JP2019183043A - 水性被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の基材及び塗膜に対して、優れた密着性を示す水性被覆材を提供する。【解決手段】本発明の水性被覆材は、水分散性樹脂(A)、グリシジル基含有シラン化合物(B)、及びアミノ基含有シラン化合物(C)を特定重量比質で含み、前記水分散性樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂(a1)、及びシリコーン樹脂(a2)を含むエマルション樹脂であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な水性被覆材に関するものである。
建築物の内外装壁面・床面等への塗装においては、基材との密着性を考慮し、種々の下塗材が選定して用いられている。このような下塗材は、従来、溶剤系のものが主であったが、最近では、環境、安全等を考慮し、水系の下塗材が採用されつつある。例えば、特許文献1には、水酸基及びアミノ基を有する自己乳化型カチオン性水分散液及びエポキシ基含有オルガノシランを含む水系プライマーが記載されている。
ところが、水系の下塗材は、溶剤系の下塗材と比べ、密着性に劣る場合がある。特に、近年、外装壁面に用いられる外装用建材においては、高耐候性や耐汚染性等の機能性を有する種々の塗膜が設けられている。このような塗膜の改修においては、水系の下塗材では十分な密着性が得られにくい場合があり、溶剤系の下塗材が多く使用されているのが現状である。
特開2002−256221号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、種々の基材、及び塗膜に対して、十分な密着性を確保することができる水性被覆材を得ることを目的とする。
本発明者らは、このような問題に対し鋭意検討した結果、特定の水分散性樹脂(A)、グリシジル基含有シラン化合物(B)、及びアミノ基含有シラン化合物(C)を特定重量比率で含む水性被覆材を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するものである。
1.水分散性樹脂(A)、グリシジル基含有シラン化合物(B)、及びアミノ基含有シラン化合物(C)を含み、
上記水分散性樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂(a1)、及びシリコーン樹脂(a2)を含むエマルション樹脂であり、
上記水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対し、上記グリシジル基含有シラン化合物(B)を1〜25重量部、上記アミノ基含有シラン化合物(C)を1〜75重量部を含むことを特徴とする水性被覆材。
2.上記水分散性樹脂(A)の固形分中に、前記シリコーン樹脂(a2)を1〜50重量%含むことを特徴とする1.に記載の水性被覆材。
3.上記グリシジル基含有シラン化合物(B)と上記アミノ基含有シラン化合物(C)の含有量の重量比が(C)/(B)>1であることを特徴とする1.または2.に記載の水性被覆材。
本発明の水性被覆材は、種々の基材及び塗膜に対して優れた密着性を示す。
本発明の水性被覆材は、水分散性樹脂(A)、グリシジル基含有シラン化合物(B)、及びアミノ基含有シラン化合物(C)を含有するものである。
本発明の水分散性樹脂(A)(以下、単に「(A)成分」ともいう。)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂(a1)、及びシリコーン樹脂(a2)を含むエマルション樹脂である。(A)成分を構成する粒子におけるアクリル樹脂(a1)とシリコーン樹脂(a2)の形態は特に限定されず、相互に均一に混ざり合った形態でもよく、シリコーン樹脂が内部・アクリル樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂が内部・シリコーン樹脂が外部に存在する形態、アクリル樹脂中にシリコーン樹脂が分散した形態、シリコーン樹脂中にアクリル樹脂が分散した形態等であってもよい。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂(a1)(以下、単に「(a1)成分」ともいう。)とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂をいう。
(a1)成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体であり、必要に応じその他のモノマーを共重合したものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(a1)成分を構成する全モノマーに対し、好ましくは30重量%以上(より好ましくは40〜99.9重量%、さらに好ましくは50〜99.7重量%、最も好ましくは70〜99.5重量%)である。なお、本発明において「α〜β」は「α以上β以下」と同義である。
その他のモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。また、これらモノマーの使用量は、(a1)成分を構成する全モノマーに対し、好ましくは0.1〜60重量%(より好ましくは0.3〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜30重量%)である。
このうち、カルボキシル基含有モノマーを共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂とした場合には、(A)成分の安定性を高めることができ、さらにカルボキシル基と反応可能な化合物を別途添加することにより、被膜の諸物性向上を図ることもできる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(a1)成分を構成する全モノマーに対し、好ましくは0.1〜40重量%(より好ましくは0.5〜20重量%)である。
(a1)成分のガラス転移温度(以下、単に「Tg」という。)は、好ましくは−50℃〜50℃に設定する。Tgがこのような範囲内であれば、本発明の効果を安定して得ることができる。なお、本発明におけるTgは、Foxの計算式により求められる値である。
