JP2010043001A - Glp−1誘導体とその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】
粘膜からの吸収性が大きく改善されたGLP-1新規誘導体を提供する。
【解決手段】
本発明は、GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列、或いはそれらのアミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された配列からなり、かつGLP-1活性を有するペプチドのC末端に (Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)が付加されたペプチドである。GLP-1アミノ酸配列の8位はセリン又はグリシンが好ましく、nは5が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクレチンホルモンとして知られているヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1;Glucagon like peptide-1)に関するもので、具体的には、粘膜からの吸収性の高い、GLP-1の新規誘導体の発明である。
GLP-1は、食物摂取により消化管より分泌され、膵臓に働いてインスリン分泌を刺激するインクレチンホルモンとして知られている。同様の作用を示すものには、GIP(Gastric inhibitory polypeptide またはGlucose-dependent insulinotropic polypeptide)がある。2型糖尿病患者では、健常人に比べ、このインクレチン効果が欠如しているか若しくは障害されていることが示唆されていて、これが高血糖の成因の一つと考えられている。例えば、2型糖尿病患者では血中GLP-1濃度が低下し、GIPは健常人と変わらないことが報告されている。また、2型糖尿病患者へのインクレチンホルモン投与試験の結果、インスリン分泌促進反応が健常人に比べて、GLP-1投与では差違は認めないが、GIP投与で顕著に低下していることが報告されている。このため、糖尿病患者ではGLP-1に対する応答性は維持されているので、不足を補うGLP-1製剤は、インスリン分泌促進剤として、糖尿病治療薬への応用に期待が持たれている。
GLP-1のインスリン分泌作用の特徴は、血糖値が110 mg/dl以下ではインスリン分泌を刺激せず、それ以上の血糖値になってはじめてインスリンを分泌させるという血糖値依存性を表すことである。すなわち、GLP-1の投与により、血糖値に応じてインスリン分泌が促進され、血糖値が正常以下になるとインスリン分泌は起こらない。したがってGLP-1を使用した場合、低血糖の心配がないこと、またインスリンの過剰な分泌がなく、膵臓を疲弊させないことが大きな臨床上のメリットである。一方、2型糖尿病の治療において中心的に使用されているスルフォニル尿素剤は、持続的にATP感受性K+チャネルを閉鎖しインスリン分泌を促進させる。即ち、血糖値とは無関係に膵臓のインスリン分泌細胞に働くため、低血糖、β細胞への過剰な刺激による膵臓の疲弊、長期投与による2次無効が報告されている。したがって、GLP-1の薬理学的特性は、従来の糖尿病薬とは異なる有用なものである。
しかしながら、GLP-1の活性本体はGLP-1(7-36)amideあるいはGLP-1(7-37)のポリペプチドであり、GLP-1の経口摂取では、消化管内で消化酵素により消化・分解され、吸収されない。このため臨床では、点滴による静脈内注射や皮下注射が試みられているのが現状である。しかも、血中や組織に存在するジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)によってGLP-1は分解を受け、生体内半減期は1〜2分と非常に短いことが知られており、これらが臨床応用へのネックになっている。尚、GLP-1を分解する酵素として知られるジペプチジルペプチダーゼIVは、腎臓、肝臓、小腸、唾液腺、各種結合組織など広く組織に分布する他、血液、尿、唾液などの体液や鼻腔粘膜にも存在することが明らかになっている。
この問題点を解決するために、いくつかの研究開発が行われている。例えば、分解されにくく半減期の長い8位アミノ酸置換誘導体の報告(Diabetologia 41: 271-278(1998), Biochem 40: 2860-2869(2001))がある。また、皮下からの吸収が遅い徐放型GLP-1注射剤の開発(開発名Liraglutide)、あるいは、生体内でアルブミンと結合し血中半減期の長いGLP-1誘導体による注射剤の開発(開発番号CJC-1131; Diabetes 52(3):751-759(2003))が行われている。他にも、GLP-1様アゴニスト活性をもち、血中半減期の長いトカゲ由来の合成Exendin-4での注射剤の開発(商品名Byetta及び開発番号ZP10A)が行われている。しかしながら、これらはいずれも注射剤であり、毎日注射しなければならない患者の負担を考えると、GLP-1が糖尿病治療薬として広く用いられるためには、注射以外の投与経路が望ましい。
