JP2011111531A - インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法 - Google Patents

インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐オゾン性に優れた画像を形成することができ、優れた吐出安定性を有するインクジェット記録用水性インク組成物を提供する。
【解決手段】水性インク組成物を水と、下記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料と、グリセリンまたはその誘導体からなる第1の水溶性有機溶剤と、logP値が−1.4以上−0.7以下であるとともに全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%以上である第2の水溶性有機溶剤と、を少なくとも含んで構成する。
Figure 2011111531

(一般式(B−1)中、A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す。TおよびTは、各々=CR−および−CR=等を表す。VおよびR〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基等を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インク組成物および画像形成方法に関する。
インクジェット記録用インクに用いられる着色剤には、溶剤等の媒体に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
これらの要求に対して、近年、高堅牢性、特に環境中の活性ガスに対して堅牢なインクジェットインク用染料が、各社で精力的に開発されている。例えば、染料の酸化電位が0.8V(vsSCE)より貴である染料を用いたインクセットが開示されており(例えば、特許文献1参照)、環境中の活性ガスに対して堅牢な画像を形成可能とされている。また、これらのインクジェット用染料と特定の有機溶剤とを組み合わせたインクを用いる画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−331699号公報 特開2009−235113号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の水性インク組成物では、特定構造の染料との組み合わせにおいて、充分な吐出安定性が得られない場合があった。
本発明は、優れた吐出安定性と耐オゾン性を有するインクジェット記録用水性インク組成物およびこれを用いた画像形成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 水と、下記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料と、グリセリンおよびグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の水溶性有機溶剤と、logP値が−1.4以上−0.7以下であるとともに全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%以上である第2の水溶性有機溶剤と、を少なくとも含有するインクジェット記録用水性インク組成物。
Figure 2011111531
(一般式(B−1)中、A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(Aは1価の基であり、Bは二価の基である)。TおよびTは、各々=CR−および−CR=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR−または−CR=を表す。V、RおよびRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、およびヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。RおよびRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、RおよびRが同時に水素原子であることはない。また、RとRまたはRとRが結合して5〜6員環を形成しても良い)
<2> 前記第2の水溶性有機溶剤のlogP値が−1.3以上−0.7以下である前記<1>に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<3> 前記第1の水溶性有機溶剤の含有率が0.5〜30質量%である前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<4> 25℃における表面張力が29〜35mN/mである前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<5> 25℃における粘度が2mPa・s以上8mPa・s以下である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物を、圧電素子を有するインクジェットヘッドを用いて、記録媒体上に吐出して画像を形成するインク吐出工程を含む画像形成方法。
<7> 前記インク吐出工程は、前記圧電素子を有するインクジェットヘッドを、20kHz以上の周波数で駆動して、前記インクジェット記録用水性インク組成物を吐出することを含む前記<6>に記載の画像形成方法。
本発明によれば、優れた吐出安定性と耐オゾン性を有するインクジェット記録用水性インク組成物およびこれを用いた画像形成方法を提供することができる。
圧電素子を有するインクジェットヘッドの内部構造の一例を示す概略断面図である。
<インクジェット記録用水性インク組成物>
