JP2009025699A - 感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板、および、プリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板、および、プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水系現像が可能で、解像度等および低反り性に優れた感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板およびプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】第一感光層が(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤及び(D1)難燃剤を必須成分として含有し、第二感光層が(A2)バインダーポリマー、及び(B2)(メタ)アクリル系化合物を必須成分として含有し、(D2)難燃剤を実質上含有せず、第二感光層の難燃剤含有率が0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たし、かつ、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さく、少なくとも第一感光層及び第二感光層を含む多層構造の感光性ドライフィルムレジストを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板、および、プリント配線板の製造方法に関するものであり、特に、水系現像が可能で、解像度、難燃性、密着性、耐湿性、及び、電気信頼性に優れた感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板、および、プリント配線板の製造方法に関するものである。
近年の電子機器の高機能化、小型化、軽量化に伴い、これら電子機器に用いられる電子部品に対しても、さらなる小型化、軽薄化が要求されている。そのため、プリント配線板上での半導体素子などの高密度実装や、配線の微細化、プリント配線板の多層化等を行うことにより、電子部品の高機能化や高性能化を図ることが求められている。また、配線の微細化に対応するためには、配線を保護するためにより高い電気絶縁性を有する絶縁材料が必要である。
上記プリント配線板を製造する際には、種々の用途で感光性材料が用いられる。すなわち、プリント配線板の基板上へのパターン化された回路(パターン回路)の形成、プリント配線板表面やパターン回路を保護するための保護層の形成、多層プリント配線板の層間絶縁層の形成等に、感光性材料が使用されている。
例えばプリント配線板表面やパターン回路を保護するための保護層の形成を例に挙げれば、感光性材料を用いることには以下のような利点がある。可撓性のあるフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit Board、以下、「FPC」ともいう)には、導体面を保護する目的で、表面にカバーレイフィルムと呼ばれる高分子フィルムが貼り合わされている。従来、FPCとカバーレイフィルムとの貼り合わせには、主としてエポキシ系やアクリル系の接着剤等が用いられてきた。しかし、これらの接着剤を用いる方法では、(1)半田耐熱性や高温時の接着強度などの耐熱性が低い、(2)可撓性に乏しい等の問題があり、カバーレイフィルムとして用いられている高分子フィルムの性能を充分活かすことができなかった。
さらに、上記接着剤を用いて、FPCとカバーレイフィルムとを貼り合わせる場合、カバーレイフィルムを、FPC上の正しい位置に貼り合わせるための位置合わせは、ほとんど手作業に近かった。そのため、作業性および位置精度が悪く、またコストがかかるものであった。
これらの作業性および位置精度を改善するために、感光性樹脂組成物の溶液をFPCの導体面に塗布・乾燥し保護層を形成する方法、フィルム状の感光性ドライフィルムレジスト(感光性カバーレイフィルムとも呼ばれる)を積層する方法等の開発がなされている。これらの方法では形成された感光性樹脂層にフォトマスクを載せて露光、現像するので、作業性および位置精度は向上している。
感光性材料として、上述したように、液状の感光性材料や、フィルム状の感光性材料がある。このうち、フィルム状の感光性材料は、液状の感光性材料に比べて、膜厚の均一性や作業性に優れているといった利点を備えている。そのため、パターン回路の形成に用いるパターン回路用レジストフィルム(パターン回路の形成に用いる感光性ドライフィルムレジスト)、上記保護層の形成に用いる感光性カバーレイフィルム、上記層間絶縁層の形成に用いる感光性ドライフィルムレジスト等、その用途に応じて、種々のフィルム状感光性材料も用いられている。
上記感光性カバーレイフィルムや感光性ドライフィルムレジスト(以下、両者を感光性ドライフィルムレジストと総称する)としては、現在アクリル系のフィルムが上市されているが、難燃性が劣るため、用途が限定されていた。
難燃性の改良に関しては、臭素系難燃剤を含む感光性樹脂組成物を硬化して製造された感光性ドライフィルムレジストがある(例えば、特許文献1等参照)。しかし、ハロゲンを含む難燃剤は環境に悪い影響を与える恐れがあるので、臭素系難燃剤に替えて、非ハロゲン系難燃剤の検討が進められている。
非ハロゲン系難燃剤としては、窒素系、リン系などが挙げられる。しかし、窒素系化合物は樹脂の硬化性への影響を考慮すると実用が困難であり、リン系化合物を用いた場合、樹脂組成物の吸湿性が高くなる傾向があり、耐湿性、電気信頼性が低下するという問題があった(例えば、特許文献2等参照)。
一方、耐湿性を有する樹脂層と、難燃性を有する樹脂層を積層することによって、耐湿性、難燃性を両立させる方法も提案されている。しかし、これは感光性のものではないため、微細加工に対応しておらず、用いる分野が異なる(例えば、特許文献3、4等参照)。
さらに、感光性フィルムの分野でも、複層化されたものはあるが、これは臭素化カルボン酸共重合体コンポーネントを難燃性付与のために用いるものであり、耐湿性、電気信頼性の問題を有するものではなかった(例えば、特許文献5等参照)。特許文献5には、プリント回路基板に直接接触する第1の層に、プリント回路基板に対する早期粘着を避ける一方で積層工程における加熱及び加圧に対して良好な粘着性に発達する十分に低い粘着性を持つ層を提供する両向性結合剤を含み、第2の層に難燃性を付与する臭素化カルボン酸共重合体コンポーネントを含む二層構造のコーティング素子が開示されている。
ところで、上記感光性ドライフィルムレジストとしては、従来、アクリル系の樹脂が用いられていた。しかし、アクリル系の樹脂からなる感光性ドライフィルムレジスト等では、耐熱性やフィルムの機械的強度が十分ではない。そこで、耐熱性やフィルムの機械的強度を向上させるために種々の有機ポリマ−の中でも耐熱性に優れているポリイミドを用いた感光性ポリイミドを、感光性ドライフィルムレジスト等に用いることが提案されている。
これまで、感光性ポリイミドとしては、主として半導体用途に用いることを目的として様々な組成のものが検討されており、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)に、3級アミンと(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を混合して、感光性ポリイミドとしたイオン結合型感光性ポリイミド、ポリアミド酸のカルボキシル基に、エステル結合を介してメタクロイル基を導入したエステル結合型感光性ポリイミド、メタクロイル基を有するイソシアネート化合物を、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)のカルボキシル基部位に導入した感光性ポリイミド、ポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物とを混合した感光性ポリイミド等が報告されている。
これらのうち、ポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物とを混合した感光性ポリイミド(特許文献6〜9等参照。)は、FPCのカバーレイ材料用のドライフィルムを製造する感光性樹脂組成物として用いられることが報告されている。これらの特許文献6〜9では、ポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物とを混合した感光性ポリイミドを用いることにより、作業安全性の面から有機溶媒より好ましいアルカリ水溶液で現像できること、露光後の皮膜が十分に硬化すること、高いのび性を発現すること等が報告されている。
さらに、FPCのカバーレイ材料として用いられるドライフィルムの可撓性・屈曲性を改善するために、ポリシロキサンジアミンを原料として得られるポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物を用いた感光性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献10等参照。)。
また、特許文献11には、ポリイミド前駆体をパシベーション膜として用い、シリコンウエハの反りを抑制する技術が記載されている。
特開2001―335619号公報(平成13(2001)年12月4日公開) 特開2000−241969号公報(平成12(2000)年9月8日公開) 特開2004−311573号公報(平成16(2004)年11月4日公開) 特開2005−161778号公報(平成17(2005)年6月23日公開) 特開平10−115919号公報(平成10(1998)年5月6日公開) 特開平11−52569号公報(平成11(1999)年2月26日公開) 特開2001−5180号公報(平成13(2001)年1月12日公開) 特開2004−29702号公報(平成16(2004)年1月29日公開) 特開2000−98604号公報(平成12(2000)年4月7日公開) 特開2004−361883号公報(平成16(2004)年12月24日公開) 特開2004−285129号公報(平成16(2004)年10月14日公開)
しかしながら、上記従来の感光性ドライフィルムレジストはいずれもその性能が十分であるとはいえず、水系現像液による現像性;優れた解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性のすべてを満たすものは未だ存在しない。
上述したように、ポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物にリン系難燃剤を導入して、難燃化を図った感光性樹脂組成物が報告されている。かかる感光性樹脂組成物では、難燃剤を導入することにより難燃化は図れているが、難燃剤としてリン系化合物を用いる場合、樹脂組成物の吸湿性が高くなる傾向があり、耐湿性が低下し、さらには電気信頼性が低下するという問題がある。
また、上記特許文献10に記載されているポリシロキサンジアミンを原料として得られるポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物を用いた感光性樹脂組成物では、可撓性・屈曲性は改善されるが、用いるポリアミド酸から得られるポリイミド自体の難燃性が乏しいため、多量の難燃剤を必要とし、そのため電気信頼性に劣るという問題がある。
なお、これに対して、上記特許文献3、4に耐湿性を有する樹脂層と、難燃性を有する樹脂層とを積層することによって、耐湿性と難燃性とを両立させる方法が提案されているが、これは感光性の樹脂にかかるものではなく、微細加工に対応していない。
また、上記特許文献6ないし9に記載されているポリアミド酸と(メタ)アクリル化合物とを混合した感光性樹脂組成物では、該感光性樹脂組成物から得られるカバーレイフィルムとベースフィルムとの熱膨張係数のミスマッチにより生じる反りを抑えることは困難である。ここで、FPCには薄いベースフィルム(25μm程度)の上に直接あるいは接着剤を介して銅箔のパターンが描かれており、導体面を保護する目的で表面にカバーレイフィルムが形成される。それゆえ、ベースフィルムとカバーレイフィルムとの熱膨張係数のミスマッチにより反りが生じれば、部品等を実装する際に不都合である。
さらに、上記特許文献10に記載されているポリシロキサンジアミンを原料として得られるポリアミド酸と(メタ)アクリル化合物とを用いた感光性樹脂組成物では、用いるポリアミド酸から得られるポリイミド自体の難燃性が乏しいため、多量の難燃剤を必要とし、それゆえに電気信頼性に劣るという問題がある。
このように、従来の感光性樹脂組成物から得られるFPCの感光性ドライフィルムレジストは、いずれもその性能が十分であるとはいえず、低温でのイミド化が可能で、感光性ドライフィルムレジストとしてFPCに積層した状態で反りが小さく、可撓性・屈曲性・電気信頼性・感光性に優れ、難燃性を有する感光性樹脂組成物は存在しなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水系現像が可能で、解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、および低反り性に優れた感光性ドライフィルムレジスト、これを用いたプリント配線板、および、プリント配線板の製造方法を提供することにある。
本発明は、第一感光層が(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、及び(D1)難燃剤を必須成分として含有し、第二感光層が(A2)バインダーポリマー、及び、(B2)(メタ)アクリル系化合物を必須成分として含有し、(D2)難燃剤を実質上含有せず、(D2)難燃剤に関して、第一感光層の全重量に対する(D1)難燃剤の重量の割合を第一感光層の難燃剤含有率、第二感光層の全重量に対する(D2)難燃剤の重量の割合を第二感光層の難燃剤含有率としたときに、第二感光層の難燃剤含有率が、0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たし、かつ、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さいことを特徴とする、少なくとも第一感光層及び第二感光層を含む多層構造の感光性ドライフィルムレジストである。
また、上記第二感光層は、さらに、(C2)光反応開始剤を必須成分として含有していることが好ましい。
前記多層構造の感光性ドライフィルムレジストにおいて、上記第二感光層は、多層構造のうち、最外層に位置することが好ましく、上記第一感光層は、別の最外層に位置することも好ましい。また、(D1)難燃剤及び/または(D2)難燃剤がリン系化合物であることが好ましい。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストでは、上記(D1)難燃剤および/または(D2)難燃剤はリン系化合物であることが好ましい。
また前記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、カルボキシル基含有ビニル系ポリマーであることが好ましい。また前記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、ポリアミド酸であることが好ましく、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたポリアミド酸であることがより好ましい。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)。
また前記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、以下の一般式(2)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rはそれぞれ独立して、炭素数2ないし5のアルキレン基を示し、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基を示し、R中のフェニル基の含有率が15%以上40%以下であり、且つ、mは4以上20以下の整数である。)で表される構成単位と、以下の一般式(3)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)で表される構成単位とからなるポリアミド酸であってもよい。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストでは、上記ポリアミド酸が、さらに、以下の一般式(4)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
Figure 2009025699
で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
で表される構成単位を有するものであってもよい。
また前記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが
以下の一般式(4)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
Figure 2009025699
で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
で表される構成単位と、以下の一般式(3)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)で表される構成単位とからなるものであってもよい。
本発明にかかる多層構造の感光性ドライフィルムレジストでは、上記一般式(3)で表される構成単位は、上記一般式(3)中、Rにおける、上記芳香族ジアミンの上記2個のアミノ基が結合していた芳香環の少なくともひとつが、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位を含むことが好ましい。
上記芳香族ジアミンは、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、または2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパンであることがより好ましい。
また前記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドであることが好ましく、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドであることがより好ましい。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
また、第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが500以下であることが好ましい。
本発明の別の発明は、前記多層構造の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として用いることを特徴とするプリント配線板である。
また、プリント配線板においては、プリント配線板の構成の一部である、感光性ドライフィルムレジスト中の構成において、上記第二感光層が回路面と接触する最外層に位置し、上記第一感光層がもう一方の最外層に位置していることが好ましい。
本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、上記課題を解決するために、上記感光性ドライフィルムレジストを180℃以下の温度で硬化させ絶縁保護層として形成してなることを特徴としている。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、以上のように、第一感光層が(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、及び(D1)難燃剤を必須成分として含有し、第二感光層が(A2)バインダーポリマー、及び、(B2)(メタ)アクリル系化合物を必須成分として含有し、(D2)難燃剤を実質上含有せず、(D2)難燃剤に関して、第一感光層の全重量に対する(D1)難燃剤の重量の割合を第一感光層の難燃剤含有率、第二感光層の全重量に対する(D2)難燃剤の重量の割合を第二感光層の難燃剤含有率としたときに、第二感光層の難燃剤含有率が、0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たし、かつ、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さいという構成を備えている。そのため、水系現像性が良好であり、かつ難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性に優れたものとなっているとともに、低反り性に優れる。さらに、多層構造にすることによって、解像度等の感光性にも優れる。
したがって、本発明は、FPC等のプリント配線板を製造する産業、例えば電子部品用の樹脂材料を製造する樹脂産業分野に好適に用いることができるだけではなく、このようなプリント配線板を用いる電子機器の産業分野に好適に用いることができるという効果を奏する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、感光性ドライフィルムレジストを、難燃剤を含む第一感光層と、難燃剤を含まないかまたは含んでいても少量しか含まない第二感光層とを含む多層構造とし、回路を形成した積層板に接する側に、第二感光層が接するように積層したところ、難燃性と、電気信頼性とがともに優れた感光性ドライフィルムレジストとなることを見出した。また、驚くべきことに、得られた感光性ドライフィルムレジストは、難燃性と、電気信頼性とだけではなく、一層構造のものに比べ、感光性も向上することを見出した。
さらに、上記感光性ドライフィルムレジストは全体として可塑性を保つことができ、反りの小さいレジストとなることを見出した。
以下本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストおよびこれを用いたプリント配線板について、(I)感光性ドライフィルムレジスト、(II)感光性ドライフィルムレジストの製造方法、(III)プリント配線板の順に具体的に説明する。
(I)感光性ドライフィルムレジスト
(I−1)感光性ドライフィルムレジスト
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、少なくとも第一感光層と第二感光層とを含む多層構造の感光性ドライフィルムレジストである。
なお、本明細書において、多層構造とは二層以上の複数の層からなる構造をいう。従って、本発明にかかる多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、第一感光層と第二感光層とからなる二層構造のものであってもよいし、さらに他の層が積層されているものであってもよい。
本発明に係る多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、少なくとも第一感光層及び第二感光層を含んでおり、第一感光層が(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、及び(D1)難燃剤、を必須成分として含有し、第二感光層が(A2)バインダーポリマー、及び、(B2)(メタ)アクリル系化合物を必須成分として含有し、(D2)難燃剤を実質上含有せず、(D2)難燃剤に関して、第一感光層の全重量に対する(D1)難燃剤の重量の割合を第一感光層の難燃剤含有率、及び第二感光層の全重量に対する(D2)難燃剤の重量の割合を第二感光層の難燃剤含有率としたときに、第二感光層の難燃剤含有率が、0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たし、かつ、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さい。
なお、上記第二感光層は、さらに、(C2)光反応開始剤を必須成分として含有していることが好ましい。また、かかる感光性ドライフィルムレジストは、回路を形成した銅張積層板(回路付きCCLともいう)に接する側に第二感光層が接するように積層して用いる。また、第一感光層は、CCL側から見て、最外層に位置することが好ましい。
ここで「(D2)難燃剤を実質上(実質的に)含有せず」とは、(D2)難燃剤を全く含有しないか、含有してもわずかな量を含有することをいい、具体的には、上記の条件を満たす量、すなわち、第二感光層の難燃剤含有率が0以上10重量%以下、かつ第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることをいう。言い換えれば、第二感光層の難燃剤含有率は、0以上10重量%以下であって、且つ、0≦(第二感光層の難燃剤含有率)/(第一感光層の難燃剤含有率)≦0.5となっていることをいう。
本発明の多層構造の感光性ドライフィルムレジストにおいては、第一感光層の難燃剤含有率を高くすることによって難燃性を付与し、第二感光層の難燃剤含有率を低くするか、難燃剤を全く含まないようにすることによって、耐湿性、電気信頼性をより高めることが出来る。さらに、アルカリ現像時に残渣が発生しにくくなり、現像性、解像度をより高めることが出来る。
このような構成にすることにより、感光性ドライフィルムレジスト全体としては、水系現像性が良好であり、かつ難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性に優れたものとなる。
また、難燃剤は、リン系の難燃剤に代表されるように、可塑剤としても働く。本発明では、第一感光層に難燃剤が含有され、第二感光層には難燃剤が実質上含有されないため、第一感光層では、難燃剤が含有されている分だけ、難燃剤以外の他の成分の含有率が低下し、第二感光層よりも可塑化されて反り量が小さくなる。その結果、本発明に係る感光性ドライフィルムレジストは、全体として反り量の小さいものとなり、低反り性に優れたものとなる。
具体的には、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さくなる。
上記「25μm厚み」とは、ポリイミドフィルムをマイクロメーターを使用して測定した平均膜厚が25.0±1.0μmであることをいう。
上記「ポリイミドフィルム」とは、ポリイミドを材料として作製されたフィルムのことであるが、本発明においては、フレキシブルプリント配線板のベースフィルム、および、カバーレイフィルムに使用されるフィルムのことを指す。例えば、アピカル、ピクシオ(以上(株)カネカ製)、カプトン((株)デュポン製)等の製品が挙げられる。
上記「ポリイミドフィルムの反り」とは、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層または第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムを、23℃65%RHの環境下に24時間放置後、感光性ドライフィルムレジスト面を上にして平らな台の上に置き、台から反り上がった部分の最大高さをいう。
25μm厚みのポリイミドフィルム上へ第一感光層または第二感光層を形成する方法は、特に限定されるものではない。例えば、支持フィルム上に、第一感光層または第二感光層単独のフィルムを形成し、作製した第一感光層または第二感光層単独のフィルムを、25μm厚みのポリイミドフィルムにラミネートした後、露光・現像・加熱キュアを行うことにより、25μm厚みのポリイミドフィルム上へ第一感光層または第二感光層を形成させることができる。
上記第二感光層の難燃剤含有率は、0以上10重量%以下であればよいが、より少ない方が好ましく、5重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。上記第二感光層の難燃剤含有率が、10重量%より以下であれば、解像度、耐湿性、電気信頼性をより高めることができる。また、(第二感光層の難燃剤含有率)/(第一感光層の難燃剤含有率)は、0以上0.5以下であればよいが、0.2以下であることがより好ましく、0.1以下であることがさらに好ましく、0.05以下であることが特に好ましい。(第二感光層の難燃剤含有率)/(第一感光層の難燃剤含有率)を0.5以下とすることにより、第二感光層の難燃剤含有率が上記範囲である場合には、感光性ドライフィルムレジスト全体として十分な難燃性を付与することができる。
本発明において難燃剤含有率とは、感光性ドライフィルムレジストを構成する各層における全成分の重量分のうち、難燃剤の重量が占める割合のことをいい、下記計算式によって算出されるものとする。なお、D2、C2、E1及びE2が存在しない場合は重量を0として計算するものとする。また、E1及びE2は、A〜D以外の全ての成分を表す。
