JP2016540496A - 移植後の肝臓の状態の評価、並びに、特異的な治療法の決定、及び適用のための方法 - Google Patents

移植後の肝臓の状態の評価、並びに、特異的な治療法の決定、及び適用のための方法 Download PDF

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Abstract

方法、及び装置は、移植された肝臓の状態を、移植後の期間、評価することを可能にする。方法は、移植された肝臓が、拒絶反応の対象であるのかどうか、どのような機構によるのかを特定し、それによって、移植された肝臓の拒絶反応を緩和するように、特定の治療法を開発し、実施することに関して、特に有益である。

Description

背景
発明の分野
本発明の開示は、概して、レシピエントにおける移植された肝臓の状態を評価して、移植された肝臓の拒絶反応の有無を決定するための方法に関する。特に、いくつかの実施形態において、方法は、個々の患者の拒絶反応の症状に特異的に基づいて、移植された肝臓の拒絶反応を消失させるように特異的に設計された治療法を作成して実施することに関して、開示される。
関連技術の説明
臓器をドナー部位からレシピエント部位に(第1の対象から第2の対象へ、又は患者自身の身体の第1の部位から第2の部位へのいずれかに)移動させる臓器移植は、何世紀にも亘って医学の分野で実施されてきたが、1900年代の初めに、成功が実証された最初の移植が、定期的に行われるようになった。移植は、レシピエントの損傷された臓器、又は存在しない臓器を置き換えるために実施される。より最近になって、再生医療、及び細胞治療が、細胞を使用して、損傷した組織、又は病変組織を治療することに焦点を当てるようになったが、臓器全体の移植が、未だに一般的である。
世界中で、腎臓が、最も一般的な移植臓器であり、すぐ次に一般的な臓器が肝臓であり、その次が心臓である。角膜、及び骨、及び/又は腱(例えば、筋骨格の移植片)が、最も一般的な移植組織であり、全臓器よりも十倍移植されている。他の移植片は、肺、膵臓、小腸、胸腺、皮膚、心臓弁、及び静脈を含む。移植は、通常、制御可能であるが、未だに、レシピエントによる、移植臓器、又は移植組織の拒絶反応のリスクを引き起こす。拒絶反応の診断は、一般的に、患者の徴候、及び症状などの臨床データ、並びに、組織生検などの検査データの研究を介したものである。
要約
臓器移植における進歩にも関わらず、移植臓器の感染症、及び/又はレシピエントによる臓器の拒絶反応の可能性が残っている。本明細書に記載される、感染症、又は拒絶反応の早期の検出、及び治療により、臓器移植の長期的な成功において改善が促され得る。いくつかの実施形態において、対象の肝臓を治療する方法が与えられ、前記方法は、肝臓からの(胆汁などの)生体試料を入手すること、試料(例えば、胆汁)の検査を指示すること、検査の結果を入手すること、結果を評価して対象の肝臓の状態(例えば、健康及び/又は機能)を決定することを含む。いくつかの実施形態において、検査は、対象の肝臓の状態を、急性拒絶反応からの回復期以外にあるとして特定するように構成される。いくつかの実施形態において、検査は、試料(例えば、胆汁)から成分を単離すること、単離された成分からRNAを遊離すること、遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、並びに、cDNAを、肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成させ、続いて、肝臓の状態マーカーの発現量を検出することを含む。
いくつかの実施形態において、対象の肝臓の状態を決定する方法が与えられ、前記方法は、肝臓から採取された胆汁を入手すること、1つ以上の生体成分を捕捉するように構成
されているフィルター(例えば、1つの膜、又は複数の膜)に胆汁を通すことによって、1つ以上の生体成分(例えば、小胞、エキソソーム、微小胞など)を胆汁から単離すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を検出すること、及び対象の肝臓の状態を特定することを含む。いくつかの実施形態において、検出するステップは、採取された胆汁からRNAを単離するステップ、採取された胆汁からのRNAを、逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成させるステップ、並びに、cDNAを、肝臓の状態マーカーの1つに特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成するステップをさらに含む。
他の実施形態において、肝臓の状態を決定する方法は、肝臓から採取された胆汁を入手すること、1つ以上の生体成分を捕捉するように構成されている膜に胆汁を通すことによって、胆汁から1つ以上の生体成分を単離すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を検出すること、及び対象の肝臓の状態を特定することを含む。いくつかの実施形態において、検出するステップは、採取された胆汁からRNAを単離するステップ、採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて相補DNA(cDNA)を生成するステップ、並びに、前記cDNAを、肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマーと接触させるステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、対象の肝臓の治療を指示する方法が与えられ、前記方法は、対象の肝臓から採取された胆汁を受け取ること、少なくとも1つの肝臓の状態のマーカーの発現を検出すること、対象の肝臓の状態を特定すること、及び対象が、肝臓の特定された状態によって示されているような場合、対象を治療することが適当であることを医師に伝えることを含む。いくつかの実施形態において、発現を検出することは、1つ以上の生体成分を胆汁から単離すること、単離された生体成分からRNAを遊離すること、遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、並びにcDNAを肝臓の状態のマーカーの各々に特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することを含む方法によって実施される。
いくつかの実施形態において、肝臓移植の後に対象の肝臓の状態を特定する方法が与えられ、前記方法は、肝臓から採取された胆汁を入手すること、1つ以上の生体成分を胆汁から単離すること、単離された生体成分からRNAを遊離すること、遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、コンピューター化された方法により検出すること、並びにコンピューターを使用して対象の患者の状態を特定することを含む。いくつかの実施形態において、コンピューター化された方法によって発現を検出することは、cDNAを肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、反応混合物を生成するステップ;反応混合物を熱サイクルにさらすステップを含む。
いくつかの実施形態において、対象の肝臓の状態を特定する方法が与えられ、前記方法は、対象の肝臓から採取された胆汁を入手すること、1つ以上の生体成分を胆汁から単離すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を検出すること、及び対象の肝臓の状態を特定することを含む。いくつかの実施形態において、発現を検出するステップは、単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること;遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、cDNAを肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することを含む方法によって実施される。
いくつかの実施形態において、方法は、肝臓移植後に対象の肝臓から胆汁(又は、別の肝臓関連の生体試料)を採取することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書の方法が実施され、胆汁は、肝臓手術の後に対象の肝臓から採取される。他の実施形態において、胆汁は、肝臓移植、又は肝臓手術の前に採取される。いくつかの実施形態において、本明細書の方法が、健康な肝臓を有する個体から採取された胆汁によって実施される場合がある。他の実施形態において、個体の肝臓は、病的であるか、そうでなければ不健康である場合がある。いくつかの例において、本明細書に記載される方法は、外国で移植された肝臓で実施される場合がある。
いくつかの実施形態において、胆汁から単離された成分は、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上である。他の実施形態において、胆汁から単離された成分は、RNA、又はDNAを含む任意の生体成分である場合がある。
いくつかの実施形態において、胆汁から目的の生体成分を単離することは、胆汁をろ過することを含む。いくつかの実施形態において、胆汁をろ過することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上をフィルター上に捕捉することになる。いくつかの実施形態において、フィルターは、直径が約1.6ミクロン以上である成分を捕捉する材料を含む。いくつかの実施形態において、複数のフィルターを使用して、大きさ(例えば、直径)が特に好ましい範囲内にある小胞を捕捉する。例えば、いくつかの実施形態において、約0.2ミクロンから約0.4ミクロン、約0.4ミクロンから約0.6ミクロン、約0.6ミクロンから約0.8ミクロン、約0.8ミクロンから約1.0ミクロン、約1.0ミクロンから約1.2ミクロン、約1.2から約1.4ミクロン、約1.4ミクロンから約1.6ミクロン(及び、列挙したこれらの間の中で任意の大きさ)を含む、直径が約0.2ミクロンから約1.6ミクロンの直径を有する小胞を捕捉するように、フィルターが使用される。
いくつかの実施形態において、フィルターは、ガラス様材料、非ガラス様材料、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、胆汁を複数のフィルターに通過させ、目的の生体成分を分離する。他の実施形態において、生体成分を単離することは、胆汁を希釈することを含む。他の実施形態において、遠心分離を使用して目的の生体成分を単離する場合がある。いくつかの実施形態において、複数の単離技術が採用される場合がある(例えば、ろ過選別及び/又は密度遠心分離の組み合わせ)。いくつかの実施形態において、胆汁は、単離するステップの後、1つ以上の試料に分けられる。
いくつかの実施形態において、フィルター装置を使用して、目的の生体成分を単離する。いくつかの実施形態において、前記装置は、入口、出口、及び前記入口と前記出口の間の内部容積を有する第1の本体;入口、出口、前記入口と前記出口の間の内部容積、第2の本体の前記内部容積内に位置するフィルター材料を有し、前記第1の本体と流体連絡する前記第2の本体;並びに、入口、前記入口と反対の閉端、及び内部空洞を有する受け容器を含む。いくつかの実施形態において、前記第1の本体、及び前記第2の本体は、前記第2の本体の前記入口と、前記第1の本体の前記出口との相互作用によって可逆的に連結されている。いくつかの実施形態において、前記受け容器の前記内部空洞は、前記第1の本体、及び前記第2の本体の両方を可逆的に包みこむような寸法、かつ、胆汁が、前記第1の本体の前記内部容積から、前記フィルター材料を通り、前記第2の本体の内部空洞を通り、前記第2の本体の前記出口から出た後に、胆汁を受けるような寸法に形成される。いくつかの実施形態において、単離するステップは、少なくとも一部の胆汁をこのような装置に入れること、及び前記装置に力を加えて、胆汁を、装置を通って、前記受け容器へ入らせ、目的の生体成分を捕捉することを含む。いくつかの実施形態において、前記力を加えることは、前記装置の遠心分離を含む。他の実施形態において、前記力を加えることは、前記装置へ陽圧を加えることを含む。他の実施形態において、前記力を加えることは
、前記装置へ真空圧を加えることを含む。
いくつかの実施形態において、目的の生体成分からRNAを遊離することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を溶解バッファーで溶解することを含む。他の実施形態において、遠心分離が採用される場合がある。いくつかの実施形態において、遊離することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞、及び/又は他の目的の成分がフィルター上に固定されている間に、実施される。いくつかの実施形態において、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、微小胞、及び/又は他の目的の成分は、単離され、そうでなければ、他の胆汁の成分から(及び/又は、互いから−例えば、エキソソームから分離される小胞)分離される。
いくつかの実施形態において、選択された肝臓の状態マーカーは、肝臓が健康であることを示す。他の実施形態において、選択された肝臓の状態マーカーは、肝臓が、(例えば、特定の対象の肝臓の事前の評価と比べて、若しくは母集団/認められている臨床的な基準と比べて)不健康である、若しくは病的であること、又は移植された肝臓が、拒絶されていることを示す。例えば、肝臓の状態のあるマーカーは、移植された肝臓が、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期;急性拒絶反応期、若しくは急性感染症期;持続性拒絶反応期、若しくは持続性感染症期;又は、回復期にあることを示す場合がある。
いくつかの実施形態において、マーカーのあるファミリーが、肝臓の状態を示す場合がある。例えば、肝臓の状態は、マクロファージ由来mRNA、IL8、及びケモカインmRNAのうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、細胞障害性T細胞由来mRNA(TNF、FasL、IFNG、GZB)、若しくは白血球特異的mRNA(CD16、DEFA3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、又は急性感染症期として決定される場合がある。別の実施形態において、肝臓の状態は、制御性T細胞由来mRNA、若しくは抗炎症性サイトカインmRNA(IL10、TGFB、CTLA4、PD−1、FOXP3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応、又は急性感染症からの回復期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、Th1由来mRNA(IL2)、Th2由来mRNA(IL4)、若しくはGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期、又は持続性感染症期にあると決定される場合がある。いくつかの実施形態において、本明細書の方法は、これらのマーカーのファミリーの各々からマーカーを選択すること、及び選択されたマーカーの各々の発現を検出して、肝臓の状態を決定することによって実施される。
いくつかの実施形態において、マーカーは、IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4及びGMCSFのみから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、又は急性感染症期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期、又は持続性感染症期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、本明細書の方法は、これらのマーカーのファミリーの各々からマーカーを選択すること、及び選択されたマーカーの各々の発現を検出して、肝臓の状態を決定することによって実施される。いくつ
かの実施形態において、none of
いくつかの実施形態において、方法は、対象が、急性拒絶反応からの回復期にない場合に、対象を治療するのが適当であることを医師に伝えることをさらに含む。いくつかの実施形態において、医師は、IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、若しくはFOXP3を含む、急性拒絶反応、又は急性感染症の回復期のマーカーのどれも検出されないとき、対象を治療するように勧められる。いくつかの実施形態において、IL1B、IL6、又はIL8が検出され、拒絶反応は、臨床的に意義がないと見なされる。いくつかの実施形態において、医師は、拒絶反応が、臨床的に意義がないと見なされるとき、対象を治療しないように勧められる。しかしながら、他の例において、急性拒絶反応、又は急性感染症の回復期のマーカー、及び拒絶反応、又は感染症の別の形態のマーカーの両方が、検出される場合がある。いくつかの実施形態において、これらの結果に基づいて、医師に対象を治療するように勧めることが適当である場合がある。いくつかの実施形態において、IL1B、IL6、又はIL8が検出され、拒絶反応が、臨床的に意義がないと見なされる場合がある。いくつかの実施形態において、対象を、このシナリオに応じて、抗生物質治療を(単独で、又は他の免疫増強(immune-boosting)治療と組み合わせて)適用して治療する。いくつかの実施形態において、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期のマーカー、及び急性拒絶反応、又は急性感染症のマーカーの両方が検出される。他の実施形態において、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期のマーカー、及び持続性拒絶反応、又は持続性感染症のマーカーの両方が検出される。他の実施形態において、急性拒絶反応、又は急性感染症のマーカー、及び持続性拒絶反応、又は持続性感染症のマーカーの両方が、検出される。いくつかの実施形態において、初期の拒絶反応、又は感染症、急性の拒絶反応、又は感染症、及び持続性の拒絶反応、又は感染症のマーカーの全てが検出される。いくつかのこのような実施形態において、患者を治療するべきかどうかと、どう治療するべきかとをさらに決定する、追加の検査が使用される。しかしながら、いくつかの実施形態において、(対照へと任意で標準化された)別のマーカーと比べたときのあるカテゴリーのマーカーの絶対的な変化は、患者を治療するべきかどうか、又はどう治療するべきかの決定を可能にする。例えば、持続性感染症のマーカーの発現の変化(例えば、増加)が、急性感染症のマーカーの発現の変化よりも大きい場合、医療提供者は、対象を持続性感染症に関して治療することが適当であると見なしてもよい。いくつかの実施形態において、複数の試料が、経時的に採取されて、対象が、急性の状態から持続性感染症へ、又は持続性感染症の状態からより健康な状態へと進行しているのかどうかに関して、決定がなされ得る。
