JP2010501572A - 4−アミノキナゾリン誘導体およびその使用方法 - Google Patents

4−アミノキナゾリン誘導体およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規な4−アミノキナゾリン、その誘導体、その薬理学的に許容できる塩、溶媒和物および水和物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む組成物、ならびにEGFRおよびHER−2の阻害剤の投与によって有利に治療される疾患および症状の治療方法におけるこの組成物の使用も提供する。
【選択図】なし

Description

(関連出願)
本出願は、2006年8月22日に出願された米国特許仮出願第60/839,503号への優先権を主張する。
本発明は、新規な4−アミノキナゾリン、その誘導体、その薬理学的に許容できる塩、溶媒和物およびその水和物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む組成物、ならびにEGFRおよびHER2の阻害剤の投与によって有利に治療される疾患および症状の治療方法におけるこの組成物の使用も提供する。
N−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル]−6−[5−[2−(メチルスルホニル)エチルアミノメチル]フラン−2−イル]キナゾリン−4−アミンビス(4−メチルベンゼンスルホナート)水和物としても知られるラパチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR、ErbB1)およびヒト成長因子上皮受容体2型(HER2、ErbB2)の両方のチロシンキナーゼ活性を阻害する。
ラパチニブは、米国において、腫瘍がHER2を過剰に発現し、以前の治療が不成功であった、進行乳癌または転移性乳癌の患者の治療のためにカペシタビンと併用することが認められている。ラパチニブは、臨床的に意味のある濃度で、シトクロムP450サブタイプ3A4(CYP3A4)によって代謝され、阻害もする。FDA承認の添付文書(label)は、強いCYP3A4阻害剤との併用投与を避けること、またはCYP3A4阻害剤である化合物の投与を必要とする患者へのラパチニブの用量を減らすことを示している(http://www.fda.gov/cder/foi/label/2007/022059lbl.pdf)。胃腸毒性、この薬物の臨床上制約を加える側面は、血漿濃度ではなく投与した量に関連するようであることに注目すべきである(非特許文献1)。これは、消化管における局部的な薬物濃度がラパチニブの毒性に関与し、そして所定の経口用量のために血漿濃度を高くすることがその治療濃度域を広げる傾向にあり、したがって、関連した副作用の増加をもたらすことなく、その効用を高めることを示唆している。
ラパチニブに化学的に関連する化合物を説明し、ErbB1、ErbB2および/またはErbB4(HER4)に対する強力なチロシンキナーゼ阻害活性を有することを示した。特許文献1参照。
米国特許第6,727,256号
Burris HAほか.,J Clin Oncol 2005;23:5305
ラパチニブの有益な活性にもかかわらず、前述の疾患および症状を治療する新規の化合物への継続的なニーズがある。
後述の式I、式Iaなどの構造を有する新規な4−アミノキナゾリン、その薬理学的に許容できる塩、溶媒和、および水和物を提供する。
CYP3A4 SUPERSOMES(商標)における本発明の様々な化合物の安定性をラパチニブと比較して示す図である。 ラットへの静脈内投与後の本発明の様々な化合物の薬物動態をラパチニブと比較して示す図である。 ラットへの静脈内投与後の本発明の様々な薬物動態を調べた別の実験をラパチニブと比較して示す図である。
(定義)
「改善する」および「治療する」という用語は同じ意味で用いられ、治療および予防治療の両方を含む。両用語は、疾患の発症または進行を減少、抑圧、減衰、縮小、停止、または安定させることを意味する(例えば、腫瘍などの本願明細書において記載した疾患または障害)。
「疾患」は、細胞、組織、または臓器の正常機能を損傷するか、または妨げるあらゆる症状または疾患を意味する。
ある変動の天然の同位体存在量は、合成化合物において、合成に使用される化学物質の原材料に応じて発生することが分かる。したがって、ラパチニブの調製は、少量の重水素化された同位体的同族体(isotopologues)および/または13Cを含有する同位体的同族体を本質的に含有する。この変動があったとしても、天然で存在する安定水素同位体および炭素同位体の濃度は、本発明の化合物の安定した同位体置換の度合いと比較して小さく、重要ではない。例えば、Wada Eほか,Seikagaku 1994,66:15、Ganes LZほか,Comp Biochem Physiol Mol Integr Physiol 1998,119:725参照。本発明の化合物において、特定の位置が重水素を有することを示す場合、その位置の重水素の存在量は、0.015%である天然の重水素の存在量よりも実質的に大きいと理解される。重水素を有することを示す位置は、通常、当該化合物における重水素として指定された各原子で、少なくとも3000(45%の重水素導入)の最小限の同位体濃縮係数を有する。
本願明細書で使用する「同位体濃縮係数」という用語は、同位体存在量と特定の同位体の天然存在量との比率を意味する。
他の実施形態では、本発明の化合物は、それぞれの指定の重水素原子に対して、少なくとも3500(それぞれ指定の重水素原子で、52.5%の重水素導入)、少なくとも4000(60%の重水素導入)、少なくとも4500(67.5%の重水素導入)、少なくとも5000(75%の重水素導入)、少なくとも5500(82.5%の重水素導入)、少なくとも6000(90%の重水素導入)、少なくとも6333.3(95%の重水素導入)、少なくとも6466.7(97%の重水素導入)、少なくとも6600(99%の重水素導入)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素導入)の同位体濃縮係数を有する。
本発明の化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定した同位体を表すことを意味する。別段の記載がない限り、位置が具体的に「H」または「水素」と指定される場合、その位置は、その天然存在量同位体組成物において水素を有すると理解される。
「同位体的同族体」という用語は、その同位体の組成だけにおいて、本発明の特定の化合物とは異なる種を指す。
本願明細書において使用する「化合物」という用語は、そのいかなる塩、溶媒和物、または水和物を含むことも意図する。
本発明の化合物の塩は、酸とアミノ官能基などのその化合物の塩基性基の間で、または、塩基とカルボン酸官能基などのその化合物の酸性基の間で形成される。他の実施形態では、化合物は、薬理学的に許容できる酸付加塩である。
本願明細書において使用する「薬理学的に許容できる」という用語は、適切な医学的判断の範囲で、ヒトおよび他の哺乳類の組織に接触させる使用において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく好適で、適度の利益/危険性の比でつり合いの取れている、成分を指す。「薬理学的に許容できる塩」とは、服用者への投与において、直接的にまたは間接的に本発明の化合物を提供できる非毒性の塩を意味する。「薬理学的に許容できる対イオン」は、受容体への投与において塩から放出される場合に非毒性である塩のイオン部分である。
薬理学的に許容できる塩を形成するために一般的に使用される酸としては、二硫化水素、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびに、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、酸性酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ギ酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、シュウ酸、P−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、および酢酸などの有機酸、ならびに関連した無機酸および有機酸が挙げられる。このような薬理学的に許容できる塩としては、したがって、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スフホン酸塩、マンデル酸塩、および他の塩が挙げられる。一実施形態では、薬理学的に許容できる酸付加塩としては、塩化水素酸および臭化水素酸などの鉱酸から形成されるもの、特にマレイン酸などの有機酸から形成されるものが挙げられる。
本願明細書において使用する「水和物」という用語は、非共有結合性の分子間力によって結合された、化学量論量または非化学量論量の水を更に含む化合物を意味する。
本願明細書において使用する「溶媒和物」という用語は、非共有結合性の分子間力によって結合された、化学量論量または非化学量論量の溶媒(水、アセトン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、2−プロパノールなど)を更に含む化合物を意味する。
本発明の化合物(例えば、式IまたはIaの化合物)は、例えば重水素置換や別の方法の結果としての不斉炭素原子を含有してよい。したがって、本発明の化合物は、個別のエナンチオマーか、または2つのエナンチオマーの混合物として存在することができる。したがって、本発明の化合物としては、ラセミ混合物、および他の可能な立体異性体が実質的に含まれない個別のそれぞれの立体異性体の両方を挙げることができる。本願明細書において使用する「他の立体異性体が実質的に含まれない」と言う用語は、25%より少ない他の立体異性体が存在すること、好ましくは10%より少ない他の立体異性体が存在すること、より好ましくは5%より少ない他の立体異性体が存在すること、最も好ましくは2%より少ない他の立体異性体が存在すること、または「X」%より少ない他の立体異性体が存在すること(ここで、Xは0と100を含み、0〜100間の数字である)を意味する。与えられた化合物に対して、個別のエナンチオマーを得る方法、または合成する方法は、当業者に周知であり、最終化合物、または出発物質、または中間物に実施できるものとして、適用してよい。
本願明細書において使用する「安定化合物」という用語は、その製造を許容するのに十分な安定性を有し、本願明細書に記載した目的に有用となるように、十分な時間にわたって化合物の完全性を保持する化合物を指す(例えば、治療薬にする製剤、治療用の化合物の生産で使用するための中間体、単離可能な中間体または保存可能な中間体、治療薬に応答する疾患または症状を治療すること)。
H」および「D」はともに重水素を指す。
「立体異性体」は、エナンチオマーおよびジアステレオマーの両方を指す。
「tert」、「」および「t−」は、各々第三級を指す。
「US」は、米国を指す。
「FDA」は米国食品医薬品局を指す。
「NDA」は新薬申請を指す。
「腫瘍性疾患」は、不適切に高いレベルの細胞分裂、不適切に低いレベルのアポトーシス、またはこの両方に起因する疾患、あるいはこの両方の結果としての疾患を意味する。例えば、癌は増殖性疾患の一例である。癌の例としては、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、ならびに、肉腫および癌腫などの固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽腫)が挙げられるが、これらに限定されない。リンパ増殖性障害も、増殖性疾患であると考えられる。
本願明細書全体において、「各Y」への言及は、適用できる場所に、独立して全ての「Y」基(Y1a、Y1b、Y1c、Y2a、Y2b、Y3a、Y3b、Y4a、Y4b、Y5a、Y5b)を含む。
「重原子」という用語は、主な天然同位体よりも原子量の大きい同位体を指す。「安定重原子」という用語は、非放射性の重原子を指す。
(治療用化合物)
本発明は、腫瘍の治療に有利な生物薬剤学的特性を有する新規な4−アミノキナゾリンを提供する。
一態様において、本発明は式Iの化合物
Figure 2010501572
(式中、Rは酸素であり、Qは炭素であり、RおよびQを含む環はオキサゾールであるか、またはRは窒素であり、Qは硫黄であり、RおよびQを含む環はチアゾールであり、Zは水素またはフッ素であり、Xは塩素または臭素であり、各Yは、独立して水素および重水素から選択され、少なくとも1つのYは重水素である)
またはその塩、あるいはその水和物または溶媒和物を提供する。
選択された一実施形態では、Zはフッ素である。
他の実施形態では、Rは酸素である。
また他の実施形態では、Xは塩素である。
さらに他の実施形態では、Zは水素である。
選択された実施形態では、本発明は、式Iaの化合物、
Figure 2010501572
(式中、各Yは、式Iに対して上述したとおりに定義される)
またはその塩、あるいはその水和物または溶媒和物を提供する。
式Iまたは式Iaの一実施形態では、共通の炭素原子に結合された各Yは同じである。
式Iまたは式Iaの他の実施形態では、Y1a、Y1bおよびY1cは、同時に重水素である。
式Iまたは式Iaのまた他の実施形態では、Y2aおよびY2bは、同時に重水素である。より特定の実施形態では、共通の炭素原子に結合された各Yは、同じであり、Y2aおよびY2bは、同時に重水素であり、各Y、各Y、各Y、および各Yの1つ以上は重水素である。
式Iまたは式Iaの他の実施形態では、Y3aおよびY3bは、同時に重水素である。
式Iまたは式Iaのさらに他の実施形態では、Y4aおよびY4bは、同時に重水素である。より特定の実施形態では、共通の炭素原子に結合された各Yは同じであり、Y4aおよびY4bは、同時に重水素であり、各Y、各Y、各Y、および各Yの1つ以上は重水素である。他の特定の実施形態では、共通の炭素原子に結合された各Yは同じであり、Y2a、Y2b、Y4a、およびY4bは、同時に重水素である。
式Iまたは式Iaのまた他の実施形態では、Y5aおよびY5bは、同時に重水素である。
式Iまたは式Iaのさらに他の実施形態では、化合物は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つの重水素を含有する。
一実施形態では、式Iまたは式Iaの化合物は単離している。
他の実施形態では、式Iまたは式Iaの化合物の塩は、薬理学的に許容できる塩である。より特定の実施形態では、式Iまたは式Iaの化合物の薬理学的に許容できる塩は、トシレート塩である。
また他の実施形態では、化合物は、表1(以下)に示す化合物のうちのいずれか1つから選択された式Iaの化合物である。
表1:式Iaの例示的な実施形態
Figure 2010501572
他の一連の実施形態では、上述の実施形態のいずれか1つにおいて重水素として指定されない任意の原子は、その天然の同位体存在量で存在する。
置換基の組み合わせ、および本発明によって想定される変動要素は、安定化合物の形成の結果によるものだけである。
他の態様では、本発明は、式Iの化合物と、式Iの化合物の軽い同位体的同族体と、を含むかまたは基本的にこれらからなり、少なくともその混合物の50%、60%、75%、80%、85%、90%または95%が式Iの化合物である混合物を提供する。
(化合物の合成)
式Iの化合物は、有機合成の分野で公知の手段によって作ることができる。例えば、本発明の化合物の全てが水素である同位体的同族体およびその中間体へのルートは、米国特許第6,727,256号明細書に記載されている。目的の化合物の中に重水素を導入する方法が、広範囲にわたって文書化されている。例えば、そのほとんどの号が、生物活性有機低分子への重水素の特定の導入についての詳細な実験的記述を含むThe Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals(John Wiley & Sons)を参照。また、例えば、Leis HJ,Curr Org Chem,1998,2:131およびその中の参考文献、ならびにMoebius G,Zfi−Mitteilungen 1989,150:297も参照。重水素標識した試薬の好適な商用供給業者としては、とりわけ、Isotec,Inc.(オハイオ州、マイアミズバーグ)、Cambridge Isotope Laboratories(マサチューセッツ州、アンドーバー)、ICON Services Inc.(ニュージャージー州、サミット)、およびC/D/N Isotopes,Inc.(カナダ、ケベック州、ポアントクレール)が挙げられる。ある中間体は、精製(例えば、濾過、蒸留、昇華、結晶化、粉末化、固相抽出、およびクロマトグラフィー)して、または精製せずに使用することができる。例示的な合成方法は、以下および本願明細書の実施例に示し、記載した。
式Iの化合物を合成するために好都合な方法を、スキームAに示す(式中、Q、R、X、Z、および各Yは上で定義したとおりである)。
(スキームA)
Figure 2010501572
スキームAに示されるように、キナゾリンVの置換した4−(ベンジルオキシ)−アニリンVIとの反応で、中間体IXをもたらす化合物VIIを生成し、この化合物は次に(例えば、パラジウム触媒の存在下で)ボロン酸(VIII)と結合できる。アミンXとのIXの還元的なアミノ化が、式Iまたは式Iaの化合物をもたらす。
上に示した特定の方法および化合物は、限定を意図したものではない。本願明細書のスキームにおける化学構造は、同一の変動要素(つまり、R、R、Rなど)で識別されても、識別されなくても、本願明細書の化合物の式において、対応する位置の化学基の定義(部分、原子、など)で、本願明細書の中で整合的に定義される変動要素を表わす。他の化合物の合成に使用するための化合物構造における化学基の適合性は、当業者の知識の範囲にある。本願明細書のスキームにおいて明確に示されないルートの範囲内にあるものを含む、式Iの化合物およびその合成前駆体のさらなる合成方法は、当業者の化学者らの手法の範囲にある。反応条件を最適化する方法、および必要に応じて、競合する副生成物を最小化する方法は当該分野で公知である。本願明細書で引用した合成の引用文献に加えて、反応スキームおよび手順は、例えば、SciFinder(登録商標)(米国化学会のCAS部門)、STN(登録商標)(米国化学会のCAS部門)、CrossFire Beilstein(登録商標)(Elsevier MDL)などの市販の構造検索可能な検索データベースソフトウェア、あるいはグーグル(登録商標)などのインターネット検索エンジンまたは米国特許商標庁のテキストデータベースなどのキーワードデータベースを用いて、当業者によって決定されてよい。
