JP2012029550A - 自己回復式電力網及びそれについての方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己回復式電力網の状態を決定する。
【解決手段】電力網構成要素(20,22,24)に対応するそれぞれの実時間監視データ(32,34,36)を受け取る段階であって、1つ以上のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)が前記電力網構成要素に結合されている、当該段階(304)と、前記受け取った実時間監視データに基づいてそれぞれの現在の伝染性状態(33)を決定する段階と、それぞれの現在の伝染性状態に基づいてそれぞれの出力データ(46,48)を決定する段階(306)と、前記それぞれの出力データを1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)と交換する段階(504,506)と、前記交換した出力データと状態遷移図(55)とに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を作成する段階と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明、一般的には、電力網に関し、より詳しくは、自己回復式電力網に関するものである。
電力網(power grid)は,発電、送電及び配電を含む相互接続された電気回路網の組合せである。電力網は、典型的には多数の多様な且つ複雑な相互作用する電力網構成要素で構成された非常に複雑な集合的システムである。電力網は、大陸的電気回路網、地域的送電回路網を表すことができ、或いは単純に、地方公共事業の送配電回路網のような小電気回路網を表すことができる。
電力網は様々な相互作用し且つ相互接続された複数の電力網構成要素及び電気回路網の集まりであるので、該電力網内のこれらの電力網構成要素及び電気回路網の内の1つ又は複数の動作は、該電力網内の他の電力網構成要素又は他の電気回路網の動作に依存し又は影響を及ぼすことができる。例えば、複数の電力網構成要素の内の1つに障害が生じると、一般に、該障害のある電力網構成要素の負荷が近隣の電力網構成要素へ(完全に又は部分的に)移される。従って、それらの近隣の電力網構成要素はその容量を超えて過負荷になり、その結果として該近隣の電力網構成要素の障害を生じさせる。このように、一つの電力網構成要素の障害が他の電力網構成要素の障害を生じさせることがあり、このような障害が組み合わさって大規模な停電を生じさせることがある。典型的には、一つの電力網構成要素が他の電力網構成要素の障害を誘発することは、カスケード障害(cascading failure) 又はカスケード故障(cascading fault) と呼ばれる。カスケード障害には、カスケード過負荷、保護装置の障害、過渡的不安定性、無効電力問題、電圧崩壊、ソフトウエア障害、通信、テロ行為、公共物破壊、誤操作などが含まれる。
典型的には、個々のオペレータが電力網又は電力網の一部分におけるカスケード障害又は偶発障害を識別して評価する。加えて、個々のオペレータは、潜在的な偶発障害又はカスケード障害が識別されたときに電力網の継続した信頼性のある動作のために電力網内での調節を素早く行おうとする。オペレータは、一般に、エネルギ管理システム(EMS)によって発生された警報、監視制御及びデータ取得(SCADA)装置によって発生されたデータ、及び潜在的な偶発障害又はカスケード障害を識別するための偶発障害分析ツールに頼っている。しかしながら、潜在的な偶発障害又はカスケード障害の識別には、訓練を受けた熟練したオペレータ、高性能のコンピュータ及び通信、並びに注意深い計画及び設計を必要とする。また、個々のオペレータは、人口の密集した大都市地域、共通の構造又は共通の障害モードを共有する電力網の線路のような、電力網の少数の部分における偶発障害及びカスケード障害について責任がある。従って、個々のオペレータは、特定のカスケード故障又は障害の組合せに起因して生じ得る大規模なカスケード停電を識別することができない。
以上のことから、より信頼性のある自己回復式電力網を開発することが非常に望ましい。更に、1つ以上のカスケード故障を識別することができる電力網が必要である。また更に、潜在的な停電を識別し又は予測することができ、且つ潜在的な停電から当該電力網を守るために適切に作用することができる自己回復式電力網が必要である。
米国特許第7184903号
本発明の実施形態は、一般的には電力網に関し、より詳しくは自己回復式電力網に関する。
要約して云えば、本発明手法の一面によれば、自己回復式電力網の状態を決定する方法が提供される。本方法は、1つ以上の電力網構成要素に対応するそれぞれの実時間監視データを受け取る段階であって、1つ以上のエージェント(agent) が前記電力網構成要素に結合されている、当該段階と、前記受け取った実時間監視データに基づいてそれぞれの現在の伝染性状態(infectiousness state)を決定する段階と、それぞれの現在の伝染性状態に基づいてそれぞれの出力データを決定する段階と、それぞれの出力データを1つ以上の近隣のエージェントと交換する段階と、前記交換した出力データと状態遷移図(state transition diagram)とに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態を作成する段階とを含む。
本発明システムの一面によれば、自己回復式電力網が提供される。この自己回復式電力網は、複数の電力網構成要素と、前記複数の電力網構成要素に結合された複数の監視層であって、前記複数の電力網構成要素の1つ以上の実時間特性を観測して、それぞれの実時間監視データを作成する複数の監視層と、前記監視層に通信可能に結合された複数のエージェントとを含む。複数のエージェントの内の1つ以上は、1つ以上の電力網構成要素に対応するそれぞれの実時間監視データを受け取り、次いで前記受け取った実時間監視データに基づいてそれぞれの現在の伝染性状態を決定し、次いでそれぞれの現在の伝染性状態に基づいてそれぞれの出力データを決定し、次いでそれぞれの出力データを1つ以上の近隣のエージェントと交換し、次いで前記交換した出力データに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態を作成する。
本発明システムのこれらの及び他の特徴、側面及び利点は、添付の図面を参照した以下の説明を読めばより良く理解されよう。図面において、図面全体にわたって同様な参照符号は同様な要素を表す。
図1は、本発明システムの様々な面に従った、自己回復式電力網の模範的なアーキテクチャを表すブロック図である。 図2は、本発明システムの様々な面に従った、自己回復式電力網内での複数のエージェントの配置位置を示す模範的な自己回復式電力網の概略図である。 図3は、本発明手法の様々な面に従った、図1の自己回復式電力網内での1つ以上のカスケード故障を決定するための模範的な方法を表す流れ図である。 図4は、本発明手法の様々な面に従った、図1の自己回復式電力網内のエージェントによってそれぞれの出力データを決定するための模範的な方法を表す流れ図である。 図5は、図1の自己回復式電力網内のエージェントによってそれぞれの新しい伝染性状態を作成するための模範的な方法を表す流れ図である。 図6は、本発明手法の様々な面に従った、図1の自己回復式電力網内のエージェントの状態遷移確率を決定するための模範的な状態遷移図である。 図7は、本発明手法の様々な面に従った、図1の自己回復式電力網内の診断層によってカスケード故障フラグを作成するための模範的な方法を表す流れ図である。 図8は、本発明手法の様々な面に従った、図1の自己回復式電力網内の予防層によって予防策を決定するための模範的な方法を表す流れ図である。
