本発明は、癌を治療するための注射製剤に関する。
本発明は、2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール:
(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール:
)またはその水和物もしくは塩と、可溶化剤と、pH調整試薬とを含む注射製剤に関する。一実施形態では、注射製剤は、0.5〜10%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.5〜10%(w/v)の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、水を用いて調製される。本発明の一実施形態では、注射製剤はさらに等張試薬を含む。一実施形態では、等張試薬は、塩化ナトリウムおよびデキストロースから選択される。
本発明の一実施形態では、注射製剤は、約1〜10%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約2〜6%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約3〜5%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約4%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、可溶化剤はシクロデキストリンである。一実施形態では、シクロデキストリンはヒドロキシプロピルベータデクスである。
本発明の一実施形態では、注射製剤は、約0.01〜0.5%(w/v)のpH調整試薬を含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.1〜0.2%(w/v)のpH調整試薬を含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.1〜0.1.6%(w/v)のpH調整試薬を含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.154%(w/v)のpH調整試薬を含む。一実施形態では、pH調整試薬はクエン酸である。一実施形態では、クエン酸は無水クエン酸である。一実施形態では、注射製剤のpHは約4.0〜8.0に調整される。一実施形態では、注射製剤のpHは約4.5〜7.0に調整される。一実施形態では、注射製剤のpHは約5.0〜6.5に調整される。一実施形態では、注射製剤のpHは水酸化ナトリウムまたは塩酸によって調整される。
本発明は、約0.5〜10%(w/v)の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、約1〜10%(w/v)の可溶化剤と、約0.01〜0.5%(w/v)のpH調整試薬とを含む注射製剤に関する。一実施形態では、注射製剤は、約1.00%(w/v)の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、約4.00%(w/v)の可溶化剤と、約0.154%(w/v)のpH調整試薬とを含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.5〜10%(w/v)の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、約1〜10%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスと、約0.01〜0.5%(w/v)のクエン酸とを含む。一実施形態では、注射製剤は、約1.00%(w/v)の(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、約4.00%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスと、約0.154%(w/v)のクエン酸とを含む。
本発明は、2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール:
)またはその水和物もしくは塩と、可溶化剤と、pH調整試薬とを含む注射製剤に関する。
一実施形態では、注射製剤は、2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール)またはその塩を含む。一実施形態では、注射製剤は、0.5〜10%(w/v)、0.6〜8%(w/v)、0.7〜6%(w/v)、0.8〜4%(w/v)、0.9〜2%(w/v)、または0.9〜1.1%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、約1%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、1〜20mg/mL、2〜18mg/mL、4〜16mg/mL、6〜14mg/mL、8〜12mg/mL、または9〜11mg/mLの2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオールを含む。一実施形態では、注射製剤は、約10mg/mLの2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを含む。
一実施形態では、可溶化剤はシクロデキストリンである。シクロデキストリンは、例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ランダムメチル化−β−シクロデキストリン、エチル化−β−シクロデキストリン、トリアセチル−β−シクロデキストリン、過アセチル化−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、分枝状−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ランダムメチル化−γ−シクロデキストリン、トリメチル−γ−シクロデキストリン、またはこれらの組み合わせであり得る。一実施形態では、シクロデキストリンはヒドロキシプロピルベータデクスである。一実施形態では、注射製剤は、1〜10%(w/v)、2〜8%(w/v)、3〜6%(w/v)、または3〜5%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約4%(w/v)の可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約4%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスを含む。一実施形態では、注射製剤は、10〜100mg/mL、20〜80mg/mL、30〜60mg/mL、または30〜50mg/mLの可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約40mg/mLの可溶化剤を含む。一実施形態では、注射製剤は、約40mg/mLのヒドロキシプロピルベータデクスを含む。
一実施形態では、注射製剤はpH調整試薬を含む。一実施形態では、pH調整試薬はクエン酸である。一実施形態では、注射製剤は、0.01〜0.5%(w/v)、0.03〜0.4%(w/v)、0.05〜0.3%(w/v)、0.08〜0.2%(w/v)、または0.1〜0.2%(w/v)のクエン酸を含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.15%(w/v)のクエン酸を含む。一実施形態では、注射製剤は、0.1〜5mg/mL、0.3〜4mg/mL、0.5〜3mg/mL、0.8〜2mg/mL、または1〜2mg/mLのクエン酸を含む。一実施形態では、注射製剤は、約1.5mg/mLのクエン酸を含む。
一実施形態では、注射製剤は、1つまたは複数の付加的なpH調整試薬を含む。一実施形態では、付加的なpH調整試薬は塩基または酸である。一実施形態では、付加的なpH調整試薬は水酸化物である。一実施形態では、付加的なpH調整試薬は水酸化ナトリウムである。一実施形態では、付加的なpH調整試薬は塩酸である。
一実施形態では、注射製剤はさらに、等張試薬を含み得る。一実施形態では、等張試薬は塩または糖である。一実施形態では、塩は塩化物である。一実施形態では、塩は塩化ナトリウムである。一実施形態では、注射製剤は、0.4〜10%(w/v)、0.5〜8%(w/v)、0.6〜6%(w/v)、0.7〜4%(w/v)、0.8〜2%(w/v)、または0.8〜1%(w/v)の塩化ナトリウムを含む。一実施形態では、注射製剤は、約0.9%(w/v)の塩化ナトリウムを含む。一実施形態では、糖はデキストロースである。一実施形態では、注射製剤は、1〜10%(w/v)、2〜8%(w/v)、3〜6%(w/v)、または4〜6%(w/v)のデキストロースを含む。一実施形態では、注射製剤は、約5%(w/v)のデキストロースを含む。
一実施形態では、注射製剤は、3〜8、4〜7、5〜7、または5.5〜6.5のpHを有する。
一実施形態では、注射製剤は、約1%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール)と、約4%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスと、約0.15%(w/v)のクエン酸とを含む。
一実施形態では、注射製剤は、約1%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール)と、約4%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスと、約0.15%(w/v)のクエン酸と、付加的なpH調整試薬(例えば、水酸化ナトリウムおよび/または塩酸)とを含む。
一実施形態では、注射製剤は、約1%(w/v)の2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−(((3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(例えば、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール)と、約4%(w/v)のヒドロキシプロピルベータデクスと、約0.15%(w/v)のクエン酸と、等張試薬(例えば、塩化ナトリウムおよび/またはデキストロース)とを含む。
本発明は、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、薬学的に許容可能なキャリアとの注射製剤に関し、さらに、1つまたは複数の賦形剤および1つまたは複数のpH調整化合物を含む。一実施形態では、1つまたは複数の賦形剤は、シクロデキストリンである。例えば、シクロデキストリンはヒドロキシプロピルベータデクスである。一実施形態では、1つまたは複数のpH調整化合物は、クエン酸、水酸化ナトリウム、および塩酸から選択される。一実施形態では、クエン酸は無水である。一実施形態では、注射製剤は、1〜100mg/mLの(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩と、4〜400mg/mLのシクロデキストリンと、0.15〜15mg/mLのクエン酸とを含む。例えば、注射製剤は、10mg/mLの(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールまたはその水和物もしくは塩を含む。例えば、注射製剤は、40mg/mLのシクロデキストリンを含む。例えば、注射製剤は、1.54mg/mLのクエン酸を含む。例えば、注射製剤は、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール三水和物(例えば、0.5〜10%(w/v)の濃度を有する)を含む。
本発明は、使用直前の希釈を意図した無菌濃縮注射製剤に関する。一実施形態では、本発明の注射製剤は、0.9%の塩化ナトリウム注射剤(USP)または5%デキストロース注射剤(USP)などの等張媒体で希釈され、静脈内注入によって投与され得る。例えば、希釈媒体は商業的に入手することができ、薬物製品と一緒にパッケージ化されていなくてもよい。一実施形態では、注射製剤は、ブチルゴム栓およびアルミニウムオーバーシールにより閉鎖されたタイプ1ホウケイ酸ガラス血清バイアル中で供給される。例えば、公称充填容積は10.0mLであるが、ニードルおよびシリンジを用いた10.0mLの送達を確実にするために約5%過剰に添加される。
本発明の一実施形態では、注射製剤の組成は表Aに示される。例えば、薬物製品のpHは、必要に応じて1Nの水酸化ナトリウムまたは1Nの塩酸により、5.0〜6.5に調整される。例えば、薬物製品は、粒子状物質を含まない透明〜黄色の非発熱性の無菌液体である。「EP−1」という用語は、(2R,3R,4S,5R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−5−((((1r,3S)−3−(2−(5−(tert−ブチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを指す。
本発明の一実施形態では、ヒドロキシプロピルベータデクス(HPBCD)の目的は、疎水性結合ポケットを介してEP−1三水和物と分子複合体を形成することによって、活性成分を可溶化することである。例えば、複合体の溶解度は、シクロデキストリン分子の外側のヒドロキシプロピル置換の親水性のために、EP−1三水和物単独の溶解度よりもはるかに高い。ヒドロキシプロピルベータデクスは、(2−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン(CAS番号128446−35−5)、HP−ベータ−CD;HPBCD/HPCD;CAVASOL(登録商標)W7;ヒドロキシプロピル−b−シクロデキストリン;ベータ−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン;(2−ヒドロキシプロピル)−ベータ−シクロデ(cyclode);または2−ヒドロキシプロピル−B−シクロデキストリンとしても知られている。
