JP2015126196A - 波長可変レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ファインチューン範囲を拡大させることができる、波長可変レーザを提供する。
【解決手段】 波長可変レーザは、エタロンを有する波長検知部による波長検知結果と、目標波長に対応してメモリに格納された目標値との差に基づいたフィードバック動作によって、発振波長を制御する制御部を備え、前記メモリには、波長に対応して交互に配置される前記目標値の可変範囲の下端を含む第1範囲および前記目標値の可変範囲の上端を含む第2範囲によって生成された複数の前記目標波長に対応する前記目標値が格納されてなる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、波長可変レーザに関するものである。
出力波長を選択可能な波長可変レーザが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−026996号公報
波長可変レーザは、指定された波長で発振させるだけでなく、さらにその波長を微調整すること(ここではファインチューニングと称する)が要求される場合がある。エタロンを備える波長ロッカを用いてファインチューニングを行う場合、エタロンの周期的な光透過特性を利用する。しかしながら、この場合、十分なファインチューン範囲が得られない場合がある。
そこで、ファインチューン範囲を拡大させることができる、波長可変レーザを提供することを目的とする。
本願1の発明は、エタロンを有する波長検知部による波長検知結果と、目標波長に対応してメモリに格納された目標値との差に基づいたフィードバック動作によって、発振波長を制御する制御部を備え、前記メモリには、波長に対応して交互に配置される前記目標値の可変範囲の下端を含む第1範囲および前記目標値の可変範囲の上端を含む第2範囲によって生成された複数の前記目標波長に対応する前記目標値が格納されてなる波長可変レーザである。
上記発明によれば、ファインチューン範囲を拡大させることができる。
実施例1に係る波長可変レーザの全体構成を示すブロック図である。 半導体レーザの全体構成を示す模式的断面図である。 初期設定値およびフィードバック制御目標値を示す表である。 グリッドレス制御における要求波長と基本波長との関係を表す図である。 グリッドレス制御の原理を示す図である。 補正係数を示す図である。 ファインチューン範囲を表す図である。 (a)はファインチューニングを表す図であり、(b)はフィードバック制御目標値の比Im2/Im1の変化を表す図である。 (a)および(b)はターゲット変更方式だけを採用する場合のファインチューン範囲を示す図であり、(c)および(d)はターゲット変更方式とエタロン温度変更方式とを併用した場合のファインチューン範囲を示す図である。 ファインチューニングを行う際のフローチャートの一例である。 実施例2に係る波長可変レーザの全体構成を示すブロック図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明は、(1)エタロンを有する波長検知部による波長検知結果と、目標波長に対応してメモリに格納された目標値との差に基づいたフィードバック動作によって、発振波長を制御する制御部を備え、前記メモリには、波長に対応して交互に配置される前記目標値の可変範囲の下端を含む第1範囲および前記目標値の可変範囲の上端を含む第2範囲によって生成された複数の前記目標波長に対応する前記目標値が格納されてなる波長可変レーザである。
(2)前記制御部は、前記メモリに格納された目標波長とは異なる波長を出力する要求を受けた場合、前記目標波長を選択し、前記目標波長と要求された波長との差分に応じた前記目標値を変更する演算を行い、演算された更新目標値を用いて前記フィードバック動作をなしてもよい。
(3)前記制御部は、前記目標値を変更する演算とともに、前記エタロンの温度を変更する演算を実施し、これらの演算結果をもって、前記要求された波長に応じた前記フィードバック動作をなしてもよい。
(4)前記制御部は、前記メモリに格納された目標波長とは異なる波長を出力する要求を受けた場合、前記目標波長を選択し、前記目標波長と要求された波長との差分に応じた前記エタロンの温度を変更する演算を行い、演算されたエタロン温度において、前記フィードバック動作をなしてもよい。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る波長可変レーザの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、実施例1に係る波長可変レーザ100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、波長可変レーザ100は、レーザデバイスとして、波長を制御可能な半導体レーザ30(チューナブル半導体レーザ)を備えている。本実施例の半導体レーザ30は、レーザ領域に連結してSOA(Semiconductor Optical Amplifier)となる領域が設けられている。このSOAは、光出力制御部として機能する。SOAは光出力の強度を任意に増減させることができる。また光出力の強度を実質的にゼロに制御することもできる。さらに波長可変レーザ100は、検知部50、メモリ60、コントローラ70などを備える。検知部50は、出力検知部および波長ロッカ部として機能する。コントローラ70は、波長可変レーザ100の制御を行うものであり、その内部にはRAM(Random Access Memory)を備えている。
