以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.医療用立体観察装置の概略構成
2.医療用立体観察装置についての検討
3.機能構成
4.処理
5.変形例
5.1.変形例1:同期信号切替え部の変形例
5.2.変形例2:制御信号の切替え
5.3.変形例3:各撮像部からの情報の取得経路の切替え
6.適用例
6.1.第1の適用例:硬性内視鏡装置
6.2.第2の適用例:軟性内視鏡装置
7.ハードウェア構成
8.むすび
<<1.医療用立体観察装置の概略構成>>
まず、本開示をより明確なものとするために、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察装置の概略的な構成の一例について説明する。
例えば、図1は、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察装置の概略的な構成の一例について説明するための説明図である。図1には、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察装置が用いられる場合の一適用例において、当該医療用立体観察装置として、アームを備えた手術用ビデオ顕微鏡装置が用いられる場合の一例について示されている。
例えば、図1は、本実施形態に係る手術用ビデオ顕微鏡装置を用いた施術の様子を模式的に表している。具体的には、図1を参照すると、施術者(ユーザ)520である医師が、例えばメス、鑷子、鉗子等の手術用の器具521を使用して、施術台530上の施術対象(患者)540に対して手術を行っている様子が図示されている。なお、以下の説明においては、施術とは、手術や検査等、ユーザ520である医師が施術対象540である患者に対して行う各種の医療的な処置の総称であるものとする。また、図1に示す例では、施術の一例として手術の様子を図示しているが、手術用ビデオ顕微鏡装置510が用いられる施術は手術に限定されず、他の各種の施術、例えば内視鏡を用いた検査等であってもよい。
施術台530の脇には本実施形態に係る手術用ビデオ顕微鏡装置510が設けられる。手術用ビデオ顕微鏡装置510は、基台であるベース部511と、ベース部511から延伸するアーム部512と、アーム部512の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット515とを備える。アーム部512は、複数の関節部513a、513b、513cと、関節部513a、513bによって連結される複数のリンク514a、514bと、アーム部512の先端に設けられる撮像ユニット515を有する。図1に示す例では、簡単のため、アーム部512は3つの関節部513a〜513c及び2つのリンク514a、514bを有しているが、実際には、アーム部512及び撮像ユニット515の位置及び姿勢の自由度を考慮して、所望の自由度を実現するように関節部513a〜513c及びリンク514a、514bの数や形状、関節部513a〜513cの駆動軸の方向等が適宜設定されてもよい。
関節部513a〜513cは、リンク514a、514bを互いに回動可能に連結する機能を有し、関節部513a〜513cの回転が駆動されることにより、アーム部512の駆動が制御される。ここで、以下の説明においては、手術用ビデオ顕微鏡装置510の各構成部材の位置とは、駆動制御のために規定している空間における位置(座標)を意味し、各構成部材の姿勢とは、駆動制御のために規定している空間における任意の軸に対する向き(角度)を意味する。また、以下の説明では、アーム部512の駆動(又は駆動制御)とは、関節部513a〜513cの駆動(又は駆動制御)、及び、関節部513a〜513cの駆動(又は駆動制御)を行うことによりアーム部512の各構成部材の位置及び姿勢が変化される(変化が制御される)ことをいう。
アーム部512の先端には、先端ユニットとして撮像ユニット515が接続されている。撮像ユニット515は、撮像対象の画像を取得するユニットであり、例えば動画や静止画を撮像できるカメラ等である。図1に示すように、アーム部512の先端に設けられた撮像ユニット515が施術対象540の施術部位の様子を撮像するように、手術用ビデオ顕微鏡装置510によってアーム部512及び撮像ユニット515の姿勢や位置が制御される。なお、アーム部512の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット515の構成は特に限定されず、例えば、撮像ユニット515は、内視鏡や顕微鏡として構成されていてもよい。また、撮像ユニット515は、当該アーム部512に対して着脱可能に構成されていてもよい。このような構成により、例えば、利用用途に応じた撮像ユニット515が、アーム部512の先端に先端ユニットとして適宜接続されてもよい。なお、本説明では、先端ユニットとして撮像ユニット515が適用されている場合に着目して説明するが、アーム部512の先端に接続される先端ユニットは、必ずしも撮像ユニット515に限定されないことは言うまでもない。
また、ユーザ520と対向する位置には、モニタやディスプレイ等の表示装置550が設置される。撮像ユニット515によって撮像された施術部位の画像は、表示装置550の表示画面に電子画像として表示される。ユーザ520は、表示装置550の表示画面に表示される施術部位の電子画像を見ながら各種の処置を行う。
このように、本実施形態においては、医療分野において、手術用ビデオ顕微鏡装置510によって施術部位の撮像を行いながら手術を行うことが提案される。
特に、本開示の一実施形態に係る手術用ビデオ顕微鏡装置510(即ち、医療用立体観察装置)は、撮像対象を3次元画像(3D画像)として表示するための画像データを取得可能に構成されている。
具体的な一例として、手術用ビデオ顕微鏡装置510は、撮像ユニット515として、2系統の撮像部(例えば、カメラユニット)を有するステレオカメラを設けることで、各撮像部を介して、異なる複数の視点からの画像(即ち、視点画像)を取得する。
撮像ユニット515により取得された複数の視点画像のそれぞれは、例えば、手術用ビデオ顕微鏡装置510に内蔵または外付けされた画像処理装置により、各種画像処理が施されたうえで、表示装置550上に左眼用画像及び右眼用画像として表示される。なお、本説明において、右眼用画像は、ユーザに3D画像を観測させるために、当該ユーザの右眼に相当する視点に観測させるための視差が設定された所謂視差画像を示している。同様に、左眼用画像は、ユーザに3D画像を観測させるために、当該ユーザの左眼に相当する視点に観測させるための視差が設定された視差画像を示している。
なお、表示装置550上に左眼用画像及び右眼用画像として表示された画像を、ユーザ520に3D画像として観測させるための仕組みとしては多様な方式が提案されている。具体的な一例として、専用の眼鏡を用いることで、左右の眼に互いに異なる画像(即ち、左眼用画像及び右眼用画像)を観測させる方式が挙げられる。また、近年では、専用の眼鏡を用いずに3次元画像を観測させることが可能な裸眼3D映像技術も提案されている。
また、上記に説明したような医療用の観察装置が使用される状況としては、患部の画像を含め、各種情報の確認を要する場合もあり、このような状況下では、複数の表示部それぞれに画像を表示させたり、表示部中に複数の画像を表示させる等の使用形態が想定され得る。具体的な一例として、一部の表示部には、患部の全体像を表示させ、他の表示部には、患部の拡大画像を表示させる場合が想定される。また、他の一例として、一部の表示部に、患部の画像を表示させ、他の表示部には、CT(Computed Tomography)画像や、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像等のような、他の撮像装置により撮像された画像を表示させる場合も想定され得る。そのため、表示装置550が複数設けられている場合もある。
以上、図1を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置が用いられる場合の一適用例として、当該医療用立体観察装置として、アームを備えた手術用ビデオ顕微鏡装置が用いられる場合の一例について説明した。
<<2.医療用立体観察装置についての検討>>
次に、本実施形態に係る医療用立体観察装置の特徴をよりわかりやすくするために、図2を参照して、一般的な医療用立体観察装置の機能構成の一例について説明したうえで、本実施形態に係る医療用立体観察装置の課題について整理する。例えば、図2は、医療用立体観察装置の機能構成の一例を示したブロック図である。
図2に示すように、医療用立体観察装置9は、例えば、撮像ユニット90と、画像処理装置20とを含む。また、図2では図示していないが、医療用立体観察装置9は、表示装置(例えば、図1に示した表示装置550)を備えてもよい。
撮像ユニット90は、例えば、図1を参照して説明した手術用ビデオ顕微鏡装置510の撮像ユニット515に相当し、例えば、顕微鏡として構成されていてもよく、アーム等の支持部により支持されていてもよい。また、画像処理装置20は、撮像ユニット90により撮像された画像に対して各種画像処理を施すための構成である。画像処理装置20は、例えば、図1を参照して説明した手術用ビデオ顕微鏡装置510のベース部511に内蔵されていてもよいし、当該手術用ビデオ顕微鏡装置510に対して外付けされていてもよい。撮像ユニット90と画像処理装置20とは、例えば、伝送ケーブルを介して接続され、当該伝送ケーブル内の各種配線(例えば、メタル線や光ファイバ)を伝送路として、制御信号やイメージャ出力等の各種情報を互いに送受信する。
なお、撮像ユニット90と画像処理装置20との間を接続する伝送ケーブルの少なくとも一部は、湾曲可能に構成され、アーム等の支持部により支持されてもよい。このような構成により、例えば、アームを可動させることで、撮像ユニット90の位置や向きが逐次調整されるような状況下においても、当該撮像ユニット90と画像処理装置20との間の接続関係(換言すると、情報の送受信)を維持することが可能となる。
ここで、撮像ユニット90及び画像処理装置20のより詳細な構成に着目する。例えば、撮像ユニット90は、第1撮像部91aと、第2撮像部91bとを含む。第1撮像部901a及び第2撮像部901bは、撮像素子と、撮像対象の像を当該撮像素子上に結像するための光学系とを含む。撮像素子としては、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等が挙げられる。また、光学系は、フォーカスレンズやズームレンズ等の各種レンズを含んで構成されている。なお、光学系に含まれるレンズは、光軸上を移動可能に構成されていてもよい。例えば、フォーカスレンズの光軸上での位置が制御されることにより、当該光学系の焦点の位置が制御される。また、ズームレンズの光軸上での位置が制御されることにより、当該光学系のズームの拡大率(換言すると、ズームポジション)が制御される。
