以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるナビゲーション装置を搭載した車両を含む複数の車両の一例を示す図である。
図1に示すように、車両V1は、互いに情報送受信可能に接続された通信装置14及びナビゲーション装置100を搭載し、車両V2は、互いに情報送受信可能に接続された通信装置24及びナビゲーション装置200を搭載している。なお、図1中では車両V2を1台のみ示しているが、車両V2は1台のみ存在する場合に限られず複数台存在してもよい。車両V1の通信装置14と各車両V2の通信装置24とは、無線通信を介して互いに情報を送受信することが可能である。なお、車両V1の通信装置14及びナビゲーション装置100は、別々の筐体で別体となる装置構成であってもよいし、共通の1つの筐体で一体となる機器構成であってもよい。また、各車両V2の通信装置24及びナビゲーション装置200についても同様である。本実施形態では、車両V1のナビゲーション装置100が、1台以上の車両V2(他の移動体に相当)の現在位置を後述の電子地図EM上に描画し、後述のディスプレイ2に表示させる場合について説明する。以下適宜、車両V1を「自車両V1」、車両V2を「他車両V2」という。
図2は、自車両V1の電子系統のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、自車両V1は、通信装置14、無線通信アンテナ3、ナビゲーション装置100、ディスプレイ2、車速センサ4、ブレーキスイッチ5、ウィンカースイッチ6、車載カメラ7、GPS8、及びジャイロセンサ9を有する。
通信装置14は、無線通信アンテナ3を介した無線通信により、各他車両V2の通信装置24との情報の送受信を制御する機能を有する。この通信装置14は、制御部15を有する。
制御部15は、CPU16及び記憶装置17を備える。
CPU16は、記憶装置17に記憶された各種のプログラムを実行することで各種の処理を行うと共に、他の各部との間で情報の交換や各種の制御指示を出力することで、通信装置14全体を制御する機能を有する。
記憶装置17は、ROM17a、RAM17b、及び記憶媒体17cを備える。ROM17aは、上記各種のプログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM17bは、CPU16が上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体17cは、例えばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の情報記憶媒体である。
無線通信アンテナ3は、自車両V1の室外に取り付けられ、通信装置14から入力された情報信号の送信と、各他車両V2の通信装置24から受信された情報信号の通信装置14への出力とを行う。
ナビゲーション装置100は、制御部10及びグラフィックコントローラ13を有する。
制御部10は、CPU11及び記憶装置12を備える。
CPU11(コンピュータに相当)は、記憶装置12に記憶された各種のプログラム(CPU11に対し後述の図11〜図13のフローに示すナビゲーション方法の各手順を実行させるためのナビゲーションプログラムを含む)を実行することで各種の処理を行うと共に、他の各部との間で情報の交換や各種の制御指示を出力することで、ナビゲーション装置100全体を制御する機能を有する。
記憶装置12は、ROM12a、RAM12b、及び記憶媒体12cを備える。ROM12aは、上記各種のプログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM12b(第1蓄積手段に相当)は、CPU11が上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体12cは、例えばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の情報記憶媒体である。この記憶媒体12cは、地図情報等の各種の情報を記憶する。
グラフィックコントローラ13は、CPU11の制御により、ビデオRAM(図示せず)等から画像データを取得し、画像データに基づく画像を描画して、ディスプレイ2に表示させる機能を有する。例えば、グラフィックコントローラ13は、CPU11の制御により、上記記憶媒体12cに記憶された地図情報に基づき、電子地図EM(地図に相当。後述の図5等参照)を描画し、ディスプレイ2に表示させる。また例えば、グラフィックコントローラ13は、CPU11の制御により、自車両V1の位置情報(後述)に基づき、電子地図EM上に自車両V1の現在位置を描画し、ディスプレイ2に表示させたり、1台以上の他車両V2の位置情報(後述)に基づき、電子地図EM上に1台以上の他車両V2の現在位置を描画し、ディスプレイ2に表示させる。なお、グラフィックコントローラ13は、電子地図EM上に、自車両V1の現在位置を描画せず、1台以上の他車両V2の現在位置のみを描画し、ディスプレイ2に表示させてもよい。
ディスプレイ2(表示手段に相当)は、例えばLCDパネル等で構成され、グラフィックコントローラ13から入力された画像信号に基づき、各種の情報画像を表示する。
車速センサ4は、自車両V1の走行速度を検出する機能を有する。CPU11は、この車速センサ4の検出信号に基づき、その時点で自車両V1がどのくらいの速度で走行しているかを認識できる。
ブレーキスイッチ5は、自車両V1のブレーキが所定量以上踏み込まれて作動状態に入っているか否か、つまり自車両V1が制動操作による減速中の状態であるか否かを検出する機能を有する。
ウィンカースイッチ6は、自車両V1の右方向又は左方向いずれか一方のウィンカー操作の有無を検出する機能を有する。
車載カメラ7は、例えばCCD撮像素子等を利用して、自車両V1からの撮像方向の風景画像を撮像し、対応する画像信号をCPU11へ出力する機能を有する。なお、車載カメラ7は、赤外線センサやレーダ等でもよい。
GPS8は、自車両V1の現在位置の測位を行い、緯度及び経度で表記した位置情報を取得すると共に、CPU11へ出力する機能を有する。以下適宜、GPS8により検出された位置情報を「現実位置情報」、現実位置情報に基づく現在位置を「現実位置」という。
ジャイロセンサ9は、自車両V1の走行方位(走行方向)を検出する機能を有する。CPU11は、このジャイロセンサ9の検出信号に基づき、その時点で自車両V1がどの方位(方向)に走行しているのかを認識できる。
なお、自車両V1は、上記車速センサ4、ブレーキスイッチ5、ウィンカースイッチ6、車載カメラ7、及びジャイロセンサ9のうちの1以上を備えなくてもよいし、上記以外のハードウェアを備えてもよい。