以下に詳しく説明するように、本発明手法の実施形態では、自己回復式電力網を人間集団に類似させてモデル化する。そこで、本発明手法の様々な面によれば、自己回復式電力網は「人間の認知サイクル」又は「OODAループ」(ジョン・R・ボイド著、The Essence of Winning and Losing、1995年6月28日、http://www.chetrichards.com/modern#business#strategy/boyd/essence/eowl#frameset.htm)に基づいたアーキテクチャを持つ。更にまた、本発明のシステム及び手法の実施形態は、自己回復式電力網内における1つ以上のカスケード故障又は障害の伝播を、見方によっては人間集団における伝染病の伝播に類似させてモデル化する。従って、伝染病の検出、予防及び封じ込めのために用いられる1つ以上の方法を、自己回復式電力網内でのカスケード故障の検出、予防及び封じ込めのために適用する。典型的には、ランダム・オートマトン・ネットワーク(RAN)が、人間集団における伝染病の検出、予防及び封じ込めのために用いられている。従って、本発明のシステム及び手法の実施形態は、自己回復式電力網内でのカスケード故障の検出、予防及び封じ込めのためにRANを適用する。
次に、図1について説明すると、自己回復式電力網10の模範的なアーキテクチャを表すブロック図が示されている。現在考慮している構成では図示のように、自己回復式電力網10のアーキテクチャは、自己回復式電力網10の健全さを評価するために4つの層12,14,16,18を含むことができる。より詳しく述べると、これらの層12,14,16,18は、自己回復式電力網10内での1つ以上のカスケード故障又は潜在的な停電を決定し、予測し、予防し及び抑圧する。これらの4つの層12,14,16,18には、低レベル監視層12、エージェント層14、診断層16及び予防層18が含まれる。4つの層12,14,16,18は、見方によっては、「観測−方向付け−判断−計画/行動(Observe-Orient-Decide-Plan/Act)」又は「OODAループ」を含む人間認知サイクルの4つの段階に類似する。
また更に、低レベル監視層12は、1つ以上の電力網構成要素20,22,24の特定の実時間特性21,23,25を観測して、電力網構成要素20,22,24に対応する実時間監視データ32,34,36をそれぞれ作成する。それらの特性には、例えば、温度、電流、電圧などが含まれる。更に、実時間監視データ32,34,36には、例えば、状態警報、限界超過警報、停電、停電分布係数、ネットワーク接続形態、動作状態などが含まれる。限定されない一例では、低レベル監視層12は、エネルギ管理システム(EMS)、システム・データ交換(SDX)、システム制御及びデータ取得システム(SCADA)、接続形態プロセッサ、又はそれらの組合せを含むことができる。また、電力網構成要素20,22,24は、例えば、地域送電オペレータ、送電変電所、配電変電所、分散エネルギ源、負荷サービス事業体、発電機、配電制御システム、送電線路、配電線路、超高電圧システム、高電圧システム、中電圧システム、変圧器、地域送電機構、ソフトウエア、独立のシステム・オペレータ、電力網機構、エネルギ管理システム(EMS)、システム制御及びデータ取得システム(SCADA)、現場遠隔端末(RTU)、マスターステーション、制御域、接続形態プロセッサ、又は相互交換配電計算器などを含むことができる。当業者には、現在考慮している構成では、自己回復式電力網10が3つの電力網構成要素20,22,24を含んでいるが、電力網構成要素の数は、自己回復式電力網10のネットワーク接続形態、自己回復式電力網10の拡大などに基づいて増やすことができることが理解されよう。
図1に示されているように、低レベル監視層12は複数の監視層26,28,30を含むことができる。自己回復式電力網10内の監視層の数は、自己回復式電力網10におけるネットワーク接続形態及び電力網構成要素の数に応じて変え得ることに留意されたい。現在考慮している構成では、第1の監視層26が、所定の期間にわたって第1の電力網構成要素20の特性21を観測して、第1の実時間監視データ32を作成する。第2の監視層28が、所定の期間にわたって第2の電力網構成要素22の特性23を観測して、第2の実時間監視データ34を作成する。また、第3の監視層30が、所定の期間にわたって第3の電力網構成要素24の特性25を観測して、第3の実時間監視データ36を作成する。その後、低レベル監視層12は実時間監視データ32,34,36をエージェント層14へ送ることができる。
また更に、エージェント層14は、それぞれの監視層26,28,30から実時間監視データ32,34,36を受け取る複数のエージェント38、40、42を含む。より詳しく述べると、エージェント38が第1の監視層26から第1の実時間監視データ32を受け取り、エージェント40が第2の監視層28から第2の実時間監視データ34を受け取り、またエージェント42が第3の監視層30から第3の実時間監視データ36を受け取る。これらのエージェント38,40,42は、受け取ったそれぞれの実時間監視データ32,34,36に基づいてそれぞれの現在の伝染性状態を決定する。より詳しく述べると、エージェント38が、受け取った実時間監視データ32に基づいてその現在の伝染性状態33を決定し、またエージェント40が、受け取った実時間監視データ34に基づいてその現在の伝染性状態を決定し、またエージェント42が、受け取った実時間監視データ36に基づいてその現在の伝染性状態を決定する。本書で用いられている用語「伝染性状態(infectiousness state)」は、エージェントの動作状態を表すために用いることができる。伝染性状態には、例えば、正常状態、デッド(dead)状態、故障状態、隠れた故障状態、回復状態などを含むことができる。用語「現在の伝染性状態」は、エージェントの現在の動作状態又は現在の伝染性状態を表すために用いることができる。受け取ったそれぞれの実時間監視データ32,34,36に基づいたそれぞれの現在の伝染性状態の決定については、図4を参照して後でより詳しく説明する。
また更に、エージェント38,40,42は、エージェント38のそれぞれの現在の伝染性状態33のようなそれぞれの現在の伝染性状態に基づいて、それぞれの出力データを決定する。模範的な実施形態では、エージェント38がその出力データ46を決定し、またエージェント40がその出力データ48を決定する。エージェント38,40,42の内の1つ以上のそれぞれの現在の伝染性状態がデッド状態であるとき、エージェント38,40,42の内の該1つ以上がそれぞれの出力データを作成できないことに留意されたい。現在の伝染性状態33のようなそれぞれの現在の伝染性状態に基づいたそれぞれの出力データの決定については、図4を参照して後でより詳しく説明する。
その後、エージェント38,40,42はそれぞれの出力データをそれぞれの近隣のエージェントと交換する。本書で用いられている用語「近隣のエージェント」とは、少なくとも複数のエージェントの内の1つのエージェントに対応する電力網構成要素が、少なくとも別のエージェントに対応する電力網構成要素に物理的に接続されるか又は動作上依存するようになっている、少なくとも2つのエージェントを表すために用いることができる。例えば、図1に示されているように、エージェント38に対応する電力網構成要素20が、エージェント40に対応する電力網構成要素22に接続体44を介して物理的に接続されているので、エージェント38はエージェント40の近隣のエージェントである。図示されているように現在考慮している構成では、エージェント38,40はそれぞれの出力データ46,48を交換する。より詳しく述べると、エージェント38はその出力データ46をエージェント40へ送り、またエージェント40はその出力データ48をエージェント38へ送る。理解し易くするために、それぞれの出力データ46,48を交換するものとしてエージェント38,40のみを示しているが、それぞれの出力データを交換するエージェントの数は、ネットワーク接続形態、近隣のエージェントの数、自己回復式電力網内の電力網構成要素の数などに応じて変えることができることに留意されたい。前に述べたように、それぞれの現在の伝染性状態がデッド状態に相当する1つ以上のエージェントは、それぞれの出力データを作成することができず、従ってそれぞれの出力データをそれぞれの近隣のエージェントと交換できない。