本発明の一実施形態では、クエン酸は、製剤において二重の役割を果たす。例えば、クエン酸は酸の役割を果たし、EP−1三水和物を部分的にイオン化してEP−1三水和物−HPBCD複合体の溶解度を改善する。例えば、クエン酸は緩衝剤の役割を果たし、pHを5.5〜6.5の範囲に維持する。
「約(about)」、「おおよそ(approximately)」、または「およそ(approximate)」という用語は、数値に関連して使用される場合、値の群または範囲が含まれることを意味する。例えば、「約X」は、Xの±10%、±5%、±2%、±1%、±0.5%、±0.2%、または±0.1%である値の範囲を含む(ここで、Xは数値である)。さらに、「約X」は、X±0.5、X±0.4、X±0.3、X±0.2、またはX±0.1(ここで、Xは数値である)の範囲を含むこともある。
本明細書において、化合物の構造式は、いくつかの場合に、便宜上特定の異性体を表すが、本発明は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などの全ての異性体を含む。さらに、式で表される化合物には結晶多型も存在し得る。あらゆる結晶形態、結晶形態混合物、またはその無水物もしくは水和物が本発明の範囲内に含まれることに注意する。さらに、本発明の化合物の生体内での分解によって生じる、いわゆる代謝産物も本発明の範囲内に含まれる。
「異性」は、同一の分子式を有するが、その原子の結合の順序またはその原子の空間内の配置が異なる化合物を意味する。その原子の空間内の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ねることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれるか、あるいは光学異性体と呼ばれることもある。反対のキラリティーを有する個々のエナンチオマー形態を等量で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
4つの同一でない置換基に結合された炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物としてのいずれかで存在し得る。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)によって特徴付けることができる。絶対配置は、キラル中心に結合する置換基の空間内の配置を指す。検討中のキラル中心に結合する置換基は、Cahn、IngoldおよびPrelogの配列規則(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)に従って順位付けされる。
「幾何異性体」は、その存在が二重結合またはシクロアルキルリンカー(例えば、1,3−シクロブチル)のまわりの回転障害によるものであるジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、Cahn−Ingold−Prelogの規則に従ってその基が分子中の二重結合の同じ側または反対側を示す接頭辞のシスおよびトランス、またはZおよびEによりその名称において区別される。
本発明の化合物が異なるキラル異性体または幾何異性体として示され得ることは理解されるはずである。また、化合物がキラル異性体または幾何異性体形態を有する場合、全ての異性体形態は本発明の範囲内に含まれることが意図され、化合物の命名は、どの異性体形態も排除しないことも理解されるべきである。
さらに、本発明で議論される構造および他の化合物は、その全てのアトロプ異性体(Atropic isomer)を含む。「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が空間内で異なって配置されたタイプの立体異性体である。アトロプ異性体は、その存在が、中心の結合のまわりの大きい基の回転の障害によって生じる回転制限によるものである。このようなアトロプ異性体は、通常、混合物として存在するが、近年のクロマトグラフィ技術の進歩の結果、選択の場合に2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能となった。
「互変異性体」は、平衡状態で存在する2つ以上の構造異性体の1つであり、1つの異性体形態から別の形態へ容易に変換される。この転換は、隣接する共役二重結合の切り替えに付随して生じる水素原子の形式的な移動を生じる。互変異性体は、溶液中で互変異性セットの混合物として存在する。互変異性化が可能である溶液中では、互変異性体の化学平衡が達成され得る。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化によって相互に転換され得る互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
可能である種々のタイプの互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子および水素原子の同時シフトが起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子内のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子内のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応した結果として生じ、グルコースによって示されるような環状(環形状)形態が与えられる。
一般的な互変異性ペアは、複素環式環における、ケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、アミド−イミド酸互変異性(例えば、核酸塩基におけるグアニン、チミンおよびシトシンなど)、アミン−エナミンおよびエナミン−エナミンである。ベンゾイミダゾールが4、5、6または7位に1つまたは複数の置換基を含有する場合、ベンゾイミダゾールも互変異性を示し、異なる異性体の可能性が生じる。例えば、2,5−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールは、互変異性化によって、その異性体2,6−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールとの平衡状態で存在することができる。
本発明の化合物が異なる互変異性体として示され得ることは理解されるはずである。また、化合物が互変異性形態を有する場合、全ての互変異性形態は本発明の範囲内に含まれることが意図され、化合物の命名は、どの互変異性体形態も排除しないことも理解されるべきである。
「結晶多形体」、「多形体」または「結晶形態」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配置において結晶化することができる結晶構造を意味し、これらは全て、同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は、通常、異なるXRPDパターン、赤外スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の因子によって、1つの結晶形態が優位を占めることができる。化合物の結晶多形体は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
本発明の化合物は、結晶性、半結晶性、非結晶性、アモルファス、メソモルファス(mesomorphous)などであり得る。
本発明の化合物は、該当する場合には、化合物自体、ならびにそのN−オキシド、塩、その溶媒和物、およびそのプロドラッグを含む。例えば、塩は、アニオンと、置換プリンまたは7−デアザプリン化合物上の正に帯電した基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。適切なアニオンには、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、重硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、グルタミン酸、グルクロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、トシル酸、サリチル酸、乳酸、ナフタレンスルホン酸、および酢酸が含まれる。同様に、塩は、カチオンと、置換プリンまたは7−デアザプリン化合物上の負に帯電した基(例えば、カルボキシラート)との間でも形成され得る。適切なカチオンには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびアンモニウムカチオン、例えば、テトラメチルアンモニウムイオンイオンが含まれる。置換プリンまたは7−デアザプリン化合物は、第4級窒素原子を含有する塩も含む。プロドラッグの例としてはエステルおよび他の薬学的に許容可能な誘導体が挙げられ、これらは、被験者に投与されると、活性な置換プリンまたは7−デアザプリン化合物を提供することができる。
さらに、本発明の化合物または結晶形態、例えば、化合物または結晶形態の塩は、水和または非水和(無水)形態のいずれかにおいて、あるいは他の溶媒分子との溶媒和物として存在することができる。水和物の非限定的な例としては、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的な量のいずれかの溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶性固体状態において固定モル比の溶媒分子を補足する傾向があり、従って、溶媒和物が形成される。溶媒が水であれば、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールであれば、形成される溶媒和物はアルコラ−トである。水和物は、1つまたは複数の水分子と、1つの物質分子との組み合わせによって形成され、ここで水は、H2Oとしてのその分子状態を保持する。半水和物は、1つの水分子と、2つ以上の物質分子との組み合わせによって形成され、ここで水は、H2Oとしてのその分子状態を保持する。
本明細書で使用される場合、「類似体」という用語は、別の化合物と構造的には類似しているが組成がわずかに異なる化合物を指す(異なる元素の原子による1つの原子の置換、または特定の官能基の存在、または別の官能基による1つの官能基の置換などの場合)。従って、類似体は、基準化合物に対して、機能および外観が類似または同等であるが、構造または起源が類似または同等でない化合物である。
本明細書に定義されるように、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有し、本明細書中に記載される種々の基で置換された化合物を指す。例えば、式(I)で表される化合物は全て、置換プリン化合物または置換7−デアザプリン化合物であり、共通のコアとして式(I)を有する。
「生物学的等価体(bioisostere)」という用語は、原子または原子団と、別のおおむね類似した原子または原子との交換から生じる化合物を指す。生物学的等価性置換の目的は、親化合物と類似した生物学的特性を有する新しい化合物を作り出すことである。生物学的等価性置換は、物理化学的またはトポロジー的に使用され得る。カルボン酸の生物学的等価体の例としては、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホナートおよびホスホナートが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Patani and LaVoie,Chem.Rev.96,3147−3176,1996を参照されたい。
本発明は、本化合物において生じる原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、および限定されることなく、水素の同位体はトリチウムおよびジュウテリウムを含み、炭素の同位体はC−13およびC−14を含む。
本発明は、癌を治療または予防する方法を提供する。本発明は、癌の治療方法を提供する。また本発明は、癌の予防方法も提供する。本方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物を、それを必要としている被験者に投与することを含む。癌は、血液癌であり得る。好ましくは、癌は白血病である。より好ましくは、癌は急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病または混合系統白血病である。
本発明は、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害を治療または予防する方法を提供する。本発明は、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害の治療方法を提供する。また本発明は、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害の予防方法も提供する。本方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物または結晶形態を、それを必要としている被験者に投与することを含む。
本発明は、DOT1媒介タンパク質メチル化が関与する疾患もしくは障害、またはDOT1媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患もしくは障害を治療または予防する方法を提供する。本発明は、DOT1媒介タンパク質メチル化が関与する疾患もしくは障害、またはDOT1媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患もしくは障害の治療方法を提供する。また本発明は、DOT1媒介タンパク質メチル化が関与する疾患もしくは障害、またはDOT1媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患もしくは障害の予防方法も提供する。本方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物または結晶形態を、それを必要としている被験者に投与することを含む。