また、各他車両V2の電子系統は、上記と同様のハードウェア構成とすることができるが、必ずしも上記と同様のハードウェア構成とする必要はなく、また各他車両V2同士が同様のハードウェア構成である必要もない。なお、各他車両V2では、通信装置24の制御部を「制御部25」といい、他の各部については上記と同一の呼称とする。
図3は、他車両V2の通信装置24の制御部25の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、通信装置24の制御部25は、送受信部251を備える。
送受信部251は、無線通信を介して情報の送受信を間欠的に行う。この送受信部251の最も主要な機能の1つは、他車両V2の識別情報(以下適宜「車両ID」という)、及び、GPS8により検出された他車両V2の現実位置情報を少なくとも含む情報を、無線通信を介して間欠的(例えば100[ms]ごと)に送信することにある。また、送受信部251は、他車両V2の車両ID及び現実位置情報に加え、車速センサ4により検出された他車両V2の速度情報や、ジャイロセンサ9により検出された他車両V2の走行方位情報、他車両V2の加減速情報等の挙動情報を含む情報を送信してもよい。なお、上記では情報の送受信を間欠的に行うと記載したが、通信自体が間欠的に接続と切断を繰り返すものであってもよいし、通信自体は常時又は連続的に情報パケットの送信を間欠的に行い、連続的に送信される情報の内容の更新が上記間隔(例えば100[ms]ごと)で行われるものであってもよい。また、他車両V2の送信する現実位置情報とは、測位上の誤差を含むものであってもよく、ここではその誤差の程度は問わない。
図4は、自車両V1の通信装置14の制御部15の機能構成例、及び、CPU11が記憶装置12に記憶された所定のプログラムを実行することで発揮されるナビゲーション装置100の制御部10の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、通信装置14の制御部15は、送受信部151を備える。
送受信部151は、無線通信を介して情報の送受信を間欠的に行う。この送受信部151の最も主要な機能の1つは、1台以上の他車両V2における送受信部251から間欠的に送信された、車両ID及び現実位置情報を少なくとも含む情報を、無線通信を介して間欠的(例えば100[ms]ごと)に受信することにある。なお、他車両V2における送受信部251により、車両ID及び現実位置情報に加え挙動情報を含む情報が送信された場合には、送受信部151は、他車両V2における送受信部251から送信された、車両ID及び現実位置情報に加え挙動情報を含む情報を受信する。この送受信部151により受信された情報は、ナビゲーション装置100の制御部10へ出力される。
また、ナビゲーション装置100の制御部10は、取得部102、予測部103、推定部104、及び表示制御部105を備える。
取得部102(第1取得手段に相当)は、送受信部151により受信された情報から、当該情報に車両IDが含まれる各他車両V2ごとに、現実位置情報を少なくとも取得する。なお、送受信部151により、車両ID及び現実位置情報に加え挙動情報を含む情報が受信された場合には、取得部102は、送受信部151により受信された情報から、当該情報に車両IDが含まれる各他車両V2ごとに、現実位置情報に加え挙動情報を取得してもよい。この取得部102により取得された情報は、RAM12bに記憶され、蓄積される。
ここで、送受信部151により情報が受信された他車両V2のうちに、取得部102により取得された現実位置情報に基づく現実位置が、グラフィックコントローラ13による電子地図EMの描画範囲に対応する、ディスプレイ2による電子地図EMの表示範囲50(後述の図5等参照)内にある他車両V2が存在する場合があり得る。なお、表示範囲50は、基本的には電子地図EMにおける自車両V1の現在位置を含む範囲が設定される。例えば、所望の縮尺とされた電子地図EMにおける自車両V1の現在位置が常に中心となる範囲が設定される。このとき、ユーザの操作により表示範囲50に含まれる電子地図EMの縮尺を変動できるようにしてもよい。上記の場合には、表示制御部105は、グラフィックコントローラ13を制御し、現実位置が表示範囲50内にある他車両V2に関し、上記取得された現実位置情報に基づき、電子地図EM上に現実位置を描画させ、所定の表示態様(例えば濃い色彩の三角マーク等。以下適宜、「第1表示態様」という)でディスプレイ2に表示させる。
そして、ディスプレイ2に現実位置が表示されている他車両V2に関し、送受信部151により情報が継続して受信されることで、取得部102により現実位置情報が継続して取得され、かつ現実位置が表示範囲50内にある間は、表示制御部105は、グラフィックコントローラ13を制御し、上記継続して取得される現実位置情報に基づき、電子地図EM上への現実位置を更新させつつ継続して描画させ、第1表示態様でディスプレイ2に表示させる。なお、情報が継続して受信される(現実位置情報が継続して取得される)とは、この例では、他車両V2からの最新(直前)の情報の受信時刻から所定期間(例えば200[ms])が経過するまでの間に、再び同一の他車両V2から情報が受信される(現実位置情報が取得される)ことが繰り返される状態をいう。
ここで、ディスプレイ2に他車両V2の現実位置が表示されている最中に、自車両V1及び他車両V2の間に無線通信を障害するビル等の障害物が存在する等により無線通信状況が悪化し、送受信部151による情報の受信が途切れることで、取得部102による現実位置情報の取得が途切れる他車両V2が存在する場合があり得る。なお、情報の受信が途切れる(現実位置情報の取得が途切れる)とは、この例では、他車両V2からの最新(直前)の情報の受信時刻から所定期間が経過しても、まだ同一の他車両V2から情報が受信されない(現実位置情報が取得されない)状態をいう。上記の場合には、推定部103は、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた他車両V2に関し、RAM12bに蓄積された、これまでの現実位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、現在位置を公知の適宜の手法により推定し、対応する位置情報を生成する。以下適宜、推定された現在位置を「推定位置」、推定位置に対応する位置情報を「推定位置情報」という。なお、推定では、他車両V2から取得して蓄積した情報からの推定位置に対し、さらに自車両V1のナビゲーション装置100の地図情報を用いて公知の適宜のマップマッチング補正をかけて補正した位置を、推定位置としてもよい。
