JP2017173055A - 光音響セル及び光音響測定装置 - Google Patents

光音響セル及び光音響測定装置 Download PDF

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【課題】低い共鳴周波数を持つ光音響セルを安価かつ簡便に作製し、音波の検出感度を向上する。【解決手段】開口部111と開口部の対面に光透過窓113を備える断面積一定のパイプ115と、パイプの一端に設けられたマイクロホン117とを有し、パイプの外側面に開口部を塞ぐようにして設置された試料110に光透過窓を通して照射された光によって誘起された音波をマイクロホンによって検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、光音響セル及び光音響測定装置に関する。
近年の環境問題の高まりから、人の健康を損なう恐れのある化学物質の利用や排出を制限する規制が設けられており、製品に含まれる有害な化学物質を同定、検出する必要がある。特に、これらの化学物質を非破壊で検出する手法が望まれている。赤外吸収分光法は試料を非破壊で検査できる手法であり、試料を構成する分子の構造や官能基に応じてその分子固有のスペクトルパターンを示すことから、試料の成分分析や異物の検査など様々な分野に応用されている。特に、全反射型フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR:Attenuated Total Reflection - Infrared Spectroscopy)は、実効光路長が数μm程度と短く、吸収が大きい物質でも測定可能なため、一般的に用いられている手法である。しかし、実効光路長が短いため、感度が低いという課題があった。また、全反射プリズムに対して試料を隙間なく設置する必要があるため、試料形状によっては測定が困難となる場合があった。
赤外吸光度を測定する別の手法として光音響分光法(PAS:Photoacoustic Spectroscopy)が知られている。PASでは、試料に変調された光が入射されたとき、光吸収に応じて、変調周波数と同じ周波数の音波が発生する現象を利用する。試料に吸収された光は、試料内で熱に変換され、その熱が試料近傍の媒質(例えば空気)に伝わることで音波となる。音波で吸光度を検出するため、吸収が大きく不透明な試料でも測定できる、試料表面での散乱光が吸光度に与える影響を回避できる、といった利点がある。さらに、PASの実効光路長は変調周波数に依存しており、変調周波数を調節することでATR−FTIRよりも深い吸光度情報を得られる。
固体試料で光音響効果により発生した音波は、マイクロホンで検出する方法が一般的だが、良好な感度で音波を検出するには、試料からマイクロホンまで音波が伝わる空間の体積を小さくする必要がある。例えば、高感度に音波を検出可能な光音響セルの構造として、複数の部材を張り合わせて、マイクロホンと試料室を導波路により連通させ、試料室を試料の形状に合わせることで、セル体積を低下させた例が知られている(特許文献1)。
また、ライトガイドの一端に形成された試料室からマイクロホンに接続されるL字型のパイプの長さを調節することにより、特定の周波数の音波が共鳴する現象を利用して、高感度に検出する例が知られている(特許文献2)。
特開2009−204424号公報 特開平4−357440号公報
光音響信号を良好な感度で測定するためには、マイクロホンで検出される音波の強度を高める必要があり、そのためには試料からマイクロホンまでの密閉された空間の体積をできる限り小さくする必要がある。
特許文献1は、複数の部材を張り合わせて導波路を形成し、試料形状に合わせた試料室とマイクロホンを連通させた光音響セルを開示するが、試料室の分だけ空間の体積が増加し、音波の検出感度は制限される。また、試料形状に合わせた試料室構造を作製する場合、例えば赤外領域で透明な材料は部材のコストが高い、加工が難しいため加工費が高い、といった点から試料毎に光音響セル構造を変更することが難しいという課題がある。
特許文献2は、ライトガイドの一端に試料室を設けた光音響セルを開示するが、試料の大きさがライトガイドの大きさによって制限されてしまうという課題がある。また、開放型の試料室とした場合でも試料室の体積が残るため、音波を検出する感度は低下してしまう。さらに、例えば赤外光を使用する場合には、幅広い波長に対して透過率が高いライトガイドは非常に高価なうえ、取扱いが難しいという課題がある。また、試料室内に設置できないほど大きいがライトガイドの断面積よりも小さい断面をもつ試料、例えば紐状の試料や細板試料の場合には試料室が密閉できず、低感度となるため、試料を切断する必要があり、破壊検査となっていた。
