JP2009253129A - 光源および光断層画像化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源において、装置の大型化とコストを抑制し、高い光利用効率と高速の波長掃引を実現する。
【解決手段】線形共振器型の光源20は、光増幅媒体であるSOA23と、所定方向の直線偏光のみを線形共振器内に進行させる偏光選択手段である偏光子25と、直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相子であるλ/4板26と、特定波長の光を透過させるとともに特定波長以外の光を反射する波長選択手段であるファブリーペローチューナブルフィルター30と、複数の複屈折ファイバを全体として偏波分散が補償されるように直列状に光結合してなる偏波分散補償ファイバの一端と他端とを光結合することによりループ状に形成され、前記線形共振器の1つの共振器端を構成するループ状ファイバ素子33とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、光源および光断層画像化装置に関し、詳しくは線形共振器型の光源および該光源を用いて測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置に関する。
従来、出力光の波長掃引が可変な波長可変光源としては、ファブリーペロー共振器に基づくファブリーペローチューナブルフィルター(Fabry Perot − Tunable Filter、以下FP−TFともいう)を用いた波長掃引レーザ光源が知られている。FP−TFは、干渉により選択された波長の光のみを透過させ、それ以外の波長の光を反射する機能を有し、さらにその選択波長を変更可能に構成したものである。FP−TFを用いたこの種の光源は、共振器の光路の構成から、光ファイバ等によるループ状の周回光路を形成するリング共振器型(例えば、特許文献1参照)と、往復光路を形成する線形共振器型(例えば、非特許文献1参照)に大別することができる。
図12に、FP−TFを用いたリング共振器型のレーザ光源70の構成を示す。レーザ光源70は、光ファイバF20によりリング状の光路の共振器を構成し、該共振器中に光増幅媒体としてのSOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)71と、波長選択および波長掃引素子としてのFP−TF72を配置したものである。FP−TF72は、制御手段73を用いて干渉に用いる反射面間の距離を変更することにより、選択波長を変更することができる。この共振器で発振されたレーザ光はリング状の光路の一部に設けられた光カプラ74により出力される。
リング共振器型のレーザ光源では、リング状の光路を右回りと左回りの両方向に発振するモードが可能であるため、左右両方向のモードが同時に発振する場合は、両方向の発振モード間にモード競合が起こる。このとき、一方向の発振モードのみを見ると発振光の出力が不安定な状態となる。これを避けるには左右どちらか一方向のみを発振させることが望ましく、図12に示すように、リング共振器型の光路内に、一方向に進行する光を通過させるとともに逆方向の光を遮断する光アイソレータ75a、75bを配置することが望ましい。
このような光アイソレータとしては一般に、ファラデー素子と、これに磁界を印加する磁石と、偏光素子とから構成されるものが多用されている。ファラデー素子は、YIG(イットリウム−鉄−ガーネット)結晶やBi置換ガーネット結晶等の磁性ガーネット結晶等を材質としたものが知られている。
次に図13に、FP−TFを用いた線形共振器型のレーザ光源80の構成を示す。このレーザ光源80は、一直線上に配置された、SOA81と、レンズ82と、FP−TF83と、ミラー84とを有する。FP−TF83は、内側に反射面が形成された2枚の平行平板状の透明電極85a、85bと、その間に挟まれた液晶86からなり、電源87が液晶86に印加する電圧を変化させることにより、液晶の屈折率を変化させ、これによりFP−TF83を透過する波長を変化させる。
図13に示すレーザ光源80において、SOA81から出射した光はレンズ82により収束光に変換された後、FP−TF83に入射し、そのうち選択波長の光のみがFP−TF83を透過し、選択波長以外の光は反射される。透過した光は、共振器端を構成するミラー84で反射されて、同一光路を戻り、FP−TF83およびレンズ82を透過して再びSOA81に入射し、SOA81のレンズ82と逆側の端面81aで反射されて、SOA81により増幅される。FP−TF83で反射された光は、FP−TF83が入射光の光軸に対して傾けて配置されているため、共振器の光路から除外され、SOA81に帰還することはない。以上より、線形共振器型のレーザ光源80において、選択波長の光が共振器内を往復してレーザ発振することになる。
一方、レーザ光源の重要な用途として、OCT(Optical Coherence Tomography)計測を利用した光断層画像化装置が知られている。光断層画像化装置は、光源から射出されたコヒーレンス光を測定光と参照光とに分割した後、測定光が測定対象に照射されたときの反射光と参照光とを合波し、反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得するものである。その中でも、SS(Swept source)−OCT計測による光断層画像化装置では、光源から射出される光の波長を時間的に変化させながら、波長の時間変化に対応した信号の時間波形を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機にてフーリエ変換に代表される周波数解析を行うことで、深さ位置に対応した反射光強度分布を取得するものである。
特許第2648417号公報 "Tunable Light Source Using a Liquid-Crystal Fabry-Perot Interferometer"、 IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、 Vol.3、 No.6、 JUNE 1991
