JP2014174279A - 誘電体デバイスおよび誘電体デバイスの制御方法 - Google Patents

誘電体デバイスおよび誘電体デバイスの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、交流電圧を誘電体に確実に印加可能であり、大きな誘電率を取得可能な誘電体デバイス及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の誘電体デバイスは、誘電体と、誘電体に取り付けられた電極ブロックの温度を測定する温度センサと、ペルチェ素子を用いて温度センサの温度を制御するペルチェコントローラと、誘電体に電圧を印加する電源と、ペルチェコントローラ及び電源に接続された制御部とを備え、制御部は、測定温度が第1の設定温度となるように第1の命令を送り、第1の設定温度となった後、交流電圧を印加するように第2の命令を送り、電圧印加後、測定温度が第2の設定温度となるように第3の命令を送り、第1の設定温度は相転移温度よりも高く、第2の設定温度は、交流電圧の印加後において誘電体が常誘電相を維持する温度であり、第1の設定温度よりも低いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体デバイスおよび誘電体デバイスの制御方法に関する。
電気光学結晶や電歪結晶といった誘電体に正弦波などの交流電圧を印加することにより、様々な機能を発現させることが行われている。例えば、非特許文献1には、光共振器内に電気光学結晶を配置し、電気光学結晶に150kHzの正弦波電圧を印加することにより波長掃引光源を実現している。
Shogo Yagi, Tadayuki Imai, Yasuo Shibata, Shigeo Ishibashi, Masahiro Sasaura, Kazutoshi Kato, Kazunori Naganuma, Yuzo Sasaki, and Kazuo Fujiura, "A mechanical-free 150-kHz repetition swept light source incorporated a KTN electro-optic deflector", Proc. of SPIE, 2011年, Vol.7889, 78891J-1〜78891J-6 上野雅浩、他5名、「KTN結晶を用いたOCT用200kHz光偏向器の消費電力」、エレクトロニクス講演論文集1、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、2012年、p.124
しかしながら、高周波・大振幅の交流電圧を連続的に誘電体に印加した場合、誘電体にて発熱が生じ、誘電体の温度が上昇する。例えば、非特許文献2には、KTa1-xNbx3結晶に200kHz、600Vpp(peak to peak電圧)の交流電圧を印加した場合、KTa1-xNbx3結晶の消費電力が約1Wであり、温度上昇することが記されている。
図6に、従来の誘電体デバイス600の構成を示す。図6に示される従来の誘電体デバイス600においては、誘電体601が上部金属電極ブロック602と下部金属電極ブロック603とで挟まれるように上部金属電極ブロック602と下部金属電極ブロック603との間に設けられている。下部金属電極ブロック603には、温度センサ604及びペルチェ素子605が取り付けられている。ペルチェ素子605には、ヒートシンク606が取り付けられている。上部金属電極ブロック602及び下部金属電極ブロック603には電源608が接続されており、温度センサ604及びペルチェ素子605にはペルチェコントローラ607が接続されている。
下部金属電極ブロック603に取り付けられた温度センサ604は、下部金属電極ブロック603の温度を測定する。ペルチェコントローラ607は、下部金属電極ブロック603の温度を所定の設定温度に保つ制御を行う。具体的には、ペルチェコントローラ607は、ペルチェ素子605に流す電流を調節して下部金属電極ブロック603の温度制御を行い、それにより誘電体601の温度制御を行っている。誘電体601が発熱していない場合、下部金属電極ブロック603の温度(設定温度)と誘電体601の温度はおおよそ等しくなる。
しかしながら、電源608によって上部金属電極ブロック602及び下部金属電極ブロック603を介して誘電体601に交流電圧を印加すると、誘電体601が発熱する。このような場合、誘電体601自体の熱抵抗や、誘電体601と下部金属電極ブロック603との間の熱抵抗により、誘電体601の温度が温度センサ604の設定温度よりも高くなってしまう。その様子を図7に示す。
図7は、誘電体に印加される電圧と誘電体の温度との関係を示す。図7に示すように、誘電体に交流電圧を印加すると、時間が経過するにつれて誘電体の温度が設定温度より徐々に高くなっていく。
図8は、誘電体の誘電率の温度依存性の一例を示す。図8に示すように、誘電体の温度が高くなると誘電率が低下する。すなわち、誘電体の温度が高くなると誘電体のキャパシタンスが小さくなってしまう。大きな誘電率が求められる場合、これは望ましくない。
