で変換することによって色相反転された第1−2の多値カラー情報(R2、G2、B2)となる。すなわち、基カラー画像(15)の基多値カラー情報(R0、G0、B0)が、例えば、図15(a)に示す画素の濃度値であったとき、色相反転された第1−2の多値カラー情報(R2、G2、B2)は、例えば、図15(c)に示す画素の濃度値に変換される。
(数式3)
Figure 2020082533
次に、階調反転された第1−1の多値カラー情報(R1、G1、B1)と、色相反転された第1−2の多値カラー情報(R2、G2、B2)を用い、画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式4で変換して合成することによって平均化(50%合成)された第1の多値カラー情報(R4、G4、B4)となる。すなわち、平均化された第1の多値カラー情報(R4、G4、B4)は、例えば、図15(e)に示す画素の濃度値に変換される。第1の多値カラー情報(R4、G4、B4)を備えた画像が第1の多値カラー画像(26)となる。
(数式4)
Figure 2020082533
次に、ポジ画線(14)用として、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)のいずれかの多値カラー画像の明度反転が行われる。例えば、領域平均化画像(19)又は水平ボカシ処理画像(20)が24bitRGB形式であった場合、基多値カラー情報(R0、G0、B0)の画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式5で変換することによって明度反転された第2−1の多値カラー情報(R3、G3、B3)となる。すなわち、基カラー画像(15)の基多値カラー情報(R0、G0、B0)が、例えば、図15(a)に示す画素の濃度値であったとき、明度反転された第2−1の多値カラー情報(R3、G3、B3)は、例えば、図15(d)に示す画素の濃度値に変換される。
(数式5)
Figure 2020082533
次に、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)から成る基多値カラー情報(R0、G0、B0)と明度反転された第2−1の多値カラー情報(R3、G3、B3)を用い、画像全体の各々の画素の濃度値(0〜255のグレーレベル)を数式6で変換して合成することによって平均化(50%合成)された第2の多値カラー情報(R5、G5、B5)となる。平均化された第2の多値カラー情報(R5、G5、B5)は、例えば、図15(f)に示す画素の濃度値に変換される。第2の多値カラー情報(R5、G5、B5)を備えた画像が第2の多値カラー画像(27)となる。
(数式6)
Figure 2020082533
次に、Step8のマスク処理工程では、Step7で平均化された第1の多値カラー情報(R4、G4、B4)を、図16(a)に示すように第1の多値カラー画像(26)に展開し、その際にStep6−1で得られた上部スリットマスク画像(Q1)を適用する。これにより、図16(a)の一部拡大図である、図16(b)に示すように、第3の色とは補色関係の第4の色を有するネガ画線(13)が形成される。
一方、Step7で平均化された第2の多値カラー情報(R5、G5、B5)を、図17(a)に示すように第2の多値カラー画像(27)に展開し、その際にStep6−2で得られた下部スリットマスク画像(Q2)を適用する。これにより、図17(a)の一部拡大図である、図17(b)に示すように、第4の色とは補色関係の第3の色を有するポジ画線(14)が形成される。
さらに、Step9の有色潜像模様生成工程では、Step8で生成された第1の多値カラー画像(26)と第2の多値カラー画像(27)とが合成され、図18で示された有色の潜像模様(10)の基画像が完成する。図18は、有色の潜像模様(10)の平面図及びその一部拡大図である。有色潜像模様(10)は、図18(a)に示すように、同色の一様な万線模様として視認できる。
潜像画線(11)は、図18(a)の一部拡大図である図18(b)に示すように、第3の色を有するポジ画線(14)と、第3の色とは補色関係の第4の色を有するネガ画線(13)を備えている。このネガ画線(13)とポジ画線(14)は対を成して配置されており、潜像部(7)の基となる基カラー画像(15)におけるカラーバランスに併せて、潜像部(7)においてフルカラー表現したい箇所に、このネガ画線(13)とポジ画線(14)を配置することとなり、このフルカラー表現したい箇所が、図18(b)に示すカラー表示域(C)に該当する。
また、1本の潜像画線(11)は、前述のフルカラー表現しない箇所について、具体的には、背景部(18)、人物の髪の毛、まゆ毛等の無彩色で表現するところは、モノトーン表示域(M)として、ネガ画線(13)とポジ画線(14)の混合色の第2の色で形成される。潜像画線(11)については、微細(具体的には後述する)な幅の要素であるため、カラー表示域(C)については、第4の色のネガ画線(13)と第3の色のポジ画線(14)から成っているが、肉眼では二つの色が混色した状態で視認されるため、モノトーン表示域(M)の色と等色として視認され、結果的に、潜像画線(11)は、1本が1色によって形成されているかのように視認されることとなる。
なお、モノトーン表示域(M)については、潜像画線(11)が1本で形成されているように見えるが、カラー表示域(C)では、第4の色で形成されているネガ画線(13)が、モノトーン表示域(M)では、無彩色の第2の色で形成され、また、カラー表示域(C)では、第3の色で形成されているポジ画線(14)が、モノトーン表示域(M)では、無彩色の第2の色で形成されている。実際には、モノトーン表示域(M)において、ネガ画線(13)とポジ画線(14)の双方が第2の色で形成されているため、それぞれを識別できず、1本で形成されているように見えるものである。したがって、潜像画線(11)は、ネガ画線(13)とポジ画線(14)で形成されて成る。
以上のことから、有色潜像模様(10)が一様な第2の色で視認されるということは、前述のとおり、第3の色と第4の色の混合色が第2の色となり、モノトーン表示域(M)を構成している潜像画線(11)は、第2の色として識別される。
このネガ画線(13)及びポジ画線(14)のカラー表示域(C)とモノトーン表示域(M)との境界については、肉眼では識別ができないため、潜像部(7)の境界線で明瞭に分かれていてもよいが、より違和感のないようにするには、図18(b)のように、潜像部(7)の境界を挟んだ両側が第2の色、いわゆる第3の色と第4の色の混合色によるグラデーションとなっていることが好ましい。
