JP2014083148A - 特徴量算出装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ドップラー信号のうちドップラーセンサの検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することが可能な特徴量算出装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】電波型センサにより観測された第1の系列を入力する入力部と、前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部と、前記系列推定部により推定された前記第2の系列と、前記入力部に入力された前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部と、を備える特徴量算出装置。
【選択図】図1
【解決手段】電波型センサにより観測された第1の系列を入力する入力部と、前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部と、前記系列推定部により推定された前記第2の系列と、前記入力部に入力された前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部と、を備える特徴量算出装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、特徴量算出装置及びプログラムに関する。
近年、ドップラーセンサを用いて、人間や車その他の運動体の動作を検知する装置が登場してきている。ドップラーセンサは、心拍や呼吸といった人間の微細な動作を検知することができるため、例えば日常生活における人間の動作をドップラーセンサにより検知することで、健康管理を行う技術が開発されてきている。
このようなドップラーセンサを用いた健康管理に関する技術として、下記特許文献1では、ドップラーセンサから得られた信号から看護対象の呼吸の動作周期を推定し、その周期に異常を看護対象の状態異常として検出する技術が開示されている。
また、下記非特許文献1では、ドップラーセンサから得られた信号のドップラー周波数、標準偏差その他の6つの特徴量を用いて、人間の動作状態および安静状態の判別を行う技術が開示されている。
また、下記非特許文献2では、ドップラーセンサから得られた信号を信号強度、周波数領域エントロピー、ヒストグラムの3つの特徴量に分解し、「移動」「呼吸」「息止め」の3状態の認識を行う技術が開示されている。
Kim, Y & Ling, H (2009). Human activity classification based on micro−Doppler signatures using a support vector machine. IEEE Trans. Geoscience & Remote Sensing, 1328-1337.
Kubo, H., Mori, T., & Sato, T. (2010). Detection and measurement of human motion and respiration with microwave Doppler sensor. IEEE Int'l. Conf. Intell. Robots Syst., 5416-5423.
しかし、上記先行技術文献に開示された技術には、人の呼吸と運動周波数が近い外乱が存在する環境下では、人の状態を推定することが困難であるという問題があった。
具体的には、上記特許文献1に開示された技術は、人の呼吸の周期に着目しているため、運動周波数が近い外乱が存在する環境下では、人の呼吸と外乱の周期成分の分離は困難である。従って、上記特許文献1に開示された技術は、人の呼吸と運動周波数が近い外乱が存在する環境下では適用することが困難である。
また、上記非特許文献1に開示された技術は、人間の安静状態と無人状態の区別は行われておらず、また、人の呼吸の周期に着目しているため、運動周波数が近い外乱が存在する環境下では人の呼吸と外乱の周期成分の分離は困難である。従って、上記非特許文献1に開示された技術は、人の呼吸と運動周波数が近い外乱が存在する環境下では適用することが困難である。
また、上記非特許文献2に開示された技術では、人の呼吸と周波数特徴量が近い外乱についてはノイズとしての除去が困難であるため、人の呼吸と運動周波数が近い外乱が存在する環境下における呼吸検知は困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ドップラー信号のうちドップラーセンサの検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することが可能な、新規かつ改良された特徴量算出装置及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電波型センサにより観測された第1の系列を入力する入力部と、前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部と、前記系列推定部により推定された前記第2の系列と前記入力部に入力された前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部と、を備える特徴量算出装置が提供される。
前記特徴量算出装置は、前記辞書を生成する辞書生成部をさらに備えてもよい。
前記辞書は、前記運動モデルと当該運動モデルにより前記運動体が運動した場合に前記電波型センサにより観測される系列である第3の系列との対応付けを含み、前記辞書生成部は、複数の前記運動モデルについて前記第3の系列を算出することで前記辞書を生成し、前記系列推定部は前記第3の系列および前記第1の系列の比較結果に基づいて前記第2の系列を推定してもよい。
前記系列推定部は、前記第1の系列に類似する前記第3の系列を前記辞書から選択し、選択した前記第3の系列を前記第2の系列としてもよい。
前記系列推定部は、前記第1の系列に類似する前記第3の系列に対応する前記運動モデルを初期モデルとして前記辞書から選択し、前記第1の系列にさらに類似する第3の系列を観測される運動モデルを前記初期モデルに基づいて探索し、当該運動モデルに基づいて算出される第3の系列を前記第2の系列としてもよい。
前記系列推定部は、前記第1の系列の周波数特徴量および前記第3の系列の周波数特徴量の比較結果に基づいて、前記第1の系列および前記第3の系列が類似するか否かを判定してもよい。
前記運動モデルは、前記運動体の位置、および大きさをパラメータとして含んでもよい。
前記特徴量算出部は、前記第1の系列および前記第2の系列の差分に基づいて前記特徴量を算出してもよい。
前記特徴量算出部は、前記第1の系列の周波数特徴量を正規化した系列と前記第2の系列の周波数特徴量を正規化した系列との差分を前記特徴量として算出してもよい。
前記特徴量算出部は、前記第1の系列に基づいて呼吸周波数を推定し前記特徴量としてもよい。
前記特徴量算出部は、前記第1の系列の周波数特徴量を正規化した系列を前記特徴量として算出してもよい。
前記特徴量算出部は、前記第1の系列の統計量を前記特徴量として算出してもよい。
前記特徴量算出装置は、前記特徴量算出部により算出された前記特徴量に基づいて前記運動体の状態を推定する状態推定部をさらに備えてもよい。
前記状態推定部は、前記特徴量に基づいて前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る第2の運動体の状態を推定してもよい。
前記状態推定部は、前記特徴量に基づいて機械学習により前記第2の運動体の状態を推定してもよい。
前記状態推定部は、前記系列推定部により選択された前記運動モデルに基づいて前記運動体の状態を推定してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、電波型センサにより観測された第1の系列を入力するステップと、前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定するステップと、推定された前記第2の系列と、入力した前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出するステップと、を実行させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、ドップラー信号のうちドップラーセンサの検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<<1.状態推定システムの概要>>