いくつかの実施形態において、治療は、移植組織の除去、再移植、免疫抑制療法、抗体に基づいた治療、若しくは抗生物質治療、輸血、又は骨髄移植の群から選択される治療を含む。
いくつかの実施形態において、目的の生体成分から遊離されたRNAは、ポリ(A)+RNAを含む。
いくつかの実施形態において、増幅DNAを生成した後、増幅DNAを、1つの肝臓の状態マーカーの一部に相補的なプローブに接触させる。
いくつかの実施形態において、胆汁の検査、又は特定された肝臓の状態の検査を、肝臓の生検の組織学的評価で確証する。他の実施形態において、胆汁の検査、又は特定された肝臓の状態の検査は、対象における肝臓の状態マーカーの発現を、対照試料における肝臓の状態マーカーの発現と比較することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、コンピューター化された方法を使用して、1つ以上のス
テップを完成させる。いくつかの実施形態において、コンピューター化された方法は、単離されたRNA及び/又は調製されたcDNA、ポリメラーゼ、並びに遺伝子特異的プライマーを含む反応混合物を、熱サイクルにさらすことを含む。いくつかの実施形態において、熱サイクルは、反応混合物がさらされる温度とサイクル数を制御するように構成されたコンピューターによって生成される。他の実施形態において、コンピューターは、反応混合物に対して、時間のみ、又は温度のみを制御し、個人が制御するか、又はさらなる追加の変数が制御する。いくつかの実施形態において、検出するステップからデータを受け取り、肝臓の状態マーカーが、予め決められた増幅の閾値に達するのに必要な熱サイクルの数を検出するプログラムを実行して、肝臓の状態を特定するように構成されたコンピューターを使用する。さらなる別の実施形態において、検査、及び検出の全プロセスを自動化する。
例えば、いくつかの実施形態において、RNAを、完全に自動化された方法、例えば、コンピュータープロセッサ、及び関連のオートメーション化した機械により制御される方法で分離する。一実施形態において、胆汁試料などの生体試料を採取して、試料処理装置が入れられている受け容器に入れる。使用者は、情報をデータ入力レシーバに入れる。このような情報は、試料の同一性、試料の量、及び/又は特異的な患者の特徴に関連する。次に、使用者は、RNA単離プロトコルを実施することができる。このプロトコルでは、コンピューターは、アルゴリズムにアクセスし、関連する機能を実行して、小胞などの生体成分を単離するように胆汁試料を処理し、続いて、小胞を処理してRNAを遊離するように構成されている。さらなる実施形態において、コンピューター実行プログラムは、単離されたRNA量を定量すること、及び/又は評価することができ、および純度(the computer implemented program can quantify the amount of RNA isolated and/or evaluate and purity)。このような実施形態において、量及び/又は純度が、最小閾値を越えれば、自動化された方法でRNAをさらに処理して、相補DNA(cDNA)を生成することができる。次に、例えば、ポリ−A RNAテールにオリゴdT分子を結合させること、及びRNAポリメラーゼを使用して引き続いて伸張させることなどの、確立された方法を使用してcDNnaを生成することができる。
実施形態によっては、cDNAを個々のサブ試料に分けることができ、いくつかのサブ試料を後の分析のために保存し、いくつかのサブ試料をすぐに分析することができる。いくつかの実施形態において、分析は、cDNAを塩系バッファー、DNAポリメラーゼ、及び少なくとも1つの遺伝子特異的プライマーの既知量を混合して、反応混合物を生成することを含む。次に、コンピューターシステムが実行するように構成されている、予め決められた熱サイクルプログラムを使用して、cDNAを増幅することができる。また、この熱サイクルを、所望であれば、手動で制御することもできる。増幅(例えば、リアルタイムPCR)後、コンピューターシステムは、目的の遺伝子(例えば、肝臓に特異的な機能のマーカー)に必要なサイクル数を評価して、発現の特定の閾値を越えることができる。次に、データ分析プロセッサは、この評価を使用して、元の試料に存在する目的の遺伝子の量を計算することができ、異なる親試料、既知の対照、又はそれらの組み合わせのいずれかとの比較によって、目的の遺伝子の発現レベルを計算することができる。データ出力プロセッサは、この情報を、電子的に別の好ましいフォーマットで与えること、検査施設へ与えること、及び/又は直接医療提供者へ与えることが可能である。この決定に基づいて、次に、医療提供者は、移植後の肝臓の状態の評価に基づいて、特定の患者を治療するべきかどうか、どう治療するべきかを決定することができる。
いくつかの実施形態において、対象の肝臓の状態(例えば、機能及び/又は健康のレベル)を決定するための方法を与える。いくつかの実施形態において、状態を、肝臓移植、又は肝臓手術(又は、他の治療)のすぐ後に決定する。例えば、いくつかの実施形態において、肝臓移植の後に対象の肝臓の状態を特定する方法が与えられる。前記方法は、(I
)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を入手すること、(II)前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を単離すること、(III)以下のマーカーの群:(a)IL1B、IL6及びIL8、(b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2、(c)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3、並びに(d)IL2、IL4、及びGMCSFの各々からの少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、(i)前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること、(ii)前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、並びに(iii)前記cDNAを、肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することを含む方法によって検出すること;並びに、(IV)前記対象の前記肝臓の状態を、(a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、(b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、(c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は(d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定することを含む。
いくつかの実施形態において、肝臓移植の後に対象の肝臓の状態を決定する方法が与えられる。前記方法は、前記肝臓から採取された胆汁を入手すること、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、前記胆汁を、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を捕捉するように構成された膜に通すことによって、前記胆汁から単離すること、IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4、及びGMCSFのみから成る群から選択される、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、(i)前記採取された胆汁からRNAを単離すること、(ii)前記採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、並びに(iii)前記cDNAを、IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つに特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することを含む方法で検出すること、並びに、前記対象の前記肝臓の状態を、(a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、(b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、(c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は(d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定することを含む。
さらに、肝臓手術の後に対象の肝臓の状態を決定する方法が与えられる。前記方法は、前記肝臓から採取された胆汁を入手すること、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、前記胆汁を、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を捕捉するように構成された膜に通すことによって、前記胆汁から単離すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、(i)前記採取された胆汁からRNAを単離すること、(ii)前記採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、(iii)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマーと接触させることを含む方法で検出すること、並びに、前記対象の前記肝臓の
状態を、(a)マクロファージ由来mRNA、IL8、及びケモカインmRNAのうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、(b)細胞障害性T細胞由来mRNA(TNFアルファ、FasL、IFNG、GZB)、若しくは白血球特異的mRNA(CD16、DEFA3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、(c)制御性T細胞由来mRNA、若しくは抗炎症性サイトカインmRNA(IL10、TGFB、CTLA4、PD−1、FOXP3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は(d)Th1由来mRNA(IL2)、Th2由来mRNA(IL4)、若しくはGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定することを含む。[0007]いくつかの実施形態において、前記単離することは、前記胆汁をろ過することを含む。いくつかの実施形態において、前記単離することは、前記胆汁を、希釈すること、及びろ過することを含む。いくつかの実施形態において、前記ろ過することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、フィルター上に捕捉する。この形態において、各試料で小胞の濃度が希釈されている場合、胆汁のいくつかの試料を続いて処理することができる。好都合に、このことは、捕捉された膜粒子の濃度を何倍にもすることを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態において、単一の試料が、対象の肝臓の状態の完全な分析を可能にするのに十分な量の膜粒子の捕捉を可能にする。
さらに、いくつかの実施形態において、前記単離することは、少なくとも一部の前記胆汁を装置に入れることであって、前記装置が、入口、出口、及び前記入口と前記出口の間の内部容積を有する第1の本体、入口、出口、前記入口と前記出口の間の内部容積、第2の本体の前記内部容積内に位置するフィルター材料を有し、前記第1の本体と流体連通する、前記第2の本体であって、前記第2の本体の前記入口と前記第1の本体の前記出口の相互作用によって可逆的に連結される、前記第1の本体、及び第2の本体、並びに、入口、入口と反対の閉端、及び内部空洞を有する受け容器であって、前記受け容器の前記内部空洞が、前記第1の本体、及び前記第2の本体の両方を可逆的に包み込むような寸法、かつ、前記胆汁が、前記第1の本体の前記内部容積から、前記フィルター材料を通り、前記第2の本体の内部空洞を通り、前記第2の本体の前記出口から出た後に、前記胆汁を受けるような寸法に形成される、前記受け容器を含むこと;並びに、前記装置を遠心して、前記胆汁を、前記装置を通って、前記受け容器へ入らせ、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を前記フィルター材料上に捕捉することを含む。
いくつかの実施形態において、前記遊離することは、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を溶解することを含む。いくつかの実施形態において、前記溶解することは、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞が、前記フィルター上に捕捉されている間に、実施される。
いくつかの実施形態において、前記RNAは、ポリ(A)+RNAを含む。いくつかの実施形態において、前記生成された増幅DNAを、1つの前記肝臓の状態マーカーの一部に相補的なプローブに接触させる。
任意のステップとして、いくつかの実施形態は、前記特定された肝臓の状態を、前記肝臓の生検の組織学的評価で確証することをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態において、前記方法は、前記方法の結果に応じて、前記患者を治療することを含む。例えば、いくつかの実施形態において、前記対象の肝臓の前記状態が、初期急性拒絶反応の段階、急性反応期、回復期、又は持続性拒絶反応期として、特定されているのかどうかに従って、前記対象を治療する。このように、いくつかの実施形態において、前記対象の肝臓の状態が、適時に正確な方法で決定され得るだけでなく、適切な治療法が準備、及び/又は実施され得る。
上記で要約され、下記でより詳細に説明される方法は、実施者により行われる特定の行動を記載する;しかしながら、前記方法が、別の当事者による前記行動の指示もまた含み得ることが理解されるべきである。このように、「対象が肝臓移植拒絶反応を患っていることを決定した後に、対象に治療を適用すること」などの行動は、「対象が肝臓移植拒絶反応を患っていることを決定した後に、対象への治療の適用を指示すること」を含む。
図1は、エキソソーム(又は、他の膜結合体)を捕捉し、試料中の核酸を処理して遺伝子の発現を評価するように使用される処理フローのスキームを表す。 図2は、本明細書に開示される捕捉装置の一実施形態の断面図である。 図3は、本明細書に開示される第1の中空本体の一実施形態の断面図である。 図4は、本明細書に開示される第2の中空本体の一実施形態の断面図である。 図5は、本明細書に開示される第2の中空本体の別の実施形態の断面図である。 図6は、本明細書に開示される微小胞捕捉システムの断面図である。 図7は、肝臓移植の対象における拒絶反応及び回復の時間軸、並びに、評価された様々な診断パラメーターを表す。 図8A−8Bは、移植拒絶反応を示唆する、免疫細胞の浸潤を示す、肝臓組織切片のヘマトキシリン、及びエオシン染色を表す。 図8A−8Bは、移植拒絶反応を示唆する、免疫細胞の浸潤を示す、肝臓組織切片のヘマトキシリン、及びエオシン染色を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。 図9A−9Qは、移植後の患者からの胆汁試料から単離された、様々な免疫機能のマーカーの遺伝子発現分析を表す。
詳細な説明
アメリカでは、ほぼ120,000の男性、女性、及び小児が臓器移植、又は組織移植を待っており、彼らのうちの一部は、第2の(又は、それ以上の)移植を必要としており、長期的に成功する移植に対する必要性が極めて大きい。移植が最近の数十年間でより一般的になるにつれて、準備と移植後の医療がより高度になり、移植の成功率を高めた。
しかしながら、移植は、未だに、拒絶反応、感染症、元の疾病の再発、薬物中毒などの様々な臨床的問題のリスクを冒す。早期診断、及び鑑別診断が、治療のタイミングと、適切な薬物、又は薬物の配合の選択とに対して非常に重要である。例えば、発熱、白血球増加、CRPの上昇、血清の生化学的パラメーターなどの様々な臨床的パラメーターが、拒絶反応を最初に特定するのに利用できるが、これらは、問題の性質を特定するのに十分に特異的ではない。生検は、確定診断のために頻繁に実施されているが、侵襲性であり、ルーチンには適用できない。このように、より良い診断法、及び治療法への明らかな需要があり、より良い診断法、及び治療法が、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において与えられる。
移植及び拒絶反応
臓器移植、及び組織移植は、医療分野で主流ではないが、移植手術、又は移植後に関連する合併症を制御するための技術が改良されるにつれて、より有力になってきている。移植は、臓器(例えば、全臓器)の移植を含む場合がある。あるいは、移植は、組織、言い換えれば、例えば、筋肉、腱、結合組織、又は皮膚などの臓器の一部の移植を含む場合がある。移植される臓器は、腎臓、心臓、肝臓、肺などを含むが、これらに限定はされない。移植される組織は、筋肉、腱、結合組織、皮膚、眼、及び/又は細胞を含むが、これらに限定はされない。実施形態によっては、移植は、いくつかの形態のうちの1つである場合がある。例えば、組織移植は、しばしば、自己移植である(ドナー、及びレシピエントが同じ個体である)。一方、臓器移植は、しばしば、同種異系移植である(ドナー、及びレシピエントが異なる個体である)。しかしながら、本明細書に開示される実施形態によっては、臓器移植、又は組織移植は、自己移植、又は同種異系移植である場合がある。別の実施形態において、異種間の移植が起こる。さらなる別の実施形態において、同系の移植が起こる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、ABO不適合移植を受けた個体の移植後の状態を評価するように使用される。AB血液型に関係ない臓器提供のための臓器の使用は、一般的に幼児レシピエントに限られているが、このような移植は、これらの使用を可能にする。起こった移植の種類に関わらず、本明細書に開示される方法は、移植後のレシピエントの状態を評価すること、並びに、(i)移植拒絶反応の存在、(ii)拒絶反応の源、及び(iii)拒絶反応に対処するのに最も効果的である可能性のある治療法を特定すること、に関して有用である。
