JP2016223005A - 立体造形用粉末材料、立体造形用キット、立体造形用グリーン体、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造方法、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造装置 - Google Patents

立体造形用粉末材料、立体造形用キット、立体造形用グリーン体、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造方法、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造装置 Download PDF

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【課題】安全性が高く複雑な立体(三次元(3D))形状を維持するのに充分な強度を有する立体造形物を高精度に製造できる立体造形用粉末材料の提供。【解決手段】基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料であって、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であることを特徴とする立体造形用粉末材料。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形用粉末材料、立体造形用キット、立体造形用グリーン体、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造方法、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造装置に関する。
従来の成形型を利用した造形物の作製方法に代わり、近年、オンデマンドで、更に複雑で微細な立体造形物が作製可能な三次元(3D)プリンターを使用した積層造形方法が提案されている。特に、金属や無機化合物で構成される立体造形物の場合には粉末積層方法が用いられる。前記粉末積層方法の一つとして、金属や無機化合物等の立体造形用粉末材料を積層し、各層毎もしくは複数層毎に、前記立体造形用粉末材料を溶解し、粉末同士を接着させるための造形液を決まったパターンで付与して立体造形物を作製する方法が挙げられる。
前記粉末積層方法により作製された立体造形物は積層された粉末材料層から取り出し、必要に応じて焼結等の後処理が必要なため、それに耐えることができる強度が必要である。
前記強度を得る方法としては、例えば、水溶解性の低い樹脂で被覆した粉末粒子を立体造形用粉末材料として用い、含水率45%以下の造形液を使用することが提案されており、前記樹脂の一例としてポリビニルアルコール(PVA)が開示されている(特許文献1参照)。また、水溶性ポリマーを含有した立体造形粉体によって層を形成する層形成工程と、前記層形成工程において形成された前記層に、水を溶媒とする造形液を滴下することで、立体造形物を作製する製造方法が提案され、水溶性ポリマーとして粉体形状ではあるが、部分けん化型PVAが開示されている(特許文献2参照)。さらに、少量の水分で充分な硬度が得られるカルシウム系物質組成物を提供することを目的として、石膏に粉体のポリビニルアルコールを配合し、さらには硬化促進剤を含有させる製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、前記提案の技術は、いずれも複雑な形状の立体造形物を維持するのに充分な強度が得られていない。また、造形液が溶剤を多く含有するため、安全性に問題がある、樹脂を多く含むため造形精度が低下する等の問題がある。
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、安全性が高く複雑な立体(三次元(3D))形状を維持するのに充分な強度を有し、高精度な立体造形物を製造できる立体造形用粉末材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料において、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比がある特定の範囲にある立体造形用粉末材料を用いることで、高精度で充分な強度を有する立体造形物を得ることができること、更に、この立体造形物を乾燥して得た立体造形用グリーン体を焼結することによって焼結体を得ることができることを見出した。さらには、前記樹脂としての特定のポリビニルアルコールを用いることが望ましいことを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を有する立体造形用粉末材料に係るものである。
基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料において、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であることを特徴とする立体造形用粉末材料。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、安全性が高く複雑な立体(三次元(3D))形状を維持するのに充分な強度と精度を有する立体造形物を製造できる立体造形用粉末材料を提供することができる。
本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略図である。 本発明で用いる樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示す概略図である。
(立体造形用粉末材料)
本発明の立体造形用粉末材料は、樹脂で被覆された基材粒子を含み、更に必要に応じてその他の成分等を含んでなる。
本発明においては、前記立体造形用粉末材料における基材粒子を被覆する樹脂としては、赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有する樹脂であり、かつ1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であることが特徴である。樹脂種としてはポリビニルアルコールが好ましい。さらには、アセトアセチル基、カルボニル基、ブタンジオール基いずれかの官能基を有する変性ポリビニルアルコールであることが好ましく、このような樹脂で前記基材粒子を被覆してなる立体造形用粉末材料を用いて製造された立体造形物の強度を格段に向上させることができる。
従来の立体造形用粉末材料で使用されていた無変性(完全けん化)ポリビニルアルコールは結晶性が高いため、樹脂の硬度は高いが、柔軟性が低く、立体造形物を形成した際に、曲げ応力に対する抵抗が小さく破壊されやすいという問題がある。また、本発明に示す立体造形物の製造方法においては、立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与して立体造形物を製造するが、造形液付与時の樹脂溶解性、造形液浸透性が、立体造形物の強度、焼結体の強度に影響することがわかっている。
本発明に示す特性・構造の樹脂を用いることで、結晶性が低くなりかつ、親水性が高くなることで、造形液に対する溶解性及び浸透性が好ましい範囲となることで、本発明の効果を発現しているものと思われる。但し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40未満であると、溶解性は高くなるが、粉末材料の保存性低下、あるいは吸湿性が高まることで粉末材料層形成工程時に粉末材料層の均一形成が困難となり、立体造形物に欠陥が生じるようになる。1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.70を超えると造形液に対する溶解性が低下し立体造形物の強度、さらに焼結後の焼結体の強度が低下する。
樹脂の結晶性は、基材の処理方法、延伸処理、結晶剤の添加、樹脂溶解後の加温・冷却方法等、様々な方法で制御できる。例えば、延伸処理を施すことで樹脂鎖の方向性が高まり結晶性が向上することで強度が著しく向上することが知られている。有機−無機ハイブリッドフィラーのような結晶化剤を添加することで樹脂の結晶性が向上することが知られている。また、樹脂溶解後の加温・冷却方法においては、加熱溶解後の急速な冷却はアモルファス化を促し、緩慢な冷却は結晶性を高める方向となる。また溶解を経なくとも熱処理を施すことで結晶性が制御できることも知られている。本発明者は、コーティングプロセスにおける温度条件により、樹脂の結晶性が大きく変化し、かつ立体造形に使用される造形液に対する溶解性も変化することを見出し、さらに結果として立体造形物の強度を向上できることを見出して本発明に到った。
また、本発明者は、造形液付与後の乾燥工程における温度条件により、樹脂の結晶性が大きく変化し、さらに結果として立体造形用グリーン体の強度を向上、精度維持が可能となることを見出した。
基材粒子を被覆された樹脂及び立体造形用グリーン体に含有される樹脂の赤外吸収スペクトルは、市販のFT−IR測定装置で測定可能である。1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク比はバックグラウンド除去後の赤外吸収スペクトルの吸光度の値から算出した。図3に示した例では[1143±2cm−1のピーク強度/1091±2cm−1のピーク強度]は0.67となる。以上により、前記立体造形用粉末材料を用いて製造される基材粒子と樹脂を含む立体造形物及び立体造形用グリーン体の強度を従来に比べて格段に向上させることができる。また造形液の浸透性も適切な範囲となることで造形精度も向上する。更に立体造形物及び立体造形用グリーン体のもろさ、耐傷性も向上することで造形精度も向上する。
