JP2009543089A - 細胞状態に関連したグリコシル化パターン検出の方法と試験(分析) - Google Patents

細胞状態に関連したグリコシル化パターン検出の方法と試験(分析) Download PDF

Info

Publication number
JP2009543089A
JP2009543089A JP2009519058A JP2009519058A JP2009543089A JP 2009543089 A JP2009543089 A JP 2009543089A JP 2009519058 A JP2009519058 A JP 2009519058A JP 2009519058 A JP2009519058 A JP 2009519058A JP 2009543089 A JP2009543089 A JP 2009543089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cells
lectin
binding
lectins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009519058A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009543089A5 (ja
Inventor
ローゼンフェルド,ラケッテ
サモコフリスキー,アルベーナ
マヤ,ルース
ヤキール,イェシャヤフ
ランドシュテイン,ドリット
ザレ,ノア
アロニ,ロニー
Original Assignee
プロコグニア(イスラエル)エルティーディー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by プロコグニア(イスラエル)エルティーディー filed Critical プロコグニア(イスラエル)エルティーディー
Publication of JP2009543089A publication Critical patent/JP2009543089A/ja
Publication of JP2009543089A5 publication Critical patent/JP2009543089A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5091Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing the pathological state of an organism
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/415Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from plants
    • G01N2333/42Lectins, e.g. concanavalin, phytohaemagglutinin
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/46Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans from vertebrates
    • G01N2333/47Assays involving proteins of known structure or function as defined in the subgroups
    • G01N2333/4701Details
    • G01N2333/4724Lectins
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

