JP2010520766A - 細胞培養用三次元ガムマトリックス、製造方法および使用方法 - Google Patents

細胞培養用三次元ガムマトリックス、製造方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、三次元多孔質細胞培養マトリックスまたはスカフォードに関する。さらに具体的には、本発明は、天然ガム類、植物ガム類、ガラクトマンナンガム類またはそれらの誘導体などのガム類に由来するか、またはそれらを含有する細胞培養用三次元多孔質細胞培養マトリックスまたはスカフォードに関する。本発明はまた、このようなマトリックスまたはスカフォードを有する製品(例えば、細胞培養槽および実験器具)、これらの材料を細胞培養表面に適用する方法、およびこれらの三次元多孔質細胞培養マトリックスまたはスカフォードを有する細胞培養槽を用いる方法に関する。

Description

関連出願の説明
本出願は、参照として本明細書に援用されている2007年3月9日に出願され、標題が「Coatings for Cell Culture Surfaces」である米国仮特許出願第60/906,129号明細書の利益を主張する。本出願は、___に出願され、標題が「Gum Coatings for Cell Culture,Methods of Manufacture and Methods of Use」である特許出願___号明細書に関する。
本発明は、細胞培養表面およびマトリックスに関する。さらに具体的には、本発明は、天然ガム類、植物ガム類、ガラクトマンナンガム類またはそれらの誘導体などのガム類に由来するか、またはそれらを含有する細胞培養表面およびマトリックスに関する。さらにより具体的には、本発明は、細胞培養用三次元指向性多孔質材料を製造するために処理される天然ガム類に関する。本発明はまた、このようなマトリックスを有する製品(例えば、細胞培養槽および実験器具)、このマトリックスを作製し、細胞培養表面に提供する方法、およびこのようなマトリックスを有する細胞培養槽を用いる方法に関する。
細胞のインビトロ培養は、細胞生物学研究に必要な材料を提供し、薬理学、生理学および毒物学の分野を進歩させるための多くの基礎を提供する。しかしながら、細胞培養培地に浸された培養槽中のインキュベーターに生存する単離培養真核細胞は、インビボでの個々の細胞と比較して、極めて異なった特性を有することが多い。真核細胞の一次および二次培養物に対して実施された実験から得られた情報は、培養された細胞が無処置細胞と同じ特性を有する範囲でのみ薬理学者、生理学者および毒物学者に対して有益な情報となる。
真核細胞は、細胞培養槽の表面で増殖することができる。例えば、液体培地中の細胞を、細胞培養フラスコまたは多ウェル細胞培養プレートなどの細胞培養槽に導入し、この細胞培養槽をインキュベーターなどの好適な環境に置き、細胞を細胞培養槽の表面上に置き、そこでそれらを付着、増殖、および分裂させることができる。
しかしながら、なかには、平板状表面で増殖させると、他よりも機能の良好な細胞がある。より自然的な表現型を維持するために、また、最適なインビトロデータを提供するために異なった表面を必要とする細胞もある。
本発明は、天然ガム類、植物ガム類、ガラクトマンナンガム類またはそれらの誘導体などの少なくとも1種のガム材料から作製された三次元多孔質細胞培養マトリックスに関する。一実施形態において、本発明は、少なくとも1種のガラクトマンナンガムから作製された三次元多孔質細胞培養マトリックスまたはスカフォードに関する。ガラクトマンナンガム類としては、ローカストビーンガム(イナゴマメビーンガム、イナゴマメ種子ガム、イナゴマメガムとしても知られている)、グアーガム、カッシアガム、タラガム、メスキートガム、およびコロハガムが挙げられる。複数の実施形態において、ガラクトマンナンガムは、1:1から5:1または10:1のマンノース/ガラクトース比を有することができる。複数の実施形態において、三次元マトリックスは指向性であり得る。すなわち、三次元多孔質マトリックスの多孔質構造を、一方向または多方向に走向するポアを形成するために、製造工程で方向づけることができる。複数の実施形態において、ガム材料を、加工し、精製し、化学的に修飾し、処理し、加熱または凍結融解サイクルに供し、他のガム類または生物活性材料などの他の材料と混合し、荷電させ、硬化させ、軟化させあるいは化学的もしくは物理的に修飾するか別様に修飾し、特定の細胞培養の要求に合わせるために「調整」または「調整可能」にすることができる。複数の実施形態において、ガムマトリックスを、ゲル、ヒドロゲルの形態で乾燥、湿潤させ、細胞培養物表面に付着させるかまたは培養物中に自由に浮遊させることができる。
さらに別の実施形態において、本発明の三次元多孔質細胞培養マトリックスは、より大型のフォーマットで製造することができ、このより大きなフォーマットから切断して細胞培養槽またはウェルの寸法の範囲内に合わせることができる。さらなる実施形態において、三次元多孔質細胞培養マトリックスを、細胞培養槽基体に成形されたスナップリングまたはフックであり得るピン止め装置によるか、または任意の他の方法によって細胞培養物表面に付着させるか、またはピン止めすることができる。または、代わりの実施形態において、本発明の三次元多孔質細胞培養マトリックスを、培養物中に自由に浮遊させることができる。
一実施形態において、本発明はまた、基体およびマトリックスが少なくとも1種のガラクトマンノースガムを含む三次元多孔質細胞培養マトリックスを含む真核細胞培養用細胞培養槽を含む。本発明の一実施形態において、細胞培養槽は、プラスチックまたはガラスであり得る。さらに本発明の実施形態において、細胞培養槽は実験器具であり得る。
なお別の実施形態において、本発明はまた、溶液を調製するステップと、この溶液を容器に導入するステップと、吸熱器を容器に適用するステップと、容器内の溶液を凍結させて三次元多孔質細胞培養マトリックスを形成するステップとを含む、細胞培養槽を作製する方法を含む。三次元多孔質細胞培養マトリックスは、指向性多孔質構造を有することができる。さらなる実施形態において、本発明は、細胞を三次元多孔質細胞培養マトリックスを含有する細胞培養容器に導入するステップと、細胞培養培地を添加するステップと、細胞培養槽内で肝細胞であり得る細胞をインキュベートするステップとを含む、細胞を培養する方法を含む。
本発明は、添付の図面を読み取り、以下の詳細な説明によって最もよく理解される。
本発明のピン止め装置の一実施形態を示す図である。 マトリックスの多孔質性を示す本発明のマトリックスの一実施形態における顕微鏡写真を示す図である。 マトリックスの多孔質性を示す本発明のマトリックスの一実施形態における顕微鏡写真を示す図である。 本発明のマトリックスの一実施形態において、多孔質構造の指向性展開の顕微鏡写真を示す図である。 指向性多孔質構造が放射状に配向されている本発明のマトリックスの一実施形態における斜視図である。 指向性多孔質構造が軸方向に配向されている本発明のマトリックスの一実施形態における断面図である。 本発明の凍結カプセルの断面図である。 溶液用容器および吸熱器の形状の本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の溶液用容器および吸熱器の形状の一実施形態を用いて製造できる三次元マトリックスの一実施形態を示す図である。 本発明の別の溶液用容器および吸熱器の形状の一実施形態を示す図である。 本発明の溶液用容器および吸熱器の形状の一実施形態を用いて製造できる三次元マトリックスの一実施形態を示す図である。 本発明の溶液用容器および吸熱器の形状の別の実施形態を示す図である。 本発明の凍結カプセルおよび吸熱器の形状の一実施形態を用いて製造できる三次元マトリックスの一実施形態を示す図である。 本発明のマトリックスの実施形態において、増殖している細胞の明視野、生存染色および死亡染色を示す一連の顕微鏡写真を示す図である。 本発明のマトリックスの一実施形態において、増殖している球状形態を有する肝細胞を示す明視野写真を示す図である。 Matrigel(登録商標)上で増殖している細胞のアルブミン産生と比較して、本発明のマトリックスの一実施形態において増殖している細胞のアルブミン産生のチャートを示す図である。
本発明の実施形態は、インビトロ細胞増殖にとって都合のよい細胞培養環境を与える細胞培養マトリックスを提供する。複数の実施形態において、本発明は、天然分枝状ガラクトースベースの多糖類から作製された三次元多孔質細胞培養マトリックスまたはスカフォードを提供する。これらの天然分枝状ガラクトースベースの多糖類としては、ローカストビーンガム(イナゴマメビーンガム、イナゴマメ種子ガム、イナゴマメガムとしても知られている)、グアーガム、カッシアガム、トラガカントゴム、タラガム、カラヤゴム、アカシアゴム(アラビアゴム)、ガティガム、チェリーガム、アンズガム、タマリンドガム、メスキートガム、カラマツガム、オオバコ、コロハガム、キサンタンガム、海草ガム、ジェランガム、アガーガム、カシューガム、カラゲナンおよびカードランが挙げられる。複数の実施形態において、マトリックスまたはスカフォード内に形成されたポアが指向性であるように、多糖ガムマトリックスまたはスカフォードは指向的に製造される。複数の実施形態において、指向性マトリックスは、垂直、水平、放射状、球状、星状、多指向性または任意の他の形状であり得る。複数の実施形態において、この細胞培養環境は、接着細胞に適し得る。
本発明の複数の実施形態において、これらのマトリックスまたはスカフォードは、好ましい細胞培養環境を提供する。この細胞培養環境は、一次細胞、継代細胞系、細胞群、培養組織、接着細胞、懸濁液中の細胞、胚葉体などの群の中で増殖する細胞、真核細胞、原核細胞、または任意の他の細胞型などの培養物中の任意の細胞型にとって適切であり得る。