更に、実施形態によっては、エージェント38,40,42はそれぞれの新しい伝染性状態50,52,54を作成する。本書で用いられている用語「新しい伝染性状態」は、エージェントの潜在的な伝染性状態又は潜在的な動作状態を表すために用いることができる。模範的な実施形態では、エージェント38,40,42は、交換した出力データに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態50,52,54を作成する。より詳しく述べると、エージェント38,40,42は、それぞれの近隣のエージェントから受け取った出力データ、状態遷移図55、それぞれの現在の伝染性状態、それぞれの実時間監視データ32,34,36、及び1つ以上のパラメータ60に基づいて、それぞれの新しい伝染性状態50,52,54を作成することができる。模範的な実施形態では、状態遷移図55は、エージェント38,40,42の内の1つ以上にあるデータ貯蔵部に記憶させることができる。模範的な状態遷移図55は図6に示されている。更に、1つ以上のパラメータ60には、例えば、電力網構成要素除去率、故障拡大パラメータ、又は観測確率などを含むことができる。1つ以上のパラメータ60は、例えば、専門家の知識、電力潮流分析、又は1つ以上の統計的方法などに基づいて作成することができる。それぞれの新しい伝染性状態50,52,54の作成については、図5を参照して後でより詳しく説明する。
実施形態によっては、エージェント38,40,42はそれぞれの新しい伝染性状態50,52,54を診断層16へ伝送する。特定の実施形態では、エージェント38,40,42の内の1つがまた、状態遷移図55も伝送する。診断層16は受け取った新しい伝染性状態50,52,54及び状態遷移図55に基づいて自己回復式電力網10内での1つ以上のカスケード故障を決定する。一実施形態では、診断層16は、1つ以上の代数微分方程式58を作成し且つ該代数微分方程式58を処理して1つ以上の平衡点を決定することによって、1つ以上のカスケード故障を決定する。1つ以上のカスケード故障を決定するための1つ以上の代数微分方程式58の作成及び1つ以上の代数微分方程式58の処理については、図7を参照して後でより詳しく説明する。
また更に、診断層16は、1つ以上のカスケード故障の決定に基づいてカスケード故障フラグ56を作成する。本書で用いられている用語「カスケード故障フラグ」は、自己回復式電力網内での1つ以上のカスケード故障を識別する値を表すために用いることができる。一実施形態では、カスケード故障フラグ56は、自己回復式電力網10に何らカスケード故障が無いことを示す「0」の値を持つことができる。別の実施形態では、カスケード故障フラグ56は、自己回復式電力網10に1つ以上のカスケード故障が有ることを示す「1」の値を持つことができる。更に、一実施形態では、診断層16は、自己回復式電力網10内での1つ以上のカスケード故障に対応する単一のカスケード故障フラグを作成することができる。別の実施形態では、診断層16は、自己回復式電力網10内での複数のカスケード故障に対応する複数のカスケード故障フラグを作成することができる。限定されない一例では、診断層16は、1つ以上のルーチン、マイクロプロセッサ、コンピュータ、又は1つ以上のプログラムなどを含むことができる。1つ以上のカスケード故障の決定及びカスケード故障フラグの作成については、図7を参照して後でより詳しく説明する。
更に、予防層18が、診断層16からカスケード故障フラグ56及び1つ以上の代数微分方程式58を受け取る。それに加えて、予防層18はエージェント層14から1つ以上のパラメータ60を受け取る。限定されない一例では、予防層18は、1つ以上のルーチン、マイクロプロセッサ、コンピュータ、又は1つ以上のプログラムなどを含む。予防層18はカスケード故障フラグ56に基づいて1つ以上の予防策を決定することができる。より詳しく述べると、予防層18は、カスケード故障フラグ56が自己回復式電力網10内での1つ以上のカスケード故障の存在を示しているとき、1つ以上の予防策を決定することができる。一実施形態では、予防層18は、代数微分方程式58及び1つ以上のパラメータ60を利用して1つ以上の予防策を決定することができる。本書で用いられている用語「予防策(preventive measures) 」は、診断層16によって決定された1つ以上のカスケード故障に起因して起こり得る自己回復式電力網10の潜在的な停電を防ぐことのできる1つ以上の処置を表すために用いることができる。より詳しく述べると、予防策は、自己回復式電力網10の潜在的な停電を防ぐために防止率及び故障拡大率を変えることのできる1つ以上の処置とすることができる。予防策には、例えば、自動的負荷遮断、強制孤立化(controlled islanding)、接続形態の変更、又はエージェント層14の再配線などを含むことができる。
また更に、実施形態によっては、エージェント38,40,42は、それぞれの新しい伝染性状態をそれぞれの現在の伝染性状態に等しくすることによって、それぞれの現在の伝染性状態を更新することができる。例えば、エージェント38の新しい伝染性状態が故障状態であるとき、エージェント38の現在の伝染性状態33は故障状態に等しくされる。それぞれの現在の伝染性状態の更新の後、エージェント38,40,42は、現在の伝染性状態に基づいてそれぞれの更新出力データを決定することができる。更に、エージェント38,40,42は、更新出力データをそれぞれの近隣のエージェントと交換することができる。更新出力データの交換の後、エージェント38,40,42はそれぞれの新しい伝染性状態を決定することができる。それぞれの更新出力データの決定については、後で図4を参照してより詳しく説明する。
次に図2について説明すると、自己回復式電力網100の模範的な一部分の概略図が示されており、複数のエージェント202,204,206,208の模範的な配置位置を示す。エージェント202,204,206,208は、例えば、エージェント38,40,42(図1参照)の内の1つ以上と同様であってよい。ここで、現在考慮している構成では自己回復式電力網100は4つのエージェント202,204,206,208を含んでいるが、エージェントの数は、ネットワーク接続形態、大きさ、又は自己回復式電力網100の広がりなどに基づいて変ることに留意されたい。図示のように模範的な実施形態では、エージェント202は、発電機210、送電システム212,214及び地域送電オペレータ216を含む電力網構成要素に対応する。より詳しく述べると、エージェント202は、電力網構成要素210,212,214,216に対応する実時間監視データ32,34,36(図1参照)のような実時間監視データを受け取る。前に述べたように、エージェント202は監視層218,220を介して実時間監視データを受け取ることができる。
