以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMMT(MPEG Media Transport)送信システムの機能構成の例を示すブロック図である。図1に示すMMT送信システムは、素材出力装置10−1,10−2、多重化装置20−1,20−2、スクランブラ30−1,30−2及び切替装置40を具備する。
素材出力装置10−1は、例えば、ビデオエンコーダ11、オーディオエンコーダ12及び字幕エンコーダ13を備える。ビデオエンコーダ11は、映像データを符号化し、映像のMMTP(MPEG Media Transport Protocol)パケットとする。オーディオエンコーダ12は、音声データを符号化し、音声のMMTPパケットとする。字幕エンコーダ13は、字幕データを符号化し、字幕のMMTPパケットとする。素材出力装置10−1は、映像、音声及び字幕についての複数の種類のMMTPパケットを多重化装置20−1へ出力する。
MMTPパケットは、例えば、図2に示す構造をとる。すなわち、図2に示すMMTPパケットは、MMTPパケットについてのパケット情報が含まれるヘッダ部と、実データが含まれるペイロード部とを有する。
図3は、ペイロード部の構造を示す模式図である。図3に示すペイロードは、ペイロード部についてのペイロード情報が含まれるヘッダ部と、MFUデータが含まれるデータ部とを備える。
なお、素材出力装置10−2は、素材出力装置10−1と同様の構成をとる。素材出力装置10−2は、映像、音声及び字幕についての複数の種類のMMTPパケットを多重化装置20−2へ出力する。
多重化装置20−1は、素材出力装置10−1から出力されるMMTPパケットを多重化して、第1の多重化データとする。多重化装置20−1は、第1の多重化データをスクランブラ30−1へ出力する。また、多重化装置20−1は、スクランブラ30−1から出力される第1の多重化データを切替装置40へ出力する。
多重化装置20−2は、素材出力装置10−2から出力されるMMTPパケットを多重化して、第2の多重化データとする。多重化装置20−2は、第2の多重化データをスクランブラ30−2へ出力する。また、多重化装置20−2は、スクランブラ30−2から出力される第2の多重化データを切替装置40へ出力する。
図4は、図1に示すスクランブラ30−1の機能構成の例を示すブロック図である。図4に示すスクランブラ30−1は、パケットヘッダ解析部31、ペイロード解析部32、スクランブル処理部33、切替部34及び制御部35を備える。
パケットヘッダ解析部31は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。パケットヘッダ解析部31は、受信した第1の多重化データに含まれるMMTPパケットのヘッダ部を解析し、MMTPパケットについてのパケット情報を取得する。パケットヘッダ解析部31は、MMTPパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部35へ通知すると共に、取得したパケット情報を制御部35へ出力する。
ペイロード解析部32は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。ペイロード解析部32は、制御部35からの制御に応じ、受信した第1の多重化データに含まれるMMTPパケットのペイロード部を解析する。ペイロード解析部32は、予め設定されるバイト数、例えば、8バイト分のデータを読み込むと、その旨を制御部35へ通知する。ここで、8バイト分のデータとは、図3に示すMPUシーケンス番号までである。ペイロード解析部32は、8バイト分のペイロード部を読み込んだ旨を制御部35へ通知すると、スクランブル処理部33に対し、8バイト以降のデータにスクランブルを適用させるように指示を出す。ペイロード解析部32は、MMTPパケットのペイロード部についての解析が終了すると、解析終了を制御部35へ通知する。
スクランブル処理部33は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。スクランブル処理部33は、ペイロード解析部32からスクランブル開始の指示を受けると、受信した第1の多重化データに含まれるMMTPパケット内の該当データに対し、予め設定される暗号アルゴリズムを用いたスクランブルを適用する。スクランブル処理部33は、スクランブルを適用させたデータを切替部34へ出力する。なお、スクランブル処理部33がスクランブル処理に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
切替部34は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データ、及び、スクランブル処理部33から出力されるデータを受信する。切替部34は、制御部35からの制御に応じ、受信するデータのいずれかを切り替えて多重化装置20−1へ出力する。