注射剤や経口投与剤に代わる、侵襲性を伴わない投与方法として、肺、口腔、鼻腔、膣、眼、直腸などの粘膜吸収による投与が考えられる。しかし、一般にGLP-1のようなペプチドは高分子であるため、単独での粘膜からの吸収率は低い。このため、一般的には、ペプチドのような高分子は、吸収促進剤等の賦形剤とともに処方される。例えば、GLP-1を含むバッカル錠が検討され、また、多価金属化合物キャリアーを用いた製剤技術によるGLP-1の経鼻製剤が開発中であるが、満足のいくバイオアベイラビリティ(生物学的利用率)は得られていない。
そこで、本発明者らは、WO2004/037859において、GLP-1のC末端に数個のアルギニンまたはリジンを直接付加することによって、GLP-1の鼻粘膜を含む粘膜吸収が増大することを見出した。尚、WO2004/037859のGLP-1誘導体と類似したGLP-1誘導体として、WO2001/004156には、[Gly8]-GLP-1(7-36)-(Lys)6-NH2が開示されている。ここでは、GLP-1誘導体に安定性及び親水性を付与することで、経口投与可能とすることが開示されているが、粘膜吸収については、記載されていない。
WO2004/037859 WO2001/004156 Diabetologia 41: 271-278(1998) Biochem 40: 2860-2869(2001) Diabetes 52(3):751-759(2003)
GLP-1の粘膜からの吸収は、膜透過性の低さや吸収部位での分解により、注射に比べ非常に非効率的である。例えば、GLP-1を経鼻投与することは可能であるが、吸収率が低いため、十分な薬理効果を得るためには、非常に高用量を必要とする。したがって、ペプチドの原体生産コストの面から、天然型GLP-1を経鼻剤として医薬品開発することは非現実的である。GLP-1を臨床応用するためには、粘膜からの吸収率が注射剤に匹敵するGLP-1誘導体の開発が必要である。即ち、本発明の課題は、粘膜からの吸収性がより改善されたGLP-1新規誘導体を考案し、注射に代わる粘膜投与剤を提供することである。
本発明者らは、WO2004/037859において、GLP-1のC末端に数個のアルギニン(Arg)またはリジン(Lys)を直接付加することによって、GLP-1誘導体の粘膜吸収が増大することを見出した。そこから更に粘膜吸収性の改善について検討した結果、C末端側に付加する配列は、リジンが連続する構造で、そのC末端のみをアルギニンのカルボン酸体とすることで、GLP-1誘導体の粘膜吸収性が更に大きく改善されることを見出した。
即ち、本発明は、GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列、或いはそれらのアミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された配列からなり、かつGLP-1活性を有するペプチドのC末端に(Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)が付加されたペプチドである。
本発明のGLP-1誘導体においては、ジペプチジルペプチダーゼIVに対する耐性を付加するために、天然型GLP-1の8位のアラニン(Ala)をセリン(Ser)又はグリシン(Gly)に置換するのが好ましい。同様に、26位のリジンをグルタミン(Gln)に、34位のリジンをアスパラギン(Asn)又はアスパラギン酸(Asp)に置換することによって、トリプシン耐性を持たせることもできる。また、C末端に付加するリジン残基の数nは、好ましくは、4〜6であり、5が最も好ましい。本発明のGLP-1誘導体の最も好ましいものは、[Ser8]−GLP-1(7-35)−(Lys)−Arg(Argはカルボン酸体)で表される。
本発明は、本発明のGLP-1誘導体を有効成分として含む医薬組成物にも係る。本発明の医薬組成物は、経粘膜投与、特に経鼻投与で用いるのに適している。また、本発明の医薬組成物は、糖尿病の処置、肥満の処置、食欲抑制、又は、心疾患抑制のために用いることができる。
本発明のGLP-1誘導体は、天然型GLP-1だけでなく、WO2004/037859に記載された、C末端側にリジン及び/又はアルギニンの連続構造をもち、そのC末端がアミド体であるGLP-1誘導体よりも、極めて高い粘膜吸収率を有する。そのため、本発明のGLP-1誘導体は、従来の注射剤に代わる、投与が容易で苦痛を伴わない粘膜吸収型GLP-1製剤の臨床応用の可能性をより格段に高めるものであり、糖尿病患者、肥満患者、及び心疾患患者のQOLの改善に大いに役立つものと考えられる。
また、本発明のGLP-1誘導体は、C末端のアルギニンがカルボン酸体であるため、製造する上で、他のGLP-1誘導体のようなアミド化する工程を実施しなくてもよく、特に工業的生産においてそのメリットが大きい。