幾つかの細胞型は、培養において特殊な要件を有する。これらの細胞培養の優先的措置は、培養における種々の細胞形態を呈し、新生または増殖特性を変え、代謝および分泌の特性を変える細胞によって示される。例えば、胚性幹細胞は、所望の細胞型に分化させることができる化学的および/または物理的シグナルに曝露させるまで細胞が未分化状態で増殖および成長させる細胞培養条件を必要とする。例えば、適切なインビトロ環境で増殖させた心細胞は、隣接細胞と一致するように拍動する。インビボでの特性に関連したインビトロ特性を有するような培養で増殖している細胞では、細胞培養条件を慎重に調節する必要がある。
例えば、肝細胞は、重要なインビボ特性をインビトロで維持するために極めて特殊な細胞培養要件を有する。肝細胞は、肝臓の一次機能細胞であり、一連の代謝、内分泌および分泌機能を実施する。肝細胞は、肝臓の60〜80%の細胞質質量を構成する。肝細胞は、移出用のタンパク質、コレステロール、胆汁酸塩およびリン脂質の合成において非常に活性であり、タンパク質の貯蔵および炭水化物の変換に関与する。インビボでの肝細胞は、身体からの外因性および内因性物質の解毒、または改変および排泄を担っている。培養での健常な肝細胞は、アルブミンおよびトランスフェリンなど、多くのタンパク質を合成し、分泌する。
肝臓の再生および分化の機序を研究するために、ならびに培養における肝細胞の特性に影響を及ぼす因子を理解するために、肝細胞の一次および二次培養物が、薬理学、毒物学および生理学研究に用いられている。今まで一次肝細胞の培養では、限定された複製寿命を示していた。さらに培養で分裂させるように刺激すると、それらは、アルブミンおよびトランスフェリンを合成し、分泌させる能力などの分化機能を一般に失う。適切に培養されると、培養された肝細胞は、肝臓特異的機能を増強させる球状構造に自己組織化する。適切に培養されないと、肝細胞は平板状細胞または細胞凝集物を形成する。アルブミン分泌およびP450活性などの肝臓特異的活性のレベルは、球状よりも平板状細胞または細胞凝集物の方が低い。
任意の細胞型の細胞を培養する場合、好ましい細胞培養環境により、インビトロでの望ましい細胞特性が促進される。再現性があって安価な様式で提供できるような環境が望ましい。さらに、これらの望ましい環境を組み込んだ細胞培養槽を必要とする。さらに望ましい細胞培養環境を組み込んでいる細胞培養槽を製造する方法および使用する方法が必要である。
説明を目的とした、限定するものではない以下の詳細な説明において、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために具体的な詳細を開示している例示的な実施形態を示す。しかしながら、本発明は、本明細書に開示された具体的な詳細から外れるその他の実施形態においても実施できることは、当業者には明らかであろう。さらに、本発明の説明を不明瞭にさせない目的で、周知の装置および方法の詳細な説明を省略する場合もある。
本発明の実施形態は、細胞培養用材料のマトリックスまたはスカフォードを含む。これらのマトリックスまたはスカフォードは、細胞培養槽または容器内に含ませるか、または導入させることができる。本発明の一実施形態において、マトリックスまたはスカフォードは少なくとも1種のガムに由来する。本明細書においてガムを検討する場合、用語の「ガム」は、天然の植物ガム源、組換え源、合成源、または天然源、組換え源および合成源の組合わせから得られる植物ガム類または植物種子ガム類を含有する任意の組成物を含むことを、当業者は理解するであろう。さらに「ガム」は、異なる供給源からの種々のガム類ならびにさらなる成分を含有するガム組成物の混合物を含む。さらに、これらのガム類を酵素的または化学的操作により修飾して所望の化学的特性を増強させることができる。
天然ガム類は天然産物に見られる。植物由来の天然ガム類の例としては、グアーガム、ローカストビーンガム(イナゴマメビーンガム、イナゴマメ種子ガム、イナゴマメガムとしても知られている)、カッシアガム、トラガカントゴム、タラガム、カラヤゴム、アカシアゴム(アラビアゴムとしても知られている)、ガティガム、チェリーガム、カシューガム、アンズガム、タマリンドガム、メスキートガム、カラマツガム、オオバコ、およびコロハガムが挙げられる。ガラクトマンナンガム類としては、ローカストビーンガム(LBG)、グアーガム、カッシアガム、タラガム、メスキートガム、およびコロハガムが挙げられる。細菌源および藻類源に由来するガム類としては、キサンタンガム、海草ガム、ジェランガム、アガーガム、カラゲナンおよびカードランが挙げられる。天然ガム類には、天然ガム類と異なる供給源からの種々のガム類との混合物、ならびに本発明の実施形態において好適な細胞培養材料を形成するために、天然供給源から採集されてから、化学的に精製、処理、修飾、調整および/または他の成分と混合したガム類が含まれることを当業者は理解するであろう。
天然ガム類は、植物が傷つけられた後、植物によって産生し得る植物の浸出液として生じ得る。傷つけられたガム産生植物は、傷(ガムの裂傷)に応答して浸出液を産生する。
この種の植物浸出液は、植物または植物種子を傷つけ、浸出液を取り出すことによって採取することができる。次いでこれらの浸出液を、塵埃、きょう雑物および他の不純物を除去して清浄にすることができる。浸出液は、乾燥し、粉末化し、液体中に懸濁させることができる。さらなる処理ステップとしては、酵素処理、ろ過、遠心分離、加水分解および他の化学修飾を挙げることができる。
植物ガム類は、植物種子由来でもよい。種子由来ガム類としては、グアー(キアモプシス・テトラゴノロバ(Cyamopsis tetragonoloba))、ローカストビーンまたはイナゴマメビーン(セラトニア・シリクア(Ceratonia siliqua))、タラ(カエサルピニア・スピノザ(Caesalpinia spinosa))、コロハ(トリゴネラ フォエヌム・グラエクム(Trigonella foenum−graecom))、メスキートガム(プロソピス属(Prosopis spp))およびカッシアガム(カッシア・トーア(Cassia tora))が挙げられる。これらは一般に亜熱帯植物である。
ガム類は、一般に種子の胚乳に由来する。種子の殻および胚芽の除去後、胚乳を粉砕する。得られた粉体(粉末)は、水および/または他の成分と混合した際に液体ガム物質を形成し得る高多糖含量を含有することができる。粉末ガムと液体とを混合した際に形成される懸濁液は、セルロース、他の植物物質、および種々の化学不純物などの不純物を含有し得る。この懸濁液を処理してガム懸濁液の純度を増大させることができる。例えば、この液体に、遠心分離、ろ過、加熱、凍結融解サイクルを実行して植物の残骸および他の不純物を除去することができる。本発明の一実施形態は、これらのステップの1つによって、または当該技術分野において周知の他の手段によって精製されたガムを含む。本発明の一実施形態は、精製されたガムを含む。本発明のさらなる複数の実施形態は、精製された植物ガム類、天然ガム類およびガラクトマンナンガム類を含む。
粉末ガムの原材料はまた、粒径に従って精製またはろ過することができる。例えば、粒径に従って粉末ガム材料を分離するために、篩いを用いることができる。250μm、106μm、53μm、38μmおよび25μmの粒径篩い目を用いて粉末ガム材料を分離し、106μmと250μmとの間、53μmと106μmとの間、38μmと53μmとの間、25μmと38μmとの間、および<25μmの粒子のろ過された粒径混合物を作製することができる。これらの分離された粒径、またはこれらの粒径の混合物を用いて本発明の三次元多孔質マトリックスの実施形態を得ることができる。
植物ガム類は、何世紀もの間使用されてきた。古代エジプト人は、ミイラの包装を結合するためにローカストビーンガムを用いた。植物ガム類は、増粘剤、水和剤、および乳化剤また泡安定剤として化粧品産業に使用されている。植物ガム類は、増粘、冷凍食品における氷晶の形成防止、パリパリ感の保持、水分の保持、温度許容性およびpH許容性など、優れた性質のために食品添加物として広く商業的に使用されている。幾つかのガム類、例えば、ガラクトマンナンガム類は非イオン性であり、したがって、イオン強度またはpHによって影響を受けない。ガム類は、極端なpHおよび温度で分解するが、一般にこれらの条件は細胞培養中に存在せず、したがって細胞培養適用時での懸念とはならない。
ガム材料は、Sigma−Aldrich、Fluka、TIC−Gums Inc.(メリーランド州ベルキャンプ)、Hercules(旧Aqualon Inc.(デラウェア州ウィルミントン))およびGum Technology Corporationなどの化学製品供給会社から購入できる。これらのガム類は、食品添加物として、ならびに工業的応用のために使用されているので、これらの材料は、実験室使用に必要とされ得るよりも純度の低い形態で提供され得る。したがって、さらなる精製ステップならびにさらなる処理が必要とされ得る。精製ステップとしては、例えば、水よりも極性の低い溶媒、例えば、エタノール中の抽出を挙げることができる。しかしながら、下記の実施例において、精製および非精製双方の材料を利用して好都合な結果が得られた。ローカストビーンガムは、以下の式:
Figure 2010520766
のガラクトマンナン多糖である。
ローカストビーンガム(LBG)は、α−D−ガラクトース残基に結合した6位からの枝分かれ部位を有するマンノピラノース主鎖からなるガラクトマンナン多糖である。ローカストビーンガムは、ガラクトース残基ごとに約4つのマンノース残基(マンノース/ガラクトース比が約4)を有する。ガラクトマンナンガム類としては、ローカストビーンガム(LBG)、グアーガム、カッシアガム、タラガム、メスキートガム、およびコロハガムが挙げられる。グアーガムは、マンノピラノース主鎖からなるガラクトマンナン多糖である。しかしながら、グアーガムは、ローカストビーンガムよりもガラクトース枝分かれ部位が多い。グアーガムは、約2のマンノース/ガラクトース比を有する。マンノース/ガラクトース比は、メスキートガムおよびコロハガムに関しては約1:1、タラガムに関しては約3:1およびカッシアガムに関しては約5:1である。この構造における相違により、グアーガムはローカストビーンガムよりも高い粘性を有し、より可溶性となる。すなわち、ローカストビーンガムは、ガラクトース置換の低いガラクトマンナン化合物であり、したがって「硬さが低い」。ローカストビーンガムは、グアーガムよりも大きな可撓性(低い弾性率)を有する。これらガム類のより高いガラクトース置換により、可溶性、分散性および乳化の改善がガム類に与えられる。より高いガラクトース置換により、ガラクトマンナン多糖類はより硬くなる。より高い置換により、より高い粘性およびより高い可溶性のガム特性が与えられる。
