本発明の一実施形態にかかる搬送装置は、搬送路と、搬送路に沿って走行する搬送台車と、搬送台車の動作を制御する制御装置と、を備える。搬送台車は、搬送物を保持する保持装置と、保持装置を昇降させる昇降装置と、を有する。保持装置は、複数の保持部と、各保持部に接続されるカムフォロアと、複数の保持部を相互に接近及び離間する方向に案内する案内部と、カムフォロアを案内するカム溝が形成され、第1回転方向及び第1回転方向とは逆の第2回転方向に向けて回転することにより複数の保持部を案内部に沿って移動させるカムと、カムを第1回転方向及び第2回転方向に向けて回転させる駆動部と、カムが第1回転方向及び第2回転方向に向けて変位した変位量を検出するカム位置検出部と、を有する。制御装置は、カム位置検出部からの検出信号に基づいて駆動部の動作を制御する(第1の構成)。
上記構成によれば、保持装置は、カムによって複数の保持部を移動させる構造を有している。カムを用いることにより、複数の保持部を同期させて移動させることが容易であり、かつ、保持装置の上下の厚みを抑えることができる。このため、搬送台車に設けられる保持装置の構造を簡素化することができ、搬送台車の大型化を抑制することができる。
上記第1の構成において、搬送台車は、搬送路に沿って走行するための走行駆動部を有する搬送台車本体と、複数の搬送物を保持する複数の保持装置と、複数の保持装置を支持するとともに、複数の保持装置の間隔を搬送路に沿った方向に変更する支持装置と、を有してもよい(第2の構成)。
上記構成によれば、保持装置の構造を簡素化し、軽量化しているため、搬送台車に複数の保持装置を設けることができる。
上記第1又は第2の構成において、搬送台車の走行方向に沿った方向を前後方向とし、搬送台車の走行方向に直交する方向を左右方向として、複数の保持部は、前後方向に対向する第1保持部及び第2保持部と、左右方向に対向する第3保持部及び第4保持部と、を有してもよい(第3の構成)。
上記構成によれば、第1保持部及び第2保持部は搬送台車の走行方向に沿って配置され、第3保持部及び第4保持部は搬送台車の走行方向と直交する方向に配置される。このため、搬送物に対する保持部の位置調整を容易に行うことができる。
上記第1から第3のいずれかの構成において、保持装置は、駆動部が固定される第1部材と、第1部材の上方又は下方に配置され、案内部が固定される第2部材と、を有し、カムは、第1部材と第2部材の間に配置されるようにしてもよい(第4の構成)。
上記構成によれば、保持装置を構成する部材を少なくすることができ、保持装置の構造を簡素化することができる。
上記第1から第4のいずれかの構成において、保持装置は、駆動部及び案内部が固定される第3部材と、を有し、カムは、第3部材の上方又は下方に配置されるようにしてもよい(第5の構成)。
上記構成によれば、保持装置を構成する部材を少なくすることができ、保持装置の構造を簡素化することができる。
上記第1から第5のいずれかの構成において、保持装置は、保持部の下部に配置され、搬送物と接触した場合に、検出信号を出力する接触検出部を有し、制御装置は、昇降装置を作動させて保持部を下降させている場合において、接触検出部から検出信号が入力された場合、昇降装置による下降動作を停止させるようにしてもよい(第6の構成)。
上記構成によれば、保持部が接触することによって搬送物を損傷することを防止できる。
上記第1から第6のいずれかの構成において、保持装置は、保持部が搬送物を保持可能な位置まで下降した場合、検出信号を出力する保持位置検出部を有し、制御装置は、昇降装置を作動させて保持部を下降させている場合において、保持位置検出部から検出信号が入力された場合、昇降装置による下降動作を停止させるようにしてもよい(第7の構成)。
上記構成によれば、搬送物を保持可能な位置まで保持部を下降させることができる。
上記第1から第7のいずれかの構成において、保持装置は、保持部が搬送物を保持する保持位置にある場合に、検出信号を出力する搬送物検出部を有し、制御装置は、搬送物検出部からの検出信号が入力された場合に、昇降装置による上昇動作を開始させるようにしてもよい(第8の構成)。
上記構成によれば、搬送物を保持していない状態で保持装置が上昇することを防止できる。
上記第1から第8のいずれかの構成において、搬送物は中空部を有する物体であっても良く、保持部は、前記中空部の内側から当該物体を保持するようにしてもよい(第9の構成)。
上記構成によれば、搬送物を中空部の内側から保持し、変形させずに搬送することができる。また、搬送物の外側を保持する構成と比較して、保持部の占有面積を小さくすることができる。ただし、保持部の構成は、中空部の内側から搬送部を保持する態様に限らず、搬送部を外側から保持する態様であっても良い。また、搬送物の外形は任意である。さらに、搬送物を保持できる限りにおいて、中空部は必須ではなく、当業者であれば、搬送物を保持部が確実に保持するための態様を任意に構成することができる。
[実施形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る搬送装置を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[全体構成]
