JP2012515634A - 荷電活性化液を組み込む洗浄システム - Google Patents
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Abstract
洗浄システム(10、110、210、510、610、710、810)ならびに荷電活性化液を形成すること、及び荷電活性化液とで洗浄システム(10、110、210、510、610、710、810)を作動させることを含む方法。
Description
本開示は、洗浄システム、たとえば洗濯機、食器洗浄機及びシンク・水栓タイプ洗浄システムに関する。特に、本開示は、荷電活性化液を組み込むシステムに関する。
自動化洗浄システムの技術は、アパレル及び物品、たとえば衣類、皿及び台所用品を清浄するためのユーザの仕事量を大幅に減らした。洗濯機は一般に、内部機械洗濯槽の向きを指定するトップローディング型機又はフロントローディング型機として提供されている。これらのシステムそれぞれは、たとえば水、洗剤、かく拌及び望むならば熱エネルギーの使用によって衣類又は他の布を清浄する。
たとえば、トップローディング型システムにおいては、衣類を化学洗剤とともにドラム洗濯槽に入れることができる。洗浄機が作動すると、水が供給ラインからドラムに導入される。十分な量の水が導入されると、ドラムが洗濯槽を揺動させながら回転させて、化学洗剤が汚れ、油及び他の汚染物を衣類から落とすことができるようにする。洗浄サイクルが完了すると、スピンサイクルを実施して、汚水を槽から除去することができる。その後、すすぎサイクルを実施して、残留する汚水を除去したのち、一つ以上のさらなるスピンサイクルを実施して、使用済みの水を槽から抜くことができる。
同じく食器洗浄機においても、槽とも呼ばれる食器洗浄庫の内部に保持された皿及び台所用品が洗浄、すすぎ及び乾燥サイクルに付される。洗浄サイクルは一般に、供給ラインから加熱された水を導入すること、及び皿及び台所用品を洗剤に曝すことを含む。その後、すすぎサイクルが乾燥前に汚水を除去する。
化学洗剤がほぼすべての業務用及び家庭用洗濯及び食器洗浄システムで使用される。洗剤は、多様な薬品、たとえば界面活性剤、酵素、漂白剤及びホスフェートを含むことができる。そのような薬品は、望みに反して、清浄される物品を攻撃するおそれがあり、それが、清浄される物品の質の低下(たとえば衣類の退色及び侵食)をもたらしかねない。さらには、そのような薬品は、そのような洗浄機から排出される廃水の汚染を増し、それが環境的懸念を増す。したがって、洗剤の量を減らし、水の量を減らしながら物品を清浄するためのシステム及び技術が常に要望されている。
本開示の態様は、洗浄機容器、受けた液体を電気化学的に活性化して電気化学的活性化液を生成するように構成された電解セル及び電解セルから下流に位置し、電気化学的活性化液と電気的に接触して荷電電気化学的活性化液を生成するように構成された電極を含む洗浄システムに関する。洗浄システムはまた、電解セルから下流に位置し、電極から下流に位置する、又は電極と一体化したディスペンサを含み、ディスペンサは、荷電電気化学的活性化液を洗浄機容器中に小出しするように構成されている。洗浄システムはさらに、電解セル中に電界を発生させるように構成され、さらに、小出しされる液体を通して電極と洗浄機容器との間に交番電界を発生させるように構成された少なくとも一つの制御回路を含む。
本開示のもう一つの態様は、洗浄機容器、流体ラインに操作可能に結合され、流体ラインから受けた液体を活性化して活性化液を生成するように構成された流体処理構成部品及び流体処理構成部品から下流に位置し、活性化液と電気的に接触して荷電活性化液を生成するように構成された電極を含む洗浄システムに関する。洗浄システムはまた、流体処理構成部品から下流に位置し、電極から下流に位置する、又は電極と一体化したディスペンサを含み、ディスペンサは、荷電活性化液を洗浄機容器中に小出しするように構成されている。洗浄システムはさらに、小出しされる液体を通して電極と洗浄機容器との間に交番電界を発生させるように構成された少なくとも一つの制御回路を含む。
本開示のさらなる態様は、洗浄システムを作動させる方法に関する。方法は、液体を活性化して活性化液を生成すること、及び活性化液を洗浄システムのディスペンサから洗浄システム容器中に小出しして、活性化液を通してディスペンサから洗浄システム容器までの導電路を創製することを含む。方法はまた、小出しステップの間、活性化液を通してディスペンサから洗浄システム容器まで交番電界を発生させることを含む。
詳細な説明
以下は、本開示の一つ以上の態様の例のさらなる説明として提供される。以下の詳細な説明及び先に参照した図面は、請求項に係わる発明の範囲を限定する又は狭めるものとして読まれるべきではない。たとえば、請求項の一つ以上によって包含される発明の他の実施態様が、図面及び本明細書で説明する例とは一つ以上の態様において異なる構造及び機能を有することもでき、請求項に係わる発明を構成又は使用する様々な構造、方法及び/又はそれらの組み合わせを具現化することもできるということが理解されよう。
以下は、本開示の一つ以上の態様の例のさらなる説明として提供される。以下の詳細な説明及び先に参照した図面は、請求項に係わる発明の範囲を限定する又は狭めるものとして読まれるべきではない。たとえば、請求項の一つ以上によって包含される発明の他の実施態様が、図面及び本明細書で説明する例とは一つ以上の態様において異なる構造及び機能を有することもでき、請求項に係わる発明を構成又は使用する様々な構造、方法及び/又はそれらの組み合わせを具現化することもできるということが理解されよう。
また、以下の説明は、一つ以上の見出しを有するセクションに分割されている。これらのセクション及び見出しは、読みやすさのために提供され、特定の例及び/又は実施態様に関する特定のセクション及び/又は見出しにおいて詳述される開示の一つ以上の態様が、別のセクション及び/又は見出しにおいて記載される別の特定の例及び/又は実施態様と組み合わされる、それに適用される、及び/又はその中で利用されることを制限することを意図したものではない。一つ以上の例の要素、特徴及び他の態様は、本明細書に記載される一つ以上の他の例の要素、特徴及び他の態様と組み合わせる、及び/又は交換することができる。
本開示の態様は、活性化液、たとえば電気化学的活性化(EA)液及び/又は化学的活性化液を用い、その活性化液が、アルカリ性液と酸性液とのブレンドを含むことができ、また、望ましくは、増強された衛生化特性のための電位を含むものである、洗浄システム及び洗浄システムを作動させる方法に関する。以下に詳述するように、荷電活性化液は、対応する非活性化液に比べて、洗浄システムの清浄効率を高める。一例において、これは、洗浄サイクル中に使用される洗剤の濃度の低下を可能にし、又は、洗剤の使用をなくすこともできる。
洗剤の削減又は排除は、洗浄されるアパレル、皿及び台所用品に対する化学的攻撃を相応に減らし、残留廃液中の除去された薬品の濃度を低下させることができる。さらには、荷電活性化液の増大した清浄効率はまた、洗浄及び/又はすすぎサイクルを実施するために必要な液体の総量を減らすことができる。荷電活性化液の以下の詳述は、本開示の荷電活性化液は多様な異なる液体から得ることができるという理解のうえで、水(たとえば荷電活性化水)を参照して行う。
洗濯物及び食器洗浄システム
図1に示すように、洗浄システム10は、洗浄機12、液供給源14及び16ならびに電解ユニット18を含む。この非限定的例において、洗浄機12は、液供給源14からの第一の液体(たとえば温水又は冷水)及び液供給源16からの第二の液体(たとえば温水又は冷水)を用いて衣類を清浄するための洗濯機である。洗浄機12は、従来の洗浄機の構成部品であることができる、機械ハウジング20、回転槽22、制御パネル24、液入口26及び28、入口弁ユニット30、制御装置31、流体ライン32ならびにディスペンサ34を含む。したがって、機械ハウジング20は、回転槽22及び制御パネル24を保持する、洗浄機12の外部ハウジングである。
図1に示すように、洗浄システム10は、洗浄機12、液供給源14及び16ならびに電解ユニット18を含む。この非限定的例において、洗浄機12は、液供給源14からの第一の液体(たとえば温水又は冷水)及び液供給源16からの第二の液体(たとえば温水又は冷水)を用いて衣類を清浄するための洗濯機である。洗浄機12は、従来の洗浄機の構成部品であることができる、機械ハウジング20、回転槽22、制御パネル24、液入口26及び28、入口弁ユニット30、制御装置31、流体ライン32ならびにディスペンサ34を含む。したがって、機械ハウジング20は、回転槽22及び制御パネル24を保持する、洗浄機12の外部ハウジングである。
回転槽22は、望ましくは、清浄プロセスのために衣類を受け、保持するように構成されたユニットである。この例において、回転槽22は、トップローディング型槽として構成されているが、他の構造、たとえばフロントエンドローディング型槽として構成されることもできる。以下に詳述するように、回転槽22は、一つ以上の洗浄及び/又はすすぎサイクル中に使用するための荷電EA水を受ける。液入口26及び28は、流体ライン(たとえば流体ホース)を受け、それにより、受けた液体を入口弁ユニット30に送るための、機械ハウジング20を通過する開口である。入口弁ユニット30は、液供給源14及び16からの液流(たとえば温水及び冷水)を受け、場合によって混合するように構成された調整器ユニットである。そして、入口弁ユニット30は、制御装置31から受信される信号に基づいて流体ライン32への混合流の流量を調整することができる。
制御装置31は、洗浄機12のシステムの動作、たとえば回転槽22の回転及び入口弁ユニット30を通過する流量を指示するように構成された電子制御装置である。図1に示すように、入口弁ユニット30は、通信ライン35を介して制御装置31と電気的に連絡している。混合液流は流体ライン32を介してディスペンサ34に中継されることができ、ディスペンサ34が洗浄及びすすぎサイクル中に混合液流を回転槽22中に小出しする。洗浄機12はまた、動作のための多様なさらなる構成部品(図示せず)、たとえばかく拌機/スピンモータ及びプーリアセンブリ、液体ポンプ、ドレンライン、フィルタならびに他の従来の構成部品を含むこともできる。
液供給源14及び16は、適当な液供給源、たとえば温水及び冷水ライン又は貯水池であることができる。図示する実施態様において、液供給源12は、流体ライン36を介して電解ユニット18に接続され、電解ユニット18は、相応に、流体ライン38を介して液入口26に接続されている。この実施態様において、液供給源16は、流体ライン40を介して液入口28に直接接続されることもできる。
電解ユニット18は、洗浄機12から上流の、液供給源14と入口ライン26との間の適当な場所に固定することができる電動式の流体処理構成部品である。以下に詳述するように、代替態様において、一つ以上の電解ユニット(たとえば電解ユニット18)が、液入口26、液入口28、入口弁ユニット30、流体ライン32及びディスペンサ34の一つ以上から上流又は下流の多様な異なる場所に位置することができる。本明細書において使用する「上流」及び「下流」は、本開示の洗浄システム(たとえば洗浄システム10)を通過する液体(たとえば水)の流れに対する場所をいう。
図1に示す実施態様において、電解ユニット18は、洗浄機12と液供給源14との間に組み込むことができ、それにより、従来の洗浄機及び家庭用又は業務用吸水ラインとで使用することができる外部ユニットである。たとえば、電解ユニット18は、洗浄機12の従来の水入口ラインに接続可能な内蔵ユニットであることができ、電線路41を介して外部電源(図示せず)に電気的に接続することができる。
