JP2012211939A - レーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法 - Google Patents

レーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法 Download PDF

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Yuichi Mitose
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Abstract

【課題】光ファイバといった光導波路の出射端と、光導波部材のコアの入射端との光結合状態の調整に要する時間を短縮することが可能なレーザ光照射装置を提供する。
【解決手段】レーザ光照射装置10は、複数の光源31と、複数の光導波路21と、光導波部材22と、複数の光検出手段32とを備える。複数の光検出手段32は、光導波部材22のクラッド22bの周囲において光導波部材22の周方向に並んで配置される。相対位置演算部33は、各光検出手段32の位置に関する情報と、各光検出手段32から出力される光検出信号Saとに基づいて、各光導波路21の端面と光導波部材22の端面との相対的な位置に関する情報(相対位置情報Da)を演算する。駆動制御部35は、相対位置情報Daに基づいて、各光導波路21の端面と光導波部材22の端面との相対的な位置が所定位置に近づくようにステージ34を駆動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法に関するものである。
特許文献1には、対象物へ照射されるレーザ光の光軸に垂直な断面の形状を長尺とするレーザ光照射装置が記載されている。このレーザ光照射装置は、レーザ光を出射する複数のレーザ光源と、平板状のコアを有する光導波部材と、レーザ光を複数のレーザ光源から上記コアの入射端面へ導く複数の光ファイバとを備えている。複数の光ファイバの出射端は、コアの入射端面の長手方向と平行な方向に並んで配列されている。
特許文献2には、レーザ光と光ファイバとの光軸調整を行うための装置が記載されている。この装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、光ファイバの先端に設けられた光コネクタとを備えている。光コネクタの外壁には、光ファイバの周方向に並ぶ複数の透光孔が設けられている。少なくとも二つの透光孔の外側には光検出素子が設けられており、これらの光検出素子における受光量が最小となるように、レーザ光の光軸と光コネクタとを相対的に移動させる。
特開2007−115729号公報 特許第3597927号公報
例えば特許文献1に記載された装置のように、レーザ光照射装置には、所定の断面形状のコアを有する光導波部材とレーザ光源とが、光ファイバといった光導波路によって結合された構成を備えるものがある。このようなレーザ光照射装置では、光ファイバの出射端面と、光導波部材のコアの入射端面とが高い結合効率でもって光学的に結合されることが望ましい。そのため、光ファイバの出射端と光導波部材のコアの入射端とを互いに対向させた状態で光ファイバの入射端にレーザ光を入射させ、光導波部材のコアの出射端から出射される該レーザ光の光強度を観測しながら、該光強度が最大となるように光ファイバの出射端と光導波部材のコアの入射端との相対位置を調整することが行われる。
従来より、このような調整作業の際には、例えば光ファイバの出射端を光導波部材の入射端面に沿って走査し、レーザ光の光強度が最大となる位置を探していた。しかしながらこのような方法では、光導波部材の入射端面の全面を走査する必要があるので、調整作業に要する時間が長くなってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、光ファイバといった光導波路の出射端と、光導波部材のコアの入射端との光結合状態の調整に要する時間を短縮することが可能なレーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明によるレーザ光照射装置は、(1)レーザ光を発生する一又は複数の光源と、(2)一端面が一又は複数の光源のそれぞれと光学的に結合された一又は複数の光導波路と、(3)一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有し、コアの一端面が一又は複数の光導波路の他端面と対向しており、レーザ光をコアの他端面から出射する光導波部材と、(4)クラッドの周囲において光導波部材の周方向に並んで配置された複数の光検出手段と、(5)複数の光検出手段の位置に関する情報である光検出手段位置情報を予め記憶する記憶手段を有し、複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と光検出手段位置情報とに基づいて、一又は複数の光導波路の他端面と光導波部材の一端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算する相対位置演算部と、(6)一又は複数の光導波路の他端面と光導波部材の一端面とのうち少なくとも一方を変位させる変位手段と、(7)相対位置演算部から出力される相対位置情報に基づいて、一又は複数の光導波路の他端面と光導波部材の一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように変位手段を駆動する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
このレーザ光照射装置において、一又は複数の光源からのレーザ光が一又は複数の光導波路の一端面にそれぞれ入射すると、これらのレーザ光は各光導波路の他端面を介して光導波部材のコアの一端面に達する。このとき、各光導波路の他端面の位置が光導波部材のコアの一端面に対して偏っている場合、その偏りの方向や程度は、クラッドの周囲に配置された複数の光検出手段において検出される光強度に現れる。例えば、各光導波路の他端面が或る方向に偏っている場合には、該方向に配置された光検出手段において検出される光強度が強くなり、該方向とは逆の方向に配置された光検出手段において検出される光強度が弱くなる。
そこで、上述したレーザ光照射装置では、予め記憶された複数の光検出手段の位置に関する情報(光検出手段位置情報)と、複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号とに基づいて、上述した位置の偏り、すなわち光導波路の他端面と光導波部材の一端面との相対的な位置に関する情報(相対位置情報)が、相対位置演算部によって演算される。そして、この相対位置情報に基づいて、上述した位置の偏りが解消される方向に変位手段が駆動され、光導波路の他端面と光導波部材の一端面との光結合効率が高められる。このように、上述したレーザ光照射装置によれば、光導波路の他端を光導波部材の一端面に沿って走査することなく光導波路と光導波部材のコアとの光結合状態の調整を行うことができるので、調整に要する時間を格段に短縮することができる。