同様に、模範的な実施形態では、エージェント204は、送電システム212,214,224及び発電機222を含む電力網構成要素に対応し、監視層220,226,228,229を介してこれらの電力網構成要素212,214,222,224に対応する実時間監視データを受け取る。また更に、エージェント206は、送電変電所230、配電変電所232及び配電制御センタ234を含む電力網構成要素に対応する。更に、エージェント206は、監視層236,238を介して電力網構成要素230,232,234に対応する実時間監視データを受け取る。同様に、エージェント208は、配電変電所232、分散エネルギ資源240及び送電システム242を含む電力網構成要素に対応する。エージェント208は、監視層244を介して電力網構成要素232,240,242に対応する実時間監視データを受け取る。
図1について前に述べたように、エージェント202,204,206,208はそれぞれの現在の伝染性状態を決定し且つそれぞれの新しい伝染性状態を作成する。それぞれの現在の伝染性状態の決定については、図3を参照してより詳しく説明する。また、それぞれの新しい伝染性状態の作成については、後で図5を参照してより詳しく説明する。
ここで図3について説明すると、自己回復式電力網10(図1参照)における1つ以上のカスケード故障を決定して、1つ以上のカスケード故障に基づいて1つ以上の予防策を決定するための模範的な方法300を表す流れ図が示されている。本方法は段階302で開始し、段階302では、複数の監視層によってそれぞれの実時間監視データを作成する。前に述べたように、実時間監視データは、例えば、状態警報、限界超過警報、停電、停電分布係数、ネットワーク接続形態、又は動作状態などを含む。複数の監視層は、例えば、監視層26,28,30(図1参照)とすることができる。これらの監視層は、は、それぞれの1つ以上の電力網構成要素の電圧、温度及び電流のような実時間特性を観測することによって、それぞれの実時間監視データを作成することができる。複数の電力網構成要素は、例えば、電力網構成要素20,22,24とすることができる。更に、実時間監視データは、例えば、実時間監視データ32,34,36(図1参照)とすることができる。また、実時間特性は、例えば、実時間特性21,23,25(図1参照)とすることができる。
また更に、段階304で、複数のエージェントが、それぞれの監視層からそれぞれの実時間監視データを受け取る。例えば、図1に示されているように、エージェント38は監視層26から実時間監視データ32を受け取り、エージェント40は監視層28から実時間監視データ34を受け取り、またエージェント42は監視層30から実時間監視データ36を受け取る。図3に示されているように、段階305で、複数のエージェントはそれぞれの現在の伝染性状態を決定することができる。本書で用いられている用語「現在の伝染性状態」は、エージェントの現在の伝染性状態又はエージェントの現在の動作状態を表すために用いることができる。現在の伝染性状態には、デッド状態、正常状態、故障状態、隠れた故障状態、又は回復状態などを含むことができる。複数のエージェントは、受け取ったそれぞれの実時間監視データに基づいてそれぞれの現在の伝染性状態を決定することができる。例えば、図1に示されているように、エージェント38は実時間監視データ32に基づいてその現在の伝染性状態33を決定し、またエージェント40は実時間監視データ34に基づいてその現在の伝染性状態を決定し、またエージェント42は実時間監視データ36に基づいてその現在の伝染性状態を決定する。
理解し易くするために、段階305は、図1のエージェント38によってその現在の伝染性状態33を決定する場合について説明する。しかしながら、段階305は、それぞれの現在の伝染性状態を決定するために本発明システム及び手法の範囲内で任意のエージェントによって用いることができる。それぞれの現在の伝染性状態33の決定については、以下に示す表1を参照すればより良く理解されよう。
表1に示されているように、受け取った実時間監視データ32により、対応する電力網構成要素20が非動作状態であり且つ該電力網構成要素20に対応する限界超過警報が無いと識別されたとき、エージェント38の現在の伝染性状態33はデッド状態である。更に、実時間監視データ32により、対応する電力網構成要素20が非動作状態であり且つ電力網構成要素20に対応する限界超過警報が発生されていると識別されたとき、エージェント38の現在の伝染性状態33はデッド状態である。また、実時間監視データ32により、対応する電力網構成要素20が動作状態であり且つ該電力網構成要素20に対応する限界超過警報が無いと識別されたとき、エージェント38の現在の伝染性状態33は正常状態である。また更に、実時間監視データ32により、対応する電力網構成要素20が動作状態であり且つ該電力網構成要素20に対応する1つ以上の限界超過警報が発生されていると識別されたとき、エージェント38の現在の伝染性状態33は故障状態である。同様に、実時間監視データ32が該電力網構成要素20に対応する動作状態及び限界超過警報に関して情報を持っていないとき、エージェント38の現在の伝染性状態33は確率qで正常状態であり、又は確率(1−q)で隠れた故障状態である。ここで、qは観測確率である。特定の実施形態では、電力網構成要素20に対応する動作状態及び限界超過警報を評価する監視機構が無いとき、エージェント38の現在の伝染性状態33は隠れた故障状態である。
その後、段階306で、複数のエージェントの1つ以上がそれぞれの出力データを決定する。エージェントによる出力データの決定については、後で図4を参照してより詳しく説明する。段階308で、複数のエージェントの1つ以上がそれぞれの新しい伝染性状態を作成する。前に述べたように、用語「新しい伝染性状態」は、エージェントの潜在的な伝染性状態を表すために用いることができる。 新しい伝染性状態は、例えば、正常状態、隠れた故障状態、故障状態、切断状態、又は回復状態などを含むことができる。それぞれの新しい伝染性状態については、後で図5を参照してより詳しく説明する。
段階308で複数のエージェントの1つ以上によってそれぞれの新しい伝染性状態を作成した後、段階310で診断層16によってカスケード故障フラグ56(図1参照)を作成することができる。本書で用いられている用語「カスケード故障フラグ」は、自己回復式電力網内での1つ以上のカスケード故障を識別する値を表すために用いることができる。一実施形態では、診断層16は、自己回復式電力網10内での1つ以上のカスケード故障に基づいてカスケード故障フラグ56を作成することができる。1つ以上のカスケード故障は、例えば、新しい伝染性状態と状態遷移図55とに基づいて決定することができる。カスケード故障フラグの作成については、後で図7を参照してより詳しく説明する。
また更に、段階312で、1つ以上のカスケード故障の存在を検証するために検査(チェック)を行うことができる。検査は、診断層16によって作成されたカスケード故障フラグに基づいて行うことができる。検査は、例えば、予防層18によって行うことができる。従って、段階312で、カスケード故障フラグ56がカスケード故障の存在を示しているとき、制御は段階314へ移ることができる。段階314で、1つ以上の予防策を予防層18によって決定することができる。限定されない一例では、予防策は、自動的負荷遮断、強制孤立化、接続形態の変更、又はエージェント層14の再配線などを含むことができる。予防策の決定については、後で図8を参照してより詳しく説明する。