本発明は、一例として<2.第1の実施形態>〜<3.第2の実施形態>において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態に係る状態推定システムに含まれる特徴量算出装置1は、
A.電波型センサ(ドップラーセンサ2)により観測された第1の系列を入力される入力部(前処理部11)と、
B.前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体(人4、扇風機5、矩形6)の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部(モデル推定部15)と、
C.前記系列推定部により推定された前記第2の系列および前記入力部に入力された前記第1の系列の比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部(特徴量算出部17)と、
を備える。
本発明は、一例として<2.第1の実施形態>〜<3.第2の実施形態>において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態に係る状態推定システムに含まれる特徴量算出装置1は、
A.電波型センサ(ドップラーセンサ2)により観測された第1の系列を入力される入力部(前処理部11)と、
B.前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体(人4、扇風機5、矩形6)の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部(モデル推定部15)と、
C.前記系列推定部により推定された前記第2の系列および前記入力部に入力された前記第1の系列の比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部(特徴量算出部17)と、
を備える。
以下では、まず、このような各実施形態において共通する状態推定システムの基本構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の各実施形態に共通する状態推定システムの概要を説明するための説明図である。図1に示したように、状態推定システムは、特徴量算出装置1およびドップラーセンサ2を含み、特徴量算出装置1は、ドップラーセンサ2の出力に基づいてドップラーセンサ2の検知範囲に存在する運動体の状態を検知する。より詳しくは、特徴量算出装置1は、ドップラーセンサ2の検知範囲に人4の呼吸と周波数特徴量が近い運動体である扇風機5が存在する中で、人4の状態を検知する。
ここで、上記先行技術文献に開示された技術では、ドップラー信号を用いて生体検知や行動認識を行うものの、一般家庭や病院等の現実の環境で想定されるような、機械の動作などによる外乱が存在する中で生体検知や行動認識を行うことは想定されていない。このため、上記先行技術文献に開示された技術では、人4の呼吸や心拍と運動周波数が近い外乱が存在する環境下では、人4の状態を推定することが困難であるという問題があった。
なぜならば、人4の呼吸や心拍などの生体運動の運動周波数と極めて近い外乱が存在する場合に、ドップラー信号から生体運動に係る成分と外乱に係る成分とを分離することが困難であるためである。さらに、生体運動に対して外乱の動きが大きい場合には、生体運動に係る成分が外乱に係る成分に埋もれてしまうという問題があった。
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明に係る状態推定システムを創作するに至った。本発明の各実施形態に係る状態推定システムは、ドップラー信号のうちドップラーセンサ2の検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することが可能である。
本発明に係る各実施形態では、主な外乱の発生源は機械的運動であり規則的な運動を繰り返していること、およびその外乱の取りうる周波数特徴量の分布は機械的運動という性質から一定であること、という2つの特性に着目する。そこで、本明細書においては、図1に示す通り、規則的な運動を繰り返し、周波数特徴量の分布が一定であり、且つ人4の呼吸による運動周波数と極めて近い外乱の一例として、首振り運動を行う扇風機5を用いる。
特徴量算出装置1は、想定される運動体の運動によって観測されるであろうドップラー信号を事前学習することにより、運動体の状態を推定する。詳しくは、ドップラーセンサ2の検知範囲に存在し得る運動体の運動モデルを、運動の規則性および周波数特徴量の分布の一定性に基づいてモデル化し、想定し得る運動モデルを網羅した辞書を生成する。そして、特徴量算出装置1は、生成した辞書から選択した運動モデルに基づいて運動する運動体が、ドップラーセンサ2により観測された場合を想定した疑似的なドップラー信号に基づいて、運動体の状態を推定する。
ここで、特徴量算出装置1は、運動モデルをモデル化した運動体だけではなく、ドップラーセンサ2の検知範囲に存在し得る他の運動体(第2の運動体)の状態を推定してもよい。例えば、特徴量算出装置1は、扇風機5による首振り運動をモデル化して辞書を生成し、生成した辞書に基づいて扇風機5の状態を推定するだけではなく、人4の状態を推定してもよい。
具体的には、特徴量算出装置1は、「生体反応あり」「外乱環境下での生体反応あり」「外乱環境下での生体反応なし」「生体反応なし」の4状態を推定する。特徴量算出装置1は、ドップラーセンサ2の検知範囲に人4による呼吸を検知した際に、生体反応があると推定し、扇風機5による首振り運動を検知した際に、外乱環境下であると推定する。
その他にも、特徴量算出装置1は、運動モデルをモデル化した運動体の状態を推定する一例として、人4の運動をモデル化して辞書を生成し、生成した辞書に基づいて人4の状態を推定してもよい。例えば、特徴量算出装置1は、人4の転倒運動をモデル化して辞書を生成し、生成した辞書に基づいて人4の転倒を検出することができる。
以上、本発明に係る状態推定システムの概要について説明した。続いて、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
<<2.第1の実施形態>>
本実施形態によれば、ドップラー信号のうち周期的な運動を行う運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することで、人4の呼吸による運動周波数と極めて近い外乱が存在する環境下での人4の状態を推定することが可能である。以下、図2を参照して状態推定システムの構成を説明する。
本実施形態によれば、ドップラー信号のうち周期的な運動を行う運動体に起因する成分を推定してドップラー信号の特徴量を算出することで、人4の呼吸による運動周波数と極めて近い外乱が存在する環境下での人4の状態を推定することが可能である。以下、図2を参照して状態推定システムの構成を説明する。
<2−1.構成>
図2は、第1の実施形態に係る状態推定システムの構成を示すブロック図である。図2に示したように、特徴量算出装置1は、前処理部11、辞書生成部13、モデル推定部15、特徴量算出部17、および状態推定部19を含む。そして、前処理部11はドップラーセンサ2と接続され、状態推定部19は出力装置3と接続される。
図2は、第1の実施形態に係る状態推定システムの構成を示すブロック図である。図2に示したように、特徴量算出装置1は、前処理部11、辞書生成部13、モデル推定部15、特徴量算出部17、および状態推定部19を含む。そして、前処理部11はドップラーセンサ2と接続され、状態推定部19は出力装置3と接続される。
(ドップラーセンサ)
ドップラーセンサ2は、任意の反射物体に対して電波または超音波を送受信し、送信した電波または超音波と受信した電波または超音波との差分の周波数の信号であるドップラー信号(第1の系列)を前処理部11に出力する。なお、以下では、ドップラーセンサ2が前処理部11に出力するドップラー信号を、IQ信号とも称す。