作成方法の詳細は後述するが、ポジ画線(14)は、基カラー画像(15)のフルカラーの連続階調に対応した色彩を有しているため、1本のポジ画線(14)内でも色彩が変化することもあるが、複数のポジ画線(14)においても各々異なる色となり、ポジ画線(14)を構成する色を総称して第3の色という。なお、本発明において「基カラー画像(15)のフルカラーの連続階調に対応した色彩」とは、基カラー画像(15)の各画素の色彩と、潜像模様(10)を構成している潜像画線(11)の同じ位置に同じ色彩を有することをいう。同様に、ネガ画線(13)は、ポジ画線(14)と補色関係を有していることから、複数のポジ画線(14)が基カラー画像(15)のフルカラーの連続階調に対応して各々異なる色を有していることに併せ、ネガ画線(13)についても、各々異なる色を有しているが、総称して第4の色という。
ポジ画線(14)が基材(2)を観察者(16)が観察した場合に潜像部(7)を形成するための要素であることに対し、ネガ画線(13)は、図3(a)の観察条件で観察した場合に潜像部(7)を視認できないようにするための要素である。そのために、ネガ画線(13)の第4の色は、ポジ画線(14)の第3の色と補色関係であることが必要となる。具体的には、1色で構成されているモノトーン表示域(M)の潜像画線(11)は、潜像部(7)の中の無彩色で構成されている領域を構成するものである。この無彩色は、グレー色及び黒色のように彩度を有さない色である。
本発明の潜像部(7)は、人物の顔画像(3)を主な対象としていることから、人物の顔を例にとれば、髪の毛やまゆ毛がこの無彩色により構成されている領域となる。ネガ画線(13)とポジ画線(14)は、補色関係を有しているが、補色を混合するとグレーの無彩色となる。したがって、人物の顔画像(3)における色彩を有する領域を不可視化するために、髪の毛やまゆ毛の無彩色に合わせることで、潜像部(7)が全て無彩色となり、目視での識別ができなくなっている。さらに、潜像部(7)の周囲の背景部(18)をモノトーン表示域(M)として無彩色の第2の色で形成することで、潜像部(7)と背景部(18)との識別もできなくなり、完全に潜像部(7)を不可視化することができる。
潜像部(7)と背景部(18)との識別については、前述した潜像画線(11)の一部に形成されているレリーフ形状の部分で行うこととなる。レリーフ形状の部分により、カモフラージュ画線(9)は、画線の一部で位相が異なる。この位相の差により、明度の差を表現する。したがって、この明度の差により、潜像部(7)と背景部(18)とが識別される。
潜像画線(11)同士のピッチ(P)は、カモフラージュ画線(9)同士のピッチ(P)に等しく、80μm〜1,000μmの範囲で形成されるのが好ましい。
また、潜像画線(11)における第1の方向(S1)の画線幅(W2)は、少なくとも10μmより広く、上限は、ピッチ(P)に対して、9/10の範囲の画線幅(W2)で形成される。これは、仮に、潜像画線(11)の幅(W2)がピッチ(P)に対して9/10より広いと、カモフラージュ画線(9)のレリーフ形状の部分において潜像画線(11)が重なるので、コントラストが得られず潜像部(7)が視認できないからである。また、潜像画線(11)の幅(W2)が10μmより狭いと、カモフラージュ画線(9)と潜像画線(11)の重なる面積が小さいため潜像部(7)の視認性が低下するからである。
ただし、潜像部(7)のカラーバランスを考慮すると、ピッチ(P)のほぼ1/2の画線幅であることが好ましく、潜像画線(11)の画線幅(W2)と、有色画線(W2)同士の間の非画線の幅(W3)はほぼ等しくなる。
また、潜像画線(11)の画線幅(W2)におけるネガ画線(13)とポジ画線(14)のそれぞれの幅(W2−1、W2−2)の割合については、ほぼ1/2ずつで等しくなる。前述のとおり、ネガ画線(13)とポジ画線(14)は補色関係を有し、二つの要素の混合色が無彩色となることから、仮に、各要素の幅(W2−1、W2−2)が異なると、混合色が無彩色とはならなくなって、図3(a)の観察条件においても潜像部(7)が基カラー画像(15)の色彩又は基カラー画像(15)の補色の色彩で若干視認できてしまい、そもそもの潜像効果を失ってしまう。
潜像画線(11)を形成する方法としては、公知のインクジェットプリンタ方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式等、基材(2)上に形成できれば特に限定はない。ただし、潜像部(7)の鮮明なフルカラーの連続階調を表現するためには、カモフラージュ画線(9)との高い刷り合わせ精度を要することから、インクジェットプリンタ方式等の無版印刷機(デジタル印刷機)が好ましい。
本発明の特殊潜像(6)をインクジェットプリンタ方式で形成することにより、後述する各模様(8、10)のデータを形成体(1)1枚ごとに異ならせて可変情報として付与することもできる。特に、基カラー画像(15)を人物(顔)とすることで、図1に示したような旅券冊子として十分活用できることとなる。
潜像画線(11)が有している第2の色、第3の色及び第4の色については、プロセスカラーのシアン、マゼンタ及びイエローを用いてもよいが、所望するそれぞれの色を、複数種の顔料等を混合した特色により形成してもよい。プロセスカラーを用いた場合には、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のカラーバランスが品質を左右する。一方、特色を用いた場合は2色で構成するため、プロセスカラーのカラーバランスの不安定要因が緩和されるという利点がある。
次に、本発明において擬似的に再現している「カラー表現」の意味を説明する。前述のとおり、潜像画線(11)を形成するための色については、プロセスカラーの3色を用いると、基カラー画像(15)と同じ色彩をフルカラーで表現できる。ただし、本発明の特殊潜像(6)の対象とする基カラー画像(15)は、人物(顔)であることから、髪の毛やまゆ毛を無彩色で表現し、残りの色は、ほぼ肌色となることから、特色2色を用いることで、特殊潜像(6)を形成することができる。したがって、プロセスカラーと特色のどちらを用いて特殊潜像(6)を形成するかは、作成者が適宜決めればよいが、特色を用いた場合には、フルカラーとはならない。そこで、本発明の特殊潜像(6)は、作成者の設計によっては若干の表現方法が異なるため、全てがフルカラーとはいえないことから「疑似的なフルカラー」であるという意味である。この特色を用いた潜像模様(10)については後述する。
