JP2009001475A - 炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法であって、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、かつ凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 まず、一定の温度、例えば5℃に保った水とエチレングリコールとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウムなどのストロンチウムイオン含有物質と、尿素などの炭酸イオン前駆体含有物質とを完全に溶解させる。次に、この反応溶液にポリビニルピロリドンなどの結晶成長制御剤を添加し、続いて加水分解酵素ウレアーゼを加え、スターラーで攪拌しながら、下記(1)〜(3)の反応によって尿素を加水分解させ、炭酸イオンを生成させ、炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる。
(NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2・・・(1)
2NH3 + CO2 + H2O → 2NH4 + + CO3 2-・・・(2)
Sr2+ + CO3 2- →SrCO3・・・(3)
【選択図】 図1
【解決手段】 まず、一定の温度、例えば5℃に保った水とエチレングリコールとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウムなどのストロンチウムイオン含有物質と、尿素などの炭酸イオン前駆体含有物質とを完全に溶解させる。次に、この反応溶液にポリビニルピロリドンなどの結晶成長制御剤を添加し、続いて加水分解酵素ウレアーゼを加え、スターラーで攪拌しながら、下記(1)〜(3)の反応によって尿素を加水分解させ、炭酸イオンを生成させ、炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる。
(NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2・・・(1)
2NH3 + CO2 + H2O → 2NH4 + + CO3 2-・・・(2)
Sr2+ + CO3 2- →SrCO3・・・(3)
【選択図】 図1
Description
本発明は、配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法、詳しくは、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、かつ、凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法に関するものである。
近年、レンズや光透過性フィルムなどの一般光学部品や、オプトエレクトロニクス用の精密光学部品の材料として、有機高分子樹脂からなる光学材料(以下、略して有機高分子光学材料と言う。)が用いられる傾向が強まっている。この理由として、有機高分子光学材料が、無機光学材料に比べて、軽量、安価であり、加工性や量産性に優れていることが挙げられる。特に、有機高分子光学材料には、射出成形や押し出し成形のような加工方法を容易に適用できるという大きな利点がある。
延伸、押し出し、射出などの工程では、高分子の骨格をなす主鎖(以下、高分子鎖と略記する。)を一定方向に配向させようとする力が作用する。このため、有機高分子光学材料を射出成形や押し出し成形などで成形した光学樹脂材料では、高分子鎖が上記一定方向を中心として配向する傾向が生じ、これにともなって、単量体(モノマー)由来の各構造単位の配向方向も特定の方向に偏った分布をもつことになる。
一方、各構造単位は、通常、その分子構造に起因する光学的異方性を有している。光学樹脂材料中に含まれる多数の構造単位がランダムに配向している場合には、各構造単位のもつ光学的異方性は平均化されるので、光学樹脂材料が全体として光学的異方性をもつことはない。しかし、上記の光学樹脂材料のように、構造単位の配向方向が特定の方向に偏っている場合には、各構造単位のもつ光学的異方性は完全には平均化されず、光学樹脂材料が全体として光学的異方性をもち、複屈折性を示すことになる。
このような配向に依存した複屈折を配向複屈折と言い、高分子鎖の主たる配向方向(上記一定方向)に平行な方向の屈折率をnprとし、高分子鎖の主たる配向方向に垂直な方向の屈折率をnvtとすると、nprとnvtとが異なっている。両者の差Δn=npr−nvtは、配向複屈折値と呼ばれる。例えば、ポリカーボネートの場合には、npr>nvt、Δn=npr−nvt>0であり、配向複屈折値が正である。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の場合には、npr<nvt、Δn=npr−nvt<0であり、配向複屈折値が負である。
なお、これと類似した複屈折性の表現は、等方的でない形状、例えば、棒状、針状または楕円体状などの形状をもつ無機微粒子の複屈折性の表現にも応用することができる。この場合、微粒子の長軸方向の屈折率をnprとし、長軸方向に垂直な方向の屈折率をnvtとする。もし、nvtが方向に依存する場合には、長軸方向に垂直な面内において結晶構造に対応した2軸をとり、それらの方向における屈折率の算術平均をnvtとする。
さて、上記の光学樹脂材料のように、意図せざる複屈折性が存在することは、光学樹脂材料として好ましくない場合がある。例えば、近年開発された書込/消去型の光磁気ディスクのように、書き込みや読み出しに偏光ビームが用いられる場合に光路中に複屈折性の光学材料が存在すると、書き込みや読み出しの精度に悪影響が生じることになる。
そこで、有機高分子光学材料を成形した光学樹脂材料の複屈折性を減少させる方法として、結晶ドープ法が提案されている(例えば、国際特許公開公報WO01/25364号、および特開2004−109355号公報参照。)。結晶ドープ法では、あらかじめ有機高分子光学材料中に、等方的でない形状、例えば、棒状、針状、または楕円体状などの形状を有する無機微粒子を分散させておき、この複合物を延伸や射出などの工程で成形し、光学樹脂材料を形成する。この際、上述したように、各高分子鎖には一定方向に配向させようとする力が作用するので、各高分子鎖は上記一定方向を中心とした方向に配向しようとするが、このような高分子鎖の配向にともなって、高分子鎖に挟まれている無機微粒子にも特定の方向に配向させようとする力が作用する。
この結果、例えば、高分子鎖を一定方向に延伸させた場合には、高分子鎖の主たる配向方向と、無機微粒子の長軸の主たる配向方向とが同じ方向(延伸方向)である光学樹脂材料が形成される。このとき、有機高分子光学材料の配向複屈折値と無機微粒子の配向複屈折値とが正負逆符号になるように、無機微粒子の材料を選択しておけば、高分子鎖の配向によって生ずる複屈折性を、無機微粒子の配向によって生ずる複屈折性で減殺することができる(国際特許公開公報WO01/25364号参照。)。
また、例えば、射出などによって高分子鎖を一定方向に配向させた場合には、高分子鎖の主たる配向方向と、無機微粒子の長軸の主たる配向方向とが直交する光学樹脂材料が形成される。この場合には、有機高分子光学材料の配向複屈折値と無機微粒子の配向複屈折値とが正負同符号になるように、無機微粒子の材料を選択しておけば、高分子鎖の配向によって生ずる複屈折性を、無機微粒子の配向によって生ずる複屈折性で減殺することができる(特開2004−109355号公報参照。)。
また、面内レタデーションを有し、負の波長分散性(波長が大きくなるほど、面内レタデーションの値が大きくなる関係)を示すフィルムを、無機微粒子を分散させた複合体フィルムで作製することが提案されている(例えば、特開2005−156862号公報、特開2005−156863号公報、特開2005−156864号公報、および特開2005−227427号公報参照。)。また、有機高分子光学材料に複屈折性を有する棒状の無機微粒子を分散させた複合体フィルムを延伸させてなるフィルムであって、複屈折性や位相差値の波長分散性を種々に変更でき、液晶表示装置の視野角を拡大する光学補償フィルムなどとして用いることのできる位相差フィルムが提案されている(特開2005−227427号公報参照。)。
さて、上記のように結晶ドープ法を適用して、複屈折性やその波長分散性を制御した光学樹脂複合体材料を得るには、結晶ドープ法に適した無機微粒子を用意する必要がある。結晶ドープ法に用いる無機微粒子として求められる特性は、配向複屈折性を有し、高結晶性であり、分散状態がよく、針状などの異方性形状を有することなどが挙げられる。また、光学樹脂中に混在させたときのヘイズを減少させるために、粒子サイズはできるだけ小さいものが求められている。後述の特許文献1には、結晶ドープ法に用いる無機微粒子として、微細な針状または棒状の炭酸塩が特に好適であり、光学樹脂材料の透明性に問題が生じないためには、無機微粒子の長径が500nm以下であるのが好ましく、200nm程度であるのがより好ましいと記載されている。
また、炭酸塩のうち、炭酸カルシウムは、結晶系としてアラゴナイト、カルサイト、バテライトがあり、針状であるアラゴナイトの合成時に最も安定なカルサイトが混入しやすいため不適当であり、一方、炭酸ストロンチウムは、(1)結晶微粒子が針状の形態を比較的とり易く、(2)屈折率nが(na、nb、nc)=(1.520、1.666、1.669)であり、多くの有機高分子光学材料の屈折率と近く、複屈折値が大きいので、結晶ドープ法に適していることが記載されている。
