JP2008546430A - 個体の被検体レベルの非侵襲的な測定方法 - Google Patents

個体の被検体レベルの非侵襲的な測定方法 Download PDF

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Abstract

血中グルコースレベルのような被検体を非侵襲的に測定する方法には、非画像化のOCTに基づくシステムを使用して、生物学的組織の二次元面積を走査し、そして走査中にデータを連続して集めることを含む。OCTのデータに対して、測定した被検体が誘導する変化が他の被検体により誘導される変化よりも優勢な組織内の構造が、OCTの走査から作成されたデータ曲線の高度に局所化した領域上に焦点をあてることにより同定され、これはOCTのデータ曲線中の不連続点に相当する。次いでこれらの局所化領域からのデータを測定した被検体レベルと相関させることができる。

Description

関連出願との関係
本出願は、2005年6月2日に出願された「血中グルコースの非侵襲的測定法(Method for Noninvasively Measuring Blood Glucose)」という表題の特許文献1の利益を主張し、その全内容は引用により本明細書に編入する。本出願はまた2005年4月14日に出願された「OCTに基づく血中グルコースモコターのデータ換算およびキャリブレーション法(Method For Data Reduction And Calibration Of An OCT−Based Blood Glucose Monitor)」という表題の特許文献:2および2004年8月11日に出願された「生物学的組織におけるグルコースレべルを監視するための方法および装置(Method And Apparatus For Monitoring Glucose Levesls In A Biological Tissue)」という表題の特許文献3にも関する。両出願の全内容は引用により本明細書に編入する。
技術分野
本発明は一般に、皮膚または他の生物学的組織からの光散乱における局所化された変化を測定することにより、個体の血中グルコースまたは他の被検体レベルを非侵襲的に測定する方法に関する。例えばそのような方法は血中グルコース濃度を測定するために、血中グルコース濃度またはレベルの効果が高い組織構造を同定し、そして同定された構造内の局所化された領域を標的化することを含むことができる。
関連技術
血中グルコース(血中糖)レベルのモニタリングは長い間、ヒトの糖尿病の処置に重要であった。現在の血中グルコースモニターは、血清と試験片との間の化学反応を利用し、ランセットまたは指を刺すことを介する血液の侵襲的採血を要する。患者がこの手順をどこでも、いつでも行うことができるように、小さな手で持つモニターが開発されたが、この手順に伴う不都合(特に採血および試験片の必要性)は、糖尿病患者による低レベルのコンプライアンスを導いた。そのような低いコンプライアンスは、糖尿病の合併症を導く恐れがある。すなわち血中グルコースをモニタリングする非侵襲的方法が必要である。
光学的方法は、血中糖のレベルの変化に関連する生物学的組織からの光散乱における小さい変化を検出するために使用することができるという研究が示された。高度に複雑であるが、生物学的組織を通る透過性の単色光の1次近似は、以下の単純化された式により説明することができる:
Figure 2008546430
式中、Iは皮膚から反射された光の強度であり、Iは皮膚を照射する光の強度であり、μは特定の光の波長での皮膚の吸収係数であり、μは特定の光の波長での皮膚の散乱係数であり、そしてLは光が横断した全経路である。この関係から、反射した光の強度は組織による吸収または散乱のいずれかが上昇するにつれ、指数的に低下することが分かる。光の減衰はμとμの和である減衰係数により特徴づけることができる。
血清/間質液(IF)と細胞膜(血液細胞および皮膚細胞の膜のような)との間の屈折指数における差異があることは十分に確立されている。(非特許文献1を参照にされたい)この差異は透過光の特徴的な散乱を生じることができる。グルコースはその変動する形態で、血液およびIFの主要な構成成分である。血液またはIFのいずれかにおいて、グルコースレベルの変動は、血液が潅流する組織の屈折指数を変え、すなわちそのような組織からの散乱の特徴を変える。さらに屈折指数に対してグルコースが誘導する変化は、生理学的に関連する範囲で他のオスモライト(osmolyte)の濃度の変動に誘導される変化よりも実質的に大きい。近赤外線(NIR)波長範囲では、血中グルコースは散乱係数μを吸収係数μを変えるよりも大きく変える。すなわち血液/IFおよび細胞の組み合わせの光散乱は、血中グルコースレベルの変化が変化すると変動する。したがって血中グルコースレベルの非侵襲的測定の可能性がある。
血中グルコースに応用するために調査されている現在の非侵襲的な光学技術には、施光分析、ラーマン分光法、近赤外線吸収、散乱分光法、光音響(photoacoustics)および光音響(optoacoustics)がある。意味のある努力にもかかわらず、これらの技術は臨床的に関連のあるレベルでグルコース濃度に感度が低く(シグナル対ノイズ比)、精密度が低く(現在の侵襲的なホームモニターよりも低い)、そして1.7〜27.8mM/Lまたは30〜500(mg/dL)の関連する生理学的範囲内でグルコースレベルの測定に特異性が不十分であるといった欠点がある。例えば拡散反射または拡散散乱が、血中グルコースのレベルを非侵襲的に測定するための技術として調査された。非特許文献2:非特許文献3。拡散反射を使用して、18mg/dL(または1mM/L)の散乱係数においておよそ0.2%〜0.3%のグルコースが誘導する変化が測定された。この測定された変化は、小さすぎて家で使用するための血中グルコースモニターには効率的に利用することができない。さらに散乱係数に対してグルコースが誘導する変化は、温度、水和および/または他のオスモライトにより誘導される変化により遮蔽される可能性がある。したがって便利で、正確に、しかも非侵襲的に血中のグルコースレベルを監視する方法が必要である。