電解ユニット18は、ハウジング42、制御電子部品44、電解セル46及び電極48を含み、ハウジング42は、制御電子部品44及び電解セル46を外部条件から保護するために、洗浄機12と液供給源14との間の適当な場所に取り付けることができる。さらに示すように、流体ライン36が、水(たとえば温水又は冷水)を電解ユニット18の入口ラインに供給し、入口ラインが、相応に、受けた水を一対のサブストリームに分割し、それらのサブストリームを電解セル46に送る。もう一つの例において、サブストリームは電解セル46内で分割されることもできる。
制御電子部品44は、電解ユニット18の動作を指示し、動作中に電力を電線路41から電解セル46(電線路46aを介して)及び電極48(電線路48aを介して)に中継するように構成されている。たとえば、一つの実施態様において、制御電子部品44は、制御装置31が、入口弁ユニット30を通過する流量に基づいて、制御電子部品44に対し、電解セル46及び電極48を接続及び接続解除するよう指示することができるよう、制御装置31と電気的に連絡していることができる。代替態様において、制御電子部品44は、たとえば、制御電子部品44に対し、電解セル46及び電極48を接続及び接続解除するよう指示する別個のアクチュエータにより、制御装置31から独立して作動することもできる。さらなる代替態様において、制御電子部品4は、液供給源14、流体ライン36及び/又は流体ライン38に固定された一つ以上の流量モニタ(図示せず)と電気的に連絡していることもできる。これらの実施態様において、流量モニタは、水が流体ライン36及び/又は流体ライン38を通って流れるときそれを検出することができ、それにより、制御電子部品44が、水流量に基づいて電解セル46及び電極48を接続及び接続解除することを可能にする。
電解セル46は、少なくとも一つのアノード電極と少なくとも一つのカソード電極との間で液体に電界を印加するように適合された流体処理セルである。電解セル46に適したセルは、適当な数の電極及び水を入れるための適当な数のチャンバを有することができる。以下に詳述するように、電解セル46は、アノード電極とカソード電極との間に一つ以上のイオン交換膜を含むこともできるし、イオン交換膜なしで構成されることもできる。電解セル46は、米国特許第出願第12/639,622号及び第12/639,628号に開示されているものをはじめとする多様な異なる構造を有することができる。代替態様において、電解ユニット18は、直列及び/又は並列構造で作動して水を電気化学的に活性化する多数の電解セル46を含むこともできる。
先に詳述したように、水は、電解セル46に入る前に水流を分割する入口ラインを介して電解セル46に供給されることができる。あるいはまた、水は、電解セル46に入ったのち分けられることもできる。代替態様において、水は、一つの流れとして流体ライン35から直接電解セル46に入ることもできる。水が電解セル46を通って流れるとき、電解セル46中で水に印加される電界が水を電気化学的に活性化し、それが、陽イオン(すなわちカチオンH+)を電気回路の片側に集め、陰イオン(すなわちアニオンOH-)を反対側に集めることにより、水を分離する。以下に詳述するように、カチオンを有する水はそれによって酸性化され、アニオンを有する水は相応にアルカリ性化される。
電極48は、たとえば、流体ライン38に沿って配置されて、流体ライン38を通って流れるEA水と電気的に接触し、流体ライン38を通って流れるEA水中に、アースに対する電位を付与、誘発又は他の手法で創製する電気導体、リード、プローブ又は他の電気である。たとえばディスペンサ34から出る水がすでに電荷を有するならば、そのような電位は、たとえば、出力される水の中で別個の又はさらなる電位になることができる。
図1に示す例において、電極48は、流体ライン38に沿って配置され、流体ライン38を通って流れる水と電気的に接触するように構成されている。代替態様において、電極48は、電解セル46からディスペンサ34までの水流路に沿いの任意の場所、たとえば電解セル46から下流及びディスペンサから上流又はディスペンサに組み込まれる場所に位置することもできる。たとえば、電極48は、ディスペンサ34の一体構成部品であることもでき、電線路48aが、機械ハウジング20を通過して電解ユニット18中の制御電子部品44まで延びることもできる。本明細書においてディスペンサの一体構成部品である電極を参照して使用する「一体構成部品」とは、電極が、ディスペンサに固定された一つ以上の構成部品を含む実施態様及び電極の少なくとも一部分がディスペンサとで単一の構成部品として製造されている実施態様を含む。電極48がディスペンサ34の一体構成部品であるような実施態様として、電極48は、ディスペンサ38を通って流れる水と電気的に接触するように構成されている。
さらには、電極48から下流の流路は、望ましくは、荷電EA水がディスペンサ34から小出しされる前に接地される程度を減らすために電気的に分離されている。図示する実施態様において、電極48は、反対の極性の対応するリターン電極を有しない。さらには、他の実施態様においては、二つ以上の電気導体、リードもしくは他の電気構成部品又はそれらの組み合わせを利用して、水に電位を付与、誘導又は他の手法で生じさせることもできる。
以下に詳述するように、電極48によって生成及び/又は補充される電位は、回転槽22中で小出しされる水で清浄される物品の表面の微生物に印加されることができる。さらには、電荷の送り出しが十分な大きさであるならば、そのような電荷が、電気穿孔及び/又は電気液圧ショックのような機構を通して微生物を不可逆的に損傷する、破壊する、又は他の手法で除去することができる。これが、使用中にディスペンサ34から小出しされる水の衛生化性を高める。
したがって、洗浄又はすすぎサイクル中、水は、液供給源14から供給ライン36及び電解セル18の入口ラインを介して電解セル46に送られる。液体は、電解セル46を通って流れる間、電気化学的に活性化され、電解ユニット18の出口ラインを介して流体ライン38に提供される。流体ライン38に入ると、結果として得られるEA液の流れはブレンドされる。ブレンドされるにもかかわらず、酸性水及びアルカリ性水は、それらのイオン性及び気相気泡を、洗浄及び/又はすすぎサイクルを支援するのに十分な持続期間にわたり保持する。
そして、電極48は、流体ライン38を通って流れるブレンドされたEA水(及び/又は非電解水)中に電位を付与、誘導又は他の手法で生じさせることができる。そして、結果として得られる荷電EA水は入口弁ユニット30に送られ、そこで、荷電EA液は液供給源16及び流体ライン40からの水と合わさることができる。たとえば、液供給源14及び16は、それぞれ、冷水ライン及び温水ラインであることができ、冷水が電解ユニット18中で電気分解プロセスを受ける。代替態様において、液供給源14が温水ラインであることができ、液供給源16が冷水ラインであることができ、温水が電解ユニット18中で電気分解プロセスを受ける。
入口弁ユニット30は、洗浄機12のサイクルプログラミングに基づいて、流体ライン32及びディスペンサ34に中継される別々の水流の相対量及び流量を調整することができる。たとえば、冷水洗浄サイクル中、制御装置31は、入口弁ユニット30に対し、液供給源16からのライン及び流体ライン40を閉じるよう指示し、それにより、荷電EA水だけが流体ライン32及びディスペンサ34に流れることを許すことができる。そして、ディスペンサ34から小出しされる荷電EA水は、洗浄サイクル中、保持された衣類を洗浄する際に使用することができる。以下に詳述するように、荷電EA水の使用は清浄効率を高め、それにより、衛生化性を有することに加えて、洗剤の削減又は排除を可能にする。たとえば、荷電EA水の使用は、必要とされる洗浄及び/又はすすぎサイクルの回数を減らすことができる。さらには、一つの実施態様において、荷電EA水の使用は、すすぎサイクルの必要を除くことができる。これは、たとえば、一回の洗浄サイクルを実施するだけで済ますことを可能にし、それが、洗浄動作を実行するために要する時間及び水量を実質的に減らすことができる。
たとえば、本開示の洗浄システムは、別個のすすぎサイクルなしで一回の洗浄サイクルで物品を清浄するために使用することができる。この実施態様において、洗浄動作は、洗剤なしで実施することができ、先に詳述したように、荷電EA水が衣類からの汚れ、油及び他の汚染物を捕らえることができる。そして、汚染水は、スピンサイクルによって回転槽22から除くことができる。洗浄動作を洗剤なしで実施することができるため、たとえば、別個のすすぎサイクルを不要にすることができる。したがって、一回のサイクルのために荷電EA水を回転槽22中に小出しするだけでよく、それにより、衣類を洗浄するために必要な時間及び水量を減らすことができる。
図2は、洗浄システム10(図1に示す)に対して第二の洗浄システムである洗浄システム110を示し、対応する参照番号が「100」を加算されている。図2に示すように、洗浄システム110はさらに、電解ユニット150及び流体ライン152を含み、電解ユニット150は、液供給源116の水から荷電EA水を生成するための第二の外部電解ユニットである。
電解ユニット150はまた、電動式の流体処理構成部品であり、液供給源116と入口ライン128との間の適当な場所に固定することができる。たとえば、電解ユニット150はまた、洗浄機112の従来の水入口ラインに接続可能な内蔵ユニットであることができ、電線路153を介して外部電源(図示せず)に電気的に接続することができる。電解ユニット150は、電解ユニット18(図1に示す)と同じように機能することができ、ハウジング154、制御電子部品156、電解セル158及び電極160を含み、ハウジング154は、制御電子部品156及び電解セル158を外部条件から保護するために、洗浄機112と液供給源116との間の適当な場所に取り付けることができる。さらに示すように、流体ライン140が、水を電解ユニット150の入口ラインに供給し、入口ラインが、相応に、受けた水を一対のサブストリームに分割し、それらのサブストリームを電解セル158に送る。もう一つの例において、サブストリームは電解セル158内で分割されることもできる。
制御電子部品156は、電解ユニット150の動作を指示し、制御電子部品44(図1に示す)に関して先に詳述したように、動作中に電力を電線路153から電解セル158(電線路158aを介して)及び電極160(電線路160aを介して)に中継するように構成されている。電解セル158は、少なくとも一つのアノード電極と少なくとも一つのカソード電極との間で液体に電界を印加するように適合された流体処理セルであり、電解セル46(図1に示す)に関して先に詳述した同じ手法で機能することができる。
電極160は、電極48(図1に示す)に関して先に詳述したように、流体ライン152に沿って配置されて、流体ライン152を通って流れるEA水と電気的に接触し、流体ライン152を通って流れるEA水中に電位を付与、誘発又は他の手法で創製する電気導体、リード、プローブ又は他の電気接点である。代替態様において、電極160は、電解ユニット150からディスペンサ134までの水流路沿いの任意の場所に配置することができる。たとえば、電極160はディスペンサ134に固定することができ、電線路160aが、機械ハウジング120を通過して電解ユニット150中の制御電子部品156まで延びることができる。さらには、電極160から下流の流路は、望ましくは、荷電水がディスペンサ134から小出しされる前に接地される程度を減らすために電気的に分離されている。図示する実施態様において、電極160は、反対の極性の対応するリターン電極を有しない。さらには、他の実施態様においては、二つ以上の電気導体、リードもしくは他の電気構成部品又はそれらの組み合わせを利用して、水に電位を付与、誘導又は他の手法で生じさせることもできる。
