以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係るデータ送信システム100の利用環境の一例を示す。データ送信システム100は、データ送信制御装置110、複数の通信回線150a−c(以下、通信回線150と総称する。)、及び複数の通信端末140a−h(以下、通信端末140と総称する。)を備える。データ送信制御装置110は、データ送信サーバ120、通信先リスト格納部122、及びデータ格納部124を有する。データ送信制御装置110は、通信回線150に接続されており、通信回線150に接続された通信端末140間の通信を制御する。例えば、データ送信サーバ120は、通信回線150a、b、及びcを通じて通信端末140から受信したデータを、他の通信端末140に送信する。
なお、通信回線150は、移動体通信網、コアネットワーク、及び例えばインターネット等のコンピュータネットワークを含んでよい。通信端末140a−dは、例えば携帯電話、PDA等の、移動体通信で使用することができる移動通信端末であってよい。また、通信端末140e−hは、パーソナルコンピュータ等の情報端末であってよい。なお、通信回線150a及びbは、それぞれ異なる通信事業者が提供する別個の移動体通信網であってよい。
データ送信サーバ120は、通信端末140が記憶しているアドレス帳データを通信端末140を通じて取得して、通信先リスト格納部122に格納する。そして、データ送信サーバ120は、ある通信端末140から電子メールが送られてくると、電子メールの送信先のユーザのアドレス帳データを通信先リスト格納部122から読み出す。そして、データ送信サーバ120は、読み出したアドレス帳データの中に、送られてきた電子メールの送信元アドレスが含まれている場合に、電子メールを送信先の通信端末140に送信する。
一方、データ送信サーバ120は、読み出したアドレス帳データの中に、受信した電子メールの送信元アドレスが含まれていない場合には、予め設定されている迷惑メールフィルタが示すフィルタリングルールを電子メールに適用して、迷惑メールであるか否かを判断する。そして、データ送信サーバ120は、迷惑メールと判断した電子メールを通信端末140に送信せずに破棄して、迷惑メールでないと判断した電子メールを通信端末140に送信する。なお、以後の説明における「メールアドレス」は電子メールアドレスを示し、「送信元アドレス」は送信者の電子メールアドレスのことを示してよい。
図2は、データ送信制御装置110が提供する電子メールのフィルタリングモードの一例を示す。データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタモード、アドレス帳・迷惑メールフィルタモード、及び迷惑メールフィルタモードの3つのフィルタリングモードを有する。なお、本図の例では、データ送信制御装置110は3つのフィルタリングモードを有するが、本実施形態を通じて説明するフィルタリング動作又は他のフィルタリング動作の組み合わせで得られる4以上のフィルタリングモードを有してよい。また、以後の説明において、データ送信制御装置110が上記で説明したようにアドレス帳データに基づいて送信すべき電子メールを選択することをアドレス帳フィルタリングと呼び、データ送信制御装置110が上記で説明したように迷惑メールフィルタルールに基づいて送信すべき電子メールを選択することを迷惑メールフィルタリングと呼ぶ。
迷惑メールフィルタモードによるフィルタリング動作の概念を図2の符号200に示す。迷惑メールフィルタモードでは、データ送信制御装置110はアドレス帳フィルタリングを行わず、迷惑メールフィルタリングのみによって選択された電子メールを通信端末140に送信又はデータ格納部124に格納する。そして、データ送信制御装置110は迷惑メールフィルタリングによって選択されなかった電子メールを破棄して、通信端末140に送信しない。
アドレス帳・迷惑メールフィルタモードによるフィルタリング動作の概念を、図2の符号210に示す。アドレス帳・迷惑メールフィルタモードでは、データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタリングを行い、アドレス帳フィルタリングにより選択された電子メールを通信端末140に送信又はデータ格納部124に格納する。そして、データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタリングにより選択されなかったメールについて迷惑メールフィルタリングを行い、迷惑メールフィルタリングにより選択された電子メールを通信端末140に送信又はデータ格納部124に格納する。そして、データ送信制御装置110は、迷惑メールフィルタリングによって選択されなかった電子メールを破棄して、通信端末140に送信しない。