このとき、推定部103により現在位置が推定された他車両V2のうちに、推定された推定位置が表示範囲50内にある他車両V2が存在する場合があり得る。この場合には、表示制御部105は、グラフィックコントローラ13を制御し、推定位置が表示範囲50内にある他車両V2に関し、それまで電子地図EM上に描画させていた現実位置に代え、上記生成した推定位置情報に基づき、電子地図EM上に推定位置を描画させ、上記第1表示態様とは異なる表示態様(例えば薄い色彩の三角マーク等。以下適宜、「第2表示態様」という)でディスプレイ2に表示させる。
そして、ディスプレイ2に推定位置が表示されている他車両V2に関し、送受信部151による情報の受信が途切れたままで再開されないことで、取得部102による現実位置情報の取得が途切れたままで再開されず、かつ推定位置が表示範囲50内にある間は、表示制御部105は、グラフィックコントローラ13を制御し、上記継続して生成される推定位置情報に基づき、電子地図EM上への推定位置を更新させつつ継続して描画させ、第2表示態様でディスプレイ2に表示させる。
ここで、ディスプレイ2に他車両V2の推定位置が表示されている最中に、自車両V1及び他車両V2の間に障害物が存在しなくなる等により無線通信状況が好転し、送受信部151による情報の受信が再開されることで、取得部102による現実位置情報の取得が再開され、かつ現在位置が表示範囲50内にある他車両V2が存在する場合があり得る。この場合には、表示制御部105は、グラフィックコントローラ13を制御し、情報の受信が再開されることで現実位置情報の取得が再開されかつ現在位置が表示範囲50内にある他車両V2に関し、それまで電子地図EM上に描画させていた推定位置に代え、上記取得された現実位置情報に基づき、電子地図EM上に現実位置を描画させ、第1表示態様でディスプレイ2に表示させる。
予測部103(予測手段に相当)は、既に1回又は複数回の情報の受信が行なわれ、かつそのうちの最新の情報に含まれる現実位置情報に基づく現実位置が表示範囲50外にある、つまり表示範囲50外に存在する他車両V2について、その現在位置を把握する。そして、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、予測部103は、RAM12bに蓄積された、これまでの現実位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、自車両V1との今後の位置関係を予測することで、今後表示範囲50内となるか否かを予測する。例えば、予測部103は、自車両V1に近づく方向へ走行している他車両V2については、今後表示範囲50内となると予測し、自車両V1から遠ざかる方向へ走行している他車両V2については、今後表示範囲50内とならないと予測する。なお、予測では、上記の情報から予測した今後の他車両V2の位置に対し、さらに自車両V1のナビゲーション装置100の地図情報を用いて公知の適宜のマップマッチング補正をかけて補正した位置をもって、自車両V1との今後の位置関係を予測してもよい。
推定部104(第1推定手段に相当)は、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、RAM12bに蓄積された、これまでの現実位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、現在位置を公知の適宜の手法により推定し、対応する推定位置情報を生成する。具体的には、推定部104は、処理負荷等を考慮し、予測部103により今後表示範囲50内となると予測された他車両V2及び予測部103により今後表示範囲50内となるともならないとも予測された他車両V2(以下適宜、「予測部103により今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等」と略記する)に関してのみ、現在位置の推定を行って、予測部103により今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては、現在位置の推定を行わない。なお、推定部104は、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に関してのみ現在位置の推定を行って、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては現在位置の推定を行わない場合に限られるものではない。すなわち、推定部104は、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等の現在位置の推定を、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2よりも優先的に行うようにしてもよい。例えば、所定数の他車両V2まで現在位置の推定を行うと設定しておき、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等が所定数未満であった場合に、推定部104は、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に加え、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2の現在位置の推定を行うようにしてもよい。あるいは、推定部104は、予測部103の予測結果によらず、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、現在位置の推定を行ってもよく、推定部104がこのような処理を行う場合、予測部103は不要となる。但し、説明の便宜上、以下では、推定部104が、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に関してのみ、現在位置の推定を行って、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては、現在位置の推定を行わない場合について説明する。
表示制御部105(表示制御手段に相当)は、グラフィックコントローラ13を制御し、推定部104により現在位置が推定された他車両V2に関し、推定された推定位置が表示範囲50外にある間は、電子地図EM上への推定位置の描画を開始させず、推定位置が表示範囲50内に到達するときに、生成された推定位置情報に基づき、電子地図EM上への推定位置の描画を開始させ、第2表示態様でディスプレイ2に表示を開始させる。