ガラクトマンナンガム類などのガム類は、組換え源または合成源由来であり得る。例えば、ガラクトマンノースは、酵素マンナンシンターゼおよびガラクトシルトランスフェラーゼによってGDP−マンノースとUDP−ガラクトースとからインビボで合成することができる。これらのタンパク質をコードするDNAは単離され、特性化されており(参照としてその全体が本明細書に援用されている米国特許出願公開第2004/0143871号明細書)、これらの酵素で形質転換された組換え植物は、レベルの上昇したガラクトマンナンを発現させることが示されている。さらに、マンノピラノース主鎖のガラクトシル化の程度は、インビボでのアルファ−ガラクトシダーゼの存在(または不在)によって影響を及ぼし得る(Edwardsら、Plant Physiology(2004)134:1153−1162頁を参照)。アルファ−ガラクトシダーゼは、マンノピラノース主鎖からガラクトース残基を除去する。例えば、より低い程度のガラクトシル化を有するガラクトマンナン類を天然に発現する種子は、これら植物種においてマンノピラノース主鎖からガラクトース部分を除去するアルファ−ガラクトシダーゼを発現し得る(またはより多く発現し得る)。アルファ−ガラクトシダーゼ酵素を使用すると、天然ガラクトマンノースガムの特性に関する実験室操作において、天然ガラクトマンノースガム類のマンノピラノース主鎖上のガラクトースの存在を減じさせることができる。本発明の実施形態は、マンノピラノース主鎖上のガラクトースの存在を減じさせるアルファ−ガラクトシダーゼで処理された天然ガム類およびガラクトマンノースガム類などのガム類を含む。本発明の実施形態は、細胞培養表面として所望の特性をガムに提供するようにガム類を「調整」するために、アルファ−ガラクトシダーゼまたは他の酵素あるいは化学的処理により処理されたガム類を含む。
いずれの特定の理論にも拘束されないが、マンノース主鎖およびガラクトース側鎖を有するガラクトマンナンガム類は、ガラクトース部分を培養細胞に提示する細胞培養用表面を提供すると考えられる。幾つかの細胞型に対して、これらのガラクトース部分は、培養中の細胞増殖を促進させる表面または増殖ベッドを提供することができる。低荷電および親水性など、材料の固有の性質により、ガラクトースベースの材料は培養細胞に好適な支持体となる。
培養肝細胞は、培養時のガラクトースの存在に対して都合よく応答することができる。ガラクトース部分の密度と配向性により、細胞培養基体に対する肝細胞などの細胞の付着を制御することができ、インビトロでの細胞機能を改善することができる。これは、インテグリンのクラスター形成阻害および/または細胞−基体および細胞間相互作用の制御によって生じ得る。肝細胞の表面上のアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に特異的なリガンドとしての多価ガラクトースの結合は、広く研究されており、生存度を維持しながら肝細胞の接着を改善することが示されている。ASGPRは、接着受容体として生理学的に機能しないが、基体への一次肝細胞の選択的接着を誘導するためにガラクトース含有ポリマー類が使用されている。肝細胞の細胞間相互作用は、培養中の肝細胞の球状凝集体の形成促進をもたらす可能性があり、次いで胆細管、ギャップ結合、密着結合、およびE−カドヘリンの形成を促進させて、肝細胞機能の増強、肝細胞培養性能の改善をもたらす。
本発明のガムマトリックスの実施形態はまた、酵素処理、ろ過、遠心分離、加水分解、凍結融解サイクル、加熱および化学的処理または修飾、ガム類と他のガム類との混合を含み得る工程によって精製または処理もしくは修飾されるガム類、および本発明の三次元マトリックスの実施形態の細胞培養特性を最適化する他の成分とガム類との混合物を含む。
本発明の実施形態は、ガム化合物から作製された細胞培養マトリックスまたはスカフォードの物理的および化学的特性を最適化するために修飾できるガム化合物を含む。本発明のマトリックスまたはスカフォードの物理的および化学的特性は、ガム材料を化学的に修飾することによって「調整する」ことができる。本明細書に用いられる「調整する」または「調整できる」とは、材料の物理的または化学的特性を調整して、特定の目的のために特定のタイプの細胞培養培地中で増殖する特定の細胞型用の所望の細胞培養環境を促進する細胞培養基体を提供するために、天然または合成的に得られたガム材料を物理的また化学的に修飾できることを意味する。マトリックス材料の多孔性を変え、マトリックスの三次元構造を変え、マトリックスの弾性率を変え、電荷密度と分布、表面エネルギー、トポロジーおよび多孔性を変えることによって、またはマトリックスの他の物理的特性を変えることによって、材料の物理的特性を変えることができる。材料中に化学架橋剤を与え、特定のマトリックス材料から化学基を添加または除去し、異なるガム物質を一緒に混合し、細胞培養環境に存在する受容体リガンドのタイプと密度を変えることによって、または他の化学修飾によって、材料の化学的特性を変えることができる。本発明の実施形態において、化学修飾により物理的特性を変えることができ、物理修飾は化学修飾を含むことができる。本発明の三次元多孔質細胞培養マトリックスの実施形態は、例えば:天然または合成材料の弾性率を変えることにより、マトリックスを提供するために用いられる凍結融解条件を変えることにより、マトリックスの三次元構造を変えることにより、材料の多孔性を変えることにより、多糖化合物を架橋することにより、複数のガム化合物を一緒に混合することにより、マトリックス中のガム材料にさらなる化合物を添加することにより、例えば、マトリックス中のガラクトマンノースガム材料のガラクトース主鎖上に存在するマンノース側鎖の数を変えることによってガム材料の数または性質を変えることにより、側鎖を置換することにより、材料の化学的性質を変えるための酵素処理することによって、または任意の他の方法によって調整することができる。本発明の実施形態は、調整または調整できる細胞培養マトリックスとスカフォードを含む。
本発明の実施形態において、多糖細胞培養材料におけるガラクトース側鎖の数と性質を変えることができる。この修飾は、ガラクトースが存在する多糖ベースのマトリックスの性質に影響を及ぼす。例えば、本発明の一実施形態において、ガラクトマンナン多糖ガム細胞培養マトリックスおよびスカフォードからガラクトース多糖側鎖を添加および除去することによって、1ガラクトース当りのマンノース基の数を変えることによって、およびこれらの側鎖の性質を変えることによって、ガラクトマンナン多糖材料を含む多糖細胞培養材料は調整できる。複数の実施形態において、マンノース:ガラクトースの比率は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9または1:10であり得る。
別の実施形態において、細胞培養マトリックスを処理して物理的に架橋された系を作製している。架橋されたガムは、ゲルまたはヒドロゲルであり得る物理的なゲルである。IUPACの化学用語の解説では、ゲルを、流体によりその全容量にわたって展開されている弾性コロイドまたはポリマーネットワークとして定義されている。ポリマーネットワークは、ネットワーク接合として作用する局所的配列の領域との共有結合または物理的凝集によって形成されたネットワークであり得る。流体が水の場合、それは「ヒドロゲル」である。
架橋を提供する処理は、加熱、冷却および凍結融解の加熱と冷却のサイクルなど、特定の温度範囲への曝露を含む。ローカストビーンガムの溶液は、低温処理(凍結融解サイクル)下でゲル化する。これらの凍結融解サイクルにより、物理的ゲルまたは物理的に架橋されたネットワークが作製される。室温に維持された場合、ローカストビーンガムの溶液は、流体のままである。長期(2〜3ヵ月)貯蔵後、この溶液は弱い物理的ゲルを形成する。本発明の実施形態は、物理的なゲルを形成するために処理または調整されたガム材料を含む。
本発明の実施形態は、細胞培養材料の弾性率を変えることができる架橋化学を用いて、ポリマーの弾性率を変えるために調整されている細胞培養マトリックスまたはスカフォードを含む。架橋方法としては、UV誘導架橋、および化学的架橋が挙げられる。ホウ砂(水素化ホウ素ナトリウム)、グルタルアルデヒド、エポキシ誘導体などの化学薬品、および当該技術分野において知られた他の方法を使用することができる。ゲル化または架橋反応を開始させるために、ガムまたはガムのブレンドに光開始剤を用いることができるUV架橋方法もまた使用できる。本発明の調整されたガム類の実施形態は、処理ガムから作製された細胞培養材料の細胞培養特性を改善するために、遠心分離、ろ過、加熱、凍結、凍結融解、化学的または酵素的処理、露光あるいは他の様式で変化させたガム類である。本発明の調整されたガム類はまた、ゲルまたはヒドロゲル形態にあるガム類を含む。さらに、本発明の調整されたガム類は、遠心分離、ろ過、加熱、凍結、凍結融解、化学的または酵素的処理、露光あるいは他の様式で変化させたガラクトマンナンガム類、ならびに細胞培養用材料として使用するためのゲルまたはヒドロゲル形態にあるガラクトマンナンガム類を含む。
本発明の実施形態は、ガム類の混合物を含む。ガム類の混合物は、架橋ゲル組成物を形成することができる。例えば、寒天またはカードランのようなゲル化反応を有するキサンタンガムまたはカラゲナンまたは中性多糖類などの荷電多糖類は、室温でゲルを形成するブレンドを形成するためにガラクトマンナンガム類と混合することができる。