まず、搬送装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置100の側面図である。図3は、搬送台車Tの一部を拡大した側面図である。図4は、図3のA―A線で切断した、搬送台車Tの断面図である。図5は、図3のB―B線で切断した、搬送台車Tの断面図である。以下の図では、矢印Fは搬送装置100の前方を示し、矢印Bは搬送装置100の後方を示す。矢印Rは搬送装置100の右方向を示し、矢印Lは搬送装置100の左方向を示す。矢印Uは搬送装置100の上方向を示し、矢印Dは搬送装置100の下方を示す。矢印FWは、搬送台車Tの走行方向である。搬送台車Tは前方Fに向けて走行する。
本実施形態では、中空部を有するワークを搬送物Mとして、これを中空部の内側から保持して搬送する搬送装置100について説明する。なお、以下の実施形態では、搬送物Mの中空部の平面形状が円形である場合を例示するが、中空部の平面形状は円形に限定されない。搬送物Mの外形の平面形状は、本実施形態で説明するような円形でも良いし、多角形でも良く、任意の形状をとり得る。また、搬送物Mを保持する態様は、以下に開示する中空部の内側からの保持に限定されない。たとえば、搬送物Mを外側から保持する態様であっても良い。保持部が搬送物Mを保持する位置は任意である。さらに、搬送物Mは、中空部を有する物体に限定されず、保持部が搬送物を直接または間接的に把持できる限りにおいて、任意の形状をとり得る。
図1に示すように、本実施形態に係る搬送装置100は、搬送路RL、及び搬送台車Tを備える天井搬送装置である。搬送路RLは、例えば工場の天井にループ状に敷設される。搬送台車Tは、搬送路RLに沿って走行する。搬送台車Tは、搬送路RLに沿って矢印FWの方向に走行し、搬送物の載荷又は脱荷のために指定された複数のステーションST(図2参照)で停止する。各ステーションSTの下方には、例えば、図示しない移載装置や、処理装置が配置されている。移載装置や処理装置は、搬送装置100に含まれない。
搬送台車Tは、搬送台車本体10、昇降装置20(20A、20B)、保持装置30(30A、30B)、及び支持装置40(40A、40B)を備えている。
搬送台車本体10は、走行駆動装置(オートラクタ)12A、キャリア12B、及びロードバー12Cを有している。走行駆動装置12Aは、走行駆動部17を有している。走行駆動装置12Aは、搬送路RLに支持されている。走行駆動装置12Aは、搬送台車Tを搬送路RLに沿って矢印FWの方向(前方)に走行させる。
キャリア12Bは、搬送路RLに支持されている。走行駆動装置12A及びキャリア12Bは、ロードバー12Cで連結されている。走行駆動装置12Aとロードバー12Cは、連結軸18Aで連結されており、ロードバー12Cは、走行駆動装置12Aに対して水平方向に揺動自在である。キャリア12Bとロードバー12Cは、連結軸18Bで連結されており、ロードバー12Cは、キャリア12Bに対して水平方向に揺動自在である。このため、走行駆動装置12A及びキャリア12Bは、相互に水平方向に揺動自在である。
第1支持装置40Aは、走行駆動装置12Aに連結されている。第1支持装置40Aは、第1間隔変更機構44A、第1間隔変更駆動部45A、及び第1サブキャリア47Aを有している。第1間隔変更機構44Aは、第1固定部41A、及び第1移動部42Aを有している。第1固定部41Aは、走行駆動装置12Aに対して、連結軸18Aで連結されている。第1固定部41Aは、走行駆動装置12Aに対して水平方向に揺動自在に連結されている。
第1移動部42Aは、第1固定部41Aに対して前後方向に移動可能に設けられている。第1移動部42Aには、第1昇降装置20A及び第1保持装置30Aが取り付けられている。図1の状態では、第1移動部42Aは、第1固定部41Aに対して最も後方に移動した状態である。第1移動部42Aは、第1固定部41Aに対して前方にも移動可能である。第1間隔変更駆動部45Aは、第1移動部42Aを第1固定部41Aに対して移動させる。
第1サブキャリア47Aは、支脚48を介して第1移動部42Aに接続される。第1サブキャリア47Aは、搬送路RLに沿って走行し、搬送路RLに第1移動部42Aを支持させる。
第2支持装置40Bは、キャリア12Bに連結されている。第2支持装置40Bは、第2間隔変更機構44B、第2間隔変更駆動部45B、及び第2サブキャリア47Bを有している。第2間隔変更機構44Bは、第2固定部41B、及び第2移動部42Bを有している。第2固定部41Bは、キャリア12Bに対して、連結軸18Bで連結されている。第2固定部41Bは、キャリア12Bに対して水平方向に揺動自在に連結されている。
第2移動部42Bは、第2固定部41Bに対して前後方向に移動可能に設けられるとともに、第2昇降装置20B及び第2保持装置30Bが取り付けられる。図1の状態では、第2移動部42Bは、第2固定部41Bに対して最も前方に移動した状態である。第2移動部42Bは、第2固定部41Bに対して後方にも移動可能である。第2間隔変更駆動部45Bは、第2移動部42Bを第2固定部41Bに対して移動させる。
第2サブキャリア47Bは、支脚48を介して第2移動部42Bに接続される。第2サブキャリア47Bは、搬送路RLに沿って走行し、搬送路RLに第2移動部42Bを支持させる。
第1昇降装置20Aは、第1支持装置40Aの第1移動部42Aに取り付けられる。第1保持装置30Aは、第1昇降装置20Aに取り付けられる。第1保持装置30Aは、第1昇降装置20Aにより昇降される。
第2昇降装置20Bは、第2支持装置40Bの第2移動部42Bに取り付けられる。第2保持装置30Bは、第2昇降装置20Bに取り付けられる。第2保持装置30Bは、第2昇降装置20Bにより昇降される。