上記のような構成のもとで、第1撮像部91aと第2撮像部91bとは、撮像対象を互いに異なる視点から撮像し、撮像された視点画像のそれぞれを、伝送ケーブルを介して画像処理装置20に出力する。このとき、第1撮像部91a及び第2撮像部91bのそれぞれは、画像処理装置20から伝送ケーブルを介して供給される同期信号に基づき、当該画像処理装置20と同期して動作する。具体的には、撮像素子を構成する各画素は、露光量に応じた信号電荷を生成し、生成した信号電荷を画素信号として一時的に保持する。なお、一時的に保持された画素信号は、画像処理装置20から供給される同期信号(例えば、垂直同期信号や水平同期信号)により定められたタイミングに同期して読み出され、イメージャ出力として、伝送ケーブルを介して当該画像処理装置20に出力される。
例えば、図2に示す例の場合には、第1撮像部91aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11aを介して画像処理装置20から供給される同期信号(以降では、「第1同期信号」とも称する)により定められたタイミングに同期して動作する。そして、第1撮像部91aは、撮像素子による被写体の撮像結果(即ち、各画素により生成された画素信号)を、イメージャ出力として伝送ケーブル内に設けられた伝送路L13aを介して画像処理装置20に出力する。同様に、第2撮像部91bは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11bを介して画像処理装置20から供給される同期信号(以降では、「第2同期信号」とも称する)により定められたタイミングに同期して動作する。そして、第2撮像部91bは、撮像素子による被写体の撮像結果を、イメージャ出力として伝送ケーブル内に設けられた伝送路L13bを介して画像処理装置20に出力する。
次いで、画像処理装置20の構成に着目する。画像処理装置20は、第1信号処理部21aと、第2信号処理部21bと、同期信号生成部23と、合成処理部25とを含む。
第1信号処理部21aは、後述する同期信号生成部23から第1同期信号の供給を受けて、当該第1同期信号に同期して各種処理を実行する。具体的には、第1信号処理部21aは、第1撮像部91aに対して伝送路L11aを介して第1同期信号を出力し、当該第1同期信号に基づくタイミングで、当該第1撮像部91aから伝送路L13aを介してイメージャ出力を受ける。そして、第1信号処理部21aは、第1撮像部91aからのイメージャ出力に基づき、当該第1撮像部91aに対応する視点の画像(即ち、視点画像)を生成し、生成した視点画像(以降では、「第1視点画像」とも称する)を合成処理部25に出力する。
同様に、第2信号処理部21bは、同期信号生成部23から第2同期信号の供給を受けて、当該第2同期信号に同期して各種処理を実行する。具体的には、第2信号処理部21bは、第2撮像部91bに対して伝送路L11bを介して第2同期信号を出力し、当該第2同期信号に基づくタイミングで、当該第2撮像部91bから伝送路L13bを介してイメージャ出力を受ける。そして、第2信号処理部21bは、第2撮像部91bからのイメージャ出力に基づき、当該第2撮像部91bに対応する視点の画像を生成し、生成した視点画像(以降では、「第2視点画像」とも称する)を合成処理部25に出力する。
なお、第1信号処理部21a及び第2信号処理部21bのそれぞれは、生成した視点画像に対して各種画像処理を施し、画像処理後の視点画像を合成処理部25に出力してもよい。なお、各視点画像に対して施される画像処理としては、例えば、所定の対象を強調する処理や、明るさやコントラストの補正に係る処理等が挙げられる。
同期信号生成部23は、例えば、所望の周波数で発振する発信回路等を含んで成り、同期信号(即ち、前述した第1同期信号及び第2同期信号)を生成し、生成した同期信号を第1信号処理部21a及び第2信号処理部21bに供給する。このように同期信号生成部23から、第1信号処理部21a及び第2信号処理部21bの双方に同期信号を供給することで、第1信号処理部21a及び補備第2信号処理部21b間(ひいては、第1撮像部91a及び第2撮像部91b間)で各処理を同期させることが可能となる。
合成処理部25は、第1撮像部91a及び第2撮像部91bそれぞれによる撮像結果に基づき生成された視点画像を、第1信号処理部21a及び第2信号処理部21bから取得する。そして、合成処理部25は、取得した各視点画像に基づき、ユーザに3D画像を観察させるための視差が設定された視差画像を生成する。
ここで、合成処理部25のより詳細な処理の一例として、裸眼3D映像技術に基づきユーザに3D画像を観察させる場合の処理について説明する。この場合には、例えば、合成処理部25は、想定されるユーザの視点間の間隔(即ち、左眼と右眼との間の間隔)に基づき、各視点に観察させる画像に設定する視差値を算出する。そして、合成処理部25は、ユーザの左眼及び右眼それぞれに観察させる視点画像が視差値の算出結果に基づき提示された所謂多視点画像を生成し、生成した多視点画像を所定の表示装置(例えば、図1に示した表示装置550)に表示させる。多視点画像中に提示された各視点画像(即ち、右眼用の画像と左眼用の画像)は、例えば、表示装置に設けられたレンチキュラ板やパララクスバリア等の光学部材により分離され、それぞれが、ユーザの対応する視点(即ち、右眼及び左眼)で観測される。これにより、ユーザは、当該表示装置を介して、3D画像を観測することが可能となる。
なお、上記に説明した3D画像を観測させるための処理はあくまで一例であり、3D画像を観測させるための方式や構成に応じて適宜変更してもよいことは言うまでもない。
以上、図2を参照して、一般的な医療用立体観察装置の機能構成の一例について説明した。
なお、撮像ユニット10と画像処理装置20との間を接続する伝送ケーブルとしては、1m以上の比較的長いケーブルが使用される場合がある。また、アーム等の可動に伴い、当該伝送ケーブルが湾曲または屈曲するような状況も少なくない。そのため、伝送ケーブルの故障等により、撮像ユニット10と画像処理装置20との間の伝送路のうち、少なくとも一部の伝送路が切断される場合もある。例えば、図2に示す各伝送路のうち、伝送路L11aが切断された場合には、第1撮像部91aに対して第1同期信号を供給することが困難となる。このような状況下では、第1撮像部91aは、画像の撮像に係る動作を維持することが困難となる場合がある。そのため、第1視点画像を生成することが困難となり、ひいては3D画像を観測させるための視差画像を生成することが困難となる。
一方で、本実施形態に係る医療用立体観察装置が使用される現場のように、より高い信頼性が求められる現場においては、上記のように一部の伝送路が故障するような状況下においても、可能な限り画像(例えば、3D画像)の表示が維持されることが求められる。そこで、本開示では、医療用立体観察装置において、複数の撮像部それぞれに接続された伝送路のうち一部が切断されるような状況下においても、当該撮像部により撮像された画像の観察を継続させることを可能とするための仕組みの一例について提案する。
<<3.機能構成>>
まず、図3及び図4を参照して、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察装置の機能構成の一例について説明する。例えば、図3は、本実施形態に係る医療用立体観察装置の機能構成の一例について示したブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に医療用立体観察装置1は、撮像ユニット10と、画像処理装置20とを含む。また、図3では図示していないが、医療用立体観察装置1は、表示装置(例えば、図1に示した表示装置550)を備えてもよい。なお、図3に示すように、本実施形態に係る医療用立体観察装置1は、撮像ユニット10の構成が、図2を参照して前述した医療用立体観察装置9と異なり、その他の構成(例えば、画像処理装置20)については、当該医療用立体観察装置9と同様である。そのため、本説明では、主に、撮像ユニット10の構成に着目して説明し、図2に示す医療用立体観察装置9と実質的に同様の構成については、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、撮像ユニット10は、第1撮像部11aと、第2撮像部11bとを含む。なお、第1撮像部11a及び第2撮像部11bは、図2に示す医療用立体観察装置9における撮像ユニット90の第1撮像部91a及び第2撮像部91bに相当する構成である。
また、本実施形態に係る撮像ユニット10においては、第1撮像部11a及び第2撮像部11bは、それぞれ同期信号切替え部13を有する。なお、以降の説明では、第1撮像部11a及び第2撮像部11bそれぞれの同期信号切替え部13を区別して説明する場合には、第1撮像部11a側を「同期信号切替え部13a」と称し、第2撮像部11b側を「同期信号切替え部13b」と称する。同期信号切替え部13a及び13b間は、伝送路L15a及びL15bを介して接続されている。なお、伝送路L15a及びL15bは、撮像ユニット10内において同期信号切替え部13a及び13b間を接続すればよく、伝送ケーブに沿って設けられた伝送路L11a及びL11bに比べて比較的短く形成される。伝送路L15a及びL15bは、例えば、プリント基板等に形成された配線であってもよい。
同期信号切替え部13aには、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11aを介して画像処理装置20から、第1撮像部11aに関連付けられた第1同期信号が供給される。また、伝送路L11aを介して供給された第1同期信号は分波され、分波された第1同期信号の一部が、伝送路L15aを介して同期信号切替え部13bにも供給される。同様に、同期信号切替え部13bには、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11bを介して画像処理装置20から、第2撮像部11bに関連付けられた第2同期信号が供給される。また、伝送路L11bを介して供給された第2同期信号は分波され、分波された第2同期信号の一部が、伝送路L15bを介して同期信号切替え部13aにも供給される。以上のような構成により、同期信号切替え部13a及び13bそれぞれに対して、第1同期信号及び第2同期信号の双方を、互いに異なる伝送路を介して供給することが可能となる。
そして、同期信号切替え部13aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11aの状態(換言すると、第1同期信号の供給状態)に応じて、第1撮像部11aに供給する同期信号を、第1同期信号と第2同期信号との間で切替える。同様に、同期信号切替え部13bは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11bの状態(換言すると、第2同期信号の供給状態)に応じて、第2撮像部11bに供給する同期信号を、第1同期信号と第2同期信号との間で切替える。
ここで、図4を参照して、同期信号切替え部13のより詳細な構成について説明する。図4は、本実施形態に係る同期信号切替え部13の機能構成の一例を示したブロック図である。なお、同期信号切替え部13a及び13bは、第1同期信号及び第2同期信号の供給元と、同期信号の供給先とが異なる点を除けば実質的に同様の構成を有している。そのため、本説明では、同期信号切替え部13a側に着目して説明し、同期信号切替え部13bについては詳細な説明は省略する。