なお、炭酸ストロンチウムはあられ石型(硝酸カリウム型)構造の結晶構造を有する。そのa、bおよびcの3つの結晶軸のうち、a軸が針状または棒状の炭酸ストロンチウム微粒子の長軸方向である。屈折率nは、上記の通り、na<nb、ncであるので、針状または棒状の炭酸ストロンチウム微粒子の複屈折値は負である。
特許文献1には、上記針状または棒状の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法として、ストロンチウム塩と尿素とを水に均一に溶解させた後、加水分解酵素を加えて尿素を加水分解し、生じた炭酸イオンとストロンチウムイオンとを反応させ、均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる際に、エチレングリコールなどの凝固点降下物質を水に添加し、炭酸ストロンチウム微粒子の生成を0℃以下の温度で行わせることを特徴とする炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法が提案されている。
特許文献1の実施例1では、水375gに硝酸ストロンチウム30.75gと尿素81.75gとエチレングリコール75.00gとを溶解させた後、ウレアーゼ1.50gを加え、攪拌して−5℃に保ちながら、超音波照射下で12時間反応させ、その後、反応液の温度を20℃に上げて12時間、結晶を熟成させることにより、長さが500nm以下(平均400nm程度)の炭酸ストロンチウム微粒子を得た例が示されている。また、実施例2では、同条件によって硝酸ストロンチウムと尿素とを反応させた後、反応液の温度を0℃に上げて24時間、結晶を熟成させることにより、長さが平均200nm程度の炭酸ストロンチウム微粒子を得た例が示されている。
図7は、特許文献1の実施例1および2で得られた炭酸ストロンチウム微粒子をろ過によって取り出し、乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した観察像である。各観察像における観察倍率は、(1)では3000倍、(2)では20000倍、(3)では100000倍である。
また、特許文献1には、水温を下げるほど、粒径の小さい炭酸ストロンチウム微粒子が得られること、凝固点降下物質を加えていない通常の水溶液では水温を0℃以下に下げることができないため、1μm以下の微粒子を得ることは困難であることが記載されている。
一方、後述の特許文献2には、高結晶性で、凝集しにくく、針状または棒状の形状を有し、配向複屈折性を有する炭酸塩を効率的かつ簡便に形成することができ、粒子サイズを制御可能な炭酸塩の製造方法として、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、およびPb2+イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む金属イオン源と炭酸イオン源とを55℃以上の液中で加熱反応させ、アスペクト比が1より大きい炭酸塩を製造する炭酸塩の製造方法が提案されている。なお、アスペクト比とは、短径長さに対する長径長さの比を意味するものとする(以下、同様。)。
表1は、特許文献2の実施例1、2、4および5における反応条件、および生成した炭酸ストロンチウム微粒子の特徴をまとめた表である。
また、図8は、実施例1、2および5で得られた炭酸ストロンチウム微粒子をろ過によって取り出し、乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した観察像である。
実施例1では、硝酸ストロンチウムと尿素とを共に0.33Mの濃度で含む混合溶液を調製した後、混合溶液を500rpmで撹拌しながら90分間、90℃に加熱し、尿素の熱分解反応によって炭酸イオンを生成させ、均一沈殿法により炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。得られた炭酸ストロンチウム微粒子の形状は柱状で、アスペクト比は4.7、長径の平均値は6.2μmであり、X線回折測定装置を用いて(111)面の回折ピークの半値幅を測定した結果は、0.2°であった。なお、長径が平均長さ6.2μm±0.5μmの範囲に入る微粒子の割合は、全微粒子の62%であった。
実施例2では、0.025Mの水酸化ストロンチウム懸濁液と、0.5Mの尿素水溶液とを混合して混合溶液を調製し、pH=12.60〜11.50の下で反応させた以外は実施例1とほぼ同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。得られた炭酸ストロンチウム微粒子の形状は針状で、アスペクト比は6.8、長径の平均値は0.35μmであり、X線回折(XRD)測定装置を用いて(111)面のXRDピークの半値幅を測定した結果は、0.6°であった。
また、実施例4では、炭酸ストロンチウムの溶解度を低下させるために混合溶液中にメタノールを添加した以外は実施例1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を製造した例が示され、実施例5では、硝酸ストロンチウムの濃度を0.005M、尿素の濃度を0.5Mとした混合溶液を調製し、pH=7.53〜8.18の下で反応させた以外は実施例1とほぼ同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を製造した例が示されている。
特許文献2には、反応温度が55℃未満であると、結晶性が低く、針状または棒状ではなく、球状または楕円体状の炭酸ストロンチウム微粒子が生成されることがあるので、反応温度は55℃以上であることが必要であり、60〜95℃が好ましく、70〜90℃がより好ましいと記載されている。また、反応後の反応溶液のpHが8.2より低いと、粗大な炭酸塩が生成されることがあり、一方、反応溶液の液性が強塩基性であると、微細な炭酸塩が得られると記載されている。また、反応時間に特に制限はないが、15〜360分間が好ましく、30〜240分間がより好ましく、反応は撹拌しながら行うのが好ましく、撹拌速度としては、500〜1500rpmであるのが好ましいと記載されている。
また、後述の特許文献3には、アスペクト比が高く、小サイズかつ単分散の炭酸塩結晶の製造方法として、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、およびPb2+イオンのうちの少なくとも1種の金属イオンを含む金属イオン源と、炭酸イオン源とを、pHが9.0以上であり、凝集防止剤を含む溶液中で反応させ、アスペクト比が2.5以上、かつ長径の平均値が1μm以下である炭酸塩を製造する炭酸塩の製造方法が提案されている。凝集防止剤としては、ポリアルキレンオキシド系化合物またはポリビニル系化合物が好ましく、特にポリアルキレンオキシド系化合物であるのが好ましく、ポリアルキレンオキシド系化合物としてはポリエチレンオキシドが好適であり、ポリビニル系化合物としてはポリビニルアルコールが好適であると記載されている。
特許文献3の実施例1では、0.25Mの水酸化ストロンチウム水溶液300mlに凝集防止剤としてのポリエチレンオキシド1.0gを添加して溶解し、エタノールを混合して35℃に冷却した溶液に、0.10Mの炭酸アンモニウム水溶液300mlをダブルジェット法により攪拌混合して反応させ、次いで、反応液を攪拌しながら過剰の炭酸ガスを供給して、長径の平均値が730nm、長径の変動係数が36%、アスペクト比が5.2の炭酸ストロンチウム微粒子を得た例が示されている。
また、実施例2では、0.25Mの水酸化ストロンチウム水溶液500mlに凝集防止剤としてのポリビニルアルコール1.0gを添加して溶解し、エタノール300mlを混合して35℃に冷却した溶液に、0.15Mの塩化ストロンチウム水溶液と、炭酸源としての0.18mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液とを同時添加して混合し、次いで、0.3mol/Lの水酸化ストロンチウム水溶液を添加した後、反応液を攪拌しながら過剰の炭酸ガスを供給して、長径の平均値が780nm、長径の変動係数が42%、アスペクト比が4.7の炭酸ストロンチウム微粒子を得た例が示されている。
また、比較例1では、ポリビニルアルコールを添加しなかった以外は実施例2と同様にして、長径の平均値が1.1μm、長径の変動係数が70%、アスペクト比が2.1の炭酸ストロンチウム微粒子を得た例が示されている。
特許文献1のように−5℃以下の低温域における均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた場合には、長径の平均値が500nm以下の微粒子を得ることができる。しかし、図7に示したように、微粒子の形や大きさは不揃いであり、形状異方性や分散性は、結晶ドープ法に用いるには十分でないように見える。
