光通信システム
図1は、本発明のさまざまな実施形態が実施されてもよい、光通信システム100のブロック図を示す。システム100は、光通信リンク120のネットワークを介して相互接続される複数の通信ノード110を有する。システム100はさらに、光アド/ドロップマルチプレクサー(ADM)130、光増幅器140、および光クロスコネクト150を有し、すべてがノード110間にさまざまに挿入される。
各ノード110は、横モード多重化(TMM)の使用を通じて達成される光多重入出力(MIMO)能力を有する。ノード110は一般に、システム100のさまざまなノード間の双方向通信を可能にするために光送信機および光受信機(どちらも図1では明確に示されない)を含む。TMM多重化に加えて、個々のノード110はまた、波長分割多重化(WDM)および/もしくは偏光多重化(PM)、または両方を使用することもある。個々のノード110で使用されてもよい光送信機および受信機の代表的な実施形態は、以下でこの明細書の対応する小節でより詳細に述べられる。
各光通信リンク120は、次の1つまたは複数を使用して実装される:(i)単一モードファイバー、(ii)マルチモードファイバー、(iii)マルチコアファイバー、および(iv)単一モードファイバーの束。一実施形態では、リンク120で使用されるマルチモードファイバーは、2から約100の横モードを支援する。代替実施形態では、マルチモードファイバーは、100個よりも多い横モードを支援する。一実施形態では、リンク120で使用されるマルチコアファイバーの各コアは、単一横モードを支援する。代替実施形態では、マルチコアファイバーのいくつかのまたはすべてのコアは、多重横モード、ならびに全体として受け取られるマルチコアファイバーのスーパーモードを支援する。
本明細書で使用されるように、術語「横モード」は、伝搬方向に垂直な(すなわち横方向の)平面内で、伝搬距離に実質的に依存しない電場または磁場分布(これから後は光場分布と呼ばれる)を有する誘導電磁波のことである。より具体的には、もしファイバーでの光パワーの損失または利得が取り除かれるならば、そのときファイバーに沿って2つの異なる場所で測定されるモードの光場分布は、それらの2つの場所間でモードによって得られる全位相変化を反映する因子だけ異なることになるだけである。各横モードは、ファイバーの固有モードであり、異なる横モードは、互いに直交する。一般に、光ファイバーは、その光場分布および伝搬定数が導波構造、材料特性、および光周波数(波長)によって明白に決定される、固定数の横モードを支援することができる。横モードの概念は、マルチコアファイバーを含む、さまざまな種類のファイバーに適用できることに留意されたい。例えば、マルチコアファイバーでの個々のコアの横モードはまた、全体として捉えるそのマルチコアファイバーの横モードでもある。
一実施形態では、光アド/ドロップマルチプレクサー130は、再構成可能なアド/ドロップマルチプレクサーである。リンク120は典型的には、比較的高度なモード間混合で特徴付けられるので、ノード110は一般に、TMM信号を適切に処理し、その信号によって運ばれるデータを回復するために同じ光周波数(波長)を有するすべての横モードを受信する必要がある。その結果、マルチプレクサー130は、(i)入ってくるリンク120から同じ光周波数を有するすべての横モードをドロップしかつ/または(ii)出ていくリンク120に同じ光周波数を有するすべてのポピュレートされた横モードを加えるように設計される。言い換えれば、マルチプレクサー130は、従来のWDMアド/ドロップ機能性を実装するが、しかし全体として各特定の波長のTMM多重化信号に作用する。
目的とする機能を支援するために、マルチプレクサー130は、すべての横モードについて実質的に同一の伝送特性を有する狭帯域のインターリーバー型光フィルターを用いる。加えて、マルチプレクサー130は、比較的低レベルのWDMクロストーク(すなわち、WDM多重化信号の異なる光周波数間のクロストーク)を有する。後者の特性は、例えば次のことによって達成されてもよい:(i)モード結合モジュールより前に単一モード領域で必要な光フィルター処理を行うこと(例えば図8を参照)、(ii)正弦型波形整形を使用すること、および/または(iii)直交周波数分割多重化(OFDM)を使用すること。
もしシステム100が、リンク120でマルチコアファイバーを用いるならば、そのときマルチプレクサー130は、選択された組のコア(それは、マルチコアファイバーのすべてのコアまたはそれの任意のサブセットとすることができる)を単一実体として扱うように設計されてもよく、それによって同時に波長チャネルを全体の組に加えかつ/または波長チャネルを全体の組からドロップする。もしリンク120が、異なるコア間で比較的低レベルのクロストークを有するならば、そのときマルチプレクサー130は、コア間クロストークをノイズ/障害として扱いながら、通信信号をそれぞれの個々のコアに加えかつ/または通信信号をそれぞれの個々のコアからドロップするように設計されてもよい。
さまざまな実施形態では、光増幅器140は、集中増幅器または分布増幅器とすることができる。一般に、システム100は、2つの通信ノード110間の全リンクにわたってモード混合マトリクスのユニタリー性を保つように設計されてもよい。その結果、光増幅器140は、リンク120のすべての横モードについて実質的に同じ利得を示すように設計される。
一実施形態では、光増幅器140は、(i)複数のアクティブ区分および(ii)アクティブ区分間に挿入された複数のモードスクランブラーを有する比較的長い(例えば、約100mよりも長い)ファイバー増幅器である。各アクティブ区分は、適度な利得(例えば、約1dBから約5dBの間)を提供する。モードスクランブラー(モード混合器としても知られている)は、異なる横モード間の比較的大きなモード結合を引き起こす光学デバイスである。理想的には、モードスクランブラーは、出力で統計的に均一なモード混合を生成し、そのモード混合は、入力でモードスクランブラーによって受信されるモード分布に実質的に依存しない。各アクティブ区分での適度な利得および比較的頻繁なモードスクランブリングの組合せは、増幅器140に印加されるすべての横モードが実質的に同じ量の増幅を受けることを確実にすることが当業者には理解されよう。
一実施形態では、光クロスコネクト150は、異なるノード110間での光信号の所望のルーティングを可能にするように再構成可能である。すでに上で述べられたように、TMM多重化信号の個々の、別々に変調された成分を適切に復号するためには、ノード110は一般に、全TMM多重化信号を受信する必要がある。それに応じて、クロスコネクト150は、それのWDMルーティング機能を果たしながら、全体として各波長に対応するTMM多重化信号に作用するように設計される。クロスコネクト150は一般に、マルチプレクサー130と同じ構成要素の多くを実装されてもよいことが当業者には理解されよう。