図2は、本実施例における半導体レーザ30の全体構成を示す模式的断面図である。図2に示すように、半導体レーザ30は、SG−DFB(Sampled Grating Distributed Feedback)領域Aと、CSG−DBR(Chirped Sampled Grating Distributed Bragg Reflector)領域Bと、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)領域Cとを備える。すなわち、半導体レーザ30は、半導体構造内に波長選択ミラーを有するレーザである。
一例として、半導体レーザ30において、フロント側からリア側にかけて、SOA領域C、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域Bがこの順に配置されている。SG−DFB領域Aは、利得を有しサンプルドグレーティングを備える。CSG−DBR領域Bは、利得を有さずにサンプルドグレーティングを備える。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bが図1のレーザ領域に相当し、SOA領域Cが図2のSOA領域に相当する。
SG−DFB領域Aは、基板1上に、下クラッド層2、活性層3、上クラッド層6、コンタクト層7、および電極8が積層された構造を有する。CSG−DBR領域Bは、基板1上に、下クラッド層2、光導波層4、上クラッド層6、絶縁膜9、および複数のヒータ10が積層された構造を有する。各ヒータ10には、電源電極11およびグランド電極12が設けられている。SOA領域Cは、基板1上に、下クラッド層2、光増幅層19、上クラッド層6、コンタクト層20、および電極21が積層された構造を有する。
SG−DFB領域A、CSG−DBR領域BおよびSOA領域Cにおいて、基板1、下クラッド層2、および上クラッド層6は、一体的に形成されている。活性層3、光導波層4、および光増幅層19は、同一面上に形成されている。SG−DFB領域AとCSG−DBR領域Bとの境界は、活性層3と光導波層4との境界と対応している。
SOA領域C側における基板1、下クラッド層2、光増幅層19および上クラッド層6の端面には、端面膜16が形成されている。本実施例では、端面膜16はAR(Anti Reflection)膜である。端面膜16は、半導体レーザ30のフロント側端面として機能する。CSG−DBR領域B側における基板1、下クラッド層2、光導波層4、および上クラッド層6の端面には、端面膜17が形成されている。本実施例では、端面膜17はAR膜である。端面膜17は、半導体レーザ30のリア側端面として機能する。
基板1は、例えば、n型InPからなる結晶基板である。下クラッド層2はn型、上クラッド層6はp型であり、それぞれ例えばInPによって構成される。下クラッド層2および上クラッド層6は、活性層3、光導波層4、および光増幅層19を上下で光閉込めしている。
活性層3は、利得を有する半導体により構成されている。活性層3は、例えば量子井戸構造を有しており、例えばGa0.32In0.68As0.920.08(厚さ5nm)からなる井戸層と、Ga0.22In0.78As0.470.53(厚さ10nm)からなる障壁層が交互に積層された構造を有する。光導波層4は、例えばバルク半導体層で構成することができ、例えばGa0.22In0.78As0.470.53によって構成することができる。本実施例においては、光導波層4は、活性層3よりも大きいエネルギギャップを有する。
光増幅層19は、電極21からの電流注入によって利得が与えられ、それによって光増幅をなす領域である。光増幅層19は、例えば量子井戸構造で構成することができ、例えばGa0.35In0.65As0.990.01(厚さ5nm)の井戸層とGa0.15In0.85As0.320.68(厚さ10nm)の障壁層が交互に積層された構造とすることができる。また、他の構造として、例えばGa0.44In0.56As0.950.05からなるバルク半導体を採用することもできる。なお、光増幅層19と活性層3とを同じ材料で構成することもできる。
コンタクト層7,20は、例えばp型Ga0.47In0.53As結晶によって構成することができる。絶縁膜9は、窒化シリコン膜(SiN)または酸化シリコン膜(SiO)からなる保護膜である。ヒータ10は、チタンタングステン(TiW)で構成された薄膜抵抗体である。ヒータ10のそれぞれは、CSG−DBR領域Bの複数のセグメントにまたがって形成されていてもよい。
電極8,21、電源電極11およびグランド電極12は、金(Au)等の導電性材料からなる。基板1の下部には、裏面電極15が形成されている。裏面電極15は、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域BおよびSOA領域Cにまたがって形成されている。
端面膜16および端面膜17は、1.0%以下の反射率を有するAR膜であり、実質的にその端面が無反射となる特性を有する。AR膜は、例えばMgFおよびTiONからなる誘電体膜で構成することができる。なお、本実施例ではレーザの両端がAR膜であったが、端面膜17を有意の反射率を持つ反射膜で構成する場合もある。図2における端面膜17に接する半導体に光吸収層を備えた構造を設けた場合、端面膜17に有意の反射率を持たせることで、端面膜17から外部に漏洩する光出力を抑制することができる。有意の反射率としては、たとえば10%以上の反射率である。なお、ここで反射率とは、半導体レーザ内部に対する反射率を指す。