尚、本発明のGLP-1誘導体は、付加されたリジン部分はプロテアーゼの分解を受けやすく、血液中ですぐに切断され、天然のGLP-1に近い形で存在することから、抗原性についても、極めて低いものと考えられる。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。GLP-1(7-36)は、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(配列番号1)で示される配列を持つペプチドである。[Ser8]は、前記配列の2番目、即ち8位のアラニンがセリンに変換されていることを示し、8Sと同義である。GLP-1誘導体においては、アミノ酸のC末端がアミド化されているアミド体か、アミド化されていないカルボン酸体のいずれか一方の形態をとることが可能である。天然型のGLP-1はアミド体であるが、本発明のGLP-1誘導体はカルボン酸体である。本願明細書においては、-NH2はアミド体を、-COOHはカルボン酸体を示す。尚、本発明は、GLP-1誘導体のアミノ酸のC末端がアミド体のものよりもカルボン酸体のものの方が、経粘膜投与による効果が高いことを示した初めての事例である。
本発明のGLP-1誘導体は、既述のように、GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列、或いはそれらのアミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された配列からなり、かつGLP-1活性を有するペプチドのC末端に(Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)が付加されたペプチドである。ここで、GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された配列からなり、かつGLP-1活性を有するペプチドとは、天然型GLP-1ペプチドの一部のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加されても、GLP-1活性は失われないため、そのようなペプチドを意味するものである。このような天然型GLP-1ペプチドの一部改変体が多数存在することは、技術常識である。具体的には、8位のアラニンはセリン又はグリシンに置換されていてもよく、この置換はジペプチジルペプチダーゼIVに対する耐性を付加する。また、WO2004/037859 又はWO2004/087910によれば、26位のリジンはグルタミンに、34位のリジンはアスパラギン又はアスパラギン酸に置換されていてもよく、これら2カ所の置換により、トリプシン耐性が付加される。その他、16位のバリン、17位セリン、18位セリン、22位グリシン、27位グルタミン酸、34位リジン、36位アルギニンは、各々アラニンに置換でき、また同時に少なくとも2個をアラニンで置換できることが知られている。本願発明は、このようなGLP-1活性を有するペプチドのC末端に (Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)を付加することにより、粘膜からの吸収性が著しく改善されたGLP-1誘導体を創出したものである。
本発明のGLP-1誘導体の主たるものは、次のように記載することもできる。即ち、GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列、或いはそれらのアミノ酸配列において、8位のアラニンからセリン又はグリシンへの置換、16位のバリンからアラニンへの置換、17位のセリンからアラニンへの置換、18位のセリンからアラニンへの置換、22位のグリシンからアラニンへの置換、26位のリジンからグルタミンへの置換、27位のグルタミン酸からアラニンへの置換、34位のリジンからアスパラギン、アスパラギン酸、又はアラニンへの置換、及び、36位のアルギニンからアラニンへの置換のうち、1又は数カ所が置換された配列からなり、かつ、GLP-1活性を有するペプチドのC末端に(Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)が付加されたペプチドである。
本発明のGLP-1誘導体は、化学合成あるいは遺伝子組換え技術により、WO2004/037859と同様に製造することができる。ポリペプチドの化学合成の原理は本分野にて周知であり、以下の様な本領域の一般のテキストを参考にできる;Dugas H.及びPenney C, Bioorganic Chemistry (1981) Springer-Verlag, New York,54-92頁。例えば、model 430Aペプチド合成機(Applied Biosystems Inc, 850 Lincoln Center Drive, Foster City CA 94404)及びPE-Applied Biosystemsにより供給された合成サイクルを用いて、固相方法により本発明のペプチドを合成できる。Bocアミノ酸及びその他の試薬は、Applied Biosystems及び他の薬品供給業者から購入可能である。
