JP2009031067A - センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサチップと外部接続端子との電気的な接続状態が確保され、薄肉部の受けるダメージやセンサ特性の変動が抑制されたセンサ装置を提供する。
【解決手段】空洞部を有する半導体基板上に検出部と配線部が形成され、検出部を構成する抵抗体が空洞部上の薄肉部に形成されたセンサチップと、センサチップが下面を搭載面として一面上に接着固定された支持部材と、配線部と電気的に接続された外部接続端子と、配線部と外部接続端子との接続部位が被覆され、検出部及び薄肉部が露出されるように一体的に配置された封止樹脂とを備えるセンサ装置であって、センサチップの下面の一部、及び、支持部材の一面における下面との対向領域の一部の少なくとも一方に、空洞部の開口領域又は開口領域に対応する領域と隣接しないように第1の凹部が少なくとも1つ形成され、第1の凹部に接着剤が配置されてセンサチップの下面の一部が支持部材に接着固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空洞部上の薄肉部に検出部の抵抗体が形成されたセンサチップを有し、該センサチップが支持部材上に配置された状態で、薄肉部及び検出部が露出されるようにモールドされたセンサ装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、空洞部上の薄肉部に検出部の抵抗体が形成されたセンサチップを有し、該センサチップが支持部材上に配置された状態で、薄肉部及び検出部が露出されるようにモールドされたセンサ装置が知られている。
特許文献1に示される熱式空気流量センサでは、半導体センサ素子(センサチップ)において、半導体基板に形成された空洞上のダイアフラム(薄肉部)に、流量検出部を構成する発熱抵抗体が形成されている。そして、閉塞支持リード(支持部材)上に、半導体センサ素子が半導体基板の下面(発熱抵抗体の形成面の裏面)を接触面として配置され、流量検出部及びダイアフラムが露出されるように、電気的な各接続部がモールド材により一体的に被覆されている。
特許第3328547号
特許文献1に示されるセンサ装置では、折曲によって半導体基板の3つの側面に対応する位置決め部位が設けられた支持部材を採用しており、支持部材上にセンサチップが配置されている。このような構成においては、搭載性を考慮すると半導体基板に対して位置決め部位が若干余裕を持って形成されるため、センサチップに位置ずれが生じる恐れがある。また、センサチップが支持部材に対して固定されていないため、超音波を用いてワイヤボンディングする際に、超音波振動が逃げて接合状態を形成しにくいという問題がある。
そこで、本発明者は、下面全面を接着面としてセンサチップ(半導体基板)が支持リードに接着固定(ダイボンド)された構成を検討した。しかしながら、接着剤(ダイボンド材)として軟らかい接着剤(硬化後において加圧により変形するもの、硬化後のヤング率が1MPa程度)を用いた場合、モールド成形の際に、薄肉部がダメージを受ける(例えば破損する)という問題が生じた。これは、硬化後の接着剤がモールド成形時に押し広げられる影響でセンサチップに応力が生じ、この応力が薄肉部に集中することによって生じるものと考えられる。
また、上述の接着剤よりも硬い接着剤(硬化後において加圧によりほとんど変形しないもの)を用いた場合、センサ特性が変動するという問題が生じた。このセンサ特性の変動は、硬化後のヤング率が大きい(例えば1GPa程度)ほど顕著であった。これは、接着剤の硬化処理や使用環境での温度変化により、半導体基板と支持リードとの線膨張係数差に基づく応力などが生じ、剛性の低い半導体基板の薄肉部に応力が作用して、ピエゾ抵抗効果により抵抗値変化が生じたためと考えられる。また、変化した抵抗値がクリープによって徐々に変動したためと考えられる。
本発明は上記問題点に鑑み、センサチップと外部接続端子との電気的な接続状態が確保され、薄肉部の受けるダメージやセンサ特性の変動が抑制されたセンサ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、空洞部を有する基板上に、検出部と検出部に接続された配線部が形成され、検出部を構成する抵抗体が空洞部上の薄肉部に形成されたセンサチップと、一面上に、センサチップが空洞部の開口された下面を搭載面として接着固定された支持部材と、配線部と電気的に接続された外部接続端子と、配線部と外部接続端子との接続部位が被覆され、検出部及び薄肉部が露出されるように一体的に配置された封止樹脂と、を備えるセンサ装置であって、センサチップの下面の一部、及び、支持部材の一面における下面との対向領域の一部の少なくとも一方に、空洞部の開口領域又は開口領域に対応する領域と隣接しないように第1の凹部が少なくとも1つ形成され、第1の凹部に接着剤が配置されて、センサチップの下面の一部が支持部材に接着固定されていることを特徴とする。
このように本発明によれば、センサチップが支持部材に接着固定されている。これにより、センサチップの位置ずれが抑制されており、またセンサチップと外部接続端子との電気的な接続状態が確保されている。
また、センサチップの下面の一部が接着剤と接する接着面となっており、センサチップを構成する基板と支持部材との線膨張係数差に基づいて生じる応力の範囲が、下面全面を接着面とした構成よりも狭くなっている。これにより、線膨張係数差に基づいて生じる応力が低減され、ひいてはピエゾ抵抗効果によるセンサ特性の変動が抑制されている。また、接着剤が配置される第1の凹部が、空洞部の開口領域又は開口領域に対応する領域と隣接しないように形成されている。したがって、線膨張係数差に基づいて生じた応力が、基板を伝達して空洞部上の薄肉部に作用するまでに弱められ、これによってもピエゾ抵抗効果によるセンサ特性の変動が抑制されている。
また、第1の凹部内に接着剤が配置され、この接着剤を介してセンサチップの下面の一部と支持部材の一面とが接着されている。したがって、封止樹脂のモールド成形時に、接着剤が押し広げられにくく、これにより、センサチップの変形、ひいては薄肉部への応力の集中が抑制されている。すなわち、薄肉部の受けるダメージが抑制されている。
請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載のように、検出部として薄肉部上に形成されたヒータを含む流量検出部を備えた流量検出チップをセンサチップとした構成に特に効果的である。