本発明は、細胞内のDOT1L活性の阻害方法を提供する。本方法は、細胞と、有効量の1つまたは複数の本発明の化合物または結晶形態とを接触させることを含む。
本発明のさらに別の態様は、細胞内のヒストンH3リジン残基79(H3−K79)メチル化のレベルを低減する方法に関する。本方法は、細胞と、本発明の化合物とを接触させることを含む。このような方法は、H3−K79メチル化を介するDOT1の活性によって発生または増強される任意の状態を改善するために使用することができる。
本発明は、本明細書に開示される化合物の、癌の治療または予防のための薬剤の調製における使用に関する。本使用は、それを必要としている被験者に、治療的に有効な量で投与するための本発明の化合物または結晶形態を含む。癌は血液癌であり得る。好ましくは、癌は白血病である。より好ましくは、癌は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病または混合系統白血病である。
本発明は、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害の治療または予防のための薬剤の調製における、本明細書に開示される化合物の使用を提供する。本使用は、それを必要としている被験者に、治療的に有効な量で投与するための本発明の化合物または結晶形態を含む。
本発明は、DOT1媒介タンパク質メチル化が関与する疾患もしくは障害、またはDOT1媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患もしくは障害の治療または予防のための薬剤の調製における、本明細書に開示される化合物の使用を提供する。本使用は、それを必要としている被験者に、治療的に有効な量で投与するための本発明の化合物または結晶形態を含む。
本発明は、細胞内のDOT1L活性を阻害するための、本明細書に開示される化合物の使用を提供する。本使用は、細胞と、有効量の1つまたは複数の本発明の化合物または結晶形態とを接触させることを含む。
本発明さらに別の態様は、細胞内のヒストンH3リジン残基79(H3−K79)メチル化のレベルを低減するための、本明細書に開示される化合物の使用に関する。本使用は、細胞と、本発明の化合物とを接触させることを含む。このような使用は、H3−K79メチル化を介するDOT1の活性によって発生または増強される任意の状態を改善することができる。
本明細書中で示される式において、変数は、詳細な説明において後で定義される化学部分のそれぞれの基から選択することができる。
さらに、本発明は、上記化合物の合成方法を提供する。合成に続いて、エピジェネティックな酵素の調節において使用するために、治療的に有効な量の1つまたは複数の化合物を、哺乳類、特にヒトへの投与のために薬学的に許容可能なキャリアと共に処方することができる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、癌を治療、予防、またはそのリスクを低減するため、あるいは癌を治療、予防、またはそのリスクを低減するための薬剤の製造のために有用である。従って、化合物または製剤は、例えば、経口、非経口、耳、眼、鼻、または局所経路を介して投与して、有効量の化合物を哺乳類に提供することができる。
混合系統白血病(MLL)は、乳児白血病の70%超および成人急性骨髄性白血病(AML)の約10%を構成する急性白血病の遺伝的に異なる形態である(Hess,J.L.(2004),Trends Mol Med 10,500−507、Krivtsov,A.V.、およびArmstrong,S.A.(2007),Nat Rev Cancer 7,823−833)。MLLは、特に侵襲性の白血病の形態を示し、この疾患を有する患者は、一般的に予後不良を有する。これらの患者は、現在の化学療法による治療の後、早期再発に苦しむことが多い。従って、MLLを患っている患者のための新しい治療法が強く現在必要とされている。
MLL疾患の普遍的な顕著な特徴は、染色体11q23上のMLL遺伝子に影響を与える染色体転座である(Hess,2004、Krivtsov and Armstrong,2007)。通常、MLL遺伝子は、特定の遺伝子座においてヒストンH3のリジン4(H3K4)のメチル化を触媒するSET−ドメインヒストンメチルトランスフェラーゼをコードする(Milne et al.(2002)Mol Cell 10,1107−1117、Nakamura et al.(2002),Mol Cell 10,1119−1128)。遺伝子局在化は、SET−ドメイン外部のMLL内の認識要素との特異的な相互作用によって付与される(Ayton et al.(2004)Mol Cell Biol 24,10470−10478、Slany et al.,(1998)Mol Cell Biol 18,122−129、Zeleznik−Le et al.(1994)Proc Natl Acad Sci U S A 91,10610−10614)。疾患関連の転座において、触媒SET−ドメインは喪失され、残りのMLLタンパク質は、AF4、AF9、AF10およびENLなどのタンパク質のAFおよびENLファミリーのメンバーを含む様々なパートナーに融合される(Hess,2004、Krivtsov and Armstrong,2007、Slany(2009)Haematologica 94,984−993)。これらの融合パートナーは、別のヒストンメチルトランスフェラーゼ、DOT1Lと直接または間接的に相互作用をすることができる(Bitoun et al.(2007)Hum Mol Genet 16,92−106、Mohan et al.(2010)Genes Dev.24,574−589、Mueller et al.(2007)Blood 110,4445−4454、Mueller et al.(2009)PLoS Biol 7,e1000249、Okada et al.(2005)Cell 121,167−178、Park et al.(2010)Protein J29,213−223、Yokoyama et al.(2010)Cancer Cell 17,198−212、Zhang et al.(2006)J Biol Chem 281,18059−18068)。結果として、転座産物は、MLLタンパク質の残りの部分内に遺伝子特異的な認識要素を保持するが、これらの座位に対してDOT1Lを補充する能力も獲得する(Monroe et al.(2010)Exp Hematol.2010 Sep18.[Epub ahead of print]Pubmed PMID:20854876、Mueller et al.,2007、Mueller et al.,2009、Okada et al.,2005)。DOT1Lは、H3K79のメチル化、活発に転写される遺伝子に関連するクロマチン修飾を触媒する(Feng et al.(2002)Curr Biol 12,1052−1058、Steger et al.(2008)Mol Cell Biol 28,2825−2839)。DOT1LのMLL融合タンパク質補充から生じる異所性H3K79メチル化は、HOXA9およびMEIS1を含む白血病誘発遺伝子の発現の増強をもたらす(Guenther et al.(2008)Genes&Development 22,3403−3408、Krivtsov et al.(2008)Nat Rev Cancer 7,823−833、Milne et al.(2005)Cancer Res 65,11367−11374、Monroe et al.,2010、Mueller et al.,2009、Okada et al.,2005、Thiel et al.(2010)Cancer Cell 17,148−159)。従って、DOT1Lは疾患自体において遺伝的に改変されていないが、誤配置されたその酵素活性は、MLL患者に影響を与える染色体転座の直接的な結果である。従って、DOT1Lは、この疾患において、白血病誘発の触媒ドライバー(catalytic driver)であることが提唱されている(Krivtsov et al.,2008、Monroe et al.,2010、Okada et al.,2005、Yokoyama et al.(2010)Cancer Cell 17,198−212)。MLLにおけるDOT1Lの病原性の役割についてのさらなる支持は、MLL融合タンパク質の形質転換活性を伝播する際のDOT1Lの必要性を実証するモデル系における研究に由来する(Mueller et al.,2007、Okada et al.,2005)。
証拠によって、DOT1Lの酵素活性がMLLにおける病態形成に重要であり、そしてDOT1Lの阻害がこの疾患における治療的介入のための薬理学的基礎を提供し得ることが示される。化合物治療は、非MLL形質転換細胞へ影響することなく、MLL転座を有する白血病細胞の、選択的な濃度依存性の死滅をもたらす。阻害薬で治療された細胞の遺伝子発現分析は、MLL再配列白血病における異常に過剰発現された遺伝子の下方制御と、MLL−AF9白血病のマウスモデルにおけるDot1L遺伝子の遺伝子ノックアウトによって生じる遺伝子発現変化との類似性とを示す。
本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において細胞増殖性障害の治療方法を提供する。細胞増殖性障害は、癌または前癌状態であり得る。本発明はさらに、細胞増殖性障害の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において血液癌または血液腫瘍の治療方法を提供する。本発明はさらに、血液癌または血液腫瘍の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において白血病の治療方法を提供する。白血病は、急性または慢性白血病であり得る。好ましくは、白血病は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病または混合系統白血病である。本発明はさらに、白血病の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害の治療方法を提供する。遺伝子は、MLL遺伝子であり得る。本発明はさらに、染色体11q23における遺伝子の転座によって媒介される疾患または障害の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において、DOT1(例えば、DOT1L)媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患または障害の治療方法を提供する。本発明はさらに、DOT1L媒介タンパク質メチル化によって媒介される疾患または障害の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明は、ヒストンまたは他のタンパク質のメチル化状態を調節することによってその経過が影響される障害の治療方法を提供し、ここで、前記メチル化状態は、DOT1Lの活性によって少なくとも部部分的に媒介される。ヒストンのメチル化状態の調節は、次に、メチル化によって活性化される標的遺伝子および/またはメチル化によって抑制される標的遺伝子の発現レベルに影響を与えることができる。本方法は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態、溶媒和物、もしくは立体異性体を、このような治療を必要としている被験者に投与することを含む。
DOT1L媒介タンパク質メチル化が関与する障害は、癌または前癌状態または神経疾患であり得る。本発明はさらに、癌または神経疾患の治療のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の使用を提供する。
また本発明は、治療的に有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、このような治療を必要としている被験者に投与することによって、それを必要としている被験者において、DOT1L媒介タンパク質メチル化が関与する障害に対する保護方法も提供する。障害は癌または神経疾患であり得る。また本発明は、細胞増殖性障害の予防のために有用な薬剤の調製のための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態、溶媒和物、もしくは立体異性体の使用も提供する。
本発明の化合物は、タンパク質(例えば、ヒストン)メチル化を調節するため、例えば、ヒストンメチルトランスフェラーゼまたはヒストンデメチラーゼ酵素活性を調節するために使用することができる。ヒストンメチル化は、癌における特定の遺伝子の異常発現と、非神経細胞における神経遺伝子のサイレンシングとに関与することが報告されている。本明細書に記載される化合物は、これらの疾患を治療するため、すなわち、メチル化を低減するため、または対応の正常細胞における大体のそのレベルまでメチル化を回復させるために、使用することができる。
一般に、メチル化モジュレータである化合物は、通常、細胞増殖を調節するために使用することができる。例えば、場合により、過度の増殖はメチル化を低減する薬剤により低減され得るが、一方、不十分な増殖はメチル化を増大する薬剤で刺激され得る。従って、本発明の化合物によって治療され得る疾患には、良性細胞増殖および悪性細胞増殖などの過増殖性疾患が含まれる。
本明細書で使用される場合、「それを必要としている被験者」は、細胞増殖性障害を有する被験者、または全人口に対して細胞増殖性障害を発症するリスクが増大している被験者である。被験者は、癌または前癌状態を有し得る。好ましくは、それを必要としている被験者は癌を有する。より好ましくは、血液癌または白血病である。「被験者」は、哺乳類を含む。哺乳類は、例えば、任意の哺乳類、例えば、ヒト、霊長類、トリ、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジまたはブタであり得る。好ましくは、哺乳類はヒトである。
