JP2009181521A - 筆跡情報生成装置、プログラムおよび筆跡情報管理システム - Google Patents

筆跡情報生成装置、プログラムおよび筆跡情報管理システム Download PDF

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裕一 市川
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Yoshihiro Igata
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Abstract

【課題】筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制する。
【解決手段】符号画像が印刷された媒体から符号画像を読み取り、読み取られた符号画像からデータ処理部612にて所定の情報を取得し、取得された所定の情報に基づき媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を筆跡情報生成部612dにて生成する。そして、ユーザによる媒体に対する筆記操作の終了を出力判定部612eにて検出し、検出された筆記操作の終了に対応させて筆跡情報の中から破棄する筆跡情報を抽出する。
【選択図】図6

Description

本発明は、筆跡情報生成装置、プログラムおよび筆跡情報管理システムに関する。
近年、用紙等の媒体上に筆記された文字や図形等が電子データに変換され、それがパソコンや携帯電話等に転送されて、筆記内容が記憶等される技術が注目されている。
例えば特許文献1に記載された技術では、微細なドットによる様々なパターンの符号画像が印刷された媒体と、例えば撮像素子が内蔵されたペンデバイスとを用いて、ペンデバイスにより筆記された文字や図形等の位置の符号画像を撮像素子に読み込む。それにより、文字や図形等の位置座標を特定して、筆記された文字や図形等からなる電子文書の生成や、所定の電子文書への文字や図形等の付加等を行う。
また、例えば特許文献2に記載された技術では、ペンデバイスにより媒体上の所定の領域に印刷された符号画像を読み取ることで、例えば、コンピュータにウェブブラウザプログラムを開くように指示するコマンドを作成し、所定のウェブアドレス等にリンクさせる。
特開2004−94907号公報 特表2003−523572号公報
ここで一般に、媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する例えばペンデバイス等の筆跡情報生成装置では、ユーザの筆記操作の終了を例えばペン先が媒体を離れることで検知している。その際に、例えばユーザが筆記操作を終了してからペン先が媒体から離れたことを検知するまでの時間的なずれが生じることで、筆跡情報の生成処理の終了がユーザの筆記操作の終了よりも遅れる場合がある。そのために、ユーザが筆記を行っていない領域の符号画像を読み取ってしまい、誤った筆跡情報が生成される場合がある。
本発明は、媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、ユーザによる前記媒体に対する前記筆記操作の終了を検出する筆記操作終了検出手段と、前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了に対応させて前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から破棄する当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段とを備えたことを特徴とする筆跡情報生成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記符号画像読取手段は、ドットで構成された前記符号画像を読み取るとともに、当該符号画像読取手段にて読み取られた当該符号画像での当該ドット相互の間隔を検出するドット間隔検出手段をさらに備え、前記筆記操作終了検出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づいて前記筆記操作の終了を検出することを特徴とする請求項1記載の筆跡情報生成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記情報抽出手段は、前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了後に生成された前記筆跡情報を前記破棄する当該筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項1記載の筆跡情報生成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記情報抽出手段は、所定データ量の前記筆跡情報を前記破棄する当該筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項3記載の筆跡情報生成装置である。
請求項5に記載の発明は、ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像での前記ドット相互の間隔を検出するドット間隔検出手段と、前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報を外部装置に送信する送信手段と、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づいて、前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から前記送信手段から送信しない当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段とを備え、前記送信手段は、前記情報抽出手段にて抽出された前記筆跡情報を前記外部装置に送信しないことを特徴とする筆跡情報生成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて前記ドット相互の間隔が所定値よりも小さく検出された前記符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて前記ドット相互の間隔の変化率を算出し、算出された当該ドット相互の間隔の変化率が所定値よりも大きく検出された前記符号画像以降に読み取られた当該符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に対してユーザの筆記操作の特性を加味した補正を行い、当該補正された当該ドット相互の間隔を用いて前記送信しない筆跡情報を抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記情報抽出手段は、抽出する前記送信しない筆跡情報のデータ量が予め設定されていることを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づき、前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報の中から前記送信手段から送信しない当該所定の情報をさらに抽出し、前記送信手段は、前記情報抽出手段にて抽出された当該所定の情報を前記外部装置にさらに送信しないことを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置である。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から読み取られた当該符号画像での当該ドット相互の間隔に関するデータを取得する機能と、読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する機能と、取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する機能と、生成された前記筆跡情報を外部装置に送信させる機能と、前記ドット相互の間隔に関するデータに基づいて、生成された前記筆跡情報の中から前記外部装置に送信しない当該筆跡情報を抽出する機能とを実現させることを特徴とするプログラムである。
請求項12に記載の発明は、前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔が所定値よりも小さい前記符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラムである。
請求項13に記載の発明は、前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔の変化率を算出し、算出された当該ドット相互の間隔の変化率が所定値よりも大きい前記符号画像以降に読み取られた当該符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラムである。
請求項14に記載の発明は、前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔に関するデータに対してユーザの筆記操作の特性を加味した補正を行い、当該補正された当該ドット相互の間隔に関するデータを用いて前記送信しない筆跡情報を抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラムである。
請求項15に記載の発明は、電子文書に基づく文書画像と符号画像とが印刷された媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成し、当該符号画像から所定の情報を取得する筆跡情報生成装置と、前記筆跡情報生成装置から前記所定の情報および/または前記筆跡情報を取得し、取得した当該所定の情報および/または当該筆跡情報を当該媒体または当該媒体に印刷された前記電子文書に関連付けて管理する筆跡情報管理装置とを有し、前記筆跡情報生成装置は、ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、ユーザによる前記媒体に対する前記筆記操作の終了を検出する筆記操作終了検出手段と、前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了に対応させて前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から破棄する当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段と、前記情報抽出手段にて抽出された前記筆跡情報を破棄する情報破棄手段とを備えたことを特徴とする筆跡情報管理システムである。
本発明の請求項1によれば、媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制することができる。
本発明の請求項2によれば、符号画像のドット相互の間隔によって筆跡情報生成装置の媒体からの引き上げ動作を検出でき、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザの筆記操作の実際の終了時点をより正確に検出することができる。
