JP2015098405A - ガラス板の曲げ成形方法及び曲げ成形装置並びに合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】成形カーブをデザインカーブに近づけると同時に、板厚が異なっても外板と内板との面精度の差があまり無い高精度な合わせガラスを成形する方法を提供する
。
【解決手段】2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板を曲げ成形するうえで、まず、合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ第1上方成形型40と第1下方成形型24とを用いて予備成形する。次に、その予備成形工程にて各ガラス板がそれぞれ予備成形された後、該複数のガラス板を一つに重ね合わせて重畳ガラス板を形成し、その重畳ガラス板を第2上方成形型42と第2下方成形型26とを用いて本成形する。
【選択図】図1
。
【解決手段】2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板を曲げ成形するうえで、まず、合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ第1上方成形型40と第1下方成形型24とを用いて予備成形する。次に、その予備成形工程にて各ガラス板がそれぞれ予備成形された後、該複数のガラス板を一つに重ね合わせて重畳ガラス板を形成し、その重畳ガラス板を第2上方成形型42と第2下方成形型26とを用いて本成形する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス板の曲げ成形方法及び曲げ成形装置並びに合わせガラスに係り、特に、2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板を曲げ成形するうえで好適な曲げ成形方法及び曲げ成形装置、並びにそれを用いた合わせガラスに関する。
自動車用フロントガラスに用いられる合わせガラスを構成するガラス板は、車内側に配置されるガラス板(内板ガラス)と車外側に配置されるガラス板(外板ガラス)との2枚のガラス板が重なり合った状態でリング上に載置され、高温下の加熱炉内で積層された状態で軟化されて重力により曲げ成形される。近年、自動車用フロントガラスなどにおいて、高い面精度(成形後の表面形状と設計形状との差に関する精度)を有する合わせガラスの要求が高まってきている。要求される面精度の高いガラスを製造する手法としては、重力による曲げ成形よりも、加熱軟化したガラス板をモールドとリングとを用いてプレス成形することが好適である(例えば、特許文献1参照)。
プレス成形によって合わせガラス用のガラス板を製造する場合、2枚のガラス板が重なり合った状態でプレス成形を行うことが考えられる。2枚のガラス板が重なり合った状態でプレス成形が行われると、プレス成形中に2枚のガラス板間でズレが生じて、表面に傷が付くおそれがある。
また、内板ガラスと外板ガラスとをそれぞれ別々にかつ一つずつ成形し徐冷・冷却することが考えられる。しかし、内板ガラスと外板ガラスとをそれぞれ一つずつ同じ冶工具で成形しても、最終的な表面形状に個体差が生じることがある。その個体差が小さいものであっても、自動車用フロントガラスのような大面積のガラス板であれば、内板ガラスと外板ガラスとを重ね合わせた時に大きなミスマッチとなって、ガラスエッジへの応力集中によるガラス割れやミスマッチによって生じる空間に起因する中間膜の発泡,透視歪みの悪化等を招くおそれがある。特に内板ガラスと外板ガラスとで板厚やガラス組成が異なる場合には、同一の成形条件下で同一の表面形状に成形することは困難であり、この問題は顕著になる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、面精度の高い合わせガラスを製造することが可能なガラス板の曲げ成形方法及び曲げ成形装置並びに合わせガラスを提供することを目的とする。
上記の目的は、2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板の曲げ成形方法であって、前記合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ第1上方成形型と第1下方成形型とを用いて予備成形する予備成形工程と、前記予備成形工程にて各ガラス板がそれぞれ予備成形された後、該複数のガラス板を一つに重ね合わせて重畳ガラス板を形成する積層工程と、前記重畳ガラス板を第2上方成形型と第2下方成形型とを用いて本成形する本成形工程と、を備えるガラス板の曲げ成形方法により達成される。
また、上記の目的は、2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板の曲げ成形装置であって、前記合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ予備成形する第1上方成形型及び第1下方成形型と、前記第1上方成形型及び第1下方成形型により予備成形された複数のガラス板を一つに重ね合わせた重畳ガラス板を本成形する第2上方成形型及び第2下方成形型と、を備えるガラス板の曲げ成形装置により達成される。
これらの態様の発明において、合わせガラスを構成する2枚以上のガラス板はそれぞれ、加熱軟化後に第1上方成形型と第1下方成形型とを用いて予備成形される。このため、各ガラス板がそれぞれ一つずつ成形されるので、複数のガラス板を同時にプレス成形する場合のようなプレス成形中に2枚のガラス板間でズレが生じることがないので、表面に傷が付くことがない。また、上記した予備成形の後、複数のガラス板は一つに重ね合わされた後に第2上方成形型と第2下方成形型とを用いて本成形される。このため、それぞれ加熱軟化後に予備成形された各ガラス板が一つに重ね合わされた状態で本成形が行われるので、隣り合うガラス板が互いになじみ易くなり、隣り合うガラス板間で形状の不一致が生ずるのを回避することができ、面精度の高い合わせガラスを製造することが可能なガラス板を成形することができる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記予備成形工程は、前記重畳ガラス板の下層を構成する第1ガラス板を前記第1下方成形型に載置して該第1下方成形型と前記第1上方成形型とで挟持することでプレス成形による予備成形を行い、該予備成形を行った前記第1ガラス板を前記第1上方成形型に吸着保持し、前記第1下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させ、その後、前記第1上方成形型と前記第2下方成形型とを対向させて該第1ガラス板を前記第2下方成形型に載置し、前記第2下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、前記重畳ガラス板の上層を構成する第2ガラス板を前記第1下方成形型に載置して該第1下方成形型と前記第1上方成形型とで挟持することでプレス成形による予備成形を行い、該予備成形を行った前記第2ガラス板を前記第1上方成形型に吸着保持し、前記第1下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、を含み、前記積層工程は、前記第1ガラス板が載置された前記第2下方成形型と前記第2ガラス板が吸着保持された前記第1上方成形型とを対向させて、前記第1ガラス板に前記第2ガラス板を重ね合わせて前記重畳ガラスを形成する工程を含み、前記本成形工程は、前記第2下方成形型に載置された前記重畳ガラス板を該第2下方成形型と前記第2上方成形型とで挟持することでプレス成形による本成形を行う工程を含むこととしてもよい。