アドレス帳フィルタモードによるフィルタリング動作の概念を、図2の符号220に示す。アドレス帳フィルタモードでは、データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタリングのみを行う。データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタリングにより選択された電子メールを通信端末140に送信又はデータ格納部124に格納する。そして、データ送信制御装置110は、アドレス帳フィルタリングによって選択されなかった電子メールを破棄して、通信端末140に送信しない。
このように、データ送信サーバ120を実際の製品に適用した場合には、例えばアドレス帳フィルタモードでは、アドレス帳にリストアップされている相手からの電子メールのみを受け取ることができるので、それ以外の相手からの電子メールをシャットアウトすることができる場合がある。また、例えば迷惑メールフィルタ用のフィルタリングルールとしてURLリンク付メールを迷惑メールとするルールを設定している場合には、URLリンクが含まれているとそれが信頼できる友人からの電子メールであるか否かにかかわらず、その電子メールは迷惑メールと判断されてしまう。しかしながら、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードによると、アドレス帳に当該友人がリストアップされていれば、当該友人からのURLリンク付メールを受信することができる場合がある。また、ユーザは、例えば迷惑メールのフィルタリングルールを厳しく設定するとともに、迷惑メールと判断してほしくない友人のメールアドレスをアドレス帳に載せることで、送信される迷惑メール数を削減することと、友人からの電子メールを確実に受信することとを両立させることができる場合がある。
図3は、データ送信サーバ120のブロック構成の一例を示す。データ送信サーバ120は、データ受信部300、送信条件格納部310、条件フィルタ部320、通信先リストフィルタ部340、出力部350、設定指示受付部360、設定格納部370、及び通信先リスト取得部380を備える。条件フィルタ部320は、発信元フィルタ部332及びデータフィルタ部330を有する。また、データフィルタ部330は、発信元フィルタ部332及びデータ内容フィルタ部334を含む。また、出力部350は、データ送信部352及びデータ格納制御部354を有する。以下、通信先リスト格納部122及びデータ格納部124が格納するデータ、通信端末140の動作とともに、データ送信サーバ120の各構成要素の動作を説明する。
通信先リスト格納部122は、通信端末140が格納する通信先リストと整合された通信先リストを格納している。より具体的には、通信先リスト格納部122は、通信端末140がメモリ等に格納しているアドレス帳データと整合されたアドレス帳データ格納する。アドレス帳データは、例えば、通信相手が使用する携帯電話及び固定電話の電話番号、並びに通信相手のメールアドレスを含む。
なお、通信端末140は、当該通信先リストを記憶しており、通信端末140は、記憶している通信先リストに含まれる通信先の中から、通信すべき通信先を選択して、当該通信先に発信することができる。そして、通信先リスト格納部122は、通信端末140が記憶している通信先リストを通信端末140から取得して格納する。なお、通信先リスト格納部122は、通信端末140が記憶している通信先リストに含まれる通信先が変更された場合に、通信端末140が記憶している通信先リストに含まれる通信先のうち少なくとも変更された通信先を、通信端末140から取得して格納する。ここでいう変更とは、通信先を追加すること、通信先を削除すること、通信先の内容が更新されることを含む。
なお、通信端末140は、通信先リスト格納部122が格納している通信先リストを取得してメモリ等に格納してもよい。なお、上述のメモリは、例えばフラッシュメモリ、EEPROM等の、書き込み及び消去可能な不揮発性の半導体メモリであってよいし、ハードディスク等の磁気を利用して記録する記録媒体であってもよい。
