JP2014525471A - 咳および咳発作の治療 - Google Patents
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Abstract
本発明は、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するための、アニオンAn−、ここでAn−は、薬学的に許容される酸のアニオンである、を有する塩の形態のカルカイニウムを対象とする。
Description
本願は、参照により組み込まれる2011年9月6日付けで出願された米国特許出願第61/531,432号からの優先権を主張する。
背景技術
咳は、患者が医療の助けを求める最も一般的な呼吸器系の不調である。咳は、肺炎、風邪、流感などの多種多様のウイルスまたは細菌感染や、喘息、肺気腫、肺癌などの数種の基礎疾患に付随することから、咳は医療業務において極めて一般的な問題である。
咳は、患者が医療の助けを求める最も一般的な呼吸器系の不調である。咳は、肺炎、風邪、流感などの多種多様のウイルスまたは細菌感染や、喘息、肺気腫、肺癌などの数種の基礎疾患に付随することから、咳は医療業務において極めて一般的な問題である。
咳は、気管および気管支の機械的および化学的な刺激に対する自然な応答である。咳の生理学的な役割は、外来物質の吸引または呼吸道(respiratory tract)内の過剰な分泌物を防ぎ、このような物質または分泌物または滲出物を気管および気管支から排除することである。
現在の咳治療薬のほとんどは、限られた有効性しかない。比較的高い有効性を有し得るものは、重篤な副作用のために限定的である。市販の薬剤が複数あるが、これらの薬剤のほとんどは眠気、倦怠感、胃腸障害などの二次的な望ましくない症状を引き起こし、これらの薬剤のうちいくつか、例えばコデインなどは中毒性もある。
急性で重度の咳のエピソード(episode)は、短時間しか続かないことが多いが、それでもなお極めて厄介な場合がある。しかしながら、(厄介な形態では8週間よりも長く続く)慢性的な咳の状態は、重篤な衰弱性の状態であり、人口の約14%が影響を受けていると推定される。それにより、罹患している多くの人々の生活の質は悪影響を受ける。
10年以上前に初めて、塩化カルカイニウム(carcainium)は、咳の治療および/または予防において有用な可能性があると提唱された。そのため1999年に出願されたUS6,362,197では、塩化カルカイニウムはこの活性を有する可能性があることが述べられていた。その結論は、クエン酸のエアロゾルにより咳を誘導した動物モデルで行われた実験に基づいていた。US6,362,197では、ヒトでの咳治療における効能を示す臨床データは何も示されなかった。それどころかこの文書は、ヒトでの臨床的効能は、動物モデルからの結果に基づいて達成されるであろうと単に推測したにすぎない。
最初に鎮咳薬として塩化カルカイニウムが主張されたとき、その構造が公知の局所麻酔薬に類似していることに注目された。その時点では、何らかの鎮咳活性は、局所麻酔薬としての活性が介在すると推測された。従って予想される副作用は、局所的な中咽頭のしびれ(oropharyngeal numbing)、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失であった。
US6,362,197が出願された直後、その文書で立てられた推測は正しくないことが明らかになった。そのため2000年12月15日付けのNortran Pharmaceuticals Inc.による報道発表では、健康なヒト志願者に塩化カルカイニウムを用いた第II相臨床試験の結果が報告された。この臨床試験は、盲検プラセボ対照交差試験であり、この試験での主要評価項目は、塩化カルカイニウムが被検体において咳を誘導するのに必要な刺激原の量を高める可能性があるのかどうかを決定することであった。
この臨床試験から明らかに、US6,362,197で立てられた推測に反して、塩化カルカイニウムは、咳を抑止する統計学的に有意な能力はないことが証明された。これらの臨床試験結果はすぐに当業界で知れ渡った。2000年から、塩化カルカイニウムがヒトの咳の治療において臨床的効能を有さないということは、この分野での共通の一般的認識である。
発明の概要
本発明は、2000年から広く受け入れられた理解に反して、カルカイニウム塩は、実際にはヒトにおいて有効な咳の治療法を提供できることを見出した。この結論は、塩化カルカイニウムが、間質性肺疾患を患う患者における咳の治療および/または抑制において統計学的に有意な治療効果を有することが認められる新しい臨床試験に基づく。
本発明は、2000年から広く受け入れられた理解に反して、カルカイニウム塩は、実際にはヒトにおいて有効な咳の治療法を提供できることを見出した。この結論は、塩化カルカイニウムが、間質性肺疾患を患う患者における咳の治療および/または抑制において統計学的に有意な治療効果を有することが認められる新しい臨床試験に基づく。
本発明はさらに、カルカイニウム塩の鎮咳活性は、局所麻酔活性が介在しないことを見出している。従って、臨床試験の結果から、カルカイニウム塩は、ヒト患者において、カルカイニウム塩が局所麻酔活性を示さない投与量で、鎮咳薬としての効能を示すことが実証される。これは極めて重要である。これは、カルカイニウム塩は、局所麻酔薬使用に特徴的な局所的な副作用を起こさずに、患者において鎮咳剤として作用し得ることを意味する。このような副作用としては、局所的な中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失がある。
従って、本発明は、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムであって、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、前記カルカイニウム塩は、患者における咳、咳発作(tussive attack)または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものである、カルカイニウムを対象とする。
本発明はさらに、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制のための医薬の製造における、アニオンAn−、ここでAn−は、薬学的に許容される酸のアニオンである、を有する塩の形態のカルカイニウムの使用を提供する。
本発明はさらに、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制方法であって、前記患者に、アニオンAn−、ここでAn−は、薬学的に許容される酸のアニオンである、を有する塩の形態のカルカイニウムの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
本発明はさらに、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムを含む吸入用組成物(inhalable composition)を提供し、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本組成物は、乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルであり、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