具体的には、切替部34は、先頭の8バイトについては、スクランブルが適用されていないデータを多重化装置20−1へ出力する。一方、先頭の8バイト以降、すなわち、MPUシーケンス番号より後については、切替部34は、スクランブル処理部33から出力されるデータを多重化装置20−1へ出力する。
制御部35は、パケットヘッダ解析部31から解析終了の通知、及び、パケット情報を受信すると、ペイロード解析部32に対し、パケット情報に基づいてペイロード部の解析を開始するように制御する。
制御部35は、ペイロード解析部32からの通知に従い、切替部34を制御する。すなわち、制御部35は、ペイロード解析部32から8バイト分のデータを読み込んだ旨の通知を受ける前については、スクランブルを適用していないデータを切替部34に出力させる。8バイト分のデータを読み込んだ旨の通知を受けた場合、制御部35は、スクランブルを適用させたデータを出力するように切替部34を切り替える。
制御部35は、ペイロード解析部32から解析終了の通知を受信した場合、次のMMTPパケットの入力を待つように、パケットヘッダ解析部31に指示を出す。
スクランブラ30−2は、スクランブラ30−1と同様の構成をとる。スクランブラ30−2は、スクランブルを適用させた第2の多重化データを多重化装置20−2へ出力する。
図5は、図1に示す切替装置40の機能構成の例を示すブロック図である。図5に示す切替装置は、第1のパケットヘッダ解析部41、第1のペイロード解析部42、第2のパケットヘッダ解析部43、第2のペイロード解析部44、切替部45及び制御部46を備える。
第1のパケットヘッダ解析部41は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。第1のパケットヘッダ解析部41は、受信した第1の多重化データに含まれるMMTPパケットのヘッダ部を解析し、MMTPパケットについてのパケット情報を取得する。第1のパケットヘッダ解析部41は、MMTPパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部46へ通知すると共に、取得したパケット情報を制御部46へ出力する。
第1のペイロード解析部42は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。第1のペイロード解析部42は、制御部46からの制御に応じ、受信した第1の多重化データに含まれるMMTPパケットのペイロード部を解析する。第1のペイロード解析部42は、予め設定されるバイト数、例えば、8バイト分のデータを読み込むと、読み込んだ情報を第1のペイロード情報として制御部46へ出力する。ここで、第1のペイロード情報には、図3に示すペイロード長からMPUシーケンス番号までの情報が含まれる。第1のペイロード解析部42は、第1のペイロード情報を制御部46へ出力すると、解析終了を制御部46へ通知する。
第2のパケットヘッダ解析部43は、多重化装置20−2から出力される第2の多重化データを受信する。第2のパケットヘッダ解析部43は、受信した第2の多重化データに含まれるMMTPパケットのヘッダ部を解析し、MMTPパケットについてのパケット情報を取得する。第2のパケットヘッダ解析部43は、MMTPパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部46へ通知すると共に、取得したパケット情報を制御部46へ出力する。
第2のペイロード解析部44は、多重化装置20−2から出力される第2の多重化データを受信する。第2のペイロード解析部44は、制御部46からの制御に応じ、受信した第2の多重化データに含まれるMMTPパケットのペイロード部を解析する。第2のペイロード解析部44は、予め設定されるバイト数、例えば、8バイト分のデータを読み込むと、読み込んだ情報を第2のペイロード情報として制御部46へ出力する。ここで、第2のペイロード情報には、図3に示すペイロード長からMPUシーケンス番号までの情報が含まれる。第2のペイロード解析部44は、第2のペイロード情報を制御部46へ出力すると、解析終了を制御部46へ通知する。
切替部45は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データ、及び、多重化装置20−2から出力される多重化データを受信する。切替部45は、制御部46からの制御に応じ、第1の多重化データを第2の多重化データへ、又は、第2の多重化データを第1の多重化データへ切り替える。切替部45は、切り替え後の信号を後段へ出力する。切替部45から出力される信号は、送信装置(図示せず)から送信される。
制御部46は、第1のパケットヘッダ解析部41から解析終了の通知を受信すると、第1のペイロード解析部42に対し、パケット情報に基づいてペイロード部の解析を開始するように制御する。制御部46は、第2のパケットヘッダ解析部43から解析終了の通知を受信すると、第2のペイロード解析部44に対し、パケット情報に基づいてペイロード部の解析を開始するように制御する。