図4に示すように、同期信号切替え部13aは、入力端子131a及び131bと、第1検出部132a及び第2検出部132bと、切り替え制御部133と、セレクタ134と、出力端子135とを含む。入力端子131aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路を介して供給される同期信号が、メインの同期信号として入力される入力端子である。また、入力端子131bは、他方の同期信号切替え部13側から供給される同期信号が、サブの同期信号として入力される入力端子である。即ち、同期信号切替え部13aにおいては、入力端子131aには、図3に示す伝送路L11aを介して供給される第1同期信号が入力される。また、入力端子131bには、伝送路L15bを介して供給される第2同期信号が入力される。
入力端子131aに入力された第1同期信号は、スプリッタ等により分波され、一部がセレクタ134に入力され、他の一部が第1検出部132aに入力される。また、分波された第1同期信号の一部は、図3に示す伝送路L15aを介して同期信号切替え部13b側に供給される。また、入力端子131bに入力された第2同期信号は、スプリッタ等により分波され、一部がセレクタ134に入力され、他の一部が第2検出部132bに入力される。
第1検出部132a及び第2検出部132bのそれぞれは、入力された同期信号を検波することで、当該同期信号の入力の有無を検出し、検出結果を切り替え制御部133に通知する。具体的な一例として、伝送ケーブルの破損等により、図3に示す伝送路L11aが切断された場合には、入力端子131aに対して第1同期信号が入力されない状態となる。即ち、第1検出部132aは、第1同期信号が入力されていないことを検出し、当該検出結果(即ち、第1同期信号が入力されていないこと)を切り替え制御部133に通知する。
セレクタ134は、出力端子135から出力される同期信号を、入力端子131aを介して入力されたメインの同期信号(即ち、第1同期信号)と、入力端子131bを介して入力されたサブの同期信号(即ち、第2同期信号)との間で選択的に切り替える。なお、出力端子135から出力された同期信号は、第1撮像部11aに供給される。セレクタ134の切り替えに係る動作は、切り替え制御部133により制御される。
切り替え制御部133は、第1検出部132a及び第2検出部132bそれぞれによる同期信号の有無の検出結果に応じて、セレクタ134の切り替えに係る動作を制御する。具体的な一例として、切り替え制御部133は、第1検出部132aがメインの同期信号(即ち、第1同期信号)の入力を検出している場合には、当該メインの同期信号が出力端子135から出力されるようにセレクタ134の切り替えに係る動作を制御する。また、他の一例として、切り替え制御部133は、第1検出部132aがメインの同期信号の入力を検出していない場合には、サブの同期信号(即ち、第2同期信号)が出力端子135から出力されるようにセレクタ134の切り替えに係る動作を制御する。
また、メインの同期信号の途絶が一時的なものであり、サブの同期信号が出力端子135から出力されるようにセレクタ134の切り替えに係る動作が制御された後に、メインの同期信号の入力が再度検出されるような状況も想定され得る。このような場合には、切り替え制御部133は、メインの同期信号が出力端子135から出力されるようにセレクタ134の切り替えに係る動作を再度制御してもよい。
以上のような構成に基づき、同期信号切替え部13aは、メインの同期信号とサブの同期信号とのそれぞれの供給状態を認識し、認識結果に応じて、第1撮像部11aに供給される同期信号を、メインの同期信号とサブの同期信号のとの間で切替える。このような構成により、同期信号切替え部13aは、例えば、メインの同期信号の供給が断たれるような状況下においても、当該メインの同期信号に替えて、サブの同期信号を第1撮像部11aに供給することが可能となる。そのため、例えば、伝送ケーブルの破損等により、図3に示す伝送路L11aが切断され、第1撮像部11aに対する第1同期信号の供給が困難となった場合においても、第2同期信号を供給することで、第1撮像部11aによる画像の撮像を継続することが可能となる。また、同期信号切替え部13aは、通信の切断に限らず、通信品質の劣化に伴い、第1撮像部11aに供給される同期信号を、メインの同期信号とサブの同期信号のとの間で切替えてもよい。この場合には、同期信号切替え部13aは、例えば、メインの同期信号の通信品質(例えば、S/N比等で表されるノイズレベル)を監視し、当該監視結果に基づき通信品質の劣化を認識した場合に、第1撮像部11aに供給される同期信号を、メインの同期信号とサブの同期信号のとの間で切替えればよい。
ここで、再度図3を参照する。第1撮像部11aは、同期信号切替え部13aから供給される同期信号により定められたタイミングに同期して動作する。また、第1撮像部11aは、撮像素子による被写体の撮像結果を、イメージャ出力として伝送路L13aを介して画像処理装置20に出力する。同様に、第2撮像部11bは、同期信号切替え部13bから供給される同期信号により定められたタイミングに同期して動作する。また、第2撮像部11bは、撮像素子による被写体の撮像結果を、イメージャ出力として伝送路L13bを介して画像処理装置20に出力する。
以上、図3及び図4を参照して、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察装置の機能構成の一例について、特に、図2に示す医療用立体観察装置9と異なる構成に着目して説明した。
なお、図3を参照して説明した医療用立体観察装置の構成はあくまで一例であり、必ずしも図3に示す例のみには限定されない。例えば、撮像ユニット10に含まれる撮像部の数は、図3に示すように2つの場合のみには限定されず、例えば、3以上の撮像部が設けられていてもよい。この場合には、各撮像部に対して、当該撮像部に関連付けられた同期信号(即ち、メインの同期信号)と、他の撮像部に関連付けられた同期信号(即ち、サブの同期信号)とが供給されるように各伝送路と、前述した同期信号切替え部13とを設ければよい。そして、同期信号切替え部13により、各同期信号の供給状態(換言すると、各同期信号を供給する伝送路の状態)に応じて、撮像部に供給される同期信号を、メインの同期信号とサブの同期信号との間で切替えればよい。また、同期信号が供給された撮像部は、前述したように、当該同期信号により定められたタイミングに基づき、撮像素子を構成する各画素に保持された画素信号を読み出す。また、当該撮像部は、供給された同期信号により定められたタイミングに基づき、読み出された画素信号をイメージャ出力として、伝送ケーブルを介して画像処理装置20に伝送するタイミングを制御してもよい。
また、画像処理装置20の各構成が上述した機能を実現することが可能であれば、当該各構成のうち少なくとも一部の構成が、他の構成とは異なる装置に設けられていてもよい。具体的な一例として、第1信号処理部21a、第2信号処理部21b、及び同期信号生成部23と、合成処理部25とが、互いに異なる装置に設けられていてもよい。
<<4.処理>>
次いで、図5を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置の処理の一例について、特に、同期信号切替え部13の処理に着目して説明する。図5は、本実施形態に係る医療用立体観察装置における同期信号切替え部の動作の一例を示したフローチャートである。なお、第1撮像部11a側の同期信号切替え部13aと、第2撮像部11b側の同期信号切替え部13bとは、メイン及びサブの同期信号と、第1及び第2同期信号との間の対応関係が異なる点を除けば、実質的には処理の流れは同様である。そのため、本説明では、第1撮像部11a側の同期信号切替え部13aの動作に着目して説明し、第2撮像部11b側の同期信号切替え部13bについては詳細な説明は省略する。
同期信号切替え部13aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L11aを介してメインの同期信号(第1同期信号)の供給を受ける。また、同期信号切替え部13aは、同期信号切替え部13b側から伝送路L15bを介してサブの同期信号(第2同期信号)の供給を受ける。このような構成に基づき、同期信号切替え部13aは、メインの同期信号とサブの同期信号とのそれぞれの入力の有無を検出する(S101)。
そして、同期信号切替え部13aは、例えば、メインの同期信号の入力が検出された場合には(S103、YES)、当該メインの同期信号を選択する(S105)。また、同期信号切替え部13aは、メインの同期信号の入力が検出されない場合には(S103、NO)、サブの同期信号を選択する(S107)。そして、同期信号切替え部13aは、選択した同期信号を、第1撮像部11aに供給する。
以上、図5を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置の処理の一例について、特に、同期信号切替え部13の処理に着目して説明した。
<<5.変形例>>
次いで、本実施形態に係る医療用立体観察装置の変形例について説明する。
<5.1.変形例1:同期信号切替え部の変形例>
まず、変形例1として、図4を参照して前述した同期信号切替え部13の変形例について説明する。なお、以降で説明する同期信号切替え部13の各変形例においても、第1撮像部11a及び第2撮像部11bそれぞれの同期信号切替え部は、メイン及びサブの同期信号と、第1及び第2同期信号との間の対応関係が異なる点を除けば、実質的に同様の構成を有する。そのため、第1撮像部11a側の同期信号切替え部に着目して説明し、第2撮像部11b側の同期信号切替え部については詳細な説明は省略する。
(変形例1−1)
例えば、図6は、変形例1−1に係る医療用立体観察装置の一例について説明するための説明図であり、同期信号切替え部の一変形例の機能構成を示したブロック図である。なお、図6に示す同期信号切替え部を、前述した実施形態に係る同期信号切替え部13aと区別するために、「同期信号切替え部14a」と称する場合がある。
図4を参照して前述した同期信号切替え部13aは、例えば、メインの同期信号が正常に供給される場合には、当該メインの同期信号(第1同期信号)を第1撮像部11aに供給する。そして、同期信号切替え部13aは、メインの同期信号の供給が断たれた場合に、当該メインの同期信号に替えて、当該メインの同期信号とは異なる伝送路を介して伝送されたサブの同期信号(第2同期信号)を第1撮像部11aに供給する。このような構成により、一部の伝送路の切断等によりメインの同期信号の供給が断たれたような状況下においても、第1撮像部11aによる画像の撮像の継続を可能とする。