図5〜図10は、自車両V1及び他車両V2の移動に伴う、自車両V1のディスプレイ2の表示内容の推移を表す説明図である。なお、これら図5〜図10では、図示の煩雑を避けて理解を容易とするために、情報を送信している他車両V2を1台としている。
図5(a)には、自車両V1が、図中上下方向に沿った道路R1を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、上記道路R1と交差する図中左右方向に沿った道路R2を図中右側に向かって走行している状況を示している。図5(a)に示す状況では、自車両V1は、送受信部151により他車両V2から情報が受信されることで、取得部102により他車両V2の現在位置情報が取得されており、また他車両V2は表示範囲50外に存在している。この図5(a)に示す状況の時点では、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、上記取得された現実位置情報に基づく他車両V2の現実位置の描画は行われない。
この場合、図5(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、他車両V2の現実位置を示すマークは表示されず、自車両V1の現実位置を示すマークM1のみが表示される。
上記図5(a)に示す状況よりも少し後の状況を示す図6(a)には、自車両V1が、道路R1の上記図5(a)に示す位置よりも少し図中上側を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、道路R2の上記図5(a)に示す位置よりも少し図中右側を図中右側に向かって走行している状況を示している。図6(a)に示す状況では、自車両V1は、送受信部151による他車両V2からの情報の受信が途切れることで、取得部102による他車両V2の現在位置情報の取得が途切れており、また他車両V2は表示範囲50外に存在している。この図6(a)に示す状況の時点では、予測部103により他車両V2が今後表示範囲50内となると予測され、推定部104により他車両V2の現在位置の推定が行われるが、推定された他車両V2の推定位置が表示範囲50外となるため、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、他車両V2の推定位置の描画は行われない。
この場合、図6(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、他車両V2の推定位置を示すマークは表示されず、自車両V1の現実位置を示すマークM1のみが更新表示される。
上記図6(a)に示す状況よりも少し後の状況を示す図7(a)には、自車両V1が、道路R1の上記図6(a)に示す位置よりも少し図中上側を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、道路R2の上記図6(a)に示す位置よりも少し図中右側を図中右側に向かって走行している状況を示している。図7(a)に示す状況でも、自車両V1は、送受信部151による他車両V2からの情報の受信が途切れたままで再開されないことで、取得部102による他車両V2の現在位置情報の取得が途切れたままで再開されておらず、また他車両V2は表示範囲50外に存在している。この図7(a)に示す状況の時点でも、予測部103により他車両V2が今後表示範囲50内となると予測され、推定部104により他車両V2の現在位置の推定が行われるが、推定された他車両V2の推定位置が表示範囲50外となるため、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、他車両V2の推定位置の描画は行われない。
この場合、図7(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、他車両V2の推定位置を示すマークは表示されず、自車両V1の現実位置を示すマークM1のみが更新表示される。
上記図7(a)に示す状況よりも少し後の状況を示す図8(a)には、自車両V1が、道路R1の上記図7(a)に示す位置よりも少し図中上側を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、道路R2の上記図7(a)に示す位置よりも少し図中右側を図中右側に向かって走行している状況を示している。図8(a)に示す状況でも、自車両V1は、送受信部151による他車両V2からの情報の受信が途切れたままで再開されないことで、取得部102による他車両V2の現在位置情報の取得が途切れたままで再開されておらず、また他車両V2は表示範囲50内に到達している。この図8(a)に示す状況の時点では、推定部104により他車両V2の現在位置の推定が行われ、推定された他車両V2の推定位置が表示範囲50内に到達しているため、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、他車両V2の推定位置の描画が開始される。
この場合、図8(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、他車両V2の推定位置を示すマークM2′の表示が開始されると共に、自車両V1の現実位置を示すマークM1が更新表示される。
上記図8(a)に示す状況よりも少し後の状況を示す図9(a)には、自車両V1が、道路R1の上記図8(a)に示す位置よりも少し図中上側を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、道路R2の上記図8(a)に示す位置よりも少し図中右側を図中右側に向かって走行している状況を示している。図9(a)に示す状況でも、自車両V1は、送受信部151による他車両V2からの情報の受信が途切れたままで再開されないことで、取得部102による他車両V2の現在位置情報の取得が途切れたままで再開されておらず、また他車両V2は表示範囲50内に存在している。この図9(a)に示す状況の時点では、推定部104により他車両V2の現在位置の推定が行われ、推定された他車両V2の推定位置が表示範囲50内にあるため、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、他車両V2の推定位置の描画が行われている。
この場合、図9(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、他車両V2の推定位置を示すマークM2′が更新表示されると共に、自車両V1の現実位置を示すマークM1が更新表示される。