制御部46は、出力を切り替える旨の指示が入力されると、第1のペイロード解析部42からの第1のペイロード情報、及び、第2のペイロード解析部44からの第2のペイロード情報に基づき、切替部45を制御する。
制御部46による切替部45の切替制御を、図6を参照して具体的に説明する。なお、図6では、第1の多重化データ及び第2の多重化データには、映像のMMTPパケット(MMTP_V)と、音声のMMTPパケット(MMTP_A)とが含まれるものとする。第1の多重化データのパケット配列と第2の多重化データのパケット配列とは同一である場合が多いが、素材出力装置10−1,10−2での何らかの要因により、パケット配列が異なるものとなる場合がある。図6では、第1の多重化データのパケット配列と第2の多重化データのパケット配列とが異なる場合を例に説明する。また、図6では、第1の多重化データから、第2の多重化データへ出力を切り替えるものとする。
図6において、(a)は多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを示し、(b)は多重化装置20−2から出力される第2の多重化データを示す。
図6において、まずMMTP_V11と、MMTP_V21とが切替装置40に入力される。第1のパケットヘッダ解析部41は、MMTP_V11のヘッダ部を解析し、パケット情報を取得する。第1のペイロード解析部42は、MMTP_V11のペイロード部からペイロード長及びMPUシーケンス番号を取得する。図6によれば、MMTP_V11のMPUシーケンス番号は、「M」である。
MMTP_V11に続き、MMTP_V12、MMTP_V13、MMTP_V14、MMTP_A11、MMTP_V15、MMTP_V16、MMTP_A12、MMTP_A13、MMTP_V17及びMMTP_V18が順次入力される。第1のパケットヘッダ解析部41は、MMTPパケットが入力される毎にヘッダ部を解析し、パケット情報を取得する。第1のペイロード解析部42は、MMTPパケットが入力される度にペイロード部からペイロード長及びMPUシーケンス番号を取得する。図6によれば、MMTP_V12〜13のMPUシーケンス番号は「M」であり、MMTP_V14〜18のMPUシーケンス番号は「M+1」であり、MMTP_A11のMPUシーケンス番号は「N」であり、MMTP_A12,13のMPUシーケンス番号は「N+1」である。
また、第2のパケットヘッダ解析部43は、MMTP_V21のヘッダ部を解析し、パケット情報を取得する。第2のペイロード解析部44は、MMTP_V21のペイロード部からペイロード長及びMPUシーケンス番号を取得する。図6によれば、MMTP_V21のMPUシーケンス番号は、「P」である。
MMTP_V21に続き、MMTP_V22、MMTP_A21、MMTP_V23、MMTP_A22、MMTP_V24、MMTP_V25、MMTP_A23、MMTP_V26、MMTP_A24及びMMTP_V27が順次入力される。第2のパケットヘッダ解析部43は、MMTPパケットが入力される毎にヘッダ部を解析し、パケット情報を取得する。第2のペイロード解析部44は、MMTPパケットが入力される度にペイロード部からペイロード長及びMPUシーケンス番号を取得する。図6によれば、MMTP_V22〜24のMPUシーケンス番号は「P」であり、MMTP_V25〜27のMPUシーケンス番号は「P+1」であり、MMTP_A21〜23のMPUシーケンス番号は「Q」であり、MMTP_A24のMPUシーケンス番号は「Q+1」である。
制御部46は、MMTP_V13まで「M」だったMPUシーケンス番号が、MMTP_V14で「M+1」に変わった場合、MMTP_V13とMMTP_V14との間にビデオMPUの境界があると判断する。
一方、制御部46は、MMTP_V24まで「P」だったMPUシーケンス番号が、MMTP_V25で「P+1」に変わった場合、MMTP_V24とMMTP_V25との間にビデオMPUの境界があると判断する。制御部46は、第1及び第2の多重化データにおいてビデオMPU境界を検知すると、MMTP_V13の次のMMTPパケットが、MMTP_V25となるように、切替部45を切り替える。制御部46は、MMTPパケットを切り替えると、MMTP_V25以降のMMTPパケットのヘッダに含まれるパケットシーケンス番号及びパケットカウンターを更新する。
また、制御部46は、MMTP_A11まで「N」だったMPUシーケンス番号が、MMTP_A12で「N+1」に変わった場合、MMTP_A11とMMTP_A12との間にオーディオMPUの境界があると判断する。