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ということがある)は、水と、後述する一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料と、グリセリンおよびグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の水溶性有機溶剤と、logP値が−1.4以上−0.7以下であるとともに全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%以上である第2の水溶性有機溶剤と、を少なくとも含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
一般にインクジェット記録においては、インクジェットヘッドから吐出されるインク滴の吐出速度の上昇に伴い、吐出されたインク滴の分裂に起因するサテライトと呼ばれる微小なインク滴が発生し、印画品質の低下を招く場合があった。特に一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料を含む水性インク組成物では、他の染料を含む水性インク組成物に比べてインク吐出速度を、より高速化することに困難を伴うことがあった。
しかしながら、特定の水溶性有機溶剤を含む本発明の水性インク組成物の構成をとることにより、高いインク吐出速度を達成することができ、さらには優れた吐出安定性およびメンテナンス性をも達成することができる。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、グリセリンおよびグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の水溶性有機溶剤と、logP値が−1.4以上−0.7以下であるとともに全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%以上である第2の水溶性有機溶剤の少なくとも1種とを含むが、必要に応じて、これら以外の水溶性有機溶剤をさらに含むことができる。
−第1の水溶性有機溶剤−
本発明のインク組成物は、グリセリンおよびグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の水溶性有機溶剤を含む。前記第1の水溶性有機溶剤は、例えば、湿潤剤として機能する。
前記グリセリン誘導体としては、グリセリンに由来する構造を含む水溶性有機溶剤であれば特に制限はなく、例えば、グリセリンのエーテル誘導体、グリセリンのエステル誘導体、ポリグリセリン、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物(例えばエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物)等を挙げることができる。中でも、十分な水溶性及び湿潤剤としての機能を確保する上で、ポリグリセリンおよびグリセリンのアルキレンオキサイド付加物がより好ましい。
ポリグリセリンとしては、例えばジグリセリン(例えばユニグリG−2(日油(株)製))やトリグリセリン等が挙げられる。
グリセリンのアルキレンオキサイド付加物としては、例えばトリオキシエチレングリセリルエーテル、トリオキシプロピレングリセリルエーテル(例えばGP−250(三洋化成工業(株)製))、ヘキサオキシエチレングリセリルエーテル,ヘキサオキシプロピレングリセリルエーテル(例えばGP−400(三洋化成工業(株)製))、ヘキサデカオキシエチレングリセリルエーテル、ヘキサデカオキシプロピレングリセリルエーテル(例えばGP−1000(三洋化成工業(株)製))、POP(4)ジグリセリルエーテル(例えばSC−P400(阪本薬品工業(株)製))、POP(9)ジグリセリルエーテル(例えばSC−P750(阪本薬品工業(株)製))、POE(20)ジグリセリルエーテル(例えばSC−E1000(阪本薬品工業(株)製))、POE(40)ジグリセリルエーテル(例えばSC−E2000(阪本薬品工業(株)製))などが挙げられる。
尚、POP(4)ジグリセリルエーテルはジグリセリンにプロピレンオキサイドが4つ付加した化合物を意味し、POE(20)ジグリセリルエーテルはジグリセリンにエチレンオキサイドが20付加した化合物を意味し、他も同様である。
本発明における第1の水溶性有機溶剤としては、吐出速度と吐出安定性の観点から、グリセリン、ポリグリセリン、およびグリセリンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、グリセリン、およびグリセリンのアルキレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
更に具体的には、グリセリン、ジグリセリン、トリオキシエチレングリセリルエーテル、トリオキシプロピレングリセリルエーテル、ヘキサオキシエチレングリセリルエーテル、ヘキサオキシプロピレングリセリルエーテル、POP(4)ジグリセリルエーテル、およびPOP(9)ジグリセリルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、グリセリン、トリオキシエチレングリセリルエーテル、トリオキシプロピレングリセリルエーテル、ヘキサオキシエチレングリセリルエーテル、およびヘキサオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記第1の水溶性有機溶剤のインクジェット記録用水性インク組成物に対する含有率としては、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。前記第1の水溶性有機溶剤を0.5質量%以上含むことで、湿潤剤としてより効果的に機能し、ノズル表面が乾きにくくなりノズル詰まりの発生をより効果的に抑制できる。また、30質量%以下の含有率とすることで、インクの粘度が高くなりすぎず、吐出性がより向上し、印字後の画像濃度がより向上する。
−第2の水溶性有機溶剤−
前記第2の水溶性有機溶剤としては、logP値が−1.4以上−0.7以下である水溶性有機溶剤であれば特に制限はないが、吐出速度と吐出安定性の観点から、logP値が−1.3以上−0.7以下であることが好ましく、−1.2以上0.7以下であることがより好ましい。
