JP2018148158A - 強磁性トンネル接合素子及びその製造方法 - Google Patents

強磁性トンネル接合素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素子の専有面積及び製造工程数の増加を避けつつ、素子の特性変化を避け、且つ、高い製造歩留まりを維持することが可能な強磁性トンネル接合素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】第1の磁性層と、前記第1の磁性層の上に設けられた第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた、磁性遷移金属を含む第2の磁性層と、前記第2の磁性層の側面を覆うように設けられた、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜と、を備える、強磁性トンネル接合素子を提供する。【選択図】図4

Description

本開示は、強磁性トンネル接合素子及びその製造方法に関する。
大容量サーバからモバイル端末に至るまで、各種情報機器の飛躍的な発展に伴い、これを構成するメモリやロジックなどの素子においても高集積化、高速化、低消費電力化等、さらなる高性能化が追求されている。特に不揮発性半導体メモリの進歩は著しく、例えば、大容量ファイルメモリとしてのフラッシュメモリは、ハードディスクドライブを駆逐する勢いで普及が進んでいる。一方、コードストレージ用途さらにはワーキングメモリへの適用を睨み、現在一般に用いられているNORフラッシュメモリ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を置き換えるべくFeRAM(Ferroelectric random access Memory)、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、PCRAM(Phase−Change Random Access Memory)などの様々なタイプの半導体メモリの開発が進められている。なお、これらのうちの一部は既に実用化されている。
上述したうちの1つであるMRAMは、MRAMの有する磁気記憶素子の磁性体の磁化状態を変化させることにより、電気抵抗が変化することを利用して、情報の記憶を行う。従って、磁化状態の変化によって決定される上記磁気記憶素子の抵抗状態、詳細には、磁気記憶素子の電気抵抗の大小を判別することにより、記憶された情報を読み出すことができる。このようなMRAMは、高速動作が可能でありつつ、ほぼ無限(1015回以上)の書き換えが可能であり、さらには信頼性も高いことから、すでに産業オートメーションや航空機などの分野で使用されている。加えて、MRAMは、その高速動作と高い信頼性とから、今後コードストレージやワーキングメモリへの展開が期待されている。
さらに、MRAMのうち、スピントルク磁化反転を用いて磁性体の磁化を反転させるMRAMについては、高速動作等の上述の利点を有しつつ、低消費電力化、大容量化が可能であることから、更なる大きな期待が寄せられている。なお、このようなスピントルク磁化反転を利用したMRAMは、STT−MRAM(Spin Transfer Torque−Magnetic Random Access Memory)(スピン注入型MRAM)と呼ばれている。
詳細には、STT−MRAMは、磁気記憶素子として、2つの磁性層と、これら磁性層に挟まれた絶縁層とを持つMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子を有している。なお、MTJ素子は、TMR(Tunneling Magneto Resistive)素子と呼ばれることもある。そして、このような積層構造を持つMTJ素子を微細に加工した場合、製造歩留まりを高く維持することは難しい。より具体的には、加工により生じた残渣がMTJ素子に付着して、電気的にショートを発生させ、MTJ素子の製造歩留まりを低下させることがある。そこで、下記の特許文献1及び2においては、このような歩留まりの低下を抑えるための方法が提案されている。
詳細には、下記特許文献1においては、MTJ素子を形成した後に、炭素及び酸素を含むガス雰囲気下でMTJ素子に対してプラズマ処理を行い、加工により生じた残渣を除去している。さらに、下記特許文献1においては、上記残渣を除去した後、MTJ素子の側面を酸化させて、MTJ素子の側面を覆う酸化膜を形成することにより、除去しきれなかった残渣を酸化して絶縁化することにより、ショートの発生を防いでいる。また、例えば、下記特許文献2においては、ショートの発生を防ぐために、MTJ素子の側面を覆う2層構造の保護膜を形成している。
特開2016−164955号公報 特開2015−179694号公報
Physical Review b,54,9353(1996) Journal of Magnetism and Magnetic Materials,159,L1(1996)
しかしながら、上記特許文献1のようにMTJ素子の側面をそのまま酸化処理した場合には、MTJ素子の磁気特性が変化しやすく、特に微細なMTJ素子では特性変化が顕著である。さらに、上記特許文献2のように、MTJ素子の側面を覆う2層構造の保護膜を形成した場合には、基板上でのMTJ素子の専有面積が増加することになるため、単位面積当たりの記憶容量が小さくなる。加えて、2層構造の保護膜を形成することにより、工程数が大幅に増加し、製造コストの上昇につながることとなる。
そこで、本開示では、素子の専有面積及び製造工程数の増加を避けつつ、素子の特性変化を避け、且つ、高い製造歩留まりを維持することが可能な、新規且つ改良された強磁性トンネル接合素子及びその製造方法を提案する。
本開示によれば、第1の磁性層と、前記第1の磁性層の上に設けられた第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた、磁性遷移金属を含む第2の磁性層と、前記第2の磁性層の側面を覆うように設けられた、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜と、を備える、強磁性トンネル接合素子が提供される。
また、本開示によれば、基板上に、第1の磁性層と、第1の絶縁層と、磁性遷移金属を含む第2の磁性層とを順次積層し、前記第2の磁性層をエッチングして、複数の柱状の強磁性トンネル接合素子を形成し、前記第2の磁性層の側面に金属マグネシウム膜を形成し、前記金属マグネシウム膜を酸化する酸化処理により、前記第2の磁性層の側面を覆う、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜を形成する、ことを含む、強磁性トンネル接合素子の製造方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、素子の専有面積及び製造工程数の増加を避けつつ、素子の特性変化を避け、且つ、高い製造歩留まりを維持することができる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフ(その1)である。 本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフ(その2)である。 積層体の断面の電子顕微鏡写真と、当該写真の断面に対応するFe、Mg、Taの元素の分布を示したグラフである。 本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の断面図である。 本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の製造方法における各工程を説明する断面図(その1)である。 本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の製造方法における各工程を説明する断面図(その2)である。 本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の製造方法における各工程を説明する断面図(その3)である。 実施例1に係るMTJ素子10の一工程における断面図である。 図9は、比較例1、比較例3、実施例1に係るMTJ素子に対して300℃から400℃で1時間加熱した場合の加熱処理温度(Ta)に対する反転電圧(Vc)の変化を示したグラフである。 比較例4、実施例2に係るMTJ素子における、金属マグネシウムの膜厚(tMg)に対する歩留まりの変化を示したグラフである。 実施例3に係るMTJ素子における、加熱処理温度(Ta)に対するMTJ素子の特性に変化を示したグラフである。 