本発明はさらに、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムを含む吸入用組成物を提供し、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本組成物は、乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルであり、前記エアロゾル中に存在する粒子は、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するために、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
本発明はさらに、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制のための医薬の製造における、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムを含む吸入用組成物の使用を提供し、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本組成物は、乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルであり、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
本発明はさらに、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制方法を提供し、本方法は、前記患者に、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムを含む吸入用組成物の治療有効量を投与することを含み、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本組成物は、乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルであり、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
本発明はさらに、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムの乾燥粉末を含む乾燥粉末吸入器(inhaler)または定量吸入器を提供し、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本吸入器は、カルカイニウム塩の乾燥粉末エアロゾルを送達し、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
本発明はさらに、アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムの溶液を含む電動式ネブライザーを提供し、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、本ネブライザーは、カルカイニウム塩の溶液をエアロゾル化してエアロゾルにし、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
発明の詳細な説明
カルカイニウムは、N,N−ビス−(フェニルカルバモイルメチル)ジメチルアンモニウムという化合物であり、アニオンAn−を有する塩の形態で使用され、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンである。従ってカルカイニウム塩は、以下の化学構造を有する。
カルカイニウムは、N,N−ビス−(フェニルカルバモイルメチル)ジメチルアンモニウムという化合物であり、アニオンAn−を有する塩の形態で使用され、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンである。従ってカルカイニウム塩は、以下の化学構造を有する。
薬学的に許容される酸は、典型的には、塩酸、臭化水素酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸)、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、イセチオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、乳酸または酢酸であり、好ましくは塩酸および臭化水素酸であり、最も好ましくは塩酸である。
カルカイニウム塩は、好ましくは塩化物塩であり、N,N−ビス−(フェニルカルバモイルメチル)ジメチルアンモニウムクロリドまたは塩化カルカイニウムという化合物である。塩化カルカイニウムは、以下の化学構造を有する。
典型的には、カルカイニウム塩は、乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルとして送達される。乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルは、好ましくは約3μmから約10μm、より好ましくは約4μmから約5.5μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する粒子を有する。当業者であれば理解するであろうが、カルカイニウム塩が霧状化したエアロゾルとして送達される場合、粒径についての言及は、エアロゾルの液滴のMMADを定めている。空気動力学的質量中央径(MMAD)は、レーザー回折などの当業者公知のあらゆる適切な技術によって測定することができる。このような粒度は、誘導気道(airway)および中枢気道への薬物の有効な送達にとって好ましい。
典型的には、カルカイニウム塩は、乾燥粉末として製剤化される。あるいは、カルカイニウム塩を溶液として製剤化し、続いてエアロゾル化することで、患者にエアロゾルの吸入により送達することもできる。従って、本発明の吸入用組成物は、好ましくはカルカイニウム塩溶液またはカルカイニウム塩の乾燥粉末である。
典型的には、カルカイニウム塩溶液は、ネブライザー、好ましくは電動式ネブライザーを用いて送達される。あるいはジェット式ネブライザーを用いてもよい。ネブライザーは、カルカイニウム塩溶液をエアロゾル化して、約3μmから約10μm、好ましくは約4μmから約5.5μmのMMADを有する粒子を含むエアロゾルにすることができる。電動式ネブライザーとしては、PARI(商標)eFlow電動式ネブライザー、DeVilbissのUltraNeb超音波ネブライザー、OmronのMicroAir NE−U22V電動式ネブライザー、またはAerogenのAerodose電動式ネブライザーが好ましい。電動式ネブライザー(例えばPARI(商標)eFlow電動式ネブライザー、またはDeVilbissのUltraNeb超音波ネブライザー)は、振動する穿孔膜を含むように改造されることがより好ましい。
典型的には、カルカイニウム塩溶液は、約1から約20mlの溶媒中に溶解させた約10から約200mgのカルカイニウム塩を含む。溶媒は、一般的に、生理食塩水または希釈食塩水である。生理食塩水は、0.9%(w/v)のNaClを含む水溶液を意味する。希釈食塩水は、通常の強度の20分の1から10分の9に希釈した生理食塩水である。