例えば、非特許文献1に示される波長掃引光源で用いられる光偏向器では、偏向角が誘電率に比例するため、誘電率の低下により偏向角の減少すなわち波長掃引幅の減少を引き起こすという問題があった。また、光偏向器以外の電気光学デバイスにおいては、2次の電気光学係数は誘電率の2乗に比例するため、誘電率が小さくなると電気光学効果が小さくなるという問題があった。
図8に示すような特性を有する誘電体において大きな誘電率を得る手段として、誘電体の温度を予め下げることが考えられる。しかしながら、大きな誘電率を得ようとして温度を下げた結果、温度が相転移温度より下がってしまった場合、誘電体が常誘電相から強誘電相になってしまい、電圧印加により誘電体が破損し、それ以降電圧を印加することができなくなるという問題があった。
図9は、強誘電−常誘電相転移近傍における誘電体の誘電率の温度依存性を示す。図9に示すように、多くの誘電体は、強誘電−常誘電相転移点近傍において誘電率が大きくなる。誘電体の温度Txで得られる誘電率よりも大きな誘電率を得るために、誘電体の温度を下げて温度Ty(誘電体の相転移温度Tc<Ty<Tx)にする場合、温度Tyが相転移温度Tc近傍の温度である場合においては、温度を低下させると急激に誘電率が増加し、強誘電−常誘電相転移点近傍において誘電率が非常に大きくなるため、後述のように共振型の電源が動作せず、共振型の電源によって交流電圧を印加することができないという問題があった。
ここで、図10を用いて共振型の電源の例示的な構成を説明する。共振型の電源とは、正弦波電圧を発生させる電源であり、矩形波を共振回路に入力することにより、正弦波を生成するものである。図10に示されるように、共振型の電源1000は、矩形波生成部1001、共振回路の一部1003、出力ポート1002−1及び1002−2を有する。出力ポート1002−1及び1002−2は、誘電体1004に接続されている。共振回路の一部1003及び誘電体1004により、共振回路1005が形成される。
共振回路1005は、共振角周波数ω0を有する。また、矩形波生成部1001が生成する矩形波の繰り返し角周波数をωsとすると、その周期は、図11の上図に示されるように、2π/ωsとなる。ここで、
Figure 2014174279
と設定することにより、矩形波から角周波数ωs成分が抽出されるため、図11の下図に示されるように、角周波数ωsの正弦波電圧を誘電体1004に印加することが可能となる。
図12は、強誘電−常誘電相転移近傍における誘電体の誘電率の温度依存性と共振型の電源が動作する誘電率の範囲とを示す。図12に示されるように、誘電体の温度をTz(Tc<Tz<Tx)にすると、誘電率が非常に大きくなるためキャパシタンスが非常に大きくなる。高周波・大振幅の交流電圧を連続的に誘電体デバイスに印加した場合、誘電体において発熱が生じ、温度がTz+ΔTとなり、誘電率が低下する。すなわち、キャパシタンスが低下する。
ここで、図12に示されるように、共振型の電源は、接続された誘電体のキャパシタンスが所定の範囲に収まっていないと動作しないため、温度が上昇していく過程で誘電率(あるいはキャパシタンス)が急激に減少し、誘電体のキャパシタンスが所定の範囲から外れると、誘電体に電圧が印加されなくなってしまう。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、交流電圧を誘電体に確実に印加することが可能であり、大きな誘電率を得ることが可能な誘電体デバイス及びその制御方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る誘電体デバイスは、上部電極ブロックと下部電極ブロックとの間に設けられた誘電体と、ペルチェ素子と、前記誘電体と前記ペルチェ素子との間に流れる熱の経路の途中に配置された温度センサと、前記温度センサ及び前記ペルチェ素子に接続され、前記ペルチェ素子を用いて前記温度センサの温度を制御するペルチェコントローラと、前記上部電極ブロック及び前記下部電極ブロックを介して前記誘電体に電圧を印加する電源と、前記ペルチェコントローラ及び前記電源に接続された制御部とを備えた誘電体デバイスにおいて、前記制御部は、前記温度センサの測定温度が第1の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第1の命令を送り、前記測定温度が前記第1の設定温度となった後、交流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第2の命令を送り、当該交流電圧の印加後、前記測定温度が第2の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第3の命令を送り、前記第1の設定温度は、前記交流電圧の印加前において前記誘電体が常誘電相であるように前記誘電体が常誘電相から強誘電相に転移