また、上述したレーザ光照射装置は、クラッドの表面に、複数の光検出手段とクラッドとの光結合効率を高めるための光放射部を有してもよい。クラッドと空気との屈折率差が大きいと、光がクラッドから十分に漏れ出ず、光検出手段において検出される光強度が小さくなってしまうことがある。そこで、このような光放射部をクラッドの表面(特に、光検出手段と対向する領域)に設けることによって、複数の光検出手段において十分な光強度を検出することができる。なお、このような光放射部は、例えばクラッドの表面に屈折率製合剤を塗布することや、クラッドの表面を粗面化することによって好適に実現可能である。
また、相対位置演算部によって相対位置情報を精度良く算出するためには、クラッドの表面における光の多重反射を防ぐとよい。したがって、上記のような光放射部は、クラッドの表面のうち、光検出手段と対向する領域を含みクラッドの全周にわたる領域に設けられていることが好ましい。
また、上述したレーザ光照射装置では、光導波部材の光導波方向に対し垂直な断面におけるコアの形状が、所定の第1の方向を長手方向とし、該第1の方向と直交する第2の方向を短手方向とする細長形状を呈してもよい。この場合、複数の光検出手段のうち少なくとも2つの光検出手段が、光導波方向と第1の方向とに沿っておりコアの中心を含む第1の平面の両側にそれぞれ位置することが好ましい。これにより、光導波路の他端面の位置が第1の方向と交差する方向に偏っている場合に、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。そして、この場合、この少なくとも2つの光検出手段の位置が第1の平面に対して略対称であれば、光導波路の他端位置の偏りの方向および程度を更に精度良く検出することができる。
また、光導波部材のコアの形状が上記のような形状を呈する場合、複数の光検出手段のうち少なくとも2つの光検出手段が、光導波方向と第2の方向とに沿っておりコアの中心を含む第2の平面の両側にそれぞれ位置することが好ましい。これにより、光導波路の他端面の位置が第2の方向と交差する方向に偏っている場合に、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。そして、この場合、この少なくとも2つの光検出手段の位置が第2の平面に対して略対称であれば、光導波路の他端位置の偏りの方向および程度を更に精度良く検出することができる。
また、レーザ光照射装置は、複数の光導波路及び光導波部材のうち少なくとも一方を光導波方向に沿った軸まわりに回転させる回転手段を更に備え、相対位置演算部が、複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と光検出手段位置情報とに基づいて、複数の光導波路の他端面の並び方向とコアの長手方向との相対的な角度に関する情報である相対角度情報を更に演算し、駆動制御部が、相対位置演算部から出力される相対角度情報に基づいて、複数の光導波路の他端面の並び方向とコアの長手方向との相対的な角度が所定の角度に近づくように回転手段を駆動することを特徴としてもよい。
例えば特許文献1に記載された装置のように、光導波部材のコアの入射端面が一方向に延びており、該コアの入射端面と複数の光ファイバ(光ファイバアレイ)との光結合状態を調整する場合、これらの相対位置だけでなく、複数の光導波路の並び方向とコアの入射端面の長手方向との相対角度をも考慮する必要がある。したがって、調整作業に要する時間が更に長くなってしまう。このような問題点に対し、上述したレーザ光照射装置では、複数の光導波路の並び方向が光導波部材のコアの一端面の長手方向に対して傾斜していると、その傾斜の向きや角度は、複数の光検出手段において検出される光強度に現れる。例えば、上記相対角度が或る方向に傾斜している場合には、該方向に配置された光検出手段において検出される光強度が強くなり、該方向とは逆の方向に配置された光検出手段において検出される光強度が弱くなる。そこで、上述したレーザ光照射装置では、上述した相対角度に関する情報(相対角度情報)が、相対位置演算部によって演算される。そして、この相対角度情報に基づいて、上述した相対角度の傾斜が解消される方向に回転手段が駆動され、光導波路の他端面と光導波部材の一端面との光結合効率が高められる。このように、上述したレーザ光照射装置によれば、複数の光導波路の並び方向とコアの入射端面の長手方向との相対角度を容易に調整することができるので、調整に要する時間を効果的に短縮することができる。
また、このようなレーザ光照射装置では、複数の光検出手段が第1及び第2の光検出手段を少なくとも含み、第1及び第2の光検出手段が、光導波方向と第1の方向とに沿っておりコアの中心を含む第1の平面の一方の側に位置しており、第1の光検出手段が、光導波方向と第2の方向とに沿っておりコアの中心を含む第2の平面の一方の側に位置しており、第2の光検出手段が、第2の平面の他方の側に位置していることが好ましい。このように光検出手段が配置されることによって、コアの入射端面の長手方向に対する複数の光導波路の並び方向の傾斜の向きや角度を精度良く検出することができる。
また、レーザ光照射装置は、複数の光検出手段が第1、第2、第3及び第4の光検出手段を少なくとも含み、第1及び第2の光検出手段が、光導波方向と第1の方向とに沿っておりコアの中心を含む第1の平面の一方の側に位置しており、第3及び第4の光検出手段が第1の平面の他方の側に位置しており、第1及び第3の光検出手段が、光導波方向と第2の方向とに沿っておりコアの中心を含む第2の平面の一方の側に位置しており、第2及び第4の光検出手段が第2の平面の他方の側に位置していることが好ましい。このように光検出手段が配置されることによって、光導波路の他端面の位置が何れの方向に偏っていたとしても、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。
また、レーザ光照射装置は、光導波部材の他端面と光学的に結合され、レーザ光を分岐する光分岐手段と、光分岐手段によって分岐されたレーザ光の光量を測定する光量測定手段とを更に備え、制御部は、光量測定手段における測定結果に基づいて、光導波部材の他端面から出射されるレーザ光の強度が所定の強度に近づくように変位手段を駆動することを特徴としてもよい。