典型的には、カルカイニウム塩溶液は、貯蔵のために密封した低密度ポリエチレンバイアル中に滅菌条件下で包装されるか、または一方の成分には乾燥カルカイニウム塩または凍結乾燥カルカイニウム塩を含み、第二の成分には生理食塩水または希釈食塩水を含む2成分包装で包装される。
典型的には、カルカイニウム塩溶液は、特に吸入用に製剤化され、従って保存剤を含まないことが好ましい。例えば電動式ネブライザーで霧状にするのに適当なように、浸透圧(osmolality)、pH、および粘度を最適化することが好ましい。
典型的には、カルカイニウム塩溶液は、150〜550mOsm/kgの浸透圧、31〜300mMの浸透するアニオンのイオン濃度、5.5〜7.0のpH、および1.5センチポイズよりも低い粘度を有する。カルカイニウム塩の濃度は、食塩水1mlあたり5〜80mgであり、例えば食塩水1mlあたり10、40、または80mgである。食塩水以外に、二次的な副作用を引き起こす可能性がある他の保存剤は存在しないほうが好ましい。
霧状化した薬物を効果的に送達するためには、カルカイニウム塩溶液のpHの制御が重要である。薬物のエアロゾルが生理学的なpHよりも酸性または塩基性のいずれかである場合、患者は、気管支痙攣などの所定の副作用を経験する可能性がある。特に4.5未満のpHまたは8.5より高いpHの結果を有するエアロゾルは、いずれも、重度の気管支痙攣、憎悪した咳および炎症反応を併発する肺の刺激を引き起こす可能性が高い。従って好ましいpHは5.5から7.0である。
好ましくは、カルカイニウム塩溶液は、275〜300mOsm/kgの浸透圧と、5.5から7.0のpHとを有する。好ましくは、カルカイニウム塩溶液は、275および300mOsm/kgの浸透圧と、31mM〜300mMの濃度とを有する。より好ましくは、カルカイニウム塩溶液は、275〜300mOsm/kgの浸透圧と、5.5から7.0のpHと、31mM〜300mMの塩化物濃度とを有する。
典型的には、カルカイニウム塩の乾燥粉末は、乾燥粉末吸入器または定量吸入器を用いて送達される。
典型的には、乾燥粉末吸入器は、Clickhaler、Novolizer、Certihaler、Diskus、Multihaler、Gyrohaler(Vectura Group plc)、Aerolizer、HandihalerまたはTubospin(PH&T S.p.A.)、Acu−Breatheユニット(Respirics,Inc.)、Conix(Cambridge Consultants Limited)、Miat Monohaler(Cyclohaler)、Eclipse(Sanofi−Aventis)、e−flex(Microdrug AG)、Flowcaps(Hovione)、Prohaler(Valois Pharm)、DirectHaler(Trimel BioPharma)、Single Dose SDD(Manta technologies)、Monodose(Miat SpA)、TwinCaps(Hovione)、GenX(CCL)、SkyeHaler(SkyePharma)、EasyHaler(Orion Pharma)、またはTaifun(Akela Pharma Inc.)であり、好ましい乾燥粉末吸入器は、Clickhaler、Novolizer、Diskus、およびAerolizerである。
典型的には、定量吸入器は、Airomir、Ventolin HFA、QVAR、Atrovent HFAまたはClenil−HFAであり、好ましい定量吸入器は、Airomir、Ventolin HFA、およびQVARである。
典型的には、カルカイニウム塩の乾燥粉末は、磨砕、噴霧乾燥、流動噴霧乾燥、噴霧凝結、微粉化、制御結晶化、共結晶化、超音波アシスト結晶化(ultrasound assisted crystallization)、凍結乾燥または粒子降下により、約3.5μmから約10μm、好ましくは約4μmから約5.5μmの空気動力学的質量中央径を示す粒度を有する粉末に調製される。乾燥粉末組成物はさらに、ラクトース、リシンまたはロイシンなどの賦形剤を含んでいてもよい。
典型的には、咳、咳発作または咳のエピソードを治療および/または抑制する患者は、ヒトである。
上記で考察したように、カルカイニウム塩は、ヒト患者において、カルカイニウム塩が局所麻酔活性を示さない投与量で、鎮咳薬としての効能を示す。従って、本発明はまた、局所麻酔から独立したメカニズムによって作用する、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するための前記カルカイニウム塩も提供する。
本発明はまた、実質的な局所麻酔作用をまったく引き起こすことなく、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するための前記カルカイニウム塩も提供する。吸入した医薬における局所麻酔活性は、中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失などの副作用を引き起こす。従って、典型的には、前記カルカイニウム塩は、実質的な中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失をまったく引き起こすことなく、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものである。
典型的には、前記カルカイニウム塩は、気管支痙攣、中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失に罹患している患者またはそれらに感受性の高い患者における、より典型的には中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失に罹患している患者またはそれらに感受性の高い患者における、咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものである。カルカイニウム塩は、このような患者において、また本発明に係る低い全身性の副作用のために特に有効である。
典型的には、前記カルカイニウム塩は、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものであり、前記塩は、(a)外科的または侵襲的手法において使用するため、または(b)慢性的な使用のためのものである。前記カルカイニウム塩を使用することができる好ましい外科的または侵襲的手法は、気管支鏡検査である。慢性的な使用は、典型的には、1日2回以上、例えば1日最大5回の前記カルカイニウム塩の投与か、あるいは1週間またはそれより長い期間にわたる、例えば2週間またはそれより長い期間にわたる1日1回または複数回の前記カルカイニウム塩の投与を意味する。
典型的には、カルカイニウム塩は、患者に送達された後のカルカイニウム塩の全身曝露が、ピーク血漿濃度によって測定した場合、800ng/ml未満、より好ましくは500ng/ml未満、より好ましくは100ng/ml未満、最も好ましくは70ng/ml未満になるように投与される。カルカイニウム塩の血漿濃度は、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)アッセイ法などの当業者公知のあらゆる適切な技術によって測定することができる。このような適切な方法の一つは、以下の実施例で説明される。