回折格子(コルゲーション)18は、SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bの下クラッド層2に所定の間隔を空けて複数箇所に形成されている。それにより、SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにサンプルドグレーティングが形成される。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにおいて、下クラッド層2に複数のセグメントが設けられている。ここでセグメントとは、回折格子18が設けられている回折格子部と回折格子18が設けられていないスペース部とが1つずつ連続する領域のことをいう。すなわち、セグメントとは、両端が回折格子部によって挟まれたスペース部と回折格子部とが連結された領域のことをいう。回折格子18は、下クラッド層2とは異なる屈折率の材料で構成されている。下クラッド層2がInPの場合、回折格子を構成する材料として、例えばGa0.22In0.78As0.470.53を用いることができる。
回折格子18は、2光束干渉露光法を使用したパターニングにより形成することができる。回折格子18の間に位置するスペース部は、回折格子18のパターンをレジストに露光した後、スペース部に相当する位置に再度露光を施すことで実現できる。SG−DFB領域Aにおける回折格子18のピッチと、CSG−DBR領域Bにおける回折格子18のピッチとは、同一でもよく、異なっていてもよい。本実施例においては、一例として、両ピッチは同一に設定してある。また、各セグメントにおいて、回折格子18は同じ長さを有していてもよく、異なる長さを有していてもよい。また、SG−DFB領域Aの各回折格子18が同じ長さを有し、CSG−DBR領域Bの各回折格子18が同じ長さを有し、SG−DFB領域AとCSG−DBR領域Bとで回折格子18の長さが異なっていてもよい。
SG−DFB領域Aにおいては、各セグメントの光学長が実質的に同一となっている。CSG−DBR領域Bにおいては、少なくとも2つのセグメントの光学長が、互いに異なって形成されている。それにより、CSG−DBR領域Bの波長特性のピーク同士の強度は、波長依存性を有するようになる。SG−DFB領域Aのセグメントの平均光学長とCSG−DBR領域Bのセグメントの平均光学長は異なっている。このように、SG−DFB領域A内のセグメントおよびCSG−DBR領域Bのセグメントが半導体レーザ30内において共振器を構成する。
SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bそれぞれの内部においては、反射した光が互いに干渉する。SG−DFB領域Aには活性層3が設けられており、キャリア注入されると、ピーク強度がほぼ揃った、所定の波長間隔を有する離散的な利得スペクトルが生成される。また、CSG−DBR領域Bにおいては、ピーク強度が異なる、所定の波長間隔を有する離散的な反射スペクトルが生成される。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにおける波長特性のピーク波長の間隔は異なっている。これら波長特性の組み合わせによって生じるバーニア効果を利用して、発振条件を満たす波長を選択することができる。
図1に示すように、半導体レーザ30は、第1温度制御装置31上に配置されている。第1温度制御装置31は、ペルチェ素子を含み、TEC(Thermoelectric cooler)として機能する。第1サーミスタ32は、第1温度制御装置31上に配置されている。第1サーミスタ32は、第1温度制御装置31の温度を検出する。第1サーミスタ32の検出温度に基づいて、半導体レーザ30の温度を特定することができる。
波長可変レーザ100においては、検知部50が半導体レーザ30のフロント側に配置されている。検知部50が波長ロッカ部として機能することから、波長可変レーザ100は、フロントロッカタイプと呼ぶことができる。検知部50は、第1受光素子42、ビームスプリッタ51、エタロン52、第2温度制御装置53、第2受光素子54、および第2サーミスタ55を備える。
ビームスプリッタ41は、半導体レーザ30のフロント側からの出力光を分岐する位置に配置されている。ビームスプリッタ51は、ビームスプリッタ41からの光を分岐する位置に配置されている。第1受光素子42は、ビームスプリッタ51によって分岐された2つの光の一方を受光する位置に配置されている。エタロン52は、ビームスプリッタ51によって分岐された2つの光の他一方を透過する位置に配置されている。第2受光素子54は、エタロン52を透過した透過光を受光する位置に配置されている。
エタロン52は、入射光の波長に応じて透過率が周期的に変化する特性を有する。本実施例においては、エタロン52としてソリッドエタロンを用いる。なお、ソリッドエタロンの当該周期的な波長特性は、温度が変化することによって変化する。エタロン52は、ビームスプリッタ51によって分岐された2つの光の他方を透過する位置に配置されている。また、エタロン52は、第2温度制御装置53上に配置されている。第2温度制御装置53は、ペルチェ素子を含み、TEC(Thermoelectric cooler)として機能する。
第2受光素子54は、エタロン52を透過した透過光を受光する位置に配置されている。第2サーミスタ55は、エタロン52の温度を特定するために設けられている。第2サーミスタ55は、例えば第2温度制御装置53上に配置されている。本実施例では、第2温度制御装置53の温度を第2サーミスタ55で検出することで、エタロン52の温度を特定している。
メモリ60は、書換え可能な記憶装置である。書き換え可能な記憶装置としては、典型的にはフラッシュメモリが挙げられる。コントローラ70は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、電源などを備える。RAMは、中央演算処理装置が実行するプログラム、中央演算処理装置が処理するデータなどを一時的に記憶するメモリである。