<基材粒子>
前記基材粒子の材質としては、例えば、金属、セラミックス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料などが挙げられる。これらの中でも、高強度な立体造形物を得る観点から、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスなどが好ましい。
前記金属としては、例えば、ステンレス(SUS)鋼、鉄、銅、チタン、マルエージング鋼、銀などが挙げられる。前記ステンレス(SUS)鋼としては、例えば、SUS316Lなどが挙げられ、チタンとしては、純チタン、64合金などが挙げられる。前記セラミックスとしては、例えば、金属酸化物などが挙げられ、具体的には、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などが挙げられる。
前記カーボンとしては、例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが挙げられる。前記ポリマーとしては、例えば、水に不溶な公知の樹脂などが挙げられる。前記木材としては、例えば、ウッドチップ、セルロースなどが挙げられる。前記生体親和材料としては、例えば、ポリ乳酸、リン酸カルシウムなどが挙げられる。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材粒子として、これらの材料で形成された市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、SUS316L(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L)、SiO(株式会社トクヤマ製、エクセリカSE−15K)、AlO(大明化学工業株式会社製、タイミクロンTM−5D)、ZrO(東ソー株式会社製、TZ−B53)などが挙げられる。なお、前記基材粒子としては、前記樹脂との親和性を高める目的等から、公知の表面(改質)処理がされていてもよい。
前記基材粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1μm以上500μm以下が好ましく、5μm以上300μm以下がより好ましく、15μm以上250μm以下が更に好ましい。前記体積平均粒径が、0.1μm以上500μm以下であると、立体造形物の製造効率に優れ、取扱性やハンドリング性が良好である。前記体積平均粒径が、500μm以下であると、前記立体造形用粉末材料を用いて薄層を形成した際に、該薄層における該立体造形用粉末材料の充填率が向上し、得られる立体造形物に空隙等が生じ難い。前記基材粒子の体積平均粒径は、公知の粒径測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)、などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。前記基材粒子の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材粒子の外形、表面積、円形度、流動性、濡れ性等については、目的に応じて適宜選択することができる。
<樹脂>
前記基材粒子を被覆する樹脂として、赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有する樹脂であることが特徴である。樹脂種としてはポリビニルアルコールが好ましい。
本発明に示す、赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有する樹脂は、後述する造形液により溶解する。本発明において、前記樹脂の溶解性は、例えば、30℃の造形液を構成する溶媒100gに前記樹脂を1g混合して攪拌したとき、その90質量%以上が溶解することを意味する。
また、前記樹脂の平均重合度を400以上1,100以下の範囲とすることにより、立体造形物の強度が高まるので好ましい。更に、前記樹脂として平均重合度が400以上1,100以下のアセトアセチル基、カルボニル基、ブタンジオール基のいずれかの官能基を有する変性ポリビニルアルコールを用いると立体造形物の強度が更に高まるのでより好ましい。また、前記造形液中に架橋剤を併用すると、樹脂間で架橋構造が形成され、樹脂自体の強度がより向上する。
赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有する樹脂としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−105C、PVA−205C、PVA−220C)、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセファイマーZ−300)、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスT−330、ゴーセネックスZ−100、ゴーセネックスZ−200、ゴーセネックスZ−205、ゴーセネックスZ−210、ゴーセネックスZ−220)、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8089、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041、ニチゴーG−ポリマーOKS−8049、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080)、日本酢ビニルポバール株式会社製のD−PVAシリーズである、DF−03(平均重合度300)、DF−05(平均重合度500)、DF−17(平均重合度1,700)、DF−20(平均重合度2,000)、日本酢ビニルポバール株式会社製のJ−PVAシリーズである、JF−05S(平均重合度500)、JP−05S(平均重合度500)などが挙げられる。これら樹脂は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において他の樹脂を混合して用いてもよい。
これら樹脂は、立体造形用粉末材料として基材粒子と混合されるが、基材粒子に被覆されていることが好ましい。基材粒子に薄く被覆されていることで、造形液が均一に付与することが可能となり、樹脂の溶解性も向上することで、樹脂量が少なくとも均一に強度が高い立体造形用グリーン体を得ることが出来る。樹脂量が多いと脱脂時に空隙が生じやすくなり造形物の密度が低下し、強度が得られなくなる。
前記樹脂の被覆厚みとしては、平均厚みで、5nm以上500nm以下が好ましく、50nm以上300nm以下がより好ましく、100nm以上200nm以下が更に好ましい。
前記被覆厚みが5nm以上500nm以下の範囲において、立体造形物の強度と焼結時の寸法精度が向上する。
前記被覆厚みは、例えば、前記立体造形用粉末材料をアクリル樹脂等に包埋した後、エッチング等を行って前記基材粒子の表面を露出させた後、走査型トンネル顕微鏡STM、原子間力顕微鏡AFM、走査型電子顕微鏡SEMなどを用いることにより、測定することができる。
具体的には、前記被覆厚みは、前記立体造形用粉末材料の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製する。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出する、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部位との長さを被覆厚みとして測定する。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とする。
前記基材粒子の表面の被覆率(面積率)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。前記被覆率が高い方が成形体の強度が向上する。前記被覆率は、例えば、前記立体造形用粉末材料の写真を観察し、二次元の写真に写る該立体造形用粉末材料について、前記基材粒子の表面の全面積に対する、前記樹脂で被覆された部分の面積の割合(%)の平均値を算出して求められる。
<その他の成分>
前記立体造形用粉末材料が含み得る公知のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動化剤、フィラー、レベリング剤、焼結助剤、界面活性剤などが挙げられる。前記立体造形用粉末材料が、前記流動化剤を含むと前記立体造形用粉末材料による層等を容易にかつ効率よく形成し得る点で好ましく、前記フィラーを含むと得られる硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)に空隙等が生じ難くなる点で好ましく、前記レベリング剤を含むと該立体造形用粉末材料の濡れ性が向上し、ハンドリング等が容易になる点で好ましく、前記焼結助剤を含むと、得られた硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
−樹脂の被覆方法−
本発明の立体造形用粉末材料は、前記基材粒子の表面に樹脂を被覆させることで得られる。前記被覆方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法に従って被覆することができ、例えば、転動流動コーティング法、スプレードライ法、撹拌混合添加法、ディッピング法、ニーダーコート法などが挙げられる。これらの中でも、被覆膜を綺麗にコーティングできる点から、転動流動コーティング法が好ましい。