本発明による光音響セルは、開口部と開口部の対面に光透過窓を備える断面積一定のパイプと、パイプの一端に設けられたマイクロホンとを有し、パイプの外側面に開口部を塞ぐようにして設置された試料に光透過窓を通して照射された光によって誘起された音波をマイクロホンによって検出する。
本発明の一態様による光音響測定装置は、光源と、上記光音響セルと、光音響セルの光透過窓に入射される光源の光を所定の周波数で変調する変調部と、マイクロホンで検出された信号から変調部による変調周波数と同じ周波数の信号成分を取り出す検出部と、を有する。
また、本発明の他の態様による光音響測定装置は、白色光を発生する光源と、それぞれ異なる波長の光を選択的に透過させる複数のフィルタと、複数のフィルタを切り替える波長切替機構と、エチレン重合体からなる試料保持部を有し試料とパイプの外側面の間に試料保持部を介在させて開口部を密閉する本発明の光音響セルと、波長切替機構によって選択されたフィルタを通り光音響セルの光透過窓に入射される光源の光を所定の周波数で変調する変調部と、マイクロホンで検出された信号から変調部による変調周波数と同じ周波数の信号成分を取り出す検出部と、を有する。
本発明によると、試料を光音響セルの外部に設置する構造としたことで、低い共鳴周波数を持つ光音響セルが安価かつ簡便に作製でき、音波の検出感度が向上する。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の光音響セルの実施例を示す模式図。 本発明の光音響セルの別の実施例を示す模式図。 本発明の光音響測定装置の実施例を示す模式図。 試料保持部を用いた光音響セルの実施例を示す模式図。 ポリエチレンの赤外吸収スペクトルを示す図。 試料保持部の実施例を示す模式図。 試料保持部を設置する開口部形状の実施例を示す模式図。 白色光を利用した光音響測定装置の実施例を示す模式図。 白色光を利用する光音響セルの実施例を示す模式図。 光音響セルの周波数特性を示す図。 開口部の密閉性を確認する手段を有する光音響セルの実施例の模式図。 光音響分光法で臭素系難燃剤を測定した例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
本実施例では、高感度に光音響信号を測定可能な光音響セルの例を説明する。
図1は本実施例の光音響セルの構成例を示し、(A)は光音響セルの断面模式図、(B)は光入射側から見た光音響セルの模式図である。光音響セル100は、試料110を設置するための開口部111、光を入射するための光透過窓113、音波を導くパイプ115、音波を検出するマイクロホン117を有する。なお、本明細書では、試料からマイクロホンまでの音波を導く密閉された空間を指してパイプと称する。試料110は開口部111を塞ぐようにして光音響セル100のパイプ115の外側面に設置される。光透過窓113は、そこを透過してパイプ115内に入射した光が開口部111に露出している試料110に照射されるように、開口部111の対面に配置される。このとき、開口部111の厚みTは、開口部形成時の厚みであり、できるだけ薄いことが好ましく、0.5mmから5mmの範囲であることが望ましい。開口部111と光透過窓113は、断面積が一定のパイプ115の一端に設けられ、パイプ115の他端にはマイクロホン117が設けられている。このとき、パイプ115の「断面積が一定」とは、パイプの断面積の誤差が30%以下であることとする。これは、後述するが、音波の共鳴周波数が変化してしまうことを防ぐためである。光透過窓113を通して試料110に照射された光によって誘起された音波は、パイプ115内を伝搬し、マイクロホン117によって検出される。パイプ115は、例えばエンドミルを用いて部材の表面に溝を形成し、その溝を他の部材で塞いで形成した溝パイプとすることができる。
光音響セル100に用いられる材質は、使用する光の波長に対して吸収が少ない材質が望ましい。試料110からの反射光や散乱光が光音響セル100の材質内部で吸収されると、光音響効果により音波が発生し雑音となるためである。照射光として赤外光を用いる場合には、赤外光に対して吸収が極めて少ない金属であるステンレスや金、銅などが好ましいが、樹脂やゴムを使用してもよい。光音響セル100を別の材質で作製し、パイプ115内部を金や銅など赤外光の吸収が少ない材料でコートしてもよい。光音響セル100に設けられる光透過窓113の材質にも、同様に照射光の波長で吸収が少なく、試料110に照射される光量が多くなるように透過率が高い材質が望ましい。赤外光の場合には、例えばCaF2,MgF2,KBr,ZnSe,Ge,ポリエチレンなどが窓材として好ましい。