一方、特許文献2のように、90℃の高温域における均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた場合には、アスペクト比が4.7〜8.1の針状又は柱状(棒状)の微粒子を得ることができる。しかしながら、結晶性に関しては、XRDの半値幅が記されているのみで、屈折率異方性についてのデータが示されていない。また、実施例2以外では長径の平均値は4.8〜8.5μmと大きい。そして、図8に示されているように、結晶ドープ法に用いるには分散性が十分でないように見える。このように微粒子同士が分離できていない状態では、粒径やアスペクト比がどのような意味をもつのかも不明である。
上記の結果から、均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる場合、粒子サイズの小さい微粒子を生成させる条件と、高い結晶性や形状異方性を有する微粒子を生成させる条件とは相反する傾向があり、反応温度や反応物質の濃度の調節のみでは両方の条件をともに満たすことは困難であると思われる。また、いずれの場合でも、結晶ドープ法に用いるには分散性が十分でないと思われる。
また、特許文献3のように凝集防止剤を含む溶液中における不均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた場合には、凝集防止剤を用いない場合に比べて、アスペクト比や長径の変動係数はかなり改善されるが、粒子サイズの縮小効果は比較的小さく、長径の平均値の下限が実施例1で得られた730nmであるとすると、結晶ドープ法に用いて光学樹脂材料の透明性を損なわないためには粒子サイズが大きすぎる。また、微粒子の屈折率異方性やそれに関連して重要な結晶性や結晶方位、および分散性についての記載がない。
なお、均一沈殿法と不均一沈殿法との明確な相違点は、沈殿を生成する反応物質を含む相の数にある。均一沈殿法では、上述したように、沈殿を生成するすべての反応物質が1つの溶液相に含まれており、沈殿はこの溶液相のいたるところで均一に生成する。これに対し、ストロンチウムイオンを含む溶液と炭酸イオンを含む溶液とを混合する不均一沈殿法の場合には、反応物質を含む溶液相が2つあり、各溶液相では沈殿が生成せず、2つの溶液相が混ざり合う境界領域において沈殿が形成される。水酸化ストロンチウム水溶液に炭酸ガスを吹き込む場合も同様で、溶液相と気体相の2相があり、沈殿は2相の境界面で形成される。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法であって、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、かつ凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、ストロンチウムイオン含有物質と炭酸イオン前駆体含有物質とを均一に溶解させた反応溶液を調製する反応溶液調製工程と、前記反応溶液に結晶成長制御剤を添加する結晶成長制御剤添加工程とを有し、前記反応溶液調製工程の後、前記結晶成長制御剤添加工程と同時か又はその後に、前記炭酸イオン前駆体から炭酸イオンを生成させ、炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる工程を開始する、炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法に係わるものである。
本発明では、前記炭酸ストロンチウム微粒子を均一沈殿法によって生成させる際に、前記反応溶液に前記結晶成長制御剤を添加する前記制御剤添加工程を有し、その工程と同時か又はその後に、前記炭酸イオン前駆体から炭酸イオンを生成させ、炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる工程を開始する。このように、本発明の1つの特徴は、前記結晶成長制御剤の存在下で前記炭酸ストロンチウム微粒子を生成させることにある。
前記結晶成長制御剤は、適度に結晶成長速度を抑える働きをする。これにより、前記炭酸ストロンチウム微粒子が過度に大型化するのを防止する。しかも、結晶成長を遅滞させすぎ、形状異方性が乏しく、結晶性の低い微粒子を生成させるということはない。この結果、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、しかも長径の平均値が小さい前記炭酸ストロンチウム微粒子を得ることができる。
前記結晶成長制御剤の一例としては、前記炭酸ストロンチウム微粒子の表面を適度な結合力で被覆する物質を挙げることができる。この場合、結晶成長制御剤は、微粒子生成中および微粒子生成後において微粒子表面を被覆し、微粒子同士が二次凝集するのを防止する。この結果、前記炭酸ストロンチウム微粒子の結晶性がさらに向上するばかりでなく、分散性が向上する効果も得られる。
このような結晶成長制御剤の機能は凝集防止剤の機能と重なることになるが、前記結晶成長制御剤は単なる凝集防止剤とは本質的に異なっている。すなわち、凝集防止剤が、単に微粒子表面を被覆し、微粒子同士が二次凝集するのを防止すればよいのに対し、前記結晶成長制御剤は、適度な結晶成長速度を維持し、高い形状異方性と結晶性を有する微粒子を生成させるために、微粒子表面を適度な結合力で被覆するものでなければならない。
本発明のもう一つの特徴は、前記結晶成長制御剤の存在下において前記炭酸ストロンチウム微粒子を生成させるに際し、均一沈殿法を用いる点にある。上述したように、前記結晶成長制御剤の役割は、前記炭酸ストロンチウム微粒子の成長速度を適切な大きさに制御することにある。従って、前記結晶成長制御剤を添加していないときの、もとになる結晶成長速度が所望の大きさに近いと、その効果が得られやすい。均一沈殿法では、反応物質である前記炭酸イオン前駆体の濃度、反応温度、反応溶液のpH、触媒の有無とその量などによって、前記炭酸イオン前駆体から前記炭酸イオンが生成する速度を幅広く変化させることができ、これを通じて、前記結晶成長制御剤無添加時の結晶成長速度をかなりの程度に制御することができる。この結果、前記結晶成長制御剤を添加した場合、この結晶成長制御剤の効果が有効に発揮され、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、良好な配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子を生成させることができる。
これに対し、ストロンチウムイオンを高濃度で含む溶液と炭酸イオンを高濃度で含む溶液とを急速に混合して瞬時に炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる不均一沈殿法の場合には、前記結晶成長制御剤を添加していないときの、もとになる結晶成長速度を制御する手段が限られており、無添加時の結晶成長速度を効果的に制御することができない。この結果、前記結晶成長制御剤を添加した場合でも、結晶成長速度を適切に制御しきれず、本発明が目的とする、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、良好な配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子を得ることはできない。
本発明において、前記反応溶液調製工程の後に前記制御剤添加工程を行うのがよい。この際、前記ストロンチウムイオン含有物質と前記炭酸イオン前駆体含有物質と前記結晶成長制御剤とを均一に混合した状態で、前記炭酸イオンの生成を開始させるのがよい。
また、上述したように、前記結晶成長制御剤として、前記炭酸ストロンチウム微粒子の表面を適度な結合力で被覆する物質を挙げることができる。この場合、結晶成長制御剤は、微粒子生成中および微粒子生成後において微粒子表面を被覆し、微粒子同士が二次凝集するのを防止する。この結果、前記炭酸ストロンチウム微粒子の結晶性がさらに向上するばかりでなく、分散性が向上する効果も得られる。
このような結晶成長制御剤としてポリビニルピロリドン([-CH2CH(C3H5CONH)-]n)、ポリビニルアルコール([-CH2CH(OH)-]n)、ポリアクリルアミド([-CH2CH(CONH2)-]n)、6-メルカプト-1-ヘキサノール(HS(CH2)5CH2OH)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム([N(CH2(CH2)14CH3)(CH3)3]Br)、ベタイン(N+(CH3)3CH2COO-)、及びこはく酸ジ(2-エチルヘキシル)スルホン酸ナトリウム(CH2(COOCH2CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3)CH(COOCH2CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3)SO3Na)からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。
本発明者は、後述の実施例で示すように、ストロンチウムイオンの質量の0.24%以上の質量の前記結晶成長制御剤を添加することによって、とくに分散性がよく、凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることを明らかにした。ある程度以上加えると増量の効果は徐々に現れにくくなるものの、前記結晶成長制御剤の添加量が多いほど分散性は向上するので、前記結晶成長制御剤添加量の上限はとくになく、前記反応溶液に溶解できる範囲内であればよい。