また、本発明によるレーザ光照射モジュール調整装置は、一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有する光導波部材と、一又は複数の光導波路とを備えるレーザ光照射モジュールにおける、光導波部材の一端面と一又は複数の光導波路の一端面との相対位置を調整するための装置であって、(1)一又は複数の光導波路それぞれの他端面と光学的に結合され、レーザ光を発生する一又は複数の光源と、(2)クラッドの周囲において光導波部材の周方向に並んで配置される複数の光検出手段と、(3)複数の光検出手段の位置に関する情報である光検出手段位置情報を予め記憶する記憶手段を有し、複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と光検出手段位置情報とに基づいて、一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算する相対位置演算部と、(4)一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面とのうち少なくとも一方を変位させる変位手段と、(5)相対位置演算部から出力される相対位置情報に基づいて、一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように変位手段を駆動する駆動制御部とを備えることを特徴とする。このレーザ光照射モジュール調整装置によれば、上述したレーザ光照射装置と共通の構成を備えることによって、光導波路の一端を光導波部材の一端面に沿って走査することなく光導波路と光導波部材のコアとの光結合状態の調整を行うことができるので、調整に要する時間を格段に短縮することができる。
また、本発明によるレーザ光照射モジュール調整方法は、一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有する光導波部材と、一又は複数の光導波路とを備えるレーザ光照射モジュールにおける、光導波部材の一端面と一又は複数の光導波路の一端面との相対位置を調整する方法であって、(1)複数の光検出手段を、クラッドの周囲において光導波部材の周方向に並べて配置するステップと、(2)一又は複数の光導波路それぞれの他端面にレーザ光を入射させるステップと、(3)予め用意された複数の光検出手段の位置に関する情報と、複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号とに基づいて、一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算するステップと、(4)相対位置情報に基づいて、一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように一又は複数の光導波路の一端面と光導波部材の一端面とのうち少なくとも一方を変位させるステップとを備えることを特徴とする。このレーザ光照射モジュール調整方法によれば、上述したレーザ光照射装置と同様に、光導波路の一端を光導波部材の一端面に沿って走査することなく光導波路と光導波部材のコアとの光結合状態の調整を行うことができるので、調整に要する時間を格段に短縮することができる。
本発明によるレーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法によれば、光ファイバといった光導波路の出射端と、光導波部材のコアの入射端との光結合状態の調整に要する時間を短縮することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ光照射装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、レーザ光照射装置が備える光導波路の他端付近の構成を示す斜視図である。 図3は、レーザ光照射装置が備える光導波部材及び光検出手段の構成を示す斜視図である。 図4は、複数の光導波路の他端面と、光導波部材の一端面との位置関係を示す図である。 図5は、複数の光導波路の他端面の位置が、光導波部材の一端面に対してY軸正方向に偏っている状態を示す図である。 図6は、複数の光導波路の他端面の並設方向が、光導波部材の一端面の長手方向(X軸方向)に対して角度θだけ傾いている状態を示す図である。 図7は、クラッド22bの内部における光検出手段32への光の伝搬経路を概略的に示す図である。 図8は、レーザ光照射モジュール調整方法を示すフローチャートである。 図9は、光検出手段の好適な配置の例を示す図である。 図10は、光検出手段の好適な配置の例を示す図である。 図11は、光検出手段の好適な配置の例を示す図である。 図12は、光導波部材のコアに対して光導波路の端面が偏って配置された場合における、コアの外部へ漏れる光の強さを計算により求めた例を示す図であって、光導波路の端面位置がコアに対してX軸の負方向に0.2mm偏った場合の計算結果を示している。 図13は、光導波部材のコアに対して光導波路の端面が偏って配置された場合における、コアの外部へ漏れる光の強さを計算により求めた例を示す図であって、光導波路の端面位置がコアに対してY軸の正方向に0.2mm偏った場合の計算結果を示している。 図14は、光導波部材のコアに対して光導波路の端面が偏って配置された場合における、コアの外部へ漏れる光の強さを計算により求めた例を示す図であって、光導波路の端面の並設方向がコアの端面の長手方向(X軸方向)に対して反時計回りに6°傾斜した場合の計算結果を示している。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるレーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ光照射装置10の構成を概略的に示す図である。図2は、このレーザ光照射装置10が備える光導波路21の端面21a付近の構成を示す斜視図である。図3は、このレーザ光照射装置10が備える光導波部材22及び光検出手段32の構成を示す斜視図である。なお、図1〜図3には、理解の容易のためXYZ直交座標系が併せて示されている。図1に示されるように、このレーザ光照射装置10は、レーザ光照射モジュール20と、レーザ光照射モジュール調整装置30とを備えている。
レーザ光照射モジュール20は、加工対象物Wに対してレーザ光L2を照射するためのモジュールである。レーザ光照射モジュール20は、例えば光ファイバといった複数の光導波路21と、光導波部材22と、集光レンズ23とを備えている。複数の光導波路21の各一方の端面は、レーザ光照射モジュール調整装置30が備える複数の光源31のそれぞれと光学的に結合される。複数の光導波路21の各一方の端面には、各光源31からレーザ光L1が入射する。複数の光導波路21の各他方の端面21aは、光導波部材22の一方の端面22cと光学的に結合される。なお、複数の光導波路21の他方の端面21a付近は、接続用基板24に固定されている。