しかしながら、カスケード故障フラグ56がカスケード故障の存在を示していないとき、制御は段階316へ移ることができる。段階316で、複数のエージェントのそれぞれの現在の伝染性状態を更新することができる。それぞれの現在の伝染性状態は、複数のエージェントのそれぞれの新しい伝染性状態をそれぞれの現在の伝染性状態に等しくすることによって、更新することができる。例えば、或るエージェントの新しい伝染性状態が故障状態である場合、そのエージェントの現在の伝染性状態は故障状態に等しくされる。それぞれの新しい伝染性状態をそれぞれの現在の伝染性状態に等しくすることは、エージェントの動作状態の変更を表していることに留意されたい。また更に、段階318で、それぞれの更新出力データを、エージェントによってそれぞれの現在の伝染性状態の基づいて作成することができる。エージェントによる現在の伝染性状態に基づいた更新出力データの作成については、後で図4を参照してより詳しく説明する。エージェントによるそれぞれの更新出力データの作成の後、制御は段階308へ移ることができ、該段階308で、それぞれの新しい伝染性状態をエージェントによって作成することができる。このようにして、段階308〜312が典型的には繰り返される。
図4は、或るエージェントによってそれぞれの出力データを決定するための模範的なプロセス400を例示する流れ図である。より詳しく述べると、プロセス400は図3の段階306及び段階318の処理をより詳しく記述する。理解し易くするために、図4では、図1のエージェント38によってそれぞれの出力データ46を決定することについて説明する。しかしながら、図4は、それぞれの出力データ決定するために本発明システム及び本発明手法の範囲内で任意のエージェントで用いることができる。
図4に示されているように、参照数字33はエージェント38の現在の伝染性状態を表す。現在の伝染性状態33は、例えば、図3の段階305で決定された現在の伝染性状態又は図3の段階316で決定された現在の伝染性状態を含むことができる。前に述べたように、現在の伝染性状態33は、デッド状態、正常状態、故障状態、隠れた故障状態、又は回復状態などを含むことができる。
また更に、段階402で、エージェント38のそれぞれの現在の伝染性状態33がデッド状態であるかどうか検証するために検査を行うことができる。段階402で、エージェント38のそれぞれの現在の伝染性状態33がデッド状態であると決定された場合、制御は段階404へ移る。段階404で、エージェント38はそれぞれの出力データ46(図1参照)を決定することができない。しかしながら、段階402で、エージェント38の現在の伝染性状態33がデッド状態ではないと決定された場合、制御は段階406へ移ることができる。段階406で、エージェント38はそれぞれの現在の伝染性状態33に基づいてそれぞれの出力データ46を決定することができる。それぞれの現在の伝染性状態33に基づいたそれぞれの出力データ46の決定については、以下に示す表2を参照すればより良く理解されよう。
表2に示されているように、エージェント38のそれぞれの現在の伝染性状態33が正常状態又は回復状態であるとき、エージェント38のそれぞれの出力データ46は「0」である。更に、エージェント38のそれぞれの現在の伝染性状態33が故障状態であるとき、エージェント38のそれぞれの出力データ46は「1−β」である。ここで、βは防止率(prevention rate) である。防止率は、一例では、エージェント38の対応する電力網構成要素20に依存し、且つ個々のオペレータ又は自動制御アルゴリズムが、電力網構成要素20が故障状態になるのを防止する尤度に依存する設計パラメータである。また更に、エージェント38の現在の伝染性状態33が隠れた故障状態であるとき、エージェント38に対応する出力データ46は「1」である。
次いで図5について説明すると、自己回復式電力網10内の一つのエージェントによってそれぞれの新しい伝染性状態を作成するための模範的な方法308を表す流れ図が示されている。より詳しく述べると、図3の段階308をより詳しく示している。理解し易くするために、方法308は、図1の自己回復式電力網10内のエージェント38によってそれぞれの新しい伝染性状態50を作成する方法を記述していることに留意されたい。しかしながら、方法308は、それぞれの新しい伝染性状態の作成のために本発明システム及び手法の範囲内でエージェント38,40,42、202,204,206,208のような任意のエージェントによって用いることができる。
この方法は段階502に続き、この段階502において、エージェント38がその近隣のエージェントのリストを作成することができる。近隣のエージェントのリストは、例えば、自己回復式電力網10のネットワーク接続形態に基づいて作成することができる。前に述べたように、用語「近隣のエージェント」とは、少なくとも複数のエージェントの内の1つに対応する電力網構成要素が、少なくとも別のエージェントに対応する電力網構成要素に物理的に接続されるか又は動作上依存するような、少なくとも2つのエージェントを表すために用いることができる。それぞれの近隣のエージェントのリストは、エージェント38の近隣のエージェントの1つ以上の独自の識別表示を含むことができる。限定されない一例では、エージェント38は、実時間監視データ32におけるネットワーク接続形態に基づいて近隣のエージェントのリストを作成することができる。図1について前に述べたように、エージェント38は、該エージェント38のそれぞれの電力網構成要素20がエージェント40のそれぞれの電力網構成要素22に物理的に接続されているので、エージェント40を近隣のエージェントとして決定する。
また更に、段階504で、エージェント38は、それぞれの出力データ46を、エージェント38の近隣のエージェントであるエージェント40へ伝送する。更に、段階506で、エージェント38は、エージェント40のそれぞれの出力データ48を受け取る。実施形態によっては、エージェント38は、段階508及び510で1つ以上のパラメータ60(図1参照)を決定することができる。図1について前に述べたように、1つ以上のパラメータは、故障拡大率、電力網構成要素除去率、又は観測確率などを含むことができる。段階508で、エージェント38は、エージェント40からの受け取った出力データ48に基づいてそれぞれの電力網構成要素20の故障拡大率を決定する。模範的な実施形態では、故障拡大率は、次の式(1)で示されるように表すことができる。
式(1)で、Li は電力網構成要素iの現在の負荷であり、Nm はエージェントmの近隣のエージェントを表し、|Nm |−|{zi =0 and iENm }| は、非動作状態の電力網構成要素の数であり、ΣiENm i i は転送することを必要とする非動作状態の電力網構成要素の合計の現在の負荷であり、またΣiENm i は最も近い電力網構成要素の合計負荷である。式(1)から気付かれるように、一つのエージェントによって決定される故障拡大率は、一つのエージェントの近隣のエージェントから受け取った出力データに依存する。
また更に、段階510で、エージェント38は電力網構成要素除去率及び観測確率を決定することができる。一実施形態では、電力網構成要素除去率及び観測確率は、専門家の知識に基づいて決定することができる。別の実施形態では、電力網構成要素除去率及び観測確率は、電力潮流分析に基づいて決定することができる。更に別の実施形態では、電力網構成要素除去率及び観測確率は、履歴データに基づいた1つ以上の統計的方法に基づいて決定することができる。実施形態によっては、電力網構成要素除去率は、1つ以上の電力網構成要素に対応する電力網構成要素除去率の平均値とすることができる。
その後、段階512で、エージェント38は、電力網構成要素除去率、観測確率、故障拡大率及び状態遷移図55(図1参照)に基づいて、1つ以上の状態遷移確率を決定することができる。本書で用いられている用語「状態遷移確率」とは、エージェントが現在の伝染性状態から別の伝染性状態へ遷移する確率又は現在の伝染性状態を保持する確率を表すために用いることができる。現在の伝染性状態から1つ以上の状態遷移確率を決定することについては、後で図6を参照して詳しく説明する。