説明に役立つように、システム100は、4つのノード110、1つの光アド/ドロップマルチプレクサー130、1つの光増幅器140、および1つの光クロスコネクト150を有するように図1で示される。他の実施形態では、システム100は、異なる数のノード110、光アド/ドロップマルチプレクサー130、光増幅器140、および/または光クロスコネクト150を有してもよいことが当業者には理解されよう。これらの要素は一般に、図1で示されるそれとは異なる方法で配置され、相互接続されてもよいことが当業者にはさらに理解されよう。
光ファイバー
図2A−Hは、本発明のさまざまな実施形態によるシステム100で使用されてもよい光ファイバーの横断面図を示す(一定の縮尺でなく)。より具体的には、図2A−Hで示されるさまざまなファイバーは、ノード110、光通信リンク120、光アド/ドロップマルチプレクサー130、光増幅器140、および/または光クロスコネクト150で使用されてもよい。
図2Aは、単一モードファイバー210の横断面図を示す。ファイバー210は、クラッド212およびコア216を有する。コア216は、比較的小さな直径を有し、それは、ファイバー210がシステム100で用いられる波長の範囲からの各波長について単一横モードを支援する結果をもたらす。
図2Bは、マルチモードファイバー220の横断面図を示す。ファイバー220は、クラッド222およびコア226を有する。ファイバー220は、コア226がコア216よりも大きい直径を有する点でファイバー210とは異なる。さまざまな実施形態では、コア226の直径は、ファイバー220が2から約百個の間の範囲から選択される所望の数の横モードを支援することを可能にするように選択される。
図2Cは、マルチモードファイバー230の横断面図を示す。ファイバー230は、クラッド232およびコア236を有する。コア236は、コア226よりもさらに大きい直径を有し、それは、ファイバー230が約百個よりも多くの横モードを支援することを可能にする。
図2Dは、マルチコアファイバー240の横断面図を示す。ファイバー240は、第1の(外側の)クラッド242および第2の(内側の)クラッド244を有する。ファイバー240はさらに、内側クラッド244内に封入される複数のコア246を有する。各コア246の直径は、コアが単一横モードかまたは多重横モードを支援する結果をもたらすように選択されてもよい。
一実施形態では、ファイバー240は、光増幅器140での使用のために設計される。より具体的には、内側クラッド244および/またはコア246は、ドープされて(例えば、エルビウムイオンを)光学アクティブ媒体を提供する。増幅器140の光ポンプ(図1では明確に示されない)は、光ポンプ波を内側クラッド244に注入し、それは、外側クラッド242とのそれの屈折率差異に起因して、それらの光ポンプ波をファイバー240の長手軸に沿って誘導することができる。誘導される光ポンプ波は、内側クラッド244から個々のコア246に結合し、それによってコアによって誘導される光信号の増幅のためのエネルギー源を提供する。内側クラッド244は、このクラッドが光ポンプ波のためのマルチモードコアとして機能する結果をもたらす直径を有し、それは、ポンプエネルギーがコア246の間で実質的に均一に分配されることを確実にする。
図2Eは、マルチコアファイバー250の横断面図を示す。ファイバー250は、クラッド252および複数のコア256を有する。コア256は、コア間に比較的大きな隔たりがあるようにクラッド252内に分配される。比較的大きな隔たりに起因して、ファイバー250でのコア間クロストークの量は、比較的小さく、それは、個々のコア256が光通信信号のための別個の独立した導管として機能することを可能にする。さまざまな実施形態では、個々の各コア256は、単一横モードかまたは多重横モードを支援するように設計されてもよい。
図2Fは、マルチコアファイバー260の横断面図を示す。ファイバー260は、クラッド262および複数のコア266を有する。コア266は、コア間の隔たりが次の通りであるようにクラッド262内に分配される:(i)コア間の適度な量の線形結合を生じさせるために十分に小さくかつ(ii)コア間の比較的小さな量の非線形結合を生じさせるためになお十分に大きい。もしコア266の各々が、それぞれの単一横モードを支援するならば、そのときファイバー260のこれらの特性は、全体としてファイバーについて比較的少数の明確に定義され、空間的に分離された横モードを生成するために使用されてもよい。
図2Gは、マルチコアファイバー270の横断面図を示す。ファイバー270は、クラッド272、第1の複数のコア276、および第2の複数のコア278を有する。コア276は、コア278よりも小さい直径を有する。ファイバー270でのさまざまなコア間の隔たりは、ファイバー260(図2F)で使用される隔たりに似ている。
ファイバー270で2つの異なるコア種を有する1つの理由は、異なる伝搬定数で特徴付けられる2つの種類の横モードを生成するためである。伝搬定数の不一致は、結果的に群速度差をもたらし、それは一般に、ファイバー非線形性の有害な影響を低減するために有益である。例えば、交差位相変調の有害な影響は、異なるWDMチャネルからの信号についてそれらのチャネルが比較的大きな群速度不一致を有するとき著しく低減される可能性がある。一実施形態では、コア276および278は、同じ種類のコア間で最大の空間的隔たりを達成するようにクラッド272全体にわたって分配される。
図2Hは、マルチコアファイバー280の横断面図を示す。ファイバー280は、クラッド282、第1の複数のコア286、および第2の複数のコア288を有する。コア286および288は、同じ直径を有するけれども、それらは、異なる屈折率を有する材料で作られている。屈折率差は、コア286および288が異なる伝搬定数を有する結果をもたらし、それは、ファイバー280がファイバー270(図2G)で効果的なメカニズムに定性的に似ているメカニズムを介してファイバー非線形性の有害な影響を低減することを可能にする。
図2A−Hで示されるファイバーに加えて、他の種類のファイバーもまた可能であることが当業者には理解されよう。例えば、2つ以上の異なる材料で作られている、2つ以上の異なるサイズのコアを有するマルチコアファイバーは、図2Gおよび2Hの両方で示される特徴を実装するように製作されてもよい。
本明細書で使用されるように、術語「マルチパスファイバー」は、マルチモードファイバー(例えば、ファイバー220および230、図2B−C)ならびにマルチコアファイバー(例えば、ファイバー240−280、図2D−H)の両方を包含する。
光送信機
図3A−Bは、本発明の一実施形態によるノード110(図1)で使用されてもよい光送信機300を例示する。より具体的には、図3Aは、送信機300のブロック図を示す。図3Bは、送信機300で使用される光モード結合(OMC)モジュール340の動作を図式的に例示する。