一方で、医療用立体観察装置に対して電源が投入された直後は、画像処理装置20から撮像ユニット10に対する同期信号の供給が必ずしも安定しているとは限らない。そのため、例えば、同期信号切替え部13aに対して、まずサブの同期信号(第2同期信号)のみが到達し、その後、メインの同期信号(第1同期信号)が到達するような状況が想定される。このような状況下では、第1撮像部11aに供給される同期信号が、まずサブの同期信号に切り替えられ、その後、改めてメインの同期信号に切り替えられるような状況も想定され、この切り替えが発生しているタイミングにおける被写体の画像の撮像が困難となる場合がある。このような状況を鑑み、図6に示す同期信号切替え部14aでは、電源投入直後に同期信号の供給が安定するまで、同期信号の切り替えに係る動作を抑制することで、被写体の画像の撮像に係る動作を安定させる。
具体的には、図6に示すように、同期信号切替え部14aは、パワーオンタイマー136を備える点で、図4を参照して前述した同期信号切替え部13aと異なる。そこで、本説明では、同期信号切替え部14aの構成について、前述した同期信号切替え部13aと異なる部分に着目して説明し、当該同期信号切替え部13aと実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
パワーオンタイマー136は、医療用立体観察装置に対して電源が投入されてから経過した時間を計測する。そして、パワーオンタイマー136は、電源投入後に所定の時間が経過すると、当該時間の経過を切り替え制御部133に通知する。
同期信号切替え部14aにおいて、切り替え制御部133は、電源投入直後はセレクタ134の切り替えに係る動作の制御は行わず、パワーオンタイマー136からの通知を受けて、当該セレクタ134の切り替えに係る動作の制御を開始する。
以上のような構成により、同期信号切替え部14aにおいては、電源投入直後は、メイン及びサブの同期信号それぞれの供給状態に関わらずセレクタ134の切り替えが抑制され、例えば、メインの同期信号が第1撮像部11aに供給される。そして、所定時間の経過後に、メイン及びサブの同期信号それぞれの供給状態に応じた、第1撮像部11aに供給される同期信号の切替えに係る動作が開始される。このような構成により、図6に示す同期信号切替え部14aは、電源投入直後の第1撮像部11aによる被写体の画像の撮像に係る動作を安定させることが可能となる。
(変形例1−2)
次いで、図7を参照して、同期信号切替え部の他の変形例について説明する。図7は、変形例1−2に係る医療用立体観察装置の他の一例について説明するための説明図であり、同期信号切替え部の他の変形例の機能構成を示したブロック図である。なお、図7に示す同期信号切替え部を、前述した同期信号切替え部13a及び14aと区別するために、「同期信号切替え部15a」と称する場合がある。
図7に示すように、同期信号切替え部15aは、通信部137を備える点で、図4を参照して前述した同期信号切替え部13aと異なる。そこで、本説明では、同期信号切替え部15aの構成について、前述した同期信号切替え部13aと異なる部分に着目して説明し、当該同期信号切替え部13aと実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
通信部137は、第1検出部132a及び第2検出部132bそれぞれによる同期信号の検出結果を、所定の通信路(ネットワーク)を介して撮像ユニット10とは異なる他の外部装置に通知する。なお、当該通信路の態様は特に限定されず、例えば、有線の通信路であってもよいし、無線の通信路であってもよい。また、通信路の態様に応じて、通信部137の構成が異なってもよいことは言うまでもない。例えば、無線の通信路を介して検出結果が通知される場合には、通信部137は、RF回路やベースバンドプロセッサ等を備えてもよい。
このような構成により、同期信号切替え部15aは、例えば、伝送ケーブルの破損等によりメインの同期信号(第1同期信号)の入力が検出されない状況(即ち、メインの同期信号の供給が断たれた状況)となった場合に、同内容を外部装置に通知することが可能となる。これにより、外部装置は、例えば、伝送ケーブルの異常等をユーザに報知することが可能となる。
また、第1検出部132a及び第2検出部132bそれぞれによる同期信号の検出結果の通知先となる外部装置は、画像処理装置20であってもよい。このような構成とすることで、例えば、画像処理装置20は、メインの同期信号(第1同期信号)に替えて、サブの同期信号(第2同期信号)が第1撮像部11aに供給されている場合に、同内容を同期信号切替え部15aからの通知に基づき認識することが可能となる。これにより、画像処理装置20は、サブの同期信号に基づき第1撮像部11aが画像を撮像している場合には、当該第1撮像部11aにより撮像された画像に対して、所定の補正処理を施すことも可能となる。
(変形例1−3)
次いで、図8を参照して、同期信号切替え部の他の変形例について説明する。図8は、変形例1−3に係る医療用立体観察装置の他の一例について説明するための説明図であり、同期信号切替え部の他の変形例の機能構成を示したブロック図である。なお、図8に示す同期信号切替え部を、前述した同期信号切替え部13a、14a、及び15aと区別するために、「同期信号切替え部16a」と称する場合がある。
図8に示すように、同期信号切替え部16aは、位相調整部139を備える点で、図4を参照して前述した同期信号切替え部13aと異なる。そこで、本説明では、同期信号切替え部16aの構成について、前述した同期信号切替え部13aと異なる部分に着目して説明し、当該同期信号切替え部13aと実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
具体的には、第1撮像部11aに対してメインの同期信号として供給される第1同期信号と、第2撮像部11bに対してメインの同期信号として供給される第2同期信号とは、必ずしも同期しているとは限らず、位相差を持つように制御されている場合がある。このような状況を鑑み、図8に示す同期信号切替え部16aでは、入力端子131bから入力されたサブの同期信号(第2同期信号)は、位相調整部139に入力され、当該位相調整部139により位相が調整される。そして、位相調整部139により位相が調整されたサブの同期信号が、セレクタ134及び第2検出部132bに入力される。
このような構成により、同期信号切替え部16aは、第1同期信号に替えて第2同期信号を第1撮像部11aに供給するような状況においても、第1同期信号と第2同期信号との間の位相差を吸収したうえで、第1撮像部11aの動作を制御することが可能となる。
以上、変形例1として、図4を参照して説明した同期信号切替え部13の変形例について、図6〜図8を参照して説明した。なお、上記に説明した変形例1−1〜1−3のうち、2以上の変形例を組み合わせることも可能である。具体的な一例として、変形例1−1と変形例1−2とを組み合わせる場合には、例えば、変形例1−1に係る同期信号切替え部14aに対して、変形例1−2に係る同期信号切替え部15aにおける通信部137を設ければよい。同様に、変形例1−1と変形例1−3とを組み合わせる場合には、例えば、変形例1−1に係る同期信号切替え部14aに対して、変形例1−3に係る同期信号切替え部16aにおける位相調整部139を設ければよい。
<5.2.変形例2:制御信号の切替え>
続いて、変形例2に係る医療用立体観察装置について説明する。前述した実施形態や変形例では、例えば、第1撮像部に対して、当該第1撮像部に関連付けられた第1同期信号と、第2撮像部に関連付けられた第2同期信号とが供給されるように各伝送路が設けられている。そして、第1撮像部に対して供給する同期信号を、第1同期信号を供給する伝送路の状態に応じて、当該第1同期信号と第2同期信号との間で切り替える構成としていた。一方で、画像処理装置20から伝送ケーブルを介して第1撮像部及び第2撮像部に供給される制御信号は、必ずしも上述した同期信号のように、画像の撮像に係るタイミングを制御するための制御信号のみには限定されない。具体的な一例として、シャッタースピードや各種動作モードの設定等のように、第1撮像部及び第2撮像部の動作に関する設定を制御するための制御信号が挙げられる。そこで、変形例2として、第1撮像部に対して各種設定を制御するための制御信号を、当該第1撮像部に関連付けられた第1制御信号と、第2撮像部に関連付けられた第2制御信号との間で切り替える場合の一例について説明する。
例えば、図9は、変形例2に係る医療用立体観察装置の機能構成の一例を示したブロック図である。図9に示すように、変形例2に係る医療用立体観察装置2は、撮像ユニット30と、画像処理装置40とを含む。撮像ユニット30は、図3を参照して前述した医療用立体観察装置1における撮像ユニット10に相当し、第1撮像部31a及び第2撮像部31bを含む。即ち、第1撮像部31a及び第2撮像部31bは、当該撮像ユニット10における第1撮像部11a及び第2撮像部11bに相当する。また、画像処理装置40は、当該医療用立体観察装置1における画像処理装置20に相当する。なお、本説明では、変形例2に係る医療用立体観察装置2の機能構成について、前述した実施形態に係る医療用立体観察装置1と異なる部分に着目して説明し、当該医療用立体観察装置1と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。
まず、画像処理装置40の構成に着目する。図9に示すように、画像処理装置40は、第1信号処理部41aと、第2信号処理部41bと、制御部43と、合成処理部45とを含む。なお、第1信号処理部41a、第2信号処理部41b、及び合成処理部45は、前述した医療用立体観察装置1における第1信号処理部21a、第2信号処理部21b、及び合成処理部25に相当する。
制御部43は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の各種プロセッサやマイクロコントローラからなり、伝送ケーブルを介して画像処理装置40に接続された撮像ユニット30の動作(即ち、第1撮像部31a及び第2撮像部31bの動作)を制御する。制御部43は、例えば、図示しない入力装置を介して入力されるユーザからの指示に応じて、第1撮像部31aの各種設定を制御するための第1制御信号を第1信号処理部41aに出力し、第2撮像部31bの各種設定を制御するための第2制御信号を第2信号処理部41bに出力する。
第1信号処理部41aは、制御部43からの第1制御信号の出力を受けて、伝送ケーブルに設けられた伝送路L31aを介して当該第1制御信号を第1撮像部31aに供給する。同様に、第2信号処理部41bは、制御部43からの第2制御信号の出力を受けて、伝送ケーブルに設けられた伝送路L31bを介して当該第2制御信号を第2撮像部31bに供給する。このように本実施形態に係る医療用立体観察装置2においては、制御部43が、第1信号処理部21a及び第2信号処理部21bに対して、対応する撮像部の動作に関する設定を制御するための制御信号(即ち、第1制御信号及び第2制御信号)を出力する。これにより、制御部43が、第1撮像部31a及び第2撮像部31bの動作を一括して制御することが可能となる。