流量検出チップにおける薄肉部の厚さは、ヒータの応答性を高めるために薄いほど良く、一般的に数μm程度となっている。したがって、モールド成形時に薄肉部がダメージを受け易く、また、ピエゾ抵抗効果によってセンサ特性が変動しやすい。これに対し、請求項1に記載の構成とすると、流量検出チップと外部接続端子との電気的な接続状態が確保され、薄肉部の受けるダメージやセンサ特性の変動が抑制された流量センサ装置とすることができる。
請求項1又は請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載のように、第1の凹部が、センサチップの下面における端部付近、及び、支持部材の一面における端部付近、の少なくとも一方に形成された構成とすることが好ましい。
このように、第1の凹部(接着剤)と空洞部との距離をできるだけ離すと、線膨張係数差に基づいて生じる応力が、基板を伝達して空洞部上の薄肉部に作用するまでにさらに弱められることとなり、これによってセンサ特性の変動がさらに抑制される。また、第1の凹部からはみ出した接着剤がモールド成形時に押し広げられたとしても、この影響でセンサチップに生じる応力は、薄肉部に伝達されるまでに弱められることとなり、これによって薄肉部の受けるダメージが抑制される。
例えば請求項4に記載のように、第1の凹部が、端部のうち、リードが配置された側の端部付近に形成され、少なくとも一部が封止樹脂内に配置された構成としても良い。このように、リードが配置された側の端部は、封止樹脂によってモールドされる側の端部であり、空洞部との距離が確保されている。また、使用環境下において生じた線膨張係数差に基づく応力が、封止樹脂にも伝達される。したがって、薄肉部の受けるダメージやセンサ特性の変動が効果的に抑制される。
請求項4に記載の発明においては、請求項5に記載のように、第1の凹部が、端部まで延設された構成としても良い。これにより、第1の凹部と空洞部との間で、より長い距離を確保することもできる。また、空洞部とは反対側がフリーであるので、第1の凹部から空洞部側への接着剤のはみ出しを抑制することができる。
しかしながら、請求項5に記載の構成では、硬化前の接着剤の粘度(流動性)にもよるが、例えば簡易的に堰き止め用のダムなどを設けないと、接着剤が第1の凹部から流れ出すことも考えられる。したがって、請求項6に記載のように、例えばNCF(Non Conductive Film)のように予めフィルム化された接着剤を採用することが好ましい。
また、請求項3又は請求項4に記載の発明においては、請求項7に記載のように、その周囲よりも凹んだ部位を、第1の凹部としても良い。この場合、接着剤は第1の凹部内に留まることとなり、センサチップと支持部材との接続信頼性を確保することができる。
請求項1〜7いずれかに記載の発明においては、請求項8に記載のように、センサチップの下面、及び、支持部材の一面における下面との対向領域の少なくとも一方であって、空洞部の開口領域又は開口領域に対応する領域と第1の凹部との間に、空洞部の開口領域又は開口領域に対応する領域と隣接しないように第2の凹部が形成された構成としても良い。
このような構成とすると、第1の凹部から空洞部側にはみ出した接着剤が、第2の凹部にて貯留される。すなわち、線膨張係数差に基づく応力を低減できる接着剤と空洞部との距離が確保される。また、モールド成形時に接着剤が押し広げられる範囲を狭められる。これにより、薄肉部の受けるダメージやセンサ特性の変動が効果的に抑制される。
請求項1〜8いずれかに記載の発明は、請求項9に記載のように、支持部材と外部接続端子とが、リードフレームの不要部分を除去することで互いに分離された構成に効果的である。
このように、支持部材が外部接続端子と同一材料からなり、基板との線膨張係数差が大きくても、センサ特性の変動が抑制される。また、構成を簡素化することができ、モールド成形時の位置ずれを抑制することができる。
請求項1〜9いずれかに記載の発明は、請求項10に記載のように、配線部と外部接続端子とがワイヤを介して電気的に接続された構成に特に効果的である。センサチップが接着剤を介して支持部材に固定されているので、超音波を用いたワイヤボンディングによって、良好な接合状態が確保される。
請求項1〜10いずれかに記載の発明においては、請求項11に記載のように、検出部の入出力を制御する回路が形成された回路チップをさらに備え、センサチップが、回路チップを介して外部接続端子と電気的に接続されており、封止樹脂により、センサチップと回路チップとの接続部、及び、回路チップと外部接続端子との接続部が被覆された構成としても良い。このように、回路チップを含む構成に対しても、回路チップを含まない構成同様の効果を期待することができる。なお、ワイヤボンディングされる場合、センサチップと外部接続端子とは、ワイヤと回路チップを介して電気的に接続されることとなる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。尚、以下の実施形態においては、センサ装置として熱式流量センサを例にとり説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す上面視平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。本実施形態に示す熱式流量センサは、例えば車両内燃機関の吸気管内に配置される。
図1及び図2に示す熱式流量センサ100は、要部として、一部が被測定流体である空気に露出されてその流量を検出する流量検出チップ10と、流量検出チップ10を支持する支持部材30と、流量検出チップ10と電気的に接続され、外部と接続される外部接続端子50と、流量検出チップ10と外部接続端子50との接続部位を被覆する封止樹脂70とを備えている。なお、図1及び図2に示す符号80は、流量検出チップ10と外部接続端子50を電気的に接続するワイヤを示している。
流量検出チップ10は、シリコンからなる半導体基板11に、エッチングにより空洞部12を形成することにより、空洞部12上に形成された薄い絶縁層から構成される薄肉部(メンブレン)13と、薄肉部13に形成されたヒータ14とを有している。このように、基板として半導体基板11を用いると、薄肉部13の裏面側からエッチングすることで、簡単に薄肉部13を形成することができ、後述するように、ヒータ14を高感度の流量検出部として機能させることができる。