光透過窓113を透過した光は、開口部111を塞ぐようしてパイプ115の外側面に設置された試料110に入射する。このとき、入射する光は強度が変調された光となっている。試料110から光音響効果により音波が発生し、その音波はパイプ115を通ってマイクロホン117で検出される。検出された音波の強度から、試料110の吸光度を検知することができる。光音響セル100を用いてマイクロホン117で検出される音波の信号値は、光音響セル100のパイプ115内の媒質(例えば空気)の体積(セル体積)に反比例し、音波の周波数の1.5乗に反比例する。したがって、高感度に音波を検出するためには、セル体積を小さくし、検出する音波の周波数(変調周波数)を低くすることが重要となる。ただし、変調周波数が著しく小さい場合、周辺環境の音響ノイズの影響が大きくなるため、検出感度は低下する。変調周波数は100Hz〜10kHzが好ましく、500Hz〜2kHzがより望ましい。
光音響セルが特定の周波数の音波と共鳴する現象を利用することで、マイクロホン117で検出される音波は更に大きくなり高感度となる。音波の共鳴周波数は、断面積が一定のパイプ115の長さに依存して変化し、パイプ115が長くなると、共鳴周波数は小さくなる。例えば、パイプ115の長さを170mmとすると、パイプ115内の空気が1気圧で室温の場合、共鳴周波数は1kHz程度となる。一方、パイプ115を長くすると、セル体積が増加することから、パイプ115の断面積はできるだけ小さくすることで高感度となる。したがって、高感度な光音響セル100の作製には、パイプ115の長さに対する断面直径の比(アスペクト比)が非常に大きい加工が必要となる。上記の1kHzの共鳴周波数を持つパイプ構造の場合、パイプ115の直径を1mmとしたセル構造は、アスペクト比が170の穴加工が必要となった。このような非常に大きいアスペクト比の穴加工には、コストや時間が非常にかかるため、パイプ115を複数のパイプを接続したセル構造としてもよい。
図2は2本のパイプ115a,115bにより構成される光音響セル100の構成例を示し、(A)は光音響セルの断面模式図、(B)は光入射側から見た光音響セルの模式図である。図2に示した光音響セルの例では、試料からマイクロホンまでの音波が伝わる空間を溝パイプ115aと穴パイプ115bの2本のパイプをL字状、例えば垂直に接続した構造としている。マイクロホン117は、穴パイプ115bの端部に密着させる。溝パイプ115aは、例えばエンドミルを使用して、部材の表面に形成される。溝パイプ115aは一部又は全部を光透過窓113で密閉する。溝パイプ115aの一部のみを光透過窓113で密閉する場合には、残りの部分を光音響セル100と同一の部材で密閉することが望ましいが、吸収が少ない別の材質でもよい。一方、穴パイプ115bは、溝パイプ115aの一端に垂直となるように、例えばドリルで加工される。なお、2本のパイプ115は垂直に接続されることが望ましいが、垂直と異なる角度や直線状に接続してもよい。また、2本以上のパイプを接続し、パイプ115を形成してもよい。
マイクロホンは穴パイプ115b側に設けることが望ましい。パイプ115とマイクロホン117が十分に密着されていない場合、隙間から音波がもれてしまい、感度が低下するためである。溝パイプ115aは、異なる部材で密閉して形成されるため、端面に段差が生じてしまう。マイクロホン117を十分に密着させるためには、溝パイプ115a形成後に端面を研磨する必要があるが、光透過窓113とセル材質を同時に研磨する加工は手間がかかる。一方、穴パイプ115bの端面は、通常滑らかな平面上に穴加工が可能なため、マイクロホンを穴パイプ115bの端面に密着させることが容易となる。
2本のパイプ115を接続する構造では、溝パイプ115aと穴パイプ115bの断面積が同等となるようにする。ここで、「断面積が同等」とは、溝パイプ115aと穴パイプ115bの断面積の誤差が30%以下であることとする。パイプ断面積が大きく異なる場合、共鳴周波数が大きい周波数へとずれてしまうため、感度が低下してしまう。溝パイプ115aと穴パイプ115bの断面形状は異なっていてもよく、多角形状、円形、楕円形、半円形などでも構わない。また、溝パイプ115aと穴パイプ115bの長さを等しくする必要はなく、異なる長さとしてもよい。