本発明におけるシリコーン樹脂(a2)(以下、単に「(a2)成分」ともいう。)とは、シロキサン結合を主骨格とする樹脂であり、シロキサン化合物を主単量体成分とするシリコーン樹脂が好適である。このような(シロキサン化合物の使用量は、(a2)成分を構成する全モノマーに対し、好ましくは50重量%以上(より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上)である。
シロキサン化合物としては、例えば一般式RSiO(4−n)/2(式中Rは炭化水素基、n=0〜3)で表される構造単位を有するものが挙げられる。このような化合物としては、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、環状シロキサン化合物等が挙げられ、このうち環状シロキサン化合物が好適である。環状シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもでき、重合用の触媒を適宜用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、好ましくは10000以上(より好ましくは50000以上)である。
本発明では、(A)成分の樹脂固形分中に、上記(a1)成分を好ましくは50〜99重量%(より好ましくは60〜97重量%、さらに好ましくは70〜95重量%)、上記(a2)成分を好ましくは1〜50重量%(より好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%)含む。これにより、種々の基材、及び塗膜に対して、十分な密着性を確保することができる。特に、基材への付着発現性、密着性が向上する。
このような(A)成分は、例えば、シリコーン樹脂の存在下、アクリル樹脂を乳化重合により合成する方法等によって得ることができる。
上記(A)成分の平均粒子径は、好ましくは300nm以下(より好ましくは20〜200nm)である。平均粒子径がこのような範囲内であれば、含浸補強性、シール性、耐白華化性等において有利な効果を得ることができる。なお、ここに言う平均粒子径は、動的光散乱法により測定される値である。
本発明のグリシジル基含有シラン化合物(B)(以下、単に「(B)成分」ともいう)としては、グリシジル基(エポキシ基)とアルコキシシリル基を有する化合物、あるいはグリシジル基と環状シロキサンを有する化合物等が使用できる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
グリシジル基(エポキシ基)とアルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、グリシジル基含有シランカップリング剤、及びその加水分解オリゴマー、2以上のアルコキシシリル基及び2以上のグリシジル基を有するポリマー等が挙げられる。具体的に、グリシジル基含有シランカップリング剤としては、例えば、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル(エチル)ジメトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、
8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、8−グリシドキシオクチルメチルジメトキシシラン、8−グリシドキシオクチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記グリシジル基含有シランシランカップリング剤の加水分解オリゴマーとしては、アルコキシシリル基とグリシジル基を有するものであり、好ましくはアルコキシ基量が10〜80wt%(より好ましくは20〜75wt%)、エポキシ当量が200〜950(より好ましくは300〜900)であるもの等が挙げられる。このような(B)成分としては、2種以上のアルコキシシリル基を有するもの、あるいはアルコキシシリル基の一部ないし全部がシラノール基の状態となったものも使用することができる。
グリシジル基と環状シロキサンを有する化合物としては、反応性官能基としてグリシジル基のみを有するシリコーンオリゴマーであり、好ましくはエポキシ当量が100〜500(より好ましくは150〜400)であるもの等が挙げられる。
特に、本発明では、上記シランカップリング剤として、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランから選ばれる1種以上が好適であり、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランを含む態様がより好適である。また、グリシジル基含有シランカップリング剤の加水分解オリゴマーとして、好ましくはエポキシ当量が300〜950(より好ましくは500〜900)のものを1種以上含む態様がより好適である。これらを用いた場合、よりいっそう基材への付着発現性、密着性が向上する。さらには、水性被覆材の安定性、可使時間を高めることができる。
本発明の水性被覆材は、上記(B)成分を上記(A)成分の樹脂固形分に対し、1〜25重量部(好ましくは2〜20重量部)含有する。この場合、本発明の効果が十分に得られる。
本発明のアミノ基含有シラン化合物(C)(以下、単に「(C)成分」ともいう。)としては、アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物、あるいはアミノ基と環状シロキサンを有する化合物等が使用できる。これらは、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
アミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、アミノ基含有シランカップリング剤、及びその加水分解オリゴマー、2以上のアルコキシシリル基及び2以上のアミノ基を有するポリマー等が挙げられる。具体的に、アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、N−フェニル−γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−8−アミノオクチルトリメトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロビルアミン等が挙げられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤の加水分解オリゴマーとしては、アルコキシシリル基とアミノ基を有するものが挙げられる。このような(C)成分としては、アルコキシシリル基の一部ないし全部がシラノール基の状態となったものも使用することができる。