本発明の実施形態はまた、材料の荷電特性を変えるように調整された細胞培養材料を含み、これは材料中の線状または分枝状荷電多糖類をブレンドして荷電を変えることによって達成できる。キサンタンガムまたはカラゲナンのような荷電多糖類を天然ガム(類)と混合してブレンドを形成する。ガラクトマンナンガム類とカラゲナンおよびキサンタンガム(荷電多糖類)などの他のガム類との組合せは、相乗的相互作用が可能である。ローカストビーンガムと組み合わせたこれらのガム類は、冷却(凍結融解)処理なしで熱可逆性軟弾性ゲルを形成する。室温ゲル化のために最適な相乗作用には、ローカストビーンガム(50:50)と比較して、グアーガムをより大きな割合(80:20)にすることが必要である。
別の実施形態において、細胞培養親和的マトリックスを形成するために、少なくとも2つのタイプのガム多糖類混合物(またはブレンド)を基体表面上に使用することができる。これらのガム多糖材料を個々にまたはこれら多糖類の任意の組合せ混合物を基体に提供することにより、ガラクトースまたは他の多糖部分の様々な量を提供するマトリックスをもたらすことができる。少なくとも2種のガムの混合物またはブレンドとしては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム(イナゴマメビーンガム、イナゴマメ種子ガム、イナゴマメガムとしても知られている)、カッシアガム、トラガカントゴム、タラガム、カラヤゴム、アカシアゴム(アラビアゴムとしても知られている)、ガティガム、チェリーガム、アンズガム、タマリンドガム、メスキートガム、カラマツガム、オオバコ、カシューガム、およびコロハガムなどの2種のガムの混合物を挙げることができる。細菌源および藻類源由来のガム類としては、キサンタンガム、海草ガム、ジェランガム、アガーガム、カラゲナンおよびカードランが挙げられる。
代わりの実施形態において、本発明は、多糖ガムマトリックスの物理的性質をさらに調整する方法を提供する。一実施形態において、従来の架橋方法を使用して弾性および表面エネルギー(すなわち、親水性)を変えた多糖マトリックスを製造する。架橋方法としては、物理的架橋、UV誘導架橋、および化学的架橋が挙げられる。別の実施形態において、キサンタンガムまたはカラゲナンのような荷電多糖類を天然ガム(類)と混合してブレンドを形成する。生じたブレンドを用いて、肝細胞培養などの細胞培養のために電荷密度を制御したマトリックスを形成する。別の実施形態において、寒天またはカードランなどのゲル化反応を有する線状中性多糖類を、天然分枝状多糖(類)と混合してブレンドを形成する。生じたブレンドを用いて、長期細胞培養のための弾性率および安定性などの材料特質を有するマトリックスを形成する。三次元マトリックス材料は、化学的処理またはUV処理により架橋することができる。化学的架橋は、例えば、ガム材料をグルタルアルデヒドで処理することにより達成することができる。UV架橋は、組成物に光開始剤を添加して3Dスカフォードを作製し、次いでこの3DマトリックスをUVまたは蛍光灯に曝露させてUV架橋反応を開始させることによって達成することができる。別の実施形態において、異なる方法を用いてトポロジーおよび多孔質などの所望の構造特質を有するマトリックスを形成する。例えば、指向性固形化方法は、三次元基体を形成するために使用することができる。三次元マトリックスは、細胞用スカフォードを提供する。三次元マトリックスはスカフォードを提供して、例えば、組織形成の工程を誘導することができる。三次元マトリックス上で培養された細胞は多層で増殖して、ダクト、プレート、および洞様毛細血管領域に類似したプレート間空間などの三次元で生じ、それによって、例えば、新規な肝臓組織を形成する有機タイプの構造を発達させることができる。やはり別の実施形態において、複数材料のパラメータを微調整するために、これらの方法の組合せを使用することができる。
複数の実施形態において、三次元支持体は、指向性固形化または凍結もしくは多指向性凍結を用いて、天然分枝状多糖類から誘導することができる。マトリックスの三次元性により、多孔性、ポアサイズ、およびよりインビボ様の環境で細胞を増殖させるポアの指向性などの特質が提供される。例えば、指向性ポアは、多孔質構造を介して細胞周囲の栄養物および気体の循環を可能にしつつ、多孔質スカフォード中で細胞を増殖させることができる。この循環は、栄養物への細胞のアクセスを改善することにより、および廃棄物および細胞副産物を洗い流すことによって細胞増殖を改善させることができる。指向性多孔質構造、または指向性多孔質は、多孔質材料のディスクにおいて、例えば、放射状または縦方向に延在する多孔質構造を含む。または、指向性多孔質構造、または指向性多孔質は、放射状構造と縦方向構造との組合せである多孔質構造を含み得るか、または指向性多孔質構造は、多指向性構造を有する材料を含むことができる。
複数の実施形態において、本発明のスカフォードまたはマトリックスは、細胞培養の際に水性培地に置かれた場合、浮遊することができるヒドロゲルである。幾つかの実施形態において、浮遊スカフォードは、細胞培養スカフォードの上面および底面の双方から細胞周囲に浮遊する培地へ十分なアクセスを行いながら、細胞が材料と十分に一体化できることが好ましいと考えられる。さらなる一実施形態において、細胞培養表面に本発明のマトリックスを固定させる装置を使用することができる。図1は、本発明のピン止め装置の一実施形態を示している。例えば、細胞培養ウェル30内の基体表面20にマトリックスを固定させるためにスナップリング10を使用することができる。スナップリング10は、Teflon(登録商標)PTFE、または水性細胞培養環境内で非反応性である任意の他の材料もしくはポリマーから製造される。スナップリングは、ウェルの内側にはまるように圧縮するかまたは押し込むことができる。ウェルまたは細胞培養容器の内側に置いたら、スナップリングから圧を取り除いて、ウェルの内面に対してぴったりはめ込むことができる。スナップリングは、細胞培養容器またはウェルと同じ高さであり得る。次にスナップリングを押し込んで、細胞培養マトリックスをウェルの底面にピンで留めるかまたは挟みつけることができる。次いで細胞培養物および他の成分を含有する溶液を、細胞培養ウェルに加えることができる。化学的接着剤、マトリックスの細胞培養表面から基体表面に適用された粘着性装置、またはマトリックス内にまたはマトリックスを通して延在して細胞培養基体に固定する、基体表面に成形された発射体またはフックなど、マトリックスを細胞培養表面に固定させるために、当該技術分野において知られた任意の他の装置を使用することができる。例えば、細胞培養容器の射出成形中に形成された小型フックまたはリッジは、マトリックスを適切に保持する上で十分足り得る。スナップリング、または三次元多孔質基体を細胞培養容器表面にピン止めするのに好適な他の装置を含め、これら装置のいずれも、本発明のピン止め装置の実施形態である。
指向的固形化は、指向性構造を本発明の細胞培養マトリックスに導入させるための方法である。図2Aおよび2Bは、乾燥状態における本発明の多孔質スカフォードの実施形態を示すSEM画像である。図2Aは、三次元多孔質スカフォードまたはマトリックスの上部および側部を示す図である。図2Aの線は、円筒状サンプルの端に近似する。図2Bは、本発明の指向性三次元マトリックスの一実施形態において三次元多孔質スカフォードまたはマトリックスの側部を示す図であり、軸平行に配向された多孔質構造を示している。
指向的固形化は、マトリックス溶液を制御しながら凍結させるように、マトリックス溶液に低温を適用すること(または熱除去)によって達成することができる。吸熱器が一方向から適用されると、凍結前線が確立される。凍結前線が材料を通して前進するにつれて、ガム材料の溶液が凍結する。多孔質構造は、凍結する際にガム材料に形成される。これらの多孔質構造は、凍結前線の前進方向に平行に(しかし凍結前線に垂直に)材料に導入される。次に指向性多孔質構造を含有する凍結材料を乾燥し、さらに処理することができる。
図3は、本発明のマトリックスの実施形態において、多孔質構造の指向性展開を示す顕微鏡写真である。未凍結材料32が凍結すると、固体の多孔質マトリックスは35を形成する。材料が凍結すると、ポアまたはカラムが形成され、材料が液体32から固相35に変化する。図3の矢印に示されるように、凍結前線31の前進方向と平行してポアが配向される。温度低下を提供する吸熱器、凍結材料の境界を画定するための凍結前線源と断熱材料とを用いて、凍結前線の方向を制御することによって、ポアの指向性およびスカフォードまたはマトリックスの多孔質構造を制御することができる。
例えば、マトリックス溶液を含有する円柱状容器の側部に伝導性吸熱器を適用し、円柱状容器の上部側と底部側を非伝導性断熱材料で取り囲むことによって、容器内のマトリックス溶液を、円柱状容器の側部から円柱状容器の中心に前進させる凍結前線に従って指向的に凍結させることができる。材料をこの様式で凍結させることによって、放射状に配向された多孔質構造を三次元材料に導入することができる。マトリックス溶液を含有する円柱状容器の底部または下面に吸熱器を適用することによって、および円柱状容器の側部および上部を断熱することによって、マトリックス溶液を介して円柱状容器の底部から上部へ凍結前線は前進し、円柱状容器の底部における吸熱器と離れた軸方向でマトリックスに指向性多孔質構造が導入される。これらの方法を用いて、特定の細胞を増殖させるか、またはスカフォード材料に浸透させ、好ましい細胞培養条件を生じさせることを促進することができる三次元または多孔質構造を形成することができる。
