JP2009061256A - 放射線画像撮影システム及び該システムにおける送信電波強度の設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線画像情報を検出する放射線検出器を有するカセッテに電力を供給するバッテリの大幅な省電力化を図る。
【解決手段】カセッテのカセッテ送受信機48からコンソールのコンソール送受信機96に対して放射線画像情報の送信を開始する際、カセッテ送受信機48は、可変利得増幅器212の利得を可変することで送信電波強度を可変して試験信号を送信し、コンソール送受信機96は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号生成部232により生成した受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信したカセッテ送受信機48は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにする。
【選択図】図5
【解決手段】カセッテのカセッテ送受信機48からコンソールのコンソール送受信機96に対して放射線画像情報の送信を開始する際、カセッテ送受信機48は、可変利得増幅器212の利得を可変することで送信電波強度を可変して試験信号を送信し、コンソール送受信機96は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号生成部232により生成した受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信したカセッテ送受信機48は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにする。
【選択図】図5
Description
この発明は、被写体を透過した放射線を検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器を有するカセッテと、このカセッテから送信される前記放射線画像情報を受信する外部制御装置とを備える放射線画像撮影システム及び該システムにおける送信電波強度の設定方法に関する。
医療分野において、被写体に放射線を照射し、被写体を透過した放射線を放射線検出器に導いて放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置が広汎に使用されている。この場合、放射線検出器としては、放射線画像が露光記録される従来からの放射線フイルムや、蛍光体に放射線画像としての放射線エネルギを蓄積し、励起光を照射することで放射線画像を輝尽発光光として取り出すことのできる蓄積性蛍光体パネルが知られている。これらの放射線検出器は、放射線画像が記録された放射線フイルムを現像装置に供給して現像処理を行い、あるいは、蓄積性蛍光体パネルを読取装置に供給して読取処理を行うことで、可視画像としての放射線画像が得られる。
一方、手術室等の医療現場においては、患者に対して迅速且つ的確な処置を施すため、放射線検出器から直ちに放射線画像を読み出して表示できることが要求される。このような要求に対応可能な放射線検出器として、放射線を直接電気信号に変換し、あるいは、放射線をシンチレータで可視光に変換した後、電気信号に変換して読み出す固体検出素子を用いた放射線検出器が開発されている。
このような放射線検出器を用いた放射線画像撮影システムとして、特許文献1、2に開示されたものがある。
特許文献1では、放射線検出器によって検出した放射線画像情報を無線通信によって処理装置に送信し、処理装置において画像処理等の信号処理を行うようにしている。
特許文献2では、放射線画像情報の通信を1[GHz]超の高周波により行うことで大容量の画像データを高速に通信可能にする無線通信可能な電子カセッテが開示されている。
ところで、カセッテから外部装置へ放射線画像情報を無線通信により送信する際に電力の消費が大きいため、カセッテを駆動するバッテリが大型化してしまい、結果としてカセッテの容積、重量が大きくなるという問題がある。
この発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、カセッテから外部に放射線画像情報を無線により送信する際の電力消費を抑制し、バッテリの省電力化を図ることを可能とする放射線画像撮影システム及び該システムにおける送信電波強度の設定方法を提供することを目的とする。
この発明に係る放射線画像撮影システムは、被写体を透過した放射線を検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器と、変換された前記放射線画像情報を記憶する画像メモリと、試験信号又は前記画像メモリに記憶された前記放射線画像情報を無線通信によって外部に送信する送信電波強度を可変可能な第1送受信機と、前記放射線検出器及び前記第1送受信機に電力を供給するバッテリとを有するカセッテと、前記カセッテから送信される前記試験信号と前記放射線画像情報を受信するとともに受信確認信号を前記第1送受信機に対して送信する第2送受信機を有する外部制御装置と、を備え、前記カセッテの第1送受信機から前記外部制御装置の第2送受信機に対して前記放射線画像情報の送信を開始する際、前記第1送受信機は、送信電波強度を可変しながら前記試験信号を送信し、前記第2送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、前記受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信した前記第1送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うことを特徴とする。