本発明の請求項3によれば、ユーザの実際の筆記操作により生成された筆跡情報だけを筆跡情報として使用することができる。
本発明の請求項4によれば、誤って生成された筆跡情報の処理範囲が限定でき、本発明を採用しない場合に比べて、誤って生成された筆跡情報に関する処理速度を高めることができる。
本発明の請求項5によれば、媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制することができる。
本発明の請求項6によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像から生成された筆跡情報をより正確に抽出することができる。
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像から生成された筆跡情報をより正確に抽出することができる。
本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像をユーザの筆記時の特性に対応させて検出することができ、ユーザ毎により正確に筆記操作の終了後に生成された筆跡情報を抽出することができる。
本発明の請求項9によれば、誤って生成された筆跡情報の処理範囲が限定でき、本発明を採用しない場合に比べて、誤って生成された筆跡情報に関する処理速度を高めることができる。
本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像から生成された所定の情報をより正確に抽出することができる。
本発明の請求項11によれば、媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制することができる。
本発明の請求項12によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像から生成された筆跡情報をより正確に抽出することができる。
本発明の請求項13によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像から生成された筆跡情報をより正確に抽出することができる。
本発明の請求項14によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ユーザが筆記操作を終了した後に読み取られた符号画像をユーザの筆記時の特性に対応させて検出することができ、ユーザ毎により正確に筆記操作の終了後に生成された筆跡情報を抽出することができる。
本発明の請求項15によれば、筆跡情報管理システムに備えられる媒体上の符号画像を読み取って筆跡情報を生成する筆跡情報生成装置にて誤って生成された筆跡情報が外部に送信されることを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
まず、本実施の形態における筆跡情報管理システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態の筆跡情報管理システムの構成の一例を示した図である。図1に示したように、この筆跡情報管理システムは、端末装置10と、筆跡情報管理装置の一例としての文書サーバ20と、筆跡情報管理装置の一例としての識別情報サーバ30と、画像形成装置40と、端末装置50とがネットワーク80に接続されることにより構成されている。また、端末装置50には、筆跡情報生成装置の一例としてのデジタルペン60が通信可能に接続されている。
本実施の形態の筆跡情報管理システムでは、端末装置10から電子文書の印刷要求が行われると、筆跡情報管理装置の一例である文書サーバ20は端末装置10からの印刷要求を受け取り、画像形成装置40に対して印刷要求の対象となった電子文書の印刷指示を行う。それにより、画像形成装置40は、この電子文書の文書画像を紙等の媒体に印刷するが、その際に、画像形成装置40は文書画像に加えて符号画像を媒体上に印刷する。
ここでの符号画像とは、識別情報および位置情報を符号化して得られる識別符号および位置符号を画像化したものである。識別情報とは、媒体を一意に特定するための情報であり、本実施の形態では筆跡情報管理装置の一例である識別情報サーバ30が発行する。また、位置情報は、媒体上の座標位置を特定するための情報であり、本実施の形態では文書サーバ20が生成する。
そして、文書画像と符号画像とが印刷された媒体に対し、ユーザが筆跡情報生成装置の一例であるデジタルペン60を用いて筆記(手書き)すると、デジタルペン60は符号画像に含まれる情報の一例である位置情報に基づいて手書き情報(筆跡情報)を生成する。またそれと同時に、デジタルペン60は符号画像に含まれる情報の一例である識別情報を認識する。そして、認識された識別情報と筆跡情報とは、情報送信装置(外部装置)の一例である端末装置50を介して文書サーバ20に送られる。識別情報と筆跡情報とを受け取った文書サーバ20は、識別情報に基づいて媒体に印刷された電子文書を特定し、この特定された電子文書と筆跡情報とを関連付けて記憶する。
また、デジタルペン60には、筆跡情報を生成する代わりに、符号画像に含まれる位置情報と識別情報とを所定情報にリンクするための参照情報とする機能が設定されている。例えば、端末装置50に対して所定のウェブブラウザプログラムを開いて所定のウェブアドレス等にリンクさせるコマンドを生成させるための情報として位置情報および識別情報を用いる。その場合には、端末装置50は、位置情報と識別情報とに基づき所定のウェブアドレスにリンクし、所定情報を取得する。
なお、本明細書では、媒体に記録する画像の元となる電子データを「電子文書」と表記するが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
また、本明細書において、「媒体」は、画像を印刷可能な媒体であれば、その材質は問わない。代表例は紙であるが、OHPシート等といったプラスチックシートや金属板等であっても構わない。
さらに、本明細書では、電子文書、媒体、さらにはデジタルペン60やユーザについて、それぞれを一意に識別するための識別情報を用いて処理を行うが、単に「識別情報」という場合には、媒体に関する識別情報を意味するものとする。すなわち、本実施の形態では、媒体に固有に付与される媒体識別情報の一例として、この識別情報を用いる。
続いて、本実施の形態の筆跡情報管理システムを構成する各構成要素について詳細に説明する。
端末装置10は、文書サーバ20に対して電子文書の印刷を要求するコンピュータ装置である。ここで、端末装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータが用いられる。
文書サーバ20は、筆跡情報管理装置の一例であって、電子文書を記憶し管理するコンピュータ装置である。また、端末装置10から電子文書の印刷要求があると、電子文書の画像と、識別情報および位置情報を表す符号画像とを生成し、これらを合成した合成画像を媒体に印刷する印刷命令を画像形成装置40に対して出力する。ここで、文書サーバ20としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータが用いられる。
識別情報サーバ30は、筆跡情報管理装置の一例であって、媒体に付与する識別情報を発行するコンピュータ装置である。そして、発行した識別情報を、その識別情報が付与される媒体に印刷される電子文書と関連付けて記憶する。ここで、識別情報サーバ30としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータが用いられる。
画像形成装置40は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置40は、単体のプリンタや印刷機であってもよいし、他にスキャナや通信の機能を備えた所謂「複合機」であってもよい。ここで、画像形成装置40における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いるとよいが、その他の方式を用いてもよい。
端末装置50は、印刷文書に対する筆記を電子化した情報(以下、「筆跡情報」という)を、印刷文書に記録された画像の元となる電子文書に反映させるために識別情報サーバ30に送信するコンピュータ装置である。また、筆跡情報を反映する対象の電子文書をディスプレイ(不図示)に表示し、その上に筆跡情報を重ねて表示するようにしてもよい。ここで、端末装置50としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータが用いられる。なお、本実施の形態では、筆記の内容を電子化した筆跡情報の一例として筆跡情報を用いている。また、筆跡情報を主に手書き情報として説明するが、これに限らず、例えば、建築や機械等の図面データを出力する装置であるプロッタ等によって機械的に描画された情報等を含むものである。
また、端末装置50は、デジタルペン60から送られた位置情報と識別情報とに基づいて所定情報にリンクするコンピュータ装置でもある。端末装置50は、例えば、位置情報および識別情報から所定のウェブブラウザプログラムを開いて所定のウェブアドレス等にリンクさせるコマンドを生成する。そして、位置情報と識別情報とに基づき所定のウェブアドレスにリンクし、所定情報を取得する。
端末装置50は、デジタルペン60と例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルで接続され、デジタルペン60との間で通信を行う。そして、デジタルペン60から識別情報、および筆跡情報または位置情報を取得する。ここで、デジタルペン60と端末装置50との間の通信の方式としては、USBケーブル等の有線方式の他に、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信機能等の無線方式を用いてもよい。
デジタルペン60は、筆跡情報生成装置の一例であり、印刷文書上に文字または図形を筆記するために用いられるペンデバイスである。また、媒体に印刷された符号画像を読み取る撮像素子を備える。そして、撮像素子で読み取った符号画像から取得される情報の一例である位置情報を検出する。さらには、位置情報から筆記した文字または図形をイメージデータ化した筆跡情報をこの位置情報に基づいて生成し記憶する。また、撮像素子で読み取った符号画像から取得される情報の一例である識別情報を検出し記憶する。
引き続いて、筆跡情報管理システムを構成する各構成要素の詳細を説明する。
まず、文書サーバ20の構成について説明する。
図2は、文書サーバ20の機能構成の一例を示したブロック図である。図2に示したように、文書サーバ20は、受信部21と、識別情報取得部22と、電子文書管理部23と、筆跡情報管理部24と、文書/筆跡情報記憶部25とを備える。また、識別符号生成部27aと、位置符号生成部27bと、符号配置部27cと、パターン画像記憶部27dと、符号画像生成部27eとを備える。さらに、文書画像生成部26と、画像合成部28と、送信部29とを備える。