次に、潜像画線(11)とカモフラージュ画線(9)の配置関係について説明する。図19は、カモフラージュ画線(9)と潜像画線(11)の配置の位置関係を示したものである。図19(b)に示すように、モノトーン表示域(M)にあって、基カラー画像(15)の「白色背景部」にある場合、観察者(16)から観察した際、潜像画線(11)の中心線(T2)がカモフラージュ画線(9)の中心線(T1)と一致している。これにより、図3に示された観察条件では白色系の色として認識される。
一方、図19(b)に示すように、カラー表示域(C)にあって、基カラー画像(15)の「肌色顔部」にある場合、観察者(16)から観察した際、潜像画線(11)の中心線(T2)がカモフラージュ画線(9)の中心線(T1)に等しくない。これにより、図3に示された観察条件では肌色として認識される。
すなわち、カモフラージュ画線(9)は、直線形状を有しているが、潜像画線(11)は、連続階調を表現するため、基カラー画像(15)の階調に対応した曲線(レリーフ画線)を有している。潜像画線(11)の曲線における最大の位相のずれは、カモフラージュ画線(9)の画線幅(W2)のほぼ1/2の距離である。この基カラー画像(15)の連続階調に対応して潜像画線(11)の形状を形成する方法は後述する。このポジ画線(14)とカモフラージュ画線(9)との位置関係が微細な連続階調を表現していることとなる。
位相のずれの距離については、無彩色の第2の色における明暗の変化及びネガ画線(13)の遮蔽を考慮すると、潜像画線(11)の画線幅(W2)のほぼ1/2に該当する距離とすることが好ましい。仮に1/2より狭い距離又は広い距離の位相のずれ量とした場合、潜像部(7)のカラーバランスが崩れ、基カラー画像(15)に忠実なフルカラーの連続階調を表現できなくなってしまう。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、プロセスカラーを用いずに、特色を用いた第1の実施の形態の変形例について説明する。特色を用いて潜像模様(10)を形成する場合には、プロセスカラーの3色を用いる場合よりも1色少なく、2色によって形成することが可能となる。前述のとおり、本発明の基カラー画像(15)について、人物(顔)を対象とした場合、肌色の主成分が赤血球のヘモグロビンの色、すなわち赤色であることから、色空間の中の赤成分(R成分)とその近傍色により作製したインキを用いることができる。このインキにより形成されたポジ画線(14)の肌色を第5の色という。
特色の第5の色を用いてポジ画線(14)を形成した場合においても、前述のフルカラーを用いた場合と同様に、ネガ画線(13)は、ポジ画線(14)の第5の色と補色関係を有する第6の色を有する。この第6の色についても、プロセスカラーで作製するものではなく、第5の色と同様に、特色により形成されたものである。
特色による潜像画線(11)についても、画線幅(W)、ピッチ(P)、配置関係等の構成は、前述したプロセスカラーを用いて形成する場合と同様であるため、詳細は省略する。また、作成方法については後述する。
次に、本実施の形態における形成体(1)用データの作成方法について説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
なお、第1の実施の形態の変形例で説明する潜像模様(10)は、24bitRGB形式としているが、印刷に用いる場合は、現法混色から成る32bitCMYK画像にすることが適当である。よって、出力手段(M3)の色分解手段にてCMYK化して印刷してもよい。こうして印刷されたものが図2に示された潜像画線(11)である。
(特色潜像模様生成フロー)
本実施の形態におけるカラー表現は、特色で表現する。特色を用いる利点としては、印刷色数を減らすことができ、かつ、色安定性が向上することである。図20で特色潜像模様生成フローについて説明する。
Step10の色域抽出工程では、Step2で変換された領域平均化画像(19)の多値カラー画像又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)において、特定の色域(肌色)の抽出が行われる。なお、基カラー画像(15)は人物(顔)であり、前述したように人物(顔)の肌色の主成分は赤血球のヘモグロビンの色、すなわち赤色であることから、図21に示すように、基カラー画像(15)が24bitRGB形式であった場合、色空間(28)のうち赤成分(R成分)とその近傍色を抽出すればよい。これにより、赤色成分が抽出された第3の多値モノクロ画像(29)が得られる。
次に、Step11の多値モノクロ階調変換工程では、Step10で得られた赤色成分が抽出された第3の多値モノクロ画像(29)を、メモリ上に準備された2系統の8bitグレースケール画像としたとき、それぞれにトーンカーブの適用が行われる。本実施の形態では、図22に示されたように、1系統目の第3の多値モノクロ画像(29)は、第1のトーンカーブ(30)が適用される。濃度値255を濃度値222とし、濃度値0を濃度値199とし、リニアな連続性を持ったトーンカーブとしている。この結果、第1のトーンカーブ(30)を適用後の多値モノクロポジ画像(31)は、一見してコントラストの低いポジ状となって生成される。また、2系統目の第3の多値モノクロ画像(29)は、第2のトーンカーブ(32)が適用される。濃度値255を濃度値232とし、濃度値0を濃度値255とし、リニアな連続性を持ったトーンカーブとしている。この結果、第2のトーンカーブ(32)を適用後の多値モノクロネガ画像(33)は、一見してコントラストの低いネガ状となって生成される。
次に、Step12の特色用2値画像生成工程では、まず、Step11で生成された1系統目の多値モノクロポジ画像(31)において、図23(a)に示す第3のパターンファイル(K1)を適用し、さらに図14に示された下部スリットマスク画像(Q2)を適用することで、図24に示す第2−1の2値画像(34)が生成される。併せて、Step11で生成された2系統目の多値モノクロネガ画像(33)において、図23(a)に示す第3のパターンファイル(K1)を適用し、さらに図13に示された上部スリットマスク画像(Q1)を適用することで、図24に示す第2−2の2値画像(35)が生成される。この第2−1の2値画像(34)と、第2−2の2値画像(35)とをStep13の2値画像の第1の合成工程で合成することにより、図24に示す第2の2値画像(36)となり、これがカラー表現における肌色用画像となる。