この態様の発明において、複数のガラス板を一つに重ね合わせた重畳ガラス板の下層を構成する第1ガラス板が予備成形され、その後、その予備成形された第1ガラス板が第1上方成形型の直下から退避されている間に、重畳ガラス板の上層を構成する第2ガラス板の予備成形が行われる。そして、第1ガラス板と第2ガラス板とが第2下方成形型上で重ね合わされ、本成形が行われる。このため、製造ラインとして連続的に重畳ガラス板の曲げ成形を実施することができ、量産化が可能となる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記予備成形工程は、前記第1ガラス板が前記第1上方成形型に吸着保持され又は前記第2下方成形型に載置されている間に前記第2ガラス板を前記第1下方成形型に載置し、その後、前記第1ガラス板が載置された前記第2下方成形型が前記第1上方成形型の直下から退避されている間に前記第2ガラス板の予備成形を行うこととしてもよい。
この態様の発明において、第1ガラス板が第1上方成形型に吸着保持され又は第2下方成形型に載置されることで第1下方成形型から離れているときに、第1下方成形型に第2ガラス板が載置される。また、第1ガラス板が載置された第2下方成形型が第1上方成形型の直下から退避される間に、第2ガラス板が第1下方成形型と第1上方成形型とを用いて予備成形される。このような動作が行われることで、重畳ガラス板の曲げ成形を効率的に短時間で実現することが可能になる。また、積層工程でガラス板の重ね合わせが行われているタイミングで、次の重畳ガラス板の下層を構成する第1ガラス板を第1下方成形型に載置することが可能である。更に、第2上方成形型と第2下方成形型とで重畳ガラス板の本成形が行われているタイミングで、次の重畳ガラス板の下層を構成する第1ガラス板を第1下方成形型と第1上方成形型とを用いて予備成形することができる。
また、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記本成形工程にて本成形された前記重畳ガラス板を、前記第2上方成形型に吸着保持し、搬出装置を用いて前記第2上方成形型から徐冷装置へ搬出する搬出工程を備えることとしてもよい。
また、上記したガラス板の曲げ成形装置において、本成形された前記重畳ガラス板を前記第2上方成形型から徐冷装置へ搬出する搬出装置を備えることとしてもよい。
これらの態様の発明において、複数のガラス板を一つに重ね合わせた重畳ガラス板は、本成形後に徐冷のために搬送装置により搬出される。このため、搬出後のタイミングで次の重畳ガラス板の本成形を実施することができる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記予備成形工程と前記積層工程とが順に実施された後、前記第2下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、次に搬入されたガラス板に対して前記予備成形工程において予備成形を行い、前記積層工程において該予備成形された前記次に搬入されたガラス板を前記第2下方成形型に載置された前記重畳ガラス板に重ね合わせて新たな重畳ガラス板を形成する工程と、が順に一回以上実施され、その後、前記本成形工程が実施されることとしてもよい。
この態様の発明において、予備成形工程で各ガラス板を予備成形し、積層工程で予備成形されたガラス板を重ね合わせることを繰り返すことにより、複数枚のガラス板を重ね合わせることが製造ライン上で可能となる。最後のガラス板が重ね合わされた後、重畳ガラス板を本成形すれば、3枚以上のガラス板を重ね合わせた重畳ガラス板の曲げ成形を実現することが可能となる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記予備成形工程は、ガラス板を前記本成形工程後の本形状の成形量に対して50%〜90%の成形量になる予備形状に予備成形することとしてもよい。
また、上記したガラス板の曲げ成形装置において、前記第1上方成形型の成形面は、該第1上方成形型で成形された後のガラス板の成形量が前記第2上方成形型で成形された後のガラスの板の成形量に対して50%〜90%となるように形成されることとしてもよい。
これらの態様の発明において、ガラス板を平板形状から第1上方成形型を用いた予備成形工程後の予備形状に成形するまでの成形量は、ガラス板を平板形状から第2上方成形型を用いた本成形工程後の本形状に成形するまでの成形量に対して50%〜90%に設定される。特に本形状が深い曲げ成形が必要な形状であるとき、予備成形での成形量が大き過ぎると、ガラス板に皺や意図しない方向への変形が発生し、光学品質に問題が発生するおそれがあるが、上記の構成によれば、予備成形での成形量を抑えることができるので、上記問題の発生を抑えることができる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記第1上方成形型の成形面と前記第2上方成形型の成形面とは同一であることとしてもよい。
また、上記したガラス板の曲げ成形装置において、前記第1上方成形型の成形面と前記第2上方成形型の成形面とは同一であることとしてもよい。
これらの態様の発明において、第1上方成形型を用いた予備成形工程による成形形状を第2上方成形型を用いた本成形工程による成形形状に近づけることが可能であり、本成形工程での成形量を限定的にし、実質的に重畳ガラス板の各ガラス板のミスマッチを解消するのみの工程となる。すなわち、本成形時に重畳ガラス板の各ガラス板の変位が限定的になるため、ガラス板間に発生する傷を低減することができる。
ところで、第1上方成形型の成形面と第2上方成形型の成形面とが異なるか或いは同一であるかは、所望の成形形状に依存する。例えば、成形形状が深く曲げる必要のなる形状であれば、第1上方成形型と第2上方成形型とは互いに異なる成形面を有した方が好ましい。一方、所望の成形形状が成形精度に問題が生じない程度の比較的浅い曲げ成形に対応したものであれば、第1上方成形型と第2上方成形型とは互いに同一の成形面を有した方が好ましい。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記第1上方成形型と前記第2上方成形型とは一つの共通上方成形型であり、前記予備成形工程は、前記第1下方成形型と前記共通上方成形型とを用いて予備成形を行い、前記本成形工程は、前記第2下方成形型と前記共通上方成形型とを用いて本成形を行うこととしてもよい。
また、上記したガラス板の曲げ成形装置において、記第1上方成形型と前記第2上方成形型とは一つの共通上方成形型であることとしてもよい。
これらの態様の発明において、第1上方成形型と第2上方成形型とは一つの共通上方成形型であり、例えば、以下のような態様がある。先に予備成形が完了したガラス板を第2下方成形型に載置して、第2下方成形型を共通上方成形型の直下から退避するように相対移動させ、次のガラス板を共通上方成形型と第1下方成形型とを用いて予備成形する。その予備成形した次のガラス板を共通上方成形型に吸着保持し、その共通上方成形型に対向するように先のガラス板を載置した第2下方成形型を相対移動させる。そして、第2下方成形型に載置された先のガラス板と共通上方成形型に吸着保持された次のガラス板とを重ね合わせて重畳ガラス板を構成しつつ、共通上方成形型と第2下方成形型とを用いて本成形を行う。かかる構成によれば、上方成形型を一つだけ準備すればよいので、成形設備の簡素化を図ることができ、低コストでの曲げ成形を実現することができる。
尚、上記したガラス板の曲げ成形方法において、前記予備成形工程にて予備成形された複数のガラス板を前記積層工程にて一つに重ね合わせる前に、前記重畳ガラス板の下層を構成するガラス板の面上に離型剤を散布する散布工程を備えることとしてもよい。
また、上記したガラス板の曲げ成形装置において、前記第1上方成形型のガラス板搬送方向下流側に配置され、複数のガラス板を一つに重ね合わせる前の予備成形された前記重畳ガラス板の下層を構成するガラス板の面上に離型剤を散布する散布装置を備えることとしてもよい。