ドップラーセンサ2は、任意の反射物体に対して電波または超音波を送受信し、送信した電波または超音波と受信した電波または超音波との差分の周波数の信号であるドップラー信号(第1の系列)を前処理部11に出力する。なお、以下では、ドップラーセンサ2が前処理部11に出力するドップラー信号を、IQ信号とも称す。
(特徴量算出装置)
・辞書生成部
辞書生成部13は、運動体の運動モデルをモデル化し、運動モデルを複数含む辞書を生成する。より詳しくは、辞書生成部13は、運動モデルを規定するパラメータセットを複数用意し、その運動モデルに基づいて運動体が動作した場合にドップラーセンサ2により観測される系列である、疑似的なIQ信号(第3の系列)を生成する。なお、以下では、このような疑似的なIQ信号を、疑似IQ信号とも称す。
・辞書生成部
辞書生成部13は、運動体の運動モデルをモデル化し、運動モデルを複数含む辞書を生成する。より詳しくは、辞書生成部13は、運動モデルを規定するパラメータセットを複数用意し、その運動モデルに基づいて運動体が動作した場合にドップラーセンサ2により観測される系列である、疑似的なIQ信号(第3の系列)を生成する。なお、以下では、このような疑似的なIQ信号を、疑似IQ信号とも称す。
その後、辞書生成部13は、疑似IQ信号の周波数特徴量を算出する。そして、辞書生成部13は、パラメータセットとそのパラメータセットにより与えられる疑似IQ信号の周波数特徴量との対応付けを複数含む辞書を生成する。パラメータセットは、例えば運動体の位置および大きさを含んでいてもよい。また、辞書生成部13は、生成した辞書を記憶する図示しない記憶部を有していてもよい。
・前処理部
前処理部11は、ドップラーセンサ2より出力されたIQ信号に対して所定の前処理を行う。前処理部11は、ドップラーセンサ2からIQ信号を入力される入力部としての機能を有する。そして、前処理部11は、前処理後のIQ信号をモデル推定部15および特徴量算出部17に出力する。
前処理部11は、ドップラーセンサ2より出力されたIQ信号に対して所定の前処理を行う。前処理部11は、ドップラーセンサ2からIQ信号を入力される入力部としての機能を有する。そして、前処理部11は、前処理後のIQ信号をモデル推定部15および特徴量算出部17に出力する。
・モデル推定部
モデル推定部15は、前処理部11により出力されるIQ信号に類似する疑似IQ信号を辞書生成部13により生成された辞書から選択する。その後、モデル推定部15は、選択した疑似IQ信号を与える運動モデル(パラメータセット)を初期モデルとして、さらに類似する疑似IQ信号(第2の系列)を与える運動モデルを推定する。そして、モデル推定部15は、その疑似IQ信号を、IQ信号のうち運動体に起因する外乱成分として特徴量算出部17に出力する。
モデル推定部15は、前処理部11により出力されるIQ信号に類似する疑似IQ信号を辞書生成部13により生成された辞書から選択する。その後、モデル推定部15は、選択した疑似IQ信号を与える運動モデル(パラメータセット)を初期モデルとして、さらに類似する疑似IQ信号(第2の系列)を与える運動モデルを推定する。そして、モデル推定部15は、その疑似IQ信号を、IQ信号のうち運動体に起因する外乱成分として特徴量算出部17に出力する。
・特徴量算出部
特徴量算出部17は、前処理部11により出力された前処理後のIQ信号、およびモデル推定部15により出力された疑似IQ信号に基づいて、特徴量を算出する。このとき、特徴量算出部17は、前処理後のIQ信号から疑似IQ信号の影響を差し引いた特徴量を算出してもよい。そして、特徴量算出部17は、算出した特徴量を状態推定部19に出力する。
特徴量算出部17は、前処理部11により出力された前処理後のIQ信号、およびモデル推定部15により出力された疑似IQ信号に基づいて、特徴量を算出する。このとき、特徴量算出部17は、前処理後のIQ信号から疑似IQ信号の影響を差し引いた特徴量を算出してもよい。そして、特徴量算出部17は、算出した特徴量を状態推定部19に出力する。
・状態推定部
状態推定部19は、特徴量算出部17により出力された特徴量に基づいて、運動体の状態を推定する。例えば、状態推定部19は、人4の呼吸による生体反応の有無、および扇風機5の有無を推定する。そして、状態推定部19は、推定結果を出力装置3に出力する。
状態推定部19は、特徴量算出部17により出力された特徴量に基づいて、運動体の状態を推定する。例えば、状態推定部19は、人4の呼吸による生体反応の有無、および扇風機5の有無を推定する。そして、状態推定部19は、推定結果を出力装置3に出力する。
(出力装置)
出力装置3は、映像、画像、音声などによって、状態推定部19による推定結果を出力する。出力装置3は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)装置、スピーカー等により実現される。
出力装置3は、映像、画像、音声などによって、状態推定部19による推定結果を出力する。出力装置3は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)装置、スピーカー等により実現される。
なお、前処理部11、辞書生成部13、モデル推定部15、特徴量算出部17、および状態推定部19は、それぞれ演算処理装置として機能し、各種プログラムに従って上述の処理を行う。よって、前処理部11、辞書生成部13、モデル推定部15、特徴量算出部17、および状態推定部19、若しくは特徴量算出装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサによって実現される。なお、特徴量算出装置1は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
<2−2.動作>
以上、本実施形態に係る状態推定システムの構成について説明した。次に、本実施形態に係る状態推定システムの動作について説明する。なお、状態推定システムの動作は辞書生成処理と状態推定処理とに分類される。そこで、まず図3〜8を参照して辞書生成部13による辞書生成処理について説明し、次に図9〜13を参照して状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
以上、本実施形態に係る状態推定システムの構成について説明した。次に、本実施形態に係る状態推定システムの動作について説明する。なお、状態推定システムの動作は辞書生成処理と状態推定処理とに分類される。そこで、まず図3〜8を参照して辞書生成部13による辞書生成処理について説明し、次に図9〜13を参照して状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
[2−2−1.辞書生成処理]
図3は、第1の実施形態に係る辞書生成部13による辞書生成処理を示すフローチャートである。以下、図3に示した各ステップについて詳細に説明する。
図3は、第1の実施形態に係る辞書生成部13による辞書生成処理を示すフローチャートである。以下、図3に示した各ステップについて詳細に説明する。
(S104:疑似ドップラー信号生成)
辞書生成部13は、ステップS104で、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルをモデル化し、疑似IQ信号を生成する。本実施形態では、運動体の一例として扇風機5を用いるので、辞書生成部13は扇風機5の首振り運動をモデル化する。例えば、辞書生成部13は、以下の10個のパラメータを用いて扇風機5の首振り運動をモデル化する。
・扇風機5の位置に関するパラメータ(x0,y0,z0)
・扇風機5の首振り角度に関するパラメータ(θ0,θmax)
・扇風機5の首振り速度および端での停止時間に関するパラメータ(fc,fe,W)
・扇風機5の構造(大きさ)に関するパラメータ(G,r)
辞書生成部13は、ステップS104で、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルをモデル化し、疑似IQ信号を生成する。本実施形態では、運動体の一例として扇風機5を用いるので、辞書生成部13は扇風機5の首振り運動をモデル化する。例えば、辞書生成部13は、以下の10個のパラメータを用いて扇風機5の首振り運動をモデル化する。