一方、制御部46は、MMTP_A23まで「Q」だったMPUシーケンス番号が、MMTP_A24で「Q+1」に変わった場合、MMTP_A23とMMTP_A24との間にオーディオMPUの境界があると判断する。制御部46は、第1及び第2の多重化データにおいてオーディオMPU境界を検知すると、MMTP_A11の次のMMTPパケットが、MMTP_A24となるように、切替部45を切り替える。制御部46は、MMTPパケットを切り替えると、MMTP_A24以降のMMTPパケットのヘッダに含まれるパケットシーケンス番号及びパケットカウンターを連続性が保たれるよう更新する。更に、MMTPパケットのペイロードに含まれるMPUシーケンス番号についても連続性が保たれるよう更新しても良い。
図7は、第1の実施形態に係る受信装置50の機能構成を示すブロック図である。図7に示す受信装置50は、受信処理部51、分離装置52、デスクランブラ53、ビデオデコーダ54、オーディオデコーダ55及び字幕デコーダ56を具備する。
受信処理部51は、MMT送信システムから送信される信号を受信する。受信処理部51は、受信した信号に対し、周波数変換処理及び増幅処理を施す。受信処理部51は、処理後の信号を分離装置52へ出力する。
分離装置52は、受信処理部51から出力される信号に多重されている映像、音声及び字幕についてのMMTPパケットを分離させる。分離装置52は、分離したMMTPパケットを、デスクランブラ53へ出力する。また、分離装置52は、スクランブルが解かれたMMTPパケットをデスクランブラ53から受信する。分離装置52は、デスクランブラ53から出力される映像についてのMMTPパケットを、ビデオデコーダ54へ出力する。分離装置52は、デスクランブラ53から出力される音声についてのMMTPパケットを、オーディオデコーダ55へ出力する。 分離装置52は、デスクランブラ53から出力される字幕についてのMMTPパケットを、字幕デコーダ56へ出力する。
図8は、図7に示すデスクランブラ53の機能構成の例を示すブロック図である。図8に示すデスクランブラ53は、パケットヘッダ解析部531、ペイロード解析部532、デスクランブル処理部533、切替部534及び制御部535を備える。
パケットヘッダ解析部531は、分離装置52から出力されるMMTPパケットを受信する。パケットヘッダ解析部531は、受信したMMTPパケットのヘッダ部を解析し、MMTPパケットについてのパケット情報を取得する。パケットヘッダ解析部531は、MMTPパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部535へ通知すると共に、取得したパケット情報を制御部535へ出力する。
ペイロード解析部532は、分離装置52から出力されるMMTPパケットを受信する。ペイロード解析部532は、制御部535からの制御に応じ、受信したMMTPパケットのペイロード部を解析する。ペイロード解析部532は、予め設定されるバイト数、例えば、8バイト分のデータを読み込むと、その旨を制御部535へ通知する。ペイロード解析部532は、8バイト分のペイロード部を読み込んだ旨を制御部535へ通知すると、デスクランブル処理部533に対し、8バイト以降のデータのスクランブルを解除するように指示を出す。ペイロード解析部532は、MMTPパケットのペイロード部についての解析が終了すると、解析終了を制御部535へ通知する。
デスクランブル処理部533は、部売り装置52から出力されるMMTPパケットを受信する。デスクランブル処理部533は、ペイロード解析部532からスクランブル解除の指示を受けると、受信したMMTPパケット内の該当データに適用されているスクランブルを解除する。デスクランブル処理部533は、スクランブルを解除したデータを切替部534へ出力する。なお、デスクランブル処理部533がスクランブル解除に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
切替部534は、分離装置52から出力されるデータ、及び、デスクランブル処理部533から出力されるデータを受信する。切替部534は、制御部535からの制御に応じ、受信するデータのいずれかを切り替えて分離装置52へ出力する。
具体的には、切替部534は、MMTPパケットにおける先頭の8バイトについては、分離装置52から出力されるデータを分離装置52へ出力する。一方、先頭の8バイト以降、すなわち、MPUシーケンス番号より後については、切替部534は、デスクランブル処理部533から出力されるデータを分離装置52へ出力する。
制御部535は、パケットヘッダ解析部531から解析終了の通知、及び、パケット情報を受信すると、ペイロード解析部532に対し、パケット情報に基づいてペイロード部の解析を開始するように制御する。
制御部535は、ペイロード解析部532からの通知に従い、切替部534を制御する。すなわち、制御部535は、ペイロード解析部532から8バイト分のデータを読み込んだ旨の通知を受ける前については、分離装置52から出力されるデータを切替部534に出力させる。8バイト分のデータを読み込んだ旨の通知を受けた場合、制御部535は、スクランブルを解除したデータを出力するように切替部534を切り替える。