本実施例の光音響セル100は、溝パイプ115aの一端に開口部111と光透過窓113を設け、試料110を光音響セル100の外部に設置する構造とすることで、セル体積を減少させることができたため、高感度になる効果がある。さらに、試料110を光音響セル100の外部に設置する構造としたことで、試料の形状や大きさに依存しないで、一定の感度で測定できる効果がある。また、パイプ115を溝パイプ115aと穴パイプ115bに分けることで、加工が容易となるため、高アスペクト比のパイプ115が実現でき、低い共鳴周波数を持つ光音響セル100が作製可能となり、信号強度が増加するため感度も増加する。さらに、垂直に2本のパイプ115a,115bが接続される構造とすることで、試料110で散乱された光がマイクロホン117へ直接入射し、ノイズ源となることを防止するという効果もある。このノイズ低減効果を十分に発揮させるためには、穴パイプ115bの長さが溝パイプ115aの長さに比べて極端に短いセル構造(例えば穴パイプ115bの長さが溝パイプの長さの10分の1以下)は避けることが望ましい。
なお、一つの部材から溝パイプ115aと穴パイプ115bを形成する必要はなく、複数の部材に加工された穴又は溝を接合することで形成してもよい。例えば、一つの部材に穴パイプ115bの一部を形成し、溝パイプ115aと垂直に接続されるように加工し、穴パイプ115bの残りの長さを別の部材に加工し、各部材を接合することで密閉し、光音響セル100を形成してもよい。また、Oリング等で複数の部材を密閉する構造としてもよい。
光音響セル100を使用する際には、図1や図2に示した光音響セル100の向きに制限されず、横向きや上下逆さまにして使用することもできる。2本のパイプ115a,115bの接続方向にも制限はなく、異なる方向に接続したセル構造としてもよい。例えば、巨大な試料や重量が大きく動かすことが困難な試料を測定する場合には、光音響セル100の方を移動させて試料110に対して密着させることで光音響信号を測定できる。
[実施例2]
本実施例では、本発明の光音響セルを用いた測定装置全体の例を説明する。
図3は、レーザ光源を使用した光音響測定装置の実施例を示す模式図である。例として実施例1の図2に示した光音響セルを用い、図2と同一の符号を付した部分については詳細な説明を省略する。
光源200には、例えば炭酸ガスレーザを使用する。光源200から出た光は、ミラー121で反射されて光音響セル100の光透過窓113に入射される。光源200から発せられる光の強度は、変調部122からの変調信号により変調される。本実施例では変調部122としてファンクションジェネレータを用いた。レーザ光が試料110に入射して光音響効果により音波が発生し、その音波はパイプ115a,115b中を伝搬して光音響セル100のマイクロホン117で検出される。マイクロホン117で検出された音波の信号は、プリアンプ127で増幅された後、検出部123に入力される。検出部123はマイクロホンで検出された信号から変調部122による変調周波数と同じ周波数の信号成分を取り出す機能を有するものであり、本実施例ではロックインアンプを用いた。検出部123には変調部122から光変調信号と同じ周波数の参照信号が入力されており、マイクロホン117で検出された音波の信号から変調周波数と同じ周波数の信号成分のみが取り出される。検出された信号値は、制御部125で演算され、結果が表示される。
光源200には、光源に変調信号を入力して直接変調可能なパルスレーザが好ましいが、連続発振するCWレーザを使用してもよい。その場合には、光源200の外部で変調する機構を用いる。変調機構には、例えばオプティカルチョッパや、干渉計を利用した変調機構を用いてもよい。ミラー121の反射面は、赤外光の波長に対して反射率が高いことが望ましく、例えば金、銀、アルミニウムでコートされていることが好ましい。
光音響効果により得られる音波の強度は、試料に入射する光量に比例するため、レーザ光源を使用することで、検出感度が向上する。さらに、波長可変レーザを使用し、複数の波長で吸光度を測定することで、高感度となる。また、レーザ光学系では白色光に比べて部品点数が減り、装置が小型化できる。
[実施例3]
本実施例では、本発明の光音響セルに試料を設置する際に、試料の開口部への密閉性を向上させる例を説明する。
図4は、試料保持部を用いた光音響セルの実施例を示す模式図である。例として実施例1の図2に示した光音響セルを用い、図2と同一の符号を付した部分については詳細な説明を省略する。
試料110が十分大きく、平らな面を持っている場合には、光音響セル100の開口部111に試料110を密着させることでパイプ115が密閉され、高感度な音波の測定が可能となる。しかし、粗い表面を持つ試料や、開口部111の面積に比べて大きさが小さい試料、例えば細い線状の試料や細かい粒子状の試料などの場合、試料110だけでは開口部111を密閉できず、開口部111と試料110の間に隙間ができてしまう。すると、光音響効果により発生した音波の一部がセル外へ逃げてしまい、マイクロホン117で検出される音波の信号強度が低下してしまう。したがって、本実施例では、試料110とパイプの外側面の間に試料保持部300を介在させて開口部111を密閉することで、高感度に光音響信号を検出する。