−立体造形用粉末材料の物性等−
前記立体造形用粉末材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が3μm以上であると、粉末材料の流動性が向上し、粉末材料層が形成しやすく積層層表面の平滑性が向上するため、立体造形物の製造効率の向上、取り扱いやハンドリング性が向上すると共に寸法精度が向上する傾向にある。また、前記体積平均粒径が250μm以下であると、粉末材料同士の空間の大きさが小さくなるため、造形物の空隙率が小さくなり、強度の向上に寄与する。したがって、体積平均粒径3μm以上250μm以下が、寸法精度と強度を両立させるのに好ましい範囲となる。
前記立体造形用粉末材料の体積平均粒径は、公知の粒径測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)、などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記立体造形用粉末材料の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の立体造形用粉末材料は、各種の成形物、構造物の簡便かつ効率的な製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形用キット、本発明の立体造形物の製造方法、本発明の立体造形用グリーン体の製造方法、本発明の立体造形物の製造装置及び本発明の立体造形用グリーン体の製造装置に特に好適に用いることができる。
(立体造形用キット)
本発明の立体造形用キットは、本発明の前記立体造形用粉末材料と、基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含む造形液とを有し、更に必要に応じてその他の成分等を有してなる。
<造形液>
前記造形液は、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含有し、さらに架橋剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−溶媒−
前記溶媒としては、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどの水性媒体、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、高級アルコールなどが挙げられる。これらの中でも、水が好ましい。前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などを用いることができる。前記造形液の溶媒として水を用いると、溶媒が乾燥しても、造形液の増粘が生じることが回避され、インクジェット方式に用いた場合にも吐出不良を生じることなく使用できることから好ましい。
−架橋剤−
前記立体造形用粉末材料に前記造形液が付与されることで、前記造形液中の溶媒により前記立体造形用粉末材料中の樹脂が溶解し、溶媒である水が乾燥することで基材粒子同士が接着し、立体造形物が形成される。その際、前記造形液中に架橋剤が含有されていると前記樹脂との架橋構造が形成され、立体造形物の強度が更に向上する。前記架橋剤は、樹脂の官能基と架橋反応するものであれば特に制限はないが、有機金属塩から目的に応じて適宜選択することが好ましい。
有機金属塩としては、例えば、金属錯体、ジルコニア系架橋剤、チタン系架橋剤、水溶性有機架橋剤、キレート剤、などが挙げられる。前記ジルコニア系架橋剤としては、例えば、酸塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。前記チタン系架橋剤としては、例えば、チタンアシレート、チタンアルコキシドなどが挙げられる。 前記キレート剤としては、例えば、有機チタンキレート、有機ジルコニアキレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、前記有機金属塩としては、2価以上の陽イオン金属を水中で電離するものなどが好適に挙げられる。前記有機金属塩の具体例としては、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(4価)、チタンラクテートアンモニウム塩(4価)、塩基性酢酸アルミニウム(3価)、炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(4価)、チタントリエタノールアミネート(4価)、グリオキシル酸塩、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩などが好適に挙げられる。
また、これらは市販品を使用することができ、該市販品としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(第一稀元素化学工業株式会社製、酸塩化ジルコニウム)、チタンラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスTC−300)、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスZC−300)、塩基性酢酸アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)、炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾールAC−20)、チタントリエタノールアミネート(マツモトファインケミカル株式会社製、オルガチックスTC−400)、などが挙げられる。前記有機金属塩における金属の価数が2以上であると、架橋強度を向上させることができ、得られる前記立体造形物が良好な強度を有する点で好ましい。
有機金属塩としては配位子を有するものが好ましい。前記陽イオン金属の配位子としては、前記硬化液の吐出安定性(経時保存性)に優れる点で乳酸イオンが好ましい。前記陽イオン金属の配位子が炭酸イオンの架橋剤、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウムは、水溶液中で自己重合反応を生じるため、架橋剤の性質が変化しやすい。したがって、前記硬化液の吐出安定性の観点では、前記陽イオンの配位子が乳酸イオンの架橋剤を用いる方が好ましいと言える。ただし、グルコン酸やトリエタノールアミン等のキレート剤を添加することにより、炭酸ジルコニウムアンモニウムの水溶液中での自己重合反応を抑制することができ、前記硬化液の吐出安定性を向上させることができる。
前記架橋剤の含有量(濃度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、0.1質量部(質量%)〜50質量部(質量%)となる濃度が好ましく、0.5質量部(質量%)〜40質量部(質量%)となる濃度がより好ましく、1質量部(質量%)〜35質量部(質量%)となる濃度が特に好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、流動性調整剤、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、水溶性溶剤、湿潤剤などを含有することが可能である。
本発明の立体造形用キットは、各種の成形物、構造物の製造に好適に用いることができ、後述する本発明の立体造形物の製造方法、本発明の立体造形物の製造装置、及び本発明で得られる立体造形物に特に好適に用いることができる。
<立体造形物>
本発明で得られる立体造形物は、本発明の前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物、及び、本発明の前記立体造形用キットを用い、前記立体造形用キットにおける前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物のいずれかであって、焼結を行って成形物(立体造形物の焼結体)を製造するための焼結用硬化物として用いられる。
前記立体造形物は、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与しただけで得られたものでありが、充分な強度を有する。
前記立体造形物においては、前記基材粒子が密に(高充填率で)存在し、前記樹脂は前記基材粒子同士の周囲に極僅かだけ存在するため、その後に焼結等して成形物(焼結体)を得たとき、接着剤等を用いた従来の粉末乃至粒子の硬化物とは異なり、有機物成分の揮発(脱脂)量が少なくできるため、不要な空隙(脱脂痕)等は存在せず、外観の美麗な成形物(焼結体)が得られる。
また脱脂が完全にされていないと、樹脂起因の炭素成分が焼結体に残存してしまい、原材料と組成が変わってしまう不具合もある。そのため従来工法における脱脂には、長時間を要していた。一方、本方式は樹脂量が極めて少ないため、脱脂専用の炉が必ずしも必要ではなく、短時間で、完全な脱脂を行い、原材料成分と同じ組成の焼結体を容易に得られることを特徴とする。
前記立体造形物の強度としては、例えば、表面を擦っても型崩れ等が生じることがない程度であり、ノズル口径2mm、エアー圧力0.3MPaのエアーガンを用いて、距離5cmよりエアーブロー処理をしても割れ等が生じることがない程度である。
<立体造形用グリーン体>