特に、本発明では(C)成分として、例えば、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランから選ばれる1種以上が好適である。これらを用いた場合、基材への付着発現性等が向上する。
本発明の水性被覆材は、上記(C)成分を上記(A)成分の樹脂固形分に対し、1〜75重量部(好ましくは2〜60重量部、より好ましくは4〜50重量部)含有する。この場合、本発明の効果が十分に得られる。
さらに、本発明の水性被覆材では、上記(B)成分と上記(C)成分の含有量の重量比が、(C)/(B)>1(より好ましくは(C)/(B)=2〜8)であることが好ましい。このような比率であれば、密着性において十分な効果を得ることができるとともに、水性被覆材の安定性、可使時間を確保できる。
上記(B)成分と上記(C)成分の合計量は、上記(A)成分の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部(より好ましくは10〜75重量部)である。このような範囲の場合、水性被覆材の安定性、可使時間を確保できるとともに、十分な密着性を得ることができる。
本発明の水性被覆材は、上記(A)成分、上記(B)成分、及び上記(C)成分を含むものであれば1液型、2液型のいずれであってもよいが、本発明では、上記(B)成分と上記(C)成分を別に保存することが好ましく、例えば、上記(A)成分及び上記(B)成分を含む主剤と、上記(C)成分を含む硬化剤、あるいは上記(A)成分及び上記(C)成分を含む主剤と、上記(B)成分を含む硬化剤からなる2液型の水性被覆材とすることが好ましい。これにより、水性被覆材の安定性を確保でき、密着性をよりいっそう向上させることができる。
本発明の水性被覆材には、上述の成分の他、必要に応じ、例えば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、増粘剤、造膜助剤、凍結防止剤、艶消し剤、硬化剤、触媒、硬化促進剤等を、本発明の効果が阻害されない範囲内で混合することができる。本発明の水性被覆材のpHは、好ましくは3〜12(より好ましくは4〜11)である。また、pH調整剤によりアルカリ性(好ましくはpH8.5以上)に調整することにより水性被覆材の安定性、密着性等をよりいっそう向上させることもできる。なお、本発明の水性被覆材が上記2液型の場合は、主剤のpHが上記を満たせばよい。
本発明の水性被覆材は、内外装壁面・床面等への塗装における下塗材として好適に用いられる。例えば、モルタル、コンクリート、窯業系サイディングボード、セラミック系サイディングボード、金属系サイディングボード、押出成形板、スレート板、ケイ酸カルシウム板、ALC板、金属、木材、ガラス、陶磁器、合成樹脂等の基材、あるいはこのような基材上(基材の表面)に形成された多種多様な既存塗膜等の下地に適用する下塗材として好適に用いられる。また、このような下地(基材や既存塗膜)の形状としては、平滑(フラット)なもの、各種凹凸模様(石材調、レンガ・タイル調、木目調、ボーダー調、塗り壁調、吹付け調)を有するもの等が挙げられる。さらには、シーリング目地部を含む下地に対して、適用することもできる。
特に、本発明の水性被覆材は、下地の改修用下塗材として好適であり、例えば、既存塗膜が設けられたサイディングボードの改修時の下塗材として好適に適用することができる。
既存塗膜は、上記基材上に、現場塗装、あるいは工場塗装(ライン塗装)等により既に塗装されている種々の塗膜であり、例えば、有機質塗膜、無機質塗膜、有機無機複合塗膜等から選ばれる少なくとも1種の塗膜が挙げられる。また、既存塗膜としては、着色塗膜(エナメル系塗膜、印刷塗膜等)、クリヤー塗膜、あるいはこれらの積層塗膜等が挙げられ、各種コーティング材を基材に塗布・硬化させ、形成された塗膜である。このようなコーティング材は、常温乾燥型、常温硬化型、焼付け硬化型、紫外線(UV)硬化型、電子線硬化型等のいずれのものであってもよい。
このようなコーティング材の結合材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等の有機質結合材、あるいはシリコン樹脂、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、ケイ酸塩等の無機質結合材、アクリルシリコン樹脂等の有機無機複合結合材等が挙げられる。
本発明は、特に、既存塗膜が、無機質塗膜(上記無機質結合材を含む塗膜)、有機無機複合塗膜(上記有機無機複合結合材を含む塗膜)、フッ素樹脂塗膜(上記フッ素樹脂を含む塗膜)等の場合に好適であり、さらには、これらのクリヤー塗膜に好適に適用できる。このような既存塗膜は、光触媒酸化チタン等を含むものであってもよい。
具体的なコーティング材としては、例えば、建築用耐候性上塗り塗料(JIS K5658:2010)、鋼構造物用耐候性塗料(JIS K5659:2008)、つや有合成樹脂エマルションペイント(JIS K5660:2008)、建築用防火塗料(JIS K5661:1970)、合成樹脂エマルションペイント(JIS K5663:2008)、路面標示用塗料(JIS K5665:2011)、多彩模様塗料(JIS K5667:2003)、合成樹脂エマルション模様塗料(JIS K5668:2010)、アクリル樹脂系非水分散形塗料(JIS K5670:2008)、鉛・クロムフリーさび止めペイント(JIS K5674:2008)、屋根用高日射反射率塗料(JIS K5675:2011)、建物用床塗料(JIS K5970:2008)、建築用塗膜防水材(JIS A6021:2011)、建築用仕上塗材(JIS A6909:2014)、等が挙げられる。
水性被覆材の塗装においては、例えば、刷毛塗装、ローラー塗装、スプレー塗装等の種々の方法を採用することができる。また、工場内で塗装する場合は、上記以外にもロールコーター、フローコーター等を用いて塗装することもできる。