上述したように、リング共振器型のレーザ光源では、その光路の構成故に光アイソレータが必要となる。従来の光アイソレータとしては、磁性ガーネット結晶等を材料としたファラデー素子を用いたものが一般的である。この素子は光通信で通常用いられる波長1.3〜1.55μmの光に対しては良好な特性を有するが、例えば光断層画像化装置で生体を測定対象とする場合はさらに短波長の光が好適であるとされており、その場合には種々の不具合が発生する。具体的には、1.3〜1.55μmよりも短波長の光を用いようとすると、良好な特性を有する磁性結晶が実用化されていない、光アイソレータに高コストの材質を使わざるを得ない、ファラデー素子のベルデ定数が小さくなるため印加磁界を大きくせざるをえず装置が大型化する、光散乱率が増加し光利用効率が低下する、等の問題が生じる。
また、リング共振器型は、どうしても共振器長が長くなるため、共振器が大型化する上に、SOAにて生成されたASE光がレーザ発振に至るまでの光飽和時間が長くなるという不具合がある。通常、波長掃引レーザの波長掃引速度は光飽和時間で決まるため、共振器長の長い光源は、高速の波長掃引が困難である。
そこで線形共振器型の光源を用いることが考えられるが、図13に示す線形共振器型の光源では、FP−TFに液晶を用いているため応答速度が低く、これもまた高速の波長掃引が困難であるという問題がある。
ところで、レーザ光源等の光学装置においてバルク素子を用いる場合、光ファイバを用いた場合に比べ、高精度な組立、厳密な調整が必要になることからコストアップにつながるという短所がある。また、光路の一部に光ファイバを用いることを考えると、光ファイバ同士の光結合は容易であるのに対して、バルク素子と光ファイバとの光結合はレンズ等の光結合用の光学素子が必要になり、厳密な調整が要求されて一層のコストアップになる上に、どうしても光利用効率の大幅な低下が避けられないという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、装置の大型化を抑制し、低コストに製作可能であり、高い光利用効率と高速の波長掃引を実現可能な光源、および該光源を用いた光断層画像化装置を提供することを目的とする。
本発明の光源は、線形共振器型の光源であって、光増幅媒体と、所定方向の直線偏光のみを前記線形共振器内に進行させる偏光選択手段と、直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相子と、特定波長の光を透過させるとともに前記特定波長以外の光を反射する波長選択手段と、複数の複屈折ファイバを全体として偏波分散が補償されるように直列状に光結合してなる偏波分散補償ファイバの一端と他端とを光結合することによりループ状に形成され、前記線形共振器の1つの共振器端を構成するループ状ファイバとを備えたことを特徴とするものである。
ここで、「線形共振器型」と「リング共振器型」の区別は、単なる光路の形状のみで判断されるものではなく、光増幅媒体を通過する光の進行方向に基づいて考えるものとする。すなわち、「線形共振器型」は、光増幅媒体を往復する光(2方向に通過する光)が増幅されて発振するタイプを意味し、「リング共振器型」は光増幅媒体を1方向に通過する光が増幅されて発振するタイプを意味する。例えば、光路の一部がループ状になっていたとしても、光増幅媒体を往復する光が増幅されて発振するように構成されていれば、「線形共振器型」であるとする。
ここで、「複数の複屈折ファイバを全体として偏波分散が補償されるように」とは、複数の複屈折ファイバに光を伝播させたとき、直交する2方向の偏光成分の光の位相差が0になる、という意味である。
「複屈折ファイバ」としては、例えば、一般に偏波保存ファイバと呼ばれている光ファイバを使用することができる。
また、本発明の光断層画像化装置は、上記の本発明の光源と、前記光源から射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、前記測定光が測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、前記合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、該干渉光検出手段により検出された前記干渉光に基づき前記測定対象の断層画像を取得する画像取得手段と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の光源は、リング共振器型ではなく、線形共振器型の構成を採用しているため、ファラデー素子等からなる光アイソレータが不要となり、従来のリング共振器型の光源で問題とされた、装置の大型化や高コスト化、光利用効率の低下等の問題を回避することができる。また、本発明の光源は、従来の液晶を用いた線形共振器型のものとは異なり、液晶を用いない構成が可能であるため、高速の波長掃引が可能である。さらに、本発明の光源は、偏波分散補償ファイバを用いたループ状ファイバ素子により線形共振器の1つの共振器端を構成しているため、安価に製作可能であり、他の光ファイバと結合させる際にも高効率に結合可能である。
本発明の光断層画像化装置によれば、本発明の光源を備え、該光源から射出された光を用いて断層画像を取得するものであるため、装置の大型化を抑制して低コストに製作可能であり、高い光利用効率で高速の波長掃引による計測が可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず初めに、本発明の光源に用いられる偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子の構成を説明するための図である。本発明の光源に用いられる偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子は、複数の複屈折ファイバを光結合して構成されるものであるが、図1に示す実施形態では、説明を簡単にするために、2つの光ファイバ1、2を用いた構成例を示している。
また、図1に示す実施形態では、複屈折ファイバとしてPANDA(Polarization −maintaining AND Absorption−reducing)ファイバを用いた例を示すが、本発明に使用可能な光ファイバはこれに限定されず、複屈折ファイバであればよく、例えばコアの形状を非軸対称にした楕円コア型の光ファイバを用いてもよい。