する相転移温度よりも高く、前記第2の設定温度は、前記交流電圧の印加後において前記誘電体が常誘電相を維持する温度であり、前記第1の設定温度よりも低いことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る誘電体デバイスは、本発明の請求項1に係る誘電体デバイスであって、前記制御部は、前記第1の命令を送った後、直流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第4の命令を送り、電荷を前記誘電体に注入した後、前記第2の命令を送ることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る誘電体デバイスは、本発明の請求項1又は2に係る誘電体デバイスであって、前記誘電体は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1))結晶、または、KTNにリチウムをドープした(K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<0.1))結晶から構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る誘電体デバイスは、本発明の請求項1乃至3のいずれかに係る誘電体デバイスであって、前記電源は共振型の電源であり、前記第2の設定温度は前記共振型の電源が動作する範囲の温度であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る方法は、上部電極ブロックと下部電極ブロックとの間に設けられた誘電体と、ペルチェ素子と、前記誘電体と前記ペルチェ素子との間に流れる熱の経路の途中に配置された温度センサと、前記温度センサ及び前記ペルチェ素子に接続され、前記ペルチェ素子を用いて前記温度センサの温度を制御するペルチェコントローラと、前記上部電極ブロック及び前記下部電極ブロックを介して前記誘電体に電圧を印加する電源と、前記ペルチェコントローラ及び前記電源に接続された制御部とを備えた誘電体デバイスを制御する方法であって、前記制御部が、前記温度センサの測定温度が第1の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第1の命令を送るステップと、前記制御部が、前記測定温度が前記第1の設定温度となった後、交流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第2の命令を送るステップと、前記制御部が、当該交流電圧の印加後、前記測定温度が第2の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第3の命令を送るステップとを備え、前記第1の設定温度は、前記交流電圧の印加前において前記誘電体が常誘電相であるように前記誘電体が常誘電相から強誘電相に転移する相転移温度よりも高く、前記第2の設定温度は、前記交流電圧の印加後において前記誘電体が常誘電相を維持する温度であり、前記第1の設定温度よりも低いことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る方法は、本発明の請求項5に係る方法であって、前記第1の命令を送るステップの後、前記第2の命令を送るステップの前に、前記制御部が、電荷を前記誘電体に注入するために、直流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第4の命令を送るステップをさらに備えたことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る方法は、本発明の請求項5又は6に係る方法であって、前記誘電体は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1))結晶、または、KTNにリチウムをドープした(K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<0.1))結晶から構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る方法は、本発明の請求項5乃至7のいずれかに係る方法であって、前記電源は共振型の電源であり、前記第2の設定温度は前記共振型の電源が動作する範囲の温度であることを特徴とする。
本発明に係る誘電体デバイス及びその制御方法によると、誘電体を所定の温度にして交流電圧の印加を開始した後に誘電体の温度を低くすることにより、誘電体が強誘電相になることを防止し交流電圧を誘電体に確実に印加することが可能となり、かつ、その誘電率を大きくすることが可能になるという顕著な効果を奏することができる。また、誘電率の増大に伴い電気光学効果も大きくなるため、誘電体デバイスの印加電圧を小さくすることができるという顕著な効果を奏することができる。さらに、誘電体の誘電率を所定の範囲内に収めることができるため、共振型の電源を使用した場合であっても誘電体に確実に電圧を印加することができるという顕著な効果を奏することができる。