水性被覆材の塗付け量については、好ましくは0.05〜0.5kg/m(より好ましくは0.07〜0.3kg/m)程度である。水性被覆材の塗回数は、下地の状態によって適宜設定すればよいが、好ましくは1〜2回である。水性被覆材の乾燥時間は、好ましくは1時間以上1週間以内とすればよい。また乾燥温度は、好ましくは−10℃以上50℃以下、より好ましくは−5℃以上40℃以下であればよい。
本発明の水性被覆材により形成された塗膜は、多種多様な上塗材に対し優れた密着性を有している。上塗材としては、一般的に建築物の塗装に使用されるものであれば特に限定されるものではない。
上塗材の塗装方法としては、特に限定されず公知の方法で塗装することができるが、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーター、フローコーター等種々の方法により塗装することができる。即ち、それぞれの上塗材に最適な塗装仕様で、通常の工程に基づいて、各上塗材を塗装すればよい。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明の特徴をより明確にする。
(水性被覆材1〜15の製造)
表1に示す配合に従い、(A)成分、(B)成分、および添加剤を常法により混合し、さらにpH調整剤(アンモニア水)を混合して主剤を調製した。また、(C)成分を硬化剤とした。各主剤のpHは、被覆材1〜6ではpH=7.5、被覆材7〜16ではpH=10であった。
なお、原料としては以下のものを使用した。
・(A−1)水分散性樹脂
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、内層アクリル樹脂とシリコーン樹脂との重量比82:18、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中)、シリコーン樹脂の含有量9.9重量%(固形分中)、平均粒子径:83nm
・(A−2)水分散性樹脂
外層;アクリル樹脂(Tg45℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、外層アクリル樹脂と外層シリコーン樹脂との重量比80:20、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、内層アクリル樹脂と内層シリコーン樹脂との重量比80:20、
外層と内層の重量比45:55、固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー5重量%(固形分中)、シリコーン樹脂の含有量20重量%(固形分中)、平均粒子径:83nm
・(A−3)水分散性樹脂
アクリル樹脂エマルション(Tg12℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸;固形分50重量%、カルボキシル基含有モノマー3重量%(固形分中))。
・(B−1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・(B−2)γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
・(B−3)β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
・(C−1)N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
・(C−2)N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
・添加剤:消泡剤、増粘剤、造膜助剤等
(試験体作成)
既存塗膜として無機質クリヤー塗膜が形成されたサイディングボード上に、主剤と硬化剤を混合して得られた水性被覆材を塗付け量0.1kg/mとなるように混合直後に塗付し、標準状態(気温23℃、相対湿度50%)で4時間乾燥させ、次いで、水性上塗材(アクリルシリコン系エマルション塗料)を塗付け量0.1kg/mとなるように塗付し、標準状態で、4日間させた試験体[I]、7日間乾燥させた試験体[II]を作製した。
(実施例1〜12、比較例1〜3)
作製した試験体[I]、[II]についてそれぞれ、以下の評価を実施した。結果は表1に示す。
<密着性評価>
作製した試験体を、JIS K 5600−5−6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。評価基準は、以下の通りである。
A:欠損部面積が10%未満
B:欠損部面積が10%以上25%未満
C:欠損部面積が25%以上50%未満
D:欠損部面積が50%以上
<可使時間>
主剤と硬化剤を混合後、流動性が失われるまでの時間を測定した。評価基準は、以下の通りである。
AA:360分以上
A:240分以上360分未満
B:120分以上240分未満
C:30分以上120分未満
D:30分未満
Figure 2019183043

Claims (3)

  1. 水分散性樹脂(A)、グリシジル基含有シラン化合物(B)、及びアミノ基含有シラン化合物(C)を含み、
    上記水分散性樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体成分とするアクリル樹脂(a1)、及びシリコーン樹脂(a2)を含むエマルション樹脂であり、
    上記水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対し、上記グリシジル基含有シラン化合物(B)を1〜25重量部、上記アミノ基含有シラン化合物(C)を1〜75重量部を含むことを特徴とする水性被覆材。
  2. 上記水分散性樹脂(A)の固形分中に、前記シリコーン樹脂(a2)を1〜50重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の水性被覆材。
  3. 上記グリシジル基含有シラン化合物(B)と上記アミノ基含有シラン化合物(C)の含有量の重量比が(C)/(B)>1であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性被覆材。


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