洗浄又はすすぎサイクル中、液供給源14からの水(たとえば冷水)は、電解セル146中で第一の電気分解プロセスを受けて、第一のアルカリ性流及び第一の酸性流を形成することができる。第一のアルカリ性流及び酸性流は電解セルユニット118の出口ラインを介して流体ライン138に送られる。流体ライン138に入ると、先に詳述したように、結果として得られるEA液の流れがブレンドされる。そして、電極148が、流体ライン138を通って流れるブレンドされたEA水(及び/又は非電解水)中に電位を付与、誘導又は他の手法で生じさせることができる。そして、結果として得られる荷電EA水は入口弁ユニット130に送られる。
同様に、液供給源16からの水(たとえば温水)は、電解セル158中で第二の電気分解プロセスを受けて、第二のアルカリ性流及び第二の酸性流を形成することができる。第二のアルカリ性流及び酸性流は電解ユニット150の出口ラインを介して流体ライン152に送られる。流体ライン152に入ると、先に詳述したように、結果として得られるEA液の流れがブレンドされる。そして、電極160が、流体ライン152を通って流れるブレンドされたEA水中に電位を付与、誘導又は他の手法で生じさせることができる。そして、結果として得られる荷電EA水は入口弁ユニット130に送られる。
そして、入口弁ユニット130が、制御装置131からの信号に基づいて第一及び第二の荷電EA水流を合わせ、合わせた荷電EA水を、洗浄又はすすぎサイクルにおける使用のために、流体ライン132及びディスペンサ134に中継することができる。この構造は、液供給源114及び116からの水流が互いに独立して選択的に電気分解及び荷電プロセスを受けて荷電EA水流を生成することを可能にする。
図3は、洗浄システム10(図1に示す)に対して第三の洗浄システムである洗浄システム310を示し、対応する参照番号が「200」を加算されている。図3に示すように、洗浄システム110は、電解ユニット18、118及び150に代えて(及び/又はそれらに加えて)電解ユニット262を含む。この実施態様において、電解ユニット262は、洗浄機212の内部構成部品であることができ、望ましくは、入口弁ユニット230から下流に位置している。電解ユニット262は、電解ユニット18(図1に示す)に関して先に詳述した同じ手法で機能することができる。
外部電解ユニット18、118及び150に比較して、電解ユニット262の場所は、電解ユニット262が、入口弁ユニット230からの温/冷水混合流からEA水流を生成することを可能にする。これは、温水流及び冷水流が一つの電解ユニットで電気分解プロセスを受けることを可能にする。さらには、電解ユニット262の場所は、ディスペンサ234に移るまでのEA水の滞留時間を減らす。これはさらに、結果的に得られるEA水流のイオン性及び気相気泡を、洗浄及び/又はすすぎサイクルを支援するのに十分な持続期間にわたり保存する。代替態様において、EA水のアルカリ性流及び酸性流の分離は、回転槽22に入るまで維持されることもできる。
一つの実施態様において、電解ユニット262はまた、通信ライン263を介して制御装置231と電気的に連絡して、それにより、電解ユニット262のアクティブ化が入口弁アセンブリ230の動作と一致することを可能にする。この電気的連絡は、入口弁アセンブリ230が水流をディスペンサ234に送るとき、電解ユニット262の動作を調整する場合に利益をもたらす。たとえば、制御装置231は、洗浄機212の電源(図示せず)からの電力を、ライン263を介して電解ユニット262の電解セル(図示せず)に中継し、ライン248aを介して電解ユニット262の電極(図示せず)に中継するように構成されていることができる。一例において、電極は、望ましくは、ディスペンサ234にできるだけ近く配置される、又はディスペンサ234に組み込まれる。ディスペンサ234は、ディスペンサ234を通って流れる水に沿って導電路を維持するように構成されている。この構造は、電解ユニット262の動作が洗浄及びすすぎサイクルの様々な段階と一致することを可能にする。電解ユニット262の電極は、望ましくは、流体ライン232及び/又はディスペンサ234に配置されて、それにより、電極が洗浄機212の上流で流体ラインに固定される実施態様(たとえば、図1及び2に示すような)に比較して、荷電EA水が小出しされる前に移動する距離を減らす。
先に詳述した洗浄システムは、洗濯物を清浄するための洗濯機を例示するが、これらのシステムはまた、皿及び台所用品を同様に清浄するための洗浄機を組み込むこともできる。たとえば、必要でもないし、必ずしも好まれもしないが、食器洗浄システムとの荷電EA液の使用は、乾燥時間効率を高める、熱/エネルギー消費を減らす、及び/又は水消費量を減らすことができる。先に詳述したように、荷電EA液(たとえば荷電EA水)の使用は洗浄システムの清浄効率を高め、それが、洗剤の使用を減らす、又はなくすことができ、また、洗浄及び/又はすすぎサイクルを実施するために要する液体の総量を減らすことができる。
電解ユニット
図4は、電解ユニット18、118及び262に適した設計である電解ユニット318を示す略図であり、対応する参照番号は、図1に示す実施態様に「300」を加算されている。図4に示すように、電解ユニット318は入口ライン364a及び364bならびに出口ライン365a及び365bを含む。さらに、電解セル346が、電解セル346をアノードチャンバ368とカソードチャンバ370とに分ける膜366を含む。図4において、電解セル346は、一つのアノードチャンバ及び一つのカソードチャンバを有するものとして示されているが、電解セル346は、代替的に、一つ以上の膜366によって分けられた複数のアノード及びカソードチャンバを含むこともできる。
図4は、電解ユニット18、118及び262に適した設計である電解ユニット318を示す略図であり、対応する参照番号は、図1に示す実施態様に「300」を加算されている。図4に示すように、電解ユニット318は入口ライン364a及び364bならびに出口ライン365a及び365bを含む。さらに、電解セル346が、電解セル346をアノードチャンバ368とカソードチャンバ370とに分ける膜366を含む。図4において、電解セル346は、一つのアノードチャンバ及び一つのカソードチャンバを有するものとして示されているが、電解セル346は、代替的に、一つ以上の膜366によって分けられた複数のアノード及びカソードチャンバを含むこともできる。
膜366は、イオン交換膜、たとえばカチオン交換膜(すなわちプロトン交換膜)又はアニオン交換膜である。膜355に適したカチオン交換膜は、部分的及び完全にフッ素化されたアイオノマー、多芳香族アイオノマー及びそれらの組み合わせを含む。膜366に適した市販のアイオノマーの例は、E.I. du Pont de Nemours and Company(Wilmington, Delaware)から商品名「NAFION」の下で市販されているスルホン化テトラフルオロエチレンコポリマー、旭硝子株式会社から商品名「FLEMION」の下で市販されている過フッ素化カルボン酸アイオノマー、旭化学工業株式会社から商品名「ACIPLEX」Aciplexの下で市販されている過フッ素化スルホン酸アイオノマー及びそれらの組み合わせを含む。適当な膜の他の例は、Membranes International Inc.(Glen Rock, New Jersey)から市販されているもの、たとえばCMI-7000Sカチオン交換膜及びAMI-7001Sアニオン交換膜を含む。
アノードチャンバ368及びカソードチャンバ370は、それぞれアノード電極372及びカソード電極374を含み、膜366がアノード電極372とカソード電極374との間に配置されている。アノード電極372及びカソード電極374は、適当な導電性材料、たとえばステンレス鋼及び/又はチタンでできていることができ、一つ以上の貴金属(たとえば白金)でコートされていることができる。一つの実施態様において、アノード電極372及び/又はカソード電極374は、少なくとも部分的又は完全に導電性ポリマーでできている。
また、アノード電極372及びカソード電極374それぞれは、多様な異なる幾何学的設計及び構造、たとえば平坦なプレート、同軸プレート(たとえば管状電解セルの場合)、ロッド及びそれらの組み合わせを示すことができ、中実構造を有することもできるし、一つ以上の開口を有することもできる(たとえば金属メッシュ)。アノードチャンバ368及びカソードチャンバ370は、それぞれ、一つのアノード電極372及びカソード電極374を有する状態で示されているが、アノードチャンバ368は複数のアノード電極372を含むこともでき、カソードチャンバ370は複数のカソード電極374を含むこともできる。
アノード電極372及びカソード電極374は、電線路346aの両端子に電気的に接続されて、それにより、電源から電線路241及び制御電子部品344を介して電力を操作可能に受けることが可能になる。電源は、電解セル346に対し、一定の直流(DC)出力電圧、パルス化もしくは他の手法で変調されたDC出力電圧、AC出力電圧及び/又はパルス化もしくは他の手法で変調されたAC出力電圧をアノード電極372及びカソード電極374に提供することができる。電源は、適当な出力電圧レベル、電流レベル、デューティサイクル又は波形を有することができる。
一つの実施態様において、電源及び/又は制御電子部品344は、相対的定常状態でアノード電極372及びカソード電極374に供給される電圧を印加する。さらには、電源は、パルス幅変調(PWM)制御スキームを使用して電圧及び電流出力を制御するDC/DC変換器を含むことができる。パルス化することができる、又はパルス化することができない、他の電圧及びパワー範囲にある他のタイプの電源を使用することもできる。パラメータは、具体的な用途及び/又は実施態様に依存して異なることができる。
動作中、流体ライン336の分けられた経路である入口ライン364a及び364bから水を電解セル346に供給することができる。入口ライン364aを通って流れる水はアノードチャンバ368に流れ込み、入口ライン364bを通って流れる水はカソードチャンバ370に流れ込む。電圧電位が印加されて、アノードチャンバ368及びカソードチャンバ370を通って流れる水が電気化学的に活性化される。
たとえば、膜366がカチオン交換膜である実施態様においては、アノード電極372及びカソード電極374にかけてDC電圧電位、たとえば約5ボルト〜約28ボルト又はたとえば約5ボルト〜約38ボルトの範囲の電圧が印加されると、アノードチャンバ368中にはじめから存在するカチオンが膜366を横切ってカソード電極374に向かって移動し、アノードチャンバ368中のアニオンがアノード電極372に向かって移動する。しかし、カソードチャンバ370中に存在するアニオンは、膜366を透過することができず、したがって、カソードチャンバ370内に閉じ込められたままになる。
結果として、電解セル346は、少なくとも部分的に電気分解を利用することにより、水を電気化学的に活性化することができ、酸性アノード液流(たとえば出口ライン365aを通過する)及び塩基性カソード液流(たとえば出口ライン365bを通過する)の形態でEA水を生成することができる。一例において、アノード液流は、少なくとも約+50ミリボルト(mV)(たとえば+50mV〜+1200mVの範囲)の酸化還元電位(ORP)を有し、カソード液流は、少なくとも約−50mV(たとえば−50mV〜−1000mVの範囲)の酸化還元電位ORPを有する。
望むならば、アノード液流及びカソード液流は、電解セル346の構造に対する変更により、互いに対して様々な比率で生成することができる。たとえば、EA水の主要な機能が清浄であるならば、電解セル346は、アノード液流に対してより多量のカソード液流を生成するように構成されることができる。あるいはまた、たとえば、EA水の主要な機能が衛生化であるならば、電解セル346は、カソード液流に対してより多量のアノード液流を生成するように構成されることができる。