本発明のペプチドを遺伝子組換え技術により生産する方法は以下のようである。GLP-1のDNAは、全合成、又はより大きな天然のグルカゴンがコードしているDNAの修飾により得られる。プレプログルカゴンをコードしているDNA配列はLundら[Proc Natl Acad Sci USA 79:345-349(1982)]において示されており、この天然の配列を変えることにより、本発明化合物の生産に使用することができる。合成遺伝子の構築方法は本分野では周知であり、BrownらのMethods in Enzymology, Academic Press, NY第68巻、109−151頁を参照できる。本発明のペプチドをコードするDNA配列をそのアミノ酸配列に基づいてデザインし、Model 3400DNA合成機又はABI3900ハイスループット核酸合成機(Applied Biosystems Inc,850 Lincoln Center Drive, Foster City CA 94404)などの通常のDNA合成機を用いてその配列自身をもつDNAを製造できる。
また、本発明のGLP-1誘導体の産生に用いるDNAには、発現量を高め産物を宿主内に安定的に蓄積させる工夫、生産後の精製を容易にする工夫、あるいは融合タンパクとして生産させ容易にGLP-1誘導体を切り出す工夫等を施すことができる。例えば、本発明のGLP-1誘導体遺伝子をタンデムに繋ぎ、発現量を高めるといった手法、または、β-ガラクトシダーゼ、β-ラクタマーゼ、プロテインA、TrpE、ユビキチン、連続したヒスチジン残基などの精製に有利なタンパクの遺伝子に繋ぎ、さらには特異的プロテアーゼ処理によるGLP-1誘導体の切り出しに有利なアミノ酸配列を導入して融合タンパクとして産生させるといった手法を取ることができる。これらの場合、例えば、産生後GLP-1誘導体を単体として得るには、融合させた蛋白を利用した精製を行い、その後特異的なプロテアーゼによる切断により目的のGLP-1誘導体を得ることができる。
次に、以上のように作製されたGLP-1誘導体遺伝子は、本分野で常識的な技術に従って、適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて、適切な組換えDNA発現ベクターに挿入する。その際のGLP-1誘導体ペプチドの効果的な発現方法や、原核細胞及び真核細胞での形質転換に使用できる種々の発現ベクターは本領域の一般的な方法を参考にできる。(Maniatisら、(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory Press, NY 第1-3巻およびThe Promega Biological Research Products Catalogue及びThe Stratagene Cloning Systems Catalogue)。
さらに、構築されたGLP-1誘導体ペプチド発現ベクターを用いて適切な宿主細胞を形質転換させる。宿主細胞には真核性細胞又は原核性細胞のいずれかを使用できる。細胞を形質転換するための技術は本分野において周知であり、上記のManiatisらの様な一般の引用文献に見出すことができる。原核性宿主細胞は、一般にはより高い割合でタンパク質を生産し、より培養し易い。高レベルの細菌発現系において発現されるタンパク質は、特徴的に凝集して高レベルの過剰に発現されたタンパク質を含有する粒子又は封入体となる。この様な典型的に凝集しているタンパク質を本分野にて周知の技術を用いて可溶化し、変性し、さらに再度折り畳む。これについては、Protein Folding, Kreugerら(1990) 136-142頁、Gierasch及びKing編、American Association for Advancement of Science Publicationが参照できる。
本発明化合物は、製剤的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または吸収促進剤と組み合わせて製剤化し、医薬組成物とすることもできる。吸収促進剤には、例えば、キレート剤(例えば、EDTA、クエン酸、サリチル酸塩)、界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))、非界面活性剤(例えば、不飽和環状尿素)、および胆汁酸塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム)が上げられる。この様な医薬組成物は、製薬分野における周知の方法で製造することができる。また、これらの医薬組成物は、鼻腔等の粘膜投与に適しており、個々に又は他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
本発明組成物は、本分野にて周知の方法を用いて、患者に投与後迅速かつ持続的又は遅延した活性成分の放出を提供する様に製剤化できる。例えば、適切なマクロ分子(例えば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロロリドン、酢酸エチレンビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び硫酸プロタミン)、あるいはポリエステル、ポリアミノ酸、ハイドロゲル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸・グルコール共重合体、又は酢酸エチルビニルコポリマーなどのポリマー物質などを用いて、本発明ペプチドを複合体とするか又は本発明ペプチドを吸着させることにより、放出がコントロールされた製剤を製造することができる。また、これらのポリマー粒子にペプチドを混合する代わりに、例えば、コアセルベーション技術又は界面重合によって製造されたマイクロカプセル、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンからなるマイクロカプセル、コロイド状薬物デリバリーシステム(例えば、リポソーム、アルブミン マイクロスフェアー、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)、もしくは、マイクロエマルジョン中に、本発明ペプチドを封入することが可能である。