この発明によれば、カセッテの第1送受信機から外部制御装置の第2送受信機に対して放射線画像情報の送信を開始する際、前記第1送受信機は、送信電波強度を可変しながら試験信号を送信し、前記第2送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信した前記第1送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにしたので、前記第1送受信機から前記第2送受信機へ放射線画像情報を送信のための電力消費を抑制することができ、結果としてカセッテのバッテリの省電力化を図ることができる。
この場合、前記第1送受信機は、前記受信確認信号を受信したとき、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値にいくらかの値を加算した値に設定して前記放射線画像情報の送信を行うようにすることで、一定の省電力効果を達成しながら、より安定且つ確実に放射線画像情報の送信を行うことができる。
なお、前記カセッテに電源スイッチをさらに設け、前記試験信号の送信は、前記電源スイッチがオン状態とされたときに行うようにする。電源スイッチをオン状態にするときには、これから撮影を行う可能性が高く、この撮影時に、送信電波強度を必要最小限の値に設定することができるので、バッテリによる消費電力を抑制しながら、放射線画像情報を確実に前記外部制御装置に送信することができる。
ここで、前記電源スイッチがオン状態とされている場合に、前記放射線画像情報の送信が終了したとき、前記電源スイッチをオフ状態に切り替えることで、バッテリのより一層の省電力化を図ることができる。
この発明に係る放射線画像システムにおける送信電波強度の設定方法は、被写体を透過した放射線を検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器を有するカセッテのカセッテ送受信機からコンソールのコンソール送受信機に対して放射線画像情報の送信を開始する際、カセッテ送受信機は、送信電波強度を可変して試験信号を送信し、コンソール送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信したカセッテ送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにすることを特徴とする。
この発明によれば、カセッテ送受信機からコンソール送受信機に対して放射線画像情報の送信を開始する際、前記カセッテ送受信機は、送信電波強度を可変しながら試験信号を送信し、前記コンソール送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信した前記カセッテ送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにしたので、前記カセッテ送受信機から前記コンソール送受信機へ放射線画像情報を送信のための電力消費を抑制することができ、結果としてカセッテのバッテリの省電力化を図ることができる。
この発明によれば、カセッテから外部制御装置に放射線画像情報を無線により送信する際に電力消費を抑制可能なような構成としているので、カセッテを駆動するバッテリの省電力化を図ることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る放射線画像撮影システム10が設置された手術室12の説明図である。手術室12には、放射線画像撮影システム10に加えて、患者14が横臥する手術台16が配置されるとともに、医師18が手術に使用する各種器具が載置される器具台20が手術台16の側部に配置される。また、手術台16の周りには、麻酔器、吸引器、心電計、血圧計等、手術に必要な様々な機器が配置される。
放射線画像撮影システム10は、撮影条件に従った線量からなる放射線Xを患者14に照射するための撮影装置22と、患者14を透過した放射線Xを検出する放射線検出器(後述)を内蔵したカセッテ(放射線検出カセッテ)24と、放射線検出器によって検出された放射線Xに基づく放射線画像を表示する表示装置26と、撮影装置22、カセッテ24及び表示装置26を制御するコンソール(カセッテ24の外部制御装置)28とを備える。コンソール28と、撮影装置22、カセッテ24、及び表示装置26との間では、破線で示す無線通信による信号の送受信が行われる。