上記図9(a)に示す状況よりも少し後の状況を示す図10(a)には、自車両V1が、道路R1の上記図9(a)に示す位置よりも少し図中上側を図中上側に向かって走行していると共に、他車両V2が、道路R2の上記図9(a)に示す位置よりも少し図中右側を図中右側に向かって走行している状況を示している。図10(a)に示す状況では、自車両V1は、送受信部151による他車両V2からの情報の受信が再開されることで、取得部102による他車両V2の現在位置情報の取得が再開されており、また他車両V2は表示範囲50内に存在している。この図9(a)に示す状況の時点では、グラフィックコントローラ13による電子地図EM上への、それまで行われていた他車両V2の推定位置の描画に代え、上記取得された現実位置情報に基づく他車両V2の現実位置の描画が行われる。
この場合、図10(b)に示す例のように、ディスプレイ2に表示された電子地図EM上には、それまで表示されていた他車両V2の推定位置を示すマークM2′に代え、他車両V2の現実位置を示すマークM2が表示されると共に、自車両V1の現実位置を示すマークM1が更新表示される。
図11〜図13は、上記手法を実現するために、自車両V1のナビゲーション装置100におけるCPU11が記憶装置12に記憶されたナビゲーションプログラムにより実行するナビゲーション方法の制御手順例を示すフローチャートである。なお、これら図11〜図13では、図示の煩雑を避けて理解を容易とするために、他車両V2が1台のみ存在する場合について説明する。但し、他車両V2が複数台存在する場合は、以下で説明する処理を各他車両V2ごとに実行する等により適用可能である。
図11〜図13において、このフローに示す処理は、例えば自車両V1のナビゲーション装置100の電源が投入された場合(言い換えれば、自車両V1のエンジンがONにされた場合)に開始される。
まず、ステップS10で、CPU11は、表示制御部105の機能により、グラフィックコントローラ13を制御し、記憶媒体12cに記憶された地図情報に基づき、電子地図EMを描画させ、ディスプレイ2に表示させる。そして、CPU11は、表示制御部105の機能により、グラフィックコントローラ13を制御し、GPS8から入力された自車両V1の現実位置情報に基づき、電子地図EM上に自車両V1の現実位置を描画させ、ディスプレイ2に表示させる。なお、このステップS10の処理は、所定の時間間隔ごとに繰り返し行われる。
その後、ステップS20に移り、CPU11は、他車両V2における送受信部251から無線通信を介して送信された情報(車両ID及び現実位置情報を少なくとも含む。なお、車両ID及び現実位置情報に加え速度情報、走行方位情報、加減速情報等の挙動情報を含む場合もある)が、通信装置14におけるCPU16の送受信部151の機能により無線通信を介して受信され、当該情報を通信装置14から入力したか否かを判定する。他車両V2からの情報を通信装置14から入力した場合には、ステップS20の判定が満たされて(S20:YES)、ステップS40に移る。
ステップS40では、CPU11は、上記ステップS20で入力された情報に含まれる車両IDと同一の車両IDがRAM12bに記憶されているか否かを判定することで、他車両V2から情報が受信されたのが最初であるか否かを判定する。上記ステップS20で入力された情報に含まれる車両IDと同一の車両IDがRAM12bに記憶されていない場合には、他車両V2から情報が受信されたのが最初であるとみなされ、ステップS40の判定が満たされて(S40:YES)、ステップS50に移る。
ステップS50では、CPU11は、取得部102の機能により、上記ステップS20で入力された情報から、他車両V2の車両ID及び現実位置情報を少なくとも取得する(挙動情報がある場合には挙動情報も取得する)。
そして、ステップS60で、CPU11は、上記ステップS50で取得された車両ID及び現実位置情報を(挙動情報も取得された場合には挙動情報も)、RAM12bへ新規記録する。
その後、ステップS70に移り、CPU11は、RAM12bから、上記ステップS60で新規記録された現実位置情報を取得する。
そして、ステップS80で、CPU11は、上記ステップS70で取得された現実位置情報に基づく他車両V2の現実位置が、表示範囲50内にあるか否かを判定する。他車両V2の現実位置が表示範囲50内にある場合には、ステップS0の判定が満たされて(S80:YES)、ステップS90に移る。
ステップS90では、CPU11は、表示制御部105の機能により、グラフィックコントローラ13を制御し、上記ステップS70で取得された現実位置情報に基づき、電子地図EM上に他車両V2の現実位置を描画させ、第1表示態様でディスプレイ2に表示させる。その後、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS80において、他車両V2の現実位置が表示範囲50外にある場合には、ステップS80の判定は満たされず(S80;NO)、上記ステップS90をスキップして上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。
また一方、上記ステップS20において、他車両V2からの情報を通信装置14から入力していない場合には、ステップS20の判定は満たされず(S20:NO)、ステップS100に移る。
ステップS100では、CPU11は、RAM12bに記録された他車両V2の最新の位置情報に係る時刻(最新の位置情報が現実位置情報である場合には、上記ステップS20での当該現実位置情報を含む情報の受信時刻。最新の位置情報が推定位置情報である場合には、後述のステップS120での当該推定位置情報の生成時刻)と現在時刻とに基づき、当該最新の位置情報が上記ステップS50又はステップS140で取得(当該位置情報が現実位置情報の場合)若しくは後述のステップS120で生成(当該位置情報が推定位置情報の場合)されてから所定期間が経過したか否かを判定する。最新の位置情報が取得若しくは生成されてから所定期間が経過していない場合(最新の位置情報が現実位置情報の場合には、現実位置情報の取得が途切れていない場合に相当)には、ステップS100の判定は満たされず(S100:NO)、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。なお、RAM12bに他車両V2の位置情報が記録されていない場合、つまり他車両V2からの情報の受信が開始されていない場合にも、ステップS100の判定は満たされず(S100:NO)、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、最新の位置情報が取得若しくは生成されてから所定期間が経過した場合(最新の位置情報が現実位置情報の場合には、現実位置情報の取得が途切れた場合に相当)には、ステップS100の判定が満たされて(S100:YES)、ステップS110に移る。なお、最新の位置情報に基づく他車両V2の現在位置が表示範囲50内にある場合には、後述のステップS120に移る。