次いで、撮像ユニット30の構成に着目する。撮像ユニット30においては、第1撮像部31a及び第2撮像部31bは、それぞれ制御信号切替え部33を有する。なお、以降の説明では、第1撮像部31a及び第2撮像部31bそれぞれの制御信号切替え部33を区別して説明する場合には、第1撮像部31a側を「制御信号切替え部33a」と称し、第2撮像部31b側を「制御信号切替え部33b」と称する。制御信号切替え部33a及び33b間は、伝送路L33a及びL33bを介して接続されている。なお、伝送路L33a及びL33bは、前述した実施形態に係る撮像ユニット10における伝送路L15a及びL15bと同様の構成を適用することが可能である。
制御信号切替え部33aには、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L31aを介して画像処理装置40から、第1撮像部31aに関連付けられた第1制御信号が供給される。また、伝送路L31aを介して供給された第1制御信号は分波され、分波された第1制御信号の一部が、伝送路L33aを介して制御信号切替え部33bにも供給される。同様に、制御信号切替え部33bには、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L31bを介して画像処理装置40から、第2撮像部31bに関連付けられた第2制御信号が供給される。また、伝送路L31bを介して供給された第2制御信号は分波され、分波された第2制御信号の一部が、伝送路L33bを介して制御信号切替え部33aにも供給される。以上のような構成により、制御信号切替え部33a及び33bそれぞれに対して、第1制御信号及び第2制御信号の双方を、互いに異なる伝送路を介して供給することが可能となる。
そして、制御信号切替え部33aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L31aの状態(換言すると、第1制御信号の供給状態)に応じて、第1撮像部31aに供給する制御信号を、第1制御信号と第2制御信号との間で切替える。同様に、制御信号切替え部33bは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L31bの状態(換言すると、第2制御信号の供給状態)に応じて、第2撮像部31bに供給する制御信号を、第1制御信号と第2制御信号との間で切替える。
ここで、図10を参照して、制御信号切替え部33のより詳細な構成について説明する。図10は、変形例2に係る制御信号切替え部33の機能構成の一例を示したブロック図である。なお、制御信号切替え部33a及び33bは、第1制御信号及び第2制御信号の供給元と、制御信号の供給先とが異なる点を除けば同様の構成を有している。そのため、本説明では、制御信号切替え部33a側に着目して説明し、制御信号切替え部33bについては詳細な説明は省略する。
図10に示すように、制御信号切替え部33aは、入力端子331a及び331bと、通信部332a及び332bと、判定部333a及び333bと、記憶部334a及び334bと、セレクタ335と、出力端子336とを含む。入力端子331aは、伝送ケーブル内に設けられた伝送路を介して供給される制御信号が、メインの制御信号として入力される入力端子である。また、入力端子331bは、他方の制御信号切替え部33側から供給される制御信号が、サブの制御信号として入力される入力端子である。即ち、制御信号切替え部33aにおいては、入力端子331aには、図9に示す伝送路L31aを介して供給される第1制御信号が入力される。また、入力端子331bには、伝送路L33bを介して供給される第2制御信号が入力される。
通信部332aは、伝送ケーブル内の伝送路L31aを介して画像処理装置40から第1制御信号を受信するための構成である。即ち、入力端子331aに入力された第1制御信号は、通信部332aにより受信される。通信部332aは、受信した第1制御信号を記憶部335aに記憶させる。記憶部335aは、例えば、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体からなり、上記第1制御信号(もしくは、当該第1制御信号が示す情報)を一時的(または恒久的)に保持する。また、通信部332aは、スプリッタ等により分波された第1制御信号の一部を、図9に示す伝送路L33aを介して制御信号切替え部33b側に送信してもよい。また、通信部332aは、伝送ケーブル内の伝送路L31aを介した通信の状態を監視し、監視結果を判定部333aに通知する。
通信部332bは、伝送路L33bを介して制御信号切替え部33b側から第2制御信号を受信するための構成である。即ち、入力端子331bに入力された第2制御信号は、通信部332bにより受信される。通信部332bは、受信した第2制御信号を記憶部335bに記憶させる。記憶部335bは、前述した記憶部335aと同様の構成を有し、上記第2制御信号(もしくは、当該第2制御信号が示す情報)を一時的(または恒久的)に保持する。また、通信部332bは、伝送路L33bを介した通信の状態を監視し、監視結果を判定部333bに通知する。
判定部333aは、伝送ケーブル内の伝送路L31aを介した通信の状態の監視結果の通知を通信部332aから受け、当該通知に基づき、当該伝送路L31aを介した第1制御信号の受信が成功したか否かを判定する。そして、判定部333aは、当該判定結果をセレクタ335に出力する。このような構成により、セレクタ335の切り替えに係る動作を、判定部333aの判定結果に基づき制御することが可能となる。
また、判定部333bは、伝送路L33bを介した通信の状態の監視結果の通知を通信部332bから受け、当該通知に基づき、当該伝送路L33aを介した第2制御信号の受信が成功したか否かを判定する。そして、判定部333bは、当該判定結果を示す情報をセレクタ335に出力する。このような構成により、セレクタ335の切り替えに係る動作を、判定部333bの判定結果に基づき制御することが可能となる。
セレクタ335は、判定部333a及び判定部333bそれぞれから判定結果を示す情報を取得し、取得した当該情報に基づき、第1制御信号及び第2制御信号それぞれの受信状況(即ち、各制御信号の受信に成功したか否か)を認識する。そして、セレクタ335は、各制御信号の受信状況の認識結果に応じて、記憶部334aに記憶されたメインの制御信号(即ち、第1制御信号)と、記憶部334bに記憶されたサブの制御信号(即ち、第2制御信号)とのうちいずれかの制御信号を選択的に読み出し、読み出した制御信号を第1撮像部31aに供給する。
例えば、セレクタ335は、判定部333aによる判定結果に基づき、メインの制御信号(即ち、第1制御信号)の受信に成功したことを認識した場合には、記憶部334aに記憶された当該メインの制御信号を読み出し、読み出した当該制御信号を第1撮像部31aに供給する。また、他の一例として、セレクタ335は、伝送ケーブルの破損等により伝送路L31aが切断され、第1制御信号の受信が失敗した場合に、判定部333aによる判定結果に基づき、当該第1制御信号の受信の失敗を認識することが可能である。この場合には、セレクタ335は、記憶部334bに記憶されたサブの制御信号(即ち、第2制御信号)を読み出し、読み出した当該制御信号を第1撮像部31aに供給してもよい。もちろん、上記はあくまで一例であり、セレクタ335が、判定部333a及び333bそれぞれの判定結果に基づき、第1撮像部31aに供給する制御信号を、メインの制御信号とサブの制御信号との間で切り替えられれば、その構成は特に限定されない。
以上のような構成に基づき、制御信号切替え部33aは、メインの制御信号とサブの制御信号とのそれぞれの取得状況を認識し、認識結果に応じて、第1撮像部11aに供給される制御信号を、メインの制御信号とサブの制御信号のとの間で切替える。このような構成により、制御信号切替え部33aは、例えば、メインの制御信号の取得が困難となるような状況下においても、当該メインの同期信号に替えて、サブの同期信号を第1撮像部11aに供給することが可能となる。そのため、例えば、伝送ケーブルの破損等により、図3に示す伝送路L31aが切断され、第1撮像部11aに対する第1制御信号の供給が困難となった場合においても、第2制御信号を供給することで、第1撮像部11aによる画像の撮像を継続することが可能となる。
以上、変形例2として、図9及び図10を参照して、第1撮像部に対して各種設定を制御するための制御信号を、当該第1撮像部に関連付けられた第1制御信号と、第2撮像部に関連付けられた第2制御信号との間で切り替える場合の一例について説明した。なお、上述した変形例2に係る医療用立体観察装置2と、前述した実施形態に係る医療用立体観察装置1とを組み合わせてもよい。その場合には、例えば、医療用立体観察装置1に対して、医療用立体観察装置2のうち少なくとも一部の構成(例えば、第1及び第2制御信号を伝送するための構成や、制御信号の切替えに係る構成)、もしくは当該構成に相当する機能を設ければよい。
<5.3.変形例3:各撮像部からの情報の取得経路の切替え>
次いで、変形例3に係る医療用立体観察装置について説明する。前述した実施形態や変形例では、画像処理装置から当該撮像部に対して互いに異なる伝送路を介して制御信号を供給し、撮像部側において、供給される各制御信号のうち、実際の制御に利用する制御信号を、伝送路の状態に応じて選択的に切り替える場合の一例について説明した。これに対して、変形例3では、画像処理装置が、撮像部から互い異なる伝送路を介して情報のフィードバックを受け、フィードバックされた各情報のうち、実際の制御に利用する情報を、伝送路の状態に応じて選択的に切り替える場合の一例について説明する。
例えば、図11は、変形例3に係る医療用立体観察装置の機能構成の一例を示したブロック図である。図11に示すように、変形例3に係る医療用立体観察装置3は、撮像ユニット50と、画像処理装置60とを含む。撮像ユニット50は、例えば、図3を参照して前述した医療用立体観察装置1における撮像ユニット10に相当し、第1撮像部51a及び第2撮像部51bを含む。即ち、第1撮像部51a及び第2撮像部51bは、当該撮像ユニット10における第1撮像部11a及び第2撮像部11bに相当する。また、画像処理装置60は、当該医療用立体観察装置1における画像処理装置20に相当する。なお、本説明では、変形例3に係る医療用立体観察装置3の機能構成について、前述した実施形態に係る医療用立体観察装置1と異なる部分に着目して説明し、当該医療用立体観察装置1と実質的に同様の部分については詳細な説明は省略する。また、本説明においては、第1撮像部51aから画像処理装置60にフォードバックされる情報を、「第1撮像情報」とも称し、第2撮像部51bから画像処理装置60にフォードバックされる情報を、「第2撮像情報」とも称する。
まず、撮像ユニット50の構成に着目する。図11に示すように、撮像ユニット50は、第1撮像部51aと第2撮像部51bとの間が、伝送路L53a及びL53bを介して接続されている。なお、伝送路L53a及びL53bは、前述した実施形態に係る撮像ユニット10における伝送路L15a及びL15bと同様の構成を適用することが可能である。
第1撮像部51aは、画像処理装置60にフィードバックする第1撮像情報のうち少なくとも一部の情報を、伝送路L53aを介して第2撮像部51bに送信する。また、第1撮像部51aは、第2撮像部51bが画像処理装置60にフィードバックする第2撮像情報のうち少なくもと一部の情報を、伝送路L53bを介して第2撮像部51bから取得する。そして、第1撮像部51aは、第1撮像情報と、第2撮像部51bから取得した情報(即ち、第2撮像情報のうち少なくとも一部の情報)とを、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L51aを介して画像処理装置60に送信する。