ここで、流量検出チップ10について図3及び図4を用いてより詳細に説明する。図3は、流量検出チップの概略構成を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。なお、図3においては、便宜上、ヒータ、感温体、及び繋ぎ配線上の層間絶縁膜や保護膜を省略して図示している。また、図3に示す白抜き矢印は、流体の流れ方向(通常時)を示している。
図3及び図4に示すように、流量検出部を構成する一対のヒータ14(14a,14b)に対応して空洞部12が形成されている。この空洞部12は、半導体基板11の絶縁層15との接触面の裏面(以下、半導体基板11の下面と示す)側に、矩形状の開口部16(図3において一点鎖線で示す)をもって形成され、この開口面積が半導体基板11の上面側(絶縁層15との接触面側)へ行くほど縮小されて、半導体基板11の上面では、開口部16よりも小さく、半導体基板11の厚さ方向に対して垂直な方向において開口部16に含まれる矩形状の底面部17(図3において破線で示す)となっている。
本実施形態においては、絶縁層15としてシリコン酸化膜を採用しており、絶縁層15の一部が、上述した空洞部12の底面部17を構成している。このように、流量検出チップ10において、底面部17に相当する部位は、薄肉部13(メンブレン)となっている。そして、ヒータ14a,14bが、この薄肉部13に形成されている。薄肉部13は、流量検出部を構成する他の箇所と比べてその膜厚が薄く形成されているため熱容量が低く抑えられ、他の箇所との熱的な絶縁が確保されている。
底面部17(薄肉部13)を構成する絶縁層15上には、ヒータ14a,14bが形成されている。ヒータ14aは、流体の流れ方向に対して上流側に配置された上流側ヒータであり、ヒータ14bは、流体の流れ方向に対して下流側に配置された下流側ヒータである。また、一対のヒータ14a,14bを挟むようにして、測温抵抗体からなる一対の感温体18a,18bが、薄肉部13よりも厚い薄肉部周辺領域であって流体の上流側と下流側にそれぞれ形成されている。この感温体18a,18bは、ヒータ14a,14bととも流量検出部を構成している。そして、これらヒータ14a,14bや感温体18a,18bは、繋ぎ配線19を介して、ワイヤ80が接続されるパッド20と接続されている。この繋ぎ配線19が特許請求の範囲に記載の配線部に相当する。
そして、これらヒータ14a,14b、感温体18a,18b、及び繋ぎ配線19を覆うようにして、例えばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜21が積層され、層間絶縁膜21上に例えばシリコン窒化膜からなる保護膜22が積層されている。
このように構成される流量検出チップ10においては、ヒータ14a,14bが、電流の供給量によって発熱する機能に加えて、それ自身の抵抗値の変化に基づいて、自身の温度を感知する機能も有している。そして、上流側と下流側の各ヒータ14a,14bで生じる熱のうち、流体によって奪われる熱に基づき、流体の流量が検出される。また、上流側のヒータ14aと下流側のヒータ14bとのそれぞれに生じる熱のうち、流体によって奪われる熱量の差に基づき、流体の流通方向が検出される。さらに、上流側のヒータ14aと上流側の感温体18aとの温度差、及び、下流側のヒータ14bと下流側の感温体18bとの温度差に基づき、ヒータ14a,14bに供給される電流量が制御される。なお、このような流量検出チップ10の詳細については、本出願人による例えば特開2004−205498号公報,特開2004−241398号公報などを参照されたい。
支持部材30は、流量検出チップ10を支持するものであり、流量検出チップ10を構成する半導体基板11とは異なる材料であって線膨張係数の差が大きい材料(例えば線膨張係数差が5以上)を用いて構成されている。本実施形態においては外部接続端子50と同一の金属部材を加工することにより形成されている。このように、外部接続端子50と同一材料にて構成すると、熱式流量センサ100の構成を簡素化することができる。また、支持部材30上に流量検出チップ10を搭載するので、流量検出チップ10の空洞部12が被測定流体である空気に直接晒されることがない。すなわち、空洞部12の下部に支持部材30が配置されない構成と比べて、乱流によるノイズを低減することができる。
具体的には、図1及び図2に示すように、支持部材30は、平面矩形状であり、その大きさが流量検出チップ10よりも大きく、流量検出チップ10は、その下面(流量検出部形成面の裏面であって空洞部12の開口部16を取り囲む平面)が支持部材30と完全に対向して配置されている。そして、外部接続端子50が配置される側(換言すれば、流量検出チップ10のうち、パッド20が配置される側)に、第1の凹部31が形成されている。この第1の凹部31は、支持部材30における流量検出チップ10との対向面を構成する他の平坦部32よりも凹の部分であり、空洞部12(開口部16)に対向する領域を除く領域に形成される。本実施形態においては、封止樹脂70によって被覆される範囲内で、1つの第1の凹部31が、平面矩形状の支持部材30の3辺の各端部まで延設されている。すなわち、第1の凹部31よりも流量検出部側のみに平坦部32が連結された構造となっている。このような構造は、金属板を例えばプレス加工することによって構成することができる。
また、支持部材30には、流量検出チップ10を搭載した状態で、空洞部12に対応する部分に、空洞部12と外部雰囲気とを連通させる貫通孔33が形成されている。これにより、空洞部12に存在する流体の温度が、熱式流量センサ100の周囲の温度変化に追従して変化することができるので、空洞部12が支持部材30により密閉された構造よりも、温度変化による測定誤差を低減することができる。なお、貫通孔33の断面が大きいほど、乱流によるノイズが大きくなる恐れがある。したがって、貫通孔33の断面積は、少なくとも空洞部12の開口部16よりも小さく、好ましくは、空洞部12の底面部17よりも小さくすると良い。本実施形態においては、貫通孔33の断面が空洞部12の底面部17よりも小さくなっている。
このように構成される支持部材30において、平坦部32と略面一となるように第1の凹部31に接着剤34が配置され、流量検出チップ10が支持部材30の接着剤配置面上に搭載されている。そして、第1の凹部31に配置された接着剤34を介して、流量検出チップ10が支持部材30に固定されている。ここで、接着剤34は所謂ダイボンド材であり、その構成材料は、支持部材30に流量検出チップ10を接着固定できるものであれば特に限定されるものではない。有機系成分のみでも良いし、有機系成分に無機系成分や金属成分を混入させたもの(例えばAgペースト)を用いても良い。本実施形態においては、硬化後のヤング率が1GPa以上である一般的なエポキシ系樹脂を採用している。