これらの態様の発明において、重畳ガラス板の下層を構成するガラス板の面上には、予備成形後、積層工程前に散布装置により離型剤が塗布される。このため、特に成形温度を高温に設定する際に、重畳ガラス板を構成する各ガラス板の間が融着するのを防止することができる。
ところで、上記の目的は、上記したガラス板の曲げ成形方法によって得られた前記重畳ガラスの各ガラス板間に中間膜を介在させて、ガラス板同士を該中間膜によって接着した合わせガラスによって達成される。
この態様の発明においては、合わせガラスを構成する各ガラス板間の表面に傷が無く、更に各ガラス板を重ね合わせた時に大きなミスマッチが無いため、中間膜の発泡や透視歪みの問題を解決した合わせガラスを得ることができる。
本発明によれば、面精度の高い合わせガラスを製造することが可能なガラス板を成形することができる。また、面精度の高い合わせガラスを得ることができる。
以下、図面を用いて、本発明に係るガラス板の曲げ成形方法及び曲げ成形装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施例であるガラス板の曲げ成形装置10の構成図を示す。図2は、本実施例のガラス板の曲げ成形装置10により曲げ成形された2枚のガラス板を用いた合わせガラス12の構成図を示す。また、図3は、本実施例の曲げ成形装置10における、第1上方成形型と第1下方成形型との関係と、第2上方成形型と第2下方成形型との関係と、を比較した図を示す。
本実施例の曲げ成形装置10は、例えば、自動車や鉄道などの輸送機器のフロントガラスや建築用ガラスなどに使用される合わせガラス12を構成するガラス板を曲げ成形する装置であり、要求される所望形状に合わせてガラス板の曲げ成形を行う。
本実施例において、合わせガラス12は、成形後の湾曲形状において凸面側(外側)に配置される外板ガラス12aと、成形後の湾曲形状において凹面側(内側)に配置される内板ガラス12bと、両板ガラス12a,12bの間に介在される中間膜12cと、からなる。中間膜12cは、ポリビニルブチラールからなり、遮音性や熱線反射性を高める素材などを含んでいてもよい。
尚、曲げ成形装置10は、ガラス板G(G1,G2)や複数のガラス板Gを一つに重ね合わせたガラス板(以下、この重ね合わせたガラス板を重畳ガラス板と称す)G12を曲げ成形するものであり、搬送方向Xに曲げ成形するものであっても、その搬送方向Xに直交する直交方向Yに曲げ成形するものでもあってもよく、更には、両方向X,Yにそれぞれ曲げ成形するものであってもよい。また、「搬送方向」とは、製造過程のガラス板Gが上流側から下流側へ流れている方向のことである。また、「直交方向」とは、製造過程のガラス板Gの搬送方向Xに直交する方向のことである。
図1に示す如く、本実施例の曲げ成形装置10は、ガラス板Gを軟化可能に加熱する加熱炉14と、ガラス板を曲げ成形する成形炉16と、を備えている。加熱炉14と成形炉16とは、合わせガラス12を構成する各ガラス板がそれぞれ搬送される過程でその順に通過するように配置されている。合わせガラスを構成するガラス板G12は、成形後に不図示の徐冷装置に向けて搬出される。
加熱炉14には、所定の形状に切り出された平板状のガラス板Gがコンベア上に載置され位置決めされて搬入される。加熱炉14は、ヒータを有しており、コンベアによって水平に搬送される平板状のガラス板Gをそのヒータを用いて曲げ成形可能な温度(例えば600℃〜700℃程度)まで加熱する。ヒータは、加熱炉14内の天井や側壁,床面に配置されており、曲げ成形されるガラス板Gの組成や形状,大きさ,厚さ等に応じてガラス板Gに与える温度を可変することが可能である。従って、加熱炉14に搬入されたガラス板Gは、曲げ成形可能な温度まで加熱される。
加熱炉14の出口又は成形炉16の入口には、炉内に固定された平坦な下面を有するフラットモールド20が配設されている。平板状のガラス板Gは、加熱炉14による加熱軟化後にコンベア22で搬送されながらフラットモールド20の下方に搬入される。フラットモールド20の下面には、多数のエア吸引孔及びエア噴出口が密に形成されている。フラットモールド20の下方に搬入された平板状のガラス板Gは、エア吸引孔でのエア吸引とエア噴出口でのエア噴出とによりフラットモールド20に非接触で保持される。このエア吸引は、搬入された平板状のガラス板Gを重力に抗して持ち上げるが、エア噴出との協働によりガラス板Gがフラットモールド20の表面には接触しないようなバランスで行われる。フラットモールド20の下面は搬送方向Xの下流側に傾斜しており、ガラス板Gは、フラットモールド20にエアフローティング支持されながら、搬送方向Xに搬送される。その後、ガラス板Gは、フラットモールド20に設けられた不図示のポジショナーによって所定位置に位置決めされる。
成形炉16には、搬送方向Xに並んだ2つのプレスリング24,26が配設されている。プレスリング24,26は共に、ガラス板Gの搬送面の下方に配置されており、ガラス板Gを下方から支持する部材であって、ガラス板Gの周縁(端面又は端面近傍)を支持可能にガラス板Gの輪郭に沿った形状に形成されている。尚、プレスリング24,26の形状は、ガラス板Gの全周を支持するものであってもよいし、また、一部を支持するものであってもよい。また、プレスリング24,26の形状は、搬送方向Xや直交方向Yに曲げ成形されるガラス板Gの湾曲形状に対応可能なものである。
プレスリング24,26上には、曲げ成形されるガラス板Gが載置される。2つのプレスリング24,26のうち上流側のプレスリング24が第1下方成形型であり、また、下流側のプレスリング26が第2下方成形型である。以下、プレスリング24を第1プレスリング24と、下流側のプレスリング26を第2プレスリング26と、それぞれ称す。尚、第1下方成形型及び第2下方成形型は、リング形状に限定されず、ガラス板Gに対応してガラス板Gの所望形状に合致した形状を有する凹型の雌モールドであってもよい。また、プレスリングの内側前面や又は一部に設けられるモールドを追加してもよく、特に限定されない。
上記した2つのプレスリング24,26は、同じ一つのシャトル28に固定されている。シャトル28は、プレスリング24,26が取り付け固定される台座30,32と、台座30,32から成形炉16の炉床を通して下方に延びる脚部34,36と、脚部34,36の下端が取り付け固定される台車38と、を有している。成形炉16の炉床には、搬送方向Xに延びるスリットが形成されている。脚部34,36は、成形炉16の炉床に形成されたスリットを通して下方に延びている。また、台車38は、炉外の床に固定されたレールに搬送方向Xの前後に移動可能に支持されている。このため、シャトル28は、プレスリング24,26を一体にしてガラス板G又は複数のガラス板Gを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12を搬送方向Xへ往復移動させることが可能である。シャトル28の搬送方向Xへの移動は、コントローラにより制御される。
成形炉16には、また、搬送方向Xに並んだ2つのプレスモールド40,42が配設されている。プレスモールド40,42は共に、プレスリング24,26とは逆にガラス板Gの搬送面を挟んで上方に配置されている。プレスモールド40,42は、ガラス板Gの全面に対応してガラス板Gの所望の形状に合致した形状を有する下に向けて凸の雄モールドである。プレスモールド40,42の形状は、搬送方向Xや直交方向Yに曲げ成形されるガラス板Gの湾曲形状に対応可能なものである。2つのプレスモールド40,42のうち上流側のプレスモールド40が第1上方成形型であり、また、下流側のプレスモールド42が第2上方成形型である。以下、プレスモールド40を第1プレスモールド40と、プレスモールド42を第2プレスモールド42と、それぞれ称す。