本発明により治療しようとする咳の原因は、特に限定されず、例えば、事実上全ての呼吸器系障害、例えば、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、呼吸道炎症、肺気腫、肺炎、肺癌、肺腫瘍、咽頭痛、風邪、インフルエンザ、呼吸道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、喫煙者の咳、慢性非湿性(non-productive)咳、腫瘍性の咳;胃食道逆流、刺激原の吸入、煙、スモッグ、粉塵、異物の存在、大気汚染またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法による咳、または上気道のウイルスもしくは細菌感染によって生じるまたはそれに関連する急性もしくは慢性の咳;またはその他の基礎疾患によって生じるまたはそれに関連する難治性の咳が挙げられる。
典型的には、基礎疾患は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、呼吸道炎症、肺気腫、肺炎、肺癌、肺腫瘍、咽頭痛、風邪、インフルエンザ、呼吸道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、胃食道逆流、喫煙者の咳、慢性非湿性咳、腫瘍性の咳であってもよいし、または上気道のウイルスもしくは細菌感染によって生じるまたはそれに関連する急性もしくは慢性の咳であってもよい。
あるいは、本発明により治療しようとする咳の原因は、間質性肺疾患であってもよい。その例において、咳、咳発作または咳のエピソードは、間質性肺疾患に起因する。間質性肺疾患は、間質、すなわち肺の空気嚢周辺の組織および空間、特に肺胞上皮、肺毛細管内皮、基底膜、血管周囲およびリンパ周囲組織に影響を及ぼす。
間質性肺疾患は、刺激原によって誘導される(例えばシリカ粉塵またはアスベストによる)間質性肺疾患であってもよいし、あるいは薬物によって誘導される(例えば抗生物質、化学療法薬、抗不整脈薬、またはスタチンによる)間質性肺疾患であってもよい。また間質性肺疾患は、結合組織疾患(例えば全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデスまたはリウマチ様関節炎)、感染症(例えば非定型肺炎、ニューモシスティス肺炎(PCP)、結核、クラミジア・トラコマチス(chlamydia trachomatis)または呼吸系発疹ウイルス)、あるいは悪性腫瘍(例えば癌性リンパ管症)に起因する間質性肺疾患であってもよい。また間質性肺疾患は、特発性の間質性肺疾患、例えばサルコイドーシス、特発性肺線維症、ハンマン−リッチ症候群、または抗合成酵素症候群に起因する特発性の間質性肺疾患であってもよい。
典型的には、カルカイニウム塩の投与は、薬物の実質的に全ての用量が具体的な標的領域、すなわち気管、気管分岐部、および気管支に送達されつつ、薬物が望ましくない局所的な副作用を引き起こす可能性がある、または薬物が体循環に比較的容易に侵入して望ましくない副作用を引き起こす可能性があるその他の領域への薬物の堆積が最小化されるようになされる。
上記で考察したように、誘導気道および中枢気道に薬物を有効に送達するには、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する粒子を含む乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルが好ましい。従ってカルカイニウム塩は、典型的には、患者の誘導気道および中枢気道を標的とする。中枢気道は、気管、気管分岐部、および気管支によって定義される呼吸道の部位である。気管分岐部とは、気管との接合部で左右の主気管支の開口部を隔てる隆起部を意味する。従って、典型的には、カルカイニウム塩が、気管支痙攣、中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失、気管の吸引反射の障害もしくは損失、または有害な副作用をもたらす全身曝露を引き起こさないように患者にカルカイニウム塩が送達される。
カルカイニウム塩投与の効能は、咳の緩和に必要な薬物の量、咳発作またはエピソードを抑制するのに必要な投与頻度、薬物の量を送達するのに必要な時間、ならびに具体的な標的領域、すなわち気管、気管分岐部、および気管支に堆積される薬物のパーセンテージ、加えてその他の領域での堆積がないことによって測定される。
患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に必要なカルカイニウム塩の治療的または予防的な用量の大きさは、治療される状態の重症度および性質と投与経路によって決まるであろう。また用量および投与頻度も、個々の患者の年齢、体重、および応答によって様々であろう。典型的には、1日用量は、患者の体重に基づいて決定される。1日用量は、好ましくは患者の体重に基づいて0.5〜5mg/kgであり、例えば約1.0mg/kgである。
典型的には、カルカイニウム塩の1日あたりの総用量は、約5mgから約300mgである。総用量は、単回投与で送達してもよいし、あるいは繰り返し投与で、例えば1日あたり最大5回で送達してもよいが、好ましくは単回投与として送達される。1日用量とは、1日で患者に投与される本発明の化合物の総量を意味する。
典型的には、1日用量は、約5mgから約300mgの1回分の計量された名目上の用量である。計量された名目上の用量とは、送達デバイスの計量チャンバー中に含まれる原体の分量を意味し、通常は作動1回あたりの分量として示される。
作動すると、デバイスから原体が出て、「送達される用量」(delivered dose)として患者が利用できるようになる。通常は、送達される用量は、デバイスの機構上、計量された名目上の用量よりも少ない。従って、吸入の場合、送達される用量とは、口で利用できる薬物の量である。送達される用量は、当業者公知の標準的な技術を用いて測定することができる。典型的には、送達される用量は、約4.5mgから約275mgである。
従って、本発明はまた、カルカイニウム塩の乾燥粉末を含む乾燥粉末吸入器または定量吸入器も提供し、本吸入器は、カルカイニウム塩の乾燥粉末エアロゾルを送達し、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有し、本吸入器は、(a)約5mg〜約300mgの計量された名目上の用量のカルカイニウム塩、および/または(b)約4.5mg〜約275mgの送達される用量のカルカイニウム塩が送達されるように構成される。
本発明はまた、カルカイニウム塩の溶液を含む電動式ネブライザーも提供し、本ネブライザーは、カルカイニウム塩の溶液をエアロゾル化してエアロゾルとし、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有し、本ネブライザーは、(a)約5mg〜約300mgの計量された名目上の用量のカルカイニウム塩、および/または(b)約4.5mg〜約275mgの送達される用量のカルカイニウム塩が送達されるように構成される。