また、前記ストロンチウムイオン含有物質として、ストロンチウム塩又は水酸化ストロンチウムを用いるのがよい。前記ストロンチウムイオン含有物質としては、溶解してストロンチウムイオンを生ずるものであればよく、適宜選択することができる。例えば、硝酸ストロンチウムSr(NO3)2や塩化ストロンチウムSrCl2などの塩、および水酸化ストロンチウムSr(OH)2を用いることができる。
また、前記炭酸イオン前駆体含有物質は、原理的には、溶解して前記炭酸イオン前駆体を生ずるものであればよく、また、前記炭酸イオン前駆体は、反応によって炭酸イオンを生ずるものであればよいので、適宜選択することができる。例えば、前記炭酸イオン前駆体含有物質として尿素又は炭酸水素塩を用いることができる。
前記炭酸イオン前駆体含有物質が尿素である場合には、尿素分子全体が前記炭酸イオン前駆体である。この際、尿素分子は下記の加水分解反応(1)
(NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2・・・(1)
で分解して二酸化炭素を生成し、生じた二酸化炭素が、例えば下記の中和反応(2)
2NH3 + CO2 + H2O → 2NH4 + + CO3 2-・・・(2)
などによって、炭酸イオンを生成すると考えられる。このようにして生成した炭酸イオンが、ストロンチウムイオンと下記の反応(3)
Sr2+ + CO3 2- →SrCO3・・・(3)
によって、前記炭酸ストロンチウム微粒子を生成する。
(NH2)2CO + H2O → 2NH3 + CO2・・・(1)
で分解して二酸化炭素を生成し、生じた二酸化炭素が、例えば下記の中和反応(2)
2NH3 + CO2 + H2O → 2NH4 + + CO3 2-・・・(2)
などによって、炭酸イオンを生成すると考えられる。このようにして生成した炭酸イオンが、ストロンチウムイオンと下記の反応(3)
Sr2+ + CO3 2- →SrCO3・・・(3)
によって、前記炭酸ストロンチウム微粒子を生成する。
前記反応溶液に水酸化ナトリウムなどの強塩基を添加したり、前記ストロンチウムイオン含有物質として水酸化ストロンチウムを用いたりしている場合には、反応(1)で生成した二酸化炭素がこれらの強塩基と下記の中和反応(4)
2OH- + CO2 → H2O + CO3 2-・・・(4)
などによって、炭酸イオンを生成すると考えられる。
2OH- + CO2 → H2O + CO3 2-・・・(4)
などによって、炭酸イオンを生成すると考えられる。
また、前記炭酸イオン前駆体含有物質が炭酸水素塩である場合には、炭酸水素イオンが前記炭酸イオン前駆体であり、炭酸水素イオンは下記の熱分解反応(5)
2HCO3 - → H2O + CO2 + CO3 2-・・・(5)
によって、炭酸イオンを生成する。ただし、前記炭酸イオン前駆体として炭酸水素イオンを用いる場合には、前記反応溶液に他の塩基類を添加することはできない。もしも塩基を加えると、下記の反応(6)
OH- + HCO3 - → H2O + CO3 2-・・・(6)
によって直ちに炭酸イオンを生成してしまうためである。
2HCO3 - → H2O + CO2 + CO3 2-・・・(5)
によって、炭酸イオンを生成する。ただし、前記炭酸イオン前駆体として炭酸水素イオンを用いる場合には、前記反応溶液に他の塩基類を添加することはできない。もしも塩基を加えると、下記の反応(6)
OH- + HCO3 - → H2O + CO3 2-・・・(6)
によって直ちに炭酸イオンを生成してしまうためである。
均一沈殿法では、前記反応溶液中に予めストロンチウムイオンと前記炭酸イオン前駆体とを均一に溶解させておき、前記反応溶液中で前記炭酸イオン前駆体から炭酸イオンを生成させ、前記反応溶液から前記炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる。この際、上記の尿素の加水分解反応や炭酸水素イオンの熱分解反応では、前記反応溶液を100℃未満の適切な温度に制御することによって、炭酸イオンの生成速度を調節することができ、これを通じて、前記炭酸ストロンチウム微粒子の成長速度を制御することができる。
この例のように、均一沈殿法では、反応物質である前記炭酸イオン前駆体の濃度、反応温度、反応溶液のpH、触媒の有無とその量などによって、前記炭酸イオン前駆体から前記炭酸イオンが生成する速度を幅広く変化させることができ、これを通じて、前記結晶成長制御剤無添加時の結晶成長速度をかなりの程度に制御することができる。この結果、前記結晶成長制御剤を添加した場合、この結晶成長制御剤の効果が有効に発揮され、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、良好な配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子を生成させることができる。
また、前記炭酸イオン前駆体含有物質として尿素を用いる場合には、加水分解酵素を加えることで、反応温度を変えずに、前記尿素の加水分解反応を促進することができる。この際、後述の実施例で示すように、前記反応溶液において、前記ストロンチウムイオン含有物質に含まれるストロンチウムイオンの物質量の18倍以上の物質量の尿素を溶解させておくと、結晶性がよく、針状または棒状の形状を有し、長径の平均値が小さく、良好な配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子が得られることを、本発明者は明らかにした。尿素量の上限はとくになく、前記反応溶液に溶解できる範囲内であればよい。
この場合、実施の容易さからは、水が凝固する0℃以上の温度、例えば0〜5℃にて前記尿素の加水分解反応を行わせるのがよい。本発明者は、後述の実施例1〜7で示すように、5℃にて反応させることによって、針状または棒状で結晶性がよく、しかも粒子サイズの小さい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることを明らかにした。
しかしながら、粒子サイズのより小さい炭酸ストロンチウム微粒子を得るには、前記反応溶液に凝固点降下剤を加え、0℃以下の温度、例えば−5〜0℃にて前記尿素の加水分解反応を行わせるのがよい。本発明者は、後述の実施例8で示すように、−5℃にて反応させることによって、他は同じ条件のままで粒子サイズを縮小できることを明らかにした。反応温度を低下させるほど粒径を小さくできるが、低下の効果は次第に小さくなる一方、そのための負担が次第に大きくなるので、反応温度は−5℃程度がよい。反応温度を下げて反応時間を長くすると、粒径の小さい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることは、特許文献1でも指摘されているが、この理由は下記のように考えられる。
文献(「コロイド化学」、東京化学同人、1998年、杉本忠夫執筆分、P.146−147)によると、溶液中で溶質が生成し、飽和に達した溶質から核が生成し、この核が成長して溶質の微粒子が析出する際、次の(式1)
(生成する核の個数)∝(溶質の生成速度)/(核の線成長速度)・・・(式1)
の関係がある。本発明の場合、右辺の(溶質の生成速度)とは、炭酸ストロンチウムの生成速度であり、ストロンチウムイオン濃度[Sr2+]が一定であるとすると、炭酸イオンCO3 2-の生成速度に比例する(本発明の均一沈殿法では、反応は閉鎖系で行われるので、外部からのCO3 2-などの供給はない。)。
(溶質の生成速度)∝(CO3 2-の生成速度)・・・(式2)
反応温度を低下させると、炭酸イオンCO3 2-の生成速度も、核の線成長速度も、ともに小さくなるが、次の(式3)
(CO3 2-の生成速度の減少率)<(核の線成長速度の減少率)・・・(式3)
の関係があるため、(式1)および(式2)から(生成する核の個数)が多くなり、その結果、炭酸ストロンチウムSrCO3微粒子の粒子サイズが小さくなるものと考えられる。その際、(溶質の生成速度)も(核の線成長速度)も共に小さくなるため、微粒子が生成するのに必要な時間は長くなる。
(生成する核の個数)∝(溶質の生成速度)/(核の線成長速度)・・・(式1)
の関係がある。本発明の場合、右辺の(溶質の生成速度)とは、炭酸ストロンチウムの生成速度であり、ストロンチウムイオン濃度[Sr2+]が一定であるとすると、炭酸イオンCO3 2-の生成速度に比例する(本発明の均一沈殿法では、反応は閉鎖系で行われるので、外部からのCO3 2-などの供給はない。)。
(溶質の生成速度)∝(CO3 2-の生成速度)・・・(式2)
反応温度を低下させると、炭酸イオンCO3 2-の生成速度も、核の線成長速度も、ともに小さくなるが、次の(式3)
(CO3 2-の生成速度の減少率)<(核の線成長速度の減少率)・・・(式3)
の関係があるため、(式1)および(式2)から(生成する核の個数)が多くなり、その結果、炭酸ストロンチウムSrCO3微粒子の粒子サイズが小さくなるものと考えられる。その際、(溶質の生成速度)も(核の線成長速度)も共に小さくなるため、微粒子が生成するのに必要な時間は長くなる。
また、前記反応溶液の溶媒として水を用いるのがよい。
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下により具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に基づく炭酸ストロンチウム微粒子の製造工程を示すフロー図である。