本明細書で使用される場合、「細胞増殖性障害」という用語は、細胞の無秩序もしくは異常な増殖、またはその両方が、望ましくない状態または疾患の発症をもたらし得る状態を指し、癌性であってもそうでなくてもよい。本発明の例示的な細胞増殖性障害は、細胞分裂が調節解除された様々な状態を包含する。例示的な細胞増殖性障害には、新生物、良性腫瘍、悪性腫瘍、前癌状態、上皮内腫瘍(in situ tumor)、被嚢性(encapsulated)腫瘍、転移性腫瘍、液性腫瘍、固形腫瘍、免疫学的腫瘍、血液腫瘍、癌、癌腫、白血病、リンパ腫、肉腫、および急速分裂細胞が含まれるが、これらに限定されない。「急速分裂細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、同じ組織内の隣接または並列細胞の間で予期または観察される速度を上回るまたは超える速度で分裂する任意の細胞であると定義される。細胞増殖性障害は、前癌または前癌状態を含む。細胞増殖性障害は癌を含む。好ましくは、本明細書で提供される方法は、癌の症状を治療または緩和するために使用される。「癌」という用語は、固形腫瘍、ならびに血液腫瘍および/または悪性腫瘍を含む。「前癌細胞」または「前癌性細胞」は、前癌または前癌状態である細胞増殖性障害を表す細胞である。癌である「癌細胞」または「癌性細胞」は、細胞増殖性障害を表す細胞である。癌細胞または前癌性細胞を同定するために任意の再現性のある測定手段が使用され得る。癌細胞または前癌性細胞は、組織サンプル(例えば、バイオプシーサンプル)の組織学的分類または等級付けによって同定することができる。癌細胞または前癌性細胞は、適切な分子マーカーの使用によって同定することができる。
例示的な非癌性状態または障害には、関節リウマチ;炎症;自己免疫疾患;リンパ球増殖状態;先端巨大症;リウマチ様脊椎炎;変形性関節炎;痛風、他の関節炎状態;敗血症;敗血性ショック;エンドトキシンショック;グラム陰性菌敗血症;毒素性ショック症候群;喘息;成人呼吸窮迫症候群;慢性閉塞性肺疾患;慢性肺炎症;炎症性腸疾患;クローン病;乾癬;湿疹;潰瘍性大腸炎;膵線維症;肝線維症;急性および慢性腎疾患;過敏性腸症候群;発熱(pyresis);再狭窄;脳性マラリア;脳卒中および虚血傷害;神経外傷;アルツハイマー病;ハンチントン病;パーキンソン病;急性および慢性痛;アレルギー性鼻炎;アレルギー性結膜炎;慢性心不全;急性冠動脈症候群;悪液質;マラリア;ハンセン病;リーシュマニア症;ライム病;ライター症候群;急性滑膜炎;筋変性、滑液包炎;腱炎;腱鞘炎;椎間板ヘルニア、破裂、または脱出症候群(herniated, ruptures, or prolapsed intervertebral disk syndrome);大理石骨病;血栓症;再狭窄;珪肺症;肺サルコイドーシス(pulmonary sarcosis);骨粗鬆症などの骨吸収疾患;移植片対宿主反応;多発性硬化症;ループス;線維筋痛症;AIDSおよび他のウィルス性疾患、例えば、帯状疱疹、単純ヘルペスIまたはII、インフルエンザウィルスおよびサイトメガロウィルスなど;ならびに糖尿病が含まれるが、これらに限定されない。
例示的な癌には、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、肛門直腸癌、肛門管癌、虫垂癌、小児小脳星細胞腫、小児大脳星細胞腫、基底細胞癌、皮膚癌(非黒色腫)、胆管癌、肝外胆管癌、肝内胆管癌、膀胱癌(bladder cancer)、膀胱癌(urinary bladder cancer)、骨および関節癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍(supratentorial primitive neuroectodeimal tumors)、視覚路および視床下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、消化管、神経系癌、神経系リンパ腫、中枢神経系癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ系腫瘍、菌状息肉腫、セザリー症候群(Seziary Syndrome)、子宮内膜癌、食道癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内黒色腫腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、眼癌、膵島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓癌、腎癌、腎癌、喉頭癌、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病、口唇および口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、髄芽腫、黒色腫、眼内(眼)黒色腫、メルケル細胞腫、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、舌癌、多発性内分泌腫瘍症候群、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、慢性骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性疾患、鼻咽頭癌、神経芽腫、口の癌、口腔癌、口腔咽頭癌、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵島細胞膵臓癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体部腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎盂および尿管、移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイングファミリー肉腫腫瘍(ewing family of sarcoma tumor)、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮癌、子宮肉腫、皮膚癌(非黒色腫)、皮膚癌(黒色腫)、メルケル細胞皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃(胃の)癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管および他の泌尿器の移行上皮癌、妊娠性絨毛腫瘍、尿道癌、子宮内膜の子宮癌、子宮肉腫、子宮体癌、膣癌、外陰癌、ならびにウィルムス腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞に関与する細胞増殖性障害である。血液系の細胞増殖性障害は、リンパ腫、白血病、骨髄性腫瘍、肥満細胞腫瘍、骨髄異形成、良性モノクローナル免疫グロブリン血症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹症、真性赤血球増加症、慢性骨髄球性白血病、原発性骨髄線維症、および本態性血小板血症を含むことができる。血液系の細胞増殖性障害は、血液系の細胞の過形成、異形成、および化生を含むことができる。好ましくは、本発明の組成物は、本発明の血液癌または本発明の血液細胞増殖性障害からなる群から選択される癌を治療するために使用され得る。本発明の血液癌は、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、小児リンパ腫、ならびにリンパ球および皮膚由来のリンパ腫を含む)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、および肥満細胞白血病を含む)、骨髄性腫瘍および肥満細胞腫瘍を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「単独療法」は、それを必要としている被験者に対する単一の活性または治療化合物の投与を指す。好ましくは、単独療法は、治療的に有効な量の単一の活性化合物の投与を含み得る。例えば、癌の治療を必要としている被験者に対する、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体の1つによる癌の単独療法である。1つの態様では、単一の活性化合物は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物である。
本明細書で使用される場合、「治療(treating)」または「治療する(treat)」は、疾患、状態、または障害と闘うための患者の管理およびケアを説明し、疾患、状態または障害の症状または合併症を緩和するため、あるいは疾患、状態または障害を取り除くための、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の投与を含む。
また本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、疾患、状態または障害を予防するために使用することもできる。本明細書で使用される場合、「予防(preventing)」または「予防する(prevent)」は、疾患、状態または障害の症状または合併症の発症を低減または除去することを説明する。
本明細書で使用される場合、「緩和する(alleviate)」という用語は、障害の兆候または症状の重症度が低減されるプロセスを説明することを意味する。重要なのは、兆候または症状が、除去されずに緩和され得ることである。好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物の投与は兆候または症状の除去をもたらすが、除去は必要とされない。有効な投与量は、兆候または症状の重症度を低減することが期待する。例えば、複数の場所で発生し得る癌などの障害の兆候または症状は、複数の場所のうちの少なくとも1つにおいて癌の重症度が低減されれば、緩和される。
本明細書で使用される場合、「重症度」という用語は、前癌性、または良性の状態から、悪性状態に変化する癌の可能性を説明することを意味する。あるいは、またはさらに、重症度は、例えば、TNMシステム(国際対癌連合(International Union Against Cancer)(UICC)および米国癌合同委員会(AJCC)により承認)に従って、または当該技術分野で認められた他の方法によって、癌のステージを説明することを意味する。癌のステージは、原発腫瘍の場所、腫瘍サイズ、腫瘍の数、およびリンパ節の関与(リンパ節への癌の広がり)などの因子に基づいて、癌の程度または重症度を指す。あるいは、またはさらに、重症度は、当該技術分野で認められた方法(National Cancer Institute,www.cancer.govを参照)によって腫瘍グレードを説明することを意味する。腫瘍グレードは、顕微鏡下でいかに異常に見えるか、そして腫瘍がいかに速く増殖して広がる可能性があるかという観点で、癌細胞を分類するために使用されるシステムである。腫瘍グレードを決定する場合、細胞の構造および増殖パターンを含む多数の因子が考慮される。腫瘍グレードを決定するために使用される特定の因子は、癌の各種類によって異なる。また重症度は、分化とも呼ばれる組織学的グレードも説明し、これは、腫瘍細胞が同じ組織型の正常細胞とどれくらい似ているかを指す(National Cancer Institute,www.cancer.govを参照)。さらに、重症度は核のグレードを説明し、これは、腫瘍細胞中の核のサイズおよび形状、ならびに分裂している腫瘍細胞の割合を指す(National Cancer Institute,www.cancer.govを参照)。
本発明の別の態様では、重症度は、腫瘍が、成長因子を分泌し、細胞外マトリックスを分解し、血管新生し、並置された組織への接着を喪失し、あるいは転移した程度を説明する。さらに、重症度は、原発腫瘍が転移した場所の数を説明する。最後に、重症度は、様々な種類および場所の腫瘍を治療することの困難性を含む。例えば、手術不能の腫瘍、複数の体組織に対してより大きいアクセスを有する癌(血液系および免疫系腫瘍)、および従来の治療に対して最も耐性のある癌は、最も重症であると考えられる。これらの状況において、被験者の平均余命を延ばし、および/または痛みを低減し、癌性細胞の割合を低減し、または細胞を1つの系に限定し、そして癌ステージ/腫瘍グレード/組織学的グレード/核グレードを改善することは、癌の兆候または症状を緩和すると考えられる。
本明細書で使用される場合、「症状」という用語は、疾患、疾病、損傷、または体内で何かが異常であることの表示であると定義される。症状は、症状を経験している個人によって感じられるかまたは気づかれるが、他者が気付くのは容易でないことがあり得る。他者は、非医療従事者であると定義される。
本明細書で使用される場合、「兆候」という用語も体内で何かが異常であることの表示であると定義される。しかしながら、兆候は、医師、看護師、または他の医療従事者によって見ることができるものとして定義される。
癌は、ほとんど任意の兆候または症状を引き起こし得る疾患群である。兆候および症状は、癌がある場所、癌のサイズ、および近くの臓器または構造にそれがどの程度の影響を及ぼすかに依存し得る。癌が広がる(転移する)と、症状は、体の異なる部分に出現し得る。
癌は、増殖するにつれて、近くの臓器、血管、および神経を押し始める。この圧迫は、癌の兆候および症状のいくつかを引き起こす。脳の特定の部分などの重要な領域に癌がある場合には、最小の腫瘍でも初期症状を引き起こし得る。
しかしながら、時には、癌が非常に大きく増殖するまで症状が何も起こらない場所で、癌が発症する。例えば、膵臓癌は、通常、体外から感じられるほど十分に大きく増殖しない。いくつかの膵臓癌は、近くの神経のまわりに増殖し始める(これは腰痛を引き起こす)まで、症状を引き起こさない。その他は、胆管のまわりに増殖し、これは胆汁の流れを遮断し、黄疸として知られている皮膚の黄変をもたらす。膵臓癌は、これらの兆候または症状を引き起こすまでには、通常、進行したステージに達している。