本発明の立体造形用グリーン体は、前記立体造形物の製造工程において、立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物に硬化・乾燥処理を施す硬化・乾燥工程を付加することによって得られる。
本発明の立体造形用グリーン体は、立体造形用グリーン体に含有される前記樹脂の赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.55〜0.80であることを特徴とする。
このように立体造形用グリーン体に含有される樹脂の吸収ピーク強度比を0.55以上0.80以下にすることで、高精度で充分な強度を有する立体造形用グリーン体、さらに焼結を行った焼結体を得られることを見出した。
一般にグリーン体とは、粉末を鍛造により固めただけのもの、あるいは粉末とバインダーの混錬物であるコンパウンドを射出成型しただけのものを指すが、本発明におけるグリーン体は、以下の方法により作製されたものである。
まず、樹脂によりコーティングされた粒子に対し粉末積層によるラピッドプロトタイプ(RP)3D造形方法により、生成する造形物の層にそれぞれ相当する所定の領域を造形液で湿らせる。粒子はその湿った領域内で結合液により湿らされ接着結合される。
その後に続く結合液中の溶剤の蒸発・乾燥工程により、粒子がさらに互いに直接接着することで本発明におけるグリーン体が形成される。すなわち焼結前のしら地体,未焼結体を意味する。
(立体造形物の製造方法及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを含み、更に必要に応じて、焼結工程等のその他の工程を含む。
前記粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを繰り返すことで立体造形物を製造することを特徴とする。本発明の立体造形物の製造装置は、粉末材料層形成手段と、造形液付与手段とを有し、粉末材料収容部と、造形液収容部とを有することが好ましく、更に必要に応じて造形液供給手段や焼結手段等のその他の手段を有してなる。
また、本発明の立体造形用グリーン体の製造方法は、粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程、粉末粒子の結着を含む硬化・乾燥工程を含み、更に焼結工程等のその他の工程を含む。
前記粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを繰り返し、さらに粉末粒子の結着を含む硬化・乾燥工程を含むことで立体造形用グリーン体を製造することを特徴とする。本発明の立体造形用グリーン体の製造装置は、粉末材料層形成手段と、造形液付与手段とを有し、粉末材料収容部と、造形液収容部とを有することが好ましく、更に造形液供給手段や硬化・乾燥手段等を有してなる。
−粉末材料層形成工程及び粉末材料層形成手段−
前記粉末材料層形成工程は、本発明の前記立体造形用粉末材料を使用し、支持体上に立体造形用粉末材料層を形成する工程である。前記粉末材料層形成手段は、支持体上に、本発明の前記立体造形用粉末材料の層を形成する手段である。
−−支持体−−
前記支持体としては、前記立体造形用粉末材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記立体造形用粉末材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記立体造形用粉末材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよいが、前記立体造形用粉末材料における前記樹脂が溶解した際に、前記樹脂との親和性が低いことが好ましい。前記載置面と、溶解した前記樹脂との親和性が、前記基材粒子と、溶解した前記樹脂との親和性よりも低いと、得られた立体造形物を前記載置面から取り外すことが容易である点で好ましい。
−−粉末材料層の形成−−
前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラー)などを用いる方法、前記立体造形用粉末材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記立体造形用粉末材料の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法、などが好適に挙げられる。
前記カウンター回転機構(カウンターローラー)、前記ブラシ乃至ブレード、前記押圧部材などを用いて、前記支持体上に前記立体造形用粉末材料を薄層に載置させるには、例えば、以下のようにして行うことができる。即ち、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称されることもある)内に、前記外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された前記支持体上に前記立体造形用粉末材料を、前記カウンター回転機構(カウンターローラー)、前記ブラシ、ローラ又はブレード、前記押圧部材などを用いて載置させる。このとき、前記支持体として、前記外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、前記支持体を前記外枠の上端開口部よりも少しだけ下方の位置に配し、即ち、前記立体造形用粉末材料層の厚み分だけ下方に位置させておき、前記支持体上に前記立体造形用粉末材料を載置させる。以上により、前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させることができる。
なお、このようにして薄層に載置させた前記立体造形用粉末材料に対し、前記造形液を付与すると、前記造形液中の溶媒により前記立体造形用粉末材料中の前記基材粒子を被覆する樹脂が溶解し、溶媒である水が乾燥することで基材粒子同士が接着し、当該層が形成する。ここで得られた薄層の上に、上記と同様にして、前記立体造形用粉末材料を薄層に載置させ、前記薄層に載置された該立体造形用粉末材料(層)に対し、前記造形液を作用させると、前記基材粒子を被覆する樹脂が溶解し、樹脂溶解層が生じる。このときの溶解は、該薄層に載置された前記立体造形用粉末材料(層)においてのみならず、その下に存在する、先に形成して得られた前記薄層との間でも生じる。その結果、この状態で硬化が生じた場合、前記薄層に載置された前記立体造形用粉末材料(層)の約2層分の厚みを有する立体造形物が得られる。
また、前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に薄層に載置させるには、前記公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。前記粉末積層造形装置は、一般に、前記立体造形用粉末材料を積層するためのリコーターと、前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に供給するための可動式供給槽と、前記立体造形用粉末材料を薄層に載置し、積層するための可動式成形槽とを備える。前記粉末積層造形装置においては、前記供給槽を上昇させるか、前記成形槽を下降させるか、又はその両方によって、常に前記供給槽の表面は前記成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができ、前記供給槽側から前記リコーターを用いて前記立体造形用粉末材料を薄層に配置させることができ、該リコーターを繰り返し移動させることにより、薄層の立体造形用粉末材料を積層させることができる。
前記立体造形用粉末材料層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、30μm以上500μm以下が好ましく、60μm以上300μm以下がより好ましい。
前記厚みが、30μm以上であると、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による立体造形物の強度が充分であり、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない、500μm以下であると、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による立体造形物の寸法精度が向上し、また短時間での脱脂が可能である。
なお、前記平均厚みは、特に制限はなく、公知の方法に従って測定することができる。
−粉末材料層硬化工程及び造形液付与手段−
前記粉末材料層硬化工程は、前記粉末材料層形成工程で形成した立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与した後に、該領域を硬化させる工程である。造形液付与後の硬化は造形液溶媒成分の蒸発、加熱等による乾燥工程により進む。前記造形液付与手段は、前記粉末材料層形成手段により形成された立体造形用粉末材料層の所定領域の樹脂を溶解させるために、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する手段である。
前記造形液の前記粉末材料層への付与の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を前記造形液付与手段として好適に使用することができる。これらの中でも、前記ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなり、前記スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末材料の飛散が発生する。このため、本発明においては、前記インクジェット方式が特に好ましい。前記インクジェット方式は、前記スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、前記ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