図3Aは、出力ファイバー350を介して通信リンク120に結合されるように送信機300を例示的に示す。ファイバー350は一般に、通信リンク120の直接隣接した区分で使用されるファイバーと同じ種類である。すでに上で説明されたように、通信リンク120は、図2で示されるそれらなどの、任意の適切な種類のファイバーを使用して実装されてもよい。次に来る記述は、例となるものであり、出力ファイバー350がファイバー220(図2Bを参照)に似ている実施形態に対応する。この記述に基づいて、光通信信号を他の種類のファイバーに結合するのに適している送信機300の他の実施形態を設計する方法が、当業者には理解されよう。
送信機300は、指定波長の出力光ビームを発生させるように構成されるレーザー310を有する。ビームスプリッター320は、レーザー310によって生成されたビームをN個の方向に分割し、結果として生じるN個のビームをN本の単一モードファイバー322に結合し、ただしNが、1よりも大きい整数である。各ファイバー322は、それのそれぞれのビームを対応する光変調器330に向け、そこでそのビームは、制御信号328を介して変調器に供給されるデータで変調される。異なる変調器330または適切な変調器配置は、制御信号328から導出された異なる独立したまたは相関したデータの流れを使用してそれらのそれぞれの光ビームを変調することができることに留意されたい。代表的な構成では、各変調器330は、送信機300から遠隔受信機への伝送を目的とする対応する独立したデータの流れに基づいてそれの光ビームを変調する。変調器330によって作成された変調光信号は最終的に、OMCモジュール340によってファイバー350に印加されるTMM信号の別々に変調された成分としての役割を果たす。
代替実施形態では、レーザー310は、変調器330に直接結合されるまたはファイバーを通じてではなく、自由空間を通じて変調器に結合されてもよい。
OMCモジュール340の1つの機能は、N本の単一モードファイバー332を介して受信されたN個の変調光信号をファイバー350に適切に結合することである。より具体的には、OMCモジュール340によって受信された各変調光信号は、実質的にファイバー350の選択された単一横モードに結合され、異なる変調光信号は、異なる横モードに結合される。本明細書で使用されるように、語句「信号を実質的に単一横モードに結合すること」は、2つの可能だが、しかし相互排他的でない意味を有することができる。第1の意味によれば、この語句は、信号の全エネルギーの少なくとも約50%(およびおそらくは約80%または90%よりも多く)が1つの選択された横モードに結合することを意味する。第2の意味によれば、この語句は、マルチモードファイバーに結合される信号の全エネルギーの一部分について、その部分の少なくとも約50%(およびおそらくは約80%または90%よりも多く)が1つの選択された横モードに入り、一方その部分の残りが他の横モードに入ることを意味する。個々の光信号が、実質的にマルチモードファイバー(例えば、ファイバー350)の単一横モードにそのファイバーの近接終端で結合され(例えば、OMCモジュール340によって)、それによってマルチモードファイバーに送り出されるTMM信号の光成分に変換されるとき、TMM信号のその光成分は、「マルチモードファイバーの近接終端でのマルチモードファイバーの単一横モードに対応する」と言われる。
送信機300の一実施形態では、数Nは、ファイバー350によって支援される横モードの総数と同じであるように選択される。言い換えれば、送信機300のこの実施形態は、マルチモードファイバー350の横モードの各々およびすべてにそれぞれの別々に変調された光信号をポピュレートさせる能力があるOMCモジュール340を用いる。
図3Bは、OMCモジュール340によって行われる光ビーム成形を図式的に示す。より具体的には、図3Bの異なるパネルは、ファイバー350の終端348でOMCモジュール340によって作成されてもよいさまざまな位相/場強度(PFS)パターンを示し、異なるパネルは、OMCモジュールの異なる光チャネルに対応する。各PFSパターンは、次の色彩体系を使用して図3Bで表される:(i)色の飽和度は、光場強度を表し、(ii)色それ自体は、光場の位相を表す。例えば、明るい赤色は、暗い赤色よりも低い光場強度に対応する。青から赤への虹のような色の変化は、−πから+πへの位相の連続的な変化を表す。
OMCモジュール340の各光チャネルについて、ファイバー350の終端348でそのチャネルによって作成されるPFSパターンは、そのチャネルに割り当てられる横モードのPFSパターンに実質的に一致する。上で示されたモード結合損失が、これらのPFSパターン間の不一致によって引き起こされることもあることが当業者には理解されよう。モード結合損失に対応する光エネルギーは、ファイバー350の他の横モードに寄生的に結合されかつ/またはファイバーによって完全に排斥されることもある。
本明細書で使用されるように、術語「実質的に一致する」は、光チャネルによって生成されるPFSパターンと対応する横モードのPFSパターンとの間の差が、比較的小さく、2つの可能だが、しかし相互排他的でない基準の少なくとも1つを満たすことを意味する。第1の基準によれば、その差は、光チャネルによって生成されるPFSパターンの全エネルギーの少なくとも約50%(およびおそらくは約80%または90%よりも多く)が対応する横モードに結合するほど小さい。第2の基準によれば、その差は、マルチモードファイバーに結合される光チャネルによって生成されるPFSパターンの全エネルギーの一部分について、その部分の少なくとも約50%(およびおそらくは約80%または90%よりも多く)が対応する横モードに入り、一方その部分の残りが他の横モードに入るほど小さい。
図3Bの異なるPFSパターンに対応する異なる横モードは、次の表記法を使用してラベルを付けられる。文字「LP」は、「直線偏光した」を表す。ラベルで「LP」に続く数字は、指定された順序で、2つの量子化パラメーターの値を与える。各横モードについて、第1の量子化パラメーターは、ファイバー軸周りの1方位角回転当たり2πの大きさの位相増分の数を与え、第2の量子化パラメーターは、ファイバー半径にわたるπの大きさの位相増分の数を与える。例えば、LP01と表される横モードは、(i)方位角位相増分を有さず、(ii)1つの半径方向位相増分を有する。同様に、LP32と表される横モードは、(i)3つの方位角位相増分および(ii)2つの半径方向位相増分を有する。
もしOMCモジュール340が8つの光チャネルを有するならば、そのとき次の代表的なモード割り当てが、使用されてもよい:(Ch.1)−LP01、(Ch.2)−LP11、(Ch.3)−LP21、(Ch.4)−LP02、(Ch.5)−LP31、(Ch.6)−LP12、(Ch.7)−LP41、および(Ch.8)−LP22。他のモード割り当てが、本発明の範囲および原理から逸脱することなく同様に使用されてもよく、そのモード割り当てによればOMCモジュール340の各光チャネルは、ファイバー350の割り当てられた横モードのPFSパターンに実質的に一致するPFSパターンを作成するように構成されることが当業者には理解されよう。
図3Bは、1つの可能な横モード基底系に対応し、各々が複数の相互に直交する横モードを備える他の基底系が、OMCモジュール340を実装するために同様に使用されてもよいことが当業者には理解されよう。