図2は、搬送装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、搬送装置100は、上位コントローラ90、運行制御装置91、通信部92、及び搬送台車Tを備えている。通信部92は、各ステーションST(ST1、ST2、ST3・・・STN)に対応して複数設けられている。
上位コントローラ90は、搬送指令を運行制御装置91へ出力する。搬送指令は、例えば、搬送物Mを積荷及び脱荷するステーションSTの指示である。運行制御装置91は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づいて搬送台車Tの動作を制御する。制御の対象となる動作は、例えば、搬送台車Tの積荷、脱荷、走行及び停止等である。通信部92は、搬送台車Tとの間で通信を行うように構成されている。
運行制御装置91は、間隔制御部95を有している。間隔制御部95は、搬送台車Tの複数の保持装置30(30A、30B)の間隔を変更する制御を行う。
搬送台車Tは、通信部11、走行駆動装置12A、昇降装置20、保持装置30、及び支持装置40を備えている。
通信部11は、ステーションSTの通信部92と通信する。通信部11が通信するステーションSTの通信部92は、搬送台車Tが停止するステーションSTの通信部92、及び搬送台車Tが通過するステーションSTの通信部92である。運行制御装置91と搬送台車Tは、通信部11及び通信部92を介して通信する。
走行駆動装置12Aは、搬送台車Tを搬送路RLに沿って走行させる。走行駆動装置12Aの動作は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、運行制御装置91によって制御される。
昇降装置20(20A、20B)は、保持装置30(30A、30B)を昇降させる。昇降装置20の動作は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、運行制御装置91によって制御される。
支持装置40(40A、40B)は、複数の保持装置30(30A、30B)を支持するとともに、複数の保持装置30(30A、30B)の間隔を搬送路RLに沿った方向に変更する。支持装置40の動作は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、間隔制御部95によって制御される。
次に、図3及び図4を用いて、搬送台車Tの構成についてより詳細に説明する。図3では、第2支持装置40B、第2昇降装置20B、及び第2保持装置30Bの記載を省略している。第2支持装置40B、第2昇降装置20B、及び第2保持装置30Bの構成は、それぞれ第1支持装置40A、第1昇降装置20A、及び第1保持装置30Aの構成と略同様である。このため、第1支持装置40A、第1昇降装置20A、及び第1保持装置30Aの構成について説明を行い、第2支持装置40B、第2昇降装置20B、及び第2保持装置30Bの構成については詳しい説明を省略する。
図3に示すように、搬送台車Tは、走行駆動装置(オートラクタ)12A、及びキャリア12Bを有している。走行駆動装置12A及びキャリア12Bは、ロードバー12Cで連結されている。走行駆動装置12Aは、搬送台車Tを搬送路RLに沿って矢印FWの方向(前方)に走行させる。
走行駆動装置12Aは、走行フレーム13A、走行ローラ14A、上部ガイドローラ15、下部ガイドローラ16、及び走行駆動部17を有している。走行ローラ14Aは、走行駆動部17によって駆動される駆動輪である。走行ローラ14Aは、走行フレーム13Aに対して水平方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。走行ローラ14Aは、減速機を介して走行駆動部17に接続されている。走行駆動部17は、電動モータである。上部ガイドローラ15、及び下部ガイドローラ16は、走行フレーム13Aに対して上下方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。走行駆動装置12Aは、走行フレーム13Aに設けられている走行ローラ14A、上部ガイドローラ15、及び下部ガイドローラ16によって搬送路RLに支持されている。
図4に示すように、搬送路RLには、給電線8が配置されている。給電線8は、搬送路RLに沿って配置されている。給電線8は、高周波電源(図示省略)から高周波電流が供給されている。走行駆動装置12Aは、集電装置9を備えており、給電線8を流れる高周波電流に基づく電磁誘導を利用して非接触で電力を受電する。受電した電力は、走行駆動装置12A、昇降装置20、保持装置30、及び支持装置40を作動させるために用いられる。尚、本実施形態では、給電方式として非接触式を採用しているが、通常型集電子を用いた接触式であってもよい。
図3に戻って、キャリア12Bは、走行フレーム13B、走行ローラ14B、上部ガイドローラ15、下部ガイドローラ16を有している。走行ローラ14Bは従動ローラである。走行ローラ14Bは、走行フレーム13Bに対して水平方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。上部ガイドローラ15、及び下部ガイドローラ16は、走行フレーム13Bに対して上下方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。キャリア12Bは、走行フレーム13Bに設けられている走行ローラ14B、上部ガイドローラ15、下部ガイドローラ16によって搬送路RLに支持されている。