図2に示されるように、接続用基板24は、所定方向(光導波路21の並設方向A1)に並んで配列された複数の溝を有する。これら複数の溝の断面形状は、例えばV字型である。これら複数の溝には、複数の光導波路21が、端面を揃えて収められる。また、接続用基板24上には、接続用基板24との間に複数の光導波路21を挟むための基板25が設けられる。これらのような接続用基板24及び基板25が設けられることによって、複数の光導波路21が所定の間隔を精度良く維持した状態で、複数の光導波路21の各端面21aと光導波部材22の端面22cとを容易に光学的に結合することができる。
光導波部材22は、一本のコア22aと、コア22aを覆うクラッド22bとを有している。コア22aの屈折率はクラッド22bの屈折率より高く、光導波部材22において光はコア22a内を導波する。光導波部材22の光導波方向に対して垂直な断面におけるコア22aの形状は、図中のX軸方向(所定の第1の方向)を長手方向とし、X軸方向と直交するY軸方向(第2の方向)を短手方向とする細長い長方形状を呈している。複数の光導波路21の端面21aは、コア22aの端面の長手方向(X軸方向)に沿って並んでおり、且つコア22aの端面と対向している。これにより、コア22aの端面は、複数の光導波路21からレーザ光L1を受ける。これらのレーザ光L1は、光導波部材22の内部を伝搬する際に互いに均等に混ざり合い、レーザ光L2となる。レーザ光L2の光軸に垂直な断面の形状は、コア22aの断面形状と同様に、X軸方向を長手方向とする細長形状となる。光導波部材22は、他方の端面22dから加工対象物Wに向けてレーザ光L2を出射する。
集光レンズ23は、光導波部材22と加工対象物Wとの間に配置されている。集光レンズ23は、光導波部材22から出射されたレーザ光L2を、加工対象物Wに焦点を合わせて集光する。
レーザ光照射モジュール調整装置30は、複数の光源31と、例えば受光素子(フォトダイオード)といった複数の光検出手段32と、相対位置演算部33と、ステージ34と、駆動制御部35とを備えている。
複数の光源31は、例えばレーザダイオードといった発光素子をそれぞれ有しており、加工対象物Wの加工に適した波長のレーザ光L1をそれぞれ出射する。各光源31は、対応する光導波路21の一端面に対し集光レンズ38を介して光学的に結合されており、各光導波路21へレーザ光L1を提供する。
複数の光検出手段32は、図3に示されるように、光導波部材22の端面22c付近においてクラッド22bの周囲に配置されており、且つ光導波部材22の周方向に並んで配置されている。各光検出手段32は、例えばフォトダイオードといった受光素子によって好適に構成される。各光検出手段32は、クラッド22bから漏れ出たレーザ光L2の光強度に応じた電気的な光検出信号(光電流)Saを出力する。各光検出手段32から出力された光検出信号Saは、相対位置演算部33に提供される。
クラッド22bの表面には、クラッド22bの表面からの光の放射を容易にし、複数の光検出手段32とクラッド22bとの光結合効率を高めるための光放射部28が設けられることが好ましい。光放射部28は、例えばクラッド22bの表面に屈折率製合剤を塗布することや、クラッド22bの表面を粗面化することによって好適に実現される。また、図3に示されるように、光放射部28は、クラッド22bの表面のうち、光検出手段32と対向する領域を含みクラッド22bの全周にわたる領域に設けられていると尚好ましい。さらに、光の伝搬過程における多重反射を防ぐために、光放射部28はクラッド22bの表面のうち、光検出手段32より光の入射側端面22cの方向に延出して設けられていても良い。
相対位置演算部33は、例えば中央演算処理装置(CPU)およびメモリを含むコンピュータ等の演算装置によって好適に構成される。相対位置演算部33は不揮発性の記憶手段33aを有しており、記憶手段33aには、複数の光検出手段32の位置に関する情報(特に、光導波部材22の光導波方向に垂直な平面における、複数の光検出手段32の位置座標に相当する情報)である光検出手段位置情報が予め記憶されている。相対位置演算部33は、複数の光検出手段32のそれぞれから出力される複数の光検出信号Saと、記憶手段33aに記憶されている光検出手段位置情報とに基づいて、複数の光導波路21の端面21aと光導波部材22の端面22cとの相対的な位置に関する情報(相対位置情報Da)を演算する。この相対位置情報Daは、相対位置演算部33から駆動制御部35へ提供される。
また、相対位置演算部33は、複数の光検出手段32のそれぞれから出力される複数の光検出信号Saと、記憶手段33aに記憶されている光検出手段位置情報とに基づいて、複数の光導波路21の他端面の並設方向と、コア22aの端面の長手方向(すなわちX軸方向)との相対的な角度に関する情報(相対角度情報Db)を更に演算する。この相対角度情報Dbは、相対位置演算部33から駆動制御部35へ提供される。
ここで、相対位置情報Da及び相対角度情報Dbの算出原理について更に説明する。図4は、複数の光導波路21の端面21aと、光導波部材22の端面22cとの位置関係を示す図である。いま、図4に示されるように、複数の光導波路21の端面21aの位置が、光導波部材22の端面22cに対してX軸正方向に偏っているとする。この場合において、各光導波路21から光導波部材22へレーザ光が入射すると、複数の光検出手段32a〜32dのうち、X座標が正である領域に配置された光検出手段32a,32cに入射する光が強くなり、X座標が負である領域に配置された光検出手段32b,32dに入射する光が弱くなる。従って、光検出手段32a,32cにおける光強度と、光検出手段32b,32dにおける光強度との比に基づいて、光導波部材22の端面22cに対し複数の光導波路21の端面21aの位置がX軸正方向にどの程度偏っているかを算出することができる。
また、図5に示されるように、複数の光導波路21の端面21aの位置が、光導波部材22の一端面22cに対してY軸正方向に偏っている場合を考える。この場合において、各光導波路21から光導波部材22へレーザ光が入射すると、複数の光検出手段32a〜32dのうち、Y座標が正である領域に配置された光検出手段32a,32bに入射する光が強くなり、Y座標が負である領域に配置された光検出手段32c,32dに入射する光が弱くなる。従って、光検出手段32a,32bにおける光強度と、光検出手段32c,32dにおける光強度との比に基づいて、光導波部材22の端面22cに対し複数の光導波路21の端面21aの位置がY軸正方向にどの程度偏っているかを算出することができる。