制御部535は、ペイロード解析部532から解析終了の通知を受信した場合、次のMMTPパケットの入力を待つように、パケットヘッダ解析部531に指示を出す。
ビデオデコーダ54は、分離装置52から出力されるMMTPパケットをデコードし、表示部を含む後段の装置へ出力する。オーディオデコーダ55は、分離装置52から出力されるMMTPパケットをデコードし、表示部を含む後段の装置へ出力する。字幕デコーダ56は、分離装置52から出力されるMMTPパケットをデコードし、表示部を含む後段の装置へ出力する。
以上のように、第1の実施形態に係るMMT送信システムは、スクランブラ30−1,30−2により、MMTPパケットに対してスクランブルを適用させる。この際、スクランブラ30−1,30−2は、MMTPパケットのペイロード部において、8バイトよりも後、すなわち、MPUシーケンス番号よりも後のデータに対してスクランブルを適用させるようにしている。これにより、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、MPUシーケンス番号を読み込むことが可能となる。すなわち、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、MPU境界を識別することが可能となる。
したがって、第1の実施形態に係るMMT送信システムによれば、スクランブルを解除してMMTPパケットを解析しなくても、MMTPパケットをシームレスに切り替えることができる。また、第1の実施形態に係るスクランブラ30−1,30−2によれば、切替装置40は、スクランブルを解除してMMTPパケットを解析しなくても、MMTPパケットをシームレスに切り替えることができる。
また、MMTPパケットのペイロード部において、ペイロート長は、スクランブルを適用させない8バイト内に含まれる。これにより、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、パケット長を読み込むことが可能となる。
また、MMTPパケットのペイロード部において、ペイロード部の特徴を示す情報は、スクランブルを適用させない8バイト内に含まれる。これにより、MMTPパケットに異常が発生した場合、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、異常が発生したMMTPパケットを特定することが可能となり、結果として、異常の原因特定を容易にすることが可能となる。
また、第1の実施形態に係る受信装置50によれば、デスクランブラ53により、MMTPパケットに対してスクランブルを解除する。この際、デスクランブラ53は、MMTPパケットのペイロード部において、8バイトよりも後、すなわち、MPUシーケンス番号よりも後のデータに対してスクランブルを解除するようにしている。これにより、受信装置50は、MMT送信システムから送信されるデータを処理することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、MMT送信システムが図1に示す機能構成を有する場合を例に説明した。しかしながら、MMT送信システムの機能構成は、図1に限定される訳ではない。例えば、MMT送信システムは、図9に示す機能構成を有する場合であっても構わない。図9に示すMMT送信システムは、素材出力装置10−1,10−2、多重化装置60−1,60−2、スクランブラ70−1,70−2及び切替装置40を具備する。
多重化装置60−1は、素材出力装置10−1から出力されるMMTPパケットを多重化して、第1の多重化データとする。多重化装置60−1は、第1の多重化データをスクランブラ70−1へ出力する。
多重化装置60−2は、素材出力装置10−2から出力されるMMTPパケットを多重化して、第2の多重化データとする。多重化装置60−2は、第2の多重化データをスクランブラ70−2へ出力する。
スクランブラ70−1は、多重化装置60−1から出力される第1の多重化データに含まれるMMTPパケット内の該当データに対し、第1の実施形態に示すスクランブラ30−1と同様の処理を実施する。つまり、スクランブラ70−1は、MMTPパケットのペイロード部において、例えば、8バイトよりも後、すなわち、MPUシーケンス番号よりも後のデータに対してスクランブルを適用させる。スクランブラ70−1は、ペイロード部の一部にスクランブルを適用させたデータを切替装置40へ出力する。
スクランブラ70−2は、多重化装置60−2から出力される第2の多重化データに含まれるMMTPパケット内の該当データに対し、第1の実施形態に示すスクランブラ30−2と同様の処理を実施する。つまり、スクランブラ70−2は、MMTPパケットのペイロード部において、例えば、8バイトよりも後、すなわち、MPUシーケンス番号よりも後のデータに対してスクランブルを適用させる。スクランブラ70−2は、ペイロード部の一部にスクランブルを適用させたデータを切替装置40へ出力する。