本願明細書に記載された方法は、本願明細書に具体的に記載された工程の前か後に、本願明細書の化合物の合成を最終的に可能にするために、好適な保護基を付加または除去する工程を更に含んでもよい。さらに、様々な合成工程は、所望の化合物を得るために、別の順序または順番で実施されてもよい。適用できる化合物を合成するのに有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当業者に公知であり、例えば、Larock R,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);Greene TWほか,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版、John Wiley and Sons(1999);Fieser Lほか,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびPaquette L編集,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、ならびにこれらのこれらに続く版に記載されているものが挙げられる。
(医薬組成物)
本発明は、有効量の式Iまたは式Iaの化合物あるいは当該化合物の薬理学的に許容できる塩、溶媒和物または水和物と、許容できる担体と、を含む発熱物質を含まない組成物も提供する。好ましくは、本発明の組成物は、担体が薬理学的に許容できる担体である薬理学的な用途(医薬組成物)のために処方される。この担体は、製剤の他の成分と適合するという意味で「許容できる」ものあり、薬理学的に許容できる担体の場合、薬剤に使用する量においては、その服用者に無害である。
本発明の医薬組成物に使用してよい薬理学的に許容できる担体、アジュバント、およびビヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物などの緩衝物質、水、硫酸プロタミン、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとした物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック重合体、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の医薬組成物としては、経口投与、経直腸投与、経鼻投与、局所投与(口腔投与および舌下投与を含む)、膣内投与、または非経口投与(例えば、皮下投与、筋肉投与、静脈内投与、くも膜下投与および皮内投与を含む)に好適なものが挙げられる。一部の実施形態では、本願明細書の式の化合物は、(例えば、経皮パッチ、またはイオン導入法の技術を用いて)経皮投与される。他の製剤は、例えば、錠剤、持続放出性カプセルなどの単位量分の剤形として、およびリポソームとして、提供されることが好都合であるかも知れず、薬学分野で周知の任意の方法で調製してよい。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版)、A.R.Gennaro編集、Lippincott Williams and wilkins,2000;およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology,J.SwarbrickおよびJ.C.Boylan編集,1998−1999,Marcel Dekker,ニューヨークを参照。
治療上の使用において、式Iの化合物を含む組成物は、本願明細書に開示する方法を使用して得られる。このような化合物を含む医薬組成物は、例えば、生理食塩水などの薬理学的に許容できる緩衝液で調製し、全身的に投与してよい。投与の好ましい経路としては、例えば、患者に薬物の継続的、持続的な濃度をもたらす皮下注射、静脈注射、腹腔内への注射、筋肉注射、または皮内注射が挙げられる。ヒト患者または他の動物の治療は、生理学的に許容できる担体内の治療上有効量の式Iの化合物を用いて実施される。好適な担体およびその製剤は、例えばE.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。投与する治療薬の量は、投与の方法、患者の年齢および体重、ならびに腫瘍性疾患の臨床症状によって変わる。通常、量は、転移癌を含む乳癌などの他の腫瘍性疾患の治療に使用される他の薬剤に使用される範囲の量であるが、場合によっては、酸化の減少および化合物の半減期の延長によって少量でよい。化合物は、当業者に公知の診断法によって決定されたとおりに、腫瘍性疾患の臨床症状または生理的症状を制御する用量で投与される。
(医薬組成物の調製)
腫瘍性疾患の治療のための式Iの化合物の投与は、必要に応じて他の成分と組み合わせて、乳癌、特に転移性乳癌などの腫瘍性疾患の改善、軽減、または安定化に有効な治療成分の濃度をもたらす任意の好適な方法によって実施してよい。この化合物は、任意の好適な担体物質に任意の適切な量で含有されてもよく、通常、組成物の総重量に対して、1〜95重量%の量で存在する。この組成物は、非経口投与(例えば、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、または腹腔内への投与)経路に好適な剤形で提供してよい。医薬組成物は、従来の薬務(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版),A.R.Gennaro編集,Lippincott Williams&Wilkins,2000およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology,J.SwarbrickおよびJ.C.Boylan編集,1988−1999,Marcel Dekker,ニューヨークを参照)に従って調製してよい。
本発明に係る医薬組成物は、投与時に実質的に直ぐに、あるいは投与後のいずれかの所定時または所定時間にわたって、活性化合物を放出するように調製してよい。後者の種類の組成物は、一般に、(i)長時間にわたり体内に薬物の実質的に一定の濃度をもたらす製剤、(ii)所定時間遅らせた後に、長時間にわたり体内に薬物の実質的に一定の濃度をもたらす製剤、(iii)活性物質の血漿濃度における変動(鋸歯状の動的なパターン)に関連した好ましくない副作用の同時最小化を伴って、体内において比較的一定した有効濃度を保つことで、所定時間作用を維持する製剤、(iv)例えば、治療すべき組織の近隣または組織内への、制御放出組成物の空間配置によって、作用を局部集中する製剤、(v)例えば、1日1回、2、3日に1回、または1週間に1回、または2週間に1回、用量を投与できる、便利な投薬を可能にする製剤、(vi)担体または化学的誘導体を用いて、癌原発部位から転移した乳房組織または乳腺細胞に存在する腫瘍細胞などの特定の細胞種類に治療薬を運ぶことによって、腫瘍性疾患を標的にする製剤、を含む制御放出製剤として公知である。一部の用途では、制御放出製剤は、治療用の化合物の代謝の速度の低下に貢献でき、血漿濃度を治療域の濃度に維持するために、日中に頻繁に投与する必要性をなくす。
問題となっている化合物の代謝の速度を放出速度が上回る制御放出を得るために、いずれかの多くの対策を追求することができる。一例では、制御放出は、例えば様々な種類の放出を制御した組成物およびコーティングを含む、様々な製剤要素および製剤成分の適切な選択によって得られる。したがって、治療成分は、投与すると制御された状態で治療成分を放出する医薬組成物の中に適切な賦形剤を伴って調製される。例としては、単一単位または複数単位の錠剤組成物あるいはカプセル組成物、油剤、懸濁剤、乳剤、マイクロカプセル、ミクロスフェア、分子複合体、ナノ粒子、パッチ、またはリポソームが挙げられる。
必要に応じて、医薬組成物の本発明の化合物の溶解度および生物学的利用能は、当分野で周知の方法で改善してよい。1つの方法としては、製剤において脂質の賦形剤を使用することが挙げられる。「Oral Lipid−Based Formulations:Enhancing the Bioavailability of Poorly Water−Soluble Drugs(Drugs and the Pharmaceutical Sciences)」,David J.Hauss編集 Informa Healthcare,2007;および「Role of Lipid Excipients in Modifying Oral and Parenteral Drug Delivery:Basic Principles and Biological Examples」,Kishor M. Wasan編集 Wiley−Interscience,2006を参照。
他の公知の生物学的利用能を改善する方法は、LUTROL(商標)およびPLURONIC(商標)(BASF Corporation)などのポロキサマー、またはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体と、必要に応じて一緒に調製された本発明の化合物の非晶形の使用である。米国特許第7,014,866号明細書、および米国特許出願公開第2006/0094744号明細書および同第2006/0079502号明細書参照。
(非経口組成物)
医薬組成物は、剤形として、製剤としてまたは従来の非毒性の薬理学的に許容できる担体およびアジュバントを含む好適な送達装置または移植片によって、(皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内などに)注入、点滴、または移植によって非経口投与されてよい。このような組成物の処方および調製は、治療用製剤分野の当業者に周知である。処方は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(前出)に見出すことができる。
非経口用途の組成物は、単位用量の剤形(例えば、単一用量のアンプル剤)、または、好適な防腐剤を添加してよい(以下参照)複数の用量を含んだバイアルで提供してよい。この組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、輸液用器具、または移植のための送達装置という形状であってよく、あるいは水または他の好適なビヒクルで、使用前に再構成する乾燥粉末として提供されてもよい。式Iの活性化合物である治療成分とは別に、組成物は、好適な非経口で許容できる担体および/または賦形剤を含んでよい。活性化学療法成分は、制御放出のために、ミクロスフェア、マイクロカプセル、ナノ粒子、リポソームなどに導入してよい。さらに、この組成物は、懸濁化剤、可溶化剤、安定剤、pH調整剤、等張性調整剤、および/または分散剤を含んでよい。
上述のとおり、本発明に係る医薬組成物は、滅菌注射に好適な形状であってよい。このような組成物を調製するには、好適な活性治療成分を、非経口で許容できる液状のビヒクルに溶解または懸濁する。許容できるビヒクルおよび溶媒のうち、使用可能なものは、水、適切な量の塩化水素酸、水酸化ナトリウムまたは適切な緩衝液を添加することで好適なpHに調整された水、1,3−ブタンジオール、リンガー溶液、ならびに生理食塩液およびデキストロース溶液である。この水性製剤は、1つ以上の防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)も含有してよい。これらの化合物のうちの1つが水にやや溶けにくいか、わずかにしか溶けない場合、溶解促進剤または可溶化剤を添加することができ、あるいは溶媒は、10〜60重量%のプロピレングリコールなどを含んでもよい。
(非経口の制御放出組成物)
放出を制御した非経口の組成物は、水性懸濁液、ミクロスフェア、マイクロカプセル、磁性ミクロスフェア、油剤、油懸濁液、または乳剤の形であってよい。その他には、活性薬物は、生体適合性担体、リポソーム、ナノ粒子、移植片、または輸液用器具に導入されてよい。
ミクロスフェアおよび/またはマイクロカプセルの調製に使用される材料は、例えば、ポリガラクチン、ポリ−(イソブチル シアノアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−L−グルタメート(glutam−nine))、およびポリ(乳酸)などの生分解性/生体内分解性のポリマーである。非経口の制御放出製剤を調製する際に使用してよい生体適合性担体は、炭水化物(例えば、デキストラン)、タンパク質(例えば、アルブミン)、リポタンパク質、または抗体である。移植組織に使用する材料は、非生分解性(例えば、ポリジメチルシロキサン)、または生分解性(例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、またはポリ(オルトエステル)、あるいはこれらの組み合わせ)であってよい。
(経口用途のための固形の剤形)
経口用途のための製剤としては、非毒性の薬理学的に許容できる賦形剤との混合物として活性成分を含有する錠剤が挙げられる。この製剤は、当業者に公知である。賦形剤は、例えば、不活性希釈剤または充填剤(例えば、ショ糖、ソルビトール、砂糖、マンニトール、微結晶性セルロース、ジャガイモでんぷんを含むでんぷん、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム);造粒剤および崩壊剤(例えば、微結晶性セルロースを含むセルロース誘導体、ジャガイモでんぷんを含むでんぷん、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸塩、またはアルギン酸);結合剤(例えば、ショ糖、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、でんぷん、アルファ化でんぷん、微結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはポリエチレングリコール);および滑沢剤、流動促進剤、ならびに粘着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油、またはタルク)であってよい。他の薬理学的に許容できる賦形剤は、着色料、矯味矯臭剤、可塑剤、保湿剤、緩衝剤などであってよい。
錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または、錠剤は必要に応じて、胃腸管における崩壊および吸収を遅らせ、長い時間にわたる作用を維持するために、公知の技術でコーティングされてもよい。コーティングは、(例えば、制御放出製剤を実現するために)活性薬物を所定のパターンで放出するように構成してもよいし、または、胃を通過するまで活性薬物を放出しないように構成してもよい(腸溶コーティング)。コーティングは、砂糖コーティング、薄膜コーティング(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリレート共重合体、ポリエチレングリコール、および/またはポリビニルピロリドンをベースとしたもの)、または腸溶コーティング(例えば、メタクリル酸共重合体、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、セラック、および/またはエチルセルロースをベースとしたもの)であってよい。さらに、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用してもよい。
固体錠剤組成物は、望まれない化学変化(例えば、活性治療物質の放出の前の化学分解)から組成物を保護するように構成されるコーティングを含んでもよい。このコーティングは、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology(前出)に記載されている方法と同じ方法で、固形の剤形の上に塗布してよい。
本発明の化合物は、錠剤の中で、1つ以上の腫瘍の治療のための活性治療成分と混合されてもよく、または、2つ以上の活性治療成分は、錠剤の中で区分されていてもよい。一例では、第1の活性化学療法成分は、錠剤の内側に含有され、第2の活性治療成分は、外側に含有されるため、第2の活性治療成分の大部分は、第1の治療成分の放出より前に放出される。
経口用途の製剤は、チュアブル錠、あるいは活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、ジャガイモでんぷん、乳糖、微結晶性セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合された硬ゼラチンカプセル、あるいは、活性成分が水もしくは例えば、ラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油などの油媒体と混合された軟ゼラチンカプセルで提供されてもよい。粉末および顆粒(granulates)は、例えば、ミキサー、流動床装置、または噴霧乾燥機器を使用して、従来の方法で、錠剤およびカプセル剤の中に、上述の成分を使用して調製されてよい。
(経口の制御放出剤形)
経口用途の制御放出組成物は、例えば、活性物質の溶解および/または拡散を制御することで、本願明細書に記載の活性治療成分を放出するように構成されてよい。溶解または拡散が制御された放出は、化合物の錠剤、カプセル剤、ペレットまたは顆粒剤形の適切なコーティングによって達成されるか、あるいは適切なマトリックスに化合物を導入することによって達成できる。制御放出コーティングは、上述のコーティング物質のうち1つ以上、および/または、例えば、セラック、蜜ロウ、グリコワックス(glycowax)、キャスターワックス、カルナバワックス、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、グリセロールパルミトステアレート、エチルセルロース、アクリル樹脂、dlポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリルレート、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシメタクリレート、メタクリレートヒドロゲル、1,3ブチレングリコール、メタクリル酸エチレングリコール、および/またはポリエチレングリコールを含んでよい。制御放出マトリックス製剤において、マトリックス材料は、例えば、水和メチルセルロース、カルバナワックスおよびステアリルアルコール、cabopol934、シリコーン、トリステアリン酸グリセリル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、および/またはハロゲン化フッ化炭素も含んでよい。
1つ以上の治療化合物を含有する制御放出組成物は、浮遊錠剤(buoyant tablet)または浮遊カプセル剤(すなわち、経口投与すると、所定時間にわたり、胃内容物の上に浮く錠剤またはカプセル剤)という形であってもよい。この化合物の浮遊錠製剤は、化合物と、賦形剤と、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの20〜75重量%の親水コロイドとの混合物を、顆粒状にすることで調製することができる。その後、得られた顆粒を錠剤の中に圧縮できる。胃液に接触すると、この錠剤は、その表面の周りに実質的に防水性のゲルバリアを形成する。このゲルバリアは、錠剤が胃液の中で浮いたままになるように、密度を1倍より低く保つ。
治療用製剤は、単位用量の当たり所定量の活性成分を含有する、単位用量形態として提供されてよい。このような単位用量形態は、例えば、治療すべき症状、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および症状に応じて、0.5mg〜1200mg、好ましくは1mg〜1000mg、より好ましくは、5mg〜400mgの式Iもしくは式Iaの化合物を含んでもよく、または、治療用製剤は、単位用量の当たり所定量の活性成分を含有する単位用量形態で提供されてもよい。別の実施形態は、本発明の化合物の単位用量の剤形は、約100mg〜2000mgの間の式Iまたは式Iaの化合物、あるいは、約250mg〜1500mgの間の式Iまたは式Iaの化合物を含有してもよい。好ましい単位用量の製剤は、本願明細書において上に列挙したような活性成分の1日分の用量または1日分の用量より少ない用量(sub−dose)を含有するか、または、その適切な一部分を含有する製剤である。さらに、このような治療用製剤は、薬学分野で周知の任意の方法によって調製してよい。