様々な異なる機構が、移植後に働くようになって、レシピエントによる移植臓器の拒絶反応が引き起こされる場合がある。臓器、又は組織の拒絶反応は、細胞性免疫経路、及び体液性免疫経路の両方を含む免疫応答である。細胞性免疫は、標的細胞、この場合、移植臓器の細胞のアポトーシスを誘導するキラーT細胞によってもたらされる。体液性免疫は、移植組織に向けられる抗体分子を分泌する活性化B細胞によってもたらされる。いくつかの場合において、拒絶反応は、自然免疫応答も含む。移植の種類に応じて(例えば、組
織移植が含まれる)、様々な拒絶反応機構が働くようになる場合がある。しかしながら、好都合にも、本明細書に開示される方法は、例えばmRNAなどの、臓器、又は組織の機能に関連するマーカーの発現の分析に例えば基づいて、移植臓器、又は移植組織の移植後の状態を評価することを可能にする。
移植後、ドナー樹状細胞(主要な抗原を提示する細胞)が、ドナー組織、又は臓器から放出され、レシピエントのリンパ組織(リンパ節など)に移動して提示する。この提示において、樹状細胞は、ドナーの「自己ペプチド」をレシピエントのリンパ球に提示し、これらのリンパ球(例えば、ヘルパーT細胞及び/又はキラーT細胞などのT細胞、、並びにB細胞)は、特異免疫を成立させる。この特異免疫は、次に、ドナーの「自己ペプチド」に特異的に向けられた免疫応答をもたらし、これによって、免疫応答を起こし、最終的に、提供された組織、又は臓器の拒絶反応を起こす。
細胞性免疫は、ドナーからの移植組織上の主要な組織適合性複合体クラスI分子と相互作用するCD8表面受容体を有する、(細胞傷害性Tリンパ球としても知られる)キラーT細胞がもたらす。MHCクラスI分子は、ドナーの「自己ペプチド」を提示する。MHCクラスI分子との移植組織の(T細胞受容体、別名TCRを介した)この相互作用の後、キラーT細胞は、次に、適合するエピトープを認識し、その標的細胞のアポトーシスを引き起こし、それによって、機能の低下、又は移植臓器、若しくは移植組織の完全な拒絶反応をもたらすことができる。
しばしば、移植レシピエントは、事前に、特異免疫を引き起こす抗原にさらされたことがある場合がある。このことは、臓器移植中の輸血などの、事前の輸血の間に、血液型不適合がある場合に起こり得る。その後外来抗原に暴露されると、前から存在する交差反応性の抗体が、誘発されて、炎症、及び移植組織の破壊を引き起こし得る。
拒絶反応の種類
上述のように、移植臓器、又は移植組織に応じて、ある特定の種類の拒絶反応が、他の種類よりも一般的である。超急性拒絶反応は、名称が示しているように、移植の数分、又は数時間以内に起こる速やかな応答であり、移植組織に対して全身性炎症反応を引き起こし得る。ほとんどの場合、超急性拒絶反応は、何らかの前から存在する体液性免疫によってもたらされ、移植が、非自己抗原への2度目以降の暴露として作用する。超急性拒絶反応は、ほとんどの場合、移植組織の除去によって治療される。
急性拒絶反応は、様々な重症度を有するが、基本的に、ほぼ全ての移植で起こる。急性拒絶反応は、移植組織、又は移植臓器に対する細胞性免疫の形成に関係している。急性拒絶反応は、一般的に、移植の6〜10日以内に起こり、一般的に、最初の3〜4ヶ月に急性拒絶反応が最も高くなるリスクがある。しかしながら、急性拒絶反応は、より長い経過時間の後でも起こり得る。急性拒絶反応は、ほとんどの場合、例えば、肝臓、又は腎臓などの、移植された、血管新生が盛んな組織で認められる。急性拒絶反応が、認めれ、かなり迅速に治療されることができ、これによって、臓器不全のリスクが防止、又は縮小されるが、急性拒絶反応の再発エピソードが、慢性拒絶反応を引き起こし得る。
慢性拒絶反応は、移植臓器の長期的な機能喪失に関連する。いくつかの例において、このことは、移植組織の血管の繊維化と、これに続く、組織への十分な血流、及び/又は酸素流の喪失とを介して起こる。慢性拒絶反応は、初期のリンパ球の浸潤により特徴付けられ、初期のリンパ球の浸潤は、上皮細胞障害を引き起こし、続いて、炎症性病変と、瘢痕組織の形成を引き起こす繊維芽細胞の動因の可能性とをもたらし得る。瘢痕組織は、多くの臓器において、機能、及び/又は血流を妨げ、移植臓器の不全、及び/又は移植臓器に対するさらなる炎症反応、又は免疫応答を引き起こし得る。
拒絶反応の種類に応じて、拒絶反応を診断する方法は、変わってもよい。例えば、超急性拒絶反応は、しばしば、非常に短期間に、認められ、治療される。急性拒絶反応の診断と、しばしば慢性拒絶反応の診断とは、例えば、患者の症状、又は身体検査などの臨床データによる。しかしながら、大抵の場合、例えば、組織生検と、その後の組織化学的分析、又は病理学的解析などの検査データを、組織、又は臓器の拒絶反応を診断する際に使用する。例えば、組織生検は、拒絶反応の組織学的徴候に関して評価される場合がある。これらは、T細胞(及び/又は、好酸球、又は好中球などの他の細胞)の浸潤のエビデンスを含んでもよいが、これに限定はされない。また、宿主の免疫応答に起因する、不十分な血流、又は栄養供給、及び/又は損傷を示す、移植組織の解剖学的構造の構造的変化は、拒絶反応を示唆する。また、炎症誘発性の反応によって引き起こされるような血管損傷が、組織の拒絶反応を示唆する場合がある。しかしながら、例えば、レシピエントの健康状態、(例えば、どの組織、又は臓器が移植されたのかによる)生検の潜在的な侵襲性によって、組織生検は、制限される場合がある。
診断検査
現在、多くの診断検査が、患者から抽出された生体液体試料(例えば、血液、尿など)に対して、疾病の診断、又は予後のために実施される。診断、又は予後は、健康な患者には存在しない、又は以前に得られた患者の試料から変わっている、バイオマーカー、又は生化学的パターンの特定に基づいている場合がある。いくつかの実施形態において、診断検査は、液体試料中の既知でよく特徴付けられたバイオマーカー(例えば、電解質、尿素、クレアチニン、グルコース、例えば、アルブミン、免疫グロブリンなどのような血漿タンパク質、例えば、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンD、ビオチン、又は鉄などの生体化合物)による。いくつかの実施形態において、診断検査は、病的な細胞に特有である、特異的なバイオマーカー(例えば、細胞表面タンパク質)の検出を対象としている。いくつかの実施形態において、診断検査は、核酸の単離、及び増幅を通して、疾病の状態を検出、又は特定して、特定の疾病に関連する遺伝子の発現レベルを研究するように設計される。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、肝臓の機能、及び/又は肝臓の健康に関連する特定のマーカーの発現レベルにおける変化を評価して、肝臓移植の患者の状態(例えば、移植された肝臓の拒絶反応の有無、及び、移植された肝臓の拒絶反応の重症度)を評価する。いくつかの実施形態において、これらの診断検査は、肝臓移植のレシピエントから単離、又は入手した胆汁試料を採用する。
しばしば、バイオマーカーを単離、又は検出するための体液の使用は、バイオマーカーを著しく希釈し、必要な感度を欠く読出しをもたらす。さらに、多くのバイオマーカーは、正常な組織などの、病的な組織以外の組織において、少ない量で、又は中程度の量でも生成される。従って、以下で詳細に記載するように、いくつかの実施形態において、例えば、肝臓移植のレシピエントから入手した胆汁試料などの液体試料からの目的の核酸(又は、他のバイオマーカー)の濃縮を可能にする装置を使用する。
小胞に関連するRNA
以下でより詳細に論じるように、本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態は、肝臓への疾病、又は障害のマーカーである、特異的な核酸の同定に基づく。特に、方法のいくつかの実施形態は、医療廃棄物と一般的に見なされているもの、例えば、胆汁を採用する。有益なことに、いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、上記で開示される代替的な診断分析よりも高い感度を与える。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、患者の胆汁試料に存在する小胞に関連するRNAの単離を対象としているが、いくつかの実施形態において、通常血液、又は血漿に見られるRNA(及び、関連するマーカー)を胆汁試料から単離する。いくつかの実施形態において、これらのマーカー
は、肝臓の損傷、又は疾病、例えば、移植された肝臓の拒絶反応に起因して胆汁に存在し、肝臓の機能、拒絶反応の状態、及び一般的健康のうち1つ以上を示唆する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態において、患者の体液の試料からRNAを捕捉すること、並びに、疾病に関する前記RNA、及び/又は組織特異的マーカーについてその次に分析することに関する方法が与えられる。いくつかの実施形態において、方法は、患者の胆汁試料からRNAに関連する小胞を単離することを含む(他の実施形態において、肝臓の状態を評価するために使用される小胞を、血漿、血清、脳脊髄液、痰、唾液、粘液、涙などから入手することができるけれども)。
以下に記載するように、いくつかの実施形態において、核酸は、小胞に関連している。いくつかの実施形態において、検出された核酸は、移植後の肝臓の状態(又は、いくつかの実施形態において、肝臓の疾病、及び/又は機能の別の態様)を示唆する。いくつかの実施形態において、マーカーは、対象の胆汁に通常存在しない(例えば、その存在は、移植拒絶反応を示唆する)。他の実施形態において、マーカーは、通常存在する場合があるが、上昇した(又は、低下した)レベルで発現する。いくつかの実施形態において、核酸の検出は、移植拒絶反応の重症度、及び/又は進行に関連する。いくつかの実施形態において、胆汁を採取し、核酸を経時的に評価する(例えば、これによって、抗拒絶反応治療に対する患者の応答、又は拒絶反応の進行をモニターする)。
様々な実施形態に従って、RNAを定量するための様々な方法が使用され、前記方法は、ノーザンブロット解析、RNAseプロテクションアッセイ、PCR、RT−PCR、リアルタイムRT−PCR、RNAシークエンシング、核酸配列に基づいた増幅、分岐DNA増幅、ELISA、質量分析、CHIPシークエンシング、及びDNA、又はRNAマイクロアレイ解析を含む。
RNA(及び、他の核酸)は、一般的に、細胞内環境の中にある。しかしながら、特定の核酸は、細胞外に存在する。例えば、いくつかの実施形態において、方法は、裸の細胞外の核酸(例えば、裸のRNA)を胆汁から採取して分析することを含む。このことは、一般的に、大量のRNAseを含む細胞外環境が、核酸の急速分解を引き起こすので、いくつかの実施形態において好都合である。
いくつかの実施形態において、核酸は、細胞外の小胞に関連している。いくつかの実施形態において、肝臓移植拒絶反応の診断、及び特徴付けを、患者試料(例えば、胆汁)から単離されたRNAを含む小胞からの特異的なRNA種の検出、及び定量によって実施する。一実施形態において、このような小胞を、フィルターに捕捉し、これによって、小胞からRNAを抽出させる。別の実施形態において、遠心分離を使用して、小胞を採取する。
核酸は、1つ以上の異なる種類の(50−80nmの大きさに亘る)膜粒子、(50−100nmの大きさに亘る)エキソソーム、(20−50nmの大きさに亘る)エキソソーム様小胞、及び(100−l000nmの大きさに亘る)微小胞に関連し得る。いくつかの実施形態において、これらの小胞を、単離、及び/又は濃縮し、これによって、高いRNAseの細胞外環境にもかかわらず、小胞に関連するRNAを保存する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法の感度が、小胞に関連するRNAの使用に基づいて、(組織からの核酸の単離、及び/又は裸の核酸の採取に関して)改良される。
様々な方法を、本明細書に開示される実施形態に従って使用して、小胞に関連するRNAを効率的に捕捉し保存することができる。いくつかの実施形態において、試料の非細胞部分を分画する密度勾配遠心分離を実施する。いくつかの実施形態において、密度遠心分
離の後に、任意で、高速遠心分離を実施し、小胞の沈殿、又はペレット化を生じさせる。このようなアプローチは、時間がかかる場合があり、いくつかの実施形態で、高価で特別な装置を必要とする場合があるので、低速遠心分離が、小胞を採集するために使用され得る。小胞捕捉装置とシステムが、以下でより詳細に開示される。
いくつかの実施形態において、ろ過を(単独で、又は遠心分離との組み合わせで)使用して、異なる大きさの小胞を捕捉する。いくつかの実施形態において、小胞の差別的な捕捉は、タンパク質マーカーの表面発現に基づいてなされる。例えば、フィルターは、特定の表面マーカーと反応するように設計される場合(例えば、抗体と結合されたフィルター)、又は特定の種類の小胞、若しくは異なる起源の小胞と反応するように設計される場合がある。
いくつかの実施形態において、マーカーは、特有な小胞のタンパク質、又はペプチドである。いくつかの実施形態において、肝臓移植拒絶反応の重症度は、特定の小胞の単離を可能にするように使用され得る、特定の小胞の修飾に関連している。修飾は、脂質の付加、炭水化物の付加、並びに、アシル化、ホルミル化、リポイル化、ミリストイル化、パルミトイル化、アルキル化、メチル化、イソプレニル化、プレニル化、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、アデニル化、リン酸化、硫酸化、及びセレノイル化、ユビキチン化などの他の分子の付加を含んでもよいが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、小胞マーカーは、脂質、炭水化物、核酸、RNA、DNAなどのような非タンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、小胞の表面マーカーに基づく小胞の特異的な捕捉は、異なる種類の小胞が、異なる捕捉分子(例えば、異なる特異性を有する抗体)で被覆されたプローブを患者の尿試料に浸すことによって捕捉される、「尿試験紙」の形式も可能にする。
いくつかの実施形態において、小胞に関連するRNAが捕捉され、特定のマーカー、若しくはマーカーの群、及び/又は肝臓拒絶反応の特定の段階に対応したRNAマーカーが検出される。例えば、いくつかの実施形態において、肝臓の急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期に関連するマーカーが検出される場合があり、前記マーカーは、IL1B、IL6、IL8、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。さらに、いくつかの実施形態において、移植された肝臓の急性拒絶反応、又は急性感染症に対応するマーカーが検出され、前記マーカーは、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、PRG2、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、移植された肝臓の持続性拒絶反応、又は持続性感染症に対応するマーカーが検出され、前記マーカーは、IL2、IL4、GMCSF、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、肝臓移植の後の回復期、又は移植された肝臓の急性拒絶反応、若しくは急性感染症からの回復期に対応するRNAマーカーが検出され、前記マーカーは、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。実施形態によっては、1つ以上の群からのマーカーが検出される。例えば、急性拒絶反応、又は急性感染症に関連するマーカーは、例えば、遺伝子発現の変化における時間差に起因して、対象が肝臓移植後の回復期にある場合にも検出される場合がある。
本明細書に記載される方法論を使用してIL1B、IL6、又はIL8のうち1つ以上が検出されることがあり、肝臓拒絶反応が除外される。一方、いくつかの例において、IL1B、IL6、又はIL8が検出されるときに、拒絶反応が除外される場合がある。例えば、いくつかの場合において、IL1B、IL6、又はIL8が、肝臓拒絶反応、又は
肝臓感染症にも対応する別のマーカー群からのマーカーと一緒に検出される場合がある。TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2の群からの少なくとも1つのマーカーが、IL1B、IL6、又はIL8の群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。又あるいは、IL2、IL4、及びGMCSFの群からの少なくとも1つのマーカーが、IL1B、IL6、又はIL8の群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。別の例において、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2の群からの少なくとも1つのマーカーが、IL2、IL4、及びGMCSFの群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。いくつかの例において、1つの段階からその次の段階への移行が、急速な変化では必ずしもなく、徐々に起こる可能性があるときに(例えば、マーカーの発現が重なる場合に)、肝臓拒絶反応(又は、回復)の特定の段階が、他の方法によって確証される。いくつかの実施形態において、1つ以上のマーカーの特定は、肝臓が、拒絶反応、又は感染症を受けているかどうかと、拒絶反応、又は感染症が、どの段階にあるのかとを、個人が、明確かつ正確に示すことを可能にする。いくつかの例において、1つ以上のマーカーの特定は、拒絶反応、又は感染症を個人が除外することを可能にする場合がある。