送信条件格納部310は、通信端末140のユーザ宛のデータのうち、ユーザに送信すべきデータが適合すべき条件を格納する。なお、ここでいうデータとは、電子メールデータ、ショートメッセージデータ、画像データ等を含む。また、データとは、他にも、着信信号を示すデータ、種々の情報を含むパケットデータを含む。また、送信条件格納部310は、通信端末140のユーザ宛のデータのうち、ユーザに送信すべきデータ内容が適合すべき条件を格納してよい。データ内容とは、電子メールの表題又は本文の内容であってよい。なお、送信条件格納部310が格納する条件については後に具体的に説明する。
データ受信部300は、通信端末140のユーザ宛のデータを受信する。通信先リストフィルタ部340は、データ受信部300が受信したユーザ宛のデータのうち、発信元が通信先リスト格納部122が格納している通信先リストに含まれる通信先にマッチするデータを選択する。具体的には、通信先リストフィルタ部340は、発信元が通信先リスト格納部122が格納している通信先リストに含まれる通信先に一致するデータを選択する。
そして、条件フィルタ部320は、発信元が通信先リスト格納部122が格納している通信先リストに含まれる通信先にマッチしないユーザ宛のデータのうち、送信条件格納部310が格納している条件に適合するデータを選択する。そして、出力部350は、通信先リストフィルタ部340が選択したデータ及び条件フィルタ部320が選択したデータを、ユーザに送信すべきデータとして出力する。なお、ここでいう出力とは、データを通信端末140に送信すること、通信端末140に受信したデータ内容の一覧を送信すること、データを受信した旨を送信すること、データをデータ格納部124に格納することを含む。
ここで、送信条件格納部310が格納する条件について以下に説明する。送信条件格納部310は、ユーザに送信すべき電子メールの経路に関する条件を格納する。具体的には、送信条件格納部310は、電子メールの送信元アドレスによって示される電子メールの送信経路と、電子メールの実際の送信経路とが一致すべきことを示す条件を格納する。そして、経路フィルタ部322は、電子メールの送信元アドレスによって示される電子メールの送信経路と、電子メールの実際の送信経路とが一致した電子メールを選択する。
なお、送信経路とは、データ送信サーバ120が電子メールを受信するまでに当該電子メールが辿った経路の少なくとも一部の経路であってよい。例えば、送信条件格納部310は、他の通信事業者の通信網から送られてきた電子メールについて、当該電子メールの送信元メールアドレスのドメインが示す通信事業者の通信網との接続ポイントを当該電子メールが経由していること、という条件を格納する。このような条件に基づくフィルタリングによると、例えば、パーソナルコンピュータ等からインターネット網を通じて携帯電話に電子メールを送信する場合に、あたかも携帯電話から電子メールを送信したかのように送信元アドレスを偽る、いわゆる「なりすましメール」を防止することができる。なお、経路フィルタ部322がデータが選択することを、以後の説明においては、より具体的かつ特徴的な呼称を用いて「なりすましフィルタ」と呼ぶ場合がある。
送信条件格納部310は、ユーザに送信すべき電子メールの送信元アドレスが適合すべき条件を格納する。より具体的には、送信条件格納部310は、電子メールの送信元アドレスがユーザに送信すべきでない電子メールの送信元アドレスにマッチしないことを示す条件を格納する。そして、発信元フィルタ部332は、当該送信すべきでない電子メールの送信元アドレスにマッチしない電子メールを選択する。このように、送信条件格納部310は、いわば送信元アドレスについてのブラックリスト又はホワイトリストを格納する。なお、発信元フィルタ部332がデータを選択することを、以後の説明において「送信者拒否・許可フィルタ」と呼ぶ場合がある。
他にも、送信条件格納部310は、ユーザに送信すべき電子メールの内容が適合すべき条件を格納する。そして、データ内容フィルタ部334は、電子メールの内容が適合すべき条件に適合する電子メールを選択して出力部350(例えば、データ格納制御部354)に供給する。なお、ここでいう電子メールの内容とは、具体的には電子メールの表題部(件名、タイトル)及び電子メールの本文の内容を含む。具体的には、送信条件格納部310は、電子メールの表題部が、例えば未承諾広告メールのような特定電子メールである旨の文字を含まないことという条件を格納する。より具体的には、送信条件格納部310は、電子メールの表題部(タイトル)が、"未承諾広告※"を含まないことという条件を格納する。このような条件に基づくフィルタリングによると、いわば未承諾広告メールと呼ばれる特定電子メールが送信されることを防止することができる。なお、以後の説明において、データ内容フィルタ部334が上記のような未承諾広告広告メール以外の電子メールを選択することを「未承諾広告フィルタ」と呼ぶ場合がある。