本発明のGLP-1誘導体は、GLP-1製剤が有効である各種疾患に有効である。即ち、本発明のGLP-1誘導体は、例えば、インスリン非依存性糖尿病の処置、インスリン依存性糖尿病の処置、肥満の処置、食欲抑制、または心疾患の抑制のために、使用することができる。
本発明のGLP-1誘導体の投与量は、各種疾患の個々の患者に対して当業者によって決定されることが望ましい。しかし、一般的にはその投与量は、1回体重kgあたり1μgから1mgまでの範囲内、好ましくは1回体重kgあたり10μgから100μgの範囲内と考えられる。食時直前に使用し、1日1回から3回以上投与することも可能である。
以下に実施例、試験例でもって、更に本発明の説明を行う。尚、これらの実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではない。
製造例 GLP-1誘導体の合成
GLP-1誘導体の合成は、Model 433Aペプチド合成機(Applied Biosystems, Foster City, CA)による固相合成によって行い、HPLCにより精製後、マススペクトルにより合成品を確認した。純度は大部分のものについて95%以上のものを使用し、インビトロおよびインビボでの試験を行った。以下に合成した化合物とその略称を示す。
製造例1. [Ser8]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-COOH
・・・8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOH
製造例2. [Gly8]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-COOH
・・・8G-GLP-1(7-35)+5KR-COOH
比較製造例1. GLP-1(7-36)-NH2(天然型) ・・・GLP-1(7-36)-NH2
比較製造例2. [Ser8]-GLP-1(7-36)-NH2 ・・・8S-GLP-1(7-36)-NH2
比較製造例3. [Ser8]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-NH2
・・・8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2
比較製造例4. [Gly8]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-NH2
・・・8G-GLP-1(7-35)+5KR-NH2
比較製造例5. [Ser8]-GLP-1(7-36)-Arg-Arg-Arg-Arg-COOH
・・・8S-GLP-1(7-36)+4R-COOH
比較製造例6. [Ser8]-GLP-1(7-36)-Arg-Arg-Arg-Arg-NH2・・・8S-GLP-1(7-36)+4R-NH2
比較製造例7. [Ser8]-GLP-1(7-36)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-COOH
・・・8S-GLP-1(7-36)+6K-COOH
比較製造例8. [Ser8]-GLP-1(7-36)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-NH2
・・・8S-GLP-1(7-36)+6K-NH2
比較製造例9. [Gly8]-GLP-1(7-36)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-COOH
・・・8G-GLP-1(7-36)+6K-COOH
比較製造例10. [Gly8]-GLP-1(7-36)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-NH2
・・・8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2
本発明のGLP-1誘導体として、上記製造例1,2のペプチドを合成した。他にも、WO2004/087910に基づいて、トリプシン耐性を付加した[Gln26,Asn34]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-COOH、[Ser8,Gln26,Asn34]-GLP-1(7-35)-Lys-Lys-Lys-Lys-Lys-Arg-COOH等を本発明のGLP-1誘導体として合成することができる。一方、比較対照として合成したGLP-1誘導体のうち、比較製造例3〜6は、WO2004/037859に記載されたペプチドとその置換体、比較製造例7〜10は、WO2001/004156に記載されたペプチドとその置換体である。