また、Step11で生成された1系統目の多値モノクロポジ画像(31)において、図23(b)に示す第4のパターンファイル(K2)を適用し、さらに、図14に示された下部スリットマスク画像(Q2)を適用することで、図25に示す第3−1の2値画像(37)が生成される。さらに、Step11で生成された2系統目の多値モノクロネガ画像(33)において、図23(b)に示す第4のパターンファイル(K2)を適用し、さらに図13に示された上部スリットマスク画像(Q1)を適用することで、図25に示す第3−2の2値画像(38)が生成される。この第3−1の2値画像(37)と、第3−2の2値画像(38)とをStep14の2値画像の第2の合成工程で合成することにより、図25に示す第3の2値画像(39)となり、これがカラー表現における補色用画像となる。
さらに、Step15の特色潜像模様生成工程では、Step13の2値画像の第1の合成工程で生成された第2の2値画像(36)、いわゆる肌色用画像と、Step14の2値画像の第2の合成工程で生成された第3の2値画像(39)、いわゆる補色用画像を、それぞれの画像を合成して図26に示す潜像模様(10’)を生成する。この潜像模様(10’)は、図26の一部拡大図に示すように、図面上の上側に配置されている要素が、ネガ画線(13’)となり、図面上の下側に配置されている要素がポジ画線(14’)となる。
図26に示した潜像模様(10’)は、当然、特色を2色準備して印刷してもよいが、図24に示す第2の2値画像(36)と、図25に示す第3の2値画像(39)は、それぞれの画像を、特色を色画像化して合成した多値カラー画像とし、出力手段(M3)の色分解手段にてCMYK化して印刷してもよい。
図20のフロー図では、潜像模様(10’)を形成するための画像データの作成までの工程を示しているが、前述した基材(2)上に、先に説明したカモフラージュ模様(8)の画像データを用いて形成するマスク画像形成工程と、この潜像模様(10’)の画像データを用いて形成する特色潜像模様形成工程により、本発明の形成体(1)用データを作成することができる。
(形成体)
図2に示されたカモフラージュ模様(8)と潜像模様(10)は、各種印刷方式において着色されて印刷される。ただし、形成体(1)の形態を成すためには、図27のような潜像構造として印刷される。この潜像構造は、まず、無色透明基材(51)に潜像模様(10、10’)が印刷される。図27(a)は、有色の潜像模様(10)が印刷の都合上、少なくともシアン、マゼンタ及びイエローの3色にて印刷された例であり、図27(b)は、特色の潜像模様(10’)が特色のいわゆる肌色と補色の2色にて印刷された例である。
次に、同じ画像サイズを有する隠蔽層(12)が白で印刷される。これは、図3で説明した隠蔽層(12)である。さらに、表面用として、カモフラージュ模様(8)が光透過性の低い不透明色(黒色)で印刷される。これにより、無色透明基材(51)側を裏面、カモフラージュ模様(8)側を表面として通常の透過光下で観察した場合、図28(a)に示す有色カモフラージュ模様(8)から成る表印刷模様(53)、図28(b)に示す有色潜像模様(10)又は特色潜像模様(10’)から成る裏印刷模様(54)は、フラットな印刷面として視認されるが、裏面側から光を透過して(透かして)観察した場合は、図28(c)に示す表裏合成模様(55)のように基カラー画像(15)と類似のカラーを備えた顔画像が現れる。したがって、本発明の潜像構造は、基材(2)の上に、潜像模様(10)、隠蔽層(12)及びカモフラージュ模様(8)の順で形成されている構造である。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態における形成体(1)について説明する。第2の実施の形態における形成体(1)は、第1の実施の形態と異なり、カモフラージュ模様(8)を白色(無色)のカモフラージュ画線(9)とし、さらには、カモフラージュ画線(9)によって潜像部(7)の明度差を表現するレリーフ形状の画線で形成することで、形成体(1)を形成するものである。
図29は、特殊潜像(6)の構成を示す展開図である。第2の実施の形態における特殊潜像(6)は、不透明白色からなるカモフラージュ画線(9)と、有色から成る潜像画線(11)から構成されている。カモフラージュ画線(9)の総体画線面積率と潜像画線(11)の総体画線面積率は、第1の実施の形態と同様に1対1で、それぞれ50%の画線面積率となっている。したがって、カモフラージュ画線(9)は、第1の色として白色(無色)、潜像画線(11)はハーフトーンの灰色として目視される。
また、基材(2)については、第1の実施の形態と同様に、カモフラージュ模様(8)及び潜像模様(10)のそれぞれが透過光で観察できれば特に限定はない。光透過性の高い紙基材か、又は無色透明なプラスチック素材であることが好ましい。
第2の実施の形態における形成体(1)の効果を図30に示す。まず、基材(2)上に潜像画線(11)が備わり、その上を覆い隠すように隠蔽層(12)が設けられ、更にその上に、潜像画線(11)と等しい位置をもってカモフラージュ画線(9)が備わっている。そして、図30(a)のように、観察者(16)の視点が基材(2)に対して垂直となる真上から反射光下で観察した場合には、特殊潜像(6)は、カモフラージュ画線(9)が白色(無色)として視認でき、図30(b)に示すように、観察者(16)に対し基材(2)の反対側から光源(56)が発する光を透過して(透かして)観察した場合は、連続階調を備えた潜像部(7)を視認できる。
(形成体の作製装置)
第2の実施の形態における形成体(1)の作製装置は、図31のブロック図に示すように、入力手段(M1’)、編集手段(M2’)、出力手段(M3’)、表示手段(M4’)、通信インターフェース(M5’)及びデータベース(M6’)を少なくとも備えている。
入力手段(M1’)は、カラー画像入力手段(M1a’)と情報入力手段(M1b’)とで構成され、カラー画像入力手段(M1a’)における基カラー画像(15)の入力は、デジタルカメラ、スキャナ等、特に限定されるものではない。また、データベース(M6’)又は通信インターフェース(M5’)によってあらかじめ登録されたデータベースサーバから画像、テキスト等を得ることもできる。
一方、情報入力手段(M1b’)は、キーボード等からの入力、また、データベース(M6’)と同じパソコン内に登録されている数値情報、通信インターフェース(M5’)によってあらかじめ入力された外部のデータベースサーバから数値情報を得ることができる。この数値情報とは、後述する複数の画像に関わる出力解像度等である。