受信部21は、端末装置10から印刷要求を受信する。ここで、印刷要求には、電子文書に加えて、印刷対象となる電子文書の識別情報(以下、「文書ID」という)と、印刷される媒体上での電子文書のレイアウトを定めるための各種設定(以下、「印刷設定」という)とが含まれる。文書IDは、端末装置10にて電子文書毎に付与されるが、文書サーバ20にて付与してもよい。また、受信部21は、印刷文書が印刷される媒体に固有に付与される識別情報を識別情報サーバ30から受信する。さらに、印刷文書に対する筆記が行われた際には、識別情報サーバ30から、印刷文書に埋め込まれた識別情報と、印刷文書に対する筆記の内容(筆記画像)を電子化した筆跡情報とを受信する。
識別情報取得部22は、受信部21から文書IDおよび印刷設定を取得し、これを送信部29に渡して識別情報の発行要求の送信を指示し、これを文書画像生成部26に渡して文書画像の生成を指示する。また、受信部21から媒体の識別情報を取得し、これを識別符号生成部27aに渡して識別符号の生成を指示する。
電子文書管理部23は、受信部21が受信した識別情報と電子文書とを取得し、文書IDに基づき両者を対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録する。また、文書/筆跡情報記憶部25に記憶された電子文書についての、印刷設定に従って媒体上に印刷された状態を反映した新たな電子文書(第2の電子文書)を生成し、生成された第2の電子文書を文書/筆跡情報記憶部25に記憶する。さらに、電子文書の表示や印刷が指示された際には、対応する識別情報と電子文書とを、文書/筆跡情報記憶部25から取り出す。
筆跡情報管理部24は、受信部21が受信した識別情報と筆跡情報とを取得し、識別情報に基づき筆跡情報を電子文書に対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録する。また、筆跡情報の表示が指示された際には、対応する識別情報と筆跡情報とを、文書/筆跡情報記憶部25から取り出す。
文書/筆跡情報記憶部25は、電子文書管理部23によって管理される電子文書と、筆跡情報管理部24によって管理される筆跡情報とを記憶する。ここで、本実施の形態では、識別情報と電子文書と筆跡情報とを関連付けて記憶する記憶手段の一例として、文書/筆跡情報記憶部25を設けている。
識別符号生成部27aは、媒体を特定する識別情報を符号化して識別符号を生成する。
位置符号生成部27bは、媒体上の座標位置を示す位置情報を符号化して位置符号を生成する。
符号配置部27cは、識別符号生成部27aにて生成された識別符号や、位置符号生成部27bにて生成された位置符号等を所定のレイアウト(後段の図3参照)に従って2次元平面に配置し2次元の符号配列を生成する。
パターン画像記憶部27dは、符号配列に格納される各符号の符号値に対応するパターン画像を記憶する。
符号画像生成部27eは、符号配置部27cが生成した2次元の符号配列を参照し、各符号値に対応したパターン画像を選択して符号画像を生成する。
文書画像生成部26は、識別情報取得部22から文書IDおよび印刷設定を取得し、この文書IDで特定される電子文書を文書/筆跡情報記憶部25から読み出す。そして、印刷設定に従ってその電子文書の文書画像を生成する。
画像合成部28は、符号画像生成部27eが生成した符号画像と、文書画像生成部26が生成した文書画像とを合成し、合成画像を生成する。
送信部29は、識別情報サーバ30に対して識別情報の発行要求を送信する。また、画像形成装置40に対して媒体に対する画像の印刷命令を送信する。さらに、筆跡情報の表示が指示された際には、識別情報サーバ30に対して識別情報と筆跡情報とを送信する。
ここで、本実施の形態の文書サーバ20で生成される符号画像について説明する。
図3は、符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。まず、符号画像を構成する単位パターンについて説明する。図3(a)は、単位パターンの一例を示したものである。
単位パターンとは、情報埋め込みの最小単位である。図3(a)では、黒塗りの領域と斜線の領域をドット配置可能な領域とし、その間にある白色の領域をドット配置不可能な領域としている。そして、ドット配置可能な領域のうち、黒塗りの領域にドットが配置され、斜線の領域にはドットが配置されていないことを示している。すなわち、図3(a)は、ドットを配置可能な9箇所の中から選択した2箇所(黒塗りの領域)にドットを配置することで単位パターンを構成した例を示したものである。ここで、9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは36(=)通りなので、単位パターンは、36種類存在する。このうち、4種類の単位パターンは、同期パターンとして使用される。同期パターンとは、画像の回転を検出したり、識別符号および位置符号の相対的な位置を特定したりするためのパターンである。特に、画像の回転を検出する必要があることから、4種類の同期パターンとしては、そのうちの1つの同期パターンを90度回転するとそのうちの別の同期パターンになるようなものが選ばれる。また、この4種類の単位パターンを除く32種類の単位パターンは、識別符号および位置符号を表現する情報パターンとして使用され、5ビットの情報が表現される。
ところで、図3(a)に示したドットは、あくまで情報表現のためのドットであり、画像を構成する最小の点を意味するドットとは必ずしも一致しない。本実施の形態において、情報表現のためのドット(図3(a)の最小の四角)は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、情報表現のためのドット(図3(a)の最小の四角)の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。情報表現のためのドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、情報表現のためのドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。ただし、上記の値84.6μmは、あくまで計算上の数値であり、実際に印刷されたトナー像では100μm程度になる。なお、本明細書で「ドット」というときは、特に明示しない限り、画像を構成する最小の点を意味するドットではなく、情報表現のためのドットを指すものとする。
次に、このような単位パターンから構成される符号ブロックについて説明する。図3(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。なお、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。すなわち、図3(b)の最小の四角(以下、「単位ブロック」という)に、図3(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図3(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロックにX位置符号が配置され、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロックにY位置符号が配置されている。さらに、これらの位置符号が配置された単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
ここで、識別情報の符号化について述べる。
識別情報を符号化する場合、識別情報を構成するビット列は、RS符号化を行うために複数のブロックに分割される。符号化には、いくつかの方法があるが、本実施の形態では、RS符号化が適している。RS符号は多値の符号法であり、この場合、単位ブロックで表現される値がRS符号の多値に対応するからである。例えば、1つの単位ブロックで5ビットの情報を表現する場合、60ビットの識別情報は、ブロック長が5ビットの12個のブロックに分割される。そして、2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号を採用したとすると、符号長は16ブロックとなり、図3(b)の符号ブロックにおける識別符号が配置される単位ブロックに収まることになる。なお、符号化方式はRS符号に限定するものでなく、その他の符号化方式、例えば、BCH符号等を使用してもよい。
引き続いて、位置情報の符号化について述べる。
位置情報の符号化には、擬似乱数系列の一種であるM系列符号が使用される。ここで、M系列とは、ある長さのシフトレジスタとフィードバックによって生成される符号系列とのうち、その周期が最長になる系列をいう。Kをシフトレジスタの段数とすると、M系列の系列長は2−1となる。このM系列から取り出した任意の連続したKビットは、同じM系列中の他の位置に現れない性質を持つ。そこで、この性質を利用して位置情報を符号化する。
ところで、本実施の形態では、符号化すべき位置情報の長さから、必要なM系列の次数を求め、M系列を生成している。しかしながら、符号化する位置情報の長さが予め分かっている場合は、M系列を毎回生成する必要はない。すなわち、固定のM系列を予め生成しておき、それをメモリ等に格納しておけばよい。
例えば、系列長8191のM系列(K=13)を使用したとする。この場合、位置符号も5ビット単位で埋め込むため、系列長8191のM系列から5ビットずつ取り出してブロック化する。
なお、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いている。しかしながら、広範な位置情報を用意しておき、媒体ごとに異なる範囲から位置情報を切り出して埋め込み、位置情報の違いによって媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法においては、媒体を識別する機能が位置情報に備わっているものと見て、位置情報を識別情報としても考えるものとする。
次に、識別情報サーバ30の構成について説明する。
図4は、識別情報サーバ30の機能構成の一例を示したブロック図である。図4に示したように、識別情報サーバ30は、受信部31と、識別情報管理部32と、識別情報記憶部33と、表示情報生成部34と、送信部39とを備える。
受信部31は、文書サーバ20から識別情報の発行要求を受信する。また、受信部31は、印刷文書に対する筆記が行われた際には、媒体の識別情報と筆跡情報とを端末装置50から受信する。ここで、本実施の形態では、端末装置50から媒体の識別情報と筆跡情報とを受信し、さらに筆跡情報の表示が指示された際に、文書サーバ20から媒体の識別情報と筆跡情報とを受信する受信手段の一例として、受信部31を設けている。
識別情報管理部32は、識別情報の発行要求があると、識別情報を重複することなく発行し、その際に指定された文書IDおよび印刷設定を識別情報に関連付けて記憶する。また、識別情報の指定を受けて、その識別情報に対応する文書IDおよび印刷設定を取り出す。
識別情報記憶部33は、識別情報を、その使用/未使用の状態、それが付与された媒体に印刷された電子文書の文書ID、それが付与された媒体に電子文書が印刷された際の印刷設定を関連付けて記憶するデータベースである。