グリコシル化パターンによる細胞集団の特徴付け、特に、細胞集団間を識別するための、方法及び試験を提供する。好ましい態様では、本発明は、幹細胞の状態(即ち、分化又は未分化)及び/又は、悪性度に関する癌細胞の状態を決定することができる。好ましくは、患者から取り出した癌細胞サンプルのグリコシル化パターンにより、患者が、薬剤に応答するかどうかを決定することもできる(代替としては、以下により詳細を記載したように、患者の中で検査した)。選択的に、例えば、薬物での治療の前後で細胞集団を分析するのに用いることもできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、細胞のグリコシル化パターンを検出する方法及びその試験に関し、特に、細胞状態が検出されたグリコシル化パターンにより決定され得る方法及び試験に関する。
オリゴサッカライド及びポリサッカライド(多糖類)は、グリコシド結合を介して互いに結合した、モノサッカライド(単糖)ユニットから成るポリマーである。これらのポリマーは、多糖の二次元構造として公知である単糖サブユニットの直鎖配列によって記載できる構造を有する。ポリサッカライド(多糖類)は、それらの成分単糖サブユニットによる3次元で形成される構造よっても記載することができる。
糖鎖は、DNA鎖またはタンパク質のように、2つの似ていない末端を有する。これらは、糖鎖の場合は、還元末端(直鎖糖分子のアルデヒド基に対応する)及び非還元末端である。しかしながら、タンパク質及びDNAとは違って、糖類は選択的な分岐点として機能を果たしている多糖の中の各糖単位を基本として一般的には分岐している。
糖に結合する多くのタンパク質が存在している。これらの多くのタンパク質は、ある特定の短い単糖または2糖配列に特異的に結合する。レクチンは、糖に結合するたんぱく質の広いファミリーである。大多数の植物レクチンは特徴付けがされて、研究に使用されている。多くの哺乳類レクチンも特徴付けがされている。抗体は、ある種の分子構造を特異的に認識するたんぱく質である。レクチンがそうであるように、抗体も糖構造を認識する。グリコシダーゼは、糖鎖内でグリコシド結合を開裂する酵素である。さらに、グリコシダーゼは、ある種のオリゴ糖配列を特異的に認識できる。グリコシルトランスフェラーゼ(糖転移酵素)は、1つの糖ユニットを受容体分子へ転移させる酵素である。インビボでは、これらの受容体分子は、成長中のグリカン構造である。
多糖の構造決定は、糖生物学の発展にとって基本的に重要である。糖生物学の研究は、細菌細胞壁、成長因子に対する血液グリカン、HIV感染などのウイルス性疾患に関与する細胞表面受容体、インシュリン依存性糖尿病、リウマチ性関節炎などの自己免疫疾患、及び癌で生じる異常な細胞増殖のような多様な主題に関する。
糖分子の重要性は、細胞壁合成阻害剤、おそらく、今まで発見された最も成功した抗生物質、ペニシリンの発見により、際立っている。
別の例としては、血液凝固を阻害し、今日医療に幅広く用いられているへパリンの医療上の使用である。医療上重要な糖分子の更なる例としては、グリコスアミノグリカン(GAGs)、ヘパリン硫酸、モノクローナル抗体、サイトカイン(例えば、IL−8、TNF、及び大型商品EPO)、ケモカイン(例えば、酸性線維芽細胞成長因子)及び様々な成長因子をあげることができる。前述したサイトカイン、ケモカイン、及び成長因子も、GAGs及び他の多糖に結合することができ、レクチンと考えることができる。
多糖の構造上の複雑性は、それらの分析を妨げている。例えば、糖は、鋳型−非依存性機構により合成されると考えられている。構造上の情報がない場合、したがって、研究者は、基礎単位が今日公知になっている糖のいずれかから選択されると考えなければならない。加えて、これらの単位は、合成中に硫酸基などにより修飾されることがある。このような炭水化物の構造上の情報を調べる能力なしでは、組織などの細胞集団の真正なグリコシル化パターンを決めることができない。加えて、これらの単位は、合成中で硫酸基などの添加により修飾されることもあり、付加される糖のタイプを単に知ることが、全体像を提供することにはならない。
さらに、糖ユニット間の結合は、多種多様である。糖ユニットがへキソースに結合する場合は、糖は、C1、C2、C3、C4、C5、又はC6のいずれにも結合することができる。さらに、C1原子への結合は、アルファ又はベータのいずれかの配位をとることができる。加えて、糖単位が、水酸基の位置により単に別のものと異なることがある(エピマー)ように、多くの糖の間で構造上の差異は、僅かである。
インビボでのグリコシル化は、組織依存性であり、細胞の状態で有意に変動し得る。インビトロでのグリコシル化は、増殖状態に強く依存する:細胞のタイプ、栄養の濃度、pH、細胞密度、及び加齢(age)が、グリコプロテインのグリコシル化パターンに影響し得る。細胞内での糖型の数及び相対存在量は、個別のタンパク質の本質的な構造上の特性、並びに利用できるグリコシル化酵素の能力範囲(repertoire)(それらの型、濃度、動力学的特性、区分化を含む。)により影響される。この能力範囲は、細胞状態の変化(例えば、発癌性形質転換)に対して変動することを示している。
グリコシル化パターン、及び細胞状態との関連性の検出の方法と試験が求められている。
本発明は、その好ましい態様において、複数の、異なるものではあるが、しかしグリコマーカに相関するグリコシル化パターンにより、細胞の状態を決定することができる。以下の方法と試験により背景技術の欠点の少なくともある部分を克服している。選択的に及び好ましくは、本発明の好ましい態様は、少なくとも二つの異なる細胞集団において細胞のグリコシル化パターンを決定することができ、例えば、細胞の状態などにより、各細胞集団の1又はそれ以上の特性でグリコシル化パターンを相互関係を決定することができる。
好ましい態様によれば、本発明は、細胞状態の検出方法を提供し、その検出方法は、少なくとも細胞の一部を少なくとも1つの糖結合剤と接触させ、細胞への糖結合剤の結合を決定し、細胞への糖結合剤の結合により細胞のグリコシル化パターンを決定し、グリコシル化パターンを細胞状態と相互関係を検討するステップを含む方法である。
好ましい態様によれば、少なくとも2つの糖結合剤が単一の試験で用いられ、好ましくはホールセル(細胞全体)(選択的に、固定されていてもよい)、及び/又は非ホールセル(細胞全体ではない)材料を用いる。このような非ホールセル材料は、選択的に、膜タンパク質抽出物、ホモジナイズされた細胞、粗膜混合物、粗膜混合物、及び/又は、界面活性剤を添加し、及び/又は細胞を溶解し、及び/又は細胞抽出を行うことに由来する非ホールセル材料からなる群から選択される物質を含む。より好ましくは、より好ましくは、非ホールセル物質は、高度に精製されたタンパク質又はタンパク質群というよりむしろ、粗細胞(成分)混合物である。
他の態様によれば、少なくとも5種の糖結合剤が用いられており、好ましくは、ホールセル(選択的に固定されていることもある)、及び/又は前述した非ホールセル材料を用いる。
本発明の好ましい態様として、例えば、幹細胞の状態(即ち、分化、又は未分化)、及び/又は、例えば、悪性度に関する癌細胞の状態、を決定することができる。好ましくは、本発明は、患者が、患者から取り出した(代替的に患者の中で検査した)、癌細胞のサンプルのグリコシル化パターンにより薬剤に反応しそうであるか否かを決定することもできる。
より詳細に下記に述べるように、本発明の好ましい態様によれば、本発明の方法及び試験は、好ましくは、インビトロで、細胞のサンプル及び/又は細胞材料について行われる。
このサンプルは、好ましくは、以下により詳細に記載するように、サンプル中に存在する糖分子の少なくとも一部が検出されるように、糖分子検出剤と接触させ好ましくはこのサンプルについて、グリコシル化フィンガープリントを決定し、次いで、細胞の状態との相互関係を、好ましくは検討する。選択的に、このような状態は、幹細胞などの分化の状態に関係しており、代替的に、又は追加的に、及び選択的に、このような状態は、例えば、癌の化学療法などの治療のために、サンプルを取り出す個体の予想される応答性に関連している。
選択的に又は好ましくは、グリコシル化パターンが、第一カテゴリーに一致する場合は、サンプルが、第一の細胞状態に相互に関連し;代替的には、グリコシル化パターンが第二カテゴリーに一致する場合は、サンプルが、第二細胞状態に相互関連するというような比較により相互関係が検討される。より好ましくは、このような相互関係は、選択的には、最も好ましくは、細胞の機能性及び/又は挙動の連続体に収まる複数の異なる状態に関連する異なる複数のカテゴリーを選択的に特徴づけている。細胞状態は、異なる状態の間の差異に必要とされる最少数のデータ入力を用いて決定される。第一及び第二カテゴリーは、例えば、癌性の状態と非癌性の状態、又は、分化した状態及び未分化状態などである。
いくつかの態様によれば、本発明は、選択的に、好ましくは対象(患者)から取り出した生物学的サンプル中にある疾病の診断試験にも関し、その生物学的サンプルは、より好ましくは、ある種のタイプの体液、分泌液であり、限定されないが、精液(seminal plasma)、血液、血清、尿、前立腺液(prostatic fluid)、精漿(seminal fluid)、精子(semen)、皮膚の外分泌、呼吸、腸管、泌尿生殖管、涙、脳脊髄液、痰、唾液、乳汁、腹腔内液、嚢胞液、気管支肺胞洗浄、生殖器官の洗浄、及び/又は身体の他の部分又は身体系の洗浄、糞便、及び組織サンプルが含まれる。その用語は、選択的に、インビボ、細胞培養構成成分のサンプルにも及ぶ。好ましくは、サンプルは、ホールセル(細胞全体)、又は破壊された細胞成分のいずれかの形式の細胞を含む。
生物学的サンプルは、選択的に又は好ましくは、選択的にグリコプロテイン又はポリサッカライドを含むことができる1以上のマーカーの存在下で分析する。これらのマーカーは、特定の疾病の症状の下では、血流中に特異的に放出さることがあり、及び/又は、さもなければ、より高いレベルで発現するか、及び/又は、疾病を患っているか又は疾病を表す組織又は細胞に特異的に発現する。患者のサンプル中の、単独の又は組み合わせた、マーカーの測定は、診断医が、特定の疾病及び/又は特定の疾病に罹るより高いリスクを示唆する症状の診断関連づけることができる情報を提供する。
いくつかの態様によれば、本発明は、マーカが検出できる疾病、及び/又は示唆可能な症状の診断試験に関し、また、選択的には又は好ましくは、上述した対象(患者)から取り出したサンプル中のマーカが検出し得る疾病、及び/又は示唆可能な症状の検出用にこのようなマーカを使用する方法に関する。
特に定義しない限り、本明細書で用いる全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術の通常の知識を有する者により一般に理解されるのと同じ意味である。本明細書で記載したものと類似又は等価の方法および材料が、本発明の実行または試験において用いられ得るが、適切な方法および材料は、以下に記載される。本明細書で記載した全ての公報、特許出願、特許、及び他の文献は、それらの全内容が参照により取り込まれている。これらは、しかし、これに限定されないが、特許文献1〜4を含んでいる。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が調節する。加えて、材料、方法、および例は、例示のみであり、限定を意図していない。
WO00/68688号 WO01/84147号(米国第20060194269号;米国第20070092915号;米国第7056678号、及び米国第7132251号) WO02/37106号(米国第20040132131号) WO02/44714号(米国第7079955号及び米国第20040153252号) 米国特許出願第20050186645号 米国特許出願第20040153252号
ここで、添付の図面を参照して、例として、本発明を説明する。図面への具体的参照について、これらの事項は一例であり、本発明の好ましい実施形態を例示的に記載することだけを目的とし、本発明の原理及び概念的側面に関して、最も有用かつ容易に理解される説明であると信じるものを提供するためのものであることを強調する。この点から、本発明の根本的理解に必要な以上に詳しく本発明の構造的詳細を示そうとはしておらず、本記載を図面と共に考慮することで、本発明の様々な形態をどのように実際に実施することができるかが、当業者に明らかになる。
図1は、3T3L1細胞の脂肪細胞への分化を示す図である。細胞が未だ、サブコンフルエントである場合、分化は播種後48時間で始まる。7日後、脂肪滴が細胞体に現れる。10日までに、少なくとも細胞の80%が分化する。 図2は、脂肪細胞への分化に及ぼす3T3L1細胞の膜タンパク質のグリコシル化の変化を示す図である。 図3は、BFA処理PC12細胞に及ぼす膜タンパク質のグリコシル化の変化を示す図である。 図4は、DMJ処理した3T3L1細胞の膜タンパク質のグリコシル化の変化を示す図である。
本発明は、グリコシル化パターンによる細胞集団の特徴付け、好ましくは、細胞集団間を識別をする方法及び試験を提供する。好ましい態様では、本発明は、幹細胞の状態(即ち、分化した、又は未分化である)、及び/又は、悪性度などの癌細胞の状態を決定することができる。したがって、細胞が癌性であるか又は非癌性であるか、癌性である場合は、その癌が、良性か悪性であるかなどを決定するために用いることができる。
選択的に、細胞の状態は、既知のグリコシル化パターンとの比較によりこのグリコシル化パターンとの相互関係を検討することができる。さらに選択的に、グリコシル化パターンは、コンピュータ上で分析することができる。
好ましくは、本発明は、患者が薬剤に反応しそうであるか否かも決定することができる。例えば、化学療法に対する予想される応答が、患者から採取した癌細胞のサンプルのグリコシル化パターンにより決定することもできる(または、代替としては、以下により詳細に説明するように、患者の中で検査する)。
好ましい態様によれば、本発明は、細胞状態を検出する方法を提供し、その方法は、細胞の少なくとも一部を、少なくとも1つの糖結合剤と接触させ、細胞への糖結合剤の結合を決定し、細胞への糖結合剤の結合による細胞のグリコシル化パターンを決定し、細胞状態のグリコシル化パターンを相互関係を検討することを含む。