第一感光層の難燃剤含有率(重量%)=((D1)難燃剤の重量)÷{((A1)バインダーポリマーの重量)+((B1)(メタ)アクリル系化合物の重量)+((C1)光反応開始剤の重量)+((D1)難燃剤の重量)+((E1)その他の成分)の重量}×100
第二感光層の難燃剤含有率(重量%)=((D2)難燃剤の重量)÷{((A2)バインダーポリマーの重量)+((B2)(メタ)アクリル系化合物の重量)+((C2)光反応開始剤の重量)+((D2)難燃剤の重量)+((E2)その他の成分の重量)}×100
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、上述したように、少なくとも第一感光層と第二感光層とを含む多層構造の感光性ドライフィルムレジストであって、第一感光層および第二感光層が、上述した成分を含み、各層中の難燃剤含有率が上述した関係にあれば、各層中の、バインダーポリマー、(メタ)アクリル系化合物、光反応開始剤、および、難燃剤の割合は、特に限定されるものではない。
上記第一感光層および第二感光層における、(A1)バインダーポリマーの重量の上記第一感光層の全重量に対する割合および上記(A2)バインダーポリマーの重量の、第二感光層の全重量に対する割合は、それぞれ、10重量%以上90重量%以下であることが好ましく、20重量%以上85重量%以下であることがより好ましく、25重量%以上80重量%以下であることがさらに好ましい。上記割合が10%以上であることにより第一感光層および第二感光層の耐熱性が向上する傾向にあるため好ましく、90%以下であることにより、基材に対する低温での圧着が可能となるため好ましい。
また、上記第一感光層および第二感光層において、(B1)(メタ)アクリル系化合物および(B2)(メタ)アクリル系化合物は、それぞれ、上記(A1)バインダーポリマー100重量部および(A2)バインダーポリマー100重量部に対し、1重量部以上400重量部以下の範囲で含有されることが好ましく、3重量部以上300重量部以下の範囲で含有されることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系化合物が上記範囲内で含有されることによって、良好な光硬化性、熱流動性を付与することができる。
また、上記第一感光層および第二感光層において、(C1)光反応開始剤および(C2)光反応開始剤は、それぞれ、増感効果が得られ、かつ現像性に悪影響を及ぼさない範囲で配合すればよい。具体的には、(C1)光反応開始剤および(C2)光反応開始剤は、それぞれ、上記(A1)バインダーポリマー100重量部および(A2)バインダーポリマー100重量部に対し、0.01〜50重量部配合されることが好ましい。
なお、第一感光層の光反応開始剤が上記割合で含まれていれば、第二感光層が(C2)光反応開始剤を含有しない場合でも、一定の解像度および感光能を有する感光性ドライフィルムレジストを得ることができる。それゆえ、本発明には、第二感光層が、実質的に(C2)光反応開始剤を含まない構成も含まれる。従って上記(A2)バインダーポリマー100重量部に対する(C2)光反応開始剤の配合割合は、0〜0.01重量部であってもよい。
また、上記第一感光層において、(D1)難燃剤の含有量は、特に限定されるものではなく、用いる難燃剤の種類に応じて適宜選択すればよい。上記(D1)難燃剤の含有量は、上記(A1)バインダーポリマーおよび(B1)(メタ)アクリル系化合物の合計量を100重量部としたときに、5〜50重量部の範囲であることが好ましく、10〜40重量部の範囲であることがより好ましい。(D1)難燃剤の含有量が5重量部以上であることにより、硬化後の感光性ドライフィルムレジストに難燃性を効果的に付与することができる。さらに、(D1)難燃剤の含有量が50重量部以下であることにより、硬化後の感光性ドライフィルムレジストの機械特性を向上させることができる。なお、上記第二感光層における(D2)難燃剤の含有量は上述した通りである。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、5μm以上75μm以下であることが好ましく、10μm以上60μm以下であることがより好ましい。感光性ドライフィルムレジストの厚みが、5μm未満であると銅等の導体配線を被覆できない場合があるため好ましくない。また、感光性ドライフィルムレジストの厚みが、75μmより大きいと感光能が低下する場合があるため好ましくない。
また、上記第二感光層の厚みは、第一感光層の厚みを100とした場合、10〜500であることが好ましく、20〜400であることがより好ましく、50〜300であることがさらに好ましい。
第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが500より大きいと感光性ドライフィルムレジストの難燃性が低下してしまうので好ましくない。また、第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが10より小さいと電気信頼性が低下する傾向にある。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、回路を形成した銅張積層板(回路付きCCLともいう)に接する側に第二感光層が接するように積層して用いる。これにより、感光性ドライフィルムレジストの解像度、難燃性、耐湿性、電気信頼性を向上させることができる。これは、回路を形成した銅張積層板に接する部分における難燃剤の濃度を低下させることで、この銅張積層板に接する部分の耐湿性の低下を防止することができるので、効果的に電気信頼性を向上させることができるためであると考えられる。
また、銅張積層板に接する側に第二感光層が接するように積層することにより解像度および感光能を向上させることができるのは、以下の理由によると考えられる。すなわち、感光性が発現するのは、光照射により、光反応開始剤がラジカル等を発生させ、(メタ)アクリル系化合物が架橋することによる。ここで、難燃剤の濃度が高いと、発生したラジカル等の濃度を低下させたり、(メタ)アクリル系化合物の架橋密度(濃度)を低下させたりすることとなり、感光能が低下する。特に、光照射される側から遠い側(深い部分)ではこの傾向が大きい。それゆえ、光照射される側から遠い側、すなわち、銅張積層板に接する側の難燃剤濃度を低下させることにより、解像度および感光能の向上を実現することができる。さらに、基材に接する第二感光層の難燃剤の濃度を低下させることで、第二感光層のアルカリ溶解性が向上するために、アルカリ現像時に残渣が発生しにくくなり、解像度および感光能をより高めることができる。そしてかかる効果は、基材に接する第二感光層のアルカリ溶解性が優れてさえいれば、第一感光層のアルカリ溶解性が劣っていても得られる効果である。それゆえ、銅張積層板に接する側に第二感光層が接するように積層することにより、感光性ドライフィルムレジスト全体としての難燃性を確保すると同時に優れたアルカリ溶解性による効果を得ることができる。
また、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、さらに、後述する支持体フィルムおよび/または保護フィルムが積層されていてもよい。なお、支持体フィルムは、第一感光層の外側に、また、保護フィルムは、第二感光層の外側に形成されている。
以下、本発明にかかる多層構造の感光性ドライフィルムレジストを構成する、第一感光層および第二感光層に含まれる上記各成分について詳細に説明する。
(I−2)バインダーポリマー
本発明において、バインダーポリマーとは、感光性ドライフィルムレジストを形成するために用いられる感光性樹脂組成物のうち、フィルム形成能を付与するために配合されるポリマー成分のことを指す。なお、本発明において、ポリマー成分とは、重量平均分子量が5,000以上のオリゴマー、ポリマー成分を指す。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えば、東ソー社製HLC8220GPCにより測定することが可能である。
本発明で用いるバインダーポリマーは、特に限定されないが、水系現像を可能とするために、アルカリ水溶液に可溶、または膨潤可能であることが望ましいため、ポリマー鎖中にカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性官能基を含有することが好ましい。酸性官能基を有するバインダーポリマーとしては、カルボキシル基含有ビニル系ポリマー、ポリアミド酸、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドを挙げることができ、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本発明において、(A1)と(A2)とは同一のバインダーポリマーであってもよいし異なっていてもよい。また、B、C、D、Eの各成分についても同様に、第一感光層と第二感光層とで、同じ物質を用いてもよいし、異なる物質を用いてもよい。
(I−2−1)カルボキシル基含有ビニル系ポリマー
バインダーポリマーとして、カルボキシル基含有ビニルポリマーを用いることによって、柔軟性、アルカリ溶解性に優れた感光性ドライフィルムレジストを製造することができる。また、製造も容易であり、生産面、コスト面にも優れる。
カルボキシル基含有ビニル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマー、およびこれらと共重合可能なモノマーとを、公知の方法によって共重合させることによって得ることができる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、ビニル安息香酸、桂皮酸、プロピオール酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸無水物、フタル酸無水物等が挙げられる。中でも、コスト、重合性などの観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記これらと共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコール類、スチレン、スチレン誘導体等が挙げられる。中でも、重合性、可とう性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体を用いることが好ましい。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのモノマーから得られるカルボキシル基含有ビニル系ポリマーは、特に限定されないが、カルボキシル基含有モノマーを5〜50モル%含有していることが好ましく、15〜40モル%含有していることがより好ましい。含有率が5モル%未満では、アルカリ水溶液への溶解性が劣る傾向があり、50モル%より大きいと、アルカリ水溶液への耐性が劣る場合がある。なお、カルボキシル基含有モノマーの含有率は、使用する全モノマーに対するカルボキシル基含有モノマーの割合のことを指す。
上記カルボキシル基含有ビニル系ポリマーの重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、5000〜300000であることが好ましく、10000〜200000であることがより好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、感光性ドライフィルムレジストにベタツキが生じやすく、さらに硬化後のフィルムの耐屈曲性に劣るという傾向がある。一方、重量平均分子量が300000より大きいと、製造された感光性ドライフィルムレジストの現像性が低下する場合がある。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えば、東ソー社製HLC8220GPCにより測定することが可能である。
(I−2−2)ポリアミド酸
バインダーポリマーとして、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を用いることによって、感光性ドライフィルムレジスト全体として、水系現像性、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、半田耐熱性などの特性が優れたものになる。
ポリアミド酸は、有機溶媒中でジアミンと酸二無水物とを反応させることにより得ることができる。例えば、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中において、ジアミンを有機溶媒中に溶解、又はスラリー状に分散させて、ジアミン溶液とする。一方、酸二無水物は、有機溶媒に溶解、又はスラリー状に拡散分散させた状態とした後、あるいは固体の状態で、上記ジアミン溶液中に添加すればよい。
ポリアミド酸を合成するために用いられる酸二無水物及びジアミンとしては、特に限定されるものではないが、反応性、難燃性、有機溶媒への溶解性、耐熱性、屈曲性などの観点から、芳香族酸無水物、芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
上記の芳香族酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、2,2’−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。上記酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記芳香族酸二無水物のうち、合成の容易さ、アルカリ水溶液への溶解性から、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、2,2’−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも一部用いることが好ましい。
上記の芳香族ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノフェニルエタン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,3’−ジアミノフェニルエーテル、4,4’−ジジアミノフェニルスルフィド、4,4’−ジジアミノフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、および4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを挙げることができる。上記ジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ジアミンのうち、耐熱性、アルカリ水溶液への溶解性から、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを少なくとも一部用いることが好ましい。
なお言うまでもないが、上記芳香族ジアミン以外に、公知の他のジアミンを原料の一部として同時に用いてもよい。
上記ジアミンと酸二無水物とを用いてポリアミド酸を合成する場合、上記ジアミンと酸二無水物とを、それぞれ少なくとも1種類ずつ用いて反応を行えばよい。すなわち、例えば、ジアミン成分と、上記酸二無水物とを用いて、上述したように、有機溶媒中で重合反応を行うことにより、ポリアミド酸を得ることができる。
このとき、1種のジアミンと1種の酸二無水物が実質上等モルであれば、酸二無水物成分1種及びジアミン成分1種のポリアミド酸になる。また、2種以上の酸二無水物成分及び2種以上のジアミン成分を用いる場合、複数のジアミン成分全量のモル比と複数の酸二無水物成分全量のモル比とを、実質上等モルに調整しておけば、ポリアミド酸共重合体を任意に得ることもできる。
上記ジアミンと酸二無水物の反応(ポリアミド酸の合成反応)の温度条件は、特に限定されないが、−20℃以上80℃以下であることが好ましく、−15℃以上50℃以下であることがより好ましい。80℃を超えると、ポリアミド酸が分解する恐れがあり、逆に−20℃以下だと、重合反応の進行が遅くなる場合がある。また、反応時間は10分〜30時間の範囲で任意に設定すればよい。
さらに、上記ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、有機極性溶媒であれば特に限定されるものではないが、ポリアミド酸を溶解でき、かつ、なるべく沸点の低いものを選択することが工程上有利である。
具体的には、ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
上記ポリアミド酸の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、5000〜300000であることが好ましく、10000〜200000であることがより好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、感光性ドライフィルムレジストにベタツキが生じやすく、さらに硬化後のフィルムの耐屈曲性に劣るという傾向がある。一方、重量平均分子量が300000より大きいと溶液粘度が高くなりすぎるため取扱いが難しくなる傾向があり、また製造された感光性ドライフィルムレジストの現像性が低下する場合がある。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えば、東ソー社製HLC8220GPCにより測定することが可能である。
上記特許文献6ないし9に記載されているポリアミド酸と(メタ)アクリル系化合物とを混合した感光性樹脂組成物では、該感光性樹脂組成物から得られるカバーレイフィルムとベースフィルムとの熱膨張係数とのミスマッチにより生じる反りを抑えることは困難である。ここで、FPCは薄いベースフィルム(25μm程度)の上に直接或いは接着剤を介して銅箔のパターンが描かれており、導体面を保護する目的で表面にカバーレイフィルムが形成される。それゆえ、ベースフィルムとカバーレイフィルムとの熱膨張係数のミスマッチにより反りが生じれば、部品等を実装する際に不都合である。
このように、従来のFPCの感光性ドライフィルムレジストはいずれもその性能が十分であるとはいえず、水系現像液による現像性;優れた解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性のすべてを満たすものは存在しなかった。
上記ジアミンとして、以下の、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の少なくとも一部として用いたポリアミド酸は、柔軟性、密着性、可とう性を向上させることが出来る。それゆえ、かかるポリアミド酸を用いることにより、現像性;優れた解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性に加え、低反り性をも有する感光性ドライフィルムレジストを製造することができる。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
また、本発明者らは、さらに、一定の構造を有するポリシロキサンジアミンを原料とするポリアミド酸を用いることにより、さらに、ポリイミド自体の難燃性を向上させ、低いイミド化温度を実現できることを見出し、かかるポリアミド酸を上記二層構造の感光性ドライフィルムレジストに用いることで、水系現像液による現像性;優れた解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性;および低いイミド化温度のすべてを満たす感光性ドライフィルムレジストを実現できることを見出した。
難燃性と柔軟性とのバランスがとれたポリアミド酸として、以下の一般式(2)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rはそれぞれ独立して、炭素数2ないし5のアルキレン基を示し、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基を示し、R中のフェニル基の含有率が15%以上40%以下であり、且つ、mは4以上20以下の整数である。)
で表される構成単位と、
以下の一般式(3)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)
で表される構成単位とからなるポリアミド酸を用いることも非常に好ましい。
これにより、難燃性、電気信頼性、および、低反り性に優れるポリアミド酸を得ることができる。また、上記ポリアミド酸を用いることにより、水系現像が可能で、解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性に優れた感光性ドライフィルムレジストを得ることができる。
一般式(2)中、Rは4価の有機基であれば、特に限定されるものではないが、単環式の芳香族基、縮合多環式の芳香族基、およびこれらの芳香族基の2個以上が直接または連結基により連結された基から選択される炭素数6〜50の4価の芳香族基であることがより好ましい。Rとしては、具体的には、例えば、後述する酸二無水物から、2つの−CO−O−CO−を除いた残基を挙げることができる。なお、Rは一般式(2)で表される構成単位ごとに同一であってもよいし異なっていてもよい。
一般式(2)中、Rは、それぞれ独立して炭素数2ないし5のアルキレン基であればよい。具体的には、Rは、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基またはペンタメチレン基である。
また、一般式(2)中、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基である。なお、R中のメチル基は、得られるポリアミド酸、これを含む感光性ドライフィルムレジスト、およびそのイミド化物(以下、本明細書において、ポリアミド酸等と略記することがある。)の性能に好ましくない影響を与えない限り、その一部がエチル基やプロピル基で置換されていてもよい。ここで、R中のフェニル基の含有率は15%以上40%以下であることが好ましい。R中のフェニル基の含有率が15%以上であることにより、ポリアミド酸等の難燃性をより向上させることができる。このように、フェニル基の含有率が15%以上であることは、得られるポリアミド酸等の難燃性の観点からは好ましいが、フェニル基の含有率が40%より大きいと、得られるポリアミド酸等の柔軟性・低反り性が低下する傾向があるため好ましくない。フェニル基の含有率は、より好ましくは18%以上38%以下であり、さらに好ましくは20%以上35%以下である。
また、上記フェニル基の含有率が上記範囲内であると、得られるポリアミド酸等の感光性、屈曲性、電気信頼性が向上する傾向にある。このように、上記フェニル基の含有率を上記範囲とすることにより、理由はわからないが、より反りが小さく可撓性・屈曲性・電気信頼性・感光性に優れ、難燃性を有するポリアミド酸等を得ることができる。
また、難燃性が向上することにより、従来のポリシロキサンジアミンを用いて得られるポリアミド酸等と比較して、より少ない難燃剤で難燃性を確保することができる。それゆえ難燃性、耐湿性、電気信頼性の点でより優れたポリアミド酸等を得ることができる。
なお、ここで、フェニル基の含有率とは、R中に含まれるフェニル基のモル分率をいい、下記式で表される。
フェニル基の含有率(%)=(R中のフェニル基のモル数)÷(R中のフェニル基のモル数+R中のメチル基のモル数)×100
また、R中のメチル基の含有率は60%以上85%以下であることが好ましい。R中のメチル基の含有率が60%以上であることにより、得られるポリアミド酸は柔軟性・低反り性がより向上するため好ましい。また、メチル基の含有率が60%以上であると得られるポリアミド酸等は柔軟性・低反り性に優れるが、メチル基の含有率が85%より大きいと、得られるポリアミド酸等の難燃性が低下する傾向にあるため好ましくない。メチル基の含有率は、より好ましくは62%以上82%以下であり、さらに好ましくは65%以上80%以下である。
また、一般式(2)中、シロキサン結合の繰り返し単位数mは、4以上20以下の整数であることが好ましい。mが4以上であることにより、得られるポリアミド酸等の柔軟性・低反り性がより向上するため好ましい。また、mが20より大きいと、得られるポリアミド酸等においてポリシロキサン部位が凝集し、凝集したドメインが可視光の波長以上になり光を乱反射して白化し、感光能が低下する場合がある。またmが20より大きくなり、ポリシロキサンのみの大きなドメインができると難燃性が低下する場合がある。mはより好ましくは4以上18以下であり、さらに好ましくは5以上15以下である。
また、上記mが上記範囲内であると、得られるポリアミド酸等は屈曲性、電気信頼性に優れる傾向にある。このように、mを上記範囲とすることにより、反りが小さく可撓性・屈曲性・電気信頼性・感光性に優れ、難燃性を有するポリアミド酸等を得ることができる。
また、一般式(3)中、Rは4価の有機基であれば、特に限定されるものではないが、単環式の芳香族基、縮合多環式の芳香族基、およびこれらの芳香族基の2個以上が直接または連結基により連結された基から選択される炭素数6〜50の4価の芳香族基であることがより好ましい。Rとしては、具体的には、例えば、後述する酸二無水物から、2つの−CO−O−CO−を除いた残基を挙げることができる。なお、Rは一般式(3)で表される構成単位ごとに同一であってもよいし異なっていてもよい。また、一般式(2)中のRと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、一般式(3)中、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基であれば、特に限定されるものではない。なお、ここで、芳香族ジアミンとは、芳香環に直接結合したアミノ基を2個有する化合物をいう。中でも、Rは、単環式の芳香族基、縮合多環式の芳香族基、およびこれらの芳香族基の2個以上が直接または連結基により連結された基から選択される炭素数6〜50の2価の芳香族基であることがより好ましい。なお、Rは一般式(3)で表される構成単位ごとに同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記一般式(3)で表される構成単位は、上記一般式(3)中、Rにおける、上記芳香族ジアミンの上記2個のアミノ酸が結合していた芳香環の少なくともひとつが、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位を含むことがより好ましい。かかる構成単位とは、例えば、上記芳香族ジアミンがフェニレンジアミンである場合は、2個のアミノ基が結合していた単一のベンゼン環が、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位である。すなわち、かかる場合は、上記芳香族ジアミンがm−フェニレンジアミンであり、Rはm−フェニレンジアミンから、2個のアミノ基を除いた2価のm−フェニレン基である。
また、例えば、上記芳香族ジアミンがジアミノジフェニルメタンである場合は、2個のアミノ基それぞれ結合していた2個のベンゼン環のうち少なくとも1個が、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位である。すなわち、かかる場合は、上記芳香族ジアミンが3,3’−または3,4’−ジアミノジフェニルメタンであり、Rは3,3’−または3,4’−ジアミノジフェニルメタンから、2個のアミノ基を除いた2価の基である。
これにより、ポリアミド酸等のイミド化温度を低下させることが可能となる。具体的には、180℃以下の加熱で95%以上のイミド化率となるポリアミド酸を得ることができる。
従来の感光性ポリイミドは、主に半導体用途に検討されていたものであり、半導体に対してはイミド化の温度が高温でも問題がないため、イミド化温度を低くすることについての検討は行われてこなかった。従来の感光性ポリイミドは、ポリアミド酸の状態で露光・現像したのち、通常、300℃以上の温度でイミド化することによって得られるものである。FPCの感光性ドライフィルムレジストとして、かかる感光性ポリイミドを用いると、FPC自体に、250℃以上の熱を加えることになる。しかしながら、一般に、リジットおよびフレキシブルプリント基板の構成材としては、エポキシ樹脂等ポリイミドより耐熱性の低い樹脂も用いられており、200℃以下の耐熱性しかもたない。そのため、300℃以上の高温で硬化させるこれらの感光性ポリイミドをFPC用途に用いると、高温により、銅箔の酸化や、銅の結晶構造変化が起こり、銅箔の強度が低下するという問題が起こる。それゆえ、かかる感光性ポリイミドは、リジットおよびフレキシブルプリント基板用途として用いることはできない。