メモリ60は、波長可変レーザ100の各部の初期設定値およびフィードバック制御目標値をチャネルに対応させて記憶している。チャネルとは、半導体レーザ30の発振波長に対応する番号である。各チャネルの波長は、波長可変レーザ100の波長可変帯域内において、離散的に定められている。例えば、各チャネルは、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)のグリッド波長(50GHz間隔)に対応している。または、ITU−Tグリッドの間隔よりも狭めた間隔で、初期設定値を用意してもよい。本実施例においては、各チャネルの波長が基本波長と定義される。
図3は、上記初期設定値およびフィードバック制御目標値を示す表である。図3に示すように、上記初期設定値は、SG−DFB領域Aの電極8に供給される初期電流値ILD、SOA領域Cの電極21に供給される初期電流値ISOA、半導体レーザ30の初期温度値TLD、エタロン52の初期温度値TEtalon、および各ヒータ10に供給される初期電力値PHeater1〜PHeater3を含む。これら初期設定値は、チャネルごとに定められている。上記フィードバック制御目標値は、コントローラ70のフィードバック制御を行う際の目標値である。フィードバック制御目標値は、第1受光素子42が出力する光電流の目標値Im1、および第1受光素子42が出力する光電流Im1に対する第2受光素子54が出力する光電流Im2の比の目標値Im2/Im1を含む。制御目標値も、チャネルごとに定められている。なお、これらの各値は、波長可変レーザ100の出荷前に、波長計を使ったチューニングによって個体ごとに取得される。
本実施例に係る波長可変レーザ100は、要求波長が基本波長と一致しなくても、当該要求波長を出力することができる。基本波長と異なる波長での出力を可能とする制御のことを、以下、グリッドレス制御と称する。図4は、グリッドレス制御における要求波長と基本波長との関係を表す図である。図4に示すように、グリッドレス制御においては、要求波長は、基本波長と隣接する他の基本波長との間の波長である。なお、要求波長は、基本波長と一致していてもよい。
図5は、グリッドレス制御の原理を示す図である。図5において、横軸は波長を示し、縦軸は比Im2/Im1(エタロン52の透過率)の正規化値を示す。図5において、実線は、エタロン52の初期温度値TEtalonに対応する波長特性である。また、点線は、エタロン52の温度を第2温度制御装置53によって上昇させた場合の波長特性である。ここで、実線上の黒丸における比Im2/Im1がフィードバック目標値として採用されている場合、エタロン52が初期温度値TEtalonであると、基本波長で発振することになる。一方、エタロン52が点線で示される波長特性に対応した温度であると、比Im2/Im1が基本波長を得るための値(点線上の黒丸)であっても、実際の発振波長はエタロン特性の変更分だけ、その基本波長からシフトする。つまり、要求波長と基本波長との波長差だけエタロン特性をシフトすることで、フィードバック目標値である比Im2/Im1はそのままで、要求波長を実現することができる。すなわち、要求波長と基本波長との波長差分ΔFに基づき、エタロン温度を変更するための演算をし、これをエタロン温度として適用することで、要求波長を実現することができる。
上記したように、エタロン52の波長特性は、その温度にしたがってシフトする。エタロン52における周波数変動量/温度変化量[GHz/℃]を、エタロン52の温度補正係数C1と称する。なお、ここでは波長を周波数で表現している。温度補正係数C1は、波長可変レーザの駆動条件の波長変化に対する変化率に相当する。温度補正係数C1は、メモリ60に格納されている。図6は、メモリ60に格納されている温度補正係数C1の例である。本実施例においては、温度補正係数C1は、図3の各チャネルに共通の値である。
グリッドレス制御の要求波長を実現するためのエタロン52の設定温度をTetln_A[℃]とする。また、エタロン52の初期温度、すなわち選択された基本波長に対応したエタロン52の温度をTetln_B[℃]とする。Tetln_BはTEtalonに相当し、メモリ60から取得される。さらに、基本波長とグリッドレス制御の要求波長との波長差分(絶対値)をΔF1[GHz]とする。この場合、各パラメータの関係は、下記式(1)のように表すことができる。式(1)に基づいてグリッドレス制御の要求波長を得るために必要な設定温度Tetln_Aを求めることができる。
Tetln_A=Tetln_B+ΔF1/C1 (1)
第2温度制御装置53の温度を設定温度Tetln_Aに制御することによって、比Im2/Im1をそのまま利用して、グリッドレス制御の要求波長を得ることが可能となる。
以上の動作を実行することにより、図5に示すように、エタロン52の特性がシフトした分だけ、基本波長からシフトした波長(要求波長)によって半導体レーザ30をレーザ発振させることができる。前述したグリッドレス制御の要求波長は、メモリ60に記録された条件での発振によって得られる波長(基本波長)以外の波長である。しかしながら、グリッドレス制御の要求波長での発振を得るためには、基本波長を出力する場合と同様、レーザ発振を停止させた状態から実行する必要がある。
一方、波長可変レーザの性能として、基本波長あるいは要求波長を問わず、一旦発振した出力波長を微調整(ファインチューニング)する機能を搭要した。たとえば、このファインチューニングを採用すれば、ユーザがそれぞれの通信回線で波長を最適化することができる。したがって、このファインチューニングには、波長可変レーザ100が発振状態を維持したままで、その発振波長を変更する動作が必要となる。
