JP2018510179A - イブルチニブとカルボン酸との共結晶 - Google Patents

イブルチニブとカルボン酸との共結晶 Download PDF

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Abstract

本発明は、イブルチニブとカルボン酸との共結晶、これを含む医薬組成物、およびこれを調製するための方法に関する。

Description

本発明は、イブルチニブの共結晶、これを調製するための方法、およびこれを含む医薬組成物に関する。
イブルチニブ(1−[(3R)−3[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]ピペリジン−1−イル]プロパ−2−エン−1−オン)は、以下の化学構造(I)を有する。
この医薬有効成分は、WO2008/039218により知られている。イブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤である。BTKは、並行して起こる少なくとも3つの重要なB細胞生存促進メカニズム、すなわちB細胞アポトーシスの制御、細胞接着、ならびにリンパ球の移動およびホーミングに関わる極めて重要なメディエーターである。イブルチニブは、BTKを阻害することによって、B細胞をアポトーシスへと導き、かつ/または腫瘍保護微小環境への細胞の移動および接着を阻害する。したがって、イブルチニブは、B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)である(慢性リンパ球性白血病(CLL)や小リンパ球性リンパ腫(SLL)、およびマントル細胞リンパ腫(MCL)の治療に適している。イブルチニブは、米国では商品名イムブルビカとして販売されている。
イブルチニブの結晶の多形相は、WO2013/184572に開示されている。
イブルチニブを含む医薬製剤は、WO2014/004707A1に開示されている。
イブルチニブの水溶解度は極めて低く、例えば、WO2013/184572によれば、A型のイブルチニブの水溶解度は、pH8においてわずか0.013mg/mL程度であることが観察されている。この溶解度はpHに強く依存する。そのため、イブルチニブには、バイオアベイラビリティ上の問題がある。その第1の原因は、溶解度が低いことにあり、第2の原因は、溶解度が患者の胃内のpH値に依存することによる。患者のpH値が変化することにより、例えば生理的な変動、疾患、あるいはプロトンポンプ阻害薬等の前投薬の結果としてpH値が変化することにより、特有の問題が起こりうる。イブルチニブは、生物薬剤学分類システム(BCS)ではクラス2の薬剤として分類されており、その吸収性とバイオアベイラビリティは、主として生理学的条件下の溶解度によって決まる。
WO2013/184572ではさらに、イブルチニブ塩基の6つの異なる結晶形を調製する方法が開示されている。非晶質イブルチニブの存在も言及されているが、その調製や特性の詳細については記載されていない。結晶形のうち3つ、すなわちA型、B型、およびC型は、溶媒和されていない無水形態であり、一方D型、E型、およびF型は、それぞれメチルイソブチルケトン、トルエン、またはメタノールを含んでいる。
結晶形が物理化学的特性に及ぼす影響を調べるために、イブルチニブ塩基のいくつかの結晶形すなわちA型、B型、C型、および非晶質イブルチニブ塩基を調製し、特徴付けを行った。C型および非晶質のイブルチニブは、A型と比較して実質的に高い水溶解度を示したが、懸濁液中で撹拌している間に、溶解度の低いA型への転換が見られた。
したがって、記載されたイブルチニブ塩基の多形が複雑であることおよび固体形態の種類が溶解と溶解度に顕著な影響を及ぼすことから、イブルチニブの薬学的に適用可能な新規形状が、代替的医薬有効成分として有用であるかもしれない。
さらに、非晶質形態には、ろ過や再結晶のような単純な処理工程が通常は有効でないため、精製が非常に困難であるかもしれない。また、非晶質形態を処理して最終的な固形剤とする場合、有効成分の含量均一性を保証することは非常に困難である。したがって、非晶質形態は通常、錠剤の製剤の生産には好まれない。
驚くべきことに、イブルチニブが1以上のカルボキシレート基を有する有機酸またはカルボン酸アミドと安定した共結晶を形成することが見出された。
したがって本発明は、イブルチニブとカルボン酸またはカルボン酸アミドとの共結晶に関する。
適切なカルボン酸としては、例えば、安息香酸、フマル酸、コハク酸、ならびに下記方法の説明において例示される酸が挙げられる。適切なカルボン酸アミドとしては、例えば、尿素またはニコチンアミドが挙げられる。
本発明はまた、イブルチニブの共結晶を調製するための方法に関し、該方法は、a)イブルチニブをカルボン酸とともに適切な溶媒、好ましくは有機溶媒に懸濁させる工程、b)得られた懸濁液を透明な溶液が得られるまで加熱する工程(ここで、温度を維持したまましばらく静置してもよく、撹拌してもよい)、およびc)次いで該イブルチニブの溶液を室温まで冷却し、固体の析出または結晶化を開始させる工程を含む。生じた析出物または結晶は、最後に単離することができる。
本発明の方法の工程a)では、当業者に知られている任意のカルボン酸を使用することができる。好ましくは、グルタミン酸、アスパラギン酸、マロン酸、アジピン酸、ニコチン酸、マレイン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、L−酒石酸、D−酒石酸、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、フマル酸またはクエン酸等のカルボン酸を使用することができる。
本発明の別の一方法の工程a)では、当業者に知られている任意のカルボン酸アミドを使用することができる。好ましくは、尿素またはニコチンアミド等のカルボン酸アミドを使用することができる。
本発明の方法の工程a)では、イブルチニブの溶媒として適切な、当業者に知られている任意の溶媒を使用することができる。好ましくは有機溶媒、より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、またはメタノール等の極性有機溶媒を使用することができる。脂肪族のC〜Cアルコール、例えばメタノール等にイブルチニブを溶解させることが、最も好ましい。