また、図6に示されるように、複数の光導波路21の端面21aの並設方向A1が、光導波部材22の端面22cの長手方向(X軸方向)に対して角度θだけ傾いている場合を考える。この場合において、各光導波路21から光導波部材22へレーザ光が入射すると、複数の光検出手段32a〜32dのうち、並設方向A1の傾斜方向に配置された光検出手段32a,32dに入射する光が強くなり、並設方向A1の傾斜方向とは逆の方向に配置された光検出手段32b,32cに入射する光が弱くなる。従って、光検出手段32a,32dにおける光強度と、光検出手段32b,32cにおける光強度との比に基づいて、並設方向A1の傾斜の向きを特定するとともに、傾斜角θがどの程度の大きさを有するかを算出することができる。
再び図1を参照する。ステージ34は、本実施形態における変位手段を構成しており、複数の光導波路21の端面21aと光導波部材22の端面22cとのうち少なくとも一方を、X軸方向及びY軸方向に任意の距離だけ変位させる。図1に示される例では、ステージ34は、複数の光導波路21の他端部に設けられた接続用基板24を支持しており、複数の光導波路21の端面21aを変位させることができる。更に、ステージ34は、本実施形態における回転手段を構成しており、複数の光導波路21及び光導波部材22のうち少なくとも一方を、光導波方向(すなわちZ軸方向)に沿った軸まわりに任意の角度だけ回転させる。図1に示される例では、ステージ34は、接続用基板24を回転させることによって、複数の光導波路21の端面21aの並設方向A1を回転させることができる。
駆動制御部35は、相対位置演算部33から出力される相対位置情報Da及び相対角度情報Dbに基づいて、ステージ34を駆動する。駆動制御部35は、ステージ34を駆動して複数の光導波路21の端面21aをX軸方向及びY軸方向に変位させることにより、複数の光導波路21の端面21aと光導波部材22の端面22cとの相対的な位置を、所定位置(多くの場合、光結合効率が最も高くなる位置)に近づける。また、駆動制御部35は、ステージ34を駆動して複数の光導波路21の端面21aの並設方向A1を回転させることにより、並設方向A1と、コア22aの端面の長手方向との相対角度を所定の角度(多くの場合、光結合効率が最も高くなる角度)に近づける。これにより、複数の光導波路21の端面21aと光導波部材22のコア22aの端面との相対的な位置や角度の偏りが解消されるので、複数の光導波路21の端面21aと光導波部材22の端面22cとの光結合効率が高められる。
このように、本実施形態のレーザ光照射装置10によれば、光導波路21の端部を光導波部材22の端面22cに沿って走査することなく、光導波路21と光導波部材22のコア22aとの光結合状態の調整を行うことができる。したがって、従来の装置と比較して調整に要する時間を格段に短縮することができる。
また、本実施形態では、クラッド22bの表面に、複数の光検出手段32とクラッド22bとの光結合効率を高めるための光放射部28が設けられている。クラッド22bと空気との屈折率差が大きい場合、光がクラッド22bから十分に漏れ出ず、光検出手段32において検出される光強度が小さくなってしまうことがある。そこで、このような光放射部28をクラッド22bの表面(特に、光検出手段32と対向する領域)に設けることによって、複数の光検出手段32において十分な光強度を検出することができ、相対位置情報Da及び相対角度情報Dbを精度良く算出することができる。
ここで、図7は、クラッド22bの内部における光検出手段32への光の伝搬経路を概略的に示す図である。図7に示されるように、クラッド22bの内部における光の伝搬経路は、コア22aから直接的に光検出手段32に達する経路(図中の矢印A2)に限られず、クラッド22bの表面において反射を繰り返しながら光検出手段32に達する経路(図中の矢印A3)も存在する。相対位置演算部33によって相対位置情報Da及び相対角度情報Dbを精度良く算出するためには、クラッド22bの表面におけるこのような多重反射を低減することが望ましい。したがって、本実施形態のように、光放射部28は、クラッド22bの表面のうち、光検出手段32と対向する領域を含みクラッド22bの全周にわたる領域に設けられていることが好ましい。さらに、光の伝搬過程における多重反射を防ぐために、光放射部28はクラッド22bの表面のうち、光検出手段32より光の入射側端面22cの方向に延出して設けられていても良い。
図8は、上述したレーザ光照射モジュール調整装置30を使用して行われる、レーザ光照射モジュール調整方法を示すフローチャートである。この調整方法では、まず、複数の光検出手段32を、クラッド22bの周囲において光導波部材22の周方向に並べて配置する(ステップS1)。次に、複数の光導波路21それぞれの一端面にレーザ光L1を入射させる(ステップS2)。そして、予め用意された複数の光検出手段32の位置に関する情報と、複数の光検出手段32のそれぞれから出力される複数の光検出信号Saとに基づいて、相対位置情報Da及び相対角度情報Dbを演算する(ステップS3)。続いて、相対位置情報Daに基づいて、複数の光導波路21の他端面と光導波部材22の一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように、複数の光導波路21の他端面と光導波部材22の一端面とのうち少なくとも一方を変位させる(ステップS4)。また、相対角度情報Dbに基づいて、並設方向A1(図6参照)と、光導波部材22の一端面の長手方向との相対角度が所定の角度に近づくように、複数の光導波路21の他端面の並設方向A1を回転させる(ステップS5)。このようなレーザ光照射モジュール調整方法によって、複数の光導波路21の他端面と光導波部材22の一端面との光結合効率を高めることができる。また、光導波路21と光導波部材22のコア22aとの光結合状態の調整に要する時間を短縮することができる。
ここで、再び図1を参照する。本実施形態のレーザ光照射モジュール調整装置30は、ビームスプリッタ36と、光量測定手段37とを更に備えていてもよい。ビームスプリッタ36は、本実施形態における光分岐手段であり、光導波部材22の端面22dと集光レンズ23との間に配置され、光導波部材22の端面22dと光学的に結合されている。ビームスプリッタ36は、光導波部材22の端面22dから出射されたレーザ光L2の一部(例えば5%程度)を、光量測定手段37へ向けて分岐する。ビームスプリッタ36は、例えばレーザ光L2を平行光とするコリメートレンズと、この平行光に対して30°〜60°の傾斜角でもって傾斜したハーフミラーとによって構成されることができる。なお、ハーフミラーは、例えば反射率5%程度の石英ガラスや多層膜フィルタ等によって好適に構成される。光量測定手段37は、ビームスプリッタ36によって分岐された光の光量を測定するための手段であり、例えばフォトダイオードといった受光素子を有する。光量測定手段37は、受光した光の光強度に応じた電気的な光強度信号Sbを生成する。この光強度信号Sbは、光量測定手段37から駆動制御部35へ提供される。