比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図(その1)である。 比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図(その2)である。 比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図(その3)である。 比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図(その4)である。 比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図(その5)である。 本発明者らの検討によって得られた、トンネルバリア層904を中心とした場合のエッチング深さ(dnm)を変化させたときのMTJ素子90の磁気抵抗比(MR(%))及びショートの発生率(Pshort(%))の変化を示したグラフである。 本発明者らの検討によって得られた、MTJ素子90の形成後の酸化処理時間(TOx)に対する、MTJ素子90のショートの発生率(Pshort(%))及び素子抵抗比(R/R)を示したグラフである。 本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する磁性膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の説明で参照される図面は、本開示の一実施形態の説明とその理解を促すための図面であり、わかりやすくするために、図中に示される形状や寸法、比などは実際と異なる場合がある。さらに、図中に示される素子等は、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。また、以下の説明においては、素子等の積層構造の上下方向は、素子が設けられた基板上の面を上とした場合の相対方向に対応し、実際の重力加速度に従った上下方向とは異なる場合がある。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示に係る技術的背景
1.1.STT−MRAMの概要
1.2.MTJ素子の製造方法
1.3.マグネシウムの酸化促進効果について
2.本開示の一実施形態
2.1.MTJ素子の構造
2.2.MTJ素子の製造方法
3.まとめ
4.実施例
5.補足
<<1.本開示に係る技術的背景>>
<1.1.STT−MRAMの概要>
まず、本開示の一実施形態を説明する前に、本開示に係る技術的背景について説明する。本開示に係る技術は、STT−MRAM(スピン注入型MRAM)に関するものである。
先に説明したように、磁性体の磁化状態によって情報を記憶するMRAMは、高速動作が可能であり、ほぼ無限(1015回以上)の書き換えが可能であり、さらには信頼性も高いことから、すでに様々な分野で使用されている。このようなMRAMのうち、配線から発生する電流磁界にて磁性体の磁化を反転させるMRAMについては、磁化反転の方法に起因して、消費電力の低減、及び大容量化が難しい。これは、配線からの電流磁界を用いた磁化反転を利用するMRAMにおいては、磁性体の磁化を反転することができる強さの電流磁界を発生させるには、所定の閾値以上の電流が必要であり、書き込み時の消費電力が増加しやすいためである。さらに、配線からの電流磁界を用いた磁化反転を利用するMRAMにおいては、電流磁界を発生させる配線を磁気記憶素子ごとに設けることから、磁気記憶素子の小型化に限界がある。
そこで、配線からの電流磁界を用いる以外の方法にて磁性体の磁化を反転するMRAMが検討されている。より具体的には、スピントルク磁化反転を用いて磁性体の磁化を反転させるSTT−MRAMが検討されている。STT−MRAMは、高速動作が可能で、且つ、書き換え回数がほぼ無限大であるというMRAMの利点を持ち、さらに、低消費電力化、大容量化を進めることができることから、大きな期待が寄せられている。
詳細には、STT−MRAMは、磁気記憶素子として、2つの磁性層と、これら2つの磁性層に挟まれた絶縁層とを持つMTJ素子を有している。STT−MRAMは、当該MTJ素子において、ある方向に磁化方向が固定された一方の磁性層(固定磁化層)を通過するスピン偏極電子が、磁化方向が固定されていない他方の磁性層(自由磁化層)に進入する際に、他方の磁性層にトルクを与えること(これをスピン注入トルクと呼ぶ)を利用している。詳細には、MTJ素子にある閾値以上の電流を流すことにより、上記他方の磁性層にトルクを与えて、当該磁性層の磁性方向を反転(磁化反転)させ、当該MTJ素子に情報を記憶させる。上述のようなスピントルク磁化反転を生じさせるために必要な電流の絶対値は、50nm程度のスケールのMTJ素子においては100μA以下となる。さらに、電流値は、MTJ素子の体積が小さくなるほど減少することから、MTJ素子のスケーリングにより電流を低減することが可能である。また、このようなSTT−MRAMにおいては、MTJ素子に情報を記憶させるための電流磁界を発生させるための配線が不要となるため、セル構造をシンプルにすることができるという利点もある。
<1.2.MTJ素子の製造方法>
次に、図12から16を参照して、本発明者らがこれまで検討していたMTJ素子90の製造方法(比較例に係るMTJ素子90の製造方法)について説明する。図12から図16は、比較例に係るMTJ素子90の製造方法における各工程を説明する断面図である。これら断面図は、MTJ素子90の積層構造の積層方向に沿ってMTJ素子90を切断した場合の断面に対応する。なお、ここでは、以下に説明する製造方法を比較例に係る製造方法としているが、当該製造方法のうちの一部の工程は、後述する本開示の一実施形態に係る製造方法と共通する。
図12に示すように、比較例に係るMTJ素子90の製造方法においては、まずは、基板900上に、第1の磁性層902と、トンネルバリア層(絶縁層)904と、第2の磁性層906と、保護層908とを順次積層する。
第1の磁性層902と第2の磁性層906とは、強磁性体材料から形成される。当該強磁性体材料としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)等の磁性遷移金属元素を少なくとも1つを含む磁性体材料が挙げられる。また、当該磁性体材料は、ボロン(B)及びカーボン(C)のうちから選択された少なくとも1種以上の元素を含んでもよい。さらに具体的には、第1及び第2の磁性層902、906は、FeCoB、FeNiB、FeCoC、CoPt、FePt、CoMnSi、MnAl等の単一材料で形成されてもよいし、これらを組み合わせた材料で形成されてもよい。また、第1の磁性層902の膜厚は例えば1nm以上30nm以下であり、第2の磁性層906の膜厚は例えば1nm以上10nm以下である。
トンネルバリア層904は、AlやMgO等の絶縁材料からなり、第1の磁性層902と第2の磁性層906との磁化状態に応じたトンネル電流が流れることとなる。なお、トンネルバリア層904の膜厚は、例えば0.3nm以上5nm以下である。
保護層908は、各種金属材料または合金材料等から形成される。当該保護層908は、MTJ素子90の製造中において各積層を保護する。
次に、図13に示すように、MTJ素子90に対応するパターンを持つフォトマスク910を保護層908上に形成する。
さらに、図14に示すように、上記フォトマスク910をマスクとして用いて、保護層908、第2の磁性層906及びトンネルバリア層904に対してエッチングを行い、MTJ素子90を形成する。当該エッチングは、イオンビームエッチング(IBE)を用いても良いし、リアクティブイオンエッチング(RIE)を用いても良いし、それらを組み合わせても良い。なお、この際、保護層908、第2の磁性層906、トンネルバリア層904及び第1の磁性層902に対してエッチングを行ってもよい。
このように、MTJ素子90を形成した場合、例えば、図15及び図16に示されるような状態の、柱状のMTJ素子90を得ることができる。詳細には、図15は、トンネルバリア層904までエッチングした場合の例を示し、図16は、第1の磁性層902までエッチングした場合の例を示す。