さらなる一態様においては、メチルtert−ブチルエーテル等の有機溶媒を使用することができる。
本発明の方法の工程a)において、イブルチニブに対するカルボン酸のモル比は、通常は1以上であり、好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.5、さらに好ましくは1〜1.3、特に1〜1.2、例えば約1である。
本発明の方法によれば、驚くべきことに、好ましくは、流動性等の取り扱い特性において有利な良質な結晶性を有し、特に医薬組成物に適しており、さらにイブルチニブの遊離塩基と比較して同等または改善された溶解度を有するイブルチニブの共結晶の調製が可能となる。
本発明の方法によれば、驚くべきことに、好ましくは単一の安定した固体形態にあって、別の固体形態に変化するといった物理特性の変化を起こすことのないイブルチニブの共結晶の調製が可能となる。
本明細書において、固体状態にある一形態は、2以上の異なるデータ分類法、例えば特定のピーク群を有する粉末XRD(X線回折)パターン、ディフラクトグラム(回折図形)として示された粉末XRDパターン、あるいはこれらの組合せ(または「これらの複数の組合せ」もしくは「これらの任意の組合せ」)によって特徴付けられるものと言ってよいかもしれない。このような表現、例えば「任意の組合せ」等は、当業者であれば列挙された特性分析データの任意の組合せを使用して結晶形の特徴付けが可能であることを期するものである。例えば、当業者は、特徴的なXRDピーク群を3つ、4つ、または5つ使用して結晶形の特徴付けを行い、その特徴付けに粉末X線ディフラクトグラムで観察された1以上のさらなる特徴、例えばさらなるピーク、特徴的なピーク形状、ピーク強度、または粉末XRDパターン中のある位置におけるピークの欠落等を加味することもできる。あるいは、いくつかの場合において当業者は、特徴的なXRDピーク群を3つ、4つ、または5つ使用して結晶形の特徴付けを行い、その特徴付けに、別の分析方法を用いて観察された1以上のさらなる特徴、例えば固体赤外吸収スペクトルにおける1以上の特徴的なピーク、または特徴付けようとしている結晶形のDSCサーモグラム特性を加味することもできる。
別段の指示がない限り、XRPDのピークは、波長1.5419Åの銅Kα/Kα放射(Cu KαとCu Kαとの加重平均)を用いて記録される。さらに、別段の指示がない限り、XRPDのピークは、2θ°の値として、±0.2°の標準誤差を伴って報告される。
本明細書において、結晶形は、個別の図に「描写」されるような図的データによって特徴付けられるものであってもよい。そのようなデータには、例えば、粉末X線ディフラクトグラムが含まれる。当業者であれば、このような図的データによる表示が、機器の反応における変動ならびに試料の濃度および純度における変動(これらは当業者にはよく知られている)のような要因により、例えばピークの相対強度やピーク位置等においてわずかにばらつく可能性があることを理解するであろう。それでもなお、当業者であれば、本明細書の図に示す図的データと未知の結晶形に関して生成された図的データとを比較して、2組の図的データが同一の結晶形を特徴付けるものであるか、あるいは2つの異なる結晶形を特徴付けるものであるか、容易に確認しうるであろう。
好ましい一実施形態において、本発明は、イブルチニブと安息香酸との共結晶(イブルチニブ:安息香酸)に関する。イブルチニブ:安息香酸は、以下のシグナルを示すH−NMRスペクトルによって特徴付けられる(=安息香酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.84 - 1.97 (m, 1 H); 2.12 (br. s., 1 H); 2.25 (qd, J=11.93, 4.11 Hz, 1 H); 2.86 - 3.09 (m, 1 H); 3.11 - 3.26 (m, 1 H); 3.30 (br. s., 1 H); 3.53 - 3.77 (m, 1 H); 4.06 (d, J=13.29 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.54 (d, J=11.34 Hz, 1 H); 4.70 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=9.78 Hz, 1 H); 5.69 (d, J=10.17 Hz, 1 H); 6.00 - 6.21 (m, 1 H); 6.51 - 6.77 (m, 1 H); 6.77 - 7.02 (m, 1 H); 7.09 - 7.19 (m, 5 H); 7.39 - 7.51 (m, 4 H(2H*)); 7.54 - 7.73 (m, 3 H(1H*)); 7.91 - 7.96 (m, 2 H)*; 8.24 (s, 1 H); 12.93 (br. s., 1 H*)
イブルチニブ安息香酸のH−NMRスペクトルを図1に示す。
本発明の一実施形態において、イブルチニブ:安息香酸は以下のXRPD回折ピークによって特徴付けられる。2θ=9.1°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、13.9°±0.2°および23.0°±0.2°、または15.1°±0.2°、18.2°±0.2°、21.2°±0.2°、23.0°±0.2°および27.9°±0.2°、または15.1°±0.2°、18.3°±0.2°、21.2°±0.2°、23.0°±0.2°および27.9°±0.2°
本発明の好ましい一実施形態において、イブルチニブ:安息香酸は以下のXRPD回折ピークによってさらに特徴付けられる。2θ=16.1°±0.2°、16.2°±0.2°、19.1°±0.2°、20.1°±0.2°および21.2°±0.2°、または9.1°±0.2°、12.1°±0.2°、22.1°±0.2°、23.9°±0.2°および30.3°±0.2°、または9.1°±0.2°、12.1°±0.2°、22.1°±0.2°、23.9°±0.2°および30.2°±0.2°