好ましい態様によれば、本発明の方法及び試験は、選択的に、生物学的に比較し得る複数の系を用いてグリコシル化パターンの分析により好ましくは細胞集団で比較することができる。生物学的システムは、選択的に、細胞性反応を誘導するために物理的又は化学的に処理されたいずれかのタイプの細胞、又は分化を誘導された未分化細胞、又は発癌性を形質導入する前と後の細胞、又は他の操作をした特定のタイプの細胞を意味する。
本発明の好ましい態様によれば、細胞のグリコシル化パターンを検出する試験は、選択的に及び好ましくは、本願と同じ所有の米国特許第7,056,678号にしたがって行うことができ、本明細書で十分に示しているように参照により本明細書に取り込まれており、これに、細胞のグリコシル化パターンを検出する方法及び試験が記載されている。例えば、この特許は、糖の構造分析の方法を述べており:表面上に、複数の本質的に配列特異的な結合剤及び/又は、本質的に部位特異的な結合剤を提供する工程;この表面を分析される糖の混合物に接触させる工程;結合していない糖又は糖フラグメントを洗浄または別の方法で除去する工程;前述のようにして工程得られた表面に、本質的に配列及び/又は部位特異的なマーカー、又は、本質的に配列及び/又は部位特異的なマーカーの混合物を添加する工程;表面に結合したマーカーの1つ以上の画像を得る工程;並びに、画像から分析される糖の同一性(アイデンティティ)に関する情報を引き出す工程、を含んでいる。
結合剤が提供される表面は、例えば、ビーズ又はアレイを含む。
糖結合マーカーの結合は、選択的に、マーカーの画像を得ることにより、分析するべき多糖の認識部位のマップを作ることにより、多糖に関連する部分配列情報を導き出す。
マーカーは、選択的に基質の表面上で発現する色彩である画像が提供されるような発色性結合剤を含む。代替としては、マーカは、標識化された結合剤であり、マーカの画像は、この標識からのシグナルにより提供される。画像は、例えば、光学フィルターの使用により、又は写真撮影、及び/又は画像をデジタル化することにより、得ることができる。
さらに、例えば、細胞などのサンプル用のグリコシル化パターン又は「フィンガープリント」を決定する方法と試験は、本願と同じ所有の特許文献5(米国特許第20050186645号)にも開示されており、本明細書に十分に示したように参照により本明細書に取り込まれている。本出願は、1又はそれ以上の糖結合剤(本明細書では、第一糖結合剤とも称する。)に付着された基体に糖分子を加えることにより、糖分子の炭化水素内容物についての情報を得る方法を記載している。この糖分子を結合している第一糖結合剤が同定され、得られた結合情報が糖分子のフィンガープリントを作り出す。
本発明の必須配列−及び/又は部位特異的結合剤は、例えば、レクチン(着色レクチン、蛍光レクチン、ビオチン標識レクチンなど)又は抗体(蛍光抗体、ビオチン標識抗体、又は酵素標識レクチンなど)を含むことができる。選択的に、約5のレクチン〜約100又はそれ以上のレクチンであれば、レクチンの数は、いくらでもよいが、例えば、方法又は試験は、少なくとも5つのレクチン、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50のレクチンを用いて行うことができる。
例えば、方法は、選択的に、膜で被覆したスライドグラス上にプリントされた20〜30のレクチンのセットでの4〜8回繰り返しで行うことができ、さもなければ、代替としては、各プリントされたレクチンの用量反応性をもたらす濃度範囲で行うことができる。完全な糖タンパク質のサンプルをこのアレイに塗布し、この結合パターンをいずれかの蛍光色素分子を用いたグリコプロテインの直接標識であるか、抗体などのタンパク部分又はレクチンなどの炭化水素部分のどちらかに向いた蛍光色素分子−標識プローブにより、検出する。その結果得られたフィンガープリントは、サンプルのグリコシル化パターンの特有なものである。多数のレクチンは、各々特異的な認識パターンをもち、グリコシル化パターンの変動に対し確実にフィンガープリントの高い感受性を示す。FITC、ローダミン、Cy3,Cy5,又はいずれかのアレクサ色素などの多くの蛍光標識を用いることができる。これらの蛍光標識及び色素標識を本明細書では、集合的に「発色標識」と呼ぶ。加えて、標識は、この分野で公知のビオチン−アビジン系、及び/又は他の適当なタイプの標識を用いても達成できる。選択的に、上述したように分析する前に糖分子を修飾することもある。
本発明の方法及び試験は、選択的に、ホールセル(細胞全体)を用いて行うこともできる。代替として、この方法及び試験は、膜タンパク抽出物、ホモジナイズした細胞、又は粗膜混合物などの細胞標本(非ホールセル材料)について行うことができる。
ホールセル(細胞全体)を使用する態様では、好ましくは先ず、細胞を固定する。例えば、細胞を、セーレンセン緩衝液(pH7.3)(Tousimis Research Corp., Rockville, Md)中の1%グルタールアルデヒドを添加したRPMIの培養培地の懸濁液中で固定することができ、セーレンセン緩衝液で24〜48時間洗浄する(例えば、Sandersら、A high−yield technique for preparing cells fixed in suspension for scanning electron microscopy, The Journal of Cell Biology, Volume 67, 1975, pages 476 480、に記載されている。)。
代替としては、細胞を、周囲温度で、60分間、PBS/3.7%ホルムアルデヒドに浸して固定する、その後蒸留水で洗浄する(例えば、Nimrichterら、Intact cell adhesion to glycan microarrays, Glycobiology,vol.14,no.2;pp.197−203,2004、に記載されている。)。
もちろん、糖−結合剤の細胞への結合を検出できるものであれば、選択的に、どのタイプの細胞固定を行ってもよい。
本発明の方法は、選択的に及び好ましくは、インビトロで行うことができる。
本発明の方法及び試験は、選択的に及び好ましくは、キプロテオームグリコプロファイリングキット(Qproteome Glycoprofiling Kit)(Qiagen、米国)を用いて行うことができる。このようなキットで用いるレクチンは、注意深く選択され、十分に特徴付けられた糖タンパク質の大きなデータセットと、酵素的に合成したこれらのタンパク質の糖変異体の大きなデーターセットを用いて、80以上のレクチンのセットの分析により選択する。アレイ上のレクチンは、可能な場合は、それらの単糖特異性によりグループ分けされ;「複合体」と称する群のレクチンは、単糖は、結合しないが、N−結合グリカン複合体に結合する。群及び各群内でのレクチン間の差異を以下に説明する。
複合体
この群のレクチンは、複合体N−結合複合体グリカンのトリマンノシルコアの2つのα−マンノース残基のいずれかで分岐を認識する。それらは、グリカン構造の大部分に結合するので、この群のいくつかのレクチンは、種々のアンテナ末端に敏感である。複合体(1)及び複合体(4)と称するレクチンは、2,6−分岐構造を好み;レクチン複合体(3)は2,4−分岐構造を好み、レクチン複合体(2)は、両構造に同様の親和性で認識する。
GlcNAc
この群のレクチンは、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)及びそのβ4−結合オリゴマーに結合し、後者の鎖長の増加につれてそれとの親和性が強くなる。この群での両レクチンの炭化水素特異性は異ならないが、それにもかかわらず、結合パターンには、相違がみられる、これは、おそらく、サンプルの非炭化水素部分に起因する。
Glc/Man
この群のレクチンは、マンノース結合レクチン(下記を参照)の亜群(サブグループ)であり、マンノースに加えて、グルコースにも結合するので、Glc/Man結合レクチンと称する。この群の全てのレクチンは、二分岐複合体N結合グリカンに高い親和性で結合する。二分岐構造の親和性に比べると、レクチンGlc\Man(1)及び(2)は、低親和性の高マンノースグリカンであり、一方、レクチンGlc\Man(3)はより高い親和性で高マンノースグリカンと結合するであろう。
マンノース
この群は、特異的にマンノースに結合するレクチンからなる。これらのレクチンは、低親和性で高マンノース構造に結合し、2分岐複合体構造のコアマンノースを認識する。
末端GlcNAc
このレクチンは、特異的に末端GlcNAc残基を認識する。
アルファGal
これらのレクチンは、末端α−ガラクトース(a−Gal)に結合する。レクチンアルファ−Gal(1)は、アルファ−ガラクトース及びα−GalNAc(α−N−アセチルガラクトサミン)の両者に結合し、N及びO結合グリカンの両者に結合することができる。レクチンアルファ−Gal(3)は、N−結合アンテナで発見されるガリリ抗原(Gal−3Gal)に主として結合する。
BetaGal
これらのレクチンは、特異的に、末端の(非シアリル化されていない)β−ガラクトース残基に結合する。
Gal/GalNAc
これらのレクチンは、末端ガラクトース及びN−アセチルガラクトサミン残基に特異性がある。この群内のさまざまなレクチンは、ガラクトースとN−アセチルガラクトサミンへの相対的な親和性に相違がある。
この群のレクチン(2)及び(5)は、ほぼ例外なくGalに結合する;レクチン(1)、(3)及び(4)は、例外なくGalNAcに結合する。この群の残りのレクチンへのGalNAc/Galの相対的親和性は、(8)>(7)>(6)の順でランク付けされる。
フコース
この群のレクチンは、種々の結合でフコース残基と結合する。
レクチンフコース(6)は、1−2−結合フコースに優先的に結合し、レクチンフコース(8)は、1−3及び1−6結合フコースに優先的に結合し;レクチン(12)と(13)はFucl−4Glc(ルイスA抗原)に優先的に結合する。これらのレクチンは、一般的には、立体障害のためにインタクト(無傷の)グリコプロテイン上のN−結合オリゴ糖のコアフコースに結合しない。
シアル酸
シアル酸レクチンは、荷電したシアル酸残基と反応する。他の酸性基(硫酸化など)への第二の特異性は、この基の員にもみられる。レクチンシアル酸(1)は、2−3−結合シアル酸を主として認識し、レクチンシアル酸(4)は、2−6−結合シアル酸を主として認識する。
フィンガープリントそれ自身は、サンプル分析用の価値あるデータを提供する。グリコシル化における相違を示すいくつかのサンプルの比較分析用に特に有用である。
結果として得られたグリコシル化フィンガープリントデータの分析及びサンプル中のグリコシル化パターンのマッピングの計算方法は、例えば、本願と同じ所有の特許文献6(米国特許出願第20040153252号)に開示されており、ここに十分に示すように参照により取り込まれている。この出願は、例えば、レクチン結合データなどの糖結合剤をサンプル中の糖分子へ結合させることから得たデータを、選択的にその他のタイプの結合データと共に、コンピュータ上で分析して、グリコ シル化パターンをマッピングする方法を記載する。代表的な計算方法のより詳細な記述は、実施例9について以下に提供されている。
細胞などのサンプル中のグリコシル化パターンを検出する方法と試験のこれらの実施例は、議論のためのみに提供したものであり、他の適当な方法及び/又は試験が選択的に本発明に用いることができるように、どのような方法によっても限定することを意図しない。
本発明の原理及び操作は、図面及び付随する説明、並びに以下に挙げる実施例の参照により、よく理解できる。
実施例1
細胞での広範囲なグリコシル化の変動を確認する方法
本実施例は、細胞中のグリコシル化パターンの変動、好ましくは、全体的なグリコシル化の変動を確認する方法とそのキットに関する。これらは、例であることを意図しており、如何なる方法によっても限定する意味ではない。
Qglycome細胞プロファイルイングキットは、生物学的変化が生じる全体的なグリコシル化パターンの変化、好ましくは、全体的なグリコシル化変化、を確認する第一線のツールとして用いることができる。このキットは、培養ほ乳類細胞の細胞膜タンパク質のグリコシル化におけるグリコシル化パターンの全体的な変動を分析することを目的としている。本明細書で提供されているこのキット及びその使用方法の記載は、期待される下記の実施例のいくつかでは、これらの方法が行われるべき現在時制で記載されている;しかしながら、下記の他の実施例は、その方法が行われたものであり、実際のデータを得たものである。実施例が行われるべきものであるか、又は既に行われたものであるかは、各実施例について示してある。
分析は、1つが基準サンプルで、他が試験サンプルという、2サンプルの間で比較による様式で行われた。このような比較の実施例は、分化前と分化後の細胞、及び、生物学的/化学的/物理的刺激後の様々な時点に対するゼロ時間の細胞の比較である。
種類が異なり、十分に特徴付けられたグリカン−結合特異性をもつレクチンをアレイの表面にスポットする。このアレイは、ビオチニル化した膜グリコプロテイン混合物で探査し、洗浄してバックグラウンドを減少させる。結合ビオチニル化グリコプロテインを、マイクロアレイスキャナーを用い、Cy3(登録商標)−標識ストレプトアビジンで可視化する。スキャニングに続き、得られた画像を、キアゲングリコアナライザーソフトウエア(Qiagen GlycoAnalyzer Software)で分析した。
各レクチンを、スライド上に7種の濃度でプリントした。分析は、各サンプルのフィンガープリントを提供する:柱状グラフ中の各バーは、各レクチンで観察された用量反応曲線の傾きを表す。フィンガープリントにおけるレクチンは、特異性により群分けし、群−番号形式で表した;群−番号の組み合わせは、各レクチンで一定であり、変動しない。実験における全てのフィンガープリントは、好ましくは基準サンプルのフィンガープリントに対して標準化されている。マイクロアレイ技術では、一般的には、生物学的な差異よりはむしろ技術から生じる変動をスライド間で調整する必要がある。キプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)における標準化は、好ましくは、ロバスト回帰算法に基づく(MM推定量を使用;実施例9の記載を参照されたい。)。