図2にPANDAファイバの光軸に垂直な面内方向の断面図を示す。なお、ファイバの光軸とは、コアの伸長方向を意味する。図2に示すように、PANDAファイバ10は、クラッド11の中心に位置するコア12の両側に配置された2つの応力付与部13a、13bを有する。2つの応力付与部13a、13bが配置されている方向の軸を遅軸(Slow Axis)といい、この断面において遅軸に直交する方向の軸を速軸(Fast Axis)という。応力付与部13a、13bを設けて、遅軸方向に応力を発生させることにより、遅軸方向と速軸方向とでコアの有効屈折率を異ならせることができ、複屈折性を持たせることができる。
このコアの遅軸方向と速軸方向における有効屈折率の相違は、いわゆる常光と異常光の有効屈折率の相違に相当する。遅軸方向と速軸方向のコアの有効屈折率をns、nfとし、これらの屈折率差Δn=|ns−nf|を用いると、長さZのPANDAファイバを波長λの光が伝播した後、遅軸方向と速軸方向の位相差δは以下の関係式(1)で表される。
Z=(δ×λ)/(2π×Δn) (1)
上記関係式は、PANDAファイバに限定されず、複屈折ファイバであれば同様に考えることができる。複屈折ファイバに光を伝播させることにより、屈折率の異なる2方向(遅軸方向と速軸方向)とでδの位相差を付与することができる。すなわち、光ファイバのみで、光軸に直交する2方向の光成分に対して所望の位相差を付与する位相差素子を実現することができる。
次に、2本の複屈折ファイバを光が伝播する場合について考える。図1(a)に、2つの光ファイバ1、2がそれぞれの端面1a、2aを対向させて直列状に配置された図を示す。光ファイバ1、2は、PANDAファイバであり、端面1aの遅軸と端面2aの速軸とが平行になるように対向している。
この遅軸と速軸の位置関係を保持したまま、図1(b)に示すように、端面1a、2aをコア領域を一致させて密着接合させて接合部3aを形成し、光ファイバ1、2を直列状に光結合する。この光結合には、例えば公知の光ファイバの融着技術を用いることができる。図1(b)のB内に、接合部3aにおける、2つの複屈折ファイバの遅軸と速軸が平行になるよう接合される様子を模式的に示す。
図1(b)に示す光ファイバ1、2からなるファイバにおいて、光ファイバ1の接合されていない端面1bから光が入射し、光ファイバ1、2を伝播して、光ファイバ2の接合されていない端面2bから出射したときのことを考える。
光ファイバ1の光軸方向の長さをZ1とし、コアの遅軸方向と速軸方向における有効屈折率をそれぞれns1、nf1とする。光ファイバ2の光軸方向の長さをZ2とし、コアの遅軸方向と速軸方向における有効屈折率をそれぞれns2、nf2とする。上記式(1)から、端面1bでの入射光に対して端面2bでの出射光は、下記式(2)の位相差δを持つことになる。
δ=|(nf1×Z1+ns2×Z2)−(ns1×Z1+nf2×Z2)|×(2π/λ) (2)
すなわち、ns1、nf1、Z1、ns2、nf2、Z2の各値を設定することにより、伝播する光に所望の位相差δを持たせることができる。
光ファイバ1、2が同一素材の場合、または遅軸方向と速軸方向の屈折率がそれぞれ光ファイバ1、2で等しい場合は、ns1=ns2=ns、nf1=nf2=nfのようにおくことができるので、式(2)は下記式(3)のように表される。
δ=|(nf−ns)×(Z1−Z2)|×(2π/λ) (3)
この場合は、nf、ns、Z1、Z2の各値を設定することにより、所望の位相差δを得ることができる。
さらに、ファイバ1、2の長さの差ΔZ=|Z1−Z2|とおき、上述した屈折率差Δnsf=|ns−nf|を用いると、式(3)は下記式(4)のように表され、伝播した光は、光軸に垂直な面内の直交する2方向でδの位相差が付与されることになる。
δ=Δnsf×ΔZ×(2π/λ) (4)
ここで、仮に、2つの光ファイバ1、2が同一素材で構成され、かつ長さが等しいとすると、上記式(3)からわかるように、nf、nsの値によらずδ=0となる。この場合、光ファイバ1が有する複屈折性と光ファイバ2が有する複屈折性がキャンセルされ、入射光の遅軸方向と速軸方向との位相差と、出射光の遅軸方向と速軸方向との位相差は等しくなる。
このように複数の複屈折ファイバからなり、全体として複屈折性がキャンセルされたファイバを偏波分散補償ファイバとよぶ。図1(b)では、光ファイバ1、2が直列状に光結合されて全体として複屈折性がキャンセルされている光ファイバとして、偏波分散補償ファイバ3を図示している。なお、偏波分散補償ファイバは、必ずしも同一素材、同一長さのファイバで構成する必要はなく、全体として複屈折性がキャンセルされていればよい。例えば、異なる素材からなる2つの複屈折ファイバを用いた場合は、光学的光路長(屈折率×幾何学的長さ)が等しくなるように考慮することで構成可能である。偏波分散補償ファイバを用いれば、入射光と出射光の偏光状態は同じになるため、実質的に偏光状態を保存して光を伝送させることが可能になる。
従来、直線偏光を直線偏光のまま伝送するには、偏波保存ファイバの遅軸あるいは速軸の方向に偏光方向を一致させて入射させる方法がよく採用されている。しかし、この方法は軸合わせの調整が必要であり、困難で煩雑な作業を伴う。これに対して、偏波分散補償ファイバを用いれば、軸合わせをすることなく、直線偏光を直線偏光のまま伝送することができる。
また、従来、直線偏光を直線偏光のまま、円偏光を円偏光のままのように、偏光状態を保存して光を伝送するには、ビート長の整数倍の長さの偏波保存ファイバを用いる方法が知られている。しかし、ビート長は波長と複屈折率で決まるため、この方法では波長依存性がある。これに対して、本実施形態の偏波分散補償ファイバでは、式(3)からわかるように、波長に無関係にδ=0となるため、波長依存性はなく、広帯域光源の使用も可能である。また、ビート長を使用するものは、複屈折率と波長を用いてビート長を算出し、伝播距離がビート長の整数倍になるように光ファイバを加工する必要があるが、本実施形態の偏波分散補償ファイバは、ファイバ長をビート長に設定しなくても、同一素材の光ファイバであれば長さの等しい2つの光ファイバを準備すればよいだけであるため、容易に作製可能である。