本発明のさらに好ましい一実施形態において、イブルチニブ:安息香酸は、2θ=9.1°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、13.9°±0.2°および23.0°±0.2°のXRPD回折ピークによって特徴付けられ、また2θ=15.1°±0.2°、16.1°±0.2°、16.2°±0.2°、17.3°±0.2°、18.2°±0.2°、19.1°±0.2°、19.5°±0.2°、20.1°±0.2°、21.2°±0.2°、22.1°±0.2°、23.9°±0.2°、24.4°±0.2°、25.8°±0.2°、27.9°±0.2°、28.6°±0.2°、29.1°±0.2°および30.3°±0.2°における1以上のピークによってさらに特徴付けられる。
イブルチニブ:安息香酸のXRPD回折パターンを図2および図3に示す。
別の好ましい一実施形態において、本発明は、イブルチニブとフマル酸との共結晶(イブルチニブ:フマル酸)に関する。イブルチニブ:フマル酸は、以下のシグナルを示すH−NMRスペクトルによって特徴付けられる(=フマル酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.75 - 2.01 (m, 1 H); 2.11 (br. s., 1 H); 2.18 - 2.46 (m, 1 H); 2.65 (s, 1 H); 3.01 (d, J=9.78 Hz, 1 H); 3.20 (br. s., 1 H); 3.68 (br. s., 1 H); 4.06 (d, J=12.12 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.52 (br. s., 1 H); 4.69 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=10.17 Hz, 1 H); 5.69 (d, J=11.34 Hz, 1 H); 5.99 - 6.19 (m, 1 H); 6.52 - 6.63 (m, 1 H*); 6.64 - 6.77 (m, 1 H); 6.78 - 6.98 (m, 1 H); 7.09 - 7.19 (m, 4 H); 7.31 - 7.53 (m, 2 H); 7.64 (d, J=7.82 Hz, 2 H); 8.24 (s, 1 H); 13.10 (br. s., 1 H*)
イブルチニブ:フマル酸のH−NMRスペクトルを図6に示す。
本発明の一実施形態において、イブルチニブ:フマル酸は以下のXRPD回折ピークによって特徴付けられる。2θ=9.9°±0.2°、17.4°±0.2°、18.7°±0.2°、20.5°±0.2°および21.7°±0.2°、または17.4°±0.2°、18.2°±0.2°、20.5°±0.2°、21.7°±0.2°および23.9°±0.2°
本発明の好ましい一実施形態において、イブルチニブ:フマル酸は以下のXRPD回折ピークによってさらに特徴付けられる。2θ=6.5°±0.2°、13.0°±0.2°、18.2°±0.2°、22.4°±0.2°および23.9°±0.2°、または6.5°±0.2°、9.9°±0.2°、25.7°±0.2°、28.1°±0.2°および29.3°±0.2°
本発明のさらに好ましい一実施形態において、イブルチニブ:フマル酸は、2θ=9.9°±0.2°、17.4°±0.2°、18.7°±0.2°、20.5°±0.2°および21.7°±0.2°のXRPD回折ピークによって特徴付けられ、また2θ=6.5°±0.2°、10.1°±0.2°、10.5°±0.2°、10.8°±0.2°、11.9°±0.2°、12.6°±0.2°、12.8°±0.2°、13.0°±0.2°、14.7°±0.2°、15.2°±0.2°、18.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.0°±0.2°、22.4°±0.2°、25.7°±0.2°、26.8°±0.2°、28.1°±0.2°および29.3°±0.2°における1以上のピークによってさらに特徴付けられる。
イブルチニブ:フマル酸のXRPD回折パターンを図7に示す。
別の好ましい一実施形態において、本発明は、イブルチニブとコハク酸との共結晶(イブルチニブ:コハク酸)に関する。イブルチニブ:コハク酸は、以下のシグナルを示すH−NMRスペクトルによって特徴付けられる(=コハク酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.92 (d, J=13.69 Hz, 1 H); 2.12 (br. s., 1 H); 2.18 - 2.32 (m, 1 H); 2.38 - 2.42 (m, 3 H*); 2.88 - 3.07 (m, 1H); 3.10 - 3.27 (m, 1 H); 3.70 (d, J=10.56 Hz, 1 H); 4.06 (d, J=13.29 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.54 (d, J=12.12 Hz, 1 H); 4.69 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=9.78 Hz, 1H); 5.69 (d, J=10.56 Hz, 1 H); 6.00 - 6.18 (m, 1 H); 6.54 - 6.77 (m, 1 H); 6.77 - 6.98 (m, 1 H); 7.09 - 7.20 (m, 5 H); 7.33 - 7.51 (m, 2 H); 7.65 (d, J=7.82 Hz, 2 H) 8.24 (s, 1 H); 12.10 (br. s., 1 H*)
イブルチニブ:コハク酸のH−NMRスペクトルを図10に示す。
本発明の一実施形態において、イブルチニブ:コハク酸は以下のXRPD回折ピークによって特徴付けられる。2θ=17.3°±0.2°、17.9°±0.2°、20.2°±0.2°、21.5°±0.2°および21.8°±0.2°
本発明の好ましい一実施形態において、イブルチニブ:コハク酸は以下のXRPD回折ピークによってさらに特徴付けられる。2θ=9.8°±0.2°、11.5°±0.2°、13.0°±0.2°、18.3°±0.2°および23.2°±0.2°