この先、本発明のGLP-1誘導体と、これらの比較対照のGLP-1誘導体との比較試験でもって、本発明のGLP-1誘導体の優れた効果を示す。
試験例1 GLP-1誘導体の経鼻投与における血糖値低下効果
試験例1−1〜1−6において、マウスに各種GLP-1誘導体を経鼻投与し、グルコース経口負荷後の血糖値の変動を調べる経口耐糖能試験(OGTT)により、GLP-1誘導体の薬効比較を行った。
GLP-1誘導体は蒸留水で1mMに調製し、-80℃にストックした。試験時に生理食塩水で所定の濃度に希釈して使用した。
エーテルで軽麻酔したddYマウス(7週例、オス)に、マイクロピペットを用いて20μlのGLP-1誘導体溶液を、チップの先から直接マウスの鼻にゆっくり放出し、呼吸とともに鼻から吸引させた。GLP-1誘導体を経鼻投与して5分後、10%グルコース溶液を10ml/kgの割合でゾンデにより経口投与した。
血糖値は、試験直前とグルコース投与後に、経時的に尾先端部を切除した傷口から血液数μlを揉み出し、小型血糖値測定機(グルテストNeo、(株)三和化学研究所)を用いて測定した。各GLP-1誘導体投与群の投与前の血糖値からの上昇分の曲線下面積(AUC 0-20分あるいは0-120分)を算出した。
試験例1−1
ここでは、製造例1のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと比較製造例3のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2をそれぞれ1 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。コントロール群として、比較製造例1の天然型GLP-1であるGLP-1(7-36)-NH2の1及び10 nmol/mouseを設定した。尚、比較製造例3のGLP-1誘導体は、WO2004/037859で最も活性の高かったGLP-1誘導体の1つである。
結果は図1に示す。8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2は、経鼻投与においては、どちらも天然型GLP-1より高活性であったが、C末端のArgはアミド体よりカルボン酸体の方が高活性であることがわかった。
試験例1−2
ここでは、比較製造例5のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHと比較製造例6のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-36)+4R-NH2をそれぞれ1 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。コントロール群として、比較製造例1のGLP-1(7-36)-NH2の1及び10 nmol/mouseを設定した。尚、比較製造例6のGLP-1誘導体は、WO2004/037859で最も活性の高かったGLP-1誘導体の1つであり、比較製造例5はそのC末端カルボン酸体である。
結果は図2に示す。8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHと8S-GLP-1(7-36)+4R-NH2は、経鼻投与においては、どちらも天然型GLP-1より高活性であったが、C末端のArgは、やはりアミド体よりカルボン酸体の方が高活性であることがわかった。
試験例1−3
ここでは、試験例1−1及び試験例1−2で高活性であった8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHをそれぞれ0.3, 1及び3 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。コントロール群として、GLP-1(7-36)-NH2の10 nmol/mouseを設定した。
尚、この2つのGLP-1誘導体のC末端側塩基性アミノ酸数は、GLP-1の36位がアルギニンであるため1残基の違いがあることになるが、これは、WO2004/037859において、C末端が5Rよりも4Rの方が経鼻投与では高活性であることが示されているからである。
結果は図3に示す。8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHは、経鼻投与においては、明らかに8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHより高活性であることがわかった。前者の1 nmol/mouseが後者の3 nmol/mouseよりも高活性であるため、活性の差は3倍以上と考えられる。
試験例1−4