同様に、第2撮像部51bは、画像処理装置60にフィードバックする第2撮像情報のうち少なくとも一部の情報を、伝送路L53bを介して第1撮像部51aに送信する。また、第2撮像部51bは、第1撮像部51aが画像処理装置60にフィードバックする第1撮像情報のうち少なくもと一部の情報を、伝送路L53aを介して第1撮像部51aから取得する。そして、第2撮像部51bは、第2撮像情報と、第1撮像部51aから取得した情報(即ち、第1撮像情報のうち少なくとも一部の情報)とを、伝送ケーブル内に設けられた伝送路L51bを介して画像処理装置60に送信する。
次いで、画像処理装置60の構成に着目する。図11に示すように、画像処理装置60は、第1信号処理部61aと、第2信号処理部61bと、制御部63と、合成処理部65とを含む。なお、第1信号処理部61a、第2信号処理部61b、及び合成処理部65は、前述した医療用立体観察装置1における第1信号処理部21a、第2信号処理部21b、及び合成処理部25に相当する。
第1信号処理部61aは、第1撮像部51aから伝送ケーブル内に設けられた伝送路L51aを介して、第1撮像信号と、第2撮像信号のうち少なくとも一部の情報とを取得し、取得した各情報を制御部63に出力する。また、第1信号処理部61aは、当該伝送路L51aを介した第1撮像部51aとの間の通信を監視し、監視結果を制御部63に通知する。
また、第2信号処理部61bは、第2撮像部51bから伝送ケーブル内に設けられた伝送路L51bを介して、第2撮像信号と、第1撮像信号のうち少なくとも一部の情報とを取得し、取得した各情報を制御部63に出力する。また、第2信号処理部61bは、当該伝送路L51bを介した第2撮像部51bとの間の通信を監視し、監視結果を制御部63に通知する。
制御部63は、第1信号処理部61aから、第1撮像信号と、第2撮像信号のうち少なくとも一部の情報とを取得する。また、制御部63は、第2信号処理部61bから、第2撮像信号と、第1撮像信号のうち少なくとも一部の情報とを取得する。
また、制御部63は、第1信号処理部61aから、伝送路L51aを介した第1撮像部51aとの間の通信の監視結果に関する通知を受け、当該通知に基づき、当該伝送路L51aを介した情報の受信が成功したか否かを判断する。同様に、制御部63は、第2信号処理部61bから、伝送路L51bを介した第2撮像部51bとの間の通信の監視結果に関する通知を受け、当該通知に基づき、当該伝送路L51bを介した情報の受信が成功したか否かを判断する。
以上のような構成に基づき、制御部63は、第1撮像部31a及び第2撮像部31bそれぞれからフィードバックされる情報の取得経路を、伝送路L51a及びL51bそれぞれを介した通信の監視結果に基づき、当該伝送路L51a及びL51b間で切り替える。
具体的な一例として、伝送路L51aを介した通信が正常に動作している場合には、制御部63は、第1信号処理部61aにより取得された第1撮像信号を、第1撮像部31aからのフィードバックとして採用する。この場合には、制御部63は、第2信号処理部61bにより取得された、当該第1撮像信号のうち少なくとも一部の情報については破棄してもよい。
一方で、伝送路L51aを介した通信が失敗した場合には、第1信号処理部61aは、当該伝送路L51aを介して第1撮像信号を取得することは困難となる。この場合には、制御部63は、第2信号処理部61bにより取得された、第1撮像信号のうち少なくとも一部の情報を、第1撮像部31aからのフィードバックとして採用する。
同様に、伝送路L51bを介した通信が正常に動作している場合には、制御部63は、第2信号処理部61bにより取得された第2撮像信号を、第2撮像部31bからのフィードバックとして採用する。この場合には、制御部63は、第1信号処理部61aにより取得された、当該第2撮像信号のうち少なくとも一部の情報については破棄してもよい。
また、伝送路L51bを介した通信が失敗した場合には、第2信号処理部61bは、当該伝送路L51bを介して第2撮像信号を取得することは困難となる。そのため、制御部63は、第1信号処理部61aにより取得された、第2撮像信号のうち少なくとも一部の情報を、第2撮像部31bからのフィードバックとして採用する。
以上のような構成により、画像処理装置60は、例えば、伝送ケーブルの破損等により伝送路L51aが切断され、第1撮像部51aからフィードバックを直接受けることが困難となった場合においても、第2撮像部51bから少なくとも一部の情報を取得することが可能となる。これにより、画像処理装置60は、例えば、第2撮像部51bから取得した情報に基づき、第1撮像部51aに関する処理(即ち、第1撮像部51aからのフィードバックに基づく処理)を継続することが可能となる。また、画像処理装置60は、第1撮像部51aからのフィードバック(即ち、第1撮像情報)を取得する経路に応じて、当該フィードバックに基づく処理(例えば、第1撮像部51aにより撮像された画像に対する処理)の内容を変更してもよい。なお、第2撮像部51bからのフィードバックについても同様であることは言うまでもない。
以上、変形例3として、図11を参照して、画像処理装置が、撮像部から互い異なる伝送路を介して情報のフィードバックを受け、フィードバックされた各情報のうち、実際の制御に利用する情報を、伝送路の状態に応じて選択的に切り替える場合の一例について説明した。なお、上述した変形例3に係る医療用立体観察装置3と、前述した実施形態に係る医療用立体観察装置1及び変形例2に係る医療用立体観察装置2とのうち少なくともいずれかとを組み合わせてもよい。例えば、医療用立体観察装置1及び3を組み合わせる場合には、例えば、当該医療用立体観察装置1に対して、医療用立体観察装置3のうち少なくとも一部の構成(例えば、第1及び第2撮像信号を伝送するための構成や、各撮像信号を取得する経路の切り替えに係る構成)、もしくは当該構成に相当する機能を設ければよい。
<<6.適用例>>
上記では、本実施形態に係る医療用立体観察装置を手術用ビデオ顕微鏡装置に適用した場合の一例について説明した。一方で、本実施形態に医療用立体観察装置の適用先は、必ずしも手術用ビデオ顕微鏡装置のみには限定されない。そこで、本実施形態に係る医療用立体観察装置の適用例について以下に説明する。
<6.1.第1の適用例:硬性内視鏡装置>
まず、本実施形態の第1の適用例として、図12及び図13を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置を所謂硬性内視鏡装置に適用した場合の一例について説明する。例えば、図12は、本実施形態に係る医療用立体観察装置の第1の適用例について説明するための説明図であり、硬性内視鏡装置の概略的な構成の一例について示している。内視鏡装置700は、医療分野において用いられ、人等の観察対象物の内部(生体内)の被写体を観察する装置である。この内視鏡装置700は、図12に示すように、内視鏡720と、撮像装置730(医療用撮像装置)と、表示装置740と、制御装置750(画像処理装置)と、光源装置760とを備え、撮像装置730と制御装置750とで、医療用画像取得システムを構成している。なお、本適用例では、内視鏡720と撮像装置730とで、硬性鏡を用いた内視鏡装置を構成している。
光源装置760は、ライトガイド770の一端が内視鏡720に接続され、当該ライトガイド770の一端に生体内を照明するための白色の照明光を供給する。ライトガイド770は、一端が光源装置760に着脱自在に接続されるとともに、他端が内視鏡720に着脱自在に接続される。そして、ライトガイド770は、光源装置760から供給された光を一端から他端に伝達し、内視鏡720に供給する。
撮像装置730は、内視鏡720からの被写体像を撮像して当該撮像結果を出力する。この撮像装置730は、図12に示すように、信号伝送部である伝送ケーブル780と、カメラヘッド790とを備える。本実施の形態1では、伝送ケーブル780とカメラヘッド790とにより医療用撮像装置が構成される。
内視鏡720は、硬質で細長形状を有し、生体内に挿入される。この内視鏡720の内部には、1または複数のレンズを用いて構成され、被写体像を集光する光学系が設けられている。内視鏡720は、ライトガイド770を介して供給された光を先端から出射し、生体内に照射する。そして、生体内に照射された光(被写体像)は、内視鏡720内の光学系(レンズユニット791)により集光される。
カメラヘッド790は、内視鏡720の基端に着脱自在に接続される。そして、カメラヘッド790は、制御装置750による制御の下、内視鏡720にて集光された被写体像を撮像し、当該撮像による撮像信号を出力する。なお、カメラヘッド790が、例えば、図3を参照して説明した医療用立体観察装置1における撮像ユニット10に相当する。
伝送ケーブル780は、一端がコネクタを介して制御装置750に着脱自在に接続されるとともに、他端がコネクタを介してカメラヘッド790に着脱自在に接続される。具体的に、伝送ケーブル780は、最外層である外被の内側に複数の電気配線(図示略)が配設されたケーブルである。当該複数の電気配線は、カメラヘッド790から出力される撮像信号、制御装置750から出力される制御信号、同期信号、クロック、及び電力をカメラヘッド790にそれぞれ伝送するための電気配線である。
表示装置740は、制御装置750による制御のもと、制御装置750により生成された画像を表示する。表示装置740は、観察時の没入感を得やすくするために、表示部が55インチ以上を有するものが好ましいが、これに限らない。
制御装置750は、カメラヘッド790から伝送ケーブル780を経由して入力された撮像信号を処理し、表示装置740へ画像信号を出力するとともに、カメラヘッド790及び表示装置740の動作を統括的に制御する。なお、制御装置750の詳細な構成については、後述する。
次に、撮像装置730及び制御装置750の構成について説明する。図13は、本実施形態に係る医療用立体観察装置の第1の適用例について説明するための説明図であり、撮像装置730及び制御装置750の構成を示すブロック図である。なお、図13では、カメラヘッド790及び伝送ケーブル780同士を着脱可能とするコネクタの図示を省略している。
以下、制御装置750の構成、及びカメラヘッド790の構成の順に説明する。なお、以下では、制御装置750の構成として、本開示に係る要部を主に説明する。制御装置750は、図13に示すように、信号処理部751と、画像生成部752と、通信モジュール753と、入力部754と、制御部755と、メモリ756とを備える。なお、制御装置750には、制御装置750及びカメラヘッド790を駆動するための電源電圧を生成し、制御装置750の各部にそれぞれ供給するとともに、伝送ケーブル780を介してカメラヘッド790に供給する電源部(図示略)などが設けられていてもよい。