ここで、偏波分散補償ファイバを製作するときの誤差を考える。仮に同一素材の光ファイバ1、2が長さの誤差Δtを有するとすると、全体での光路長の誤差はΔt×Δnsfとなる。これが波長より十分小さければよいため、Δt≪λ/Δnsfとなる。λ/Δnsfはすなわちビート長であるから、Δt≪ビート長となり、市販のPANDAファイバの一例ではビート長は約2mmであるから、十分に実現可能である。
次に、偏波分散補償ファイバを用いて構成されるループ状ファイバ素子について、図1(c)を参照しながら説明する。まず、図1(b)の光ファイバ1、2が直列状に接続されて偏波分散が補償された状態から、端面1bと端面2bとを光結合して、全体としてループ状のループ状ファイバ素子5を形成する。この光結合には、例えば公知の光ファイバの融着技術を用いることができる。図1(c)のC内は、ループ状ファイバ素子5の結合部の一実施態様を模式的に示している。
図1(c)に示す例は、ループ状ファイバ素子5における端面1bと端面2bとが結合された結合部に、ファイバカプラ4を設けた例である。ファイバカプラ4はループ状ファイバ素子5に光を入出力可能な外部ポートとして機能する。なお、本発明で使用可能な外部ポートは、ループ状ファイバ素子5に光を入出力可能なものであればよく、ファイバカプラに限定されないが、ファイバカプラ4を用いることにより、光の分岐比を設定することが可能である。また、ファイバカプラ4のループ状ファイバ素子5の反対側には2つの光ファイバ6、7を接続してもよい。
なお、光ファイバ6、7は光ファイバ1、2と別のファイバで構成してもよく、あるいは、偏波分散補償ファイバの両端に光ファイバ6、7に相当する長さを余分に持たせた光ファイバを用意し、この光ファイバの端から余分な長さの位置で光結合して、図1(c)に示すような構成としてもよい。
図1(c)に示す構成において、例えば光ファイバ6から入射した光は、ファイバカプラ4の分岐比に応じて概略2分割され、2分割されたうちの一方の光はファイバカプラ4を通過して光ファイバ1から光ファイバ2へと伝播して再びファイバカプラ4に戻り、他方の光はファイバカプラ4を通過して光ファイバ2から光ファイバ1へと伝播して再びファイバカプラ4に戻る。
これら逆方向に伝播してファイバカプラ4に戻る2つの成分の光の和が、ループ状ファイバ素子5に入射して、ループ状ファイバ素子5を伝播してファイバカプラ4に戻る光成分となる。そして、ファイバカプラ4に戻った光は、ファイバカプラ4の分岐比に応じて概略2分割され、2分割されたうちの一方の光は光ファイバ6へ戻り、他方の光は光ファイバ7へ向かう。
なお、図1(c)のC内に示す実施態様では2つの複屈折ファイバの遅軸が直交するように結合されているが、本実施態様に限らず、2つの複屈折ファイバの遅軸間の角度を任意に設定して結合してもよい。これを図3を参照しながら説明する。図3は、図1(b)の偏波分散補償ファイバの一端を他端に対して光軸の周りにα回転させた状態を示す図である。図3に示す状態で、端面1bにおける遅軸方向をx方向、速軸方向をy方向とし、端面2bにおけるx方向と同方向をx方向、y方向と同方向をy方向とし、端面2bにおけるx方向からα回転した方向をx方向、y方向からα回転した方向をy方向とする。y方向と端面2bにおける遅軸方向とは同方向となる。
ここで、光を電場ベクトルとして考え、端面1bからの入射光のx方向、y方向の成分を、
(Ax・exp(iφx), Ay・exp(iφy))
とする。ここで、Ax、Ayはそれぞれ各方向の振幅であり、φx、φyはそれぞれ各方向の位相である。すると、端面2bでのx方向、y方向の成分は、
(Ay・sinα・exp(iφy)+Ax・cosα・exp(iφx), Ay・cosα・exp(iφy)−Ax・sinα・exp(iφx))
となる。
本発明の光源においては、後述のように偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子に円偏光を伝播させるものであるから、端面1bに右回りの円偏光を入射させた場合を想定すると、Ax=Ay、 φy=φx+π/2とすることができ、上記の端面2bでのx方向、y方向の成分は、
Ax・exp(iα)・(exp(iφx), exp(iφy))。
となる。すなわち、任意の角度としてα回転させても端面2bからは右回りの円偏光が出射される。
よって、光ファイバ6に入射した光に対し、ループ状ファイバ素子5のループ状の光路を伝播して光ファイバ7から出射される光は、入射光と同じ位相をもつものとなる。すなわち、ループ状ファイバ素子5は入射光の位相を保存して出射する素子の機能を有する。
例えば、進行方向から見て右回りの円偏光がループ状ファイバ素子5に入射した場合を考えると、この光がループ状ファイバ素子5のループ状の光路を伝播した後も、進行方向から見て右回りの円偏光として出射される。
上記では、2つの複屈折ファイバを用いたループ状ファイバ素子について説明したが、本発明のループ状ファイバ素子に用いるファイバの数はこれに限定されず、偏波分散補償ファイバが構成されていれば、任意の数のファイバを使用可能である。一例として、図4に複屈折ファイバである光ファイバ15i、15i+1、…、15n−1、15nからなる偏波分散補償ファイバを用いて構成されたループ状ファイバ素子15を示す。
次に、偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子を備えた本発明の光源の実施形態について説明する。図5は、本発明の一実施形態にかかる光源20の構成図であり、図6は光源20の基の構成となる光源50の構成図である。まず図6を参照しながら、光源50について説明する。
図6に示す光源50は、光路内を光が往復することによりレーザ発振が行われる線形共振器型の光源である。レーザ発振が行われる光源としては、従来技術の項で述べたように周回光路を有するリング共振器型を採用したものもあるが、リング共振器型は、アイソレータが必要であり、装置全体が大型化する傾向にあるとともに、波長掃引する際には共振器長の増大に起因して高速の波長掃引が困難である等の不具合がある。線形共振器型は、このような不具合を有しない点でリング共振器型に比べて有利と言える。
光源50は、2つの共振器端51、57の間に、光路に沿って順に配置された、光増幅媒体52と、所定方向の直線偏光のみ共振器内を進行させる偏光選択手段53と、直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与する第1の1/4波長位相子54と、特定波長の光を透過するとともに特定波長以外の光を反射する波長選択手段55と、直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与する第2の1/4波長位相子56とを備える。