図4は、本発明のマトリックスの実施形態を示す斜視図である。図4は、上記のとおり材料を放射状に凍結させることによって形成された放射状ポア構造51を有するマトリックス50を示す。マトリックス材料のログを形成するために、この材料を長い円柱状に製造することができる。このログ50の薄片を、例えば、ライン52に作製して、指向性多孔質マトリックス材料の薄片を形成し、次にこれを細胞培養容器またはウェル内に設置することができる。例えば、複数の実施形態において、細胞培養マトリックスは、マトリックス材料のより大型の製造部分から切断されたマトリックス材料の一部であり得る。スナップリングなどのピン止め装置、または任意の他のピン止め装置によって、細胞培地ウェルに指向性多孔質材料の薄片を保持することができる。図5は、細胞培養マトリックスの上端部54から下端部55に配向されている軸方向のポア構造53を示す指向性多孔質マトリックス材料の一実施形態の斜視図である。
本発明の実施形態は、指向性凍結技法を用いて三次元多孔質基体を製造する方法を含んでいる。複数の実施形態において、これらの指向性凍結技法は、液体ガムマトリックス混合物を容器に導入すること、ガム混合物の温度を低下させるために吸熱器を容器に備えること、およびガム混合物を指向的に凍結させることを含むことができる。複数の実施形態において、凍結カプセルを追加の容器として使用して、サンプルからの熱除去の方向が予測可能であることを確実にすることができる。図6は、凍結カプセル600の一実施形態を示す。複数の実施形態において、ガムマトリックス溶液用容器を含有させるように、凍結カプセル600を構成し、配置することができる。凍結カプセル600は、凍結カプセルの底部から延在する伝導性吸熱器610により構成することができる。図6に示されるように、吸熱器は、ロッドまたはピンであってもよく、銅、スチールまたはアルミニウムなどの伝導性材料から製造することができる。液体窒素などの低温環境に拡げるために、この吸熱器610を構成し、配置することができる。凍結カプセル全体を液体窒素中に沈めるか、または代わりの実施形態において、凍結カプセル600の底部から延在している吸熱器610を、液体窒素中に沈めて凍結カプセル空洞650内に低温面660を作り出すことができる。凍結カプセル600はまた、非伝導性または断熱側部620を有することができる。溶液用容器とも称されるガムマトリックス容器を保持するように凍結カプセル空洞650を構成し、配置することができる。凍結カプセル610の吸熱器とガムマトリックス容器の吸熱器との間で密な接触を形成するように凍結カプセルを構成し、配置できることは重要なことである。例えば、凍結カプセルは、ガムマトリックス容器の底面から伸長する相補型のロッドまたはピンを受け入れるように構成され、配置させた溝630を有することができる(図7Aの201を参照)。または、凍結カプセルの吸熱器は、溶液用容器とかみ合わせるように構成し、配置された平坦なディスクであってもよく、ガムマトリックス容器は、マトリックス材料に放射状に配向された多孔質構造を形成するために、凍結カプセルの吸熱器を円柱状ガムマトリックス容器の伝導性側部と密着させることができるように、円筒状ガムマトリックス容器の側部に伝導性材料を有し、断熱性材料から作製された下端を有してもよい。本明細書に記載している凍結カプセルおよび容器は、双方とも円筒状容器であるが、任意の形状の容器を用いて本発明の実施形態における三次元マトリックスを形成することができる。断熱側部620は、ポリウレタン発泡体断熱材などの断熱材料から製造することができる。さらに、凍結カプセルを液体窒素浴などの環境中に導入させ、そこから取り出すことができるように構成し、配置させることができるハウジング(図示せず)内に、凍結容器の断熱側壁620をさらに包含することができる。例えば、凍結カプセルを、例えば、Teflon(登録商標)PTFE管材または他の非伝導性材料内にさらに包含させることができ、一端または両端にキャップすることができる。凍結カプセルはまた、凍結カプセルが冷浴内に下降させ、そこから持ち上げることができるように凍結カプセルにチェーンまたはストリングの取付けを可能にするため、アダプタ(図示せず)を有してもよい。溶液用容器を凍結カプセルに導入し、凍結カプセルの吸熱器と密着させて配置すると、マトリックスの多孔質構造の指向性を制御することができる。溶液用容器は、例えば、軸指向性、放射状指向性または多指向性に凍結指向性を促進するように構成し、配置することができる。
図7Aは、本発明の溶液用容器700および吸熱器構造の実施形態を示す図である。例えば、図7Aに図示された実施形態に示されるように、溶液用容器700は、溶液用容器の吸熱器と凍結カプセルの吸熱器との間で密な結合を形成させるために凍結カプセルの溝630(図6に示されている)にぴったりと合うように構成し、配置させた容器の底部から下方に伸長する伝導性材料201のロッドを有する、銅などの伝導性材料のディスクまたはプレートである吸熱器210を有することができる。凍結カプセルの吸熱器(図6に示された610)を冷浴に沈めると、凍結カプセル底部の伝導性吸熱器は、凍結カプセルの底部、および溶液用容器の底部から熱を取り去る。溶液容器は円筒状であり得、円筒体200の縦または壁は、ポリ塩化ビニルパイプなどの断熱性の非伝導性材料から作製することができる。図7に示された溶液用容器を、図6に示された凍結カプセルに挿入し、凍結カプセルを冷浴に降下させると、指向性多孔質マトリックス材料を溶液用容器内に形成することができる。凍結材料の凍結前線は、円筒状溶液用容器の底面から前進するので、図7Bに示されるように軸配向多孔質マトリックス材料250が形成される。
図7は、円筒状溶液用容器の底部におけるディスク形状の吸熱器を示すが、本発明の吸熱器および溶液用容器の実施形態は、任意の形状または形態であり得る。例えば、吸熱器は、溶液用容器内に突出してもよいし、または吸熱器は、溶液用容器を取り囲んでもよい。吸熱器を提供するために、吸熱器を溶液容器から拡げて、溶液容器の一端を、例えば、氷またはドライアイスもしくは液体窒素に直接浸漬させることができる。吸熱器が冷えるにつれて、ガム材料が冷え、吸熱器の冷却面から伸長する前線で凍結し、凍結するにつれて、ガム混合物中に指向性三次元マトリックスが作製される。指向性三次元マトリックスは、凍結前線に対して垂直方向に延在するポアまたは構造を有する。本開示の目的のための用語の「ポア」は、円筒状構造とはっきり定義されないが、材料を通して蛇行性の経路を生じさせることができる不規則構造である。例えば、三次元細胞培養マトリックスは、縦配向性または軸配向性を有することができる。
図8Aは、本発明の溶液用容器800の別の実施形態を示す図である。この実施形態において、円筒状溶液用容器の縦または壁200は、吸熱器210である。この実施形態において、溶液用容器の円筒状壁200は、銅などの伝導性材料から製造することができる。溶液用容器の底面220は、非伝導性材料から製造することができる。凍結カプセル600(図6に示した)の底面(図示せず)と接触させた場合、銅製円筒状溶液用容器は、壁200として吸熱器を有する溶液用容器を提供し、図8Bに図示されるように、溶液用容器内に含まれたガム材料を放射状配向に凍結させることができる。
図9Aは、本発明の溶液用容器900および吸熱器の別の実施形態を示す図である。この実施形態において、吸熱器210は、溶液用容器900内に伸長する銅製円筒体またはロッドであり得る。この実施形態において、円筒状溶液用容器の壁200は、非伝導性材料から製造することができる。図9Bは、図9Aに図示された吸熱器210および溶液用容器形態900を用いて形成することができる指向性三次元マトリックスを示す図である。図9Bに図示された指向性三次元マトリックスにおいて、マトリックスの三次元構造は、軸配向性または縦配向性272に変化する放射状配向性271を有することができる。これは、多指向性多孔質構造の一例である。さらなる実施形態において、2つ以上の吸熱器を、溶液用容器900内に拡げることができる。複数の吸熱器を異なる配向性および幾何学的形状において組み込むことによって、複雑な三次元指向性マトリックスを作製することができる。例えば、三次元マトリックスを、軸平行にも、放射状にも配向することができるし、または配向性の組合せを有することもできる。あるいは、さらなる実施形態において、溶液用容器を伝導性材料のみから製造してもよいし、非伝導性材料のみから製造してもよい。この溶液用容器を冷浴に沈めると、多指向性多孔質構造が形成される。あるいは、溶液用容器の側面および底面を、伝導性材料、または任意の材料から作製して吸熱器構造を形成することができる。この溶液用容器を冷浴に降下させると、多方向性三次元多孔質マトリックス構造が形成される。
本発明の実施形態は、ガラクトース多糖マトリックスに対する支持体を提供する基体を含む。これらの基体は、プラスチックまたはポリマーであり得る。これらの基体は、表面または槽または容器であり得、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー類、ポリスルホン、ポリスチレンコポリマー類(例えば、SANおよびABS)、ポリプロピレンコポリマー類、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、ポリアミド類、フルオロポリマー類、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン類、ならびにシリコーン、炭化水素、およびフッ化炭素エラストマーなどのエラストマー類から構成されたものを含む。多くの材料が、本発明のマトリックスまたはスカフォードのための基体または支持体として使用できることが、当業者には認識されるであろう。
本発明の実施形態は、細胞培養の表面または槽または容器を形成する無機基体を含み、金属、半導体材料、ガラスおよびセラミック材料などの無機材料を含むか、またはそれらから構成されたものを含む。表面または基体の材料として使用することのできる金属の例としては、金、白金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、クロム、鋼鉄およびガリウム砒素の酸化物が挙げられる。基体または表面の材料に使用される半導体材料としては、シリコンおよびゲルマニウムを挙げることができる。表面または基体の材料に使用できるガラスおよびセラミックの材料としては、石英、ガラス、陶材、アルカリ土類金属アルミノホウケイ酸ガラス、および他の混合酸化物を挙げることができる。無機基体材料のさらなる例としては、黒鉛、セレン化亜鉛、雲母、シリカ、ニオブ酸リチウム、および無機単結晶材料が挙げられる。