前記インクジェット法による場合、前記造形液付与手段は、前記インクジェット法により前記造形液を前記粉末材料層に付与可能なノズルを有する。なお、前記ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズル(吐出ヘッド)を好適に使用することができ、また、前記インクジェットプリンターを前記造形液付与手段として好適に使用することができる。なお、前記インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。前記インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる造形液量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。
本発明においては、前記造形液を精度良くしかも高効率に付与可能な前記インクジェットプリンターを用いた場合においても、前記造形液が、粒子等の固形物や、樹脂等の高分子の高粘度材料を含有しないため、前記ノズル乃至そのヘッドにおいて目詰り等が発生せず、腐食等を生じさせることもなく、また、前記立体造形用粉末材料層に付与(吐出)された際、前記立体造形用粉末材料における前記樹脂に効率良く浸透可能であるため、立体造形物の製造効率に優れ、しかも樹脂等の高分子成分が付与されることがないため、予定外の体積増加等を生じることがなく、寸法精度の良い硬化物が容易にかつ短時間で効率よく得られる点で有利である。
なお、前記造形液において前記架橋剤はpH調整剤としても機能し得る。前記造形液のpHとしては、前記インクジェット法で前記造形液を前記立体造形用粉末材料層に付与する場合には、用いるノズルのノズルヘッド部分の腐食や目詰り防止の観点からは、5(弱酸性)〜12(塩基性)が好ましく、8〜10(弱塩基性)がより好ましい。前記pHの調整のために公知のpH調整剤を使用してもよい。
−粉末材料収容部−
前記粉末材料収容部は、前記立体造形用粉末材料が収容された部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯留槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
−造形液収容部−
前記造形液収容部は、前記造形液が収容された部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯留槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、例えば、乾燥工程、脱脂・焼結工程、表面保護処理工程、塗装工程などが挙げられる。
前記乾燥工程は、前記粉末材料層硬化工程において得られた硬化物(立体造形物)をさらに乾燥させる工程である。前記乾燥工程において、前記硬化物中に含まれる水分のみならず、有機物を除去(脱脂)してもよい。適切な乾燥手段を与えることで、前記硬化物(立体造形物)の強度、耐湿性が向上し、本発明の立体造形用グリーン体を得ることができる。前記乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
前記脱脂・焼結工程は、前記粉末材料層硬化工程において形成した硬化物(立体造形物)又は立体造形用グリーン体を脱脂・焼結する工程である。前記脱脂・焼結工程を行うことにより、立体造形物又は立体造形用グリーン体前記硬化物を一体化された金属乃至セラミックスの成形物(立体造形物の焼結体)とすることができる。前記脱脂・焼結手段としては、例えば、公知の温度コントロールされた焼結炉などが挙げられる。
前記表面保護処理工程は、前記粉末材料層硬化工程において形成した硬化物(立体造形物)に保護層を形成等する工程である。この表面保護処理工程を行うことにより、前記硬化物(立体造形物)を例えばそのまま使用等することができる耐久性等を該硬化物(立体造形物)の表面に与えることができる。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。前記表面保護処理手段としては、公知の表面保護処理装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
前記塗装工程は、前記粉末材料層硬化工程において形成した硬化物(立体造形物)に塗装を行う工程である。前記塗装工程を行うことにより、前記硬化物(立体造形物)を所望の色に着色させることができる。前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗装装置などが挙げられる。
ここで、図1に本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す。この図1の立体造形物の製造装置は、造形側粉末貯留槽1と供給側粉末貯留槽2とを有し、これらの粉末貯留槽は、それぞれ上下に移動可能なステージ3を有し、該ステージ3上に立体造形用粉末材料を載置し、立体造形用粉末材料からなる薄層を形成する。造形側粉末貯留槽1の上には、前記粉末貯留槽内の立体造形用粉末材料に向けて造形液4を吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給側粉末貯留槽2から造形側粉末貯留槽1に立体造形用粉末材料を供給すると共に、造形側粉末貯留槽1の立体造形用粉末材料(層)表面を均す、均し機構6(以下、リコーターということがある)を有する。
造形側粉末貯留槽1の立体造形用粉末材料層上にインクジェットヘッド5から造形液4を滴下する。このとき、造形液4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。一層分の描画が終了した後、供給側粉末貯留槽2のステージ3を上げ、造形側粉末貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の立体造形用粉末材料を、前記均し機構6によって、造形側粉末貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した立体造形用粉末材料層表面上に、新たな立体造形用粉末材料層が一層形成される。このときの立体造形用粉末材料層一層の厚みは、30μm以上500μm以下である。前記新たに形成された立体造形用粉末材料層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して立体造形物を得、図示しない加熱手段で加熱乾燥させることで立体造形物が得られる。
図2に、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す。図2の立体造形物の製造装置は、原理的には図1と同じものであるが、立体造形用粉末材料の供給機構が異なる。即ち、供給側粉末貯留槽2は、造形側粉末貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形側粉末貯留槽1のステージ3が所定量降下し、供給側粉末貯留槽2が移動しながら、所定量の立体造形用粉末材料を造形側粉末貯留槽1に落下させ、新たな立体造形用粉末材料層を形成する。その後、均し機構6で、立体造形用粉末材料層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、立体造形用粉末材料層の高さを均一に均す。図2に示す構成の立体造形物の製造装置によれば、2つの粉末貯留槽を平面的に並べる図1の構成に比べて、装置をコンパクトにできる。
以上の本発明の立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造方法及び製造装置により、安全性が高く複雑な立体(三次元(3D))形状の立体造形物を、本発明の前記立体造形用粉末材料又は本発明の前記立体造形用キットを用いて簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生じることなく、充分な強度を有し寸法精度良く製造することができる。こうして得られた立体造形物、立体造形用グリーン体及びその焼結体は、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例では立体造形物の製造例を示す。
(実施例I−1)
<立体造形用粉末材料I−1の作製>
−コート液1の調製−
ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)6質量部に、イオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて1時間攪拌し、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールを溶解させることで5質量%のダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液を[コート液I−1]とした。
−コート液I−1の基材表面へのコーティング−