方法論
遊離型の細胞外RNAは、核酸分解酵素によりすぐに分解され、このため、潜在的に不十分な診断マーカーとなっている。上述したように、いくつかの細胞外RNAは、肝臓から分泌された胆汁などの様々な生体試料に見られ得る粒子、又は小胞に関連している。mRNAを含む、この小胞に関連するRNAは、胆汁での分解過程から保護される。微小胞は、ほとんどの細胞の種類から放出され、細胞膜の小片から成る。微小胞は、RNA、mRNA、マイクロRNA、及びタンパク質を含み、自身が放出された細胞の組成を反映する。エキソソームは、広範囲の哺乳類の細胞により分泌される小さな微小胞であり、普通の状態下、及び病的状態下で分泌される。これらの小胞は、特定のタンパク質、並びに、mRNA、及びマイクロRNAを含むRNAを含む。いくつかの実施形態は、低分子干渉RNA(siRNA)、tRNA、及び低分子活性化(small activating)RNA(saRNA)などの核酸を評価する。
いくつかの実施形態において、肝臓移植拒絶反応を有する患者の胆汁からの小胞から単離されたRNAを鋳型として使用して、例えば逆転写酵素の使用を通して、相補DNA(cDNA)を作製する。いくつかの実施形態において、cDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して増幅する。他の実施形態において、核酸、及びRNAの増幅を、核酸ベース増幅(NASBA)、又は核酸のプライマー依存性連続増幅、又はリガーゼ連鎖反応などの任意の適当な増幅技術によって達成する場合もある。例えば、ノーザンブロット解析、RNAseプロテクションアッセイ、RNAシークエンシング、RT−PCR、リアルタイムRT−PCR、核酸配列ベース増幅、分岐DNA増幅、ELISA、質量分析、CHIPシークエンシング、及びDNA、又はRNAマイクロアレイ解析などを含む、他の方法も、核酸を定量するために使用してもよい。
いくつかの実施形態において、レシピエントによる移植された肝臓の拒絶反応(又は、移植を受けた肝臓が有する、感染症、元の疾病の再発など、他の問題)が、1つ以上のマーカーの発現を誘導する。いくつかの実施形態において、増加した発現を、前記マーカーをコードするmRNA量により測定する(他の実施形態において、DNA、又はタンパク質を、発現レベルを測定するために使用する)。いくつかの実施形態において、胆汁を患者から採取し、直接評価する。いくつかの実施形態において、ろ過、又は遠心分離を例えば使用して、小胞を濃縮する。次に、単離された小胞を、溶解バッファーでインキュベートし、RNAを小胞から放出させ、次に、RNAをcDNAの鋳型として作用させて、cDNAを定量PCR(又は、他の適当な増幅技術、若しくは定量技術)などの方法で定量
する。いくつかの実施形態において、患者の小胞からの特異的なマーカーRNAのレベルを、例えば、健康な患者集団からのRNAレベル、又は同じ患者からの前の時点、若しくは同じ患者からの対照遺伝子からのRNAレベル、などの所望の対照と比較する。
いくつかの実施形態において、開示された方法は、移植された肝臓が有する様々な臨床的問題(例えば、拒絶反応、感染症、元の病気の再発など)の検出を、様々な肝臓の機能に関連する1つ以上のマーカーをコードするmRNAのレベルを測定することによって可能にする。いくつかの実施形態において、開示された方法は、肝臓移植の進行(又は、退行)の評価を、肝臓の機能に関連する1つ以上のマーカーをコードするmRNAのレベルを測定することによって可能にする。これらのmRNAレベルを決定するために、いくつかの実施形態において、mRNAを含む小胞を、上述した装置などの、mRNA単離して増幅するための装置を使用して、胆汁から単離する。単離及び/又は増幅ステップの少なくとも一部のために使用され得る他の装置は、米国特許第7,745,180号、第7,939,300号、第7,968,288号、第7,981,608号、第8,076,105号、第8,101,344号において、より詳細に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に全体が組み込まれる。
図1は、胆汁試料から小胞を捕捉し、その後の分析のために試料を調製するためのステップの一実施形態の概要図を表す。端的に言えば、胆汁試料を、(以下で詳細に論じられる)小胞捕捉装置に入れ、遠心分離する(他の実施形態において、他の力が適用され得るけれども)。遠心分離は、胆汁を小胞捕捉膜に通過させる。これにより、小胞は膜上に保持され、胆汁の残留物(この時点で、小胞は除去されている)が、遠心分離管(実施形態によっては、受け容器とも呼ばれる)の底に移動する。その後、捕捉装置の内側部分を分離し、フィルターを含む部分を、マルチウェルマイクロプレート(他の大きさのプレートも使用され得るが、96ウェルプレートが描かれている)と連絡させて置く。溶解バッファーを、各個々の小胞捕捉部分(例えば、各捕捉部分は、マイクロプレートの個々のウェル中にある)に加えて、捕捉されたエキソソームからRNAを放出させる。その後、RNAを、固定化されたオリゴdTを例えば含むプレートに移して、その次に相補DNA(cDNA)を生成させ、肝臓の機能、肝臓拒絶反応、肝臓感染症などに関連するマーカーに関して、マーカーの発現を分析する。
図2は、患者の胆汁試料から小胞を捕捉するために使用される捕捉装置100の一実施形態に関して、さらなる詳細を表す。図2に表される捕捉装置100の実施形態は、第2の中空本体2と機能的に連絡する、第1の中空本体1を含む。「機能的連絡」は、その通常の意味を与えられるものとし、胆汁が第1の中空本体から第2の中空本体へと通過できるような形式で連結している2つの中空本体にも関するものとする。
例えば、いくつかの実施形態において、胆汁試料3を第1の中空本体1に入れ、第2の中空本体2へと通過させ、これによって、捕捉材料4を通過させる。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、胆汁試料中に含まれる目的の小胞、例えば、対象の肝臓の現在の生理学的状態を評価するために使用され得る、核酸、又はタンパク質を含む小胞のうち少なくとも一部を保持する。
いくつかの実施形態において、捕捉材料(いくつかの実施形態において、ガラスファイバーフィルター)を、第2の中空本体2内に置く。いくつかの実施形態において、胆汁試料が捕捉材料4を通過した後に、第2の中空本体2を第1の中空本体1から取り外し、次に、第2の中空本体2を処理して、捕捉材料に保持された小胞を回収する。少なくとも1つの実施形態において、捕捉材料4により保持されたエキソソームは、続いて、少量の液体(例えば、溶解バッファー)を捕捉材料4に通すことによって、捕捉材料4から回収される。いくつかの実施形態において、保持されたエキソソームを回収するために使用され
る液体の適用の前、及び/又は後に、任意で、他の溶液(例えば、洗浄バッファ)を、捕捉材料4に通す。
いくつかの実施形態において、重力、陽圧、又は陰圧によって、胆汁試料は捕捉材料4を通り抜ける。しかしながら、いくつかの実施形態において、陰圧、又は陽圧は使用されず、むしろ、いくつかの実施形態において、遠心力によって、胆汁試料は捕捉材料4を通り抜ける。いくつかの実施形態において、ウィッキングの種類の材料によって、胆汁試料3は捕捉材料4を通り抜ける。いくつかの実施形態において、毛管現象によって、胆汁試料は捕捉材料4を通り抜ける。
図3は、第1の中空本体1の一実施形態に見られる、さらなる詳細を表す。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1は、入口開口部101、出口開口部102、外側表面130、及び内側表面140を有する。いくつかの実施形態において、入口開口部101は、入口直径111を有する円形開口部である。いくつかの実施形態において、出口開口部102は、出口直径112を有する円形開口部である。いくつかの実施形態において、入口開口部101、及び出口開口部102は、入口直径111よりも小さい出口直径112と軸方向に並んだ円形開口部である。
いくつかの実施形態において、第1の中空本体1は、上部領域132、中間領域134、及び末端領域136を含む。いくつかの実施形態において、上部領域132、及び末端領域136は、円筒状、又は実質的に円筒状であり、中間領域134は、テーパー状(例えば、円錐状)である。いくつかの実施形態において、中間領域134のテーパー部は、胆汁試料が出口開口102を通過するのを促進するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1は、第1の中空本体1の隣接部の外側表面130を越えて伸びるつば105を含む。いくつかの実施形態において、つば105は、第1の中空本体1が、収納ラック、又は受け容器(図示されていない)に挿入されるときに、第1の中空本体1を支持するように構成される。
図4は、第2の中空本体2の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、第2の中空本体2は、入口開口201、出口開口202、外側表面230、及び内側表面240を有す。いくつかの実施形態において、入口開口201は、入口直径211を有する円形開口部である。いくつかの実施形態において、出口開口202は、出口直径212を有する円形開口部である。いくつかの実施形態において、入口開口201、及び出口開口202は、入口直径211よりも小さい出口直径212と軸方向に並んだ円形開口部である。
いくつかの実施形態において、第1の中空本体1、及び第2の中空本体2は、核酸に対して、及び/又は小胞に対して低い結合親和性を有する材料で作られている(それによって、フィルター材料上への小胞の捕捉の効率が高められる。適当な材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びポリエチレンなどのプラスチックを含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1、及び第2の中空本体2は、金属、又は複合材料で作られている。いくつかの実施形態において、内側表面140、240は、核酸(及び/又は小胞)に対する表面の結合親和性を低める、1つ以上の物質で被覆される。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2は、上部領域232、中間領域234、及び末端領域236を含む。いくつかの実施形態において、末端領域236は、テーパー状である。少なくとも1つの実施形態において、末端領域236のテーパー部は、液体試料3が第2の中空本体2の外へ通過するのを促進するように構成される。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2は、外側表面230から伸びるタブ2
60を有す。いくつかの実施形態において、タブ260は、上部領域232に位置する。タブ260は、上部表面262を有す。いくつかの実施形態において、上部表面262は、入口開口201と実質的に同一平面である。いくつかの実施形態において、上部表面262は、第2の中空本体2をラベル付けするためのプラットフォームとして作用するのに十分であるような寸法に形成される。少なくとも1つの実施形態において、上部表面262は、約1mmから約5mmの幅と、約1mmから約5mmの長さである。いくつかの実施形態において、ラベル264は、上部表面262に付けられている。いくつかの実施形態において、上部表面262は、インク、又はエッチングを含む任意の適当な方法によって、しるしを付けられる。少なくとも1つの実施形態において、ラベル264、又は上部表面262のしるしは、第2の中空本体2を通過した液体試料3の(例えば、源である患者)の同一性を示す。いくつかの実施形態において、ラベル264、又は上部表面262のしるしは、バーコード(例えば、2D、又は3Dのバーコード)をコードする。いくつかの実施形態において、RFIDタグ、又は他の認識装置が、試料の入手元である患者の同一性を示すために使用される場合がある。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の上部領域232は、第1の中空本体1の末端領域136と機能的に連絡するように構成される。第1の中空本体1、及び第2の本体2は、ねじ山の嵌め合い、ルアーの嵌め合い、締り嵌め、及び圧縮嵌めを含むがこれらに制限はされない、あらゆる方法によって機能的に連絡する場合がある(他の種類の嵌め合いが、別の実施形態において使用される場合があるけれども)。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1の末端領域136は、第2の中空本体2の上部領域232の内側に嵌め合うように構成される。いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の上部領域232は、第1の中空本体1の末端領域136の内側に嵌め合うように構成される。いくつかの実施形態において、外側表面130の少なくとも一部は、内側表面240の少なくとも一部によって囲まれる。いくつかの実施形態において、外側表面230の少なくとも一部は、内側表面140の少なくとも一部によって囲まれる。いくつかの実施形態において、出口直径112は、入口直径211よりも小さい
いくつかの実施形態において、第1の中空本体1は、末端領域136の外側表面130から突き出る少なくとも1つのピン150を有し、第2の中空本体2は、第2の中空本体2の上部領域232内に少なくとも1つのチャンネル250を有す(例えば、図4を参照)。少なくとも1つの実施形態において、ピン150は、チャンネル250と可逆的に働き合うように構成される。チャンネル250は、縦方向部252、横方向部254、及び逆方向部256を有す。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1を、ピン150をチャンネル250の縦方向部252へとスライドさせることによって、第2の中空本体2と連結させる。第1の中空本体1、及び第2の中空本体2を、ピン150を、チャンネル250の横方向部254に到達させるように配置する。次に、第2の中空本体2を回転させて、ピン150が、チャンネル250の逆方向部256とぴったりと合うまで、ピン150を横方向部254に入らせる。次に、第1の中空本体1と第2の中空本体2との間の圧縮力が減り、ピン150は、逆方向部256へとスライドさせられ、それによって、第1の中空本体1と第2の中空本体2との間の結合が固定される。いくつかの実施形態において、2つの中空本体を共に強く握って、ピン150がチャンネル250を後戻りするようにさせることによって、第2の中空本体2を第1の中空本体1から取り外す。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の上部領域232内の少なくとも1つのチャンネル250は、縦方向部252、及び横方向部254を含む。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1を、ピン150をチャンネル250の縦方向部252にスライドさせることによって、第2の中空本体2と結合させる。第1の中空本体1、及び第2の中空本体2を、ピン150がチャンネル250の横方向部254に到達するように配置する。次に、第2の中空本体2を回転させて、ピン150を横方向部254へ入らせ、
これによって、第1の中空本体1と第2の中空本体2との結合を固定する。処理後、逆向きの2つの中空本体を回転させて、ピン150がチャンネル250を後戻りするようにし、これによって、第1、及び第2の中空本体を分離させることによって、第2の中空本体2を、第1の中空本体1から取り外す。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、胆汁試料から捕捉されるように小胞を保持することができる任意の適当な材料から作製される。いくつかの実施形態において、捕捉材料4に使用される材料は、小胞(又は、裸の核酸、及び/又はタンパク質)を引き付ける材料の性質と、目的の成分を適当な条件下で放出(例えば、溶解及び/又は溶出)する材料の性能とのバランスを取るように最適化される。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、捕捉材料4により保持された小胞のプロファイルを調整するように、任意で修飾される。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、帯電しており(electrocharged)(例えば、静電気を帯びており(electrostatically charged))、親水性、又は疎水性材料で被覆されており、化学的に修飾、及び/又は生物学的に修飾されている。いくつかの実施形態において、捕捉材料4のゼータ電位を、材料の修飾(例えば、静電気を帯びさせること(electrostatic charging))の基準として使用する。いくつかの実施形態において、(ゼータ電位に基づく)捕捉材料4は、修飾の必要がない。いくつかの実施形態において、捕捉材料4を、ヌクレオチド配列を捕捉材料4の表面に付与することによって修飾する。いくつかの実施形態において、タンパク質を、捕捉材料4の表面に付与する。いくつかの実施形態において、ビオチン、又はストレプトアビジンを、捕捉材料4の表面に付与する。いくつかの実施形態において、抗体、又は抗体断片を、捕捉材料4に付与する。あらゆるこのような実施形態を採用して、目的物の捕捉の効率性を有益に増加させることができる。
いくつかの実施形態において、小胞の差別的な捕捉を、小胞上のタンパク質マーカーの表面発現、及びマーカー(例えば、抗原、又は特定の小胞を認識する抗体)を特定する、捕捉材料4上の相補的な物質に基づいて達成する。いくつかの実施形態において、マーカーは、特有な小胞タンパク質、又はペプチドである。このような実施形態において、捕捉材料4は、特定の生理的条件下で起こる場合のある、特異的な小胞の修飾の認識を可能にする形式で構成される場合がある(例えば、小胞は、肝臓移植拒絶反応に合った形式で修飾される場合がある)。小胞の修飾は、脂質の付加、炭水化物の付加、並びに、アシル化、ホルミル化、リポイル化、ミリストイル化、パルミトイル化、アルキル化、メチル化、イソプレニル化、プレニル化、アミド化、グリコシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、アデニル化、リン酸化、硫酸化、及びセレノイル化、ユビキチン化などの他の分子の付加を含む場合があるが、これらに制限はされない。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、脂質、炭水化物、核酸、RNA、mRNA、siRNA、マイクロRNA、DNAなどの非タンパク質を含む小胞マーカーを認識するように構成される。