また、それぞれにおける反応性種の濃度を変えることもできる。たとえば、アノード液流に対してより多量のカソード液流を生成する場合(たとえばカソード液約60%対アノード液約40%)、電解セル346は、カソード電極374とアノード電極372との3:2の表面積比を有することができる。また、印加電圧及び/又は他の電気的特性のデューティサイクルを変更して、電解セル346によって生成されるカソード液流及びアノード液流の相対量を変更することもできる。
電解セル346を通して大きな電圧及び適当な電流を生成する能力は、通常の水道水が電解セル346に通されて、増大した清浄及び/又は衛生化性を有するEA水に変換される用途の場合に利益をもたらすことができる。通常の水道水は、アノード電極372とカソード電極374との間で比較的低い導電率を有する。一例において、制御電子部品344は、電解セル346を通して所定の電流範囲内にある電流ドローをたとえばDC・DC変換器によって達成するように制御される電圧を出力することができる。たとえば、標的電流ドローは約400ミリアンペアである。もう一つの例において、標的電流は350ミリアンペアである。代替態様においては、他の電流及び範囲を使用することができる。所望の電流ドローは、電解セル346の形状、処理される液体の性質、液体の流量及び結果として得られる電気化学的反応の所望の性質に依存することができる。
米国特許出願第12/639,622号及び第12/639,628号で詳述されているように、いくつかの実施態様において、制御電子部品344は、実質的に一定の、相対的にプラスの電圧をアノード電極372に印加し、実質的に一定の、相対的にマイナスの電圧をカソード電極374に印加することができる。しかし、周期的に各電圧を相対的に反対の極性に短期間パルス化してスケール付着物をはじくこともできる。いくつかの例においては、スケール付着物が電極表面に付着しないように抑える要望がある。そのような例においては、第一の期間中、相対的にプラスの電圧をアノード電極372に印加し、相対的にマイナスの電圧をカソード電極374に印加し、第二の期間中、各電極に印加される電圧を逆転することができる。逆転した電圧レベルは、非逆転電圧レベルと同じ大きさを有することもできるし、望むならば、異なる大きさを有することもできる。
各短時間の極性切り換えの頻度もまた、所望により、選択することができる。逆転の頻度が増すにつれ、スケール付着量が減る。しかし、電極は、逆転ごとに少量の白金を失うおそれがある(白金コートされた電極の場合)。逆転の頻度が下がるにつれ、スケール付着が増すかもしれない。一例において、逆転の間の期間は約1秒〜約600秒の範囲である。この範囲の外の他の期間を使用することもできる。もう一つの例において、正常な極性の期間は少なくとも900ミリ秒である。電圧が逆転される期間もまた、所望により、選択することができる。一例において、逆転期間は約50ミリ秒〜約100ミリ秒の範囲である。この範囲の外の他の期間を使用することもできる。
これらの範囲で、たとえば、弁を要することなく、アノードチャンバ368が実質的に一定のアノード液EA水出力を生成し、カソードチャンバ370が実質的に一定のカソード液EA水出力を生成することができる。従来技術の電解システムにおいては、それぞれの出口を通過する一定のアノード液流及びカソード液流を維持しながらも、スケール付着を最小限にするために極性の逆転を許すためには、複雑で高価な弁が使用される。
アノード電極の数がカソード電極の数と異なる、たとえば3:2の比であるならば、又は、アノード電極372の表面積がカソード電極374の表面積と異なるならば、先に詳述した手法で印加電圧パターンを使用して、生成されるEA水中により多量のアノード液又はカソード液を生成することができる。
電極をスケール除去するためのそのような頻繁な短時間の極性逆転は、電極をめっきするためにしばしば使用される材料、たとえば白金を電極表面から除去する傾向をも有するということがわかっている。したがって、一つの実施態様において、アノード電極372及びカソード電極374は、非めっき電極、たとえば金属電極又は導電性プラスチック電極を含むこともできる。たとえば、電極は、非めっき金属メッシュ電極であることができる。
一つの例示的態様において、制御電子部品344はさらに、電解セル346に印加される波形を選択的に逆転するために使用することができるスイッチを含むことができる。たとえば、スイッチは、カソード液よりも多くのアノード液を生成するためには一つの位置にセットし、アノード液よりも多くのカソード液を生成するためには別の位置にセットすることができる。制御電子部品344は、スイッチ位置をモニタすることができ、スイッチ位置にしたがって電解セル346に印加される電圧を調節する。しかし、電解セル346の電極は、電解セル346の具体的な用途に依存して多様な異なる電圧及び電流パターンで駆動されることができる。
もう一つの例において、電極は、一つの極性で指定の期間(たとえば約5秒間)駆動されたのち、逆の極性でほぼ同じ期間駆動されることができる。アノード液及びカソード液EA水は電解セル346の出口でブレンドされるため、このプロセスは、本質的にアノード液EA水1部をカソード液EA水1部に対して生成する。さらに別の例において、セル電極は、電極に印加される極性が逆転しないパルス化DC電圧波形で駆動されることもできる。「オン/オフ」期間及び印加電圧レベルは望みどおりにセットすることができる。
理論によって拘束されることを意図しないが、アノード電極372と接触する水分子がアノードチャンバ368中で電気化学的に酸化されて酸素(O2)及び水素イオン(H+)になり、カソード電極374と接触する水分子がカソードチャンバ370中で電気化学的に還元されて水素ガス(H2)及びヒドロキシルイオンイオン(OH-)になると考えられる。アノードチャンバ368中の水素イオンは、膜366を透過してカソードチャンバ370に入ることができ、そこで水素ガスに還元され、アノードチャンバ368中の酸素ガスは供給水を酸素化して出口ライン365a中にアノード液流を形成する。さらには、通常の水道水は一般に塩化ナトリウム及び/又は他の塩化物を含むため、アノード電極372は、存在する塩化物を酸化させて塩素ガスを形成する。結果として、実質的な量の塩素が生成され、出口ライン365a中のアノード液流のpHが時間とともにますます酸性になることができる。
上記のように、電圧電位が印加されると、カソード電極374と接触する水分子は電気化学的に還元されて水素ガス及びヒドロキシルイオン(OH-)になり、アノードチャンバ368中のカチオンは膜366を透過してカソードチャンバ370に入る。これらのカチオンは、カソード電極374で生成されたヒドロキシルイオンと電離的に会合することができ、水素ガス気泡が液体中に形成する。時間とともに実質的な量のヒドロキシルイオンがカソードチャンバ370中に蓄積し、カチオンと反応して塩基性水酸化物を形成することができる。加えて、膜366(カチオン交換膜として)は負荷電ヒドロキシルイオンが透過することを許さないため、水酸化物はカソードチャンバ370に閉じ込められたままになる。その結果、実質的な量の水酸化物がカソードチャンバ370中に生成することができ、出口ライン365b中のカソード液流のpHは時間とともにますますアルカリ性になることができる。
電解セル346中の電気分解プロセスは、反応性種の濃縮ならびに順安定性イオン及びラジカルの形成がアノードチャンバ368及びカソードチャンバ370中で起こることを可能にする。電気化学的活性化プロセスは通常、たとえば電子求引(アノード電極372における)又は電子導入(カソード電極374における)のいずれかによって起こり、それが、供給水の物理化学的(構造的、エネルギー的及び触媒的を含む)性質の変化を招く。供給水(アノード液又はカソード液)は、電界強さが非常に高いレベルに達することができる電極表面のすぐ近くで活性化されると考えられる。この区域は電気二重層(EDL)と呼ぶことができる。
電気化学的活性化プロセスが継続する間、水双極子が電界とほぼ整列し、その結果、水素分子の水素結合の一部が破断する。さらには、カソード電極374で単結合水素原子が金属原子(たとえば白金原子)に結合することができ、アノード電極372で単結合酸素原子が金属原子(たとえば白金原子)に結合することができる。これらの結合原子は、それぞれの電極の表面上で二つの次元に拡散したのち、さらなる反応に関与する。また、他の原子及び多原子基が同様にアノード電極372及びカソード電極374の表面に結合することができ、その後、反応を受けることができる。表面で発生する酸素(O2)及び水素(H2)のような分子は、水の液相中の小さな気孔(たとえば気泡)にガスとして入ることができる、及び/又は、水の液相によって溶媒和することができる。それにより、これらの気相気泡は、水の液相中に分散又は他の手法で浮遊する。
気相気泡のサイズは、多様な要因、たとえば供給水に印加される圧力、供給水中の塩及び他の化合物の組成ならびに電気化学的活性化の程度に依存して異なることができる。したがって、気相気泡は、マクロバブル、マイクロバブル、ナノバブル及び/又はそれらの混合物をはじめとして、多様な異なるサイズを有することができる。マクロバブルを含む実施態様において、発生する気泡に適した平均気泡直径の例は、約500マイクロメートル〜約1ミリメートルの範囲の直径を含む。マイクロバブルを含む実施態様において、発生する気泡に適した平均気泡直径の例は、約1マイクロメートル〜約500マイクロメートル未満の範囲の直径を含む。ナノバブルを含む実施態様において、発生する気泡に適した平均気泡直径の例は、約1マイクロメートル未満の直径を含み、特に好適な平均気泡直径は、約500マイクロメートル未満の直径を含み、さらに特に好適な平均気泡直径は、約100ナノメートル未満の直径を含む。
表面分子は電極表面の気体の分子よりも水の中の分子に引き寄せられるため、アノード電極372及びカソード電極374の表面から離れる分子の間の引力によって気液界面に表面張力が発生する。対照的に、水のバルクの分子はすべての方向に等しく引かれる。したがって、起こりうる相互作用エネルギーを増すために、表面張力が電極表面の分子を水のバルクに入らせる。
気相ナノバブルが発生する実施態様において、ナノバブル(すなわち、約1マイクロメートル未満の直径を有する気泡)に含まれる気体もまた、それらの小さな直径にもかかわらず、液相水中で実質的な期間にわたり安定であると考えられる。理論によって拘束されることを望まないが、気泡の湾曲面が分子寸法に近づくとき、気液界面における水の表面張力が低下すると考えられる。これが、放散しようとするナノバブル本来の傾向を低下させる。
さらには、ナノバブル気液界面は、膜366をはさんで印加される電圧電位によって荷電する。電荷は、表面張力に対向する力を導入し、それがまた、ナノバブルの放散を減速又は防止する。界面における同種電荷の存在は見かけ表面張力を低下させ、電荷反発が、表面張力による表面最小化に対して反対方向に作用する。気液界面に味方するさらなる荷電物質の存在によって効果が増すこともできる。
気液界面の自然な状態はマイナスであると思われる。低い表面電荷密度及び/又は高い分極率を有する他のイオン(たとえばCl-、ClO-、HO2 -及びO2 -)もまた、水和電子と同じく、気液界面に味方する。また、水性ラジカルがそのような界面に存在することを好む。したがって、カソード液(すなわち、カソードチャンバ370を通って流れるサブストリーム)中に存在するナノバブルは負電荷を有するが、アノード液(すなわち、アノードチャンバ368を通って流れるサブストリーム)中のナノバブルはほとんど電荷を有しない(過剰なカチオンが自然な負電荷を相殺する)と考えられる。したがって、カソード液ナノバブルが、流体ライン338の収束点でアノード液サブストリームと混合したとき、その電荷を失う可能性は低い。