図4A−Bは、本発明の一実施形態によるOMCモジュール340(図3)として使用されてもよいOMCモジュール400を例示する。より具体的には、図4Aは、OMCモジュール400のブロック図を示す。図4Bは、OMCモジュール400で使用されてもよい位相マスク420を示す。
OMCモジュール400は、2つの光チャネルを有し、そのため、2本の入力ファイバー332に結合されるように示される(図3Aもまた参照)。OMCモジュール400は、3つ以上の光チャネルを有するように直接的に変更されてもよいことが当業者には理解されよう。より具体的には、新しい光チャネルは、OMCモジュール400でチャネル2を形成するために使用されるそれに似た光学素子の組を追加することによって作成されてもよい。
OMCモジュール400は、2つのレンズ410を有し、その各々は、ファイバー332のそれぞれの1本によってOMCモジュールに印加されるそれぞれの発散光ビームを平行にする。結果として生じる平行ビームの各々は、位相マスク420のそれぞれの1つを通り抜けて、対応する位相フィルター処理されたビーム422を生成する。複数のミラー430は次いで、2つの位相フィルター処理されたビーム422を空間的に重ね合わせ、結果として生じる「重ね合わされた」ビーム432をファイバー350の方へ向ける。ミラー4304は、半透明ミラーであり、一方ミラー4301−4303は、通常の不透明ミラーである。2つのレンズ442および446ならびに開口444は、ビーム432を圧縮し(すなわち、そのサイズを低減し)、空間的にフィルター処理して出力ビーム452を作成するために使用され、その出力ビームは、ファイバー350の終端348に当たり、図3Bで示されるPFSパターンの目的とする重ね合わせを生成する。
OMCモジュール400の2つの光チャネルに割り当てられる横モードに応じて、位相マスク4201および4202は、例えば図4Bで示される位相マスクの取り合わせから適切に選択される。例えば、もしOMCモジュール400の特定の光チャネルが、ファイバー350のLP11モードを割り当てられるならば、そのとき図4BでLP11のラベルを付けられた位相マスクが、その光チャネルでの位相マスク420として使用される。同様に、もしOMCモジュール400の特定の光チャネルが、ファイバー350のLP21モードを割り当てられるならば、そのとき図4BでLP21のラベルを付けられた位相マスクが、その光チャネルでの位相マスク420として使用されるなどである。位相マスク420によって課せられる位相フィルター処理および開口444によって課せられる空間フィルター処理の複合効果は、光チャネルが、ファイバー350の終端348で図3Bで示されるPFSパターンの目的とする1つを生成し、それによって光チャネルからの光信号をファイバーの対応する横モードに効果的に結合することである。
図4Bで示される位相マスクのいくつかは、二値位相マスク(すなわち、2つの可能な位相シフト、例えば0かまたはπの1つだけを局所的に課すことができる位相マスク)であることに留意されたい。特に、LP01、LP02、およびLP03モードに対応する位相マスクは、二値位相マスクである。図4Bで示される残りの位相マスクは、位相マスクの異なる部分が連続的な位相シフト範囲から選択される位相シフトを課すことができるので、「アナログ」位相マスクである。アナログ位相マスクは、次の色彩体系を使用して図4Bで示される:(i)異なる色は、連続的な2π間隔で異なる位相シフトを表し、(ii)同じ色の異なるバンドは、2πの整数倍だけ互いに異なる位相シフトを表すこともある。
一実施形態では、OMCモジュール400は、2つの別個の位相マスク4201および4202の代わりに単一の比較的大きな連続的な位相マスクを用いてもよい。この比較的大きな連続的な位相マスクは、これから後は「多重区分位相マスク」と呼ばれ、それの異なる区分(部分)では、図4Bから2つ以上の位相マスクを含有してもよい。多重区分位相マスクのこれらの区分は、1つの区分が位相マスク4201としての役割を果たし、別の区分が位相マスク4202としての役割を果たすように配置される。
図5は、本発明の別の実施形態によるOMCモジュール340(図3)として使用されてもよいOMCモジュール500のブロック図を示す。OMCモジュール500は一般に、OMCモジュール400(図4)に類似しており、レンズ410、442、および446、ミラー430、ならびに開口444などの同じ要素の多くを使用する。これらの要素の記述は、ここでは繰り返されない。代わりに、次に来るOMCモジュール500の記述は、OMCモジュール400と500との間の差に焦点を合わせる。
OMCモジュール400と500との間の1つの差は、後者が位相マスク420の代わりに空間光変調器(SLM)520を用いることである。一実施形態では、SLM520は、液晶オンシリコン型(LCOS)SLMである。SLM520として使用されてもよい代表的なLCOS SLMは、例えばM.G.Robinson、J.Chen、G.D.Sharp、Wiley、Chichester(England)、2005年、第11章、257−275頁による「Polarization Engineering for LCD Projection」で述べられ、それの教示は、参照によりそれの全体が本明細書に組み込まれる。SLM520としての使用に適している可能性があるLCOS SLMはまた、例えば米国特許第7,268,852号、第6,940,577号、および第6,797,983号で開示され、それはすべて、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。SLM520として使用されてもよい適切なLCOS SLMは、JVC Corporationによって製造され、JVCプロジェクターモデルDLA−HD2Kの一部として市販されている。
SLM520は、OMCモジュール500のそれぞれチャネル1およびチャネル2について必要な位相フィルター処理を行うように構成される2つのエリア5241および5242を有する。より具体的には、エリア5241は、位相マスク4201(図4Aを参照)のそれに似た位相フィルター処理をもたらす空間変調パターンを表示するように構成される。同様に、エリア5242は、位相マスク4202(また図4Aを参照)のそれに似た位相フィルター処理をもたらす空間変調パターンを表示するように構成される。
SLM520は、再構成可能なデバイスであるので、それは、それのさまざまなエリア、例えばエリア5241および5242で表示されるパターンを動的に変えるまたは調節するために使用されてもよい。この特徴は、例えばマルチモードファイバー350の関連する特性の対応する変化を引き起こすこともある変化する動作条件の下で、OMCモジュール500の異なる光チャネルについて横モード割り当ての比較的容易な変更を可能にし、かつ/またはOMCモジュールの異なる光チャネルについて最適光結合を維持するのに有用である可能性がある。