図15に示すように、トンネルバリア層904までエッチングした場合には、第2の磁性層906に対してエッチングすることによって生じたエッチング残渣930が、トンネルバリア層904上の第2の磁性層906の周囲に残存する。エッチング残渣930を完全に除去しつつ、第2の磁性層906をエッチングすることは難しいことから、エッチング残渣930は、図15に示すように第2の磁性層906の周囲に残ってしまう。当該エッチング残渣930は、エッチングされた第2の磁性層906に起因するものであることから、第2の磁性層906を構成する成分(例えば、Fe、Co、Ni及びMn等)を含む。従って、第2の磁性層906の周囲に残るエッチング残渣930がMTJ素子90の第2の磁性層906に影響を与えることにより、MTJ素子90の保持力特性や磁気抵抗比等の磁気特性が劣化することがある。また、図15に示すように、これまでの加工により生じた残渣からなる再付着物920がMTJ素子90の側面に再付着する。当該再付着物920も、エッチングされた第2の磁性層906及び保護層908等に起因するものであることから、第2の磁性層906及び保護層908等を構成する成分を含む。従って、このような再付着物920によっても、MTJ素子90の磁気特性が劣化することもある。
さらに、図16に示すように、トンネルバリア層904を深くまでエッチングしてしまった場合には、再付着物920が、トンネルバリア層904の側面をその膜厚方向に沿って付着することもある。このような場合、再付着物920は、先に説明したようにエッチングされた第2の磁性層906及び保護層908等に起因するものあることから、含まれる成分によっては導電性を有する場合がある。従って、再付着物920が、トンネルバリア層904の側面をその膜厚方向に沿って付着した場合には、第1の磁性層902と第2の磁性層906とを電気的に接続する、すなわちショートを発生させることがある。その結果、MTJ素子90の製造歩留まりを低下させることとなる。
また、図16に示すように、第1の磁性層902までエッチングした場合には、図15の場合と比べて、第2の磁性層906の周囲にエッチング残渣930が残りにくい。しかしながら、再付着物920が、トンネルバリア層904の側面をその膜厚方向に沿って付着しやすい。再付着物920は、先に説明したように、含まれる成分によっては導電性を有する場合がある。従って、図16に示すように、再付着物920が、トンネルバリア層904の側面をその膜厚方向に沿って付着した場合には、第1の磁性層902と第2の磁性層906とを電気的に接続し、ショートを発生させる。その結果、MTJ素子90の耐圧が低下したり、製造歩留まりが悪化したりすることとなる。また、図16の例においても、図15の例と同様に、MTJ素子90の側面に再付着した再付着物920により、MTJ素子90の保持力特性や磁気抵抗比等の磁気特性が劣化することがある。
そこで、本発明者らは、上述のエッチングのエッチング深さとMTJ素子90におけるショートの発生率及び磁気抵抗比との関係について検討を行った。当該検討により得られた結果を図17に示す。図17は、本発明者らの検討によって得られた、トンネルバリア層904を中心とした場合のエッチング深さ(dnm)を変化させたときのMTJ素子90の磁気抵抗比(MR(%))及びショートの発生率(Pshort(%))の変化を示したグラフである。図17においては、横軸は、エッチング深さ(dnm)を示し、トンネルバリア層904をエッチングして掘り進めた膜厚を正の値で示し、トンネルバリア層904がエッチングされずに残った膜厚を負の値で示している。また、縦軸については、右側の縦軸が磁気抵抗比(MR(%))を示し、左側の縦軸がショート発生率(Pshort(%))を示している。なお、磁気抵抗比(MR)は、12端子プローブを用いたCurrent−In−Plane−Tunneling(CIPT)法によって測定した。また、ショート発生率(Pshort(%))は、MTJ素子90の第1の磁性層902と第2の磁性層906との間の導通状態を測定することによって検出した。
図17のグラフによれば、図16に示されるようにトンネルバリア層904を掘り進めていくに従って、第2の磁性層906のエッチング残渣930が残りにくくなり、磁気抵抗比(MR(%))が上昇した。しかしながら、トンネルバリア層904の周囲に再付着物920が付着しやすくなり、トンネルバリア層904におけるショートの発生率(Pshort(%))が増加した。
また、図17のグラフによれば、図15に示されるようにトンネルバリア層904を残した場合には、残した膜厚が増加するに従って、トンネルバリア層904におけるショートの発生率(Pshort(%))が増加した。さらに、第2の磁性層906のエッチング残渣930が残りやすくなることから、MTJ素子90の磁気抵抗比(MR(%))が低下した。
すなわち、図17のグラフによれば、磁気抵抗比(MR(%))を増加させつつ、ショートの発生率(Pshort(%))を低減させようとした場合には、トンネルバリア層904のエッチング量を精度よく制御しなくてはならないことがわかる。ターゲットとしたエッチング量から少しでもずれてしまうと、ショートの発生率(Pshort(%))が急激に増加したり、磁気抵抗比(MR(%))が急激に低下したりするためである。言い変えると、トンネルバリア層904のエッチング量を制御して、MTJ素子90の磁気特性の劣化を避けつつ、ショートの発生を抑えて製造歩留まり向上させることは難しい。
そこで、本発明者らは、再付着物920及びエッチング残渣930による影響を低減するために、様々な対策を検討してきた。より具体的には、本発明者らは、上記特許文献1のように、MTJ素子90の形成後に酸化処理等を行って、再付着物920及びエッチング残渣930を絶縁化してショートを低減する対策について検討した。
しかしながら、本発明者らによれば、酸化処理を行うと、再付着物920及びエッチング残渣930が酸化されるだけでなく、MTJ素子90を構成する磁性層902、906やトンネルバリア層904に対しても酸化処理の影響が及ぶことが分かった。図18を参照して、上述の本発明者らの検討について説明する。図18は、本発明者らの検討によって得られた、MTJ素子90の形成後の酸化処理時間(TOx)に対する、MTJ素子90のショートの発生率(Pshort(%))及び素子抵抗比(R/R)を示したグラフである。詳細には、図18においては、横軸が酸化処理時間(TOx)を示し、左側の縦軸が素子抵抗比(R/R)を示し、右側の縦軸がショート発生率(Pshort(%))を示す。なお、素子抵抗比(R/R)は、酸化処理を行わない試料の素子抵抗に対する比として示される。また、ここで測定された試料に係るMTJ素子90の直径は60nmである。さらに、素子抵抗は、所定のパルス電流をMTJ素子90に対して印加することにより測定した。
図18に示されるように、MTJ素子90を単に酸化処理した場合には、ショートの発生率(Pshort(%))が低減するものの、ショートの発生率(Pshort(%))が十分に低減する前に、急激に素子抵抗が増加した。従って、本発明者らの検討により、MTJ素子90の磁気特性(素子抵抗)を変化させることなく、ショートの発生率(Pshort(%))を低減するような、酸化処理の条件を見出すことが難しいことがわかった。
次に、本発明者らは、再付着物920及びエッチング残渣930は、MTJ素子90の第2の磁性層906に由来することから、第2の磁性層906と同一の材料からなる磁性膜における酸化処理による特性変化について検討した。具体的には、本発明者らは、熱酸化膜が設けられたシリコン基板上に、FeCoBからなる磁性膜を1.5nmの膜厚で形成し、当該磁性膜に対してプラズマ酸化処理を行った。さらに、当該磁性膜の電気抵抗及び飽和磁化を測定した。なお、電気抵抗は4端子法により測定し、また、飽和磁化については、試料振動型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて測定した。
上述の測定結果を図19に示す。図19は、本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する磁性膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフである。詳細には、図19の横軸が酸化処理時間(TOx)を示し、左側の縦軸が抵抗比(R/R)を示し、右側の縦軸が飽和磁化比(M/Ms0)を示す。なお、抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)は、酸化処理を行わない試料の抵抗及び飽和磁化に対する比として示される。また、ここで測定された試料に係るMTJ素子90の直径は60nmである。