さらに、気体分子は、カソード電極374上の過剰な電位により、ナノバブル(たとえばO2 -)内で荷電することができ、それにより、ナノバブルの全体電荷を増す。荷電ナノバブルの気液界面の表面張力は非荷電ナノバブルに対して低下することができ、それらのサイズが安定化することができる。これは、表面張力が表面を最小化させるが、荷電面は、同種電荷の間の反発を最小限にするために膨張する傾向を示すとき、定性的に認めることができる。また、電気分解に要するパワーに対して過剰なパワー損失による、電極表面の温度上昇が、局所ガス溶解度を下げることによってナノバブル形成を増大させることができる。
同種電荷間の反発力はそれらの離間距離の自乗として反比例的に増すため、気泡直径が減るとともに外向きの圧力が増大する。電荷の効果は、表面張力の効果を減らすことであり、表面張力は表面を減らす傾向にあるが、表面電荷はそれを膨張させる傾向にある。したがって、これらの対向する力が等しいとき、平衡状態に達成する。たとえば、気泡(半径r)の内面における表面電荷密度がΦ(e-/m2)であると仮定すると、外向きの圧力(「Pout」)は、ナビエ・ストークス方程式を解くことによって求めることができる。
式中、「D」は気泡の比誘電率であり(1と仮定する)、「ε0」は真空の誘電率(すなわち8.854pF/m)である。気体における表面張力による内向きの圧力(「Pin」)は次式によって求められる。
式中、「g」は表面張力(25℃で0.07198ジュール/m2)である。したがって、これらの圧力が等しいならば、気泡の半径は次式によって求められる。
したがって、5ナノメートル、10ナノメートル、20ナノメートル、50ナノメートル及び100ナノメートルのナノバブル直径の場合、ゼロ過剰内圧の場合の計算電荷密度は、気泡表面積1平方ナノメートルあたりそれぞれ0.20、0.14、0.10、0.06及び0.04e-である。そのような電荷密度が電解セル346の使用によって容易に達成可能である。気泡における全電荷がパワー2/3に増大するまでナノバブル半径は増大する。平衡状態におけるこれらの状況の下、ナノバブル表面における水の有効表面張力はゼロであり、気泡中の荷電ガスの存在が安定なナノバブルのサイズを増大させる。気泡サイズにおけるさらなる減少は、それが内圧を大気圧未満まで低下させることになるため、示されないであろう。
電解セル346内の様々な状況において、ナノバブルは、表面電荷により、さらに小さな気泡に分割することもできる。たとえば、半径「r」及び全電荷「q」の気泡が、共有の体積及び電荷(半径r1/2=r/21/3、電荷q1/2=q/2)の二つの気泡に分割すると仮定し、気泡間のクーロン相互作用を無視すると、表面張力(ΔEST)及び表面電荷(ΔEq)によるエネルギーにおける変化の計算は、
及び
を与える。
ΔEST+ΔEqがマイナスであるとき起こるように全エネルギー変化がマイナスであるならば、気泡は準安定性であり、それにより、
が得られ、これが、半径と電荷密度(Φ)との間の関係を提供する。
したがって、5ナノメートル、10ナノメートル、20ナノメートル、50ナノメートル及び100ナノメートルのナノバブル直径の場合、気泡分割のための計算電荷密度は、気泡表面積1平方ナノメートルあたりそれぞれ0.12、0.08、0.06、0.04及び0.03e-である。同じ表面電荷密度の場合、気泡直径は一般に、気泡を二つに分割する場合よりも見かけ表面積をゼロに減らす場合のほうが約3倍の大きさである。したがって、ナノバブルは一般に、さらなるエネルギー入力がない限り分割しない。
さらには、粒子の表面上のナノバブルの存在は、電気化学的活性化プロセス中に同じく発生することができるミクロンサイズの気相気泡による粒子の吸着を増加させる。表面ナノバブルの存在はまた、この作用によって吸着することができる汚れ粒子のサイズを減らす。そのような吸着は、物品からの汚れ粒子の除去を支援し、再付着を防止する。そのうえ、気相ナノバブルによって達成される大きな気液表面積対体積比により、この界面に位置する水分子は、水の高い表面張力によって認められるように、より少ない水素結合によって保持される。他の水分子への水素結合のこの減少により、この界面水は、通常の水よりも反応性であり、より速やかに他の分子に水素結合して、それにより、より速やかな水和を示す。
たとえば、100%の効率では、1アンペアの電流が毎秒0.5/96,485.3モルの水素(H2)を生成するのに十分であり、これは、毎秒5.18マイクロモルの水素に等しく、相応に、0℃の温度及び1気圧の圧力において毎秒5.18×22.429マイクロリットルの気相水素に等しい。これはまた、20℃の温度及び1気圧の圧力において毎秒125マイクロリットルの気相水素に等しい。大気中の水素の分圧は実質的にゼロであるため、電解溶液中の水素の平衡溶解度もまた実質的にゼロであり、水素は気孔(たとえばマクロバブル、マイクロバブル及び/又はナノバブル)中に保持される。
電解溶液の流量が毎分0.12USガロンであると仮定すると、毎秒7.571ミリリットルの水が電解セルを通って流れることになる。したがって、20℃の温度及び1気圧の圧力において電解溶液1リットル中に含まれる気泡内には0.125/7.571リットルの気相水素がある。これは、液表面から逃げる気相水素及び溶解して溶液を過飽和させる気相水素を除いた溶液1リットルあたり0.0165リットルの気相水素に等しい。
10ナノメートル直径のナノバブルの体積は5.24×10-22リットルであり、これは、疎水面に結合すると、約1.25×10-16平方メートルを覆う。したがって、溶液1リットル中、最大で約3×10-19個の気泡があり(20℃、1気圧)、合わさると、約4000平方メートルの表面被覆能力がある。たとえば、ちょうど分子1個分の厚さの表面層を仮定すると、これは、50ミリモルを超える活性表面水分子の濃度を提供する。この濃度は例示的な最大量を表すが、ナノバブルがより大きな体積及びより大きな内圧を有するとしても、表面被覆能力は大きいままである。さらには、ナノバブルが清浄効果を有するためには、汚れ粒子の表面の小さな割合がナノバブルによって覆われるだけでよい。
したがって、電気化学的活性化プロセス中に電解セル346中で発生した気相ナノバブルは、汚れ粒子に付着して電荷を移動させる場合に利益をもたらす。結果として得られる荷電し、コートされた汚れ粒子は、同種電荷間の反発により、互いからより容易に分けられる。汚れ粒子は溶液に入ってコロイド懸濁液を形成する。さらには、気水界面の電荷が表面張力に対向して、それにより、その効果及び結果的な接触角を減らす。また、汚れ粒子のナノバブルコーティングは、導入される大きめの浮揚性気相マクロバブル及びマイクロバブルの吸着を促進する。加えて、ナノバブルの大きな表面積は、適当な分子をより速やかに水和させることができる、有意な量のより反応性の水を提供する。
気相気泡(たとえばマクロバブル、マイクロバブル及びナノバブル)を含むEA水は、出口ライン365a及び365bを介して電解セル346を出て、サブストリームが流体ライン338で再収束することができる。アノード液流及びカソード液流は洗浄又はすすぎサイクルにおける使用の前にブレンドすることができるが、これらは、はじめは平衡状態にはなく、それらの電気化学的活性化状態を一時的に保持する。先に詳述したように、代替態様において、アノード液流及びカソード液流は、回転槽22中に小出しされるまでは別々にしておくことができる。したがって、EA水は、液相水中に分散/浮遊した気相気泡を含有する。これは、洗浄又はすすぎサイクル中に必要とされる水の量を減らすことができ、また、洗浄動作を実施するために必要とされるサイクルの回数を減らすことができる。
図5は、イオン交換膜を使用せずに流体ライン436を通って流れる水を電気化学的に活性化するための、電解セル318(図2に示す)に代わる例である電解ユニット418を示す略図である。電解ユニット418はまた、洗浄システムにおける使用のために水を電気化学的に活性化するための、電解ユニット18(図1に示す)、電解ユニット118及び150(図2に示す)ならびに電解ユニット262(図3に示す)に代わる適当な代替設計である。
図5に示すように、電解ユニットは、流体ライン436及び438と直接係合することができ、反応チャンバ476、アノード電極478及びカソード電極480を含む電解セル446を含む。反応チャンバ476は、電解セル446の壁、アノード電極478及びカソード電極480が配置されている容器もしくは導管の壁又はアノード電極478及びカソード電極480そのものによって画定することができる。アノード電極478及びカソード電極480に適した材料及び構造は、アノード電極372及びカソード電極374(図4に示す)に関して先に詳述したものを含む。
動作中、供給ライン436を介して水が反応チャンバ476に導入され、アノード電極478及びカソード電極480にかけて電圧電位が印加される。これが水を電気化学的に活性化し、アノード電極478及びカソード電極480の近くにある、又はそれらと接触する水の部分が、電解セル346に関して先に詳述した同じ手法で気相気泡を発生させる。したがって、電解セル446を通って流れる水は、液相水中に分散又は他の手法で浮遊した気相気泡を含有する。しかし、電解セル346に比較すると、EA水は、電解セルから上流又は電解セル内で分割されたのち電解セル内又は電解セルから下流で再収束するのではなく、電気分解プロセス全体中でブレンドされる。したがって、結果として得られるEA水は、液相水中に分散/浮遊した気相気泡を含有し、それが、先に詳述したように液体の清浄効率を高める。
代替浮遊機構
代替態様において、電解セル(たとえば電解セル346及び446)のような流体処理構成部品によって生成されるEA液以外の機構を介して微生物浮遊を達成することができる。他の浮遊機構の特定の例は、たとえば、小出しされる水のORPを変化させる(プラスのORP、マイナスのORP又は両方の組み合わせを有する小出しされる水を生成する)機構を含む。たとえば、通常の水道水を、高められた清浄効果を有するマイナスのORP(たとえば−50ミリボルト〜−600ミリボルト)を有するように変性させることができることがわかった。これらの増強された清浄効果は、たとえば、小出しされる水の中で表面上に微生物を浮遊させるように働くことができる。マイナス(及び/又はプラス)のORPは、本明細書に記載される電解セルによって達成することができるが、他の機構によって、たとえば、小出しされる水を、水のORPを変化させるゼオライトのような物質を含むフィルタ又は他の機構に通すことによって達成することもできる。
代替態様において、電解セル(たとえば電解セル346及び446)のような流体処理構成部品によって生成されるEA液以外の機構を介して微生物浮遊を達成することができる。他の浮遊機構の特定の例は、たとえば、小出しされる水のORPを変化させる(プラスのORP、マイナスのORP又は両方の組み合わせを有する小出しされる水を生成する)機構を含む。たとえば、通常の水道水を、高められた清浄効果を有するマイナスのORP(たとえば−50ミリボルト〜−600ミリボルト)を有するように変性させることができることがわかった。これらの増強された清浄効果は、たとえば、小出しされる水の中で表面上に微生物を浮遊させるように働くことができる。マイナス(及び/又はプラス)のORPは、本明細書に記載される電解セルによって達成することができるが、他の機構によって、たとえば、小出しされる水を、水のORPを変化させるゼオライトのような物質を含むフィルタ又は他の機構に通すことによって達成することもできる。