本発明のさらに好ましい一実施形態において、イブルチニブ:コハク酸は、2θ=17.3°±0.2°、17.9°±0.2°、20.2°±0.2°、21.5°±0.2°および21.8°±0.2°のXRPD回折ピークによって特徴付けられ、また2θ=6.5°±0.2°、9.8°±0.2°、10.2°±0.2°、10.8°±0.2°、11.5°±0.2°、12.5°±0.2°、13.0°±0.2°、14.7°±0.2°、15.2°±0.2°、15.7°±0.2°、18.3°±0.2°、19.7°±0.2°、23.2°±0.2°、23.8°±0.2°、24.2°±0.2°、25.1°±0.2°、26.1°±0.2°、26.7°±0.2°、27.2°±0.2°、28.6°±0.2°、および29.0°±0.2°における1以上のピークによってさらに特徴付けられる。
イブルチニブ:コハク酸のXRPD回折パターンを図11に示す。
本発明はさらに、本発明によるイブルチニブの共結晶、具体的には上に定義されたようなイブルチニブの共結晶を含む製剤に関する。好ましい一実施形態において、本発明は、イブルチニブと安息香酸、フマル酸、またはコハク酸との共結晶を含む製剤に関する。本発明の製剤は、好ましくはカプセルまたは錠剤等の経口固形製剤である。
本発明の製剤は、充填剤、結合剤、流動促進剤、崩壊剤、流動調節剤、および離型剤等の薬学的に許容される1以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。適切な添加剤は、例えば、「Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete」第4版(H.P.Fielder)および「Handbook of Pharmaceutical Excipients」第3版(A.H.Kibbe,American Pharmaceutical Association,ワシントン,米国、およびPharmaceutical Press,ロンドン)に開示されている。
適切な充填剤は、例えばラクトースおよびリン酸水素カルシウムである。充填剤は、組成物の総重量に対して0〜80重量%含まれていてもよく、好ましくは10〜60重量%含まれる。
適切な結合剤は、例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、糖類、デキストラン、およびコーンスターチである。結合剤は、組成物の総重量に対して0〜80重量%含まれていてもよく、好ましくは10〜60重量%含まれる。
適切な流動促進剤は、例えばステアリン酸のような脂肪酸のアルカリ土類金属塩である。流動促進剤は、組成物の総重量に対して、例えば0〜2重量%含まれていてもよく、好ましくは0.5〜1.5重量%含まれる。
適切な崩壊剤は、例えばクロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、デンプングリコール酸ナトリウム(エキスプロタブ等)、および重炭酸ナトリウムである。崩壊剤は、組成物の総重量に対して0〜20重量%含まれていてもよく、好ましくは1〜15重量%含まれる。
適切な流動調節剤は、例えばコロイドシリカである。流動調節剤は、組成物の総重量に対して0〜8重量%含まれていてもよく、好ましくは0.1〜3重量%含まれる。
適切な離型剤は、例えば滑石である。離型剤は、組成物の総重量に対して0〜5重量%含まれていてもよく、好ましくは0.5〜3重量%含まれる。
固形製剤、好ましくは錠剤またはカプセルは、コーティングされていてもよく、フィルムコーティングされていることが好ましい。
適切なコーティング剤は、例えばセルロース誘導体、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルフタル酸塩、および/またはセラックもしくはカラギーナン等の天然ゴムである。
本発明の製剤は、当業者によく知られた方法によって調製することができる。
本発明はさらに、マントル細胞リンパ腫(MCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、および慢性リンパ球性白血病(CLL)を患う患者を治療するための製剤を調製するための、イブルチニブの共結晶の使用に関する。
イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)のH−NMRスペクトル(DMSO−d中におけるH−NMR,400MHz)を示す。 イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)のXRPDディフラクトグラムを示す。 イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)のXRPDディフラクトグラム(上)を、イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)の3次元X線構造から得られた原子の位置を示にシミュレーションした粉末ディフラクトグラムと比較して示す。 イブルチニブ:安息香酸(1:1)共結晶のUHPLC/UV分析を示す。Rt=2.49分のシグナルが安息香酸に相当する。 イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)の単結晶の3次元結晶構造解析において観察された、イブルチニブ塩基に水素結合した安息香酸の位置を示す。 イブルチニブ:フマル酸共結晶(2:1)のH−NMRスペクトル(DMSO−d中におけるH−NMR,400MHz)を示す。 イブルチニブ:フマル酸共結晶(2:1)のXRPDディフラクトグラムを示す。 イブルチニブ:フマル酸(2:1)共結晶のUHPLC/UV分析を示す。Rt=1.67分のシグナルがフマル酸に相当する。 イブルチニブ:フマル酸共結晶(2:1)の単結晶の3次元結晶構造解析において観察された、イブルチニブ塩基に水素結合したフマル酸の位置を示す。 イブルチニブ:コハク酸共結晶のH−NMRスペクトル(DMSO−d中におけるH−NMR,400MHz)を示す。 イブルチニブ:コハク酸共結晶のXRPDディフラクトグラムを示す。 イブルチニブ:コハク酸共結晶のUHPLC/UV分析を示す。 イブルチニブ:コハク酸共結晶(2:1)の単結晶の3次元結晶構造解析において観察された、イブルチニブ塩基に水素結合したコハク酸の位置を示す。 負荷試験後の、イブルチニブ:フマル酸共結晶のXRPDディフラクトグラムを示す。 12週間の貯蔵の前後におけるイブルチニブ共結晶のXRPDディフラクトグラムを、E型イブルチニブと比較して、それぞれ示す。