他にも、送信条件格納部310は、電子メールの本文に、URL等の、ネットワーク上のリソースを示すURIを含まないことという条件を格納する。送信条件格納部310は、通信端末140のユーザによって指定された特定のURIを含まないことを示す条件を格納してもよい。この条件に基づくフィルタリングによると、例えばURLリンク付きの電子メールが送信されることを防止することができる。なお、以後の説明において、データ内容フィルタ部334が上記のようなURIを含む電子メール以外の電子メールを選択することを、より具体的かつ特徴的な呼称を用いて「URLフィルタ」と呼ぶ場合がある。
このように、データフィルタ部330は、データ受信部300が受信したデータ自体に基づいて、ユーザに送信すべき電子メールを選択する。なお、電子メールを処理する順番は上記の順番に限られるものではなく、データ送信制御装置110は多様な順番で電子メールを処理することができる。
設定指示受付部360は、通信先リストフィルタ部340が選択したデータをユーザに送信すべきか否か及び条件フィルタ部320が選択したデータをユーザに送信すべきか否かの一以上の組合せを含む複数の選択モードのうち、いずれの選択モードで選択されたデータをユーザに送信するデータとするかを示す指示をユーザから受け付ける。なお、設定指示受付部360は、当該指示を通信端末140から受け付けてよい。また、設定格納部370は、設定指示受付部360が受け付けた指示が示す選択モードを格納する。なお、選択モードは、図2で説明したアドレス帳フィルタモード、アドレス帳・迷惑メールフィルタモード、及び迷惑メールフィルタモードを含む。なお、設定指示受付部360は、条件フィルタ部320が実行する各種選択動作のうち、実行すべき選択動作を指定する指示をユーザから取得してよい。例えば、設定指示受付部360は、経路フィルタ、送信者拒否・許可フィルタ、未承諾広告フィルタ、及びURLフィルタのうちの実行すべきフィルタを指定する指示をユーザから取得してよい。そして、設定格納部370は、当該指示によって指定されたフィルタを実行すべき旨を格納してよい。
そして、出力部350は、設定指示受付部360が受け付けた指示が示す組合せに応じて、通信先リストフィルタ部340及び条件フィルタ部320の少なくとも一方が選択したデータを、ユーザに送信すべきデータとして出力する。具体的には、出力部350は、設定格納部370が格納している設定に応じて、通信先リストフィルタ部340及び条件フィルタ部320の少なくとも一方が選択したデータを、通信端末140に送信する。
なお、データ格納部124は、ユーザに送信することができるデータを格納することができる。例えば、データ格納部124は、ユーザに送信することができるデータを、少なくとも所定の期間、格納する。データが電子メールである場合には、データ格納部124は、いわゆるメールボックスとして機能する。なお、上記の所定の期間は、通信端末140のユーザからの指示に応じて、データ送信制御装置110が設定してもよい。そして、データ格納制御部354は、条件フィルタ部320が選択したデータをデータ格納部124に格納する。そして、データ送信部352は、通信先リストフィルタ部340が選択したデータを通信端末140に送信し、通信端末140からの要求に応じてデータ格納部124が格納しているデータを通信端末140に送信する。なお、通信端末140は、通信端末140に対するユーザ操作に応じてデータ送信制御装置110に当該要求をしてもよいし、予め定められたタイミングで通信端末140が自動的に要求してもよい。予め定められたタイミングとは、一日のうちで予め定められた期間(例えば、夜間)であってよい。また、通信端末140は、予め定められた時間長さの時間が経過する毎に当該要求をしてもよい。