また癌は、発熱、疲労、または体重減少などの症状も引き起こし得る。これは、癌細胞が体のエネルギー供給の多くを使い果たすため、あるいは体の代謝を変化させる物質を放出するためであり得る。あるいは、癌は、これらの症状を生じさせるような方法で形免疫系を反応させ得る。
時折、癌細胞は、癌に起因するとは通常考えられない症状を引き起こす物質を血流内に放出する。例えば、いくつかの膵臓癌は、脚の静脈内に血栓を発生させる物質を放出することができる。いくつかの肺癌は、血中カルシウムレベルに影響を与え、神経および筋肉に影響を与え、そして脱力および眩暈を引き起こすホルモン様物質を作る。
癌は、癌細胞の様々なサブタイプが存在する場合に起こるいくつかの全般的な兆候または症状を示す。癌を有するほとんどの人は、その疾患によりそのうちに体重が減少するであろう。10ポンド以上の説明のつかない(意図しない)重量損失は、癌、特に膵臓癌、胃癌、食道癌、または肺癌の最初の兆候であり得る。
発熱は、癌に伴って非常に一般的であるが、進行した疾患においてより頻繁に見られる。ほとんど全ての癌患者はそのうち、特に、癌またその治療が免疫系に影響を与え、体が感染と闘うことをより困難にする場合に、発熱を有するであろう。頻度は低いが、発熱は、白血病またはリンパ腫などによる癌の初期兆候であることもある。
疲労は、癌の進行と共に重要な症状であり得る。とはいえ、白血病などの癌において、あるいはいくつかの結腸または胃癌などのように癌が持続的な失血を起こしている場合には、早期に起こり得る。
痛みは、骨癌または精巣癌などのいくつかの癌による初期症状であり得る。しかしながら、ほとんどの場合、痛みは、進行した疾患の症状である。
皮膚の癌(次のセクションを参照)と共に、いくつかの内部癌は、見ることのできる皮膚の兆候を生じ得る。これらの変化には、皮膚が黒ずんで(色素沈着過剰)、黄色く(黄疸)、もしくは赤く(紅斑)見えること;掻痒;または過度の発毛が含まれる。
あるいは、またはさらに、癌サブタイプは、特定の兆候または症状を示す。排便習慣または膀胱機能の変化は、癌を示すこともあり得る。長期的な便秘、下痢、または便のサイズの変化は、結腸癌の兆候であり得る。排尿による痛み、尿中の血液、または膀胱機能の変化(排尿の頻度が多くなるまたは少なくなるなど)は、膀胱癌または前立腺癌と関連することもあり得る。
皮膚状態の変化または新しい皮膚状態の出現は、癌を示すこともあり得る。皮膚癌は出血したり、治癒しない傷のように見えたりし得る。口の中の長く続く傷は、特に喫煙、かみたばこまたは頻繁な飲酒を行う患者では、口腔癌であることもあり得る、陰茎または膣の傷は、感染または早期癌のいずれかの兆候であり得る。
異常な出血または分泌は、癌を示すこともあり得る。異常な出血は、早期または進行した癌のいずれかで起こり得る。唾液(痰)の血液は、肺癌の兆候であり得る。便中の血液(または黒ずんだもしくは黒い便)は、結腸または直腸癌の兆候のこともあり得る。子宮頸部または子宮内膜(子宮の内膜)の癌は、膣の出血を引き起こし得る。尿中の血液は、膀胱または腎癌の兆候であり得る。乳首からの血液の分泌は乳癌の兆候であり得る。
乳房または体の他の部分における肥厚またはしこりは、癌の存在を示すこともあり得る。主に乳房、睾丸、リンパ節(腺)、および体の軟組織において、多くの癌は皮膚を通して感じることができる。しこりまたは肥厚は、癌の早期または後期の兆候であり得る。任意のしこりまたは肥厚は、特にその形成が新しいか、あるいはサイズが成長している場合は、癌を示すこともあり得る。
消化不良または嚥下困難は、癌を示すこともあり得る。これらの症状は一般的に他の原因を有するが、消化不良または一般的に他の原因を有するが、食道、胃、または咽頭(喉)の癌の兆候であり得る。
いぼまたはほくろの最近の変化は、癌を示すこともあり得る。色、サイズ、もしくは形状が変化するか、またはその明確な境界線を失ったいぼ、ほくろ、またはそばかすはどれも癌の発症の可能性を示す。例えば、皮膚病変は黒色腫であり得る。
持続する咳または嗄声は、癌を示すこともあり得る。治らない咳は肺癌の兆候であり得る。嗄声は、喉頭(larynx)(喉頭(voice box))または甲状腺の癌の兆候であり得る。
上記の兆候および症状は癌で見られる、より一般的なものであるが、あまり一般的でなく、本明細書に記載されていない他のものも多くある。しかしながら、当該技術分野で認められる全ての癌の兆候および症状が考慮され、本発明によって包含される。
癌の治療は、腫瘍のサイズの減少をもたらすことができる。腫瘍のサイズの減少は、「腫瘍退縮」と呼ばれることもある。好ましくは、治療の後、腫瘍サイズは、その治療前のサイズと比較して5%以上減少され、より好ましくは、腫瘍サイズは10%以上減少され、より好ましくは20%以上減少され、より好ましくは30%以上減少され、より好ましくは40%以上減少され、さらにより好ましくは50%以上減少され、最も好ましくは75%以上減少される。腫瘍のサイズは、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。腫瘍のサイズは、腫瘍の直径で測定することができる。
癌の治療は、腫瘍体積の減少をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、腫瘍体積は、その治療前のサイズと比較して5%以上減少され、より好ましくは、腫瘍体積は10%以上減少され、より好ましくは20%以上減少され、より好ましくは30%以上減少され、より好ましくは40%以上減少され、さらにより好ましくは50%以上減少され、最も好ましくは75%以上減少される。腫瘍体積は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。
癌の治療は、腫瘍の数の減少をもたらす。好ましくは、治療の後、腫瘍数は、治療前の数と比較して5%以上減少され、より好ましくは、腫瘍数は10%以上減少され、より好ましくは20%以上減少され、より好ましくは30%以上減少され、より好ましくは40%以上減少され、さらにより好ましくは50%以上減少され、最も好ましくは75%減少される。腫瘍の数は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。腫瘍の数は、肉眼または特定の倍率で目に見える腫瘍を数えることによって測定され得る。好ましくは、特定の倍率は、2x、3x、4x、5x、10x、または50xである。
癌の治療は、原発腫瘍部位から離れた他の組織または臓器における転移巣の数の減少をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、転移巣の数は、治療前の数と比較して5%以上減少され、より好ましくは、転移巣の数は10%以上減少され、より好ましくは20%以上減少され、より好ましくは30%以上減少され、より好ましくは40%以上減少され、さらにより好ましくは50%以上減少され、最も好ましくは75%減少される。転移巣の数は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。転移巣の数は、肉眼または特定の倍率で目に見える転移巣を数えることによって測定され得る。好ましくは、特定の倍率は、2x、3x、4x、5x、10x、または50xである。
癌の治療は、キャリアのみを受けた集団と比較して、治療された被験者の集団の平均生存期間の増大をもたらすことができる。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて増大され、より好ましくは60日を超えて増大され、より好ましくは90日を超えて増大され、最も好ましくは120日を超えて増大される。集団の平均生存期間の増大は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による治療の開始後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定され得る。また集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による初回の治療の完了後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定されてもよい。
癌の治療は、未治療の被験者集団と比較して、治療された被験者の集団の平均生存期間の増大をもたらすことができる。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて増大され、より好ましくは60日を超えて増大され、より好ましくは90日を超えて増大され、最も好ましくは120日を超えて増大される。集団の平均生存期間の増大は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による治療の開始後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定され得る。また集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による初回の治療の完了後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定されてもよい。
癌の治療は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない薬物による単独療法を受けた集団と比較して、治療された被験者の集団の平均生存期間の増大をもたらすことができる。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて増大され、より好ましくは60日を超えて増大され、より好ましくは90日を超えて増大され、最も好ましくは120日を超えて増大される。集団の平均生存期間の増大は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による治療の開始後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定され得る。また集団の平均生存期間の増大は、例えば、活性化合物による初回の治療の完了後の生存の平均長さを集団について計算することによって測定されてもよい。
癌の治療は、キャリアのみを受けた集団と比較して、治療された被験者の集団の死亡率の低下をもたらすことができる。癌の治療は、未治療の集団と比較して、治療された被験者の集団の死亡率の低下をもたらすことができる。癌の治療は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、類似体もしくは誘導体ではない薬物による単独療法を受けた集団と比較して、治療された被験者の集団の死亡率の低下をもたらすことができる。好ましくは、死亡率は2%を超えて低下され、より好ましくは5%を超えて低下され、より好ましくは10%を超えて低下され、最も好ましくは25%を超えて低下される。治療された被験者の集団の死亡率の低下は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。集団の死亡率の低下は、例えば、活性化合物による治療の開始後の単位時間あたりの疾患関連の平均死亡数を集団について計算することによって測定され得る。また集団の死亡率の低下は、例えば、活性化合物による初回の治療の完了後の単位時間あたりの疾患関連の平均死亡数を集団について計算することによって測定されてもよい。
癌の治療は、腫瘍増殖速度の低下をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、腫瘍増殖速度は、治療前の値と比較して少なくとも5%低下され、より好ましくは、腫瘍増殖速度は少なくとも10%低下され、より好ましくは少なくとも20%低下され、より好ましくは少なくとも30%低下され、より好ましくは少なくとも40%低下され、より好ましくは少なくとも50%低下され、さらにより好ましくは少なくとも50%低下され、最も好ましくは少なくとも75%低下される。腫瘍増殖速度は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。腫瘍増殖速度は、単位時間あたりの腫瘍直径の変化に従って測定することができる。
癌の治療は、腫瘍再増殖の減少をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、腫瘍再増殖は5%未満であり、より好ましくは、腫瘍再増殖は10%未満であり、より好ましくは20%未満であり、より好ましくは30%未満であり、より好ましくは40%未満であり、より好ましくは50%未満であり、さらにより好ましくは50%未満であり、最も好ましくは75%未満である。腫瘍再増殖は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。腫瘍再増殖は、例えば、治療を受けて前の腫瘍が収縮した後、腫瘍の直径の増大を測定することによって測定される。腫瘍再増殖の減少は、治療が終了した後、腫瘍の再発が起こらないことにより示される。
細胞増殖性障害の治療または予防は、細胞増殖速度の低下をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、細胞増殖速度は、少なくとも5%低下され、より好ましくは少なくとも10%低下され、より好ましくは少なくとも20%低下され、より好ましくは少なくとも30%低下され、より好ましくは少なくとも40%低下され、より好ましくは少なくとも50%低下され、さらにより好ましくは少なくとも50%低下され、最も好ましくは少なくとも75%低下される。細胞増殖速度は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。細胞増殖速度は、例えば、単位時間あたりの組織サンプル内の分裂細胞の数を測定することによって、測定され得る。