上記ポリアミド酸を用いることにより、水系現像が可能で、解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性に優れ、且つ、低いイミド化温度をも有する感光性ドライフィルムレジストを得ることができる。
それゆえ、かかる感光性ドライフィルムレジストを180℃以下の温度で硬化させ絶縁保護層として形成させてプリント配線板を製造することが可能となる。これにより、高温による銅箔の酸化や銅の結晶構造変化が起こり、銅箔の強度が低下するという問題を解消し、性能のよいプリント配線板を製造することができる。
上記芳香環が、オルト位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している場合は、イミド化により生成するイミド環と主鎖とが近接している。その結果、立体障害が生じるため、イミド化が阻害される。よってイミド化温度が上昇する傾向にあると考えられる。
これに対して、上記芳香環が、パラ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している場合は、立体障害は生じないが、主鎖全体が直線状となり、熱振動を受けにくくなるため、ガラス転移温度(Tg)が高くなると考えられる。また、主鎖全体が直線状となり、分子間の凝集力が増大することによってもTgが高くなると考えられる。すなわち、イミド化の際には水分子が除かれて閉環するため体積が減少する。しかし、分子全体が動かないとイミド化はできない。
また、上記芳香環が、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している場合は、光の吸収が小さい傾向にあるため、感光性樹脂とした場合、高感度の感光性樹脂とすることができる。
従って、上記一般式(3)で表される構成単位は、Rにおける、上記芳香環がオルト位やパラ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位を、イミド化温度やTgの上昇に影響を与えない程度であれば含んでいてもよいが、より低い割合で含むことが好ましい。
言い換えれば、上記一般式(3)で表される構成単位は、上記芳香環がメタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位をより高い割合で含むことがより好ましい。
例えば、{(芳香族ジアミン中のメタ位アミノ基のモル数)/(ポリアミド酸前駆体の製造に用いる全芳香族ジアミンのアミノ基のモル数)}×100=メタ位の含有量(%)とすると、メタ位の含有量が、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。なお、上記全芳香族ジアミンのアミノ基のモル数は、ポリアミド酸の製造に用いる全芳香族ジアミンのモル数を2倍して得られる。例えば、ポリアミド酸前駆体の製造に用いる芳香族ジアミンとして、3,3’−ジフェニルエーテルのみを用いる場合には、メタ位の含有量は100%であり、3,4’−ジフェニルエーテルのみを用いる場合には、メタ位の含有量は50%であり、4,4’−ジフェニルエーテルのみを用いる場合には、メタ位の含有量は0%である。また、ポリアミド酸の製造に用いる芳香族ジアミンとして、m−フェニレンジアミンのみを用いる場合には、メタ位の含有量は100%であり、p−フェニレンジアミン、または、o−フェニレンジアミンのみを用いる場合には、メタ位の含有量は0%である。
また、{(芳香族ジアミン中のパラ位アミノ基のモル数)/(ポリアミド酸前駆体の製造に用いる全芳香族ジアミンのアミノ基のモル数)}×100=パラ位の含有量(%)とすると、パラ位の含有量が、20%以下であることがより好ましい。
上記メタ位アミノ基を有する芳香族ジアミンとしては、芳香族環に直接アミノ基が結合しており、そのアミノ基の位置が3−或いはm−であるジアミノ化合物であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、一例を挙げると、例えば、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−ビフェニル、ン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,6−ジアミノレゾルシノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、3,5−ジアミノ安息香酸等のジアミン化合物を挙げることができる。かかる場合、上記一般式(3)で表される構成単位は、上記一般式(3)中、Rが、上記芳香族ジアミンの2個のアミノ基を除いた構造である。
特に電気信頼性の高いポリアミド酸等を得るためには、上記例示したメタ位アミノ基を有する芳香族ジアミンの中でも、水酸基あるいはカルボキシル基を有さない化合物を選択することがより望ましい。
上記メタ位アミノ基を有する芳香族ジアミンは、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、または2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパンであることがさらに好ましい。
また、バインダーポリマーとして用いられるポリアミド酸は、上記一般式(2)で表される構成単位と、上記一般式(3)で表される構成単位と、に加えて、さらに、以下の一般式(4)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
Figure 2009025699
で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
で表される構成単位を有していてもよい。
一般式(4)中、Rは4価の有機基であれば、特に限定されるものではないが、単環式の芳香族基、縮合多環式の芳香族基、およびこれらの芳香族基の2個以上が直接または連結基により連結された基から選択される炭素数6〜50の4価の芳香族基であることがより好ましい。Rとしては、具体的には、例えば、後述する酸二無水物から、2つの−CO−O−CO−を除いた残基を挙げることができる。なお、Rは一般式(4)で表される構成単位ごとに同一であってもよいし異なっていてもよい。
一般式(4)で表される構成単位をさらに有することにより、(メタ)アクリル系化合物との相溶性向上が期待できる。
上記一般式(2)で表される構成単位と、上記一般式(3)で表される構成単位と、場合によって、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸では、(A)バインダーポリマー中又は(A)バインダーポリマーとしてのポリアミド酸中の上記構成単位全体に対する一般式(2)で表される構成単位のモル分率と一般式(4)で表される構成単位のモル分率の合計:
((一般式(2)で表される構成単位のモル数)+(一般式(4)で表される構成単位のモル数))÷(一般式(2)で表される構成単位のモル数+一般式(3)で表される構成単位のモル数+一般式(4)で表される構成単位のモル数)×100
は、10%以上90%未満であることが好ましく、20%以上80%未満であることがより好ましく、30%以上70%未満であることがさらに好ましく、40%以上60%未満であることが特に好ましい。一般式(2)で表される構成単位と一般式(4)で表される構成単位とのモル分率の合計が10%以上であることにより、従来のポリアミド酸等よりも低い温度でのイミド化が可能となるとともに、反りが小さく可撓性・屈曲性に優れたポリアミド酸等を得ることができる。
また、このとき、一般式(2)で表される構成単位のモル分率と一般式(4)で表される構成単位のモル分率の合計に対する一般式(2)で表される構成単位のモル分率:
(一般式(2)で表される構成単位のモル数)÷(一般式(2)で表される構成単位のモル数+一般式(4)で表される構成単位のモル数)×100
は、0より大きく100%以下であればよいが、10%以上100%以下であることがより好ましく、30%以上100%以下であることがさらに好ましい。これにより、高い難燃性並びに可撓性および屈曲性を発現できるため好ましい。
また、少なくとも上記構成単位(2)及び(3)、場合によっては(4)を含むポリアミド酸の重量平均分子量は2000以上1000000以下であることが好ましく、5000以上300000以下であることがより好ましい。上記ポリアミド酸の重量平均分子量が2000より小さいと得られるポリイミドの分子量が低くなり強度が低下する傾向にあるため好ましくない場合があり、1000000より大きいと感光性樹脂の現像時間が長くなる傾向にあるため好ましくない場合がある。
また、少なくとも上記構成単位(2)及び(3)、場合によっては(4)を含むポリアミド酸の重量平均分子量/数平均分子量は、2以上10以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましい。
第一感光層及び第二感光層の少なくとも何れか、より好ましくは第一感光層が、上記ポリアミド酸を含有している場合、難燃性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性に優れ、かつ、低いイミド化温度を有する感光性ドライフィルムレジストを提供することができるという効果を得ることができる。
もちろん、バインダーポリマーは、少なくとも上記構成単位(2)及び(3)、場合によっては(4)を含むポリアミド酸の他に、得られる感光性ドライフィルムレジストの性能に好ましくない影響を与えない限り、他のポリアミド酸を含んでいてもよい。
また、ポリアミド酸は、上述した上記一般式(2)で表される構成単位と上記一般式(3)で表される構成単位とからなるポリアミド酸と、上述した上記一般式(4)で表される構成単位と上記一般式(3)で表される構成単位とからなるポリアミド酸との混合物であってもよい。かかる場合も、上述した(2)で表される構成単位と上記一般式(3)で表される構成単位と上記一般式(4)で表される構成単位とからなる共重合物の場合と同様の効果を得ることができる。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストでは、(A)バインダーポリマーは、上述した上記一般式(2)で表される構成単位と、上記一般式(3)で表される構成単位と、場合によって、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸であることが好ましいが、(A)バインダーポリマーは、以下の一般式(4)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
Figure 2009025699
で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
で表される構成単位と、
以下の一般式(3)
Figure 2009025699
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)
で表される構成単位とからなるものであってもよい。
ここで、上記一般式(3)で表される構成単位および上記一般式(4)で表される構成単位については、上記一般式(2)で表される構成単位と、上記一般式(3)で表される構成単位と、場合によって、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸のところで説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸では、ポリアミド酸中の上記構成単位全体に対する一般式(4)で表される構成単位のモル分率:
(一般式(4)で表される構成単位のモル数)÷(一般式(3)で表される構成単位のモル数+一般式(4)で表される構成単位のモル数)×100
は、10%以上90%未満であることが好ましく、20%以上80%未満であることがより好ましく、30%以上70%未満であることがさらに好ましく、40%以上60%未満であることが特に好ましい。一般式(4)で表される構成単位のモル分率が10%以上であることにより、従来のポリアミド酸等よりも低い温度でのイミド化が可能となるとともに、反りが小さく可撓性・屈曲性に優れたポリアミド酸等を得ることができる。
また、上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸の重量平均分子量は2000以上1000000以下であることが好ましく、5000以上300000以下であることがより好ましい。上記ポリアミド酸の重量平均分子量が2000より小さいと得られるポリイミドの分子量が低くなり強度が低下する傾向にあるため好ましくなく、1000000より大きいと感光性樹脂の現像時間が長くなる傾向にあるため好ましくない。
また、上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸の重量平均分子量/数平均分子量は、2以上10以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましい。
第一感光層及び第二感光層の少なくとも何れか、より好ましくは両方が、上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸を含有している場合、難燃性、耐湿性、電気信頼性、および、低反り性に優れ、かつ、低いイミド化温度を有する感光性ドライフィルムレジストを提供することができるという本発明の効果を得ることができる。
なお、第一感光層及び第二感光層の少なくとも何れかは、得られる感光性ドライフィルムレジストの性能に好ましくない影響を与えない限り、他のポリアミド酸を含んでいてもよい。
第二感光層のバインダーポリマーとして用いられるポリアミド酸としては、第一感光層に用いられるポリアミド酸を用いることが好ましいが、それ以外のポリアミド酸を用いることができる。
第二感光層のバインダーポリマーとして用いられるポリアミド酸としては、上述した、上記一般式(2)で表される構成単位と上記一般式(3)で表される構成単位と場合によって上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸や、上記一般式(3)で表される構成単位と上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸を用いることができる他、例えば、上記一般式(3)で表される構成単位からなるポリアミド酸を好適に用いることができる。
本発明で用いられる上記ポリアミド酸は、上記構成を有するものであれば、その製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、上記一般式(2)で表される構成単位と上記一般式(3)で表される構成単位とからなるポリアミド酸は、酸二無水物と芳香族ジアミンと以下の一般式(5)
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数2ないし5のアルキレン基を示し、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基を示し、R中のフェニル基の含有率が15%以上40%以下であり、且つ、mは4以上20以下の整数である。)
で表されるポリシロキサンジアミンとを、有機極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
また、例えば、上記一般式(2)で表される構成単位と、上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸は、酸二無水物と芳香族ジアミンと上記一般式(5)で表されるポリシロキサンジアミンと以下の化学式群(6)に示すa’、b’、c’、d’、e’、f’またはg’
Figure 2009025699
(化学式a’中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f’中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
を、有機極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
また、例えば、上記一般式(3)で表される構成単位と、上記一般式(4)で表される構成単位とからなるポリアミド酸は、酸二無水物と芳香族ジアミンと上記化学式群(6)に示されるa’、b’、c’、d’、e’、f’またはg’を、有機極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
なお、上記化学式群(6)に示されるa’、b’、c’、d’、e’、f’またはg’を用いる場合は、これらを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもちいてもよい。
また、例えば、上記一般式(4)で表される構成単位からなるポリアミド酸は、酸二無水物と芳香族ジアミンとを、有機極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
上記一般式(5)中、Rは、それぞれ独立して炭素数2ないし5のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、またはペンタメチレン基である。
また、一般式(5)中、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基である。ここで、R中のフェニル基の含有率、メチル基の含有率については、上記において説明した一般式(2)中のRの場合と同様であるのでここでは説明を省略する。
なお、一般式(5)中、R中のメチル基は、得られる感光性樹脂組成物の性能に好ましくない影響を与えない限り、その一部がエチル基やプロピル基で置換されていてもよい。
また、一般式(5)中のシロキサン結合の繰り返し単位数mも、上記において説明した一般式(2)中のmと同様であるのでここでは説明を省略する。
上記酸二無水物としては、特に限定されるものではなく、あらゆる酸二無水物を用いることができる。なお、かかる酸二無水物から、2つの−CO−O−CO−を除いた残基は、一般式(2)中のR、上記RおよびRの好適な例である。かかる酸二無水物としては、具体的には、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、上記酸二無水物としては、得られるポリイミドの難燃性に優れるという点から芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることがより好ましい。
また、有機溶媒への溶解性の高いポリイミドを得るためには、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、または1,2−エタンジベンゾエート-3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物のうち、少なくとも1つを上記酸二無水物として、含有させることがさらに好ましい。
さらに、工業的に安価であるという点からは、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物を用いることが好ましい。
また、上記芳香族ジアミンとしては特に限定されるものではなく、あらゆる芳香族ジアミンを用いることができる。かかる芳香族ジアミンとしても、特に限定されるものではないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と、当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子とを有する芳香族ジアミン;4,6−ジアミノレゾルシノール等のジアミノレゾルシノール類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシビフェニル化合物類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルメタン類またはヒドロキシジフェニルアルカン類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル等のヒドロキシジフェニルエーテル化合物;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]アルカン化合物類;ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物;2,4−ジアミノフェノール等のジアミノフェノール類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2’−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類;2,5−ジアミノテレフタル酸等のジアミノフタル酸類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、および4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]アルカン化合物類;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物;3,5−ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸類を挙げることができる。これらの芳香族ジアミンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、上記芳香族ジアミンは、上述したように、芳香族ジアミンの上記2個のアミノ基が結合している芳香環の少なくともひとつが、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している芳香族ジアミンであることがより好ましく、上記で例示した、メタ位アミノ基を有する芳香族ジアミンであることがより好ましい。これにより、ポリアミド酸前駆体等のイミド化温度を低下させることが可能となる。また、メタ位アミノ基を有する芳香族ジアミンも、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸二無水物と、芳香族ジアミンと、ポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンとを有機極性溶媒中で反応させる順序は特に限定されるものではなく、上記酸二無水物と、芳香族ジアミンと、ポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンとを同時に反応させてもよいし、酸二無水物とポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンとの反応を先に開始した後芳香族ジアミンを加えて反応させてもよいし、酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応を先に開始した後ポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンを加えて反応させてもよい。
中でも酸二無水物とポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンとの反応を先に開始した後、芳香族ジアミンを加えて反応させることがより好ましい。
かかる場合には、まず、酸二無水物とポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンとを、有機極性溶媒中で反応させればよく、例えば、酸二無水物と有機極性溶媒とからなる溶液あるいは懸濁溶液に、ポリシロキサンジアミンまたは化学式群(6)のジアミンまたはその溶液を添加すればよい。続いて、芳香族ジアミンを加えることにより本発明で用いられるポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を合成することができる。
また、上記酸二無水物、芳香族ジアミン、ポリシロキサンジアミンおよび化学式群(6)のジアミンを有機極性溶媒中で反応させる順序は特に限定されるものではなく、上記酸二無水物、芳香族ジアミン、ポリシロキサンジアミンおよび化学式群(6)のジアミンを同時に反応させてもよい。また、酸二無水物とポリシロキサンジアミンの反応を先に開始した後、化学式群(6)のジアミンを反応させ、その後に芳香族ジアミンを加えて反応させてもよい。また、酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応を先に開始した後、ポリシロキサンジアミンを反応させ、次いで、化学式群(6)のジアミンを加えて反応させてもよい。
上記有機極性溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
このとき、酸二無水物とポリシロキサンジアミンおよび/または化学式群(6)のジアミンとの反応は、上記有機極性溶媒中で−20℃以上80℃以下の温度条件下で反応させることが好ましく、−15℃以上50℃以下の温度条件下で反応させることがより好ましい。反応温度を−20℃以上とすることにより、酸二無水物とポリシロキサンジアミンおよび/または化学式群(6)のジアミンとを反応させることができる。また、酸二無水物とポリシロキサンジアミンおよび/または化学式群(6)のジアミンとを反応させるときの反応時間は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜12時間であることが好ましい。
また、この際に、反応させる酸二無水物のモル数は、ポリシロキサンジアミンおよび/または化学式群(6)のジアミンのモル数より多いことが好ましい。これにより、酸二無水物末端のポリイミド前駆体(ポリアミド酸)オリゴマーを得ることができる。
続いて、これに芳香族ジアミンを加え反応させるときの反応温度は、−20℃以上80℃以下であることが好ましく、−15℃以上50℃以下であることがより好ましい。かかる温度範囲とすることにより、芳香族ジアミンとの共重合を好適に行うことができる。また、芳香族ジアミンを加え反応させるときの反応時間も、特に限定されるものではないが、例えば、0.5時間〜24時間であることが好ましい。
上記芳香族ジアミンは、全ジアミンの90モル%を超えると、イミド化温度を上げる傾向があるため、90モル%以下が好ましく、80モル%以下が更に好ましい。
本発明のポリアミド酸は、5g/lのN−メチルピロリドンの溶液の30℃における対数粘度は、0.2〜4.0の範囲であることが好ましく、0.3〜2.0の範囲であることが、より好ましい。
(I−2−3)カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド
難燃性、耐熱性の観点から、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドを、バインダーポリマーとして用いることも好ましい。さらに既にイミド化されているため、加熱キュアの温度を低く設定したり、時間を短く設定することが可能であるので生産性にも優れる。
可溶性ポリイミドとは、有機溶媒に溶解するポリイミドであれば特に限定されるものではないが、本発明においては有機溶媒100gに対して、20℃で1.0g以上の溶解性を示すものが好ましい。より好ましくは20℃で5.0g以上の溶解性を示し、更に好ましくは、20℃で10g以上の溶解性を示すものがよい。有機溶媒100gに対する20℃での溶解性が1.0g未満であると、所望する厚みにて、感光性ドライフィルムレジストを形成することが困難になる傾向がある。上記有機溶媒としては、特に限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、5000〜300000であることが好ましく、10000〜200000であることがより好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、本発明の感光性樹脂組成物を用いて作製された感光性ドライフィルムレジストにベタツキが生じやすく、さらに硬化後のフィルムの耐屈曲性に劣るという傾向がある。一方、重量平均分子量が200000より大きいとカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの溶液粘度が高くなりすぎるため取扱いが難しくなる傾向があり、また製造された感光性ドライフィルムレジストの現像性が低下する場合がある。なお、上記重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、例えば、東ソー社製HLC8220GPCにより測定することが可能である。