表示情報生成部34は、筆跡情報の表示が指示された際に、文書サーバ20から取得した情報に基づいて、筆跡情報を表示するための表示情報を生成する。この表示情報としては、例えば、端末装置50で表示するイメージを生成する元となるデータを生成する。
送信部39は、文書サーバ20からの要求に応じて発行した識別情報を文書サーバ20に送信する。また、印刷文書に対する筆記が行われた際には、媒体の識別情報と筆跡情報とを文書サーバ20に送信する。さらに、筆跡情報の表示が指示された際には、端末装置50に対して表示情報を送信する。ここで、本実施の形態では、媒体の識別情報と筆跡情報とを送信する送信手段の一例として、送信部39を設けている。
次に、デジタルペン60について説明する。
図5は、デジタルペン60の構成を説明する図である。図5に示したように、デジタルペン60は、本体筐体68内部に、媒体に筆記を行うペンチップ64、ペン全体の動作を制御する制御部61、媒体上に赤外光を照射する赤外LED62、媒体からの反射光を検知することによって符号画像を読み取る符号画像読取手段の一例としての赤外CMOS63、識別情報や筆跡情報や位置情報を記憶する情報メモリ65、外部装置と通信する送信手段の一例としての通信部66を備えている。さらには、デジタルペン60の各部を駆動するための電力を供給する充電可能なバッテリ67を備えている。
また、デジタルペン60は、ユーザが行う各種操作に対応した信号を出力する信号出力手段の一例として、デジタルペン60にペンチップ64を保護するためのキャップ69が装着されているか否かを検知するキャップスイッチSW1、デジタルペン60による筆記操作等をペンチップ64に加わる圧力(筆圧)によって検知する筆圧検知スイッチSW2、ユーザ操作によるオン/オフの入力を受け付けるユーザスイッチSW3を備えている。キャップスイッチSW1およびユーザスイッチSW3は本体筐体68の側面部にそれぞれ設けられ、筆圧検知スイッチSW2は本体筐体68内部に設けられている。
そして、赤外LED62、赤外CMOS63、情報メモリ65、通信部66、さらにはキャップスイッチSW1、筆圧検知スイッチSW2、ユーザスイッチSW3は、制御部61に接続されている。
赤外LED62は、700〜1000μmの波長の赤外光を出射する1または複数のLED(Light Emitting Diode)で構成されている。そして、後述する制御部61内の照明駆動部614から送信される駆動信号に基づいてパルス点灯する。
赤外CMOS63は、赤外領域に感度があるCMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であって、撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッタ方式を用いている。そして、赤外CMOS63は、50fps〜100fps(frame per second)程度の周期(フレームレート)で送信される画像取込信号に同期して、媒体に印刷された符号画像をフレーム単位で撮像する。
なお、「フレーム」とは、赤外CMOS63がフレームレート毎に1回で撮像する媒体上の領域(撮像領域)である。そして、1フレームから符号画像に関する所定のデータ長からなるデータ群が生成される。また、画像取込信号は、後述する制御部61内の画像取込信号生成部615にて生成され、赤外CMOS63に送信される。
通信部66は、端末装置50と通信を行い、識別情報と、筆跡情報または位置情報とを端末装置50に送信する。また、端末装置50から画像取込タイミング信号を受信し、制御部61内の出力部613から端末装置50に送られる識別情報と、筆跡情報または位置情報との送信タイミングを制御する。
次に、デジタルペン60に設けられた制御部61について説明する。
図6は、制御部61の機能構成の一例を示したブロック図である。図6に示したように、制御部61は、赤外CMOS63にて読み取った符号画像を処理する画像処理部611、画像処理部611での処理結果から識別情報および位置情報を取得し、さらには筆跡情報を生成するデータ処理部612、データ処理部612にて取得・生成された識別情報と筆跡情報または位置情報とを情報メモリ65または通信部66に出力する出力部613、赤外LED62を駆動する照明駆動部614、赤外CMOS63に送信する所定周期の画像取込信号を生成する画像取込信号生成部615、各部の動作を制御する動作制御部616、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ617を備えている。
ここで、画像処理部611およびデータ処理部612は、媒体に印刷された符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段として機能する。
画像処理部611には、画像取得部611aと、ドット配列生成部611bと、ドット間隔検出部611cとが備えられる。
画像取得部611aは、赤外CMOS63により印刷文書から読み取られた符号画像をフレーム単位で取得する。また、必要に応じて、符号画像に含まれるノイズを除去する。
ドット配列生成部611bは、符号画像におけるドットの位置を参照して、1フレーム毎のドット配列を生成する。すなわち、2次元の配列上で、例えば、ドットがある位置に「1」を、ドットがない位置に「0」を記憶することにより、画像として検出したドットをデジタルデータに置き換える。そして、この2次元の配列をドット配列としてフレーム毎に出力する。
ドット間隔検出部611cは、ドット間隔検出手段の一例であって、ドット配列生成部611bにて生成されたドット配列におけるドットとドットの間の間隔(ドット間隔)をフレーム毎に検出する。すなわち、ドット間隔検出部611cは、赤外CMOS63にて媒体から読み取られた符号画像でのドット間隔、具体的にはCMOSセンサにて撮像された符号画像上でのドット相互の間隔をドット間隔として検出する。
データ処理部612には、符号配列生成部612aと、識別情報取得部612bと、位置情報取得部612cと、筆跡情報生成部612dと、出力判定部612eとが備えられる。
符号配列生成部612aは、ドット配列上で、符号ブロック内の単位パターンに対応するブロックを検出する。具体的には、単位パターンが配置されるブロックと同じ形状および大きさの枠をドット配列上で動かし、枠内のドット数が均等になる位置で枠を固定する。例えば、図3(a)の単位パターンを用いる場合であれば、3ドット×3ドットに対応する大きさの枠を動かし、枠内に含まれるドット数が2となる位置で枠を固定する。そして、その枠で区切られた各ブロック内のドット位置から定まる符号値を格納した符号配列をフレーム毎に生成する。また、この符号配列が生成されると、予め定められた同期符号の符号値を検索することによって、同期符号の位置が特定される。
識別情報取得部612bは、符号配列から同期符号の位置を基準にして識別符号を検出する。そして、画像生成時にRS符号化処理で用いたパラメータを用いて識別符号を復号し、識別情報をフレーム毎に取得する。
位置情報取得部612cは、符号配列から同期符号の位置を基準にして位置符号を検出する。そして、位置符号からM系列の部分系列を取り出し、画像生成時に使用したM系列におけるこの部分系列の位置を参照し、この位置を同期符号によるオフセットで補正した値を位置情報としてフレーム毎に取得する。なお、オフセットで補正するのは、位置符号の間に同期符号が配置されているためである。
筆跡情報生成部612dは、筆跡情報生成手段の一例であって、位置情報取得部612cが取得した位置情報を連結した筆跡情報をフレーム毎に生成する。ここでの筆跡情報とは、ペンチップ64による筆記(手書き)が行われた際のペンチップ64先端の軌跡を連結して電子化したデータである。
出力判定部612eは、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔に基づいて次のような判定を行う。すなわち、出力判定部612eは、後段の「筆記モード」が設定された場合には、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報を出力部613から通信部66に出力するか否か、または出力部613から情報メモリ65に出力するか否かをフレーム単位で判定する。また、後段の「参照モード」が設定された場合には、位置情報取得部612cにて取得された位置情報を出力部613から通信部66に出力するか否か、または出力部613から情報メモリ65に出力するか否かをフレーム単位で判定する。
ところで、デジタルペン60には、異なる複数の動作モードを使い分けて使用できる機能が設定されている。例えば、本実施の形態のデジタルペン60では、ペンチップ64により媒体上に描かれた筆記画像を筆跡情報として端末装置50に送信する動作モードである「筆記モード」と、媒体から得られた識別情報および位置情報の一方または双方を特定の情報にリンクするための参照情報として用いる動作モードである「参照モード」とが設定される。「参照モード」での動作例としては、端末装置50に対して例えば所定のウェブブラウザプログラムを開いて特定情報が保存・記述されたウェブアドレス等にリンクさせるコマンドを生成させるための参照情報として、位置情報取得部612cにて取得した位置情報および識別情報取得部612bにて取得された識別情報を用いる。なお、「参照モード」において、位置情報および識別情報のいずれか一方だけを用いるように構成してもよい。
デジタルペン60における「筆記モード」や「参照モード」等の動作モードは、ユーザの操作に対応した信号(オン/オフ信号)を出力するキャップスイッチSW1、筆圧検知スイッチSW2およびユーザスイッチSW3のオン/オフ状態に基づき、動作制御部616が設定する。そして、動作制御部616は、データ処理部612に対して、「筆記モード」または「参照モード」の設定を指示する制御信号を送る。その際に、「筆記モード」や「参照モード」の開始は筆圧検知スイッチSW2のオン信号により、また「筆記モード」や「参照モード」の終了は筆圧検知スイッチSW2のオフ信号によりそれぞれ設定される。
そして、筆跡情報生成部612dは、動作制御部616からの「筆記モード」の設定を指示する制御信号により動作する。それにより、「筆記モード」では、識別情報取得部612bにて取得された識別情報と、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報とが出力部613に送られる。
それに対して、動作制御部616からの制御信号にて「参照モード」が設定されている場合には、筆跡情報生成部612dは機能を停止する。それにより、「参照モード」では、識別情報取得部612bにて取得された識別情報と、位置情報取得部612cが取得した位置情報とが出力部613に出力される。
なお、「筆記モード」および「参照モード」の双方において筆跡情報生成部612dを動作させ、位置情報から筆跡情報を生成してもよい。その際には、「筆記モード」が設定されている場合には筆跡情報はペンチップ64先端の軌跡を連結した筆跡情報としてそのまま使用される。また、「参照モード」が設定されている場合には筆跡情報は参照情報として使用される。