第1支持装置40Aは、走行駆動装置12Aに連結されている。第1支持装置40Aは、第1間隔変更機構44A、第1間隔変更駆動部45A、及び第1サブキャリア47Aを有している。第1間隔変更機構44Aは、第1固定部41A、及び第1移動部42Aを有している。
第1移動部42Aは、第1固定部41Aに対して前後方向に移動可能に設けられる。具体的には、第1固定部41Aと第1移動部42Aとは、直線レール43A及びブロック43Bを介して取り付けられている。図3及び図4に示すように、直線レール43Aの側部には、前後方向に延びる溝部43Cが形成されている。ブロック43Bには、前後方向に延びる突条43Dが形成されている。直線レール43Aの溝部43Cにブロック43Bの突条43Dが嵌ることにより、直線レール43Aに対してブロック43Bは、前後方向に移動自在である。直線レール43Aが第1固定部41Aに固定され、ブロック43Bが第1移動部42Aに固定されていることにより、第1移動部42Aは、第1固定部41Aに対して移動可能である。
図3及び図4に示すように、第1間隔変更機構44A(第1固定部41A及び第1移動部42A)に隣接して、第1間隔変更駆動部45Aが設けられている。具体的には、第1固定部41A及び第1移動部42Aの前部の左側方に、第1間隔変更駆動部45Aが設けられている。図3に示すように、第1間隔変更駆動部45Aには、減速機を介して駆動プーリ46Aが取り付けられている。図3及び図4に示すように、第1固定部41A及び第1移動部42Aの後部の左側方には、従動プーリ46Bが図示しない支持体に回転自在に支持されている。駆動プーリ46A及び従動プーリ46Bには、ベルト46Cが掛け回されている。図3に示すように、ベルト46Cには、連結体46Dを介してブロック43Bが取り付けられている。このため、図3において、駆動プーリ46Aが反時計回りに回転すると、ベルト46Cとともにブロック43Bが前方に移動し、これに伴って第1移動部42Aが前方に移動する。また、第1移動部42Aが前方に移動した状態から、駆動プーリ46Aが時計回りに回転すると、ベルト46Cとともにブロック43Bが後方に移動し、これに伴って第1移動部42Aが後方に移動する。第1間隔変更駆動部45A及び図示しない第2間隔変更駆動部45Bをこのように作動させることにより、第1保持装置30A及び、第2保持装置30Bの間隔を搬送路RLに沿った方向に変更することができる。ブロック43Bの位置は、図示しないセンサによって検出される。第1間隔変更駆動部45Aの動作は、上位コントローラ90からの搬送指令、及びセンサからの検出信号に基づき、間隔制御部95によって制御される。
図3に示すように、第1サブキャリア47Aは、支脚48を介して第1移動部42Aに接続される。第1サブキャリア47Aは、搬送路RLに沿って走行し、搬送路RLに第1移動部42Aを支持させる。
第1サブキャリア47Aは、走行フレーム13C、走行ローラ14C、上部ガイドローラ15、下部ガイドローラ16を有している。走行ローラ14Bは従動ローラである。走行ローラ14Bは、走行フレーム13Cに対して水平方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。上部ガイドローラ15、及び下部ガイドローラ16は、走行フレーム13Cに対して上下方向に伸びる軸回りに回転自在に設けられている。第1サブキャリア47Aは、走行フレーム13Bに設けられている走行ローラ14B、上部ガイドローラ15、下部ガイドローラ16によって搬送路RLに支持されている。
図5に示すように、支脚48は、軸48Bを介して走行フレーム13Cに取り付けられている。支脚48は、開口部48Aを有する。開口部48Aは、第1固定部41A、第1間隔変更駆動部45A、ケーブルベヤ(登録商標)7が挿通可能な大きさを有している。このため、図3に示すように、支脚48が第1固定部41A、第1間隔変更駆動部45A、ケーブルベヤ7に干渉せず、第1移動部42Aの前端部が第1固定部41Aの前端部と上下方向に重なる位置まで、第1移動部42Aを移動させることができる。尚、ケーブルベヤ7には、集電装置9で受電した電力を昇降装置20及び保持装置30に供給するための電線が収容されている。
図3及び図4に示すように、第1昇降装置20Aは、第1移動部42Aに取り付けられている。第1昇降装置20Aは、第1保持装置30Aを昇降させる。第1昇降装置20Aは、ドラム22、及び昇降駆動部24を有する。
図4に示すように、ドラム22は、搬送台車Tの左右に一対設けられている。ドラム22は、減速機を介して昇降駆動部24に接続されている。各ドラム22には、2本のベルトBLのそれぞれの一端部が固定されている。各ベルトBLの他端部は、第1保持装置30Aに固定されている。図3においてドラム22が時計回りに回転すると、ドラム22に巻き取られているベルトBLが繰り出され、第1保持装置30Aが下降する。ドラム22が反時計回りに回転すると、ドラム22にベルトBLが巻き取られ、第1保持装置30Aが上昇する。昇降装置20の動作は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、運行制御装置91によって制御される。