分析方法
H−NMR分光法
機器:Varian Mercury 400 Plus NMR分光計,Oxford AS,400MHz
UHPLC/UV
粉末X線回折(XRPD)
第1の方法:
試料は、回転PMMAサンプルホルダー(直径:25mm;深さ:1mm)に入れ、D8 Advance粉末X線回折計(Bruker AXS、カールスルーエ、ドイツ)を使用して、反射モード(Bragg−Brentano配置)で測定した。測定条件を下記の表にまとめて示す。生データの分析には、EVAソフトウェア(Bruker AXS,カールスルーエ,ドイツ)を使用した。
第2の方法(負荷試験用):
分析には、固体検出器を備えたARL(SCINTAG)X’TRA型粉末X線回折計を使用した。1.5418Åの銅放射を用いた。
走査パラメータ:範囲:2〜40°2θ;走査モード:連続走査;ステップ幅:0.05°,速度3°/分
X線単結晶回折(XRD)
結晶の測定は、エリア検出器を備えたOxford Diffraction XCALIBUR回折計を用いて、180Kおよび波長1.54180Åにて実施した。
以下の実験および実施例における出発化合物であるA型のイブルチニブは、WO2013/184572の記載に従って得た。
実施例1:イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)の調製
実験1:
204mg(0.46mmol)のA型イブルチニブを、56mg(0.46mmol)の安息香酸とともに室温(RT)のMeOH1mLに懸濁させた。この懸濁液を75℃に加熱した結果、透明な溶液が得られた。この溶液をゆっくりとRTまで冷却すると、白色の固形物が析出し始めた。析出物をろ過して単離し、50℃/10mbarで24時間乾燥させた(収率:65%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験2:
204mg(0.46mmol)のA型イブルチニブを、56mg(0.46mmol)の安息香酸とともに30℃のMeOH1mLに懸濁させた。攪拌後、透明な溶液が得られた。この溶液を60分間攪拌すると、白色の固形物が析出し始めた。析出物をろ過して単離し、50℃/10mbarで24時間乾燥させた(収率:45%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験3:
2.4g(5.5mmol)のA型イブルチニブを、0.67g(5.5mmol)の安息香酸とともに30℃のMeOH(50mL)に懸濁させた。懸濁液の撹拌後、透明な溶液が得られた。この溶液をロータリーエバポレーターにかけ、体積が約10mLとなるまで蒸発させた。白色の固形物が析出し始めた。この溶液を30℃で終夜撹拌し、析出を完了させた。析出物をろ過して単離し、40℃/10mbarで72時間乾燥させた(収率:68%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験1〜3の結果:
H−NMR分光法
試料を400MHzのNMR分光計で分析した。溶媒として、DMSO−dを使用した。このH−NMRスペクトルを図1に示す。シグナルを以下にまとめる(=安息香酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.84 - 1.97 (m, 1 H); 2.12 (br. s., 1 H); 2.25 (qd, J=11.93, 4.11 Hz, 1 H); 2.86 - 3.09 (m, 1 H); 3.11 - 3.26 (m, 1 H); 3.30 (br. s., 1 H); 3.53 - 3.77 (m, 1 H); 4.06 (d, J=13.29 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.54 (d, J=11.34 Hz, 1 H); 4.70 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=9.78 Hz, 1 H); 5.69 (d, J=10.17 Hz, 1 H); 6.00 - 6.21 (m, 1 H); 6.51 - 6.77 (m, 1 H); 6.77 - 7.02 (m, 1 H); 7.09 - 7.19 (m, 5 H); 7.39 - 7.51 (m, 4 H(2H*)); 7.54 - 7.73 (m, 3 H(1H*)); 7.91 - 7.96 (m, 2 H)*; 8.24 (s, 1 H); 12.93 (br. s., 1 H*)
イブルチニブの1.93ppmのシグナル(1H)および安息香酸(7.93ppm)に由来する2つのオルト水素の積算値は、それぞれ1および2であった。これは、イブルチニブと安息香酸のモル比である1:1と一致する。
粉末X線回折(XRPD)
粉末X線回折によって、生成物の特徴付けを行った。これを図2に示す。
また、このディフラクトグラムと単結晶の研究結果からシミュレートされた粉末パターンとの比較を、図3に示す。
UHPLC/UV
UHPLC/UV分析で得たクロマトグラムを図4に示す。不純物は検出されなかった(Rt=2.486分:安息香酸;Rt=3.763分:イブルチニブ)。
イブルチニブ:安息香酸の貯蔵安定性
イブルチニブ:安息香酸共結晶のバッチ(安定性バッチ)を、開放容器および密閉容器に入れ、40℃/相対湿度75%(「加速条件」)の恒温恒湿器内で貯蔵した。4週間、8週間、および12週間の貯蔵後、試料をUHPLC/UV(化学的純度)およびXRPD(固体状態としての安定性)によって分析した。UHPLC/UV分析の結果を以下の表にまとめた。この結果から、イブルチニブ:安息香酸共結晶の化学的純度は変化していないことがわかる。
XRPD分析の結果、イブルチニブ:安息香酸共結晶の固体状態は、加速条件下での貯蔵中に変化していないことが確認された。
イブルチニブ:安息香酸共結晶(1:1)の単結晶X線解析