波長選択手段55は、微小間隔を持って対向配置された2つの反射面55a、55bを有するファブリーペローチューナブルフィルターを用いている。これら反射面55a、55bの間隔を可変とすることで透過させる波長を可変にでき、発振させる光の波長を変更できる。
上記構成の光源50では、偏光選択手段53、第1の1/4波長位相子54、第2の1/4波長位相子56により、波長選択手段55を透過した特定波長の光のみが線形共振器内を往復して光増幅媒体52により増幅されて発振し、波長選択手段55で反射された特定波長以外の光は線形共振器内を往復できず光増幅媒体52に再入射することはない。なお、光源50は、共振器内で軸上前後に進行する円偏光を重ね合わせたツイストモード共振器の構成を採っており、2つの1/4波長位相子間のレーザ光の軸上のエネルギー密度は位置によらず均一である。
次に、図5を参照しながら、本発明の実施形態にかかる光源20の詳細構成について説明する。図5に示す光源20は、線形共振器型の波長可変光源であり、光路に沿って順に、光ファイバF10、光結合用のレンズ22、SOA23、光結合およびコリメート用のレンズ24、偏光子25、λ/4板26、光結合およびコリメート用のレンズ27、ファイバ型のファブリーペローチューナブルフィルター30、光コネクタ31、偏波分散補償ファイバ32、ループ状ファイバ素子33が配置されてなる。そのうち、光結合用のレンズ22、SOA23、レンズ24、偏光子25、λ/4板26、レンズ27は、不図示の支持基板状に配置されモジュール21として一体的に構成されている。
光ファイバF10は、PANDAファイバ等の偏波保存ファイバを用いることが好ましいが、短いものであればシングルモードファイバを用いてもよい。光ファイバF10のレンズ22とは逆側の端面F10aは高反射コート(HRコート)が施されており、共振器端として機能する。光ファイバF10はレンズ22を介してSOA23と光結合している。
SOA23はいわゆる半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)と呼ばれるものであり、光増幅媒体として機能する。SOA23の代わりに、例えばレーザ媒質や、SLD等を用いることができる。
偏光子25は偏光選択手段として機能するものである。偏光子25は、所定の偏光方向の直線偏光のみを透過させ、それ以外の光を吸収する。偏光選択手段として、偏光子25の代わりに、所定の偏光方向の直線偏光のみを共振器内に通過させ、それと直交する方向の直線偏光は共振器外に排除するように配置された偏光ビームスプリッタを用いてもよい。
λ/4板26は、直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与するものであり、図6に示す第1の1/4波長位相子54に相当する。
ファブリーペローチューナブルフィルター30は、波長選択手段であり、特定波長の光のみ透過させ、それ以外の波長の光を反射する。本実施形態では、間隔を持って対向配置された2つの光ファイバF12、F13の対向する端面F12a、F13aを反射面として、ファブリーペローチューナブルフィルター30が構成されている。端面F12a、F13aの間隔は変更可能に構成され、この間隔を変更することにより透過させる波長を変更可能である。なお、図5では、図の明確化のために端面F12a、F13aの間隔を広くとっているが、実際にはサブミクロンオーダーの微小間隔である。
図7に、ファブリーペローチューナブルフィルター30の構成例を示す。図7の構成例では、光ファイバF12、F13の先端部にはそれぞれフェルール61、62が装着されており、フェルール61、62はそれぞれ保持具63、64により保持されており、保持具63、64の間にはアクチュエータ65が配置されている。アクチュエータ65を不図示の制御手段により端面F12a、F13aに垂直な方向(図7の矢印方向)に駆動させることにより、端面F12a、F13aの間隔を変更する。
光ファイバF13は、光コネクタ31により偏波分散補償ファイバ32と接続されている。本実施形態における偏波分散補償ファイバ32は、2つの複屈折ファイバPF1、PF2が全体として偏波分散が補償されるように直列状に光結合されたものである。偏波分散補償ファイバ32は、外部出力用の光ファイバF14とともに、ファイバカプラ34の一側に接続されている。
本実施形態におけるループ状ファイバ素子33は、2つの複屈折ファイバPF3、PF4を全体として偏波分散が補償されるように直列状に光結合してなる偏波分散補償ファイバの一端と他端とをファイバカプラ34の他側に接続して光結合することによりループ状に形成されたものである。ループ状ファイバ素子33は、前述したループ状ファイバ素子5と同様の構成であり、入射光と出射光の位相は同じとなる。ループ状ファイバ素子33は、1つの共振器端を構成するとともに、光源20においては、λ/4板と同様の作用を有する。すなわち、光源20におけるループ状ファイバ素子33は、図6に示す光源50における第2の1/4波長位相子56および共振器端57を合わせたものと実質的に同様の作用を有する。
なお、図5では光源20の下方に、ファブリーペローチューナブルフィルター30における反射光、透過光に関する偏光状態を記号を用いて模式的に示している。図5の偏光状態を示す記号のうち、上下方向両矢印の記号は偏光面が紙面内方向の直線偏光を意味し、円中心に点が付された記号は偏光面が紙面に垂直な方向の直線偏光を意味し、円弧状の矢印の記号は円偏光を意味する。円偏光については、矢印の方向により右回りの円偏光、左回りの円偏光を区別するものとする。また、偏光状態の記号は、各光の進行方向から見たものである。
上記構成の光源20の動作について説明する。SOA23のレンズ24側の端面から出射した光は、レンズ24により平行光に変換され、偏光子25において所定方向の直線偏光のみ透過する。偏光子25を透過した直線偏光は、λ/4板26により右回りの円偏光に変換され、レンズ27により集光されてファブリーペローチューナブルフィルター30に入射し、ファブリーペローチューナブルフィルター30において、所定波長の光のみが透過し、それ以外の光は反射される。