図19に示すように、抵抗比(R/R)は、酸化処理時間(TOx)の増加に対して徐々に上昇し、飽和磁化比(M/Ms0)も同様に徐々に減少した。このことから、本発明者らによれば、磁性膜の特性が変化しない程度まで十分に酸化して、磁性膜を絶縁化するためには、強い酸化を行わなければならないことがわかった。磁性膜を十分に絶縁化するような酸化を行わないと、当該磁性膜と同様の成分を持つ再付着物920及びエッチング残渣930は、導電性を維持し、ショートの原因となる。さらに、再付着物920及びエッチング残渣930は、MTJ素子90の第1及び第2の磁性層902、906、トンネルバリア層904に影響を与え、MTJ素子90の保持力特性や磁気抵抗比等の磁気特性の劣化の原因ともなることとなる。
しかしながら、再付着物920やエッチング残渣930を十分に酸化することができる条件で酸化処理した場合には、第2の磁性層906も同時に酸化されて、飽和磁化等の特性が変化してしまうこととなる。すなわち、本発明者らの検討によれば、MTJ素子90の特性に影響を与えずに、再付着物920やエッチング残渣930を酸化処理により絶縁化することが難しいことが分かった。
また、上述した特許文献2のように、MTJ素子90の側面を覆う2層構造の保護膜を形成した場合には、ショートの発生を避けつつ、MTJ素子90の磁気特性の変化を避けられる可能性もある。しかしながら、この場合、基板上でのMTJ素子90の専有面積が増加することになるため、単位面積当たりの記憶容量が小さくなる。さらには、2層構造の保護膜を形成することは、工程数が大幅に増加し、製造コストの上昇につながることとなる。従って、本発明者らは、上述した特許文献2のように、MTJ素子90の側面を覆う2層構造の保護膜を形成する方法については、問題点が多いと判断した。
そこで、本発明者らは、このような状況を踏まえて、MTJ素子90の特性に影響を与えることなく、ショート等の発生を避けて、高い製造歩留まりを維持することが可能なMTJ素子について鋭意検討を重ねた。当該検討を行う中で、本発明者らは、以下に説明するマグネシウムの酸化促進効果に着眼し、本開示の一実施形態を創作するに至った。以下に、本発明者らが着眼した現象について説明する。
<1.3.マグネシウムの酸化促進効果について>
本発明者らは、上述したような状況の中で、マグネシウム(Mg)の性質に着目した。マグネシウムは、酸化しやすい金属元素である。さらに、マグネシウムは、再付着物920やエッチング残渣930に含まれるFeやCo等の磁性遷移金属と複合酸化物を形成しやすい。このことは、Mg単体の酸化物であるMgOの生成ギブスエネルギーが−569kJ/mol、Fe単体の酸化物であるFeの生成ギブスエネルギーが−742kJ/molであるのに対して、FeとMgとの複合酸化物であるMgFeの生成ギブスエネルギーが−1317kJ/molであることからも明らかである。
そこで、本発明者らは、図19のグラフを得た検討を同様の検討を、FeCoBからなる磁性膜の代わりに金属マグネシウム膜で行った。当該検討によると、金属マグネシウム膜は大気中ですぐに酸化し、膜厚1.5nmでは伝導性のない絶縁膜になることがわかった。
次に、本発明者らは、FeCoBからなる磁性膜と金属マグネシウム膜とを積層して得た積層膜に酸化処理を行うことによる、積層体の特性変化について検討した。詳細には、上述と同様に、熱酸化膜が設けられたシリコン基板上に、FeCoBからなる磁性膜を1.5nmの膜厚で形成し、さらに、金属マグネシウム膜を1nmの膜厚で形成した。そして、当該積層膜に対してプラズマ酸化処理を行った。さらに、当該積層膜の電気抵抗及び飽和磁化を測定した。
上述の測定結果を図1に示す。図1は、本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフである。詳細には、図1の横軸が酸化処理時間(TOx)を示し、左側の縦軸が抵抗比(R/R)を示し、右側の縦軸が飽和磁化比(M/Ms0)を示す。なお、抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)は、酸化処理を行う前の上記積層膜の抵抗及び飽和磁化に対する比として示される。
また、上述の酸化処理の前に、200℃で、10分間加熱し、同様の酸化処理及び測定を行った場合の結果を図2に示す。図2は、本発明者らの検討によって得られた、酸化処理時間(TOx)に対する積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)を示したグラフである。なお、図2の横軸及び縦軸は、図1と同様である。
図1及び図2に示されるように、本発明者らによれば、金属マグネシウム膜を形成した場合には、図19と比べて、酸化処理時間(TOx)が短くても、積層膜の抵抗比(R/R)の増加及び飽和磁化比(M/Ms0)の低下が見られることが分かった。さらに酸化処理時間が長くしていくと、積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)の変化が少なくなることが分かった。これは、金属マグネシウム膜を積層することにより、磁性膜の酸化が促進されるため、酸化処理時間が短くても酸化が促進し、磁性膜が絶縁化されたことによるものであると考えられる。そして、磁性膜の表面に一度酸化膜が形成されると、形成された酸化膜により内部への酸素の進入が抑制されることから、磁性膜の内部が酸化されなくなり、積層膜の抵抗比(R/R)及び飽和磁化比(M/Ms0)の変化が少なくなったと考えられる。
また、図2に示されるように、本発明者らによれば、酸化処理前に200℃で積層膜を加熱した場合には、図1に比べて、積層膜の抵抗比(R/R)の増加及び飽和磁化比(M/Ms0)の低下が著しいことが分かった。これは、酸化処理前の加熱によって、MgとFeCoB膜からの磁性遷移金属とが拡散し混ざり合ったことにより、磁性膜であるFeCoBが酸化しやすくなったためであると考えられる。
次に、上述の現象を確認するために、上述の積層体と同様の積層体を作成し、当該積層体の断面を透過型電子顕微鏡で観察した。観察した積層体は、上述と同様の熱酸化膜が設けられたシリコン基板上に、タンタル(Ta)からなる膜を5nmmの膜厚で形成し、FeCoBからなる磁性膜を3.0nmの膜厚で形成し、金属マグネシウム膜を2nmの膜厚で形成し、さらに、自然酸化を行い、その上に、FeCoBからなる磁性膜を10nmの膜厚で形成して得た。図3の左側に積層体の断面の電子顕微鏡写真を示し、図3の右側に当該写真の断面に対応するFe、Mg、Taの元素の分布を示す。なお、図3の元素分布においては、図中上下方向が試料の膜厚方向であり、また、図中右に行くほど分布量が高くなる。
図3の左側の顕微鏡写真において白く見える部分がマグネシウムを主成分とした領域であるが、マグネシウムの分布には上下界面で傾向に差が見られる。詳細には、マグネシウムの分布は、マグネシウムを主成分とした領域の下側部分では、マグネシウムを主成分とした領域の上側部分に比べて分布がなだらかである。これは、マグネシウムを主成分とした領域の下側部分においては、FeCoBからなる磁性膜からの磁性遷移金属とマグネシウムとが拡散し、これらの複合酸化物が形成されているためであると考えられる。
すなわち、本発明者らの検討によれば、磁性膜上に金属マグネシウム膜を作成し、酸化処理することより、マグネシウムが拡散した磁性膜の界面において酸化が促進され、短時間で磁性膜が酸化することが分かった。さらに、一度酸化膜が形成されると、形成された酸化膜により酸素が内部に進入することが抑制されることから、磁性膜の内部まで酸化することが難しくなることがわかった。そこで、本発明者らは、このようなマグネシウムの酸化促進効果を利用することにより、MTJ素子90の特性に影響を与えることなく、ショート等の発生を避けて、高い製造歩留まりを維持することが可能な、本開示の一実施形態を着想した。
すなわち、以下に説明する本開示の一実施形態においては、MTJ素子を形成した後に、MTJ素子の側面に金属マグネシウム膜を形成し、酸化処理を行う。このようにすることで、酸化しやすいマグネシウムが、MTJ素子の側面や周囲に付着した再付着物920やエッチング残渣930に含まれる磁性遷移金属と混ざり合い、MTJ素子の側面に複合酸化膜を形成することができる。以下に実施形態においては、当該複合酸化膜を形成することにより、MTJ素子の側面や周囲に付着した再付着物920やエッチング残渣930を酸化して絶縁化し、MTJ素子におけるショートの発生を低減することができる。さらに、当該複合酸化膜は、MTJ素子の内部へ酸素が進入するのを防止する保護層として機能することができることから、酸化処理によるMTJ素子の磁気特性の変化を低減することもできる。以下に、このような本開示の一実施形態の詳細を説明する。
<<2.本開示の一実施形態>>
<2.1.MTJ素子の構造>