ここで、ファインチューン範囲について整理する。図7は、ファインチューン範囲を表す図である。図7に示すように、例えば基本波長Ch1におけるグリッドレス範囲をCh1グリッドレス範囲とし、Ch2におけるグリッドレス範囲をCh2グリッドレス範囲とする。Ch1グリッドレス範囲とCh2グリッドレス範囲との境界は、基本波長Ch1と基本波長Ch2との中間の波長である。要求波長を実現するためのファインチューニングを行う際には、Ch1グリッドレス範囲ではCh1の近似式を用い、Ch2グリッドレス範囲ではCh2の近似式を用いる。
ファインチューニングを実現するためには、発振波長を示すパラメータの他に、ファインチューニングのためのパラメータが波長可変レーザに入力される必要がある。典型的な波長可変レーザの入力パラメータは、例えば、表1のように、指定された発振波長(基本波長あるいは要求波長)と、ファインチューニング値によって示される。ファインチューニング値は、指定された発振波長からの差分波長(ΔF2[GHz])によって示される。
Figure 2015126196
そして、このファインチューニング値は、波長可変レーザ100が発振している間も変更可能であり、それに応じて、波長可変レーザ100はその発振波長を変更できる必要がある。
ファインチューニングで波長を微調整する場合においても、エタロン52の温度を変化させることによって波長を変更することが考えられる。図8(a)は、この場合のファインチューニングを表す図である。ファインチューニングの要求波長を実現するためのエタロン52の設定温度をTetln_C[℃]とする。また、グリッドレス制御の要求波長を実現するためのエタロン52の設定温度は、上述したように、Tetln_A[℃]である。グリッドレス制御の要求波長とファインチューニングの要求波長との波長差分(絶対値)をΔF2[GHz]とする。この場合、各パラメータの関係は、下記式(2)のように表すことができる。式(2)に基づいてファインチューニングの要求波長を得るために必要な設定温度Tetln_Cを求めることができる。
Tetln_C=Tetln_A+ΔF2/C2 (2)
第2温度制御装置53の温度を設定温度Tetln_Cに制御することによって、比Im2/Im1をそのまま利用して、ファインチューニングの要求波長を得ることが可能となる。なお、温度補正係数C2は、図6に示すように、メモリ60に格納されている。温度補正係数C2は、温度補正係数C1と同じ値であってもよいが、ファインチューニング用に温度補正係数C1と異なる値に設定されていてもよい。
あるいは、ファインチューニングの際にエタロン52の温度を変化させず(一定値に保持し)、AFC制御の光透過率ターゲットを変化させることが考えられる。すなわち、フィードバック制御目標値の比Im2/Im1を変化させる。図8(b)は、フィードバック制御目標値の比Im2/Im1の変化を表す図である。
エタロン52の波長と透過率との関係を取得することによって、ファインチューニングにおける波長変化量に対する比Im2/Im1の変化量を求めることができる。例えば、エタロン52の波長と透過率との関係を下記式(3)で近似することができる。下記式(3)において、Target_A[A.U.]は、ファインチューニングの要求波長における比Im2/Im1であり、Target_B[A.U.]は、グリッドレス制御の要求波長における比Im2/Im1である。なお、ターゲット補正係数B1は、図6に示すように、メモリ60に格納されている。下記式(3)は1次式で近似されているが、高次式で近似してもよい。
Target_A=Target_B+ΔF2/B1 (3)
このように、ファインチューニングを行う場合、エタロン52の温度を変更する方式(以下、エタロン温度変更方式とも称する)と、フィードバック制御目標値の比Im2/Im1を変化させる方式(ターゲット変更方式)とを用いることができる。
図8(b)で説明したターゲット変更方式を採用すれば、エタロン52の温度は変わらないため、第2温度制御装置53の温度値の制御が不要となる。しかしながら、ターゲット変更方式では、光透過特性の山と谷の間の限られた可変範囲でしか連続的に周波数を変更することができない。すなわち、ターゲット変更方式だけを用いると、十分なファインチューン範囲が得られないおそれがある。そこで、本実施例においては、エタロン温度変更方式とターゲット変更方式とを併用することによって、ファインチューン範囲を拡大させる。
具体的には、ファインチューン開始時の波長からの波長シフト量の符号が一方を示す場合にはエタロン温度変更方式を採用し、他方を示す場合にはターゲット変更方式を採用する。それにより、ファインチューン範囲を拡大させることができる。
ターゲット変更方式におけるファインチューン範囲を拡大させるために、ファインチューニング開始時の波長の位置をターゲット可変範囲の中央からどちらか一方側にシフトさせ、片側のターゲット可変範囲を広くすることが好ましい。反対側のターゲット可変範囲は狭くなるため、この方向にはエタロン温度変更方式を用いる。例えば、各チャネルの基本波長の位置をターゲット可変範囲の中央からどちらか一方側に設定し、グリッドレス制御の際にはエタロン温度変更方式を採用してもよい。または、グリッドレス制御の際に、要求波長の位置がターゲット可変範囲の中央からどちらか一方側となるように、エタロン52の温度およびフィードバック制御目標値の比Im2/Im1の更新設定値を算出してもよい。なお、ファインチューニング開始時の波長をターゲット可変範囲の端にシフトさせることによって、上記片側のファインチューン範囲を2倍に拡大することができる。