OMCモジュール500は、2つの偏光ビームスプリッター528を使用して、レンズ410によって作成された平行ビームをSLM520の方へかつSLMによって作成された位相フィルター処理されたビームをミラー430の方へ適切に向ける。一実施形態では、4分の1波長板(図5では明確に示されない)が、偏光ビームスプリッター528とSLM500との間に挿入されてもよく、その板を通って伝送されるビームの偏光を適切に回転させて偏光ビームスプリッターが平行ビームをSLMの方へ向け、一方位相フィルター処理されたビームをミラー430の方へ向けることを可能にする。代替実施形態では、SLM500は、反射光の偏光を回転させて偏光ビームスプリッター528が同じビームルーティングをすることを可能にするように設計されてもよい。
一実施形態では、OMCモジュール500は、また偏光多重化もされるTMM信号を作成するために使用されてもよい。特に、もしSLM520それ自体が、実質的に偏光非感受性であるならば、そのとき同じSLMは、偏光多重化に使用される両方の偏光を処理するために使用されてもよい。
図6は、本発明のなお別の実施形態によるOMCモジュール340(図3)として使用されてもよいOMCモジュール600のブロック図を示す。OMCモジュール600は一般に、OMCモジュール400および500(図4および5)に機能的に類似している。しかしながら、OMCモジュール600は、それが体積ホログラム620を用いるという点でOMCモジュール400および500とは異なり、その体積ホログラムは一般に、三次元位相マスクと見なされてもよい。体積ホログラム620と対照的に、位相マスク420およびSLM520は一般に、薄膜または二次元位相マスクと見なされてもよいことに留意されたい。
OMCモジュール600では、体積ホログラム620は、少なくとも2つの異なる機能を果たす。これらの機能の第1のものは、OMCモジュール400での位相マスク420およびOMCモジュール500でのSLM520のそれに似た位相フィルター処理機能である。これらの機能の第2のものは、ミラー430のそれに似たビーム結合機能である。体積ホログラム620は、対応する光ビームが体積ホログラムの異なるサブ体積部を横断するので、必要な異なる位相フィルター処理をファイバー332から受信された異なる光信号に適用する能力がある。またこの理由のため、体積ホログラム620は、異なる光信号について伝搬方向を異なる量だけ変える能力もある。体積ホログラムは、当技術分野で知られており、例えば米国特許第7,416,818号、第7,323,275号、および第6,909,528号でより詳細に述べられ、それらはすべて、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
OMCモジュール600は、3つの光チャネルを有するように例示的に示される。OMCモジュール600は、異なる数の光チャネルを有するように直接的に変更されてもよいことが当業者には理解されよう。
図7は、本発明の別の実施形態によるノード110(図1)で使用されてもよい光送信機700のブロック図を示す。送信機300(図3)と同様に、送信機700は、別々に変調された光信号を出力ファイバー(すなわち、ファイバー750)のそれぞれの横モードに選択的に結合する能力を有する。しかしながら、加えて、送信機700は、送信機の変調および偏光多重化(MPM)モジュール712での、偏光ビームスプリッター714および偏光コンバイナー734の使用によって可能になる偏光多重化(PM)能力を有する。送信機700は、偏光当たり3つの光チャネルを有するように例示的に示される。送信機700は、偏光当たり異なる数のチャネル(例えば、2または3よりも多く)を有するように直接的に変更されてもよいことが当業者には理解されよう。
送信機700は、指定波長の出力光ビームを発生させるように構成されるレーザー710を有する。レーザー710は、MPMモジュール712に供給し、そこでは偏光ビームスプリッター714が、レーザーによって生成されたビームを相互に直交する偏光を有するビーム7161および7162に分割する。MPMモジュール712はさらに、2つのパワースプリッター720を有し、それの各々は、偏光ビームスプリッター714から受信されたそれぞれの偏光ビームを3方向に分割し、結果として生じる3つのビームを3本の単一モードファイバー722に結合する。各ファイバー722は、それのそれぞれのビームを対応する光変調器730に向け、そこでそのビームは、制御信号728を介して変調器に供給されるデータで変調される。変調器730によって作成された変調光信号は、単一モードファイバー732に結合され、対応する偏光コンバイナー734に向けられる。各偏光コンバイナー734は、2つの受信された直交偏光の信号を結合させて対応するPM信号にし、次いでそのPM信号を、それぞれの単一モードファイバー736を介して、OMCモジュール740に向ける。
代替実施形態では、送信機700は、図7で示されるファイバー結合の少なくともいくつかの代わりにまたはそれに加えて、直接光結合または自由空間を通じての光結合を使用することができる。
送信機700のOMCモジュール740は一般に、送信機300(図3)のOMCモジュール340に類似しており、3つの受信PM信号をファイバー750に適切に結合する役割を果たす。より具体的には、OMCモジュール740によって受信された各PM信号は、ファイバー750の選択された横モードに結合され、異なるPM信号は、異なる横モードに結合される。個々のPM信号(それは2つの直交偏光成分を有する)について、それの偏光成分の各々は、OMCモジュール740で実質的に同じ位相フィルター処理を受ける。さまざまな実施形態では、OMCモジュール740は、OMCモジュール400、500、および600(図4−6を参照)と同様に実装されてもよい。しかしながら、OMCモジュール740を設計する場合には、前記OMCモジュールが実質的に偏光非感受性であることを可能にするために、特別な注意が、それの偏光取扱い特性に払われる。
図8は、本発明のなお別の実施形態によるノード110(図1)で使用されてもよい光送信機800のブロック図を示す。送信機300および700(図3および7を参照)の各々と同様に、送信機800は、光通信信号を出力ファイバー(すなわち、ファイバー850)のさまざまな横モードに選択的に結合する能力を有する。送信機700と同様に、送信機800は、3つのMPMモジュール812の使用によって可能になる偏光多重化能力を有し、それの各々は、MPMモジュール712(図7を参照)に類似している。しかしながら、加えて、送信機800は、WDM能力を有する。それ故に、送信機800は、3つの異なる種類の多重化:横モード多重化(TMM)、偏光多重化(PM)、および波長分割多重化(WDM)を使用する。
送信機800は、3つのTMMチャネル、3つのWDMチャネル、および2つのPMチャネルを有し、それは、送信機が18個の別々に変調された光通信信号に至るまで(励起横モード当たり6個に至るまで)を有するTMM信号を生成することを可能にする。送信機800は、任意の所望の方法で異なる数の別々に変調された成分を生成し、それらをファイバー850の選択された横モードに結合することが可能であるように比較的直接的に変更されてもよいことが当業者には理解されよう。