細胞増殖性障害の治療または予防は、増殖性細胞の割合の減少をもたらすことができる。好ましくは治療の後、増殖性細胞の割合は、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少なくとも75%減少される。増殖性細胞の割合は、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。好ましくは、増殖性細胞の割合は、例えば、組織サンプル中の非分裂細胞数に対して分裂細胞数を定量することによって測定される。増殖性細胞の割合は、分裂指数と同等であり得る。
細胞増殖性障害の治療または予防は、細胞増殖の領域またはゾーンのサイズの減少をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは、その治療前のサイズと比較して少なくとも5%減少され、より好ましくは少なくとも10%減少され、より好ましくは少なくとも20%減少され、より好ましくは少なくとも30%減少され、より好ましくは少なくとも40%減少され、より好ましくは少なくとも50%減少され、さらにより好ましくは少なくとも50%減少され、最も好ましくは少なくとも75%減少される。細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。細胞増殖の領域またはゾーンのサイズは、細胞増殖の領域またはゾーンの直径または幅として測定され得る。
細胞増殖性障害の治療または予防は、異常な外観またはモルホロジーを有する細胞の数または割合の減少をもたらすことができる。好ましくは、治療の後、異常なモルホロジーを有する細胞の数は、その治療前のサイズと比較して少なくとも5%減少され、より好ましくは少なくとも10%減少され、より好ましくは少なくとも20%減少され、より好ましくは少なくとも30%減少され、より好ましくは少なくとも40%減少され、より好ましくは少なくとも50%減少され、さらにより好ましくは少なくとも50%減少され、最も好ましくは少なくとも75%減少される。異常な細胞の外観またはモルホロジーは、任意の再現性のある測定手段によって測定され得る。異常な細胞のモルホロジーは、顕微鏡、例えば、組織培養用倒立顕微鏡を用いることにより測定することができる。異常な細胞のモルホロジーは、核多形性の形態をとることができる。
本明細書で使用される場合、「選択的に」という用語は、1つの集団において、別の集団よりも高い頻度で発生する傾向があることを意味する。比較される集団は、細胞集団であってもよい。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、正常細胞には作用しないが、癌または前癌細胞に選択的に作用する。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、1つの分子標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するために選択的に作用するが、別の分子標的(例えば非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を有意に調節しない。また本発明は、タンパク質メチルトランスフェラーゼなどの酵素の活性を選択的に阻害する方法も提供する。好ましくは、集団Bと比較して集団Aにおいて2倍を超えて頻繁に発生すれば、事象は、集団Bと比較して集団Aにおいて選択的に発生する。集団Aにおいて5倍を超えて頻繁に発生すれば、事象は選択的に発生する。集団Bと比較して、集団Aにおいて10倍を超えて頻繁に発生すれば、より好ましくは、集団Aにおいて50倍を超えて、さらにより好ましくは100倍を超えて、最も好ましくは、1000倍を超えて頻繁に発生すれば、事象は選択的に発生する。例えば正常細胞と比較して、癌細胞において2倍を超えて頻繁に発生すれば、細胞死は癌細胞において選択的に発生すると言われる。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、分子標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)の活性を調節することができる。調節は、分子標的の活性を刺激または阻害することを指す。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、同じ条件であるが前記化合物の存在だけが欠けている条件下の分子標的の活性に対して、分子標的の活性を少なくとも2倍刺激または阻害すれば、分子標的の活性を調節する。より好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、同じ条件であるが前記化合物の存在だけが欠けている条件下の分子標的の活性に対して、分子標的の活性を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍刺激または阻害すれば、分子標的の活性を調節する。分子標的の活性は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。分子標的の活性は、インビトロまたはインビボ測定され得る。例えば、分子標的の活性は、酵素活性アッセイまたはDNA阻害アッセイによってインビトロで測定されてもよいし、あるいは分子標的の活性は、レポーター遺伝子の発現についてアッセイすることによってインビボで測定されてもよい。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、化合物の添加が、同じ条件であるが前記化合物の存在だけが欠けている条件下の分子標的の活性に対して10%を超えて分子標的の活性を刺激または阻害しなければ、分子標的の活性を有意に調節しない。
本明細書で使用される場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソフォームと比較した、酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害または刺激(例えば、タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムベータと比較した、タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムアルファの優先的な阻害または刺激)を意味する。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、生物学的効果を達成するために必要とされる投薬量において、最低4倍の差異、好ましくは10倍の差異、より好ましくは50倍の差異を実証する。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、阻害の範囲にわたってこの差異を実証し、この差異は、IC50、すなわち対象の分子標的の50%の阻害で例示される。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の、細胞またはそれを必要としている被験者に対する投与は、対象のタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性の調節(すなわち、刺激または阻害)をもたらすことができる。
本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の生物活性の評価方法、またはDOT1Lの調節因子(例えば、阻害薬)としての試験化合物の同定方法を提供する。DOT1Lポリペプチドおよび核酸を使用して、H3K79HMTase活性、SAM結合活性、ヒストンおよび/またはヌクレオソーム結合活性、AF10結合活性、AF10−MLLまたは他のMLL融合タンパク質結合活性、および/または対象の任意の他の生物活性を含むがこれらに限定されない、DOT1Lの1つまたは複数の生物活性を結合および/または調節(例えば、増大または低減)する化合物についてスクリーニングすることができる。DOT1Lポリペプチドは、全長DOT1Lポリペプチドの機能断片またはその機能的等価物であってもよく、触媒ドメイン、SAM結合ドメインおよび/または正帯電ドメイン、AF10相互作用ドメインおよび/または核外輸送シグナルを含むがこれらに限定されない、対象の任意のDOT1ドメインを含み得る。
ヒストン、ヌクレオソーム、核酸またはポリペプチドに対するDOT1Lの結合の評価方法は、当業者には明らかである標準技術を用いて実行することができる(例示的な方法についての例示を参照)。このような方法には、酵母および哺乳類ツーハイブリッドアアッセイおよび共免疫沈降技術が含まれる。
例えば、DOT1L H3K79HMTase活性を調節する化合物は、試験化合物の存在下で、DOT1Lポリペプチドと、H3を含むヒストンまたはペプチド基質とを接触させ、H3K79メチル化を提供するのに十分な条件下で、ヒストンまたはペプチド基質のH3K79メチル化のレベルを検出することにより検証することができる。ここで、試験化合物の非存在下におけるヒストンH3K79メチル化のレベルと比較して、試験化合物の存在下におけるH3K79メチル化の上昇または低下は、試験化合物がDOT1 LH3K79HMTase活性を調節することを示す。
本発明のスクリーニング方法は、細胞ベースまたは無細胞系で実行することができる。さらなる代替として、アッセイは、動物全体(トランスジェニック非ヒト動物を含む)において実施されてもよい。さらに、細胞ベースの系に関して、DOT1Lポリペプチド(またはアッセイで使用される任意の他のポリペプチド)は細胞に直接添加されてもよいし、あるいは細胞内の核酸から生成されてもよい。核酸は、細胞に対して内在性であってもよいし、あるいは外来性(例えば、遺伝子改変細胞)であってもよい。
いくつかのアッセイでは、免疫学的試薬、例えば、免疫学的が使用される。いくつかのアッセイでは、酵素活性の測定において蛍光を利用することができる。本明細書で使用される場合、「蛍光」は、分子がより高エネルギーの入射光子を吸収した結果として、同じ分子が光子を放出するプロセスを指す。開示される化合物の生物活性を評価するための特定の方法は、実施例に記載されている。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の、細胞またはそれを必要としている被験者への投与は、細胞内標的(例えば、基質)の活性の調節(すなわち、刺激または阻害)をもたらす。タンパク質メチルトランスフェラーゼを含むがこれらに限定されないいくつかの細胞内標的は、本発明の化合物によって調節することができる。
活性化は、物質(例えば、タンパク質または核酸)の組成物を、所望の生物学的機能を実行するために適切な状態に置くことを指す。活性化することができる物質の組成物は、非活性化状態も有する。活性化された物質の組成物は、阻害性もしくは刺激性の生物学的機能、またはその両方を有し得る。
上昇は、物質(例えば、タンパク質または核酸)の組成物の所望の生物活性の増大を指す。上昇は、物質の組成物の濃度の増大によって生じてもよい。
本明細書で使用される場合、「細胞周期チェックポイント経路」は、細胞周期チェックポイントの調節に関与する生化学的経路を指す。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能に対する刺激性もしくは阻害性の効果またはその両方を有し得る。細胞周期チェックポイント経路は、少なくとも2つの物質、好ましくはタンパク質の組成物で構成され、これらはいずれも、細胞周期チェックポイントの調節に寄与する。細胞周期チェックポイント経路は、細胞周期チェックポイント経路の1つまたは複数のメンバーの活性化を介して活性化され得る。好ましくは、細胞周期チェックポイント経路は生化学的シグナリング経路である。
本明細書で使用される場合、「細胞周期チェックポイント制御因子」は、細胞周期チェックポイントの調節において、少なくとも部分的に機能することができる物質の組成物を指す。細胞周期チェックポイント制御因子は、細胞周期チェックポイントを含む1つまたは複数の機能において刺激性もしくは阻害性の効果またはその両方を有し得る。細胞周期チェックポイント制御因子は、タンパク質であってもタンパク質でなくてもよい。
癌または細胞増殖性障害の治療は細胞死をもたらすことができ、好ましくは、細胞死は、集団中の細胞数の少なくとも10%の減少をもたらす。より好ましくは、細胞死は、少なくとも20%の減少、より好ましくは少なくとも30%の減少、より好ましくは少なくとも40%の減少、より好ましくは少なくとも50%の減少、最も好ましくは少なくとも75%の減少を意味する。集団中の細胞数は、任意の再現性のある手段によって測定され得る。集団中の細胞数は、蛍光活性化細胞選別法(FACS)、免疫蛍光顕微鏡および光学顕微鏡によって測定することができる。細胞死の測定方法は、Li et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.100(5):2674−8,2003に示される。1つの態様では、細胞死はアポトーシスによって起こる。
好ましくは、有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物は、正常細胞に対して有意に細胞毒性でない。治療的に有効な量の化合物は、治療的に有効な量の化合物の投与が正常細胞の10%を超える細胞死を誘発しなければ、正常細胞に対して有意に細胞毒性ではない。治療的に有効な量の化合物は、治療的に有効な量の化合物の投与が正常細胞の10%を超える細胞死を誘発しなければ、正常細胞の生存率に有意に影響を与えない。1つの態様では、細胞死はアポトーシスによって起こる。
細胞と、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物との接触は、癌細胞において選択的に細胞死を誘発または活性化することができる。本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の、それを必要としている被験者に対する投与は、癌細胞において選択的に細胞死を誘発または活性化することができる。細胞と、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物との接触は、細胞増殖性障害によって影響を与えられる1つまたは複数の細胞において選択的に細胞死を誘発することができる。好ましくは、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の、それを必要としている被験者への投与は、細胞増殖性障害によって影響を与えられる1つまたは複数の細胞において選択的に細胞死を誘発する。