光干渉断層撮影法、すなわちOCTは生物学的組織の高解像度画像を形成するために光波を使用する光学的画像形成技法である。OCTは干渉法でスポットの線状の連続を深度で走査し、そして各連続スポットの異なる深度で吸収および/または散乱を測定することにより画像を生成する。次いでデータは直線断面の画像を提示するために処理される。画像化の応用におけるそのようなシステムの重要な利点には、高解像度を達成する能力(例えば10マイクロメーターより良い)、およびサンプルが画像化される深度を選択する能力がある。例えば皮膚表面の下にある血管は、そのようなシステムを使用して画像形成することができる。
特許文献3および非特許文献4(この全開示は引用により本明細書に編入する)で検討されているように、OCTが血中グルコースの測定に有用かもしれないと提案された。しかしこの技術に伴う難点には、光学ノイズ、すなわち組織からの干渉光が散乱する場合に波面の歪みから生じる小さなはん点を減らすために多くの走査が必要である点である。OCTの画像形成システムは多くの走査または測定にわたり小さなはん点を平均化することによりそれを減らすことができるが、この取り組みには時間がかかり、これが家庭で血中グルコースレべルを監視するための従来のOCTの画像形成システムの使用を非現実的にしている。さらにOCTの画像形成システムは、グルコースレベルを決定するためにものになる画像を形成し、そして画像データを十分に分析するための複雑な処理が必要である。
したがって血中グルコースレベルのような被検体を測定するために向上したOCTシステムの必要性が存在する。
参考文献
米国特許仮出願第60/686,721号明細書 米国特許仮出願第60/671,285号明細書 米国特許出願第10/916,236号明細書 R.C.Weast,ed.,CRC Handbook of Chemistry and Physics,70th ed.,(CRC Cleveland,Ohio 1989) M.Kohl,Optics Letters,19(24)2170−72,1994 J.S.Maier,et al.,Optics Letters,19(24)2062−64,1994 R.O.Esenaliev,et al.,Optics Letters,26(13)992−94,2001
発明の要約
本発明に従い、血液中のグルコースレベルを非侵襲的に測定する方法が提示される。具体的には、温度、水和および他のオスモライトにより誘導される散乱プロファイルに対する変化が無視できる、散乱プロファイルが高度に局在化した領域に焦点を当てることにより、OCTに基づくモニターから生成された散乱プロファイルにおける変化は、血中グルコースレベルの変化と関連づけられる。これらの局在化領域から測定された散乱係数に対してグルコースが誘導する変化は、1mM/Lまたは18mg/dLあたり約2%から約20%の間であり、18mg/dLあたり約12%の平均値である。これらのパーセント値は、他の方法を使用して測定される値よりも有意に高い。さらに局在化領域内では、温度、水和および他のオスモライト(osmolyte)により誘導される散乱係数の効果は、グルコースの効果に比べて取るに足らないので、無視することができる。散乱プロファイルにおける変化は、1もしくは複数の数学的アルゴリズムによりグルコース濃度における変化と関連づけることができる。
生物学的組織中の血中グルコースレベルを非侵襲的に測定する方法が、本明細書に記載される。この方法には、非画像化光干渉断層撮影法に基づくモニターで皮膚の2次元面積を走査し、走査工程中、連続的に断面深度測定データを集め、そして断面深度測定データ内の少なくとも1つの局在化領域を同定する工程を含み、ここで少なくとも1つの局在化領域は、断面深度測定データに対してグルコースが誘導する変化が顕著である皮膚内の構造に相当する。さらにこの方法は断面深度測定データを血中グルコースレベルに関連づける工程を含む。
1つの例示的態様では、測定のための組織を同定するために、多くの光の波長を使用してOCTの測定値をキャリブレーションする方法が記載される。少なくとも2つのOCTの散乱プロファイルを、組織の深度の関数として患者の組織により減衰した光から得ることができる。組織の非限定的種類には、脈管組織(例えば血管壁)、少なくとも1つの血液成分、脈管組織の回りの皮膚組織、または前記種類の幾つかの組み合わせがある。OCTの散乱プロファイルは、組織が各波長について異なる減衰係数を現すことができるように、異なる光の波長で得ることができる。光の減衰は少なくとも一部は組織に関連する被検体(例えば水またはヘモグロビン)の存在に基づくことができる。また波長は、2つの波長で組織が異なる吸収係数を有するように選択することができる。また波長は、第1の選択した波長で散乱係数が吸収係数よりも大きく、そして場合により第2の波長での吸収係数が第1の波長での吸収係数よりも大きくなるように選択することができる。OCTの測定値のキャリブレーションの組織の位置に相当する局在化領域(例えば1もしくは複数
の深度)を同定することができる。そのようなキャリブレーションは、2つのOCTの散乱プロファイルの示差的比較に基づくことができる。血中グルコースの測定値(例えば幾つかの種類の化学的な血液分析の測定値)は、他のOCTの測定値をキャリブレーションするために各OCTの散乱プロファイルと関連させることができる(例えば減衰係数と血中グルコース濃度との間のキャリブレーションを作成するために、OCTの散乱プロファイルおよび血中グルコース測定値を使用する)。一般に、局在化は血中グルコースまたは他の測定可能な被検体の存在に基づき、光の減衰係数に変化を有することができる。
前に記載した例示的方法に関して、OCTの散乱プロファイルは、標準化されたOCTのプロファイルの示差的比較に依存して、OCTの測定値のキャリブレーション用の組織の位置の該当する深度を用いて、示差的比較の前に標準化することができる(例えば1つの標準化プロファイルを相当する深度の位置で別の標準化プロファイルから差し引く)。標準化は各々のOCTのプロファイルの散乱データをプロファイルの各々のピーク強度値で割ることにより行うことができる。標準化OCTのプロファイルの示差的比較における1もしくは複数の極値点を同定することができ、そして引き続いてその組織の位置の深度またはその組織の位置に相当する局所化領域の幾つかの他の測定値と相関させることができる。