ステップS110では、CPU11は、予測部103の機能により、RAM12bに蓄積された他車両V2のこれまでの位置情報を用いて(挙動情報がある場合には挙動情報も用いて)、他車両V2が今後表示範囲50内となるか否かを予測する。他車両V2が今後表示範囲50内とならないと予測された場合(S110:NO)には、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、他車両V2が今後表示範囲50内となると予測された場合(S110:YES)には、ステップS120に移る。なお、推定部104が、予測部103の予測結果によらず、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、現在位置の推定を行うようにする場合には、このステップS110の手順は省略される。
ステップS120では、CPU11は、推定部104の機能により、RAM12bに蓄積された他車両V2のこれまでの位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、他車両V2の現在位置を推定し、対応する推定位置情報を生成する。
その後、ステップS130に移り、CPU11は、上記ステップS120で生成された推定位置情報を、RAM12bへ追加記録する。その後、後述のステップS160に移る。
一方、上記ステップS40において、上記ステップS20で入力された情報に含まれる車両IDと同一の車両IDがRAM12bに記憶されている場合には、他車両V2から情報が受信されたのが2回目以降であるとみなされ、ステップS40の判定は満たされず(S40:NO)、ステップS140に移る。
ステップS140では、CPU11は、取得部102の機能により、上記ステップS20で入力された情報から、他車両V2の車両ID及び現実位置情報を少なくとも取得する(挙動情報がある場合には挙動情報も取得する)。
そして、ステップS150で、CPU11は、上記ステップS140で取得された車両ID及び現実位置情報を(挙動情報も取得された場合には挙動情報も)、RAM12bへ追加記録する。
その後、ステップS160に移り、CPU11は、RAM12bから、最新の位置情報を取得する。
そして、ステップS170で、CPU11は、上記ステップS160で取得された位置情報に基づく他車両V2の現在位置(位置情報が現実位置情報である場合には現実位置。位置情報が推定位置情報である場合には推定位置)が、表示範囲50内にあるか否かを判定する。他車両V2の現在位置が表示範囲50内にある場合(他車両V2の現在位置が表示範囲50内に到達した場合も含む)には、ステップS170の判定が満たされて(S170:YES)、ステップS180に移る。
ステップS180では、CPU11は、上記ステップS160で取得された位置情報が推定位置情報であったか否かを判定する。上記ステップS160で取得された位置情報が推定位置情報であった場合には、ステップS180の判定が満たされて(S180:YES)、ステップS190に移る。
ステップS190では、CPU11は、表示制御部105の機能により、グラフィックコントローラ13を制御し、上記ステップS160で取得された推定位置情報に基づき、電子地図EM上に他車両V2の推定位置を描画させ、第2表示態様でディスプレイ2に表示させる(電子地図EM上への他車両V2の推定位置の描画を開始させ、第2表示態様でディスプレイ2に表示を開始させる場合も含む)。その後、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS180において、上記ステップS160で取得された位置情報が現実位置情報であった場合には、ステップS180の判定は満たされず(S180:NO)、ステップS200に移る。
ステップS200では、CPU11は、表示制御部105の機能により、グラフィックコントローラ13を制御し、上記ステップS160で取得された現実位置情報に基づき、電子地図EM上に他車両V2の現実位置を描画させ、第1表示態様でディスプレイ2に表示させる。その後、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS170において、他車両V2の現在位置が表示範囲50外にある場合には、ステップS170の判定は満たされず(S170:NO)、上記ステップS180及びステップS190(又はステップS200)をスキップして上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。
なお、このフローに示す処理は、例えば自車両V1の車載装置100の電源が切断された場合(言い換えれば、自車両V1のエンジンがOFFにされた場合)に終了される。
また、以上説明した図11〜図13において、ステップS50及びステップS140の手順が、取得手順に相当する。また、ステップS60及びステップS160の手順が、蓄積手順に相当する。また、ステップS120の手順が、推定手順に相当する。また、ステップS190の手順が、表示制御手順に相当する。
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置100は、無線通信を介して受信された情報から他車両V2(他の移動体に相当)の現実位置情報(位置情報に相当)を取得する取得部102(第1取得手段に相当)と、取得部102により取得された現実位置情報を蓄積するRAM12b(第1蓄積手段に相当)と、ディスプレイ2(表示手段に相当)による電子地図EM(地図に相当)の表示範囲50外に存在する他車両V2に関し取得部102による現実位置情報の取得が途切れた場合に、RAM12bに蓄積された現実位置情報を用いて他車両V2の現在位置を推定する推定部104(第1推定手段に相当)と、推定部104により推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づく他車両V2の推定位置(現在位置に相当)が表示範囲50内に到達するときに、推定部104により推定された推定位置情報に基づき他車両V2の推定位置の表示を開始するように、ディスプレイ2を制御する表示制御部105(表示制御手段に相当)と、を有する。