本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物を、それを必要としている被験者に投与することによる、癌の治療または予防方法に関し、ここで、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、代謝産物、結晶形態もしくは溶媒和物の投与は、以下の:細胞周期のG1および/またはS期における細胞の蓄積、正常細胞における有意な量の細胞死を伴わない癌細胞における細胞死による細胞毒性、少なくとも2の治療指数を有する動物における抗腫瘍活性、ならびに細胞周期チェックポイントの活性化、のうちの1つまたは複数をもたらす。本明細書で使用される場合、「治療指数」は、最大耐用量を有効用量で除したものである。
当業者は、本明細書において議論される既知の技術または等価の技術の詳細な説明のために一般的な参考テキストを参照してもよい。これらのテキストには、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc.(2005)、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd edition),Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(2000)、Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,N.Y.、Enna et al.,Current Protocols in Pharmacology,John Wiley&Sons,N.Y.、Fingl et al.,The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)が含まれる。これらのテキストは、もちろん、本発明の態様を作製または使用する際にも参照することができる。
本発明の化合物は、神経疾患または障害を治療または予防するためにも利用することができる。本発明の化合物によって治療され得る神経疾患または障害には、てんかん、統合失調症、双極性障害または他の心理的および/または精神障害、神経障害、骨格筋萎縮、および神経変性疾患、例えば、神経変性疾患が含まれる。例示的な神経変性疾患としては、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、およびパーキンソン病が挙げられる。神経変性疾患の別の種類には、少なくとも部分的にポリグルタミンの凝集によって引き起こされる疾患が含まれる。この種類の疾患としては、ハンチントン病、球脊髄性筋萎縮症(SBMAまたはケネディ病)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、マシャド−ジョセフ病(MJD;SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調症7(SCA7)、および脊髄小脳失調症12(SCA12)が挙げられる。
DOT1によって媒介されるエピジェネティックなメチル化が関与する任意の他の疾患は、本明細書に記載される化合物および方法を用いて治療可能または予防可能であり得る。
また本発明は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアと組み合わせて、本発明の化合物を含む医薬組成物も提供する。
「医薬組成物」は、被験者への投与に適した形態の本発明の化合物を含有する製剤である。一実施形態では、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器のシングルポンプまたはバイアルを含む様々な形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性成分(例えば、開示される化合物またはその塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体の製剤)の量は有効量であり、関係する特定の治療に従って変化される。当業者は、患者の年齢および状態に応じて、投与量に所定の変化を行うことが時には必要であることを認識するであろう。また投与量は、投与経路にも依存し得る。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、頬側、舌下、胸膜内、くも膜下腔内、鼻腔内などを含む様々な経路が考えられる。本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が含まれる。一実施形態では、活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容可能なキャリア、および必要とされる任意の防腐剤、緩衝液、または噴射剤と混合される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適した、化合物、材料、組成物、キャリア、および/または剤形を指す。
「薬学的に許容可能な賦形剤」は、通常安全で非毒性であり、そして生物学的にもそれ以外でも望ましくないものではない、医薬組成物の調製において有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用および人間の薬学的使用のために許容される賦形剤が含まれる。「薬学的に許容可能な賦形剤」は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、1つおよび複数のこのような賦形剤を含む。
本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように処方される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、および経粘膜投与が挙げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液は、以下の成分:無菌希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒など;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなど;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなど;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸など;緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸またはリン酸など、そして、塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの浸透圧の調整剤を含むことができる。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基を用いて調整することができる。非経口調製物は、アンプル、使い捨て注射器、またはガラスもしくはプラスチック製の複数回用量バイアル内に封入され得る。
本発明の化合物または医薬組成物は、化学療法的治療のために現在使用される周知の方法の多くにおいて、被験者に投与することができる。例えば、癌の治療のために、本発明の化合物は、腫瘍内に直接注射されてもよいし、血流または体腔内に注射されてもよいし、または経口摂取されてもよいし、またはパッチにより皮膚を介して適用されてもよい。選択される用量は有効な治療を構成するために十分でなければならないが、許容できない副作用を起こすほど高くてはならない。患者の疾患状態(例えば、癌、前癌など)および健康の状況は、好ましくは、治療中および治療後の合理的な期間の間、入念にモニターされるべきである。
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、特定された疾患または状態を治療、改善、または予防するため、あるいは検出可能な治療効果または阻害効果を発揮するための薬剤の量を指す。効果は当該技術分野で知られている任意のアッセイ方法によって検出することができる。被験者のための正確な有効量は、被験者の体重、サイズ、および健康;状態の性質および程度;ならびに投与のために選択される治療に依存し得る。所与の状況に対して治療的に有効な量は、臨床医の技術および判断の範囲内である所定の実験によって決定することができる。好ましい態様では、治療される疾患または状態は癌である。別の態様では、治療される疾患または状態は細胞増殖性障害である。
任意の化合物に関して、治療的に有効な量は、最初に、例えば腫瘍細胞の細胞培養アッセイ、または動物モデル(通常、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタ)のいずれかにおいて推定することができる。動物モデルは、適切な濃度範囲および投与経路を決定するためにも使用され得る。次に、このような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量および投与経路を決定することができる。治療/予防の効力および毒性は、細胞培養物または実験動物における標準的な製薬手順、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%において治療的に有効な用量)によって決定され得る。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数であり、比率LD50/ED50として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬組成物が好ましい。投与量は、使用される剤形、患者の感受性、および投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
投薬量および投与は、十分なレベルの活性剤を提供するために、あるいは所望の効果を維持するために調整される。考慮され得る因子には、病状の重症度、被験者の総合的な健康、被験者の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬物相互作用、反応感度、ならびに治療に対する耐性/応答が含まれる。長期間作用する医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、3〜4日間ごと、毎週、または2週間ごとに投与されてもよい。
本発明の活性化合物を含有する医薬組成物は、一般的に知られている手段、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスによって製造され得る。医薬組成物は、薬学的に使用可能な調製物への活性化合物の加工を容易にする賦形剤および/または助剤を含む1つまたは複数の薬学的に許容可能なキャリアを用いて、従来の方法で処方され得る。当然ながら、適切な製剤は選択される投与経路に依存する。
注射使用に適した医薬組成物には、無菌水溶液(水溶性である)または分散液、および注射用の無菌溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれる。静脈内投与について、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、容易にシリンジを通過できる程度に流体でなければならない。組成物は、製造および保管条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により保持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えば、マンニトールおよびソルビトールなど、ならびに塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長期にわたる吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含有させることによってもたらすことができる。
注射用無菌溶液は、必要に応じて上に列挙した成分の1つまたは組み合わせと共に、必要量の活性成分を適切な溶媒中に取り込み、その後濾過滅菌することによって調製することができる。一般的に、分散液は、基本的な分散媒体および上に列挙したものから必要とされる他の成分を含有する無菌媒体中に、活性化合物を取り込むことによって調製される。注射用無菌溶液の調製のための無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥および凍結乾燥であり、前もって滅菌ろ過されたその溶液から、活性成分と任意の付加的な所望の成分との粉末が得られる。
経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用の薬学的に許容可能なキャリアを含む。これらは、ゼラチンカプセル内に封入されてもよいし、あるいは錠剤に圧縮されてもよい。経口治療投与の目的で、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用されることもある。また経口組成物は、口腔洗浄薬として使用するために、流体キャリアを用いて調製することもでき、ここで、流体キャリア中の化合物は経口で適用され、口の中をすすいで吐き出されるかあるいは飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤および/または補助剤材料は、組成物の一部として含有させることができる。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、以下の成分または類似した性質の化合物:結合剤、例えば微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなど;賦形剤、例えばデンプンまたはラクトースなど、崩壊材、例えばアルギン酸、Primogel、またはコーンスターチなど;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなど;流動化剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素など;甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンなど;または風味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ風味料など、のうちのいずれかを含有することができる。