まず、一定の温度、例えば5℃に保った水とエチレングリコールとの混合溶媒に、前記ストロンチウムイオン含有物質である硝酸ストロンチウムSr(NO3)2などのストロンチウム塩と、前記炭酸イオン前駆体含有物質である尿素とを完全に溶解させた反応溶液を調製する反応溶液調製工程を行う。
次に、一定の温度、例えば5℃に保った反応溶液にポリビニルピロリドン(PVP)などの結晶成長制御剤を添加する制御剤添加工程を行い、続いて、尿素の加水分解酵素ウレアーゼを加える工程を行う。PVPを加える制御剤添加工程は、反応溶液調製工程の前に行ってもよいし、ウレアーゼを加える工程と同時に行ってもよいが、通常は、反応溶液調製工程の後に行い、ストロンチウム塩と尿素と結晶成長制御剤とを均一に混合した状態でウレアーゼを加えるのがよい。
ウレアーゼを加えると、前述した反応(1)によって尿素を加水分解させ、反応(2)によって炭酸イオンを生成させ、反応(3)によって炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる工程が始まる。この工程はスターラーで攪拌しながら、例えば12時間程度行う。
その後、スターラー攪拌を止め、反応液の温度を一定の温度、例えば5℃に保ったまま12時間静置する。この後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例では、前記ストロンチウムイオン含有物質として硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)2)を用い、前記炭酸イオン前駆体含有物質として尿素((NH2)2CO)を用い、尿素の加水分解酵素によって反応を促進させながら、均一沈殿法によって炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた例について説明する。
まず、例1〜例7では前記結晶成長制御剤無添加時における適切な反応条件を求めた。すなわち、反応温度、硝酸ストロンチウムの量、および尿素の量を変えて、結晶成長制御剤を加えないこと以外は図1に示した工程と同様の工程によって、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。そして、得られた炭酸ストロンチウム微粒子の変化を、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察などで調べた。
例1
−5℃に保った水75gとエチレングリコールC2H6O215gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム6.15g(標準量)と尿素16.3g(標準量)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を−5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら12時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、反応液の温度を0℃に上げ12時間スターラーで攪拌した。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
−5℃に保った水75gとエチレングリコールC2H6O215gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム6.15g(標準量)と尿素16.3g(標準量)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を−5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら12時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、反応液の温度を0℃に上げ12時間スターラーで攪拌した。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例2
−5℃で炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた後、12時間の攪拌を省略し、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
−5℃で炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた後、12時間の攪拌を省略し、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例3(比較例1)
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075g(標準量の1/2)と尿素16.3g(標準量)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら24時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075g(標準量の1/2)と尿素16.3g(標準量)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら24時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例4
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム6.15g(標準量)と尿素3.26g(標準量の1/5)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら1時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、反応液の温度を室温に上げ12時間静置した。静置後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム6.15g(標準量)と尿素3.26g(標準量の1/5)とを完全に溶解させる。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら1時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させる。その後、反応液の温度を室温に上げ12時間静置した。静置後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例5
尿素の量を81.5g(標準量の5倍)に変えた以外は例1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
尿素の量を81.5g(標準量の5倍)に変えた以外は例1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例6
硝酸ストロンチウムの量を1.23g(標準量の1/5)、尿素の量を16.3g(標準量)に変えた以外は例1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
硝酸ストロンチウムの量を1.23g(標準量の1/5)、尿素の量を16.3g(標準量)に変えた以外は例1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
例7
硝酸ストロンチウムの量を30.75g(標準量の5倍)に変えた以外は例3と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
硝酸ストロンチウムの量を30.75g(標準量の5倍)に変えた以外は例3と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させ、生成した微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
表2は、例1〜7における反応条件、および生成した炭酸ストロンチウム微粒子の特徴をまとめた表である。
例1は、特許文献1の実施例2に最も近い条件下で炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた例である。溶媒の量も、反応物質の量も、すべて1/5にスケールダウンしたので、反応物質の濃度や反応物質間の量の比は同じである。反応温度も同じ−5℃である。ただし、超音波照射は行っていない。例2は、炭酸ストロンチウム微粒子生成後の静置を省略したものであるが、結果は例1と大きな差はなかった。
例3は、例1に比べて硝酸ストロンチウムの量を半減し、反応温度を5℃に上昇させた例である。この場合、例1とは異なり針状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られ、平均長径が1μm前後に減少するなど、著しい変化が見られた。
例4および例5は、例3と同様に反応温度を5℃に上げた条件下で、例1に比べて尿素の量を1/5および5倍にして、その効果を調べた例である。尿素の量を減らした例4では、球状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られ、望ましくない結果であった。尿素の量を増やした例5では、平均長径が500nm前後の針状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られ、好ましい結果が得られた。