いくつかの実施形態において、小胞と捕捉材料4との相互作用は、静電相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、又はこれらの相互作用の組み合わせに基づく。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4用に使用される材料は、小胞の捕捉を阻害する望まない物質を含む場合がある。このように、いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、小胞を捕捉するのに捕捉材料を使用する前に、このような阻害物質を除去するように事前に処理される。例えば、アルブミンなどの高濃度のタンパク質は、小胞の捕捉の捕捉効率を低める場合がある。このような場合において、例えば、材料、又は溶液を、捕捉材料4を通過させる、又は通り越させることなどの様々な技術によってアルブミンを除去し得る。前記材料、又は溶液は、アルブミンが有する捕捉材料4に対する親和性よりも大きい、アルブミンに対する親和性を有する化合物(例えば、Blue Trisacry
l M レジン)を含む。混入物を除去するために使用される技術は、加熱、酸性浴、塩基性浴、超音波清浄なども含む場合がある。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、ガラス様材料で作られている。いくつかの実施形態において、捕捉装置100は、液体試料3が捕捉材料4を通過する前に、液体試料3をろ過するように構成される、(図3に示される)フィルター材料5を任意で含む。いくつかの実施形態において、フィルター材料5を、第2の中空本体2内の捕捉材料4と入口開口201との間に置く。いくつかの実施形態において、フィルター材料5を、第1の中空本体1内の中間領域136と出口開口102との間に置く。しかしながら、いくつかの実施形態において、フィルター材料を全く使用しない。
いくつかの実施形態において、フィルター材料5と、捕捉材料4との組合せを使用する。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、複数の層の材料を含む。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、少なくとも、ガラス繊維の第1の層、及び第2の層を含む。いくつかの実施形態において、胆汁試料を、フィルター材料5に通過させて、直径約1.6ミクロン以上である成分を捕捉する。いくつかの実施形態において、胆汁試料を、捕捉材料4に通過させて、直径約0.6ミクロンから約0.8ミクロンである最小の大きさを有し、約1.6ミクロン以下の最大の大きさを有する小胞を捕捉する。いくつかの実施形態において、捕捉材料4の保持率は、直径で約0.6ミクロンから約1.5ミクロンの直径を有する小胞に対して、約50%、約75%、約90%、又は約99%以上である。少なくとも1つの実施形態において、捕捉材料4は、直径が約0.7ミクロンから約1.6ミクロンの大きさの小胞を捕捉する。少なくとも1つの実施形態において、捕捉材料4は、エキソソーム、又は約0.020ミクロンから約1.0ミクロンの大きさに亘る他の小胞を捕捉する。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、ガラス様、及び非ガラス様材料の組み合わせを含む。例えば、一実施形態において、ニトロセルロースを含む非ガラス様材料を使用する。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、プラスチック、又はガラスなどの、不規則である、又は原子スケールで「アモルファス」である構造を有する、ガラス様材料を含む。ガラス様材料は、ガラスビーズ、若しくはガラス繊維、シリカビーズ(若しくは、他の形状)、ニトロセルロース、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、若しくは他の類似のポリマー、金属繊維、若しくはナノ金属繊維、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、若しくは他の共重合体、天然繊維(例えば、絹)、アルギン酸繊維、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定はされない。捕捉材料4のための他の適当な材料は、ゼオライト、金属酸化物、若しくは混合金属酸化物、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、又はこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、小胞を、小胞が捕捉材料4の空間を通過するのを阻害する物理的寸法を有する小胞(例えば、大きさに基づいた物理的な保持)によって、捕捉材料4内に保持する。いくつかの実施形態において、小胞を、小胞と捕捉材料4との間の結合力によって捕捉材料4内に保持する。いくつかの実施形態において、小胞は、捕捉材料4と抗原抗体結合を形成する。いくつかの実施形態において、小胞は、捕捉材料4と水素結合を形成する。いくつかの実施形態において、ファンデルワールス力が、小胞と捕捉材料4との間に形成される。いくつかの実施形態において、小胞のヌクレオチド配列が、捕捉材料4に付与されたヌクレオチド配列と結合する。
いくつかの実施形態において、捕捉装置100を、液体試料3が、捕捉装置100を通過した後に、受けコンパートメント600内に胆汁試料を受ける受け容器500(図6参照)と共に使用する。いくつかの実施形態において、受け容器は、キャップ700も含み、捕捉装置100を受け容器500内に処理の間固定する。いくつかの実施形態において
、キャップは、圧入キャップであり、一方、他の実施形態において、キャップは、ねじ込みキャップを含む。いくつかの実施形態において、受け容器は、遠心分離管を含み、したがって、いくつかの実施形態において、第1の中空本体1、及び第2の中空本体2は、受け容器/遠心分離管内に嵌め合うような大きさである。いくつかの実施形態において、つば105は、捕捉装置100を受け容器に対して固定された位置で保持するための手段として作用する。いくつかの実施形態において、捕捉装置100、及びつば105は、捕捉装置100を、10mL、12mL、15mL、30mL、50mL、175mL、又は225mLの遠心分離管などの受け容器と共に使用する事を可能にする大きさであるが、他の大きさと容量の遠心分離管もまた意図される。いくつかのこのような実施形態において、つば105は、遠心分離管のねじ込みキャップの機能を妨害せずに、遠心分離管の口にかぶさるような大きさである。いくつかの実施形態において、捕捉装置100を、遠心分離管内に置き、液体試料3を、第1の中空本体1から捕捉材料4を通って、第2の中空本体2へと通過させるように遠心力を適用する。
いくつかの実施形態において、捕捉装置100は、液体試料3が捕捉装置100を通過し、受け容器に蓄積した後に、第2の中空本体2の出口開口202が、液体試料3と接触しないような大きさである。いくつかの実施形態において、受け容器の容積容量は、捕捉装置100の容積容量よりも、約2倍、約3倍、約4倍、又は約5倍大きい。
いくつかの実施形態において、捕捉装置100は、胆汁試料を受けるのに十分な容積を有し、小胞及び/又は核酸の捕捉材料4への結合を促進するような他の試薬を任意で有す。いくつかの実施形態において、捕捉装置100は、約1mLと100mLの間、約5mLと50mLの間、約10mLと20mLの間、及びこれらの範囲の間のあらゆる体積を含む、約1mLと1000mLの間の胆汁試料の体積を収容するような大きさである。いくつかの実施形態において、捕捉装置100は、約15mLの体積を収容する。
いくつかの実施形態において、第1の中空本体1の容量は、第2の本体2の容量よりも、約100倍、又は約50倍、又は約20倍、又は約10倍、又は約5倍大きい。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1の容量は、第2の中空本体2の容量とほぼ同じである。
多くの実施形態において、捕捉材料4の寸法は、胆汁試料から小胞を十分に捕捉できるほど十分な捕捉材料4を有するバランスに最適化されるが、結合している小胞成分を溶解/溶出するために使用される、小さい体積の(例えば、マイクロリットルの規模の)液体も許容する。液体の回収量を減らすことは、特定の有益な実施形態において、小胞の内容物を高い濃度で抽出することを可能にする。いくつかの実施形態において、捕捉装置100の容積は、捕捉材料4の容積よりも、約1000倍、約500倍、約300倍、又は約100倍大きい。捕捉材料4の材料が中部の空間を含む実施形態において、句「捕捉材料4の容積」の意味は、これらの中部の空間の容積を含むように捉えられるものとする。いくつかの実施形態において、溶解体積、又は溶出体積は、約5マイクロリットルから約10マイクロリットル、約10マイクロリットルから約20マイクロリットル、約20マイクロリットルから約50マイクロリットル、約50マイクロリットルから約100マイクロリットル、約100マイクロリットルから約150マイクロリットル、約150マイクロリットルから約200マイクロリットル、約200マイクロリットルから約300マイクロリットル、約300マイクロリットルから約400マイクロリットル、約400マイクロリットルから約500マイクロリットル、及びこれらの間に重なる範囲を含む、約5から約500マイクロリットルの範囲に亘る。
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は立方体状である。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、ウエハー状、球状、又はこれらのある組み合わせである。いくつか
の実施形態において、捕捉材料4は、約50:1、約25:1、約10:1、約5:1、又は約3:1の厚さ比まで表面領域を有す。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、約20:1、約10:1、約5:1、又は約2:1の長さ定量(length ration)までの直径を有する円筒ウエハーである。少なくとも1つの実施形態において、捕捉材料4は、円筒状であり、直径約9mm、及び厚さ約1mmを有す。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の末端領域236は、標準的なマルチウェルプレートのウェル内に嵌め合うような大きさである。いくつかの実施形態において、末端領域236は、標準的な6ウェルプレート、又は標準的な12ウェルプレート、又は標準的な24ウェルプレート、又は標準的な96ウェルプレート、又は標準的な384ウェルプレート、又は標準的な1536ウェルプレートなどのウェル内に嵌め合うような大きさである。このようなプレートは、様々な製造業者から市販されており、前記製造業者は、コーニング(Corning)、ヌンク(Nunc)、フィッシャー(Fisher)、BD バイオサイエンス(BD Biosciences)などを含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、プレートは、表1に表すウェル寸法を有す。
Figure 2016540496
いくつかの実施形態において、「キャリア」、又はフレームを使用して、第2の中空本体をマイクロプレートのウェル中に安定して配置することを容易にする。いくつかの実施形態において、フレームは、マイクロプレートと同じ数のウェルを有し、特定の第2の中空本体をマイクロプレート中の対応するウェルと位置を合わせるように機能する。いくつかの実施形態において、小胞の核酸内容物をマイクロプレートへ溶解し移動させた後、フレームを取り外す。いくつかの実施形態において、マイクロプレートを処理して、オリゴ(dT)をマイクロプレートの各ウェル内に固定化する。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2が、マルチウェルプレート第1のウェルと相互作用するとき、第2の中空本体2のタブ260は、マルチウェルプレートの隣り合うウェルの少なくとも一部を越えて伸びる。少なくとも1つの実施形態において、タブ260は、マルチウェルプレートの半分のウェルが、タブ260が互いに重なることなく、第2の中空本体2によって一度に占められることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態において、第2の中空本体2は、マルチウェルプレートのウェルの壁と相互作用する突起部270を有し、第2の中空本体2をマルチウェルプレートのウェルに固定する。いくつかの実施形態において、タブ260は、マルチウェルプレートの各ウェルを使用して試料を受けることができるような寸法に形成される。
いくつかの実施形態において、バイオマーカーを単離するための方法は、患者から液体試料3を採取すること、液体試料3を捕捉材料4に通過させること、非小胞物質を捕捉材料4から除去すること、及び、捕捉材料4内、又は捕捉材料4上の小胞を溶解バッファーで溶解し、それによって小胞からバイオマーカーを単離することを含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーを、RNA、DNA、タンパク質、及び炭水化物のみから
成る群から選択する。いくつかの実施形態において、RNAは、mRNA、miRNA、rRNA、tRNA、及びvRNAのみから成る群から選択される種類のRNAである。
いくつかの実施形態において、捕捉装置100が、遠心分離管内に置かれ、つば105が、捕捉装置100を遠心分離管に対して固定化された位置に保持する。捕捉装置100を遠心分離管内に置く前、又は置いた後に、液体試料3を捕捉装置100に入れる。捕捉装置100を遠心分離にかける。遠心分離管は、受け容器として働き、液体試料3が捕捉装置100を通過した後に、液体試料3を受ける。いくつかの実施形態において、低速遠心分離を使用して、液体試料3を捕捉装置100に通り抜けさせる。
いくつかの実施形態において、各第2の中空本体を、マイクロプレートのウェルに(キャリア/フレームを使用して、又は使用しない、いずれかで)配置し、次に、第2の中空本体内のフィルター上の捕捉した小胞を溶解バッファーで溶解し、それによって、RNAを捕捉された小胞から放出させる。次に、RNAをマイクロプレートに(例えば、遠心分離、及び/又は真空圧によって)移す。任意で、マイクロプレートのウェルを、ウェル内に固定化されたオリゴ(dT)で処理して、RNAがマイクロプレートのウェルにオリゴ(dT)を介してハイブリダイズするようにする。このような実施形態において、RNAをプレートのウェル内に保持したまま、RNA−オリゴ(dT)複合体を洗浄することができる。いくつかの実施形態において使用され得る溶解バッファーの組成に関するさらなる詳細は、本明細書に参照によってその全体が組み込まれる、米国特許第8,101,344号に見られ得る。いくつかの実施形態において、cDNAを、オリゴ(dT)−固定化RNAから合成する。いくつかの実施形態において、次に、リアルタイムPCRを、肝臓の機能、又は疾病に関連するマーカーの増幅のために特異的に設計されたプライマーと共に使用して、cDNAを増幅する。このような実施形態において使用されるプライマーを表2に示す。いくつかの実施形態において使用されるPCR反応についてのさらなる詳細は、本明細書に参照によってその全体が組み込まれる、米国特許出願第8,101,344号でも見られ得る。
Figure 2016540496
PCR反応の完了後、1つ以上のマーカーに関する(検出されたPCRで増幅されたc
DNAの量によって表される)mRNAを定量する。特定の実施形態において、肝臓マーカーをコードするmRNA量を、基準値と比べることによって、数量を計算する。いくつかの実施形態において、基準値は、健康な発病していない患者に見られるmRNA量であろう。他の実施形態において、基準値は、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルである。特定のこのような実施形態において、ベータ−アクチン、又は他の適切なハウスキーピング遺伝子を基準値として使用する。当技術分野においてよく知られている多数の他のハウスキーピング遺伝子もまた、基準値として使用してもよい。他の実施形態において、ハウスキーピング遺伝子を補正因子として使用すると、最終的な比較は、発病していない(対照)試料からの同じマーカーと比較した、発病した患者からのマーカーの発現レベルとなる。いくつかの実施形態において、ハウスキーピング遺伝子は、上述の遺伝子、又はマーカーなどの、組織特異的遺伝子、又はマーカーである。さらなる他の実施形態において、基準値はゼロであり、マーカーの数量は、絶対数で表される。いくつかの実施形態において、発病した患者からの1つ以上のマーカーの発現を、発病していない人からの1つ以上の他のマーカーと比較した割合が作られる。
いくつかの実施形態において、キットは、液体試料3から目的成分を抽出するために与えられる。キットは、しばしば、より良い品質管理と、結果におけるより高い一貫性とを可能にする。いくつかの実施形態において、キットは捕捉装置100、及び本明細書に開示される方法を実施するのに有用な他の物品を含む。いくつかの実施形態において、キットは、溶解バッファー、カオトロピック剤、洗浄バッファー、アルコール、界面活性剤、又はこれらの組み合わせのみから成る群から選択される試薬を含む。いくつかの実施形態において、キットの試薬は、個々に与えられるか、又は貯蔵容器内に与えられる。いくつかの実施形態において、キットの試薬は、すぐに使用できるように与えられる。いくつかの実施形態において、キットの試薬は、使用前に希釈される貯蔵液の形式で与えられる。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に開示される方法を実行するのに有用なプラスチック部を含む。いくつかの実施形態において、キットは、ラック、遠心分離管、真空マニホールド、及びマルチウェルプレートのみから成る群から選択されるプラスチック部を含む。使用説明書もまた、いくつかの実施形態において与えられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される分析は、ヒトの患者に適用可能であり、いくつかの実施形態において、前記方法は、動物(例えば、獣医学の診断)に適用可能である。
拒絶反応の治療