送信機800の各WDMチャネルは、指定波長を発生させ、それをそれぞれのMPMモジュール812に印加するそれぞれのレーザー810を有する。MPMモジュール812の3つの出力は、異なるWDMチャネルに対応する光信号間のクロストークを低減することを目的とする比較的狭い帯域通過フィルター処理を行う光フィルター(OF)818に印加される。フィルター処理された信号は、マルチプレクサー826でWDM多重化され、結果として生じるWDM信号は、単一モードまたは統合ファイバー836を介して、OMCモジュール840に向けられる。
送信機800のOMCモジュール840は一般に、送信機300(図3)のOMCモジュール340に類似しており、3つの受信WDM信号をファイバー850に適切に結合する役割を果たす。より具体的には、OMCモジュール840によって受信された各WDM信号は、ファイバー850の選択された横モードに結合され、異なるWDM信号は、異なる横モードに結合される。マルチモードファイバーの横モードに対応するPFSパターンは、波長に依存するけれども、WDMシステムで使用される典型的なスペクトル帯域は、比較的狭く、それは実際には、すべてのWDMチャネルについて同じ位相マスクの使用を可能にする。例えば、約1550nmに中心があり、約100nmの全幅を有するスペクトル帯域は、全スペクトル帯域にわたって搬送周波数で約6%の分散を有するだけである。この比較的小さな分散に起因して、スペクトル帯域の中間近くに位置する波長について設計された位相マスクは、その帯域でのすべての波長について十分に有効に働くことになる。その結果、さまざまな実施形態では、OMCモジュール840は、OMCモジュール400、500、および600(図4−6を参照)と同様に実装されてもよい。
光受信機
マルチパスファイバーの横モードは、それらがファイバーの長さに沿って伝搬するときモード間混合を受けることが当技術分野で知られている。一般に、モード間混合の影響は、マルチモードファイバーでより強い。しかしながら、比較的密接した間隔のコアを有するマルチコアファイバーはまた、比較的強いモード間混合(例えば、コア間クロストーク)を示すこともある。結果として、たとえ通信信号が、マルチパスファイバーの前方端部で特定の単一横モードに結合されても、他の横モードが、ファイバーの遠隔端部でその通信信号からの寄与を有することになる。それ故に、かなりの量の信号処理が、TMM信号の異なる別々に変調された成分によって運ばれるデータを完全に回復するために受信機で行われる必要がある。一般に、TMM信号のN個の別々に変調された成分を復号するためには、受信機は、信号の少なくともN個の独立したサンプルを得る必要がある。これらのサンプルに適用される信号処理は一般に、マルチパスファイバーでのモード間混合の影響を逆転させることを目的とするマトリクス対角化アルゴリズムに基づいている。
図9は、本発明の一実施形態によるノード110(図1)で使用されてもよい光受信機900のブロック図を示す。受信機900は、例えばリンク120から入力TMM信号902を受信するように構成されてもよい。TMM信号902は、そのTMM信号のK個のサンプル912を作成するタップモジュール910に印加され、ただしKが、1よりも大きい正の整数である。各サンプル912は、LO源920によって供給される局部発振器(LO)信号922を使用して対応するコヒーレント検出器930によってコヒーレントに検出される。サンプル912からコヒーレント検出器930によって生成された検出結果、例えばサンプルの同相成分Iおよび直角位相成分Qは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)940に印加される。各信号間隔(例えば、ビット周期)にわたって、DSP940は、コヒーレント検出器9301−930Kによって生成された検出結果のフルセットを適切に処理して、出力データの流れ942を生成する。タップモジュール910が、TMM信号902の十分なサンプルを作成するならば、DSP940は、TMM信号902として受信機900によって受信されるTMM信号に遠隔送信機によって最初に符号化されたすべてのデータを回復し、流れ942を介して出力することが可能である。
DSP940の1つの機能は、リンク120に対応するモード混合マトリクスを反転させることであると当業者には理解されよう。一般に、リンク状態は、時間とともに変化し、それによって通常ミリ秒の時間スケールでまたはより遅く、モード混合マトリクスが同様に変化する結果をもたらす。一実施形態では、DSP940は、リンク状態変動に適応して追随するように構成される。例えば、DSP940は、当技術分野で知られているように、リンク状態を学習し、それらに適応するためにブラインド適応アルゴリズムを用いることができる。別法としてまたは加えて、時々、DSP940に結合されたコントローラ950は、遠隔送信機が、DSPが現在のモード混合マトリクスを得るためのトレーニングシーケンスを受信機900に送ることを要求してもよい。遠隔送信機によってリンク120に印加される代表的なトレーニングシーケンスは、異なる横モードが知られた順序で連続して励起され、その結果1つの横モードだけが任意の所与の時間に励起されるTMM信号を有してもよい。DSP940で実装される信号処理はまた、自己モードおよび交差モードファイバー非線形性によって引き起こされる位相シフトなどの、ある非線形障害を補償してもよい。
図10A−Bは、本発明の一実施形態による受信機900(図9)で使用されてもよい代表的なモジュールを示す。より具体的には、図10Aは、タップモジュール910として使用されてもよいタップモジュール1010のブロック図を示す。図10Bは、コヒーレント検出器930として使用されてもよいコヒーレント検出器1030のブロック図を示す。
図10Aを参照すると、タップモジュール1010は、マルチモードファイバー1002を介してTMM信号902を受信する。平行化レンズ1004は、ファイバー1002によって作成された発散光ビームを平行にし、結果として生じる平行ビームをK−1個の半透明ミラー10061−1006K−1および末端不透明ミラー1006Kの方へ向ける。一実装形態では、異なるミラー1006は、ミラーから反射されたビーム10121−1012Kがほぼ同じ強度を有する結果をもたらす反射率を有する。
図10Bを参照すると、検出器1030は、単一モードファイバー1016を介してLO源920からLO信号922を受信する。平行化レンズ1018は、ファイバー1016によって作成された発散光ビームを平行にし、結果として生じる平行ビームを位相マスク1020の方へ向ける。位相マスク1020は一般に、位相マスク420(図4A−Bを参照)に類似している。より具体的には、位相マスク1020は、マルチモードファイバー1002(図10A)の選択された横モードに対応するPFSパターンの拡大(拡張)バージョンであるPFSパターンを有する位相フィルター処理されたビーム1022を作成する。すでに上で示されたように、図4Bは、位相マスクの取り合わせを示し、それの各々は、位相マスク1020としての使用に適している。受信機900での各検出器930が、検出器1030を使用して実装されるとき、受信機での検出器1030の異なる事例は一般に、異なる位相マスク1020(例えば、図4Bで示される取り合わせから選択された異なる位相マスク)を有する。さまざまな実施形態では、これらの異なる位相マスク1020は、多重区分位相マスクの異なる区分としてまたはSLM520(図5)に似たSLMの異なる部分を使用して実装されてもよい。