試料保持部300は、入射する光の波長で吸収を持たない材質が適している。これは試料保持部300に光が入射した際に光音響効果によって音波が発生しノイズ源となることを回避するためである。また、試料保持部300は試料110や開口部111に密着するように設置される必要があるため、柔軟性を持つ材質が望ましい。光音響セル100の光透過窓113に使用する材質は、赤外領域において吸収が少ないが、硬くて割れやすいため、試料110と共に開口部111を密閉することが困難であるうえ価格が高く、試料保持部の材質には適さない。本実施例では、赤外吸収が少なく柔軟性がある物質としてエチレン重合体(ポリエチレン)を使用して試料保持部300を構成する。
図5は、ポリエチレンの赤外吸収スペクトルを示す図である。ポリエチレンには、C−C及び−CHの振動に起因するピークが2,900cm-1付近、1,460cm-1付近、720cm-1付近に存在する。有機物試料の分析の場合には、C−C,−CHの振動に起因する吸収ピークは有機物に共通するピークであるため、その吸収ピークによっては有機物の同定や定性が困難である。したがって、有機物試料の分析の際には、光源から発せられる光の波長のうちC−C,−CHの吸収ピーク以外の波長を利用して分析することが多く、その場合にはポリエチレンは吸収の少ない物質となる。
試料保持部300の材質に含まれるエチレン重合体の割合は重量で99%以上とすることが望ましい。検出する試料に含まれる検出対象物質の検出感度が1%程度であるため、試料保持部300の材質に含まれる不純物成分を1%以下とすることで、誤検出を避けるためである。さらに、エチレン重合体は重合度や密度により柔軟性を変化させることができるため、試料110の形状や柔軟性に合わせた試料保持部300が作成可能となり、試料設置時に開口部111を密閉しやすくなる。開口部111を密閉するためには、流動性の高い液体状となるエチレン重合体の重合度は避ける必要がある。したがって、エチレン重合体の重合度は30以上が好ましい。また、エチレン重合体は射出成形による加工も可能であるため、試料形状に合わせた試料保持部300を作製できるという利点もある。
試料保持部300は、光音響セル100の開口部111に密着し、試料110とも密着して設置されるが、高感度にマイクロホン117で音波が検出されるためには、試料保持部300のみによって開口部111が密閉され、試料110がパイプ内の空気に直接触れていない状況となることを避ける必要がある。すなわち、少なくとも試料110の一部がセル内に露出し、そこに光が直接照射される必要がある。これは、試料110で吸収された熱が試料近傍の媒質によって効率よく音波に変換される必要があるためである。
図6は、試料形状に合わせた試料保持部の実施例を示す模式図である。(A)は、開口部よりも寸法が大きい試料に適用する試料保持部の例を示している。試料保持部300の中央に穴を設け、穴の縁を試料に合わせた形状とすることで試料110と試料保持部300を隙間無く密着させる。そして、開口部111の縁部に相当するパイプの外側面に試料保持部300の平坦な外周部を密着させることで、試料110と試料保持部300によって開口部111を密閉している。試料110が柔らかい場合には、開口部111に直接密着させた場合に試料110に測定痕が残る場合があるが、柔軟性の高いポリエチレン製の試料保持部300を介在させて開口部111の外側面に設置することで、試料110への損傷を避ける効果がある。(B)は、そのままの状態では光音響セルの開口部を密閉することが困難な細い紐状の試料に適用する試料保持部の例を示している。この例では、試料110の太さに合わせた穴を試料保持部300に設け、この穴に試料110を設置した試料保持部300の平坦な外周部を開口部111の縁部に密着させて開口部111を密閉する。(C)は、測定面に凹凸がある試料110に適用する試料保持部の例を示している。試料110とパイプの外側面の間に介在させる試料保持部300の厚さを試料110の凹凸よりも厚く、柔軟性が高い形状とする。試料110の測定面の形状に合わせて試料110と接触する試料保持部の形状が変化し、試料と試料保持部の間を隙間無く埋める。開口部111の縁部に相当するパイプの外側面に試料保持部300の平坦な外周部を密着させることで、試料110の測定面をセル内の空気に露出させた状態で開口部111を密閉することが可能になる。試料保持部300には、低密度ポリエチレンのほか、発泡ポリエチレンを使用することで、試料保持部300の試料110への密着性が向上する。