本発明の誘電体デバイスの構成を示した図である。 本発明における、誘電体の誘電率の温度依存性と共振型の電源の動作範囲とを示した図である。 本発明に係る誘電体デバイスにおける制御の流れを示した図である。 本発明に係る誘電体デバイスにおいて、交流電圧の振幅を徐々に増大させ、所望の振幅に到達した後に設定温度を下げる場合を説明する図である。 本発明に係る誘電体デバイスにおいて、交流電圧の振幅を徐々に増大させ、所望の振幅に到達する前に設定温度を下げる場合を説明する図である。 従来の誘電体デバイスの構成を示した図である。 誘電体に印加される電圧と誘電体の温度との関係を示した図である。 誘電体の誘電率の温度依存性の一例を示した図である。 誘電体の誘電率の温度依存性を示した図である。 共振型の電源の構成を示す図である。 共振型の電源の短形波生成部が生成する電圧と誘電体に印加される電圧との関係を示す図である。 誘電体の誘電率の温度依存性と共振型の電源の動作範囲とを示した図である。
図1に、本発明に係る誘電体デバイス100の構成を示す。図1(a)に示されるように、本発明に係る誘電体デバイス100では、誘電体101が上部金属電極ブロック102と下部金属電極ブロック103とで挟まれるように上部金属電極ブロック102と下部金属電極ブロック103との間に設けられている。なお、図1(a)には記していないが、上部金属電極ブロック102と下部金属電極ブロック103との間に絶縁体を更に設けてもよい。下部金属電極ブロック103には、下部金属電極ブロック103の温度を測定する温度センサ104と、下部金属電極ブロック103の温度調整を行うペルチェ素子105とが取り付けられている。ペルチェ素子105には、ヒートシンク106が取り付けられている。上部金属電極ブロック102及び下部金属電極ブロック103には電源108が接続され、温度センサ104及びペルチェ素子105にはペルチェコントローラ107が接続され、ペルチェコントローラ107及び電源108には制御部109が接続されている。なお、図1(a)においては、温度センサ104を下部金属電極ブロック103に取り付けた構成が示されているが、上部金属電極ブロック102と下部金属電極ブロック103との間に絶縁体を設けた上で、温度センサ104を上部金属電極ブロック102に取り付ける構成としてもよい。また、ペルチェ素子105と下部金属電極ブロック103との間に絶縁体を設け、絶縁体に温度センサ104を取り付けてもよい。温度センサ104は、誘電体101とペルチェ素子105との間に流れる熱の経路の途中にあればよい。
図1(b)は、本発明に係る誘電体デバイスの他の構成100’を示す。図1(b)に示されるように、上部金属電極ブロック102及び下部金属電極ブロック103の両方に、ペルチェ素子105が取り付けられていてもよい。また、上部金属電極ブロック102及び下部金属電極ブロック103と、ペルチェ素子105との間に絶縁体を設け、絶縁体に温度センサ104を取り付けてもよい。図1(b)に示される誘電体デバイスの他の構成100’も同様に、温度センサ104は、誘電体101とペルチェ素子105との間に流れる熱の経路の途中にあればよい。
ペルチェコントローラ107は、ペルチェ素子105に流れる電流を制御することにより下部金属電極ブロック103の温度を制御することができる。電源108は、上部金属電極ブロック102及び下部金属電極ブロック103を介して誘電体101に電圧を印加できるようになっている。制御部109は、以下で後述するようにペルチェコントローラ107及び電源108を制御する。
図2及び図3を参照して、本発明に係る誘電体デバイス100における制御の流れを説明する。図3に示されるように、ステップ301で、制御部109は、温度センサ104の温度が第1の設定温度T0となるようにペルチェコントローラ107に第1の命令を送る。第1の命令を受けたペルチェコントローラ107は、温度センサ104の温度がT0となるようにペルチェ素子105を用いて温度調整し、それにより誘電体101の温度もT0となる。
次に、ステップ302で、制御部109は、交流電圧の印加を開始するように電源108に第2の命令を送る。第2の命令を受けた電源108は、上部金属電極ブロック102及び下部金属電極ブロック103を介して誘電体101に交流電圧を印加する。交流電圧の印加後、誘電体101の発熱により誘電体101の温度がΔT0上昇し、図2に示すように誘電体101の温度がT0+ΔT0となる。また、誘電体101の温度の上昇に伴い、誘電体101の誘電率が低下するとともにキャパシタンスが低下する。