また、流量検出チップ10の下面のうち、接着剤34と接していない部分は、接着剤34を介さずに、支持部材30の平坦部32上に直接的に接触して配置されている。そして、この状態で、空洞部12は貫通孔33を介して外部雰囲気と連通されている。本実施形態に係る熱式流量センサ100においては、支持部材30に対する流量検出チップ10の固定構造に特徴がある。その詳細については、後述する。
外部接続端子50は、所謂リードと呼ばれるものであり、流量検出チップ10と外部とを電気的に接続する端子である。本実施形態においては、上述したように、支持部材30と同一の金属部材を加工することにより形成されており、例えばAuからなるワイヤ80が、超音波を用いた接合方法で外部接続端子50と流量検出チップ10のパッド20にそれぞれ接続されて、外部接続端子50と流量検出チップ10が電気的に接続されている。
封止樹脂70は、エポキシ樹脂等の一体成形(モールド成形)可能である電気絶縁材料からなり、支持部材30上に流量検出チップ10が接着固定され、流量検出チップ10のパッド20と外部接続端子50とがワイヤ80を介して接続された状態で、ワイヤ80、ワイヤ80と流量検出チップ10(パッド20)の接続部位、及びワイヤ80と外部接続端子50との接続部位を、一体的に被覆している。本実施形態においては、第1の凹部31に配置された接着剤34、すなわち、流量検出チップ10と支持部材30との接着部位も、封止樹脂70によって被覆されている。すなわち、接着剤34が外部雰囲気に晒されない構成となっている。
次に、このように構成される熱式流量センサ100の製造方法について、図5(a)〜(c)を用いて説明する。図5は、熱式流量センサ100の製造方法を示す工程別断面図であり、(a)は搭載工程、(b)は接続工程、(c)はモールド工程を示す図である。図5(a)〜(c)は図2に対応している。
先ず流量検出チップ10及び支持部材30を準備する。本実施形態においては、支持部材30が外部接続端子50とともにリードフレーム81の一部として構成されるので、金属板にプレス加工などを施し、支持部材30と外部接続端子50を有するリードフレーム81を準備する。そして、支持部材30における第1の凹部31に、平坦部32と略面一となるように接着剤34を配置する。ここで、接着剤34の配置に当たっては、硬化前の接着剤の粘度(流動性)にもよるが、例えば簡易的に堰き止め用のダムなどを設けないと、ペースト状の接着剤34が第1の凹部31から流れ出し、流量検出チップ10の下面と接触しないことも考えられる。本実施形態においては、図示しないテープを貼りつけてダムとし、硬化前における接着剤34の流れ出しを防ぐようにしている。そして、接着剤34を配置した状態で、図5(a)に示すように、支持部材30の接着面上に、下面を搭載面として流量検出チップ10を搭載する。これにより、流量検出チップ10における下面の一部が接着剤34と接した状態となる。また、流量検出チップ10における下面のうち、接着剤34と接しない部位は、支持部材30の平坦部32と直接的に接触した状態となる。さらには、空洞部12が貫通孔33と連通された状態となる。そして、この位置決め状態で、接着剤34の硬化処理(本実施形態においては熱処理)を実施する。これにより、接着剤34が硬化し、流量検出チップ10が支持部材30に接着固定される。
流量検出チップ10の固定後、図5(b)に示すように、流量検出チップ10のパッド20(図1,図3参照)と外部接続端子50とを、ワイヤボンディングによって電気的に接続する。本実施形態においては、Auからなるワイヤ80を、超音波を用いた接合方法を用いて、外部接続端子50と流量検出チップ10のパッド20にそれぞれ接続する。ここで、超音波を用いて接合する場合、流量検出チップ10が支持部材30上に配置されただけの状態(接着固定されていない状態)であると、流量検出チップ10がフリーであるため、超音波振動が逃げて良好な接合状態を形成することができない。しかしながら、本実施形態においては、流量検出チップ10を支持部材30に接着固定しているので、良好な接合状態を形成することができる。特に、本実施形態においては、パッド20の形成位置の下方に第1の凹部31が位置(図1参照)しており、接着固定部位の近傍でワイヤボンディングを実行するので、超音波を用いた接合方法によっても良好な接合状態を形成することができる。
ワイヤボンディング後、図5(c)に示すように、薄肉部13を含む流量検出部が露出され、ワイヤ80、ワイヤ80と流量検出チップ10(パッド20)の接続部位、及びワイヤ80と外部接続端子50との接続部位が一体的に被覆されるように構成された型に、
一体化された流量検出チップ10などを配置し、型内にモールド材を注入して封止樹脂70を一体成形する。本実施形態においては、支持部材30と外部接続端子50がリードフレーム81の一部として構成されている。このように支持部材30と外部接続端子50とを一体化した構成とすると、流量検出チップ10を含めて、お互いの位置精度を向上することができる。また、接続工程及びモールド工程を簡素化することができる。そして、モールド材射出後の封止樹脂70のキュアを経て(モールド工程終了後)、リードフレーム81の不要部分を除去する。これにより、図5(c)に示すように、熱式流量センサ100が形成される。
次に、本実施形態に係る特徴部分について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、センサ特性の変動を抑制する原理について説明する断面図である。図7は、薄肉部の受けるダメージを抑制する原理を説明する断面図である。
まず、センサ特性の変動を抑制する原理について説明する。例えば流量検出チップ10を構成する半導体基板11と支持部材30とは線膨張係数が異なるため、接着剤34の硬化処理や使用環境での温度変化により、線膨張係数差に基づく応力が生じることとなる。このような応力が、剛性の低い薄肉部13に作用すると、ピエゾ抵抗効果により抵抗値変化が生じ、狙い値に対してセンサ特性が変動することとなる。また、応力がクリープによって徐々に緩和されると、抵抗値が変化してセンサ特性が変動することとなる。
これに対し、本実施形態に係る熱式流量センサ100においては、図6に示すように、流量検出チップ10の下面の一部のみが接着剤34と接する構造となっている。したがって、流量検出チップ10を構成する半導体基板11と支持部材30との線膨張係数差に基づく応力は、流量検出チップ10と支持部材30の接着剤34を介して固定された部位においてのみ生じることとなる。すなわち、線膨張係数差に基づいて生じる応力の範囲が狭くなっている。これにより、流量検出チップ10の下面全面が接着剤34と接する構造と比べて、線膨張係数差に基づいて生じる応力そのものが低減され、薄肉部13に伝達される応力が低減されて、ピエゾ抵抗効果によるセンサ特性の変動が抑制される。