市販のコーティング装置(パウレック社製、MP−01)を用いて、基材粒子としてステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部に対し、被覆厚みが300nmになるように、下記コーティング条件で前記[コート液I−1]をコーティングし、体積平均粒径が43μm(評価装置:日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)の立体造形用粉末材料I−1を得た。
<コーティング条件>
・スプレー設定
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4〜5Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 40〜50NL/min
・ローター設定
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 85℃
給気風量 0.8m/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒間
バグフィルターインターバル 5秒間
・コーティング時間 80分間
なお、被覆厚みは、以下のようにして測定した。
<被覆厚み>
被覆厚みは、前記立体造形用粉末材料I−1の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製した。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出した、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部位との長さを被覆厚みとして測定した。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とした。
<赤外吸収スペクトル>
本発明に記載している赤外吸収スペクトルは、Thermo-Nicolet社製 FTIR Avatar 370で測定した。バックグラウンドを測定することでバックグラウンド情報を消去した後、立体造形用粉末材料を分光素子上に敷き詰め、スライドガラス等で押圧しながらATR法にて測定した。積算回数は20回行い測定データを得ている。ピーク強度比は、吸光度でのデータから算出した。(図3参照)
<造形液の作製>
水70質量部と、流動性調整剤として3−メチル−1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)30質量部とを混合攪拌し、造形液を得た。
<立体造形物の作製>
得られた前記立体造形用粉末材料I−1と、前記造形液とで、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンを用いて、立体造形物1を以下のようにして製造した。
(1)薄層形成工程
まず、図1に示したような公知の粉末積層装置を用いて、前記供給槽から前記成形槽に前記立体造形用粉末材料I−1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの立体造形用粉末材料I−1による薄層を形成した。
(2)基材粒子接着工程
次に、形成した立体造形用粉末材料I−1による薄層の表面に、前記造形液を、公知のインクジェット吐出ヘッドのノズルから付与(吐出)することで、基材粒子を被覆している樹脂を溶かし、基材粒子同士を接着させた。
(3)乾燥工程
次に、上記(1)及び(2)の操作を繰返し、立体造形用粉末材料I−1による薄層を順次積層し、平均厚み3mmの積層した立体造形物を得た。その後、乾燥機を用いて、50℃で4時間、次いで100℃にて12時間乾燥する乾燥工程を行い、立体造形物1を得た。
得られた立体造形物1に対し、エアーブローにより余分な前記立体造形用粉末材料を除去したところ、型崩れすることはなかった。
得られた立体造形物1について、以下のようにして、曲げ応力、寸法精度を評価した。<曲げ応力>
強度(硬度)を測定する装置である株式会社島津製作所製のオートグラフAGS−Jと、3点曲げ試験治具(プラスティック)を用いて3点曲げ応力を測定することで、立体造形物1の強度(硬度)を測定し、下記基準に従って曲げ応力を評価した。
[評価基準]
A・・・8.0MPa以上
B・・・5.0MPa以上8.0MPa未満
C・・・3.0MPa以上5.0MPa未満
D・・・3.0MPa未満
<寸法精度>
×・・・立体造形物の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記基材と前記有機材料との偏在が認められる状態
△・・・立体造形物の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○・・・立体造形物の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎・・・立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
<焼結体の作製>
上記(3)で得られた立体造形物1について、乾燥機を用いて、窒素雰囲気下、400℃まで昇温させて4時間脱脂工程を行い、更に焼結炉内で真空条件下、1,300℃で焼結処理を行った。その結果、表面が美麗な立体造形物1(焼結体)が得られた。この焼結体は完全に一体化されたステンレス構造体(金属塊)であり、硬質の床に叩きつけても全く破損等が生じなかった。
(実施例I−2〜I−4、比較例I−1)
実施例I−1における、コーティング条件中の給気温度条件を表1に記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−2〜I−5を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物2〜5を作成し評価を行った。
(比較例I−2)
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−6を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物6を作成して評価を行った。
(実施例I−5)
実施例I−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−7を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物7を作成し評価を行った。
(実施例I−6)
実施例I−5における、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)をカルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−200、平均重合度1000)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−8を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物8を作成し評価を行った。
(実施例I−7〜I−9、比較例I−3)
実施例I−5における、コーティング条件中の給気温度条件を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−9〜I−12を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物9〜12を作成し評価を行った。
(実施例I−10)
実施例I−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾール AC−20)5質量部を添加、混合溶解させたものを用いて立体造形物13を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物13の評価を行った。
(実施例I−11)
実施例I−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤としてジルコニウムラクテートアンモニウム塩(オルガチックス ZC−300、マツモトファインケミカル株式会社製)5質量部を、混合溶解させたものを用いて立体造形物14を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物14の評価を行った。
(比較例I−4)
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−13を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物15を作成して評価を行った。
(実施例I−12)
実施例I−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−14を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物16を作成し評価を行った。
(実施例I−13)
実施例I−12における、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変えてブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8049 平均重合度450)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−15を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物17を作成し評価を行った。
(実施例I−14〜16、比較例I−5)