なお、スクランブラ70−1及び70−2がスクランブル処理に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
以上の構成を取ることにより、第2の実施形態に係るMMT送信システムは、切替装置40において、MMTPパケットのスクランブルを解除しなくてもMPU境界を識別することが可能となる。
したがって、第2の実施形態に係るMMT送信システムによれば、スクランブルを解除してMMTPパケットを解析しなくても、MMTPパケットをシームレスに切り替えることができる。また、第2の実施形態に係るスクランブラ70−1,70−2によれば、切替装置40は、スクランブルを解除してMMTPパケットを解析しなくても、MMTPパケットをシームレスに切り替えることができる。
また、MMTPパケットのペイロード部において、ペイロート長は、スクランブルを適用させない8バイト内に含まれる。これにより、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、パケット長を読み込むことが可能となる。
また、MMTPパケットのペイロード部において、ペイロード部の特徴を示す情報は、スクランブルを適用させない8バイト内に含まれる。これにより、MMTPパケットに異常が発生した場合、切替装置40は、受信したMMTPパケットのスクランブルを解除しなくても、発生した異常の原因を特定することが可能となる。
図10は、第2の実施形態に係る受信装置80の機能構成の例を示すブロック図である。図10に示す受信装置80は、受信処理部51、デスクランブラ81、分離装置82、ビデオデコーダ54、オーディオデコーダ55及び字幕デコーダ56を具備する。
デスクランブラ81は、受信処理部51から出力される多重化データを受信する。デスクランブラ81は、第1の実施形態に示されるデスクランブラ53と同様の処理により、受信処理部51から出力される多重化データに含まれるMMTPパケット内の該当データに適用されているスクランブルを解除する。このとき、デスクランブラ81は、MMTPパケットのペイロード部において、例えば、8バイトよりも後、すなわち、MPUシーケンス番号よりも後のデータに適用されているスクランブルを解除する。デスクランブラ81は、スクランブルを解除したMMTPパケットを分離装置82へ出力する。なお、デスクランブラ81がスクランブル解除に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
分離装置82は、デスクランブラ81から出力される信号に多重されている映像、音声及び字幕についてのMMTPパケットを分離させる。分離装置82は、分離したMMTPパケットのうち、映像についてのMMTPパケットを、ビデオデコーダ54へ出力する。分離装置82は、分離したMMTPパケットのうち、音声についてのMMTPパケットを、オーディオデコーダ55へ出力する。分離装置82は、分離したMMTPパケットのうち、字幕についてのMMTPパケットを、字幕デコーダ56へ出力する。
以上の構成を取ることにより、第2の実施形態に係る受信装置50は、MMT送信システムから送信されるデータを処理することが可能となる。
(その他の実施形態)
なお、第1及び第2の実施形態では、スクランブラ30−1,30−2,70−1,70−2は、パケットヘッダ解析部31、ペイロード解析部32、スクランブル処理部33、切替部34及び制御部35を備える場合を例に説明したが、これに限定されない。スクランブラ30−1,30−2,70−1,70−2は、図11に示すように、TLV(Type Length Value)ヘッダ解析部36をさらに備えるようにしても構わない。なお、以下では、スクランブラ30−1を代表して説明する。
スクランブラ30−1がTLVヘッダ解析部36を備える場合、素材出力装置10−1は、映像についてのMMTPパケットを乗せたIPパケット、音声についてのMMTPパケットを乗せたIPパケット、及び、字幕についてのMMTPパケットを乗せたIPパケットを多重化装置20−1へ出力する。多重化装置20−1は、MMTPパケットを乗せたIPパケットを、IPパケットの多重化方式であるTLV多重化方式を用いて放送伝送路に多重する。多重化装置20−1は、多重化したデータを第1の多重化データとしてスクランブラ30−1へ出力する。
TLVヘッダ解析部36は、多重化装置20−1から出力される第1の多重化データを受信する。TLVヘッダ解析部36は、受信した第1の多重化データに含まれるTLVパケットのヘッダ部を解析し、TVLパケットについてのTLV情報を取得する。TLVヘッダ解析部36は、TLVパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部35へ通知すると共に、取得したTLV情報を制御部35へ出力する。
制御部35は、TLVヘッダ解析部36から解析終了の通知、及び、TLV情報を受信すると、パケットヘッダ解析部31に対し、TLV情報に基づいてMMTPパケットのヘッダ部の解析を開始するように制御する。