また、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドにおけるカルボキシル基及び/又は水酸基1個あたりの重量平均分子量(以下、酸当量という)は、7000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、3000以下であることが最も好ましい。上記酸当量が7000を超えると、本発明の感光性樹脂組成物を用いて作製された感光性ドライフィルムレジストの水系現像が困難になる傾向がある。なお、上記可溶性ポリイミドの酸当量は、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの組成より計算して求めることが可能である。
<ポリイミドの製造方法>
以下、上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの製造方法を説明するために、ポリアミド酸の合成方法、及びポリアミド酸を脱水閉環してイミド化する方法について詳細に説明する。
<ポリアミド酸の合成>
上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドは、その前駆体であるポリアミド酸から得ることができる。このポリアミド酸は、有機溶媒中でジアミンと酸二無水物とを反応させることにより得ることができる。具体的には、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気中において、ジアミンを有機溶媒中に溶解、又はスラリー状に分散させて、ジアミン溶液とする。一方、酸二無水物は、有機溶媒に溶解、又はスラリー状に分散させた状態とした後、あるいは固体の状態で、上記ジアミン溶液中に添加すればよい。
本発明のカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を合成するために用いられるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、水系現像性の点から、1分子中に1以上のカルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミンを原料の少なくとも一部として用いることが好ましい。また、耐熱性や耐薬品性の点から、1分子中に1以上の芳香環を有する芳香族系ジアミンを原料の少なくとも一部として用いることが好ましい。特に、1分子中に1以上のカルボキシル基及び/又は水酸基を有する芳香族系ジアミンを原料の一部として用いれば、得られる感光性ドライフィルムレジストに、耐熱性と水系現像性を付与することができるため、特に好ましい。
カルボキシル基及び/又は水酸基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、以下の一般式(7)
Figure 2009025699
(式中、R15は同一でも異なっていてもよく、カルボキシル基若しくは水酸基のいずれか一方であり、R16及びR17は、各々同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシ基、又は−COOR18(R18は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)であり、Xは同一でも異なっていてもよく、−O−、−S−、−SO−、−C(CH−、−CH−、−C(CH)(C)−、又は−C(CF−である。mは1以上、nは0以上の整数であり、mとnはm+n=4の条件を満たす整数である。また、pは1以上、qは0以上の整数であり、pとqはp+q=4の条件を満たす整数である。rは0〜10の整数である。)で表される芳香族系ジアミンを可溶性ポリイミドの原料の一部として用いることが好ましい。
カルボキシル基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、3,5−ジアミノ安息香酸等のジアミノ安息香酸、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2',5,5'−テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシジフェニルメタン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン類、4,4'−ジアミノ−2,2',5,5'−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物等を例示することができる。
中でも、特に好ましいカルボキシル基含有芳香族系ジアミンの構造式の一部を以下に示す。
Figure 2009025699
次に、水酸基を有する芳香族系ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2'−ジアミノビスフェノールA、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メタン、2,6−ジ[(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ジ[(2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−メチルフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ安息香酸プロピル等の化合物を挙げることができる。
中でも、特に好ましい水酸基含有芳香族系ジアミンの構造式の一部を以下に示す。
Figure 2009025699
これらのジアミンを原料の一部として使用することで、得られるカルボキシル基及び/又は水酸基を含有する可溶性ポリイミドの酸当量が低くなり、水系現像性を向上させることができる。
なお言うまでもないが、上記カルボキシル基及び/又は水酸基を有するジアミン以外に、公知の他のジアミンを可溶性ポリイミドの原料の一部として同時に用いてもよい。例えば、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタン、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンなどを挙げることができる。特に、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンは柔軟性、密着性、可とう性を向上させることが出来ることから特に好ましい。上記ジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
一方、ポリアミド酸を合成するために用いられる酸二無水物としては、特に限定されないが、耐熱性を向上させる点から、芳香環を1〜4個有する酸二無水物または脂環式の酸二無水物を用いることが好ましい。また、有機溶媒への溶解性が高いポリイミド樹脂を得るためには、芳香環を2個以上有する酸二無水物を少なくとも一部用いることが好ましく、芳香環を4個以上有する酸二無水物を少なくとも一部として用いることがより好ましい。
上記の酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。上記酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記酸二無水物のうち、合成の容易さ、得られるポリイミドの有機溶媒への溶解性の点から、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物等の芳香環を2個以上有する酸二無水物を少なくとも一部用いることが好ましい。
上記ジアミンと酸二無水物とを用いてポリアミド酸を合成する場合、上記ジアミンと酸二無水物とを、それぞれ少なくとも1種類ずつ用いて反応を行えばよい。すなわち、例えば、カルボキシル基及び/又は水酸基を含有するジアミンを少なくとも一部として含むジアミン成分と、上記酸二無水物とを用いて、上述したように、有機溶媒中で重合反応を行うことにより、カルボキシル基及び/又は水酸基を分子鎖中に1以上含有するポリアミド酸を得ることができる。
このとき、1種のジアミンと1種の酸二無水物が実質上等モルであれば、酸二無水物成分1種及びジアミン成分1種のポリアミド酸になる。また、2種以上の酸二無水物成分及び2種以上のジアミン成分を用いる場合、複数のジアミン成分全量のモル比と複数の酸二無水物成分全量のモル比とを、実質上等モルに調整しておけば、ポリアミド酸共重合体を任意に得ることもできる。
上記ジアミンと酸二無水物の反応(ポリアミド酸の合成反応)の温度条件は、特に限定されないが、−20℃以上80℃以下であることが好ましく、−15℃以上50℃以下であることがより好ましい。80℃を超えると、ポリアミド酸が分解する恐れがあり、逆に−20℃以下だと、重合反応の進行が遅くなる場合がある。また、反応時間は10分〜30時間の範囲で任意に設定すればよい。
さらに、上記ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、有機極性溶媒であれば特に限定されるものではない。しかしながら、上記ジアミンと酸二無水物との反応が進行するにつれてポリアミド酸が生成し、反応液の粘度が上昇する。また、後述するように、ポリアミド酸を合成して得られるポリアミド酸溶液を、減圧下で加熱して、有機溶媒の除去とイミド化を同時に行うことができる。そのため、上記有機溶媒としては、ポリアミド酸を溶解でき、かつ、なるべく沸点の低いものを選択することが工程上有利である。
具体的には、ポリアミド酸の合成反応に使用する有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。
<ポリアミド酸のイミド化>
次に、上記ポリアミド酸を用いて、ポリイミドを得るために、上記ポリアミド酸をイミド化する方法について説明する。イミド化は、ポリアミド酸を脱水閉環することによって行われる。この脱水閉環は、共沸溶媒を用いた共沸法、熱的手法または化学的手法によって行うことができる。
共沸溶媒を用いた共沸法は、ポリアミド酸溶液にトルエン・キシレン等の水と共沸する溶媒を加え、170〜200℃に昇温して、脱水閉環により生成してくる水を積極的に系外へ除去しながら、1時間〜5時間程度反応させればよい。反応終了後、メタノール等のアルコール溶媒中にて沈殿させ、必要に応じてアルコール溶媒にて洗浄を行ったのち、乾燥を行ってポリイミド樹脂を得ることができる。
熱的手法による脱水閉環は、ポリアミド酸溶液を加熱して行えばよい。あるいは、ガラス板、金属板、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム状支持体に、ポリアミド酸溶液を流延または塗布した後、80℃〜300℃の範囲内で熱処理を行えばよい。さらに、フッ素系樹脂によるコーティング等の離型処理を施した容器に直接ポリアミド酸溶液を入れ、減圧下で加熱乾燥することによって、ポリアミド酸の脱水閉環を行うこともできる。このような熱的手法によるポリアミド酸の脱水閉環により、ポリイミドを得ることができる。
なお、上記各処理の加熱時間は、脱水閉環を行うポリアミド酸溶液の処理量や加熱温度により異なるが、一般的には、処理温度が最高温度に達してから1分〜5時間の範囲で行うことが好ましい。
一方、化学的手法による脱水閉環は、上記ポリアミド酸溶液に、脱水剤と、必要に応じて触媒として、触媒量の第3級アミンとを加えて、加熱処理を行えばよい。なお、この加熱処理は、上記の熱的手法にて行った加熱処理を指すものとする。これにより、ポリイミドを得ることができる。
化学的手法における上記脱水剤としては、一般的には、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物が用いられる。また、上記第3級アミンとしては、ピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、イミダゾ−ル、ピコリン等を用いればよい。
なお、本発明の可溶性ポリイミドが水酸基を有するものである場合には、脱水剤として加える酸無水物と水酸基との反応が考えられるため、用いる酸無水物は化学量論的にイミド化に必要な最低限の量にすることが好ましい。
(I−3)(メタ)アクリル系化合物
次に(B)成分である(メタ)アクリル系化合物について説明する。感光性樹脂組成物に(B)成分を含有することにより、良好な硬化性を付与するだけでなく、製造される感光性ドライフィルムレジストの熱加工時での粘弾性を下げ、熱ラミネート時の流動性を付与することができる。すなわち、比較的低温での熱ラミネートが可能となり、回路の凹凸を埋め込むことができる。
本発明において(メタ)アクリル系化合物とは、(メタ)アクリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる化合物を示す。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル化合物及び/又はメタクリル化合物を指すものとする。
上記(メタ)アクリル系化合物は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を組み合わせてもよい。本発明における感光性樹脂組成物に含有される(メタ)アクリル系化合物の総重量は、(A)成分であるバインダーポリマー100重量部に対して、1〜400重量部の範囲内で用いることが好ましく、3〜300重量部の範囲内で用いることがより好ましく、1〜200重量部の範囲内で用いることがさらに好ましく、1〜100重量部の範囲内で用いることが特に好ましい。
(A)成分であるバインダーポリマー100重量部に対して、(B)成分として200重量部を超える(メタ)アクリル系化合物を用いた場合は、得られる感光性ドライフィルムレジストにベタツキが生じやすくなる。
本発明の感光性樹脂組成物には、(B)成分として、特に限定されないが、光照射による架橋密度を向上するためには、少なくとも2つの炭素間二重結合を有する多官能の(メタ)アクリル化合物を用いることが好ましい。また、得られる感光性ドライフィルムレジストに耐熱性を付与するために、1分子中に芳香環及び/又は複素環を少なくとも1つ有する化合物を用いることが好ましい。
1分子中に芳香環及び/又は複素環を少なくとも1つ有し、かつ炭素間二重結合を少なくとも2つ有する(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−210、M−211B(東亞合成製)、NKエステルA−BPE−4、A−BPE−10−、A−BPE−30等のビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート、アロニックスM−208(東亞合成製)等のビスフェノールF EO 変性(n=2〜20)ジ(メタ)アクリレート、デナコールアクリレートDA−250(ナガセ化成製)等のビスフェノールA PO変性(n=2〜20)ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。さらに、芳香環は含まないが、アロニックスM−215等のイソシアヌル酸EO変性ジアクリレートやアロニックスM−315(東亞合成製)等のイソシアヌル酸EO変性トリアクリレートなどが挙げることができる。なお、上記EO変性とは、エチレンオキサイド変性部位を有することを示し、PO変性とは、プロピレンオキサイド変性部位を有することを示す。
また、現像性を制御するために、アルコール水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を用いることが好ましい。これらアルコール水酸基を有する(メタ)アクリル化合物はベースポリマーとの相溶性に優れる。
アルコール水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、V#2308、V#2323(大阪有機化学工業)等を挙げることができる。
また、とくに1分子中に少なくとも1以上のエポキシ基及び1以上の(メタ)アクリル基を含有する(メタ)アクリル系化合物を用いることにより、得られる感光性ドライフィルムレジストの耐加水分解性及び銅箔への接着性を向上させることが可能となる。
1分子中に少なくとも1以上のエポキシ基及び1以上の(メタ)アクリル基を含有する(メタ)アクリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、グリシジルメタクリレート等のグリシジル化合物、NKオリゴEA−1010, EA−6310(新中村化学製)等を挙げることができる。
また、1分子中に少なくとも2以上の水酸基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。このようなエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにより、得られる感光性ドライフィルムレジストの水系現像液への溶解性が向上し、現像時間の短縮化が実現できる。
1分子中に少なくとも2以上の水酸基を含有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、リポキシSP−2600(昭和高分子製)、NKオリゴEA−1020、NKオリゴEA−6340(新中村化学製)、カラヤッドR−280、 カラヤッドR−190(日本化薬製)、Ebecryl600、Ebecryl3700(ダイセルサイテック)等のビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート、KRM7856、Ebecryl3604、Ebecryl3702、Ebecryl3703,Ebecryl3708(ダイセルサイテック)、LR9019(BASF)等の変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート、LR8765(BASF)等の脂肪族系エポキシアクリレート、NKオリゴEA−6320、NKオリゴEA−6340(新中村化学製)等のフェノールノボラックエポキシアクリレート、カラヤッドR−167、 MAX−2104(日本化薬製)、デナコールアクリレートDA−212(ナガセ化成製)等の変性1,6−へキサンジオールジアクリレート、デナコールアクリレートDA−721(ナガセ化成製)等の変性フタル酸ジアクリレート、NKオリゴEA−1020(新中村化学製)等のクレゾールノボラックエポキシアクリレート等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートを用いることにより、製造される感光性ドライフィルムレジストに柔軟性を付与することができる。ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−5300、M−6100、M−7100(東亞合成製)等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、製造される感光性ドライフィルムレジストに柔軟性を付与することができる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスM−1100、M−1310(東亞合成製)、カラヤッドUX−4101(日本化薬製)等を挙げることができる。
イミド(メタ)アクリレートを用いることにより、製造される感光性ドライフィルムレジストを貼り合わせる基材(例えば、ポリイミドフィルム、銅箔等)への密着性を向上させることができる。イミド(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アロニックスTO−1534、TO−1429、TO−1428(東亞合成製)を挙げることができる。
また、上記(メタ)アクリル系化合物としては、さらに、例えば、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、スフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメタクロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ1−アクリロキシ3−メタクロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1−アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトレアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート等を例示することができる。なお、架橋密度を向上させるためには、特に2官能以上のモノマーを用いることが好ましい。
また上記(メタ)アクリル系化合物は、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニル−4−t−ブチルベンゾエート、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルisoブチルエーテル、ビニルn−ブチレート、ビニル−n−カプロレート、およびビニルn−カプリレート等のビニル化合物;イソシアヌル酸トリアリル、およびフタル酸ジアリルエーテル等のアリル化合物であってもよい。
なお、上記(メタ)アクリル系化合物としては、1種類の化合物を用いてもよいし、数種を混合して用いてもよい。
(I−4)光反応開始剤
光反応開始剤を添加してなる感光性ドライフィルムレジストを露光した場合に、露光領域にて架橋反応や重合反応を促進することができる。これにより、露光領域と未露光領域とで、感光性ドライフィルムレジストの水系現像液への溶解性を十分に異なるようにすることができ、それゆえに、感光性ドライフィルムレジスト上にパターンを好適に現像することが可能になる。
上記光反応開始剤としては、ラジカル発生剤、光カチオン発生剤、光塩基発生剤、光酸発生剤等を挙げることができる。
上記ラジカル発生剤とは、光照射によりラジカルを発生する化合物の総称である。本発明で用いられるラジカル発生剤は、光照射によりラジカルを発生する化合物であれば特に限定されるものではないが、250〜450nmの光照射により、ラジカルを発生する化合物であることが好ましい。
かかるラジカル発生剤としては、オキシムエステル化合物を使用することが特に好ましい。オキシムエステル化合物は、長波長領域に吸収をもち、光反応速度が速く、酸素障害も受けにくい。さらに、光退色するため、光が浸透しやすく、厚膜硬化も比較的容易になる。オキシム化合物を使用することによって、高感度、高解像度の感光性ドライフィルムレジストを得ることが出来る。
オキシムエステル化合物としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)などを挙げることができる。
オキシムエステル以外のラジカル発生剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンなどのケトン化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物、ビス(−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン化合物が挙げることができる。とくに、ホスフィンオキサイド化合物やチタノセン化合物を用いることが好ましい。
また、上記光カチオン発生剤としては、例えば、ジメトキシアントラキノンスルフォン酸のジフェニルヨードニウム塩等のジフェニルヨードニウム塩類、トリフェニルスルフォニウム塩類、ピリリニウム塩類、トリフェニルオニウム塩類、ジアゾニウム塩類等を挙げることができる。なお上記塩類の他、カチオン硬化性の高い脂環式エポキシやビニルエーテル化合物を混合することが好ましい。
さらに、上記光塩基発生剤としては、ニトロベンジルアルコールやジニトロベンジルアルコールとイソシアナートの反応により得られるベンジルアルコール−ウレタン化合物、ニトロ−1−フェニルエチルアルコールやジニトロ−1−フェニルエチルアルコールとイソシアナートの反応により得られるフェニルアルコール−ウレタン化合物、ジメトキシ−2−フェニル−2−プロパノールとイソシアナートの反応により得られるプロパノール−ウレタン化合物等を挙げることができる。
また、光酸発生剤としては、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩、オニウム塩等のスルホン酸を発生させる化合物、ナフトキノンジアジド等のカルボン酸を発生させる化合物を挙げることができる。あるいは、ジアゾニウム塩や、ビス(トリクロロメチル)トリアジン類等の化合物は、光の照射によりスルホン基を生成させることができるので、これらの化合物も好ましく用いることができる。
また、上記感光性ドライフィルムレジストには、上記光反応開始剤に増感剤とを組み合わせて使用してもよい。このような構成にすれば、上記感光性ドライフィルムレジストの感光感度をさらに向上させることができる。
上記増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ミヒラケトン、ビス−4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、ベンジル、4,4’−ジメチルアミノベンジル、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジメチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−エチル−4−ピペリドン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、リボフラビンテトラブチレート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、3,5−ジメチルチオキサントン、3,5−ジイソプロピルチオキサントン、1−フェニル−2−(エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、ベンゾインエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンズアントロン、5−ニトロアセナフテン、2−ニトロフルオレン、アントロン、1,2−ベンズアントラキノン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、チオキサンテン−9−オン、10−チオキサンテノン、3−アセチルインドール、2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルベンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ゼンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)−3,3−ジメチル−3H−インドール等を好適に用いることができる。特に、2,4−ジエチルチオキサントン、ビス−4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノンを用いることが好ましい。
上記増感剤は、増感効果が得られ、かつ現像性に悪影響を及ぼさない範囲で配合すればよい。具体的には、上記(A1)バインダーポリマーおよび上記(A2)バインダーポリマー100重量部に対し、それぞれ、0.01〜50重量部配合することが好ましく、0.1〜20重量部配合することが、更に好ましい。なお、増感剤として、1種類の化合物を用いてもよいし、2種類以上の化合物を混合して用いてもよい。
また、光反応開始剤と増感剤との組み合わせとしては、特に、オキシムエステル化合物と、2,4−ジエチルチオキサントンおよび/またはビス−4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノンとの組み合わせが好ましい。
上記光反応開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストにおいて、上記光反応開始剤は、上記(A1)バインダーポリマーおよび上記(A2)バインダーポリマー 100重量部に対して、それぞれ、0.01〜50重量部含有することが好ましい。
上記光反応開始剤の使用量は、また、上記(A)成分であるバインダーポリマー及び(B)成分である(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜10重量部の範囲内であることがより好ましい。上記光反応開始剤及び/又は増感剤の使用量が、0.001重量部未満であると、十分な感度が得られず、10重量部を超えると、感光性ドライフィルムレジスト表面での吸収が増大し、内部の光硬化が不十分となる場合がある。