次に、ステップ303で、制御部109は、温度センサ104の温度が第2の設定温度T1(<T0)になるようにペルチェコントローラ107に第3の命令を送る。第3の命令を受けたペルチェコントローラ107は、温度センサ104の温度がT1となるようにペルチェ素子105を用いて温度調整し、それにより誘電体101の温度をΔT1低下させ、誘電体101の温度がT0+ΔT0−ΔT1となる。また、誘電体101の温度の低下に伴い、誘電体101の誘電率が上昇するとともにキャパシタンスが上昇する。なお、温度センサは、ΔT0とΔT1を測定することができない。そのため、温度センサ104は、誘電体101の温度T0+ΔT0−ΔT1を測定することができないことを注記しておく。
また、制御部109は、第1の命令を送った後、直流電圧を誘電体101に印加するように電源108に第4の命令を送り、電荷を誘電体101に注入した後に、第2の命令を送るように構成されていてもよい。
T1は例えば、ΔT0=ΔT1を満たすように選択することができる。その場合、誘電体101の温度はT0+ΔT0−ΔT0=T0となる。しかし、必ずしもΔT0=ΔT1とする必要はない。温度センサ104の温度をT1まで温度を下げた時に電圧を印加しても結晶が破損しなければ良い。
また、電源108として、図10に例示されるような共振型の電源を用いることができる。その場合、ステップ303において温度センサ104の温度をT1まで温度を下げた時の誘電体101の誘電率(キャパシタンス)が、共振型の電源が動作する範囲に収まっており、かつ結晶が破損しなければ良い。尚、図2においては、Tc<T1の場合を示したが、T1<Tcとなりうる。すなわち、温度センサ104の温度T1がTcより小さくても、誘電体101の温度T0+ΔT0−ΔT1はTcより大きくなりうる。
図1(a)に示される誘電体デバイス100において、誘電体101として、KTa1-xNbx3結晶(4.0×3.2×1.0mm、x=0.4)を用いた。第1の設定温度T0を、誘電率が17500となり、結晶構造が立方晶(常誘電相)となる温度である51.8℃に設定した。4.0mm×3.2mmの面にTi電極を蒸着し、KTa1-xNbx3結晶を上部金属電極ブロック102と下部金属電極ブロック103とで挟んだ。この場合、誘電体101のキャパシタンスは、8.854*10−12*17500*4.0*10−3*3.2*10−3/(1.0*10−3)=1.98nFである。
誘電体101に波長1.3μmの光を入射させ、直流電圧(+300V(10秒)、−300V(10秒))を印加し、電子をKTa1-xNbx3結晶内に注入した後、周波数350kHz、600V(peak-to-peak)の正弦波電圧を誘電体101に印加したところ、出射光の偏向角は39.6mradであった。正弦波電圧を印加後に第2の設定温度T1=48.8℃にしたところ、偏向角は55.2mradとなった。正弦波電圧を印加後に第2の設定温度T1=45.8℃にしたところ、偏向角は69.9mradとなった。正弦波電圧を印加後に第2の設定温度T1=44.8℃にしたところ、偏向角は75.0mradとなった。
図4は、実施例1に係る誘電体デバイス100において、交流電圧(正弦波電圧)の振幅を徐々に増加させて所望の振幅になった後に設定温度を低下させた場合における、誘電体に印加される電圧と設定温度との関係を示した図である。ここで、振幅を徐々に増加させた理由は、このような方法をとることにより、誘電体101の急激な発熱・温度上昇が抑制される結果、制御部109による温度制御が容易になるためである。
図5は、実施例1に係る誘電体デバイス100において、交流電圧(正弦波電圧)の振幅を徐々に増加させて所望の振幅になる前に設定温度を低下させた場合における、誘電体に印加される電圧と設定温度との関係を示した図である。設定温度を低下させるタイミングは、結晶が破損しなければ、電圧が所望の振幅になる前であっても後であってもよい。また、共振型の電源を用いる場合、設定温度を低下させるタイミングは、誘電体101の誘電率(キャパシタンス)が、共振型の電源が動作する範囲に収まっており、かつ結晶が破損しなければ、電圧が所望の振幅になる前であっても後であってもよい。
尚、本実施例1に係る誘電体デバイス100では、誘電体101として、KTa1-xNbx3結晶(x=0.4)を用いたが、その他のx(0<x<1)のKTa1-xNbx3結晶を用いてもよい。また、誘電体101として、K1-yLiyTa1-xNbx3結晶(0<y<1、0<x<1)を用いても良い。
101、601、1004 誘電体
102、602 上部金属電極ブロック
103、603 下部金属電極ブロック
104、604 温度センサ
105、605 ペルチェ素子
106、606 ヒートシンク
107、607 ペルチェコントローラ
108、608 電源
109 制御部
1000 共振型の電源
1001 矩形波生成部
1002 出力ポート
1003 共振回路の一部
1005 共振回路

Claims (8)

  1. 上部電極ブロックと下部電極ブロックとの間に設けられた誘電体と、
    ペルチェ素子と、
    前記誘電体と前記ペルチェ素子との間に流れる熱の経路の途中に配置された温度センサと、
    前記温度センサ及び前記ペルチェ素子に接続され、前記ペルチェ素子を用いて前記温度センサの温度を制御するペルチェコントローラと、