また、データ処理部612において、動作制御部616にて設定された「筆記モード」および「参照モード」に対応させて、データ処理部612にて生成する識別情報、位置情報、および筆跡情報の一または複数に、「筆記モード」または「参照モード」にて生成されたことを示す「動作モード情報」を付加してもよい。それにより、動作モード情報が付加された識別情報や位置情報や筆跡情報を取得した端末装置50では、動作モード情報に基づき、媒体上の本来筆記できない領域での筆記や、参照情報となる位置情報が印刷されていない領域での符号画像の読み取り等といった不都合動作が行われたことが認識される。そして、端末装置50からデジタルペン60に対して、送信された識別情報や位置情報や筆跡情報は不都合動作に基づくものであり、筆記情報または参照情報として使用できないことを通知する。
さらに、データ処理部612において、識別情報取得部612bにて識別情報を取得する際に発生したエラー情報、位置情報取得部612cにて位置情報を取得する際に発生したエラー情報、筆跡情報生成部612dにて筆跡情報を生成する際に発生したエラー情報を識別情報や位置情報や筆跡情報に付加してもよい。それにより、エラー情報が付加された識別情報や位置情報や筆跡情報を取得した端末装置50では、これらの情報の取得処理時や生成処理時にエラーが発生したことが認識される。そして、端末装置50は、ユーザに対して、エラー通知や、個々のエラーに対する対応策を指示する。
続いて、出力部613は、出力手段の一例であって、上記した出力判定部612eでの判定結果に応じて、識別情報と、筆跡情報または位置情報とをフレーム単位で情報メモリ65または通信部66に出力する。すなわち、通信部66と端末装置50との間の通信が確立されている場合には、出力部613は、出力判定部612eでの判定結果に応じて、識別情報と筆跡情報または位置情報とを通信部66に出力する。一方、通信部66と端末装置50との間の通信が確立されていない場合には、出力部613は、出力判定部612eでの判定結果に応じて、識別情報と筆跡情報または位置情報とを情報メモリ65に出力する。情報メモリ65では、取得した識別情報と、筆跡情報または位置情報とを記憶する。
また出力部613は、通信部66と端末装置50との間の通信が確立された際に、情報メモリ65から識別情報および筆跡情報を読み出し、通信部66に出力する。
なお、出力部613は、識別情報と、筆跡情報または位置情報とのいずれか一方を情報メモリ65または通信部66に出力するように構成してもよい。
画像取込信号生成部615は、例えば50fps〜100fpsの周期(フレームレート)の画像取込信号を生成して、赤外CMOS63に送信する。赤外CMOS63では、送信される画像取込信号により設定されるフレームレートで、媒体に印刷された符号画像をフレーム毎に順次撮像する。さらに、画像取込信号生成部615は、生成した画像取込信号を照明駆動部614に送信する。
照明駆動部614は、赤外LED62を駆動するための駆動信号を生成し、赤外LED62をパルス点灯させる。その際には、赤外CMOS63でのフレームレートに対応させるため、画像取込信号生成部615にて生成される画像取込信号に同期させて駆動信号を出力する。それにより、赤外LED62における消費電力の低減を図っている。
ところで、照明駆動部614において、画像処理部611のドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔データを取得し、ドット間隔データに応じて赤外LED62をパルス点灯させる際の光量を調整するように構成してもよい。デジタルペン60では、デジタルペン60における媒体との傾き角によって赤外CMOS63と撮像領域(フレーム)との距離が変動する。例えば、ユーザがデジタルペン60を比較的立たせた状態で筆記する場合には、赤外CMOS63と撮像領域との距離は比較的遠くなり、比較的寝かせた状態で筆記する場合には距離は比較的近くなる。一方、赤外CMOS63では、媒体上の撮像領域との距離が遠くなるのに伴って、赤外CMOS63にて撮像される撮像領域は広くなる。そのために、赤外CMOS63にて読み取られる符号画像の数は増加し、各符号画像内でのドットとドットの間の間隔(ドット間隔)は小さく検出される。そこで、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔が小さく検出された場合には、赤外CMOS63から媒体上の撮像領域への距離が遠くなったと判断し、照明駆動部614は赤外LED62の光量を増加させる。それによって、赤外LED62が受光する媒体からの反射光の光量不足が抑制される。
デジタルペン60では、まず、照明駆動部614にて駆動される赤外LED62が媒体に対して赤外光を照射すると、画像取込信号生成部615からの画像取込信号に同期して赤外CMOS63がその反射光を受光し、媒体に印刷された符号画像をフレーム毎に読み取る。そして、赤外CMOS63にて読み取られた符号画像は、制御部61内の画像処理部611に送られる。
画像処理部611では、画像取得部611aがこの読み取った符号画像を取得する。その際に、符号画像にノイズが含まれていれば、これを除去する。引き続いて、ドット配列生成部611bが、符号画像に含まれるドット位置をデジタルデータ化し、ドット配列を生成する。そして、生成されたドット配列はデータ処理部612とドット間隔検出部611cとに送られる。
ドット間隔検出部611cでは、ドット配列生成部611bにて生成されたドット配列から、赤外CMOS63にて読み取られた符号画像のドットとドットの間の間隔(ドット間隔)をフレーム毎に検出する。そして、検出されたフレーム毎のドット間隔は、ドット間隔データとしてデータ処理部612に送られる。その際に、ドット間隔データには、各フレームを識別する識別情報(フレームID)が割り振られてデータ処理部612に送られる。
次のデータ処理部612では、符号配列生成部612aが、ドット配列生成部611bにて生成されたドット配列からブロックを検出し、ブロックごとの符号値を格納した符号配列を生成する。そして、符号配列において、同期符号の位置を特定する。その後、識別情報取得部612bが、同期符号の位置に基づいて識別符号を検出し、これを復号して識別情報を取得する。識別情報取得部612bにて取得された識別情報は、出力部613に送られる。
また、位置情報取得部612cが、同期符号の位置に基づいて位置符号を検出し、これを復号して位置情報を取得する。そして、「筆記モード」が設定されている場合には、位置情報取得部612cにて取得された位置情報は、筆跡情報生成部612dに送られ、筆跡情報生成部612dが、位置情報を連結して筆跡情報をフレーム毎に生成する。筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報は、出力部613に送られる。一方、「参照モード」が設定されている場合には、位置情報取得部612cにて取得された位置情報は、そのまま出力部613に送られる。ここで、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報には当該筆跡情報が生成されたフレームを識別するフレームID、および位置情報取得部612cにて取得された位置情報には当該位置情報が取得されたフレームを識別するフレームIDが、ドット間隔検出部611cにて各フレームに割り振られたフレームIDと対応付けられてそれぞれ付加される。
一方、データ処理部612では、出力判定部612eが、ドット間隔検出部611cからのドット間隔データを取得する。そして、出力判定部612eは、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔に基づき、「筆記モード」が設定された場合には、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報を出力部613から通信部66に出力するか否か、または出力部613から情報メモリ65に出力するか否かをフレーム単位で判定する。また、「参照モード」が設定された場合には、位置情報取得部612cにて取得された位置情報を出力部613から通信部66に出力するか否か、または出力部613から情報メモリ65に出力するか否かをフレーム単位で判定する。
そして、出力部613は、通信部66と端末装置50との間の通信が確立されている場合には、出力部613は識別情報と、出力判定部612eにて出力部613から通信部66に出力すると判定された筆跡情報または位置情報とを通信部66に出力する。一方、通信部66と端末装置50との間の通信が確立されていない場合には、出力部613は識別情報と、出力判定部612eにて出力部613から情報メモリ65に出力すると判定された筆跡情報または位置情報とを情報メモリ65に出力する。情報メモリ65は、出力部613から送られた識別情報と、筆跡情報または位置情報とを記憶することにより、通信が不調でも、識別情報、および筆跡情報または位置情報が失われない。
続いて、データ処理部612の出力判定部612eにて行う判定処理について説明する。
上記したように、赤外CMOS63は、画像取込信号生成部615からの画像取込信号によって設定された所定のフレームレートで、媒体に印刷された符号画像をフレーム毎に順次撮像する。そして、1フレームレート毎に撮像された1フレーム毎の符号画像を撮像順に制御部61に送る。すなわち、赤外CMOS63から、1フレーム毎の符号画像が所定のデータ長からなるデータ群として制御部61に送られる。制御部61では、画像処理部611およびデータ処理部612において、1フレーム毎の符号画像から識別情報および位置情報を取得する。したがって、画像処理部611およびデータ処理部612では、所定のデータ長からなるデータ群であるフレーム単位の識別情報および位置情報が取得される。
そして、データ処理部612は、生成された識別情報および筆跡情報等をフレーム単位で出力部613に送り、識別情報および筆跡情報等は、出力部613から通信部66を介して端末装置50に送信される。
ところで、例えば「筆記モード」や「参照モード」の開始および終了は、デジタルペン60による筆記操作をペンチップ64に加わる圧力(筆圧)によって検知する筆圧検知スイッチSW2のオン/オフ状態により設定される。その際に、筆圧検知スイッチSW2はメカ的な機構部で構成されるために同時での反応は難しく、ユーザによる筆記操作の開始から筆圧検知スイッチSW2がオン状態に設定されるまでに僅かながらの時間(タイムラグ)が生じる。同様に、ユーザによる筆記操作の終了から筆圧検知スイッチSW2がオフ状態に設定されるまでに僅かながらのタイムラグが生じる。
筆記操作の開始時に関しては、筆記操作の開始前に筆跡情報や位置情報は生成されないため、筆記の開始位置に若干のずれ(遅れ)が生じはするが、誤った位置情報が取得されたり、誤った筆跡情報が生成されるといったことはない。また、例えばユーザにペンチップ64を媒体に強く押し付けてもらうこと等の対処により筆記の開始位置のずれは低減される。
ところが、筆記操作の終了時に関しては、筆記操作の終了直前まで筆跡情報や位置情報を生成・取得中の状態にある。そのため、筆記操作の終了時におけるタイムラグにより、誤った位置情報が取得され、誤った筆跡情報が付加的に生成される場合がある。すなわち、筆記操作の終了時には、ユーザは通常ペンチップ64を媒体から引き上げる動作を行うが、その際に、ユーザによる筆記操作の終了から筆圧検知スイッチSW2がオフ状態に設定されるまでの時間(タイムラグ)の間に、位置情報が取得され、筆跡情報が生成される場合がある。