一般に、オフセットの位置およびインターバルは、特定の減衰係数と相関させることができるOCTの散乱プロファイルの局所化領域を定めることができる。オフセットは組織の位置の深度と一致し、そしてインターバルはオフセットの位置およびOCTの散乱プロファイルから決定され得る。オフセットの位置およびインターバルは、傾斜の測定値を減衰係数(または吸収係数が小さい場合には散乱係数)と相関させることができるOCTの散乱プロファイルの領域を定めるために使用することができる。
別の例示的態様は、多くの光の波長を使用してOCTの測定値における吸収係数を決定する方法を対象とする。2以上のOCTの散乱プロファイルは、組織が第1の選択した波長で吸収係数よりも大きい散乱係数を有するように、種々の光の波長で個体の組織の深度の関数として得ることができる(例えば、散乱係数は吸収係数よりも少なくとも約5倍大きい)。散乱係数は、第1のOCTの散乱プロファイルから決定することができる(例えば第1のOCTの散乱プロファイルの傾斜の位置を確認することにより)。第2のOCTの散乱プロファイルから散乱係数の予測は、第1のOCTの散乱プロファイルの散乱係数から得ることができる。そのような予想は、散乱理論(例えばMie散乱)を使用して得ることができる。第2のOCTの散乱プロファイルの吸収係数は、第2の選択した波長での散乱係数の予測を使用して決定することができる。また類似の方法を使用して散乱係数を決定することができる。
本発明の態様に合致した別の方法は、多くの波長の光を使用してOCTの測定値をキャリブレーションすることを対象とする。2以上のOCTの測定値が、各測定に関して異なる波長の光を使用して時間の関数として得ることができる。波長は、組織が第2の選択した波長よりも第1の波長で大きい吸収係数を有するように選択することができる。またそのような吸収係数は、組織の中または回りの被検体(例えば水)の存在に依存することができる。また1つの波長は、散乱係数が吸収係数を少なくとも約5の因子で上回るように選択することができる。第1のOCTの測定値は時間の関数として被検体測定値に転換することができる。被検体の測定値を使用して、時間の関数として散乱係数の測定値をキャリブレーションすることができる。
発明の詳細な説明
本発明の一態様に従えば、血中グルコースレベルを測定する方法には、生物学的組織または皮膚の小さい面積上の散乱断面深度の測定値を取るために、OCTに基づくセンサー
を利用する工程を含む。OCTに基づくセンサーは米国特許出願第10/916,236号明細書に詳細に記載されているような非画像形成システムであることができる。幾つかの態様では、皮膚の二次元面積を、好ましくは円形パターンで、例えば約2mm以下の半径で、またはパターンが無作為に引き出される詰まった(filled)円盤もしくは詰まった長方形パターンで走査することができる。OCTに基づくセンサーは二次元パターンを連続して走査するので、センサーは生物学的組織中の断面深度の測定値に相当するデータを連続的に集める。他の態様は、二次元走査を用いて断面深度の測定を得るためにOCTに基づくセンサーを利用することができる。
二次元走査パターンを連続的に獲得すること、そして断面深度の測定値を連続的に取ることにより、しばしばスペックルと呼ばれるOCTの感度に伴うノイズは、A.Kholodnykh,et al.Applied Optics,42(16)3027−37(2003)に記載されているようなステップ走査法を使用して組織を走査することよりも効率的に減らされる。Kholodnykhでは、OCTに基づくシステムに提案される方法には、ステップ走査法を使用して二次元パターンを走査することを含み、ここでOCTに基づくシステムの光ビームが皮膚上のスポットを拾い、そして多数の深度走査を取る。次いでOCTに基づくシステムは、これらの深度走査を平均してスペックルを減らし、そして皮膚上の別のスポットに移動し、多数の深度走査を取り、そして深度走査を平均する。OCTに基づくシステムは二次元パターンが作成できるまでこのプロセスを繰り返す。
本発明の態様に従い、OCTに基づくモニターは連続して皮膚の面積を走査し、そして連続してデータを集める。この方法を使用して、十分な結果を作成するために、より短時間で少ない走査を要することになる。さらにスペックルを減らすために、多数のOCT走査を平均して平均OCTの走査結果を作成することができる。このように特定の時点で特定のOCT走査に伴うデータは、OCTの走査群の実際に平均した結果となる。
断面深度測定値を使用して、強度プロファイルまたは散乱プロファイルを作成することができる。散乱プロファイル内で、血中グルコース中の変化により散乱プロファイルに対する変化が優位を占める局在化領域を同定することができる。これらの領域の位置を定めるために、米国特許仮出願第60/671,285号明細書に開示されているような第2の誘導プロットを作成することができる。第2誘導スポットを使用して、散乱プロファイル中の不連続点(discontinuity)が誇張され、そして容易に視覚化される。これらの不連続点は、血中グルコースレベルにおける変化が散乱プロファイルを特徴づける(dominate)皮膚の構造を表す。これらの高度に局在化した領域内で、温度、水和およびナトリウム、カリウムおよび尿素のような他のオスモライトにより誘導される散乱プロファイルに対する変化は、グルコースの効果よりも大変小さく、したがって無視することができる。
強度プロファイル中で同定された局在化領域に焦点をあてることにより、散乱プロファイルを血中グルコースレベルに効率的に相関させるために使用できる多くの手段が存在する。これらの局在化領域の同定で、散乱プロファイルのデータは、例えば血中グルコースレベルに対するOCTデータ曲線の一部の傾斜に関するアルゴリズム(ここでOCTのデータ曲線の一部は、散乱プロファイル中の不連続点に相当する)のような1もしくは複数の数学的アルゴリズムを使用して血中グルコースレベルと関連させることができる。そのようなアルゴリズムの例は、米国特許仮出願第60/671,285号明細書に詳細に記載されている。選択的に散乱プロファイルは、直接の(straight)ピーク強度測定値、または積分された各領域が第2誘導プロット中で同定される局所化領域に相当する積分された強度測定値のいずれかを使用して、グルコースが誘導する局所化変化の規模を利用することにより血中グルコースレベルに関連させることができる。あるいは散乱プロファイルは、第2の誘導プロット中で同定された1もしくは複数の局所化領域の半値幅測定値での変化を使用して、血中グルコースレベルと関連させることができる。さらに散乱プロファイルは、角度が局所化領域中のピーク変化および任意の深度に相当する角度の計算法を使用して血中グルコースレベルと関連させることができる。