このように、スクランブラ30−1がTLVヘッダ解析部36を備える場合、スクランブラ30−1での処理手順は、まずTLVヘッダ解析部36によりTLVヘッダを解析し、次にパケットヘッダ解析部31によりMMTPパケットのヘッダを解析し、次にペイロード解析部32によりペイロード部を解析するようになる。
なお、多重化装置20−1により、MMTPパケットを乗せたIPパケットを、IPパケットの多重化方式であるTLV多重化方式を用いて放送伝送路に多重する場合、ペイロード長がペイロード部に必ずしも含まれる必要はない。TLV情報にペイロード長が含まれる場合、切替装置40の第1及び第2のペイロード解析部42,44は、TLV情報に含まれるペイロード長を用いてペイロード部の解析を実施するようにしても構わない。
なお、スクランブラ30−1がスクランブル処理に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
また、第1及び第2の実施形態では、デスクランブラ53,81は、パケットヘッダ解析部531、ペイロード解析部532、デスクランブル処理部533、切替部534及び制御部535を備える場合を例に説明したが、これに限定されない。デスクランブラ53,81は、図12に示すように、TLVヘッダ解析部536をさらに備えるようにしても構わない。なお、以下では、デスクランブラ53を代表して説明する。
デスクランブラ53がTLVヘッダ解析部536を備える場合、MMT送信システムは、MMTPパケットを乗せたIPパケットを、IPパケットの多重化方式であるTLV多重化方式を用いて放送伝送路に多重する。
TLVヘッダ解析部536は、MMT送信システムから送信される多重化データを受信する。TLVヘッダ解析部536は、受信した多重化データに含まれるTLVパケットのヘッダ部を解析し、TVLパケットについてのTLV情報を取得する。TLVヘッダ解析部536は、TLVパケットのヘッダ部についての解析が終了すると、解析終了を制御部535へ通知すると共に、取得したTLV情報を制御部535へ出力する。
制御部535は、TLVヘッダ解析部536から解析終了の通知、及び、TLV情報を受信すると、パケットヘッダ解析部531に対し、TLV情報に基づいてMMTPパケットのヘッダ部の解析を開始するように制御する。
このように、デスクランブラ53がTLVヘッダ解析部536を備える場合、デスクランブラ53での処理手順は、まずTLVヘッダ解析部536によりTLVヘッダを解析し、次にパケットヘッダ解析部531によりMMTPパケットのヘッダを解析し、次にペイロード解析部532によりペイロード部を解析するようになる。
なお、デスクランブラ53がスクランブル解除に用いる暗号化鍵は、予め設定されたもの、外部から設定されたもの、MMTPパケットヘッダ内に含まれる情報や、これらの組み合わせであっても良い。
なお、MMT送信システムにより、MMTPパケットを乗せたIPパケットを、IPパケットの多重化方式であるTLV多重化方式を用いて放送伝送路に多重する場合、ペイロード長がペイロード部に必ずしも含まれる必要はない。TLV情報にペイロード長が含まれる場合、デスクランブラ53のペイロード解析部532は、TLV情報に含まれるペイロード長を用いてペイロード部の解析を実施するようにしても構わない。
また、第1及び第2の実施形態では、ペイロード解析部32は、8バイト分のデータを読み込むとその旨を制御部35へ通知する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、ペイロード解析部32は、8バイトに加え、さらに14バイト分、すなわち22バイト分のデータを読み込むと、その旨を制御部35へ通知するようにしても良い。ここで、22バイト分のデータとは、図3に示すMFU依存数までである。なお、ここではペイロード解析部32について説明しているが、その他のペイロード解析部についても同様である。
また、制御部35への通知のトリガとなる動作は、予め設定されるバイト数の読み込みに限定される訳ではない。例えば、ペイロード解析部32は、図3に示すMFU(Media Fragment Unit)データを検索し、MFUデータを発見すると、その旨を制御部35へ通知するようにしても良い。これにより、ペイロード部におけるMFUデータのみをスクランブルの対象とすることが可能となる。なお、ここではペイロード解析部32について説明しているが、その他のペイロード解析部についても同様である。
また、第1及び第2の実施形態では、素材出力装置が2つの場合を例に説明したが、素材出力装置の数は2つに限定される訳ではない。また、素材の構成要素についてもビデオとオーディオ各1個だけに限定されるものではなく、更に、静止画、アプリケーションプログラム、字幕データ等を含んでも良いが、メッセージ情報は除く。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。