撮影装置22は、自在アーム30に連結され、患者14の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であるとともに、医師18による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置26は、自在アーム32に連結され、撮影された放射線画像を医師18が容易に確認できる位置に移動可能である。
図2は、カセッテ24の内部構成図である。カセッテ24は、放射線Xを透過させる材料からなるケーシング34を備える。ケーシング34の内部には、放射線Xが照射されるケーシング34の照射面36側から、患者14による放射線Xの散乱線を除去するグリッド38、患者14を透過した放射線Xを検出する放射線検出器40、及び放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板42が順に配設される。なお、ケーシング34の照射面36をグリッド38として構成してもよい。
また、ケーシング34の内部には、カセッテ24の電源であり電圧Vccのバッテリ44と、バッテリ44から供給される電力により放射線検出器40を駆動制御するカセッテ制御部46と、放射線検出器40によって検出した放射線Xの情報を含む信号をコンソール28との間で送受信するカセッテ送受信機(第1送受信機)48とが収容される。なお、カセッテ制御部46及びカセッテ送受信機48には、放射線Xが照射されることによる損傷を回避するため、ケーシング34の照射面36側に鉛板等を配設しておくことが好ましい。
図3は、放射線検出器40の回路構成ブロック図である。放射線検出器40は、放射線Xを感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる光電変換層51を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)52のアレイの上に配置した構造を有し、発生した電荷を蓄積容量53に蓄積した後、各行毎にTFT52を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図3では、光電変換層51及び蓄積容量53からなる1つの画素50と1つのTFT52との接続関係のみを示し、その他の画素50の構成については省略している。なお、アモルファスセレンは、高温になると構造が変化して機能が低下してしまうため、所定の温度範囲内で使用する必要がある。従って、カセッテ24内に放射線検出器40を冷却する手段を配設することが好ましい。
各画素50に接続されるTFT52には、行方向と平行に延びるゲート線54と、列方向と平行に延びる信号線56とが接続される。各ゲート線54は、ライン走査駆動部58に接続され、各信号線56は、読取回路を構成するマルチプレクサ66に接続される。
ゲート線54には、行方向に配列されたTFT52をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部58から供給される。この場合、ライン走査駆動部58は、ゲート線54を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ60とを備える。アドレスデコーダ60には、カセッテ制御部46からアドレス信号が供給される。
また、信号線56には、列方向に配列されたTFT52を介して各画素50の蓄積容量53に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器62によって増幅される。増幅器62には、サンプルホールド回路64を介してマルチプレクサ66が接続される。マルチプレクサ66は、信号線56を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ68とを備える。アドレスデコーダ68には、カセッテ制御部46からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ66には、A/D変換器70が接続され、A/D変換器70によってデジタル信号に変換された放射線画像情報がカセッテ制御部46に供給される。
図4は、撮影装置22、カセッテ24、表示装置26及びコンソール28からなる放射線画像撮影システム10の構成ブロック図である。なお、コンソール28には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像情報やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)29が接続され、また、RIS29には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)31が接続される。
撮影装置22は、撮影スイッチ72と、放射線Xを出力する放射線源74と、コンソール28のコンソール送受信機96から無線通信により供給される撮影条件を受信する一方、コンソール28に対して無線通信による撮影完了信号等を送信する送受信機76と、撮影スイッチ72から供給される撮影開始信号及び送受信機76から供給される撮影条件に基づいて放射線源74を制御する線源制御部78とを備える。