上述したいずれの製剤においても、式Iまたは式Iaの化合物は、1つの剤形の中で、1つ以上の第2の治療薬と組み合わされてもよい。このような第2の治療薬としては、他の抗腫瘍剤および免疫抑制剤を挙げられるが、これらに限定されない。このような組み合わせの剤形に有用な第2の治療薬の例としては、カペシタビン、パゾパニブ、トラスツズマブ、ドセタキセル、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、シスプラチン、ビノレルビン、エベロリムス、バルプロ酸、トポテカン、オキサリプラチン、およびゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。
(治療方法)
一実施形態では、本発明は、細胞において、ErbB−1、ErbB−2、またはErbB−4に関連するタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法であって、その細胞を式Iまたは式Iaの化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、腫瘍性疾患を患っているか、または腫瘍性疾患を起こしやすい被験体を治療する方法を提供する。式Iまたは式Iaの化合物は特に乳癌の治療、特に転移性(metastic)乳癌の治療に有用であるが、本発明はこれに限定されない。本発明を使用できる具体例の腫瘍としては、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、ならびに、肉腫および癌腫などの固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、被験体は乳癌、食道腺癌、食道扁平上皮癌、子宮頚癌、頭頚部癌、固形腫瘍、非ホジキンリンパ腫、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、脳腫瘍および中枢神経系癌(神経膠腫、多形神経膠芽腫、膠肉腫)、前立腺癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、肝癌、腎癌、膵癌、を患っているか、またはこれらを起こしやすい。
本発明の他の態様では、哺乳動物におけるerbB2、erbB4、またはEGF(erbB1)受容体陽性腫瘍性疾患の治療方法が提供される。特定の実施形態では、被験体は、erbB陽性乳癌を患っているか、またはこれを起こしやすい状態にある。より特定の実施形態では、乳癌は、erbB2、erbB4もしくはEGF受容体陽性、またはerbB2、erbB4もしくはEGF受容体過剰発現である。さらにより特定の実施形態では、乳癌は、erbB2、またはEGF受容体陽性である。他のより特定の実施形態では、乳癌および/またはその障害もしくは症状は、従来の化学療法には反応しない。これらの方法は、式Iまたは式Iaの化合物を含む治療上有効量の医薬組成物を、それを必要とする被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)に、投与する工程を含む。本願明細書の化合物の「治療上有効量」とは、その疾患または障害または症状を治療するのに十分な量である。
本願明細書の方法は、被験体(このような治療が必要であると識別された被験体を含む)に、このような効果をもたらすために、本願明細書に記載の有効量の化合物、または、本願明細書に記載の有効量の組成物を投与する工程を含む。このような治療を必要とする被験体の識別は、被検体の判断または医療専門家の判断であってよく、主観的(例えば、意見)にも、または客観的(例えば、試験や診断法によって測定できる)にもなり得る。疾患、障害または症状の危険性のある被験体もしくは起こしやすい被検体を識別することは、診断学的検査あるいは被検体または医療専門家の意見(例えば、遺伝子検査、酵素標識またはタンパク質標識(リン酸化EGF受容体、c−ErbB−2、もしくはc−erbB−4など)、家族歴など)による任意の主観的もしくは客観的判断によって、実現することができる。
本願明細書において使用する「治療する」「治療すること」「治療」などの用語は、障害および/またはそれに関連する症状を軽減または改善することを指す。障害または症状を治療することは、完全な解消が不可能ではないとしても、障害、これに関連する症状(condition)、もしくは症状(symptom)が完全に解消されることを必要としないことを理解されたい。
(併用療法)
必要に応じて、本発明の化合物は、任意のほかの標準的な活性抗腫瘍治療と併用して投与される。このような治療は、当業者に公知であり、抗腫瘍性治療、他の化学療法成分、ホルモン剤、抗体薬、または免疫抑制剤との併用療法、ならびに外科的治療および/または放射線治療を含む。
非腫瘍性治療は、例えば、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドなどの微小管阻害剤(anti−microtubule agent)、白金配位錯体、ナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、およびトリアゼンなどのアルキル化剤、アントラサイクリン、アクチノマイシン、およびブレオマイシンなどの抗生物質製剤、エピポドフィロトキシンなどのII型トポイソメラーゼ阻害剤、プリンおよびピリミジンアナログおよび抗葉酸化合物などの代謝拮抗薬、カンプトテシンなどのI型トポイソメラーゼ阻害剤、ホルモンおよびホルモンアナログ、シグナル伝達系阻害剤、非受容体型チロシンキナーゼ血管形成阻害剤、免疫療法薬、アポトーシス促進剤、ならびに細胞周期シグナル伝達阻害剤を含むがこれらに限定されない非腫瘍性治療を記載している、2002年1月14日に出願された国際出願第PCT/US02/01130号に記載されている。
微小管阻害剤または有糸分裂阻害剤は、細胞周期のM期または有糸分裂期の間に腫瘍細胞の微小管に対して作用する期特異的薬剤(phase specific agent)である。微小管阻害剤の例としては、ジテルペノイドおよびビンカアルカロイドが挙げられるがこれらに限定されない。天然源由来のジテルペノイドは、細胞周期のG2/M期に作用する期特異的抗癌剤である。ジテルペノイドは、微小管の[β]−チューブリンサブユニトを、このタンパク質を結合することによって安定化すると考えられている。このタンパク質の分解は阻害され、有糸分裂は停止し、細胞死が続くようである。ジテルペノイドの例としては、パクリタキセルおよびそのアナログであるドセタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。パクリタキセル、5[β],20−エポキシ−1,2[α],4,7[β],10[β],13[α]−ヘキサ−ヒドロキシタキサ−11−エン−9−オン 4,10−ジアセテート 2−ベンゾエート 13−(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンエステルは、セイヨウイチイ、タイヘイヨウイチイから単離された天然のジテルペンの産物であり、注入液として、TAXOL(登録商標)として市販されている。ドセタキセル、5[β]−20−エポキシ−1,2[α],4,7[β],10[β],13[α]−ヘキサヒドロキシタキサ−11−エン−9−オン 4−アセテート 2−ベンゾエート,三水和物の(2R,35)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステルとの13−エステルは、注入液として、TAXOTERE(登録商標)として市販されている。ビンカアルカロイドは、ツルニチソウ由来の期特異的抗腫瘍剤である。ビンカアルカロイドの例としては、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されない。
ビンブラスチン、硫酸ビンカレウコブラスチンは、注入液として、VELBAN(登録商標)として市販されている。ビンクリスチン、ビンカレウコブラスチン,22−オキソ−,硫酸塩は、注入液として、ONCOVIN(登録商標)として市販されている。ビノレルビン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R,R)−2,3−ジヒドロキシブタン二酸(1:2)(塩)]、は、酒石酸ビノレルビンの注入液(NAVELBINE(登録商標))として市販されている半合成のビンカアルカロイドである。白金配位錯体は、DNAと相互作用する非期特異的抗癌剤である。白金配位錯体の例としては、シスプラチン、オキサリプラチン、およびカルボプラチンが挙げられるが、これらに限定されない。シスプラチン、シスジアンミンジクロロ白金は、注入液として、PLATINOL(登録商標)として市販されている。カルボプラチン、白金、ジアンミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシレート(2−)−O,O’]は、注入液として、PARAPLATIN(登録商標)として市販されている。アルキル化剤は、非期抗癌特異的薬剤(non−phase anti−cancer specific agents)および強い求電子剤である。アルキル化剤の例としては、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシルなどのナイトロジェンマスタード、ブスルファンなどのスルホン酸アルキルエステル、カルムスチンなどのニトロソウレア、およびダカルバジンなどのトリアゼンを挙げられるが、これらに限定されない。
シクロホスファミド、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサザホスホリン 2−オキシド 一水和物は、注入液または錠剤として、CYTOXAN(登録商標)として、市販されている。メルファラン、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注入液または錠剤として、ALKERAN(登録商標)として、市販されている。クロラムブシル、4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、LEUKERAN(登録商標)錠剤として、市販されている。ブスルファン、1,4−ブタンジオール ジメタンスルホナートは、MYLERAN(登録商標)錠剤として、市販されている。カルムスチン、1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアは、凍結乾燥物質のシングルバイアルとして、BiCNU(登録商標)として、市販されている。ダカルバジン、5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、物質のシングルバイアルとして、DTIC−Dome(登録商標)として、市販されている。
抗生物質の抗腫瘍剤は、DNAに結合または挿入される非期特異的薬剤である。抗生抗腫瘍剤の例としては、ダクチノマイシンなどのアクチノマイシン、ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントラサイクリン、ならびにブレオマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。アクチノマイシンDとしても知られるダクチノマイシンは、注入液形として、COSMEGEN(登録商標)として、市販されている。ダウノルビシン、(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−[α]−L−リキソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12−ナフタセンジオン塩酸塩は、リポソームの注入液形として、DAUNOXOME(登録商標)として、または注入液形(injectable)として、CERUBIDINE(登録商標)として、市販されている。ドキソルビシン、(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−[α]−L−リキソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル,7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12 ナフタセンジオン塩酸塩は、注入液形として、RUBEX(登録商標)として、またはADRIAMYCIN RDF(登録商標)として、市販されている。Bleomycin、Streptomyces verticillusの株から単離した細胞毒性グリコペプチド系抗生物質の混合物は、BLENOXANE(登録商標)として市販されている。
トポイソメラーゼII型阻害剤としては、エピポドフィロトキシンが挙げられるが、これに限定されない。エピポドフィロトキシンの例としては、エトポシドおよびテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。エトポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン 9[4,6−0−(R)−エチリデン−[β]−D−グルコピラノシド]は、注入液またはカプセルとして、VePESID(登録商標)として市販されており、VP−16として一般に公知である。テニポシド、4’−デメチル−エピポドフィロトキシン 9[4,6−0−(R)−テニリデン−[β]−D−グルコピラノシド]は、注入液として、VUMON(登録商標)として市販されており、VM−26として一般に公知である。
代謝拮抗性抗腫瘍剤は、DNA合成を阻害することによって、またはプリンもしくはピリミジン塩基合成を阻害することによって、したがってDNA合成を制限する、細胞周期のS期(DNA合成)で作用する、期特異的抗腫瘍性薬剤である。代謝拮抗性抗腫瘍剤の例としては、フルオロウラシル、メトトレキサート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、およびゲムシタビンが挙げられるが、これらに限定されない。5−フルオロウラシル、5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。他のフルオロピリミジンアナログとしては、5−フルオロ デオキシウリジン(フロクスウリジン)および5−フルオロデオキシウリジン 一リン酸塩が挙げられる。Pシタラビン、4−アミノ−1−[β]−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、CYTOSAR−U(登録商標)として市販されており、Ara−Cとして一般に公知である。他のシチジンアナログとしては、5−アザシチジンおよび2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。シタラビンは、白血球減少症、血小板減少症、および粘膜炎を誘発する。
メルカプトプリン、1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、PURINETHOL(商標登録)として市販されている。有用なメルカプトプリンアナログとしては、アザチオプリンが挙げられる。チオグアニン、2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、TABLOID(登録商標)として市販されている。他のプリンアナログとしては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビンが挙げられる。ゲムシタビン、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩([β]−異性体)は、GEMZAR(登録商標)として市販されている。
メトトレキサート、N−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキサートナトリウムとして市販されている
カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体を含むカンプトテシンは、トポイソメラーゼI型阻害剤として入手できるか、または開発中である。カンプトテシンの例としては、イリノテカン、トポテカン、および以下に記載する様々な7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの光学異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
イリノテカンHCl、(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン塩酸塩は、注入液として、CAMPTOSAR(登録商標)として市販されている。 イリノテカンは、その活性代謝産物SN−38と一緒に、トポイソメラーゼI型−DNA複合体に結合するカンプトテシンの誘導体である。トポテカンHCl、(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオン一塩酸塩は、注入液HYCAMTIN(登録商標)として市販されている。興味深いのは、ラセミ混合物(R,S)形態、ならびにRおよびSエナンチオマー:化学名7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(R,S)−カンプトテシン(ラセミ混合物)または7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(R)−カンプトテシン(Rエナンチオマー)、もしくは7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシン(Sエナンチオマー)で知られるEMI5.0、を含む現在開発中のカンプトテシン誘導体である。このような化合物および関連化合物は、製造方法を含み、米国特許第6,063,923号明細書、同第5,342,947号明細書、同第5,559,235号明細書、同第5,491,237号明細書、および1997年11月24日に出願された、係属中の米国特許出願第08/977,217号に記載されている。