(D)は、開口部よりも寸法が小さい試料に適用する試料保持部の例を示している。試料110を試料保持部300に挟み込み、試料保持部300の平坦な外周部を開口部111の縁部に相当するパイプの外側面に密着させることで、試料110をパイプ内の空気に露出させた状態で開口部111を密閉することが可能になる。(E)は、開口部よりも寸法が小さい試料に適用する試料保持部の他の例を示している。この例では、ポリエチレンメッシュ310を用いる。試料110と開口部111の間にポリエチレンメッシュ310を設置することで、光音響セル100内に試料110が落下することを防止できる。
なお、試料保持部300は、上記の複数の構造例を積層したり、組み合わせたりしてもよい。例えば、高密度ポリエチレンと発泡ポリエチレンを貼り合わせ、共通の開口を持つような試料保持部300の構造とする。例えば開口部の縁部に相当するパイプの外側面に直接密着する側の部材は硬い高密度ポリエチレンとし、試料110と密着する側の部材は発泡ポリエチレンとする。このような構造とすることで試料110と開口部111の両方に対して密着性が向上し、開口部の密閉度を増して感度の向上を図ることができる。このように光音響セルの開口部を試料と試料保持部を用いて密閉することで、試料形状によらずに開口部を密閉可能となり、高感度かつ安定に光音響信号を測定することができる。
図7は、試料保持部300を設置しやすくするための光音響セル100及び開口部111の例を示す模式図である。(A)は光音響セルの開口部付近を模式的に示した斜視概略図、(B)は開口部に試料を設置する方法を説明する断面模式図である。光音響セル100には開閉自在な装置カバー174が備えられており、装置カバー174の裏面に試料110を開口部111に対して押し付ける押え部材172が設けられている。装置カバー174は、例えば光音響セル本体にヒンジによって回動可能に取り付けられる。開口部111の外側には試料保持部300の外形と同じ大きさのガイド171が設けられており、試料保持部300はガイド171に沿って設置される。ガイド171と開口部111の間にはOリング170が設けられており、設置誤差を小さくし、試料保持部300と開口部111の密着性低下を防止する。Oリング170は試料保持部300側に設けてもよい。
光音響セル100の開口部111に試料110と試料保持部300を設置後、(B)に矢印で示すように装置カバー174を閉じる。装置カバー174には、開口部111への試料保持部300の密着性を向上させるための押え部材172があり、装置カバー174を閉じた際に押え部材172が試料110と試料保持部300を光音響セル100表面に押し付けることで、非常に軽い試料でも密閉性が向上する。押え部材172の材質は試料110に測定痕を残さないよう柔軟性がある材質がよく、例えば樹脂やゴムが好ましい。また、装置カバー174と押え部材172の間にバネのような伸縮性がある材料を配置してもよい。
[実施例4]
本実施例では、光源として白色光源を用いた光音響測定装置の例を説明する。
図8は、本実施例の光音響測定装置の構成例を示す模式図である。上記実施例で説明した図2、図3及び図4と同一の符号を付した部分については詳細な説明を省略する。
光源400には、幅広い発光波長をもつ白色光源を使用する。試料110に入射する光は、波長選択手段としてバンドパスフィルタ401により波長選択的に透過される。複数のバンドパスフィルタ401を波長切替機構402によって切り替えることによって、異なる波長の光を試料110へ入射させることができる。波長切替機構402によって選択されたバンドパスフィルタ401を透過した光は、集光ミラー403で反射及び集光され、集光ミラー403の結像位置付近に設置された変調用ミラー404へ入射される。変調用ミラー404には、変調部122から変調信号が入力され、変調周波数でミラー面が可動することで、入射した光の光路が切り替えられる。ミラー121によって反射され、光音響セル100の光透過窓113に入射される光の強度は、変調用ミラー404の光路が切り替えられることによって変調される。
白色光を発生する光源400としては高輝度な赤外光源が望ましく、例えばハロゲンランプ、セラミックヒータやタングステンやカンタル線などのフィラメント光源、炭化ケイ素発熱体が好ましい。幅広い発光波長をもつLEDを使用してもよい。発光波長は、波長3μmから12μmの範囲に含まれる波長を使用することが望ましい。これは、物質の同定に有用な波長がこの波長帯に含まれているためである。