カセッテ24には、放射線検出器40、バッテリ44、カセッテ制御部46、カセッテ送受信機48、及び電源スイッチ45が収容される。電源スイッチ45は、手動あるいはカセッテ送受信機48からのスイッチ制御信号Ssによりオンオフが切り替えられバッテリ44から放射線検出器40、カセッテ制御部46、及びカセッテ送受信機48への電力の供給を切り替える。カセッテ制御部46は、放射線検出器40を構成するライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60及びマルチプレクサ66のアドレスデコーダ68に対してアドレス信号を供給するアドレス信号発生部80と、放射線検出器40によって検出された放射線画像情報を記憶する画像メモリ82と、当該カセッテ24を特定するためのカセッテID情報を記憶するカセッテIDメモリ84と、画像メモリ82に記憶された放射線画像情報に対して圧縮処理を施すことで情報量を削減する画像圧縮処理部88(情報量削減手段)とを備える。カセッテ送受信機48は、コンソール28から後述する受信確認信号を無線通信により受信する一方、コンソール28に対して、カセッテIDメモリ84に記憶されたカセッテID情報、画像メモリ82に記憶された放射線画像情報を無線通信により送信する。
表示装置26は、コンソール28から放射線画像情報を受信する受信機90と、受信した放射線画像情報の表示制御を行う表示制御部92と、表示制御部92によって処理された放射線画像情報を表示する表示部94とを備える。
コンソール28は、撮影装置22、カセッテ24及び表示装置26に対して、放射線画像情報を含む必要な情報を無線通信により送受信するコンソール送受信機96と、撮影装置22による撮影に必要な撮影条件を管理する撮影条件管理部98と、カセッテ24から送信された放射線画像情報に対する画像処理を行う画像処理部100(画像処理手段)と、処理した放射線画像情報を記憶する画像メモリ101と、撮影対象である患者14の患者情報を管理する患者情報管理部102と、カセッテ24から送信されたカセッテ情報を管理するカセッテ情報管理部104とを備える。コンソール28は、撮影装置22、カセッテ24及び表示装置26に対して無線通信による信号の送受信を行うことができるのであれば、手術室12の外に設置してもよい。
なお、撮影条件とは、患者14の撮影部位に対して、適切な線量からなる放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間等を決定するための条件であり、例えば、撮影部位、撮影方法等の条件を挙げることができる。患者情報とは、患者14の氏名、性別、患者ID番号等、患者14を特定するための情報である。これらの撮影条件及び患者情報を含む撮影のオーダリング情報は、コンソール28で直接設定し、あるいは、RIS29を介してコンソール28に外部から供給することができる。また、カセッテ情報とは、カセッテ24を特定するためのカセッテID情報である。
図5は、カセッテ送受信機48とコンソール送受信機96の内部構成の一部を示す放射線画像情報送受信システム110の構成ブロック図である。
カセッテ送受信機48は、マイクロコンピュータを備えるカセッテ送受信制御部202と、アンテナ203と、アンテナ共用器205と、受信部208と、送信部210と、可変利得増幅器212とを備える。
カセッテ送受信制御部202は、試験信号生成部204と、送信電波強度可変部206と、送信電波強度設定部207とを備える。
受信部208は、アンテナ203により受波した電波(RF信号)をアンテナ共用器205を介して受信し中間周波信号(IF信号)にした後復調し受信データとしてカセッテ送受信制御部202に出力する。送信部210は、画像メモリ82(図4参照)から読み出されたデータ(放射線画像情報)又は試験信号生成部204から出力される試験信号を変調しIF信号からRF信号に変換する。
試験信号生成部204は、電源スイッチ45がオン状態とされたことを検出したとき、試験信号を送信部210に供給する。
送信電波強度可変部206は、送信部210から出力された試験信号を可変利得増幅器212により最小値から段階的に大きな値にした送信信号St(送信電波に比例する。)に増幅するための可変利得制御信号Scを可変利得増幅器212の制御信号ポートに出力する。
送信電波強度設定部207は、後述するように電源スイッチ45がオン状態とされたときに、送信電波強度可変部206を利用して決定された送信信号St(送信電波に比例する。)の送信電波強度を得るための可変利得制御信号Scを記憶する。
送信信号Stは、アンテナ共用器205及びアンテナ203を介し送信電波として送信される。
一方、コンソール送受信機96は、マイクロコンピュータを備えるコンソール送受信制御部220と、アンテナ224と、アンテナ共用器226と、受信部228と、送信部230とを備える。
コンソール送受信制御部220は、受信確認信号生成部232を有する。受信部228は、アンテナ224により受波した電波(RF信号)をアンテナ共用器226を介して受信し中間周波信号(IF信号)にした後復調し受信データとしてコンソール送受信制御部220に出力する。復調された受信データには、試験信号又は放射線画像情報が含まれる。
受信確認信号生成部232は、前記試験信号を受信できたとき、受信確認信号を生成し送信部230、アンテナ共用器205、及びアンテナ224を介して送信する。