図3に示すように、第1保持装置30Aは、第1昇降装置20Aに連結されている。第1保持装置30Aは、保持装置本体110、及び保持部140を有している。保持装置本体110の上部には、第1昇降装置20AのベルトBLが固定されている。保持部140は、保持装置本体110の下部に設けられている。保持部140の位置は、変更可能である。第1保持装置30Aの動作は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、運行制御装置91によって制御される。
[保持装置]
次に、保持装置30について詳細に説明する。以下では、第1保持装置30Aの構成について説明する。第2保持装置30Bの構成は、第1保持装置30Aの構成と略同様であるため、第2保持装置30Bの構成については詳しい説明を省略する。
図6は、保持装置の側面図である。図7は、図6のC―C線で切断した、保持装置の断面図である。図8は、図6のD―D線で切断した、保持装置の断面図である。本実施形態の保持装置30は、搬送物Mを中空部の内側から保持して搬送するように構成されている。このように、搬送物Mを中空部の内側から保持して搬送することにより、搬送物Mの外形を変形させることなく搬送させることができる。また、搬送物を外側から保持する構成と比較して、保持装置の占有面積を小さくすることができるという利点もある。
保持装置30は、保持装置本体110、及び保持部140を有している。保持装置本体110は、第1部材111、第2部材112、及びカム120を有している。第1部材111は、板状の部材であり、平面視では円形である。第1部材111の上部には、カム120を駆動する保持駆動部102が配置されている。保持駆動部102は減速機103に連結されている。第1部材111の上部には第1ケース110Aが設けられている。第1ケース110Aの内部には、保持駆動部102及び減速機103が収容されている。第1ケース110Aには、第1昇降装置20AのベルトBLが固定されている。
第1部材111の下方には、第2部材112が配置されている。第1部材111は、板状の部材であり、平面視では円形である。第1部材111及び第2部材112は、略同径である。第1部材111及び第2部材112は、周方向に間隔をおいて配置された連結部材114で相互に固定されている。
第2部材112の下部には、案内部150が配置されている(図8参照)。案内部150は、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dを案内する。案内部150は直線ガイドである。第1保持部140A及び第2保持部140Bは、案内部150によって前後方向に案内される。また、第3保持部140C及び第4保持部140Dは、案内部150によって左右方向に案内される。
第1部材111及び第2部材112の間には、カム120が配置される。カム120は、板カムであり、平面視では円形である。カム120には、カム溝124が形成される。カム120は、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dを駆動して案内部150に沿って移動させる。
カム120は、減速機103を介して保持駆動部102に接続されている。保持駆動部102により、カム120は、第1回転方向R1及び第1回転方向R1とは逆の第2回転方向R2に向けて回転する(図7参照)。カム120は、第1回転方向R1及び第2回転方向R2に向けて回転することにより、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dを案内部150に沿って移動させる。第1部材111、第2部材112及びカム120は、第2ケース110Bに収容されている。
保持部140は、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dを有している。第1保持部140A及び第2保持部140Bは、搬送台車Tの走行方向に沿った前後方向に対向して配置されている。第3保持部140C及び第4保持部140Dは、搬送台車Tの走行方向に直交する左右向に対向して配置されている。図6では第4保持部140Dは見えないが、第4保持部140Dは、第3保持部140Cに対して紙面奥側に配置されている。
第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dは、それぞれ保持部主体141、保持腕142、保持板143、カムフォロア支持部144、ブロック145、及びカムフォロア121を有している。以下では、第1保持部140Aの構成について説明し、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dについては、第1保持部140Aと共通する部分の説明は省略する。
保持部主体141には、保持腕142、カムフォロア支持部144、及び、ブロック145が取り付けられている。保持腕142の下部には、保持板143が取り付けられている。保持板143は、搬送物Mを中空部の内側から支持するよう、保持腕142に対して斜めに取り付けられている。
カムフォロア支持部144は、第2部材112に形成された開口部112Aを貫通して、第2部材112の上方に突出している。カムフォロア支持部144の上部には、カムフォロア121が取り付けられている。カムフォロア121は、カム120に形成されるカム溝124に組み合わされる。
ブロック145は、案内部150である直線ガイドに対して移動可能に取り付けられる。ブロック145が案内部150に対して移動することにより、第1保持部140Aは案内部150に沿って移動する。