ホルモンおよびホルモンアナログは、ホルモンと、癌の成長および/または成長の欠失とが関係する癌を治療するのに有用な化合物である。ホルモンおよびホルモンアナログの例としては、小児の悪性リンパ腫および急性白血病の治療に有用なプレドニゾンおよびプレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド;エストロゲン受容体を含有する副腎皮質癌およびホルモン依存性乳癌の治療に有用な、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、およびエキセメスタンなどのアミノグルテチミドおよび他のアロマターゼ阻害剤;ホルモン依存性乳癌および子宮内膜癌の治療に有用な酢酸メゲストロールなどのプロゲスチン;前立腺癌および良性の前立腺肥大の治療に有用な、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、シプロテロン酢酸などのエストロゲン、アンドロゲン、および抗アントロゲン、ならびにフィナステリドおよびデュタステリドなどの5[α]−レダクターゼ;ホルモン依存性乳癌および他の発症しやすい癌(susceptible canser)の治療に有用な、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、イオドキシフェン(iodoxifene)およびフルベストラントなどの抗エストロゲン、ならびに米国特許第5,681,835号明細書、同第5,877,219号明細書、および同第6,207,716号明細書に記載されたものなどの選択的エストロゲン受容体調節物質(SERMS);ならびに、例えば、酢酸ゴセレリンおよびリュープロリドなどのLHRHアゴニストおよびアンタゴニストなどの、前立腺癌の治療のために黄体ホルモン(leutenizing hormone)(LH)および/または卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を促す生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)およびそのアナログが挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍を治療するのに有用なモノクローナル抗体としては、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))および抗Her2抗体ならびにベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))および抗VEGF抗体が挙げられる。本発明の化合物との併用に有用な他の抗腫瘍剤としては、パゾパニブ、VEGF阻害剤、および抗血管新生性と考えられているバルプロ酸が挙げられる。
したがって、本発明に係る併用療法は、式(I)の化合物のうち少なくとも1つの投与、および免疫抑制性のエベロリムスなどの他の抗腫瘍剤を含む他の治療薬の任意の使用を含む。このような薬剤の組み合わせは、一緒にまたは別々に投与されてよく、別々に投与される場合には、同時にまたは順に任意の順番で、時間を空けずに投与されても、時間を空けて投与されても、どちらでもよい。式(I)の化合物および他の治療活性薬の量、投与の相対的なタイミングは、所望の複合治療効果を実現するように選択される。
一実施形態では、癌を患っているか、または癌を起こしやすい状態にある被験体の治療方法は、第2の療法を必要とする被験体に、式Iまたは式Iaの化合物以外の第2の抗腫瘍療法および免疫抑制剤から選択される治療を投与するさらなる工程を含む。
特定の一実施形態では、被験体は、乳癌を患っているか、乳癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬は、カペシタビン、パゾパニブ、トラスツズマブ、ドセタキセル、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブ、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドから選択される。
他の特定の実施形態では、被験体は、子宮頚癌を患っているか、子宮頚癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬はパゾパニブである。
さらに他の特定の実施形態では、被験体は、頭頚部癌を患っているか、頭頚部癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療は、放射線治療およびシスプラチンから選択される。
他の特定の実施形態では、被験体は、固形腫瘍を患っているか、固形腫瘍を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬は、ビノレルビン、エベロリムス、パクリタキセル、バルプロ酸、ドセタキセル、およびトポテカンから選択される。
他の特定の実施形態では、被験体は、非ホジキンリンパ腫を患っているか、非ホジキンリンパ腫を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬はエベロリムスである。
他の特定の実施形態では、被験体は、胃癌を患っているか、胃癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬はパクリタキセルである。
他の特定の実施形態では、被験体は、卵巣癌を患っているか、卵巣癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬はカルボプラチンおよびトポテカンから選択される。
他の特定の実施形態では、被験体は、悪性神経膠腫を患っているか、悪性神経膠腫を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬は、パゾパニブである。
他の特定の実施形態では、被験体は、腹膜癌を患っているか、腹膜癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬は、トポテカンである。
他の特定の実施形態では、被験体は、膵癌を患っているか、膵癌を起こしやすい状態にあり、第2の治療薬は、オキサリプラチンおよびゲムシタビンから選択される。
(抗腫瘍作用を有する化合物の分析)
必要に応じて、本願明細書に記載されている化合物は、当業者に公知の標準の分析を用いて、腫瘍細胞の生存、増殖、または浸潤を減速、安定化、または減少させる能力について検証される。腫瘍細胞の成長は、正常な細胞の成長または増殖を制御する調節機構と同じ調節機構には支配されない。腫瘍の成長または増殖を減少させる化合物は、腫瘍の治療に有用である。細胞の成長および増殖の分析方法は、当該分野において公知である。例えば、Kittler他,Nature,2004,432(7020):1036−40およびMiyamoto他,Nature,2002,416(6883):865−9参照。細胞増殖の分析は、通常、細胞複製の間のDNA合成の測定を含む。一実施形態では、DNA合成は、([H]−チミジンまたは5−ブロモ−2−デオキシウリジン[BrdU]などの標識DNA前駆体を使用して検出され、この([H]−チミジンまたは5−ブロモ−2−デオキシウリジン[BrdU]は、細胞(または動物)に加えられた後に、細胞周期(複製)のS期の間におけるこれら前駆体のゲノムDNA中への導入が検出される(Ruefli−Brasse他,Science,2003,302(5650):1581−4;Gu他,Science,2003,302(5644):445−9)。腫瘍細胞の生存を減少させる化合物は、抗腫瘍治療薬として有用である。細胞生存を測定する分析は、当該分野において公知であり、例えば、Crouch他による,J Immunol Meth,160:81−8;Kangas他,Med Biol,1984,62:338−43;Lundin他,Meth Enzymol,1986,133:27−42;Petty他,J Biolumin Chemilumin,1995,10:29−34;およびCree他 AntiCancer Drugs,1995,6:398−404に記載されている。細胞生存は、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)Barltrop,Bioorg Med Chem Lett,1991,1:611;Cory他,Cancer Comm 1991,3:207−12,;Paull,J Heterocyclic Chem,1988,25:911を含む様々な方法を用いて分析できる。細胞生存の分析用品は、市販もされている。これらの分析用品としては、ATPを検出し、培養物中の細胞の健康状態または細胞の数を定量化するルシフェラーゼ技術を用いるCELLTITER−GLO(登録商標)発光細胞生存性分析(Promega)、および乳酸脱水素酵素(LDH)細胞毒性分析(Promega)であるCELLTITER−GLO(登録商標)発光細胞生存性分析が挙げられるが、これらに限定されない。
腫瘍細胞死を増加(例えば、アポトーシスを増加)する化合物は、特に抗腫瘍治療薬として有用である。細胞のアポトーシスを測定する分析は、当業者に公知である。アポトーシス細胞は、光学顕微鏡を用いて明瞭に観察できる、クロマチン凝縮、細胞収縮、および細胞膜小疱化(blebbing)を含む特有の形態変化によって特徴付けられる。アポトーシスの生化学的特徴としては、DNA断片化、特定の位置におけるタンパク質切断、ミトコンドリア膜透過性亢進、および細胞表面膜上へのホスファチジルセリンの出現が挙げられる。アトポーシスの分析は、当該分野において公知である。分析法の例としては、TUNEL(末端デオキシヌクレオチジル転移酵素ビオチン−dUTP−ニック末端標識)分析、カスパーゼ活性(特にカスパーゼ−3)分析、ならびにfasリガンドおよびアネキシンVの分析が挙げられる。アトポーシス検出のための市販の製品としては、例えば、Apo−ONE(登録商標)ホモジニアスカスパーゼ3/7分析、FragEL TUNELキット(カリフォルニア州サンディエゴ、ONCOGENE RESEARCH PRODUCTS社製)、ApoBrdU DNA断片化分析(カリフォルニア州マウンテンビュー、BIOVISION社製)、および迅速アトポーシスDNAラダー検出キット(カリフォルニア州マウンテンビュー、BIOVISION社製)が挙げられる。
腫瘍細胞は、発生した部位から全身の離れた部位へ転移または拡大する性質を有する。転移能または浸潤の分析法は、当業者に公知である。このよう分析法としては、接触阻害の減少の体外分析(Kim他,Proc Natl Acad Sci USA,2004,101:16251−6)、体外の増加軟寒天コロニー形成分析(Zhong他,Int J Oncol,2004,24(6):1573−9)、ルイス肺癌(3LL)型肺転移分析(Datta他,In Vivo,2002,16:451−7)、およびマトリゲルベースの細胞浸潤分析(Hagemann他 Carcinogenesis,2004,25:1543−1549)が挙げられる。細胞浸潤の体内スクリーニング法も、当該分野において公知であり、例えば、胸腺欠損ヌードマウスの腫瘍形成能スクリーニングが挙げられる。転移を調べるための一般に用いられる体外分析は、マトリゲルベースの細胞浸潤分析(ニュージャージー州フランクリンレイクス、BD Bioscience社製)である。
必要に応じて、本願明細書に記載のスクリーニング法のいずれかを使用して選択された化合物は、腫瘍の動物モデルを用いて、その有効性が検査される。一実施形態では、マウスは、腫瘍ヒト細胞を注入される。腫瘍細胞を含むこのマウスは、次に、ビヒクル(PBS)、または候補化合物を(例えば腹腔内に)、経験的に決定される時間にわたって、毎日注入される。その後、マウスは安楽死させられ、腫瘍組織は採取され、erbB2、erbB4、もしくはEGF受容体mRNA、またはタンパク質のレベルが、本願明細書に記載の方法を用いて分析される。対照のレベルに対するerbB2、もしくはerbB4 mRNAまたはタンパク質の発現を減少する化合物は、被験体(例えばヒト患者)における腫瘍の治療に有効であることが期待される。加えて、EGF受容体のリン酸化を減少する化合物、またはEGF受容体活性を減少する化合物は、乳癌などの腫瘍性疾患の治療に有用である。
必要に応じて、腫瘍量に対する候補化合物の効果は、ヒト腫瘍細胞を注入したマウスにおいて分析される。腫瘍細胞は、塊を形成させるために成長させられる。その後、マウスは、式Iもしくは式Iaの化合物またはビヒクル(PBS)で、経験的に決定される時間帯にわたって、毎日処置される。マウスは、安楽死させられ、腫瘍組織は採取される。選択された候補化合物で処置されたマウスの腫瘍組織の塊は、対応する対照マウスに存在する腫瘍組織の塊と比較される。
(診断法およびキット)
本発明の化合物および組成物は、溶液中または血漿などの生体試料中のラパチニブの濃度の測定方法、ラパチニブの代謝の検討方法、および他の分析的研究方法における試薬としても有用である。
一実施形態によれば、本発明は、ラパチニブの溶液中または生体試料中の濃度の測定方法を提供し、この測定方法は、a)既知濃度の式Iaの化合物を、生体試料の溶液に添加する工程と;b)式Iaの化合物からラパチニブを識別する測定装置にその溶液または生体試料を置く工程と;c)検出された量の式Iaの化合物を、その生体試料または溶液に添加された既知濃度の式Iaの化合物に関連付けるために、測定装置を調整する工程と;d)この調製された測定装置で、生体試料中のラパチニブの量を測定する工程と、e)式Iaの化合物の得られた検出量と濃度との間の相関を用いて、試料の溶液内のラパチニブの濃度を決定する工程と、を含む。
式Iaの対応する化合物からラパチニブを識別できる測定装置としては、同位体存在量だけが互いに異なる2つの化合物を識別できる任意の測定装置が挙げられる。測定装置の例としては、質量分析計、NMR分光計、またはIR分光計が挙げられる。
他の実施形態では、本発明は、式Iまたは式Iaの化合物の代謝安定性の評価方法を提供し、この評価方法は、ある時間にわたって、この化合物を代謝酵素源に接触させる工程と、その時間後に、式Iまたは式Iaの化合物の量を、その代謝産物と比較する工程と、を含む。
関連する実施形態では、本発明は、この化合物を投与した後、この患者における式Iまたは式Iaの化合物の代謝安定性を評価する方法を提供する。この方法は、被験体へ式Iまたは式Iaの化合物を投与した後の時間において、患者からの血清、尿または糞便試料を入手する工程と、この化合物の量を、血清、尿または糞便試料におけるこの化合物の代謝産物と比較する工程とを含む。
本発明は、腫瘍(癌)を治療するために使用するキットも提供する。これらのキットは、(a)式Iもしくは式Iaの化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を含み、容器に入っている医薬組成物と、(b)腫瘍(癌)を治療する医薬組成物の使用方法を説明する説明書と、を含む。特定の実施形態では、このキットは、HER−2陽性乳癌の治療用である。
容器は、この医薬組成物を保持できる任意の容器または他の密封されたまたは密封可能な器具であってよい。例としては、瓶、アンプル、各区分もしくはチャンバがこの組成物の1回の用量を含む、区分されたホルダーを有するボトルすなわち多室型のホルダーを有するボトル、各区分がこの組成物の1回の用量を含む分けられた薄片の包み、またはこの組成物の1回の用量を分配するディスペンサーが挙げられる。容器は、当該分野で公知の任意の従来の形状または形態で、例えば、紙もしくはダンボール箱、ガラスもしくはプラスチックの瓶またはジャー、再封可能な袋(例えば、異なる容器に入れるために錠剤の「詰め替え」を保管するため)、または治療のスケジュールに従ってパックの外に押し出す個々の用量を入れたブリスターパックなどの薬理学的に許容できる材料で作られた容器であってよい。使用する容器は、関連する具体的な剤形に応じることができ、例えば従来のダンボール箱は、一般に液体懸濁液を保持するためには使用されない。1回の用量形態を市場に出すために、単一のパッケージにおいて、複数の容器を一緒に使うことができることは、実用的である。例えば、錠剤は瓶に入れられ、次にこの瓶が箱の中に入れられてもよい。一実施形態では、容器はブリスターパックである。
本発明のこのキットは、医薬組成物の単位用量を投与または測定する装置も含んでよい。このような装置としては、この組成物が吸入可能な組成物である場合の吸入器;この組成物が注入可能な組成物である場合の注射器および針;この組成物が経口液体組成物である場合の注射器、スプーン、ポンプ、または目盛りを有する容器もしくは有しない容器、あるいはキットに存在する組成物の剤形に適した任意のほかの測定装置もしくは送達装置を挙げてもよい。
一部の実施形態では、本発明のキットは、本発明の化合物との併用投与に使用する上に列挙された治療剤のうちの1つなどの第2の治療剤を含む医薬組成物を、容器の別の器に含んでもよい。
本発明を、全体的に説明したが、本発明は、本発明の一部の態様および実施形態を単に説明する目的で含まれ、本発明のいかなる限定も意図しない以下の実施例を参照することにより、より理解し易くなる。
<実施例>
(実施例1:非重水素化中間体17の調製)
(スキーム1)
Figure 2010501572
スキーム1は、Y3a、Y4aおよびY4bが全て水素である、本発明の化合物の調製に有用な一部の中間体の合成を表わす。スキーム1の合成を、以下にさらに記載する。
(2−クロロ−1−(3−フルオロベンジルオキシ−4−ニトロベンゼン)(12))
粉末化された炭酸カリウム(73.1g、0.5300mol、1.3当量)を、DMF(300mL)中の2−クロロ−4−ニトロフェノール(10)(77.6g、0.4484mol、1.1当量)の溶液に、ゆっくりと添加した。濃い黄色の懸濁液が生成され、反応温度が23℃から42℃に上昇した。この反応混合物を80℃まで加熱し、3−フルオロベンジルブロミド(11)(77.1g、50mL、0.4077mol、1.0当量)を約0.5時間にわたり、80〜85℃で滴下し、この滴下ロートをDMF(25mL)を用いてリンスした。この濃い懸濁液を、約95℃で、4.5時間にわたり加熱した。この反応混合物を、室温まで冷却し、次に10℃まで冷却した。HO(500mL)を、20℃より低い温度で滴下した。この黄色の懸濁液を、HO(750mL)でさらに希釈し、1時間にわたって撹拌した。この固形分を濾過し、HO(2×1L)で洗浄し、フィルター上で2時間にわたって乾燥し、次に一晩風乾した。固形分を10%トルエン/ヘプタン(500mL)で洗浄し、続いてヘプタン(500mL)で洗浄し、フィルター上で1時間にわたって乾燥し、次に真空オーブン内で、約40℃で、7時間にわたって乾燥し、黄白色の固形分として、111.3g(97%)の12を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
(3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミン(13))
12(56.2g、0.20mol)と、5%のPt−C(5.0g、50%のHO)と、THF(500mL)との混合物を、30psi(約207kPa)のHで、Hの取り込みが停止するまで(約2.75時間)水素化した。この混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、次にこのセライトパッドをTHF(750mL)で洗浄した。この濾液を、減圧下で、小体積になるように濃縮し、残留THFを、トルエン(300mL)で共蒸発させた。この混合物を、小体積になるように濃縮し、種晶を添加した。結晶化が完了した後、残留トルエンをヘプタン(2×300mL)で共蒸発させた。この残留固形分を、ヘプタン(200mL)で粉砕し、濾過し、乾燥して、茶白色の固形分として、47.6g(95%)の13を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
(4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(14))