ここでは、製造例1のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOH、比較製造例3のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2、比較製造例7のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-36)+6K-COOH、及び比較製造例8のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-36)+6K-NH2をそれぞれ1 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。尚、比較製造例8のGLP-1誘導体は、WO2001/004156に記載されているGLP-1誘導体の8位セリン体であり、比較製造例7はそのC末端カルボン酸体である。
結果は図4に示す。8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHは、経鼻投与においては、他のいずれのGLP-1誘導体よりも高活性であった。C末端側の5KR-COOHと6K-COOHの比較から、C末端のアミノ酸は、リジンよりもアルギニンの方が、経鼻投与における効果が高いことがわかる。尚、C末端側に6Kが付加されたGLP-1誘導体においては、5KRの場合とは異なって、カルボン酸体よりアミド体の効果が高いことが明らかとなった。
試験例1−5
ここでは、試験例1−4と同様の試験を8位グリシン体で行った。即ち、製造例2のGLP-1誘導体8G-GLP-1(7-35)+5KR-COOH、比較製造例4のGLP-1誘導体8G-GLP-1(7-35)+5KR-NH2、比較製造例9のGLP-1誘導体8G-GLP-1(7-36)+6K-COOH、及び比較製造例10のGLP-1誘導体8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2をそれぞれ1 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。コントロール群として、GLP-1(7-36)-NH2の10 nmol/mouseを設定した。尚、比較製造例10のGLP-1誘導体はWO2001/004156に記載のGLP-1誘導体であり、比較製造例9はそのC末端カルボン酸体である。
結果は図5に示す。8位グリシン体においても、8位セリン体と同様の結果が得られた。尚、本発明のGLP-1誘導体においても、WO2001/004156に記載のGLP-1誘導体においても、8位グリシン体と8位セリン体は、ほぼ同等の活性を示している。
試験例1−6
ここでは、製造例1のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと比較製造例10のGLP-1誘導体8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2をそれぞれ0.3, 1及び3 nmol/mouseで投与し、薬効比較を行った。
結果は図6に示す。8位セリン体と8位グリシン体の比較にはなるが、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHの方が高活性であった。 IC50値を求めると、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHは1.6 nmol/mouse 、8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2が4.9 nmol/mouseで、その比は3.1倍であった。
試験例2 GLP-1誘導体の粘膜吸収
ここでは、マウスにGLP-1誘導体を経鼻投与し、その血中動態および吸収率を調べた。投与したGLP-1誘導体は、製造例1の8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHで、30及び100nmol/kgで投与した。対照薬物として、比較製造例1の天然型のGLP-1(7-36)-NH2及び比較製造例2のGLP-1誘導体8S-GLP-1(7-36)-NH2をそれぞれ100及び300nmol/kgで投与した。
マウスはddYマウス(7週例、オス)を使用、GLP-1誘導体の経鼻投与直前に、ヘパリン処理したガラスキャピラリーを用いて眼窩静脈叢より100μlを採血し、これから得られる血中GLP-1濃度を投与0分での値とした。次に、マウスをエーテルで軽麻酔し、マイクロピペットを用いて20μlのGLP-1誘導体溶液を、ピペットチップの先から直接マウスの鼻にゆっくりと放出した。その後経時的に眼窩静脈叢より100μl採血し、遠心分離により血漿を得た。血漿中GLP-1濃度は、GLP-1(total)RIAキット(LINCO, Cat No. GLP1T-36HK)により測定し、吸収率を求めた。尚、吸収率は、各GLP-1誘導体を静脈内投与したときの吸収を100%としたときの各GLP-1誘導体の経鼻投与による吸収率を示す。