信号処理部751は、カメラヘッド790が出力した撮像信号に対してノイズ除去や、必要に応じてA/D変換等の信号処理を行うことによって、デジタル化された撮像信号(パルス信号)を画像生成部752に出力する。
また、信号処理部751は、撮像装置730及び制御装置750の同期信号、及びクロックを生成する。撮像装置730への同期信号(例えば、カメラヘッド790の撮像タイミングを指示する同期信号等)やクロック(例えばシリアル通信用のクロック)は、図示しないラインで撮像装置730に送られ、この同期信号やクロックを基に、撮像装置730は駆動する。
画像生成部752は、信号処理部751から入力される撮像信号をもとに、表示装置740が表示する表示用の画像信号を生成する。画像生成部752は、撮像信号に対して、所定の信号処理を実行して被写体画像を含む表示用の画像信号を生成する。ここで、画像処理としては、補間処理や、色補正処理、色強調処理、及び輪郭強調処理等の各種画像処理等が挙げられる。画像生成部752は、生成した画像信号を表示装置740に出力する。なお、信号処理部751及び画像生成部752が、例えば、図3を参照して説明した医療用立体観察装置1における画像処理装置20に相当する。
通信モジュール753は、制御部755から送信された後述する制御信号を含む制御装置750からの信号を撮像装置730に出力する。また、撮像装置730からの信号を制御装置750に出力する。つまり通信モジュール753は、撮像装置730へ出力する制御装置750の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめ出力し、また撮像装置730から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分け制御装置750の各部に出力する、中継デバイスである。
入力部754は、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける。
制御部755は、制御装置750及びカメラヘッド790を含む各構成部の駆動制御、および各構成部に対する情報の入出力制御などを行う。制御部755は、メモリ756に記録されている通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)を参照して制御信号を生成し、該生成した制御信号を、通信モジュール753を介して撮像装置730へ送信する。また、制御部755は、伝送ケーブル780を介して、カメラヘッド790に対して制御信号を出力する。
メモリ756は、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現され、通信情報データ(例えば、通信用フォーマット情報など)が記録されている。なお、メモリ756は、制御部755が実行する各種プログラム等が記録されていてもよい。
なお、信号処理部751が、入力されたフレームの撮像信号を基に、各フレームの所定のAF用評価値を出力するAF処理部、及び、AF処理部からの各フレームのAF用評価値から、最も合焦位置として適したフレームまたはフォーカスレンズ位置等を選択するようなAF演算処理を行うAF演算部を有していてもよい。
なお、上述した信号処理部751、画像生成部752、通信モジュール753および制御部755は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサやASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGA(Field Programmable Gate Array:図示略)を用いて構成するようにしてもよい。なおFPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
次に、カメラヘッド790の構成として、本発明の要部を主に説明する。カメラヘッド790は、図13に示すように、レンズユニット791と、撮像部792と、駆動部793と、通信モジュール794と、カメラヘッド制御部795とを備える。
レンズユニット791は、1または複数のレンズを用いて構成され、内視鏡720にて集光された被写体像を、撮像部792を構成する撮像素子の撮像面に結像する。当該1または複数のレンズは、光軸に沿って移動可能に構成されている。そして、レンズユニット791には、当該1または複数のレンズを移動させて、画角を変化させる光学ズーム機構(図示略)や焦点を変化させるフォーカス機構が設けられている。なお、レンズユニット791は、光学ズーム機構およびフォーカス機構のほか、絞り機構や、光軸上に挿脱自在な光学フィルタ(例えば赤外光をカットするフィルタ)が設けられていてもよい。
撮像部792は、カメラヘッド制御部795による制御の下、被写体を撮像する。この撮像部792は、レンズユニット791が結像した被写体像を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二つの撮像素子と、観察光を分光して、分光した光を二つの撮像素子にそれぞれ入射させるプリズムと、を用いて構成されている。CCDの場合は、例えば、当該撮像素子からの電気信号(アナログ信号)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部(図示略)がセンサチップなどに実装される。CMOSの場合は、例えば、光から電気信号に変換された電気信号(アナログ)に対して信号処理(A/D変換等)を行って撮像信号を出力する信号処理部が撮像素子に含まれる。撮像部792の構成については、後述する。
駆動部793は、カメラヘッド制御部795による制御の下、光学ズーム機構やフォーカス機構を動作させ、レンズユニット791の画角や焦点位置を変化させるドライバを有する。
通信モジュール794は、制御装置750から送信された信号をカメラヘッド制御部795等のカメラヘッド790内の各部に出力する。また、通信モジュール794は、カメラヘッド790の現在の状態に関する情報などを予め決められた伝送方式に応じた信号形式に変換し、伝送ケーブル780を介して当該変換した信号を制御装置750に出力する。つまり通信モジュール794は、制御装置750や伝送ケーブル780から入力される信号を、例えばシリアルパラレル変換等により振り分けカメラヘッド790の各部に出力し、また制御装置750や伝送ケーブル780へ出力するカメラヘッド790の各部からの信号を、例えばパラレルシリアル変換等によりまとめ出力する、中継デバイスである。
カメラヘッド制御部795は、伝送ケーブル780を介して入力した駆動信号や、カメラヘッド790の外面に露出して設けられたスイッチ等の操作部へのユーザ操作により操作部から出力される指示信号等に応じて、カメラヘッド790全体の動作を制御する。また、カメラヘッド制御部795は、伝送ケーブル780を介して、カメラヘッド790の現在の状態に関する情報を制御装置750に出力する。
なお、上述した駆動部793、通信モジュール794およびカメラヘッド制御部795は、プログラムが記録された内部メモリ(図示略)を有するCPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサやASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の機能を実行する各種演算回路等の専用プロセッサを用いて実現される。また、プログラマブル集積回路の一種であるFPGAを用いて構成するようにしてもよい。なお、FPGAにより構成される場合は、コンフィグレーションデータを記憶するメモリを設け、メモリから読み出したコンフィグレーションデータにより、プログラマブル集積回路であるFPGAをコンフィグレーションしてもよい。
なお、カメラヘッド790や伝送ケーブル780に、通信モジュール794や撮像部792により生成された撮像信号に対して信号処理を施す信号処理部を構成するようにしてもよい。また、カメラヘッド790内部に設けられた発振器(図示略)で生成された基準クロックに基づいて、撮像部792を駆動するための撮像用クロック、及び駆動部793を駆動するための駆動用クロックを生成し、撮像部792及び駆動部793にそれぞれ出力するようにしてもよいし、伝送ケーブル780を介して制御装置750から入力した同期信号に基づいて、撮像部792、駆動部793、及びカメラヘッド制御部795における各種処理のタイミング信号を生成し、撮像部792、駆動部793、及びカメラヘッド制御部795にそれぞれ出力するようにしてもよい。また、カメラヘッド制御部795をカメラヘッド790ではなく伝送ケーブル780や制御装置750に設けてもよい。
なお、上述したレンズユニット791、撮像部792、及び駆動部793を含む構成が、図3を参照して説明した第1撮像部11aや第2撮像部11bに相当し得る。即ち、内視鏡装置700を、本実施形態に係る医療用立体観察装置として構成する場合には、例えば、レンズユニット791、撮像部792、及び駆動部793を、視点ごと(例えば、左目及び右眼それぞれの視点ごと)に設ければよい。そして、図3及び図4に示すように、視点ごとに設けられた撮像部792に対して供給される各種制御信号を切り替える切替え部(例えば、同期信号切替え部13や制御信号切替え部33)を、当該撮像部792ごとに設ければよい。このような構成により、複数の撮像部792のうち、一部の撮像部792に対して制御信号を供給する伝送路(例えば、伝送ケーブル780内の伝送路)が破損等により切断された場合においても、他の撮像部792に供給される制御信号を代替として、当該一部の撮像部792に供給することが可能となる。
以上、本実施形態の第1の適用例として、図12及び図13を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置を所謂硬性内視鏡装置に適用した場合の一例について説明した。
<6.2.第2の適用例:軟性内視鏡装置>
続いて、本実施形態の第2の適用例として、図14を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置を所謂軟性内視鏡装置に適用した場合の一例について説明する。図14は、本実施形態に係る医療用立体観察装置の第2の適用例について説明するための説明図であり、軟性内視鏡装置の概略的な構成の一例について示している。
上述した第1の適用例では、内視鏡720として、硬性鏡を用いた内視鏡装置700を説明したが、これに限られず、内視鏡720に軟性鏡を用いた内視鏡装置としても構わない。本実施形態の第2の適用例では、軟性の内視鏡の挿入部の先端に撮像部を設ける場合の例を説明する。
内視鏡装置800は、被検体内に挿入部811を挿入することによって観察部位の体内画像を撮像して電気信号を生成する内視鏡810と、内視鏡810の先端から出射する照明光を発生する光源装置820と、内視鏡810が取得した電気信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡装置800全体の動作を統括的に制御する制御装置830と、プロセッサ部が画像処理を施した体内画像を表示する表示装置840と、を備える。内視鏡装置800は、患者等の被検体内に、挿入部811を挿入して被検体内の体内画像を取得する。なお、制御装置830のうち、当該画像処理を実行する構成が、例えば、図3を参照して説明した医療用立体観察装置1における画像処理装置20に相当する。