駆動制御部35は、ステージ34を駆動する際、前述したような相対位置情報Da及び相対角度情報Dbだけでなく、光量測定手段37から提供される光強度信号Sbを併せて参照することが望ましい。その場合、駆動制御部35は、光強度信号Sbに基づいて、光導波部材22の端面22dから出射されるレーザ光L2の強度が所定の強度に近づくようにステージ34を駆動する。これにより、レーザ光照射装置10の動作中にレーザ光L2の強度が一定となるようにステージ34を駆動することが可能となる。
続いて、複数の光検出手段32の好適な配置について更に説明する。図9〜図11は、光検出手段32の好適な配置の例を示す図である。なお、図9〜図11には、光導波部材22の端面22cと、コア22aの端面とが実線で示されており、複数の光導波路21の端面21aが一点鎖線で示されている。
図9を参照すると、2つの光検出手段32が光導波部材22のクラッド22bの周囲に配置されている。また、図9には、第1の平面P1および第2の平面P2が示されている。第1の平面P1は、光導波方向であるZ軸方向と、コア22aの端面の長手方向であるX軸方向とに沿っており、且つコア22aの中心を含む平面である。第2の平面P2は、光導波方向であるZ軸方向と、コア22aの端面の短手方向であるY軸方向とに沿っており、且つコア22aの中心を含む平面である。
図9に示される例では、2つの光検出手段32は、第1の平面P1の両側にそれぞれ配置されている。複数の光検出手段32のうち少なくとも2つがこのように配置されることによって、光導波路21の端面21aの位置がX軸方向と交差する方向に偏っている場合に、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。特に、図9に示されるように、少なくとも2つの光検出手段32の位置が、第1の平面P1に対して略対称であることにより、光導波路21の端面21aの偏りの方向および程度を更に精度良く検出することができる。
図10を参照すると、2つの光検出手段32が光導波部材22のクラッド22bの周囲に配置されている。また、図10には、図9と同様に、第1の平面P1および第2の平面P2が示されている。図10に示される例では、2つの光検出手段32は、第2の平面P2の両側にそれぞれ配置されている。複数の光検出手段32のうち少なくとも2つがこのように配置されることによって、光導波路21の端面21aの位置がY軸方向と交差する方向に偏っている場合に、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。特に、図10に示されるように、少なくとも2つの光検出手段32の位置が、第2の平面P2に対して略対称であることにより、光導波路21の端面21aの偏りの方向および程度を更に精度良く検出することができる。
また、この図10において、2つの光検出手段32は、共に第1の平面P1の一方の側に位置している。そして、一つの光検出手段32は、第2の平面P2の一方の側に位置しており、他の一つの光検出手段32は、第2の平面P2の他方の側に配置されている。複数の光検出手段32のうち少なくとも2つがこのように配置されることによって、コア22aの端面の長手方向(X軸方向)に対する複数の光導波路21の並設方向A1(図6参照)の傾斜の向きや角度θを精度良く検出することができる。
図11は、上述した実施形態の図4〜図6と同様の配置を示している。図11を参照すると、4つの光検出手段32a〜32dが光導波部材22のクラッド22bの周囲に配置されている。また、図11には、図9と同様に、第1の平面P1および第2の平面P2が示されている。図11に示される例では、2つの光検出手段32a,32bが、第1の平面P1の一方の側に配置されており、他の2つの光検出手段32c,32dが、第1の平面P1の他方の側に配置されている。また、2つの光検出手段32a,32cが、第2の平面P2の一方の側に配置されており、他の2つの光検出手段32b,32dが、第2の平面P2の他方の側に配置されている。複数の光検出手段32のうち少なくとも4つがこのように配置されることによって、光導波路21の端面の位置が何れの方向に偏っていたとしても、その偏りの方向および程度を好適に検出することができる。
(実施例)
図12〜図14は、光導波部材22のコア22aに対して光導波路21の端面21aが偏って配置された場合における、クラッド22bへ漏れ出す光の強さを計算により求めた例を示す図である。なお、これらの計算では、条件を以下のように設定した。また、光導波路21の端面21aと光導波部材22の端面22cとが互いに接しているものと仮定した。
<計算条件>
1.光導波部材22の特性および寸法
コア22aの屈折率:1.46
クラッド22bの屈折率:1.45
比屈折率差:0.00685
開口数:0.17
コア22aのX軸方向の幅:6mm
コア22aのY軸方向の幅:0.06mm
クラッド22bの直径:8.25mm
2.光導波路21の特性および寸法
コアの直径:0.06mm
コア間のピッチ:0.6mm
光導波路の本数:10
開口数:0.14
図12(a)〜図12(c)は、光導波路21の端面位置がコア22aに対してX軸の負方向に0.2mm偏った場合の計算結果を示している。なお、図12(a)は、光導波部材22の端面22cからZ軸負方向に10mm離れた断面を示しており、図12(b)は、光導波部材22の端面22cからZ軸負方向に20mm離れた断面を示しており、図12(a)は、光導波部材22の端面22cからZ軸負方向に30mm離れた断面を示している。なお、これらの図において、濃く着色された領域ほど光の強度が大きいことを示している。
図12に示されるように、光導波路21の端面位置がX軸の負方向に偏ると、その偏った方向においてクラッド22bに漏れ出す光の強度が大きくなる。したがって、該方向に配置された光検出手段32に入射する光の強度がその偏りの程度に応じて大きくなるので、該方向およびその偏りの程度を好適に検出することができる。なお、図12(a)ないし図12(c)に示されるように、光導波部材22に入射したレーザ光は、光導波部材22の内部を進みながら拡散し、その範囲が広がるとともに光強度が次第に小さくなる。したがって、光導波部材22の端面22cの近くに光検出手段32を配置することによって、各光検出手段32に入射する光の強度差がより明確になる。