第1プレスリング24と第1プレスモールド40とは、ガラス板Gを平板形状から所望の湾曲形状にするまでの間に一旦成形すべき形状(予備形状)を実現させるための一対の予備成形プレス装置である。第1プレスリング24の形状及び第1プレスモールド40の形状は、合わせガラス12を構成する内板ガラス12bの板厚と所望形状とから要求されたもの、又は、外板ガラス12aの板厚と所望形状とから要求されたものに合致するように形成されている(図3に示す構成の左半分を参照)。
また、第2プレスリング26と第2プレスモールド42とは、合わせガラス12の所望の湾曲形状(本形状)を実現させるための一対の本成形プレス装置である。第2プレスリング26の形状及び第2プレスモールド42の形状は、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12の板厚と所望形状とから要求されたものに合致するように形成されている(図3に示す構成の右半分を参照)。
尚、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との成形面は、互いに同一の湾曲形状を有するものとすればよい。この場合には、第1プレスリング24と第2プレスリング26との成形面は、互いに異なる湾曲形状を有することが好ましい。一方、第1プレスリング24と第2プレスリング26との成形面が互いに同一の湾曲形状を有するものとする場合は、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との成形面が互いに異なる湾曲形状を有することが好ましい。
尚、第1プレスリング24及び第1プレスモールド40は、所望形状が曲率の大きな深く曲がった形状であれば、本形状に対して深さが50%〜90%の予備形状を設定し、予備形状に合致するように形成されていてもよい。すなわち、これら第1プレスリング24の成形面及び第1プレスモールド40の成形面は、第2プレスリング26の成形面及び第2プレスモールド42の成形面とは異なる湾曲形状であってもよい。このように予備形状を設定することで、第1プレスリング24と第1プレスモールド40とを用いてガラス板Gを本形状まで曲げ成形するときに比べて皺などの歪が発生し難くなる。
上記した2つのプレスモールド40,42は共に、成形炉16の炉内に吊り下げられており、ガラス板Gの搬送方向に移動不可能とされている。2つのプレスモールド40,42は、フラットモールド20の下流に配置されている。すなわち、フラットモールド20、第1プレスモールド40、及び第2プレスモールド42は、搬送方向Xにかけてその順で設けられている。一方、2つのプレスモールド40,42は共に、昇降装置により炉内で上下方向に昇降可能とされている。昇降装置による第1プレスモールド40の昇降と、昇降装置による第2プレスモールド42の昇降と、はそれぞれ別個独立して行われることが可能である。これらの昇降はそれぞれ、コントローラにより別個独立して制御される。
また、上記したシャトル28は、搬送方向Xへの移動が可能であるが、取り付け固定された第1プレスリング24がフラットモールド20と上下で対向しかつ第2プレスリング26が第1プレスモールド40と上下で対向する位置(以下、第1停止位置と称す)で移動停止可能であると共に、第1プレスリング24が第1プレスモールド40と上下で対向しかつ第2プレスリング26が第2プレスモールド42と上下で対向する位置(以下、第2停止位置と称す)で移動停止可能である。すなわち、シャトル28は、第1停止位置及び第2停止位置でそれぞれ移動停止可能であると共に、それらの停止位置間で往復移動可能である。
また、プレスモールド40,42の下面にはそれぞれ、多数のエア吸引孔が密に形成されている。ガラス板Gは、これらのエア吸引孔でのエア吸引によりプレスモールド40,42側に吸着保持される。このエア吸引は、ガラス板G或いは複数のガラス板Gを重ね合わせた重畳ガラス板G12を重力に抗して持ち上げてプレスモールド40,42の表面に吸着保持することが可能な程度に行われる。尚、下流側の第2プレスモールド42においては、後述の如く2枚のガラス板を重ね合わせた重畳ガラス板G12全体を重力に抗して持ち上げる必要があるため、特に、外板ガラス12aを吸着保持するために、重ね合わせた重畳ガラス板G12の端部を吸引するエア吸引装置を設けることで、より確実に第2プレスモールド42に重畳ガラス板Gを吸引保持することができる。
成形炉16には、搬出扉16aが設けられている。搬出扉16aは、不図示の徐冷装置と隣接する側に設けられており、曲げ成形した重畳ガラス板G12を徐冷装置へ搬出する際に開けられる。搬出扉16aの開閉は、コントローラにより制御される。
曲げ成形装置10は、また、成形炉16で曲げ成形された2枚のガラス板12a,12bを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12を成形炉16から徐冷装置へ移載する搬出装置54を有している。搬出装置54は、チェーン駆動装置やタイミングベルト駆動装置などの水平方向移動装置によって搬送方向Xに往復移動可能である。搬出装置54の搬送方向Xへの移動は、コントローラにより制御される。
搬出装置54は、成形炉16で曲げ成形された複数のガラス板Gを重ね合わせた重畳ガラス板G12が載置される移載リング56を有している。移載リング56は、成形すべき合わせガラス12の所望の形状に略一致した形状を有している。移載リング56は、搬出装置54の搬送方向Xへの移動により、成形炉16内の第2プレスモールド42の真下位置(受取位置)と徐冷装置との間で搬送方向Xで往復移動可能である。
次に、図4〜図7を参照して、本実施例の曲げ成形装置10の動作について説明する。図4〜図7は、本実施例の曲げ成形装置10の動作手順を表した図を示す。
まず、所定の形状に切り出された平板状のガラス板Gは一枚ずつ、コンベア上に載置されて加熱炉14に搬入される。加熱炉14に搬入された合わせガラス12を構成する一枚目の平板状のガラス板G1(本実施例では、外板ガラス12a)は、加熱炉14内のヒータにより所定の曲げ成形可能な温度まで加熱軟化される。そして、このガラス板G1は、加熱炉14から成形炉16へ搬送される(図4(A))。成形炉16に搬入されるガラス板G1は、フラットモールド20でエアフローティング支持されてフラットモールド20の下面に非接触で保持され、フラットモールド20の下面の傾斜により所定位置まで移動されて位置決めされる(図4(B))。
成形炉16において、ガラス板G1が搬入されてフラットモールド20の下面に非接触で保持される際、シャトル28は、第1プレスリング24がフラットモールド20と上下で対向する第1停止位置で待機停止される。このような第1プレスリング24とフラットモールド20とが上下で対向する状態で、フラットモールド20によるガラス板G1のエアフローティング支持が解除される。この場合、そのエアフローティング支持が解除されたガラス板G1は、第1プレスリング24上に載置される(図4(C))。
ガラス板G1がフラットモールド20から第1プレスリング24上に載置されると、シャトル28が待機停止状態から移動し始める。このシャトル28の移動は、第1停止位置から、第1プレスリング24が第1プレスモールド40と上下で対向する第2停止位置まで行われる。シャトル28は、第1プレスリング24が第1プレスモールド40と上下で対向するまで移動されると、その第2停止位置で停止される(図4(D))。
シャトル28が第2停止位置で停止されて第1プレスリング24と第1プレスモールド40とが上下で対向すると、その第1プレスモールド40が、第1プレスリング24上のガラス板G1をプレスすべく昇降装置により下降される(図4(E))。かかる第1プレスモールド40の下降が行われると、その第1プレスモールド40と第1プレスリング24との間でガラス板G1が挟持されてプレスされる。かかるプレスが行われると、ガラス板G1は、所定の曲げ形状へ予備成形される。