また、本実施形態においては、流量検出チップ10の下面における接着剤34との接着部位を、外部接続端子50が配置される側の端部としている。すなわち、接着部位を、空洞部12(薄肉部13)とは離れた位置としている。したがって、接着部位近傍で生じた線膨張係数差に基づく応力は、図6に実線矢印で示すように、半導体基板11を伝達して空洞部12上の薄肉部13に到達するまでに弱められる。これにより、接着部位が空洞部12の近傍とされる構成に比べて、薄肉部13に作用する応力が低減され、ピエゾ抵抗効果によるセンサ特性の変動が抑制される。
また、本実施形態においては、接着剤34の配置された第1の凹部31を封止樹脂70内のみに設けている。したがって、接着部位近傍で生じた線膨張係数差に基づく応力のうち、図6に破線矢印で示すように、半導体基板11から封止樹脂70に伝達される割合が高くなっている。これにより、接着剤34の配置された第1の凹部31が封止樹脂70の外に設けられる構成に比べて、薄肉部13に作用する応力が低減され、ピエゾ抵抗効果によるセンサ特性の変動が抑制される。
次に、薄肉部13の受けるダメージを抑制する原理について説明する。硬化した状態で接着剤34が軟らかい(硬化後において加圧により変形するもの、例えばヤング率が1MPa程度)場合、モールド成形(封止樹脂70による封止)時に、型締めした際の圧力で薄肉部13がダメージを受け、場合によっては破損することとなる。これは、モールド成形時に、流量検出チップ10と支持部材30との間で接着剤34が押し広げられ、接着剤34の変形とともに流量検出チップ10が引っ張られて半導体基板11に応力が生じ、この応力が薄肉部13に集中することによって生じるものと考えられる。
これに対し、本実施形態に係る熱式流量センサ100においては、図7に示すように、支持部材30における第1の凹部31内に、平坦部32と略面一となるように接着剤34を配置している。したがって、モールド成形時に、型締めした際の圧力(流量検出チップ10と支持部材30の積層方向)は、流量検出チップ10の下面における接着剤34と接しない部位と支持部材30における平坦部32とで受けることができる。また、第1の凹部31の壁面が壁(抵抗)となり、接着剤34が第1の凹部31からその周辺に押し広げられにくい。これにより、接着剤34の変形が抑制され(すなわち、第1の凹部31内に留められ)、ひいては流量検出チップ10の変形が抑制されて薄肉部13への応力の集中が抑制される。
また、本実施形態においては、第1の凹部31が、外部接続端子50が配置された側の辺を含む支持部材30の端部まで延設されている。すなわち、第1の凹部31における空洞部12とは反対側がフリーである。また、このような状態で応力が生じたとしても、半導体基板11を伝達して薄肉部13に到達するまでに弱められる。これにより、第1の凹部31から空洞部12側への接着剤34のはみ出しを抑制することができ、ひいては薄肉部13への応力の集中が抑制される。
このように、本実施形態に係る熱式流量センサ100は、流量検出チップ10と外部接続端子50との電気的な接続状態が確保され、薄肉部13の受けるダメージやセンサ特性の変動が抑制されたセンサ装置となっている。
また、本実施形態においては、接着剤34の配置された第1の凹部31を封止樹脂70内のみに設ける例を示したが、接着剤34の少なくとも一部が外部雰囲気に晒される構成としても良い。換言すれば、第1の凹部31が封止樹脂70によって被覆されない位置に設けられた構成としても良い。しかしながら、例えば図8に示すように、接着剤34の配置された第1の凹部31(流量検出チップ10と支持部材30との接着部位)の一部が封止樹脂70内に設けられれば、接着部位近傍で生じた線膨張係数差に基づく応力を、封止樹脂70に効率よく逃がすことができる。ただし、接着剤34の少なくとも一部が外部雰囲気に晒される場合、接着剤34として、使用環境での耐性を考慮した材料を用いる必要がある。図8は、変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、支持部材30が1つの第1の凹部31を有し、第1の凹部31が、封止樹脂70によって被覆される範囲内で、平面矩形状の支持部材30の3辺の端部まで延設される例を示した。しかしながら外部接続端子50が配置された側の辺の端部までのみ延設された(支持部材30の1辺の端部まで延設された)構成としても良い。このような構成としても、本実施形態に示した構成と同様乃至それに準ずる効果を期待することができる。
また、本実施形態においては、支持部材30に1つの第1の凹部31が設けられる例を示した。しかしながら、第1の凹部31の個数は1つに限定されるものではなく、第1の凹部31が複数設けられた構成としても良い。
また、本実施形態においては、接着剤34が、流量検出チップ10と支持部材30との対向領域のみに配置される例を示した。しかしながら、支持部材30の第1の凹部31内であって、流量検出チップ10の下面と対向しない部分まで接着剤34が配置された構成としても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図9及び図10に基づいて説明する。図9は、第2実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。図10は、図9のX−X線に沿う断面図である。
第2実施形態に係る熱式流量センサは、第1実施形態に示した熱式流量センサ100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、第1の凹部31が支持部材30の端部まで延設される例を示した。これに対し、本実施形態においては、例えば図9及び図10に示すように、支持部材30に1つの第1の凹部31が設けられ、第1の凹部31は封止樹脂70に被覆される範囲内において、周囲を平坦部32によって取り囲まれている点を特徴とする。すなわち、第1の凹部31が支持部材30の端部まで延設されていない。
このような構成とすると、ダムなどを形成しなくとも、硬化前におけるペースト状の接着剤34を第1の凹部31内に留めることができる。すなわち、接着剤34の表面を平坦部32と略面一としやすい。これにより、流量検出チップ10と支持部材30との接続信頼性を確保される。