図13(a)〜図13(c)は、光導波路21の端面位置がコア22aに対してY軸の正方向に0.2mm偏った場合の計算結果を示している。なお、図13(a)、図13(b)及び図13(c)は、光導波部材22の端面22cからZ軸負方向にそれぞれ10mm、
20mm、及び30mm離れた断面を示している。図13に示されるように、光導波路21の端面位置がY軸の正方向に偏ると、その偏った方向においてクラッド22bに漏れ出す光の強度が大きくなる。したがって、該方向に配置された光検出手段32に入射する光の強度がその偏りの程度に応じて大きくなるので、該方向およびその偏りの程度を好適に検出することができる。
図14(a)〜図14(c)は、光導波路21の端面21aの並設方向がコア22aの端面の長手方向(X軸方向)に対して反時計回りに6°傾斜した場合の計算結果を示している。なお、図14(a)、図14(b)及び図14(c)は、光導波部材22の端面22cからZ軸負方向にそれぞれ10mm、20mm、及び30mm離れた断面を示している。図14に示されるように、光導波路21の端面21aの並設方向がコア22aの端面の長手方向に対して反時計回りに傾斜すると、その傾斜した並設方向に沿って、クラッド22bに漏れ出す光の強度が大きくなる。したがって、並設方向が傾斜する方向に配置された光検出手段32に入射する光の強度が、その傾斜角に応じて大きくなるので、傾斜の方向およびその角度を好適に検出することができる。
本発明によるレーザ光照射装置、レーザ光照射モジュール調整装置、およびレーザ光照射モジュール調整方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、レーザ光照射装置がレーザ光照射モジュールとレーザ光照射モジュール調整装置とを備えるものとして説明したが、本発明においては、レーザ光照射モジュール調整装置とレーザ光照射モジュールとが互いに独立していてもよい。その場合、レーザ光照射モジュールの光導波路の端面と光導波部材の端面との相対位置がレーザ光照射モジュール調整装置によって調整され、その後、これらの端面同士が互いに接着されることによりレーザ光照射モジュールが提供される。このような形態は、光導波路と光導波部材との位置決め精度が或る程度低くてもよい場合や、接着部分の温度変化等によって光導波路と光導波部材との相対位置が偏っても光結合効率に大きな影響がない場合等に好適である。これに対し、光導波路と光導波部材とを樹脂等によって接着できない場合や、レーザ光強度が大きいことにより接着用樹脂の耐光性が十分でない場合、光導波路と光導波部材との位置決め精度が温度変化を許容できない場合、使用時又はメンテナンス時に調整が可能な場合等には、光導波路の端面と光導波部材の端面とを接着することなく、レーザ光照射モジュール調整装置及びレーザ光照射モジュールを備えるレーザ光照射装置として本発明を適用することが好ましい。
また、上記実施形態では、光源および光導波路の数をそれぞれ複数として説明したが、光源および光導波路はそれぞれ一つのみであってもよい。そのような場合であっても、本発明に係るレーザ光照射装置によれば、上記実施形態と同様の原理によって、光導波路の端面と光導波部材のコアの端面との相対的な位置を短時間で調整することができる。
また、上記実施形態では、光検出手段としてフォトダイオードといった受光素子を例示したが、本発明の光検出手段はこれに限られるものではなく、光導波部材のクラッドから漏れ出る光の強度を検出し得る様々な構成を適用することができる。
10…レーザ光照射装置、20…レーザ光照射モジュール、21…光導波路、21a…端面、22…光導波部材、22a…コア、22b…クラッド、22c,22d…端面、23…集光レンズ、24…接続用基板、28…光放射部、30…レーザ光照射モジュール調整装置、31…光源、32,32a〜32d…光検出手段、33…相対位置演算部、33a…記憶手段、34…ステージ、35…駆動制御部、36…ビームスプリッタ、37…光量測定手段、38…集光レンズ、A1…並設方向、Da…相対位置情報、Db…相対角度情報、L1,L2…レーザ光、Sa…光検出信号、Sb…光強度信号、W…加工対象物。

Claims (14)

  1. レーザ光を発生する一又は複数の光源と、
    一端面が前記一又は複数の光源のそれぞれと光学的に結合された一又は複数の光導波路と、
    一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有し、前記コアの一端面が前記一又は複数の光導波路の他端面と対向しており、前記レーザ光を前記コアの他端面から出射する光導波部材と、
    前記クラッドの周囲において前記光導波部材の周方向に並んで配置された複数の光検出手段と、
    前記複数の光検出手段の位置に関する情報である光検出手段位置情報を予め記憶する記憶手段を有し、前記複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と前記光検出手段位置情報とに基づいて、前記一又は複数の光導波路の他端面と前記光導波部材の一端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算する相対位置演算部と、
    前記一又は複数の光導波路の他端面と前記光導波部材の一端面とのうち少なくとも一方を変位させる変位手段と、
    前記相対位置演算部から出力される前記相対位置情報に基づいて、前記一又は複数の光導波路の他端面と前記光導波部材の一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように前記変位手段を駆動する駆動制御部と
    を備えることを特徴とする、レーザ光照射装置。
  2. 前記クラッドの表面に、前記複数の光検出手段と前記クラッドとの光結合効率を高めるための光放射部を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザ光照射装置。
  3. 前記光放射部は、前記クラッドの表面のうち、前記光検出手段と対向する領域を含み前記クラッドの全周にわたる領域に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のレーザ光照射装置。
  4. 前記光導波部材の光導波方向に対し垂直な断面における前記コアの形状が、所定の第1の方向を長手方向とし、該第1の方向と直交する第2の方向を短手方向とする細長形状を呈していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ光照射装置。
  5. 前記複数の光検出手段のうち少なくとも2つの前記光検出手段が、前記光導波方向と前記第1の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第1の平面の両側にそれぞれ位置することを特徴とする、請求項4に記載のレーザ光照射装置。