編集手段(M2’)は、前処理画像生成手段(M2a’)と、有色潜像模様生成手段(M2b’)と、白色カモフラージュ模様生成手段(M2c’)とで構成されている。通信インターフェース(M5’)又はデータベース(M6’)から得られたカラー画像、数値情報、パターンファイル等により、前処理画像生成手段(M2a’)では、前処理画像が生成され、有色潜像模様生成手段(M2b’)では、潜像模様(10)が生成され、白色カモフラージュ模様生成手段(M2c’)では、カモフラージュ模様(8)が生成される。
出力手段(M3’)は、インクジェットプリンタ等のコンピュータからの画像を印刷可能な印刷装置等であり、特に限定されるものではない。表示手段(M4’)は、パソコンのモニタ、専用のモニタ等、特に限定されるものではない。また、通信インターフェース(M5’)は、USB、RS−232C、IEEE1394等、特に限定されるものではない。
次に、形成体(1)用のデータの作成方法について、図32を用いて詳細に説明する。データの作成方法については、一点鎖線に囲まれた大きく三つの処理フローから構成されている。前処理フローは、前処理画像生成手段(M2a’)において実行され、有色潜像模様生成フローは、有色潜像模様生成手段(M2b’)において実行され、白色カモフラージュ模様生成フローは、白色カモフラージュ模様生成手段(M2c’)において実行される。なお、前処理フローについては、第1の実施の形態における形成体(1)用データの作成方法で説明した処理と同様であるため、説明を省略し、Step2で変換された領域平均化画像(19)又はStep2−2で変換された水平ボカシ処理画像(20)を用いた有色潜像模様生成フロー及び白色カモフラージュ模様生成フロー以降の工程について説明する。また、有色潜像模様生成フロー及び白色カモフラージュ模様生成フローの一部についても第1の実施の形態と同様の処理を含むため、第1の実施の形態で用いた図面を活用して説明する。
(白色カモフラージュ模様生成フロー)
まず、白色カモフラージュ模様生成フローについて説明するが、Step21の多値モノクロ画像生成工程については、第1の実施の形態で説明したStep3の多値モノクロ画像生成工程と同様であるため説明を省略し、Step22の第1の2値画像生成工程以降の工程について説明する。
Step22の第1の2値画像生成工程では、Step21で生成された第1の多値モノクロ画像(21)に、図10に示したような第1のパターンファイル(A)を適用する。第1のパターンファイル(A)は、臨界値配列画像とも呼ばれる多値画像であり、縦の画素数は、Step22において近傍の画素濃度で平均値にする際に用いられた縦画素数(h)と等しく、第2の実施の形態では、48Pixelとしている。第1のパターンファイル(A)が第1の多値モノクロ画像(21)全体に適用されることで、図10に示したポジ状の第1−1の2値画像(23)が生成される。
併せてStep21で生成されたネガ状の第2の多値モノクロ画像(22)に、図11に示したような第2のパターンファイル(B)を適用する。第2のパターンファイル(B)は、第1のパターンファイル(A)と同じく臨界値配列画像とも呼ばれる多値画像であり、縦の画素数は、Step22において近傍の画素濃度で平均値にする際に用いられた縦画素数(h)と等しく、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、48Pixelとしている。第2のパターンファイル(B)がネガ状の第2の多値モノクロ画像(22)全体に適用されることで、図11に示したネガ状の第1−2の2値画像(24)が生成される。
次に、Step23の白色カモフラージュ模様生成工程では、Step22で生成された第1−1の2値画像(23)と第1−2の2値画像(24)が合成され、図12に示す第1の2値画像となる白色カモフラージュ模様の基本マスク画像(25)が完成する。この白色カモフラージュ模様の基本マスク画像(25)を印刷したものが図29に示されたカモフラージュ模様(8)である。このとき、第1−1の2値画像(23)と第1−2の2値画像(24)の合成については、それぞれの画像を示す全体領域同士が同じ領域に配置されることとなるが、第1−1の2値画像(23)をポジ状に構成しているポジ画線(40)と、第1−2の2値画像(24)をネガ状に構成しているネガ画線(41)とは重ならず、図12の第1の2値画像にように、隣接して配置されていることとなる。
(有色潜像模様生成フロー)
次に、図32の点線で囲われた有色潜像模様生成フローについて説明するが、Step24の多値カラー情報変換工程については、第1の実施の形態で説明したStep5の多値カラー情報変換工程と同様であるため説明を省略し、Step25のマスク処理以降の工程について説明する。
Step25のマスク処理工程では、Step24で平均化された第1の多値カラー情報(R4、G4、B4)を、図33(a)に示すように、第1の多値カラー画像(26)に展開し、その際に画線状の上部スリットマスク(Q1)を適用する。これにより、図33(a)の一部拡大図である、図33(b)に示すように、補色関係の第4の色を有するネガ画線(13)が形成される。
一方、Step24で平均化された第2の多値カラー情報(R5、G5、B5)を、図34(a)に示すように、第2の多値カラー画像(27)に展開し、その際に画線状の下部スリットマスク(Q2)を適用する。これにより、図34(a)の一部拡大図である、図34(b)に示すように、補色関係の第3の色を有するポジ画線(14)が形成される。
さらに、Step26の有色潜像模様生成工程では、Step25で生成された第1の多値カラー画像(26)と第2の多値カラー画像(27)とが合成され、図35で示された潜像模様(10)の基画像が完成する。図35は、潜像模様(10)の平面図及びその一部拡大図である。潜像模様(10)は、図35(a)に示すように、同色の一様な万線模様として視認できる。
次に、潜像画線(11)とカモフラージュ画線(9)の配置関係について説明する。図36は、カモフラージュ画線(9)と、その上に形成する潜像画線(11)の配置の位置関係を示すものである。図36(b)に示すように、モノトーン表示域(M)にあって、基カラー画像(15)の「白色背景部」にある場合、観察者(16)から観察した際、潜像画線(11)の中心線(T2)がカモフラージュ画線(9)の中心線(T1)と一致している。これにより、図30(a)に示された観察条件では、白色系の色として認識される。