また、支持部材30における第1の凹部31周辺の平坦部32が流量検出チップ10の下面と接している。すなわち、第1実施形態に示した構成に比べて、ワイヤボンディング時に半導体基板11が変形しにくくなっており、これにより、流量検出チップ10と外部接続端子50との接続信頼性がより向上される。
なお、本実施形態においても、支持部材30に1つの第1の凹部31が設けられる例を示した。しかしながら、第1の凹部31の個数は1つに限定されるものではなく、第1の凹部31が複数設けられた構成としても良い。
また、接着剤34の配置された第1の凹部31を封止樹脂70内のみに設ける例を示した。しかしながら、第1実施形態の変形例に示したように、接着剤34の少なくとも一部が外部雰囲気に晒される構成としても良い。換言すれば、第1の凹部31が封止樹脂70によって被覆されない位置に設けられた構成としても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図11に基づいて説明する。図11は、第3実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す断面図である。図11は、第1実施形態に示した図2に対応している。
第3実施形態に係る熱式流量センサは、上述した実施形態に示した熱式流量センサ100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第2実施形態においては、硬化前の接着剤34が流れ出し、接続信頼性が低下するのを防ぐために、第1の凹部31の周囲が平坦部32によって取り囲まれる例を示した。これに対し、本実施形態においては、例えば図11に示すように、予めフィルム化された接着剤35を用いる点を特徴とする。
このような接着剤35としては、例えばNCF(Non Conductive Film)やACF(Anisotropic Conductive Film)などが知られている。図11に示す熱式流量センサ100は、第1実施形態(図2参照)に示した構成において、接着剤34を接着剤35に置き換えたものであり、それ以外の構成は同じである。
このような構成とすると、第1の凹部31が支持部材30の端部まで延設されていても、ダムなどを設けることなく、接着剤35を第1の凹部31に留めることができる。これにより、流量検出チップ10と支持部材30との接続信頼性が確保される。また、第1の凹部31における空洞部12とは反対側がフリーであるので、第1の凹部31から空洞部12側への接着剤34のはみ出しを抑制することができ、ひいては薄肉部13への応力の集中が抑制される。
なお、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成(図2参照)に対し、フィルム化された接着剤35を適用する例を示した。しかしながら、第2実施形態に示した構成や上述した実施形態の変形例にも適用することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図12及び図13に基づいて説明する。図12は、第4実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。図13は、図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
第4実施形態に係る熱式流量センサは、上述した実施形態に示した熱式流量センサ100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
これまでの実施形態においては、支持部材30に第1の凹部31が設けられる例を示した。これに対し、本実施形態においては、例えば図12及び図13に示すように、流量検出チップ10を構成する半導体基板11の下面の一部に、第1の凹部23が形成されている点を特徴とする。
より詳しくは、図12及び図13に示すように、封止樹脂70によって被覆される範囲内に、半導体基板11の端部まで延設されない態様で空洞部12よりも浅い深さをもった第1の凹部23が形成されている。そして、第1の凹部23内に接着剤34が配置され、この接着剤34を介して、流量検出チップ10が支持部材30に接着固定されている。図12及び図13に示す熱式流量センサ100は、第1実施形態(図2参照)に示した構成において、第1の凹部31を第1の凹部23に置き換えたものであり、それ以外の構成は同じである。
このように、半導体基板11の下面の一部に第1の凹部23を設けた構成としても、第1実施形態に示した構成と同様乃至それに準ずる効果を期待することができる。
また、空洞部12を形成するエッチング工程において、第1の凹部23も形成することができる。したがって、製造工程を簡素化することができる。
また、半導体基板11における第1の凹部23周辺の部位が支持部材30の平坦部32と接している。すなわち、ワイヤボンディング時に半導体基板11が変形しにくくなっており、これにより、流量検出チップ10と外部接続端子50との接続信頼性がより向上される。
また、半導体基板11に第1の凹部23を設けると、第1の凹部23上の部位が薄肉部13とともに剛性の弱い部位となる。したがって、薄肉部13に集中する応力を分散させることができる。なお、空洞部12よりも浅い第1の凹部23の深さとしては、例えばパッド20の直下に設けられる場合には、ワイヤ80との接続が可能な強度を確保できる程度の深さとすれば良い。
なお、本実施形態においても、半導体基板11に1つの第1の凹部23が設けられる例を示した。しかしながら、第1の凹部23の個数は1つに限定されるものではなく、第1の凹部23が複数設けられた構成としても良い。
また、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成(図2参照)に対し、第1の凹部31を第1の凹部23に置き換える例を示した。しかしながら、第2実施形態に示した構成、第3実施形態に示した構成、さらには上述した実施形態の変形例にも適用することができる。
また、上述した各実施形態や変形例に対し、第1の凹部23をさらに付加した構成としても良い。すなわち、半導体基板11に第1の凹部23が設けられるとともに、支持部材30に第1の凹部31が設けられた構成としても良い。ただし、第1の凹部23と第1の凹部31が重なる構成の場合、接着剤34では搭載工程が困難である。また、第1の凹部23と第1の凹部31が重ならないようにすると、接着面が大きくなる。したがって、半導体基板11と支持部材30の一方に第1の凹部が設けられた構成とすることが好ましい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図14及び図15に基づいて説明する。図14は、第5実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。図15は、図12のXV−XV線に沿う断面図である。