ガラス板G1が第1プレスモールド40と第1プレスリング24とにより挟持されて所定の曲げ形状に予備成形されると、第1プレスモールド40が昇降装置により上昇される。この上昇の際、第1プレスモールド40は、エア吸引孔でのエア吸引により、予備成形されたガラス板G1を吸着保持する。このため、予備成形されたガラス板G1は、第1プレスモールド40の下面に吸着保持された状態で上昇される。第1プレスモールド40は、所定の上昇位置に達すると、ガラス板G1を下面に吸着保持したまま上昇停止される(図4(F))。
予備成形されたガラス板G1が第1プレスモールド40の下面に吸着保持されてその第1プレスモールド40が上昇位置で停止されると、シャトル28が第2停止位置から移動し始める。このシャトル28の移動は、第2停止位置から第1停止位置まで行われ、シャトル28は第1停止位置で停止される(図5(G))。シャトル28が第1停止位置で停止されると、第1プレスモールド40は第2プレスリング26と上下で対向し、第1プレスリング24はフラットモールド20と上下で対向する。
シャトル28が第1停止位置で停止されて第1プレスモールド40と第2プレスリング26とが上下で対向すると、その第1プレスモールド40が、ガラス板G1を第2プレスリング26上へ移載すべく昇降装置により下降され(図5(H))、そして、所定の位置でガラス板G1の吸着保持を解除する。この場合、ガラス板G1は、第2プレスリング26上に載置される。ガラス板G1が第2プレスリング26上に載置されると、第1プレスモールド40がガラス板G1を吸着保持することなく昇降装置により上昇される。
また、合わせガラス12を構成する一枚目のガラス板G1が第1プレスモールド40と第1プレスリング24との挟持により予備成形されて第1プレスモールド40の下面に吸着保持されるまでに、その合わせガラス12を構成する二枚目のガラス板G2(本実施例では、内板ガラス12b)が加熱炉14で加熱軟化されて成形炉16に搬入される(図4(F))。成形炉16に搬入されるガラス板G2は、フラットモールド20によりエアフローティング支持されてフラットモールド20の下面に非接触で保持され、フラットモールド20の下面の傾斜により所定位置まで移動されて位置決めされる(図5(G))。
シャトル28が第1停止位置で停止されて第1プレスリング24とフラットモールド20とが上下で対向する状態で、そのフラットモールド20によるガラス板G2のエアフローティング支持が解除されて、そのガラス板G2が第1プレスリング24上に載置される(図5(H))。
フラットモールド20から第1プレスリング24上へのガラス板G2の移載は、第1プレスモールド40から第2プレスリング26上へのガラス板G1の移載と略同時に行われる。ガラス板G1が第2プレスリング26上へ載置されかつガラス板G2が第1プレスリング24上へ載置されると(図5(I))、シャトル28が第1停止位置から移動し始めて第2停止位置で停止される(図5(J))。
シャトル28が第2停止位置で停止されて第1プレスリング24と第1プレスモールド40とが上下で対向すると、その第1プレスモールド40は、第1プレスリング24上のガラス板G2をプレスすべく昇降装置により下降される(図5(K))。かかる第1プレスモールド40の下降が行われると、その第1プレスモールド40と第1プレスリング24との間でガラス板G2が挟持されてプレスされる。かかるプレスが行われると、ガラス板G2は、所定の曲げ形状へ予備成形される。
ガラス板G2が第1プレスモールド40と第1プレスリング24とにより挟持されて所定の曲げ形状に予備成形されると、第1プレスモールド40が昇降装置により上昇される。この上昇の際、第1プレスモールド40は、エア吸引孔でのエア吸引により、予備成形されたガラス板G2を吸着保持する。このため、予備成形されたガラス板G2は、第1プレスモールド40の下面に吸着保持された状態で上昇される。第1プレスモールド40は、所定の上昇位置に達すると、ガラス板G2を下面に吸着保持したまま上昇停止される(図5(L))。
予備成形されたガラス板G2が第1プレスモールド40の下面に吸着保持されてその第1プレスモールド40が上昇位置で停止されると、シャトル28が第2停止位置から移動し始めて第1停止位置で停止される(図6(M))。シャトル28が第1停止位置で停止されると、ガラス板G1が載置される第2プレスリング26と、ガラス板G2を吸着保持する第1プレスモールド40と、が上下で対向する。
尚、ガラス板G1が予備成形された後、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との間を移動している際に具体的には第2プレスリング26が第2プレスモールド42の直下で待機している状態からシャトル28の移動により第1プレスモールド40の直下へ移動される途中で、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との間に配設された散布装置48から窒化ホウ素(BN)や珪藻土,酸化マグネシウムなどの離型剤がガラス板G1の表面に散布される。かかる散布によれば、重ね合わされる2つのガラス板G1,G2の間が融着するのを防止することができる。尚、散布装置48には、第1プレスモールド40の搬送方向X下流側の近くに、本実施例においては第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との搬送方向Xの中間位置に、離型剤を供給する配管が直交方向Yに延設され、炉外から離型剤が供給される。離型剤の散布は、ガラス板G1が通過するタイミングで行われるようにコントローラによって制御される。
上記の如く第2プレスリング26と第1プレスモールド40とが上下で対向すると、その第1プレスモールド40が、ガラス板G2を第2プレスリング26上のガラス板G1と重ね合わせるべく昇降装置により下降され(図6(N))、そして、所定の高さ位置でガラス板G2の吸着保持を解除する。この場合には、ガラス板G2が第2プレスリング26上でガラス板G1と重ね合わされることで、2枚のガラス板G1,G2を一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12が形成される。ガラス板G1,G2が重ね合わされると、第1プレスモールド40がガラス板G2を吸着保持することなく昇降装置により上昇される(図6(O))。
第1プレスモールド40が上昇位置で停止されると、シャトル28が第1停止位置から移動し始めて第2停止位置で停止される(図6(P))。シャトル28が第2停止位置で停止されると、第2プレスリング26が第2プレスモールド42と上下で対向する。かかる対向がなされると、第2プレスモールド42が、第2プレスリング26上のガラス板G1,G2が重なった合わせガラス12をプレスすべく昇降装置により下降される(図6(Q))。かかる下降が行われると、第2プレスモールド42と第2プレスリング26との間で重畳ガラス板G12が挟持されてプレスされる。かかるプレスが行われると、重畳ガラス板G12は、予備成形されていた外板ガラス12a及び内板ガラス12bが重なった形状から所定の曲げ形状へ本成形される。
重畳ガラス板G12が第2プレスモールド42と第2プレスリング26とにより最終的な曲げ形状に本成形されると、第2プレスモールド42が昇降装置により上昇される。この上昇の際、第2プレスモールド42は、エア吸引孔及び端部用エア吸引装置でのエア吸引により、本成形された重畳ガラス板G12全体を吸着保持する。このため、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12は、第2プレスモールド42の下面に吸着保持された状態で上昇される。第2プレスモールド42は、所定の上昇位置に達すると、重畳ガラス板G12を下面に吸着保持したまま上昇停止される(図6(R))。