logP値が−1.4未満の水溶性有機溶剤では吐出されたインク滴が分裂してサテライトが発生しやすくなる場合がある。
またlogP値が−0.7を超える水溶性有機溶剤ではインク滴の吐出速度が遅くなる場合があり、所望の吐出速度を得るためにより高い駆動電圧が必要となり、結果として吐出されたインク滴の安定性が低下しサテライトが発生しやすくなる場合がある。さらには水溶性アゾ染料が析出しやすくなる傾向にあり、その結果としてノズルの目詰まり等が発生しやすくなりメンテナンス性が低下する場合がある。
本発明におけるlogP値は、1−オクタノール相と水相の間での物質(本発明においては、水溶性有機溶剤)の分配を表す尺度であり、下式で定義されるオクタノール−水−分配係数(logP)の計算値(ClogP)を意味する。
(式) logP=log([物質]Octanol/[物質]Water
式中、[物質]Octanolは1−オクタノール相中の対象となる物質のモル濃度であり、[物質]Waterは水相中の対象となる物質のモル濃度を示す。
分配係数の計算値(ClogP)の具体的な算出方法は、ClogP計算プログラムとして市販されているDaylight Chemical Information Systems社のCLOGPプログラム(ClogP Tool(ver1.02)、アルゴリズム=4.01、フラグメントデータベース=17)を用いる。このプログラムは、「Hansch−Leoのフラグメント法」に基づいたものである。
種々の水溶性有機溶剤について具体的なClogP値を下記表1に示した。
Figure 2011111531
本発明における第2の水溶性有機溶剤は、logP値(すなわち、表1におけるClogP値)が−1.4以上−0.7以下であれば特に制限はなく、例えば、上記表1に記載の水溶性有機溶剤からClogP値が−1.4以上−0.7以下の水溶性有機溶剤を適宜選択することができる。
中でも、吐出速度と吐出安定性の観点から、エチレングリコール(−1.369)、プロピレングリコール(−1.060)、1,3−ブタンジオール(−0.728)、ジエチレングリコール(−1.305)、メタノール(−0.764)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(−0.742)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(−0.878)、2−ピロリドン(−0.973)、スルホラン(−0.984)、炭酸エチレン(−0.902)、ジメチルスルホキシド(−1.378)、ジメチルホルムアミド(−1.083)、およびジメチルアセトアミド(−0.802)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらにこれらの中でも、インクジェットプリンターに使用されている部材の耐性、臭い、安全性などの点から、モノアルコール、グリコール(ジアルコール)、およびジアルコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびトリエチレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明における第2の水溶性有機溶剤は、上記のように特定範囲のlogP値によって特徴付けられる。一般にlogP値はある意味では物質の親疎水性の指標となるものであるが、同様の指標であるI/O値等では本発明の効果を奏する水溶性有機溶剤を特徴づけることが困難である。
本発明のインク組成物における前記第2の水溶性有機溶剤の含有率は、全水溶性有機溶剤に対して60質量%以上であるが、吐出速度および吐出安定性の観点から、60〜95質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。前記第2の水溶性有機溶剤の含有率が全水溶性有機溶剤に対して60質量%未満では、充分な吐出速度が得られなかったり、安定にインクを吐出できなかったりする場合がある。
また前記インク組成物は、第2の水溶性有機溶剤を1種単独でも2種以上の組み合わせとして含んでいてもよい。前記インク組成物が第2の水溶性有機溶剤を2種以上含む場合、それらの含有率の合計が全水溶性有機溶剤に対して60質量%以上であればよい。
本発明のインク組成物は、前記第1の水溶性有機溶剤および第2の水溶性有機溶剤以外の第3の水溶性有機溶剤の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。第3の水溶性有機溶剤としては、グリセリンおよびグリセリン誘導体以外の水溶性有機溶剤であってlogP値が−1.4未満のものおよびlogP値が−0.7を超えるものが挙げられる。
具体的には、例えば、特開2009−235113号公報の段落番号[0460]〜[0461]、[0468]に例示された水溶性有機溶剤を挙げることができ、これらから適宜選択して用いることができる。
また第3の水溶性有機溶剤の含有率としては、特に制限はなく、第2の水溶性有機溶剤の全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%未満とはならない範囲で適宜選択することができる。
本発明のインク組成物は、インク吐出速度と吐出安定性の観点から、前記第1の水溶性有機溶剤としてグリセリン、ポリグリセリンおよびグリセリンのアルキレンオキシド付加物から選ばれる少なくとも1種を0.5〜30質量%と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、メタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、スルホラン、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる第2の水溶性有機溶剤を全水溶性有機溶剤に対して60〜95質量%含むことが好ましく、前記第1の水溶性有機溶剤としてグリセリンを1〜10質量%と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、およびトリエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれる第2の水溶性有機溶剤を全水溶性有機溶剤に対して70〜95質量%含むことがより好ましい。