本発明の態様の別の観点は、米国特許仮出願第60/671,285号明細書に詳細に記載されている強度差プロット(IDP)を利用することによる散乱プロファイルにおける変化の局所化領域の同定を含む。IDPにはOCTの走査が取られる間、例えば、試験期間中に個体が食事を摂取することにより生じる変化のようなグルコース濃度における有意な変化が必要であるが、散乱プロファイルに対して顕著な変化が血中グルコースレベルにおける変化により生成される組織構造に相当するデータ曲線中の1もしくは複数の局所化領域を同定することができる。いったん局所化領域が同定されれば、局所化領域からの散乱プロファイルを、上に挙げたアルゴリズムを使用して血中グルコースレベルに関連づけることができる。
本発明の態様のさらに別の観点には、血中グルコースレベルのような1もしくは複数の被検体の存在による散乱プロファイルの変化が検出可能な、血液、血管または他の組織のような組織および/または組織構造に相当する散乱プロファイルの局所化領域を同定するために、多波長法を使用することを含む。用語「波長」は、本明細書では他の領域と識別できる電磁気照射スペクトルの領域を特定するために使用される。狭いライン幅(linewidth)を持つレーザー源が好ましくなり得るが、他の低い解像、または広帯域光源も使用することができる。例えば本発明は2つの波長の光で実施することができ、その1つは数ナノメーター、例えば1308〜1312nmもしくは1438〜1442nmに広がるマルチモード光源であるかもしれない。
米国特許出願第10/916,236号明細書に開示されているように、OCTに基づくモニターは多波長の光が皮膚を照らすために使用されるように構築することができる。多波長からの光は、散乱光の強度を異なって減らす異なる生物学的成分により異なって吸収される。さらに組織中または回りに反射された光は、その波長について成分により一部吸収され得る。その波長に関して、組織中または回りの成分は、組織中、または回りの特異的波長および/または被検体レベルに従い、幾らかの光を吸収する。異なる成分と相互作用する多波長により生成される散乱および吸収特性における差異は、散乱したシグナルと選択した被検体レベルとの間の最適な相関の決定を提供する。例えば特定の組織および組織構造中または回りの光の反射と吸収は、グルコースの存在と相関させて血中グルコースレベルの測定値を提供することができる。その光相互作用を血中グルコースレベルと相関させることができる潜在的な組織および組織構造には、(限定するわけではないが)脈管組織(例えば血管壁)、血液およびその成分(例えば細胞)、血管の周辺の皮膚組織、および前記組織および/または組織構造の任意の組み合わせを含む。
波長は、血液および水のような他の生物学的成分の吸収と散乱効果との間の最適なコントラストを提供するために選択することができる。例えば波長は、OCTの測定の標的となることが望まれる組織または組織構造の存在のサインである特定の被検体の存在に関するコントラストを強調するために選択することができる(例えば水は血液が潅流する組織の存在のサインである)。OCTに基づくモニターから発する光の第1波長は、散乱効果に比較して水による光の最小吸収があるように選択することができ、これにより水に相当する吸収効果を無視することができ、すなわち全減衰係数(μ+μ)は散乱係数の貢献により特徴づけられる。一般に、全減衰係数において係数の1つが別の係数に対して優位を占める場合、我々は優勢ではない係数を無視することができると予想することができる。例えば散乱係数が少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍吸収係数よりも大きい場合、μ>>μと言うことができる。水による光のピーク吸収を提供するために第
2波長が選択される場合、2つの波長間の光の減衰における差異を使用して、血管のような血液が潅流する組織構造の深さの位置を示すことができる。相当する光の減衰差を生成するために組み合わせて利用する特別な波長の対を用いて、3以上の光の波長を使用して相当するOCTプロファイルを作成することもできることは明白である。
本発明の態様のこの観点に従い、OCTの走査は2つの異なる光の波長で取られ、ここで第1の波長は散乱効果が水の吸収効果に対して優勢となるように選択され、そして第2の波長は水による実質的な吸収があるように選択される。好ましくは、第1および第2波長による皮膚の2次元面積を走査することにより作成される散乱データ組は、各散乱データ組におけるピークデータ点を見いだし、そしてすべてのデータ点を各々のピークデータ点により割ることにより標準化される。このように各標準化散乱データ組は、今、各ピークデータ点が1.0の値を有する1組の10進法の値となる。
標準化した第2の波長の散乱データ組を、標準化した第1の波長の散乱データ組から差し引いて、特定の時点に関するOCTシグナルの深度に関する示差的散乱データを作成することができる。米国特許仮出願第60/671,285号明細書で検討されているように、最適な相関を達成するために、OCTのデータを血中グルコースレベルに合わせることに関連して、2つの可変値またはパラメーターがある。これらの可変値はオフセットおよびインターバルである。「オフセット」は、OCTのデータが血中グルコースレベルと相関し始めるOCTのデータ曲線の深度である。「インターバル」は、オフセットから測定されるOCTのデータ曲線の特定部分またはセグメントである。各OCTのデータ曲線について、オフセットとインターバルの多数の潜在的な組み合わせまたは対が存在する。示差的散乱データ組中のピーク値を同定することにより、グルコースが誘導する変化が優勢である組織構造に相当するオフセット(深度)を得ることができる。示差的データ曲線のピーク値から別のデータ点への線形フィットが作成されれば、線形フィットはオフセットの傾斜とインターバルの組み合わせが血中グルコースレベルと高度に相関する、すなわちオフセットとインターバルがOCTのデータ曲線の局所化した領域(ここで適切な減衰係数を同定し、そして血中グルコースレベルと相関させることができる)を定めることができるオフセットとインターバルの組み合わせに相当する。このように各線形フィットは、散乱プロファイルに対してグルコースが誘導する変化が優勢な局所化領域を同定することができる。OCTのデータ曲線が、光の波長を使用して(ここでμ>>μ)作成される場合、減衰係数は散乱係数まで減少する。