このキットは、2つの抽出用緩衝液を具えており、それらは、培養細胞からのサイトゾル(CE1緩衝液)及び膜(CE2緩衝液)に付随するタンパク質を連続的な濃縮を可能にする。このキットは、膜タンパク質の糖分析に好ましくは使用する。
細胞分画法
抽出用緩衝液CE1を細胞に添加し、原形質膜を溶解することなく選択的に崩壊させ、その結果細胞質タンパク質の放出が生じる。核、ミトコンドリア、小胞体(ER)などの原形質膜とオルガネラは、完全なまま残り、遠心により集める。
第一段階から得たペレットを抽出用緩衝液CE2に再懸濁させ、核膜を除く全ての細胞膜を溶解させる。さらに遠心して、全ての抽出膜タンパク質を上清に残し、核及び細胞骨格を沈殿させる。
ビオチンによる膜タンパク質の標識化
Qグリコプロファイリングキット(Qglyco profiling kit)は2つの標識プロトコールを提供する:
−全膜タンパク質抽出物のスルホ−NHS−ビオチン(全膜画分が標識されるであろう)による標識化。
−細胞表面タンパク質のスルホ−NHS−ビオチンでの標識化。このプロトコールを用いると、細胞がインタクト(無傷)であれば、細胞膜の外側表面上のタンパク質だけが標識されるであろう。NHS−ビオチン(スルホ−MHS−ビオチン)の非透過性変異体は、細胞表面タンパク質の標識が可能であるが、細胞がインタクトであれば、内側のタンパク質を標識しない。表面標識を用いると、高い感度が達成でき、高濃度の高マンノースグリカンの高濃度を含むゴルジ体及びER中のグリコタンパク質は標識されない。全抽出物標識を用いた試験で、全体のパターングリコシル化に有意な変化が見られない場合は、表面標識プロトコールで行う。
プロトコール:全膜タンパク質抽出物の細胞画分及びビオチン標識
このプロトコールは、膜画分全体を標識し、分画緩衝液1ml中に5x10細胞の処理に適している。
抽出用緩衝液CE1とCE2を解凍し、次いでボルテックスによりよく攪拌し、氷中に置く。各緩衝液の1mlを別の予め標識したチューブに移し、10μlのプロテアーゼ阻害剤溶液(x100)を添加する。
接着細胞を5mlのPBSで洗浄する。PBSを次いで吸引する。PBS中の2mMEDTAを1ml添加し、ディシュ全体に均等に拡散させる。細胞がはがれ始めた時点で、スクレーパで細胞を集め、1mlピペットで15mlチューブに移す。細胞数を測定し、次いで4℃10分間500xgで遠心する。細胞ペレットを2mlの氷冷PBSに再懸濁し、氷上に移す。遠心のステップを繰り返し、細胞数を再度測定する。分画を下記により行う。
非接着細胞をフラスコから15ml又は50mlチューブに移す。細胞を500xgの遠心によりペレットにし、2mlの氷冷PBSに再懸濁する。細胞を次いで4℃10分間500xgで遠心し、細胞ペレットを2mlの氷冷PBSに再懸濁し、氷上に移す。第2回目の遠心ステップを繰り返し、細胞数を測定する。分画を、次いで、以下に述べるように、行う。
5x10細胞を含む細胞懸濁液をマイクロ遠心機に移し、4℃10分間500xgで遠心する。上清を注意して除き、捨てる。
細胞懸濁液を、プロテアーゼ阻害剤溶液を添加した1mlの氷冷抽出緩衝液CE1に再懸濁し、回転攪拌器で4℃10分間インキュベイトする。溶解液を4℃10分間1000xgで遠心し、上清(画分1)を、次いで氷上で保存していた新しいマイクロ遠心チューブに注意深くに移す。この画分は主として細胞質性タンパク質を含む。
このペレットをプロテアーゼ阻害剤が含まれている1mlの氷冷却抽出緩衝液CE2に再懸濁させる。懸濁液を、4℃30分間、回転攪拌器でインキュベイトする。懸濁液を4℃10分間6000xgで遠心し、次いで上清(膜タンパク質画分)を注意して新しいマイクロチューブに移し氷上で保存する。
この画分は主として膜プロテインを含む。この画分は−20℃で3箇月まで保存することができ、−70℃でより長い期間保存することができる。凍結−解凍サイクルの繰り返しを避ける。解凍後、サンプルを、6000xg15秒間遠心する。標識する前に、BCAタンパク質定量キット(BCA Protein Quantification Kit)を用いて、タンパク質濃度を決定する。
標識するためのタンパク質の最小濃度は、150μg/mlである。この濃度がより低いときは、所望の細胞株の画分を5x10細胞/mlの代わりに1x10細胞/mlを用いて繰り返す。
細胞膜タンパク質の標識方法
スルホ−NHS−ビオチン保存液の調製:
DMSO中でスルホ−NHS−ビオチンの20ml保存液を調製し、少量づつ保存し、一度解凍したものの再凍結を避ける。この保存は、−20℃で数箇月は安定である。2mg/mlスルホ−NHS−ビオチンの新鮮溶液は、20mg/mlスルホ−NHS−ビオチン保存溶液1をDMSO10で希釈することにより調製する。
標識に必要とするスルホ−NHS−ビオチン量の計算
標識化する反応は、タンパク質1分子につき5分子のNHS−ビオチンの比率で行う(B/P=5)。HS−ビオチンの必要量の計算には下記式を用いる:
V=Px1.71
V=標識を必要とする容積2mg/mlのビオチン(μl)
P=膜画分タンパク質濃度(mg/ml)
即ち、膜画分のタンパク質濃度が、2.3mg/mlであるとき、標識に要するビオチン量は、2.3x1.71=3.9μlである。得られた平均標識率は、タンパク質分子あたりビオチン3分子である。
注:NHS−ビオチンは、DMSOに溶解すべきである。標識反応に添加したNHS−ビオチンの全量は、標識反応容積の10%を超えるべきではない。2mg/mlNHS−ビオチンの容積が1μl以下であれば、NHS−ビオチン保存液を希釈する(DMSOで)、それに応じて調整した計算を行う。
標識化の実行
必要量のNHS−ビオチン(上記計算として)を、膜タンパク質画分100μlに添加する。標識反応物は、4℃2時間、回転攪拌器でインキュベイトする。この反応物を5μlの1MTris・Cl、pH7の添加により急冷し、4℃で15分間インキュベイトする。標識した膜タンパク質画分は、−20℃で3箇月まで保存することができる。これより長期では、この画分は、−70℃で保存する。解凍後、サンプルは、6,000rpm、15秒間遠心する。下記の界面活性剤除去法にしたがって、界面活性剤をビオチン標識サンプルから除く。
プロトコール:界面活性剤の除去
レクチン活性を妨害するので、界面活性剤及び他の添加剤をグリコ分析サンプルから除かなければならない。界面活性剤除去は、「Detergent−OUT(登録商標)」スピンカラムを用いて行う。
界面活性座除去方法
カラムは、数回反転し、樹脂を再懸濁により調製する。カラムの底部端を外して、液体を流し出す。約500μlの平衡緩衝液をカラムにかけ、緩衝液を流し出す。この過程を3回繰り返す。
注:カラムは、有機−、又はトリスベースの緩衝液では平衡化しない。
カラムを、2ml遠心採取管(centrifuge collection tube)の中に置き、室温20〜30秒間1000xgで遠心し、遠心管に集まった液は捨てる。カラムをカラムキャップで閉じて、遠心採取管の中に戻す。200〜500μlのタンパク質溶液を注意してカラムにかける。5分間静置後、キャップを外し、カラムを遠心採取管に戻し、1000xgで20〜30秒間室温で遠心する。界面活性剤フリータンパク質溶液を集める。
使用説明書に従って、マイクロBCAタンパク質定量キット(MicroBCA(登録商標)Protein Assay Kit)(Pierce、cat.no.23235)でタンパク質測定用の15μlサンプルを(後に、界面活性剤を除去する)、画分の濃度を測定する。細胞膜画分からは、低い収量が概して得られるので、濃度測定のために予めサンプルを希釈する必要はない。
プロトコール:Qグリコムプロファイリングレクチンスライド(Qglycome Profiling Lectin Slide)を用いた糖分析
タンパク質サンプルの要件
Qグリコム細胞プロファイリングキットは、膜グリコプロテインの表面上に露出したグリカンを検出する。このサンプルは、ビオチン標識した細胞表面又は界面活性剤が除かれた全膜グリコプロテイン抽出物を含む。スライド上の分析された対象タンパク質画分の濃度は、5〜10μg/mlでなければならない。すべて同一濃度のサンプルをスライド上に付してあるので、試験は相対的である。
Cy3標識ストレプトアビジン
Cy3標識ストレプトアビジンは、光から保護されなければならない。研究室で使用するときや、インユーベションの間、この試薬を含む全てのチューブや容器はアルミニウムホイルで包まなければならない。
使用するスライドの調製
スライドパックを開く前に室温にする。裏紙をはがしてアレイスライド上にフレームを押しつけ、インキュべーションフレームを Qグリコプロファイリングレクチンスライド上に取り付けて、様々なインキュべーションステップでのチャンバを作る。このアレイは、フレーム上を正しい位置を配置するのを助けるための青色色素を含むスポット付きフレームを具える。全ての青色スポットは、フレームの内側の領域になければならない。この青色色素は、試験の間に洗い落とされる。
スライド上のサンプルIDを記録するため、スライドの底にのみ(膜パッドのない透明な部分)耐久性の黒色マーカー(例えば、Staedtler Black Art No.318−9)を用いて記載する。他の耐久性インクマーカーはインキュべーションの過程でしみを付けることがる。
インキュベーションスライド
各スライドは、交叉汚染をさけるために別々の9cm径のペトリディシュで処理する。デュプリケイトでスライドを処理するときは、デュプリケイトの両方を15cmペトリディシュ中に一緒に置くことができる。関連する各ステップに要する完全洗浄及び阻止溶液の容量は、用いたペトリディシュのサイズに依存する。9cmペトリディシュ(1つのスライド)を用いるときは、25mの完全洗浄又は阻止溶液のlを、また、15cmペトリディシュ(デュプリケイトスライド)を用いるときは60mlを要する。
全てのインキュベーションと洗浄ステップは、50rpmの水平軌道振盪機(horizontal orbital shaker)上で実施した。サンプル又はプローブは、正しく、再現性のある結果を得るためにはスライドの表面全体に均一に分布させなければならない。このことは、ピペッチティング後、インユーベション前とその間、視覚でチェックしなければならない。
インユーベション中、スライドの膜領域が完全にサンプル又はプローブで覆われていることを確認することが重要である。スライド上の膜はインキュべーション中、乾燥してはならない。ペトリディシュは、蒸発を最小にするためにいつも密封が保たれている。スライドの乾燥を防ぐために、スライドは、各洗浄ステップの終点で、洗浄液中に保持されている。1つのスライドが洗浄容液からはなれると同時に、適当な材料(サンプル/プローブ)で探査される。膜が一度乾燥すると、450μl溶液でそれを探査するのは大変困難であり、プローブ溶液(probing solution)がスライド上に均一に広がらない。完全洗浄及び阻止溶液はスライド上に直接注がれない。
試薬の調製
使用する前に、次の方法により試薬を調製する。濾過された、逆浸透(RO)等級水を用いて、Qグリコプロファイリングキット(Qglyco profiling kit)で用いた全ての溶液を調製する。この水は、以下の仕様に適合しなければならない:
抵抗>18MΩ(導電性 μs/cm=1/抵抗 MΩ)。
全有機炭素 <5ppb
代替的に、HPLC−等級水を使用することができる。
完全洗浄液の調製
完全洗浄液を調製する前に、全ての成分を室温(15℃〜25℃)におき、溶液中の沈殿が、開始前に完全に溶解していることを確認する。
完全洗浄液は、表1に特定した試薬を添加することにより作製する。
各ステップで、次の試薬を添加する前に形成された沈殿が溶解するまで溶液が確実に攪拌されていることが重要である。
表1.完全洗浄液の成分
Figure 2009543089
* 溶液Tを添加する前に、0.22μMフィルターでの濾過溶液。添加後、ゆっくり攪拌する。
緩衝液Ax20の必要量をその必要容積の半量のR.O.水で希釈し、この溶液が均一になるまで攪拌する。必要量の溶液Sを残りのR.O.水に添加し、この溶液が均一になるまで攪拌する。希釈した溶液Sを希釈した緩衝液Aに攪拌している間にゆっくりと添加し、次いで、0.22μmフィルターで濾過する。必要量の溶液Tを添加しゆっくり攪拌する。
完全洗浄液は、2〜8℃で保存すべきであり、使用前に室温にして、24時間以内に使用する。
完全阻止液の調製
完全阻止液を調製する前に、全ての成分を室温(15〜25℃)におく。始める前に溶液中にどのような沈殿も確実に完全に溶解していることが重要である。
完全阻止液は、下記に示す表2したがって調製する。各ステップで、次の試薬を添加する前に形成されたどのような沈殿も溶解するまで、溶液を確実に攪拌することが重要である。完全阻止液は、各分析の前に新しく調製する。
表2.完全阻止液の成分
Figure 2009543089
緩衝液Ax20の必要量をその必要容積の半量のR.O.水で希釈し、この溶液が均一になるまで攪拌する。必要量の緩衝液Bx10を希釈した緩衝液Aに添加し、溶液が均一になるまで攪拌する。必要量の溶液Sを残りのR.O.水に添加し、この溶液が均一になるまで攪拌する。希釈した溶液Sをゆっくりと希釈した緩衝液Bに攪拌している間に添加する。必要ならば、溶液をR.O.水で最終容積に仕上げる。この溶液を0.22μmのフィルターで濾過し、必要量の溶液Tを添加し、ゆっくり攪拌する。
糖分析用の標識した画分サンプルの調製
5μg/mlのタンパク質サンプル溶液を全量450μlが各スライド(2.25μg)に必要である。この溶液は、22.5μlの完全阻止液(下記の表3を参照)を含んでいなければならない。
表3. 1つのスライド用のタンパク質サンプルの調製
解凍後、標識した膜画分を糖分析用サンプル調製前に、6,000rpmで15秒間遠心する。
Figure 2009543089
Cy3−標識ストレプトアビジンの調製