    前記上部電極ブロック及び前記下部電極ブロックを介して前記誘電体に電圧を印加する電源と、
    前記ペルチェコントローラ及び前記電源に接続された制御部と
    を備えた誘電体デバイスにおいて、
    前記制御部は、前記温度センサの測定温度が第1の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第1の命令を送り、前記測定温度が前記第1の設定温度となった後、交流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第2の命令を送り、当該交流電圧の印加後、前記測定温度が第2の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第3の命令を送り、
    前記第1の設定温度は、前記交流電圧の印加前において前記誘電体が常誘電相であるように前記誘電体が常誘電相から強誘電相に転移する相転移温度よりも高く、
    前記第2の設定温度は、前記交流電圧の印加後において前記誘電体が常誘電相を維持する温度であり、前記第1の設定温度よりも低いことを特徴とする誘電体デバイス。
  2. 前記制御部は、前記第1の命令を送った後、直流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第4の命令を送り、電荷を前記誘電体に注入した後、前記第2の命令を送ることを特徴とする請求項1に記載の誘電体デバイス。
  3. 前記誘電体は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1))結晶、または、KTNにリチウムをドープした(K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<0.1))結晶から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体デバイス。
  4. 前記電源は共振型の電源であり、前記第2の設定温度は前記共振型の電源が動作する範囲の温度であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の誘電体デバイス。
  5. 上部電極ブロックと下部電極ブロックとの間に設けられた誘電体と、
    ペルチェ素子と、
    前記誘電体と前記ペルチェ素子との間に流れる熱の経路の途中に配置された温度センサと、
    前記温度センサ及び前記ペルチェ素子に接続され、前記ペルチェ素子を用いて前記温度センサの温度を制御するペルチェコントローラと、
    前記上部電極ブロック及び前記下部電極ブロックを介して前記誘電体に電圧を印加する電源と、
    前記ペルチェコントローラ及び前記電源に接続された制御部と
    を備えた誘電体デバイスを制御する方法であって、
    前記制御部が、前記温度センサの測定温度が第1の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第1の命令を送るステップと、
    前記制御部が、前記測定温度が前記第1の設定温度となった後、交流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第2の命令を送るステップと、
    前記制御部が、当該交流電圧の印加後、前記測定温度が第2の設定温度となるように前記ペルチェコントローラに第3の命令を送るステップと
    を備え、
    前記第1の設定温度は、前記交流電圧の印加前において前記誘電体が常誘電相であるように前記誘電体が常誘電相から強誘電相に転移する相転移温度よりも高く、
    前記第2の設定温度は、前記交流電圧の印加後において前記誘電体が常誘電相を維持する温度であり、前記第1の設定温度よりも低いことを特徴とする方法。
  6. 前記第1の命令を送るステップの後、前記第2の命令を送るステップの前に、前記制御部が、電荷を前記誘電体に注入するために、直流電圧を前記誘電体に印加するように前記電源に第4の命令を送るステップをさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記誘電体は、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1-xNbx3(0<x<1))結晶、または、KTNにリチウムをドープした(K1−yLiTa1−xNb(0<x<1、0<y<0.1))結晶から構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記電源は共振型の電源であり、前記第2の設定温度は前記共振型の電源が動作する範囲の温度であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の方法。
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