上述したように、散乱プロファイルに沿ってこれらの高度に局所化された領域に注目することにより、グルコースにより誘導される変化が散乱プロファイルに対して高い皮膚中の構造を同定することができ、これは温度、水和および他のオスモライトにより誘導さる効果を無視できるようにする。
この方法は皮膚内の特定構造、すなわち血管が優勢である毛細管の相対的深度に注目し、そしてグルコースレベルが有意に変動することが知られているこれら構造に相関する深度走査の領域を同定する。散乱プロファイルのこれらの高度に局所化された領域に注目することにより、18mg/dLあたり約2%〜約20%の散乱係数に対してグルコースが誘導する変化を得ることができ、これは他の非侵襲的な光学散乱法を使用して得られる0.2%〜0.3%よりも有意に高い。
血中グルコースレベルを非侵襲的に測定する方法は、図1に提示する流れ図にまとめられる。本発明の態様に従い、工程S101で、非−画像化のOCTに基づくモニターまたは「感知」するOCTに基づくモニターを利用して皮膚の面積について多数の散乱断面深度測定値を取ることができる。OCTに基づくモニターは連続して皮膚の二次元面積を走査し、好ましくは円形、詰まった円盤または詰まった長方形パターンを走査し、ここで詰
まったパターンは無作為に引き出される。OCTに基づくモニターが皮膚を走査する時、モニターは断面深度測定値を連続的に集める。上で検討したように、皮膚の二次元面積を連続的に走査すると同時に、データを連続的に集めることは、OCTに基づくモニターを使用する既知の方法よりも早くスペックルを減少する。さらにスペックルを平均するために要する走査はほとんどなく、したがって走査を取るために要する時間が短い。
工程S102では、断面深度測定値を使用してOCTデータ曲線が経時的にプロットされる散乱プロファイルを作成することができる。図2は本発明の態様に従いOCTに基づくモニターを介して測定されるようなヒトの皮膚からの光散乱の散乱プロファイルを表す。光の適切な波長が選択される場合(例えば約1300ナノメートル)、ここで「適切な光の波長」とは、光の吸収係数、μが皮膚による光の散乱係数μsに対して小さい波長である。OCTのシグナルにおける変化(例えばOCTのプロファイルの一部の傾斜における変化)は、組織の散乱においてグルコースが誘導する変化により優勢となるだろう。選択した光の波長に基づき、OCTのデータ曲線は皮膚表面の特定領域でスパイクし、次いで皮膚の表皮領域内で劇的に落ちる。またOCTのデータ曲線も上がり、そして皮膚中の光の深度が増すと真皮領域内でゆっくりと減少する。図2に示すように、OCTのデータ曲線の傾斜は血中グルコースに対して上昇するか、または減少し得る。すなわちOCTのデータ曲線の傾斜は、大変小さな定めた領域内のグルコースレベルの変化に応答して変化する。ほとんどの血管は真皮領域に位置するので、血中グルコースレベルを測定するためのデータを提供するのはOCTのデータ曲線のこの部分である。この領域を同定するために、1もしくは複数の以下に記載するグラフを作成することができる。
工程S103で、強度差分プロット(intensity difference plot:IDP)を作成して、グルコースが誘導する変化が優勢である組織構造に相当するOCTのデータ曲線の1もしくは複数の領域を強調することができる。強度差分プロットの一例を図3で具体的に説明する。米国特許仮出願第60/671,285号明細書に記載されているように、2つのOCTの走査を選択し、そして選択した2つのOCT走査間におけるOCTのデータの差分をコンピューターで計算する。次いで図3に示すように示差データをプロットしてIDPを作成することができる。IDPから、それぞれ1もしくは複数のゼロ−交差点を同定し、ならびにゼロ−交差点の回りの極値の位置を定めることができる。図3におけるIDPは1つのゼロ−交差点を有し、これは約225ミクロンに深さに位置する。局所最大データ点が200ミクロン付近に位置し、そして局所最小点が350ミクロン付近に位置する。局所化された極値の領域は、散乱係数に対してグルコースが誘導する変化が組織構造中で優勢な効果である高度に局所化された領域を表し、そして図3において斜線のボックスで示される。OCTのデータを血中グルコースレベルと相関させるために、高度に局所化された領域を焦点化することができ、そしてこの領域の外側にあるデータを無視することができる。この領域内では、温度、水和および他のオスモライトによる効果を無視することができる。任意に、ボックスを拡大して局所化された極値の変化量内に潜在的なオフセットを含むことができる。例えば図3では、潜在的オフセットの範囲には175ミクロンから400ミクロンのオフセットを含む。
態様の別の観点に従い、工程S103で散乱プロファイルを使用して第2の誘導点プロット(derivative plot)を作成することができる。米国特許仮出願第60/671,285号明細書に記載されているように、散乱プロファイル中の不連続点は、血中グルコースレベルの変動による変化が、他の被検体により誘導される散乱プロファイルにおける変化に比べて高い皮膚中の構造を表す。第2の誘導点プロットは、これらの不連続点を強調して、散乱プロファイルを血中グルコースレベルと相関させることができる1もしくは複数の高度に局所化した領域の同定を助ける。
図4Aおよび4Bは、第2の誘導点プロットが散乱プロファイル中の不連続点をどのよ
うに強調するかをグラフで具体的に説明する。図4Aでは、散乱プロファイルが皮膚の走査した面積の深度に対してプロットされる。散乱プロファイル中の不連続点はグラフ中の円により確認されるが、これら不連続点は多くは視覚化することが難しい。図4Bでは、散乱プロファイルの第2の誘導点の平方が皮膚の走査した面積の深度に対してプロットされている。散乱プロファイル中の不連続点は、第2の誘導点のコンピューターによる計算により強調され、一方、第2の誘導点の平方値を算出することは、存在し得る任意の負の値を除く。不連続点は、血中グルコースレベルの変化が優勢な例えば血管のような皮膚の構造に相当する。次いで同定された局所化領域に相当する散乱データは、血中グルコースレベルに関連させることができる。