例6および例7は、例3と同様に反応温度を5℃に上げた条件下で、例1に比べて硝酸ストロンチウムの量を1/5および5倍にして、その効果を調べた例である。硝酸ストロンチウムの量を減らした例6では、針状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られたものの、平均長径は3μm前後と大きく、この点で望ましくない結果であった。硝酸ストロンチウムの量を増やした例7では、球状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られ、望ましくない結果であった。
以上の結果から、次の2点を指摘できると思われる。1つは、例4と例5との比較、および例6と例7との比較からわかるように、硝酸ストロンチウムの量に比して尿素の量が多い方が、針状形状の炭酸ストロンチウム微粒子ができやすいことである。この条件を満たす例3、例5、例6のうち、上記の比が最も小さい例3の比が下限であるとすると、硝酸ストロンチウムの物質量に対して18倍以上の物質量の尿素を溶解させておくと、針状または棒状の形状を有し、良好な配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子が得られることになる。尿素量の上限はとくになく、尿素が溶解できる範囲であればよい。
他の1つは、針状形状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られた例3、例5、例6の比較からわかるように、尿素の量が同じ、あるいは硝酸ストロンチウムの量と尿素の量との比が同じであれば、硝酸ストロンチウムの量が多い方が平均長径の小さい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることである。特に、平均長径が最も小さい例5では、0℃以上の反応温度で平均長径が500nm前後の針状炭酸ストロンチウム微粒子が得られている。特許文献1には、0℃以上の反応温度では平均長径が1μm以下の微粒子を得ることは困難であると記載されていることを考慮すると、今回、このような条件を見出したことは、極めて重要である。
以上のように、結晶成長制御剤無添加時の炭酸ストロンチウム微粒子の生成について、基本的な傾向が判明したので、以下、硝酸ストロンチウムの量に対する尿素の量が、針状形状の炭酸ストロンチウム微粒子が得られる下限に近いと思われる例3を比較例1とし、これと同じ組成の反応溶液に前記結晶成長制御剤としてポリビニルピロリドン(PVP)またはこはく酸ジ(2-エチルヘキシル)スルホン酸ナトリウム(AOT)を加え、図1に示した工程によって例3と同じ条件下で反応させ、結晶成長制御剤添加の効果を調べた。
実施例1-1
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075gと尿素16.3gとを完全に溶解させた。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、PVP0.0031gとウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら12時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。その後、スターラー攪拌を止め、反応液の温度を5℃に保ったまま12時間静置した。この後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075gと尿素16.3gとを完全に溶解させた。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、PVP0.0031gとウレアーゼ0.3gを加え、スターラーで攪拌しながら12時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。その後、スターラー攪拌を止め、反応液の温度を5℃に保ったまま12時間静置した。この後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
実施例1-2〜1-4
実施例1-2〜1-4では、PVPの添加量を0.0308g、0.1538g、0.615gに変更した以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例1-2〜1-4では、PVPの添加量を0.0308g、0.1538g、0.615gに変更した以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例2、参考例1
実施例2では、PVPの代わりにAOTを0.0031gを加えた以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。参考例1では、AOTの添加量を0.03075gに増加させたが、全量は溶解しなかった。
実施例2では、PVPの代わりにAOTを0.0031gを加えた以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。参考例1では、AOTの添加量を0.03075gに増加させたが、全量は溶解しなかった。
比較例2
比較例2-1および2-2では、PVPの代わりに、一般には表面活性剤として用いられているポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)([N(CH2CH=CH2)2(CH3)2Cl]n;PDDA)を0.0031gおよび0.615gを加えた以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
比較例2-1および2-2では、PVPの代わりに、一般には表面活性剤として用いられているポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)([N(CH2CH=CH2)2(CH3)2Cl]n;PDDA)を0.0031gおよび0.615gを加えた以外は実施例1-1と同様にして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
上記のように、結晶成長制御剤(または添加剤)の添加量は、いずれも0.0031g、0.0308g、0.1538g、0.615g(それぞれ、硝酸ストロンチウムの質量の0.10%、1.00%、5.00%、20.0%、硝酸イオンの質量の0.24%、2.42%、12.1%、48.3%)に変化させたが、反応溶液に溶解できる範囲内とした。表3は、実施例1および2、参考例1、比較例1および2における反応条件、および生成した炭酸ストロンチウム微粒子の特徴をまとめた表である。
実施例1および実施例2、特に実施例1-2〜1-4では、針状の形状を有し、アスペクト比が大きく、長径の平均値が500nm以下で、エタノール懸濁液中に分散性よく分散された炭酸ストロンチウム微粒子が得られた。
図2(a)は、実施例1-4において得られた炭酸ストロンチウム微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した観察像である。図2(b)および(c)は、それぞれ実施例1-4および実施例1-3において得られた炭酸ストロンチウム微粒子1個を、透過型電子顕微鏡(TEM)によって拡大して観察した観察像である。
図3は、実施例1-4において得られた炭酸ストロンチウム微粒子1個のTEM回折パターンである。図3は、単結晶の回折パターンを示しており、実施例1-4において得られた炭酸ストロンチウム微粒子はほぼ単結晶であるとみなすことができる。この例のように1個の微粒子内で結晶方位が揃っている場合には、微粒子の屈折率異方性が大きくなる。従って、これらの微粒子を有機高分子光学材料中に分散させ、結晶ドープ法によって光学樹脂材料を作製した場合には、微粒子の添加量を少なくすることができ、微粒子の分散が容易になり、光学樹脂材料のヘイズ低減、製造歩留まりの向上、および製造コストの低減等に有利である。
表3において、実施例1-1〜1-4と比較例1とを比べるとわかるように、ポリビニルピロリドン(PVP)を添加する場合には、添加量が0.0031g〜0.615gの範囲において炭酸ストロンチウム微粒子の平均長径が縮小し、炭酸ストロンチウム微粒子を小型化する効果が得られ、平均長径が数百nm以下の炭酸ストロンチウム微粒子が得られる範囲が拡大することがわかった。
また、PVPの添加によって炭酸ストロンチウム微粒子の分散性を向上させる効果(凝集防止効果)が見られ、上記の範囲において添加量が多いほど分散性向上効果が高まることがわかった。実施例1-1における添加量をPVP添加効果が見られる下限とすると、ストロンチウムイオンの質量の0.24%以上の質量のポリビニルピロリドンを添加することによって、小型で、分散性がよく、凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることが明らかになった。適切なポリビニルピロリドンの添加量の上限はとくになく、溶解できる範囲であればよい。
この際、PVPは、炭酸ストロンチウム微粒子生成中および生成後において、微粒子表面を適度な結合力で被覆し、適度な結晶成長速度を維持しながら、微粒子同士が二次凝集するのを防止するので、炭酸ストロンチウム微粒子の小型化および結晶性の向上が達成されるばかりでなく、分散性を向上させる効果も得られるものと考えられる。