まずは、本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の構造の詳細について、図4を参照して説明する。図4は、本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の断面図である。図4は、MTJ素子10の積層構造の積層方向に沿ってMTJ素子10を切断した場合の断面に対応する。
図4に示すように、本実施形態に係るMTJ素子(強磁性トンネル接合素子)10は、第1の磁性層902と、トンネルバリア層(絶縁層)104とが順次積層された基板100を有する。さらに、当該MTJ素子10は、トンネルバリア層(第1の絶縁層)104上に設けられた磁性遷移金属を含む第2の磁性層106と、第2の磁性層106上に設けられた保護層108とを有する。また、当該MTJ素子10は、第2の磁性層106及び保護層108の側面を覆うように設けられた、上記磁性遷移金属を含む第1の酸化マグネシウム膜140を有する。
基板100は、例えばシリコン基板からなる。
第1の磁性層102は、Fe、Co、Ni、Mnからなる磁性遷移金属の元素群から選択される少なくとも1つの元素を含む磁性膜からなる。すなわち、第1の磁性層102は、常温で強磁性を示すFe、Co、Niのいずれか、もしくは、合金や金属間化合物を形成した場合に強磁性を示すMnを含む磁性膜からなる。また、上記磁性膜は、B及びカーCのうちから選択された少なくとも1種以上の元素を含んでもよい。さらに具体的には、第1の磁性層102は、FeCoB、FeNiB、FeCoC、CoPt、FePt、CoMnSi、MnAl等の単一材料で形成されてもよいし、これらを組み合わせた材料で形成されてもよい。また、第1の磁性層102の膜厚は、例えば1nm以上30nm以下である。
トンネルバリア層104は、AlやMgO等の絶縁材料で形成された層であり、例えば、0.3nm以上5nm以下の膜厚を有する。
第2の磁性層106も、第1の磁性層102と同様に、Fe、Co、Ni、Mnからなる磁性遷移金属の元素群から選択される少なくとも1つの元素を含む磁性膜からなる。また、上記磁性膜は、B及びCのうちから選択された少なくとも1種以上の元素を含んでもよい。さらに具体的には、第1の磁性層102は、FeCoB、FeNiB、FeCoC、CoPt、FePt、CoMnSi、MnAl等の単一材料で形成されてもよいし、これらを組み合わせた材料で形成されてもよい。また、第2の磁性層106の膜厚は、例えば1nm以上10nm以下である。
なお、第1の磁性層102と第2の磁性層106とは、形成されるMTJ素子10において互いに異なる機能を持つ磁性層となる。より具体的には、MTJ素子10が磁気ヘッドとして用いられる場合には、第1の磁性層102及び第2の磁性層106のうちの一方が、磁化方向が固定された固定磁化層となり、他方が、磁化が外部磁場で変化する自由磁化層となる。また、MTJ素子10が磁気メモリとしていられる場合には、第1の磁性層102及び第2の磁性層106のうちの一方が固定層となり、他方が記憶層となる。なお、本実施形態においては、MTJ素子10は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよく、例えば、第1の磁性層102と第2の磁性層106との位置を入れ替えてもよく、さらに他の層を含んでいてもよい。さらに、第1の磁性層102及び第2の磁性層106は、単層であってもよく、もしくは、複数の層が積層され、積層された層が磁気結合した積層構造であってもよい。
保護層108は、各種金属材料、合金材料、酸化物材料等から形成される。当該保護層108は、MTJ素子10の製造中において各積層を保護し、さらに、ハードマスクとして機能するようにしてもよい。保護層108の膜厚は、例えば、0.5nm以上50nm以下である。
第1の酸化マグネシウム膜140は、第1及び第2の磁性層102、106に含まれる上記磁性遷移金属の元素群(Fe、Co、Ni、Mn)のうちの少なくとも1つの元素とマグネシウムと酸素とを主成分とする複合酸化物からなる。また、第1の酸化マグネシウム膜140には、再付着物920及びエッチング残渣930等に含まれるBやC等の軽元素が含まれていてもよい。このような元素が第1の酸化マグネシウム膜140に含まれていても、MTJ素子10におけるショートを誘発することはない。
図4に示すように、第1の酸化マグネシウム膜140は、第2の磁性層106の周囲に位置するトンネルバリア層104の上面を覆うように設けられていてもよい。
さらに、本実施形態に係るMTJ素子10は、図4に示すように、トンネルバリア層104上に、第2の磁性層106を取り囲むように設けられた第2の酸化マグネシウム膜142をさらに有していてもよい。第2の酸化マグネシウム膜142は、マグネシウムと酸素とを主成分とする酸化物からなる。
また、図4においては、図示されていないが、第2の磁性層106と保護層108との間に、絶縁層が設けられていてもよい。さらに、第1の磁性層102の下には、第1の磁性層102の結晶配向制御や基板100に対する付着強度を向上させるための下地膜(図示省略)が設けられていてもよい。
そして、上述のMTJ素子10は、基板100上にマトリックス状に複数設けられていてもよく、さらに、MTJ素子10に接続される各種配線が設けられていてもよい。さらに、複数のMTJ素子10のうち、互いに隣り合うMTJ素子10の間には、絶縁膜(第2の絶縁層)が埋め込まれていてもよい。
なお、図4においては、トンネルバリア層904までエッチングして得た構造を持つMTJ素子10を示しているが、本実施形態においては、これに限定されるものではない。例えば、第1の磁性層902までエッチングして得た構造を持つ、柱状のMTJ素子10であってもよい。この場合、MTJ素子10の側面に、上述の第1の酸化マグネシウム膜が設けられていればよい。さらに、当該第1の酸化マグネシウム膜は、第1の磁性層102の周囲に位置する基板100の上面を覆うように設けられていてもよい。
<2.2.MTJ素子の製造方法>
次に、図4に示される本開示の実施形態に係るMTJ素子10の製造方法について、図5から図7を参照して説明する。図5から図7は、本開示の一実施形態に係るMTJ素子10の製造方法における各工程を説明する断面図であって、詳細には、図4に示される断面図に対応するものである。なお、以下に説明する例では、図4のトンネルバリア層104までエッチングして得た構造を持つMTJ素子10を製造する場合を例に説明する。
まずは、先に説明した図12と同様に、基板100上に、第1の磁性層102と、トンネルバリア層104と、第2の磁性層106と、保護層108とを順次積層する。次に、図13と同様に、MTJ素子10に対応するパターンを持つフォトマスクを保護層108上に形成する。さらに、図14と同様に、上記フォトマスクをマスクとして用いて、保護層108、第2の磁性層106及びトンネルバリア層104に対してエッチングを行い、柱状のMTJ素子10を形成する。当該エッチングは、先に説明したように、イオンビームエッチングを用いても良いし、リアクティブイオンエッチングを用いても良いし、それらを組み合わせても良い。
このようにして、図5に示されるような状態のMTJ素子10を得ることができる。図5に示されているように、これまでの加工により生じた再付着物920やエッチング残渣930がMTJ素子10の周囲に付着している。
図5に示されている状態のようなMTJ素子10の側面を覆うように、金属マグネシウム膜150を形成する。また、金属マグネシウム膜150は、MTJ素子10の第2の磁性層106の周囲に位置するトンネルバリア層104の上面の一部をも覆うように形成されてもよい。この際、金属マグネシウム膜150の膜厚は、0.5nm以上5nm以下とすることが好ましい。金属マグネシウム膜150の膜厚が0.5nm未満では、再付着物920及びエッチング残渣930の酸化を促進させる効果が限定的なものとなるためである。また、金属マグネシウム膜150の膜厚が5nmより厚い場合には、金属マグネシウム膜150の表面部のみが酸化され、その内部が十分に酸化しない場合があるためである。このような場合、酸化していない金属マグネシウム膜150によって、MTJ素子10におけるショートを発生させる可能性がある。
金属マグネシウム膜150の形成は、スパッタ法やイオンビーム法、蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で行うことができる。金属マグネシウム膜150は、均一な膜として形成されなくてもよいが、金属マグネシウム膜150からマグネシウムが拡散し、マグネシウムが再付着物920及びエンチング残渣930からの磁性遷移金属(Fe、Co、Ni、Mn)と混在するように、形成されることが好ましい。従って、マグネシウムが再付着物920及びエンチング残渣930の磁性遷移金属と混在する領域が、第1の酸化マグネシウム膜140及の形成領域となる。よって、マグネシウムの拡散を制御することにより、第1の酸化マグネシウム膜140の形成範囲や膜厚を制御することができる。