たとえば、一つの実施態様において、電解ユニット18、118、150、262、318及び/又は418に代えて、流体ライン(たとえば、図3に示す流体ライン336及び338ならびに図4に示す流体ライン436及び438)を通って流れる水のORPを変化させるための一つ以上の液体活性化物質を組成的に含む媒体を含有する流体処理構成部品である一つ以上の媒体容器を用いることもできる。本開示の洗浄システムとの使用に適した媒体カートリッジの例は、米国特許出願第12/639,622号及び第12/639,628号に開示されているものを含む。
媒体における使用に適した液体活性化物質の例は、多孔性鉱物、たとえば多孔性アルミノケイ酸塩鉱物(たとえばゼオライト)を含む。媒体における使用に適したゼオライトの例は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セリウム(Ce)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、リチウム(Li)及びマグネシウム(Mg)の一つ以上を含有することができるアルミノケイ酸塩鉱物の水和及び無水構造を含む。媒体1818における使用に適したゼオライトの例は、方沸石、アミチ沸石、バレル沸石、ベルベルヒ沸石、ビキタ沸石、ボッグス沸石、ブリュースター沸石、菱沸石、斜プチロル沸石、コウルス沸石、ダキアルディ沸石、エディントン沸石、剥沸石、エリオン沸石、フォージャス沸石、フェリエ沸石、ガロン沸石、ギスモンド沸石、ゴビンス沸石、グメリン沸石、ゴナルド沸石、グーズクリーク沸石、重土十字沸石、輝沸石、濁沸石、レビ沸石、マッシィ沸石、メルリーノ沸石、モンテソンマ沸石、モルデン沸石、中沸石、ソーダ沸石、オフレ沸石、パラソーダ沸石、ポーリン沸石、パーリアル沸石、十字沸石、ポルクス石、スコレス沸石、ステラ沸石、灰束沸石、トムソン沸石、ツァーニック沸石、ワイラケ沸石、ウェルズ沸石、ウィルヘンダーソン沸石、湯河原沸石、それらの無水形態及びそれらの組み合わせを含む。媒体における使用のための市販ゼオライトの例は、約2.3g/cm3の平均密度及び+40メッシュの呼び粒度を有する、KMI Zeolite, Inc.(Sandy Valley, NV)の斜プチロル沸石を含む。
また、非ゼオライト物質又は機構を利用することもできる。媒体における使用に適した非ゼオライト物質の例は、樹脂、ギョガン石、ギロル石、シャンファ石、ケホアイト、ロウダル石、マリコパ石、オーケン石、パハサパ石、パルテ沸石、ブドウ石、ロッジァン石、タカラン石、チップトップ石、トベルモリー石、ヴィゼ沸石及びそれらの組み合わせを含む。適当な樹脂の例は、イオン交換樹脂、たとえば、活性基(たとえばスルホン酸基、アミノ基、カルボン酸基など)を含有する架橋芳香族構造(たとえば架橋ポリスチレン)を有するものを含む。イオン交換樹脂は、たとえば樹脂ビーズのような多様な媒体中に提供することができる。これらの非ゼオライト鉱物は、ゼオライトと組み合わせて、又はゼオライトの代わりとして媒体中に使用することができる。
媒体は、多様な媒体形態、たとえばセラミックボール、ペレット、パウダーなどで提供されることができる。たとえば、媒体カートリッジ中に保持されている間、媒体は、流体ライン(たとえば流体ライン336及び338ならびに流体ライン436及び438)の間で媒体カートリッジを通って流れる水を処理して、それにより、イオン交換によってマイナスのORP(及び/又はプラスのORP)を水に付与する。媒体は、望ましくは、少なくとも約−50mVのマイナスのORP及び/又は少なくとも約+50mVのプラスのORPを水に付与する。もう一つの例において、媒体は、望ましくは、少なくとも約−100mVのマイナスのORP及び/又は少なくとも約+100mVのプラスのORPを水に付与する。先に詳述したように、ORPを変化させると、電解セル346及び446に関して先に詳述したように、小出しされるEA水は粒子及び微生物を浮遊させることができる。
電気穿孔電極
先に詳述したように、たとえば、本開示の電気穿孔電極(たとえば電極48、148、160、348及び448)は、アースに対する電位をEA水中に付与、誘発又は他の手法で生じさせる電気導体、リード、プローブ又は他の電気接点である。電気穿孔電極の以下の詳述は、電気穿孔電極が本開示の各実施態様に適用可能であるという理解のうえ、電極348(図4に示す)を有する電解ユニット318を参照して行う。
先に詳述したように、たとえば、本開示の電気穿孔電極(たとえば電極48、148、160、348及び448)は、アースに対する電位をEA水中に付与、誘発又は他の手法で生じさせる電気導体、リード、プローブ又は他の電気接点である。電気穿孔電極の以下の詳述は、電気穿孔電極が本開示の各実施態様に適用可能であるという理解のうえ、電極348(図4に示す)を有する電解ユニット318を参照して行う。
電解セル346を出るEA水(又は他の電気化学的に処理された液体又は未処理の液体)は電極348と接触することができ、電極348は、流体ライン338を通って流れるEA水中に電位を付与、誘発又は他の手法で生じさせるように構成されている。先に詳述したように、微生物の細胞に印加される結果的な電界が十分な大きさであるならば、電界は、電気穿孔及び/又は電気液圧ショックのような機構によって微生物に対して不可逆的な損傷又は破壊を加えることができる。
一つの実施態様において、電極348は、電極348の一部分が流体ライン338を通って流れるEA水と物理的に接触するように流体ライン338の側壁に挿入することができる導電性のスパイク又は「とげ」によって形成される。代替態様において、流体ライン338は、少なくとも部分的に導電性材料、たとえば金属及び/又は導電性ポリマーでできていることができる。たとえば、流体ライン338は、電線路348aに電気的に接続される銅でできた区分を含むことができる。例示的態様において、電極348は、電解セル346から離れており、それに対して外部にあり、対応するリターン電極(たとえば、反対の極性の電極及び/又は電気穿孔電極のための回路接地に相当する電極)を有しない。本開示の電気穿孔電極に適した電極設計のさらなる例は、米国特許出願第12/639,622号及び第12/639,628号に開示されているものを含む。
電線路341及び/又は制御電子部品344を介する電源は、AC及び/又はDC電圧(たとえばプラスの電圧)を電極348、ひいては流体ライン348中のEA水に送るように構成されていることができる。たとえば、EA水に印加されるこのさらなる電位が、微生物に加えられる電気穿孔/電気液圧ショックを増大させることができる。代替態様においては、様々な電圧及び電圧パターンを使用することができる。さらには、アースが、電極348、ディスペンサ(たとえばディスペンサ34)によって送り出されるEA水ならびに物品及び回転槽(たとえば回転槽22)によって形成される電気回路を完成させるように働くことができる。
駆動電圧パターンの電気的特性は、装置の設計及び微生物への液体の適用方法に基づくことができる。一例において、電極に印加される駆動電圧は、25KHz〜800KHzの範囲の周波数及び50ボルト〜1000ボルトrmsの電圧を有することができる。しかし、印加電流は非常に低い、たとえば0.15ミリアンペアのオーダであることができる。電圧パターンは、DCパターン及びACパターン又は両方の組み合わせであることができる。電圧波形は、適当なタイプ、たとえば方形波、正弦波、三角波、のこぎり波及び/又は任意の波(任意パターン生成器から)であることができる。一例において、波形は、様々な波形の間で連続的に変化する。たとえば、電圧電位のプラス(又はマイナス)側が電極348に印加され、処理される表面(又は空間の体積)の電位が回路接地(たとえばアース)として働く。加えて、波形及び電圧レベルは異なる微生物に異なるふうに影響することができる。したがって、これらのパラメータは、特定の微生物の死滅を増強するように変更することもできるし、多様な異なる生物を効果的に処理するために適用中に変化させることもできる。
電極348に印加することができる適当な電圧の例は、非限定的に、50ボルトrms〜1000ボルトrms、500ボルトrms〜700ボルトrms又は550ボルトrms〜650ボルトrmsの範囲のAC電圧を含む。一つの特定の実施態様は約600ボルトrmsの電圧を電極348に印加する。電極348に印加することができる電圧の周波数の例は、非限定的に、20KHz〜100KHz、25KHz〜50KHz、30KHz〜60KHz又は約28Khz〜約40KHzの範囲内の周波数を含む。一つの特定の実施態様は約30KHzの電圧を電極348に印加する。
図6Aは、一つの特定の例において電極348に印加することができる電圧パターンを示す波形図である。この例において、波形の形状は、正弦波と方形波との組み合わせである。しかし、波形は、他の形状、たとえば正弦波、方形波又は他の波形を有することもできる。印加電圧は、液体が電極のアダプタ240を通って流れるとき600ボルトrms(p−p値で約1000〜1200ボルト)のAC電圧及び約30KHzの周波数を有する。この例において、装置(たとえばスプレーボトル)が電気化学的に活性化された液体を処理される表面に小出しするとき、周波数は実質的に一定のままである。別の例において、周波数は約41KHz〜46KHzの範囲に維持される。
別の例において、洗浄システム(たとえば洗浄システム10、110及び210)がWA水を処理される表面(たとえば、回転槽22、122及び222中の物品)に小出しするとき、周波数は既定の範囲で変化する。たとえば、制御電子部品344が、周波数下限と周波数上限との間の範囲内、たとえば20KHz〜100KHz、25KHz〜50KHz及び30KHz〜60KHzの周波数を掃引することができる。
図6Bは、もう一つの特定の例において、電圧が電極348に印加される時間に対して周波数を示す波形図である。この例において、たとえば、周波数は、三角波形として、約1秒の期間で、周波数下限から周波数上限までランプアップしたのち、周波数下限までランプダウンする。もう一つの例において、制御回路が、0.1秒〜10秒の期間で、周波数を周波数下限から周波数上限まで(及び/又は周波数上限から周波数下限まで)ランプさせる。他のランプ周波数範囲を使用することもでき、それぞれのランプアップ及びランプダウン期間は、同じであることもできるし、互いに異なることもできる。様々な微生物が様々な周波数で不可逆的電気穿孔を受けるかもしれないため、印加電圧の死滅効果は様々な周波数の間で掃引されて、様々な微生物に対する有効性を潜在的に増大させる。たとえば、周波数の掃引は、様々な微生物の様々な共振周波数で電位を印加する場合に効果的であるかもしれない。
図6Cに示す例において、周波数は、のこぎり波形として、30KHz〜60KHzで掃引される。他の波形を使用することもできる。
図7Aは、ディスペンサ334から小出しされる出力376を示す図であり、出力376の個々の小滴は、ディスペンサ334から処理される表面378まで異なる経路をたどることができる。ディスペンサ334は、洗浄システムディスペンサ(たとえばディスペンサ34、134及び234)であり、電極348を含む。表面378は、洗浄システムの回転槽(たとえば回転槽22、122及び222)及び/又は回転槽中に保持された一つ以上の物品の表面であることができ、接地、たとえばアースへの導電を有してもよいし、有しなくてもよい。荷電EA水は、ディスペンサから回転槽(たとえば、図1に示すディスペンサ34から回転槽22)に小出しされるとき、導電性の浮遊媒体を形成して、それにより、電極348から回転槽及び/又は回転槽中に保持された物品の表面までの導電路を形成する。
図7Bは、出力376を表面378(図7Aに示す)に小出しすることによって達成される電気穿孔機構の例を示す図である。先に詳述したように、表面378に小出しされた出力376は、導電性浮遊媒体を形成することがわかっている。図7Bは、出力376からの液体によって表面378から浮遊する微生物の細胞膜380に印加される結果的な電界「E」を示す。たとえば、出力376及び表面378に小出しされる液体がいっしょになって電極348から表面378への導電路を形成する。