なお、上述したように、第二感光層は(C2)光反応開始剤を実質的に含有しない構成であってもよく、(C2)光反応開始剤の配合割合は、上記(A2)バインダーポリマー100重量部に対し、0〜0.01重量部であってもよい。また、上記(A)成分であるバインダーポリマー及び(B)成分である(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して、0〜0.001重量部であってもよい。
また、第一感光層の(C1)光反応開始剤と、第二感光層の(C2)光反応開始剤とは、同一であっても異なっていてもよい。
しかしながら、本発明においては、第二感光層は難燃剤を実質上含有しないため、第一感光層と比較して、光架橋密度がかなり高くなる。従って第二感光層のほうが光が浸透しにくいにも関わらず、第二感光層のほうが第一感光層よりも硬化が早くなる傾向があり、第一感光層、第二感光層の光感度のミスマッチにより、解像度が低下する場合もある。
そこで、本発明では、第一感光層の全重量に対する(C1)光反応開始剤の重量の割合を第一感光層の光反応開始剤含有率、第二感光層の全重量に対する(C2)光反応開始剤の重量の割合を第二感光層の光反応開始剤含有率としたときに、第一感光層の光反応開始剤含有率を100とした場合、第二感光層の光反応開始剤含有率が100以下の条件を満たすものであるとする。
上記構成とすることによって、感度、解像度に優れた多層構成の感光性ドライフィルムレジストとなる。
また、上記光反応開始剤は、実用に供しうる感光感度を達成するため、さらに、光重合助剤を含んでいてもよい。かかる光重合助剤としては、特に限定されるものでなく、例えば、4−ジエチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート、4−ジエチルアミノブロピルベンゾエート、4−ジメチルアミノプロピルベンゾエート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−(4−シアノフェニル)グリシン、4−ジメチルアミノベンゾニトリル、エチレングリコールジチオグリコレート、エチレングリコールジ(3−メルカブトプロピオネート)、トリメチロールプロパンチオグリコレート、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールエタントリ(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸、α一メルカプトプロピオン酸、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシメトキシペンゾエート、t−ブチルペルオキシニトロベンゾエート、t−ブチルペルオキシエチルベンゾエート、フェニルイソプロピルペルオキシベンゾエート、ジt−ブチルジペルオキシイソフタレート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメリテート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメシテート、テトラt−ブチルテトラペルオキシピロメリテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ペンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4―カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−1−メチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジベンザル)−N−アセチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−N−メトキシカルボニルー4−ピペリドン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノン、3,5−ジ(m−アジドべンザル)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−アセチルー4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−メトキシカルボニル−4−ピペリドン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−シクロヘキサノン、3,5−ジ(p−アジドシンナミリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、4,4’−ジアジドカルコン、3,3’−ジアジドカルコン、3,4’−ジアジドカルコン、4,3’−ジアジドカルコン、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−アセチル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−n−プロピルカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−フェニルオキシカルボニル)オキシム、1,3−ビス(p−メチルフェニル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−(p−メトキシフェニル)−3−(p−ニトロフェニル)−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−フェニルオキシカルボニル)オキシム等を用いることができる。また、別の光重合助剤として、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン類を混合することもできる。
なお、光重合助剤としては、1種類の化合物を用いてもよいし、2種類以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
上記光重合助剤は、増感効果が得られ、かつ現像性に悪影響を及ぼさない範囲で配合すればよい。具体的には、上記(A1)バインダーポリマーおよび上記(A2)バインダーポリマー 100重量部に対し、それぞれ、0.01〜50重量部配合されることが好ましく、0.1〜20重量部の範囲が更に好ましい。
(I−5)難燃剤
本明細書において、「難燃剤」とは、プラスチック、木材、または繊維等の可燃性物質に、添加または反応させることにより、可燃性物質を燃えにくくする働きのある物質のことを意味する。
上記難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスフィンオキサイド、ホスフィン、リン−窒素二重結合をもつホスファゼン化合物のようなリン系難燃剤、芳香族環の含有率が高いシリコーン化合物等を挙げることができる。これら難燃剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本発明においてリン系難燃剤とは、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスフィンオキサイド、ホスフィン、ホスファゼン化合物のようにリンを含む化合物のことを指す。
本発明で用いられる難燃剤は特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物との相溶性、難燃性の観点から、リンを含む難燃剤(以下、「リン系難燃剤」という)であることがより好ましく、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物リン系難燃剤を用いることが好ましい。
特にリン系難燃剤は、バインダーポリマーの可塑剤としての効果もあるため、感光性ドライフィルムレジストに柔軟性を付与し、得られる感光性ドライフィルムレジストの硬化後の反りを小さくすることができる。
本発明の多層構造の感光性ドライフィルムレジストにおいては、第一感光層に難燃剤を添加するため、第一感光層の反りが小さくなるように設計することができる。したがって、第一感光層および第二感光層を含む感光性ドライフィルムレジストについても、全体として反りを小さくすることができる。
難燃剤としてリン系難燃剤を用いる場合、リン系難燃剤のリン含量は、リン系難燃剤を100としたときに、5.0重量%以上であることが好ましく、7.0重量%以上であることがより好ましい。そのようなリン系難燃剤を用いることにより、難燃性を効果的に付与することができる。
上記リン系難燃剤としては、例えば、ホスファゼン、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、リン酸エステル(縮合リン酸エステルも含む)、亜リン酸エステル等のリン化合物を挙げることができる。特に、上記バインダーポリマー、(メタ)アクリル系化合物および光反応開始剤との相溶性の面から、ホスファゼン、縮合リン酸エステル等を好適に用いることができる。
かかるリン系難燃剤の具体的な一例としては、例えば、難燃性を付与でき、かつ耐加水分解性をもつという点から、SPE−100(大塚化学製)、SPH−100(大塚化学製)、TPP(トリフェニルホスフェート)(大八化学製)、TCP(トリクレジルホスフェート)(大八化学製)、TXP(トリキシレニルホスフェート)(大八化学製)、CDP(クレジルジフェニルホスフェート)(大八化学製)、PX−110(クレジル2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学製)などのリン酸エステル;CR−733S(レゾシノ−ルジホスフェート)(大八化学製)、CR−741(大八化学製)、CR−747(大八化学製)、PX−200(大八化学製)などの非ハロゲン系縮合リン酸エステルなどを挙げることができる。
しかしながら、難燃剤を多量に添加すると、電気信頼性の低下だけでなく、アルカリ溶解性を低下させ、残渣が発生しやすくなる場合がある。なお、残渣は、相互作用の強い基材との界面で発生する場合が多い。
そこで、本発明の多層構造の感光性ドライフィルムレジストにおいては、第二感光層の難燃剤含有率が0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たすものとする。第一感光層の難燃剤含有率を高くすることによって難燃性を付与し、第二感光層の難燃剤含有率を低くするか、難燃剤を全く含まないようにすることによって、耐湿性、電気信頼性をより高めることが出来る。さらに、基材に接する第二感光層がアルカリ溶解性に優れるために、アルカリ現像時に残渣が発生しにくくなり、現像性、解像度をより高めることが出来る。なお、基材に接する第二感光層のアルカリ溶解性が優れていれば、第一感光層のアルカリ溶解性が劣っていても、残渣は発生しにくくなる。
第二感光層の難燃剤含有率は、0以上10重量%以下であればよいが、より少ない方が好ましく、0以上5重量%以下であることが好ましく、0以上1重量%以下であることがより好ましい。第二感光層の難燃剤含有率が10重量%を超えると、電気信頼性、アルカリ現像性が低下する場合がある。
また、本発明に係る多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率は0以上50以下であることが好ましく、0以上20以下であることがより好ましく、0以上10以下であることがさらに好ましい。第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が50を超えると、第二感光層の難燃剤含有率が上記範囲である場合には、感光性ドライフィルムレジスト全体として含まれる難燃剤の量が少なく、十分な難燃性を付与することができない場合があるため好ましくない。
また、第一感光層の難燃剤含有率は、1以上50重量%以下が好ましく、5以上40重量%以下がより好ましく、10以上40重量%以下がさらに好ましく、10以上30重量%以下が最も好ましい。第一感光層の難燃剤含有率が1重量%未満であると、十分な難燃効果が得られない場合がある。一方50重量%を超えると硬化物の物性に悪影響を与える場合があるため好ましくない。
また、本発明において、第二感光層に(D2)難燃剤が含まれる場合には、第一感光層の(D1)難燃剤と、第二感光層の(D2)難燃剤とは、同一であっても異なっていてもよい。
本発明に係る感光性ドライフィルムレジストは、以上のように難燃剤を含有することによって、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さいという、低反り性を実現することができる。
(I−6)その他の成分
本発明の感光性樹脂組成物には、上記(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)光反応開始剤及び(D)難燃剤以外に、必要に応じて(E)その他の成分が含有されていてもよい。その他の成分としては、例えば、エポキシ樹脂、硬化促進剤及び/又は硬化剤、重合禁止剤、密着付与剤、フィラー、保存安定剤、イオン捕捉剤等を挙げることができる。
すなわち、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストの第一感光層は、(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、および(D1)難燃剤を含有していればよいが、(E1)その他の成分を含んでいてもよい。
また、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストの第二感光層は、(A2)バインダーポリマー、(B2)(メタ)アクリル系化合物、および好ましくは(C2)光反応開始剤を含有していればよいが、(E2)その他の成分を含んでいてもよい。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂を用いることにより、製造される感光性ドライフィルムレジストに銅箔やポリイミドフィルム等に対する接着性を向上させることができる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、製品名エピコート828、834、1001、1002、1003、1004、1005、1007、1010、1100L(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、製品名ESCN−220L、220F、220H、220HH、180H65(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、製品名EPPN−502H(日本化薬(株)製)等のトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、製品名ESN−375等のナフタレンアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、製品名ESN−185(新日鐵化学(株))等のノボラック型エポキシ樹脂、製品名YX4000H等のビフェノール型エポキシ樹脂を挙げることができる。
また、上記の他、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラックグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、芳香族型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等であってもよい。
上記エポキシ樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。なお、上記エポキシ樹脂は、(A)成分であるバインダーポリマー100重量部に対し、必要に応じて1〜100重量部の範囲内で用いることが好ましく、0〜50重量部の範囲内で用いることがより好ましく、1〜30重量部の範囲内で用いることが特に好ましい。上記エポキシ樹脂が(A)バインダーポリマー100重量部に対して30重量部を超えると耐屈曲性の低下を引き起こす可能性がある。
<硬化促進剤及び/又は硬化剤>
感光性樹脂組成物の材料としてエポキシ樹脂を用いた場合、製造される感光性ドライフィルムレジストの硬化を効率良く行うために、感光性樹脂組成物に硬化促進剤及び/又は硬化剤を添加してもよい。このような硬化促進剤及び/又は硬化剤としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂の硬化を効率良く行うためには、イミダゾ−ル系化合物、酸無水物、第3級アミン類、ヒドラジン類、芳香族アミン類、フェノール類、トリフェニルホスフィン類、有機過酸化物などを挙げることができる。これらの硬化促進剤及び/又は硬化剤のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いればよい。
上記硬化促進剤及び/又は硬化剤の使用量は、(A)成分であるバインダーポリマー100重量部に対し0.1〜20重量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜20重量部の範囲内であることがより好ましく、0.5〜15重量部の範囲内であることが特に好ましい。上記硬化促進剤及び/又は硬化剤が(A)バインダーポリマー100重量部に対して0.1重量部未満であると、エポキシ樹脂の硬化が十分に行われず、逆に20重量部を超えると耐熱性の低下を引き起こす可能性がある。
<重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤>
本発明の感光性樹脂組成物には、(A)バインダーポリマー及び/または(B)(メタ)アクリル系化合物に含有されるビニル基、アクリル基、メタクリル基等の光重合性・熱重合性官能基が、感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルムレジストの貯蔵中に架橋反応するのを防止するため、重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマー添加剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、重合禁止剤、重合抑制剤として一般的に用いられているものであれば特に限定されない。安定剤としては、熱安定剤、光安定剤として一般に知られているものであれば、特に限定されない。酸化防止剤としては、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤として一般的に用いられているものであれば特に限定されない。
上記の重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤は、それぞれ別個の化合物であるとは限らず、1つの化合物が重合禁止剤としても酸化防止剤としても用いられる場合もある。
本発明における重合禁止剤、安定剤及び酸化防止剤からなる群より選ばれるポリマー添加剤としては、一般的に重合禁止剤、重合抑制剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤として用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン(和光純薬(株)製、商品名DOHQ)、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ハイドロキノン(和光純薬(株)製、商品名DHHQ)等のハイドロキノン系化合物;p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、t−ブチルベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン化合物;ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、N,N‘−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](同社製、商品名イルガノックス1098)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(同社製、商品名イルガノックス3114)、ヒドロキシフェノールベンゾトリアゾール(旭電化工業(株)製、商品名アデカAO−20)等のヒンダードフェノール系化合物;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−;クレゾール(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、商品名TINUVIN P)等のベンゾトリアゾ−ル系化合物;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン(和光純薬(株)製、商品名Q−1300)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(和光純薬(株)製、商品名Q−1301)等のニトロソアミン系化合物;フェノチアジン、ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィド等の有機硫黄化合物;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネ−ト(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス144)等のヒンダードアミン系化合物;p−ェニレンジアミン(通称パラミン)、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(同社製、商品名イルガノックス168)テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォネート(同社製、商品名イルガノックスP−EPQ)等のリン系化合物などが挙げられる。
特に、ハイドロキノン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ニトロソアミン系化合物、芳香族アミンであることが好ましい。これらの化合物を用いることにより、光重合性・熱重合性官能基の架橋反応を防ぐことができるため、感光性樹脂組成物の貯蔵中にその感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液の粘度の上昇を抑えることができ、感光性ドライフィルムレジストの保存安定性を向上できるだけでなく、酸化防止効果もあるので樹脂の劣化を防ぐことができ、感光性樹脂組成物から製造される硬化後の感光性ドライフィルムレジストの長期耐熱性や耐加水分解性を向上させることができる。
上記重合禁止剤の使用量は、上記(A)成分であるバインダーポリマー及び(B)成分である(メタ)アクリル系化合物の総重量100重量部に対して、0.00001〜5重量部の範囲内であることが好ましく、0.0001〜1重量部の範囲内であることがより好ましい。上記光反応開始剤及び/又は増感剤の使用量が、0.00001重量部未満であると、保存時の安定性が低下する場合があり、5重量部を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向がある。
<密着付与剤>
ポリイミドフィルム、金属等の基材との密着性を向上させるために、公知のいわゆる密着付与剤を添加してもよい。本発明においては、基材との密着面となる第二感光層に添加されることが好ましい。
このような密着付与剤は特に限定されないが、例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、トリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
(II)感光性ドライフィルムレジストの製造方法
続いて、感光性ドライフィルムレジストの製造方法について、二層構造の感光性ドライフィルムレジストを例に挙げて説明するが、本発明の多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、以下で説明する製造方法により得られたものに限定されないことは言うまでも無い。
本発明の二層構造の感光性ドライフィルムレジストは、支持体フィルム上に第一感光層を形成した後、第一感光層表面に第二感光層を形成させることによって得られる。なお、二層以上の感光性ドライフィルムレジストを製造する場合には、例えば、支持体フィルム上に第一感光層を形成した後、第一感光層表面に、一層以上の層を形成し、最後に形成した層の表面に、第二感光層を形成させればよい。
以下、(II−1)感光性樹脂組成物の調製、(II−2)感光性ドライフィルムレジストの製造の順に説明する。
(II−1)感光性樹脂組成物の調製
まず、第一感光層形成用の第一感光層樹脂組成物と、第二感光層形成用の第二感光層樹脂組成物を調製する。
第一感光層樹脂組成物は、(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、(D1)難燃剤、および、必要に応じて(E1)その他の成分をある割合で混合したものであり、当該第一感光層樹脂組成物を有機溶媒に均一に溶解させた溶液を第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液(以下、本明細書において、第一感光層の有機溶媒溶液と称することもある。)という。
第二感光層樹脂組成物は、(A2)バインダーポリマー、(B2)(メタ)アクリル系化合物、および、好ましくは(C2)光反応開始剤、(E2)その他の成分をある割合で混合したものであり、当該第二感光層樹脂組成物を有機溶媒に均一に溶解させた溶液を第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液(以下、本明細書において、第二感光層の有機溶媒溶液と称することもある。)という。
上記有機溶媒としては、第一感光層樹脂組成物および第二感光層樹脂組成物に含有される成分を溶解することができる有機溶媒であれば、特に限定されるものではない。上記有機溶媒としては、例えば、ジオキソラン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、後の工程にて、上記有機溶媒の除去を行うので、上記第一感光層樹脂組成物および第二感光層樹脂組成物に含有される成分を溶解し、できるだけ沸点の低いものを選択することが、製造工程上、有利である。
(II−2)感光性ドライフィルムレジストの製造
続いて、上記の第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を支持体フィルム上に均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けを行う。これによって、上記有機溶媒を除去し、第一感光層樹脂組成物がフィルム状となった第一感光層を得ることができる。このように形成された第一感光層は、感光性樹脂組成物を半硬化状態(Bステージ)で保ったものである。それゆえ、熱ラミネート処理等の熱圧着処理を行う場合には適度な流動性を持ち、プリント配線板のパターン回路の埋め込みを好適に行うことができる。また、パターン回路を埋め込んだ後、露光処理、熱圧着処理、加熱キュアを行うことによって、完全に硬化させることができる。
上記加熱及び/又は熱風吹き付けを行うことによって、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を乾燥する時の温度は、第一感光層樹脂組成物に含有される(メタ)アクリル基、エポキシ基などの硬化性基が反応しない程度の温度であればよい。具体的には、150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることが特に望ましい。また、乾燥時間は有機溶媒を除去することが可能な範囲内で、より短い時間とすることが好ましい。
上記支持体フィルムの材料としては、得に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルムなど、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。上記支持体フィルムのうち、ある程度の耐熱性を有し、比較的安価に手に入る点から、PETフィルムが多く用いられる。なお、支持体フィルムの感光性ドライフィルムレジストとの接合面については、密着性と剥離性を向上させるために表面処理されているものを用いてもよい。