決定された分子構造の絶対配置は、予測された構造と一致し、Flackパラメータは0.04(13)へと精密化され、帰属が裏付けられる。水素原子は「riding model(騎乗モデル)」によって精密化したが、ヘテロ原子に結合した水素原子については、制約なく位置の精密化がなされるため、この限りではなかった。
図5に示されるように、イブルチニブ:安息香酸共結晶の充填は、イブルチニブ1分子と安息香酸1分子から構成される。すなわちモル比は1:1であり、三斜晶系の対称性を有する。
この構造には、3種類の水素結合がある。
まず、イブルチニブと安息香酸との間の水素結合(O4−H45…N5)は、この新規な固体状態がイブルチニブの安息香酸塩ではなく共結晶であることを裏付けるものである。カルボキシル基が脱プロトン化されているのであれば、電子は非局在化され、2つのC〜O結合(図5bのC26−O3およびC26−O4)の長さはほぼ同じになるであろう。この場合、カルボキシル基がプロトン化されていることは明らかである。なぜならC26−O3のC=Oの距離は1.219(2)Åであり、C26−O4のC−O−HにおけるC−Oの距離は1.313(2)Åとなっているからである。カルボキシルのプロトンを差フーリエマップに示し、その位置を制約なしに精密化した。
次に、イブルチニブと安息香酸との間の水素結合(N4−H…O3)は緩く弱い水素結合であるが、イブルチニブと安息香酸との結びつきを強化するものである。
最後に、イブルチニブのアミン基と隣接するイブルチニブ分子のカルボニル基の間の水素結合がある。
実施例2:イブルチニブ:フマル酸共結晶(2:1)の調製
実験1:
3mg(6.8mmol)のA型イブルチニブを、0.8g(6.8mmol)のフマル酸とともに室温(RT)のMeOH27mLに懸濁させた。この懸濁液を70℃に加熱した結果、透明な溶液が得られた。この溶液をゆっくりとRTまで冷却すると、白色の固形物が析出し始めた。析出物をろ過して単離し、40℃/10mbarで72時間乾燥させた(収率:70%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験2:
実験1と同様の手順を、800mg(1.8mmol)のA型イブルチニブおよび210mg(1.8mmol)のフマル酸を用いて行ったところ、収率は43%であった。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験3:
1Lの反応器に、イブルチニブ(50g)、フマル酸(26.35g)およびメタノール(350mL)を入れ、混合物を68℃に加熱して溶解させた。この溶液を1時間で45℃に冷却し、イブルチニブ:フマル酸共結晶の種晶を添加した。この混合物を1時間で35℃に冷却し、析出物が得られるまで35℃で2時間撹拌した。このスラリーを6時間で0℃に冷却し、0℃で終夜撹拌した。
スラリーを減圧ろ過し、冷却したメタノール(100mL)で洗浄し、50℃で72時間減圧乾燥し、49.46gの白色固形物を得た(収率:87.5%)。
実験1〜3の結果:
H−NMR分光法
試料を400MHzのNMR分光計で分析した。溶媒として、DMSO−dを使用した。このH−NMRスペクトルを図5に示す。シグナルを以下にまとめる(=フマル酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.75 - 2.01 (m, 1 H); 2.11 (br. s., 1 H); 2.18 - 2.46 (m, 1 H); 2.65 (s, 1 H); 3.01 (d, J=9.78 Hz, 1 H); 3.20 (br. s., 1 H); 3.68 (br. s., 1 H); 4.06 (d, J=12.12 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.52 (br. s., 1 H); 4.69 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=10.17 Hz, 1 H); 5.69 (d, J=11.34 Hz, 1 H); 5.99 - 6.19 (m, 1 H); 6.52 - 6.63 (m, 1 H*); 6.64 - 6.77 (m, 1 H); 6.78 - 6.98 (m, 1 H); 7.09 - 7.19 (m, 4 H); 7.31 - 7.53 (m, 2 H); 7.64 (d, J=7.82 Hz, 2 H); 8.24 (s, 1 H); 13.10 (br. s., 1 H*)
イブルチニブの1.93ppmのシグナル(1H)およびフマル酸の6.60ppmのシグナル(2H)の積算値は、それぞれ1および1であった。これは、イブルチニブとフマル酸のモル比である2:1と一致する。
粉末X線回折(XRPD)
粉末X線回折によって、生成物の特徴付けを行った。これを図6に示す。
イブルチニブ:フマル酸共結晶の粉末X線ディフラクトグラムは、以下のシグナルによって特徴付けられる。
UHPLC/UV
UHPLC/UV分析で得たクロマトグラムを図8に示す。不純物は検出されなかった(Rt=1.671分:フマル酸;Rt=3.728分:イブルチニブ)。
イブルチニブ:フマル酸の貯蔵安定性
イブルチニブ:フマル酸共結晶のバッチ(安定性バッチ)を、加速条件下の開放容器および密閉容器に入れて貯蔵した。4週間、8週間、および12週間の貯蔵後、試料をUHPLC/UV(化学的純度)およびXRPD(固体状態としての安定性)によって分析した。UHPLC/UV分析の結果を以下の表にまとめた。この結果から、イブルチニブ:フマル酸共結晶の化学的純度は変化していないことがわかる。
XRPD分析の結果、イブルチニブ:フマル酸共結晶の固体状態は、加速条件下での貯蔵中に変化していないことが確認された。
図9に示されるように、イブルチニブ:フマル酸共結晶の充填は、二量体を形成しているイブルチニブ2分子とフマル酸1分子から構成される。すなわちモル比は2:1であり、三斜晶系の対称性を有する。二量体は、それぞれのイブルチニブ分子の、N4−H2とN35の間の水素結合およびN34−H4とN5の間の水素結合によって形成される。イブルチニブのアミド基は、フマル酸の酸性基と水素結合を構築する(フマル酸の2つのカルボン酸基はいずれも水素結合によってイブルチニブと結びついている:それぞれの分子のO61−H5とO31、O63−H6とO6)。さらに、イブルチニブ二量体は、結晶格子中の最後に、イブルチニブのアミン基と隣接するイブルチニブ分子のカルボニル基の間の水素結合がある。二量体と、1分子当たり2つの水素結合によって結合している:N4−H1とO31、N34−H3とO1。フマル酸の配置は、C=OおよびC−OHの典型的な距離(C61−O61 1.329(3)Å、C61−O62 1.197(3)Å、C64−O63 1.312(3)Å、C64−O64 1.207(3)Å)を明確に示している。