実施例2に示すように、AOTを添加した場合には、添加量が0.0031gであるときに、炭酸ストロンチウム微粒子を小型化する効果、および分散性を向上させる効果(凝集防止効果)が見られることがわかった。参考例1に示すように、AOTを0.0308g以上加えても一部が溶解せずに残り、このような場合には炭酸ストロンチウム微粒子を小型化する効果も、分散性を向上させる効果も見られないことがわかった。
比較例2-1および2-2に示すように、PDDAを添加した場合には、添加量が0.0031gおよび0.615gの場合において、炭酸ストロンチウム微粒子を小型化する効果も、分散性を向上させる効果も見られないことがわかった。
以下の実験では、さらに種々の材料について、結晶成長制御剤として用いることができるかどうか検討した。
実施例3〜7では、結晶成長制御剤としてノニオン系のポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAA)、6-メルカプト-1-ヘキサノール、カチオン系の臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、および両性のベタインを用いた。比較例3および4では、カチオン系のポリエチレンイミンおよびアニオン系のポリスチレンスルホン酸カリウムをそれぞれ添加して、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
合成は、まず、5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075gと尿素16.3gとを完全に溶解させた。次に、溶液の温度を5℃に保ったまま、結晶成長制御剤(または添加剤)とウレアーゼ0.3gを加え、マグネチックスターラーで攪拌しながら12時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。
実施例1と同様、結晶成長制御剤(または添加剤)の添加量は、いずれも0.0031g、0.0308g、0.1538g、0.615g(それぞれ、硝酸ストロンチウムの質量の0.10%、1.00%、5.00%、20.0%、硝酸イオンの質量の0.24%、2.42%、12.1%、48.3%)に変化させたが、反応溶液に溶解できる範囲内とした。表4および表5は、実施例3〜7および比較例3と4における反応条件、および生成した炭酸ストロンチウム微粒子の特徴をまとめた表である。
実施例3-1〜3-3
実施例3-1〜3-3では、PVAの添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例3-1〜3-3では、PVAの添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例4-1、4-2
実施例4-1および4-2では、PAAの添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例4-1および4-2では、PAAの添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例5-1〜5-4
実施例5-1〜5-4では、6-メルカプト-1-ヘキサノール(表4中では6M1Hと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538g、0.615gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例5-1〜5-4では、6-メルカプト-1-ヘキサノール(表4中では6M1Hと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538g、0.615gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例6-1、6-2
実施例6-1および6-2では、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(表4中ではCTABと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例6-1および6-2では、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(表4中ではCTABと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例7-1、7-2
実施例7-1および7-2では、ベタインの添加量をそれぞれ0.1538g、0.615gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
実施例7-1および7-2では、ベタインの添加量をそれぞれ0.1538g、0.615gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
比較例3-1、3-2
比較例3-1および3-2では、ポリエチレンイミン([-CH2CH2NH-]n;表5中ではPEIと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
比較例3-1および3-2では、ポリエチレンイミン([-CH2CH2NH-]n;表5中ではPEIと記載)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
比較例4-1〜4-3
比較例4-1〜4-3では、ポリスチレンスルホン酸カリウム([-CH2CH(C6H4SO3K)-]n;;表5中ではPSSKと略記;ライオン社製、分子量5000のポリスチレンのベンゼン環の30%にスルホ基を導入したスルホン化度30%のポリスチレンスルホン酸のカリウム塩)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
比較例4-1〜4-3では、ポリスチレンスルホン酸カリウム([-CH2CH(C6H4SO3K)-]n;;表5中ではPSSKと略記;ライオン社製、分子量5000のポリスチレンのベンゼン環の30%にスルホ基を導入したスルホン化度30%のポリスチレンスルホン酸のカリウム塩)の添加量をそれぞれ0.0031g、0.0308g、0.1538gとして、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。
作製された炭酸ストロンチウム微粒子の形状、サイズ、分散状態はTEM像によって調べ、結晶状態はTEM回折パターンによって調べた。一例として、ベタイン0.615gを分散剤として用いた実施例7-2の結果を図4に示す。図4(a)は多数の炭酸ストロンチウム微粒子が分散している状態を示すTEM写真であり、図4(b)は1個の炭酸ストロンチウム微粒子の形状を示すTEM写真であり、図4(c)は1個の炭酸ストロンチウム微粒子が示すTEM回折パターンである。これらの結果から、合成された炭酸ストロンチウム微粒子は、分散性が良好で、長径サイズが数百nmの針状の形状を有する単結晶微粒子であることがわかる。実施例3〜7ではすべての例でこれと同様の結果を得た。
一方、図5(a)および(b)は、比較例3-1および3-2で得られた1個の炭酸ストロンチウム微粒子の形状を示すTEM写真であり、図5(c)は、比較例4-3で得られた1個の炭酸ストロンチウム微粒子の形状を示すTEM写真である。これらの実施例では、得られた微粒子は球状またはワイヤ状で、分散性も不十分であり、分散性が良好で、針状である単結晶微粒子が得られなかった。
通常、分散剤としては高分子系材料が好適であることが多い。一方、上記の実施例は、結晶成長制御剤は必ずしも高分子系材料に限定されるものではなく、ノニオン系の6-メルカプト-1-ヘキサノールや、カチオン系の臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムや、両性イオンであるベタインなどの比較的小さな分子やイオン性の物質も、結晶成長制御剤として効果的であることを示している。この事実は、結晶成長制御剤の作用機構を考える上で重要である。
また、特許文献3で好ましい分散剤として示唆されたポリスチレンスルホン酸ナトリウムと構造が類似しているポリスチレンスルホン酸カリウムを添加剤として用いた比較例4において、結晶成長制御剤として好ましい効果が得られなかった事実も、結晶成長制御剤の作用機構を考える上で重要である。
また、上記の範囲において結晶成長制御剤の添加量が多いほど分散性向上効果が高まることがわかった。実施例1と同様、ストロンチウムイオンの質量の0.24%以上の質量の結晶成長制御剤を添加することによって、小型で、分散性がよく、凝集しにくい炭酸ストロンチウム微粒子が得られることが明らかになった。適切な結晶成長制御剤の添加量の上限はとくになく、溶解できる範囲であればよい。
実施例8
実施例8では、炭酸ストロンチウム微粒子の粒子サイズを減少させるために、実施例7−2の反応温度および反応時間(5℃、12時間)よりも、低い反応温度および長い反応時間(−5℃、81時間)で炭酸ストロンチウム微粒子を合成した。反応温度および反応時間以外は実施例7−2と同様である。作製した炭酸ストロンチウム微粒子の特性をTEMおよびXRDで調べた。