結果は、図7にGLP-1誘導体の血中濃度推移を、表1にGLP-1誘導体の吸収率を示す。本発明品のGLP-1誘導体である8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHの30 nmol/kg投与群は、対照投与群である天然型のGLP-1(7-36)-NH2の100 nmol/kg投与群、及び8S-GLP-1(7-36)-NH2の100 nmol/kg投与群とほぼ同一の血中濃度推移を示し、同様に、本発明品の100 nmol/kg投与群は、対照薬の300 nmol/kg投与群とほぼ同一の血中濃度推移を示した。このように、本発明のGLP-1誘導体である8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHは、C末端に5KR-COOHのない、天然型のGLP-1(7-36)-NH2や8S-GLP-1(7-36)-NH2のほぼ1/3の投与量で、同一の血中濃度を達成できることがわかった。同一投与量100 nmol/kgにおける吸収率を比較すると、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHは、天然型のGLP-1(7-36)-NH2や8S-GLP-1(7-36)-NH2のほぼ6倍の高い吸収率を示した。
本試験の結果は、試験例1の経鼻投与の評価系で本発明品のGLP-1誘導体が高活性を示した理由が、その高い粘膜吸収性にあることを示している。
Figure 2010043001
試験例1−1において、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2の血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例1−2において、8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHと8S-GLP-1(7-36)+4R-NH2の血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例1−3において、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと8S-GLP-1(7-36)+4R-COOHの血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例1−4において、8位セリン体である8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOH、8S-GLP-1(7-35)+5KR-NH2、8S-GLP-1(7-36)+6K-COOH、及び8S-GLP-1(7-36)+6K-NH2の血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例1−5において、8位グリシン体である8G-GLP-1(7-35)+5KR-COOH、8G-GLP-1(7-35)+5KR-NH2、8G-GLP-1(7-36)+6K-COOH、及び8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2の血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例1−6において、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOHと8G-GLP-1(7-36)+6K-NH2の血糖低下効果を経鼻投与で比較した結果を示す図である。 試験例2において、8S-GLP-1(7-35)+5KR-COOH、GLP-1(7-36)-NH2、及び8S-GLP-1(7-36)-NH2を経鼻投与した時の血中濃度推移を示す図である。

Claims (11)

  1. GLP-1(7-35)又はGLP-1(7-36)のアミノ酸配列、或いはそれらのアミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/または付加された配列からなり、かつGLP-1活性を有するペプチドのC末端に(Lys)n−Arg(nは4〜8の整数で、Argはカルボン酸体)が付加されたペプチド。
  2. GLP-1アミノ酸配列の8位がSer又はGlyである、請求項1に記載のペプチド。
  3. GLP-1アミノ酸配列の26位がGln、34位がAsnである、請求項1に記載のペプチド。
  4. nが5である、請求項1に記載のペプチド。
  5. [Ser8]−GLP-1(7-35)−(Lys)−Arg で表される、請求項1に記載のペプチド。
  6. 天然型GLP-1よりも高い粘膜吸収率を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のペプチド。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のペプチドを有効成分として含む医薬組成物。
  8. 経粘膜投与で用いることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 経粘膜投与が、経鼻投与である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 糖尿病の処置、肥満の処置、又は、食欲抑制のために用いる、請求項7に記載の医薬組成物。
  11. 心疾患抑制のために用いる、請求項7に記載の医薬組成物。
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