本明細書に開示される方法が採用されるとき、いくつかの実施形態において、前記方法は、医療専門家がより患者特異的な診断を作ること、及び、必要であれば症状に適合した治療計画を作ることを可能にする。例えば、肝臓拒絶反応が検出される、いくつかの実施形態において、様々な拒絶反応の治療を調査、及び/又は実施し得る。例えば、初期段階の慢性拒絶反応が、拒絶反応に関連するマーカーの発現の増加、又は減少によって検出される場合、再移植を検討し得る。急性拒絶反応を、ムノサプレッシブ治療(mmunosuppressive therapy)で治療する場合がある(例えば、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗増殖剤、mTOR阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、ミコフェノール酸、シロリムス、エベロリムス、及びこれらの組み合わせを投与し得る)。いくつかの実施形態において、抗体に基づいた治療を、免疫抑制治療を補う(又は、代替する)ように採用し得る。抗体薬物は、モノクローナル抗IL−2Rα受容体抗体、バシリキシマブ、ダクリズマブ、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)、モノクローナル抗CD20抗体、リツキシマブを含む場合がある。重度の場合において、免疫抑制療法、又は抗体療法では効果がない対象に輸血を与える場合がある。また、いくつかの実施形態において、例えば、移植レシピエントの免疫システムをドナーの免疫システムで置き換えるといった、骨髄移植を採用する場合があり、これによって
、レシピエントは拒絶反応なく肝臓を受容することができる。本明細書に開示される、システム、方法、及び装置は、このような臨床的状況の診断、及び治療を容易にする。
いくつかの例において、患者、又は対象の診断は、小胞に関連するRNAの採取から特定されたRNAマーカーの結果に基づく。いくつかの例において、検出されたRNAマーカーは、患者が、肝臓拒絶反応、又は肝臓感染症の初期段階、急性段階、又は持続性段階にあることを示す。拒絶反応の段階に基づいて、医療専門家、又は他の個人は、適当な治療を適用する場合がある。患者、又は対象が、拒絶反応の初期段階にあることが決定されている、いくつかの例において、適用される治療は、抗生物質治療である。
いくつかの実施形態において、医療専門家が、患者を診断、モニター、及び/又は治療するために遺伝子検査を必要としている場合がある。このように、いくつかの実施形態において、医療専門家は、検査を指示し、患者に対する診断、又は治療計画を作るのにその結果を使用する場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、医療専門家は、患者から試料を採取する、又はそうでなければ、患者に検査のための試料を用意させる場合がある。次に、医療専門家は、試料を研究所、又は試料を処理して検査できる他の第三者に送る場合がある。あるいは、医療専門家は、自分自身で(例えば、院内で)試料の処理、検査を実施する場合がある。検査は、疾病、又は肝臓拒絶反応の存在に関連するデータを含む、試料に関する定量的、及び/又は定性的な情報を与える場合がある。この情報を一旦収集すると、いくつかの実施形態において、情報を、対照の情報と(例えば、ベースライン、又は正常集団と)比較して、検査結果が、患者の試料と対照との間の差異を示すのかどうかを決定する場合がある。情報を比較し分析した後、さらなる分析のために情報を医療専門家に戻す。検査の結果と、医療専門家の分析とに基づいて、医療専門家は、患者をどのように治療するのか、又は診断するのかを決定する場合がある。
実施例1−移植後の肝臓の状態の評価
上述のように、移植臓器は、多くの潜在的な臨床的問題にさらされる。前記臨床的問題は、拒絶反応、感染症、元の疾病の再発、薬物中毒などを含むがこれらに限定はされない。早期の診断、及び鑑別診断が、治療のタイミング、並びに、適切な薬物、及び/又は薬物の配合の選択にとって重要である。臨床症状は、しばしば、本質的に非特異的であり、正確な診断を不可能にする。生検は確定診断を与えるが、生検は、侵襲性であり、一般的にルーチンには実施できない。本実施例は、本明細書に開示される方法が、どのように、移植後の肝臓の状態の改良された評価を可能にするのかを示す。
方法
いくつかの場合において、肝臓移植後、胆汁は、手術後数日間(又は、数週間まで)採取される。多くの場合において、排出された胆汁は、医療廃棄物と見なされるが、本明細書に開示される方法は、この「廃棄物」を対象の肝臓の状態に関連する情報源として有益に採用する。
肝臓移植の6人のレシピエントを研究した。肝臓移植後に、外部のドレナージ管から胆汁を採取した。毎日、およそ5mLの胆汁を滅菌管に採取し、−80℃で保存した。対象の特徴を表3に要約する。
Figure 2016540496
胆汁(1.5mL)を4mLの5×PBSと混合して、pHと塩濃度を平衡化し(いくつかの実施形態において、平衡化は必要ないけれども)、激しく混合して、粘液性物質をホモジナイズした。希釈した胆汁溶液を(上記で詳細に論じた)エキソソーム採取装置に入れ、5分間、2000×Gで4℃で遠心分離した。簡潔に言えば、希釈した胆汁溶液を、エキソソーム捕捉膜を含む第2の中空本体に連結した第1の中空本体の入口に加えた。その集合体(第1の中空本体、及び第2の中空本体)を遠心分離管に入れ、希釈した胆汁溶液を、第2の中空本体内のエキソソーム捕捉膜に通過させるように遠心分離した。エキソソーム−希釈された胆汁を、遠心分離管の底に採取し、その後、廃棄した(いくつかの実施形態において、胆汁は、第1の中空本体内に再度入れ戻され、エキソソームフィルターを1回以上追加で通過し、さらなるエキソソームを捕捉することができたけれども)。第2の中空本体を第1の中空本体から分離し、マルチウェルフレーム(例えば、96ウェルフレーム)に入れた(例えば、図1を参照)。
100μLの溶解バッファーを各捕捉膜に加え、37℃で10分間インキュベートし、膜上に捕捉されたエキソソームからmRNAを放出させた。次に、96ウェルフレームをオリゴ(dT)が固定化されたプレート(図1)上に置き、5分間2000×Gで4℃で遠心分離し、これによって、エキソソームから遊離されたmRNAを、96ウェルプレートの対応するウェルに移した。得られたmRNAを含むオリゴ(dT)が固定化されたプレートを4℃で一晩保存し、プレートの各ウェル内でmRNAのポリ(A)+テールと固定化されたオリゴ(dT)との間でハイブリダイゼーションさせた。続いて、プレートを洗浄バッファーで数回洗浄し、非mRNA物質を除去し、dNTPと逆転写酵素を加えて、プレート上でcDNAを合成した。次に、cDNAをリアルタイムPCRに使用して、肝臓の機能に関連するマーカーの遺伝子発現を評価した。プライマー配列は、上記の表2に示している。
結果
6人の患者のなかで、1人の患者が、図7に示すように、急性拒絶反応を発症した。図7は、体温、血清総ビリルビン値、及び血清総アラニンアミノ基転移酵素(ALT)値を示し、各値は、手術後約1週間で上昇した。拒絶反応を生検標本の病理学的解析によって確認した(図8参照)。前記生検標本は、Banff分類において、拒絶反応活動指数(rejection activity index)(RAI)が6−8と得点化され、中等度から重度の拒絶反応を示した。図8Aは、リンパ球、好酸球、及び好中球の門脈域への浸潤、並びに随伴する内皮炎を示す。図8Bは、リンパ球の胆管への浸潤を示す。ステロイドパルス療法の後、生理的パラメーターを制御し、対象を術後92日に退院させた(図7参照)。
本明細書に開示される、エキソソームに関連するmRNAの捕捉、及び分析のための方法を使用して、各対象からの胆汁試料を評価した。図9Aに示すように、対照のハウスキーピング遺伝子(β−アクチン、ACTB)を全患者からの胆汁試料において検出し、これに従って、胆汁がエキソソームを含むこと、及び胆汁中の厳しい条件にもかかわらず、mRNAがエキソソーム中に保持されることを確認した。ACTBの発現レベルは、拒絶反応の発症と相関性がなかった。同様に、図9Eに示されているように、肝臓に特異的なアルブミン(ALB)のmRNAもまた、胆汁のエキソソームで検出された。このデータは、胆汁試料が肝臓由来のエキソソームを含んだことを確証する。しかしながら、ALBの発現は、急性拒絶反応の有無とは相関性がなかった。
ACTB、及びALBとは対照的に、様々なケモカインmRNAが拒絶反応時に増加したが(IL1Bに関して図9B、IL6に関して図9J、及びIL8に関して図9Nを参照)、一方で、これらのmRNAは、急性拒絶反応が無かった他の患者では検出されなかった。興味深いことに、IL8のレベルが非常に突出していて、ACTBよりも高かった。これらデータは、IL8が、拒絶反応の初期のマーカーとして有用である場合があることを示唆している。IL2のmRNAの誘導(図9F)は、免疫カスケードが、拒絶された肝臓で活性化されることを示した。腫瘍壊死因子スーパーファミリー(TNFSF)のmRNAの検出(図9CのTNFSF2=TNFα、及び図9GのTNFRSF6=FasL)は、細胞障害性T細胞の活性が急性拒絶反応に関係していることを示唆した。肝成長因子(図9IのHGF)のmRNAと、血管上皮増殖因子(図9MのVEGF)のmRNAとの検出は、肝臓組織、及び関連する脈管構造の再成長に関連し、従って、回復過程は、拒絶された肝臓において始まったことを示す。IL4のmRNAが誘導されなかったので(図9P)、この急性拒絶反応の発現は、免疫グロブリンの合成を誘導するのに十分には強くなく、拒絶反応が、免疫抑制治療によって制御される可能性があることをさらに示唆した(図7のミコフェノール酸モフェチルの投与を参照)。抗炎症性サイトカインであるIL10の発現レベルは、誘導されなかった(図9D)。このことは、免疫活性化の阻害カスケードが、急性拒絶反応を有するこの患者において比較的弱かったことを示唆する。興味深いことに、好中球マーカーであるDEFA3(図9Oのデフェンシンα3)が、3つの事例で移植後の最初の1週間に現れ、このことは、拒絶反応が発症しなくても、移植後に、ある程度の好中球の浸潤があることを示唆する。DEFA3、及び好酸球マーカーであるPRG2(図9Qのプロテオグリカン2、ナチュラルキラー細胞活性化因子、好酸性顆粒主要塩基性タンパク質)が、共に、急性拒絶反応を有する対象において誘導された。これらのデータは、生検の所見で特定された好中球、及び好酸球の浸潤に対応する(図8A/8B)。CD16は、NK細胞のマーカーであり、この遺伝子の誘導(図9K)は、拒絶反応時に、NK細胞が寄与することもまた示した。また、これらのデータは、本明細書に開示され、本実施例に採用される方法が、胆汁試料からエキソソームを捕捉し、続いて、エキソソームからmRNAを単離し検出することを可能にすることを示す。さらに、様々な免疫マーカーの検出が可能であり、様々な免疫マーカーの検出は、移植肝臓における、免疫活性(又は、その欠如)の様々な面を示唆する。このように、本明細書に開示される方法は、対象の肝臓の臨床的状態の評価を可能にし、いくつかの実施形態において、拒絶反応及び/又は他の疾病の(例えば、臨床症状の出現の前に)早期の検出を可能にする。したがって、これらの方法は、肝臓疾患の早期診断、及びより良い臨床成績と、改良された患者のケアをもたらす形式で実施される治療法(又は、防止法)を可能にする。
上記で開示された実施形態の特定の特徴、及び態様の様々な組み合わせ、又は副組み合わせが作られてもよく、1つ以上の本発明内に依然として達することが考慮される。さらに、実施形態に関連する、あらゆる特定の特徴、態様、方法、性質、特性、品質、特質、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載の全ての他の実施形態において使用され得る。従って、開示された実施形態の様々な特徴、及び態様は、開示された発明の様
々な形式を形成するために、互いに組み合わされる、又は置き換えられることができることが理解されるべきである。このように、ここで開示される本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態に制限されるべきではないことが意図される。さらに、発明は様々な変更及び代替的な形式を受け入れるが、こららの特定の例が図面において表されており、本明細書において詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形式、又は方法に制限されるものではなく、反対に、本発明は、記載の様々な実施形態と、添付の特許請求の範囲との精神、及び範囲内に達している、全ての変更物、均等物、及び代替物を包含するものであることが理解されるべきである。本明細書に開示されるあらゆる方法は、記載の順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実施者によってとられる特定の行動を含む;しかしながら、前記方法は、別の当事者の前記行動の明白であるか、又は含蓄的であるかのいずれかの指示もまた含み得る。例えば、「対象が肝臓移植拒絶反応を患っていることを決定した後に、対象へ治療を適用すること」などの行動は、「対象が肝臓移植拒絶反応を患っていることを決定した後に、対象への治療の適用を指示すること」を含む。
本明細書に開示される範囲は、ありとあらゆる、範囲の重なり、副範囲、及び組み合わせも包含する。「まで」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「間」などの言葉は、記載されている数を含む。「約」、又は「およそ」などの語句の後に続く数は、記載されている数を含む。例えば、「約10ナノメートル」は、「10ナノメートル」を含む。
いくつかの実施形態において、マーカーのあるファミリーが、肝臓の状態を示す場合がある。例えば、肝臓の状態は、マクロファージ由来mRNA、IL8、及びケモカインmRNAのうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、細胞障害性T細胞由来mRNA(TNF−アルファ、FasL、IFNG、GZB)、若しくは白血球特異的mRNA(CD16、DEFA3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、又は急性感染症期として決定される場合がある。別の実施形態において、肝臓の状
態は、制御性T細胞由来mRNA、若しくは抗炎症性サイトカインmRNA(IL10、TGFB、CTLA4、PD−1、FOXP3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応、又は急性感染症からの回復期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、Thl由来mRNA(IL2)、Th2由来mRNA(IL4)、若しくはGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期、又は持続性感染症期にあると決定される場合がある。いくつかの実施形態において、本明細書の方法は、これらのマーカーのファミリーの各々からマーカーを選択すること、及び選択されたマーカーの各々の発現を検出して、肝臓の状態を決定することによって実施される。
いくつかの実施形態において、マーカーは、IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4及びGMCSFのみから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、又は急性感染症期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、肝臓の状態は、IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期、又は持続性感染症期として決定される場合がある。いくつかの実施形態において、本明細書の方法は、これらのマーカーのファミリーの各々からマーカーを選択すること、及び選択されたマーカーの各々の発現を検出して、肝臓の状態を決定することによって実施される
例えば、いくつかの実施形態において、RNAを、完全に自動化された方法、例えば、コンピュータープロセッサ、及び関連のオートメーション化した機械により制御される方法で分離する。一実施形態において、胆汁試料などの生体試料を採取して、試料処理装置が入れられている受け容器に入れる。使用者は、情報をデータ入力レシーバに入れる。このような情報は、試料の同一性、試料の量、及び/又は特異的な患者の特徴に関連する。次に、使用者は、RNA単離プロトコルを実施することができる。このプロトコルでは、コンピューターは、アルゴリズムにアクセスし、関連する機能を実行して、小胞などの生体成分を単離するように胆汁試料を処理し、続いて、小胞を処理してRNAを遊離するように構成されている。さらなる実施形態において、コンピューター実行プログラムは、単離されたRNA量を定量すること、及び/又は、純度を評価することができる。このような実施形態において、量及び/又は純度が、最小閾値を越えれば、自動化された方法でRNAをさらに処理して、相補DNA(cDNA)を生成することができる。次に、例えば、ポリ−A RNAテールにオリゴdT分子を結合させること、及びRNAポリメラーゼを使用して引き続いて伸張させることなどの、確立された方法を使用してcDNAを生成することができる。
いくつかの実施形態において、対象の肝臓の状態(例えば、機能及び/又は健康のレベル)を決定するための方法を与える。いくつかの実施形態において、状態を、肝臓移植、又は肝臓手術(又は、他の治療)のすぐ後に決定する。例えば、いくつかの実施形態において、肝臓移植の後に対象の肝臓の状態を特定する方法が与えられる。前記方法は、(I)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を入手すること、(II)前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を単離すること、(III)以下のマーカーの群:(a)IL1B、IL6及びIL8、(b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16DEFA3、及びPRG2、(c)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3、並びに(d)IL2、IL4、及びGMCSFの各々からの少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、(i)前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること、(ii)前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること、並びに(iii)前記cDNAを、肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することを含む方法によって検出すること;並びに、(IV)前記対象の前記肝臓の状態を、(a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、(b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、(c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は(d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定することを含む。