この実施形態に係る放射線画像撮影システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
放射線画像撮影システム10は、手術室12に設置されており、例えば、医師18による患者14の手術中において、放射線画像の撮影が必要となった際に使用される。そのため、撮影対象である患者14の患者情報は、撮影に先立ち、コンソール28の患者情報管理部102に予め登録しておく。また、撮影部位や撮影方法が予め決まっている場合には、これらの撮影条件を撮影条件管理部98に予め登録しておく。以上の準備作業が終了した状態において、患者14に対する手術が実施される。
手術中において放射線画像の撮影を行う場合、医師18又は担当する放射線技師は、患者14と手術台16との間の所定位置に、照射面36を撮影装置22側とした状態でカセッテ24を設置し、電源スイッチ45をオン状態にする。
ステップS1において、この電源スイッチ45がオン状態とされたことがカセッテ送受信機48のカセッテ送受信制御部202により検出される。
ステップS2において、送信電波強度可変部206は、送信電波強度を最小レベルとするための可変利得制御信号Scを可変利得増幅器212に供給する。
ステップS3において、試験信号生成部204は、ユニークワードからなる試験信号を生成して送信部210に出力する。これにより試験信号が可変利得増幅器212により増幅され送信電波強度が最小の送信信号Stがアンテナ203から送信される。
ステップS4において、試験信号をコンソール送受信機96で受信したことを知らせる受信確認信号を受信したかどうかを、図示しない計時手段(タイマ)により一定時間監視する。
ステップS4において、一定時間の計時が終了しても受信確認信号を受信しなかったとき、ステップS2において、送信電波強度を一定レベル大きくし、送信電波強度が一定レベル大きくされた試験信号を送信信号Stとして送信する。このようにして受信確認信号を受信しなかった場合には、試験信号としての送信信号Stの送信電波強度を段階的に大きな値にして送信する。
一方、コンソール送受信機96のコンソール送受信制御部220は、ステップS11において、試験信号が受信されたかどうかを常時監視する。
ステップS11において、試験信号が受信されたことを確認したとき、ステップS12において、受信確認信号生成部232により受信確認信号を生成し、送信部230、アンテナ共用器226、及びアンテナ224を通じて送信する。
このとき、ステップS4において、カセッテ送受信機48のカセッテ送受信制御部202により受信確認信号の受信が確認される。
次いで、ステップS5において、カセッテ送受信制御部202は、自己の送信電波強度を前記受信確認信号を受信したときに可変利得増幅器212に設定していた可変利得制御信号Sc(の値)を、送信電波強度設定部207に設定記憶する。
このようにすれば、カセッテ24から放射線画像情報を信号電波として送信するときに、その信号電波強度が最小値(必要最小限値)に抑制され、カセッテ24のバッテリ44の電力消費を抑制することができる。
なお、ステップS5における、送信電波強度設定部207に設定する可変利得制御信号Sc(の値)は、前記受信確認信号を受信したときに可変利得増幅器212に設定していた可変利得制御信号Sc(の値)にいくらかの値を加算した値、いわゆるプラスアルファした値としてもよい。このようにすれば、バッテリ44の一定の省電力効果を達成しながら、より安定、確実に放射線画像情報の送信を行うことができる。
次いで、撮影装置22をカセッテ24に対向する位置に移動させた後、撮影スイッチ72を操作して撮影を行う。
撮影装置22の線源制御部78は、コンソール送受信機96、送受信機76を介して、コンソール28の撮影条件管理部98より当該患者14の撮影部位に係る撮影条件を無線通信により取得し、取得した撮影条件に従って放射線源74を制御することにより、所定の線量からなる放射線Xを患者14に照射する。
患者14を透過した放射線Xは、カセッテ24のグリッド38によって散乱線が除去された後、放射線検出器40に照射され、放射線検出器40を構成する各画素50の光電変換層51によって電気信号に変換され、蓄積容量53に電荷として保持される(図3参照)。次いで、各蓄積容量53に保持された患者14の放射線画像情報である電荷情報は、カセッテ制御部46を構成するアドレス信号発生部80からライン走査駆動部58及びマルチプレクサ66に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
すなわち、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線54に接続されたTFT52のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ66のアドレスデコーダ68は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部58によって選択されたゲート線54に接続された各画素50の蓄積容量53に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線56を介して順次読み出す。