バンドパスフィルタ401は透過波長や透過波長帯域を制御可能であるため望ましいが、回折格子や干渉計を利用して波長を選択してもよい。変調用ミラー404には、ミラー面が一定の周波数で可動し、反射光路を切り替えられるミラーが適しており、例えばガルバノミラーやレゾナントスキャナ、ポリゴンスキャナがある。
有機物試料の定性分析の際には、試料に含まれる特徴的な吸収ピーク波長を利用して判定するため、幅広い波長領域のスペクトルを測定する必要はない。特定の有機物試料を対象として検査や分析を行う場合には、分析対象の試料に特徴的な吸収ピーク波長のみを透過するバンドパスフィルタ401を用いて吸光度を測定することで、分析が可能となる。このとき、前述したようにC−C,−CHの振動に起因して2,900cm-1付近、1,460cm-1付近、720cm-1付近に発生する吸収ピークは有機物に共通するピークであるため、バンドパスフィルタ401はこれらの波長を遮断し、かつ分析対象の試料に特徴的な吸収ピーク波長を透過させるものが用いられる。
複数の波長を利用して測定することで、検出対象物質以外の吸光度の影響を低減することができ、検出精度が向上する。波長切替機構402には、バンドパスフィルタ401の切り替え時に高い精度が不要なため、マイケルソン干渉計を利用した分光機構と比べて、装置が簡素となる利点がある。バンドパスフィルタ401を変更することで、異なる物質の分析が可能になる。また、光源に複数の波長の赤外光を発するレーザ光源(例えば、量子カスケードレーザ)を使用する場合に比べて、安価となる。
図9は白色光を利用する光音響セルの例を示す模式図であり、(A)は光音響セルの断面模式図、(B)は光入射側から見た光音響セルの模式図である。白色光を利用する際には、集光効率が低く、照射スポット径が大きくなるため、開口部111bの面積を広げている。広げた開口部111bの形状に制限はなく多角形や円形であってもよい。開口部111bを広げることで、試料110に照射される光量が増えるため、光音響信号強度が増加し、高感度になるという利点がある。また、開口部111bを広げることで、音波の共鳴周波数が低周波数側へずれる。
図10は、開口部の大きさを変えた光音響セルに対し、マイクロホンで検出される音圧の周波数特性を有限要素法で計算した結果を示す図である。開口部を幅1mmの長方形から直径5mmの円形に広げたことで共鳴周波数が1.6kHzから1.2kHzへ減少した。共鳴周波数が低下するため、マイクロホン117で検出される光音響信号強度は増加し、さらに高感度となる。
[実施例5]
本実施例では、試料と試料保持部により開口部が密閉されていることを確認する手段を備える光音響セルの例を説明する。
図11は、本実施例の光音響セルの構成例を示す模式図である。実施例4で説明した図8と同一の符号を付された部分については詳細な説明を省略する。
開口部111に対して、試料110及び試料保持部300による密閉が不十分で、隙間ができてしまった場合、光音響効果により試料110から発生した音波がその隙間から外部へ逃げてしまい感度が下がる。さらに、外部の音響ノイズが光音響セル100内に混入しマイクロホン117で検出されてしまうため、やはり感度は低下する。本実施例では試料設置後に開口部111が十分に密閉されていることを確認するため、光音響セル100の外部で、パイプから離して、開口部111の近傍にスピーカ500を設置する。スピーカ500は、例えば装置カバー174に取り付けることができる。スピーカ500からは特定の周波数及び強度で音波を発生させる。音波の周波数は、光の変調周波数と同じであることが好ましいが、異なる周波数を用いてもよい。また、複数の周波数で音波を発生させ、それを測定してもよい。
マイクロホン117で検出される信号で、スピーカ500で発生した音波と同じ周波数の音波の強度を測定し、この音波の強度から開口部111の密閉度、すなわち開口部111に隙間があるか否かを検知する。ある一定以上の強度の音波がマイクロホン117で検出された場合には、開口部111の密閉が不十分と判定する。その際には、開口部111への試料110及び試料保持部300の設置をやり直す。再度、密閉度を確認し、マイクロホン117で検出される音波の強度が閾値以下となるまで設置を繰り返す。このスピーカ500を用いることで、試料設置方法の再現性が向上するため、光音響信号の強度の再現性も向上し、設置方法に由来する検出誤差を低減することができる。
[測定例]
実施例に示した光音響セル及び光音響測定装置を用いてポリスチレン(PS:Polystyrene)樹脂内の臭素系難燃剤を測定した。本実施例は、RoHS(Restriction of hazardous substances)法で規制対象となっている臭素系難燃剤の1種であるデカブロモジフェニルエーテル(DBDE:Deca brominated diphenyl ether)が、ポリスチレン樹脂中に含まれているか否かを検査することを想定した測定例である。