一方、図36(b)に示すように、カラー表示域(C)にあって、基カラー画像(15)の「肌色顔部」にある場合、観察者(16)から観察した際、潜像画線(11)の中心線(T2)がカモフラージュ画線(9)の中心線(T1)に等しくない。これにより、図30(b)に示された観察条件では、肌色として認識される構成とすることができる。
(第2の実施の形態の変形例)
次に、第2の実施の形態の変形例として、ネガ画線(13)及びポジ画線(14)を、プロセスカラーを用いずに、特色を用いた潜像模様(10)として形成した形態について説明する。なお、特色インキについては、第1の実施の形態の変形例と同様に、ポジ画線(14)を第5の色で、ネガ画線(13)は第5の色と補色関係を有する第6の色で形成する。
第2の実施の形態の変形例における形成体(1)の作成方法について説明する。なお、本実施の形態で説明される潜像模様(10)は、24bitRGB形式であり、印刷に用いる場合は、現法混色から成る32bitCMYK画像にすることが適当である。よって、出力手段(M3’)の色分解手段にてCMYK化して印刷してもよい。こうして印刷されたものが図29に示された潜像画線(11)である。
(特色潜像模様生成フロー)
図37の特色潜像模様生成フローについて説明するが、Step27の色域抽出工程及びStep28の多値モノクロ階調変換工程については、第1の実施の形態の変形例で説明した。Step10の色域抽出工程及びStep11の多値モノクロ階調変換工程と同様であるため説明を省略し、Step29の特色用2値画像生成工程以降について説明する。
Step29の特色用2値画像生成工程では、Step28で生成された1系統目の多値モノクロポジ画像(31)において、図38(a)に示す下部用の第5のパターンファイル(K3)を適用し、図39に示す第2−1の2値画像(34)が生成される。併せて、Step28で生成された2系統目の多値モノクロネガ画像(33)において、図38(b)に示す上部用の第6のパターンファイル(K4)を適用し、図39に示す第2−2の2値画像(35)が生成される。この第2−1の2値画像(34)と、第2−2の2値画像(35)とをStep30の2値画像の第1の合成工程で合成することにより、図39に示す第2の2値画像(36)となり、これがカラー表現における肌色用画像となる。
また、Step28で生成された1系統目の多値モノクロポジ画像(31)において、図38(c)に示す下部用の第7のパターンファイル(K5)を適用し、図40に示す第3−1の2値画像(37)が生成される。さらに、Step28で生成された2系統目の多値モノクロネガ画像(33)において、図38(d)に示す上部用の第8のパターンファイル(K6)を適用し、図40に示す第3−2の2値画像(38)が生成される。この第3−1の2値画像(37)と、第3−2の2値画像(38)とをStep31の2値画像の第2の合成工程で合成することにより、図40に示す第3の2値画像(39)となり、これがカラー表現における補色用画像となる。
さらに、Step32の特色潜像模様生成工程では、Step30の2値画像の第1の合成工程で生成された第2の2値画像(36)、いわゆる肌色用画像と、Step31の2値画像の第2の合成工程で生成された第3の2値画像(39)、いわゆる補色用画像を、それぞれの画像を合成して潜像模様(10’)を生成する。この潜像模様(10’)は、図41の一部拡大図に示すように、図面上の上側に配置されている要素が、ネガ画線(13’)となり、図面上の下側に配置されている要素がポジ画線(14’)となる。
図41に示した潜像模様(10’)は、当然、特色を2色準備して印刷してもよいが、図39に示す第2の2値画像(36)と、図40に示す第3の2値画像(39)は、それぞれの画像を、特色を色画像化し合成した多値カラー画像にし、出力手段(M3)の色分解手段にてCMYK化して印刷してもよい。
図37のフロー図では、潜像模様(10’)を形成するための画像データの作成までの工程を示しているが、前述した基材(2)上に、先に説明したカモフラージュ模様(8)の画像データを用いて形成する白色カモフラージュ模様形成工程と、この潜像模様(10’)の画像データを用いて形成する特色潜像模様形成工程により、本発明の形成体(1)を作製することができる。
(特殊潜像模様形成体)
図29に示された白色カモフラージュ模様(8)と潜像模様(10、10’)は、各種印刷方式において着色されて印刷される。ただし、形成体(1)の形態を成すためには、図42のような潜像構造として印刷される。この潜像構造は、まず、無色透明基材(51)に潜像模様(10、10’)が印刷される。図42(a)は、潜像模様(10)が印刷の都合上、少なくともシアン、マゼンタ及びイエローの3色にて印刷された例であり、図42(b)は、特色潜像模様(10’)が特色のいわゆる肌色と補色の2色にて印刷された例である。
次に、同じ画像サイズを有する隠蔽層(12)が白で印刷される。これは、図30で説明した隠蔽層(12)である。さらに、表面用として、白色カモフラージュ模様(8)が光透過性の低い不透明白色で印刷される。これにより、無色透明基材(51)側を裏面、白色カモフラージュ模様(8)側を表面として通常の反射光下で観察した場合、図43(a)に示す白色カモフラージュ模様(8)から成る表印刷模様(53)、図43(b)に示す有色潜像模様(10)又は特色潜像模様(10’)から成る裏印刷模様(54)は、フラットな印刷面として視認されるが、裏面から光を透過して(透かして)観察した場合は、図43(c)に示す表裏合成模様(55)のように基カラー画像(15)と類似のカラーを備えた顔画像が現れる。したがって、本発明の潜像構造は、基材(2)の上に、潜像模様(10、10’)、隠蔽層(12)及び白色カモフラージュ模様(8)の順で形成されている構造である。
1 形成体
2 基材
3 顔画像
4 個人情報
5 冊子番号
6 特殊潜像
7 潜像部
8 カモフラージュ模様
9 カモフラージュ画線
10、10’ 潜像模様
11 潜像画線
12 隠蔽層
13、13’、41 ネガ画線
14、14’、40 ポジ画線
15 基カラー画像
16 観察者
18 背景部
19 領域平均化画像
20 水平ボカシ処理画像
21 第1の多値モノクロ画像
22 第2の多値モノクロ画像
23 第1−1の2値画像
24 第1−2の2値画像
25 基本マスク画像
26 第1の多値カラー画像
27 第2の多値カラー画像
28 色空間
29 第3の多値モノクロ画像
30 第1のトーンカーブ
31 多値モノクロポジ画像
32 第2のトーンカーブ
33 多値モノクロネガ画像
34 第2−1の2値画像
35 第2−2の2値画像
36 第2の2値画像
37 第3−1の2値画像
38 第3−2の2値画像
39 第3の2値画像
50 平均化