放射線検出器40の選択されたゲート線54に接続された各画素50の蓄積容量53から読み出された放射線画像情報は、各増幅器62によって増幅された後、各サンプルホールド回路64によってサンプリングされ、マルチプレクサ66を介してA/D変換器70に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、カセッテ制御部46の画像メモリ82に一旦記憶される。
同様にして、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線54に接続されている各画素50の蓄積容量53に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線56を介して読み出し、マルチプレクサ66及びA/D変換器70を介してカセッテ制御部46の画像メモリ82に記憶させる。
画像メモリ82に記憶された放射線画像情報は、ステップS6において、画像メモリ82から読み出され、カセッテ送受信機48を介して無線通信により既に送信電波強度設定部207を通じて可変利得増幅器212の制御信号ポートに設定されている可変利得制御信号Scに基づく最小送信電波強度又はこれに近い送信電波強度によりコンソール28に送信される。
コンソール28に送信された放射線画像情報は、コンソール送受信機96によって受信され、画像処理部100において所定の画像処理が施された後、患者情報管理部102に登録されている患者14の患者情報と関連付けられた状態で画像メモリ101に記憶される。
次いで、画像処理の施された放射線画像情報は、コンソール送受信機96から表示装置26に送信される。受信機90によって放射線画像情報を受信した表示装置26は、表示制御部92によって表示部94を制御し、放射線画像を表示部94に表示する。
なお、放射線画像情報の送信が終了したことがステップS6において確認されると、カセッテ送受信制御部202は、スイッチ制御信号Ssにより電源スイッチ45をオフ状態に切り替える。この操作により、カセッテ24が電源スイッチ45がオン状態である待機状態(一定電力を消費している状態)で放置されることが防止されるので、バッテリ44の一層の省電力化が促進される。
以上説明したように上述した実施形態に係る放射線画像撮影システム10によれば、カセッテ24は、被写体である患者14を透過した放射線Xを検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器40と、変換された前記放射線画像情報を記憶する画像メモリ82と、試験信号又は画像メモリ82に記憶された前記放射線画像情報を無線通信によって外部に送信する送信電波強度を可変可能な第1送受信機としてのカセッテ送受信機48と、放射線検出器40及びカセッテ送受信機48に電力を供給するバッテリ44とを有する。さらに、放射線画像撮影システム10は、カセッテ24から送信される前記試験信号と前記放射線画像情報を受信するとともに受信確認信号をカセッテ送受信機48に対して送信する第2送受信機としてのコンソール送受信機96を有する外部制御装置としてのコンソール28を備える。
カセッテ24のカセッテ送受信機48からコンソール28のコンソール送受信機96に対して前記放射線画像情報の送信を開始する際、カセッテ送受信機48は、可変利得増幅器212の利得を最小値から徐々に可変することで送信電波強度を可変して試験信号を送信信号Stとして送信し、コンソール送受信機96は、可変されたある送信電波強度において、前記試験信号である送信信号Stの受信が可能となったとき、受信確認信号生成部232により生成した受信確認信号をカセッテ送受信機48に送信する。該受信確認信号を受信したカセッテ送受信機48は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定してから、前記放射線画像情報の送信を行うようにしたので、カセッテ送受信機48からコンソール送受信機96へ放射線画像情報を送信するための電力消費を抑制することができる。結果としてカセッテ24のバッテリ44の大幅な省電力化を図ることができる。
この場合、カセッテ送受信機48は、前記受信確認信号を受信したとき、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値にいくらかの値を加算した値に設定して前記放射線画像情報の送信を行うようにすることで、一定の省電力効果を達成しながら、より安定、且つ確実に前記放射線画像情報の送信を行うことができる。
なお、前記試験信号としての送信信号Stの送信は、電源スイッチ45がオン状態とされたときに行うようにしているので、カセッテ24の画像メモリ82に前記放射線画像情報が記憶されたとき、確実に放射線画像情報をコンソール送受信機96に送信することができる。また、前記放射線画像情報の送信が終了したとき、電源スイッチ45をオフ状態に切り替えるようにしているので、バッテリ44のより一層の省電力化を図ることができる。
この実施形態によれば、カセッテ24からコンソール28に放射線画像情報を無線により送信する際に電力消費を必要最小限に抑制可能なような構成としているので、カセッテ24を駆動するバッテリ44の省電力化を図ることができる。