また更に、段階514で、エージェント38は、段階512で決定された複数の状態遷移確率の内の1つ以上に基づいて、新しい伝染性状態50を作成することができる。模範的な実施形態では、一つのエージェントの現在の伝染性状態がx0 であるとき、次の条件
が満足された場合に、新しい伝染性状態はxi になることができる。上式(2)において、νi は現在の伝染性状態x0 からxi への状態遷移確率であり、ここで、i=1,2,・・・nであり、またnは現在の伝染性状態x0 から他の伝染性状態への状態遷移確率の合計数である。
次に図6について説明すると、一つのエージェントが他の伝染性状態へ遷移する状態遷移確率を決定するための模範的な状態遷移図55が描かれている。より詳しく述べると、図6は,図5の段階512を詳しく表現している。参照数字602,604,606,608,610は、エージェント38,40,42,202,204,206,208のような一つのエージェントの伝染性状態、現在の伝染性状態、又は更新された現在の伝染性状態を表すことができる。図6に示されているように、参照数字602は正常状態を表し、参照数字604は故障状態を表し、参照数字606は回復状態を表し、参照数字608は切断状態を表し、また参照数字610は隠れた故障状態を表す。状態遷移図55に示されているように、エージェント38のような一つのエージェントの現在の伝染性状態が正常状態602であるとき、該エージェント38は、正常状態602、故障状態604、切断状態608又は隠れた故障状態610を含む4つの他の伝染性状態へ遷移することができる。
一実施形態では、一つのエージェントの現在の伝染性状態又は更新された現在の伝染性状態が正常状態602であるとき、正常状態602から故障状態604への状態遷移確率612は次の式
NF=(1−μ)qδ (3)
によって決定することができる。上記の式(3)において、PNF は正常状態から故障状態への状態遷移確率であり、μは電力網構成要素除去率の確率又は電力網構成要素が非動作状態になる確率であり、qは観測確率であり、またδは故障拡大率である。また更に、正常状態602から切断状態608への状態遷移確率614は、次の式
ND=μ (4)
によって決定することができる。上記の式(4)において、PND は正常状態から切断状態への状態遷移確率であり、μは電力網構成要素が非動作状態になる確率である。更にまた、正常状態602から隠れた故障状態610への状態遷移確率616は、次の式
NH=(1−μ)(1−q)δ (5)
によって決定することができる。上記の式(5)において、PNH は正常状態から隠れた故障状態への状態遷移確率であり、μは電力網構成要素が非動作状態になる確率であり、qは観測確率であり、またδは故障拡大率である。
更に、一つのエージェントが正常状態602を保持する状態遷移確率613は、次の式
NN=(1−μ)(1−δ) (6)
によって決定することができる。上記の式(6)において、PNN は一つのエージェントが正常状態を保持する状態遷移確率であり、μは電力網構成要素が非動作状態になる確率であり、またδは故障拡大率である。
実施形態によっては、一つのエージェントの現在の伝染性状態又は更新された現在の伝染性状態が故障状態604であるとき、該エージェントは、回復状態606、切断状態608又は故障状態604の保持を含む3つの伝染性状態へ遷移することができる。一実施形態では、故障状態604から回復状態606への状態遷移確率618は、次の式
FR=(1−μ)γ (7)
によって決定することができる。上記の式(7)において、PFR は故障状態から回復状態への状態遷移確率であり、μは電力網構成要素が非動作状態になる確率であり、またγは回復率である。回復率は、例えば、自動制御アルゴリズムによって取られる復旧措置、又はシステム・オペレータによって取られる手動行為、及び間欠故障に耐え且つ該故障から回復する電力網構成要素の能力に依存することがある。同様に、故障状態604から切断状態608への状態遷移確率620は、次の式
FD=μ (8)
によって決定することができる。上記の式(8)において、PFD は故障状態から切断状態への状態遷移確率であり、またμは電力網構成要素が非動作状態になる確率である。一実施形態では、一つのエージェントが故障状態604を保持する状態遷移確率621は、次の式
FF=(1−μ)(1−γ) (9)
によって表すことができる。上記の式(9)において、PFF は一つのエージェントが故障状態を保持する状態遷移確率であり、またγは回復率である。また、一つのエージェントの現在の伝染性状態又は更新された現在の伝染性状態が回復状態であるとき、該エージェントは、正常状態602及び切断状態608を含む2つの伝染性状態へ遷移することができる。図6に示されているように、回復状態606から正常状態602への状態遷移確率622は、次の式
RN=(1−μ) (10)
によって決定することができる。上記の式(10)において、PRN は回復状態から正常状態への状態遷移確率であり、またμは電力網構成要素が非動作状態になる確率である。同様に、回復状態606から切断状態608への状態遷移確率624は、次の式
RD=μ (11)
によって決定することができる。上記の式(11)において、PRD は回復状態から切断状態への状態遷移確率であり、またμは電力網構成要素が非動作状態になる確率である。また更に、一つのエージェントが隠れた故障状態610から切断状態608へ遷移する状態遷移確率626は、次の式
HD=μ (12)
によって決定することができる。上記の式(12)において、PHD は隠れた故障状態から切断状態への状態遷移確率であり、またμは電力網構成要素が非動作状態になる確率である。一実施形態では、一つのエージェントが隠れた故障状態610を保持する状態遷移確率628は、次の式
HH=(1−μ) (13)
によって決定することができる。
ここで、現在考慮している状態遷移図55には、5つの伝染性状態602,604,606,608,610と、11個の状態遷移確率612,613,614,616,618,620,621,622,624,626,628があるが、伝染性状態の数及び状態遷移確率の数はネットワーク接続形態などに基づいて変えることができることに留意されたい。
図7は、カスケード故障フラグを作成するための模範的な方法310を表す流れ図である。より詳しく述べると、このプロセスは診断層16(図1参照)によってカスケード故障フラグ56を作成するための段階310を詳しく記述する。前に述べたように、用語「カスケード故障フラグ」は、自己回復式電力網内での1つ以上のカスケード故障を識別する値を表すために用いることができる。本方法は段階702で開始し、段階702において、診断層16が状態遷移図55を受け取ることができる。状態遷移図55は、例えば、エージェント38,40,42のようなエージェントから受け取ることができる。また更に、段階702で、診断層16は、エージェント38,40,42の新しい伝染性状態50,52,54のような新しい伝染性状態を受け取る。
図7に示されているように、段階703で、診断層16はエージェント38,40,42のようなエージェントの群のリストを作成することができる。一実施形態では、各々のエージェント群は、同様な数の近隣のエージェントを持つ複数のエージェントを含む。また更に、段階704で、状態遷移図55及び新しい伝染性状態50,52,54に基づいて1つ以上の代数微分方程式58を作成することができる。一実施形態では、代数微分方程式58は、リスト中のエージェントの各群について且つ新しい伝染性状態50,52,54の各々について一つの代数微分方程式が存在するように、作成される。各々のエージェントがk個の近隣のエージェント及び一つの新しい伝染性状態Sを持つ場合に一群のエージェントに対応する代数微分方程式58は、例えば、次の式(14)を利用して作成することができる。