患者の状態が改善したら、必要に応じてカルカイニウム塩の維持用量を投与してもよい。その後、症状に応じて、投与量もしくは投与頻度またはその両方を、改善された状態が保たれるレベルに減少させてもよい。症状が所望のレベルに軽減されたら、治療を止めるべきである。しかしながら、長期的には、疾患の症状がなんらかの再発をしたときに間欠的な治療が患者に必要な場合もある。
しかしながら、カルカイニウム塩の1日の総使用量は、健全な医療的判断の範囲内で担当医によって決定されるものと理解されるべきである。特定の患者のための任意の具体的な用量は、様々な要因、例えば、治療される障害および障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、および食事;用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路、および排出率;治療の持続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせて用いられる、またはそれと同時に用いられる薬物;および医療分野において周知の類似の要因に依存するであろう。
あらゆる適切な投与経路を用いて有効投与量の本発明の化合物を供給することができるが、吸入による投与が好ましく、エアロゾルの形態での投与が最も好ましい。適切な投与形態としては、これらに限定されないが、吸入(例えば定量吸入器、ジェット式ネブライザー、超音波ネブライザー、乾燥粉末吸入器などにより送達される)、鼻内噴霧、霧状化、経口投与、例えば錠剤、カプセル、ロゼンジ、シロップ、噴霧、懸濁液、エリキシル、うがい液、およびその他の液状製剤を介した経口投与、エアロゾルフォーム、非経口投与、および舌下投与が挙げられる。特に好ましくは吸入による肺への局所投与である。
本発明の組成物は、薬学的に許容されるキャリアーやその他の従来の添加剤を含んでいてもよく、このようなものとしては、水性キャリアー、共溶媒、例えばエチルアルコール、プロピレングリコール、およびグリセリン、充填剤、潤滑剤、湿潤剤、矯味矯臭剤、着色剤、乳化剤、懸濁化剤または分散剤、懸濁化剤などが挙げられる。本発明の化合物をエアロゾルにより送達する場合、適当なデバイスで使用するための組成物に、薬学的に許容される希釈剤、キャリアー、および/または噴射剤が含まれていてもよい。これらは、当業者周知の手法で調製される(例えば、Medication Teaching Manual、第5版、Bethesda、Md.、American Society of Hospital Pharmacists、1991を参照)。
本発明の組成物は、任意選択でその他の公知の治療剤を含んでいてもよく、このような治療剤としては、うっ血除去剤、例えばプソイドエフェドリンHCl、フェニレフリンHCl、およびエフェドリンHCl、非ステロイド系抗炎症薬、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、フェナセチン、イブプロフェン、およびケトプロフェン、去痰薬、例えばグリセリルグアヤコール塩、テルピン水和物、および塩化アンモニウム、抗ヒスタミン剤、例えばマレイン酸クロルフェニラミン、コハク酸ドキシラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、および塩酸ジフェンヒドラミンが挙げられる。
カルカイニウム塩は、(a)1種または複数種の追加の鎮咳剤および/または(b)1種または複数種の気管支拡張剤と組み合わせて投与することができる。好ましい追加の鎮咳剤は、メントールまたはコデインである。好ましい気管支拡張剤は、N−{2−[(2E)−2−(メシチルイミノ)−9,10−ジメトキシ−4−オキソ−6,7−ジヒドロ−2H−ピリミド[6,1−a]−イソキノリン−3(4H)−イル]エチル}尿素(これは、コードRPL−554で公知である)である。
従って、本発明はまた、カルカイニウム塩と、(a)1種または複数種の追加の鎮咳剤および/または(b)1種または複数種の気管支拡張剤とを含む組合せも提供する。このような組合せは、好ましくは患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものである。
本発明はさらに、(a)1種または複数種の追加の鎮咳剤および/または(b)1種または複数種の気管支拡張剤と共投与することによる、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのカルカイニウム塩を提供する。共投与は、同時に、並行して、別々に、または連続的に行うことができる。
本発明はさらに、カルカイニウム塩と共投与することによる、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するための、(a)1種または複数種の追加の鎮咳剤および/または(b)1種または複数種の気管支拡張剤を提供する。共投与は、同時に、並行して、別々に、または連続的に行うことができる。
本発明はさらに、患者の咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制において、同時に、並行して、別々に、または連続的に使用するための組合せ製剤としての、カルカイニウム塩と、(a)1種または複数種の追加の鎮咳剤および/または(b)1種または複数種の気管支拡張剤とを含む製品を提供する。
塩化カルカイニウムなどのカルカイニウム塩は、US6,362,197およびスウェーデン特許1779/61に続くベルギー特許第614,154号で説明されているようにして合成することもでき、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。従来の合成経路は3つの工程を含み、以下のように説明することができる(上述の特許と同様;さらに、T. Takahashi、J. Okada、M. Hori、A. Kato、K. Kanematsu、およびY. Yamamoto、J. Pharm. Soc. Japan 76、1180〜6 (1956)も参照)。
i)クロロアセトアニリド
冷やしたクロロホルム(200ml)中のアニリン(37.2g、0.40mol)および炭酸カリウム(66.4g、0.48mol)の溶液に、カニューレを介して、クロロホルム(100ml)中のクロロアセチルクロリド(49.6g、0.44mol)の溶液を一滴ずつ添加し、この反応混合物を55℃に90分加熱した。次に冷却した反応混合物に水(300ml)を添加し、有機層を回収し、水層をクロロホルム(2×100ml)でさらに2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で溶媒を蒸発させて、未精製の生成物を得た。生成物をソックスレー装置によりジエチルエーテルで抽出して精製し、22gの所望のクロロアセトアニリドを得た。融点は133〜135℃であった。
冷やしたクロロホルム(200ml)中のアニリン(37.2g、0.40mol)および炭酸カリウム(66.4g、0.48mol)の溶液に、カニューレを介して、クロロホルム(100ml)中のクロロアセチルクロリド(49.6g、0.44mol)の溶液を一滴ずつ添加し、この反応混合物を55℃に90分加熱した。次に冷却した反応混合物に水(300ml)を添加し、有機層を回収し、水層をクロロホルム(2×100ml)でさらに2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で溶媒を蒸発させて、未精製の生成物を得た。生成物をソックスレー装置によりジエチルエーテルで抽出して精製し、22gの所望のクロロアセトアニリドを得た。融点は133〜135℃であった。