さらに、肝臓手術の後に対象の肝臓の状態を決定する方法が与えられる。前記方法は、前記肝臓から採取された胆汁を入手すること、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、前記胆汁を、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を捕捉するように構成された膜に通すことによって、前記胆汁から単離すること、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、(i)前記採取された胆汁からRNAを単離すること、(ii)前記採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、(iii)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー、及びアンチセンスプライマーと接触させることを含む方法で検出すること、並びに、前記対象の前記肝臓の状態を、(a)マクロファージ由来mRNA、IL8、及びケモカインmRNAのうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、(b)細胞障害性T細胞由来mRNA(TNFアルファ、FasL、IFNG、GZB)、若しくは白血球特異的mRNA(CD16、DEFA3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、(c)制御性T細胞由来mRNA、若しくは抗炎症性サイトカインmRNA(IL10、TGFB、CTLA4、PD−1、FOXP3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は(d)Thl由来mRNA(IL2)、Th2
由来mRNA(IL4)、若しくはGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定することを含む。いくつかの実施形態において、前記単離することは、前記胆汁をろ過することを含む。いくつかの実施形態において、前記単離することは、前記胆汁を、希釈すること、及びろ過することを含む。いくつかの実施形態において、前記ろ過することは、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、フィルター上に捕捉する。この形態において、各試料で小胞の濃度が希釈されている場合、胆汁のいくつかの試料を続いて処理することができる。好都合に、このことは、捕捉された膜粒子の濃度を何倍にもすることを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態において、単一の試料が、対象の肝臓の状態の完全な分析を可能にするのに十分な量の膜粒子の捕捉を可能にする。
移植及び拒絶反応
臓器移植、及び組織移植は、医療分野で主流ではないが、移植手術、又は移植後に関連する合併症を制御するための技術が改良されるにつれて、より有力になってきている。移植は、臓器(例えば、全臓器)の移植を含む場合がある。あるいは、移植は、組織、言い換えれば、例えば、筋肉、腱、結合組織、又は皮膚などの臓器の一部の移植を含む場合がある。移植される臓器は、腎臓、心臓、肝臓、肺などを含むが、これらに限定はされない。移植される組織は、筋肉、腱、結合組織、皮膚、眼、及び/又は細胞を含むが、これらに限定はされない。実施形態によっては、移植は、いくつかの形態のうちの1つである場合がある。例えば、組織移植は、しばしば、自己移植である(ドナー、及びレシピエントが同じ個体である)。一方、臓器移植は、しばしば、同種異系移植である(ドナー、及びレシピエントが異なる個体である)。しかしながら、本明細書に開示される実施形態によっては、臓器移植、又は組織移植は、自己移植、又は同種異系移植である場合がある。別の実施形態において、異種間の移植が起こる。さらなる別の実施形態において、同系の移植が起こる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、ABO不適合移植を受けた個体の移植後の状態を評価するように使用される。AB血液型に関係ない臓器提供のための臓器の使用は、一般的に幼児レシピエントに限られているが、このような移植は、これらの使用を可能にする。起こった移植の種類に関わらず、本明細書に開示される方法は、移植後のレシピエントの状態を評価すること、並びに、(i)移植拒絶反応の存在、(ii)拒絶反応の源、及び(iii)拒絶反応に対処するのに最も効果的である可能性のある治療法を特定すること、に関して有用である。
いくつかの実施形態において、小胞に関連するRNAが捕捉され、特定のマーカー、若しくはマーカーの群、及び/又は肝臓拒絶反応の特定の段階に対応したRNAマーカーが検出される。例えば、いくつかの実施形態において、肝臓の急性拒絶反応の初期、又は急性感染症の初期に関連するマーカーが検出される場合があり、前記マーカーは、IL1B、IL6、IL8、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。さらに、いくつかの実施形態において、移植された肝臓の急性拒絶反応、又は急性感染症に対応するマーカーが検出され、前記マーカーは、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16DEFA3、PRG2、又は他のマーカーのうち1つ
以上を含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、移植された肝臓の持続性拒絶反応、又は持続性感染症に対応するマーカーが検出され、前記マーカーは、IL2、IL4、GMCSF、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、肝臓移植の後の回復期、又は移植された肝臓の急性拒絶反応、若しくは急性感染症からの回復期に対応するRNAマーカーが検出され、前記マーカーは、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、又は他のマーカーのうち1つ以上を含むが、これらに限定はされない。実施形態によっては、1つ以上の群からのマーカーが検出される。例えば、急性拒絶反応、又は急性感染症に関連するマーカーは、例えば、遺伝子発現の変化における時間差に起因して、対象が肝臓移植後の回復期にある場合にも検出される場合がある。
本明細書に記載される方法論を使用してIL1B、IL6、又はIL8のうち1つ以上が検出されることがあり、肝臓拒絶反応が除外される。一方、いくつかの例において、IL1B、IL6、又はIL8が検出されるときに、拒絶反応が除外される場合がある。例えば、いくつかの場合において、IL1B、IL6、又はIL8が、肝臓拒絶反応、又は肝臓感染症にも対応する別のマーカー群からのマーカーと一緒に検出される場合がある。TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16DEFA3、及びPRG2の群からの少なくとも1つのマーカーが、IL1B、IL6、又はIL8の群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。又あるいは、IL2、IL4、及びGMCSFの群からの少なくとも1つのマーカーが、IL1B、IL6、又はIL8の群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。別の例において、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16DEFA3、及びPRG2の群からの少なくとも1つのマーカーが、IL2、IL4、及びGMCSFの群からの少なくとも1つのマーカーと一緒に検出される場合がある。いくつかの例において、1つの段階からその次の段階への移行が、急速な変化では必ずしもなく、徐々に起こる可能性があるときに(例えば、マーカーの発現が重なる場合に)、肝臓拒絶反応(又は、回復)の特定の段階が、他の方法によって確証される。いくつかの実施形態において、1つ以上のマーカーの特定は、肝臓が、拒絶反応、又は感染症を受けているかどうかと、拒絶反応、又は感染症が、どの段階にあるのかとを、個人が、明確かつ正確に示すことを可能にする。いくつかの例において、1つ以上のマーカーの特定は、拒絶反応、又は感染症を個人が除外することを可能にする場合がある。
いくつかの実施形態において、第1の中空本体1、及び第2の中空本体2は、核酸に対して、及び/又は小胞に対して低い結合親和性を有する材料で作られている(それによって、フィルター材料上への小胞の捕捉の効率が高められる。適当な材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びポリエチレンなどのプラスチックを含むが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1、及び第2の中空本体2は、金属、又は複合材料で作られている。いくつかの実施形態において、内側表面140、240は、核酸(及び/又は小胞)に対する表面の結合親和性を低める、1つ以上の物質で被覆される。
いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の上部領域232は、第1の中空本体1の末端領域136と機能的に連絡するように構成される。第1の中空本体1、及び第2の本体2は、ねじ山の嵌め合い、ルアーの嵌め合い、締り嵌め、及び圧縮嵌めを含むがこれらに制限はされない、あらゆる方法によって機能的に連絡する場合がある(他の種類の嵌め合いが、別の実施形態において使用される場合があるけれども)。いくつかの実施形態において、第1の中空本体1の末端領域136は、第2の中空本体2の上部領域232の内側に嵌め合うように構成される。いくつかの実施形態において、第2の中空本体2の上部領域232は、第1の中空本体1の末端領域136の内側に嵌め合うように構成される。いくつかの実施形態において、外側表面130の少なくとも一部は、内側表面240の少なくとも一部によって囲まれる。いくつかの実施形態において、外側表面230の少なくとも一部は、内側表面140の少なくとも一部によって囲まれる。いくつかの実施形態において、出口直径112は、入口直径211よりも小さい
いくつかの実施形態において、捕捉材料4は立方体状である。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、ウエハー状、球状、又はこれらのある組み合わせである。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、約50:1、約25:1、約10:1、約5:1、又は約3:1の厚さ比まで表面領域を有す。いくつかの実施形態において、捕捉材料4は、約20:1、約10:1、約5:1、又は約2:1の長さ比までの直径を有する円筒ウエハーである。少なくとも1つの実施形態において、捕捉材料4は、円筒状であり、直径約9mm、及び厚さ約1mmを有す。
拒絶反応の治療
本明細書に開示される方法が採用されるとき、いくつかの実施形態において、前記方法は、医療専門家がより患者特異的な診断を作ること、及び、必要であれば症状に適合した治療計画を作ることを可能にする。例えば、肝臓拒絶反応が検出される、いくつかの実施形態において、様々な拒絶反応の治療を調査、及び/又は実施し得る。例えば、初期段階の慢性拒絶反応が、拒絶反応に関連するマーカーの発現の増加、又は減少によって検出される場合、再移植を検討し得る。急性拒絶反応を、免疫抑制治療で治療する場合がある(例えば、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗増殖剤、mTOR阻害剤、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、ミコフェノール酸、シロリムス、エベロリムス、及びこれらの組み合わせを投与し得る)。いくつかの実施形態において、抗体に基づいた治療を、免疫抑制治療を補う(又は、代替する)ように採用し得る。抗体薬物は、モノクローナル抗IL−2Rα受容体抗体、バシリキシマブ、ダクリズマブ、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)、モノクローナル抗CD20
抗体、リツキシマブを含む場合がある。重度の場合において、免疫抑制療法、又は抗体療法では効果がない対象に輸血を与える場合がある。また、いくつかの実施形態において、例えば、移植レシピエントの免疫システムをドナーの免疫システムで置き換えるといった、骨髄移植を採用する場合があり、これによって、レシピエントは拒絶反応なく肝臓を受容することができる。本明細書に開示される、システム、方法、及び装置は、このような臨床的状況の診断、及び治療を容易にする。

Claims (46)

  1. 肝臓移植後に対象の肝臓を治療する方法であって、
    (I)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を入手すること;
    (II)前記胆汁の検査を指示して、前記肝臓の状態を決定することであって、前記検査が、
    前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を単離すること;
    前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること;
    前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、
    前記cDNAを、肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成することであって、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーを、以下のマーカーの群:
    (a)IL1B、IL6及びIL8、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2、
    (c)IL2、IL4、及びGMCSF、並びに、
    (d)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3
    の各々から選択すること;並びに、
    前記肝臓の状態マーカーの発現量を検出することを含むこと;
    (III)前記検査の結果を入手すること、並びに、前記結果を評価して、前記対象の前記肝臓の前記状態を、急性拒絶反応からの回復期以外であると決定することであって、前記肝臓の前記状態を、
    (a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、又は
    (c)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として決定すること;並びに、
    (IV)前記対象の前記肝臓を、(III)の決定に基づいて治療すること
    を含む方法。
  2. IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のいずれも検出されない、請求項1に記載の方法。
  3. 群(a)からの少なくとも1つのマーカー、及び群(b)からの少なくとも1つのマーカーが検出される、請求項1に記載の方法。
  4. 群(a)からの少なくとも1つのマーカー、及び群(c)からの少なくとも1つのマーカーが検出される、請求項1に記載の方法。
  5. 群(b)からの少なくとも1つのマーカー、及び群(c)からの少なくとも1つのマーカーが検出される、請求項1に記載の方法。
  6. 群(a)からの少なくとも1つのマーカー、群(b)からの少なくとも1つのマーカー、及び群(c)からの少なくとも1つのマーカーが検出される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記単離することが、前記胆汁をろ過することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ろ過することが、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、フィルター上に捕捉する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記単離することが、前記胆汁を希釈することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記遊離することが、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を、溶解バッファーで溶解することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記遊離することが、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞が、フィルター上に固定されている間に実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記単離することが、
    少なくとも一部の前記胆汁を装置に入れることであって、前記装置が、
    入口、出口、及び前記入口と前記出口の間の内部容積を有する第1の本体;
    入口、出口、前記入口と前記出口の間の内部容積、第2の本体の前記内部容積内に位置するフィルター材料を有し、前記第1の本体と流体連通する、前記第2の本体であって、
    前記第2の本体の前記入口と前記第1の本体の前記出口との相互作用によって可逆的に連結される、前記第1の本体、及び第2の本体、並びに、
    入口、前記入口と反対の閉端、及び内部空洞を有する受け容器であって、