また、本実施形態のナビゲーション方法は、無線通信を介して受信された情報から他車両V2(他の移動体に相当)の現実位置情報(位置情報に相当)を取得する手順と、取得された現実位置情報を蓄積する手順と、ディスプレイ2(表示手段に相当)による電子地図EM(地図に相当)の表示範囲50外に存在する他車両V2に関し現実位置情報の取得が途切れた場合に、蓄積された現実位置情報を用いて他車両V2の現在位置を推定する手順と、推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づく他車両V2の推定位置(現在位置に相当)が表示範囲50内に到達するときに、推定された推定位置情報に基づき他車両V2の推定位置の表示を開始するように、表示制御する手順と、を有する。
また、本実施形態のナビゲーションプログラムは、無線通信を介して受信された情報から他車両V2(他の移動体に相当)の現実位置情報(位置情報に相当)を取得する手順と、取得された現実位置情報を蓄積する手順と、ディスプレイ2(表示手段に相当)による電子地図EM(地図に相当)の表示範囲50外に存在する他車両V2に関し現実位置情報の取得が途切れた場合に、蓄積された現実位置情報を用いて他車両V2の現在位置を推定する手順と、推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づく他車両V2の推定位置(現在位置に相当)が表示範囲50内に到達するときに、推定された推定位置情報に基づき他車両V2の推定位置の表示を開始するように、表示制御する手順と、をCPU11(コンピュータに相当)に実行させる。
本実施形態では、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、取得部102が現実位置情報を少なくとも1回取得した後、通信状況の悪化により現実位置情報の取得が途切れた場合に、推定部104が現在位置を推定する。そして、当該他の移動体に関し、現実位置情報の取得が再開されない間は現在位置の推定が継続され、推定された推定位置情報に基づく推定位置が表示範囲50内に到達するときに、ディスプレイ2が表示制御部105の制御により当該推定位置の表示を開始する。
以上のように、本実施形態では、現実位置情報が少なくとも1回取得された後、通信状況の悪化により現実位置情報の取得が途切れた、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、現実位置情報の取得が再開されない場合でも、推定位置が表示範囲50内となるときに、当該推定位置をディスプレイ2に表示させることができる。これにより、表示範囲50外に存在する他車両V2が、表示範囲50内(言い換えれば、ユーザの近く)になったにも拘わらず、当該他車両V2の現在位置が表示されないという不具合を抑えることができる。この結果、ユーザが、表示範囲50内(言い換えれば、自分の近く)に他車両V2が存在するにも拘わらず、当該他車両V2の存在に気付かなかったり、当該他車両V2が存在しないと誤認識するのを抑えることができる。したがって、事故の危険性を低減でき、安全性を高めることができる。
また、上記ナビゲーション装置100においては、表示範囲50外に存在する他車両V2に関しRAM12bに蓄積された位置情報に基づき、表示範囲50外に存在する他車両V2が今後表示範囲50内となるか否かを予測する予測部103(予測手段に相当)をさらに有し、推定部104は、予測部103により今後表示範囲50内となると予測された他車両V2の現在位置の推定を行う。
これにより、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2の現在位置の推定のみを行ったり(言い換えれば、今後表示範囲50内となると予測されなかった他車両V2の現在位置の推定を行わなかったり)、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2の現在位置の推定を、今後表示範囲50内となると予測されなかった他車両V2の現在位置の推定よりも優先的に行うことで、推定部104の処理負担を軽減できる。
また、上記ナビゲーション装置100においては、推定部104は、予測部103により今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2の現在位置の推定を行わない。
これにより、推定部104の処理負担を軽減できる。
また、上記ナビゲーション装置100においては、表示制御部105は、推定部104により推定された推定位置情報に基づく他車両V2の推定位置を、取得部102により取得された現実位置情報に基づく他車両V2の現実位置(現在位置に相当)と異なる表示態様で表示するように、ディスプレイ2を制御する。
これにより、ユーザは、ディスプレイ2に表示された他車両V2の現在位置の表示が、推定された推定位置情報に基づく推定位置であるのか、若しくは、取得された現実位置情報に基づく現実位置であるのかを、視覚的に認識できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
(1)通信装置側で現在位置の推定を行う場合
すなわち、前述の図4に対応する図14に示すように、本変形例の通信装置14の制御部15′は、送受信部151、取得部152、予測部153、推定部154、及び出力部155を備える。
送受信部151は、上記実施形態で説明した機能と同様の機能を有する。本変形例では、送受信部151が、受信手段に相当する。
取得部152(第2取得手段に相当)は、送受信部151により受信された情報から、当該情報に車両IDが含まれる各他車両V2ごとに、現実位置情報を少なくとも取得する。なお、送受信部151により、車両ID及び現実位置情報に加え挙動情報を含む情報が受信された場合には、取得部152は、送受信部151により受信された情報から、当該情報に車両IDが含まれる各他車両V2ごとに、現実位置情報に加え挙動情報を取得してもよい。この取得部152により取得された情報は、前述のRAM17bに記憶され、蓄積される。本変形例では、RAM17bが、第2蓄積手段に相当する。
予測部153は、既に1回又は複数回の情報の受信が行なわれ、かつそのうちの最新の情報に含まれる現実位置情報に基づく現実位置が表示範囲50外にある、つまり表示範囲50外に存在する他車両V2について、その現在位置を把握する。そして、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し情報の受信が途切れた場合に、予測部153は、RAM17bに蓄積された、これまでの現実位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、自車両V1との今後の位置関係を予測することで、今後表示範囲50内となるか否かを予測する。