電極348からEA水に印加される交番電位の付加が、小出しされる出力に有意に増強された衛生化作用を付与すると考えられる。この現象が不可逆的電気穿孔に関連するかもしれない。一つの特定の実施態様において、交番電位は、600ボルト、28KHzで特に効果的であり、様々な微生物に関して可変性の効果を有すると思われる。しかし、他の実施態様においては、他の電圧及び周波数を使用することもできる。
細胞死の前の電気穿孔は、少なくとも0.5ボルトの膜内外電位差によって達成可能である(たとえば、膜厚さは一般に約3ナノメートルである)。構造に依存して、そのような電位は、約10キロボルト/cm以上のパルスを要することがある。たとえば細胞毒素の存在においては、又は通常は不可逆的に形成される孔が再封止することを防ぐためのさらなる機構が利用可能である場合には、低めの電位が効果的であるかもしれない。電気穿孔は一般には低めの電位で「可逆的」ツールとして使用されるが、これらの条件下でも、多くの場合、細胞の小さな割合しか回復しないと認識されていることが留意されるべきである。
細胞は、多量の細胞膜を損失した場合でも比較的長期間生存することができるため、細胞膜中の穴の形成は一般に、それだけで細胞死を生じさせるには不十分である。細胞死は、細胞に出入りする物質の電気泳動及び電気浸透動(毛管電気泳動)によって生じることができる細胞の代謝状態の混乱により起こる。拡散だけでは一般に低速すぎる。電気泳動及び電気浸透を達成するためには、図7Cに示すように、十分なパワーが表面内で放散されるべきである。
様々な微生物が様々な全表面電荷及び電荷分布を有し、したがって、細胞死の点で互いに異なるふうに反応する。微生物はまた、揺動する電位界中で異なるふうに挙動し、最大吸収に関して異なる共振周波数を有する(ひいては、水溶液に対する最大の運動を有して、その代謝に最大限の混乱を生じさせる)。出入りの動きは主に電位勾配に依存する。系が共振状態にあるとき、増大した効果が起こる。
小出しされる水滴は様々な速度で下降し、高速で交番する電位(たとえば28kHz)に関する場合、時間差が有意になることがある。降下速度(滴のサイズ、流量及びノズル直径に依存する)が、着地する滴の間の時間差を決定するが、これは、36マイクロ秒の電位サイクル時間の数倍から多数倍になる可能性が高い。
孔が開いた細胞は、細胞毒素の侵入に対するバリヤを有しないため、荷電EA水中で細胞毒素の影響をはるかに受けやすい。交番電位ととも送られる潜在的な細胞毒素は、過酸化物、塩素酸化物及び他の酸化還元剤、たとえば超酸化物、オゾン及び一重項酸素ならびに重金属イオン、たとえば第二銅イオン及び/又は銀イオンである。荷電ナノバブルは、電界中で移動し、表面から物質を吸着することができる。さらには、界面活性であるため、たとえば図7Cに示すように、孔の再封止を妨害し、その細胞毒性界面活性分子を孔の部位に優先的に送ることができる。
上記を考慮すると、荷電EA水は、小さな荷電気泡の生成のおかげで清浄剤として作用する。これらの気泡が汚れ粒子/微生物に付着し、それによって電荷を移す。荷電し、コートされた粒子は、同種電荷間の反発によって互いから分離し、浮遊物として溶液に入る。小さな気泡による汚れのコーティングは、清浄中に導入されるより大きな浮揚性気泡によるその吸着を促進し、したがって、清浄プロセスを支援する。同時に、さらなる電極334によって発生する電位によって微生物を電気穿孔し、死滅又は他の手法で除去することができ、それにより、表面上の微生物の数が減る。したがって、衛生化能力を高めるためには、電気穿孔を使用して、たとえば、たとえば水性流体を介して高電圧を接地(たとえばアース)に放電することによって微生物作用のより一貫した効果的な破壊を達成することができる。
また、電解セル346によって生成されたEA水と電極348によって印加される電界との組み合わせが相乗効果を有するということがわかった。EA水中で発生した荷電ナノバブルが電界中を移動するとき、それらが微生物を吸着し、受け入れ面及び/又は物品から分離させると考えられる。微生物を受け入れ面及び/又は物品から分離させて微生物を水中に浮遊させることにより、電極348によって受け入れ面及び/又は物品に沿って発生する電界はより容易に微生物細胞に印加される。微生物が受け入れ面及び/又は物品と接触しているならば、電界はより容易に表面接地中に放電され、生物細胞の不可逆的電気穿孔を創製する効果が低下するおそれがある。細胞が浮遊した状態で、印加される交番電界は前後に揺動して細胞に損傷を加える。
シンク・水栓タイプ洗浄システム
本開示のもう一つの態様は、アルカリ性液と酸性液とのブレンドを含むことができる荷電EA水を使用するシンク・水栓タイプ洗浄システム及び方法に関する。シンク・水栓タイプ洗浄システムとの荷電EA液の以下の詳述もまた、本開示の荷電EA液は多様な異なる液体から得ることができるという理解のうえ、水(たとえば荷電EA水)を参照して行う。荷電EA液/水の使用はまた、シンク・水栓タイプ洗浄システムに関して以下に詳述する手法と同様にして、シャワー・バス洗浄システムにも適用することができる。
本開示のもう一つの態様は、アルカリ性液と酸性液とのブレンドを含むことができる荷電EA水を使用するシンク・水栓タイプ洗浄システム及び方法に関する。シンク・水栓タイプ洗浄システムとの荷電EA液の以下の詳述もまた、本開示の荷電EA液は多様な異なる液体から得ることができるという理解のうえ、水(たとえば荷電EA水)を参照して行う。荷電EA液/水の使用はまた、シンク・水栓タイプ洗浄システムに関して以下に詳述する手法と同様にして、シャワー・バス洗浄システムにも適用することができる。
図8〜12は、シンク・水栓タイプ洗浄システムとの電解セルアセンブリの使用を示す。図8に示すように、洗浄システム510は、流し台512、液供給源514及び516、電解ユニット518及び水栓アセンブリ520を含む。電解ユニット518は、液供給源514と水栓アセンブリ520との間の適当な場所に固定することができ、電解ユニット18(図1に示す)、電解ユニット318(図4に示す)及び電解ユニット418(図5に示す)に関して先に詳述した同じ手法で作動することができる電動式ユニットである。電解ユニット518はまた、水栓530の従来の水入口ラインに接続可能な内蔵ユニットであってもよく、電線路521を介して外部電源(図示せず)に電気的に接続されてもよい。
図示するように、水栓アセンブリ520は、従来の手法で配設することができる流体ライン522、524、526及び528、水栓530ならびにスプレヤー532を含む。たとえば、流体ライン522は、液供給源514から電解セル518を介して温水を受け、その温水を水栓530に供給する温水ラインであってもよい。したがって、流体ライン524は、流体ライン522と別個の食器洗浄機とを接続する温水ラインであってもよい。一つの実施態様において、食器洗浄機は、先に詳述したように作動することができ、EA水を電解セル518から受けることができる。流体ライン524は、液供給源516から冷水を受け、その冷水を水栓530に供給する冷水ラインであってもよい。
水栓530は、アクチュエータハンドル534及びディスペンサ536を含み、従来の手法で作動することができる。したがって、アクチュエータハンドル534を動かすと、水が液供給源514から電解セル518に流れ込むことができる。先に詳述したように、電解セル518は、水を電気化学的に活性化して、それにより、流体ライン522を介してEA水を水栓530に提供する。さらには、電解ユニット518は、電極48(図1に示す)、電極348(図4に示す)及び448(図4に示す)と同じ手法で機能して、アースに対する電位をEA水中に付与、誘発又は他の手法で生じさせることができる一つ以上の電気穿孔電極(図示せず)を含む。
電解ユニット518の電気穿孔電極は、電解ユニット518の電解セルよりも下流の適当な場所に配置することができ、EA水と電気的に接触するように構成されている。たとえば、電気穿孔電極は、流体ライン522、流体ライン528、スプレヤー532及び/又はディスペンサ536に配置することができる。一つの実施態様において、電気穿孔電極は、スプレヤー532及び/又はディスペンサ536に固定することができ、電線路48a(図1に示す)に対応する電線路が流し台512を通過して電解ユニット518中の制御電子部品まで延びることができる。さらには、電気穿孔電極から下流の流路は、望ましくは、荷電EA水がスプレヤー532及び/又はディスペンサ536から小出しされる前に接地される程度を下げるために電気的に分離されている。たとえば、流体ライン528及び/又はスプレヤー532は、荷電EA水を電気的に分離することができる誘電体でできていることができる。
ユーザはまた、EA水の流れをスプレヤー532に向け直すことができ、スプレヤーは、流体ライン528を介して水栓530からEA水を受けることができる。したがって、以下に詳述するように、一つの適当な実施態様において、電気穿孔電極は、スプレヤー532、たとえばスプレヤー532の先端に固定されている。この実施態様は、米国特許出願第12/639,622号及び第12/639,628号に詳述されているように、スプレヤー532が手持ちのスプレヤーとして機能することを可能にする。
ブレンドされるにもかかわらず、酸性水及びアルカリ性水は、それらのイオン性及び気相気泡を、ディスペンサ536及び/又はスプレヤー532から小出しされるのに十分な期間にわたり保持する。そして、荷電EA水は、化学清浄製品(たとえば石けん及び洗剤)の使用を要することなく、多様な物品を清浄するために使用することができる。これは、他の手法ならば化学清浄製品を吸収し、保持してしまうおそれのある食品系物品、たとえば果物及び野菜を清浄する場合に特に適している。
図9は、洗浄システム510(図8に示す)に対して第二の洗浄システムである洗浄システム610を示し、対応する参照番号が「100」を加算されている。図9に示すように、洗浄システム610はさらに電解ユニット638を含み、電解ユニット638は、液供給源616と水栓アセンブリ620との間の適当な場所に固定することができ、電解ユニット18(図1に示す)、電解ユニット318(図4に示す)及び電解セル416を含む電解ユニット(図5に示す)に関して先に詳述した同じ手法で作動することができる。
電解ユニット638はまた、水栓630の従来の水入口ラインに接続可能な内蔵ユニットであってもよく、電線路639を介して外部電源(図示せず)に電気的に接続されてもよい。したがって、図7に示す実施態様は、一対の電解セルを、洗浄システム210(図2に示す)に関して先に詳述した同じ手法で組み込むことを可能にする。この構造は、液供給源614及び616からの水流が互いに独立して選択的に電気分解プロセスを受けてEA水流を生成することを可能にする。さらには、電解ユニット518及び638の電気穿孔電極(図示せず)は、電解ユニット518及び638の電解セルの下流の適当な場所に配置することができ、EA水と電気的に接触して、EA水中に電位を付与、誘発又は他の手法で生じさせるように構成されている。
図10は、洗浄システム510(図8に示す)に対して第三の洗浄システムである洗浄システム710を示し、対応する参照番号が「200」を加算されている。図10に示すように、洗浄システム710は、電解ユニット518、618及び638の代わりに(及び/又はそれに加えて)電解ユニット740を含む。この実施態様において、電解ユニット740は、水栓730とスプレヤー732との間の適当な場所に固定することができ、それにより、スプレヤー730に向け直される水流が電気分解プロセスを受けることを可能にする。これは、スプレヤー730に向け直された温水及び/又は冷水が、ディスペンサ736から小出しされる水とは別に、一つの電解ユニットで電気分解プロセスを受けることを可能にする。