図9(a)は、ターゲット変更方式だけを採用する場合のファインチューン範囲を示す図である。この例は、AFC制御においてターゲットに引き込める範囲(キャプチャーレンジ)をエタロン52の透過特性のFSR(自由スペクトル領域)の16%(±8%)程度に設定し、そのうちの±6%よりも外側にターゲット可変範囲の端を設定した例である。白丸がグリッドレス制御の要求波長を示し、黒丸がターゲット可変範囲の端の波長を示す。なお、グリッドレス制御の要求波長は、ターゲット可変範囲の中央に設定してある。図9(b)に示すように、基本波長=191.3000THzにおけるターゲット値が0.547である場合において、ターゲット値が0.468〜0.657のターゲット可変範囲を設定した場合、ファインチューン範囲は、191.2970THz〜191.3030THzの6GHzのみとなる。
図9(c)は、ターゲット変更方式とエタロン温度変更方式とを併用した場合のファインチューン範囲を示す図である。この場合、まず、グリッドレス制御の要求波長の位置をターゲット可変範囲の端にシフトさせてある。したがって、図9(d)の例では、グリッドレス制御の要求波長=191.3000THzにおけるターゲット値が上限の0.657にシフトさせてある。まず、ターゲット値が0.468〜0.657のターゲット可変範囲を設定した場合、191.3000THz〜191.3060THzの周波数範囲を利用することができる。さらに、エタロン52の温度を変更することによって、191.3000THzよりも低い周波数までファインチューン範囲を広げることができる。このように、波長に対応して交互に配置されるターゲット値の可変範囲の下端および上端によって生成される範囲をターゲット値の制御範囲とすることによって、ファインチューン範囲を拡大させることができる。なお、上端には所定の範囲があり、この範囲を第1範囲と称することもできる。また、下端にも所定の範囲があり、この範囲を第2範囲と称することもできる。
なお、ターゲット変更方式とエタロン温度変更方式とを併用する際に、第2温度制御装置53の消費電力を考慮してもよい。第2温度制御装置53の温度を周囲温度と離れる方向に制御する場合、第2温度制御装置53の消費電力が増大する。本実施例においては、第2温度制御装置53の周囲温度として、半導体レーザ30の温度(第1温度制御装置31の温度)を用いることができる。
本実施例においては、フィードバック制御目標値の比Im2/Im1を一定に維持した状態でエタロン52の温度を下げると、AFC制御において半導体レーザ30の発振周波数は大きくなる。また、半導体レーザ30は、高温(例えば80℃)で動作しており、その高温の影響を回避するためにエタロン52の温度は第2温度制御装置53により冷却される。したがって、半導体レーザ30の発振周波数を大きくするためにエタロン52の温度を下げようとすると(例えば40℃→30℃)、第2温度制御装置53の温度は、周囲温度から離れる方向に制御される。その結果、第2温度制御装置53の消費電力が増加することになる。
そこで、本実施例においては、発振周波数を増加させるファインチューニングを行う場合にはターゲット変更方式を用い、発振周波数を減少させるファインチューニングを行う場合にはエタロン温度変更方式を用いる。具体的には、図9(c)に示すように、ファインチューニング開始時の周波数の位置をターゲット可変範囲の中央から低周波数側にシフトさせ、当該波長よりも高周波数側ではターゲット変更方式を用い、当該要求波長よりも低周波数側においてはエタロン温度変更方式を用いる。
図10は、ファインチューニングを行う際のフローチャートの一例である。図10に示すように、コントローラ70は、波長要求を受ける(ステップS1)。この要求波長は、グリッドレス制御の要求波長であり、図示しない外部入出力装置からの入力によるものである。一例として、196.1070[THz]が要求波長として指示されたとする。典型的にはRS232C規格に対応した入出力装置が採用される。また、外部入出力装置からの入力情報にファインチューニングの要求波長情報があってもよい。
グリッドレス制御の要求波長は、メモリ60に格納されている基本波長同士の間の波長帯域の全域にわたって受容される。つまり、入力された要求波長が基本波長に該当しなくても、その入力は拒否されない。また、波長可変レーザ100は、入力された要求波長が基本波長から最大で隣接する基本波長に一致するための間の波長全域にわたって、波長制御可能に構成される。このためには、エタロン52の波長特性のシフト幅が、隣接する基本波長の差の範囲にわたって可変であればよい。また、メモリ60には、図3の基本波長のうち、最大値または最小値となる波長(スタートグリッド)および基本波長間の波長差(グリッド波長間隔)が記録されている。
次に、コントローラ70は、要求波長に応じて、基本波長を選択し、当該基本波長の初期設定値およびフィードバック制御目標値をメモリ60から読み込む(ステップS2)。例えば、コントローラ70は、要求波長とスタートグリッド波長との差を求め、これをグリッド波長間隔で除した整数部を、チャネル番号Chとして採用する。コントローラ70は、得られたチャネル番号Chに対応する基本波長を選択する。例えば、チャネル番号Chとして得られた値にグリッド波長間隔を乗じた値をスタートグリッド波長に加算することによって得られる。一例として、選択された基本波長が196.1000[Thz]であったとする。また、基本波長は、ターゲット可変領域の中央から低周波側にシフトして設定してある。