ポリスチレン中にわずかに含まれるDBDEの検出には、DBDEにのみ特徴的な赤外吸収ピーク波長(10.3μm)の吸光度の違いを利用した。光源には、炭酸ガスレーザ(発振波長10.3μm)を使用し、変調周波数は1.1kHzとした。このときの光量は23mWであった。光音響セルは、SUS304の部材に溝パイプ115a(長さが60mm)、穴パイプ115b(長さが40mm)を加工し、断面積はどちらも0.785mm2とした。開口部111は直径5mmの円形とした。透過窓113には厚さ1mmのCaF2板を使用した。試料には、PS中に任意の量のDBDEを混練し、射出成形により板状とした試料を用意した。得られた試料を用いてイオンクロマトグラフにより臭素含有率を測定し、PS中のDBDE重量含有率を推定した。その結果、PS中にDBDEの含有率が重量で1%と2%の試料を得た。
図12は、DBDEが含まれていないPS試料を含めて3種類の試料について、光音響信号を測定した結果を示す図である。PSのみの試料からの光音響信号に比べて、1重量%、2重量%のDBDEが含まれている試料からの光音響信号は、DBDEの吸光度の分だけ信号強度が増加している。PS中のDBDE濃度は、1重量%以下の含有率のDBDEが検出できることがわかる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100 光音響セル
110 試料
111 開口部
113 光透過窓
115 パイプ
115a 溝パイプ
115b 穴パイプ
117 マイクロホン
122 変調部
123 検出部
125 制御部
172 押え部材
174 装置カバー
200 光源
300 試料保持部
400 光源
401 バンドパスフィルタ
402 波長切替機構
404 変調用ミラー
500 スピーカ

Claims (10)

  1. 開口部と前記開口部の対面に光透過窓を備える断面積一定のパイプと、
    前記パイプの一端に設けられたマイクロホンとを有し、
    前記パイプの外側面に前記開口部を塞ぐようにして設置された試料に前記光透過窓を通して照射された光によって誘起された音波を前記マイクロホンによって検出する、光音響セル。
  2. 前記パイプが、前記開口部及び前記光透過窓を備える第1のパイプと、前記マイクロホンが設けられた第2のパイプとから構成され、前記第1のパイプと前記第2のパイプの断面積が同等である、請求項1記載の光音響セル。
  3. 前記第1のパイプと前記第2のパイプがL字状に接続されている、請求項2記載の光音響セル。
  4. エチレン重合体からなる試料保持部を有し、試料と前記パイプの外側面の間に前記試料保持部を介在させて前記開口部を密閉する、請求項1記載の光音響セル。
  5. 開閉自在の装置カバーを備え、前記装置カバーは裏面に、試料を前記開口に押し付ける押え部材を有する、請求項4記載の光音響セル。
  6. 前記パイプから離して設置されたスピーカを有し、前記スピーカが発する音波の強度を前記マイクロホンで検出して前記開口部の密閉度を検知する、請求項1記載の光音響セル。
  7. 光源と、
    請求項1記載の光音響セルと、
    前記光音響セルの前記光透過窓に入射される前記光源の光を所定の周波数で変調する変調部と、
    前記マイクロホンで検出された信号から前記変調部による変調周波数と同じ周波数の信号成分を取り出す検出部と、
    を有する光音響測定装置。
  8. 白色光を発生する光源と、
    それぞれ異なる波長の光を選択的に透過させる複数のフィルタと、
    前記複数のフィルタを切り替える波長切替機構と、
    請求項4の光音響セルと、
    前記波長切替機構によって選択されたフィルタを通り前記光音響セルの前記光透過窓に入射される前記光源の光を所定の周波数で変調する変調部と、
    前記マイクロホンで検出された信号から前記変調部による変調周波数と同じ周波数の信号成分を取り出す検出部と、
    を有する光音響測定装置。
  9. 前記光源の発光波長は3μmから12μmの範囲を含む、請求項8記載の光音響測定装置。
  10. 前記フィルタはエチレン重合体による吸収ピークの波長を遮断する、請求項8記載の光音響測定装置。
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WO2023281967A1 (ja) * 2021-07-07 2023-01-12 株式会社日立ハイテク 光音響物性計測装置および計測方法

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