Cy3標識ストレプトアビジン用の至適作用濃度を、5μg/mlに決定した。Cy3−標識ストレプトアビジンは、下記表4の記載により調製した。
表4.1つのスライド用のCy3−標識ストレプトアビジンの調製
Figure 2009543089
プロトコール:糖分析
スライドは、9cmペトリディシュ中で処理した。最小の試験には、1つの基準スライドと1つのサンプルスライドが必要である。試験で処理するスライド量に必要な量を調製する。
手順
処理される各Qグリコムプロファイリングアレイ(glycome profiling arrays)上にインキュべーションフレームを接着させる。インキュベーションフレームはスライドの端を揃えなければならない。各Qグリコムプロファイリングレクチンアレイ(Qglycome profiling rectin arrays)は、スライドの操作中は粉末付きではない手袋をして、膜−被覆表面との接触を避けて、注意して取り扱う。
スライド(単数/複数)は、9cmペトリディシュ内に膜側を上にして置く。ペトリディシュに25ml完全阻止液を添加し、次いでこのディシュは、60分間50rpmの回転を設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上で、室温(15〜25℃)でインキュべートした。阻止液は捨てる。
25ml完全洗浄液をペトリディシュに加えて、5分間の50rpmの回転に設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上で、室温(15〜25℃)でインキュべートして、アレイを洗浄し、洗浄液を捨てる。この洗浄ステップを2回以上繰り返す。第3回目の洗浄ステップ後、アレイを乾燥から防ぐため、洗浄液中に沈める。
1つのアレイをペトリディシュから取り出し、膜に触れないように注意してアレイの端と裏側にペーパータオルをあてて洗浄液を除く。このアレイを清潔なペトリディシュに置き、450μlのビオチニル化したタンパク質サンプル液をピペットで膜上にのせ、膜に触れないようにして膜が十分覆われていることを確認して、膜上に泡が生じることを避ける。この手順を残りのアレイについて繰り返す。
アレイを60分間50rpmの回転に設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上で暗闇下、室温(15〜25℃)でインキュべートする。インキュべーションの間、アレイの膜領域が確実に完全にサンプルで覆われていることが重要である。アレイ膜は、インキュべーションの間、乾燥させてはいけない。蒸発を最小にするためにペトリディシュの蓋を常にかぶせて置く。ペトリディシュは、光を排除するためにアルミニウムホイルで包む。
25mlの完全洗浄水をペトリディシュに加えてアレイを洗浄し、5分間、50rpmの回転に設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上で、室温(15〜25℃)でインキュべーションする。洗浄液は捨てる。洗浄ステップは、2回以上繰り返す。第3回目の洗浄ステップ後、全てのアレイを膜の乾燥を防ぐために洗浄液に沈める。
1つのアレイをペトリディシュから取り出し、アレイの裏と端をペーパータオルで押して洗浄液を除く。このアレイを清潔なペトリディシュの中に置き、蛍光CY3ストレプトアビジン(5μg/ml)の450μlを膜上に載せる。ペトリディシュの蓋は閉じる。膜に触れないように注意して、膜が十分に覆われていることを確認する。膜上での泡の生成を避ける。この処理を残りのアレイに繰り返す。
アレイを、20分間50rpm回転に設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上で、暗闇下の室温(15〜25℃)でインキュべーションする。インキュべーション中、膜領域に触れないように注意し、このアレイが完全にサンプルで覆われていることを確認する。アレイ膜はインキュべーション中、乾燥させてはならない。蒸発を最小にするために常にペトリディシュの蓋をしておく。ペトリディシュを、光を排除するためにアルミニウムホイルで包む。
暗闇中で25mlの完全洗浄液をペトリディシュに加えて、室温(15〜25℃)、5分間、50rpm回転に設定した撹拌・振盪機.(オービタルシェーカ)上に置き、アレイを洗浄し、洗浄液を捨てる。この洗浄手順を2回以上繰り返す。第3回の洗浄後、インキュべーションフレームを注意深く各アレイからはがす。アレイを暗闇下、1分間25mlのRO−又はHPLC−等級水で洗浄し、乾燥させる。アレイをスキャンして、分析する。
プロトコール:処理後のスライド乾燥
非特異的なバックグラウンドのシグナルを避けるために、スライドを下記のプロトコールの1つを用いて、スキャニングする前に乾燥させなければならない。
遠心分離の使用:
スライド(単数又は複数)を、最後の洗浄水から取り出し、スライドの裏面をゆっくり実験室用拭き取りでゆっくり拭き取る。スライドを200xg、5〜10分間(又はスライドが乾燥するまで)コプリンジャー(Coplin jar)中で遠心し、次いで、膜が完全に白色になるまで暗闇下で空気乾燥させる。
遠心を利用できないときは、スライドを空気乾燥(風乾)させることもできる。
動作手順:
スライド(単数/複数)を最後の洗浄水から取り出し、スライドの裏面を実験室用拭き取りでゆっくり拭き取る。実験室用拭き取りをスライドの膜に押しつけ、膜の中心部分に触れないように注意する。スライドは、膜が完全に白色になるまで暗闇下で空気乾燥(風乾)させる。
注意:凝縮すると、再びスライドが湿潤するので、スライドを覆ってはいけない。
処理したスライドの保存
処理したスライドは、2〜8℃で2週間まで暗闇下で保存できる。暗闇下で保存しながら、スキャニングする前にスライドを室温にもどす。
スライドのスキャニング
サンプル処理と乾燥に続いて、スライドを調節可能なレーザー出力及び光電子増倍管(PMT)でマイクロアレイスキャナーを用いてスキャンする。
実施例2
細胞集団の特徴付け
この実施例は、グリコシル化パターン又はフィンガープリントを決定することによる細胞集団を特徴付けに関し、本実施例では、分化した細胞と未分化幹細胞との比較用の特徴付けに関する。本実施例に記載した方法は、選択的に、ある種の処理などにさらす前と後の細胞を含むどのような細胞集団の比較にも用いることができる。
この実施例で用いた細胞は、選択的に、マウス胚性幹細胞(MES)であり、この細胞は下記に述べるように神経細胞に分化することができる。グリコシル化パターン又は分化した神経細胞の「グリコプロフィール」を、分化していないMES細胞のパターンと比較する。
材料と方法
胚性幹細胞は、有糸分裂的に不活性化したマウスプライマリー胚性線維芽細胞の層上で、通常増殖して、成長を促進し、分化を防ぐ。MES細胞は、当初は選択的にこのような線維芽細胞上で増殖する。代替的に又は追加ステップとして、このようなMES細胞は、ゼラチン塗布組織培養用プラスチック上で、10%牛胎児血清と、100U/ml組み替え白血病細胞抑制因子(LIF)と補填培地でフィーダー(支持細胞層)の無い状態で培養することができる(Smith AG(1991)Culture and differentiation of embryonic stem cells.J Tiss Cult Meth 13:89−94)。未分化ES細胞は、T75フラスコで80%コンフルエンスまで増殖し、トリプシン処理し、N2B27培地に再懸濁させる(Ying QL,Smith AG(2003)Defined conditions for neural commitment and differentiation.Methods Enzymol 365: 327−341)。複数の細胞密度を選択的に用いることができる。
培養培地は、好ましくは、毎日交換し、一方、剥離した細胞や、死細胞を除くことが好ましい。このプロトコールを用いると、MES細胞の大部分が4〜5日以内に分化を始め、その後、完全な分化が観察できることが報告されている(Conti et al, Niche−Independent Symmetrical Self−Renewal of a Mammalian Tissue Stem Cell,PLOS Biology,vol3,issue9,2005)。
分化前、分化の過程中、及び完全に分化後のMES細胞のグリコシル化パターンを測定し、選択的にキプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(Qiagen USA;試験は、上記の使用説明書によるキット手順書の記載により行う。)を用いて測定する。
結果:
分化過程中と完全分化後では、グリコシル化パターンに変化があることを示し、選択的に、この変化をこれらの細胞の分化状態を測定に用いることもできる。
実施例3
3T3L1細胞の脂肪細胞への分化
この実施例は、3T3L1細胞の脂肪細胞への分化に関し、実際に行った実験では2つの異なるタイプの細胞中の、異なるグリコシル化パターンの検出に関する。
3T3L1細胞は、線維芽細胞様の前脂肪細胞であり、分化して脂肪細胞へ誘導することができる。脂肪細胞は脂肪を蓄え、細胞質に大きな脂肪滴があることがその特質の1つである。分化の間に、細胞は、長く強い粘着性の線維芽細胞様の形状をした細胞から、丸く明るい粘着性が失われた細胞へ変化する(図1を参照)。分化した3T3L1細胞は、脂肪細胞における脂質代謝やインシュリン−依存性グルコースの取り込みに広く用いられているモデルであることを代表する。
材料と方法:
3T3L1細胞を藩種し、2日後にインシュリン、デキサメサゾン、IBMXを用いて分化を誘導した。分化を誘導して10日後、80%以上の細胞が細胞体内に大きな脂肪滴を示したとき(図1Fを参照)、細胞を糖分析用に採取した。対照細胞は、同じ期間、通常の培地で維持した。この細胞をキプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits) (Qiagen USA;試験は、使用説明書にしたがって、キット操作手順書により行った。)で分析した。
結果:
図2で見られるように、これらの細胞のグリコシル化パターンは、分化と共に変化する。N−結合複合体アンテナ構造及びアンテナ(β−ガラクトース及びシアル酸)の共通の末端に結合する全てのレクチンが示すように、アンテナ性(antennarity)は、分化後大きく減少する。これは、高いアンテナ性(antennarity)のグリカンを認識したレクチン、チョウセンアサガオで(図2の複合体(1))最も顕著である。
加えて、α−ガラクトースは、同時に高マンノース構造の同時に生じる減少に伴って、バンデイラエア・シンプリック(Bandeiraea simplic)(Gal Alpha(1)図2)のシグナルで見られるように、大きく減少している。O−結合グリカンに大きな変動は見られない。
このデータは、3T3L1細胞の分化の間に広範囲のグリコシル化の変動を示す利用可能な最初のデータであると信じられている。細胞集団のグリコシル化パターンを決定するために、キプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)で得られた結果は、分化した脂肪細胞が低い細胞−細胞間相互作用と弱い接着細胞にすぎないので、高アンテナ構造が細胞接着に関与しているという以前の観察と一致する。
実施例4
ブレフェルディン(BREFELDIN)Aにより誘導されたERストレス
この実施例は、アポトーシスに導く、小胞体(ER)ストレスの公知の誘導剤である、ブレフェルディン(BREFELDIN)A(BFA)で誘導されたグリコシル化の変動に関する。これも実際に行われた試験におけるものである。
BFAは、ERからゴルジ体ヘのタンパク質輸送を阻害し、N結合グリカン複合体の末端グリコシル化を阻害することが示されている。BFAは、ERとゴルジコンパートメントを融合するようであるが、トランスゴルジネットワーク(TGN)は融合しない。それゆえ、シス−及び中期ゴルジで生じる、N−結合複合体合成における初期ステップが、ゆるやかに阻害されるだけである。N−グリカン合成における後のステップは、ガラクトース、シアル酸及びフコースの添加と同様に、TGNで行われ、したがって、BFAにより有意に阻害される(Sampath等 (1992)J.Biol.Chem.267,4440−4455)。PC12細胞をBFAで処理し、このレクチンアレイを分析した(図3)。
材料と方法:
PC12細胞を12μg/mlのBFAで24時間処理した。この時点で形態変化が観察され、細胞は剥離した。細胞を次いで採取し、キプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(Qiagen USA; 試験は、使用説明書に従ったキット手順書の記載により行った。)で分析した。
結果:
BFA処理後に、N−結合複合体アンテナ構造を結合するレクチンが示したように、膜グリコプロテインのアンテナ性(antennarity)に有意な減少を検出した(図3)。これは、高アンテナグリカンを認識するダツラ ストラモニウム(Datura stramonium)において最も顕著である。α−ガラクトース、β−ガラクトース、シアル酸及びフコースなどの末端糖を認識するレクチンからのシグナルの減少も、明白である。これは、例えば、アンテナ性フコースを認識するレクチン ウレックス エウロパエウス I(Ulex europaeus I)(図3におけるフコース(6))での実験などでみることができる。
実施例5
N−グリカン合成の阻害
この実施例は、マンノシダーゼIの公知の阻害剤である1−デオキシマンノジリマイシン(deoxymannnojirimycin(DMJ))により誘導されるグリコシル化パターンの変動に関し、これも実際に行われた試験によるものである。
N−グリカン合成の最初のステップは、マンノシダーゼIを含み、次いでいくつかの酵素で段階的に処理され、N−結合グリカン複合体の合成を可能とするオリゴ糖前駆体の合成に関する。DMJは、マンノシダーゼIを阻止し、それ故、マンノース複合体鎖への高マンノースの転換を阻害する。その結果、DMJ処理は、高マンノースグリカンの濃度の増加と、N−結合グリカンの減少を伴って、グリコプロテイン合成を導く。3T3L1細胞をDMJで処理し;処理細胞と非処理細胞をレクチンアレイで分析した(図4)。