第5実施形態に係る熱式流量センサは、上述した実施形態に示した熱式流量センサ100と共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態においては、例えば図14及び図15に示すように、半導体基板11の下面であって、第1の凹部31に対応する領域と空洞部12(開口部16)との間に、第1の凹部31からはみ出した接着剤34を収容する(留める)ことを目的として、空洞部12(開口部16)と隣接しないように空洞部12よりも浅い深さを持った第2の凹部24が形成されている点を特徴とする。この第2の凹部24が形成されている点以外は、第1実施形態(図2参照)に示した構成と同じ構成となっている。
より詳しくは、第2の凹部24の容積は、第1の凹部31に配置された接着剤34の体積よりも小さく設定されている。また、第2の凹部24は、半導体基板11の下面のうち、外部接続端子50が配置された側の辺と直交する2辺(相対する2辺)の端部まで延設されており、外部雰囲気と連通されている。
このような構成とすると、第1実施形態に示した搭載工程において、第1の凹部31から空洞部12側に接着剤34がはみ出たとしても、第2の凹部24内に留めることができる。これにより、接着剤34の広がりが抑制され、流量検出チップ10と支持部材30との接着面が狭められて、センサ特性の変動が抑制される。
また、搭載工程において平坦部32上にはみ出た接着剤34が、モールド工程において押し広げられた(変形された)場合に、第2の凹部24内に収容することができる。これにより、接着剤34の変形量(移動量)が低減されるので、薄肉部13が受けるダメージが抑制される。
なお、本実施形態においては、第2の凹部24が外部雰囲気と連通される例を示した。しかしながら、第2の凹部24が外部雰囲気と連通されない構成としても良い。
なお、本実施形態においては、第2の凹部24を半導体基板11に設ける例を示した。しかしながら、支持部材30側に第2の凹部が設けられた構成としても良い。例えば図16に示す熱式流量センサ100においては、第4実施形態(図13参照)に示した構成に対し、支持部材30の流量検出チップ搭載面であって、第1の凹部23に対応する領域と空洞部12(開口部16)に対応する領域との間に、第1の凹部23からはみ出した接着剤34を収容する(留める)ことを目的として、空洞部12(開口部16)に対応する領域と隣接しないように第2の凹部36が形成されている。この第2の凹部36の容積は、第1の凹部23に配置された接着剤34の体積よりも小さく設定されている。このように、支持部材30に第2の凹部36が形成された構成としても、上述の構成と同様乃至それに準ずる効果を期待することができる。図16は、変形例を示す断面図である。
また、図15及び図16に示した構成においては、半導体基板11と支持部材30のうち、一方に第1の凹部31(又は第1の凹部23)が設けられ、他方に第2の凹部24(又は第2の凹部36)が設けられる例を示した。しかしながら、第1の凹部31とともに第2の凹部36が設けられた支持部材30を採用しても良いし、第1の凹部23とともに第2の凹部24が設けられた半導体基板11を採用しても良い。
また、本実施形態においては、第1実施形態に示した構成に対し、第2の凹部24を半導体基板11に設ける例を示した。しかしながら、第2実施形態〜第4実施形態に示した構成や各実施形態の変形例に対しても、第2の凹部24(第2の凹部36)を適用することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、流量検出チップ10を構成する半導体基板はシリコンからなる半導体基板11である例を示した。このように半導体基板11を用いると、一般的な半導体製造技術により、半導体基板に容易に空洞部12及び薄肉部13を形成することができる。すなわち、熱式流量センサ100を低コストで製造することができる。しかしながら、半導体基板はシリコン基板に限定されるものではない。また、基板も半導体基板に限定されず、支持部材30との線膨張係数に差のある部材(例えばガラス)を採用することができる。
本実施形態においては、センサ装置の一例として熱式流量センサ100を取り上げた。これは、薄肉部13の厚さが数μm程度と非常に薄く、モールド成形時に薄肉部13がダメージを受け易く、また、ピエゾ抵抗効果によってセンサ特性が変動しやすいからである。しかしながら、センサ装置としては熱式流量センサ100に限定されるものではない。例えば熱式流量センサ100以外にも、基板の空洞部上に薄肉部が形成され、この薄肉部に検出部の抵抗体が配置された構造のセンサ(例えばサーモパイル式の赤外線センサ、湿度センサ、圧力センサ等)であれば適用することができる。
本実施形態においては、支持部材30と外部接続端子50が、リードフレーム81の一部として構成される例を示した。しかしながら、リードフレーム81に限定されるものではない。例えば、支持部材30と外部接続端子50がプリント基板であっても良い。また、支持部材30と外部接続端子50が、異なる部材からなる構成としても良い。
本実施形態においては、流量検出チップ10のパッド20と外部接続端子50が、ワイヤ80を介して電気的に接続される例を示した。しかしながら、流量検出チップ10と外部接続端子50との接続はワイヤボンディングに限定されるものではない。例えば、上述したように、外部接続端子50としてプリント基板を採用する場合には、バンプ等によって接続された構成としても良い。
本実施形態においては、流量検出チップ10と外部接続端子50が、ワイヤ80を介して直接的に接続される例を示した。しかしながら、流量検出部の入出力を制御する回路が形成された回路チップを介して、流量検出チップ10と外部接続端子50が電気的に接続された構成としても良い。この場合、流量検出チップと回路チップとの接続部、及び、回路チップと外部接続端子との接続部が、封止樹脂70によって被覆された構造となる。このように、回路チップを含む構成に対しても、回路チップを含まない構成同様乃至それに準ずる効果を期待することができる。