実施例I−12における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−16〜I−19を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物18〜21を作成し評価を行った。
(比較例I−6)
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080)平均重合度600)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−20を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物22を作成して評価を行った。
(実施例I−17)
実施例I−5において、基材をアルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−21、立体造形物23を製造した。得られた立体造形物23につき、実施例I−1と同様の評価を行った。
(実施例I−18〜20、実施例I−7)
実施例I−17における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−22〜I−25を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物24〜27を作成し評価を行った。
(実施例I−8)
立体造形用粉末材料として、アルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−26を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物28を作成して評価を行った。
(実施例I−21)
実施例I−5において、基材をジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−27、立体造形物29を製造した。得られた立体造形物29につき、実施例I−1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例I−22〜I−24、比較例I−9)
実施例I−21における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−28〜I−31を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物30〜33を作成し評価を行った。
(実施例I−10)
立体造形用粉末材料として、ジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−32を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物34を作成して評価を行った。
(実施例I−25〜I−30)
実施例I−8において、基材表面へのコート液の被覆厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例I−8と同様にして、立体造形用粉末材料I−33〜I−38を作製し、立体造形物35〜40を製造した。得られた立体造形物35〜40につき、実施例I−1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
各実施例及び比較例で製造した粉末材料の構成及び立体造形物についての評価結果を表1に示した。なお、被覆に用いた樹脂は表1中ではR1〜R5という符号を用いて略称し、表2に樹脂R1〜R5の材料及び品番を示した。
Figure 2016223005
Figure 2016223005
以下の実施例では立体造形用グリーン体の製造例を示す。
(実施例II−1)
<立体造形用粉末材料II−1の作製>
−コート液II−1の調製−
ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)6質量部に、イオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて1時間攪拌し、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールを溶解させることで5質量%のダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液を[コート液II−1]とした。
−コート液II−1の基材表面へのコーティング−
市販のコーティング装置(パウレック社製、MP−01)を用いて、基材粒子としてステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部に対し、被覆厚みが300nmになるように、下記コーティング条件で前記[コート液1]をコーティングし、体積平均粒径が43μm(評価装置:日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)の立体造形用粉末材料II−1を得た。
<コーティング条件>
・スプレー設定
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4〜5Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 40〜50NL/min
・ローター設定
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 80℃
給気風量 0.8m/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒間
バグフィルターインターバル 5秒間
・コーティング時間 80分間
なお、被覆厚みは、以下のようにして測定した。
<被覆厚み>
被覆厚みは、前記立体造形用粉末材料II−1の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製した。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出した、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部位との長さを被覆厚みとして測定した。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とした。
<造形液の作製>
水70質量部と、流動性調整剤として3−メチル−1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)30質量部とを混合攪拌し、造形液を得た。得られた前記立体造形用粉末材料II−1と、前記造形液とで、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンを用いて、立体造形物1を以下のようにして製造した。
(1)まず、図1に示したような公知の粉末積層装置を用いて、前記供給槽から前記成形槽に前記立体造形用粉末材料II−1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの立体造形用粉末材料II−1による薄層を形成した。
(2)次に、形成した立体造形用粉末材料II−1による薄層の表面に、前記造形液を、公知のインクジェット吐出ヘッドのノズルから付与(吐出)することで、基材粒子を被覆している樹脂を溶かし、基材粒子同士を接着させた。
(3)次に、上記(1)及び(2)の操作を繰返し、立体造形用粉末材料II−1による薄層を順次積層し、平均厚み3mmの積層した立体造形物を得た。その後、乾燥機を用いて、50℃で4時間、次いで100℃にて20時間乾燥する乾燥工程を行い、立体造形用グリーン体1を得た。
得られた立体造形用グリーン体1に対し、エアーブローにより余分な前記立体造形用粉末材料を除去したところ、型崩れすることはなかった。
また、得られた立体造形用グリーン体1について、以下のようにして、赤外吸収スペクトル、曲げ応力、寸法精度を評価した。
<赤外吸収スペクトル>
本発明に記載している赤外吸収スペクトルは、Thermo-Nicolet社製 FTIR Avatar 370で測定した。バックグラウンドを測定することでバックグラウンド情報を消去した後、立体造形用グリーン体を分光素子上に押圧・密着させながらATR法にて測定した。積算回数は20回行い測定データを得ている。ピーク強度比は、吸光度でのデータから算出した。(図3参照)
<曲げ応力>
強度(硬度)を測定する装置である株式会社島津製作所製のオートグラフAGS−Jと、3点曲げ試験治具(プラスティック)を用いて3点曲げ応力を測定することで、立体造形用グリーン体1の強度(硬度)を測定し、下記基準に従って曲げ応力を評価した。[評価基準]
A・・・8.0MPa以上
B・・・5.0MPa以上8.0MPa未満
C・・・3.0MPa以上5.0MPa未満
D・・・3.0MPa未満
<寸法精度>
立体造形用グリーン体1の外観を観察し、下記の基準に従って寸法精度を評価した。
×・・・立体造形用グリーン体の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記基材と前記有機材料との偏在が認められる状態
△・・立体造形用グリーン体の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○・・立体造形用グリーン体の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎・・立体造形用グリーン体の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
評価結果を表3に示した。
<焼結体の作製>