ii)ジメチルアミノアセトアニリド
水(100ml)中の40wt%のジメチルアミン中のクロロアセトアニリド(10.0g、59mmol)の混合物を4時間還流した。冷却した反応混合物をジクロロメタン(100ml)と1MのNaOH水溶液(100ml)とで分配した。水層をジクロロメタン(2×100ml)でさらに2回抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮しておよそ100mlの体積にして、残存したジメチルアミンを除去するために水(2×100ml)で洗浄した。有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させ、10.2g(収率97%)の純粋なジメチルアミノアセトアニリドを得た。
水(100ml)中の40wt%のジメチルアミン中のクロロアセトアニリド(10.0g、59mmol)の混合物を4時間還流した。冷却した反応混合物をジクロロメタン(100ml)と1MのNaOH水溶液(100ml)とで分配した。水層をジクロロメタン(2×100ml)でさらに2回抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮しておよそ100mlの体積にして、残存したジメチルアミンを除去するために水(2×100ml)で洗浄した。有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させ、10.2g(収率97%)の純粋なジメチルアミノアセトアニリドを得た。
N,N−ビス−(フェニルカルバモイルメチル)ジメチルアンモニウムクロリド(塩化カルカイニウム)
乾燥キシレン(30ml)中のクロロアセトアニリド(10.1g、59.5mmol)、ジメチルアミノアセトアニリド(10.7g、60mmol)、およびヨウ化カリウム、99+%(0.1g、0.6mmol)の混合物を1時間還流し、続いてそのまま周囲温度になるまで一晩放置した。溶媒をデカントし、白みがかった粉末を得るために、残存したゴム様の固体をジエチルエーテル中で粉砕した。得られた固体を回収し、エタノールおよびジエチルエーテルの混合物中で再結晶させ、9.3g(収率45%)の所望のアンモニウム塩を得た。融点は177〜178℃であった。
乾燥キシレン(30ml)中のクロロアセトアニリド(10.1g、59.5mmol)、ジメチルアミノアセトアニリド(10.7g、60mmol)、およびヨウ化カリウム、99+%(0.1g、0.6mmol)の混合物を1時間還流し、続いてそのまま周囲温度になるまで一晩放置した。溶媒をデカントし、白みがかった粉末を得るために、残存したゴム様の固体をジエチルエーテル中で粉砕した。得られた固体を回収し、エタノールおよびジエチルエーテルの混合物中で再結晶させ、9.3g(収率45%)の所望のアンモニウム塩を得た。融点は177〜178℃であった。
以下の実施例により本発明を説明する。
実施例
実施例
ヒトにおける臨床研究
臨床研究の目的は、間質性肺疾患に起因する難治性の持続的な咳を有する入院患者における吸入経路での塩化カルカイニウムの臨床的有効性および安全性を決定することであった。
臨床研究の目的は、間質性肺疾患に起因する難治性の持続的な咳を有する入院患者における吸入経路での塩化カルカイニウムの臨床的有効性および安全性を決定することであった。
二重盲検無作為化プラセボ対照交差研究の計画を使用して、間質性肺疾患患者における塩化カルカイニウムの鎮咳薬としての作用を評価した。
この研究を適応性分割表試験(adaptive contingency trial)として構築した。このような試験において、プラセボに対する各薬物の「テスト」の結論は、陽性または陰性の結果のいずれかでスコア付けされる(すなわち定量的測定ではなく二者択一)。この「テス」の結論に基づいて、試験を継続するかまたは中断する。患者は2回の研究来院に参加し、そこで患者を無作為化して以下のいずれかを与えられた。
・第一の研究来院で1.0mg/kgの用量の塩化カルカイニウム、続いて第二の来院でプラセボ(0.9%塩化ナトリウム);または
・第一の来院でプラセボ(塩化ナトリウム0.9%)、続いて第二の来院で1.0mg/kgの塩化カルカイニウム。
・第一の研究来院で1.0mg/kgの用量の塩化カルカイニウム、続いて第二の来院でプラセボ(0.9%塩化ナトリウム);または
・第一の来院でプラセボ(塩化ナトリウム0.9%)、続いて第二の来院で1.0mg/kgの塩化カルカイニウム。
各患者の評価は以下の基準に基づいてなされた。
1.鎮咳作用に関する塩化カルカイニウムおよびプラセボによる二重盲検交差試験における個々の患者の応答に対する医師の専門的な判断。
2.視覚アナログスケール(VAS)、前処理、および後処理を用いた各患者の主観的快適性。
3.実薬(active)処理およびプラセボ処理での前処理および後処理期間で記録された各患者の咳。
1.鎮咳作用に関する塩化カルカイニウムおよびプラセボによる二重盲検交差試験における個々の患者の応答に対する医師の専門的な判断。
2.視覚アナログスケール(VAS)、前処理、および後処理を用いた各患者の主観的快適性。
3.実薬(active)処理およびプラセボ処理での前処理および後処理期間で記録された各患者の咳。
実薬サンプルおよびプラセボサンプルの調製および投与
塩化カルカイニウムは微細な白色乾燥粉末であり、きつく密閉された容器中に入れて提供され、受け取り後、暗所、室温で保存した。塩化カルカイニウムおよびプラセボの希釈に用いられたビヒクルは0.9%NaCl注射剤であった。
塩化カルカイニウムは微細な白色乾燥粉末であり、きつく密閉された容器中に入れて提供され、受け取り後、暗所、室温で保存した。塩化カルカイニウムおよびプラセボの希釈に用いられたビヒクルは0.9%NaCl注射剤であった。
続いて患者に、実薬サンプルまたはプラセボサンプルを、上記のスケジュールに従って、超音波ネブライザー(DeVilbiss Ultraneb)を用いて生成したエアロゾルとして投与した。
1.医師の評価
8回の試験のうち8回で、協力して働いた2人の医師により、塩化カルカイニウム実薬処置がうまく確認された。この評価または各研究処理が行われた後の「テスト」の結論は、「鎮咳」作用が観察される成功(すなわち陽性)か、またはベースラインから変化なしもしくは催咳作用(pro-tussive effect)と定義された不良(すなわち陰性)のいずれかであった。治験担当医師が、各「テスト」について盲検の様式で陽性または陰性の結論を決定した。この発見の統計的有意性は、分割表では<0.05であり、カイ二乗検定では0.05〜0.01である。
8回の試験のうち8回で、協力して働いた2人の医師により、塩化カルカイニウム実薬処置がうまく確認された。この評価または各研究処理が行われた後の「テスト」の結論は、「鎮咳」作用が観察される成功(すなわち陽性)か、またはベースラインから変化なしもしくは催咳作用(pro-tussive effect)と定義された不良(すなわち陰性)のいずれかであった。治験担当医師が、各「テスト」について盲検の様式で陽性または陰性の結論を決定した。この発見の統計的有意性は、分割表では<0.05であり、カイ二乗検定では0.05〜0.01である。