位相フィルター処理されたビーム1022およびビーム1012(それはTMMサンプル912を運び、図9および10Aを参照)は、2×4光ハイブリッド1026に印加され、そこでそれらは、互いにぶつかって4つの干渉信号10321−10324を生成する。干渉信号10321−10324の各々は、それを対応する電気信号に変換する対応する光検出器(例えば、フォトダイオード)1034に印加される。光検出器1034によって生成された電気信号は、DSP940でのさらなる処理のためにデジタル化され、向けられる。検出器1030でハイブリッド1026として使用されてもよい2×4光ハイブリッドは、当技術分野で知られており、代表的な例は、例えば(i)米国特許出願公開第2007/0297806号および(ii)2008年12月18日に出願された米国特許出願第12/338,492号で開示され、それらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
干渉信号1032
1−1032
4の電場E
1−E
4はそれぞれ、式(1)によって与えられる:
ただしE
SおよびE
LOは、それぞれ光信号1012および1022の電場である。式(1)は、ビーム1032の横断面のすべての点について成り立つことに留意されたい。これは、検出器1030が、どのくらいビーム1012および1022が時間内で互いにぶつかるかだけでなく、どのくらいそれらが空間内で互いにぶつかるかをも測定することを意味する。その上、ファイバー1016の異なる横モードの相互直交性に起因して、異なる位相マスク1020を有する検出器1030の異なる事例は、TMM信号902の異なる横モードに対応する電場を効果的に測定する。もしK≧Nならば、そのときコヒーレント検出器930(または1030)は、十分なサンプリングデータを生成して、DSP940が通信リンク120に対応するモード混合マトリクスを適切に反転させ、遠隔送信機(例えば、送信機300)から受信機900にそれを通じて伝送されるTMM信号の別々に変調された成分によって運ばれるデータを回復することを可能にすることが当業者には理解されよう。
図11は、本発明の別の実施形態によるタップモジュール910として使用されてもよいタップモジュール1110のブロック図を示す。タップモジュール1110は、それを通じてTMM信号902を受信するマルチモードファイバー1102を有する。ファイバー1102の長さに沿って、タップモジュール1110は、K個のマルチモードファイバー(MMF)カプラー11061−1106KおよびK−1個のモードスクランブラー11082−1108Kを有する。各MMFカプラー1106は、TMM信号902の一部分を分岐し、その部分を対応する単一モードファイバー1110に結合するファイバータップである。ファイバー11101−1110Kによって運ばれる信号11121−1112Kは、受信機900でそれぞれサンプル9121−912Kとしての役割を果たす。
各信号1112は、対応するMMFカプラー1106の場所でマルチモードファイバー1102に存在する横モードの線形結合を示す。モードスクランブラー11082−1108Kは、MMFカプラー11061−1106K間の横モードをよく混合するので、信号11121−1112Kの各々は、マルチモードファイバー1102での横モードの異なる線形結合を示す。もしK≧Nならば、そのときコヒーレント検出器930は、十分なサンプリングデータを生成して、DSP940が通信リンク120に対応するモード混合マトリクスを適切に反転させ、遠隔送信機(例えば、送信機300)から受信機900にそれを通じて伝送されるTMM信号の別々に変調された成分によって運ばれるデータを回復することを可能にすることが当業者には理解されよう。
一実施形態では、タップモジュール1110を有する受信機900は、コヒーレント検出器930として、PM信号の検出のために設計されたコヒーレント検出器を使用することができる。PM信号の検出のためのコヒーレント検出器は、当技術分野で知られており、例えば上記の米国特許出願公開第2007/0297806号および米国特許出願第12/338,492号で開示される。タップモジュール1110およびPM信号の検出のための複数のコヒーレント検出器を用いる受信機900は、TMMおよびPM多重化の両方を使用して作成される光信号を適切に検出する能力があることが当業者には理解されよう。上述の多重化の種類の3つすべて(すなわち、TMM、PM、およびWDM)を使用して作成される光信号を適切に検出する能力があるWDM受信機は、WDM受信機の各WDMチャネルについてTMMおよびPM能力を両方とも有する1つの受信機900を配備することによって構築されてもよいことが当業者にはさらに理解されよう。
図12は、本発明の別の実施形態によるノード110(図1)で使用されてもよい光受信機1200のブロック図を示す。受信機1200は、マルチモードファイバー1202を介してTMM信号1201を(例えば、リンク120から)受信する。平行化レンズ12041は、ファイバー1202によって作成された発散光ビームを平行にし、結果として生じる平行ビーム1205をビームスプリッター12061−12064の方へ向ける。一実施形態では、各ビームスプリッター1206は、半透明ミラーである。
受信機1200はまた、それの出力を平行化レンズ12042を通過させて平行LOビーム1221を形成するLO源1220も有する。ビーム1205と同様に、LOビーム1221もまた、ビームスプリッター12061−12064の方へ向けられる。ビームスプリッター12061と12062との間に位置する90度位相シフター1208は、それを通じて伝送されるビームに90度位相シフトを導入する。
ビームスプリッター12061−12064は、ビーム1205および1221を複数のサブビームに適切に分割し、次いでこれらのサブビームのいくつかを再結合させて、4つのアレイ状検出器(例えば、CCD)12301−12304の画素化受光面にぶつかる4つの混合光ビームを生成し、そこで混合光ビームは、対応する干渉パターンを作成する。各アレイ状検出器1230は、TMM信号1201の信号間隔(例えば、シンボル周期)当たり少なくとも1つの干渉パターンに対応するデータを取得し、出力することを可能にする十分に高い速度で動作する。各干渉パターンは、LO源1220によって生成される参照場およびTMM信号1201の光場を互いにぶつけることによってアレイ状検出器1230の画素化受光面に生成される。アレイ状検出器1230は、アレイ状検出器のさまざまな画素でパターンの光強度を測定することによって干渉パターンを取得し、それによって混合ビームの二次元断面強度プロファイルを生成する。