なお、撮影開始に先立つステップS1における電源スイッチ45のオン状態への投入は、図7に示すように、医師18又は放射線撮影技師が、自己を認証するRFIDカード304を、カセッテ24に設けたRFIDカードの受信部302(RFID送受信機)にかざすようにして無線通信で行うようにすることもできる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
例えば、カセッテ24に収容される放射線検出器40は、入射した放射線Xの線量を光電変換層51によって直接電気信号に変換するものであるが、これに代えて、入射した放射線Xをシンチレータによって一旦可視光に変換した後、この可視光をアモルファスシリコン(a−Si)等の固体検出素子を用いて電気信号に変換するように構成した放射線検出器を用いてもよい(特許第3494683号公報参照)。
また、光変換方式の放射線検出器を利用して放射線画像情報を取得することもできる。この光変換方式の放射線検出器では、マトリクス状に配列された各固体検出素子に放射線が入射すると、その線量に応じた静電潜像が固体検出素子に蓄積記録される。静電潜像を読み取る際には、放射線検出器に読取光を照射し、発生した電流の値を放射線画像情報として取得する。なお、放射線検出器は、消去光を放射線検出器に照射することで、残存する静電潜像である放射線画像情報を消去して再使用することができる(特開2000−105297号公報参照)。
カセッテ24は、手術室12等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、カセッテ24を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つのカセッテ24を繰り返し続けて使用することができる。
カセッテ24は、手術室12で使用される場合に限られるものではなく、例えば、検診や病院内での回診にも適用することができる。
また、カセッテ24と外部機器との間での無線通信は、通常の電波による通信に代えて、赤外線等を用いた光無線通信で行うようにしてもよい。
図8に示すようにカセッテ500を構成すると、一層好適である。
すなわち、カセッテ500には、ケーシング502の放射線照射面側に、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線504が形成される。このガイド線504を用いて、カセッテ500に対する患者14等の被写体の位置決めを行い、また、放射線Xの照射範囲を設定することにより、放射線画像情報を適切な撮影領域に記録することができる。
カセッテ500の撮影領域外の部位には、カセッテ500に係る各種情報を表示する表示部506を配設する。この表示部506には、カセッテ500に記録される患者14等の被写体のID情報、カセッテ500の使用回数、累積曝射線量、カセッテ500に内蔵されているバッテリ44の充電状態(残容量)、放射線画像情報の撮影条件、患者14等の被写体のカセッテ500に対するポジショニング画像等を表示させる。この場合、技師は、例えば、表示部506に表示されたID情報に従って患者14等の被写体を確認するとともに、カセッテ500が使用可能な状態にあることを事前に確認し、表示されたポジショニング画像に基づいて患者14等の被写体の所望の撮影部位をカセッテ500に位置決めして、最適な放射線画像情報の撮影を行うことができる。
また、カセッテ500に取手部508を形成することにより、カセッテ500の取り扱い、持ち運びが容易になる。
カセッテ500の側部には、ACアダプタの入力端子510と、USB(Universal Serial Bus)端子512と、メモリカード514を装填するためのカードスロット516とを配設すると好適である。
入力端子510は、カセッテ500に内蔵されているバッテリ44の充電機能が低下しているとき、あるいは、バッテリ44を充電するのに十分な時間を確保できないとき、ACアダプタを接続して外部から電力を供給することにより、カセッテ500を直ちに使用可能な状態とすることができる。
USB端子512又はカードスロット516は、カセッテ500がコンソール28等の外部機器との間で無線通信による情報の送受信を行うことができないときに利用することができる。すなわち、USB端子512にケーブルを接続することにより、外部機器との間で有線通信による情報の送受信を行うことができる。また、カードスロット516にメモリカード514を装填し、このメモリカード514に必要な情報を記録した後、メモリカード514を取り出して外部機器に装填することにより、情報の送受信を行うことができる。
手術室12や病院内の必要な場所には、図9に示すように、カセッテ24が装填され、内蔵されるバッテリ44の充電を行うクレードル518を配置すると好適である。この場合、クレードル518は、バッテリ44の充電だけでなく、クレードル518の無線通信機能又は有線通信機能を用いて、HIS31、RIS29、コンソール28等の外部機器との間で必要な情報の送受信を行うようにしてもよい。送受信する情報には、クレードル518に装填されたカセッテ24に記録された放射線画像情報を含めることができる。