一つの実施態様において、電解ユニット740はまた、スプレヤー732と電気的に連絡していることができ、それにより、電解ユニット740のアクティブ化がスプレヤー732の動作と一致することを可能にする。この連絡は、スプレヤー732が水を向け直して流体ライン728に通すとき、電解ユニット740の動作を調整する場合に利益をもたらす。さらには、電解ユニット740の電気穿孔電極(図示せず)は、電解ユニット740の電解セルの下流の適当な場所に、たとえば流体ライン728に沿って、及び/又はスプレヤー732に配置することができる。これが、電気穿孔電極が、流体ライン728及び/又はスプレヤー732を通って流れるEA水と電気的に接触して、スプレーされる前にEA水中に電位を付与、誘発又は他の手法で生じさせることを可能にする。
図11は、洗浄システム510(図8に示す)に対して第四の洗浄システムである洗浄システム810を示し、対応する参照番号が「300」を加算されている。図11に示すように、洗浄システム810は、電解ユニット518、618、638及び740の代わりに(及び/又はそれに加えて)電解ユニット842を含む。この実施態様において、電解ユニット842は水栓830に一体に接続されることができ、それがまた、温水及び/又は冷水が一つの電解ユニットで電気分解プロセスを受けることを可能にする。
さらには、電解ユニット842はまた、アクチュエータハンドル834と電気的に連絡していることができ、それにより、電解ユニット842のアクティブ化がアクチュエータハンドル834の動作と一致することを可能にする。たとえば、ハンドルアクチュエータ834は、水がディスペンサ836及び/又はスプレヤー832を通って流れるときには電解ユニット842を接続し、水がディスペンサ836及び/又はスプレヤー832を通って流れないときには電解ユニット842を接続解除するスイッチを作動させることができる。この連絡は、水栓830が使用されているとき、電解ユニット842の動作を調整する場合に利益をもたらす。
さらには、電解ユニット842の電気穿孔電極(図示せず)は、電解ユニット842の電解セルの下流の適当な場所、たとえばディスペンサ836に配置することができる。これが、電気穿孔電極が、ディスペンサ836を通って流れるEA水と電気的に接触して、小出しされる前にEA水中に電位を付与、誘発又は他の手法で生じさせることを可能にする。
図12は、電解ユニット518、618、638、740及び842に適した設計である電解ユニット944を示す略図である。図12に示すように、電解ユニット944は、ハウジング946、制御電子部品948、電解セル950及び電極952を含み、電解ユニット18(図1に示す)、電解ユニット318(図4に示す)及び電解ユニット418(図5に示す)と同じ手法で機能することができる。
ハウジング946は、流体ライン954及び956の間に固定することができ、流体ライン954及び956は、電解ユニット944の場所に依存して、システム510、610、710及び810の一つ以上の流体ラインであることができる。たとえば、電解ユニット944が電解ユニット518に対応する図8に示す実施態様において、流体ライン954は、液供給源514を電解ユニット518/944と相互接続することができ、流体ライン956は流体ライン522に対応することができる。あるいはまた、電解ユニット944が電解ユニット740に対応する図10に示す実施態様において、流体ライン954は、電解ユニット740/944に対して流体ライン728の上流部分に対応することができ、流体ライン956は、電解ユニット740/944に対して流体ライン728の下流の、スプレヤー732に接続する部分に対応することができる。
制御電子部品948は、制御電子部品48(図1に示す)、電子部品348(図4に示す)及び電子部品448(図5に示す)に関して先に詳述した同じ手法で電解ユニット944の動作を指示することができ、動作中、電線路958からの電力を電解セル950(電線路950aを介して)及び電極952(電線路952aを介して)に中継するように構成されている。
電極952は、流体ライン956に沿って配置されて、流体ライン956を通って流れるEA水中に、アースに対する電位を付与、誘発又は他の手法で生じさせる電気導体、リード又は他の電気及び/又は電磁構成部品である。したがって、先に詳述したように、電極952は、電解セル950の下流の適当な場所に配置することができる。たとえば、電極952は、流体ライン(たとえば流体ライン522、528、622、626、628及び728)、スプレヤー(たとえばスプレヤー532、632、732及び832)及び/又はディスペンサ(たとえばディスペンサ536、636、736及び836)に配置することができる。
図12にさらに示すように、アクチュエータ960は、電線路958からの電源と制御電子部品948との間に直列に結合され、アクチュエータ960の状態に依存して、電源を制御電子部品948のパワー入力に結合し、それから結合解除するように働く。この実施態様において、アクチュエータ960は、アクチュエータハンドル(たとえばアクチュエータハンドル534、634、734及び834)、スプレヤートリガ(たとえばスプレヤー532、632、732及び832のトリガ)及び/又は他の類似の作動装置に対応することができる。
たとえば、アクチュエータがスプレヤー532のスプレートリガに対応する実施態様(図8に示す)においては、水栓アセンブリ530を回して水を液供給源514から少なくとも流体ライン522に通して流れさせるとき、ユーザはまた、スプレヤー532のスプレートリガ(すなわちアクチュエータ960)を押すことができる。これが電線路958の回路を閉じて、それにより、制御電子部品948が電解セル950及び電極952を接続することを可能にする。そして、結果として得られる、電解セルを通って流れ、電極952を通過する水は、電気化学的に活性化され、荷電されて、スプレヤー532から噴出される荷電EA水を提供する。スプレートリガ(すなわちアクチュエータ960)から圧が除かれると、電線路958の回路が開き、それにより、制御電子部品948をして電解セル950及び電極952を除勢させる。したがって、ディスペンサ536を通って流れ続ける水は荷電されず、電気化学的に活性化されない。この構造は、流し台512中の物品を清浄するために荷電EA水が小出しされるべきときをユーザが制御することを可能にする。
いくつかの実施態様に関して本開示を説明したが、当業者は、本開示の真意及び範囲を逸脱することなく、形態及び詳細における変更を加えることができることを認めるであろう。
Claims (20)
- 洗浄機容器と、
受けた液体を電気化学的に活性化して電気化学的活性化液を生成するように構成された電解セルと、
電解セルから下流に位置し、電気化学的活性化液と電気的に接触して荷電電気化学的活性化液を生成するように構成された電極と、
荷電電気化学的活性化液を洗浄機容器中に小出しするように構成されている、電解セルから下流に位置し、電極から下流に位置する、又は電極と一体化したディスペンサと、及び
電解セル中に電界を発生させるように構成され、さらに、小出しされる液体を通して電極と洗浄機容器との間に交番電界を発生させるように構成された少なくとも一つの制御回路と
を含む洗浄システム。 - 電解セルが、
チャンバと、
チャンバ内に配置され、少なくとも一つの制御回路と電気的に接続するように構成されたアノード電極と、及び
チャンバ内に配置され、少なくとも一つの制御回路と電気的に接続するように構成されたカソード電極と
を含む、請求項1記載の洗浄システム。 - 電解セルが、アノード電極とカソード電極との間に配置されたイオン交換膜をさらに含む、請求項2記載の洗浄システム。
- 電気化学的活性化液がアルカリ性液と酸性液とのブレンドを含む、請求項1記載の洗浄システム。
- 少なくとも一つの制御回路が、直流電圧電位を電解セルに印加して電解セル中に電界を発生させるように構成されており、さらに、交流電圧電位を電極に印加して交番電界を発生させるように構成されている、請求項1記載の洗浄システム。
- 電解セルが第一の電解セルであり、洗浄システムが、ディスペンサから上流に位置する第二の電解セルをさらに含み、少なくとも一つの電気回路がさらに、第二の電解セル中に電界を発生させるように構成されている、請求項1記載の洗浄システム。
- 洗浄機容器が、洗濯機、食器洗浄機及び水栓アセンブリからなる群より選択されるシステムの構成部品である、請求項1記載の洗浄システム。
- 洗浄機容器と、
流体ラインに操作可能に結合され、流体ラインから受けた液体を活性化して活性化液を生成するように構成された流体処理構成部品と、
流体処理構成部品から下流に位置し、活性化液と電気的に接触して荷電活性化液を生成するように構成された電極と、
荷電活性化液を洗浄機容器中に小出しするように構成されている、流体処理構成部品から下流に位置し、電極から下流に位置する、又は電極と一体化したディスペンサと、及び
小出しされる液体を通して電極と洗浄機容器との間に交番電界を発生させるように構成された少なくとも一つの制御回路と
を含む洗浄システム。 - 流体処理構成部品セルが電解セルを含み、少なくとも一つの制御回路がさらに、電解セル中に電界を発生させるように構成されている、請求項8記載の洗浄システム。
- 電解セルが、
チャンバと、
チャンバ内に配置され、少なくとも一つの制御回路と電気的に接続するように構成されたアノード電極と、及び
チャンバ内に配置され、少なくとも一つの制御回路と電気的に接続するように構成されたカソード電極と
を含む、請求項9記載の洗浄システム。 - 構成部品が、受けた液体を活性化するように構成された媒体を保持するように構成された媒体容器を含む、請求項8記載の洗浄システム。
- 媒体が、ゼオライト、イオン交換樹脂及びそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの物質を含む、請求項11記載の洗浄システム。
- 洗浄システムが単一サイクル洗浄システムを含む、請求項8記載の洗浄システム。
- 電極がディスペンサの一体構成部品である、請求項8記載の洗浄システム。
- 洗浄システムを作動させる方法であって、
液体を活性化して活性化液を生成すること、
活性化液を洗浄システムのディスペンサから洗浄システム容器中に小出しして、活性化液を通してディスペンサから洗浄システム容器までの導電路を創製すること、及び
小出しステップの間、活性化液を通してディスペンサから洗浄システム容器まで交番電界を発生させること
を含む方法。 - 交番電界が、対応するリターン電極を有しない電極によって活性化液に印加される、請求項15記載の方法。
- 液体が第一の液体であり、方法が、
第二の液体を活性化して第二の活性化液を生成すること、及び
第二の活性化液を洗浄システムのディスペンサから洗浄システム容器中に小出しすること
をさらに含む、請求項15記載の方法。 - 液体を活性化することが、
液体を、少なくとも一つのカソード電極及び少なくとも一つのアノード電極を有する電解セルに導入すること、及び
少なくとも一つのカソード電極及び少なくとも一つのアノード電極にかけて電界を発生させること
を含む、請求項15記載の方法。 - 少なくとも一つのカソード電極と少なくとも一つのアノード電極との間に配置された少なくとも一つのイオン交換膜によって導入された液体の少なくとも二つの部分の分離を維持することをさらに含む、請求項18記載の方法。
- 電極がディスペンサの一体構成部品である、請求項15記載の方法。
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