第2プレスモールド42が重畳ガラス板G12を下面に吸着保持したまま上昇位置で停止されると、シャトル28が第2停止位置から移動し始めて第1停止位置で停止されると共に、成形炉16の搬出扉16aが開いて搬出装置54の移載リング56が成形炉16内に進入する(図7(S))。
移載リング56が成形炉16の第2プレスモールド42の真下(受取位置)に位置すると、第2プレスモールド42が、吸着保持する重畳ガラス板G12を移載リング56へ移載すべく昇降装置により下降され、所定の高さ位置で重畳ガラス板G12の吸着保持を解除する(図7(T))。この場合には、重畳ガラス板G12が移載リング56上に載置される。第2プレスモールド42は、重畳ガラス板G12の吸着保持を解除した後、昇降装置により上昇される(図7(U))。
重畳ガラス板G12が移載リング56上に載置されかつ第2プレスモールド42が上昇位置で停止されると、搬出装置54の移載リング56が受取位置から移動し始めて成形炉16の外へ搬出される(図7(V))。搬出装置54が成形炉16内から炉外へ搬出されると、搬出扉16aが閉じられる。
尚、上述の如く2枚のガラス板Gからなる一組目の重畳ガラス板G12の曲げ成形が行われる過程において、3枚目以降のガラス板Gからなる二組目の重畳ガラス板G12の曲げ成形が行われる(図5(K)〜図7(V)参照)。すなわち、重畳ガラス板G12の曲げ成形が複数組連続して行われる。
このように、本実施例の曲げ成形装置10においては、合わせガラス12を構成するガラス板G(具体的には、外板ガラス12aとしてのガラス板G1、内板ガラス12bとしてのガラス板G2、及び両ガラス板G1,G2を重ね合わせた重畳ガラス板G12)の曲げ成形をプレスリング24,26とプレスモールド40,42とによるプレス加工により実現することができる。このため、合わせガラス12に要求される面精度が比較的高い場合にも、その要求精度に合致した精度良い合わせガラス12を製造することができる。
また、本実施例の曲げ成形装置10によれば、曲げ成形された重畳ガラス板G12のカーブをデザイン上のカーブに合致させることができると共に、外板ガラス12aと内板ガラス12bとの板厚が互いに異なっても、両板ガラス12a,12bの面精度の差があまり無い高精度な形状を有する合わせガラス12を製造することが可能となっている。
また、平板状のガラス板Gを加熱軟化して曲げ成形してから重畳ガラス板G12を成形炉外へ搬出するまでに、合わせガラス12を構成する外板ガラス12aの予備成形及び内板ガラス12bの予備成形をそれぞれ一つずつ別個に行い、次に、それらの予備成形の後に外板ガラス12aと内板ガラス12bとを重ね合わせたうえで、その外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12の最終的な本成形を行い、そして、その本成形した重畳ガラス板G12を徐冷装置へ搬出する。
かかる曲げ成形手法によれば、ガラス板Gの成形の大部分が各ガラス板G個別の予備成形で達成されるため、ガラス板Gを一つに重ね合わせて一度にプレス成形する場合に比べて、各ガラス板G間の表面に付く傷を劇的に減少させることが可能である。また、予備成形された各ガラス板Gが一つに重ね合わされた状態でプレス加工による最終的な本成形が行われることとなる。このため、合わせガラス12を構成する外板ガラス12aと内板ガラス12bとに予備形状のミスマッチがあったとしても、最終的には両板ガラス12a,12bが重なった状態で曲げ成形されるため、ミスマッチを解消させることができ、合わせガラス12を製造する際に、両板ガラス12a,12b間で形状の不一致が生ずるのを回避することが可能となる。
また、本実施例において、1枚目のガラス板G1(具体的には、外板ガラス12a)は、第1プレスモールド40と第1プレスリング24とのプレスにより予備成形された後、シャトル28の移動により第2プレスリング26へ移載されて第2プレスモールド42側へ移動され、そして、シャトル28が第2停止位置で停止されることで第2プレスモールド42の直下に位置する。そのガラス板G1が第2プレスリング26上に載置された後、第2プレスモールド42の直下に移動される際には、2枚目のガラス板G2(具体的には、内板ガラス12b)が第1プレスリング24上に載置されて第1プレスモールド40の直下に移動される。そのガラス板G2は、第1プレスモールド40の直下に移動されると、その第1プレスモールド40と第1プレスリング24とのプレスにより予備成形される。そして、第1プレスモールド40側にある予備成形済みのガラス板G2と第2プレスモールド42側にある予備成形済みのガラス板G1とが、第1プレスモールド40側で互いに重ね合わされたうえで第2プレスモールド42側において本成形される。
かかる曲げ成形手法によれば、合わせガラス12を構成すべき最初に予備成形されたガラス板G1(外板ガラス12a)を第2プレスモールド42側に待機させることができ、そのガラス板G1の待機中に、後に予備成形されるべきガラス板G2(内板ガラス12b)を予備成形することができる。このため、本実施例の曲げ成形装置10によれば、合わせガラス12を構成する各ガラス板Gの予備成形を同じ第1プレスモールド40と同じ第1プレスリング24を用いて実施させることができるので、曲げ成形装置10全体の肥大化を防止すると共に、工程コストの低減を図ることが可能となっている。
また、本実施例において、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12が第2プレスリング26と第2プレスモールド42とのプレスにより本成形される際には、第1プレスリング24及び第1プレスモールド40側において次の組(二組目)の合わせガラス12を構成すべきガラス板Gの予備成形が行われる。また、重畳ガラス板G12が本成形された後、搬出装置54の移動により移載リング56へ移載されて徐冷装置へ移動されると、次の組の合わせガラス12を構成するガラス板Gの、第2プレスモールド42側への上記待機や第2プレスモールド42を用いた本成形が行われる。
かかる曲げ成形手法によれば、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12が徐冷装置へ搬出されるタイミングで、次の組の合わせガラス12を構成するガラス板Gの曲げ成形を行うことができる。このため、本実施例の曲げ成形装置10によれば、合わせガラス12を構成するガラス板G一組当たりに要する曲げ成形を効率的に短時間で行うことができ、生産性を向上させることが可能となっている。
また、本実施例において、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42との成形面が互いに同一の湾曲形状を有しかつ第1プレスリング24と第2プレスリング26との成形面が互いに異なる湾曲形状を有すると共に、第1プレスリング24の形状及び第1プレスモールド40の形状が内板ガラス12bの板厚と所望形状とに応じたものであり、かつ、第2プレスリング26の形状及び第2プレスモールド42の形状が重畳ガラス板G12全体の板厚と所望形状とに応じたものである。更に、第1プレスモールド40と第1プレスリング24とが各ガラス板Gを予備成形する際、外板ガラス12aの板厚と内板ガラス12bの板厚とが異なる場合は、コントローラにより制御される第1プレスモールド40の下降位置を、外板ガラス12aと内板ガラス12bとの別に応じて(すなわち各板厚の相違に応じて)異ならせることとすればよい。
ところで、上記の実施例においては、外板ガラス12a及び内板ガラス12bを一つずつ第1プレスモールド40と第1プレスリング24とを用いて予備成形することが特許請求の範囲に記載した「予備成形工程」に、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせて重畳ガラスG12を形成することが特許請求の範囲に記載した「積層工程」に、外板ガラス12aと内板ガラス12bとを一つに重ね合わせた重畳ガラス板G12を第2プレスモールド42と第2プレスリング26とを用いて本成形することが特許請求の範囲に記載した「本成形工程」に、本成形された重畳ガラス板G12を搬出装置54を用いて第2プレスモールド42の直下位置から徐冷装置に移動させることが特許請求の範囲に記載した「搬出工程」に、外板ガラス12aの表面に散布装置48によって離型剤を散布することが特許請求の範囲に記載した「散布工程」に、それぞれ相当している。