実施例8では、炭酸ストロンチウム微粒子の粒子サイズを減少させるために、実施例7−2の反応温度および反応時間(5℃、12時間)よりも、低い反応温度および長い反応時間(−5℃、81時間)で炭酸ストロンチウム微粒子を合成した。反応温度および反応時間以外は実施例7−2と同様である。作製した炭酸ストロンチウム微粒子の特性をTEMおよびXRDで調べた。
合成は、まず、−5℃に保った水75gとエチレングリコール15gとの混合溶媒に、硝酸ストロンチウム3.075gと尿素16.3gと結晶成長制御剤(ベタイン)0.615gを完全に溶解させた。次に、溶液の温度を−5℃に保ったまま、ウレアーゼ0.3gを加え、マグネチックスターラーで攪拌しながら81時間反応させ、炭酸ストロンチウム微粒子を生成させた。その後、生成した炭酸ストロンチウム微粒子をろ別し、蒸留水によって洗浄した後、取り出してエタノール液中に保存した。なお、実施例1では、反応後にスターラー攪拌を止め、反応温度に保ったまま12時間静置する工程を行っていたが、本実施例では、この工程の有無はさして重要ではなく、この工程によって粒径が大きくなる可能性もあるので、この工程は省略した。
図6(a)は、実施例8で得られた炭酸ストロンチウム微粒子をTEMによって観察した観察像である。この観察像から、実施例8で作製された炭酸ストロンチウム微粒子は、針状の形状を有する単結晶であり、アスペクト比が大きく、エタノール懸濁液中に分散性よく分散された炭酸ストロンチウム微粒子が得られたことがわかる。
TEM観察像から、コントラストの違いを利用して粒子長径を判定する専用のソフトウエアを用いて、炭酸ストロンチウム微粒子の長径を算出した。図6(b)は、実施例8および実施例7−2で得られた炭酸ストロンチウム微粒子の長径分布を示すグラフである。反応温度5℃で作製した実施例1の炭酸ストロンチウム微粒子の長径は、平均500nmであり、ばらつきが大きいのに対し、反応温度−5℃で作製した実施例8の炭酸ストロンチウム微粒子の長径は、平均300nmであり、ばらつきが小さい。
上記のように、実施例8では、他の条件は同じまま、より低温でより長時間をかけて作製することより、針状の形状、大きなアスペクト比、結晶構造/単結晶性、および分散性などの優れた特性を維持したまま、粒子径を縮小することができた。この微粒子を有機高分子光学材料中に分散させ、結晶ドープ法によって光学樹脂材料を作製した場合には、微粒子の分散が容易になり、光学樹脂材料のヘイズ低減、製造歩留まりの向上、および製造コストの低減等に有利である。
以上に述べたように、本発明の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法によれば、結晶成長速度を適切に制御する結晶成長制御剤として、ポリビニルピロリドンなどを反応溶液に添加しておくことによって、高結晶性で、凝集しにくく、配向複屈折性を有する炭酸ストロンチウム微粒子、特に、針状または棒状の炭酸ストロンチウム微粒子を効率的かつ簡便に生成させることができる。また、粒子サイズを制御することも可能で、一定の粒子サイズを有する炭酸ストロンチウム微粒子を高い割合で得ることができる。また、より低温でより長時間をかけて微粒子を作製することより、粒子サイズをさらに縮小することも可能である。
例えば、比較的簡易な合成方法によって、結晶性が高く、長径サイズが数百nmで、形状が針状(アスペクト比が5〜10程度)であり、エタノール懸濁液中に高い分散性をもって分散された炭酸ストロンチウム微粒子を作製することが可能となる。このように作製された炭酸ストロンチウム微粒子は、TEM回折パターンにおいて高い結晶性を示した。この際、硝酸ストロンチウムなどのストロンチウム塩の量に比して、尿素などの炭酸イオン前駆体の量を多くすることが重要であることを見出した。また、ポリビニルピロリドンやベタインなどの結晶成長制御剤は、合成された炭酸ストロンチウム微粒子の分散を促進する分散剤としても機能する。この結果、従来報告されている炭酸ストロンチウム微粒子に比べ、分散、サイズ、形状、結晶性の面で優れている炭酸ストロンチウム微粒子を作製できた。
以上、本発明を実施の形態および実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
本発明の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法により製造される炭酸ストロンチウム微粒子は、結晶性が高く、アスペクト比が大きな針状形状を有し、平均長径が数百nm以下に抑えられ、分散性が良好である。従って、有機高分子材料中に無機微粒子が埋め込まれた複合材料の製造に好適に用いられ、新規な機能や特性を有する複合材料の実現に寄与できる。特に、優れた配向複屈折性を利用して、高分子鎖の配向によって生ずる複屈折性を、無機微粒子の配向によって生ずる複屈折性で減殺した光学樹脂材料、並びに、同様の構造を有し、所定の複屈折性や位相差値の波長分散性を付与され、液晶表示装置の視野角を拡大する光学補償フィルムなどとして用いることのできる位相差フィルムなどの光学樹脂材料の製造に用いることができる。
Claims (15)
- ストロンチウムイオン含有物質と炭酸イオン前駆体含有物質とを均一に溶解させた反応溶液を調製する反応溶液調製工程と、前記反応溶液に結晶成長制御剤を添加する結晶成長制御剤添加工程とを有し、前記反応溶液調製工程の後、前記結晶成長制御剤添加工程と同時か又はその後に、前記炭酸イオン前駆体から炭酸イオンを生成させ、炭酸ストロンチウム微粒子を析出させる工程を開始する、炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記反応溶液調製工程の後に前記結晶成長制御剤添加工程を行う、請求項1に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記ストロンチウムイオン含有物質と前記炭酸イオン前駆体含有物質と前記結晶成長制御剤とを均一に混合した状態で、前記炭酸イオンの生成を開始させる、請求項2に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記結晶成長制御剤として、炭酸ストロンチウム微粒子表面を適度な結合力で被覆し、過度な結晶成長を抑制するとともに、適度な結晶成長を妨げない物質を用いる、請求項1に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記結晶成長制御剤として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、6-メルカプト-1-ヘキサノール、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベタイン(N+(CH3)3CH2COO-)、及びこはく酸ジ(2-エチルヘキシル)スルホン酸ナトリウム(CH2(COOCH2CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3)CH(COOCH2CH(C2H5)CH2CH2CH2CH3)SO3Na)からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる、請求項4に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- ストロンチウムイオンの質量の0.24%以上の質量の前記結晶成長制御剤を添加する、請求項5に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記ストロンチウムイオン含有物質として、ストロンチウム塩又は水酸化ストロンチウムを用いる、請求項1に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記炭酸イオン前駆体含有物質として尿素又は炭酸水素塩を用いる、請求項1に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 尿素の加水分解酵素を加えて前記尿素の加水分解反応を促進する、請求項8に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記反応溶液において、前記ストロンチウムイオン含有物質に含まれるストロンチウムイオンの物質量の18倍以上の物質量の尿素を溶解させる、請求項9に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 0℃以上の温度にて前記尿素の加水分解反応を行わせる、請求項9に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 0〜5℃にて前記尿素の加水分解反応を行わせる、請求項11に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記反応溶液に凝固点降下剤を加え、0℃以下の温度にて前記尿素の加水分解反応を行わせる、請求項9に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- −5〜0℃にて前記尿素の加水分解反応を行わせる、請求項13に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 前記反応溶液の溶媒として水を用いる、請求項1に記載した炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
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