図7は、筆記操作の終了時に生じる上記のタイムラグにより、誤った位置情報や筆跡情報が付加的に生成される場合を説明する図である。図7では、筆跡が筆記開始点P(1)から筆記位置P(2),P(3),…を通って順に形成され、筆記終了点P(m)でユーザの筆記操作が終了したものとする。また、各筆記位置P(1)〜P(m)を算出するための符号画像が赤外CMOS63により撮像される領域(フレーム)をF(1)〜F(m)としている。
図7において、筆記終了点P(m)にて筆記操作が終了されるが、筆記操作の終了時における筆圧検知スイッチSW2に起因するタイムラグにより、デジタルペン60は、ペンチップ64を媒体から引き上げる動作中に、フレームF(m)に対してペンチップ64が向く方向側の例えばフレームF(m+1) およびF(m+2)を撮像してしまう。すなわち、ペンチップ64の引き上げ動作の軌跡上の点P´(m+1)および点P´(m+2)に対応するフレームF(m+1) およびF(m+2)が撮像される。筆記終了点P(m)および点P´(m+1)との距離、点P´(m+1)と点P´(m+2)との距離は赤外CMOS63でのフレームレートに基づくものである。
そして、フレームF(m+1) およびF(m+2)から取得される符号画像により、不要な位置情報が取得され、不要な筆跡情報が生成される。その結果、例えば「筆記モード」が設定されている場合には、媒体上の点P″(m+1)およびP″(m+2)を通る筆跡情報が生成される。そのため、本来はP(m)が筆記終了点であるはずが、P(m)から点P″(m+1)およびP″(m+2)を通る筆跡が描かれたという誤った筆跡情報が生成される。
そこで、出力判定部612eでは、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔に基づき、例えば図7のフレームF(m+1)およびF(m+2)のような誤った筆跡情報を生成するフレーム(以下、「誤りフレーム」とも称する)を検出し、検出された誤りフレームを出力部613から通信部66および情報メモリ65に出力しないフレームと判定する。
すなわち、図7に示したように、ペンチップ64を媒体から引き上げる動作中では、赤外CMOS63にて撮像されるフレーム(撮像領域)はペンチップ64が媒体と接触している状態にある場合の領域よりも広い領域となる。そのために、赤外CMOS63にて読み取られる符号画像の数は増加し、赤外CMOS63にて読み取られた状態での各符号画像内でのドットとドットの間の間隔(ドット間隔)は、ペンチップ64が媒体と接触している状態よりも小さくなる。それにより、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔が小さくなった場合には、ペンチップ64を媒体から引き上げる動作中に符号画像が読み取られたと判断できる。
それによって、出力判定部612eは、ドット間隔検出部611cにて検出されたドット間隔データから、ユーザの媒体に対する筆記操作の実際の終了時点を検出する。そして、符号画像内でのドット間隔が小さくなったフレームを、ユーザの筆記操作の終了後に誤って筆跡情報や位置情報を生成する誤りフレームと判定する。そして、誤りフレームと判定されたドット間隔データに付加されたフレームIDを出力部613に送る。したがって、ここでの出力判定部612eは、ユーザによる媒体に対する筆記操作の終了を検出する筆記操作終了検出手段として、また、通信部66から送信しない筆跡情報を抽出する情報抽出手段の一部として、さらには、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報の中から破棄する筆跡情報を抽出する情報抽出手段の一部として機能する。
誤りフレームのフレームIDを取得した出力部613は、データ処理部612から送られた筆跡情報や位置情報の中から、誤りフレームのフレームIDが付加された筆跡情報や位置情報をフレーム単位で調べて誤りフレームを抽出する。そして、これを破棄する。それにより、誤りフレームは出力部613から通信部66に送られることが抑制され、通信部66から端末装置50、さらには識別情報サーバ30や文書サーバ20に送信されるのを抑える。したがって、ここでの出力部613は、筆跡情報生成部612dにて生成された筆跡情報の中から破棄する筆跡情報を抽出する情報抽出手段の一部として、また、通信部66から送信しない筆跡情報を抽出する情報抽出手段の一部として機能する。
ここで図8は、データ処理部612で取得された位置情報とドット間隔との関係を説明する図である。図8(a)は、データ処理部612にて取得された位置情報を位置情報から得られた媒体上の座標値(x座標,y座標)として表したものである。(b)は、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔をデータ処理部612で取得された位置情報に対応させて示したものである。(c)は、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔をユーザが筆記を行う際の特性(筆記操作の特性、書き癖)を加味して補正したものである。例えば、ユーザが筆記を行う際には、一般に、媒体とのペンの傾き角がユーザ個々でそれぞれ異なる。また、同一のユーザでも、筆記方向によってペンの傾き角が異なることもある。その場合に、デジタルペン60の傾き角によって赤外CMOS63と撮像領域(フレーム)との距離が変動する。例えば、デジタルペン60を比較的立たせた状態で筆記する場合には、赤外CMOS63と撮像領域との距離は比較的遠くなり、比較的寝かせた状態で筆記する場合には距離は比較的近くなる。そこで、このような書き癖をユーザ個々に学習しておき、出力判定部612e内に備えられた記憶部に例えばルックアップテーブルとして記憶しておく。例えば、ユーザの筆記操作時に検出されたドット間隔データと、x座標方向およびy座標方向に関する位置情報の変化率に基づき算出された筆記方向とを対応付けて記憶する。そして、求めた筆記方向に対応させたドット間隔データをユーザ個々の書き癖としてルックアップテーブルに記憶しておく。そして、このようなルックアップテーブルに記憶されたユーザ個々の書き癖に応じてフレーム毎のドット間隔を補正したものが図8(c)に示した補正ドット間隔である。
まず、図8(a)に示したように、筆記操作の終了時における筆圧検知スイッチSW2に起因する上記したタイムラグにより、誤りフレームにて位置情報が取得される。そのため、位置情報から得られた媒体上の座標値(x座標,y座標)には、筆記終了領域Tにおいて、筆跡の比較的急激な変化が生じる。
そして図8(b)に示したように、筆跡の比較的急激な変化が生じた筆記終了領域Tでは、上記した理由により、ドット間隔検出部611cにてフレーム毎のドット間隔の低下が検出される。そこで、出力判定部612eにおいて、このドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔が所定値よりも小さいフレームを抽出して、誤りフレームと判定する。また、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔の例えば変化率を算出して、算出された変化率の大きなフレーム以後のフレームを誤りフレームと判定してもよい。
さらに図8(c)に示したように、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔を出力判定部612eにてユーザの書き癖を加味した補正値(補正ドット間隔)を算出し、得られた補正ドット間隔を用いて誤りフレームを判定してもよい。すなわち、出力判定部612eにおいて、ドット間隔検出部611cにて算出されたフレーム毎の補正ドット間隔が所定値よりも小さいフレームを抽出して、誤りフレームと判定する。また、ドット間隔検出部611cにて算出されたフレーム毎の補正ドット間隔の例えば変化率を算出して、算出された変化率の大きなフレーム以後のフレームを誤りフレームと判定してもよい。
このように、出力判定部612eでは、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔に基づき、ユーザによる筆記操作の終了から筆圧検知スイッチSW2がオフ状態に設定されるまでのタイムラグにより発生する、誤った筆跡情報や位置情報を生成する誤りフレームを判別する。そして、出力部613は誤りフレームの筆跡情報や位置情報を通信部66に出力しない。そのため、誤りフレームは出力部613から通信部66を介して端末装置50に送信されるのを抑える。それにより、筆跡情報や位置情報におけるエラー情報が端末装置50から識別情報サーバ30や文書サーバ20に送信されるのが抑制される。
次に、図9は、データ処理部612の出力判定部612eにて行う判定処理の手順の一例を示したフローチャートである。図9に示したように、出力判定部612eは、ドット間隔検出部611cからフレーム毎のドット間隔データを取得する(ステップ11)。そして、取得したドット間隔データからユーザが筆記を行う際の書き癖を加味した補正ドット間隔データを算出する(ステップ12)。すなわち、例えば、ユーザの筆記操作時に検出されたドット間隔データと、x座標方向およびy座標方向に関する位置情報の変化率に基づき算出された筆記方向とを対応付けたルックアップテーブと、ユーザの実際の筆記操作時のx座標方向およびy座標方向に関する位置情報の変化率とを用いて、フレーム毎のドット間隔を補正する。
次に、出力判定部612eは、算出された補正ドット間隔データから、フレーム毎に補正ドット間隔が所定値を下回るか否かを調べる(ステップ13)。そして、フレームの補正ドット間隔が所定値を下回る場合には、そのフレームは誤った筆跡情報や位置情報を生成した誤りフレームであると判定する(ステップ14)。そして、誤りフレームのフレームIDを出力部613に送る(ステップ15)。
一方、ステップ13にて補正ドット間隔が所定値以上である場合には、出力判定部612eは、正常な筆跡情報や位置情報を生成した正常フレームであると判定する(ステップ16)。
そして、ステップ16にて出力判定部612eから送られたフレームIDを取得した出力部613は、データ処理部612から送られた筆跡情報や位置情報の中から、出力判定部612eから送られたフレームIDが付加されたフレームを抽出する。そして、出力部613は抽出した誤りフレームを破棄し、通信部66に出力しない。
なお、本実施の形態の出力判定部612eでは、フレーム毎のドット間隔または補正ドット間隔が所定値よりも小さいフレームや、変化率の大きなフレームを誤りフレームと判定する方法について述べた。その他の方法として、フレーム毎のドット間隔または補正ドット間隔に基づきユーザの筆記操作の終了を判定し、終了が判定された場合に、出力部613に最後に送られたフレーム以前に送られた予め定めた所定数のフレーム(予め定めたデータ量)を一律に破棄するように設定する方法を用いることもできる。さらに、その場合に、一律に破棄するフレーム数を位置情報から得られた媒体上の座標値(x座標,y座標)の変化に応じて設定してもよい。