尚、上記の実施例においては、外板ガラス12aの表面に離型剤を散布することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外板ガラス12aの内板ガラス12bが積層される面上へ離型剤を印刷することとしてもよい。この印刷は、公知のスクリーン印刷を利用できる。
また、上記の実施例においては、第2プレスリング26を、その成形面が外板ガラス12aの面カーブに合致するように形成することとしているが、外板ガラス12aの面カーブからオフセットした面を有するように形成することとしてもよい。この場合、オフセット量は、例えば0.5mm〜5mm程度とすればよい。かかる変形例によれば、外板ガラス12aと内板ガラス12bとが重なった合わせガラス12を第2プレスモールド42と第2プレスリング26とを用いて本成形する際に、外板ガラス12aのガラス面内をプレス成形することが回避され、その結果として、ガラス面内にブツ歪みなどの不良が発生するのを防止することが可能となる。
また、上記の実施例においては、第1プレスモールド40の成形面と、第2プレスモールド42の成形面とが同一であるとしたが、ガラス板Gを平板形状から第1プレスモールド40を用いて予備成形した後の予備形状の成形量が、ガラス板Gを平板形状から第2プレスモールド42を用いて本成形した後の本形状の成形量に対して50%〜90%となるように両プレスモールド40,42の成形面を形成することとしてもよい。
尚、この変形例において、成形量は、互いに直交する方向の成形量の合算であり、例えば、搬送方向Xの成形量と直交方向Yの成形量との合算である。ガラス板Gの中心(重心)を含みかつ互いに直交する搬送方向Xを含む断面と直交方向Yを含む断面において、それぞれの断面での両端を結んだ線に対して直交する方向の変位量の合算となる。予備成形で本成形に近い状態まで一度に曲げると、特に所望形状が深い曲げ成形が必要な形状であるとき、ガラス板Gに皺や意図しない方向への変形が発生することがあり、光学品質に問題が発生するおそれがあったが、上記の構成によれば、予備成形での成形量を抑えることができるので、この問題を解消させることが可能である。
また、上記の実施例においては、2枚のガラス板G1,G2を重ね合わせた重畳ガラス板G12の曲げ成形を行うのに、まず、下方に凸状に成形する外板ガラス12aを曲げ成形装置10へ投入し、次に、下方に凸状に成形する内板ガラス12bを曲げ成形装置10へ投入し、その後に両板ガラス12a,12bを重ね合わせることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、まず、上方に凸状に成形される内板ガラス12bを曲げ成形装置10へ投入し、次に、上方に凸状に成形される外板ガラス12aを曲げ成形装置10へ投入し、その後に両板ガラス12a,12bを重ね合わせることとしてもよい。
また、上記の実施例においては、第1プレスモールド40と第2プレスモールド42とをそれぞれ別個のものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、共通化して一つのものとしてもよい。すなわち、図8に示す如く、第1プレスモールド40の位置に共通プレスモールド44を設置し、第2プレスモールド42を設置しない。
この変形例において、図4〜図7における2枚目のガラス板G2(内板ガラス12b)を第1プレスモールド40(共通プレスモールド44)で予備成形するまでの工程は、上記の実施例と同じ工程である。ただし、1枚目のガラス板G1(外板ガラス12a)は、予備成形後に第2プレスリング26に載置され、共通プレスモールド44の搬送方向X下流側に設けられた退避位置46に移動される。
ガラス板G2が共通プレスモールド44に吸着保持されている間に、第2プレスリング26は、共通プレスモールド44と上下で対向する位置まで移動する。そして、共通プレスモールド44が下降し、ガラス板G1とガラス板G2とが重ね合わされると共に、ガラス板G1とガラス板G2とを重ね合わせた重畳ガラス板G12が共通プレスモールド44と第2プレスリング26とを用いて最終的な曲げ形状に本成形される。
この本成形後、共通プレスモールド44は、本成形した重畳ガラス板G12全体をモールド下面で吸着保持したまま上昇し、所定の上昇位置で停止される。そして、図示しない成形炉16の搬出扉が開いて搬出装置の移載リングが成形炉16内に進入し重畳ガラス板G12を成形炉外へ搬出する。尚、搬出扉は共通プレスモールド44の直交方向Y側に設けられており、搬出装置は直交方向Yに移動可能に設けられている。
以上のような変形例によれば、プレスモールドを一つ準備するだけで十分であるので、曲げ成形装置10全体の成形設備の簡素化を図ることが可能となり、コストを削減することができる。尚、共通プレスモールドが特許請求の範囲に記載した「共通上方成形型」に相当している。
また、上記の実施例においては、第1プレスリング24と第2プレスリング26とが一体で搬送方向Xへ移動されるように両リング24,26が一つのシャトル28に固定されることとしているが、両リング24,26が互いに別個のシャトルに固定されて、それぞれ独立して搬送方向Xへ移動されるようにしてもよい。
更に、上記の実施例は、2枚のガラス板Gが積層される合わせガラス12を構成するガラス板Gの曲げ成形についての例であるが、3枚以上のガラス板Gが積層される合わせガラス12を構成するガラス板Gの曲げ成形についても同様の手法により行うこととすればよい。すなわち、予備成形工程でガラス板G1,G2の予備成形を実施し、積層工程でガラス板G1とガラス板G2とを重ね合わせて重畳ガラス板G12を形成した後、重畳ガラス板G12が載置された第2プレスリング26を第1プレスモールド40の直下から搬送方向Xの下流側に移動させて待機させる。そして、次に搬入されたガラス板に対して第1プレスモールド40と第1プレスリング24とで予備成形を行い、そのガラス板を第1プレスモールド40に吸着保持し、重畳ガラス板G12が載置された第2プレスリング2を第1プレスモールド40の直下に移動させ、上記の予備成形されたガラス板を重畳ガラス板G12に重ね合わせて3枚のガラス板からなる新たな重畳ガラス板を形成する。この工程を必要な回数繰り返し実施することで3枚以上のガラス板を重ね合わせた重畳ガラス板を形成し、最後に本成形工程での本成形を実施することとすればよい。
また、上記の実施例においては、曲げ成形装置10は、成形炉16内に設けられているが、炉外に設けられていてもよい。所望の成形形状が成形量が少ない浅い曲げ形状であれば、炉外でも十分に曲げ成形が可能である。
尚、上記で説明した方法で成形された重畳ガラス板G12は徐冷された後、外板ガラス12aと内板ガラス12bとの間に中間膜12cが介在されて、公知の方法によって接着が施されることで、合わせガラス12が製造される。この合わせガラス12は、本実施例の方法及び装置で成形された重畳ガラス板G12を用いて製造されるものであるので、面精度が高く光学的な欠点も少ない優れた合わせガラスを得ることができる。
10 曲げ成形装置
12 合わせガラス
12a 外板ガラス
12b 内板ガラス
12c 中間膜
16 成形炉
24 第1プレスリング
26 第2プレスリング
28 シャトル
40 第1プレスモールド
42 第2プレスモールド
54 搬出装置
G ガラス板
G1 一枚目のガラス板
G2 二枚目のガラス板
G12 重畳ガラス板
12 合わせガラス
12a 外板ガラス
12b 内板ガラス