アレイ状検出器12301−12304によって検出された4つの干渉パターンに対応するデータは、処理のためにDSP1240に供給される。もしアレイ状検出器12301−12304が、十分に高い解像度(例えば、十分に多数の比較的小さな画素)を有するならば、そのときDSP1240は、十分なデータを受信して4つの干渉パターンからTMM信号1201のモード組成を決定する。本明細書では、術語「モード組成」は、マルチモードファイバー1202の横モードの観点からのTMM信号1201の表現のことである。典型的には、そのような表現は、適切に重みを付けられた横モードの線形結合である。モード組成の知識はその結果、DSPが通信リンク120に対応するモード混合マトリクスを適切に反転させ、遠隔送信機(例えば、送信機300)から受信機1200にそれを通じて伝送されるTMM信号の別々に変調された成分によって運ばれるデータを回復することを可能にする。DSP1240は、データの流れ1242を介して回復されたデータを出力する。
アレイ状検出器12302および12304は、オプションであり、検出器1030で実装されたそれに似た平衡検出方式を実装するために受信機1200で使用されることが当業者には理解されよう。より具体的には、アレイ状検出器12301−12304によって検出された4つの干渉パターンは、DSP1240によって処理されてTMM信号1201の2つの断面マップを生成する。第1の断面マップは、TMM信号1201の同相マップであり、第2の断面マップは、TMM信号の直角位相マップである。TMM信号1201の同相および直角位相マップを有することは、DSP1240がこれらのマップを使用してTMM信号のモード組成の決定をより速く、より正確に、かつ/またはより効果的にできるので、有利なこともある。
さまざまな実施形態では、受信機1200は、4つ未満の別個のアレイ状検出器の使用を可能にするために追加の光学部品を含んでもよい。例えば、一実施形態では、受信機1200は、2つの比較的大きなアレイ状検出器を有してもよく:(i)第1の検出器は、第1の検出器の1つの部分がアレイ状検出器12301としての役割を果たし、一方第1の検出器の別の部分がアレイ状検出器12302としての役割を果たすように分割され、(ii)第2の検出器は同様に、第2の検出器の1つの部分がアレイ状検出器12303としての役割を果たし、一方第2の検出器の別の部分がアレイ状検出器12304としての役割を果たすように分割される。代替実施形態では、受信機1200は、4つの部分に分割される1つの非常に大きなアレイ状検出器を有してもよく、各々は、検出器12301−12304の対応する1つとしての役割を果たす。
この発明は、説明に役立つ実施形態を参照して述べられたが、この記述は、制限する意味で解釈されることを意図されていない。述べられた実施形態のさまざまな変更形態、ならびに本発明が関連する当業者には明らかな本発明の他の実施形態は、次の特許請求の範囲で表されるような本発明の原理および範囲内にあると見なされる。
明確にそうでないと述べられない限り、各数値および範囲は、あたかも単語「約」または「近似的に」がその値または範囲の値の前に来るかのように近似的であると解釈されるべきである。
この発明の性質を説明するために述べられ、例示された部品の詳細、材料、および配置のさまざまな変更は、次の特許請求の範囲で表されるような本発明の範囲から逸脱することなく当業者によってなされてもよいことがさらに理解されよう。
次の方法の特許請求の範囲での要素は、もしあれば、対応するラベル付けを使って特定の順序で列挙されるけれども、特許請求の範囲での列挙がそれらの要素のいくつかまたはすべてを実施するための特定の順序を別の方法で示唆しない限り、それらの要素は、その特定の順序で実施されることに限定されることを必ずしも意図されていない。
本明細書での「一実施形態」または「1つの実施形態」への言及は、その実施形態に関連して述べられる特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれてもよいことを意味する。本明細書のさまざまな場所での語句「一実施形態では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施形態への言及ではなく、必ずしも他の実施形態について相互排他的な別個のまたは代替実施形態でもない。同じことは、術語「実装形態」にも当てはまる。
またこの記述の目的のためにも、術語「結合する」、「結合している」、「結合した」、「接続する」、「接続している」、または「接続した」は、エネルギーが2つ以上の要素間で移送されることを許され、1つまたは複数の追加の要素の介在が要求されないけれども、想到される、当技術分野で知られているまたは後に開発された任意の方法のことである。反対に、術語「直接結合した」、「直接接続した」、その他は、そのような追加の要素がないことを示唆する。
本発明は、他の特定の装置および/または方法で具体化されてもよい。述べられた実施形態は、すべての点で説明に役立つだけであり、制限するものではないと考えられるべきである。特に、本発明の範囲は、本明細書の記述および図によってよりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価の意味および範囲内に来るすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
記述および図面は、単に本発明の原理を例示するだけである。それ故に、当業者は、本明細書で明確に述べられないまたは示されないけれども、本発明の原理を具体化し、それの精神および範囲内に含まれるさまざまな配置を考案することが可能になると理解されよう。その上、本明細書で列挙されたすべての例は主に、本発明の原理および本発明者(複数可)によって当技術分野の推進に貢献される概念を読者が理解するのに役立つ教育上の目的のためだけであることを明確に意図されており、そのような具体的に列挙された例および条件への制限がないと解釈されるべきである。さらに、本明細書で本発明の原理、態様および実施形態、ならびにそれらの具体例を列挙するすべての説明は、それらの等価物を包含することを意図されている。
本明細書の任意のブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的回路の概念図を表すことが当業者には理解されるはずである。同様に、任意のフローチャート、任意のフローダイヤグラム、状態遷移図、疑似コード、および同様のものは、コンピュータ可読媒体で実質的に表され、それで、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明確に図示されるかどうかにかかわらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行されてもよいさまざまなプロセスを表すことが理解されよう。