(水)
本発明のインク組成物は、上述した水溶性有機溶剤とともに水を含む。本発明における水としては、イオン交換水、蒸留水などのイオン性不純物を含まない水を用いることが好ましい。また、インク組成物における水の含有率は、目的に応じて適宜選択されるが、通常、10〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
(水溶性アゾ染料)
本発明のインク組成物は、下記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料(好ましくは、ブラック染料)の少なくとも1種を含む。下記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料を含み、水溶性有機溶剤の構成が上述した特定の構成であることにより、インクの吐出速度および吐出安定性に優れ、高精細で耐オゾン性に優れる画像を高速に形成することができる。
Figure 2011111531
一般式(B−1)中、A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(Aは1価の基であり、Bは二価の基である)。
およびTは、各々=CR−および−CR=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR−または−CR=を表す。
、RおよびRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
およびRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、RおよびRが同時に水素原子であることはない。また、RとRまたはRとRが結合して5〜6員環を形成しても良い。
前記一般式(B−1)で表される化合物として好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)の態様の少なくとも1つを満たすものであり、(イ)〜(ホ)の態様の少なくとも2以上を満たすものであることがより好ましく、(イ)〜(ホ)の態様のすべてを満たすものであることが特に好ましい。
(イ)Aは、置換されたフェニル基、置換されたナフチル基、置換または無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でもイオン性親水性基で置換されたフェニル基、ナフチル基、置換基を有する5〜6員の含窒素へテロ環が好ましく、特にスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に2つ以上のスルホ基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む)で置換されたフェニル基、ナフチル基が好ましく、2または3個のスルホ基(それらの塩を含む)で置換されたナフチル基が最も好ましい。
(ロ)Bは、置換基を有する5〜6員ヘテロ環基が好ましく、その中でも置換基を有する5員ヘテロ環基が好ましい。特に好ましいヘテロ環は、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が挙げられる。
(ハ)TおよびTは、各々=CR−および−CR=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR−または−CR=を意味するが、好ましくはTおよびTは、各々=CR−および−CR=を表す場合がより優れた性能を発揮できる点で好ましい。
(ニ)R、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が好ましく、更に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、特に水素原子、置換基を有するアリール基、置換基を有するヘテロ環基が好ましく、水素原子、置換基を有するアリール基が最も好ましい。但し、R、Rが同時に水素原子であることはない。また、RとR、あるいはRとRが結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(ホ)Vは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基を表し、その中でも水素原子、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基が好ましく、特に置換基を有するアミノ基が好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するアリール基で置換したアミノ基(置換アニリノ基等)が最も好ましい。
また、一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料(ブラック染料)の好ましい具体例としては、特開2007−138124号公報の[0669]〜[0772]に記載の化合物が挙げられる。
本発明においては上記ブラック染料に対して、色相の調整や退色速度の調整等の目的で、他の染料を併用しても良い。併用する上で好適な染料の具体例としては、例えば特開2007−138124号公報の[0779]〜[0792](ブラック染料の併用染料)に記載の化合物が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物における前記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料の含有率としては、インク組成物100質量部中、前記水溶性アゾ染料を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましい。
また、本発明におけるインク組成物は、2種類以上の水溶性アゾ染料を併用してもよく、その場合に用いられる各染料の酸化電位はそれぞれ1.0Vより貴であることが好ましい。またインク組成物中の水溶性アゾ染料の50%以上の酸化電位が1.0Vより貴であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、例えば、水と前記第1および第2の水溶性有機溶剤を含む水性媒体中に、前記水溶性アゾ染料を溶解させることによって調製することができる。