2−アミノ−5−ヨード安息香酸(101.3g、0.3852mol)と、ホルムアミド(210mL)との懸濁液を、約165℃で、3.75時間にわたって加熱した。このとき、約100℃で、暗褐色の溶液を生成した。この混合物を室温まで冷却し、この濃い懸濁液を、50%の水系エタノール(「EtOH」)(500mL)で希釈した。この固形分を濾過し、50%の水系EtOH(250mL)で洗浄し、フィルター上で、0.5時間にわたって乾燥した。この固形分を、EtOH/ヘプタン(1:1体積比、500mL)で洗浄し、続いてヘプタン(250mL)で洗浄した。この固形分を一晩風乾し、続いて真空オーブン内で、約40℃で、7時間にわたり乾燥し、灰褐色の固形分として、73.9g(71%)の6−ヨードキナゾリン−4−オールを得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
塩化オキサリル(11.8g、8.1mL、92.6mmol、2.0当量)を、6−ヨードキナゾリン−4−オール(12.6g、46.2mmol、1.0当量)と、DMF(0.5ml)と、1,2−ジクロロエタン(300mL)との懸濁液に添加し、反応温度が21℃から25℃に上昇した。この混合物を、約75℃で、一晩加熱した。NaHCOでクエンチした一定分量のTLC(50%のEtOAc/ヘプタン)が、反応が完了していないことを示した。この混合物を室温まで冷却し、塩化オキサリル(2.0mL、0.5当量)を添加し、この混合物を7時間にわたって還流した。この透明の暗褐色の溶液を室温まで冷却し、10%のNaCO水溶液(500mL)に、極めてゆっくりと注いだ。この水系混合物を、EtOAc(500mL)で抽出した。水相の大部分が分離し、残留混合物を、濾過して、界面にある一部の不溶性物質を除去した。濾液の相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。生成した固形分を冷たいヘプタン(約200mL)で粉砕し、濾過し、乾燥し、淡褐色の固形分として、11.2g(84%)の14を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
([3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル](6−ヨードキナゾリン−4−イル)アミン塩酸塩(15))
2−プロパノール(300mL)中の14(12.5g、43.0mmol)の懸濁液に、13(11.2g、44.3mmol)を添加した。生成した懸濁液を4時間にわたり還流し、次に、減圧下において揮発物を除去し、粗固形分を、熱いアセトン(400mL)で粉砕し、60℃で2時間にわたり乾燥し、淡黄色の固形分として、15(16.4g、70%)を得た。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−カルバルデヒド(17))
エタノール(270mL)中の15(19.4g、35.8mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(24.9mL、179mmol)を添加し、続いて、5−ホルミルフラン−2−ボロン酸(16)(10.0g、71.6mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素で、20分間パージし、次に、Pd(dppf)Cl−CHCl(1.18g、1.43mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間にわたり還流し、揮発物を、減圧下において除去した。この粗残渣を、水(500mL)中に取り込んだ。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、メタノール(200mL)で粉砕し、60℃で乾燥し、黄褐色の固形分として、17(16.0g、94%)を得た。
(実施例2:化合物100トシレート塩およびラパチニブトシレート塩の調製)
(スキーム2)
Figure 2010501572
スキーム2は、化合物100およびラパチニブのトシレート塩の合成を表わす。スキーム2の合成を、以下にさらに記載する。
(2−メタンスルホニルエチルアミン,塩酸塩(18))
2−メチルスルファニルエチルアミン(5.0g、54.9mmol、1.0当量)と、飽和NaHCO溶液(100ml)と、THF(200mL)との混合物を、約13℃まで冷却し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(13.2g、60.4mmol、1.1当量)を、ゆっくりと添加し、反応温度がわずかに上昇(2℃)した。この混合物を室温にし、3時間にわたって撹拌した。この混合物をHO(100mL)と、酢酸エチル(「EtOAc」)(200mL)とで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下において濃縮した。残留淡黄色油状物を、高真空下に1時間にわたって置き、残留t−BuOHおよび/またはBocOを含有する油状物として、12.7gの粗(2−メタンスルファニルエチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステルを得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
70〜75%のMCPBA(27.0g、109.8mmol)を、穏やかに(17〜20℃)冷却しながら、DCM(300mL)中の粗(2−メタンスルファニルエチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(12.7g)とNaHCO(10.1g、120.8mmol)との懸濁液に、少しずつ添加した。添加が完了した後、濃い白色の懸濁液を、室温で、2時間にわたり撹拌し終わった時、Tlc(EtOAc/ヘプタン、1:1、体積比)およびLCMSが、酸化完了を示した。この混合物を、DCM(200ml)で希釈し、10%のNaCO水溶液(200mL)と、HO(200mL)と、ブラインとで、順次洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下において濃縮し、淡黄色油状物を得た。結晶を誘発するために、種結晶を用いた。この固形分を、冷たいヘプタンで粉砕し、濾過し、乾燥し、白色固形分として、10.6g(2−メチルスルファニルエチルアミンから86%)の(2−メタンスルホニルエチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステルを得た。
ジエチルエーテル(50mL)中の2M HClを、EtOAc(250mL)中の(2−メタンスルホニルエチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(10.6g、47.5mmol)の溶液に添加した。約0.25時間後に、沈殿物が生成し始めた。この懸濁液を、室温で、一晩撹拌した。TLCおよびLCMSは、反応が完了していないことを示した。ジエチルエーテル(120mL)中の2M HClを添加し、この混合物を、室温で、一晩撹拌した。この固形分を集め、EtOAc(100mL)で洗浄し、N下で乾燥し、白色固形分として、5.9g(78%)の18を得た。
(2−メタンスルホニル−1,1−d−エチルアミン塩酸塩(18−d))
無水THF(100mL)中の2−メタンスルホニルアセトニトリル(5.95g、50mmol)の溶液に、BDの1.0M THF溶液(50mL、50mmol)を、室温で滴下した。添加後、反応物を、50℃で一晩加熱し、室温まで冷却し、次に、メタノール(300mL)でゆっくりとクエンチした。生成した溶液を、3時間還流し、真空内で蒸発させた。粗残渣を、THF(300mL)中に取り込み、飽和炭酸水素ナトリウム(300mL)およびBocO(10.9g、50mmol)を添加した。生成した溶液を、一晩撹拌し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粘性の油状物(13g)を得た。この粗油状物を、1,4−ジオキサン(100mL)中に溶解し、1,4−ジオキサン中の4.0M塩化水素溶液(100mL)を添加した。この溶液を、室温で、約2時間にわたって撹拌し、真空で蒸発させ、メタノールで追跡(chase)し、白色の固形分(4.7g、75%)として、2−メタンスルホニル−1,1−d−エチルアミン塩酸塩を得て、これをさらなる精製をせずに使用した。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−イルメチル−(2−メタンスルホニルエチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(20))
トリエチルアミン(4.4mL、31.8mmol)を、DCM(500ml)中の18(4.0g、25.05mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を1時間、室温で撹拌した。17(7.1g、15mmol)を添加し、この懸濁液を、室温で1時間撹拌し、透明な黄褐色の溶液を得た。NaBH(OAc)(9.7g、50.1mmol)を添加し、生成した懸濁液を一晩撹拌し、次に10%NaCO水溶液(300mL)をゆっくり添加することでクエンチした。30分後に、水層を分離させ、水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、褐色の油状物を得た。この粗油状物をTHF(300mL)中に取り込み、飽和炭酸水素ナトリウムとBocO(6.6g、30mmol)とを添加した。生成した溶液を、室温で、2時間にわたって撹拌し、酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗油状物を得て、この粗油状物を溶離剤として3:1 EtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、黄褐色の発泡体状物質として、化合物20(7.0g、69%)を得た。
([(3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル](6−{5−[(2−メタンスルホニルエチルアミノ)−メチル]フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)アミン 4−トルエンスルホン酸塩(ラパチニブトシレート塩))
水槽内のDCM(240mL)中の20(7.0g、10.3mmol)の溶液に、TFA(20mL)を添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、その後、揮発物を減圧下で除去し、粘性の油状物を得て、これを飽和炭酸水素ナトリウム(200mL)で中和した。生成した懸濁液を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、黄褐色の固形分(6g)を得た。この固形分を、65℃で、無水エタノール(300mL)に溶解し、エタノール(25mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(1.84g、9.7mmol)の溶液を、同じ温度で滴下した。生成した懸濁液を、還流状態で、1時間にわたって撹拌した。この懸濁液を、室温まで冷却して戻し、濾過し、少量のエタノールで洗浄した。集めた固形分を、70℃で一晩乾燥し、淡黄色の固形分として、ラパチニブトシレート塩(6.77g、93%)を得た。
Figure 2010501572
保持時間(HPLC,方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACN+0.1%のギ酸で3.3分間と95%のACNで1.7分間保持):2.71分。MS(M+H):581.1。元素分析(C3634ClFN):計算値:C=57.40,H=4.55,Cl=4.71,F=2.52,N=7.44,S=8.51。実測地:C=57.24,H=4.47,Cl=4.92,F=2.62,N=7.40,S=8.53。
((5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−イルメチル)−(2−メタンスルホニル−1,1−d−エチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(19))
トリエチルアミン(4.4mL、31.8mmol)を、DCM(500ml)中の18−d(4.05g、25.05mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を室温で、1時間にわたって撹拌した。17(7.1g、15mmol)を添加し、この懸濁液を、室温で1時間にわたって撹拌し、透明の褐色溶液を得た。この溶液に、NaBH(OAc)(9.7g、50.1mmol)を添加した。この懸濁液を一晩撹拌し、10%NaCO水溶液(300mL)をゆっくりと添加することでクエンチした。30分後、BocO(6.6g、30mmol)を添加した。生成した溶液を、室温で、2時間にわたって撹拌した。層を分離させ、水層を、酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗油状物を得て、この粗油状物を溶離剤として3:1 EtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、黄褐色の発泡体状物質として、19(6.0g、59%)を得た。
([(3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル](6−{5−[(2−メタンスルホニル−1,1−d−エチルアミノ)メチル]フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)アミン,4−トルエンスルホン酸塩(化合物100トシレート塩))
水槽内のDCM(240mL)中の19(6.0g、8.8mmol)の溶液にTFA(20mL)を添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、その後、揮発物を減圧下で除去し、粘性の油状物を得て、これを飽和炭酸水素ナトリウム(300mL)で中和した。生成した懸濁液を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、黄褐色の固形分(5.1g)を得た。この固形分を、65℃で、無水エタノール(300mL)に溶解し、エタノール(25mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(1.56g、8.22mmol)を、同じ温度で添加した。生成した懸濁液を、還流状態で、1時間にわたって撹拌した。この懸濁液を、室温まで冷却して戻し、濾過し、少量のエタノールで洗浄した。集めた固形分を、70℃で一晩乾燥し、黄色の固形分として、化合物100トシレート塩(5.32g、80%)を得た。
Figure 2010501572
保持時間(HPLC,方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACN+0.1%のギ酸で3.3分間と95%のACNで1.7分間保持):2.71分。MS(M+H):581.1。元素分析:(C3632ClFN):計算値:C=57.25,H=4.80,Cl=4.69,F=2.52,N=7.42,S=8.49。実測地:C=57.87,H=4.30,Cl=5.47,F=2.54,N=7.31,S=8.49。
(実施例3:トリブチルスタンニル試薬24の合成)
(スキーム3)
Figure 2010501572
スキーム3は、本発明の化合物の合成に用いるトリブチルスタンニル試薬の合成を表わす。スキーム3の合成を、以下にさらに記載する。
(5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸 メトキシ−メチル−アミド(23))
スキーム4に示すように、氷/水槽内のジクロロメタン(「DCM」)(800mL)中の1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDCI」)・HCl(75.0g、391.6mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(124.8mL、890.0mmol)を添加した。5分後、5−ブロモ−2−フロ酸(22)(68g、356.0mmol)と無水HOBt(52.9g、391.6mmol)を添加した。この反応混合物を、さらに10分間、氷/水槽で撹拌し、O−メチル−n−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(38.2g、391.6mmol)を添加した。反応物を、一晩で室温にした。この反応物を、水(1.5L)でクエンチし、層を分離した。水層を、DCM(2×500mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗油状物を得て、この粗油状物を、溶離剤として1:4 EtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、淡黄色の油状物として、化合物23(78g、85%)を得た。
(5−トリブチルスタンニル−フラン−2−カルボン酸 メトキシ−メチル−アミド(24))
−20℃の無水THF(450mL)中のビス(トリブチルスズ)(200g、344.8mmol)溶液に、nBuLi(ヘキサン中1.6M、210.6mL、336.9mmol)を、20分間にわたって添加した。この反応混合物を−50℃まで冷却し、臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体(34.6g、168.5mmol)を添加した。この反応混合物を、−40℃まで温め戻し、この温度を20分間維持した。この反応混合物を−78℃まで冷却し、THF(150mL)中の23(26.3g、112.3mmol)の溶液を添加した。この反応物を、−78℃で、3時間にわたって撹拌し、次に−40℃で、1時間にわたって撹拌した。冷却槽から取り出し、この反応物を、20重量%の塩化アンモニウム(1.5L)でクエンチし、MTBE(1.0L)で希釈した。15分後、層を分離させ、水層をMTBE(2×1.0L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させた。この粗残渣を、1:1 MTBE/ヘプタンに取り込み、シリカゲルカラム(2kg)に直接載せ、1:1 MTBE/ヘプタンで溶出し、淡黄色の油状物として、化合物24(34.0g、68%)を得た。
(実施例4:モノ−重水素化中間体17の調製)
(スキーム4)
Figure 2010501572
スキーム4は、Y3aが重水素であり、Y4aおよびY4bがともに水素である、本発明の化合物の調製に有用な一部の中間体の合成を表わす。スキーム4の合成を、以下にさらに記載する。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−フラン−2−カルボン酸 メトキシ−メチル−アミド(25))