・扇風機5の位置に関するパラメータ(x0,y0,z0)
・扇風機5の首振り角度に関するパラメータ(θ0,θmax)
・扇風機5の首振り速度および端での停止時間に関するパラメータ(fc,fe,W)
・扇風機5の構造(大きさ)に関するパラメータ(G,r)
ただし、扇風機5の位置に関するパラメータおよび首振り角度に関するパラメータは、ドップラーセンサ2の設置位置、および設置された部屋の広さ等によって値が制限される。
そして、辞書生成部13は、これらの10個のパラメータの組み合わせであるパラメータセットを所定数生成し、各パラメータセットについて疑似IQ信号を生成する。パラメータセットは、上記制限の範囲内でとりうる値を網羅するよう生成されることが望ましい。以下では、辞書生成部13による扇風機5の首振り運動のモデル化、および疑似IQ信号の生成について詳細に説明する。
・扇風機首振り角度変動のモデル化
一般的に、扇風機5の首振り運動は、「回転の端で動作が止まる」「端から中心と中心から端で速度が異なる」という2つの特徴を備えている。そこで、辞書生成部13は、これらの特徴に基づき、首振り運動の最大角を示す最大回転角度θmax、首振り運動の端から中心までの動作周波数fc、中心から端までの動作周波数fe、および端での停止時間Wを用いて、扇風機5の首振り角度変動をモデル化する。具体的には、辞書生成部13は、数式1に示す首振り運動に関する関数d()に基づいて、数式2により角度変動θを算出する。
一般的に、扇風機5の首振り運動は、「回転の端で動作が止まる」「端から中心と中心から端で速度が異なる」という2つの特徴を備えている。そこで、辞書生成部13は、これらの特徴に基づき、首振り運動の最大角を示す最大回転角度θmax、首振り運動の端から中心までの動作周波数fc、中心から端までの動作周波数fe、および端での停止時間Wを用いて、扇風機5の首振り角度変動をモデル化する。具体的には、辞書生成部13は、数式1に示す首振り運動に関する関数d()に基づいて、数式2により角度変動θを算出する。
図4は、第1の実施形態に係る辞書生成部13によりモデル化された運動モデルに基づく扇風機5の首振り角度の変動を示した説明図である。図4に示したように、首振りも出るによる扇風機5の首振り角度は、「回転の端で動作が止まる」「端から中心と中心から端で速度が異なる」という2つの特徴を示している。
・首振り運動モデル(速度算出)
本明細書においては、辞書生成部13は、扇風機5の回転翼面を対象にして首振り運動モデルをモデル化する。まず、図5を参照し、扇風機5の首振り運動モデルを説明する。
本明細書においては、辞書生成部13は、扇風機5の回転翼面を対象にして首振り運動モデルをモデル化する。まず、図5を参照し、扇風機5の首振り運動モデルを説明する。
なお、ここでの首振り回転角度の変動は、上記数式2により算出される。ここで、時刻tにおける角度θtから、h時間経過後の角度θt+hまでの間の速度vは、次式で求められる。
ここで、図6を参照して、速度ベクトルvt,t+h,iのドップラーセンサ2方向の速度成分について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る辞書生成部13による扇風機5の首振り運動のモデル化を説明するための説明図である。図6に示したように、ドップラーセンサ2と速度ベクトルvt,t+h,iのなす角度をθt,t+h,iをとする。このとき、速度ベクトルvt,t+h,iをドップラーセンサ2方向に成分分解したVt,t+h,iは、次式で算出される。
・扇風機首振り時のドップラーセンサ2から見た面積変動
次に、辞書生成部13は、ドップラーセンサ2から扇風機5の回転翼面を見たときの見かけ上の大きさについてモデル化する。まず、図7を参照し、扇風機5の回転翼のモデルを説明する。
次に、辞書生成部13は、ドップラーセンサ2から扇風機5の回転翼面を見たときの見かけ上の大きさについてモデル化する。まず、図7を参照し、扇風機5の回転翼のモデルを説明する。
図7は、第1の実施形態に係る辞書生成部13による扇風機5の首振り運動のモデル化を説明するための説明図である。図7(1)および(2)に示したように、首振り運動の回転軸中心からの距離をG、回転翼部分の半径をrとする。このとき、図7(2)に示したように、y軸方向から見た回転翼面部分が真円であると仮定すると、その3次元空間上の座標[i j k]は、[rcos(X) G rsin(X)]と表すことが出来る。ここで、Xは0から2πまでの任意の長さのベクトルを示す。
次に、図8を参照し、射影距離に関する扇風機5の回転翼のモデルについて説明する。
図8は、第1の実施形態に係る辞書生成部13による扇風機5の首振り運動のモデル化を説明するための説明図である。図8に示したように、扇風機5の回転翼面をドップラーセンサ2の座標からy軸方向を奥行きとしてxz平面に中心射影することを考え、ドップラーセンサ2からの射影距離をl、射影後の扇風機5´の座標を[i´ k´]とする。このとき、ドップラーセンサ2の座標を[u v w]とすると、射影後の座標[i´ k´]は次式で算出される。
このとき、射影後の座標[i´ k´]に囲まれる領域を計算することによって、ドップラーセンサ2から見た扇風機5´の回転翼面の面積は算出される。ここでは、時刻tにおける射影面積をEtとおく。
・疑似IQ信号の生成
そして、辞書生成部13は、疑似IQ信号を生成する。時刻tからt+1までの間のメッシュ上の点iのドップラーセンサ2方向への速度をVt,t+1,i[m/s]、点iの初期座標とドップラーセンサ2との距離をL0,iとすると、時刻1におけるドップラーセンサ2と点iとの距離L1,iは次式で表される。
そして、辞書生成部13は、疑似IQ信号を生成する。時刻tからt+1までの間のメッシュ上の点iのドップラーセンサ2方向への速度をVt,t+1,i[m/s]、点iの初期座標とドップラーセンサ2との距離をL0,iとすると、時刻1におけるドップラーセンサ2と点iとの距離L1,iは次式で表される。
ここで同様に、時刻t+1におけるドップラーセンサ2と点iとの距離Lt+1,iは次式で表される。
そして、各メッシュあたりの面積をΔiとしたときの、時刻tにおける面積分値Dtは、次式で表される。
ここで、Round−trip時間Tr(t)は次式で表される。
受信信号vr(t)は、送信波が物体により反射して戻ってくるまでの時間Tr(t)の遅延があるため、次式で表される。
ここで、Erは受信信号の振幅を示す。また、受信信号vr(t)と同様に送信信号vs(t)=EsCOSφsとすると、辞書生成部13は、IQ検波により以下の2信号を得る。
ここで、Esは送信信号の振幅を示す。そして、送信波の振幅Esは一定であるとして、各波形の振幅はEtに依存すると仮定する。また、ローパスフィルタ―により(φt+φs)の成分は除去可能である。よって、辞書生成部13は、最終的に次式の疑似IQ信号を算出する。
(S108:合成信号生成、S112:周波数特徴量算出)
辞書生成部13は、ステップS108で疑似IQ信号を合成して合成信号M生成し、ステップS112で成信号Mの周波数特徴量を算出する。ここで、辞書生成部13によるステップS108およびS112での処理は、後述するステップS204およびS208で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
辞書生成部13は、ステップS108で疑似IQ信号を合成して合成信号M生成し、ステップS112で成信号Mの周波数特徴量を算出する。ここで、辞書生成部13によるステップS108およびS112での処理は、後述するステップS204およびS208で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
(S116:辞書登録)
辞書生成部13は、パラメータセットと当該パラメータセットに基づく疑似IQ信号の周波数特徴量とを対応付けて記憶することで辞書を生成する。
辞書生成部13は、パラメータセットと当該パラメータセットに基づく疑似IQ信号の周波数特徴量とを対応付けて記憶することで辞書を生成する。
[2−2−2.状態推定処理]
以上、辞書生成部13による辞書生成処理について説明した。次に、状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