フマル酸が脱プロトン化されているのであれば、C〜Oの距離は、考えられるアニオンの電子共鳴を反映してほぼ同一になるであろう。
計算による原子間距離および水素結合の角度は以下の通りである。
イブルチニブとフマル酸との共結晶の負荷試験
イブルチニブ:フマル酸共結晶の試料を、過酷条件下での多形安定性試験に供した。粉末状共結晶の少量の試料(それぞれ約0.1g)に対し、下記の条件を適用した。
1.T25 ATLASパワープレス(Specac)を用いて、3トンの圧力を1分間加える。
2.乳鉢と乳棒を用いて約1分間強い力ですりつぶす。
3.粉末に水を1滴加えた後、乳鉢と乳棒を用いて約1分間強い力ですりつぶす。
4.粉末にエタノールを1滴加えた後、乳鉢と乳棒を用いて約1分間強い力ですりつぶす。
5.粉末にイソプロパノールを1滴加えた後、乳鉢と乳棒を用いて約1分間強い力ですりつぶす。
6.100℃で30分間加熱する。
7.室温、相対湿度100%において1週間貯蔵する。
上記の負荷試験後、すべての試料をXRPD試験に供した。図14に示すように、XRPDパターンに変化は見られなかった。
実施例3:イブルチニブ:コハク酸共結晶の調製
実験1:
143mg(0.32mmol)のイブルチニブを、156mg(1.32mmol)のコハク酸とともに室温(RT)のMeOH1mLに懸濁させた。5分間攪拌したところ、透明な溶液が得られた。60分後に、白色の固形物が析出し始めた。この溶液を室温で終夜撹拌し、析出を完了させた。析出物をろ過して単離した(収率:21%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験2:
1g(2.3mmol)のイブルチニブを、1g(8.5mmol)のコハク酸とともに室温(RT)のMeOH7mLに懸濁させた。15分間攪拌したところ、透明な溶液が得られた。60分後に、白色の固形物が析出し始めた。この溶液を、週末にかけて撹拌しながら室温で放置し、析出を完了させた。析出物をろ過して単離した(収率:67%)。
この試料をXRPDおよびH−NMR分光法によって分析した。
実験1および2の結果:
H−NMR分光法
試料を400MHzのNMR分光計で分析した。溶媒として、DMSO−dを使用した。このH−NMRスペクトルを図10に示す。シグナルを以下にまとめる(=コハク酸のシグナル)。
1.57 (br. s., 1 H); 1.92 (d, J=13.69 Hz, 1 H); 2.12 (br. s., 1 H); 2.18 - 2.32 (m, 1 H); 2.38 - 2.42 (m, 3 H*); 2.88 - 3.07 (m, 1H); 3.10 - 3.27 (m, 1 H); 3.70 (d, J=10.56 Hz, 1 H); 4.06 (d, J=13.29 Hz, 1 H); 4.19 (br. s., 1 H); 4.54 (d, J=12.12 Hz, 1 H); 4.69 (br. s., 1 H); 5.57 (d, J=9.78 Hz, 1H); 5.69 (d, J=10.56 Hz, 1 H); 6.00 - 6.18 (m, 1 H); 6.54 - 6.77 (m, 1 H); 6.77 - 6.98 (m, 1 H); 7.09 - 7.20 (m, 5 H); 7.33 - 7.51 (m, 2 H); 7.65 (d, J=7.82 Hz, 2 H);
8.24 (s, 1 H); 12.10 (br. s., 1 H*)
イブルチニブの1.92ppmのシグナル(1H)およびコハク酸の2.40ppmのシグナル(4H)の積算値は、それぞれ1および2.5であった。
粉末X線回折(XRPD)
粉末X線回折によって、生成物の特徴付けを行った。これを図11に示す。
イブルチニブ:コハク酸共結晶の粉末X線ディフラクトグラムは、以下のシグナルによって特徴付けられる。
UHPLC/UV
UHPLC/UV分析で得たクロマトグラムを図12に示す(Rt=3.693分:イブルチニブ;コハク酸はこの波長では検出されない)。
イブルチニブ:コハク酸の貯蔵安定性
イブルチニブ:コハク酸共結晶のバッチ(安定性バッチ)を、加速条件下の開放容器および密閉容器に入れて貯蔵した。4週間、8週間、および12週間の貯蔵後、試料をUHPLC/UV(化学的純度)およびXRPD(固体状態としての安定性)によって分析した。UHPLC/UV分析の結果を以下の表にまとめたが。この結果から、イブルチニブ:コハク酸共結晶の化学的純度は変化していないことがわかる。
XRPD分析の結果、イブルチニブ:コハク酸共結晶の固体状態は、加速条件下での貯蔵中に変化していないことが確認された。
三斜晶系の対称性P1を有する1単位胞のイブルチニブ:コハク酸共結晶の充填は、イブルチニブ4分子とコハク酸2分子から構成される。すなわち、モル比は2:1である。この充填は、イブルチニブ:コハク酸:イブルチニブの結合体で形成される鎖の複雑な水素結合ネットワークによって安定化されている。この2つの結合体のうち1つを図13に示す。水素原子は、コハク酸に近接した、関連する位置で見出された。コハク酸の配置は、C=OおよびC−OHの典型的な距離(C124−O127 1.316(4)Å、C124−O128 1.205(4)Å、C121−O125 1.327(3)Å、C121−O126 1.197(4)Å)を明確に示している。
コハク酸が脱プロトン化されているのであれば、C〜Oの距離は、考えられるアニオンの電子共鳴を反映してほぼ同一になるであろう。
単位胞中の2つの結合体におけるコハク酸とイブルチニブの水素結合の、計算による原子間距離およびの角度は、以下の通りである。
実施例4:イブルチニブの共結晶の医薬製剤
実験1:カプセル剤