反射された光は、左回りの円偏光で往路と同一光路を逆方向に進行し、レンズ27により平行光化され、λ/4板26により、往路で偏光子25を透過した直線偏光と偏光方向が直交する直線偏光に変換される。この変換後の直線偏光は偏光子25で遮断されるため、再びSOA23に入射することはなく、共振器内を周回することはない。
一方、ファブリーペローチューナブルフィルター30を透過した光は、光コネクタ31を経由して偏波分散補償ファイバ32により伝送される。偏波分散補償ファイバ32は、偏波分散が0であるから、偏波分散補償ファイバ32からは入射時と同じ右回りの円偏光が出射される。この円偏光はファイバカプラ34を経由してループ状ファイバ素子33に入射する。以上がSOA23からループ状ファイバ素子33までの往路である。
ループ状ファイバ素子33のループ状光路を周回してファイバカプラ34に帰還した光は、ループ状ファイバ素子33に入射したときの位相を保存しているため、入射時と同じ右回りの円偏光となる。この右回りの円偏光はファイバカプラ34を介して偏波分散補償ファイバ32に入射し、偏波分散補償ファイバ32から右回りの円偏光として出射された後、光コネクタ31およびファブリーペローチューナブルフィルター30を透過し、レンズ27により平行光に変換され、λ/4板26に入射する。λ/4板26において、右回りの円偏光は往路の直線偏光と同方向の直線偏光に変換され、偏光子25を透過し、レンズ24により集光され、SOA23に再入射する。
SOA23に入射した光は、SOA23で増幅作用を受け、SOA23のレンズ22側から出射し、レンズ22を経由して光ファイバF10に入射して光ファイバF10を伝播し、光ファイバF10のHRコートが施された端面F10aで反射されて同一光路を戻り、レンズ22を経由してSOA23に入射し、増幅される。
以後、同様の動作が繰り返されて、光源20でレーザ光が発振され、発振されたレーザ光が出力される。以上説明したように、光源20は、ツイストモードのみを発振させうるツイストモード光共振器を実現できる。
さらに、ファブリーペローチューナブルフィルター30で選択的に透過させる波長を変化させることにより、発振させるレーザ光の波長を変更できる。発振させるレーザ光の波長を掃引することにより、光源20において波長掃引可能な波長可変光源を実現できる。
従来、図6に示す光源を実現する際には、1/4波長位相子としてλ/4板やソレイユ−バビネ補償板、共振器端としてミラー等のバルク素子を用いることが一般的であった。しかし、λ/4板やソレイユ−バビネ補償板の材質となる雲母、水晶等は、それ自体がガラス等に比較して高価である上に、バルク材料であることから、光学素子として用いるためには高精度な加工が必要となり、コストアップの要因となる。また、一般に雲母、水晶等の光学結晶は、波長分散量が大きいため、広帯域光を光源とする場合は、波長による特性劣化が大きくなるという問題がある。このような波長依存性による劣化を補正した位相差板を製作するためには、高精度な波長分散補正設計、および高精度な製作技術が必要となり、より一層のコストアップ要因となる。その上、上記バルク素子を用いた場合には、高精度な組立調整が必要であり高コストになる上に、安定性もよいとは言えない。また、途中の光路に光ファイバを用いた場合には、光ファイバとバルク部材を結合するためのレンズ等の部品が必要であり、部品数増加や調整によるコストアップや、光ファイバとバルク部材の結合に伴う光量損失が避けられなかった。
これに対して、本実施形態の光源20は、光ファイバからなるループ状ファイバ素子33を用いているため、安定性が高く、従来のバルク部材を用いた光源に比べて、煩雑な調整は不要で組立が容易となり、他の光ファイバと結合する場合も結合用のレンズは不要となり高効率に光結合が可能である。また、ループ状ファイバ素子33は、偏波分散補償ファイバを用いているため、波長依存性に関する問題もない、という多数の長所を有する。さらに、光源20では、ファブリーペローチューナブルフィルター30とループ状ファイバ素子33との間を偏波分散補償ファイバ32により導波しているため、実質的に偏光状態の保存性を向上させることができる。
なお、本発明の波長可変光源は、種々の変形が可能である。例えば、図5に示す光源20では、1つの共振器端を光ファイバF10にHRコートを施すことにより構成しているが、これに限定するものではなく、図8に示す波長可変光源40のように、SOA42の1つの端面42aにHRコートを施すことにより、共振器端として機能させてもよい。SOA42に共振器端の機能を付加することで、図5に示す光ファイバF10、レンズ22を省略することができ、部品点数の削減およびそれに伴うコストダウンを図ることができる。また、図5に示すモジュール21に代えてモジュール21よりも小型のモジュール41を採用可能なため、装置の小型化を図ることができる。なお、図8に示す波長可変光源40は、上記以外の構成は図5に示す光源20と同様であるため、同様の構成については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
その他の共振器端の構成としては、例えば、リング状の光ファイバおよびファイバカプラからなる部材を用いてもよい。
また、伝播する光の偏光状態の保存性を向上させるために、図9に示す波長可変光源45のように、複屈折ファイバPF5、PF6を用いてファブリーペローチューナブルフィルター46を構成してもよい。波長可変光源45では、図5に示す光源20の光ファイバF12、F13の代わりに、複屈折ファイバPF5、PF6を用い、これらの対向する端面PF5a、PF6aをファブリーペローチューナブルフィルター46の反射面としている。複屈折ファイバPF5、PF6は、偏波分散補償ファイバの接合面を接合せずに微小間隔離して配置したものと同様の構成を有する。より詳しくは、複屈折ファイバPF5、PF6は、互いの遅軸と速軸が平行になるように対向され、複屈折ファイバPF5、PF6を一体的に見たとき、全体として偏波分散が補償されている。なお、図9に示す波長可変光源45は、上記以外の構成は図8に示す波長可変光源40と同様であるため、同様の構成については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、λ/4板26の代わりに、フレネルロムを用いてもよい。フレネルロムは、全反射を利用した複屈折素子であり、ほとんど波長依存性を有しない。図10に示すように、フレネルロム48の入射面48aに、入射面48aの稜線と45度をなす方向を偏光方向とする直線偏光を入射させると、この光はフレネルロム48内部で2回反射し、入射面と対向する面48bから円偏光として射出される。