本発明の多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、例えば二層構造の場合には、第一感光層表面に、第二感光層を形成させることによって得られる。このとき、第二感光層の厚みは、第一感光層の厚みを100とした場合、10〜500であることが好ましく、20〜400であることがより好ましく、50〜300であることがさらに好ましい。第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが500より大きいと感光性ドライフィルムレジストの難燃性が低下してしまうので好ましくない。また、第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが10より小さいと電気信頼性が低下する傾向にある。
第一感光層表面に、第二感光層を形成する方法については、1)直接塗布法、2)転写法、の2通りがある。1)直接塗布法は、第一感光層表面に第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を塗布及び乾燥して第二感光層を形成する方法であり、2)転写法は、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を表面に塗布し乾燥した保護フィルムの溶液塗布面を第一感光層に貼り合わせた後に、保護フィルムを剥離することにより、第一感光層表面に第二感光層を転写させる方法のことである。
上記1)の方法の場合、支持体フィルム上に第一感光層を形成した後、第一感光層表面に第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液をグラビアメッシュなどの塗布器具を用いて均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶媒を除去して乾燥する。このようにして、第一感光層上に第二感光層が形成された「支持体フィルム/第一感光層/第二感光層」という構成のドライフィルムレジストが得られる。この後、第二感光層の上にさらに保護フィルムを積層してもよい。保護フィルムについては後述する。
次に、上記2)の方法の場合、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液をPEフィルムなどの保護フィルムにグラビアメッシュなどの塗布器具を用いて均一に塗布した後、加熱及び/又は熱風吹き付けにより溶媒を除去して乾燥する。こうして得られた第二感光層付き保護フィルム(「保護フィルム/第二感光層」)を、第二感光層面が第一感光層との接合面となるように支持体フィルム付き第一感光層(「第一感光層/支持体フィルム」)と貼り合わせる。なお、この貼りあわせは、20℃〜70℃の温度でロールラミネートすることにより行うことができる。この後、上記保護フィルムを剥離すれば、「支持体フィルム/第一感光層/第二感光層」という構成の感光性ドライフィルムレジストとして使用することができる。
製造した感光性ドライフィルムレジストの上には、さらに、保護フィルムを積層することが好ましい。これにより、空気中のゴミやチリが付着することを防ぎ感光性ドライフィルムレジストの乾燥による品質の劣化を防ぐことができる。
上記保護フィルムは、感光性ドライフィルムレジストの第二感光層表面に10℃〜50℃の温度でラミネートして積層することが好ましい。なお、ラミネート処理時の温度が50℃よりも高くなると、保護フィルムの熱膨張を招き、ラミネート処理後の保護フィルムにしわやカールが生じる場合がある。なお、上記保護フィルムは使用時には剥離するため、保護フィルムと感光性ドライフィルムレジストとの接合面は、保管時には適度な密着性を有し、かつ剥離性に優れていることが好ましい。
上記保護フィルムの材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンフィルム(PEフィルム)、ポリエチレンビニルアルコールフィルム(EVAフィルム)、「ポリエチレンとエチレンビニルアルコールの共重合体フィルム」(以下(PE+EVA)共重合体フィルムと略す)、「PEフィルムと(PE+EVA)共重合体フィルムの貼り合せ体」、もしくは「(PE+EVA)共重合体とポリエチレンとの同時押し出し製法によるフィルム」(片面がPEフィルム面であり、もう片面が(PE+EVA)共重合体フィルム面であるフィルムとなる)等を挙げることができる。
上記PEフィルムは安価であり、表面の滑り性に優れているという長所がある。また、(PE+EVA)共重合体フィルムは、感光性ドライフィルムレジストへの適度な密着性と剥離性とを備えている。このような保護フィルムを用いることにより、保護フィルム、感光性ドライフィルムレジスト、支持体フィルムの三層を有するシートをロール状に巻き取った場合に、その表面の滑り性を向上することができる。
(III)プリント配線板
本発明にかかる多層構造の感光性ドライフィルムレジストは、プリント配線板に絶縁保護層として形成することができる。したがって、本発明には、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として形成してなるプリント配線板も含まれる。
かかるプリント配線板では、上記感光性ドライフィルムレジストは、回路を形成した銅張積層板に上記第二感光層が接するように積層されていればよい。従って上記感光性ドライフィルムレジストが、第一感光層と第二感光層とからなる二層構造を有する場合には、かかるプリント配線板は、回路を形成した銅張積層板に上記第二感光層が接し、外側が第一感光層となっている。
上記の構成によれば、難燃性、耐湿性、電気信頼性に優れたプリント配線板を提供することができる。
本発明に係る多層構造の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として形成してなるプリント配線板を製造する手法について、二層構造の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として形成してなるプリント配線板を製造する場合を例に挙げて説明する。プリント配線板として、パターン回路が形成されてなるCCL(以下、回路付きCCLともいう。)を用いる場合を例に挙げて説明するが、多層のプリント配線板を形成する場合にも、同様の手法により層間絶縁層を形成することができる。
まず、上記にて説明した保護フィルム、感光性ドライフィルムレジスト、支持体フィルムを有してなるシートから保護フィルムを剥離する。以下では、保護フィルムが剥離されたものを支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストと記載する。そして、感光性ドライフィルムレジストの第二感光層側と回路付きCCLの回路部分とが対向するように、該回路付きCCLを、支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストにて覆い、熱圧着によって貼り合せる。この熱圧着による貼り合わせは、熱プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、熱ロールラミネート処理等によって行えばよく、特に限定されるものではない。
上記貼り合わせを、熱ラミネート処理、熱ロールラミネート処理(以下、ラミネート処理と記載)によって行う場合、処理温度は、ラミネート処理が可能である下限の温度(以下、圧着可能温度)以上であればよい。具体的には、上記圧着可能温度は、50〜150℃の範囲内であることが好ましく、60〜120℃の範囲内であることがより好ましく、特に80〜120℃の範囲内であることが好ましい。
上記処理温度が150℃を超えると、ラミネート処理時に、感光性ドライフィルムレジストに含まれる感光性反応基の架橋反応が生じ、感光性ドライフィルムレジストの硬化が進行する場合がある。一方、上記処理温度が50℃未満であると、感光性ドライフィルムレジストの流動性が低く、パターン回路を埋め込むことが困難となる。さらに、銅回路付きCCLの銅回路や該銅回路付きCCLのベースフィルムとの接着性が低下する場合がある。
上記の熱圧着処理によって、回路付きCCL上に感光性ドライフィルムレジストが積層され、さらに支持体フィルムが積層されたサンプルが得られる。次いで、この貼り合わせサンプルについてパターン露光及び現像を行う。パターン露光及び現像に際しては、上記貼り合わせサンプルの支持体フィルム上にフォトマスクパターンを配置し、該フォトマスクを介して露光処理を行う。その後、支持体フィルムを剥離して現像処理を行うことにより、フォトマスクパターンに応じた穴(ビア)が形成される。
なお、上記支持体フィルムは、露光処理後に剥離しているが、回路付きCCL上に支持体フィルム付き感光性ドライフィルムレジストが貼り合わせられた後に、すなわち、露光処理を行う前に剥離してもよい。感光性ドライフィルムレジストを保護する点からは、露光処理が完了した後に剥離することが好ましい。
ここで露光に用いる光源としては、250〜450nmの光を有効に放射する光源が好ましい。この理由は、感光性ドライフィルムレジストに含有される光反応開始剤が、通常450nm以下の光を吸収して機能するためである。
また、上記現像処理に用いる現像液としては、塩基性化合物が溶解した塩基性溶液を用いればよい。塩基性化合物を溶解させる溶媒としては、上記塩基性化合物を溶解することができる溶媒であれば特に限定されないが、環境問題等の観点から、水を使用することが特に好ましい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アミン化合物等を挙げることができる。上記塩基性化合物は1種を用いてもよいし、2種以上の化合物を用いてもよい。
上記塩基性溶液に含有される塩基性化合物の濃度は、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましいが、感光性ドライフィルムレジストの耐アルカリ性の点から、0.1〜5重量%の範囲内とすることがより好ましい。
なお、現像処理の方法としては、特に限定されないが、塩基性溶液中に現像サンプルを入れて攪拌する方法や、現像液をスプレー状にして現像サンプルに噴射する方法等が挙げられる。
本発明においては、特に、液温40℃に調整した1重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液、あるいは1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を現像液に用い、スプレー現像機を用いて行う現像処理を例示することができる。ここで、スプレー現像機とは、現像液をスプレー状にしてサンプルに噴射する装置であれば特に限定されない。
ここで、感光性ドライフィルムレジストのパターンが描けるまでの現像時間は、パターンが描ける時間であればよいが、180秒以下の時間で現像できることが好ましく、90秒以下の時間で現像できることがより好ましく、60秒以下の時間で現像できることが最も好ましい。現像時間が180秒を超えると生産性が劣る傾向がある。
ここで、現像時間の目安として、Bステージ(半硬化)状態の感光性ドライフィルムレジストの溶解時間を測定する方法がある。具体的には、感光性ドライフィルムレジストを銅箔光沢面に貼り合わせたサンプルを、未露光の状態で、1重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)、あるいは1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)を現像液として、スプレー圧0.85MPaで、スプレー現像処理を行うという方法である。このスプレー現像処理により、感光性ドライフィルムレジストが180秒以下の時間で溶解して除去されることが好ましい。感光性ドライフィルムレジストが溶解除去されるまでの時間が180秒を超えると、作業性が低下する傾向がある。
上記のように露光・現像処理が施された後、感光性ドライフィルムレジストに対して、加熱キュアを行うことにより、感光性ドライフィルムレジストが完全に硬化する。これにより、硬化した感光性ドライフィルムレジストは、プリント配線板の絶縁保護膜となる。
また、多層のプリント配線板を形成する場合には、プリント配線板の保護層を層間絶縁層とし、該層間絶縁層上に、さらにスパッタリングや鍍金、もしくは銅箔との貼り合わせ等を行った後、パターン回路を形成し、上記のように感光性ドライフィルムレジストをラミネートすればよい。これにより、多層のプリント配線板を製造することができる。
なお、本実施の形態では、感光性ドライフィルムレジストを、プリント配線板の絶縁保護材料または層間絶縁材料として用いる場合について説明したが、上記の用途以外に用いることも可能である。
なお、本発明には、下記発明も含まれることは言うまでもない。
第一感光層が(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)光反応開始剤及び(D)難燃剤を含有し、第二感光層が(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物及び好ましくは(C)光反応開始剤を含有し、(D)難燃剤を含有しない二層構造の感光性ドライフィルムレジストである。
前記二層構造の感光性ドライフィルムレジストにおいて、第一感光層に含有される難燃剤がリン系化合物であることが好ましい。また前記(A)成分であるバインダーポリマーが、カルボキシル基含有ビニル系ポリマーであることが好ましい。また前記(A)成分であるバインダーポリマーが、ポリアミド酸であることが好ましく、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたポリアミド酸であることがより好ましい。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)。
また前記(A)成分であるバインダーポリマーが、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドであることが好ましい。
Figure 2009025699
(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
また第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが500以下であることが好ましい。また第一感光層表面に第二感光層の有機溶媒溶液を塗布及び乾燥して第二感光層を形成することが好ましい。また第二感光層の有機溶媒溶液を表面に塗布し乾燥した保護フィルムの溶液塗布面を第一感光層に貼り合わせた後に、保護フィルムを剥離することにより、第一感光層表面に第二感光層を転写させることが好ましい。
本発明の別の発明は、前記二層構造の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として用いることを特徴とするプリント配線板である。
さらに本発明の別の発明は、(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)光反応開始剤及び(D)難燃剤を含有する第一感光層表面に、(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、及び、好ましくは(C)光反応開始剤を含有し、(D)難燃剤を含有しない第二感光層の有機溶媒溶液を塗布及び乾燥して第二感光層を形成する二層構造の感光性ドライフィルムレジストの製造方法である。
さらに本発明の別の発明は、(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物及び好ましくは(C)光反応開始剤を含有し、(D)難燃剤を含有しない第二感光層の有機溶媒溶液を表面に塗布し乾燥した保護フィルムの溶液塗布面を、(A)バインダーポリマー、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)光反応開始剤及び(D)難燃剤を含有する第一感光層に貼り合わせた後に、保護フィルムを剥離することにより、第一感光層表面に第二感光層を転写させる二層構造の感光性ドライフィルムレジストの製造方法である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。感光性樹脂組成物の調製、感光性ドライフィルムレジストの具体的な製造、及びその物性の評価は次のようにして行った。また、以下の実施例および比較例において用いたバインダーポリマーは、以下の合成例1〜10に示す方法により製造した。
<感光性樹脂組成物の調製>
第一感光層樹脂組成物は、(A1)バインダーポリマー、(B1)(メタ)アクリル系化合物、(C1)光反応開始剤、および(D1)難燃剤、並びに必要に応じて(E1)その他の成分を所定の割合で混合して製造し、その固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて、均一に溶解させた溶液を第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液として製造した。同様に、第二感光層樹脂組成物は、(A2)バインダーポリマー、(B2)(メタ)アクリル系化合物、および、好ましくは(C2)光反応開始剤、並びに必要に応じて(E2)その他の成分を所定の割合で混合して製造し、その固形分重量%(Sc)=30%となるようにジオキソランを加えて、均一に溶解させた溶液を第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液として製造した。ここで、固形分重量とは、有機溶媒以外の材料のことであり、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分の総重量を示す。例えば第一感光層樹脂組成物の場合、(A1)、(B1)、(C1)、(D1)および(E1)成分の総重量を示し、有機溶媒以外の液体材料の重量は、液体であっても固形分として重量に含めるものとする。
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
上記の第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を、乾燥後の厚み(感光性ドライフィルムレジストの厚み)が20μmになるように支持体フィルムに塗布した。支持体フィルムとしては、PETフィルム(東レ(株)製ルミラー、厚み25μm)を用いた。その後、支持体フィルム上の塗布層を100℃10分間の条件で乾燥することによって、有機溶媒を除去した。これにより、第一感光層/PETフィルムからなるシートを得た。なお、第一感光層はBステージ状態にある。
次に、第一感光層表面に第二感光層を形成させるが、第二感光層の形成は、以下の直接塗布法、転写法の2種類の方法にて行った。
1)直接塗布法
直接塗布法の場合、上記で製造した第一感光層表面に、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を、乾燥後の厚みが5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥して有機溶媒を除去した。
このようにして製造された支持体フィルム/感光性ドライフィルムレジスト上に、保護フィルムとして「(EVA+PE)共重合体とポリエチレンとの同時押し出し製法によるフィルム」(積水化学(株)製プロテクト(#6221F)フィルム(厚み50μm))をその(EVA+PE)共重合体フィルム面が感光性ドライフィルムレジスト面と接するように、ロール温度40℃、ニップ圧は50000Pa・mの条件でラミネートした。
2)転写法
PPSフィルム(東レ(株)製トレリナ#3000、厚み25μm)上に、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を、乾燥後の厚みが5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥して有機溶媒を除去した。
このようにして製造された第二感光層付き保護フィルムを第二感光層側が、上記で製造した第一感光層表面に接するようにして、ロール温度45℃、ニップ圧は50000Pa・mの条件でラミネートした。このPPSフィルムは感光性ドライフィルムレジスト使用時に、まず剥離されるものである。
なお、上記直接塗布法、又は転写法によって製造された二層構成の感光性ドライフィルムレジストはBステージ状態にある。
<感光性ドライフィルムレジストの物性の評価>
上記のようにして製造された感光性ドライフィルムレジストについて、次に示す各項目の物性について評価を行った。具体的には(i)アルカリ溶解性、(ii)現像性、(iii)解像度、(iv)密着性、(v)難燃性、(vi)電気信頼性、(vii)半田耐熱性、(viii)Bステージ状態のタック性、および、(iv)反りについての評価を行った。
(i)アルカリ溶解性
まず、電解銅箔(三井金属(株)製、厚み38μm)を10重量%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチング(銅箔表面の防錆剤を除去する工程である)し、水洗い後、エタノール、アセトンで表面を洗ってから乾燥させた。感光性ドライフィルムレレジストの保護フィルムを剥離後、前記電解銅箔(ソフトエッチング後)の光沢面に、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。次いで、PETフィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト(株)製エッチングマシーンES−655D)を用いて、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)で、現像時間30〜180秒間の条件で現像処理を行った。現像後のサンプルは、蒸留水により洗浄して、現像液を除去し、乾燥させた。感光性ドライフィルムレジストが貼り合わされた銅箔光沢面から、感光性ドライフィルムレジストが完全に除去されるのに必要な最短の現像時間をBステージ状態のアルカリ溶解時間とした。1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)でのアルカリ溶解時間が180秒を超える場合には、現像液を1重量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)に変更して同様の試験を実施し、アルカリ溶解時間を測定した。
この感光性ドライフィルムレジストのBステージ状態でのアルカリ溶解時間が、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)または1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)のいずれかの現像液で60秒以下のものを合格とし、180秒を超えるものを不合格とした。
(ii)現像性
まず、電解銅箔(三井金属(株)製、厚み38μm)を10重量%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチング(銅箔表面の防錆剤を除去する工程である)し、水洗い後、エタノール、アセトンで表面を洗ってから乾燥させた。感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離後、前記電解銅箔(ソフトエッチング後)の光沢面に、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この積層体のPETフィルムの上に、100×100μm角及び200×200μm角の微細な四角を描いたマスクパターンをのせ、波長405nmの光を300mJ/cmだけ露光した。このサンプルのPETフィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト(株)製エッチングマシーンES−655D)を用いて、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)、または1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)を使用して、スプレー現像を行った。なお、現像液には、上記アルカリ溶解性試験において、炭酸ナトリウム水溶液に溶解した水準では現像液に炭酸ナトリウム水溶液を用い、水酸化ナトリウムのみに溶解した水準では、現像液に水酸化ナトリウム水溶液を用いた。現像によって形成したパターンは、次いで蒸留水により洗浄して、現像液を除去し、乾燥させた。光学顕微鏡で観察して少なくとも200μm×200μm角の四角が残渣なく現像できていれば合格とした。
(iii)解像度
上記現像性と同様の条件にて、電解銅箔の光沢面に感光性ドライフィルムレジストをラミネートした。この積層体のPETフィルムの上に、ライン/スペースが40/40μmから200/200μmまで10μm刻みのマスクパターンを載せ、波長405nmの光を300mJ/cmだけ露光した。このサンプルのPETフィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト(株)製エッチングマシーンES−655D)を用いて、1重量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温40℃)、または1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温40℃)を使用して、スプレー現像処理を行い、未露光部をきれいに除去することができた最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。解像度は数値が小さいほど良好である。なお、現像液には、上記アルカリ溶解性試験において、炭酸ナトリウム水溶液に溶解した水準では現像液に炭酸ナトリウム水溶液を用い、水酸化ナトリウムのみに溶解した水準では、現像液に水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
(iv)密着性
感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離後、25μm厚のポリイミドフィルム((株)カネカ製 NPI)に100℃、75000Pa・mでラミネート加工した。次に、波長405nmの光を600mJ/cmだけ露光してから支持体フィルムを剥離し、180℃のオーブンで2時間加熱キュアを行った。
このように製造した「ポリイミドフィルム/感光性ドライフィルムレジスト」積層体サンプルをIPC TM650 2.4.28.1に準拠してクロスカットピール試験を行い、剥離が無ければ合格とした。
(v)難燃性
感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離後、50μm厚みのポリイミドフィルム((株)カネカ製 NPI)の両面に100℃、75000Pa・mでラミネート加工した。次に、波長405nmの光を両面に600mJ/cmだけ露光してから両面の支持体フィルム(PET)を剥離し、180℃のオーブンで2時間加熱キュアを行った。
このように製造した「感光性ドライフィルムレジスト/ポリイミドフィルム/感光性ドライフィルムレジスト」積層体サンプルをUL94薄手材料垂直燃焼試験(VTM−0)にしたがって試験を行った。
(vi)電気信頼性
銅箔付きポリイミドフィルム(新日鐵化学(株)製、商品名エスパネックス、ポリイミドフィルムの厚み25μm、銅箔の厚み18μm)の銅箔面、レジストフィルム(旭化成(株)製、サンフォート)を用いて、図1および図2に、それぞれ示す、ライン/スペース=100/100μmおよび25/25μmの櫛型パターンを形成して、回路付きCCLを得た。保護フィルムを剥離した感光性ドライフィルムレジストを、この回路付きCCLの櫛型パターン部分の上を被覆するように重ねて、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この貼り合わせサンプルの感光性ドライフィルムレジスト面に波長405nmの光を300mJ/cm露光した後、PETフィルムを剥離し、180℃で2時間キュアして硬化させた。
このサンプルを温度85℃/相対湿度85%の条件の恒温恒湿器(エスペック製、商品名プラチナスPR―2K)の中に入れ、櫛型パターンの端子間に60Vの電圧を印加し続け、30分間おきに線間絶縁抵抗を測定した。
少なくとも、ライン/スペース=100/100μmの櫛型パターンで、印加時間が500時間の時点での抵抗値が、1.0×10Ω以上であれば合格とし、500時間未満で回路が短絡してしまうものは不合格とした。ライン/スペース=25/25μmの櫛型パターンでも1.0×10Ω以上の抵抗値を保持していれば、電気信頼性はより良好であるといえる。
(vii)半田耐熱性