そこで、スパッタ法により金属マグネシウム膜150の形成を行う場合には、マグネシウムが所望の領域に回り込んで拡散するように、成膜時のガスの圧力や基板バイアスの条件を適宜選択することが好ましい。また、イオンビーム法により金属マグネシウム膜150の形成を行う場合には、マグネシウムが所望の領域(広さ及び深さ)に精度よく位置するように、マグネシウムの入射エネルギーや入射角度の条件を適宜選択することが好ましい。
また、金属マグネシウム膜150の形成中、形成後、もしくは、後述する酸化処理中において、マグネシウムを拡散させるための加熱処理を行ってもよい。当該加熱処理温度は、100℃以上300℃以下であることが好ましく、加熱処理温度が100℃未満ではマグネシウムの拡散が不十分になり、300℃より大きい場合にはマグネシウムがMTJ素子10の内部深くに拡散してしまうためある。
次に、図7に示すように、金属マグネシウム膜150に対して酸化処理を行う。当該酸化処理は、プラズマ酸化によるものであっても、自然酸化によるものであってもよい。また、金属マグネシウム膜150の形成後に大気中に出して空気に曝露することにより、金属マグネシウム膜150を酸化させてもよい。さらに、保護層108が酸化物材料からなる場合には、当該保護層108からの酸素を取り込むことにより、金属マグネシウム膜150が酸化するようにしてもよい。当該酸化処理により、金属マグネシウム膜150が酸化されるだけでなく、マグネシウムの酸化促進効果により、再付着物920及びエッチング残渣930もともに酸化することとなる。
このようにすることで、本実施形態に係る製造方法によれば、図4に示すようなMTJ素子10を得ることができる。すなわち、第2の磁性層106及び保護層108の側面を覆うように設けられた第1の酸化マグネシウム膜140を有するMTJ素子10を得ることができる。第1の酸化マグネシウム膜140は、再付着物920及びエッチング残渣930がマグネシウムとともに酸化することにより得られた膜であることから、再付着物920及びエッチング残渣930等に含まれるFe、Co、Ni、Mn等の磁性遷移金属と、マグネシウムとを含む。さらに、第1の酸化マグネシウム膜140には、再付着物920及びエッチング残渣930等に含まれるBやC等の軽元素が含まれていてもよく、このような元素が第1の酸化マグネシウム膜140に含まれていても、MTJ素子10におけるショートを誘発することはない。このように、第1の酸化マグネシウム膜140が形成されることで、再付着物920及びエッチング残渣930が酸化して絶縁化されるため、MTJ素子10におけるショートを防ぐことができる。また、上記酸化処理において、一度、第1の酸化マグネシウム膜140が形成されてしまうと、形成された第1の酸化マグネシウム膜140が保護膜として機能し、内部のMTJ素子10の第1及び第2の磁性層102、106、トンネルバリア層104等が上記酸化処理により酸化することを防ぐことができる。従って、MTJ素子10の第1及び第2の磁性層102、106等が酸化しにくくなることから、上記酸化処置によってMTJ素子10の磁気特性が変化することを避けることができる。
また、この後に、基板100上に設けられた複数のMTJ素子10のうち、互いに隣り合うMTJ素子10の間には酸化物材料からなる絶縁膜(第2の絶縁層)(図示省略)が埋め込まれていてもよい。この際、第1の酸化マグネシウム膜140をエッチングした後に、上記絶縁膜を形成してもよいが、第1の酸化マグネシウム膜140をそのまま、もしくは、一部を残した状態で、上記絶縁膜を形成することが好ましい。第1の酸化マグネシウム膜140が保護膜として機能し、内部のMTJ素子10の第2の磁性層106等が酸化することを防ぐことができることから、上記絶縁膜の形成の際の酸化処理によってMTJ素子10の磁気特性が変化することを避けることができるためである。
<<3.まとめ>>
以上のように、本実施形態においては、MTJ素子10を形成した後に、MTJ素子10の側面に金属マグネシウム膜150を形成し、酸化処理を行う。このようにすることで、マグネシウムが金属マグネシウム膜150から拡散しつつ、MTJ素子10の側面等に存在する再付着物920及びエッチング残渣930等に含まれる磁性遷移金属(Fe、Co、Ni、Mn)と混在し酸化する。その結果、MTJ素子10の側面を覆うように、マグネシウムと磁性遷移金属との複合酸化膜である第1の酸化マグネシウム膜140が形成される。本実施形態によれば、このような第1の酸化マグネシウム膜140を形成することにより、MTJ素子10の側面等に付着した再付着物920及びエッチング残渣930を絶縁化することから、MTJ素子10におけるショートの発生を低減することができる。その結果、本実施形態によれば、高い製造歩留まりを維持することが可能となる。さらに、当該第1の酸化マグネシウム膜140は、MTJ素子10を構成する第1及び第2の磁性層104、106、トンネルバリア層104等の内部へ酸素が進入するのを防止する保護層として機能することができることから、本実施形態によれば、酸化処理によるMTJ素子10の特性の変化を低減することもできる。
さらに、本実施形態においては、金属マグネシウム膜150を形成し、酸化処理を行うことにより、第1の酸化マグネシウム膜140を形成していることから、MTJ素子10の製造において大幅に工程数を増加させることはない。従って、本実施形態によれば、製造コストの大幅な増加を抑えることができる。さらに、第1の酸化マグネシウム膜140は、上述した特許文献2のような2層構造の保護膜ではないことから、基板上でのMTJ素子10の専有面積の増加を抑え、単位面積当たりの記憶容量が低下することを避けることができる。
なお、本開示の実施形態に係るMTJ素子10の磁性層は、垂直磁化膜であってもよく、面内磁化膜であってもよい。
また、本実施形態に係るMTJ素子10を有する記憶装置(MRAM)は、演算装置等を成す半導体回路とともに同一の半導体チップに搭載されて半導体装置(System−on−a−Chip:SoC)をなしてもよい。また、本実施形態に係る記憶装置は、記憶装置が搭載され得る各種の電気機器に実装されてよい。例えば、記憶装置は、各種のモバイル機器(スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)等)、ノートPC、ウェアラブルデバイス、ゲーム機器、音楽機器、ビデオ機器、又はデジタルカメラ等の、各種の電子機器に、一時記憶のためのメモリとして、あるいはストレージとして搭載されてよい。
さらに、本開示の一実施形態に係るMTJ素子10は、記憶装置(MRAM)を構成する磁気記憶素子であるとして説明したが、上記MTJ素子10は、このような記憶装置に適用することに限定されるものでではない。例えば、上記MTJ素子10は、磁気ヘッド及びこの磁気ヘッドを搭載したハードディスクドライブ、磁気センサ機器に適用することも可能である。
<<4.実施例>>
以上、本開示の一実施形態の詳細について説明した。次に、具体的な実施例を示しながら、本開示の一実施形態の例についてより具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本開示の一実施形態のあくまでも一例であって、本開示の一実施形態が下記の例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、図8を参照して、実施例1について説明する。図8は、実施例1に係るMTJ素子10の一工程における断面図である。実施例1に係るMTJ素子は、図4で示したMTJ素子10に対応する。
図8に示すように、まず、基板200上に、下地層202をTa(膜厚5nm)及びルテニウム(Ru)(膜厚2nm)の積層膜で形成した。次に、磁化固定層204をCoPt(膜厚2nm)で形成し、磁化結合層206をRu(膜厚0.5nm)で形成し、磁化結合層208をタングステン(W)(膜厚0.2nm)で形成し、磁化参照層210をFeCoB(膜厚1nm)で形成し、トンネルバリア層212をMgO(膜厚0.7nm)で形成した。
さらに、図8に示すように、記憶層214をFeCoB(膜厚1.0nm)、Ta(膜厚0.2nm)及びFeCoB(膜厚1.0nm)の積層膜で形成し、スピンバリア層216をMgO(膜厚0.6nm)で形成した。そして、保護層218をRu(膜厚2nm)及びTa(膜厚5nm)の積層膜で形成した。
なお、図8の磁化固定層204、磁化結合層206、208、及び磁化参照層210が、上述した図4の第1の磁性層102に対応し、図8の記憶層214が図4の第2の磁性層106に対応する。