  6. 前記少なくとも2つの前記光検出手段の位置が、前記第1の平面に対して略対称であることを特徴とする、請求項5に記載のレーザ光照射装置。
  7. 前記複数の光検出手段のうち少なくとも2つの前記光検出手段が、前記光導波方向と前記第2の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第2の平面の両側にそれぞれ位置することを特徴とする、請求項4に記載のレーザ光照射装置。
  8. 前記少なくとも2つの前記光検出手段の位置が、前記第2の平面に対して略対称であることを特徴とする、請求項7に記載のレーザ光照射装置。
  9. 当該レーザ光照射装置が、前記複数の光導波路及び前記光導波部材のうち少なくとも一方を光導波方向に沿った軸まわりに回転させる回転手段を更に備え、
    前記相対位置演算部が、前記複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と前記光検出手段位置情報とに基づいて、前記複数の光導波路の他端面の並び方向と前記コアの前記長手方向との相対的な角度に関する情報である相対角度情報を更に演算し、
    駆動制御部が、前記相対位置演算部から出力される前記相対角度情報に基づいて、前記並び方向と前記長手方向との相対的な角度が所定の角度に近づくように前記回転手段を駆動する
    ことを特徴とする、請求項4に記載のレーザ光照射装置。
  10. 前記複数の光検出手段が第1及び第2の前記光検出手段を少なくとも含み、
    前記第1及び第2の光検出手段が、前記光導波方向と前記第1の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第1の平面の一方の側に位置しており、
    前記第1の光検出手段が、前記光導波方向と前記第2の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第2の平面の一方の側に位置しており、
    前記第2の光検出手段が、前記第2の平面の他方の側に位置している
    ことを特徴とする、請求項9に記載のレーザ光照射装置。
  11. 前記複数の光検出手段が第1、第2、第3及び第4の前記光検出手段を少なくとも含み、
    前記第1及び第2の光検出手段が、前記光導波方向と前記第1の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第1の平面の一方の側に位置しており、前記第3及び第4の光検出手段が前記第1の平面の他方の側に位置しており、
    前記第1及び第3の光検出手段が、前記光導波方向と前記第2の方向とに沿っており前記コアの中心を含む第2の平面の一方の側に位置しており、前記第2及び第4の光検出手段が前記第2の平面の他方の側に位置している、
    ことを特徴とする請求項4または9に記載のレーザ光照射装置。
  12. 前記光導波部材の他端面と光学的に結合され、前記レーザ光を分岐する光分岐手段と、
    前記光分岐手段によって分岐された前記レーザ光の光量を測定する光量測定手段と
    を更に備え、
    前記駆動制御部は、前記光量測定手段における測定結果に基づいて、前記光導波部材の他端面から出射される前記レーザ光の強度が所定の強度に近づくように前記変位手段を駆動する
    ことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のレーザ光照射装置。
  13. 一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有する光導波部材と、一又は複数の光導波路とを備えるレーザ光照射モジュールにおける、前記光導波部材の一端面と前記一又は複数の光導波路の一端面との相対位置を調整するための装置であって、
    前記一又は複数の光導波路それぞれの他端面と光学的に結合され、レーザ光を発生する一又は複数の光源と、
    前記クラッドの周囲において前記光導波部材の周方向に並んで配置される複数の光検出手段と、
    前記複数の光検出手段の位置に関する情報である光検出手段位置情報を予め記憶する記憶手段を有し、前記複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号と前記光検出手段位置情報とに基づいて、前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記一端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算する相対位置演算部と、
    前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記一端面とのうち少なくとも一方を変位させる変位手段と、
    前記相対位置演算部から出力される前記相対位置情報に基づいて、前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記一端面との相対的な位置が所定位置に近づくように前記変位手段を駆動する駆動制御部と
    を備えることを特徴とする、レーザ光照射モジュール調整装置。
  14. 一本のコア、及び該コアを覆うクラッドを有する光導波部材と、一又は複数の光導波路とを備えるレーザ光照射モジュールにおける、前記光導波部材の一端面と前記一又は複数の光導波路の端面との相対位置を調整する方法であって、
    複数の光検出手段を、前記クラッドの周囲において前記光導波部材の周方向に並べて配置するステップと、
    前記一又は複数の光導波路それぞれの他端面にレーザ光を入射させるステップと、
    予め用意された前記複数の光検出手段の位置に関する情報と、前記複数の光検出手段のそれぞれから出力される複数の光検出信号とに基づいて、前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記端面との相対的な位置に関する情報である相対位置情報を演算するステップと、
    前記相対位置情報に基づいて、前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記端面との相対的な位置が所定位置に近づくように前記一又は複数の光導波路の前記一端面と前記光導波部材の前記端面とのうち少なくとも一方を変位させるステップと
    を備えることを特徴とする、レーザ光照射モジュール調整方法。
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