本実施形態においては、支持部材30が貫通孔33を有する例を示した。しかしながら、図17に示すように、貫通孔33のない支持部材30を用いることで、空洞部12が支持部材30によって塞がれた構成としても良い。このような構成とすると、乱流によるノイズを抑制することができる。しかしながら、空洞部12と外部雰囲気とで、使用環境での温度変化などによる気圧差が生じることとなる。図17は、その他変形例を示す断面図である。
本実施形態においては、半導体基板11の下面全面が支持部材30と対向するように、支持部材30が設けられる例を示した。しかしながら、例えば図18に示すように、半導体基板11の下面の一部とのみ対向するように支持部材30が設けられた構成としても良い。図18では、支持部材30が、空洞部12及びその周囲領域に配置されない構成となっている。このような構成とすると、接着剤34が、空洞部12の近傍まではみ出たり、押し広げられることがなくなる。これにより、センサ特性の変動や薄肉部13のダメージが抑制される。図18は、その他変形例を示す断面図である。
第1実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す上面視平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 流量検出チップの概略構成を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 熱式流量センサの製造方法を示す工程別断面図であり、(a)は搭載工程、(b)は接続工程、(c)はモールド工程を示す図である。 センサ特性の変動を抑制する原理について説明する断面図である。 薄肉部の受けるダメージを抑制する原理を説明する断面図である。 変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。 図9のX−X線に沿う断面図である。 第3実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す断面図である。 第4実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。 図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。 第5実施形態に係る熱式流量センサの概略構成を示す平面図である。 図14のXV−XV線に沿う断面図である。 変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。
符号の説明
10・・・流量検出チップ(センサチップ)
11・・・半導体基板(基板)
12・・・空洞部
13・・・薄肉部
14,14a,14b・・・ヒータ
23・・・第1の凹部
30・・・支持部材
31・・・第1の凹部
34・・・接着剤
50・・・外部接続端子
70・・・封止樹脂

Claims (11)

  1. 空洞部を有する基板上に、検出部と前記検出部に接続された配線部が形成され、前記検出部を構成する抵抗体が前記空洞部上の薄肉部に形成されたセンサチップと、
    一面上に、前記センサチップが前記空洞部の開口された下面を搭載面として接着固定された支持部材と、
    前記配線部と電気的に接続された外部接続端子と、
    前記配線部と前記外部接続端子との接続部位が被覆され、前記検出部及び前記薄肉部が露出されるように一体的に配置された封止樹脂と、を備えるセンサ装置であって、
    前記センサチップの下面の一部、及び、前記支持部材の一面における前記下面との対向領域の一部の少なくとも一方に、前記空洞部の開口領域又は前記開口領域に対応する領域と隣接しないように第1の凹部が少なくとも1つ形成され、
    前記第1の凹部に前記接着剤が配置されて、前記センサチップの下面の一部が前記支持部材に接着固定されていることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記センサチップは、前記検出部として、前記薄肉部上に形成されたヒータを含む流量検出部を備えた流量検出チップであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記第1の凹部は、前記センサチップの下面における端部付近、及び、前記支持部材の一面における端部付近、の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 前記第1の凹部は、前記端部のうち、前記リードが配置された側の端部付近に形成され、少なくとも一部が前記封止樹脂内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のセンサ装置。
  5. 前記第1の凹部は、前記端部まで延設されていることを特徴とする請求項4に記載のセンサ装置。
  6. 前記接着剤は、フィルム化された接着剤であることを特徴とする請求項5に記載のセンサ装置。
  7. 前記第1の凹部は、その周囲よりも凹んだ部位であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のセンサ装置。
  8. 前記センサチップの下面、及び、前記支持部材の一面における前記下面との対向領域の少なくとも一方であって、前記空洞部の開口領域又は前記開口領域に対応する領域と前記第1の凹部との間に、前記空洞部の開口領域又は前記開口領域に対応する領域と隣接しないように第2の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のセンサ装置。
  9. 前記支持部材と前記外部接続端子とは、リードフレームの不要部分を除去することで互いに分離されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載のセンサ装置。
  10. 前記配線部と前記外部接続端子とは、ワイヤを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載のセンサ装置。
  11. 前記検出部の入出力を制御する回路が形成された回路チップをさらに備え、
    前記センサチップは、前記回路チップを介して前記外部接続端子と電気的に接続されており、
    前記封止樹脂により、前記センサチップと前記回路チップとの接続部、及び、前記回路チップと前記外部接続端子との接続部が被覆されていることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載のセンサ装置。
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