内視鏡810は、可撓性を有する細長形状をなす挿入部811と、挿入部811の基端側に接続され、各種の操作信号の入力を受け付ける操作部812と、操作部812から挿入部811が延びる方向と異なる方向に延び、光源装置820および制御装置830に接続する各種ケーブルを内蔵するユニバーサルコード813と、を備える。
挿入部811は、本適用例にかかる撮像部を内蔵した先端部814と、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部815と、湾曲部815の基端側に接続され、可撓性を有する長尺状の可撓管部816と、を有する。
なお、先端部814に設けられた撮像部が、例えば、図3を参照して説明した第1撮像部11aや第2撮像部11bに相当し得る。即ち、内視鏡装置800を、実施形態に係る医療用立体観察装置として構成する場合には、例えば、先端部814に設けられた撮像部を、視点ごと(例えば、左目及び右眼それぞれの視点ごと)に設ければよい。そして、図3及び図4に示すように、視点ごとに設けられた撮像部に対して供給される各種制御信号を切り替える切替え部(例えば、同期信号切替え部13や制御信号切替え部33)を、当該撮像部ごとに設ければよい。このような構成により、複数の撮像部のうち、一部の撮像部に対して制御信号を供給する伝送路(例えば、ユニバーサルコード813内の伝送路や、可撓管部816内の伝送路)が破損等により切断された場合においても、他の撮像部に供給される制御信号を代替として、当該一部の撮像部に供給することが可能となる。
以上、本実施形態の第2の適用例として、図14を参照して、本実施形態に係る医療用立体観察装置を所謂軟性内視鏡装置に適用した場合の一例について説明した。
なお、上述した第1及び第2の適用例は、あくまで本実施形態に係る医療用立体観察装置の位置適用例に過ぎず、当該医療用立体観察装置の適用先を限定するものではないことは言うまでもない。
<<7.ハードウェア構成>>
次に、図15を参照しながら、前述した手術用ビデオ顕微鏡装置や画像処理装置のような、本実施形態に係る医療用立体観察装置を構成する情報処理装置900のハードウェア構成について、詳細に説明する。図15は、本開示の一実施形態に係る医療用立体観察システムを構成する情報処理装置900のハードウェア構成の一構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る医療用立体観察システムを構成する情報処理装置900は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置900は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。なお、図3を参照して前述した、第1信号処理部21a、第2信号処理部21b、同期信号生成部23、及び合成処理部25は、例えば、CPU901により実現され得る。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。また、外部バス911には、インターフェース913を介して、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923及び通信装置925が接続される。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー及びペダル等、ユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置や、プリンタ装置等がある。出力装置917は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ等を格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア又はBlu−ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF:CompactFlash)、フラッシュメモリ又はSDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。
通信装置925は、例えば、通信網(ネットワーク)931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
以上、本開示の実施形態に係る医療用立体観察システムを構成する情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。なお、図15では図示しないが、医療用立体観察システムを構成する情報処理装置900(即ち、手術用ビデオ顕微鏡装置や画像処理装置)に対応する各種の構成を当然備える。
なお、上述のような本実施形態に係る医療用立体観察システムを構成する情報処理装置900の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。また、当該コンピュータプログラムを実行させるコンピュータの数は特に限定されない。例えば、当該コンピュータプログラムを、複数のコンピュータ(例えば、複数のサーバ等)が互いに連携して実行してもよい。
<<8.むすび>>
以上、説明したように、医療用立体観察装置は、第1撮像部に関連付けられた第1の信号と、第2撮像部に関連付けられた第2の信号とを、互いに異なる伝送路を介して取得する。そして、医療用立体観察装置は、例えば、第1の信号を伝送するための伝送路の状態に応じて、所定の制御に利用するための信号を、当該第1の信号と当該第2の信号との間で切替える。このような構成により、例えば、複数の撮像部それぞれに接続された伝送路のうち一部が切断されるような状況下においても、当該撮像部により撮像された画像の観察を継続させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1の撮像部に関連付けられた第1の信号と、第2の撮像部に関連付けられた第2の信号とを、互いに異なる伝送路を介して取得する取得部と、
前記第1の信号を伝送するための前記伝送路の状態に応じて、所定の制御に利用するための信号を、前記第1の信号と前記第2の信号との間で切替える切替え部と、
を備える、医療用立体観察装置。
(2)
前記取得部は、前記第1の信号を前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部それぞれの動作を制御する外部装置から取得し、前記第2の信号を前記第2の撮像部から取得する、前記(1)に記載の医療用立体観察装置。
(3)
前記第1の信号は、前記第1の撮像部の動作を制御するための第1の制御信号であり、
前記第2の信号は、前記第2の撮像部の動作を制御するための第2の制御信号である、
前記(2)に記載の医療用立体観察装置。
(4)
前記第1の制御信号は、前記第1の撮像部の動作のタイミングを制御するための同期信号であり、
前記第2の制御信号は、前記第2の撮像部の動作のタイミングを制御するための同期信号であり、
前記切替え部は、前記第1の制御信号を伝送するための前記伝送路の状態に応じて、前記第1の撮像部に供給する同期信号を、前記第1の制御信号と前記第2の制御信号との間で切替える、
前記(3)に記載の医療用立体観察装置。
(5)
前記取得部は、前記第1の信号を前記第1の撮像部から取得し、前記第2の信号を前記第2の撮像部から取得する、前記(1)に記載の医療用立体観察装置。
(6)
前記第2の信号は、前記第2の撮像部から出力される情報と、前記第1の撮像部から出力される情報のうち少なくとも一部とを含む、前記(5)に記載の医療用立体観察装置。
(7)
前記切替え部は、前記第1の信号及び前記第2の信号の供給状態に応じて、前記切替えを一時的に停止する、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医療用立体観察装置。
(8)
前記第1の信号を伝送するための第1の伝送路と、前記第2の信号を伝送するための第2の伝送路と、のそれぞれの状態の検知結果を外部装置に通知する通知部を備える、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の医療用立体観察装置。
(9)
前記第1の信号と前記第2の信号との間の位相差を調整するための調整部を備える、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の医療用立体観察装置。
(10)
前記第1の信号を伝送するための前記伝送路は、湾曲可能に構成されている、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の医療用立体観察装置。
(11)
前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部を支持する支持部を備え、
前記前記第1の信号を伝送するための前記伝送路の少なくとも一部は、前記支持部により支持される、
前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の医療用立体観察装置。
(12)
第1の撮像部に関連付けられた第1の信号と、第2の撮像部に関連付けられた第2の信号とを、互いに異なる伝送路を介して取得することと、
プロセッサが、前記第1の信号を伝送するための前記伝送路の状態に応じて、所定の制御に利用するための信号を、前記第1の信号と前記第2の信号との間で切替えることと、
を含む、医療用立体観察方法。
(13)
コンピュータに、
第1の撮像部に関連付けられた第1の信号と、第2の撮像部に関連付けられた第2の信号とを、互いに異なる伝送路を介して取得することと、
前記第1の信号を伝送するための前記伝送路の状態に応じて、所定の制御に利用するための信号を、前記第1の信号と前記第2の信号との間で切替えることと、
を実行させる、プログラム。
(14)
第1の撮像部及び第2の撮像部を含む撮像ユニットと、
前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部により撮像された画像に対して画像処理を施す画像処理装置と、
前記撮像ユニットと前記画像処理装置との間を接続する伝送ケーブルと、
前記第1の撮像部に関連付けられた第1の信号を、前記伝送ケーブルに沿って設けられた第1の伝送路を介して取得し、前記第2の撮像部に関連付けられた第2の信号を、前記第1の伝送路とは異なる第2の伝送路を介して取得する取得部と、
前記第1の伝送路の状態に応じて、所定の制御に利用するための信号を、前記第1の信号と前記第2の信号との間で切替える切替え部と、
を備える、医療用立体観察システム。
(15)
前記撮像ユニットを支持する支持部を備え、
前記伝送ケーブルのうち少なくとも一部は、前記支持部によって支持される、
前記(14)に記載の医療用立体観察システム。
(16)
細長形状をなし被検体内に挿入される挿入部を含む内視鏡部を備え、
前記撮像ユニットは、前記挿入部の先端に保持されており、
前記伝送ケーブルのうち少なくとも一部は、前記挿入部に沿って設けられている、
前記(14)に記載の医療用立体観察システム。