    前記受け容器の前記内部空洞が、前記第1の本体、及び前記第2の本体の両方を可逆的に包み込むような寸法、かつ、前記胆汁が、前記第1の本体の前記内部容積から、前記フィルター材料を通り、前記第2の本体の内部空洞を通り、前記第2の本体の前記出口から出た後に、前記胆汁を受けるような寸法に形成される、前記受け容器を含むこと;並びに、
    前記装置に力を加えて、胆汁を、前記装置を通って、前記受け容器へ入らせ、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を前記フィルター材料上に捕捉すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記力を加えることが、前記装置の遠心分離を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記力を加えることが、前記装置へ陽圧を加えることを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記力を加えることが、前記装置へ真空圧を加えることを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記フィルターが、直径約1.6ミクロン以上の成分を捕捉する材料を含む、請求項8に記載の方法。
  17. 前記フィルターが、ガラス様材料、非ガラス様材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
  18. 前記生成された増幅DNAを、1つの前記肝臓の状態マーカーの一部に相補的なプローブに接触させる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記RNAが、ポリ(A)+RNAを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記特定された肝臓の状態を、前記肝臓の生検の組織学的評価で確証することをさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記胆汁の前記検査が、前記対象における前記肝臓の状態マーカーの発現を、対照試料における前記肝臓の状態マーカーの発現と比較することをさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記胆汁が、前記単離のステップの後に、1つ以上の試料に分けられる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記治療することが、移植組織の除去、再移植、免疫抑制療法、抗体に基づいた治療、輸血、又は骨髄移植の群から選択される治療を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  24. IL1B、IL6、又はIL8が検出され、拒絶反応が除外される、請求項23に記載の方法。
  25. IL1B、IL6、又はIL8が検出され、拒絶反応が除外されず、前記治療することが、抗生物質治療の適用を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  26. 肝臓移植後に対象の肝臓の状態を特定する方法であって、
    (I)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を入手すること;
    (II)前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を単離すること;
    (III)以下のマーカーの群:
    (a)IL1B、IL6、及びIL8、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2、
    (c)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3、並びに
    (d)IL2、IL4、及びGMCSF
    の各々からの少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、
    (i)前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること;
    (ii)前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、
    (iii)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成すること
    を含む方法によって検出すること;並びに、
    (IV)前記対象の前記肝臓の状態を、
    (a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、
    (c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定すること
    を含む方法。
  27. 前記単離することが、前記胆汁をろ過することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記ろ過が、膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、フィルター上に捕捉する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記単離することが、前記胆汁を希釈することを含む、請求項26〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記遊離することが、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を、溶解バッファーで溶解することを含む、請求項26〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記遊離することが、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞が、フィルター上に固定されている間に実施される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記単離することが、
    少なくとも一部の前記胆汁を装置に入れることであって、前記装置が、
    入口、出口、及び前記入口と前記出口の間の内部容積を有する第1の本体;
    入口、出口、前記入口と前記出口の間の内部容積、第2の本体の前記内部容積内に位置するフィルター材料を有し、前記第1の本体と流体連通する、前記第2の本体であって、
    前記第2の本体の前記入口と前記第1の本体の前記出口の相互作用によって可逆的に連結される、前記第1の本体、及び第2の本体、並びに、
    入口、前記入口と反対の閉端、及び内部空洞を有する受け容器であって、
    前記受け容器の前記内部空洞が、前記第1の本体、及び前記第2の本体の両方を可逆的に包み込むような寸法、かつ、前記胆汁が、前記第1の本体の前記内部容積から、前記フィルター材料を通り、前記第2の本体の内部空洞を通り、前記第2の本体の前記出口から出た後に、前記胆汁を受けるような寸法に形成される、前記受け容器を含むこと;並びに、
    前記装置に力を加えて、胆汁を、前記装置を通って、前記受け容器へ入らせ、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞を前記フィルター材料上に捕捉することを含む、請求項26〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記力を加えることが、前記装置の遠心分離を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記力を加えることが、前記装置へ陽圧を加えることを含む、請求項32に記載の方法。
  35. 前記力を加えることが、前記装置へ真空圧を加えることを含む、請求項32に記載の方法。
  36. 前記フィルターが、直径約1.6ミクロン以上の成分を捕捉する材料を含む、請求項28に記載の方法。
  37. 前記フィルターが、ガラス様材料、非ガラス様材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項28に記載の方法。
  38. 前記生成された増幅DNAを、1つの前記肝臓の状態マーカーの一部に相補的なプロー
    ブに接触させる、請求項26〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記RNAが、ポリ(A)+RNAを含む、請求項26〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記特定された肝臓の状態を、前記肝臓の生検の組織学的評価で確証することをさらに含む、請求項26〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記特定することが、前記対象における前記肝臓の状態マーカーの発現を、対照試料における前記肝臓の状態マーカーの発現と比較することを含む、請求項26〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記胆汁が、前記単離のステップの後に、1つ以上の試料に分けられる、請求項26〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 肝臓移植後に対象の肝臓の状態を決定する方法であって、
    前記肝臓から採取された胆汁を入手すること;
    前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、前記胆汁を、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を捕捉するように構成された膜に通すことによって、単離すること;
    IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4、及びGMCSFのみから成る群から選択される、少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、
    (i)前記採取された胆汁からRNAを単離すること;
    (ii)前記採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、
    (iii)前記cDNAを、IL1B、IL6、IL8、TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、DEFA3、IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、FOXP3、IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つに特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成すること
    を含む方法によって検出すること;並びに、
    前記対象の前記肝臓の前記状態を、
    (a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、
    (c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定すること
    を含む方法。
  44. 肝臓手術の後に対象の肝臓の状態を決定する方法であって、
    前記肝臓から採取された胆汁を入手すること;
    前記胆汁からの膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を、前記胆汁を、前記膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び微小胞のうち1つ以上を捕捉するように構成された膜に通すことによって、単離すること;
    少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、
    (i)前記採取された胆汁からRNAを単離すること;
    (ii)前記採取された胆汁からのRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、
    (iii)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーに特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマーと接触させること
    を含む方法によって検出すること;並びに、
    前記対象の前記肝臓の状態を、
    (a)マクロファージ由来mRNA、IL8、及びケモカインmRNAのうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)細胞障害性T細胞由来mRNA(TNFα、FasL、IFNG、GZB)、若しくは白血球特異的mRNA(CD16、DEFA3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、
    (c)制御性T細胞由来mRNA、若しくは抗炎症性サイトカインmRNA(IL10、TGFB、CTLA4、PD−1、FOXP3)のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は、
    (d)Th1由来mRNA(IL2)、Th2由来mRNA(IL4)、若しくはGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定すること
    を含む方法。
  45. 肝臓移植後に対象の肝臓の治療を指示する方法であって、
    (I)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を受け取ること;
    (II)以下のマーカーの群:
    (a)ILlB、IL6、及びIL8、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2、
    (c)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3、並びに、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSF
    の各々からの少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、
    (i)膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞のうち1つ以上を前記胆汁から単離すること;
    (ii)前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること;
    (iii)前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;並びに、
    (iv)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅DNAを生成すること
    を含む方法によって検出すること;
    (III)前記対象の前記肝臓の状態を、
    (a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、
    (c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定すること;並びに
    (IV)前記対象が、急性拒絶反応からの回復期にない場合に、前記対象を治療するのが適当であることを医師に伝えること
    を含む方法。
  46. 肝臓移植後に対象の肝臓の状態を特定する方法であって、
    (I)前記肝臓移植の後に前記対象の前記肝臓から採取された胆汁を入手すること;
    (II)膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞のうち1つ以上を前記胆汁から単離すること;
    (III)前記単離された膜粒子、エキソソーム、エキソソーム様小胞、及び/又は微小胞からRNAを遊離すること;
    (IV)前記遊離されたRNAを逆転写酵素と接触させて、相補DNA(cDNA)を生成すること;
    (V)以下のマーカーの群:
    (a)ILlB、IL6、及びIL8、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16 DEFA3、及びPRG2、
    (c)IL10、TGFベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3、並びに、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSF
    の各々からの少なくとも1つの肝臓の状態マーカーの発現を、
    (i)前記cDNAを、前記肝臓の状態マーカーの各々に特異的なセンスプライマー及びアンチセンスプライマー、並びにDNAポリメラーゼと接触させて、反応混合物を生成すること;並びに、
    (ii)前記反応混合物を熱サイクルにさらすことであって、前記熱サイクルは、前記反応混合物がさらされる温度と時間を制御するように構成されたコンピューターによって生成されることを含むコンピューター化された方法によって検出すること;
    (IV)前記検出ステップからデータを受け取り、前記肝臓の状態マーカーが、予め決められた増幅の閾値に達するのに必要な熱サイクルの数を検出するプログラムを実行するように構成されたコンピューターを使用して、前記対象の前記肝臓の前記状態を、
    (a)IL1B、IL6、及びIL8のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応の初期、若しくは急性感染症の初期、
    (b)TNF−アルファ、FasL、IFNG、グランザイムB、CD16、及びDEFA3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応期、
    (c)IL10、TGF−ベータ、CTLA4、PD−1、及びFOXP3のうち1つ以上が検出されるとき、急性拒絶反応からの回復期、又は、
    (d)IL2、IL4、及びGMCSFのうち1つ以上が検出されるとき、持続性拒絶反応期として特定すること
    を含む方法。
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