また必要に応じてその他の添加剤が、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
これらの各種添加剤としては、例えば、特開2009−235113号公報の段落番号[0460]〜[0487]等に記載の添加剤から適宜選択して用いることができる。
本発明のインク組成物の表面張力は、25℃において20〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mがより好ましく、29〜35mN/mがさらに好ましい。20mN/m以上であることで、記録媒体上での滲みの発生を抑制することができ、また吐出安定性がより向上する。また70mN/m以下であることで記録媒体へのインク浸透が良好になり、発色性が向上する。
インク組成物の表面張力は、例えば、プレート法を用いて25℃で測定することができる。
また本発明のインク組成物の粘度は、25℃で30mPa・s以下が好ましく、1.5〜20mPa・sがより好ましく、2〜8mPa・sがさらに好ましい。1.5mPa・s以上であることで吐出安定性がより向上する。また20mPa・s以下であることでインクジェットヘッドにおけるノズルの目詰まりが効果的に抑制される。
インク組成物の粘度は、例えば、E型粘度計TV−22(東機産業(株)製)を用いて25℃で測定することができる。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、前記インクジェット記録用インク組成物を、圧電素子を有するインクジェットヘッドを用いて、記録媒体上に吐出して画像を形成するインク吐出工程を含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
前記インクジェット記録用水性インク組成物を用いて画像を形成することにより、耐オゾン性に優れる画像を高精細かつ高速に形成することができる。
(インク吐出工程)
本発明の画像形成方法においては、圧電素子を有するインクジェットヘッドから前記インク組成物が吐出される。
圧電素子を有するインクジェットヘッドの一例として、図1にその内部構造の一例が概略断面図として示されるインクジェットヘッドを挙げることができる。
図1に示すように、インクジェットヘッド100は、吐出口(ノズル)を有するノズルプレート11と、ノズルプレートの吐出方向と反対側に設けられたインク供給ユニット20とを備えている。ノズルプレート11には、インクを吐出する複数の吐出口12が設けられている。
インク供給ユニット20は、ノズルプレート11の複数の吐出口12のそれぞれとノズル連通路22を介して連通する複数の圧力室21と、複数の圧力室21のそれぞれにインクを供給する複数のインク供給流路23と、複数のインク供給流路23にインクを供給する共通液室25と、複数の圧力室21のそれぞれを変形する圧力発生手段30とを備えている。
インク供給流路23は、ノズルプレート11と圧力発生手段30の間に形成されており、共通液室25に供給されたインクが送液されるようになっている。このインク供給流路23には、圧力室21との間を繋ぐ供給調整路24の一端が接続されており、インク供給流路23から供給されるインク量を所要量に絞って圧力室21に送液することができる。供給調整路24は、インク供給流路23に複数設けられ、このインク供給流路23を介して圧力発生手段30に隣接して設けられた圧力室21にインクが供給される。
このように、複数の吐出口にインクを多量に供給することが可能である。
圧力発生手段30は、圧力室21側から振動板31、接着層32、下部電極33、圧電体層34、上部電極35を順に積み重ねて構成されており、外部から駆動信号を供給する電気配線が接続されている。画像信号に応じて圧電素子である圧力発生手段30が変形することで、インクがノズル連通路22を介してノズル12から吐出される。
また、吐出口12の近傍には、循環絞り41が設けられており、常時インクが循環路42へ回収されるようになっている。これにより、非吐出時の吐出口近傍のインクの増粘を防止することができる。
本発明の画像形成方法における前記圧電素子の駆動周波数には特に制限はないが、高速記録の観点から、15kHz以上であることが好ましく、20kHz以上であることがより好ましい。
また圧電素子の駆動電圧にも特に制限はなく、使用するインクジェットヘッドに応じて適宜選択することができるが、高速記録の観点から、10V以上であることが好ましく、10〜20Vであることがより好ましい。
前記記録媒体としては、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙を挙げることができる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善したり目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638号公報、特開2002−121440号公報、特開2002−154201号公報、特開2002−144696号公報、2002−080759号公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
(ブラックインクBk−101の調製)
下記インク処方の成分にイオン交換水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してブラックインクBk−101を調製した。
〔インク処方:ブラックインクBk−101〕
(固形分)
・ブラック染料1(下記ブラック用主染料Bk−1) :62.0g/l
・ブラック染料2(下記ブラック用補色染料Bk−2) :10.0g/l
・プロキセルXL−2(アーチケミカルジャパン(株)製) :1.0g/l
(液体成分)
−水溶性有機溶剤−
・グリセリン :83g/l
・トリエチレングリコール :11g/l