次に、コントローラ70は、基本波長とグリッドレス制御の要求波長との波長差分ΔF1を算出する(ステップS3)。上記例では、ΔF1=+7.0[GHz]である。次に、コントローラ70は、波長差分ΔF1に基づいて、更新設定値を算出する(ステップS4)。初期設定値として格納されているエタロン温度Tetln_Bが36.000[℃]であり、温度補正係数C1が−1.800[GHz/℃]だとすると、Tetln_Aは32.111[℃]となる。また、コントローラ70は、グリッドレス制御の要求波長での半導体レーザ30の駆動条件を演算する。例えば、コントローラ70は、メモリ60から図示しない補正係数を参照し、初期電流値ILD、初期温度値TLD、および初期電力値PHeater1〜PHeater3と、波長差分ΔF1とから更新設定値を演算する。
次に、コントローラ70は、更新設定値を自身のRAMに書き込む(ステップS5)。次に、コントローラ70は、RAMに書き込まれた更新設定値を用いて半導体レーザ30を駆動させる(ステップS6)。なお、SOA領域Cについては、この時点では半導体レーザ30から光が出力されないように制御する。次に、コントローラ70は、第1サーミスタ32の検出温度TH1がTLDの範囲内にあるか否かを判定する(ステップS7)。ここでTLDの範囲とは、更新設定値の温度値TLDを中心とする所定範囲である。ステップS7において「No」と判定された場合、コントローラ70は、第1サーミスタ32の検出温度TH1が温度値TLD近づくように第1温度制御装置31に供給される電流値を変更する。
コントローラ70は、ステップS7と並行して、第2サーミスタ55の検出温度TH2が設定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS8)。この場合の設定範囲は、更新設定値に含まれる設定温度Tetln_Aに基づいて決定される。例えば、上記設定範囲は、設定温度Tetln_Aを中心とする所定範囲とすることができる。ステップS8において「No」と判定された場合、コントローラ70は、第2サーミスタ55の検出温度TH2が設定温度Tetln_Aに近づくように第2温度制御装置53に供給される電流値を変更する。
コントローラ70は、ステップS7およびステップS8の両方で「Yes」と判定されるまで待機する。ステップS7およびステップS8の両方で「Yes」と判定された場合、コントローラ70は、シャッタオープンの動作を行う(ステップS9)。具体的には、SOA領域Cの電極21に供給される電流を初期電流値ISOAに制御する。それにより、半導体レーザ30から更新設定値に基づく更新波長のレーザ光が出力される。
次に、コントローラ70は、第1温度制御装置31による温度値TLDを制御目標とした温度制御を終了する(ステップS10)。次に、コントローラ70は、第1温度制御装置31によるAFC制御を開始する(ステップS11)。つまり、第1温度制御装置31の温度が、フィードバック制御目標値の比Im2/Im1を満たすようにフィードバック制御される。エタロン52の入力光と出力光の比(前後比)は、半導体レーザ30の発振波長を示している。また、第1温度制御装置31は半導体レーザ30の波長を制御するパラメータである。すなわちステップS11では、前後比がIm2/Im1になるように第1温度制御装置31の温度をフィードバック制御することで、半導体レーザ30の波長を制御する。それにより、要求波長が実現される。
コントローラ70は、比Im2/Im1がステップS2で選択された基本波長における目標値Im2/Im1を中心とする所定範囲内にあることを確認すると、AFCロックフラグを出力する(ステップS12)。その後、ファインチューニングの要求波長を受けた場合、コントローラ70は、ファインチューニングの要求波長に応じてファインチューニングの方式を選択する(ステップS13)。
第2温度制御装置53の温度が周囲温度よりも低く制御されるため、第2温度制御装置53の電力消費量は、第2温度制御装置53の温度を上げる側に制御する場合に少なくすむ。そこで、発振周波数を減少させるファインチューニングを行う場合には、エタロン温度変更方式を用いる。エタロン52の温度にファインチューニングによる変化分である例えば−1GHz分の補正をしたエタロン52の温度が更新設定値として格納される。具体的には、コントローラ70は、ファインチューニングの要求波長が実現されるように、上記式(2)に従ってエタロン52の温度を変更する(ステップS14)。例えば、ΔF2=−1GHzであり、温度補正係数C2が−1.800[GHz/℃]であり、設定温度Tetln_Aが50.000[℃]であったとすると、設定温度Tetln_Cは、50.556[℃]となる。
ステップS13において、発振周波数を増加させるファインチューニングを行う場合には、ターゲット変更方式を用いる。具体的には、コントローラ70は、ファインチューニングの要求波長が実現されるように、上記式(3)に従ってフィードバック制御目標値を変更する(ステップS15)。例えば、ΔF2=+1GHzであり、補正係数B1=−31.8[GHz]であり、Target_B=0.657であるとすると、Target_Aは、0.626となる。
ステップS14またはステップS15の実行により半導体レーザ30の発振波長が変化し、これがファインチューニングの要求波長あるいはその値に対する所定の幅を持った範囲に入ることが確認されれば、コントローラ70は、AFCロックフラグを再度出力する(ステップS16)。その後、フローチャートの実行が終了する。