室温の1,2−ジメトキシエタン(700mL)中の15(27.0g、53.3mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(7.5mL、53.3mmol)を添加した。反応混合物を、10分間撹拌し、窒素で、30分間にわたってパージした。上の工程で生成した溶液に、24(34.0g、76.5mmol)を添加し、続いて(PPhPdCl(2.7g)を添加した。この反応物を、反応が完了するまで(約24〜48時間)、50℃で加熱した。反応が完了すると、この反応物を真空下で蒸発させ、溶媒の80%を除去し、MTBE(500mL)で希釈した。この沈殿物を濾過し、MTBE(500mL)および水(500mL)で洗浄し、50℃で一晩乾燥し、黄褐色の固形分として、化合物25(22.9g、77%)を得た。少量の試料を、溶離剤として1:1〜4:1のEtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、白色の固形分として、25を得た。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}−フラン−2−カルバルデヒド−d(17−d1))
氷/水/塩槽内のTHF中の25(22.0g、41.3mmol)の溶液に、内部の温度を5℃よりも低く維持しながら、重水素化リチウムアルミニウム(1.73g、41.3mmol)を少しずつ添加した。この反応物を1時間にわたって冷却槽中で撹拌し、重水(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(1.0L)で希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空で蒸発させ、定量的収率で黄褐色固形分として、掲題の化合物(17−d1)を得た。
(実施例5:ヘプタ−重水素化アミン試薬30の合成)
Figure 2010501572
スキーム5は、Y1a、Y1b、Y1c、Y2a、Y2b、Y5aおよびY5bが、同時に重水素である、本発明の化合物の合成に用いるヘプタ重水素化アミン試薬の合成を表わす。スキーム5の合成を、以下にさらに記載する。
(2−(2−ブロモ−1,1,2,2−d−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン(27))
周囲温度の無水DMF(580mL)中の1,2−ジブロモエタン−d(100g、521mmol)の溶液に、フタルイミドカリウム塩(26)(48.3g、260.6mmol)を添加した。生成した混合物を、室温で48時間にわたって撹拌し、濾過し、少量のDMFで洗浄した。濾液をMTBE(1.6L)で希釈し、水(1.4L)で洗浄した。水層を、MTBE(2×1.2L)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、白色の粗固形分を得て、この固形分をヘプタン(600mL)で粉砕し、白色固形分として、化合物27(105g、ビスアルキル化生成物を含有)を得た。
(2−(2−d−メチルスルファニル−1,1,2,2−d−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン(28))
0℃のDMF(360mL)中の27(66.8g、258.7mmol)の溶液に、硫化水素ナトリウム水和物(23.0g、310mmol)を添加した。この反応混合物を、0℃で20分間にわたって撹拌し、周囲温度で1時間にわたって撹拌した。上の工程で生成した水槽内の反応混合物に、炭酸カリウム(47.6g、344.9mmol)を添加し、次にヨードメタン−d(50g、344.9mmol)を添加した。この反応物を、室温で一晩撹拌し、水(1.5L)でクエンチし、MTBE(3×1.0L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1.5L)および水(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗固形分を得て、この粗固形分を溶離剤として1:4 MTBE/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、白色の固形分として、化合物28(39.72g、67%)を得た。
((2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(29))
エタノール(1.3L)中の28(39.7g、174.0mmol)の溶液に、ヒドラジン一水和物(10.4g、208.8mmol)を添加した。この反応物を、還流状態で、一晩撹拌し、室温まで冷却し、エチルエーテル(1.5L)で希釈し、濾過し、エチルエーテル(500mL)で洗浄した。この濾液を、真空で、30℃で蒸発させ、透明の油状物を得た。この油状物を、THF/水(300mL/300mL)に取り込み、BocO(45.6g、208.8mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で、2時間にわたって撹拌し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗油状物を得て、この粗油状物を溶離剤として1:4 MTBE/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、透明の油状物(20.0g)を得た。この油状物(20g、101.0mmol)を、水槽内のDCM(575mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(19.3g、230.0mmol)を添加した。3−クロロ過安息香酸(41.5g、201.5mmol)を、少しずつ添加した。この反応混合物を、室温で、2時間にわたって撹拌し、DCM(1.7L)および水(1.7L)で希釈した。層を分離させ、水層をDCM(1L)で抽出した。合わせた有機層を、10重量%の炭酸カリウム(1.0L)および水(1.0L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、固形分を得て、この固形分をヘプタン(400mL)で粉砕し、結晶性の白色の固形分として、化合物29(25.3g、63%)を得た。
(2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチルアミン塩酸塩(30))
1,4−ジオキサン(50mL)中の29(13.0g、562mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(250mL)を添加した。この反応混合物を、室温で、一晩撹拌し、真空で蒸発させ、定量的収率で白色の固形分として、化合物30を得た。
(実施例6:化合物101トシレート塩の合成)
(スキーム6)
Figure 2010501572
スキーム6は、化合物101トシレート塩の合成を表わす。スキーム6の合成を、以下にさらに記載する。
((5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−イル−メチル−d)−(2−メタンスルホニル−1,1−d−エチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(31))
上の工程で得た、DCM(400mL)中の18−d2(4.7g、37.5mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(8.0mL、50mmol)を添加した。10分後、17−d1(6.4g、13.5mmol)および硫酸ナトリウム(20g)を添加した。反応混合物を、室温で、3時間にわたって撹拌した後、重水素化ホウ素ナトリウム(1.88g、45.8mmol)を少しずつ添加した。生成した混合物を、室温で、一晩撹拌し、重水(200mL)中の10重量%の炭酸カリウムでクエンチした。20分後、BocO(10.9g、50.0mmol)を添加し、この反応物を、室温で、2時間にわたって撹拌した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗残渣を得て、この粗残渣を溶離剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、粘性の油状物として、化合物31(6.7g、72%)を得た。
([3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニル]−(6−{5−[(2−メタンスルホニル−1,1−d−エチルアミノ)−d−メチル]−フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)アミン ジ−トシレート(化合物101トシレート塩))
室温の1,4−ジオキサン(40mL)中の31(6.7g、9.77mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(200mL)を添加した。この反応混合物を、室温で、3時間にわたって撹拌し、次に真空で蒸発させた。生成した黄色の固形分を、酢酸エチル(300mL)に懸濁し、重水(100mL)中の10重量%の炭酸カリウムで中和した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、黄褐色の発泡体状物質(3.5g、5.99mmol)を得た。この黄褐色の発泡体状物質をTHF(15mL)に溶解し、60℃の無水エタノール(50mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(2.85g、15.0mmol)の溶液に添加した。この懸濁液を、1時間にわたって還流し、室温まで冷却した。吸引濾過で沈殿物を集め、少量の無水エタノールで洗浄し、40℃で、4時間にわたって乾燥し、黄色の固形分として、掲題の化合物(化合物101トシレート塩)(3.6g)を得た。
Figure 2010501572
保持時間(HPLC,方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACN+0.1%のギ酸で3.3分間と95%のACNで1.7分間保持):2.72分。MS(M+H):585.3。元素分析:(C4338ClFN10):計算値:C=55.56,H=4.55,Cl=3.81,F=2.04,N=6.03,S=10.35。実測値:C=55.56,H=4.45,Cl=4.22,F=2.14,N=5.92,S10.37。
(実施例7:化合物102トシレート塩の合成)
(スキーム7)
Figure 2010501572
スキーム7は、化合物102トシレート塩の合成を表わす。スキーム7の合成を、以下にさらに記載する。
((5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−イルメチル−d−)−(2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(33))
DCM(850mL)中の30(約65.0mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(9.1mL、65mmol)を添加した。10分後、17−d1(12.0g、25.2mmol)および硫酸ナトリウム(20g)を添加した。この反応混合物を、室温で、3時間にわたって撹拌した後、重水素化ホウ素ナトリウム(3.5g、85.7mmol)を少しずつ添加した。生成した混合物を、室温で、一晩撹拌し、重水(300mL)中の10重量%の炭酸カリウムでクエンチした。20分後、BocO(14.2g、65.0mmol)を添加し、この反応物を、室温で、2時間にわたって撹拌した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×400mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗残渣を得て、この粗残渣を、溶離剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、橙色の発泡体状物質として、化合物33(8.0g、46%)を得た。
([3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]−(6−{5−[(2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチルアミノ)−d−メチル]−フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)アミン ジ−トシレート(化合物102トシレート塩))
室温の1,4−ジオキサン(50mL)中の33(8.0g、11.6mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(300mL)を添加した。この反応混合物を、室温で、3時間にわたって撹拌し、真空で蒸発させた。この黄色の固形分を酢酸エチル(400mL)に懸濁し、重水(200mL)中の10重量%の炭酸カリウムで中和した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、橙色の固形分(約11.6mmol)を得た。この固形分を、THF(40mL)に溶解し、60℃の無水エタノール(150mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(5.5g、29.0mmol)の溶液に添加した。この懸濁液を、還流状態で、1時間にわたって撹拌し、次に室温まで冷却した。吸引濾過で沈殿物を集め、少量の無水エタノールで洗浄し、40℃で、4時間にわたって乾燥し、黄色の固形分として、掲題の化合物(化合物102トシレート塩)(7.9g)を得た。
Figure 2010501572
保持時間(HPLC,方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACN+0.1%のギ酸で3.3分間と95%のACNで1.7分間保持):2.74分。MS(M+H):590.1。元素分析:C4333ClFN10):計算値:C=55.27,H=4.53,Cl=3.79,F=2.03,N=6.03,S=10.29。実測値:C=55.28,H=4.56,Cl=3.90,F=2.00,N=6.00,S10.16。
(実施例8:化合物103トシレート塩の合成)
(スキーム8)
Figure 2010501572
スキーム8は、化合物103トシレート塩の合成を表わす。スキーム8の合成を、以下にさらに記載する。
((5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−イルメチル)−(2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチル)カルバミン酸,tert−ブチルエステル(35))
DCM(850mL)中の30(約56.2mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(9.1mL、65mmol)を添加した。10分後に、17(13.0g、27.4mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で、1時間にわたって撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17.8g、91.5mmol)を少しずつ添加した。生成した混合物を、室温で、一晩撹拌し、重水(300mL)中の10重量%の炭酸カリウムでクエンチした。20分後、BocO(14.2g、65.0mmol)を添加し、この反応物を、室温で、2時間にわたって撹拌した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×400mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗残渣を得て、この粗残渣を、溶離剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、橙色の発泡体状物質として、化合物35(10.5g、56%)を得た。
([3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]−(6−{5−[(2−d−メタンスルホニル−1,1,2,2−d−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)アミン ジ−トシレート(化合物103トシレート塩))
室温の1,4−ジオキサン中の35(10.5g、15.3mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(200mL)を添加した。この反応混合物を、室温で、3時間にわたって撹拌し、真空で蒸発させた。この黄色の固形分を酢酸エチル(300mL)に懸濁し、重水(200mL)中の10重量%の炭酸カリウムで中和した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、黄褐色の固形分(6.0g、10.2mmol)を得た。黄褐色の固形分をTHF(20mL)に溶解し、60℃の無水エタノール(80mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(4.9g、25.5mmol)の溶液に添加した。この懸濁液を、還流状態で、1時間にわたって撹拌し、次に室温まで冷却した。吸引濾過で沈殿物を集め、少量の無水エタノールで洗浄し、40℃で、4時間にわたって乾燥し、黄色の固形分として、掲題の化合物(化合物103トシレート塩)(4.8g)を得た。
Figure 2010501572
保持時間(HPLC,方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACN+0.1%のギ酸で3.3分間と95%のACNで1.7分間保持):2.72分。MS(M+H):588.3。元素分析:C4335ClFN10):計算値:C=55.38,H=4.54,Cl=3.80,F=2.04,N=6.01,S=10.32。実測値:C=55.07,H=4.24,Cl=4.50,F=2.06,N=5.86,S10.17。
(実施例9:ジ−重水素化中間体40の合成)
(スキーム9)
Figure 2010501572
スキーム9は、Y4aおよびY4bが同時に重水素である、本発明の化合物のさらなる合成に用いる共通の中間体の合成を表わす。スキーム9の合成工程を、以下により詳しく記載する。
(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルアルコール(37))
−78℃のTHF(2.0L)中の3−フルオロ安息香酸メチル(36;182g、1.181mol)の溶液に、LiAlD(50g、1.181mol)を少しずつ添加した。この反応物を室温にし、室温で一晩撹拌した。完了した後、この反応混合物を0℃まで冷却し、水(50mL)、15重量%の水酸化ナトリウム(50mL)、および水(50mL)で、ゆっくりとクエンチした。生成した混合物を、約2時間にわたって撹拌し、セライト上で濾過し、このセライトをTHFで洗浄した。この濾液から、真空で溶媒を除去し、THFに溶解し、再び真空で濃縮し、収率83%で透明の油状物として、37(125.1g)を得た。
(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルブロミド(38))