次に、図10は、デジタルペン60の制御部61のハードウェア構成を示した図である。
図10に示したように、制御部61は、機能モジュールとして、デジタルペン60の動作制御を行うに際して予め定められた動作制御プログラム(ファームウェア)に従ってデジタル演算処理を実行するCPU101、CPU101により実行される処理プログラム等が格納されるRAM102、CPU101により実行される処理プログラム等にて用いられる設定値等のデータが格納されるROM103、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できるEEROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ104、制御部61に接続される各部との信号の入出力を制御するインターフェース部105を備えている。
また、外部記憶装置106には、制御部61により実行される動作制御プログラムが格納されており、制御部61がこの動作制御プログラムを読み込むことによって、デジタルペン60に関する動作制御が実行される。
すなわち、上記した画像処理部611、データ処理部612、出力部613、動作制御部616の各機能を実現する動作制御プログラムを外部記憶装置106から制御部61内のRAM102に読み込む。そして、RAM102に読み込まれた動作制御プログラムに基づいて、CPU101が各種処理を行う。この動作制御プログラムは、デジタルペン60と通信する例えば端末装置50に備えられたハードディスクやDVD−ROM等がデジタルペン60の外部記憶装置106として機能して、端末装置50から通信回線を介してRAM102にロードされて提供される。また、その他の提供形態として、予めROM103にインストールされた状態にて提供される形態がある。さらに、デジタルペン60がアッセンブリされた後に、動作制御プログラムが不揮発性メモリ104にインストールされ、不揮発性メモリ104からRAM102にロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介してデジタルペン60にプログラムが伝送され、RAM102にインストールされる形態がある。
次に、本実施の形態の筆跡情報管理システムにて電子文書に関して行われる各種処理について説明しておく。
[印刷文書の生成処理]
図11は、筆跡情報管理システムにて印刷文書が生成される際の動作の一例を示したシーケンス図である。
まず、ユーザは端末装置10から電子文書の印刷指示を文書サーバ20に送信する(ステップ101)。その際には、端末装置10は、印刷対象となる電子文書と、電子文書の識別情報(文書ID)と、ユーザが指定した印刷設定とを送信する。ここで、印刷設定は、印刷の対象とするページ、印刷部数、媒体である用紙のサイズ、拡大縮小率、Nアップ (電子文書のNページを媒体の1ページに割り付ける印刷)、余白領域の大きさ等の設定を含む。
文書サーバ20は、端末装置10から電子文書の印刷指示を受信する(ステップ201)。印刷指示に含まれる印刷対象となる電子文書は、電子文書管理部23に送られ、電子文書管理部23が、電子文書を文書IDと関連付けて文書/筆跡情報記憶部25に登録する(ステップ202)。
また、文書サーバ20は、印刷を指示された電子文書の文書IDと印刷設定とを識別情報サーバ30に送信する(ステップ203)。ここで、文書IDとしては、例えば、URL(Uniform Resource Locator)を用いるとよいが、電子文書を一意に特定することができるものであれば他の情報を用いてもよい。
それにより、識別情報サーバ30は、文書IDと印刷設定とを受信する(ステップ301)。そして、媒体識別情報を管理する識別情報管理部32が識別情報記憶部33から未使用の媒体識別情報を取得する(ステップ302)。ここで、取り出す媒体識別情報の数は、印刷設定に応じて決められる。つまり、基本的には、印刷するページ数に印刷部数を乗じて得られる数の媒体識別情報が取り出される。ただし、印刷設定情報の中に、Nアップ印刷の指定等がある場合は、それも考慮される。例えば、10ページの電子文書を2アップ印刷で5部印刷する場合は、25(=10÷2×5)個の媒体識別情報が取り出される。
次に、識別情報サーバ30は、識別情報と文書IDと印刷設定とを関連付けて識別情報記憶部33に登録する(ステップ303)。そして、識別情報サーバ30は、文書サーバ20に対し、識別情報を送信する(ステップ304)。
それにより、文書サーバ20は、識別情報を受信する(ステップ204)。そして、識別情報および位置情報を表す符号画像を生成する(ステップ205)。
すなわち、文書サーバ20では、受信部21が媒体識別情報を受信する。そして、受信部21は、受信した媒体識別情報を識別情報取得部22に受け渡す。すると、まず識別情報取得部22が、取得した媒体識別情報を識別符号生成部27aに渡し、識別符号生成部27aが、上記した方法を用いて媒体の識別情報を符号化し、識別符号を生成する。
また、位置符号生成部27bは、受信部21から印刷設定を受け取り、印刷設定に応じた範囲の位置情報を上記した方法を用いて符号化し、位置符号を生成する。
そして、符号配置部27cが、媒体識別符号と位置符号とを所定のレイアウトに従って配置し、これを符号画像生成部27eが、パターン画像記憶部27dに記憶されたパターン画像を用いて画像化することで符号画像を生成する。
その後、文書サーバ20では、文書画像生成部26が、電子文書の文書画像を生成する(ステップ206)。その際に、文書画像生成部26は、ステップ201で識別情報取得部22が取得した文書IDを受け取り、文書IDに基づいて印刷対象となる電子文書を文書/筆跡情報記憶部25から読み出す。また、ステップ201で識別情報取得部22が取得した印刷設定を受け取り、これに基づいて文書画像を生成する。
そして、画像合成部28は、ステップ205で生成された符号画像と、ステップ206で生成された文書画像とを合成し、合成画像を生成する(ステップ207)。
その後、合成画像は送信部29に渡され、送信部29が、合成画像の印刷命令を画像形成装置40に送信する(ステップ208)。ここで、合成画像の印刷命令は、例えば、文書画像の印刷命令の列からなるPDL(Page Description Language)ファイルに対し、符号画像として印刷する内容をPDLコマンドとして設定したPDLの形式で送信される。
画像形成装置40は、文書サーバ20から合成画像(電子文書の文書画像および符号画像)を受信する(ステップ401)。そして、画像形成装置40は、文書画像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン) により画像に展開する(ステップ402)。次に、文書画像はC、M、Yのトナーを用いて、符号画像はK(カーボンを含む黒)のトナーを用いて、それぞれ画像形成を行う(ステップ403)。
ところで、上述した例では、識別情報サーバ30は識別情報を発行するだけで、文書サーバ20が、識別情報を含む符号画像を生成し、画像形成装置40に画像形成を指示する構成とした。しかしながら、識別情報サーバ30が、符号画像を生成し、画像形成装置40に画像形成を指示する構成としてもよい。
また、符号画像を画像形成装置40で生成する構成を採用してもよい。その場合には、文書サーバ20または識別情報サーバ30が、電子文書から生成したPDLに識別情報を付加して画像形成装置40へ送信し、画像形成装置40が識別情報を含む符号画像を生成することになる。
また、上記の例では、識別情報と文書IDと印刷設定とが関連付けられて構成されたデータベース(識別情報記憶部33)を識別情報サーバ30に置く構成について説明した。これは、かかるデータベースを共有可能な装置(識別情報サーバ30)に置くことで、複数ユーザへの対応や、サーバのアクセス制御技術を利用した電子文書のセキュリティ確保が可能となるからである。しかしながら、必ずしもこのような構成を採用する必要はなく、端末装置10や文書サーバ20に上記のデータベースを置く構成を採用してもよい。
また、上記した画像形成装置40では、符号画像をK(カーボンを含む黒) のトナーを用いて形成するようにした。これは、Kのトナーが、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナーよりも赤外光の吸収量が多く、デジタルペン60での符号画像の読み取りが容易となるからである。しかしながら、符号画像は、特殊トナーを用いて形成することも可能である。
ここで、特殊トナーとしては、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が30%以上の不可視トナーが例示される。ここで、「可視」および「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。印刷文書における画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別している。また、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性が若干あるが人間の目で認識し難いものも、「不可視」に含める。
なお、ここでは、電子文書の画像に符号画像を合成して印刷することとしたが、白紙(ノートや付箋等)に符号画像を印刷する構成としてもよい。その場合は、ステップ201で受信する印刷要求に文書IDを含めないようにし、ステップ303で識別情報と文書IDおよび印刷設定との関連付けを行わないようにし、ステップ206における文書画像の生成は実行しないようにすればよい。
[筆跡情報の登録処理]
次に、デジタルペン60が筆跡情報を生成して文書サーバ20に登録する際の動作について説明する。
上記したように、デジタルペン60では、識別情報取得部612bが識別情報を取得する。また、位置情報取得部612cが位置情報を取得する。さらに、筆跡情報生成部612dが位置情報を相互に連結して筆跡情報を生成する。そして、通信部66が、識別情報および筆跡情報を端末装置50を介して識別情報サーバ30へ送信する。そして、識別情報サーバ30が筆跡情報を文書サーバ20に登録する。
図12は、筆跡情報を登録する際の識別情報サーバ30および文書サーバ20の動作の一例を示したシーケンス図である。
識別情報サーバ30では、まず、受信部31が、デジタルペン60からの識別情報および筆跡情報を受信する(ステップ311)。次に、識別情報および筆跡情報は識別情報管理部32に渡され、識別情報管理部32は、渡された識別情報に関連付けられた文書IDを識別情報記憶部33から取り出す。そして、ステップ311で受信した識別情報および筆跡情報の送信先となる文書サーバ20(文書IDで特定される電子文書が存在する文書サーバ20)を決定する(ステップ312)。なお、識別情報記憶部33において識別情報に文書IDが関連付けられていなければ、その識別情報は白紙(ノートや付箋)に割り当てられたものであると考えられる。その場合は、白紙に対する筆跡情報を管理する文書サーバ20を送信先として決定すればよい。
その後、識別情報および筆跡情報は送信部39に渡され、送信部39が、ステップ312で送信先として決定した文書サーバ20に対し、識別情報および筆跡情報を送信する(ステップ313)。