態様の別の観点は、工程S103で血中グルコースレベル中の変化が優勢な血管のような血液の潅流による水和または水分含量の程度が高い組織および/または組織構造を同定するために、多くの波長を利用することを含む。次いでこれらの組織構造に相当する散乱プロファイルの局所化領域は、血液グルコースレベルと良く相関する。上記のように、OCTに基づくモニターは多波長の光を利用することができ、ここで間質液中の水による光の最少吸収を生じる1つの波長が選択され、そして水による光の実質的吸収を提供する別の波長が選択される。図5は異なる波長で水による光の吸収を具体的に説明する。例えば水の吸収効果が最少である1310ナノメートル(nm)で第1の波長の光、および水の吸収効果が最大である1440ナノメートル(nm)で第2の波長の光が選択される場合、2つの波長のOCTデータから作成される示差的散乱データ組を使用して、血管のような水和が高い組織構造を決定することができる。もちろん組織または組織構造を示す他の被検体も適切な波長の光を選択することにより検出可能である。例えばヘモグロビンは脱酸素化された時に660nmで、そして酸化された時に940nmでピーク吸収を有する。したがってこれら波長のいずれかが組織中での酸素レベルを検出するために有用となり得る。また測定する被検体(例えば血中グルコースまたはヘモグロビン)の存在による散乱が、2つの波長で大きく変わらない、すなわち2つの波長の強度における差がほとんど水、または血管もしくは他の組織構造の存在を示す幾つかの他の被検体の存在によるような、光の波長を選択することが有利となり得る。
特定の時点で各波長に関する散乱プロファイルを図6Aおよび6Bに示すようにプロットすることができ、これはそれぞれ1310nmおよび1440nmの第1および第2波長に関する例示的散乱プロファイルを表す。図6Aおよび6Bの両方で、各波長に関する散乱データ組は、各々のピーク強度値を使用して標準化された。すなわち各散乱データ組のピーク強度値は1.0であり、そしてピーク周辺の各データ点は1.0未満である。OCTに基づくモニターの感度が2つの波長で異なるので、2つの波長の散乱プロファイルは直接的に比較することができない。散乱データ組の標準化は、2つの波長からの散乱データ組の直接的比較を可能とする。
データの標準化で、第2の波長の標準化された散乱データ組を第1の波長の標準化された散乱データ組から差し引いて、示差的散乱データ組を作成することができる。1310nmおよび1440nmの例示的波長を使用して、示差的データ曲線のプロットを図7に示すように作成することができる。示差的データ曲線のプロファイルは、血中グルコースレベルの変動が優勢な効果である散乱プロファイルの局所化領域に相当する1もしくは複数のオフセットおよびインターバル対を示唆する。示差的データ曲線中で同定される1もしくは複数のピークデータ点は、血中グルコースレベルにOCTのデータが相関し始める1もしくは複数の深さまたはオフセットを示唆する。ピークデータ点(1もしくは複数)を使用して、1もしくは複数のインターバルを、ピークデータ点(1もしくは複数)上のいずれかの側の1もしくは複数のデータ点を選択することにより同定することができる。オフセット(1もしくは複数)および1もしくは複数のインターバルの組み合わせは、第1波長、例えば1310nmにより作成される散乱プロファイルに応用することができる
オフセットおよびインターバル対を作成して、散乱プロファイルに対してグルコースが誘導する効果が優勢な局所化領域を同定することができる。
グルコースが誘導する変化が優勢な散乱プロファイルの1もしくは複数の高度に局所化した領域の同定に際し、工程S104では1もしくは複数のアルゴリズムを使用して、散乱プロファイルを血中グルコースレベルと相関させることができる。工程S104aで、局所化領域に相当するIDPデータ曲線の一部またはセグメントの傾斜を使用して、米国特許仮出願60/671,285第号明細書に記載されているような予想される血中グルコースレベルをコンピューターで計算することができる。あるいは工程S104bで、散乱プロファイルは直接的なピーク強度の測定値または全局所化領域を使用した積分された強度測定値のいずれかを使用する局所化した変化の規模の値を使用して、血中グルコースレベルと相関させることができる。別の選択は、工程S104cで1もしくは複数の局所化領域の半値幅測定での変化を使用することである。さらに別の選択は、OCTデータを血中グルコースレベルと関連づける角度測定計算法を使用することである。
グルコースをモニタリングするための組織または組織構造の位置を定めるために、多波長を使用することの記載は、この記載で例示する特定の応用に技術の使用を限定することを意図していない。実際には、血管の水または水和含量の存在を同定することを越えて、変動する酸素含量でのヘモグロビンのような他の被検体も、特定の組織または組織構造(例えば酸素組織)のサインとして利用することができる。同様に、多波長OCT測定を使用することができる組織および組織構造の種類(type)は血管に限定されず、他の脈管組織、血液(または細胞のようなその特定成分)、脈管周囲の皮膚組織およびそのような例示組織および組織構造の組み合わせも含むことができる。
さらにこの技術は血中グルコースの検出に限定されず、血中グルコースに関係しない他の状態を診断するために使用することができる。1つの場合では、組織の水和レベルを決定するための多波長を使用する技術は、うっ血性心不全の評価および/またはモニタリング、ショックまたは手術の流体治療の管理、透析患者における流体負荷の管理(例えば腹膜透析または血液透析)、および肺疾患および高血圧における組織水和の管理を含め、種々の内容に応用することができる。例えば多波長OCTの測定は、血液中の凝固因子をモニタリングするために使用することができる。血液の散乱係数は水和により影響を受けるので、多波長の使用で、水を強く、および弱く吸収する波長の散乱係数を比較することにより、実質的に水和に非依存的である散乱係数への貢献を決定することができる。低い水吸収波長での散乱係数は粘度に関連し、そして最終的には血液中の凝固因子と関連する。そのような測定は血液低粘稠化剤を投与された患者の術後監視に有用となり得る。低い水吸収波長での散乱係数は、高い水吸収波長での測定を使用して調整することもできる。本出願に包含される任意のキャリブレーション法を使用する場合、測定した被検体(または他の非化学的指向の種類の被検体の測定)の実際のサンプルを利用して、キャリブレーションの手助けをすることができる(例えば本明細書中のグルコースモニタリングと関連して記載するような血中グルコースサンプルの使用)。