次に、これらの積層構造に対して、400℃、1時間の加熱処理を行った。さらに、当該積層構造を直径50nmの円柱形状にイオンミリングで加工を行うことにより、MTJ素子の形状になるよう加工を行った。なお、イオンミリングはトンネルバリア層212までのエッチングとした。
そして、MTJ素子加工後に、金属マグネシウム膜(膜厚1nm)をスパッタリング法によって形成し、さらに、200℃、10分で加熱処理後、大気中で自然酸化した。さらに、図8で図示しない保護膜(SiO)や電極を形成した。このようにして、実施例1に係るMTJ素子を形成した。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例2では、MTJ素子加工の際、記憶層214までエッチングすることと、金属マグネシウム膜を、膜厚0.5nm、1nm、3nm、5nm、10nmとしたこと以外は、実施例1と同様である。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例3では、MTJ素子加工の際、記憶層214までエッチングすることと、金属マグネシウム膜を、膜厚2.0nmとしたこと、さらに、金属マグネシウム膜を形成した後の加熱処理温度を0℃(加熱なし)、100℃、200℃、300℃、400℃としたこと以外は、実施例1と同様である。
(比較例1)
続いて、比較例1について説明する。比較例1では、実施例1と同様に、図8に示す積層構造を形成し、400℃、1時間の加熱処理を行い、当該積層構造を直径50nmの円柱形状にイオンミリングで加工を行うことにより、MTJ素子の形状の加工を行った。なお、イオンミリングはトンネルバリア層212までのエッチングとした。さらに、保護膜(SiO)や電極を形成した。このようにして、比較例1に係るMTJ素子を形成した。
(比較例2)
次に、比較例2について説明する。比較例2でも、実施例1と同様に、MTJ素子加工を行った。次に、MTJ素子加工後に、プラズマ酸化を行い、その後、保護膜(SiO)や電極を形成した。このようにして、比較例2に係るMTJ素子を形成した。
(比較例3)
次に、比較例3について説明する。比較例3でも、実施例1と同様に、MTJ素子加工を行った。次に、MTJ素子加工後に、実施例1と同様に、金属マグネシウム膜220(膜厚1nm)をスパッタリング法によって形成し、さらに、200℃、10分で加熱処理後、大気中で自然酸化した。さらに、自然酸化で形成された酸化物をイオンミリングで酸化物を除去した後に、保護膜(SiO)や電極を形成した。このようにして、比較例3に係るMTJ素子を形成した。
(比較例4)
次に、比較例4について説明する。比較例4は、MTJ素子加工の際、記憶層214までエッチングすること以外は、比較例1と同様である。
そして、比較例1、比較例2、実施例1のそれぞれに係るMTJ素子のショート発生率、磁気抵抗比(MR)、保磁力(Hc)、反転電圧(Vc)を測定した。測定に行って得た結果を以下の表1に示す。なお、保磁力(Hc)及び反転電圧(Vc)については、VSMを用いて測定を行った。
表1からわかるように、酸化処理を行わない比較例1に係るMTJ素子ではショート発生率が高く、これは、再付着物920及びエッチング残渣930が絶縁化されることなく残存していることに起因するものと考えられる。また、比較例1では、磁気抵抗比(MR)及び保磁力(Hc)は、ともに低い値となった。また、酸化処理を行っている比較例2に係るMTJ素子では、ショート発生率が低いことから、再付着物920及びエッチング残渣930が絶縁化されているものと考えられる。しかしながら、比較例2では、磁気抵抗比(MR)及び保磁力(Hc)がともに増加しているが、反転電圧(Vc)が大幅に増加した。これは、酸化処理により、比較例に係るMTJ素子の磁性層等に酸素が進入したことによるものと考えられる。これに対して、実施例1に係るMTJ素子では、反転電圧(Vc)の増加がなく、さらに、ショート発生率、磁気抵抗比(MR)及び保磁力(Hc)が改善されていることがわかった。すなわち、本実施形態の第1の酸化マグネシウム膜を形成した実施例1に係るMTJ素子においては、酸化処理によりショートの発生率を低くしつつ、酸化処理によるMTJ素子の磁気特性の劣化を抑える効果が得られていることが分かった。
次に、比較例1、比較例3、実施例1に係るMTJ素子に対して、300℃から400℃で1時間加熱した場合の反転電圧(Vc)の変化を、図9を参照して説明する。図9は、比較例1、比較例3、実施例1に係るMTJ素子に対して300℃から400℃で1時間加熱した場合の加熱処理温度(Ta)に対する反転電圧(Vc)の変化を示したグラフである。詳細には、図9の横軸が加熱処理温度(Ta)を示し、縦軸が反転電圧(Vc)を示す。
図9に示すように、比較例1及び比較例3に係るMTJ素子の反転電圧(Vc)については、加熱処理温度(Ta)が上昇するとそれに伴って大幅に増加した。一方、実施例1に係るMTJ素子は、加熱処理温度(Ta)が上昇しても反転電圧(Vc)がほとんど一定に推移しており、増加がない。これは、実施例1に係るMTJ素子は、保護膜としての第1の酸化マグネシウム膜を持つために、加熱処理を行ってもMTJ素子の磁性層等に酸素が進入することがなく、磁性層等の特性が変化しなかったことによるものと考えられる。一方、比較例1に係るMTJ素子では、もともと酸化マグネシウム膜を形成していないため、また、比較例3に係るMTJ素子では、一度形成した酸化マグネシウム膜を除去してしまっているため、保護膜として機能する膜を持たない。従って、比較例1及び3では、保護膜を持たないことから、加熱処理を行うとMTJ素子の磁性層等に酸素が進入し、磁性層等の特性が変化してしまったことにより、上述のような結果が得られたと考えられる。
すなわち、MTJ素子の磁性層やトンネルバリア層への酸素等の進入が反転電圧(Vc)の増加の原因であることから、本実施形態に係る第1の酸化マグネシウム膜を残すことにより、MTJ素子を構成する磁性層やトンネルバリア層への酸素等の進入を妨げ、反転電圧(Vc)の増加を避けることができる。従って、本実施形態に係るMTJ素子においては、金属マグネシウム膜の酸化によって得られた第1の酸化マグネシウム膜は、除去することなく、保護膜として残すことが好ましい。
次に、MTJ素子加工の際、記憶層214までエッチングした場合の実施例2に係るMTJ素子、及び比較例4に係るMTJ素子について評価を行った。上述したように得られた実施例2に係るMTJ素子及び比較例4に係るMTJ素子に対して、それぞれを400℃、1時間加熱処理を行い、反転電圧を測定した。そして、反転電圧が0.5V以下であったMTJ素子を良品とした場合の歩留まりの結果を図10に示す。図10は、比較例4及び実施例2に係るMTJ素子における、金属マグネシウム膜の膜厚(tMg)に対する歩留まりの変化を示したグラフである。詳細には、図10の横軸が金属マグネシウム膜の膜厚(tMg)を示し、縦軸が歩留まりを示す。
図10においては、金属マグネシウム膜の膜厚(tMg)が0nmである場合が比較例4に係るMTJ素子の結果であり、金属マグネシウムの膜厚(tMg)が0.5nm〜10nmである場合が実施例2に係るMTJ素子の結果に対応する。図10に示されているように、金属マグネシウム膜を形成した場合の実施例2に係るMTJ素子は、金属マグネシウム膜を形成していない比較例4に係るMTJ素子に比べて、歩留まりが高い。さらに、金属マグネシウム膜の膜厚(tMg)が0.5nm以上5nm以下である場合には、特に歩留まりが良好であった。従って、金属マグネシウム膜は、0.5nm以上5nm以下の膜厚になるように形成することが好適であることが分かった。
次に、金属マグネシウム膜の形成後の加熱処理における加熱温度の影響を調べた。図11にその結果を示す。図11は、実施例3に係るMTJ素子における、加熱処理温度(Ta)に対するMTJ素子の特性に変化を示したグラフである。詳細には、図11の横軸が加熱処理温度(Ta)を示し、右側の縦軸が保磁力(Hc)を示し、左側の縦軸が反転電圧(Vc)を示す。
図11に示すように、実施例3に係るMTJ素子に対して加熱処理を行った場合には、加熱処理温度(Ta)が増加しても、300℃までは反転電圧(Vc)は変化が少なく、また、保磁力(Hc)が増加した。さらに、加熱処理温度(Ta)が300℃を超えると、反転電圧(Vc)が急激に増加し、一方、保磁力(Hc)は急激に減少した。従って、金属マグネシウム膜の形成後に加熱処理を行う場合には、反転電圧(Vc)の増加及び保磁力(Hc)の減少を避けるべく、加熱処理温度(Ta)を300℃以下とすることが好ましいことがわかった。