この式(14)において、「A」は新しい伝染性状態Sを持ち且つk個の近隣のエージェントを持つエージェントの変化であり、「B」は伝染性状態iから新しい伝染性状態Sへの状態遷移確率であり、「C」は新しい伝染性状態Sから別の伝染性状態jへの状態遷移確率である。例えば、各々のエージェントがk個の近隣のエージェントを持ち且つ新しい伝染性状態が正常状態に等しい場合に、一群のエージェントに対応する一つの代数方程式(15)を、状態遷移図55に基づいて作成することができる。
ここで、代数方程式の数が、新しい伝染性状態の合計数の倍数及びリスト内のエージェント群の合計数に等しくできることに留意されたい。更に、段階708で、現存の1つ以上の平衡点を診断層16によって決定することができる。平衡点は、例えば、複数の代数微分方程式58の各々をゼロに等しくすることによって決定することができる。換言すれば、平衡点は、新しい伝染性状態Sを持つエージェントの数の変更の各々をゼロに等しくすることによって決定することができる。また更に、段階710で、平衡点の安定性を決定することができる。平衡点の安定性は、リャプノフ(Lyapunov)安定性技術、又はヤコビアン(Jacobian)法などを含む1つ以上の手法を利用することによって決定することができる。
図7に示されているように、段階712で、平衡点を利用して軌跡(trajectory)マップを作成することができる。一実施形態では、軌跡マップは平衡点の安定性に基づいて作成することができる。軌跡マップは、例えば、平衡点の安定性に基づいてエージェント38,40,42の現在の伝染性状態から平衡点まで作成することができる。
軌跡マップの作成の後、段階714で、自己回復式電力網10内に1つ以上のカスケード故障があるかどうか決定するために検査を行うことができる。検査は、軌跡マップを分析することによって行うことができる。例えば、一実施形態では、k個の近隣のエージェントを持つ各群のエージェントについての故障状態(F)及び隠れた故障状態(H)の平均合計数がゼロに等しくなる漸近安定平衡点で軌跡マップが終わるとき、カスケード故障は無い。同様に、別の実施形態では、k個の近隣のエージェントを持つ各群のエージェントについての故障状態(F)及び隠れた故障状態(H)の平均合計数が非ゼロになる漸近安定平衡点で軌跡マップが終わるとき、カスケード故障がある。このような実施形態では、カスケード故障の臨界(criticality) は、故障状態(F)及び隠れた故障状態(H)の合計数と自己回復式電力網10内のエージェントの合計数との比とすることができる。ここで、故障状態(F)及び隠れた故障状態(H)の合計数は平衡点によって与えられることに留意されたい。
このようにして、段階714において、自己回復式電力網10内に何らカスケード故障が無いことが検証された場合、制御は段階716へ移る。段階716では、自己回復式電力網10内に何らカスケード故障が無いことを通知するカスケード故障フラグ56を作成することができる。しかしながら、段階714において、自己回復式電力網10内に1つ以上のカスケード故障があることが検証された場合、制御は段階718へ移る。段階718では、自己回復式電力網10内に1つ以上のカスケード故障があることを通知するカスケード故障フラグ56を作成することができる。
図8は、予防層18によって予防策を決定するための模範的な方法314を表す流れ図である。より詳しく述べると、このプロセスは図3の段階314を詳しく示している。図8に示されているように、参照数字56は、図3の段階310及び図7の段階716又は718で診断層16によって作成されたカスケード故障フラグを表す。また、参照数字58は、図7の段階704で診断層16によって作成された代数微分方程式を表す。前に述べたように、カスケード故障フラグは、自己回復式電力網内での1つ以上のカスケード故障を識別する値を表すために用いることができる。本方法は段階802に継続し、この段階802で、予防層18が、診断層16(図1参照)によって発生されたカスケード故障フラグ56及び代数微分方程式58を受け取ることができる。
また更に、段階804で、自己回復式電力網10内に1つ以上のカスケード故障があるかどうか検証するために検査が行われる。段階804で、自己回復式電力網10内に何らカスケード故障が無いことが検証された場合、制御は段階806へ移ることができる。段階806で、予防層16は何ら予防策が必要でないことを宣言することができる。ここで、自己回復式電力網10内に何らカスケード故障が無いので、予防策が必要とされないことに留意されたい。図1について前に述べたように、予防策は、自己回復式電力網内での防止率及び故障拡大率を変えることのできる1つ以上の処置とすることができる。予防策は、例えば、自動的負荷遮断、強制孤立化、接続形態の変更、又はエージェント層14の再配線などを含むことができる。
しかしながら、段階804で、自己回復式電力網10内に1つ以上のカスケード故障があると検証された場合、制御は段階808へ移ることができる。段階808で、複数の平衡点を予防層18によって決定することができる。ここで、複数の平衡点は、カスケード故障の無い平衡状態を生じさせることのできる入力パラメータの1つ以上の値を決定するために決定することができることに留意されたい。複数の平衡点は、例えば、代数微分方程式58を用いることによって決定することができる。一実施形態では、複数の平衡点は従来の数学的分析により決定してシステムにハード・コード化することができ、又は防止率及び故障拡大率の値を変えることによって生成されたテーブル(表)により決定することができる。特定の実施形態では、平衡点は、素早い回復のためにカスケード故障の無い平衡へ近づく速度を最大にし又は防止率及び故障拡大率の可能な限界内で発電機についての燃料コストを最小にするような防止率及び故障拡大率の最適値を決定するために用いることができる線形プログラミングのような、1つ以上の最適化ツールに基づいて決定することができる。更に、段階810で、1つ以上の予防策を決定することができる。予防策は、例えば、自動的負荷遮断、強制孤立化、接続形態の変更、又はエージェント層14の再配線などを含むことができる。
以上の様々な実施形態では、結果として、電力網内の潜在的な故障又は障害を決定することができる。本発明手法の適用により、電力網内の潜在的な故障又は障害を実時間で決定することができる。また更に、本発明システム及び手法は、カスケード故障を生じさせる虞のある潜在的な故障の判定を容易にする。本発明手法はまた、市内、地域内又は全国内における停電を防止する。また、様々な実施形態は、電力網内に故障又は障害が生じる前に電力網が自己回復するのを可能にする。
必ずしも上述した全ての目的又は利点が任意の特定の実施形態に従って達成できるものではないことを理解されたい。従って、例えば、当業者には、本書で述べたシステム及び手法が、本書に教示された一つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する態様で、しかも必ずしも本書で教示又は示唆することのできる他の目的又は利点を達成することなく、具現化又は実施できることが認められよう。
以上、本発明を限られた数の実施形態のみに関連して詳しく説明したが、本発明がこのような開示した実施形態に制限されるものではないことを理解されたい。むしろ、本発明は、これまで説明していないが本発明の精神及び範囲に相応する任意の数の変形、変更、置換又は等価な構成を取り入れるように修正することができる。更に、本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の様々な面が説明した実施形態の幾つかのみを含み得ることを理解されたい。従って、本発明は上記の説明によって制限されるものと考えるべきではなく、「特許請求の範囲」に記載の範囲によって制限される。