以上、辞書生成部13による辞書生成処理について説明した。次に、状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
図9は、第1の実施形態に係る状態推定システムによる状態推定処理を示すフローチャートである。以下、図9に示した各ステップについて詳細に説明する。
(S204:合成信号生成)
まず、ステップS204で、前処理部11は、ドップラーセンサ2により観測されたIQ信号の合成信号を生成する。
まず、ステップS204で、前処理部11は、ドップラーセンサ2により観測されたIQ信号の合成信号を生成する。
次に、前処理部11は、ローパスフィルタ後のIQ信号に一階差分処理を行い、以下のように表される信号dIおよびdQを生成する。
そして、前処理部11は、次式で示すように、信号dIおよびdQを合成して合成信号Cを生成する。
前処理部11は、生成した合成信号Cをモデル推定部15および特徴量算出部17に出力する。なお、上記では前処理部11が合成信号Cを生成すると説明したが、モデル推定部15および特徴量算出部17がそれぞれ合成信号Cを生成してもよい。
(S208:周波数特徴量算出)
次に、ステップS208で、モデル推定部15は、合成信号Cから周波数特徴量を算出する。信号から周波数特徴量を算出し、m[Hz]の周波数特徴量を返す関数をFTm(・)とすると、モデル推定部15は、FTm(C)により周波数特徴量を算出する。
次に、ステップS208で、モデル推定部15は、合成信号Cから周波数特徴量を算出する。信号から周波数特徴量を算出し、m[Hz]の周波数特徴量を返す関数をFTm(・)とすると、モデル推定部15は、FTm(C)により周波数特徴量を算出する。
(S212:辞書から初期モデル選択)
モデル推定部15は、IQ信号と辞書生成部13により生成された辞書とに基づいて、IQ信号のうち運動体の運動に起因する成分(第2の系列)を推定する。より詳しくは、モデル推定部15は、IQ信号と疑似IQ信号との比較結果に基づいて運動体信号を推定する。
モデル推定部15は、IQ信号と辞書生成部13により生成された辞書とに基づいて、IQ信号のうち運動体の運動に起因する成分(第2の系列)を推定する。より詳しくは、モデル推定部15は、IQ信号と疑似IQ信号との比較結果に基づいて運動体信号を推定する。
例えば、モデル推定部15は、IQ信号に類似する疑似IQ信号を辞書から選択して、選択した疑似IQ信号を運動体の運動に起因する成分としてもよい。他にも、モデル推定部15は、選択した疑似IQ信号を与える運動モデルを初期モデルとして、さらに類似する疑似IQ信号を与える運動モデルを推定し、その疑似IQ信号を、運動体の運動に起因する成分としてもよい。以下では、モデル推定部15が辞書から選択した疑似IQ信号を初期モデルとして、さらに類似する疑似IQ信号を与える運動モデルを推定する処理について説明する。
ステップS212で、モデル推定部15は、前処理部11により出力されるIQ信号に類似する疑似IQ信号を辞書生成部13により生成された辞書から選択する。なお、類似するか否かは、ステップS208でモデル推定部15により算出されたIQ信号の周波数特徴量と、辞書に登録された疑似IQ信号の周波数特徴量の比較結果に基づいて判定される。モデル推定部15は、次式で表される類似度が最も高い疑似IQ信号を与えるパラメータセットを、辞書から選択する。
ここで、SIlは合成信号Cとl番目のパラメータセットにより与えられる疑似IQ信号の合成信号Mとの類似度を示し、DBl,mは当該l番目のパラメータセットによる合成信号Mのm[Hz]の周波数特徴量を示す。ここで、図10に、IQ信号、数式18で表される類似度が最も高いパラメータセットにより与えられる疑似IQ信号、およびIQ信号と疑似IQ信号との類似度の一例を示す。
図10は、第1の実施形態に係るモデル推定部15により推定された運動モデルにより与えられる疑似IQ信号およびIQ信号の周波数特徴量ならびに疑似IQ信号およびIQ信号の類似度の一例を示した説明図である。図10では、(1)にIQ信号を、(2)に疑似IQ信号を、(3)にIQ信号と疑似IQ信号との類似度をそれぞれ示した。図10に示したように、IQ信号および疑似IQ信号が類似する箇所に、類似度のピークが現れている。
(S216:初期モデルに基づいてパラメータ推定)
次に、ステップS216で、モデル推定部15は、上記ステップS212において選択したパラメータセットよりも、さらに類似する疑似IQ信号を与えるパラメータセットを推定する。具体的には、モデル推定部15は、次式で表される誤差S(Θ)を最小化するパラメータセットΘを、最も類似する疑似IQ信号を与えるパラメータセットとして推定する。
次に、ステップS216で、モデル推定部15は、上記ステップS212において選択したパラメータセットよりも、さらに類似する疑似IQ信号を与えるパラメータセットを推定する。具体的には、モデル推定部15は、次式で表される誤差S(Θ)を最小化するパラメータセットΘを、最も類似する疑似IQ信号を与えるパラメータセットとして推定する。
ここで、パラメータセットΘは(x,y,z,θ0,θmax,fc,fe,W,G,r)を示し、Km(Θ)はパラメータセットΘによって与えられる疑似IQ信号の合成信号Mのm[Hz]の周波数特徴量を返す関数を示す。例えば、モデル推定部15は、誤差S(Θ)を非線形最小二乗法により最小化してもよい。より具体的には、モデル推定部15は、ステップS104において上述した、ドップラーセンサ2の設置位置、設置された部屋の広さ等に基づく制約条件において、誤差S(Θ)を滑降シンプレックス法(Nelder−Mead法)により最小化してもよい。
ここで、モデル推定部15は、次式で表される誤差S(Θ)を最小化するパラメータ群を、最もIQ信号と類似する疑似IQ信号を与えるパラメータセットとする。
(S220:呼吸周波数推定)
次いで、ステップS220で、特徴量算出部17は、前処理部11より出力された合成信号Cから呼吸周波数を含む呼吸パラメータを推定する。具体的には、特徴量算出部17は、合成信号Cのデータ長をnとして、次式に示す通り、合成信号Cと呼吸モデルに基づく信号との誤差S(A,ω,φ1,φ2)を最小化する呼吸パラメータの推定を行う。
次いで、ステップS220で、特徴量算出部17は、前処理部11より出力された合成信号Cから呼吸周波数を含む呼吸パラメータを推定する。具体的には、特徴量算出部17は、合成信号Cのデータ長をnとして、次式に示す通り、合成信号Cと呼吸モデルに基づく信号との誤差S(A,ω,φ1,φ2)を最小化する呼吸パラメータの推定を行う。
ここで、Aは信号の振幅、ωは呼吸周波数、φ1およびφ2は位相を示す。なお、特徴量算出部17は、上記ステップS216と同様に、非線形最小二乗法により呼吸パラメータを推定してもよく、滑降シンプレックス法(Nelder−Mead法)によって呼吸パラメータを推定してもよい。ここで、ステップS224で後述する通り、呼吸パラメータのうち、呼吸周波数ωは状態推定部19による状態推定に用いられる特徴量である。なお、図11に、IQ信号と特徴量算出部17により推定された呼吸モデルに基づく信号との比較例を示した。
(S224:特徴量算出)
次いで、ステップS224で、特徴量算出部17は、前処理部11およびモデル推定部15からの出力に基づいて、特徴量を算出する。
次いで、ステップS224で、特徴量算出部17は、前処理部11およびモデル推定部15からの出力に基づいて、特徴量を算出する。
まず、特徴量算出部17は、前処理部11より出力された合成信号Cの任意の時間窓内のデータの総和をとった信号列Bを算出する。信号列Bは、合成信号Cのデータ長をn、任意の時間窓をwとすると、次式で表される。
ここで、t=1,…,(n−w)とする。特徴量算出部17は、信号列Bを周波数分解し、続いて正規化することで、次式で表される総和正規化周波数特徴量FBを算出する。
一方で、特徴量算出部17は、モデル推定部15より出力された合成信号Mについても同様の処理を行い、信号列Oを算出する。信号列Oは、合成信号Mのデータ長をn、任意の時間窓をwとすると、次式で表される。
ここで、t=1,…,(n−w)とする。特徴量算出部17は、信号列Oを周波数分解し、続いて正規化することで、次式で表される総和正規化周波数特徴量FOを算出する。