材料と方法:
コンフルエント前の3T3L1細胞を、800μg/mlのDMJの存在下又は非存在下で3日間培養した。次いで、細胞を、採取し、キプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(Qiagen USA; 使用説明書に従ったキット手順書の記載により行った。)で分析した。
結果:
N−結合複合体アンテナ構造に結合するレクチンが示すように、アンテナ性は、DMJ処理後に大きく減少する。さらに、レクチンを結合する全てのオリゴマンノースからのシグナルが有意に増加したが、これは、非処理細胞に比べて、高マンノースグリカンの量が増加したことを示唆する。このことは、マンノースを認識するレクチン コンカナバリンA(図4中のGlc/Man(3))及びハイペイーストラムハイブリッド(Hippestraum hybrid)(図4中のGlc/Man(3))において顕著である。
期待したように(図4)、ここで得られた結果は、アンテナ性の減少がβ−ガラクトース及びシアル酸などのアンテナ末端に見られる糖の減少に関連することを示している。
実施例6
成体幹細胞の分化
この実施例は、幹細胞の分化及び、分化した及び分化していない細胞における様々なグリコシル化パターンの検出に関する。
成体幹細胞は、組織又は器官における分化した細胞の中で見られる未分化細胞であり、自身で再生することができ、分化して、組織又は器官の主要な特定された細胞を産生できる。生体における成体幹細胞の主要な役割は、この細胞が見られる組織を維持及び修復することであろう。
材料と方法:
間葉系幹細胞(MSCs)の初代培養を、様々な年齢の男女のドナーの正常な腸骨稜の骨髄穿刺液から確立した。培養接着細胞を増殖させ、サブカルチャーし、次いで、糖分析により骨及び軟骨分化の試験をした。培養方法の記述については、Haynesworth SEらの実施例、「Characterization of cells with osteogenic potential from human marrow」;Bone.1992;13(1):81−8.を参照されたい。このような細胞を分化させる方法の記述については、Jaiswal Nらの実施例、「Osteogenic differentiation of purified,culture−expanded human mesenchymal stem cells in vitro; J Cell Biochem.1997Feb;64(2):295−312」を同様に参照されたい。
対照細胞を、通常の増殖用培地で同じ期間維持する。細胞をキプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(キアゲン USA;試験は、使用説明書に従いキットの手順書に記載により行った。)を用いて分析した。
結果:
以下に示すように、これらの細胞のグリコシル化パターンは、分化により変動する。
実施例7
癌細胞の悪性度の決定
この実施例は、癌細胞の悪性度の決定に関し、悪性と良性の細胞のタイプについて、及び悪性細胞と正常(非癌性)細胞において異なるグリコシル化パターンの検出に関する。
癌は、これらの細胞の悪性挙動と相まって、無秩序の細胞分裂により特徴づけられる疾病である。悪性癌細胞は、侵入により隣接する組織へ直接増殖するか、又は、転移(癌細胞が、血流又はリンパ系を介して遠い部位へ移動することができる過程)により離れた部位に着床して拡大する傾向にある。良性腫瘍は、正常なプロセスを超えて増殖する遺伝的な異常細胞により構成される癌と同様である。しかし、良性腫瘍の増殖は、自己制御的であり、他の組織又は転移部位を浸潤しない。
材料と方法:
ヒト器官の悪性腫瘍から細胞を分離し、完全培地で増殖させる。細胞が70から80%コンフルエントのとき、糖分析用に細胞を採取する。対照細胞は同じ器官から分離した非癌細胞であり、同じ増殖培地で同じ期間維持する。細胞をキプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(キアゲン USA;試験は、使用説明書に従いキットの操作手順書に記載により行った。)を用いて分析した。
結果:
以下に示すように、悪性腫瘍と良性腫瘍は、異なるグリコシル化パターンを示す。
悪性度を診断し、及び/又は癌をに検出する代替的な又は追加的な方法として、免疫組織化学的手法(IHC)を選択的に行うことができる。IHCは、ホールセル(細胞全体)、典型的には組織切片への1又はそれ以上の糖結合剤の特異的な結合に基づくサンプルにおける選択した抗原分布の研究である。糖結合剤は、顕微鏡下で検出される染色など、検出し得る標識を特徴とする。組織切片は、上記のように固定して作製する。IHCは、したがって、組織切片の固定過程で混乱や破壊がされない糖結合反応にとって適している。IHCは、結合の位置決めができ、したがって、組織内及び細胞の異なる区画(コンパートメント)においてさえ、糖の存在のマッピングができる。このようなマッピングは、組織サンプルの組織学的なタイプに限定されないが;サンプル内での特定細胞の存在;細胞の生理学的な及び/又は病理学的な状態(例えば、今の細胞周期の相)に関する情報;サンプル内での疾病に関連する変化の存在;組織が疾病状態であることが分かっている場合の様々の特定疾病のサブタイプ間での区別(例えば、サンプルが癌性組織から取り出したものであることが分かっているときに、異なる腫瘍のタイプ間での区別)を含めて、有用な診断情報を提供できる。IHC情報は、診断よりもより価値がある。それは、予後及び治療措置を決定し、疾病を監視するためにも用いることができる。
IHCグリコプロテインマーカー及び/又は多糖マーカーは、どのような細胞の部位にも存在できる。これらのマーカーのほとんどは、膜タンパク質であるが、しかし、分泌タンパク質又は細胞内タンパク質(核内を含む)をも、IHCマーカーとしても用いることができる。
実施例8
化学療法に対する患者の反応の予測
この実施例は、治療の前後における細胞サンプルのグリコシル化パターンを測定することによる化学療法に対する患者の反応の予測に関する。
材料と方法:
コンフルエント前のマウス3T3L1細胞をシスプラチンの存在下で3日間培養し、次いで細胞を糖分析用に、トリプシン処理により採取した。対照細胞は、通常の培養培地で同じ期間維持した。ホールセル(細胞全体)の抽出物を、トリプシン処理とCE1とCE2抽出緩衝液を用いて記載した再懸濁により調製する。細胞をキプロテムグリコプロファイリングキット(Qproteme Glycoprofiling Kits)(キアゲン USA;試験は、使用説明書に従いキットの操作手順書の記載により行った。)を用いて分析した。
選択的に、上記の実施例のいずれかについても、細胞を固定した後、本発明の方法により分析することができる。
実施例9
糖分析の方法
本発明の態様によれば、糖結合剤を用いた1又はそれ以上の試験の結果を、糖分析方法により検討される。この方法は、選択的に及び好ましくは、ソフトウエア(代替的に、ファームウエア又はハードウエアとして提供できる)の形式で提供され、「比較解釈モジュール」として本明細書に記載している。比較し得る解釈モジュールは、有意なレクチン差に基づいて2サンプル間のグリコシル化における変化の推測を目指している。
このモジュールは、2つのサブモジュールを具える:比較モジュールと解釈モジュールである。比較モジュールは、それらの間のフィンガープリントを標準化し、両者間の差異を抽出する;比較モジュールは、糖結合剤シグナルの差異のリストを分析し、これを解析して、グリカンエピトープの差を提供する。限定する意図はなく、説明のためだけの目的であるが、レクチンの結合挙動に関して、この本法は、本例では述べられている。
その方法を本実施例に記載する。
このモジュールで用いたアルゴリズムは、少なくとも、1又はそれ以上の好ましくは複数の統計的な分類器を特徴付けるものであり、機械学習技法を用いて標準的な広域のデータセットから抽出される。各分類器は、1つのグリコシル化エピトープにおいて規定された変動の上にレクチン差の値のサブセットをマッピングする。所与のエピトープで変化が検出されるか否かを分類器が決定し、検出されるのであれば、増加、減少又は(エピトープのあるものに対しては)パターン変化として標識する。分析されたエピトープが通常複合したグリカン構造を表すので、一方、レクチンの特異性は、単糖又は二糖に向けられているが、分類器は、重なり合った、及び/又は相補的特異性をもった数個のレクチンからのシグナルの複雑な解析(デコンボルション)に基づいている。
フィンガープリント比較サブモジュール
ある態様では、サブモジュール比較フィンガープリントを提供する。比較サブモジュールへの入力は、1対のフィンガープリント、つまり、基準フィンガープリントと標的フィンガープリントである。最初に、フィンガープリントを標的フィンガープリントと基準フィンガープリント間のシグナルを比較できるように標準化する。この標準化の後、フィンガープリントを比較して、差異のリストを抽出する。
標準化は、ロブスト回帰アルゴリズムを用いて行った(特定の選択したアルゴリズムはMM推定値に基づく。)。このアルゴリズムは、最良の適合性をもたらす両方のフィンガープリントからポイントの最大のサブセットを抽出する。このアルゴリズムは、フィンガープリント間から最適直線適合性、及び、適合性の質に由来するフィンガープリント間で類似性の推定値を提供する。ロバスト回帰は、直線適合にはずれた(最も適合するサブセット外の)ポイントを認識し、これは、フィンガープリント間で相当な変動を示すレクチンに対応するものである。このような変化を、定量化して解釈モジュールへ送る。
より詳細には、標準回帰モデルは、はずれ値が存在するときに、ブレイクダウンする傾向にある。ロバスト回帰法は、このようなはずれ値の存在とは独立して、データの大多数を適合させることにより、適合を見出すことを試みている。M推定値を伴う回帰は、影響を与えるポイントがないという条件で(x−スケールの極端なはずれ値)、はずれ値を除くための、効率的な反復法である。このような影響力のある点は、アルゴリズムをブレイクダウンする原因となる。これを避けるために、MM推定値を用いる。このアルゴリズムで高い崩壊点は、初期の最適パラメーターを推定するために用いられており、次いで、この場合、選択的に、(例えば)、ニュートン最小化などの、最小化の過程により反復的に改良される。
解釈分類器
ある態様によれば、1又はそれ以上の解釈分類器を提供する。解釈分類器は、多様なレクチン差を論理項の中へ様々な条件を統合する数学的機能である。単一のレクチンシグナルが、明白な特異性をもつ信頼できるシグナルを提供する場合には、エピトープ変動を規定するこのレクチンで観察された異なるレベルに基づいた単一の状態が存在する。他の場合には、変動の定義を満たすものであるか否かの、代替となる幾つかの基準がある。この方法で、フィンガープリントにおける変動の様々な組み合わせが同一の最終判断を導き、これは、様々な変動が異なるレクチンのセットにより明らかにされる事実に一致する。
分類器の抽出と修正
上記モジュールをフィンガープリント比較モジュールでうまく標準化された878フィンガープリントペアの基準を試験した。これらのペアは、様々な細胞株、様々な生物学的系、及び グリコシル化パターンを制御された状態で改変した酵素的に処理したサンプルに由来する213のフィンガープリントサンプルから生じたものである。生物学的に比較し得るペアのみを、標準化用とした。各ペアについて、少なくとも1つの期待される結果を、(1)特定の処理を行う、(2)HPLC分析、(3)フコースエピトープのELISA試験、又は(4)文献的報告のいずれかにより規定した。この基準は、各々が特定のエピトープ中にで公知の変動があるペアのみを含む、部分的に重複した9個のトレイニングセットに分割した。これらの9個のセットについて、対照ペアセット、試験した変化が生じないと思われるフィンガープリントペアを集めた。
各エピトープについて、データセットと付随する対照を最適に分ける論理ルールを統計的手法を用いて定めた。これらの2つのセットを分ける能力に応じて、レクチン差の様々な組み合わせを用いる様々なブール関数を位置づけした。この手法は、各エピトープについて、感度と得られた特異性の結果を包含する目的関数を規定するステップと、上記のフィンガープリントペアのデータセットに対する目的関数の最適化するステップを具える。各レクチンについては、有意であると考えられる最小のシグナル差が、自動的に標準化されて、高い精度での分割を達成する。自動的に抽出されたルールは、プリントされたレクチンの公知の特異性に基づいて、注意深いマニュアル分析により微調整される。この分析は、成績を上げるか、又は相反する証拠を扱うかという、様々なヒューリスティックなルールを生じる。
修正されたルールと付随する判断の例を表5に挙げた。
表5.比較解釈基準の例
Figure 2009543089
*d(XXX)=基準サンプルに対する試験サンプルの比較により測定したときのレクチン(XXX)の差)
結果:
各エピトープについて、成績を、このエピトープの予想される解釈が公知である、適当なデータセットを用いて個別に計算した。このデータセットを、試験エピトープについて変動を示すことが予想されるフィンガープリントペアのセット及び予想される変動が起こらないと考えられる対照セットに分割した。表6は、全基準に対するアルゴリズムの成績を要約したものである。感度誤差は、1−レベル及び2−レベル誤差に細分し、変化がで検出されないか(1−レベル)、又は、間違った方向で検出される(2−レベル)を表示する。この細分は、変動のフォールスポジティブの検出が1−レベルの誤差でしかないので、特異性分析には適用できない。
表6.成績の要約
Figure 2009543089
* O−結合グリカンの機能が広範囲なパターンでの変化を認識するので、誤差の細分は適用できない。
これらの結果は、上述の方法とモジュールがタイプの異なる結合結果の間で十分に正確な識別子であることを明白に示す。
本発明は、限られた数の態様について記載したものであるから、本発明の多くの改変、修正及び他の応用ができることは自明である。