銅箔(三井金属(株)製の電解銅箔、厚み38μm)を5cm角にカットし10重量%硫酸水溶液で1分間ソフトエッチングし、水洗い後、エタノール、アセトンで表面を洗ってから乾燥させた。次に4cm角にカットした感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離し、上記電解銅箔(ソフトエッチング後)の光沢面に重ねて、100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。この貼り合わせサンプルの感光性ドライフィルムレジスト面に波長405nmの光を300mJ/cm露光した後、180℃で2時間キュアして硬化させた。このサンプルを<1>常態(20℃/相対湿度40%の環境で24時間)、<2>吸湿(40℃/相対湿度85%の環境で48時間)調湿した後に、260℃以上の溶融半田に30秒間浮かべ、銅箔と感光性ドライフィルムレジストの界面に膨れの発生若しくは剥離が生じていない最高温度を測定した。少なくとも260℃以上の半田耐熱性があれば、合格とした。
(viii)Bステージ状態のタック性
感光性ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥離後、指触によりタックの有無を調べ、タックフリー、僅かなタックであれば合格、タック性が強ければ、不合格とした。
(iv)反り
ポリイミドフィルム アピカル25NPI(カネカ製)に密着性の測定項と同様に作製した感光性ドライフィルムレジストをあわせ110℃、20000Pa・mの条件でラミネートした。続いて、400nmの光を300mJ/cmだけ露光し、その後PETフィルムを剥離して180℃で2時間加熱し積層体を得た。この積層体を5cm各にカットして5cm×5cmの試験サンプルとした。試験サンプルを23℃65%RHの環境下に24時間放置後、感光性ドライフィルムレジスト面を上にして平らな台の上におき、台からそりあがった部分の最大高さを定規で測定し反り(mm)とした。反りが5mm以下を合格ラインとした。
(iv−1) 第一感光層の反り
上記第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を、支持体のPET(東レ(株)ルミラー、厚み25μm)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥させて、有機溶媒を除去した。これにより、第一感光層/PETフィルムからなるシートを得た。
当該フィルムを、25μm厚のポリイミドフィルム(アピカルNPI,(株)カネカ製)に100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。続いて、400nmの光を第一感光層に300mJ/cmだけ露光し、その後PETフィルムを剥離して180℃で2時間加熱し積層体を得た。この積層体を5cm各にカットして5cm×5cmの試験サンプルとした。当該試験サンプルを23℃65%RHの環境下に24時間放置後、感光性ドライフィルムレジスト面を上にして平らな台の上におき、台からそりあがった部分の最大高さを定規で測定し、第一感光層の反り(mm)とした。
(iv−2) 第二感光層の反り
上記第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を、支持体のPET(東レ(株)ルミラー、厚み25μm)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥させて、有機溶媒を除去した。これにより、第二感光層/PETフィルムからなるシートを得た。
当該フィルムを、25μm厚のポリイミドフィルム(アピカルNPI,(株)カネカ製)に100℃、75000Pa・mの条件でラミネートした。続いて、400nmの光を第二感光層に300mJ/cmだけ露光し、その後PETフィルムを剥離して180℃で2時間加熱し積層体を得た。この積層体を5cm各にカットして5cm×5cmの試験サンプルとした。当該試験サンプルを23℃65%RHの環境下に24時間放置後、感光性ドライフィルムレジスト面を上にして平らな台の上におき、台からそりあがった部分の最大高さを定規で測定し、第二感光層の反り(mm)とした。
<バインダーポリマーの合成>
原料としては、酸二無水物として、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、「BTDA」ともいう)、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以下、「ODPA」ともいう)、ピロメリット酸二無水物、3,3,3’、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、「s−BPDA」ともいう)、3,3’,4,4’−ビフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物を、芳香族ジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンを用いた。溶媒として、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」ともいう)、N,N’−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」ともいう)およびジオキソランを用いた。
得られたバインダーポリマーの重量平均分子量は、東ソー社製HLC8220GPCを使用して、サイズ排除クロマトグラフィーにより、ポリエチレンオキシド換算で算出した。
<合成例1:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 29.23g(100mmol)をとり、ジメチルホルムアミド 58.46gに溶解して加え室温で1時間撹拌を行った。ついで、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物 31.02g(100mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量は100000であった。
なお、本明細書においては、ポリアミドの分子量は、高速GPC(東ソー社製HLC8220GPC)を用いて測定した。測定条件は、溶離液として、DMF(30mM LiBr,20mM HPOを含む)を用い、カラムとして東ソー社製、商品名:TSK gel Super AWM−H 2本を用い、カラム温度40℃、検出器としてRI,流量0.6mm/minで、標準試料としてポリエチレンオキシドおよびポリエチレングリコールを使用した。
<合成例2:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物 31.02g(100mmol)、ジメチルホルムアミド 102.7gをとり、信越化学製ポリシロキサンジアミンX−22−9409S 59.68g(40mmol:分子量1492)をジメチルホルムアミド 59.68gに溶解して加え室温で1時間撹拌を行った。ついで、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 17.54g(60mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量は80000であった。
<合成例3:ポリアミド酸>
3Lセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入菅を設置し、窒素雰囲気下、ピロメリット酸二無水物 87.3g(400mmol)、N―メチルピロリドン 496gをフラスコ内に投入し、これを攪拌しながら内部温度を50℃まで昇温した。その温度で、滴下ロートから東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のポリシロキサンジアミン BY16−853U(一般式(5)中R=プロピレン基、mが約10、フェニル基の含有量0%)92.6g(100mmol:分子量926)を少量ずつ2時間かけて滴下した。滴下終了後、その温度で1時間撹拌を継続させた。その後、反応温度を30℃以下に冷却し、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを87.7g(300mmol)添加後20時間窒素雰囲気下で攪拌を継続し、ポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の重量平均分子量は120000であった。
<合成例4:カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミド>
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコに(2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト)−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物 17.3g (30mmol)、ジメチルホルムアミドを30g入れて、攪拌機で攪拌して溶解させた。次に、[ビス(4−アミノ−3−カルボキシ)フェニル]メタン 5.15g (18mmol)をジメチルホルムアミド 9gに溶解して、上記(2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエ−ト)−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物の溶液に加え、激しく攪拌した。溶液が均一になったらさらに、上記溶液に信越化学製ポリシロキサンジアミンKF−8010を7.47g(9mmol)を加え、激しく攪拌した。溶液が均一になったら最後に、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを1.29g(3mmol)加えて1時間激しく攪拌した。このようにして得たポリアミド酸溶液をフッ素系樹脂でコートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、660Paの圧力で2時間減圧乾燥し、26.40gのカルボキシル基を有するポリイミドを得た。このポリイミドの重量平均分子量は37000であった。
<合成例5:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、ODPA 31.02g(100mmol)、ジオキソラン102.7gをとり、信越化学製ポリシロキサンジアミンX−22−9409S 59.68g(40mmol:一般式(5)中R=プロピレン基、mが約12、フェニル基の含有量25%、分子量1492)をジオキソラン59.68gに溶解して加え室温で1時間撹拌を行った。ついで、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 17.54g(60mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は80000、数平均分子量は32000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.5であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは90℃であった。
<合成例6:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、BTDA 32.22g(100mmol)、DMF 112.5gをとり、ポリシロキサンジアミン 80.88g(30mmol:一般式(5)中R=プロピレン基、mが約20、フェニル基の含有量40%、分子量2696)をDMF80.88gに溶解して加え室温で2時間撹拌を続け、ついで2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン 15.83g(70mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は60000、数平均分子量は25000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.4であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは100℃であった。
<合成例7:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ビフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物 35.82g(100mmol)、DMF83.0gをとり、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン 5.93g(40mmol)をDMF5.93gに溶解して加え室温で2時間撹拌を続け、ついで1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン17.54g(60mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は85000、数平均分子量は30000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.8であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは、130℃であった。
<合成例8:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した500mlのセパラブルフラスコに、s−BPDA 29.42g(100mmol)、DMF73.2gをとり、ポリシロキサンジアミン 28.15g(50mmol:一般式(5)中R=プロピレン基、mが約4、フェニル基の含有量15%、分子量563)をDMF28.15gに溶解して加え室温で2時間撹拌を続け、ついで3,3’−ジアミノジフェニルエーテル 10.01g(50mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は85000、数平均分子量は30000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.8であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは85℃であった。
<合成例9:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、ODPA 31.02g(100mmol)、ジオキソラン94.3gをとり、ポリシロキサンジアミン42.92g(40mmol:一般式(5)中R=プロピレン基、mが約20、フェニル基の含有量15%、分子量1073)をジオキソラン42.92gに溶解して加え室温で1時間撹拌を行った。ついで、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 17.54g(60mmol)を加え、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は85000、数平均分子量は30000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.8であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは80℃であった。
<合成例10:ポリアミド酸>
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコに、ODPA 31.02g(100mmol)、ジオキソラン106.2gをとり、信越化学製ポリシロキサンジアミンX−22−9409S 59.68g(40mmol:一般式(5)中R=プロピレン基、mが約12、フェニル基の含有量25%、分子量1492)をジオキソラン59.68gに溶解して加え室温で1時間撹拌を行った。ついで、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 11.69g(40mmol)を加え、1時間撹拌を続け次いで2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン8.21g(20mmol)を加え、3時間撹拌を続けポリアミド酸を得た。
得られたポリアミド酸の分子量を測定したところ、重量平均分子量は90000、数平均分子量は33000、重量平均分子量/数平均分子量は、2.7であった。ポリアミド酸をポリイミド化したもののTgは120℃であった。
〔実施例1〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層の有機溶媒溶液および、第二感光層の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・カルボキシル基含有ビニル系ポリマー(ダイセルサイテック(株)製、製品名ACA320 重量平均分子量25000)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・20重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・20重量部
(C1)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・1重量部
(D1)難燃剤
・レゾルシノールビス(ジ2,6−キシレニル)ホスフェート(大八化学(株)製、製品名PX−200・・・・・30重量部重量部
<第二感光層の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・カルボキシル基含有ビニル系ポリマー(ダイセルサイテック(株)製、製品名ACA320 重量平均分子量25000)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ペンタエリストールアクリレート(東亜合成(株)製、製品名M305)・・・・・40重量部
(C2)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・1重量部
上記組成の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、転写法にて、第一感光層20μ厚、第二感光層5μ厚であるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:70μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:1.7×10Ω、ライン/スペース=25/25μm:4.5×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は260℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:4mmで合格。
第一感光層の反り:2mm
第二感光層の反り:5mm
〔実施例2〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層の有機溶媒溶液および、第二感光層の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例2で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・10重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・40重量部
(C1)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・2重量部
(D1)難燃剤
・ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート(大八化学(株)製、製品名CR−741・・・・・15重量部重量部
<第二感光層の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例1で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・40重量部
(C2)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・1重量部
上記組成の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、直接塗布法にて、第一感光層20μ厚、第二感光層5μ厚であるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:70μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.5×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:3.6×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は280℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:5mm以下で合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:筒状
〔実施例3〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層の有機溶媒溶液および、第二感光層の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例2で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・20重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・30重量部
(C1)光反応開始剤
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−01)・・・・・1重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・1重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・1重量部
(D1)難燃剤
・ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製、製品名SPH−100)・・・・・20重量部
<第二感光層の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例2で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・10重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・20重量部
(C2)光反応開始剤
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−01)・・・・・0.3重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・0.3重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・0.4重量部
上記組成の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、直接塗布法にて、第一感光層20μ厚、第二感光層5μ厚であるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:40μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.7×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:5.4×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:4mm
〔実施例4〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層の有機溶媒溶液および、第二感光層の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例4で合成したカルボキシル基を有する可溶性ポリイミド・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名Ebecryl3708)・・・・・50重量部
(C1)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、製品名イルガキュア819)・・・・・2重量部
(D1)難燃剤
・ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製、製品名SPE−100)・・・・・15重量部重量部
<第二感光層の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例4で合成したカルボキシル基を有する可溶性ポリイミド・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・変性ビスフェノールA型のエポキシアクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名Ebecryl3708)・・・・・50重量部
(C2)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、製品名イルガキュア819)・・・・・2重量部
(E2)その他の成分
エポキシ樹脂として、
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、製品名エピコート828)・・・・・10重量部
硬化剤として、
・4,4'−ジアミノジフェニルメタン(DDM)・・・・・1重量部
上記組成の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、直接塗布法にて、第一感光層20μ厚、第二感光層5μ厚であるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液には180秒でも溶解せず。水酸化ナトリウム水溶液では30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:90μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.7×10Ω、ライン/スペース=25/25μm:3.4×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は300℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:3mmで合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:8mm
〔実施例5〕
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液および、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を製造した。直接塗布法にて、第一感光層の厚みが20μm、第二感光層の厚みが5μmであるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例5で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・10重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・40重量部
(C1)光反応開始剤
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−01)・・・・・1重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・1重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・2重量部
(D1)難燃剤
・ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート(大八化学(株)製、製品名CR−741・・・・・15重量部
<第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例5で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・40重量部