10 自己回復式電力網
12 低レベル監視層
14 エージェント層
21、23、25 実時間特性
32、34、36 実時間監視データ
33 現在の伝染性状態
44 接続体
46、48 出力データ
50,52,54 新しい伝染性状態
55 状態遷移図
56 カスケード故障フラグ
58 代数微分方程式
60 パラメータ
202、204、206、208 エージェント
210 発電機
212、214 送電システム
218、220、226、228、236、238、244 監視層
222 発電機
224 送電システム
242 送電システム
300 予防策を決定するための方法
400 出力データを決定するためのプロセス
602 正常状態
604 故障状態
606 回復状態
608 切断状態
610 隠れた故障状態
612 正常状態602から故障状態604への状態遷移確率
614 正常状態602から切断状態608への状態遷移確率
616 正常状態602から隠れた故障状態610への状態遷移確率
618 故障状態604から回復状態606への状態遷移確率
620 故障状態604から切断状態608への状態遷移確率
621 エージェントが故障状態を保持する状態遷移確率
622 回復状態606から正常状態602への状態遷移確率
624 回復状態606から切断状態608への状態遷移確率
626 隠れた故障状態610から切断状態608への状態遷移確率
628 エージェントが故障状態610を保持する状態遷移確率

Claims (10)

  1. 自己回復式電力網(10)の状態を決定する方法であって、
    1つ以上の電力網構成要素に対応するそれぞれの実時間監視データ(32,34,36)を受け取る段階(304)であって、1つ以上のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)が前記電力網構成要素(212,214,222,224)に結合されている、当該段階(304)と、
    前記受け取った実時間監視データ(32,34,36)に基づいてそれぞれの現在の伝染性状態(33)を決定する段階と、
    それぞれの現在の伝染性状態(33)に基づいてそれぞれの出力データ(46,48)を決定する段階(306)と、
    それぞれの出力データ(46,48)を1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)と交換する段階(504,506)と、
    前記交換した出力データ(46,48)と状態遷移図(55)とに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を作成する段階と、
    を有している方法。
  2. 前記それぞれの実時間監視データ(32,34,36)を受け取る前記段階は、
    前記1つ以上の電力網構成要素(20,22,24)の実時間特性(21,23,25)を観測することによって前記それぞれの実時間監視データ(32,34,36)を作成する段階、及び
    前記それぞれの実時間監視データ(32,34,36)をそれぞれのエージェント(38,40,42,202,204,206,208)へ送る段階
    を含んでいる、請求項1記載の方法。
  3. 前記それぞれの出力データ(46,48)を決定する前記段階は、現在の伝染性状態(33)がデッド状態であるか否か検証する段階を有している、請求項1記載の方法。
  4. 前記それぞれの出力データ(46,48)を1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)と交換する前記段階は、
    前記それぞれの出力データ(46,48)を1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)へ伝送する段階、及び
    前記1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)に対応する出力データ(46,48)を受け取る段階
    を含んでいる、請求項1記載の方法。
  5. 前記それぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を作成する前記段階は、
    1つ以上のパラメータ(60)と前記状態遷移図(55)とに基づいて1つ以上の状態遷移確率を作成する段階、及び
    前記1つ以上の状態遷移確率に基づいて前記それぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を作成する段階
    を含んでいる、請求項1記載の方法。
  6. 前記1つ以上のパラメータ(60)は、故障拡大率、電力網構成要素除去率、観測確率、又はそれらの組合せを有している、請求項5記載の方法。
  7. 更に、前記1つ以上の新しい伝染性状態と前記状態遷移図とに基づいて1つ以上のカスケード故障を決定する段階と、
    前記1つ以上のカスケード故障の決定に基づいてカスケード故障フラグを作成する段階(718)と、
    を有している請求項5記載の方法。
  8. 更に、前記カスケード故障フラグに基づいて1つ以上の予防策を決定する段階を有している請求項7記載の方法。
  9. 更に、前記それぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を前記それぞれの現在の伝染性状態(33)に等しくするによって前記それぞれの現在の伝染性状態(33)を更新する段階と、
    前記更新された現在の伝染性状態に基づいてそれぞれの更新出力データを作成する段階と、
    を有している請求項1記載の方法。
  10. 複数の電力網構成要素(20,22,24)と、
    前記複数の電力網構成要素(20,22,24)に結合された複数の監視層(26,28,30)であって、前記複数の電力網構成要素(20,22,24)の1つ以上の実時間特性(21,23,25)を観測して、それぞれの実時間監視データ(32,34,36)を作成する複数の監視層(26,28,30)と、
    前記監視層(26,28,30)に通信可能に結合された複数のエージェント(202,204,206,208)と、
    を有している自己回復式電力網(10)であって、
    前記複数のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)の内の1つ以上のエージェントが、
    1つ以上の電力網構成要素に対応するそれぞれの実時間監視データ(32,34,36)を受け取る段階(304)であって、1つ以上のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)が前記電力網構成要素(212,214,222,224)に結合されている、当該段階(304)、
    前記受け取った実時間監視データ(32,34,36)に基づいてそれぞれの現在の伝染性状態(33)を決定する段階、
    それぞれの現在の伝染性状態(33)に基づいてそれぞれの出力データ(46,48)を決定する段階(306)、
    それぞれの出力データ(46,48)を1つ以上の近隣のエージェント(38,40,42,202,204,206,208)と交換する段階(504,506)、並びに
    前記交換した出力データ(46,48)と状態遷移図(55)とに基づいてそれぞれの新しい伝染性状態(50,52,54)を作成する段階
    を遂行することを特徴とする、自己回復式電力網(10)。
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