次いで、上記で得られた立体造形用グリーン体1について、乾燥機を用いて、窒素雰囲気下、400℃まで昇温させて4時間脱脂工程を行い、更に焼結炉内で真空条件下、1,300℃で焼結処理を行った。その結果、表面が美麗な立体造形用グリーン体1(焼結体)が得られた。この焼結体は完全に一体化されたステンレス構造体(金属塊)であり、硬質の床に叩きつけても全く破損等が生じなかった。
(実施例II−2〜4、比較例II−1)
実施例II−1における、(3)乾燥工程における100℃の乾燥温度条件を表3に記載のように変える以外は、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体2〜5を作成し評価を行った。
(実施例II−5)
実施例II−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)に変更した以外は実施例II−1と同様にして、立体造形用グリーン体6を作成し評価を行った。
(実施例II−6)
実施例II−5における、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)をカルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−200、平均重合度1000)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−3を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体7を作成し評価を行った。
(実施例II−7〜9、比較例II−2)
実施例II−5において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体8〜11を作成し評価を行った。
(実施例II−10)
実施例II−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾール AC−20)5質量部を添加、混合溶解させたものを用いて立体造形用グリーン体12を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体12の評価を行った。
(実施例II−11)
実施例II−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤としてジルコニウムラクテートアンモニウム塩(オルガチックス ZC−300、マツモトファインケミカル株式会社製)5質量部を、混合溶解させたものを用いて立体造形用グリーン体13を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体13の評価を行った。
(実施例II−12)
実施例II−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変更した以外は、実施例II−1と同様にして、立体造形用粉末材料II−4を作成、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体14を作成し評価を行った。
(実施例II−13)
実施例II−12における、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変えてブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8049 平均重合度450)に変更した以外は、実施例II−1と同様にして、立体造形用粉末材料II−5を作成、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体15を作成し評価を行った。
(実施例II−14〜16、比較例II−3)
実施例II−12において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−12と同様にして立体造形用グリーン体16〜19を作成し評価を行った。
(実施例II−17)
実施例II−5において、基材をアルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−6、立体造形用グリーン体20を製造した。得られた立体造形用グリーン体20につき、実施例II−5と同様の評価を行った。
(実施例II−18〜20、比較例II−4)
実施例II−17において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−17と同様にして立体造形用グリーン体21〜24を作成し評価を行った。
(実施例II−21)
実施例II−5において、基材をジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−7、立体造形用グリーン体25を製造した。得られた立体造形用グリーン体25につき、実施例II−5と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例II−22〜24、比較例II−5)
実施例II−21において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−21と同様にして立体造形物26〜29を作成し評価を行った。
各実施例及び比較例で製造した粉末材料の構成及び立体造形物についての評価結果を表3に示した。なお、被覆に用いた樹脂は表3中ではR1〜R5という符号を用いて略称し、表2に樹脂R1〜R5の材料及び品番を示した。
Figure 2016223005
1 造形側粉末貯留槽
2 供給側粉末貯留槽
3 ステージ
4 造形液
5 インクジェットヘッド
6 均し機構
特表2006−521264号公報 特開2011−230422号公報 WO2007−122804号公報

Claims (13)

  1. 基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料であって、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であることを特徴とする立体造形用粉末材料。
  2. 前記基材粒子が金属またはセラミックであることを特徴とする請求項1に記載の立体造形用粉末材料。
  3. 前記樹脂が、アセトアセチル基、カルボニル基またはブタンジオール基を有する変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載の立体造形用粉末材料。
  4. 前記樹脂の重合度が、400以上1,100以下であることを特徴とする請求項3に記載の立体造形用粉末材料。
  5. 前記粉末材料の被覆厚みが30nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の立体造形用粉末材料と、基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含む造形液と、を有することを特徴とする立体造形用キット。
  7. 前記造形液が前記基材粒子を被覆する樹脂と架橋反応する架橋剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の立体造形用キット。
  8. 粉末材料から立体造形物を形成する方法であって、
    前記粉末材料として請求項1乃至5のいずれかに記載の立体造形用粉末材料を使用し、
    支持体上に立体造形用粉末材料層を形成する粉末材料層形成工程と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程と、を少なくとも繰り返すことで立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  9. 前記造形液の付与が、インクジェット吐出方式により行われることを特徴とする請求項8に記載の立体造形物の製造方法。
  10. 支持体上に、請求項1乃至5のいずれかに記載の立体造形用粉末材料の層を形成する粉末材料層形成手段と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与手段と、を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  11. 基材粒子と樹脂とを含む立体造形用グリーン体において、立体造形用グリーン体に含有される前記樹脂の赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.55〜0.80であることを特徴とする立体造形用グリーン体。
  12. 請求項11に記載の立体造形用グリーン体を製造する方法であって、支持体上に基材粒子と樹脂とを含む立体造形用粉末材料からなる立体造形用粉末材料層を形成する粉末材料層形成工程と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程と、を少なくとも繰り返すことで立体造形体を形成し、さらに硬化・乾燥工程を行うことを特徴とする立体造形用グリーン体の製造方法。
  13. 請求項11に記載の立体造形用グリーン体を製造する装置であって、支持体上に、立体造形用粉末材料の層を形成する粉末材料層形成手段と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与手段と、硬化・乾燥手段と、を有することを特徴とする立体造形用グリーン体の製造装置。
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