これにより、文書サーバ20では、受信部21が、識別情報および筆跡情報を受信する(ステップ211)。そして、受信部21は、受信した識別情報を筆跡情報管理部24に渡す。すると、筆跡情報管理部24は、識別情報と筆跡情報とを対応付けて文書/筆跡情報記憶部25に記憶する(ステップ212)。
以上説明したように、本実施の形態の筆跡情報管理システムに用いるデジタルペン60では、ドット間隔検出部611cにて検出されたフレーム毎のドット間隔に基づき、ユーザによる筆記操作の終了から筆圧検知スイッチSW2がオフ状態に設定されるまでのタイムラグにより発生する、誤った筆跡情報や位置情報を生成する誤りフレームを判別する。そして、出力部613は、データ処理部612から出力部613に送られた筆跡情報や位置情報の中から、誤りフレームを抽出する。さらに、選別した誤りフレームにおける筆跡情報や位置情報を破棄し、通信部66に出力しない。それにより、誤りフレームが出力部613から通信部66を介して端末装置50に送信されるのが抑えられ、筆跡情報や位置情報でのエラー情報が端末装置50から識別情報サーバ30や文書サーバ20に送信されるのが抑制される。
本実施の形態の筆跡情報管理システムの構成の一例を示した図である。 文書サーバの機能構成の一例を示したブロック図である。 符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。 識別情報サーバの機能構成の一例を示したブロック図である。 デジタルペンの構成の一例を示した図である。 制御部の機能構成の一例を示したブロック図である。 筆記操作の終了時に生じる上記のタイムラグにより、誤った位置情報や筆跡情報が付加的に生成される場合を説明する図である。 データ処理部で取得された位置情報とドット間隔との関係を説明する図である。 データ処理部の出力判定部にて行う判定処理の手順の一例を示したフローチャートである。 デジタルペンの制御部のハードウェア構成を示した図である。 筆跡情報管理システムにて印刷文書が生成される際の動作の一例を示したシーケンス図である。 筆跡情報を登録する際の識別情報サーバおよび文書サーバの動作の一例を示したシーケンス図である。
符号の説明
10…端末装置、20…文書サーバ、25…文書/筆跡情報記憶部、30…識別情報サーバ、40…画像形成装置、50…端末装置、60…デジタルペン、61…制御部、66…通信部、611…画像処理部、611c…ドット間隔検出部、612…データ処理部、612e…出力判定部、613…出力部、614…照明駆動部、616…動作制御部、SW2…筆圧検知スイッチ

Claims (15)

  1. 符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、
    前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、
    ユーザによる前記媒体に対する前記筆記操作の終了を検出する筆記操作終了検出手段と、
    前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了に対応させて前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から破棄する当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段と
    を備えたことを特徴とする筆跡情報生成装置。
  2. 前記符号画像読取手段は、ドットで構成された前記符号画像を読み取るとともに、当該符号画像読取手段にて読み取られた当該符号画像での当該ドット相互の間隔を検出するドット間隔検出手段をさらに備え、
    前記筆記操作終了検出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づいて前記筆記操作の終了を検出することを特徴とする請求項1記載の筆跡情報生成装置。
  3. 前記情報抽出手段は、前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了後に生成された前記筆跡情報を前記破棄する当該筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項1記載の筆跡情報生成装置。
  4. 前記情報抽出手段は、所定データ量の前記筆跡情報を前記破棄する当該筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項3記載の筆跡情報生成装置。
  5. ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、
    前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像での前記ドット相互の間隔を検出するドット間隔検出手段と、
    前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、
    前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報を外部装置に送信する送信手段と、
    前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づいて、前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から前記送信手段から送信しない当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段とを備え、
    前記送信手段は、前記情報抽出手段にて抽出された前記筆跡情報を前記外部装置に送信しないことを特徴とする筆跡情報生成装置。
  6. 前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて前記ドット相互の間隔が所定値よりも小さく検出された前記符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置。
  7. 前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて前記ドット相互の間隔の変化率を算出し、算出された当該ドット相互の間隔の変化率が所定値よりも大きく検出された前記符号画像以降に読み取られた当該符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置。
  8. 前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に対してユーザの筆記動作の特性を加味した補正を行い、当該補正された当該ドット相互の間隔を用いて前記送信しない筆跡情報を抽出することを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置。
  9. 前記情報抽出手段は、抽出する前記送信しない筆跡情報のデータ量が予め設定されていることを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置。
  10. 前記情報抽出手段は、前記ドット間隔検出手段にて検出された前記ドット相互の間隔に基づき、前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報の中から前記送信手段から送信しない当該所定の情報をさらに抽出し、前記送信手段は、前記情報抽出手段にて抽出された当該所定の情報を前記外部装置にさらに送信しないことを特徴とする請求項5記載の筆跡情報生成装置。
  11. コンピュータに、
    ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から読み取られた当該符号画像での当該ドット相互の間隔に関するデータを取得する機能と、
    読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する機能と、
    取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する機能と、
    生成された前記筆跡情報を外部装置に送信させる機能と、
    前記ドット相互の間隔に関するデータに基づいて、生成された前記筆跡情報の中から前記外部装置に送信しない当該筆跡情報を抽出する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
  12. 前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔が所定値よりも小さい前記符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
  13. 前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔の変化率を算出し、算出された当該ドット相互の間隔の変化率が所定値よりも大きい前記符号画像以降に読み取られた当該符号画像から生成された前記筆跡情報を前記送信しない筆跡情報として抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
  14. 前記抽出する機能は、前記ドット相互の間隔に関するデータに対してユーザの筆記動作の特性を加味した補正を行い、当該補正された当該ドット相互の間隔に関するデータを用いて前記送信しない筆跡情報を抽出することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
  15. 電子文書に基づく文書画像と符号画像とが印刷された媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成し、当該符号画像から所定の情報を取得する筆跡情報生成装置と、
    前記筆跡情報生成装置から前記所定の情報および/または前記筆跡情報を取得し、取得した当該所定の情報および/または当該筆跡情報を当該媒体または当該媒体に印刷された前記電子文書に関連付けて管理する筆跡情報管理装置とを有し、
    前記筆跡情報生成装置は、
    ドットで構成された符号画像が印刷された媒体から当該符号画像を読み取る符号画像読取手段と、
    前記符号画像読取手段にて読み取られた前記符号画像から所定の情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段にて取得された前記所定の情報に基づき前記媒体へのユーザの筆記操作に関連した情報である筆跡情報を生成する筆跡情報生成手段と、
    ユーザによる前記媒体に対する前記筆記操作の終了を検出する筆記操作終了検出手段と、
    前記筆記操作終了検出手段にて検出された前記筆記操作の終了に対応させて前記筆跡情報生成手段にて生成された前記筆跡情報の中から破棄する当該筆跡情報を抽出する情報抽出手段と、
    前記情報抽出手段にて抽出された前記筆跡情報を破棄する情報破棄手段と
    を備えたことを特徴とする筆跡情報管理システム。
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