51 無色透明基材
52 ベタ画像
53 表印刷模様
54 裏印刷模様
55 表裏合成模様
56 光源
A 第1のパターンファイル
B 第2のパターンファイル
C カラー表示域
h 縦画素数
K1、K2、K3、K4 パターンファイル
M モノトーン表示域
M1、M1’ 入力手段
M1a、M1a’ カラー画像入力手段
M1b、M1b’ 情報入力手段
M2、M2’ 編集手段
M2a、M2a’ 前処理画像生成手段
M2b、M2b’ 有色潜像模様生成手段
M2c マスク画像生成手段
M2c’ 白色カモフラージュ模様生成手段
M3、M3’ 出力手段
M4、M4’ 表示手段
M5、M5’ 通信インターフェース
M6、M6’ データベース
P ピッチ
Q1 上部スリットマスク画像
Q2 下部スリットマスク画像
S1 方向
T1 中心線

Claims (10)

  1. 光透過性を有する基材上の少なくとも一部に、潜像模様、隠蔽層及びカモフラージュ模様の順に積層された潜像構造を有し、
    前記潜像模様は、規則的に所定のピッチ及び画線幅で万線状に配列された潜像画線が形成され、
    前記隠蔽層は、光透過性を有し、前記潜像模様及び前記カモフラージュ模様とは異なる色で、かつ、反射光下で前記基材の一方の面側から観察した場合に他方の面側に形成された前記潜像模様又は前記カモフラージュ模様を隠蔽する隠蔽要素が形成され、
    前記カモフラージュ模様は、前記潜像画線と同一のピッチ及び画線幅で万線状に配列されたカモフラージュ画線が第1の色で形成され、
    前記潜像画線は、前記潜像模様の基カラー画像の色彩を有するポジ画像を形成するポジ画線と、前記ポジ画像を階調反転したネガ画像を形成するネガ画線から成り、
    前記ポジ画線は、
    i)前記基材及び前記第1の色とは異なるプロセスカラーから成る無彩色の第2の色及び前記基カラー画像の色に対応した有色の第3の色を有するか、又は
    ii)前記基材及び前記第1の色とは異なる前記基カラー画像の色に対応した特色の第5の色を有し、
    前記ネガ画線は、前記i)の場合、前記第3の色とは補色のプロセスカラーから成る第4の色及び前記第2の色を有するか、又は、前記ii)の場合、前記第5の色とは補色の特色から成る第6の色を有し、
    前記ポジ画線及び前記ネガ画線は、同一の画線幅で隣接して形成され、
    前記潜像画線及び前記カモフラージュ画線のいずれか一方が、前記基カラー画像の連続階調に対応したレリーフ形状に形成され、
    前記潜像画線を構成する前記ネガ画線と前記カモフラージュ画線は、少なくとも一部が重なるように形成されて成り、
    前記潜像構造を、前記基材の一方の面側から反射光下で観察した場合、前記潜像模様が一様の濃度の前記第2の色で観察されるか、又は前記カモフラージュ模様が一様の濃度の前記第1の色で観察され、前記基材の他方の面側から反射光下で観察した場合、前記潜像模様が一様の濃度の前記第2の色で観察されるか、又は前記カモフラージュ模様が一様の濃度の前記第1の色で観察され、前記潜像構造を透過光下で観察した場合、前記カモフラージュ画線によって前記ネガ画線が隠蔽されることで、前記ポジ画像が潜像模様として観察されることを特徴とする特殊潜像模様形成体。
  2. 前記潜像模様及び前記カモフラージュ模様は、50%の面積率で形成されたことを特徴とする請求項1記載の特殊潜像模様形成体。
  3. 請求項1又は2記載の前記特殊潜像模様形成体が前記i)の場合で、かつ、前記潜像画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、
    前記基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、
    前記基カラー画像を複数の領域に区分けし、前記領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、
    前記領域平均化画像を多値モノクロ画像に変換した第1の多値モノクロ画像と前記第1の多値モノクロ画像を階調反転した第2の多値モノクロ画像とを作製する多値モノクロ画像生成工程と、
    前記第1の多値モノクロ画像に第1のパターンファイルを適用したポジ状の第1−1の2値画像と、前記第2の多値モノクロ画像に第2のパターンファイルを適用したネガ状の第1−2の2値画像を作製する第1の2値画像生成工程と、
    前記第1−1の2値画像と前記第1−2の2値画像が隣接するように合成する基本マスク画像生成工程と、
    前記基本マスク生成工程で得られた基本マスク画像から、前記ポジ画線用の下部スリットマスク及び前記ネガ画線用の上部スリットマスクを生成する上下マスク画像生成工程と、
    前記ネガ画線用として、前記領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を階調反転させた第1−1の多値カラー情報と色相反転させた第1−2の多値カラー情報を作製して、50%の濃度値に平均化して合成することにより第1の多値カラー情報を備えた第1の多値カラー画像を生成し、前記ポジ画線用として、前記領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を明度反転させた第2−1の多値カラー情報を作製して、前記基多値カラー情報と50%の濃度値に平均化して合成することにより第2の多値カラー情報とした第2の多値カラー画像を生成する多値カラー画像生成工程と、
    前記第1の多値カラー画像に前記上部スリットマスクを、前記第2の多値カラー画像に前記下部スリットマスクを適応するマスク処理工程と、
    前記第1の多値カラー画像を構成している前記ネガ画線及び前記第2の多値カラー画像を構成している前記ポジ画線が隣接するように合成する有色潜像模様生成工程と、を備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  4. 請求項1又は2記載の前記特殊潜像模様形成体が前記ii)の場合で、かつ、前記潜像画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、
    前記基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、
    前記基カラー画像を複数の領域に区分けし、前記領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、
    前記領域平均化画像から特定の色域を抽出する色域抽出工程と、