ここで、特徴量算出部17は、状態推定部19による状態推定に用いる特徴量として、IQ信号と疑似IQ信号との差分に基づく特徴量、およびIQ信号に基づく特徴量を算出する。
具体的には、特徴量算出部17は、IQ信号の周波数特徴量を正規化した系列および疑似IQ信号の周波数特徴量を正規化した系列の差分であるΣ(FB−FO)を、IQ信号と疑似IQ信号との差分に基づく特徴量として算出する。また、特徴量算出部17は、IQ信号の周波数特徴量を正規化した系列であるΣFBを、IQ信号に基づく特徴量として算出する。また、特徴量算出部17は、ステップS220において推定した呼吸周波数ωを、IQ信号に基づく特徴量とする。他にも、特徴量算出部17は、合成信号Cの平均、分散、最大値、最小値、尖度、および歪度を、IQ信号の統計量に基づく特徴量として算出する。
そして、特徴量算出部17は、算出したこれら9個の特徴量を、状態推定に用いる特徴量として状態推定部19に出力する。
(S228:状態推定)
次に、ステップS228で、状態推定部19は、特徴量算出部17より出力された特徴量に基づいて、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体、即ち人4および扇風機5の状態を推定する。
次に、ステップS228で、状態推定部19は、特徴量算出部17より出力された特徴量に基づいて、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体、即ち人4および扇風機5の状態を推定する。
具体的には、状態推定部19は、特徴量算出部17により出力された特徴量に基づいて、事前にサポートベクタマシンによって状態を学習された認識器に入力を行い、状態の推定を行う。特徴量算出部17は、「生体反応あり」「外乱環境下での生体反応あり」「外乱環境下での生体反応なし」「生体反応なし」の4状態を推定する。なお、「生体反応あり」は人4のみ、「外乱環境下での生体反応あり」は扇風機5および人4、「外乱環境下での生体反応なし」は扇風機5のみが、それぞれ存在することを示し、「生体反応なし」は人4および扇風機5が存在しないことを示す。ここで、図12に、状態推定部19による推定結果の一例を示した。
図12は、第1の実施形態に係る状態推定部19による状態推定結果の一例を示した説明図である。図12では、推定結果が百分率で示されており、縦軸と横軸とでラベルが同じセルは、それぞれ状態推定部19が正しく状態を推定したことを表している。図12に示したように、本発明に係る状態推定部19は精度よく状態を推定したことを示している。
ここで、状態推定部19が特徴量Σ(FB−FO)を用いて状態推定することの有効性を示すため、図13に特徴量ΣFB、Σ(FB−FO)の分布の平均を示す。
図13は、第1の実施形態に係る特徴量算出部17により算出された特徴量の性質を説明するための説明図である。図13においては、特徴量ΣFBを横軸とし、特徴量Σ(FB−FO)を縦軸として分布を示した。なお、Σ(FB−FO)の値が0に近いほど、疑似IQ信号に一致するIQ信号がドップラーセンサ2により観測されたことを示している。図13に示したように、ΣFBのみでは判別の難しい「外乱環境下での生体反応なし」が、Σ(FB−FO)によって単独のクラスタ12を形成している。また、クラスタ11には、「生体反応あり」「外乱環境下での生体反応あり」「生体反応なし」が含まれるが、状態推定部19は、「生体反応なし」を要約統計量により認識することが可能である。
つまり、状態推定部19は、特徴量がクラスタ11に含まれている場合には、要約統計量を用いて、人4が呼吸をしていることを推定することができる。このように、状態推定部19は、外乱環境下であっても、人4の状態を推定することができる。
<2−3.効果>
上記説明したように、本実施形態に係る状態推定システムは、IQ信号のうちドップラーセンサ2の検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定して特徴量を算出することが可能である。そして、状態推定システムは、算出した特徴量に基づいて、扇風機5という外乱が存在する環境下で人4の状態を推定することが可能である。このため、状態推定システムは、例えば防犯装置や健康管理装置などの人感センシング技術として用いられることが可能である。
上記説明したように、本実施形態に係る状態推定システムは、IQ信号のうちドップラーセンサ2の検知範囲に存在し得る運動体に起因する成分を推定して特徴量を算出することが可能である。そして、状態推定システムは、算出した特徴量に基づいて、扇風機5という外乱が存在する環境下で人4の状態を推定することが可能である。このため、状態推定システムは、例えば防犯装置や健康管理装置などの人感センシング技術として用いられることが可能である。
一般的に、ドップラーセンサ2により観測されるIQ信号は、外乱対象の位置関係が僅かな異なる場合であっても大きく変化する。つまり、観測されたIQ信号に基づく学習、すなわち人の手による網羅的データ収集による大規模なデータ収集では、僅かな設置誤差が学習結果に大きく影響を与えるので、辞書の構築が困難である。これに対し、本実施形態に係る辞書生成部13は、運動モデルに基づいて疑似IQ信号を生成するため設置誤差が無く、容易に精緻な辞書を生成することができる。
また、辞書生成部13は想定し得る運動モデルを網羅するよう辞書を生成するが、すべてを網羅することが困難な場合がある。そして、上述の通り、パラメータが僅かに異なる場合には、出力される疑似IQ信号は大きく異なるため、生体認識に大きな影響を及ぼす場合がある。この点、モデル推定部15は、IQ信号に類似する疑似IQ信号を辞書から選択するだけでなく、選択した疑似IQ信号を与える運動モデルを初期モデルとして、さらに類似する疑似IQ信号を与える運動モデルを推定する。このため、モデル推定部15は、より精度よく扇風機5に起因する外乱成分を推定することができる。
また、特徴量算出部17は、人4の状態検知のため、呼吸周波数を推定する。これにより、状態推定システムは人4の生体状態検知の精度を向上させることができると共に、人4の呼吸状態の検知も可能となる。
また、状態推定部19は、疑似IQ信号とIQ信号との周波数特徴量の比較処理を、それぞれの総和正規化周波数特徴量の差分によって行う。ここで、総和正規化周波数特徴量は、疑似IQ信号と一致するIQ信号が観測された場合とそうでない場合とでは大きく異なる値となる。従って、状態推定部19は、総和正規化周波数特徴量を用いない場合と比較して、疑似IQ信号とIQ信号とが一致するか否かを容易に判別することができる。
<<3.第2の実施形態>>
<3−1.概要>
本実施形態によれば、非周期的な運動を行う運動体であっても運動モデルをモデル化することで、非周期的な運動を行う運動体の状態を推定することが可能である。本実施形態と第1の実施形態とは、以下の点で相違する。まず、第1の実施形態に係る状態推定部19は、周期的な運動を行う運動体の運動モデルに基づいて人4の状態を推定していたのに対し、本実施形態に係る状態推定部19は、非周期的な運動を行う運動体である人4の運動モデルに基づいて人4の状態を推定する。また、第1の実施形態に係る状態推定部19は、特徴量算出部17により算出された特徴量に基づいて状態を推定するのに対し、本実施形態に係る状態推定部19は、モデル推定部15により算出されるIQ信号と疑似IQ信号の類似度に基づいて状態を推定する。以下、図14〜15を参照して、本実施形態の概要を説明する。
<3−1.概要>
本実施形態によれば、非周期的な運動を行う運動体であっても運動モデルをモデル化することで、非周期的な運動を行う運動体の状態を推定することが可能である。本実施形態と第1の実施形態とは、以下の点で相違する。まず、第1の実施形態に係る状態推定部19は、周期的な運動を行う運動体の運動モデルに基づいて人4の状態を推定していたのに対し、本実施形態に係る状態推定部19は、非周期的な運動を行う運動体である人4の運動モデルに基づいて人4の状態を推定する。また、第1の実施形態に係る状態推定部19は、特徴量算出部17により算出された特徴量に基づいて状態を推定するのに対し、本実施形態に係る状態推定部19は、モデル推定部15により算出されるIQ信号と疑似IQ信号の類似度に基づいて状態を推定する。以下、図14〜15を参照して、本実施形態の概要を説明する。