また、クレードル518に表示部520を配設し、この表示部520に対して、装填された当該カセッテ24の充電状態や、カセッテ24から取得した放射線画像情報を含む必要な情報を表示させるようにしてもよい。
また、複数のクレードル518をネットワークに接続し、各クレードル518に装填されているカセッテ24の充電状態を前記ネットワークを介して収集し、使用可能な充電状態にあるカセッテ24の所在を確認できるように構成することもできる。
10…放射線画像撮影システム
14…患者
24、500…カセッテ
28…コンソール
40…放射線検出器
44…バッテリ
48…カセッテ送受信機
82…画像メモリ
96…コンソール送受信機
518…クレードル
14…患者
24、500…カセッテ
28…コンソール
40…放射線検出器
44…バッテリ
48…カセッテ送受信機
82…画像メモリ
96…コンソール送受信機
518…クレードル
Claims (8)
- 被写体を透過した放射線を検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器と、変換された前記放射線画像情報を記憶する画像メモリと、試験信号又は前記画像メモリに記憶された前記放射線画像情報を無線通信によって外部に送信する送信電波強度を可変可能な第1送受信機と、前記放射線検出器及び前記第1送受信機に電力を供給するバッテリとを有するカセッテと、
前記カセッテから送信される前記試験信号と前記放射線画像情報を受信するとともに受信確認信号を前記第1送受信機に対して送信する第2送受信機を有する外部制御装置と、を備え、
前記カセッテの第1送受信機から前記外部制御装置の第2送受信機に対して前記放射線画像情報の送信を開始する際、前記第1送受信機は、送信電波強度を可変しながら前記試験信号を送信し、前記第2送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、前記受信確認信号を送信し、該受信確認信号を受信した前記第1送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行う
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項1記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記第1送受信機は、前記受信確認信号を受信したとき、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値にいくらかの値を加算した値に設定して前記放射線画像情報の送信を行う
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項1記載の放射線画像撮影システムにおいて、
さらに、前記カセッテに電源スイッチを有し、
前記試験信号の送信は、前記電源スイッチがオン状態とされたときに行われる
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項3記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテは、前記電源スイッチがオン状態とされている場合に、前記放射線画像情報の送信が終了したとき、前記電源スイッチをオフ状態に切り替える
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項1記載の放射線画像撮影システムにおいて、
さらに、撮影条件に従った線量からなる前記放射線を前記被写体に照射するための撮影装置を備え、
前記外部制御装置は、前記撮影条件を前記撮影装置に供給するコンソールである
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項5記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記撮影条件の前記撮影装置への供給は、前記第2送受信機を介して無線通信で行う
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 請求項3記載の放射線画像撮影システムにおいて、
さらに、前記カセッテに、RFIDカードの受信部を設け、前記電源スイッチのオン状態への投入は、認証されたRFIDカードを前記受信部にかざすことで行われる
ことを特徴とする放射線画像撮影システム。 - 被写体を透過した放射線を検出し放射線画像情報に変換する放射線検出器を有するカセッテのカセッテ送受信機からコンソールのコンソール送受信機に対して放射線画像情報の送信を開始する際、
カセッテ送受信機は、送信電波強度を可変して試験信号を送信し、
コンソール送受信機は、前記試験信号の受信が可能となったとき、受信確認信号を送信し、
該受信確認信号を受信したカセッテ送受信機は、自己の送信電波強度を、前記受信確認信号を受信したときの値に設定し、前記放射線画像情報の送信を行うようにする
ことを特徴とする放射線画像撮影システムにおける送信電波強度の設定方法。
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