推定部154(第2推定手段に相当)は、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、RAM12bに蓄積された、これまでの現実位置情報を用いて(挙動情報がある場合は挙動情報も用いて)、現在位置を公知の適宜の手法により推定し、対応する推定位置情報を生成する。具体的には、推定部154は、処理負荷等を考慮し、予測部153により今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に関してのみ、現在位置の推定を行って、予測部153により今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては、現在位置の推定を行わない。なお、推定部154は、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に関してのみ現在位置の推定を行って、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては現在位置の推定を行わない場合に限られるものではない。すなわち、推定部154は、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等の現在位置の推定を、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2よりも優先的に行うようにしてもよい。あるいは、推定部154は、予測部153の予測結果によらず、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、情報の受信が途切れることで現実位置情報の取得が途切れた場合に、現在位置の推定を行ってもよく、推定部154がこのような処理を行う場合、予測部153は不要となる。但し、説明の便宜上、以下では、推定部154が、今後表示範囲50内となると予測された他車両V2等に関してのみ、現在位置の推定を行って、今後表示範囲50内とならないと予測された他車両V2に関しては、現在位置の推定を行わない場合について説明する。
出力部155(出力手段に相当)は、推定部154により現在位置が推定された他車両V2に関し、推定された推定位置が表示範囲50外にある間は、生成された推定位置情報を本変形例のナビゲーション装置100の制御部10′へ出力せず、推定位置が表示範囲50内に到達するときに、生成された推定位置情報をナビゲーション装置100の制御部10′へ出力する。
また、本変形例のナビゲーション装置100の制御部10′表示制御部105′を備える。
表示制御部105′は、グラフィックコントローラ13を制御し、出力部155から入力された推定位置情報に基づき、推定位置が表示範囲50内に到達するときに、電子地図EM上への推定位置の描画を開始させ、前述の第2表示態様でディスプレイ2に表示を開始させる。本変形例では、表示制御部105′が、表示制御手段に相当する。
以上説明したように、本変形例の通信装置14は、ナビゲーション装置100と情報送受信可能に接続された通信装置であって、無線通信を介して情報を受信する送受信部151(受信手段に相当)と、送受信部151により受信された情報から他車両V2(他の移動体に相当)の現実位置情報(位置情報に相当)を取得する取得部152(第2取得手段に相当)と、取得部152により取得された現実位置情報を蓄積するRAM17b(第2蓄積手段に相当)と、ディスプレイ2(表示手段に相当)による電子地図EM(地図に相当)の表示範囲50外に存在する他車両V2に関し取得部152による現実位置情報の取得が途切れた場合に、RAM17bに蓄積された現実位置情報を用いて他車両V2の現在位置を推定する推定部154(第2推定手段に相当)と、推定部154により推定された推定位置情報(位置情報に相当)に基づく他車両V2の推定位置(現在位置に相当)が表示範囲50内に到達するときに、ナビゲーション装置100が推定部154により推定された推定位置情報に基づきディスプレイ2による他車両V2の推定位置の表示を開始するように、推定部154により推定された推定位置情報をナビゲーション装置100へ出力する出力部155(出力手段に相当)と、を有する。
本変形例の通信装置14は、ナビゲーション装置100と情報送受信可能に接続されている。そして、通信装置14では、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、取得部152が現実位置情報を少なくとも1回取得した後、通信状況の悪化により現実位置情報の取得が途切れた場合に、推定部154が現在位置を推定する。そして、当該他車両V2に関し、現実位置情報の取得が再開されない間は現在位置の推定が継続され、推定された推定位置情報に基づく推定位置が表示範囲50内に到達するときに、出力部155が当該推定位置情報をナビゲーション装置10へ出力することで、ナビゲーション装置100がディスプレイ2による当該推定位置の表示を開始する。
以上のように、本変形例では、現実位置情報が少なくとも1回取得された後、通信状況の悪化により現実位置情報の取得が途切れた、表示範囲50外に存在する他車両V2に関し、現実位置情報の取得が再開されない場合でも、推定位置が表示範囲50内となるときに、推定位置をディスプレイ2に表示させることができる。これにより、表示範囲50外に存在する他車両V2が、表示範囲50内(言い換えれば、ユーザの近く)になったにも拘わらず、当該他車両V2の現在位置が表示されないという不具合を抑えることができる。この結果、ユーザが、表示範囲50内(言い換えれば、自分の近く)に他車両V2が存在するにも拘わらず、当該他車両V2の存在に気付かなかったり、当該他車両V2が存在しないと誤認識するのを抑えることができる。したがって、事故の危険性を低減でき、安全性を高めることができる。
(2)その他
以上では、通信装置14及びナビゲーション装置100が車両に搭載されている場合を例にとって説明したが、これに限られず、通信装置及びナビゲーション装置は、車両以外の移動体(例えば航空機や船舶、人間等)や移動しない設備に保持されてもよい。また、以上では、車両の位置情報を取得して現在位置を表示する場合を例にとって説明したが、これに限られず、車両以外の移動体(例えば航空機や船舶、人間、人間以外の動物等)の位置情報を取得して現在位置を表示してもよい。
なお、図11〜図13に示すフローチャートは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。