<<5.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1の磁性層と、
前記第1の磁性層の上に設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に設けられた、磁性遷移金属を含む第2の磁性層と、
前記第2の磁性層の側面を覆うように設けられた、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜と、
を備える、
強磁性トンネル接合素子。
(2)
前記酸化マグネシウム膜は、前記磁性遷移金属とマグネシウムと酸素とを主成分とする複合酸化物からなる、
上記(1)に記載の強磁性トンネル接合素子。
(3)
前記酸化マグネシウム膜は、前記第2の磁性層の周囲に位置する前記第1の絶縁層の上面を覆う、上記(1)又は(2)に記載の強磁性トンネル接合素子。
(4)
前記磁性遷移金属は、Fe、Co、Ni、Mnからなる元素群から選択される少なくとも1つの元素である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子。
(5)
複数の前記強磁性トンネル接合素子を備え、
互いに隣り合う前記強磁性トンネル接合素子の間には、第2の絶縁層が埋め込まれている、
上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子。
(6)
基板上に、第1の磁性層と、第1の絶縁層と、磁性遷移金属を含む第2の磁性層とを順次積層し、
前記第2の磁性層をエッチングして、複数の柱状の強磁性トンネル接合素子を形成し、
前記第2の磁性層の側面に金属マグネシウム膜を形成し、
前記金属マグネシウム膜を酸化する酸化処理により、前記第2の磁性層の側面を覆う、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜を形成する、
ことを含む、強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(7)
前記酸化マグネシウム膜は、前記磁性遷移金属とマグネシウムと酸素とを主成分とする複合酸化物からなる、上記(6)に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(8)
前記磁性遷移金属は、Fe、Co、Ni、Mnからなる元素群から選択される少なくとも1つの元素である、上記(6)又は(7)に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(9)
前記金属マグネシウム膜は、前記第2の磁性層の周囲に位置する前記第1の絶縁層の上面を覆うように形成される、上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(10)
前記金属マグネシウム膜は、0.5nm以上5nm以下の膜厚を持つように形成される、上記(6)〜(9)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(11)
前記金属マグネシウム膜の形成はイオンビーム法によって行われる、上記(6)〜(10)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(12)
前記金属マグネシウム膜の形成はスパッタ法によって行われる、上記(6)〜(10)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(13)
100℃以上300℃以下の温度での加熱処理を行うことをさらに含む、上記(6)〜(12)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
(14)
前記酸化処理の後に、互いに隣り合う前記強磁性トンネル接合素子の間に、第2の絶縁層を埋め込むことをさらに含む、上記(6)〜(13)のいずれか1つに記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法
10、90 MTJ素子
100、200、900 基板
102、902 第1の磁性層
104、212、904 トンネルバリア層
106、906 第2の磁性層
108、218、908 保護層
140 第1の酸化マグネシウム膜
142 第2の酸化マグネシウム膜
150 金属マグネシウム膜
204 磁化固定層
206、208 磁化結合層
210 磁化参照層
214 記憶層
216 スピンバリア層
910 フォトマスク
920 再付着物
930 エッチング残渣

Claims (14)

  1. 第1の磁性層と、
    前記第1の磁性層の上に設けられた第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に設けられた、磁性遷移金属を含む第2の磁性層と、
    前記第2の磁性層の側面を覆うように設けられた、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜と、
    を備える、
    強磁性トンネル接合素子。
  2. 前記酸化マグネシウム膜は、前記磁性遷移金属とマグネシウムと酸素とを主成分とする複合酸化物からなる、
    請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子。
  3. 前記酸化マグネシウム膜は、前記第2の磁性層の周囲に位置する前記第1の絶縁層の上面を覆う、請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子。
  4. 前記磁性遷移金属は、Fe、Co、Ni、Mnからなる元素群から選択される少なくとも1つの元素である、請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子。
  5. 複数の前記強磁性トンネル接合素子を備え、
    互いに隣り合う前記強磁性トンネル接合素子の間には、第2の絶縁層が埋め込まれている、
    請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子。
  6. 基板上に、第1の磁性層と、第1の絶縁層と、磁性遷移金属を含む第2の磁性層とを順次積層し、
    前記第2の磁性層をエッチングして、複数の柱状の強磁性トンネル接合素子を形成し、
    前記第2の磁性層の側面に金属マグネシウム膜を形成し、
    前記金属マグネシウム膜を酸化する酸化処理により、前記第2の磁性層の側面を覆う、前記磁性遷移金属を含む酸化マグネシウム膜を形成する、
    ことを含む、強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  7. 前記酸化マグネシウム膜は、前記磁性遷移金属とマグネシウムと酸素とを主成分とする複合酸化物からなる、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  8. 前記磁性遷移金属は、Fe、Co、Ni、Mnからなる元素群から選択される少なくとも1つの元素である、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  9. 前記金属マグネシウム膜は、前記第2の磁性層の周囲に位置する前記第1の絶縁層の上面を覆うように形成される、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  10. 前記金属マグネシウム膜は、0.5nm以上5nm以下の膜厚を持つように形成される、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  11. 前記金属マグネシウム膜の形成はイオンビーム法によって行われる、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  12. 前記金属マグネシウム膜の形成はスパッタ法によって行われる、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  13. 100℃以上300℃以下の温度での加熱処理を行うことをさらに含む、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
  14. 前記酸化処理の後に、互いに隣り合う前記強磁性トンネル接合素子の間に、第2の絶縁層を埋め込むことをさらに含む、請求項6に記載の強磁性トンネル接合素子の製造方法。
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