−20℃で、ジクロロメタン(1.64L)中の37(125.1g、976.3mmol)の溶液に、臭化リン(165mL、1.753mol)を滴下した。この反応物を、−20℃で、3時間にわたって撹拌し、0℃まで温め、さらに1時間にわたって撹拌し、水(1.5L)でクエンチし、固形の炭酸カリウムで、ゆっくりとpH8に至らせた。層を分離させ、水層をジクロロメタン(2×1.0L)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去し、透明の油状物として、38(160.5g、86%)を得た。
(2−クロロ−1−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ−4−ニトロベンゼン(39))
DMF(650mL)中の2−クロロ−4−ニトロフェノール(10;160.4g、924.1mmol、1.1当量)の溶液に、粉末化した炭酸カリウム(73.1g、0.53mol、1.3当量)を添加すると、穏やかな発熱反応が起こった。生成した濃黄色の懸濁液を撹拌し、80℃まで加熱し、3−フルオロ−α,α−d−ベンジルブロミド(38;160.5g,840.1mmol,1.0当量)を30分間にわたり、80℃〜85℃で滴下し、この滴下ロートをDMF(25mL)を用いてリンスした。この濃厚懸濁液を、約95℃まで加熱し、4.5時間にわたり撹拌した後に、まず室温まで冷却し、次に10℃まで冷却し、温度を20℃より低く維持しながら水(2.7L)でクエンチした。この懸濁液を、1時間にわたり、室温で撹拌し、固形分を濾過によって除去し、HO(2×2.1L)で洗浄し、濾紙上で2時間にわたり乾燥し、一晩風乾し、10%のトルエン/ヘプタン(1.1L)でさらに洗浄し、次にヘプタン(1.1L)で洗浄し、濾紙上で1時間乾燥し、真空オーブン内で、40℃で、一晩乾燥し、定量的収率で黄色の固形分として、39を得た。
(3−クロロ−4−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ)フェニルアミン(40))
THF(1.0L)中の39(約420mmol)と5%のPt−C(12.0g、50%のHOを含有)との混合物を、30psi(約207kPa)のHで、Hの消費が停止するまで(約2.75時間)水素化した。この混合物を、同スケール上での2回目の反応で生成した2回目の反応混合物とともに、セライトのパッドを通して濾過し、このセライトパッドをTHF(2.0L)で洗浄した。この濾液を、真空で蒸発させ、固形分を得て、この固形分を、ヘプタン(1.0L)中の10%のMTBEで粉砕し、黄色の固形分として、40(179.3g、84%)を得た。
(実施例10.ジ−重水素化中間体43の合成)
(スキーム10)
Figure 2010501572
スキーム10は、Y4aおよびY4bが、同時に重水素であって、Y3aが水素である、式Iの化合物を製造するのに用いる共通の中間体の合成を表わす。スキーム10の詳細を、以下に記載する。
([3−クロロ−4−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ)フェニル](6−ヨードキナゾリン−4−イル)アミン塩酸塩(41))
2−プロパノール(2.2L)中の14(約400mmol)の懸濁液に、40(104.5g、412.0mmol)を添加した。この反応混合物を、還流状態で、4時間にわたり撹拌し、室温まで冷却し、一晩撹拌した。生成した沈殿物を濾過で除去し、アセトン(1.2L)で洗浄し、60℃で2時間にわたり乾燥し、黄色の固形分として、41(191g、88%)を得た。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−カルバルデヒド(43))
エタノール(360mL、使用前に窒素でパージした)中の41(24.2g、47.7mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(26.8mL、190.8mmol、使用前に窒素でパージした)を添加し、次に5−ホルミルフラン−2−ボロン酸(42;10.0g、71.6mmol)およびPd(dppf)Cl.DCM(1.57g)を添加した。この反応混合物を、還流状態で、2時間にわたり撹拌し、揮発物を、減圧下において除去した。粗残渣を水(500mL)で粉砕し、メタノール(500mL)で粉砕し、60℃で乾燥し、黄褐色の固形分として、43(18.0)を得た。
(実施例11.ボロン酸試薬46の合成)
(スキーム11)
Figure 2010501572
スキーム11は、本発明の化合物のさらなる合成に用いるボロン酸試薬の合成を表わす。表わしたスキームの詳細を、以下に記載する。
(5−ブロモ−フラン−2−カルボン酸 メトキシ−メチル−アミド(45))
氷/水槽内のDCM(800mL)中のEDCI・HCl(75.0g、391.6mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(124.8mL、890.0mmol)を添加した。5分後、5−ブロモ−2−フロ酸(44;68g、356.0mmol)および無水HOBt(52.9g、391.6mmol)を添加した。この反応混合物を、さらに10分間、氷/水槽で撹拌し、O−メチル−N−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(38.2g、391.6mmol)を添加した。この反応物を、一晩で、自然に室温にした。この反応物を、水(1.5L)でクエンチし、層を分離した。水層を、DCM(2×500mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させ、粗油状物を得て、この粗油状物を、溶離剤として1:4 EtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、淡黄色の油状物として、化合物45(78g、85%)を得た。
(5−(メトキシ(メチル)カルバモイル)フラン−2−イルボロン酸(46))
15℃の無水THF(2.0L)中のビス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]エーテル(76.8g,480mmol)の溶液に、THF中の2.0M イソプロピルマグネシウムクロリド(240mL、480mmol)を、15分間にわたり添加した。この混合物を10分間にわたり撹拌し、内部の温度を15℃より低く保ちながら、THF(100mL)中の45(93.6g、400mmol)を添加した。生成した混合物を、20分間にわたり、周囲温度で撹拌し、ホウ酸トリメチル(83.2g、800mmol)を0℃で添加し、0℃で30分間にわたり撹拌を続けた。この反応物を、1.0Mの塩酸でクエンチし、この混合物をpH6に至らせ、塩化ナトリウムで飽和し、EtOAc(3×1.0L)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で蒸発させた。この粗固形分を1:1 EtOAc/ヘプタン(1.0L)で粉砕し、真空下で、60℃で乾燥し、黄色の固形分として、46(33.3g)を得た。
(実施例12.トリ−重水素化中間体48の合成)
(スキーム12)
Figure 2010501572
スキーム12は、Y4a、Y4bおよびY3aが同時に重水素である、本発明の化合物の合成に用いるトリ重水素化中間体の合成を表わす。スキーム12の詳細を、以下に記載する。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ)−フェニルアミノ]−キナゾリン−6−イル}−フラン−2−カルボン酸 メトキシ−メチル−アミド(47))
エタノール(630mL、使用前に窒素でパージした)中の41(42.5g、83.6mol)の懸濁液に、トリエチルアミン(43.9mL、使用前に窒素でパージした)を添加し、46(33.3g、167.2mmol)およびPd(dppf)Cl.DCM(2.75g)を添加した。この反応混合物を、還流状態で、2時間にわたり撹拌し、減圧下で揮発物を除去した。粗残渣を、溶離剤として1:1 EtOAc/ヘプタンを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、黄色の固形分として、47(9.7g)を得た。
(5−{4−[3−クロロ−4−(3−フルオロ−α,α−d−ベンジルオキシ)フェニルアミノ]キナゾリン−6−イル}フラン−2−カルバルデヒド−d(48))
氷/水/塩槽内で冷却した、THF(720mL)中の47(9.8g、18.3mmol)の溶液に、重水素化アルミニウムリチウム(768mg、18.3mmol)を、内部温度が5℃より低いまま、少しずつ加えた。この反応物を、冷却槽中で、1時間にわたり撹拌し、重水(1mL)、重水(1mL)中の15重量%のNaOD、および重水(1mL)で、順次クエンチした。生成した混合物を、セライト上で濾過し、濾過ケーキをTHF(300mL)で洗浄した。濾液を真空で濃縮し、定量的収率で黄色の固形分として、48を得た。
(実施例13:化合物104トシレート塩の合成)
(スキーム13)
Figure 2010501572
スキーム13は、化合物104トシレート塩の調製を表わす。スキーム13の詳細を、以下に記載する。
(中間体49)
DCM(300mL)中のアミン塩酸塩18−d2(14.0mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(3.5mL、25.2mmol)を添加した。この懸濁液を10分間にわたり撹拌し、その後、48(8.4mmol)および硫酸ナトリウム(20g)を添加した。この反応混合物を、3時間にわたり、室温で撹拌し、重水素化ホウ素ナトリウム(1.17g、28.06mmol)を少しずつ加えた。生成した混合物を、一晩、室温で撹拌し、0℃の重水(300mL)中の10重量%の炭酸カリウムでクエンチした。20分後、BocO(14.0mmol)を添加し、この反応物を、室温で、2時間にわたり撹拌した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、粗残渣を得て、この粗残渣を溶離剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、粘性の油状物または発泡体状物質として、49を得た。
(化合物104トシレート塩)
室温の1,4−ジオキサン(1mmol当たり3mL)中の49の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(1mmol当たり10mL)を添加した。反応混合物を、3時間にわたり、室温で撹拌し、真空で濃縮した。生成した黄色の固形分を酢酸エチル(300mL)に懸濁し、水(100mL)中の10重量%の炭酸カリウムで中和した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、黄褐色の発泡体状物質を得た。この発泡体状物質を、THF(1mmol当たり4mL)に溶解し、60℃の無水エタノール(1mmol当たり14mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5当量)の溶液に添加した。この懸濁液を、還流状態で、1時間にわたり撹拌し、室温まで冷却した。吸引濾過で沈殿物を集め、少量の無水エタノールで洗浄し、一晩、60℃で乾燥し、黄色の固形分として、化合物104トシレート塩を得た。平均収率は、アルデヒドから約70%であった。
Figure 2010501572
HPLC(方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACNで4分間と95%のACNで2分間保持;波長:254nm):保持時間:4.15分。MS(M+H):587.1。元素分析:C4336ClFN10・HO):計算値:C=54.39,H=4.67,F=2.00,N=5.90。実測値:C=54.19,H=4.32,F=2.02,N=5.76。
(実施例14.化合物105トシレート塩の合成)
(スキーム14)
Figure 2010501572
スキーム14は、化合物105トシレート塩の調製を表わす。スキーム14の詳細を、以下に記載する。
(中間体50)
18−d2の代わりにアミン塩酸塩を使用すること除いて、中間体49に類似する方法で、中間体50を合成する。
(化合物105トシレート塩)
室温の1,4−ジオキサン(1mmol当たり3mL)中の50(1.0当量)の溶液に、1,4−ジオキサン中の4.0M HCl(1mmol当たり10mL)を添加した。この反応混合物を、3時間にわたり、室温で撹拌し、真空で濃縮した。生成した黄色の固形分を、酢酸エチル(1mmol当たり40mL)に懸濁し、重水(100mL)中の10重量%の炭酸カリウムで中和した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、黄褐色の発泡体状物質を得た。この発泡体状物質を、THF(1mmol当たり4mL)に溶解し、60℃の無水エタノール(1mmol当たり14mL)中のp−トルエンスルホン酸一水和物(2.5当量)の溶液に添加した。この懸濁液を、還流状態で、1時間にわたり撹拌し、室温まで冷却した。吸引濾過で沈殿物を集め、少量の無水エタノールで洗浄し、一晩、60℃で乾燥し、黄色の固形分として、化合物105トシレート塩を得た。収率は、アルデヒドから約70%であった。
Figure 2010501572
HPLC(方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACNで4分間と95%のACNで2分間保持;波長:254nm):保持時間:4.23分。MS(M+H):592.2。
(実施例15.化合物106トシレート塩の合成)
(スキーム15)
Figure 2010501572
スキーム15は、化合物106トシレート塩の調製を表わす。スキーム15の詳細を、以下に記載する。
(中間体51)
18−d2の代わりにアミン塩酸塩18を使用することを除いて、中間体49に類似する方法で、中間体51を合成する。
(化合物106トシレート塩)
49の代わりに中間体51を使用することを除いて、化合物104トシレート塩に類似する方法で、化合物106トシレート塩を製造する。
Figure 2010501572
HPLC(方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACNで4分間と95%のACNで2分間保持;波長:254nm):保持時間:4.24分。MS(M+H):585.0。元素分析(C4338ClFN10):計算値:C=55.57,H=4.55,F=2.04,N=6.03。実測値:C=55.46,H=4.30,F=2.07,N=5.94。
(実施例16.化合物107トシレート塩の合成)
(スキーム16)
Figure 2010501572
スキーム16は、化合物107トシレート塩の調製を表わす。スキーム16の詳細を、以下に記載する。
(中間体52)
DCM(500mL)中のアミン塩酸塩18(25mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(4.7mL、31.8mmol)を添加した。この混合物を、1時間にわたり撹拌し終わった時、43(7.1g、15.0mmol)を添加し、室温で1時間にわたり撹拌を続けた。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.7g、40.1mmol)を少しずつ加え、生成した混合物を、室温で一晩撹拌し、0℃の水(300mL)中の10重量%の炭酸カリウムでクエンチし、20分間にわたり撹拌した。生成した混合物に、BocO(25mmol)を添加し、室温で2時間にわたり撹拌した。層を分離させ、水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し、粗残渣を、溶離剤として酢酸エチルを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、発泡体状物質として52を得た。
(化合物107トシレート塩)
49の代わりに中間体52を使用することを除いて、化合物104トシレート塩に類似する方法で、化合物107トシレート塩を製造した。
Figure 2010501572
HPLC(方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACNで4分間と95%のACNで2分間保持;波長:254nm):保持時間:4.24分。MS(M+H):583.2。元素分析(C4340ClFN10・0.1HO):計算値:C=55.58,H=4.58,Cl=3.82,F=2.04,N=6.03。実測値:C=55.25,H=4.42,Cl=3.91,F=2.02,N=5.95。
(実施例17.化合物108トシレート塩の合成)
(スキーム17)
Figure 2010501572
スキーム17は、化合物108トシレート塩の調製を表わす。スキーム17の詳細を、以下に記載する。
(中間体53)
18の代わりにアミン塩酸塩18−d2を使用することを除いて、中間体52に類似する方法で、中間体53を合成する。
(化合物108トシレート塩)
49の代わりに中間体53を使用することを除いて、化合物104トシレート塩に類似する方法で、化合物108トシレート塩を製造する。
Figure 2010501572
HPLC(方法:20mm C18−RP カラム−勾配方法 2−95% ACNで4分間と95%のACNで2分間保持;波長:254nm):保持時間:4.24分。MS(M+H):585.0。元素分析(C4338ClFN10・1.5HO):計算値:C=54.00,H=4.74,Cl=3.71,F=1.99,N=5.86。実測値:C=53.71,H=4.41,Cl=3.89,F=1.82,N=5.74。
(実施例18.ヒト肝ミクロソームにおける代謝安定性の評価)
本化合物の代謝安定性は、当該分野で公知のミクロソーム分析法のうちの1つ以上で評価されてもよい。例えば、Obach,R.S. Drug Metab Disp 1999,27,1350頁「Prediction of human clearance of twenty−nine drugs from hepatic microsomal intrinsic clearance data:An examination of in vitro half−life approach and nonspecific binding to microsomes」;Houston,J.B.ほか, Drug Metab Rev 1997,29,891頁「Prediction of hepatic clearance from microsomes,hepatocytes, and liver slices」;Houston,J.B. Biochem Pharmacol 1994,47,1469頁「Utility of in vitro drug metabolism data in predicting in vivo metabolic clearance」;Iwatsubo,Tほか, Pharmacol Ther 1997,73,147頁「Prediction of in vivo drug metabolism in the human liver from in vitro metabolism data」;およびLave,T.ほか, Pharm Res 1997,14,152頁「The use of human hepatocytes to select compounds based on their expected hepatic extraction ratios in humans」を参照。これら各々の内容全体を、本願明細書に援用する。