吸入による投与のために、化合物は、適切な噴射剤、例えば二酸化炭素またはネブライザーなどのガスを含有する加圧容器またはディスペンサーから、エアロゾルスプレーの形態で送達される。
また全身投与は、経粘膜的または経皮的手段によって行うことができる。経粘膜的または経皮的投与のために、障壁を透過させるために適切な浸透剤が製剤において使用される。このような浸透剤は一般的に当該技術分野において知られており、例えば、経粘膜的投与のために、洗浄剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜的投与は、点鼻薬または坐薬の使用によって達成することができる。経皮的投与のために、活性化合物は当該技術分野において一般的に知られているような軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに配合される。
活性化合物は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含む、制御放出製剤などの体からの急速な排出に対して化合物を保護し得る薬学的に許容可能なキャリアと共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の調製方法は、当業者に明らかであろう。また材料は、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Incから商業的に得ることもできる。また、リポソーム懸濁液(ウィルス抗原に対するモノクローナル抗体による感染細胞に標的化されたリポソームを含む)は、薬学的に許容可能なキャリアとして使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号明細書に記載されるような当業者に既知の方法に従って調製することができる。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口または非経口組成物を単位剤形で処方することは特に有利である。本明細書で使用される単位剤形は、治療される被験者のための単位投与量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬品キャリアと関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含有する。本発明の単位剤形のための規格は活性化合物の独特な特性および達成されるはずの特定の治療効果によって決定され、これらに直接依存する。
治療用途において、本発明に従って使用される医薬組成物の投与量は、薬剤、年齢、体重、およびレシピエント患者の臨床状態、ならびに選択された投与量に影響を及ぼす他の因子の中でも、治療を施す臨床医または医療従事者の経験および判断に応じて変化する。一般的に、用量は、腫瘍の増殖の緩除化、好ましくは退縮をもたらすために十分でなければならず、また好ましくは、癌の完全な退縮をもたらすために十分でなければならない。投与量は、約0.01mg/kg/日〜約5000mg/kg/日の範囲であり得る。好ましい態様では、投与量は、約1mg/kg/日〜約1000mg/kg/日の範囲であり得る。1つの態様では、用量は、単回投与、分割投与、または連続投与において、約0.1mg/日〜約50g/日;約0.1mg/日〜約25g/日;約0.1mg/日〜約10g/日;約0.1mg〜約3g/日;または約0.1mg〜約1g/日の範囲になるであろう(用量は、患者の体重(kg)、体表面積(m2)および年齢(才)について調整され得る)。医薬品の有効量は、臨床医または他の資格のある観察者によって指摘されるような客観的に識別できる改善を提供する量である。例えば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準にして測定され得る。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。また退縮は、治療が終了した後に腫瘍が再発しないことによっても示される。本明細書で使用される場合、「投与量効果的な方法(dosage effective manner)」という用語は、被験者または細胞において所望の生物学的効果を生じるための活性化合物の量を指す。
医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に、容器、パック、またはディスペンサー内に含有させることができる。
本発明の化合物は、さらに、塩を形成することができる。これらの形態も全て、特許請求される本発明の範囲内に包含されると考えられる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」は、親化合物がその酸または塩基の塩を作ることによって修飾された、本発明の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容可能な塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩には、例えば、非毒性無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩または第4級アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような従来の非毒性塩には、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニル(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレソルシン酸(hexylresorcinic)、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル(napsylic)酸、硝酸、シュウ酸、パモ(pamoic)酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル(salicyclic)酸、ステアリン酸、スバセチン(subacetic)酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および一般的に発生するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される、無機および有機酸からの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
薬学的に許容可能な塩の他の例としては、へキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ムコン酸などが挙げられる。また本発明は、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンによって置換される場合、あるいは、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位する場合のいずれかで形成される塩も包含する。
薬学的に許容可能な塩への全ての参照が、同じ塩の溶媒付加形態(溶媒和物)または本明細書中で定義される結晶形態を含むことは理解されるべきである。
また本発明の化合物は、エステル、例えば、薬学的に許容可能なエステルとして調製することもできる。例えば、化合物中のカルボン酸官能基は、その対応するエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステルまたは他のエステルに転換させることができる。また。化合物中のアルコール基は、その対応するエステル、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステルまたは他のエステルに転換させることができる。
本発明の化合物は、プロドラッグ、例えば薬学的に許容可能なプロドラッグとして調製することもできる。「プロ−ドラッグ」および「プロドラッグ」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、インビボで活性な親薬物を放出する任意の化合物を指す。プロドラッグは、医薬品の多数の望ましい性質(例えば、溶解度、生物学的利用能、製造など)を高めることが知られているため、本発明の化合物は、プロドラッグ形態で送達され得る。従って、本発明は、本明細書で特許請求される化合物のプロドラッグ、その送達方法、およびそれを含有する組成物を包含することが意図される。「プロドラッグ」は、プロドラッグが被験者に投与されたときに、本発明の活性親薬物をインビボで放出する任意の供給結合したキャリアを含むことが意図される。本発明のプロドラッグは、所定の操作またはインビボでのいずれかで修飾が切断されて親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシまたはカルボニル基が任意の基に結合した本発明の化合物を含み、これらはそれぞれインビボで切断されて、遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、遊離スルフヒドリル、遊離カルボキシまたは遊離カルボニル基を形成し得る。
プロドラッグの例としては、本発明の化合物において、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸、ジアルキルアミノ酢酸、ギ酸、リン酸、硫酸および安息香酸誘導体)およびカルバマート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステル(例えば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、ケトンおよびアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。Bundegaard,H.,Design of Prodrugs,p1−92、Elesevier,New York−Oxford(1985)を参照されたい。
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグは、経口的、経鼻的、経皮的、経肺的、吸入的、経頬的、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、経直腸、胸膜内、髄腔内および非経口的に投与される。一実施形態では、化合物は、経口的に投与される。当業者は、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
化合物を用いる投与計画は、患者の種類、人種、年齢、体重、性別および病状;治療すべき状態の重症度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに使用される特定の化合物またはその塩を含む様々な因子に従って選択される。当業者の医師または獣医は、状態の進行を防止、対抗、または停止するために必要とされる薬物の有効量を容易に決定および所法することができる。
本発明の開示される化合物の製剤および投与技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)において見出すことができる。実施形態において、本明細書に記載される化合物、および薬学的に許容可能なその塩は、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて医薬品中で使用される。適切な薬学的に許容可能なキャリアには、不活性な固体充填剤または希釈剤、および無菌水溶液または有機溶液が含まれる。化合物は、このような医薬組成物中に、本明細書に記載された範囲内の所望の投与量を提供するのに十分な量で存在するであろう。
本明細書中で使用される全ての割合および比率は、他に記載されない限り、重量による。本発明の他の特徴および利点は、種々の実施例から明らかである。提供される実施例は、本発明の実施において有用な種々の構成要素および方法論を説明する。実施例は、特許請求される本発明を限定しない。本開示に基づいて、当業者は、本発明の実施に有用な他の構成要素および方法論を同定および使用することができる。
本明細書に記載される合成スキームにおいて、化合物は、簡単にするために1つの特定の立体配置で描写され得る。このような特定の立体配置は、本発明を1つまたは別の異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体限定すると解釈されてはならず、異性体、互変異性体、位置異性体または立体異性体の混合を排除してない。
本発明の注射製剤は、当該技術分野において既知の方法に従って調製することができる。製剤の一例は以下に示される。
本明細書中に引用される全ての刊行物および特許文献は、あたかもこのような刊行物または文献がそれぞれ具体的にかつ個別に参照によって本明細書中に援用されることが示されたかのように、参照によって本明細書中に援用される。刊行物および特許文献の引用は、いずれかが適切な従来技術であるという承認を意図せず、その内容または日付に関するいかなる承認も構成しない。本発明は書面による説明の目的でここに記載されたため、当業者は、本発明が様々な実施形態において実施可能であり、かつ上記の説明および以下の実施例が例示の目的であり、以下の特許請求の範囲を限定しないことを認識するであろう。