2.患者の快適性スコア
快適性スコアは、実薬およびプラセボ期間における薬物投与前および薬物投与後の期間における0〜10の等間隔スケールで評価した。患者の健全性(well-being)における統計学的に有意な改善を、塩化カルカイニウム処理された患者とプラセボ処理された患者とを比較することにより観察した(符号付き順位和で評価したところ、p=0.0140)。
快適性スコアは、実薬およびプラセボ期間における薬物投与前および薬物投与後の期間における0〜10の等間隔スケールで評価した。患者の健全性(well-being)における統計学的に有意な改善を、塩化カルカイニウム処理された患者とプラセボ処理された患者とを比較することにより観察した(符号付き順位和で評価したところ、p=0.0140)。
3.電子的に記録された咳の回数
咳の頻度(単位時間あたりの回数)を、資格を有する技術者がカウントした咳の時期(音)を記録する半自動システムを用いて記録した。塩化カルカイニウムに伴う治療効果は、プラセボと比較して統計学的に有意(p=0.0007)であった。
咳の頻度(単位時間あたりの回数)を、資格を有する技術者がカウントした咳の時期(音)を記録する半自動システムを用いて記録した。塩化カルカイニウムに伴う治療効果は、プラセボと比較して統計学的に有意(p=0.0007)であった。
臨床研究結果の要約
臨床研究結果の予備解析から、塩化カルカイニウムは、二重盲検無作為化交差分割表試験でテストしたところ2人の医師による主観的尺度で検出が可能な顕著な鎮咳活性を有することが示された。塩化カルカイニウムの有効性の3つ全ての尺度により、統計学的に有意な鎮咳性応答が明らかになった。患者の快適性スコア(VAS)から、患者の健全性における顕著な改善が示され、電子的に記録された咳の回数を含むより客観的な尺度でも同様に改善が示された。
臨床研究結果の予備解析から、塩化カルカイニウムは、二重盲検無作為化交差分割表試験でテストしたところ2人の医師による主観的尺度で検出が可能な顕著な鎮咳活性を有することが示された。塩化カルカイニウムの有効性の3つ全ての尺度により、統計学的に有意な鎮咳性応答が明らかになった。患者の快適性スコア(VAS)から、患者の健全性における顕著な改善が示され、電子的に記録された咳の回数を含むより客観的な尺度でも同様に改善が示された。
粒度分布の測定
上記の臨床研究で使用されたものに相当する塩化カルカイニウムのエアロゾルを、同じ超音波ネブライザー(DeVilbiss Ultraneb)を用いて同じ薬物製品バッチから生成した。これらの塩化カルカイニウムのエアロゾルの粒度分布を測定し、Malvernの吸入セルアタッチメントシステムを備えたスプレーテック(Spraytec)を用いて解析した。2回の繰り返し実験の結果から、スプレーテックの体積中位径[Dv(50)]の平均値が約5.38μmであることが示された。
上記の臨床研究で使用されたものに相当する塩化カルカイニウムのエアロゾルを、同じ超音波ネブライザー(DeVilbiss Ultraneb)を用いて同じ薬物製品バッチから生成した。これらの塩化カルカイニウムのエアロゾルの粒度分布を測定し、Malvernの吸入セルアタッチメントシステムを備えたスプレーテック(Spraytec)を用いて解析した。2回の繰り返し実験の結果から、スプレーテックの体積中位径[Dv(50)]の平均値が約5.38μmであることが示された。
一般的に、レーザー回折技術は、単位密度または類似の密度を有する球状の粒子、例えば上記で生成したエアロゾルのような水または水溶液のエアロゾルを測定する場合、空気動力学的な技術と一致することが文献で認められている。それゆえに、上記の臨床研究で使用された塩化カルカイニウムのエアロゾルの粒度分布について、上記の約5.38μmの平均Dv(50)値は、約5.38μmの平均空気動力学的質量中央径(MMAD)値に相当すると解釈することができる。
ヒト血漿における塩化カルカイニウム濃度の測定
上記で詳述したヒトの臨床研究から回収されたヒトK2EDTA血漿サンプルにおける塩化カルカイニウムのレベルの定量に合わせて、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)アッセイ法を開発し、修正し、実行した。
上記で詳述したヒトの臨床研究から回収されたヒトK2EDTA血漿サンプルにおける塩化カルカイニウムのレベルの定量に合わせて、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)アッセイ法を開発し、修正し、実行した。
まず塩化カルカイニウムを脱イオン水に溶解させて、初期の標準または品質管理(QC)ストック溶液を1000μg/mLの濃度で得た。脱イオン水で連続希釈して、続いて以下の表1に従って校正用血漿標準またはQCサンプルを調製するための二次ストック溶液を得た。内部標準のリドカインを脱イオン水に溶解させて、初期のストック溶液を1000μg/mLの濃度で得た。次に初期の内部標準ストック溶液を脱イオン水で連続希釈し、50ng/mLの濃度のスパイク用ストック溶液を得た。
校正用標準ストック溶液またはQCストック溶液の10μLのアリコートを、それぞれ16×100mmのねじ蓋付ガラス試験管に移した。ブランクおよび内部標準サンプルを含むブランクについては、その代わりに10μLの脱イオン水を移した。次にヒト用ブランクのK2EDTA血漿(100μL)を各試験管に添加した。リドカインの内部標準スパイク用ストック溶液の50μLのアリコートを、ブランクサンプル以外の各試験管に移した。ブランクサンプルには脱イオン水の50μLのアリコートを添加した。続いてサンプルをボルテックスで混合した。
次に脱イオン水中の1M水酸化ナトリウム(NaOH)の100μLのアリコートを各試験管に添加し、続いてボルテックスで混合した。次にメチルtert−ブチルエーテル(3mL)を各試験管に添加し、続いて少なくとも20秒ボルテックスで混合した。続いてサンプルを−80℃で少なくとも10分凍結した。最上層を13×100mmのガラス試験管に移した。
上清を、ターボバップ(Turbovap)を用いた穏やかな窒素流下で、または空気乾燥器を用いた穏やかな空気流下で完全に乾燥させた。各サンプルを、MeOH中の0.1%FA:脱イオン水中の0.1%FAの1:4(v/v)混合物100μLで再構成した。再構成しやすくするために、混合物を1分ボルテックスで混合し、続いて5分超音波破砕し、その後250μLのバイアルに移してキャップを閉めた。全てのバイアルを5,000rpmで5分遠心分離し、LC/MS/MS解析で25μLのアリコートをインジェクションした。
ヒト血漿サンプルについては、100μLのサンプルを、それぞれ16×100mmのねじ蓋付ガラス試験管に移した。次に脱イオン水の10μLのアリコートを各試験管に移した。リドカインの内部標準溶液の50μLのアリコートを各試験管に移し、ボルテックスで混合した。続いて試験サンプルを上述の校正用標準および品質管理サンプルと同じようにして処理した。
上記で実証された校正曲線を使用して、1mg/kgの塩化カルカイニウムが投与された患者からの血漿サンプル中の塩化カルカイニウムの濃度を決定した。その濃度は、1〜50ng/mlの範囲であることが見出された。この薬物への全身曝露の程度および観察された低いレベルの薬物の全身曝露は、ヒト臨床研究では有意な薬物関連の有害な副作用は生じなかったという一般的な観察と一致する。