この研究の目的は、貯蔵した肝ミクロソーム培養における検査化合物の代謝安定性を測定すること、および、主な代謝産物の検出のためのフルスキャンLC−MS分析を実施することである。貯蔵したヒト肝ミクロソームにさらした検査化合物の試料を、HPLC−MS(またはMS/MS)検出を用いて分析した。代謝安定性を測定するために、多重反応モニタリング(MRM)を使用して、検査化合物の消失を測定した。代謝産物の検出のために、主な代謝産物を検出するサーベイスキャンとして、Q1フルスキャンを使用した。
(実験手順)
ヒト肝ミクロソームを、Absorption Systems L.P.(ペンシルバニア州、エクストン)から入手した。実験で用いたマトリクスに関する詳細を、以下に示す。この培養混合物を、以下のとおりに調製した。
(反応混合物組成物)
Figure 2010501572
個々の実験において、同量の化合物および同量のミクロソームを使用した。各々の量は、実験ごとに異なる。
(肝ミクロソームとの検査化合物の培養)
この反応混合物、負の補助因子を調製した。一定量の反応混合物(補助因子を有しない)を、37℃で、3分間にわたり、振動水槽中で培養した。さらに一定量の反応混合物を、陰性対照として調製した。検査化合物を、実験に応じて、0.1〜1μMの最終濃度で、反応混合物および陰性対照の両方に添加した。一定量の反応混合物を、純粋な有機溶媒(検査化合物ではない)を添加することによって、ブランク対照として調製した。補助因子を添加(陰性対照には添加しない)することによって、反応を開始させ、37℃の振動水槽中で培養した。一定量(200μL)を、0分後、10分後、20分後、40分後、および60分後に、3回ずつ取り出し、800μLの氷冷50/50アセトニトリル/dHOと合わせ、反応を終了させた。陽性対照、テストステロンおよびプロプラノロールを、別の反応で、検査化合物と同時に実施した。
全ての試料を、LC−MS(またはMS/MS)を用いて分析した。LC−MRM−MS/MS法を、代謝安定性の分析に使用した。さらに、Q1フルスキャンLC−MS法を、ブランクマトリクスおよび検査化合物培試料に対して実施した。このQ1スキャンは、代謝産物である可能性があるものを表わす可能性のある、いずれの試料の特有のピークも識別するサーベイスキャンとしての機能を果たす。これらの潜在的な代謝産物の質量を、Q1スキャンから測定できる。
同様の実験を、ラパチニブ、化合物101、および化合物102のトシレート塩を用いて、ラット肝ミクロソームを用いて実施した。
これらのミクロソーム分析の結果(データは示していない)は、2つの重水素化した化合物の安定性は、ラパチニブと比較して、有意な差がないことを示した。理論に縛られるものではないが、本発明者らは、これらのミクロソーム安定性実験は、ラパチニブと本発明の化合物の、低安定性と高タンパク質結合特性によって、正しい評価を与えなかったと考える。
(実施例19:CYP3A4 SUPERSOMES(商標)における代謝安定性の評価)
SUPERSOME(商標)システムは、それほど高い化合物の濃度を必要としないため、本発明の化合物およびラパチニブの相対的安定性を調査するための代替物として選択された。この低いタンパク質濃度は、ラパチニブおよび本発明の検査化合物が、他のミクロソームタンパク質に、非特異的に結合することを回避する。
ヒトCYP3A4+P450レダクターゼSUPERSOMES(商標)を、GenTest社(米国、マサチューセッツ州、ウォバーン)から購入した。100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中の25pmolのSUPERSOMES(商標)、2.0mM NADPH、3.0mM MgCl、および0.1μMの式Iの様々な化合物(101、102、104、105、106、107または108の各化合物のトシレート塩)を含有する1.0mLの反応混合物を、37℃で、3回ずつ培養した。陽性対照に、式Iの化合物の代わりに、0.1μMのラパチニブトシレート塩を含有させた。陰性対照には、GenTest社(米国、マサチューセッツ州、ウォバーン)から購入したControl Insect Cell Cytosol(ヒト代謝酵素を欠く昆虫細胞ミクロソーム)を使用した。各試料から一定量(50μL)を取り出し、0分後、2分後、5分後、7分後、12分後、20分後、および30分後に、多ウェルプレートのウェルに入れ、内部標準として、50μLの氷冷アセトニトリルと3μMのハロペリドールを、各々に添加し、反応を停止させた。
取り出した一定量を含有するプレートを、−20℃の冷凍庫に15分間にわたって置き、冷却した。冷却後、100μLの脱イオン水を、プレートの全てのウェルに添加した。次に、プレートを、10分間、遠心分離機で、3000rpmで回転させた。上澄みの一部(100μL)を取り出し、新しいプレートに置き、質量分析法を用いて分析した。
検査した各化合物の30分後の安定性を、以下の表2に示す。
表2.CYP3A4 SUPERSOMES(商標)における式Iaの化合物の安定性
Figure 2010501572
図1は、この分析における、ラパチニブ、化合物102、化合物107、および化合物108のトシレート塩の各々についての代謝産物の時間経過を示す。
これらの結果は、本発明の重水素化した化合物が、ラパチニブよりも、シトクロムP450酸化に耐性があることを裏付け、したがって、ヒト被験体に投与する場合に、有利に持続する効果を有するかも知れないし、かつ/または、同じ治療効果を提供しながらもラパチニブよりも少ない用量で投与されるかも知れず、したがって、好ましくない副作用を回避するかも知れない。
(実施例20:ラットにおける薬物動態の評価)
18匹のSprague−Dawleyラットを、各グループに6匹ずつの3グループに分け、ラパチニブ、化合物101、化合物102、および化合物104のトシレート塩の静脈内投与の薬物動態最終結果を検査し、比較した。
化合物を投与する前に、ペントバルビタール(IP 40mg/kg)を用いてラットに麻酔した。10%DMSO/90%HO中のラパチニブ、化合物101、および化合物102のトシレート塩の、別々の2mg/mL溶液を調製した。ラットに、頸静脈カニューレを介して、2mg/kg用量の化合物の単回ボーラス投与を実施し、生理食塩水で洗浄した。血液試料(0.25mL)を、投与後、5分後、15分後、および30分後、ならびに1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、9時間後、12時間後、および24時間後に、頸静脈から採取した。血液試料を動物から採取した後、15分以内に血液試料を遠心分離機にかけ、さらに遠心分離機にかけ、血漿画分を採取し、分析するまで−20℃で保管した。試料を、LC−MSで分析した。
図2および図3は、これらの実験の結果を示す。化合物101および化合物102はともに、ラパチニブよりも著しく長い半減期を示した(図2)。同様に、化合物104も、ラパチニブよりも長い半減期を示した(図3)。算出したラパチニブの半減期は1.0±0.05時間であった。化合物101および化合物104の半減期は、それぞれ2.3±0.2時間、および2.3±0.3時間であった。
ラパチニブ、化合物101、および化合物102のトシレート塩の経口投与(20mg/kg)を用いた同様の実験(データは示していない)は、化合物101および化合物102がともに、ラパチニブよりも長い半減期を示すという同様の結果を示した。
(実施例22.体外生物活性)
化合物101、102、および103のトシレート塩、ならびにラパチニブのトシレート塩を、様々なキナーゼ活性およびその細胞増殖に対する影響に関して分析した。分析を、Cerep(米国、ワシントン州、レッドモンド)で、以下に記載したとおり実施した。
EGFRキナーゼ分析(Cerep社カタログ 参照番号:768−E)を、Weber Wほか,J Biol Chem,1984,259:14631−36に記載の方法にしたがって実施した。この分析で使用するEGFRキナーゼを、A−431細胞から得た。様々な濃度(0.1nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、および1μM)の検査化合物を、キナーゼ、ATP、および0.1μMのビオチン化ペプチド ビオチニル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKを用いて、22℃で、30分間にわたり培養した。ホスホ−ビオチニル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKの生成を、Homogeneous Time Resolved Fluorescence(HTFR(登録商標))で検出した。
HER2キナーゼ分析(Cerep社カタログ 参照番号:768−her2)を、Qian Xほか,Proc Natl Acad Sci USA,1992,89:1330−34に記載の方法にしたがって実施した。昆虫細胞で発現した組み換えヒトHER2キナーゼを、この分析で用いた。様々な濃度(0.1nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、および1μM)の検査化合物を、キナーゼ、ATP、0.6μMのビオチン化ペプチド ビオニチル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKを用いて、22℃で、30分間にわたり培養した。ホスホ−ビオニチル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKの生成を、Homogeneous Time Resolved Fluorescence(HTFR(登録商標))で検出した。
HER4キナーゼ分析(Cerep社カタログ 参照番号:768−her4)を、Plowman GDほか,Proc Natl Acad Sci USA,1993,90:1746−50に記載の方法にしたがって実施した。昆虫細胞で発現した組み換えヒトHER2キナーゼを、この分析で用いた。様々な濃度(0.1nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、および1μM)の検査化合物を、キナーゼ、ATP、および0.6μMのビオチン化ペプチド ビオチニル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKを用いて、22℃で、30分間にわたり培養した。ホスホ−ビオチニル−βAβAβAAEEEEYFELVAKKKの生成を、HTFR(登録商標)で検出した。
細胞増殖分析(Cerep社カタログ 参照番号:791−4)を、Handler JAほか,J Biol Chem,1990,265:3669−73に記載の方法にしたがって実施した。A−431細胞を、EGF(1ng/ml)を用いて、[H]−チミジン、および様々な濃度(0.1nM、1nM、3nM、10nM、30nM、100nM、300nM、および1μM)の検査化合物の存在下で、活性化した。37℃で24時間にわたり増殖した後、細胞を採取し、[H]−チミジンの導入を、シンチレーション計測法で測定した。
これらの分析の結果を、以下の表3に示す。
表3.式Iaの化合物の生物活性
Figure 2010501572
これらの結果は、本発明の化合物が、所望のキナーゼ標的および細胞増殖の阻害に対してラパチニブと同様の効力を有することを示す。
さらなる説明がなくとも、当業者は、前述の説明および実施例を用いて、本発明の化合物を製造および利用でき、請求項に係る方法を実施することができると考えられる。前述の説明および実施例は、単に、一部の好ましい実施形態の詳細説明を提供するものであることを理解されたい。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な改良物および同等物を作ることができることは、当業者に明らかである。

Claims (22)

  1. 式Iaの化合物、
    Figure 2010501572
    (式中、各Yは、式Iに対して上述したとおりに定義され、各Yは、独立して水素および重水素から選択され、少なくとも1つのYは重水素である)
    またはその塩あるいはその水和物または溶媒和物。
  2. 共通の炭素原子に結合された各Yが同じである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1a、Y1bおよびY1cが、同時に重水素である、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 2aおよびY2bが、同時に重水素である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 3aおよびY3bが、同時に重水素である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 4aおよびY4bが、同時に重水素である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 5aおよびY5bが、同時に重水素である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 以下の表に記載する化合物のうちのいずれか1つから選択された、請求項1に記載の化合物、
    Figure 2010501572
    または、前記化合物のいずれか1つのトシレート塩。
  9. 重水素として指定されない任意の原子が、その天然の同位体存在量で存在する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 請求項1に記載の化合物と、許容できる担体とを含む、発熱物質を含まない組成物。
  11. 前記担体が薬理学的に許容できる担体である、薬理学的な投与のために処方される、請求項10に記載の組成物。
  12. 抗腫瘍剤および免疫抑制剤から選択される第2の治療薬をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記第2の治療薬が、カペシタビン、パゾパニブ、トラスツズマブ、ドセタキセル、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、シスプラチン、ビノレルビン、エベロリムス、バルプロ酸、トポテカン、オキサリプラチン、およびゲムシタビンから選択される、請求項12に記載の組成物。
  14. 細胞において、erbB−1またはerbB−2のチロシンキナーゼ活性を阻害する方法であって、前記細胞を請求項1に記載の化合物と接触させる工程を含む方法。
  15. 腫瘍を患っているか、または腫瘍を起こしやすい状態にある被験体の治療方法であって、それを必要とする前記被験体に、請求項11に記載の組成物を投与する工程を含む方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記腫瘍が、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、ならびに、肉腫および癌腫などの固形腫瘍(線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽腫)から選択される方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記被験体が、乳癌、食道腺癌、食道扁平上皮癌、子宮頚癌、頭頚部癌、固形腫瘍、非ホジキンリンパ腫、胃癌、卵巣癌、腹膜癌、脳腫瘍および中枢神経系癌(神経膠腫、多形神経膠芽腫、膠肉腫)、前立腺癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、肝癌、腎癌、および膵癌から選択される腫瘍を患っているか、またはこれらを起こしやすい状態にある、方法。
  18. 前記腫瘍が、erbB2受容体陽性、erbB4受容体陽性、またはEGF受容体陽性である、請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. 前記腫瘍が、前記erbB2受容体陽性、または前記EGF受容体陽性である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記腫瘍が乳癌である、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の方法であって、治療を必要とする被験体を、他の抗腫瘍剤、化学療法薬、ホルモン剤、抗体薬、免疫抑制剤、外科的治療、および/または放射線治療で治療するさらなる工程を含む方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、a.前記被験体が、乳癌を患っているか、もしくは乳癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、カペシタビン、パゾパニブ、トラスツズマブ、ドセタキセル、レトロゾール、タモキシフェン、フルベストラント、パクリタキセル、カルボプラチン、ベバシズマブ、ドキソルビシン、もしくはシクロホスファミドでさらに治療される方法、b.前記被験体が、子宮頚癌を患っているか、もしくは子宮頚癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、パゾパニブでさらに治療される方法、c.前記被験体が、頭頚部癌を患っているか、もしくは頭頚部癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、放射線治療、もしくはシスプラチンでさらに治療される方法、d.前記被験体が、固形腫瘍を患っているか、もしくは固形腫瘍を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、ビノレルビン、エベロリムス、パクリタキセル、バルプロ酸、ドセタキセル、もしくはトポテカンでさらに治療される方法、e.前記被験体が、非ホジキンリンパ腫を患っているか、もしくは非ホジキンリンパ腫を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、エベロリムスでさらに治療される方法、f.前記被験体が、胃癌を患っているか、もしくは胃癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、パクリタキセルでさらに治療される方法、g.前記被験体が、卵巣癌を患っているか、もしくは卵巣癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、カルボプラチンもしくはトポテカンでさらに治療される方法;h.前記被験体が、悪性神経膠腫を患っているか、もしくは悪性神経膠腫を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、パゾパニブでさらに治療される方法、i.前記被験体が、腹膜癌を患っているか、もしくは腹膜癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、トポテカンでさらに治療される方法、あるいは、j.前記被験体が、膵癌を患っているか、もしくは膵癌を起こしやすい状態にあるか、または、前記被験体が、オキサリプラチン、もしくはゲムシタビンでさらに治療される方法。
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