(C2)光反応開始剤
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(О−ベンゾイルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−01)・・・・・0.5重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・0.2重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・0.3重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
解像度:60μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.5×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:5.7×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:5mm
〔実施例6〕
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液および、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を製造した。直接塗布法にて、第一感光層の厚み20μm、第二感光層の厚み5μmであるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例6で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・20重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・30重量部
(C1)光反応開始剤
・エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−02)・・・・・1重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・0.5重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・0.5重量部
(D1)難燃剤
・ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製、製品名SPH−100)・・・・・20重量部
<第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例6で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(ダイセルサイテック(株)製、製品名EB150)・・・・・10重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・20重量部
(C2)光反応開始剤
・エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム) (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュアOXE−02)・・・・・0.3重量部
・2,4−ジエチルチオキサントン (日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S)・・・・・0.2重量部
・p―ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル (日本化薬(株)製 KAYACURE EPA)・・・・・0.5重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:40μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.1×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:4.4×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:0mm
第二感光層の反り:4mm
〔実施例7〕
第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液の(A1)成分を合成例7で合成したポリアミド酸に変え、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液の(A2)成分を合成例7で合成したポリアミド酸に変えた他は、実施例5と同様にして、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:40μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:3.6×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:2.4×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は280℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:3mm合格。
第一感光層の反り:2mm
第二感光層の反り:6mm
〔実施例8〕
第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液の(A2)成分を合成例1で合成したポリアミド酸に変えた他は、実施例5と同様にして、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:50μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:7.6×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:4.2×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:5mm合格。
第一感光層の反り:3mm
第二感光層の反り:10mm
〔実施例9〕
実施例5のポリアミド酸を合成例8で合成したものに代えた他は同様に感光性ドライフィルムレジストの製造を行った。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
解像度:50μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.9×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:5.0×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は280℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:0mm
第二感光層の反り:3mm
〔実施例10〕
実施例5のポリアミド酸を合成例9で合成したものに代えた他は同様に感光性ドライフィルムレジストの製造を行った。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
解像度:60μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:6.4×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:5.2×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は280℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:3mm
〔実施例11〕
実施例5のポリアミド酸を合成例10で合成したものに代えた他は同様に感光性ドライフィルムレジストの製造を行った。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
現像性:200μm×200μm角の穴が残渣なく現像できており合格。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
解像度:130μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:4.4×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:4.7×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:4mmで合格。
第一感光層の反り:3mm
第二感光層の反り:4mm
〔実施例12〕
実施例3の第一感光層の有機溶媒溶液及び第二感光層の有機溶媒溶液を用い、第一感光層の厚みを10μm、第二感光層の厚みを15μmとした以外は実施例3と同様にして、Bステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:40μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:9.1×1011Ω、ライン/スペース=25/25μm:1.5×10Ω)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:1mm以下で合格。
第一感光層の反り:1mm
第二感光層の反り:4mm
〔比較例1〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液および、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・ポリウレタン樹脂(大日精化(株)製、製品名FS−141・・・・・100重量部
(D1)難燃剤
・ホスファゼン化合物(大塚化学(株)製、製品名SPE−100)・・・・・50重量部重量部
<第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・ポリウレタン樹脂(大日精化(株)製、製品名FS−141・・・・・100重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液ともに180秒でも溶解せず。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに現像できず、不合格。
解像度:−(現像不可)
密着性:一部剥離し、不合格。
難燃性:合格。
反り:4mm合格。
第一感光層の反り:3mm
第二感光層の反り:4mm
電気信頼性:合格。(ライン/スペース=100/100μm:5.4×10Ω、ライン/スペース=25/25μm:300時間後に短絡。)
半田耐熱性:260℃で膨れ発生し、不合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
このように、(A)バインダーポリマーが酸性官能基を有さず、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)光反応開始剤を添加していないような非感光性材料では、現像性がない。さらに、密着性、半田耐熱性も劣る。
〔比較例2〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を製造した。
<第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例3で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ペンタエリストールアクリレート(東亜合成(株)製、製品名M−305)・・・・・25重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・25重量部
(C1)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・2重量部
(D1)難燃剤
・ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート(大八化学(株)製、製品名CR−741・・・・・20重量部
上記組成の感光性樹脂組成物の有機溶媒溶液を調製し、第一感光層の厚み25μmで、第二感光層は設けないBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に60秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴は現像不可だが、200μm×200μm角の穴は現像可能であり、合格。
解像度:150μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
反り:4mm合格。
第一感光層の反り:4mm
電気信頼性:不合格。(ライン/スペース=100/100μm:200時間後に短絡、ライン/スペース=25/25μm:100時間後に短絡)
半田耐熱性:半田耐熱性は260℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タック性が強く、不合格。
このように、第二感光層を設けない感光性ドライフィルムレジストでは、現像性、解像度、電気信頼性に劣り、Bステージ状態のタック性が強いため取り扱い性も劣る結果となった。
〔比較例3〕
<感光性ドライフィルムレジストの製造>
以下に示す成分を混合し、固形分重量%(Sc)=40%となるようにジオキソランを加えて均一に溶解させ、第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液および、第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液を製造した。直接塗布法にて、第一感光層の厚み20μm、第二感光層の厚み5μmであるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A1)バインダーポリマー
・合成例3で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B1)(メタ)アクリル系化合物
・ペンタエリストールアクリレート(東亜合成(株)製、製品名M−305)・・・・・40重量部
・ビスフェノールA EO変性ジ(メタ)アクリレート(日立化成工業(株)製、製品名FA321M)・・・・・10重量部
(C1)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・2重量部
<第二感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液>
(A2)バインダーポリマー
・合成例3で合成したポリアミド酸(固形分で換算)・・・・・100重量部
(B2)(メタ)アクリル系化合物
・ペンタエリストールアクリレート(東亜合成(株)製、製品名M−305)・・・・・20重量部
(C2)光反応開始剤
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガキュア819)・・・・・1重量部
(D2)難燃剤
・ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート(大八化学(株)製、製品名CR−741・・・・・30重量部
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に60秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴の開口部に残渣が発生し不合格。
解像度:−(現像不可)
密着性:合格。
難燃性:不合格。
反り:5mm合格。
第一感光層の反り:5mm
第二感光層の反り:1mm
電気信頼性:不合格。(ライン/スペース=100/100μm:100時間後に短絡、ライン/スペース=25/25μm:50時間後に短絡)
半田耐熱性:半田耐熱性は260℃で合格。
Bステージ状態のタック性:僅かにタック性がある程度であり、合格。
このように第一感光層が難燃剤を含有せず、第二感光層では難燃剤を含有する多層構造のものでは、現像性、解像度、難燃性、電気信頼性に劣る結果となった。
〔比較例4〕
第一感光層25μ厚にし、第二感光層を設けないこと以外は、実施例4と全く同様の条件で感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液には180秒でも溶解せず。水酸化ナトリウム水溶液では60秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴の開口部に残渣が発生し不合格。
解像度:−(現像不可)
密着性:不合格。
難燃性:合格。
反り:4mmで合格。
第一感光層の反り:4mm
電気信頼性:不合格。(ライン/スペース=100/100μm:200時間後に短絡。ライン/スペース=25/25μm:50時間後に短絡)
半田耐熱性:半田耐熱性は290℃で合格。
Bステージ状態のタック性:僅かなタック性がある程度で合格。
このように、第二感光層を設けない感光性ドライフィルムレジストでは、現像性、密着性、電気信頼性に劣り、Bステージ状態のタック性も低下する結果となった。
〔比較例5〕
実施例5における第一感光層樹脂組成物の有機溶媒溶液の(A1)成分を合成例1で合成したポリアミド酸に変え、第一感光層の厚み25μm、第二感光層の厚み0μm(第二感光層なし)であるBステージ状態の感光性ドライフィルムレジストを製造した。
<物性の評価結果>
得られた感光性ドライフィルムレジストの物性評価結果は、次のようになった。
アルカリ溶解性:1重量%の炭酸ナトリウム水溶液に30秒で溶解。
現像性:100μm×100μm角の穴、200μm×200μm角の穴がともに残渣なく現像できており合格。
解像度:180μm
密着性:合格。
難燃性:合格。
電気信頼性:不合格。(ライン/スペース=100/100μm:350時間で短絡、ライン/スペース=25/25μm:150時間で短絡)
半田耐熱性:半田耐熱性は280℃で合格。
Bステージ状態のタック性:タックフリーで合格。
反り:筒状 不合格。
第一感光層の反り:筒状
実施例の配合条件、厚み構成を表1〜3に、比較例の配合条件、厚み構成を表4に、物性の評価結果を表5〜7に示す。
Figure 2009025699
Figure 2009025699
Figure 2009025699
Figure 2009025699
Figure 2009025699
Figure 2009025699
Figure 2009025699
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、難燃剤を含む第一感光層と、難燃剤を含まないかまたは含んでいても少量しか含まない第二感光層とを少なくとも含む多層構造を有している。そのため従来の一層構造のものと比べて、難燃性と、電気信頼性とだけではなく、感光性も向上し、水系現像液による現像性;優れた解像度、難燃性、密着性、耐湿性、電気信頼性、低反り性を満たす感光性ドライフィルムレジストを実現することを可能とする。それゆえ、本発明にかかる感光性ドライフィルムレジストは、感光性ポリイミドを含むフィルムや積層体に代表される各種樹脂成形品を製造する分野に利用することができる。さらには、このようなフィルムや積層体を用いた電子部品の製造に関わる分野にも広く応用することが可能である。
実施例の電気信頼性を評価する方法において、フレキシブル銅貼積層板上に形成させる櫛型パターン(ライン/スペース=100μm/100μm)を示す模式図である。 実施例の電気信頼性を評価する方法において、フレキシブル銅貼積層板上に形成させる櫛型パターン(ライン/スペース=25μm/25μm)を示す模式図である。

Claims (18)

  1. 第一感光層が
    (A1)バインダーポリマー、
    (B1)(メタ)アクリル系化合物、
    (C1)光反応開始剤、及び
    (D1)難燃剤、
    を必須成分として含有し、
    第二感光層が
    (A2)バインダーポリマー、及び
    (B2)(メタ)アクリル系化合物、
    を必須成分として含有し、
    (D2)難燃剤を実質上含有せず、
    (D2)難燃剤に関して、第一感光層の全重量に対する(D1)難燃剤の重量の割合を第一感光層の難燃剤含有率、第二感光層の全重量に対する(D2)難燃剤の重量の割合を第二感光層の難燃剤含有率としたときに、第二感光層の難燃剤含有率が、0以上10重量%以下であって、かつ、第一感光層の難燃剤含有率を100とした場合、第二感光層の難燃剤含有率が0以上50以下であることの条件を満たし、
    かつ、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第一感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第一感光層の反りとし、25μm厚みのポリイミドフィルム上に、25μm厚みの第二感光層を形成した場合の当該ポリイミドフィルムの反りを第二感光層の反りとした場合に、第二感光層の反りよりも、第一感光層の反りが小さいことを特徴とする、
    少なくとも第一感光層及び第二感光層を含む多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  2. 第二感光層が、さらに、(C2)光反応開始剤を必須成分として含有することを特徴とする請求項1に記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  3. 上記第二感光層は、多層構造のうち、最外層に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  4. 上記(D1)難燃剤及び/または(D2)難燃剤がリン系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  5. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、カルボキシル基含有ビニル系ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  6. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、ポリアミド酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  7. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたポリアミド酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
    Figure 2009025699
    (式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  8. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、以下の一般式(2)
    Figure 2009025699
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rはそれぞれ独立して、炭素数2ないし5のアルキレン基を示し、Rはそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基を示し、R中のフェニル基の含有率が15%以上40%以下であり、且つ、mは4以上20以下の整数である。)
    で表される構成単位と、
    以下の一般式(3)
    Figure 2009025699
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)
    で表される構成単位とからなるポリアミド酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  9. 上記ポリアミド酸が、さらに、以下の一般式(4)
    Figure 2009025699
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
    Figure 2009025699
    で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
    で表される構成単位を有することを特徴とする請求項8に記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  10. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、以下の一般式(4)
    Figure 2009025699
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、以下の化学式a、b、c、d、e、fまたはg
    Figure 2009025699
    で表される構造を有し、化学式a中、mは1〜20のいずれかの整数を、nは0〜10のいずれかの整数を示し、化学式f中、Rは水素原子、メチル基、エチル基またはブチル基を示す。)
    で表される構成単位と、
    以下の一般式(3)
    Figure 2009025699
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rは、芳香族ジアミンから2個のアミノ基を除いた2価の有機基を示す。)
    で表される構成単位とからなるポリアミド酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  11. 上記一般式(3)で表される構成単位は、上記一般式(3)中、Rにおける、上記芳香族ジアミンの上記2個のアミノ基が結合していた芳香環の少なくともひとつが、メタ位に位置する2本の結合手で主鎖に結合している構成単位を含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  12. 上記芳香族ジアミンは、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、または2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパンであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の感光性ドライフィルムレジスト。
  13. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  14. 上記(A1)バインダーポリマー及び/または(A2)バインダーポリマーが、一般式(1)で表されるポリシロキサンジアミンを原料の一部として用いたカルボキシル基及び/又は水酸基を有する可溶性ポリイミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
    Figure 2009025699
    (式中、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5の炭化水素を表し、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基から選ばれる有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  15. 第一感光層の厚みを100とした場合、第二感光層の厚みが500以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジスト。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項記載の多層構造の感光性ドライフィルムレジストを絶縁保護層として用いることを特徴とするプリント配線板。
  17. 感光性ドライフィルムレジスト中の構成において、上記第二感光層が回路面と接触する最外層に位置し、上記第一感光層がもう一方の最外層に位置していることを特徴とする請求項16記載のプリント配線板。
  18. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の感光性ドライフィルムレジストを180℃以下の温度で硬化させ絶縁保護層として形成してなることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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