Claims (27)
- アニオンAn−を有する塩の形態のカルカイニウムであって、An−は、薬学的に許容される酸のアニオンであり、前記カルカイニウム塩は、患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制に使用するためのものである、カルカイニウム。
- 塩化カルカイニウムである、請求項1に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 患者が、ヒトである、請求項1または2に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 局所麻酔から独立したメカニズムによって作用する、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 患者が、中咽頭のしびれ、咽頭反射の障害もしくは損失および/または気管の吸引反射の障害もしくは損失に罹患しているか、またはそれらに感受性の高い、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- (a)外科的または侵襲的処置において使用するためのものであるか、または(b)慢性的な使用のためのものである、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 外科的または侵襲的処置が、気管支鏡検査である、請求項6に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 慢性的な使用が、1日2回以上の前記カルカイニウム塩の投与であるか、あるいは1週間またはそれより長い期間にわたる1日1回または複数回の前記カルカイニウム塩の投与である、請求項6に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 吸入用溶液、懸濁液または乾燥粉末として送達され、患者に送達された後のカルカイニウム塩の全身曝露が、ピーク血漿濃度によって測定した場合、800ng/ml未満になるように製剤化される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- カルカイニウム塩の1日用量が、約5mgから約300mgである、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 気管、気管分岐部および気管支で構成される誘導気道および中枢気道に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 患者に、局所麻酔薬、ステロイドおよび/または気管支拡張剤を並行して投与しない、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 咳、咳発作または咳のエピソードが、呼吸器系障害、例えば慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、呼吸道炎症、肺気腫、肺炎、肺癌、肺腫瘍、咽頭痛、風邪、インフルエンザ、呼吸道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、喫煙者の咳、慢性非湿性咳、腫瘍性の咳;胃食道逆流、刺激原の吸入、煙、スモッグ、粉塵、異物の存在、大気汚染またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤療法による咳、または上気道のウイルスもしくは細菌感染によって生じるもしくはそれに関連する急性もしくは慢性の咳;またはその他の基礎疾患によって生じるもしくはそれに関連する難治性の咳に起因する、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 基礎疾患が、慢性閉塞性肺疾患、喘息、結核、気管支炎、気管支拡張症、化膿性肺疾患、呼吸器悪性腫瘍、アレルギー、嚢胞性線維症、肺線維症、呼吸道炎症、肺気腫、肺炎、肺癌、肺腫瘍、咽頭痛、風邪、インフルエンザ、呼吸道感染症、気管支収縮、サルコイドーシス、胃食道逆流、喫煙者の咳、慢性非湿性咳、腫瘍性の咳であるか、または上気道のウイルスもしくは細菌感染によって生じるもしくはそれに関連する急性もしくは慢性の咳である、請求項13に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 基礎疾患が悪化しているか、あるいは基礎疾患を患う患者が、煙、スモッグ、粉塵、アレルギーまたは大気汚染による環境的な気道への攻撃に対して感受性の増大を経験する、請求項13に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 咳、咳発作または咳のエピソードが、間質性肺疾患に起因する、請求項1から12のいずれかに記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 乾燥粉末エアロゾルまたは霧状化したエアロゾルとして送達され、前記エアロゾル中に存在する粒子は、約3μmから約10μmの空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 空気動力学的質量中央径(MMAD)が、約4μmから約5.5μmである、請求項17に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 霧状化したエアロゾルとして送達される、請求項17または18に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 霧状化したエアロゾルが、約1から約20mlの溶媒中に溶解させた約10から約200mgのカルカイニウム塩を含む溶液から生成される、請求項19に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 溶液が、実質的に保存剤を含まない、請求項20に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 霧状化したエアロゾルが、ネブライザー、好ましくは電動式ネブライザーまたはジェット式ネブライザーを用いて生成される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 乾燥粉末エアロゾルとして製剤化される、請求項1から18のいずれか一項に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 乾燥粉末エアロゾルが、乾燥粉末吸入器によって送達される、請求項23に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 乾燥粉末エアロゾルが、定量吸入器によって送達される、請求項23に記載の使用のためのカルカイニウム塩。
- 患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制のための医薬の製造における、請求項1または2に記載のカルカイニウム塩の使用。
- 患者における咳、咳発作または咳のエピソードの治療および/または抑制方法であって、前記患者に、請求項1または2に記載のカルカイニウム塩の治療有効量を投与することを含む、方法。
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