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル :84g/l
・1,2−ヘキサンジオール :16g/l
−その他の成分−
・オルフィンE1010(日信化学(株)製) :10g/l
Figure 2011111531
(ブラックインクBk−102〜114、119、120の調製)
上記ブラックインクBk−101の調製において、水溶性有機溶剤の種類と添加量を下記表2に示したようにそれぞれ変更した以外は上記と同様にして、ブラックインクBk−102〜114、119、120をそれぞれ調製した。
Figure 2011111531
尚、表2中、水溶性有機溶剤の略号は以下の通りである。
Gly:グリセリン、GP−250:トリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業(株)製)、TEG:トリエチレングリコール、EG:エチレングリコール、PG:プロピレングリコール、DEGmME:ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,3−BD:1,3−ブタンジオール、DPG:ジプロピレングリコール、1,2−BD:1,2−ブタンジオール、DEGmEE:ジエチレングリコールモノエチルエーテル、DPGmME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール、DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル。
(ブラックインクBk−115の調製)
上記ブラックインクBk−104の調製において、上記ブラック用主染料Bk−1の代わりに、下記ブラック用主染料Bk−3を用いたこと以外はブラックインクBk−104と同様にして、ブラックインクBk−115(比較例)を調製した。
Figure 2011111531
(ブラックインクBk−116〜118の調製)
上記ブラックインクBk−104の調製において、オルフィンE1010(界面活性剤)の代わりに、タージトールSA−7(ダウケミカル(株)製)を用いたこと以外はブラックインクBk−104と同様にして、ブラックインクBk−116を調製した。
またブラックインクBk−108、109についても同様にして、界面活性剤を変更したブラックインクBk−117、118をそれぞれ調製した。
<画像形成および評価>
図1に示したような圧電素子を有するインクジェットヘッドを用意し、これに繋がる貯留タンクに上記で得たブラックインクBk−101〜Bk−120を詰め替えた。記録媒体としてインクジェット受像紙「画彩」(富士フイルム(株)製)を、500mm/秒で所定の直線方向に移動可能なステージ上に固定した。
その後、インクジェットヘッドを、前記ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶヘッドの方向(主走査方向)が75.7度傾斜するように固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にてインクを吐出した。
副走査方向の一方向での印画(往路印画)が終了した後に、ヘッドを副走査 主走査方向に所定量移動した後、往路印画とは反対方向へ同じ速度で移動させて印画を行なった(復路印画)。印画は予め任意に選定した100ノズルからインクを吐出して行ない、ドットが直線的に連続して並ぶ2列のライン(往路印画のラインと復路印画のライン)が100組含まれる画像を形成した。この際に、圧電素子の駆動電圧を13Vから18Vの間で変更することで、吐出速度を変えて印画した印画サンプル1を作製した。尚、吐出波形としては、単純な矩形波を用いた。
(吐出安定性評価)
−吐出速度−
上記で得られた印画サンプル1について、往路印画と復路印画における所定ドットの位置間隔をマイクロスコープで測定し、その結果をもとにインク滴の吐出速度を算出した。
−サテライト発生率−
上記で得られた100組のラインのドットをそれぞれ観察し、サテライトの発生によりドットが分裂しているノズルの割合を、サテライト発生率として100ノズルに対するパーセントで算出した。
尚、ここでいうサテライトとは、ノズルから吐出されたインク滴の分裂に起因して、記録媒体上の所望の位置とは異なる位置に、形成されたドット画像を意味する。
吐出速度を横軸に、サテライト発生率を縦軸にプロットし、各インクの吐出速度が9.5m/sに対応するサテライト発生率を算出し、以下の評価基準に従って各インクの吐出安定性評価を行なった。
〜評価基準〜
A:吐出速度9.5m/sにおけるサテライト発生率が0%以上20%未満
B: 〃 20%以上40%未満
C: 〃 40%以上60%未満
D: 〃 60%以上
尚、サテライトの発生は、吐出波形を調整する事である程度改善されるが、評価基準C〜Dランクは波形による調整が困難なレベルである。
(ノズル詰まり評価1)
上記吐出安定性評価で用いた装置を用い、100ノズルの全てからインクが吐出されている事を確認した後、23℃60%の環境下でヘッドを記録媒体から1mm離れた位置でキャップをせず24時間放置した。放置後にヘッドクリーニングを1回行なった後、前記100ノズルからインクの吐出を行なった。
インクが吐出されないノズルの割合をノズル詰まり率として100ノズルに対するパーセントで算出し、以下の評価基準にて各インクのノズル詰まり評価を行なった。尚、評価Bが実用上許容できる限界レベルである。
〜評価基準〜
A:ノズル詰まり率が5%未満
B:ノズル詰まり率が5%以上20%未満
C:ノズル詰まり率が20%以上40%未満
D:ノズル詰まり率が40%以上
(耐オゾン性評価)
上記吐出安定性評価で用いた装置を用いて、23℃50%RHの環境下で印画を行い、ブラック単色で印画濃度が異なるベタ画像が形成された印画サンプル2を作製した。
印画直後の反射濃度(V)が約0.8の部分の画像濃度Ciを反射濃度計(X−rite310TR、X−Rite社製)にて測定した後、印画サンプル2をオゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に5日間放置した。オゾンガス下放置後の画像濃度(Cf)を反射濃度計(X−rite310TR、X−Rite社製)を用いて測定し、染料残存率Cf/Ci×100を求め、下記評価基準に従って評価した。尚、評価Bが実用上許容できる限界レベルである。