12c 中間膜
16 成形炉
24 第1プレスリング
26 第2プレスリング
28 シャトル
40 第1プレスモールド
42 第2プレスモールド
54 搬出装置
G ガラス板
G1 一枚目のガラス板
G2 二枚目のガラス板
G12 重畳ガラス板
Claims (16)
- 2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板の曲げ成形方法であって、
前記合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ第1上方成形型と第1下方成形型とを用いて予備成形する予備成形工程と、
前記予備成形工程にて各ガラス板がそれぞれ予備成形された後、該複数のガラス板を一つに重ね合わせて重畳ガラス板を形成する積層工程と、
前記重畳ガラス板を第2上方成形型と第2下方成形型とを用いて本成形する本成形工程と、
を備えることを特徴とするガラス板の曲げ成形方法。 - 前記予備成形工程は、
前記重畳ガラス板の下層を構成する第1ガラス板を前記第1下方成形型に載置して該第1下方成形型と前記第1上方成形型とで挟持することでプレス成形による予備成形を行い、該予備成形を行った前記第1ガラス板を前記第1上方成形型に吸着保持し、前記第1下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させ、その後、前記第1上方成形型と前記第2下方成形型とを対向させて該第1ガラス板を前記第2下方成形型に載置し、前記第2下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、
前記重畳ガラス板の上層を構成する第2ガラス板を前記第1下方成形型に載置して該第1下方成形型と前記第1上方成形型とで挟持することでプレス成形による予備成形を行い、該予備成形を行った前記第2ガラス板を前記第1上方成形型に吸着保持し、前記第1下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、を含み、
前記積層工程は、
前記第1ガラス板が載置された前記第2下方成形型と前記第2ガラス板が吸着保持された前記第1上方成形型とを対向させて、前記第1ガラス板に前記第2ガラス板を重ね合わせて前記重畳ガラスを形成する工程を含み、
前記本成形工程は、
前記第2下方成形型に載置された前記重畳ガラス板を該第2下方成形型と前記第2上方成形型とで挟持することでプレス成形による本成形を行う工程を含む請求項1記載のガラス板の曲げ成形方法。 - 前記予備成形工程は、前記第1ガラス板が前記第1上方成形型に吸着保持され又は前記第2下方成形型に載置されている間に前記第2ガラス板を前記第1下方成形型に載置し、その後、前記第1ガラス板が載置された前記第2下方成形型が前記第1上方成形型の直下から退避されている間に前記第2ガラス板の予備成形を行う請求項2記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 前記本成形工程にて本成形された前記重畳ガラス板を、前記第2上方成形型に吸着保持し、搬出装置を用いて前記第2上方成形型から徐冷装置へ搬出する搬出工程を備える請求項2又は3記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 前記予備成形工程と前記積層工程とが順に実施された後、前記第2下方成形型を前記第1上方成形型の直下から退避するように相対移動させる工程と、次に搬入されたガラス板に対して前記予備成形工程において予備成形を行い、前記積層工程において該予備成形された前記次に搬入されたガラス板を前記第2下方成形型に載置された前記重畳ガラス板に重ね合わせて新たな重畳ガラス板を形成する工程と、が順に一回以上実施され、その後、前記本成形工程が実施される請求項2から4の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 前記予備成形工程は、ガラス板を前記本成形工程後の本形状の成形量に対して50%〜90%の成形量になる予備形状に予備成形する請求項1から5の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 前記第1上方成形型の成形面と前記第2上方成形型の成形面とは同一である請求項1から5の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 前記第1上方成形型と前記第2上方成形型とは一つの共通上方成形型であり、
前記予備成形工程は、前記第1下方成形型と前記共通上方成形型とを用いて予備成形を行い、
前記本成形工程は、前記第2下方成形型と前記共通上方成形型とを用いて本成形を行う請求項1から5の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法。 - 前記予備成形工程にて予備成形された複数のガラス板を前記積層工程にて一つに重ね合わせる前に、前記重畳ガラス板の下層を構成するガラス板の面上に離型剤を散布する散布工程を備える請求項1から8の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法。
- 2枚以上のガラス板が積層されてなる合わせガラスを構成するガラス板の曲げ成形装置であって、
前記合わせガラスを構成する加熱軟化後の各ガラス板をそれぞれ予備成形する第1上方成形型及び第1下方成形型と、
前記第1上方成形型及び第1下方成形型により予備成形された複数のガラス板を一つに重ね合わせた重畳ガラス板を本成形する第2上方成形型及び第2下方成形型と、
を備えることを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。 - 本成形された前記重畳ガラス板を前記第2上方成形型から徐冷装置へ搬出する搬出装置を備える請求項10記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記第1上方成形型の成形面は、該第1上方成形型で成形された後のガラス板の成形量が前記第2上方成形型で成形された後のガラスの板の成形量に対して50%〜90%となるように形成される請求項10又は11記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記第1上方成形型の成形面と前記第2上方成形型の成形面とは同一である請求項10又は11記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記第1上方成形型と前記第2上方成形型とは一つの共通上方成形型である請求項10又は11記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 前記第1上方成形型のガラス板搬送方向下流側に配置され、複数のガラス板を一つに重ね合わせる前の予備成形された前記重畳ガラス板の下層を構成するガラス板の面上に離型剤を散布する散布装置を備える請求項10から14の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形装置。
- 請求項1から9の何れか一項記載のガラス板の曲げ成形方法によって得られた前記重畳ガラスの各ガラス板間に中間膜を介在させて、ガラス板同士を該中間膜によって接着したことを特徴とする合わせガラス。
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-
2012
- 2012-03-12 JP JP2012054767A patent/JP2015098405A/ja active Pending
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2013
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