次に、本発明の一実施形態による光断層画像化装置について説明する。この光断層画像化装置は、上記の本実施形態にかかる光源を用いて測定対象の光断層画像を取得するものである。図11は本発明の一実施形態による光断層画像化装置100の構成を示す図である。光断層画像化装置100は、マッハツェンダー型干渉計を用いて、例えば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像を前述のSS−OCT計測により取得するものである。
光断層画像化装置100は、発振波長を一定の周期で掃引させながらレーザ光Lを射出する光源ユニット110と、光源ユニット110から射出された光Lを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段101と、光分割手段101により分割された参照光L2の光路長を調整する光路長調整手段120と、光分割手段101により分割された測定光L1を測定対象Sまで導波するプローブ130と、プローブ130から測定光L1が測定対象Sに照射されたときに測定対象Sで反射した反射光L3と参照光L2とを合波する合波手段104と、合波手段104により合波された反射光L3と参照光L2との干渉により生じる干渉光L4a、L4bを検出する干渉光検出手段140と、干渉光検出手段140により検出された干渉光に基づき測定対象Sの断層画像を取得する画像取得手段150とを有している。
光源ユニット110は、発振波長を一定の周期で掃引させながら光Lを射出する線形共振器型の波長可変レーザ装置であり、上述した実施形態にかかる波長可変光源を用いて構成される。光源ユニット110からの光Lは光ファイバF1により出力され、光ファイバF1に接続された光分割手段101に入射する。
光分割手段101は、例えば2×2の光ファイバカプラから構成されており、光源ユニット110から光ファイバF1を介して導波した光Lを測定光L1と参照光L2に分割する。光分割手段101は、2本の光ファイバF2、F3にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバF2により導波され、参照光L2は光ファイバF3により導波される。
光ファイバF2にはサーキュレータ102が接続されており、サーキュレータ102には光ファイバF4、F5が接続されている。光ファイバF4には測定光L1を測定対象Sまで導波するプローブ130が接続されている。
光プローブ130は、例えば内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、不図示のコネクタにより光ファイバF4に対し着脱可能に取り付けられている。プローブ130から射出した測定光L1は測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sで反射された反射光L3は、光ファイバF4により導波されて、サーキュレータ102に入射し、サーキュレータ102から光ファイバF5側に射出され、光ファイバF5に接続されている合波手段104に入射する。
一方、光ファイバF3にはサーキュレータ103が接続されており、サーキュレータ103には光ファイバF6、F7が接続されている。光ファイバF6には、断層画像の取得領域を調整するために参照光L2の光路長を変更する光路長調整手段120が接続されている。
光路長調整手段120は、光ファイバF6から射出された参照光L2を平行光化するコリメートレンズ120aと、直交する2つの反射面を有し、この2つの反射面でコリメートレンズ120aにより平行光化された参照光L2を反射する反射ミラー120bと、反射ミラー120bの2つの反射面で反射された参照光L2を再び反射ミラー120bへ帰還させて入射光と逆方向に同一光路を進行させる光ターミネータ120cを有している。反射ミラー120bは、不図示の可動ステージ上に固定されており、この可動ステージを移動させることにより反射ミラー120bがコリメートレンズ120aの光軸方向(図11の矢印Aの方向)へ移動し、これにより、参照光L2の光路長が変更する。なお、光路長調整手段120は、上記構成のものに限定されず、参照光L2の光路長を変更可能であればその他の構成を採用してもよい。
光路長調整手段120により光路長が変更された参照光L2は、光ファイバF6により導波されて、サーキュレータ103に入射し、サーキュレータ103から光ファイバF7側に射出され、光ファイバF7に接続されている合波手段104に入射する。
合波手段104は、例えば2×2の光ファイバカプラからなり、光ファイバF5により導波された反射光L3と、光ファイバF7により導波された参照光L2とを合波するものである。合波手段104での合波により干渉光が生じ、この干渉光は合波手段104により二分されて2つの干渉光L4a、L4bとなり、それぞれ光ファイバF8、F9へ射出される。光ファイバF8、F9によりそれぞれ導波された干渉光L4a、L4bは、干渉光検出手段140に入射する。
干渉光検出手段140は、干渉光L4aを検出する光検出部140aと、干渉光L4bを検出する光検出部140bと、光検出部140aにより検出された干渉光L4aと光検出部140bにより検出された干渉光L4bとの差分を増幅しバランス検波を行って干渉信号を得る演算手段140cとを有している。この機構により、光強度ゆらぎの影響を抑え、より鮮明な画像を得ることが出来る。
干渉光検出手段140は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムからなる画像取得手段150に接続され、画像取得手段150はCRTや液晶表示装置等からなる表示装置160に接続されている。画像取得手段150は干渉光検出手段140から出力された干渉信号をフーリエ変換することにより、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度等の反射情報を取得し、この情報を用いて測定対象Sの断層画像を生成する。表示装置160は、画像取得手段150により取得された断層画像を表示する。