    前記色域抽出工程で抽出された特定の色の第3の多値モノクロ画像に第1のトーンカーブを適用した多値モノクロポジ画像と、第2のトーンカーブを適用した多値モノクロネガ画像を生成する多値モノクロ階調変換工程と、
    前記多値モノクロポジ画像に第3のパターンファイルと下部スリットマスクを適用した第2−1の2値画像と、前記第3のパターンファイルと上部スリットマスクを適用した第2−2の2値画像を生成し、前記多値モノクロネガ画像に第4のパターンファイルと下部スリットマスクを適用した第3−1の2値画像と、前記第4のパターンファイルと上部スリットマスクを適用した第3−2の2値画像を生成する特色用2値画像生成工程と、
    前記第2−1の2値画像と前記第2−2の2値画像を合成する2値画像の第1の合成工程と、
    前記第3−1の2値画像と前記第3−2の2値画像を合成する2値画像の第2の合成工程と、
    前記第2の合成工程で得られた前記ポジ画像用の合成画像と、前記第3の合成工程で得られた前記ネガ画像用の合成画像を合成する特色潜像模様生成工程と、を備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  5. 前記領域平均化工程の前に、前記基カラー画像に対して彩度を上げる彩度調整工程を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  6. 前記領域平均化工程の後に、前記領域平均化画像に対して、前記基材表面の水平方向に対して各領域の境目を目立たなくさせるためのボカシ処理を行う水平ボカシ処理工程を備えたことを特徴とする請求項3から5までのいずれか一項に記載の特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  7. 請求項1又は2記載の前記特殊潜像模様形成体が前記i)の場合で、かつ、前記カモフラージュ画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、
    前記基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、
    前記基カラー画像を複数の領域に区分けし、前記領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、
    前記領域平均化画像を多値モノクロ画像に変換した第1の多値モノクロ画像と前記第1の多値モノクロ画像を階調反転した第2の多値モノクロ画像とを作製する多値モノクロ画像生成工程と、
    前記第1の多値モノクロ画像に第1のパターンファイルを適用したポジ状の第1−1の2値画像と、前記第2の多値モノクロ画像に第2のパターンファイルを適用したネガ状の第1−2の2値画像を作製する第1の2値画像生成工程と、
    前記第1−1の2値画像と前記第1−2の2値画像が隣接するように合成する白色カモフラージュ模様生成工程と、
    前記ネガ画線用として、前記領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を階調反転させた第1−1の多値カラー情報と色相反転させた第1−2の多値カラー情報を作製して、50%の濃度値に平均化して合成することにより第1の多値カラー情報を備えた第1の多値カラー画像を生成し、前記ポジ画線用として、前記領域平均化工程後の画像の各々の画素の濃度値を示す基多値カラー情報を明度反転させた第2−1の多値カラー情報を作製して、前記基多値カラー情報と50%の濃度値に平均化して合成することにより第2の多値カラー情報とした第2の多値カラー画像を生成する多値カラー画像生成工程と、
    前記第1の多値カラー画像に前記上部スリットマスクを、前記第2の多値カラー画像に前記下部スリットマスクを適応するマスク処理工程と、
    前記第1の多値カラー画像を構成している前記ネガ画線及び前記第2の多値カラー画像を構成している前記ポジ画線が隣接するように合成する有色潜像模様生成工程と、を備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  8. 請求項1又は2記載の前記特殊潜像模様形成体が前記ii)の場合で、かつ、前記カモフラージュ画線によってレリーフ形状の画線が形成された特殊潜像模様形成体用データの作成方法であって、
    前記基カラー画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記基カラー画像を設定する基カラー画像設定工程と、
    前記基カラー画像を複数の領域に区分けし、前記領域ごとに濃度の平均化を行い、領域平均化画像を生成する領域平均化工程と、
    前記領域平均化画像から特定の色域を抽出する色域抽出工程と、
    前記色域抽出工程で抽出された特定の色の第3の多値モノクロ画像に第1のトーンカーブを適用した多値モノクロポジ画像と、第2のトーンカーブを適用した多値モノクロネガ画像を生成する多値モノクロ階調変換工程と、
    前記多値モノクロポジ画像に第5のパターンファイルを適用した第2−1の2値画像と、前記第6のパターンファイルを適用した第3−1の2値画像を生成し、前記多値モノクロネガ画像に第7のパターンファイルを適用した第2−2の2値画像と、前記第8のパターンファイルを適用した第3−2の2値画像を生成する特色用2値画像生成工程と、
    前記第2−1の2値画像と前記第3−1の2値画像を合成する2値画像の第1の合成工程と、
    前記第2−2の2値画像と前記第3−2の2値画像を合成する2値画像の第2の合成工程と、
    前記第1の合成工程で得られた前記ポジ画像用の合成画像と、前記第2の合成工程で得られた前記ネガ画像用の合成画像を合成する特色潜像模様生成工程と、を備えた特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  9. 前記領域平均化工程の前に、前記基カラー画像に対して彩度を上げる彩度調整工程を備えたことを特徴とする請求項7又は8記載の特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
  10. 前記領域平均化工程の後に、前記領域平均化画像に対して、前記基材表面の水平方向に対して各領域の境目を目立たなくさせるためのボカシ処理を行う水平ボカシ処理工程を備えたことを特徴とする請求項7から9までのいずれか一項に記載の特殊潜像模様形成体用データの作成方法。
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