Claims (73)

  1. インビトロで、細胞の状態を検出する方法であって:
    少なくとも細胞の一部を、少なくとも1つの糖結合剤と接触させるステップ;
    前記細胞への、前記糖結合剤の結合を測定するステップ;
    前記少なくとも1つの糖結合剤の結合によってグリコシル化パターンを決定するステップ;及び、
    前記細胞状態に対するグリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、検出方法。
  2. インビトロで、細胞の状態を検出する方法であって;
    前記細胞の少なくとも一部に、少なくとも1つのレクチンを接触するステップ;
    前記細胞に、前記少なくとも1つのレクチンとの結合を決定するステップ;
    前記細胞に、前記レクチンとの前記結合により前記細胞のグリコシル化パターンを確認するステップ;及び、
    前記細胞状態に対する前記グリコシル化パターンを相互比較するステップ、
    を含む、検出方法。
  3. インビトロで、細胞の状態を検出する方法であって;
    1つの試験において、少なくとも前記細胞の一部を、少なくとも5つのレクチンに接触させるステップ;
    前記細胞への少なくとも一部を、前記少なくとも5つのレクチンの各々との結合を測定するステップ;
    前記細胞への、前記レクチンの前記結合により前記細胞のグリコシル化パターンを確認するステップ;及び、
    前記細胞の状態に対する前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、検出方法。
  4. インビトロで、ホールセル(細胞全体)の状態を検出する方法であって;
    前記細胞を、固定するステップ;
    前記細胞の少なくとも一部に、少なくとも1つのレクチンに接触させるステップ;
    前記細胞への、前記少なくとも1つのレクチンの結合を測定するステップ;
    前記細胞への、前記少なくとも1つのレクチンの前記結合により前記細胞のグリコシル化パターンを確認するステップ;及び、
    前記細胞の状態に対する前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、検出方法。
  5. インビトロで、ホールセル(細胞全体)の状態を検出する方法であって;
    前記細胞を固定するステップ;
    1つの試験において前記細胞への、少なくとも5つのレクチンを接触させるステップ;
    前記細胞への、前記少なくとも5つのレクチンの各々の結合を決定するステップ;
    前記細胞への、前記レクチンの前記結合により前記細胞のグリコシル化パターンを確認するステップ;及び、
    前記細胞の状態に対する前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、検出方法。
  6. インビトロで、細胞の状態を検出する方法であって;
    少なくとも一部の細胞標本へ少なくとも1つのレクチンを接触させるステップ;
    前記細胞標本への前記レクチンの結合を測定するステップ;
    前記細胞標本への前記レクチンの前記結合により前記細胞のグリコシル化パターンを確認するステップ;及び、
    前記細胞の状態に対する前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、検出方法。
  7. 前記細胞標本が、全膜プロテイン抽出物、ホモジナイズした細胞、及び粗膜混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも10のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  9. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも15のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  10. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも20のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  11. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも25のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  12. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも30のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  13. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも35のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  14. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも40のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  15. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも45のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  16. 前記少なくとも5つのレクチンが、少なくとも50のレクチンを含む、請求項3に記載の方法。
  17. 前記細胞の少なくとも一部との前記接触が;
    多糖の糖認識配列に結合し、様々な基本的な配列−特異的な、及び/又は部位−特異的な複数の糖結合剤を基体の表面上に提供するステップであって、前記様々な基本的な配列−特異的、及び/又は部位−特異的な複数の糖結合剤の多くが前記基体の同じ表面上に固定されている、糖結合剤を提供するステップ;
    前記表面を、分析すべき多糖、又は、前記多糖の複数のフラグメントを含む混合物に接触させるステップ;
    結合していない多糖又は多糖フラグメントを洗浄又は除去するステップ;
    得られた表面に、基本的な配列−特異的な、及び/又は、部位−特異的な糖結合マーカー又は基本的配列−特異的、及び/又は、部位−特異的な糖結合マーカーの混合物を添加するステップであって、前記マーカ又はマーカの混合物が前記結合した多糖に結合しているステップ;及び、
    前記表面に結合した前記糖結合マーカの結合の検出をするステップ;
    を含む請求項1に記載の方法。
  18. 前記糖結合マーカの結合を検出するステップが、目視を含むものである、請求項18に記載の方法。
  19. 前記糖結合マーカーの結合の前記検出が;
    前記結合した糖結合マーカーの1以上の画像を獲得するステップ;及び、
    前記1以上の画像から、分析する前記多糖の認識部位マップをつくり出し、それにより、前記多糖の部分配列情報を導き出すステップ;
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記マーカーが、色素生産性結合剤であり、前記マーカーの前記画像が、前記表面上で発現する色彩である、請求項20に記載の方法。
  21. 前記マーカーが、標識された結合剤であり、前記マーカーの前記画像が、前記標識からのシグナルにより提供されるものである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記1以上の画像の獲得が、光学的フィルターの使用を含むものである、請求項20に記載の方法。
  23. 前記1以上の画像の獲得が、前記画像を撮影し、及び/又は前記画像のデジタル化を含むものである、請求項20に記載の方法。
  24. 前記基本的な配列−特異的、及び/又は、部位−特異的な結合剤がレクチンである、請求項18に記載の方法。
  25. 前記レクチンが、着色レクチンである、請求項25に記載の方法。
  26. 前記レクチンが、蛍光レクチンである請求項25に記載の方法。
  27. 前記レクチンが、ビオチン−標識レクチンである請求項25に記載の方法。
  28. 前記、基本的に配列−特異的、及び/又は部位特異的結合剤が抗体である、請求項18に記載の方法。
  29. 前記抗体が、蛍光抗体である、請求項29に記載の方法。
  30. 前記抗体がビオチン−標識抗体である請求項29に記載の方法。
  31. 前記抗体が、酵素標識抗体である請求項29に記載の方法。
  32. 前記細胞の状態に対する前記グリコシル化パターンの相互比較検討が、少なくとも1つの公知のカテゴリーに対する前記グリコシル化パターンの比較を含む、請求項1に記載の方法。
  33. 前記グリコシル化パターンが、コンピュータで分析されたものである、請求項33に記載の方法。
  34. 前記表面がビーズを含む、請求項18に記載の方法。
  35. 前記表面が、アレイを含む、請求項18に記載の方法。
  36. インビトロでの複数の細胞集団間の差異を決定する方法であって:
    前記複数の細胞集団の各々から細胞のグリコシル化パターンを測定するステップ;及び、
    前記グリコシル化パターンにより前記複数の細胞集団間の差異を決定するステップを含む方法。
  37. 前記細胞が成体幹細胞を含む請求項1に記載の方法。
  38. 前記細胞の状態が、前記幹細胞の分化の状態である請求項38に記載の方法。
  39. 前記細胞が、癌細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  40. 前記細胞の状態が、前記癌細胞の悪性の状態である、請求項40に記載の方法。
  41. 治療に対する患者の応答を予測する方法であって:
    インビトロで患者の細胞のグリコシル化パターンを測定するステップ;及び
    治療に対する患者の予測された応答に対して前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ、
    を含む、治療に対する患者の反応を予測する方法。
  42. 前記グリコシル化パターンの測定が、患者からのサンプルを得ることを含む請求項42に記載の方法。
  43. 前記治療が化学療法を含む、請求項42に記載の方法。
  44. さらに、前記細胞へ界面活性剤の添加を含む、請求項1から45のいずれか1項に記載の方法。
  45. さらに、細胞膜の可溶化を含む、請求項45に記載の方法。
  46. さらに、膜プロテインの抽出を含む、請求項46に記載の方法。
  47. 請求項1から47のいずれか1項に記載の方法を実行するキット。
  48. 前記糖結合剤が、少なくとも1つのレクチンを含む、請求項48に記載のキット。
  49. 前記レクチンが、着色レクチンである、請求項49に記載の方法。
  50. 前記レクチンが、蛍光レクチンである、請求項49に記載の方法。
  51. 前記レクチンが、ビオチン−標識レクチンである請求項49に記載の方法。
  52. 前記糖結合剤が、少なくとも1つの抗体を含む、請求項48に記載の方法。
  53. 前記抗体が、蛍光抗体である請求項53に記載の方法。
  54. 前記抗体が、ビオチン−標識抗体である請求項53に記載の方法。
  55. 前記抗体が、酵素−標識抗体である、請求項53に記載の方法。
  56. インビボで、細胞の状態を検出する方法であって:
    少なくとも細胞の一部へ、少なくとも1つの糖結合剤に接触させるステップ;
    前記細胞へ、少なくとも1つの糖結合剤の結合を決定するステップ;及び、
    前記細胞の状態と、前記グリコシル化パターンを相互比較するステップ、
    を含む方法。
  57. 複数の細胞集団間の差異を決定する方法であって:
    前記複数の細胞集団の各々からの細胞のグリコシル化パターンを測定するステップ;及び、
    前記グリコシル化パターンにより、複数の細胞間の差異を決定するステップ;
    を含む方法。
  58. 前記細胞が、幹細胞を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 細胞の状態が、前記幹細胞の分化の状態である、請求項59に記載の方法。
  60. 前記細胞が、癌細胞である請求項58に記載の方法。
  61. 前記細胞の状態が、前記癌細胞の悪性度の状態である、請求項61に記載の方法。
  62. 治療に対する患者の応答を予測する方法であって:
    前記患者の細胞のグリコシル化パターンを測定するステップ;
    患者の予測応答に対する前記グリコシル化パターンを治療と相互比較検討するステップ;
    を含む方法。
  63. 細胞の状態を検出する方法であって:
    少なくとも全細胞膜の一部を少なくとも1つの糖結合剤に接触させるステップ;
    前記全細胞膜の前記糖結合剤の結合を測定し;
    前記全細胞膜への前記少なくとも1つの糖結合剤の結合により前記グリコシル化パターンを決定するステップ;及び、
    細胞の状態に対する全細胞膜の前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ;
    を含む方法。
  64. 細胞の状態を検出する方法であって:
    少なくとも前記細胞表面の一部に、少なくとも1つの糖結合剤を接触させるステップ;
    前記細胞表面に、前記糖結合剤の結合を決定するステップ;
    前記細胞表面への前記少なくとも1つの糖結合剤の結合により前記グリコシル化パターンを測定するステップ;及び、
    前記細胞の前記状態に、前記細胞表面の前記グリコシル化パターンを相互比較検討するステップ;
    を含む方法。
  65. 前記糖結合剤が、少なくとも1つのレクチンを含む、請求項1に記載の方法。
  66. 前記少なくとも1つのレクチンが、1試験で少なくとも5つのレクチンを含む、請求項66に記載の方法。
  67. さらに、少なくとも前記細胞の一部に少なくとも1つのレクチンを接触させる前に、前記細胞を固定することを含む、請求項66に記載の方法。
  68. 前記細胞が、ホールセル(細胞全体)を含む、請求項66に記載の方法。
  69. 前記細胞が、細胞標本を含む、請求項66に記載の方法。
  70. 少なくとも処置前の第一の測定と少なくとも処置後の第二の測定を含む、複数の測定により、前記細胞の状態が決定される、請求項1に記載の方法。
  71. 前記処置が物理的処置又は化学的処置である請求項71に記載の方法。
  72. 前記処置が、薬剤を投与を含む、請求項72記載の方法。
  73. 前記細胞の状態が、疾病のない状態での少なくとも1つの測定と、疾病存在下での少なくとも1の測定を含む複数の測定により決定される、請求項1に記載の方法。
JP2009519058A 2006-07-11 2007-07-11 細胞状態に関連したグリコシル化パターン検出の方法と試験(分析) Pending JP2009543089A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US83029606P 2006-07-11 2006-07-11
PCT/IL2007/000871 WO2008007373A1 (en) 2006-07-11 2007-07-11 Method and assay for glycosylation pattern detection related to cell state