図14は、第2の実施形態に係る状態推定システムの概要を説明するための説明図である。図14に示したように、本実施形態に係る状態推定システムは、ドップラーセンサ2に対して正対して接近または離反方向に転倒する、人4の転倒運動を推定する。なお、本明細書では、図15に示す通り、人4を簡略化した矩形の転倒運動を推定する。
図15は、第2の実施形態に係る状態推定システムの適用例を説明するための説明図である。図15に示したように、本明細書では、ドップラーセンサ2に接近する方向に矩形6が転倒する場合に状態推定システムが転倒を検知する例について説明する。
<3−2.動作>
以上、本実施形態に係る状態推定システムの概要について説明した。本実施形態の構成は、第1の実施形態において説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。次に、図本実施形態に係る状態推定システムの動作について説明する。
以上、本実施形態に係る状態推定システムの概要について説明した。本実施形態の構成は、第1の実施形態において説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。次に、図本実施形態に係る状態推定システムの動作について説明する。
[3−2−1.辞書生成処理]
上記第1の実施形態と同様に、図3に示したフローチャートに従って辞書生成部13は辞書を生成するが、ステップS104における処理が相違する。そこで、以下では、本実施形態に係るステップS104の処理について詳細に説明する。
上記第1の実施形態と同様に、図3に示したフローチャートに従って辞書生成部13は辞書を生成するが、ステップS104における処理が相違する。そこで、以下では、本実施形態に係るステップS104の処理について詳細に説明する。
(S104:疑似ドップラー信号生成)
辞書生成部13は、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルをモデル化し、疑似IQ信号を生成する。本実施形態では、図15に示したように、運動体の一例として矩形6を用いるので、辞書生成部13は矩形6の転倒運動をモデル化する。例えば、矩形6は、以下の5個のパラメータを用いて矩形6の転倒運動をモデル化する。
・矩形6の位置に関するパラメータ(x0,y0,z0)
・矩形6の構造(大きさ)に関するパラメータ(h,w)
辞書生成部13は、ドップラーセンサ2の電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルをモデル化し、疑似IQ信号を生成する。本実施形態では、図15に示したように、運動体の一例として矩形6を用いるので、辞書生成部13は矩形6の転倒運動をモデル化する。例えば、矩形6は、以下の5個のパラメータを用いて矩形6の転倒運動をモデル化する。
・矩形6の位置に関するパラメータ(x0,y0,z0)
・矩形6の構造(大きさ)に関するパラメータ(h,w)
ただし、矩形6の位置に関するパラメータは、ドップラーセンサ2の設置位置、設置された部屋の広さ等によって値が制限される。
そして、辞書生成部13は、これらの5個のパラメータの組み合わせであるパラメータセットを所定数生成し、各パラメータセットについて疑似IQ信号を生成する。パラメータセットは、上記制限の範囲内でとりうる値を網羅するよう生成されることが望ましい。以下では、辞書生成部13による矩形6の転倒運動のモデル化、および疑似IQ信号の生成について詳細に説明する。
・転倒運動モデル(速度算出)
本明細書では、矩形6が接地している部分を原点、矩形6の幅方向をx軸、矩形6からドップラーセンサ2への方向をy軸、矩形6が立つ方向をz軸、矩形6上の等間隔のメッシュに配置された任意の点を[x y z]とする。このとき、原点を中心に転倒してθ度傾いた時の座標[xθ yθ zθ]は、次式で表される。
本明細書では、矩形6が接地している部分を原点、矩形6の幅方向をx軸、矩形6からドップラーセンサ2への方向をy軸、矩形6が立つ方向をz軸、矩形6上の等間隔のメッシュに配置された任意の点を[x y z]とする。このとき、原点を中心に転倒してθ度傾いた時の座標[xθ yθ zθ]は、次式で表される。
ここで、時刻tにおける角度θtから、h時間経過後の角度θt+hまでの間の速度vは、次式で表される。
ドップラーセンサ2と速度ベクトルvt,t+h,iのなす角度をθt,t+h,iをとする。このとき、速度ベクトルvt,t+h,iのドップラーセンサ2方向の速度成分Vt,t+h,iは、次式で算出される。
・転倒時のドップラーセンサ2から見た面積変動
次に、ドップラーセンサ2から矩形6を見たときの見かけ上の大きさについてモデル化する。まず、ドップラーセンサ2の座標を原点に取った時の、その3次元空間上の座標を[i j k]とする。そして、図16を参照し、射影距離に関するに矩形6をモデル化する。
次に、ドップラーセンサ2から矩形6を見たときの見かけ上の大きさについてモデル化する。まず、ドップラーセンサ2の座標を原点に取った時の、その3次元空間上の座標を[i j k]とする。そして、図16を参照し、射影距離に関するに矩形6をモデル化する。
図16は、第2の実施形態に係る辞書生成部13による矩形6の転倒運動のモデル化を説明するための説明図である。図16に示したように、矩形6をドップラーセンサ2の座標からy軸方向を奥行きとしてxz平面に中心射影することを考え、ドップラーセンサ2からの射影距離をl、射影後の矩形6´の座標を[i´ k´]とする。このとき、ドップラーセンサ2の座標を[u v w]とすると、射影後の座標[i´ k´]は次式で算出される。
このとき、射影後の座標[i´ k´]に囲まれる領域を計算することによって、ドップラーセンサ2から見た矩形6´の面積は算出される。ここでは、時刻tにおける射影面積をEtとおく。
(S108、S112、S116)
ステップS108、S112、およびS116の処理は、上記第1の実施形態において説明した通りである。
[3−2−2.状態推定処理]
以上、辞書生成部13による辞書生成処理について説明した。次に、図17を参照し、状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
ステップS108、S112、およびS116の処理は、上記第1の実施形態において説明した通りである。
[3−2−2.状態推定処理]
以上、辞書生成部13による辞書生成処理について説明した。次に、図17を参照し、状態推定システムによる状態推定処理について説明する。
図17は、第2の実施形態に係る状態推定システムによる状態推定処理を示すフローチャートである。ここで、図17に示したステップS304における合成信号生成、およびステップS308における周波数特徴量算出については、上記実施形態1において説明したステップS204およびS208と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。ただし、本実施形態においては、高周波数帯に着目するため、前処理部11は、ステップS204における上記数式15によるローパスフィルタの処理を行わないものとする。
(S312:辞書から類似モデル選択)
ステップS312で、モデル推定部15は、ステップS308で算出した周波数特徴量に基づいて、上記ステップS212と同様に類似度を算出し、類似度の最も高いパラメータセットを辞書から選択する。ただし、周波数の類似度を比較する範囲は、扇風機5の首振り運動に比べ高周波となる。このため、モデル推定部15は、第1の実施形態とは異なるサンプリングレートの半分(fmax)に設定し、また、周波数のパワーを最大値が1になるように正規化を行った次式で表される類似度の計算を行う。
ステップS312で、モデル推定部15は、ステップS308で算出した周波数特徴量に基づいて、上記ステップS212と同様に類似度を算出し、類似度の最も高いパラメータセットを辞書から選択する。ただし、周波数の類似度を比較する範囲は、扇風機5の首振り運動に比べ高周波となる。このため、モデル推定部15は、第1の実施形態とは異なるサンプリングレートの半分(fmax)に設定し、また、周波数のパワーを最大値が1になるように正規化を行った次式で表される類似度の計算を行う。