図7に示すように、カム120は、第2部材112の上方に配置されている。カム120には、カム溝124が形成されている。カム溝124は、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dに対応して、4本形成されている。カム溝124は、第1保持部140A、第2保持部140B、第3保持部140C、及び第4保持部140Dを同期させるため、カム120の回転中心に対して点対称に形成される。カム溝124の形状は、カムフォロア121をカム120の半径方向に移動させる形状であればよい。例えば、カム溝124をアルキメデスの螺旋状に形成してもよい。カム溝124をアルキメデスの螺旋状に形成すると、カム120の回転角度と、カムフォロア121がカム120の半径方向に移動する移動量とが比例関係になり、保持部140の制御が容易になる。
第2部材112には、カム位置検出部160が設けられている。カム位置検出部160は、カム120が第1回転方向R1及び第2回転方向R2に向けて変位した変位量を検出する。カム120の周縁部には、カム位置検出部160によって検出される検知板126が取り付けられている。カム位置検出部160は、検知板126の位置を検出することによって、カム120の変位量を検出する。カム位置検出部160は、検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、カム位置検出部160からの検出信号に基づいて保持駆動部102の動作を制御する。
図8に示すように、第2部材112の下部には、前後方向及び左右方向に沿って、案内部150が取り付けられている。第2部材112には、案内部150に沿って、開口部112Aが形成されている。各保持部140に設けられたカムフォロア支持部144及びカムフォロア121は、開口部112Aを貫通して、第2部材112の上方に突出している。第2部材112の周縁部には、カム位置検出部160が設けられている。
図6に戻って、保持部140には、接触検出部170、保持位置検出部180、及び搬送物検出部190が設けられている。
接触検出部170は、第1保持部140Aに設けられている。接触検出部170は、搬送物Mと接触した場合に、検出信号を運行制御装置91に出力する。
接触検出部170は、第1センサ171及び接触部172を有している。第1センサ171はリミットスイッチである。第1センサ171は第1保持部140Aの下部に取り付けられている。接触部172は、線材を枠状に折曲して形成されている。接触部172の上部は回転可能に支持されている。搬送物Mを保持するために、保持装置30を下降させた場合において、搬送物Mに対する保持装置30の位置がずれていると、接触部172が搬送物Mに接触する。接触部172が搬送物Mに接触することにより、接触部172は回動して第1センサ171に接触する。この場合に、第1センサ171は、検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、昇降装置20を作動させて保持部140を下降させている場合において、接触検出部170から検出信号が入力されると、昇降装置20による下降動作を停止させる。
保持位置検出部180は、第2保持部140Bに設けられている。保持位置検出部180は、保持部140が搬送物Mを保持可能な位置まで下降した場合、検出信号を運行制御装置91に出力する。
保持位置検出部180は、第2センサ181を有している。第2センサ181は、発光部と受光部を有する光電センサである。第2センサ181は、第1ブラケット183を介して第2保持部140Bに取り付けられている。
第2センサ181は、搬送物Mが正しく保持されたときに、発光部から出射されて搬送物Mの中空部のエッジ部分で反射された光を、受光部で検出するように配置されている。
搬送物Mを保持するために、保持装置30を下降させ、保持部140が搬送物Mを保持可能な位置まで下降した場合、搬送物Mの中空部のエッジ部分が第2センサ181から出射される検出光を、第2センサ181の受光部へ反射する。この場合に、第2センサ181は、受光部が反射光を検出したことを示す検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、昇降装置20を作動させて保持部140を下降させている場合において、保持位置検出部180から検出信号が入力されると、昇降装置20による下降動作を停止させる。
搬送物検出部190は、第1保持部140Aに設けられている。搬送物検出部190は、保持部140が搬送物Mを保持する保持位置にある場合に、検出信号を運行制御装置91に出力する。
搬送物検出部190は、第3センサ191を有している。第3センサ191は、発光部と受光部を有する光電センサである。第3センサ191は、第3ブラケット193を介して第1保持部140Aに取り付けられている。
第3センサ191は、斜め上方に検出光を出射するように配置されている。搬送物Mが正しく保持されている場合に、第3センサ191の発光部から出射された検出光が、搬送物Mの中空部のエッジ部分で反射され、その反射光が第3センサ191の受光部で検出される。
搬送物Mを保持するために、保持装置30を上昇させた場合において、保持部140が正常に搬送物Mを保持している場合は、搬送物Mの中空部のエッジ部分が第3センサ191から出射される検出光を反射し、反射光が第3センサ191の受光部へ入射する。この場合に、第3センサ191は、受光部が反射光を検出した旨の検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、受光部が反射光を検出した旨の検出信号が入力された場合に、昇降装置20による上昇動作を続行する。