本発明の実施形態は、基体または基体の組合せから作製された、本発明の細胞培養マトリックスまたはスカフォードを備えた実験器具または細胞培養槽を含む。実験器具としては、スライド、細胞培養プレート、マルチウェルプレート、6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレート、96ウェルプレート、384ウェルプレート、136ウェルプレート、フラスコ、多層フラスコ、バイオリアクター、および細胞培養に用いられる他の表面または容器または槽が挙げられる。また、本発明の実施形態は、方向性のある細胞培養を可能にする細胞培養の容器またはウェルの中に入れられている挿入体を含むことができる。例えば、本発明の三次元マトリックスの実施形態を、Corning Incorporatedによって販売されているTranswell(登録商標)製品に適用することができ、次いでこれを細胞培養の皿またはウェル内に導入することができる。これらの細胞培養槽は、溶液用容器を提供できる。
本発明の代替実施形態としては、限定はしないが、幹細胞、委任幹細胞、分化細胞、および腫瘍細胞などの細胞の培養に用いられるガムまたは天然ガムまたはガラクトマンナンガムの細胞培養のマトリックスまたはスカフォードが挙げられる。幹細胞の例としては、限定はしないが、胚性幹細胞、骨髄幹細胞および臍帯幹細胞が挙げられる。種々の実施形態に用いられる細胞の他の例としては、限定はしないが、筋芽細胞、神経芽細胞、線維芽細胞、グリア芽細胞、生殖細胞、肝細胞、軟骨細胞、ケラチノサイト、平滑筋細胞、心筋細胞、結合組織細胞、グリア細胞、上皮細胞、内皮細胞、ホルモン分泌細胞、免疫系の細胞、およびニューロンが挙げられる。一態様において、破骨細胞、骨細胞および造骨細胞などの骨の細胞は、本明細書において作製されたコーティング基体と共に培養することができる。
本明細書において有用な細胞は、インビトロで培養できるか、天然源由来であり得るか、遺伝子工学的に、または他の任意の手段により作製できる。任意の出所源の細胞が使用できる。腫瘍細胞などの非典型的な、または異常な細胞もまた本明細書において使用することができる。本明細書に記載されたコーティング基体上で培養される腫瘍細胞は、薬物治療の評価のために、体内の固有な腫瘍環境のより正確な提示を提供できる。本明細書に記載された基体上での腫瘍細胞の増殖により、インビボ様環境における遺伝子発現、受容体発現、およびポリペプチド産生など、生化学的経路および腫瘍の活性の特性化を促進することができ、腫瘍を特異的に標的化する薬物の開発を可能にする。
遺伝子操作された細胞もまた使用することができる。操作には、1つ又は複数の遺伝子を発現させる、1つ又は複数の遺伝子を抑制する、または双方のために、細胞をプログラミングすることを含む。遺伝子操作は、例えば、細胞へ、または細胞からの遺伝子材料の付加または除去、既存の遺伝子材料の変更、または双方を含むことができる。ある遺伝子を発現させるために細胞にトランスフェクトするか、または他の操作を行う実施形態では、一時的にまたは永久的にトランスフェクトした遺伝子、または双方を使用することができる。遺伝子配列は、完全長でも部分長でもよく、クローン化したものでも天然のものでもよい。
肝細胞は本明細書において例示的な細胞型として示されている。肝細胞を示しているが、他の任意の細胞または細胞型を、本発明の実施形態を用いて培養液中で増殖させることができる。一次および二次肝細胞の長期の細胞培養は一般に、経時的にそれらの生理学的な特徴を失う細胞を生じさせるため、肝細胞は重要な細胞培養上の問題を表す。一次肝細胞は、付着依存性の細胞であるか、または接着性の細胞であり、インビトロで維持することがきわめて難しく、単層または懸濁液中で培養すると、それらの成体肝臓形態および分化機能を失う。複雑な肝細胞微小環境に基づいていくつかの細胞培養モデルが現在研究されている。これらには、細胞外マトリックス中の種々の成分の試験、低濃度のホルモン、副腎皮質ステロイド、サイトカイン類、ビタミン類、またはアミノ酸の添加による培地の修飾、およびホモタイプ(肝細胞−肝細胞)とヘテロタイプ(肝細胞−非実質性細胞)双方の細胞間相互作用の理解が含まれる。これら全てにより、肝細胞の機能およびインビトロ増殖は細胞間および細胞−マトリックスの相互作用を介する細胞付着、細胞形状および細胞拡散により調節されること、ならびにインビトロでの肝細胞の挙動は培養培地および細胞培養の基体によって改変できることが示されている。肝細胞のような培養することが困難な細胞に、非動物由来の材料および好適な培養培地の使用によって達成される、一次および二次培養において細胞がインビボ特異的な機能(肝細胞の場合は肝特異的機能)を維持することを可能にする環境を提供する細胞培養条件を開発することが望ましい。例えば、組織培養処置(TCT)ポリスチレンなどの未処置の通常ポリスチレン2D表面上では、肝細胞は平板状形態、高い増殖速度および低い肝細胞特異的機能を示す。それと比較して、Matrigel(商標)(Becton Dickonson Biosciences)上では、培養肝細胞は、球状構造、中等度/低度の増殖速度および高い肝細胞特異的機能を示す(データは示していない)。
例えば、球状形態の形成または肝細胞によるコロニー細胞培養を促進し、機能的によりインビボ様細胞の培養を誘導する条件を作り出すために、本発明の細胞培養表面のマトリックスまたはスカフォードの実施形態を調整することができる。これらの調整細胞培養マトリックスは、肝細胞における細胞間相互作用(例えば、胆細管の形成、細胞骨格の配置)および肝特異的細胞機能(例えば、アルブミン産生)の維持を促進することができる。例えば、種々のガラクトース置換を用いることによって、得られるマトリックスの固さおよび溶解性を制御することができる。置換の程度が高いほど、より固くなり、溶解性、分散性および乳化がより良好になる(すなわち、可撓性が低下)。本発明の実施形態により、生存の延長する(分化状態で)よりインビボ様の肝細胞培養のための多糖マトリックスが提供される。
本発明の実施形態は、少なくとも1つの生体活性分子を含む細胞培養マトリックスを含む。生体活性分子の包含により、細胞の接着、増殖または生存を促進することができる。あるいは、生体活性分子の包含により、培養中の細胞の機能を改善させ得る。生体活性分子としては、ヒトまたは家畜の治療薬、栄養剤、ビタミン類、塩類、電解質、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、多糖類、核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、糖タンパク質、リポタンパク質、糖脂質、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、成長因子、分化因子、ホルモン、神経伝達物質、フェロモン、カローン、プロスタグランジン、免疫グロブリン、モノカインおよび他のサイトカイン、湿潤剤、ミネラル、電気的または磁気的に反応性の物質、感光性の物質、抗酸化剤、細胞エネルギー源として代謝できる分子、抗原、および細胞応答または生理学的応答を生じさせることのできる任意の分子が挙げられる。分子の任意の組合せ、ならびにこれらの分子のアゴニストまたはアンタゴニストを用いることができる。グリコアミノグリカンとしては、糖タンパク質、プロテオグリカン、およびヒアルロナンが挙げられる。多糖類としては、セルロース、澱粉、アルギン酸、キトサン、またはヒアルロナンが挙げられる。サイトカインとしては、限定はしないが、カルジオトロフィン、間質細胞由来因子、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、黒色腫成長刺激活性(MGSA)、マクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP−1アルファ)、2、3アルファ、3ベータ、4および5、インターロイキン(IL)1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、TNFアルファ、およびTNFベータが挙げられる。本明細書に有用な免疫グロブリンとしては、限定はしないが、IgG、IgA、IgM、IgD、IgE、およびこれらの混合物が挙げられる。アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質は、このような分子の任意のサイズおよび複雑性を有する任意のタイプ、ならびにこのような分子の組合せを含み得る。例としては、限定はしないが、構造タンパク質、酵素、およびペプチドホルモンが挙げられる。これらの化合物は、調製される際にガム化合物と混合するか、または細胞培養表面に適用した後に細胞培養マトリックスの表面に付加することができる。
生体活性分子という用語には、線維性タンパク質、接着タンパク質、接着性化合物、脱接着性化合物、およびターゲティング化合物もまた含まれる。線維性タンパク質にはコラーゲンおよびエラスチンが含まれる。接着/脱接着化合物には、フィブロネクチン、ラミニン、トロンボスポンジンおよびテナシンCが含まれる。接着性タンパク質には、アクチン、フィブリン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、セレクチン、細胞内接着分子1、2、および3、ならびに限定はしないが、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、およびαβなどのインテグリンを含む細胞マトリックス接着受容体が含まれる。