本実施例においては、ファインチューニング開始時の周波数から周波数を増減させる場合の一方ではエタロン温度変更方式が採用され、他方ではターゲット変更方式が採用される。それにより、ファインチューン範囲を拡大させることができる。ターゲット変更方式におけるファインチューン範囲を拡大させるために、ファインチューニング開始時の波長の位置をターゲット可変範囲の中央からどちらか一方側にシフトさせ、片側のターゲット可変範囲を広くすることが好ましい。また、ターゲット変更方式とエタロン温度変更方式とを併用する際に、第2温度制御装置53の消費電力を考慮することが好ましい。具体的には、発振周波数を増加させるファインチューニングを行う場合にはターゲット変更方式を用い、発振周波数を減少させるファインチューニングを行う場合にはエタロン温度変更方式を用いることが好ましい。
エタロン52の周囲温度が必ずしも半導体レーザ30の温度と一致しない場合もある。そこで、波長可変レーザ100の各部が配置される筐体の温度をエタロン52の周囲温度としてもよい。図11は、実施例2に係る波長可変レーザ100aの全体構成を示すブロック図である。波長可変レーザ100aが図1の波長可変レーザ100と異なる点は、波長可変レーザ100aの各部が筐体80内に配置され、筐体80に温度検知部81が配置されている点である。温度検知部81は、筐体80の温度を検出し、コントローラ70に伝える。温度検知部81はコントローラ70に内蔵されていてもよい。エタロン52は、筐体80の温度の影響を受ける。そのため、筐体80の温度は、エタロン52の周囲温度とみなすこともできる。
温度検知部81が検出する温度がエタロン52の温度よりも高い場合、第2温度制御装置53の温度を低下させようとすると第2温度制御装置53の消費電力が増大する。そこで、この場合においては、実施例1と同様に、発振周波数を増加させるファインチューニングを行う場合にはターゲット変更方式を用い、発振周波数を減少させるファインチューニングを行う場合にはエタロン温度変更方式を用いる。また、好ましくは、ファインチューニング開始時の周波数の位置をターゲット可変範囲の中央から低周波数側にシフトさせ、当該波長よりも高周波数側ではターゲット変更方式を用い、当該要求波長よりも低周波数側においてはエタロン温度変更方式を用いる。
一方、温度検知部81の検知温度がエタロン52の温度よりも低い場合、第2温度制御装置53の温度を上昇させようとすると第2温度制御装置53の消費電力が増大する。そこで、この場合においては、発振周波数を低下させるファインチューニングを行う場合にはターゲット変更方式を用い、発振周波数を増加させるファインチューニングを行う場合にはエタロン温度変更方式を用いる。また、好ましくは、ファインチューニング開始時の周波数の位置をターゲット可変範囲の中央から高周波数側にシフトさせ、当該波長よりも低周波数側ではターゲット変更方式を用い、当該要求波長よりも高周波数側においてはエタロン温度変更方式を用いる。
なお、グリッドレス制御の際に、要求波長の位置がターゲット可変範囲の中央からどちらか一方側となるように、エタロン52の温度およびフィードバック制御目標値の比Im2/Im1の更新設定値を算出してもよい。また、メモリ60に、各チャネルに対応して各チャネルの基本波長の位置をターゲット可変範囲の中央から両側にシフトさせた値を設定し、温度検知部81の検知温度に応じて、いずれかを選択してもよい。
実施例1,2では、グリッドレス制御の後にファインチューニングを行う場合について説明したが、グリッドレス制御を行わずにファインチューニングを行ってもよい。この場合、実施例1,2と同様の手法により、基本波長から周波数を増減させる場合の一方ではエタロン温度変更方式を採用し、他方ではターゲット変更方式を採用する。それにより、ファインチューン範囲を拡大させることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 基板
2 下クラッド層
3 活性層
4 光導波層
6 上クラッド層
7 コンタクト層
8 電極
9 絶縁膜
10 ヒータ
11 電源電極
12 グランド電極
15 裏面電極
16,17 端面膜
18 回折格子
19 光増幅層
20 コンタクト層
21 電極
30 半導体レーザ
31 第1温度制御装置
32 第1サーミスタ
41 ビームスプリッタ
42 第1受光素子
50 検知部
51 ビームスプリッタ
52 エタロン
53 第2温度制御装置
55 第2サーミスタ
60 メモリ
70 コントローラ
80 筐体
81 温度検知部
100 波長可変レーザ

Claims (4)

  1. エタロンを有する波長検知部による波長検知結果と、目標波長に対応してメモリに格納された目標値との差に基づいたフィードバック動作によって、発振波長を制御する制御部を備え、
    前記メモリには、波長に対応して交互に配置される前記目標値の可変範囲の下端を含む第1範囲および前記目標値の可変範囲の上端を含む第2範囲によって生成された複数の前記目標波長に対応する前記目標値が格納されてなる波長可変レーザ。
  2. 前記制御部は、前記メモリに格納された目標波長とは異なる波長を出力する要求を受けた場合、前記目標波長を選択し、前記目標波長と要求された波長との差分に応じた前記目標値を変更する演算を行い、演算された更新目標値を用いて前記フィードバック動作をなす請求項1記載の波長可変レーザ。
  3. 前記制御部は、前記目標値を変更する演算とともに、前記エタロンの温度を変更する演算を実施し、これらの演算結果をもって、前記要求された波長に応じた前記フィードバック動作をなす請求項2記載の波長可変レーザ。
  4. 前記制御部は、前記メモリに格納された目標波長とは異なる波長を出力する要求を受けた場合、前記目標波長を選択し、前記目標波長と要求された波長との差分に応じた前記エタロンの温度を変更する演算を行い、演算されたエタロン温度において、前記フィードバック動作をなす請求項1記載の波長可変レーザ。
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