〜評価基準〜
A:染料残存率が90%以上
B:染料残存率が80%以上90%未満
C:染料残存率が70%以上80%未満
D:染料残存率が70%未満
(表面張力)
上記で得られたインク組成物について、表面張力を、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定し、結果を表3に示した。
(粘度)
上記で得られたインク組成物について、粘度を、E型粘度計TV−22(東機産業(株)製)を用いて25℃の条件下で測定し、結果を表3に示した。
Figure 2011111531
尚、Bk−114の吐出安定性評価においては、吐出速度が9.5m/sに達する前にサテライト発生率が100%に達したため、評価基準外とした。
表3から、本発明のインクは優れた吐出安定性を示すことが分かる。また形成された画像の耐オゾン性に優れ、ノズル詰まりの発生が抑制されることが分かる。
また、Bk−109で使用した1,3−ブタンジオールとBk−111で使用した1,2−ブタンジオールは同一のI/O値を示すが、ClogP値が異なり、本発明の要件を満たす1,3−ブタンジオールのみが本発明の効果を奏することが分かる。
(ノズル詰まり評価2)
上記で得られたブラックインクBk−104、108、109、116〜118の6種を、市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製PM−A700、ピエゾヘッド搭載)用のインクカートリッジに充填した後、プリンターに装填した。所定のノズルチェックパターンを印画し、ノズル詰まりによるドット欠けが発生していないことを確認した後、23℃60%RHの環境下で24時間放置した。その後、再び所定のノズルチェックパターンを印画し、ノズル詰まりによるドット欠けが無く、きれいなパターンが印画できるまで機器標準のヘッドクリーニングを繰り返した。各インクに対して必要としたヘッドクリーニング回数を用いて、以下の基準によりノズル詰まりの評価を行なった。
〜評価基準〜
A:ヘッドクリーニング回数が1〜2回でドット欠けが発生しなくなった。
B:ヘッドクリーニング回数が3〜5回でドット欠けが発生しなくなった。
C:ヘッドクリーニング回数が5回でもドット欠けが発生した。
なお、新しいインクカートリッジをプリンターに装填すると、自動的にヘッドクリーニングが行なわれるが、上記評価はその回数も含んでいる。結果を表4に示す。
Figure 2011111531
表4より、本発明のインク組成物はノズル詰まりからの回復性が良好であることが分かる。またさらに表面張力を下げたBk−116〜118においては、高速吐出安定性が良好な上に、市販プリンター等でもさらに良好な吐出性を有し、さらに汎用性が高いことがわかる。
11 ノズルプレート
12 吐出口
30 圧力発生手段
100 インクジェットヘッド

Claims (7)

  1. 水と、
    下記一般式(B−1)で表される水溶性アゾ染料と、
    グリセリンおよびグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の水溶性有機溶剤と、
    logP値が−1.4以上−0.7以下であるとともに全水溶性有機溶剤に対する含有率が60質量%以上である第2の水溶性有機溶剤と、
    を少なくとも含有するインクジェット記録用水性インク組成物。
    Figure 2011111531

    (一般式(B−1)中、
    A、Bは、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよいヘテロ環基を表す(Aは1価の基であり、Bは二価の基である)。
    およびTは、各々=CR−および−CR=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR−または−CR=を表す。
    、RおよびRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基、およびヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヘテロ環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロ環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
    およびRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、RおよびRが同時に水素原子であることはない。また、RとRまたはRとRが結合して5〜6員環を形成しても良い)
  2. 前記第2の水溶性有機溶剤のlogP値が−1.3以上−0.7以下である請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  3. 前記第1の水溶性有機溶剤の含有率が0.5〜30質量%である請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  4. 25℃における表面張力が29〜35mN/mである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  5. 25℃における粘度が2mPa・s以上8mPa・s以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物を、圧電素子を有するインクジェットヘッドを用いて、記録媒体上に吐出して画像を形成するインク吐出工程を含む画像形成方法。
  7. 前記インク吐出工程は、前記圧電素子を有するインクジェットヘッドを、20kHz以上の周波数で駆動して、前記インクジェット記録用水性インク組成物を吐出することを含む請求項6に記載の画像形成方法。
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