有効成分とAerosilとをあらかじめ混合し、次いでステアリン酸マグネシウム以外の他の成分すべてをフリーフォールミキサー内で15分間混合した。次いで、篩過したステアリン酸マグネシウムを加え、この混合物をさらに5分間混合した。最終混合物をカプセルに充填した。
有効成分とAerosilとをあらかじめ混合し、次いでステアリン酸マグネシウム以外の他の成分すべてをフリーフォールミキサー内で15分間混合した。次いで、篩過したステアリン酸マグネシウムを加え、この混合物をさらに5分間混合した。最終混合物をカプセルに充填した。
実験2:錠剤
有効成分とAerosilとをあらかじめ混合し、次いでステアリン酸マグネシウム以外の他の成分すべてをフリーフォールミキサー内で15分間混合した。次いで、篩過したステアリン酸マグネシウムを加え、この混合物をさらに5分間混合した。最終混合物を圧縮して錠剤とした。
有効成分とAerosilとをあらかじめ混合し、次いでステアリン酸マグネシウム以外の他の成分すべてをフリーフォールミキサー内で15分間混合した。次いで、篩過したステアリン酸マグネシウムを加え、この混合物をさらに5分間混合した。最終混合物を圧縮して錠剤とした。
比較例1:WO2013/184572によるE型イブルチニブの貯蔵安定性
遊離塩基形態にあるA型イブルチニブ(1g)をトルエン(12mL)に懸濁させ、生じたスラリーを室温で3.5日間撹拌した。生成物をろ取し、減圧下で22時間乾燥させて、遊離塩基形態にあるE型イブルチニブを得た。
E型イブルチニブは、温度40℃、相対湿度75%で12週間貯蔵した。図15に示すように、E型イブルチニブはA型イブルチニブに転換されており、貯蔵中安定性を維持していた本発明のイブルチニブ共結晶とは対照的である。この実験は、本発明の共結晶の安定性が、従来技術の結晶形と比較して驚くほど改善されていることが実証するものである。
比較例2:湿潤性
下記の化合物の湿潤性を、接触角の測定によって判定した。この目的のために、測定対象の物質を圧縮(2トン・cm−2)してペレットとした。それぞれのペレットについて、3滴の水(2μL)を3箇所の測定点に滴下し、装置OCA40(DataPhysics Instruments)を用いて、水滴の2面の接触角を測定した。得られた測定値を、以下の表に示す。
接触角が小さいほど、物質の湿潤性は高いことになる。湿潤性が高くなると、物質の造粒、特に湿式造粒が容易になる。したがって、本発明の共結晶は、接触角が小さいため、遊離塩基形態にあるイブルチニブと比べて湿潤性が高く、さらなる加工により製剤とする上で好都合な特性を有している。

Claims (13)

  1. イブルチニブとカルボン酸との共結晶。
  2. イブルチニブと安息香酸との共結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のイブルチニブの共結晶。
  3. 特徴的な粉末X線回折ピークを2θ=9.1°±0.2°、12.1°±0.2°、13.7°±0.2°、13.9°±0.2°および23.0°±0.2°に有し、好ましくは、さらに2θ=16.1°±0.2°、16.2°±0.2°、19.1°±0.2°、20.1°±0.2°および21.2°±0.2°に有することを特徴とする、請求項2に記載のイブルチニブの共結晶。
  4. イブルチニブとフマル酸との共結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のイブルチニブの共結晶。
  5. 特徴的な粉末X線回折ピークを2θ=9.9°±0.2°、17.4°±0.2°、18.7°±0.2°、20.5°±0.2°および21.7°±0.2°に有し、好ましくは、さらに2θ=6.5°±0.2°、13.0°±0.2°、18.2°±0.2°、22.4°±0.2°および23.9°±0.2°に有することを特徴とする、請求項4に記載のイブルチニブの共結晶。
  6. イブルチニブとコハク酸との共結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のイブルチニブの共結晶。
  7. 特徴的な粉末X線回折ピークを2θ=17.3°±0.2°、17.9°±0.2°、20.2°±0.2°、21.5°±0.2°および21.8°±0.2°に有し、好ましくは、さらに2θ=9.8°±0.2°、11.5°±0.2°、13.0°±0.2°、18.3°±0.2°および23.2°±0.2°に有することを特徴とする、請求項6に記載のイブルチニブの共結晶。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のイブルチニブの共結晶を含む製剤。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のイブルチニブの共結晶の、製剤における使用。
  10. B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)である慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、およびマントル細胞リンパ腫(MCL)の治療のための、請求項1〜7のいずれかに記載のイブルチニブの共結晶の、製剤における使用。
  11. B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)である慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、およびマントル細胞リンパ腫(MCL)を治療するための方法において使用するための、請求項1〜7のいずれかに記載のイブルチニブの共結晶または請求項8に記載の製剤。
  12. イブルチニブの共結晶を調製するための方法であって、a)イブルチニブをカルボン酸とともに適切な溶媒に懸濁させる工程、b)得られた懸濁液を透明な溶液が得られるまで加熱する工程(ここで、そのまましばらく静置してもよく、加攪拌してもよい)、およびc)次いで該イブルチニブの溶液を室温まで冷却する工程を含むことを特徴とする方法。
  13. 溶媒が極性有機溶媒、好ましくはC〜C脂肪族アルコールであることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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