更なる態様の観点では、多波長のOCTの測定を使用して組織測定値から散乱係数または吸収係数の改善された予測を提供することができる。そのような観点は、血液の粘度を定めるような本発明の任意の潜在的応用と関連づけて利用することができる。以下の記載は吸収係数の予想に関連するが、散乱係数の予想も同じように一致した条件下で得ることができる。
1つの例では、一対のOCTの散乱プロファイルが得られ、各プロファイルは光の特定波長での測定に相当する。図1の流れ図のS101およびS102、および相当する記載に関して、多数の断面深度での測定値を得るために、プロファイルは皮膚の二次元面積を
走査することにより得ることができる。この特定の例では、1つのプロファイルが約1310nmの波長の光を使用して得られ、そして別のプロファイルは1440nmの光を使用して得られる。1310nmで反射した光の強度は、以下の式により近似することができる:
Figure 2008546430
式中、Iは1310nmで反射した光の強度であり、Iは1310nmでの初期光強度であり、Lは全光路長であり、μ 1310は1310nmでの組織の散乱係数であり、そしてμ 1310は1310nmでの組織の吸収係数である。
幾つかの場合では、散乱または吸収係数の1つがもう1つよりも、弱い方の貢献度を無視できる程度まで強くなるように波長を選択することもできる(例えば1つの貢献度がもう1つの貢献度よりも少なくとも約5倍大きいか、または少なくとも約10倍大きい)。水和レベルを測定する場合、散乱係数μ 1310は吸収係数μ 1310よりも、μ 1310からの貢献が無視できるほど強力であり;これにより散乱係数μ 1310が決定できるようになる。したがってIn(I/I)対深度のプロットは、μ 1310に等しくなることができる傾斜を有する直線を生じることができる。
1310nmでの散乱係数μ 1310を使用して、1440nmでの散乱係数μ 1440の測定値を提供することができる。当該技術分野で知られているような様々な散乱理論を使用して、2つの異なる波長での散乱係数を関連づけることができる。例えばMie散乱下で、(0.7)μ 1310〜μ 1440。μ 1440に関するこの予想を使用して、1440nmでの吸収係数は、
Figure 2008546430
を使用して見いだすことができ、式中、Iは1440nmで反射した光の強度であり、Iは1440nmでの初期光強度であり、Lは全光路長であり、μ 1440は1440nmでの組織の散乱係数であり、そしてμ 1440は1440nmでの組織の吸収係数である。予想される散乱係数μ 1440と一緒に、1440nmでのOCTプロファイルはμ 1440の決定を可能にすることができる。
前に述べたように、散乱プロファイルは、吸収係数が優勢である波長を使用する場合、概略した技術を使用して散乱係数を決定することができる(例えば吸収係数は、吸収が減衰を支配する波長を使用して測定され、続いて第2の波長での吸収係数を予想し、そして第2の波長での散乱係数を決定する)。当業者は適切な光の波長が選択される場合、この技術が水以外の他の被検体(例えばヘモグロビン)に関しても応用できると考えるだろう。
米国特許出願第10/916,236号明細書で検討するように、多波長の使用はさらにセンサーのキャリブレーション技術を提供することもできる。OCTの測定に及ぼす被検体効果のキャリブレーション例として水の検出を使用して、第1波長のOCTの測定値の散乱係数は、水和の変化による散乱係数における変化により、グルコース濃度が静的で
あってもドリフトする恐れがある。すなわち生じた散乱プロファイルが水和の変化を追跡するように波長が選択される第2波長を使用して、皮膚の水和を測定することにより(例えば第2の波長での吸収係数が水に関して高く、そして第1の波長での吸収係数に関してはさらに高い)、このドリフトは補正され、そしてOCTのセンサーはキャリブレーションを維持できる。明らかに散乱係数測定を行うことができる他の被検体も、この技術を使用して補正することができる。
本発明を本明細書で検討した特定の態様に関して記載してきたが、本発明は開示された態様に限定されないと理解される。対照的に、本発明は添付する特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる種々の修飾および等価物の取り合わせを網羅することを意図している。特許請求の範囲は、そのようなすべての修飾および等価な構造および機能を包含するように最も広い解釈と合致する。
本発明は、添付する図面と一緒に考察される上記に提示した態様(1もしくは複数)の詳細な説明からさらに容易に理解されるだろう。
血中グルコースを測定するための方法の工程の流れを具体的に説明している。 OCTに基づくモニターを使用して測定したヒトの皮膚のパッチから、典型的な散乱断面のグラフによる具体的説明である。 本発明の態様に従う強度差分プロットの一例である。 図4Aおよび4Bは、散乱不連続点が本発明による態様に従い同定される、グラフによる具体的説明である。 本発明の態様に従い、多波長での水の吸収効果のグラフによる具体的である。 図6Aおよび6Bは、本発明の態様に従いそれぞれ1310ナノメートルおよび1440ナノメートルの波長での散乱プロファイルの例である。 本発明の態様に従い、示差的データ組の散乱プロファイルのグラフによる具体的説明である。

Claims (25)

  1. 測定用の組織を同定するために複数の光の波長を使用する光干渉断層撮影法(OCT)の測定値のキャリブレーション方法であって:
    第1および第2波長の光において深度の関数として個体の組織により減衰した光に基づき、それぞれ少なくとも1つの第1および第2のOCTの散乱プロファイルを得る工程であって、組織が第2の選択した波長に対して第1の選択した波長で異なる減衰係数を有する、工程;および
    第1および第2のOCTの散乱プロファイルの示差的比較に基づき、OCTの測定値のキャリブレーションのための組織の位置に相当する局在化領域を同定する、工程
    を含んでなる上記方法。