一方、搬送物Mを保持するために、保持装置30を上昇させた場合において、保持部140が搬送物Mを保持せずに保持装置30だけが上昇した場合は、搬送物Mの中空部のエッジ部分は、第3センサ191から出射される検出光を受光部へ反射しないので、第1センサ191の受光部には、反射光が入射しない。この場合に、第3センサ191は、反射光が検出されない旨の検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、搬送物検出部190から反射光が検出されない旨の検出信号が入力された場合には、昇降装置20による上昇動作を停止させる。
[動作]
次に、搬送装置100の動作について説明する。図9は、搬送物Mの積荷場所での搬送台車の側面図である。図10は、保持装置30の動作を示す側面図である。図11は、保持装置30の動作を示す側面図である。図12は、保持装置30の動作を示す側面図である。図13は、搬送物Mの積荷場所での搬送台車Tの側面図である。図14は、搬送物Mの脱荷場所での搬送台車Tの側面図である。
本実施形態では、搬送台車Tは、ステーションST1で積荷を行い、ステーションST3で脱荷を行うように指定されているものとする。具体的には、搬送台車Tは、ステーションST1で2個の搬送物Mを積荷し、2個の搬送物MをステーションST1からステーションST3に搬送した後、ステーションST3で2個の搬送物Mを脱荷するように指定されているとする。また、搬送台車Tで搬送する搬送物Mのサイズに関する情報、具体的には、搬送物Mの中空部の直径については、予め運行制御装置91に入力されているものとする。
図9に示すように、積荷場所において、搬送台車Tの第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔(中心間距離)は、2個の搬送物Mの間隔(中心間距離)L1に合わせられる。具体的には、運行制御装置91の間隔制御部95が、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、第1間隔変更駆動部45A、及び第2間隔変更駆動部45Bの動作を制御して、第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔がL1になるようにする。
また、運行制御装置91は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、第1昇降装置20A、第2昇降装置20B、第1保持装置30A、及び第2保持装置30Bの動作を制御して、2個の搬送物Mを積荷する。積荷の動作について具体的に説明する。
図10は、搬送物Mに対して第1保持装置30Aが下降している状態を示している。運行制御装置91は、保持駆動部102の動作を制御してカム120の位置を制御し、保持部140の位置を、搬送物Mの中空部の直径よりも小さくしている。
保持部140が搬送物Mを保持可能な位置まで下降した場合、保持位置検出部180は、検出信号を運行制御装置91に出力する(図11参照)。具体的には、保持部140が搬送物Mを保持可能な位置まで下降すると、搬送物Mの中空部のエッジ部分が第2センサ181から出射される検出光を反射する。第2センサ181の受光部が反射光を検出すると、第2センサ181は、検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、第2センサ181からの検出信号に基づいて、昇降装置20による下降動作を停止させる。
一方、仮に、搬送物Mに対する保持装置30の位置がずれているとすると、接触部172が搬送物Mに接触する。接触部172が搬送物Mに接触すると、第1センサ171は、検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、接触検出部170から検出信号が入力された場合、昇降装置20による下降動作を停止させる。
図11に示すように、保持部140が搬送物Mを保持可能な正常位置まで下降した場合、運行制御装置91は、保持駆動部102の動作を制御してカム120の位置を制御し、保持部140の位置を、搬送物Mの中空部の直径に合わせる。
図12に示すように、搬送物検出部190は、保持部140に搬送物Mの中空部のエッジ部分が保持されているかどうかを検出する。保持装置30を上昇させた場合において、保持部140が正常に搬送物Mを保持している場合は、搬送物Mの中空部のエッジ部分が第3センサ191から出射される検出光を受光部へ反射し、第1センサ191の受光部がこの反射光を検出する。この場合に、第3センサ191は、反射光を検出した旨の検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、反射光を検出した旨の検出信号が入力された場合に、昇降装置20による上昇動作を続行する。
一方、搬送物Mを保持するために、保持装置30を上昇させた場合において、保持部140が搬送物Mを保持せずに保持装置30だけが上昇した場合は、搬送物Mの中空部のエッジ部分は、第3センサ191から出射される検出光を反射しない。検出光が反射されなければ、第1センサ191の受光部では、反射光が検出されない。この場合に、第3センサ191は、反射光が検出されない旨の検出信号を運行制御装置91に出力する。運行制御装置91は、搬送物検出部190から、反射光が検出されない旨の検出信号が入力された場合に、昇降装置20による上昇動作を停止させる。