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009543089A true JP2009543089A (ja) 2009-12-03
JP2009543089A5 JP2009543089A5 (ja) 2010-09-02

Family

ID=38617500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009519058A Pending JP2009543089A (ja) 2006-07-11 2007-07-11 細胞状態に関連したグリコシル化パターン検出の方法と試験(分析)

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20120165206A1 (ja)
EP (3) EP2407782A1 (ja)
JP (1) JP2009543089A (ja)
AU (1) AU2007273815A1 (ja)
CA (1) CA2657458A1 (ja)
WO (1) WO2008007373A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014081365A (ja) * 2012-09-26 2014-05-08 Fujita Gakuen 細胞表面タンパクを抗原とする抗体を測定する方法
WO2016006712A1 (ja) * 2014-07-11 2016-01-14 国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分化ポテンシャル判別法
US9645154B2 (en) 2010-12-24 2017-05-09 Arkray, Inc. Method for detecting cancer cell
WO2018003652A1 (ja) * 2016-06-29 2018-01-04 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 酵素反応及び質量分析方法に用いる化合物

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8470541B1 (en) * 2008-09-27 2013-06-25 Boston Heart Diagnostics Corporation Methods for separation and immuno-detection of biomolecules, and apparatus related thereto
JP5669090B2 (ja) * 2008-11-21 2015-02-12 国立大学法人北海道大学 細胞の状態を評価する方法
US20120165221A1 (en) * 2009-09-07 2012-06-28 Dorit Landstein Diagnosis of cancers through glycome analysis
WO2012049285A1 (en) 2010-10-14 2012-04-19 Octapharma Ag A method for the quantitative glycosylation analysis of proteins
US9658987B2 (en) 2014-05-15 2017-05-23 International Business Machines Corporation Regression using M-estimators and polynomial kernel support vector machines and principal component regression
US20200371110A1 (en) * 2018-01-12 2020-11-26 The Wistar Institute Of Anatomy And Biology Methods for identifying and treating hiv persistence

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL129835A (en) 1999-05-06 2008-03-20 Ofer Markman Polysaccharide sequencing and structure determination
US7056678B1 (en) 2000-05-04 2006-06-06 Procognia Ltd Polysaccharide structure and sequence determination
CA2407272A1 (en) 2000-05-04 2001-11-08 Ofer Markman Method and composition for analyzing a carbohydrate polymer
US7132251B1 (en) 2000-05-04 2006-11-07 Procognia Ltd Method and composition for analyzing a carbohydrate polymer
US20040132131A1 (en) 2001-11-05 2004-07-08 Ofer Markman Methods for comparitive analysis of carbohydrate polymers and carbohydrate polymers identified using same
US7407773B2 (en) 2000-11-03 2008-08-05 Procognia, Ltd. Method for characterizing a carbohydrate polymer
WO2002044714A2 (en) 2000-11-03 2002-06-06 Procognia, Ltd. System and method for integrated analysis of data for characterizing carbohydrate polymers
US7079955B2 (en) 2000-11-03 2006-07-18 Procognia, Ltd. System and method for integrated analysis of data for characterizing carbohydrate polymers
JP2007514438A (ja) 2003-12-18 2007-06-07 プロコグニア リミテッド 糖化分子を分析するための方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9645154B2 (en) 2010-12-24 2017-05-09 Arkray, Inc. Method for detecting cancer cell
JP2014081365A (ja) * 2012-09-26 2014-05-08 Fujita Gakuen 細胞表面タンパクを抗原とする抗体を測定する方法
WO2016006712A1 (ja) * 2014-07-11 2016-01-14 国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分化ポテンシャル判別法
JPWO2016006712A1 (ja) * 2014-07-11 2017-06-01 国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分化ポテンシャル判別法
WO2018003652A1 (ja) * 2016-06-29 2018-01-04 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 酵素反応及び質量分析方法に用いる化合物
CN109311803A (zh) * 2016-06-29 2019-02-05 株式会社日立高新技术 酶反应及质量分析方法中使用的化合物
GB2570562A (en) * 2016-06-29 2019-07-31 Hitachi High Tech Corp Compound for use in enzymatic reaction and mass spectrometry method

Also Published As

Publication number Publication date
EP2041564A1 (en) 2009-04-01
EP2287606A1 (en) 2011-02-23
WO2008007373A1 (en) 2008-01-17
CA2657458A1 (en) 2008-01-17
AU2007273815A1 (en) 2008-01-17
WO2008007373B1 (en) 2008-03-13
US20120165206A1 (en) 2012-06-28
EP2407782A1 (en) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009543089A (ja) 細胞状態に関連したグリコシル化パターン検出の方法と試験(分析)
EP2774994B1 (en) Undifferentiated cell detection method and complex carbohydrate detection method
JP4696100B2 (ja) 炭水化物ポリマーの比較分析のための方法
JP2012526998A (ja) 細胞集団および混合細胞集団における変化の検出
US20120277116A1 (en) Disease diagnosis according to saccharide binding
CN112654642B (zh) 蛋白质和细胞的聚糖分析
US20060172339A1 (en) Particle-based multiplex assay for identifying glycosylation
US20040132131A1 (en) Methods for comparitive analysis of carbohydrate polymers and carbohydrate polymers identified using same
Desantis et al. Surface glycan pattern of canine, equine, and ovine bone marrow‐derived mesenchymal stem cells
CN111781360A (zh) 游离细胞捕获探针及其相关产品和用途
EP3273241B1 (en) Method and kit for detecting stem cell
JP2004506874A (ja) 炭水化物ポリマーを分析するための方法および組成物
US20150004633A1 (en) Assays and methods for the diagnosis of ovarian cancer
RU2815686C1 (ru) Способ выявления одноцепочечных и двуцепочечных разрывов ДНК в мужских половых клетках
CN109490548A (zh) 一种肝硬化检测试剂及其在肝硬化检测中的应用
RU2815686C9 (ru) Способ выявления одноцепочечных и двуцепочечных разрывов ДНК в мужских половых клетках
Goh et al. RNAi screens for genes involved in Golgi glycosylation
Gomase et al. Cytomics
JP4411438B2 (ja) アシアロgm1発現細胞検出試薬、これを用いた細胞検出方法および細胞分類方法並びに老化測定方法
Campbell et al. Tools for glycomics: Glycan and lectin microarrays
CN105695557A (zh) 一种体外获能后精子质量评估的方法
RU2627455C1 (ru) Способ изготовления биомеханического сенсора для измерения сил адгезии в системе "клетка-клетка"
Hirakawa et al. Wisteria floribunda agglutinin-binding glycan expression is decreased in endometriomata
AU2002225992B2 (en) Methods for comparitive analysis of carbohydrate polymers
AU2002225992A1 (en) Methods for comparitive analysis of carbohydrate polymers

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120131

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120703