生体活性分子という用語にはまた、レプチン、白血病抑制因子(LIF)、RGDペプチド、腫瘍壊死因子アルファおよびベータ、エンドスタチン、アンギオスタチン、トロンボスポンジン、骨形成タンパク質−1、骨形態形成タンパク質2および7、オステオネクチン、ソマトメジン様ペプチド、オステオカルシン、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファA、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターフェロン1アルファ、ならびにインターロイキン2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、15、16、17および18も含まれる。
本明細書に用いられる「成長因子」という用語は、細胞または組織の増殖を促進する生体活性分子を意味する。本明細書に有用な成長因子としては、限定はしないが、形質転換成長因子アルファ(TGFアルファ)、形質転換成長因子ベータ(TGFベータ)、AA、ABおよびBBイソ型を含む血小板由来成長因子(PDGF)、線維芽成長因子(FGF)酸性イソ型1および2、FGF塩基性型2、ならびにFGF4、8、9および10を含む線維芽成長因子(FGF)、神経成長因子(NGF)2.5s、NGF7.0s、およびベータNGFを含む神経成長因子(NGF)およびニューロトロフィン類、脳由来神経栄養因子、軟骨由来因子、骨成長因子(BGF)、塩基性線維芽成長因子、インスリン様成長因子(IGF)、毛管内皮成長因子(VEGF)、EG−VEGF、VEGF関連タンパク質、Bv8、VEGF−E、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インスリン様成長因子(IGF)IおよびII、肝細胞成長因子(HGF)、グリア神経栄養成長因子(GDNF)、幹細胞因子(SCF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、形質転換成長因子(TGF)アルファ、ベータ、ベータ1、ベータ2およびベータ3を含む形質転換成長因子(TGF)、骨格成長因子、骨マトリックス由来成長因子および骨由来成長因子ならびにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの成長因子は、細胞または組織の分化を促進することもできる。例えばTGFは、細胞または組織の成長および/または分化を促進することができる。いくつかの好ましい成長因子としては、VEGF、NGF、PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、FGFb、FGFa、HGF、およびBGFが挙げられる。
本明細書に用いられる用語「分化因子」とは、細胞または組織の分化を促進する生体活性分子を意味する。この用語には、限定はしないが、ニューロトロフィン、コロニー刺激因子(CSF)、または形質転換成長因子が含まれる。CSFには、顆粒球−CSF、マクロファージ−CSF、顆粒球−マクロファージ−CSF、エリスロポエチン、およびIL−3が含まれる。いくつかの分化因子は、細胞または組織の増殖を促進することもできる。例えば、TGFおよびIL−3は、細胞の分化および/または増殖を促進できる。
本明細書に用いられる用語「接着性化合物」は、線維表面への細胞または組織の付加を促進する、接着性化合物を含む生体活性分子を意味する。接着性化合物の例としては、限定はしないが、フィブロネクチン、ビトロネクチン、およびラミニンが挙げられる。
本明細書に用いられる用語「脱接着性化合物」とは、線維からの細胞または組織の脱離を促進する、脱接着性化合物を含む生体活性分子を意味する。脱接着性化合物の例としては、限定はしないが、トロンボスポンジンおよびテナシンCが挙げられる。
本明細書に用いられる用語「ターゲティング化合物」とは、線維への細胞または組織の動員および/または付加を誘導するシグナル伝達分子として機能する、ターゲティング化合物を含む生体活性分子を意味する。ターゲティング化合物およびそれらの同族受容体の例としては、フィブロネクチンおよびインテグリン由来のRGDペプチドなどの付加ペプチド、EGFおよびEGF受容体などの成長因子、ならびにインスリンおよびインスリン受容体などのホルモンが挙げられる。
別の態様において、本発明は、細胞系と薬剤との間の相互作用を判定するための方法を提供する。方法のステップは、(a)細胞を本発明のマトリックスの実施形態上に堆積させること;(b)堆積細胞を薬剤と接触させること;(c)薬剤と接触した際の堆積細胞により生じた応答を同定することを含み得る。
本発明の三次元多孔質細胞培養系の実施形態の上に、または中に固定された既知の細胞系により、薬剤が固定細胞と相互作用する際のいくつかの薬剤の活性をスクリーンすることが可能である。試験される細胞および薬剤に依って、細胞−薬剤相互作用は、種々の技法を用いて検出または測定することができる。例えば、培養液中の細胞を浸している細胞培養培地に薬剤を添加し、細胞が薬剤を代謝して、一定時間後に細胞培養液から抽出した培地を調べることによって容易に検出できる代謝物を産生させることができる。あるいは、薬剤が細胞を誘導してタンパク質または他の生体分子を産生させることができる。次いで産生されたタンパク質または生体分子を、細胞培養液から取り出した培地中で検出することができる。また、細胞を培養系から抽出して、薬剤または化合物への曝露に関連した遺伝子発現または他のバイオマーカーに関して分析することができる。
薬剤/細胞相互作用を分析するために、基体はハイスループット適用で用いることができる。ハイスループット適用に用いられるマルチウェルプレート内の本発明のスカフォードおよびマトリックスにおいて、細胞を増殖させることができる。次いで、細胞を薬剤に曝露し、これらのハイスループット培養液から培地を取り出し、取り出した培地を代謝物、タンパク質または他の生体分子の存在に関して分析することができる。1ウェル当たりの細胞集団を増加すること、または培養液中の細胞のインビボ様性質を増大させることは、これらの技法によって測定されるシグナル価値の増大に役立つと考えられる。
本発明の実施形態はまた、化合物の毒性評価、化合物の代謝、およびタンパク質合成に使用するための生体−人工肝臓として使用できる肝細胞培養物も含む。肝細胞は、薬剤および殺虫剤などの外因性化合物、ならびにステロイドなどの内因性化合物を代謝、解毒、および不活性化する能力を有する。ホメオスタシスを維持し、摂取された毒素に対して身体を防御するために、肝臓内への腸静脈血の排液には、様々な吸収された物質の効率的な解毒が必要である。肝細胞の解毒機能の1つは、排泄に関してアンモニアを尿素に改変することである。
別の態様には、(a)本明細書に記載されたマトリックスの実施形態上に細胞を堆積させること;(b)細胞培養培地を加えること;(c)細胞をインキュベートすることを含む、細胞または組織を増殖させるための方法が記載されている。また、本明細書において作製されたマトリックス基体上に生存細胞を堆積させ、組織の増殖を促進する条件下で培養し得ることが考慮されている。上記の任意の細胞からの増殖組織(すなわち、組織操作)が、本発明のマトリックス基体の実施形態により考慮されている。これらのマトリックス基体は、種々の多くの前駆体細胞を支持することができ、これらの基体は、新たな組織の発現を誘導することができる。組織の生成は、創傷治癒に多数の適用を有する。組織の増殖はインビボまたはエクスビボで実施することができる。
肝細胞と同様に、培養物中の他の細胞型も、好ましくてよりインビボ様の細胞培養状態として、球状の細胞形態をとる。したがって、本発明の細胞培養マトリックスの実施形態は多くの細胞型に使用できる。本発明は、肝細胞により示された「球状」形態を、自身の機能様式として好む細胞型に用いることもできる。
以下の実施例は、本発明の実施形態を実際に示すために含めたもので、本発明の範囲を限定する意図は決してない。以下の実施例に開示された技法は、本発明の実施において十分に役立つことが本発明者によって発見された技法を表すことが当業者には当然理解されるはずである。しかし、本開示に鑑みて、開示されている特定の実施形態において多くの変更をなし得、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく類似の、または同様な結果が得られることもまた当然理解されるはずである。
実施例1:ローカストビーンガム三次元マトリックスの調製
実施例1a:材料の調製
秤量した量のローカストビーンガム粉末(白色〜ベージュ色)LBG(Sigma−Aldrich、カタログ番号G0753、ロット番号125K0091またはカタログ番号62631、Fluka Chemicals、ロット番号1301452、Hercules Incorporatedからも入手可能、Aqualon Division(デラウェア州ウィルミントン)を脱イオン水に分散させ、1〜5重量%の溶液(pH7に調整したものおよびしないもの)を形成した。この懸濁液を約5分間の音波処理により脱気した。この容器を密封し、不均一な溶液を最初は(2〜3時間)室温で攪拌し、次いで温度を100〜120℃に上げ、その温度で15分間攪拌を続けた。
細菌による劣化を防ぐために、この溶液に安息香酸ナトリウムを添加した。ローカストビーンガムの秤量した粉末をさらに遠心分離により処理した。例えば、Paiら、Carbohydrate Polymers 49(2002)207−216頁に開示されているステップにおいて用いられているとおり、化学的精製および/またはろ過もまた用いることができる。遠心分離は、不純物を分離するために、4000rpmで20分間、ローカストビーンガム溶液を遠心分離することにより達成した。次いでローカストビーンガムポリマーを含有する上澄み液を、主に不純物を含有するペレットから分離した。
ローカストビーンガムはまた、遠心分離ステップを伴うか、または伴わないエタノール抽出により化学的に精製することもできる。このローカストビーンガム溶液を過剰のエタノールに注ぎ入れ、ローカストビーンガムを沈殿させることができる。次いで沈殿物を凍結乾燥することができる(室温で24時間)。得られた粉末を、沈殿物の粉砕などの機械的手段によってさらに処理して微細粉末を形成することができる。