ここで、最も類似度の高い値を出力した疑似IQ信号を与えるパラメータセット(max(SIi))により規定される運動モデルが、観測データの状況に近い状態を示していると考えられる。ここで、図18の(1)に、最も高い類似度を示したパラメータセットにおける、類似度の時系列変動を示した。
図18は、第2の実施形態に係るモデル推定部15により算出された類似度の時系列変動を示した説明図である。図18の(2)では、比較例として、次式で表される、原波形の同区間の正規化エネルギー総和値の時系列変動を示した。
図18に示したように、転倒時において、類似度を示した(1)では転倒区間21において突出して値を示しているのに対し、類似度ではない比較例を示した(2)では転倒区間22における波形はその他の区間と比較して突出した値を示しておらず、転倒の検出は困難であると言える。
(S316:状態推定)
状態推定部19は、上記ステップS214において算出された類似度に基づいて、例えば図18(1)に示した突出した類似度の値を検出する閾値の設定または変化点の算出等により、転倒の検知を行う。
状態推定部19は、上記ステップS214において算出された類似度に基づいて、例えば図18(1)に示した突出した類似度の値を検出する閾値の設定または変化点の算出等により、転倒の検知を行う。
<3−3.効果>
上記説明したように、本実施形態に係る状態推定システムは、非周期的な運動を行う運動体であっても運動モデルをモデル化することで、非周期的な運動を行う運動体の状態を推定することが可能である。より具体的には、状態推定システムは人4の転倒運動をモデル化して辞書を生成することで、人4の転倒運動を検知することができる。
上記説明したように、本実施形態に係る状態推定システムは、非周期的な運動を行う運動体であっても運動モデルをモデル化することで、非周期的な運動を行う運動体の状態を推定することが可能である。より具体的には、状態推定システムは人4の転倒運動をモデル化して辞書を生成することで、人4の転倒運動を検知することができる。
<4.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1の実施形態では、辞書生成部13がモデル化する運動体の一例として扇風機5を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、辞書生成部13は、機械的な動き(定常的・規則的・動きに予測不可能な揺らぎの少ないもの)をする任意の運動体の動きをモデル化してもよい。この場合、状態推定システムは、機械的な動きをする任意の運動体による外乱環境下で、人4の状態を推定することができる。
また、上記実施形態では、状態推定システムが状態を推定する対象を生体である人4としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、状態推定システムは、人以外の動物などの生体を状態推定の対象としてもよい。他にも、状態推定システムは、機械的な動きを行わない、運動モデルにフィットしない動きをする運動体の状態を推定してもよい。この場合、状態推定システムは、風による家屋や木々の揺れ、地震などの自然現象に起因する動きや、機械の故障・構造物破壊などに伴う非定常な動きなど、単発・過渡的なものや、ゆらぎの大きな継続的な動きなどを、状態推定の対象とすることができる。
1 特徴量算出装置1
11 前処理部11
13 辞書生成部13
15 モデル推定部15
17 特徴量算出部17
19 状態推定部19
2 ドップラーセンサ2
3 出力装置3
4 人4
5 扇風機5
6 矩形6
11 前処理部11
13 辞書生成部13
15 モデル推定部15
17 特徴量算出部17
19 状態推定部19
2 ドップラーセンサ2
3 出力装置3
4 人4
5 扇風機5
6 矩形6
Claims (17)
- 電波型センサにより観測された第1の系列を入力する入力部と、
前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定する系列推定部と、
前記系列推定部により推定された前記第2の系列と、前記入力部に入力された前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出する特徴量算出部と、
を備える特徴量算出装置。 - 前記特徴量算出装置は、前記辞書を生成する辞書生成部をさらに備える、請求項1に記載の特徴量算出装置。
- 前記辞書は、前記運動モデルと当該運動モデルにより前記運動体が運動した場合に前記電波型センサにより観測される系列である第3の系列との対応付けを含み、
前記辞書生成部は、複数の前記運動モデルについて前記第3の系列を算出することで前記辞書を生成し、
前記系列推定部は前記第3の系列および前記第1の系列の比較結果に基づいて前記第2の系列を推定する、請求項2に記載の特徴量算出装置。 - 前記系列推定部は、前記第1の系列に類似する前記第3の系列を前記辞書から選択し、選択した前記第3の系列を前記第2の系列とする、請求項3に記載の特徴量算出装置。
- 前記系列推定部は、前記第1の系列に類似する前記第3の系列に対応する前記運動モデルを初期モデルとして前記辞書から選択し、前記第1の系列にさらに類似する第3の系列を観測される運動モデルを前記初期モデルに基づいて探索し、当該運動モデルに基づいて算出される第3の系列を前記第2の系列とする、請求項3に記載の特徴量算出装置。
- 前記系列推定部は、前記第1の系列の周波数特徴量および前記第3の系列の周波数特徴量の比較結果に基づいて、前記第1の系列および前記第3の系列が類似するか否かを判定する、請求項4または5に記載の特徴量算出装置。
- 前記運動モデルは、前記運動体の位置、および大きさをパラメータとして含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出部は、前記第1の系列および前記第2の系列の差分に基づいて前記特徴量を算出する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出部は、前記第1の系列の周波数特徴量を正規化した系列と、前記第2の系列の周波数特徴量を正規化した系列との差分を前記特徴量として算出する、請求項8に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出部は、前記第1の系列に基づいて呼吸周波数を推定し前記特徴量とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出部は、前記第1の系列の周波数特徴量を正規化した系列を前記特徴量として算出する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出部は、前記第1の系列の統計量を前記特徴量として算出する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記特徴量算出装置は、前記特徴量算出部により算出された前記特徴量に基づいて前記運動体の状態を推定する状態推定部をさらに備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の特徴量算出装置。
- 前記状態推定部は、前記特徴量に基づいて前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る第2の運動体の状態を推定する、請求項13に記載の特徴量算出装置。
- 前記状態推定部は、前記特徴量に基づいて機械学習により前記第2の運動体の状態を推定する、請求項14に記載の特徴量算出装置。
- 前記状態推定部は、前記系列推定部により選択された前記運動モデルに基づいて前記運動体の状態を推定する、請求項13に記載の特徴量算出装置。
- コンピュータに、
電波型センサにより観測された第1の系列を入力するステップと、
前記電波型センサの電波照射範囲に存在し得る運動体の運動モデルの候補を複数含む辞書を用いて前記運動体の運動に起因する第2の系列を推定するステップと、
推定された前記第2の系列と、入力した前記第1の系列との比較結果に基づいて特徴量を算出するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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