ここで、干渉光検出手段140および画像取得手段150における干渉光L4の検出および画像の生成について簡単に説明する。なお、この点の詳細については「武田 光夫、「光周波数走査スペクトル干渉顕微鏡」、光技術コンタクト、2003、Vol41、No7、p426−p432」に詳しい記載がなされている。
測定光L1が測定対象Sに照射されたとき、測定対象Sの各深さ位置からの反射光L3と参照光L2とがいろいろな光路長差をもって干渉しあう際の各光路長差lに対する干渉縞の光強度をS(l)とすると、干渉光検出手段140において検出される光強度I(k)は、
I(k)=∫ S(l)[1+cos(kl)]dl ・・・(5)
で表される。ここで、kは波数、lは光路長差である。式(5)は波数kを変数とする光周波数領域のインターフェログラムとして与えられていると考えることができる。このため、画像取得手段150において、干渉光検出手段140が検出したスペクトル干渉縞をフーリエ変換にかけて周波数解析を行い、干渉光L4の光強度S(l)を決定することにより、測定対象Sの測定開始位置からの距離情報と反射強度情報とを取得し、断層画像を生成することができる。
次に、上記構成を有する光断層画像化装置100の動作例について説明する。まず、光路長調整手段120において、測定可能領域内に測定対象Sが位置するように光路長の調整が行われる。その後、光源ユニット110から光Lが射出され、光Lは光分割手段101により測定光L1と参照光L2とに分割される。測定光L1はプローブ130により体腔内に導波され測定対象Sに照射される。そして、測定対象Sからの反射光L3が参照光L2と合波手段104により合波され、反射光L3と参照光L2との干渉光L4a、L4bが干渉光検出手段140により検出されて干渉信号として出される。この干渉信号が画像取得手段150において周波数解析されることにより断層画像が取得される。
なお、プローブ130を回転させること等により、測定対象Sに対して測定光L1を1次元方向に走査させれば、この走査方向に沿った各部分において測定対象Sの深さ方向の情報が得られるので、この走査方向を含む断層面についての断層画像を取得することができる。また、測定対象Sに対して測定光L1を、上記走査方向に対して直交する第2の方向に走査させることにより、この第2の方向を含む断層面についての断層画像をさらに取得することも可能である。
なお、上記例ではマッハツェンダー型干渉計を用いた光断層画像化装置の例について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、マイケルソン型干渉計やフィゾー型干渉計等、別の種類の干渉計を用いてもよい。
図1(a)〜図1(c)は、本発明の一実施形態による偏波分散補償ファイバおよびループ状ファイバ素子の構成を説明するための図 PANDAファイバの断面図 偏波分散補償ファイバの特性を説明するための図 本発明の別の実施形態によるファイバ型位相素子の構成を示す図 本発明の一実施形態による光源の構成を示す図 本発明の一実施形態による光源の機能的な構成を示す図 発明の一実施形態にかかるファイバ型のファブリーペローチューナブルフィルターの構成を示す図 本発明の別の実施形態による光源の構成を示す図 本発明の別の実施形態による光源の構成を示す図 フレネルロムの構成および作用を示す図 本発明の一実施形態による光断層画像化装置の構成を示す図 従来のリング共振器型の波長可変光源の概略構成図 従来の線形共振器型の波長可変光源の概略構成図
符号の説明
1、2、6、7 光ファイバ
3、32 偏波分散補償ファイバ
4、34 ファイバカプラ
5、15、33 ループ状ファイバ素子
10 PANDAファイバ
11 クラッド
12 コア
13a、13b 応力付与部
20 光源
21 モジュール
22、24、27 レンズ
23 SOA
25 偏光子
26 λ/4板
30 ファブリーペローチューナブルフィルター
31 光コネクタ
48 フレネルロム
50 光源
51、57 共振器端
52 光増幅媒体
53 偏光選択手段
54 第1の1/4波長位相子
55 波長選択手段
55a、55b 反射面
56 第2の1/4波長位相子
61、62 フェルール
63、64 保持具
65 アクチュエータ
100 光断層画像化装置
101 光分割手段
104 合波手段
110 光源ユニット
120 光路長調整手段
130 プローブ
140 干渉光検出手段
150 画像取得手段
160 表示装置
F10、F12、F13 光ファイバ
L 光
L1 測定光
L2 参照光
L3 反射光
L4 干渉光
PF3、PF4 複屈折ファイバ
S 測定対象

Claims (2)

  1. 線形共振器型の光源であって、
    光増幅媒体と、
    所定方向の直線偏光のみを前記線形共振器内に進行させる偏光選択手段と、
    直交する2方向の偏光成分間に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相子と、
    特定波長の光を透過させるとともに前記特定波長以外の光を反射する波長選択手段と、
    複数の複屈折ファイバを全体として偏波分散が補償されるように直列状に光結合してなる偏波分散補償ファイバの一端と他端とを光結合することによりループ状に形成され、前記線形共振器の1つの共振器端を構成するループ状ファイバ素子とを備えたことを特徴とする光源。
  2. 請求項1記載の光源と、
    前記光源から射出された光を測定光と参照光とに分割する光分割手段と、
    前記測定光が測定対象に照射されたときの該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波する合波手段と、
    前記合波手段により合波された前記反射光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光検出手段と、
    該干渉光検出手段により検出された前記干渉光に基づき前記測定対象の断層画像を取得する画像取得手段とを備えたことを特徴とする光断層画像化装置。
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