実施例1b:架橋
実施例1aに従って調製したローカストビーンガムを、エタノール中グルタルアルデヒド(酸)5〜0.1%を用いて、化学的架橋ステップに供した。処理時間は5〜30分と変動した。このグルタルアルデヒド溶液を取り出した。100%エタノール、次いで70%エタノール、最後に水中で洗浄ステップを実施した。次いで、ローカストビーンガムを凍結乾燥により乾燥した。
実施例2:マトリックスの調製
実施例2a:多指向性凍結
ローカストビーンガムの懸濁液を材料の量を種々に変えて、96ウェルプレートの個々のウェルに添加した。乾燥後にマトリックスディスクを適所に保持するために、これらのウェルをアルミニウムホイルによって緩やかにラップした。アルミニウムでラップしたウェルを凍結カプセル内に挿入した。ウェルの上部は開放状態であったが、凍結カプセルの上部の視界内にあった。この凍結カプセルを、液体窒素を含有する小型のデュワー内に降下させた。カプセルは最初、液体窒素の表面または表面の下方に接触させて配置した。この箇所で、細胞培養ウェルは、15分間の浸漬時間の間、0℃から−100℃の温度で急速多方向凍結を受ける。15分間の凍結サイクル完了時、ウェルをカプセルから取り出し、直ちに凍結乾燥過程へ移した。
サンプルが凍結乾燥中に溶解することを防ぐために−3℃の温度に維持した凍結乾燥ホールディングまたはプロセスチューブ内にウェルを入れることによって、凍結乾燥処理を実施した。処理減圧が<5ミリトルのレベルに達するまで、約24時間、この温度と減圧下でサンプルを保持した。この減圧レベルは、サンプル中に含有された水分が昇華したこと、およびサンプルが乾燥していることを示すものであった。次いで、サンプルを凍結乾燥過程から取り出し、アルミニウムホイルを除去した。マトリックスを適所に保持するために、図1に示すようなスナップリングをウェル内に挿入した。
実施例2b:単一指向凍結(軸方向)
懸濁液を材料の量を種々に変えて個々のウェルに添加した。1つのウェルを、ウェルの底部を吸熱器に密着させて凍結カプセル内に挿入した。ウェルの上部および側部を非伝導面または断熱面に曝露した。次いで液体窒素を含有する小型のデュワー内にカプセルを降下させた。カプセルを液体窒素の液面の真上に配置し、金属の吸熱器を最初、液体窒素の表面または下方に接触させて配置した。図7Bに示されるように、この箇所で細胞培養ウェルは、15分間の浸漬時間の間、0℃から−100℃の温度で、急速単一指向(軸方向:下から上へ)凍結を受けた。15分間の凍結サイクル完了時、ウェルをカプセルから取り出し、乾燥中ディスクを適所にウェル内に保持するために、アルミニウムホイルで緩やかにしかし速やかにラップしてから、直ちに凍結乾燥過程へ移した。次いで、先の処理に関する記述のとおり、凍結乾燥を完了させた。得られた細胞培養多孔質スカフォードは、乾燥時は約1〜10mmの厚さで不透明であり、湿潤時は2〜10mm超の厚さで不透明であった。
実施例2c:単一指向凍結(放射状)
上記のとおり調製した懸濁液を、種々のウェルに添加した材料の量を種々に変えて個々のウェルに添加した。図8Aに示されるように、1つのウェルを、カプセルと吸熱器に密着している伝導性の外側のウェル層にウェルの側部のみを密着させて凍結カプセル内に挿入した。ウェルの底部は非伝導性または断熱性の面であった。次いで液体窒素を含有する小型のデュワー内にカプセルを降下した。金属の吸熱器は最初、液体窒素の表面または下方に接触させた。図8Bに示されるように、この箇所で細胞培養ウェルは、15分間の浸漬時間の間、0℃から−100℃の温度で、急速単一指向(放射状:側部から中心へ)凍結を受けた。15分間の凍結サイクル完了時、ウェルをカプセルから取り出し、乾燥中ディスクを適所にウェル内に保持するために、アルミニウムホイルで緩やかにしかし速やかにラップしてから、直ちに凍結乾燥過程へ移した。次いで、先の処理に関する記述のとおり、凍結乾燥を完了させた。
実施例2d:単一指向凍結(ログ法)
懸濁液を、より大量(5〜50ml)の材料を用いて、長いポリマーまたは金属の管に入れた。いったん凍結させ乾燥させたこれらの材料は、軸方向または放射状に構成された細胞培養スカフォードの長いログを生じるが、これを後で、個々の細胞培養容器または細胞培養ウェル内に挿入するための使用可能な材料の薄いディスクへとスライスした。スカフォードは、かみそりの刃を用いてディスクへと切断した。マトリックスの薄片は、スナップリングにより適所に保持することができる。ログ法を用いた軸方向または放射状の凍結の過程は、上記のサンプル処理と同様であるが、軸方向凍結では伝導性の底部を、放射状凍結では伝導性の側部を有する管内で実施された。次いで、先の処理に関する記述のとおり凍結乾燥を完了させた。
実施例3:細胞培養
上記の方法のいずれかによって作製されたスカフオードをTCTプレート内に保持し、UVランプ(366nm)を用いて1時間滅菌してから、培養基体を0.5時間培地と共にインキュベートした。次いで、予備インキュベーション培地を取り出した後、スカフォードに直接細胞溶液を添加した。この細胞溶液は、American Type Culture Collection(ATCC)から得られたHepG2/C3Aを含有した。凍結細胞を融解し、Corning CellBindの表面上、イーグルミニマムエッセンシャル培地(EMEM)中で培養し、5%のCO、37℃でインキュベーターに保持した。10%のFBSおよび1%の抗生物質を含有するEMEM中、細胞を基体上に塗布し、37℃、5%のCOで増殖させた。
実施例4:細胞増殖および機能の特性化
図10A、10Bおよび10Cは、本発明のマトリックスの実施形態上に増殖している細胞の明視野、生存染色および死亡染色を示す一連の顕微鏡写真である。図10Aは、本発明のローカストビーンガムスカフォードの実施形態上に増殖している肝細胞の細胞形態を示す明視野顕微鏡写真画像である。材料の三次元性により、画像化は困難であり得る。しかし、図10Aの明視野画像から、ローカストビーンガムスカフォード上に増殖している細胞の球状形態を見ることができる。改変した蛍光顕微鏡画像が、図10Bおよび10Cに示されている。図10Bは生細胞を、図10Cは死細胞を示す。これらの画像は、スカフォード上での培養の9日後、HepG2/C3A細胞のLIVE/DEAD染色Live/Dead染色によるスカフォード処理後に撮影された。細胞は、生存/死亡染色試薬キット(Invitrogenから購入した生存/死亡―生存度/細胞毒性キット、カタログ番号L−3224)により染色し、供給されたプロトコルに従って使用した。ここで、生細胞は緑色に、死細胞は赤色で示されるが、画像は、公開目的のため、黒白画像に改変された。
図11は、共焦点顕微鏡によって撮影された明視野顕微鏡写真画像であり、本発明のマトリックスの実施形態上で増殖している肝細胞の細胞形態を示している。培養肝細胞は球状形態を示す。
培養における肝細胞生存の指標であるアルブミン産生を、本発明のローカストビーンガム三次元多孔質マトリックス(LBGマトリックス)上、また、比較のため、Becton Dickensonから得て、挿入説明書に従って調製したMatrigel(商標)表面上で増殖させた細胞に関して測定した。
図12は、Matrigel(登録商標)上で増殖している細胞のアルブミン産生に比較して、本発明のマトリックスの実施形態上で増殖している細胞のアルブミン産生を示すチャートである。アルブミンの量は、Matrigel(商標)とLBGマトリックス双方に関して相対的であり(>60μg/ml/日)、時間が経つと(>7日)アルブミンの低下があるようだ。いくつかのゲルは培養中に破壊し、培養中に細胞を含めたいくつかの材料の除去に至った。図12は、この影響がLBGマトリックス培養細胞よりもMatrigel(商標)培養細胞においてより顕著であることを示している。LBGマトリックスの場合、細胞は基体の内部で増殖する。アルブミンの低下は、多孔質のスカフォードから培地サンプルを取り出す困難さによると考えられる。
このように本発明およびその実施形態を説明したが、これらを、本開示の利益を有した当業者により多くの方法で変更し得ることは明白であろう。このような変更は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とはみなされず、また、当業者には明らかであると考えられるこのような改変は、以下の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物の範囲内に含まれるものとする。

Claims (6)

  1. 三次元細胞培養マトリックスが、指向性多孔質構造を有する少なくとも1種のガラクトマンナンガムを含むことを特徴とする三次元細胞培養マトリックス。
  2. 前記少なくとも1種のガラクトマンナンガムが、ローカストビーンガム、グアーガム、カッシアガム、タラガム、メスキートガム、およびコロハガムからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
  3. 前記少なくとも1種のガラクトマンナンガムが、ローカストビーンガムであることを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
  4. 前記細胞培養マトリックスが、マトリックス材料のより大型の製造部分から切断されたマトリックス材料の一部を含むことを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
  5. 前記マトリックスが、ピン止め装置により細胞培養ウェル内の適所に保持されることを特徴とする請求項4に記載のマトリックス。
  6. 前記マトリックスが培養物中に浮遊することを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
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