  2. 組織の位置に相当する局在化領域が、測定可能な被検体の存在により光の減衰変化を受ける、請求項1に記載の方法。
  3. 測定可能な被検体が血中グルコースである請求項2に記載の方法。
  4. 組織が第2の選択した波長に対して第1の選択した波長で異なる吸収係数を有する請求項1に記載の方法。
  5. 示差的比較の前に第1および第2のOCTの散乱プロファイルを標準化して、第1および第2の標準化プロファイルを得る工程;および
    OCTの測定値のキャリブレーションのための組織の位置に相当する局所化領域を、第1および第2の標準化プロファイルの示差的比較に基づき同定する工程を、さらに
    含んでなる請求項1に記載の方法。
  6. 1つの標準化プロファイルをもう1つの標準化プロファイルから差し引くことにより差分プロファイルを得る工程を、さらに含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 差分プロファイル中に少なくとも1つの極値点を同定する工程を、さらに含んでなる請求項6に記載の方法。
  8. 組織の位置に相当する局所化領域を同定する工程が、局在化領域を少なくとも1つの極値点に関連する少なくとも1つの深度と対応させることをさらに含んでなる請求項7に記載の方法。
  9. 局在化領域を同定する工程が、さらに:
    少なくとも1つのオフセット位置を局在化領域と対応させる工程;および
    少なくとも1つのオフセット位置を使用してOCTの散乱プロファイル上の少なくとも1つのインターバルを同定し、少なくとも1つのインターバルおよび少なくとも1つのオフセット位置が、特定の減衰係数と相関するOCTの散乱プロファイルの局在化領域を定める工程を、
    含んでなる請求項1に記載の方法。
  10. OCTの散乱プロファイル上に少なくとも1つのインターバルを同定する工程が、さらに少なくとも1つのインターバルおよび少なくとも1つのオフセット位置を使用して、特定の減衰係数に相当する傾斜を定める工程を含んでなる、請求項9に記載の方法。
  11. 特定の減衰係数が散乱係数である請求項9に記載の方法。
  12. 第1および第2の血中グルコース測定値を得て、それぞれ第1および第2のOCTの散乱プロファイルと相関させる工程を、さらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  13. 第1および第2の血中グルコース測定値と第1および第2のOCTの散乱プロファイルとの間の相関を使用することによりOCTの測定値をキャリブレーションして、OCTの測定値と血中グルコースレベルを相当させる工程を、さらに含んでなる、請求項12に記載の方法。
  14. 少なくとも第1および第2の標準化OCTの散乱プロファイルを得る工程がさらに、組織が第1の選択した波長で吸収係数よりも大きい散乱係数を有し、そして第1の選択した波長に対して第2の選択した波長に関する大きい吸収係数を有するように、第1および第2の選択した光の波長を使用する工程を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  15. 少なくとも第1および第2の散乱プロファイルを得る工程が、さらに少なくとも一部は組織に関連する選択した被検体の存在に基づき、選択した第1および第2の波長で光の減衰工程を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  16. 被検体が水およびヘモグロビンの少なくとも1つである請求項15に記載の方法。
  17. 組織が少なくとも1つの脈管組織、少なくとも1つの血液成分、および脈管周囲の皮膚組織を含む請求項1に記載の方法。
  18. 脈管組織が血管壁を含んでなる請求項17に記載の方法。
  19. 複数の波長の光を使用して光干渉断層撮影法(OCT)の測定値における吸収係数の決定方法であって:
    第1および第2の選択した波長で、深度の関数として個体の組織から反射された光に基づき、それぞれ第1および第2のOCTの散乱プロファイルを得る工程であって、組織が第1の選択した波長で吸収係数よりも大きい散乱係数を有する、工程;
    第1のOCTの散乱プロファイルから散乱係数を決定する工程;
    第1のOCTの散乱プロファイルの散乱係数に基づき、第2のOCTの散乱プロファイルにおける散乱係数を予測する工程;および
    第2のOCTの散乱プロファイルの予想される散乱係数を使用して、第2のOCTの散乱プロファイルにおける吸収係数を決定する工程、
    を含んでなる上記方法。
  20. 第1波長で組織の散乱係数が、第1の選択した波長での組織の吸収係数よりも少なくとも約5倍大きい、請求項19に記載の方法。
  21. 第1のOCTの散乱プロファイルから散乱係数を測定する工程が、さらに反射強度対深度の関数のプロットの傾斜を計算する工程を含んでなる、請求項19に記載の方法。
  22. 第2のOCTの散乱プロファイルにおける散乱係数を予想する工程が、第1のOCTの散乱プロファイルの散乱係数を用いた散乱原理を使用して、第2のOCTの散乱プロファイルの散乱係数を予想する工程をさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
  23. 測定用の組織を同定するために、複数の波長の光を使用して光干渉断層撮影法(OCT)の測定値のキャリブレーション方法であって:
    第1および第2の光の波長で、時間の関数として個体の組織により減衰された光に基づき、それぞれ少なくとも1つの第1および第2のOCTの測定値を得る工程であって、組織が第2の選択した波長に対して第1の選択した波長で大きな吸収係数を有し、吸収係数が被検体の存在に依存する、工程;
    時間の関数として、第1のOCTの測定値を被検体測定値に変換する工程;および
    被検体の測定値を使用して、時間の関数としての第2のOCTの測定値から散乱係数の決定値をキャリブレーションする工程を、
    含んでなる上記方法。
  24. 被検体が水である請求項23に記載の方法。
  25. 組織の散乱係数が、第2の選択した波長で組織の吸収係数よりも少なくとも約5倍大きい、請求項23に記載の方法。
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