図13に示すように、搬送物Mの積荷が完了すると、搬送台車Tの停止中において、搬送台車Tの第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔は、最も狭い間隔L0に変更される。具体的には、運行制御装置91の間隔制御部95が、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、第1間隔変更駆動部45A、及び第2間隔変更駆動部45Bの動作を制御して、第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔がL0になるようにする。
搬送台車Tの第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔が最も狭い間隔L0に変更されると、搬送台車Tは、搬送を開始する。具体的には、運行制御装置91が、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、走行駆動装置12Aの動作を制御して、搬送台車TをステーションST1からステーションST3に走行させる。
図14に示すように、搬送台車Tが脱荷場所に到着して停止すると、搬送台車Tの第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔(中心間距離)は、脱荷場所の間隔(中心間距離)L2に合わせられる。具体的には、運行制御装置91の間隔制御部95が、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、第1間隔変更駆動部45A、及び第2間隔変更駆動部45Bの動作を制御して、第1保持装置30Aと第2保持装置30Bとの間隔がL2になるようにする。
また、運行制御装置91は、上位コントローラ90からの搬送指令に基づき、第1昇降装置20A、第2昇降装置20B、第1保持装置30A、及び第2保持装置30Bの動作を制御して、2台の検査装置111、112に対して2個の搬送物Mを脱荷する。
[搬送装置100の効果]
以上説明した本実施形態に係る搬送装置100によれば、保持装置30は、カム120によって複数の保持部140を移動させる構造を有している。カム120を用いることにより、複数の保持部140を同期させて移動させることが容易であり、かつ、保持装置30の上下の厚みを抑えることができる。このため、搬送台車Tに設けられる保持装置30の構造を簡素化することができ、搬送台車Tの大型化を抑制することができる。
搬送装置100によれば、保持装置30の構造を簡素化し、軽量化しているため、搬送台車Tに複数の保持装置30を設けることができる。
搬送装置100によれば、第1保持部140A及び第2保持部140Bは、搬送台車Tの走行方向に沿った前後方向に配置される。また、第3保持部140C及び第4保持部140Dは、搬送台車Tの走行方向と直交する方向に配置される。走行方向に沿って停止位置を調整すればよいため、搬送物Mに対する保持部140の位置調整を容易に行うことができる。
搬送装置100によれば、保持装置30は、第1部材111と、第2部材112と、第1部材111と第2部材112の間に配置されるカム120を有する。保持装置30を構成する部材を少なくすることができ、保持装置30の構造を簡素化することができる。
搬送装置100によれば、保持装置30は、昇降装置20を作動させて保持部140を下降させている場合において、接触検出部170から検出信号が入力された場合、昇降装置20による下降動作を停止させる。このため、保持部140が搬送物Mを損傷することを防止できる。
搬送装置100によれば、昇降装置20を作動させて保持部140を下降させている場合において、保持位置検出部180から検出信号が入力された場合、昇降装置20による下降動作を停止させる。このため、搬送物Mを保持可能な位置まで保持部140を下降させることができる。
搬送装置100によれば、搬送物検出部190からの検出信号が入力された場合に、昇降装置20による上昇動作を開始させる。このため、搬送物Mを保持していない状態で保持装置30が上昇することを防止できる。
[変形例]
本発明に係る搬送装置100は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、保持装置30の第2部材112は、第1部材111の下方に配置される構成としたが、上方に配置してもよい。
図15は、変形例に係る保持装置230の側面図である。図15に示すように、保持装置本体210を第3部材213及びカム220で構成してもよい。第3部材213には、保持駆動部103及び案内部150が固定される。カム220は、第3部材213の下方に配置される。カムフォロア221は、案内部150の下方に設けられる。この場合、保持装置230を構成する部材を少なくすることができ、保持装置230の構造をさらに簡素化することができる。
搬送する搬送物は2個としたが、これに限定されない。3個以上であってもよい。保持装置は2台としたが、これに限定されない。3個以上の搬送物を搬送する場合は、3台以上の保持装置を設けてもよい。
保持駆動部103は、電動モータのほか、ロータリーアクチュエータ等、他の駆動装置を用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。