設定指示受付部360が通信先リストフィルタ部340が選択したデータをユーザに送信すべき旨及び条件フィルタ部320が選択したデータをユーザに送信すべきでない旨の指示を受け付たことを条件として、データ送信部352は通信先リストフィルタ部340が選択したデータを通信端末140に送信し、データ格納制御部354は条件フィルタ部320が選択したデータをデータ格納部124に格納する。具体的には、選択モードがアドレス帳フィルタモードである場合に、データ送信部352は通信先リストフィルタ部340が選択したデータを通信端末140に送信し、データ格納制御部354は条件フィルタ部320が選択したデータを、少なくとも所定の期間、データ格納部124に格納する。これにより、迷惑メールフィルタリングをパスした電子メールが少なくとも所定の期間はメールボックスから失われることはない。このため、ユーザは本来はアドレス帳・迷惑メールフィルタモードにしたい場合に、誤ってアドレス帳フィルタモードに設定していても、迷惑メールフィルタをパスするような電子メールが失われてしまうことを未然に防ぐことができる場合がある。
出力部350は、通信先リストフィルタ部340が選択したデータを通信端末140に送信し、条件フィルタ部320が選択したデータの内容の一部を通信端末140に送信する。具体的には、データ送信部352は、通信先リストフィルタ部340が選択したデータを通信端末140に送信し、条件フィルタ部320が選択したデータの内容の一部を通信端末140に送信する。データの内容の一部とは、送信元アドレス等の発信元情報、時刻、受信した電子メールの一覧情報、電子メールのヘッダ情報等を含む。
通信先リスト取得部380は、通信先リスト格納が格納している通信端末140が使用する通信先リストの他の通信先リストを取得する。具体的には、通信先リスト取得部380は、他の通信端末140が通信先を選択して使用することができる通信先リストを、取得する。当該通信先リストは、通信端末140が記憶していてもよい。また、通信先リスト格納部122が他の通信端末140が記憶している通信先リストと整合された通信先リストを格納しており、通信先リスト取得部380は、通信先リスト格納部122から他の通信端末140が使用する通信先リストを取得してもよい。他の通信端末140とは、同一ユーザが使用する複数の通信端末140のうちの一方の通信端末140であってよい。
また、他の通信先リストとは、同一の通信端末140で使用する異なる通信先リストのうちの一方の通信先リストであってよい。例えば、通信端末140が複数の電話番号を用いて通話することができる機器であり、通信端末140は第1電話番号及び第1メールアドレスの組み合わせで通信端末140を用いる場合に使用することができる第1通信先リストと、第2電話番号及び第2メールアドレスの組み合わせで通信端末140を用いる場合に使用することができる第2通信先リストを格納しているとする。この場合に、第1メールアドレス宛の電子メールを送信する場合に、通信先リスト取得部380は、第2通信先リストと整合された通信先リストを取得してよい。なお、第1電話番号及び第1メールアドレスと第2電話番号及び第2メールアドレスとは、同一人物が異なる立場で通信端末140を使用する場合に使い分けることができてよい。例えば、一の人物の勤務先においては勤務先用の電話番号及びメールアドレスで通信端末140が使用され、当該人物の自宅においては個人用の電話番号及びメールアドレスで通信端末140が使用されてよい。なお、この発明におけるユーザとは必ずしも同一人物である必要はなく、上記のように、例えば異なる立場を示すものであってよい。例えば同一人物が異なる通信事業者からそれぞれメールアドレスが与えられている場合には、同一人物を、それぞれのメールアドレスを使用する立場にある異なるユーザとみなすこともできる。また、この発明におけるユーザとは、法人、団体、人物又は法人の集合を含む。
通信先リストフィルタ部340は、ユーザ宛のデータのうち、発信元が通信先リスト格納部122が格納している通信先リストに含まれる通信先又は通信先リスト取得部380が取得した通信先リストに含まれる通信先にマッチするデータを選択する。例えば、通信先リストフィルタ部340は、自宅で通信端末140を使用する場合の通信先リスト及び勤務先で通信端末140を使用する場合の通信先リストのいずれかに含まれる通信先に一致する発信元のデータを選択してよい。
通信先リスト取得部380は、例えば通信端末140のユーザが使用する、他の通信端末140が使用する通信先リストを取得してよい。また、通信先リスト格納部122は、複数のユーザのそれぞれの通信先に対応づけて通信先リストを格納してよい。そして、通信先リスト取得部380は、複数のユーザのそれぞれについて、ユーザの通信先に対応づけて通信先リスト格納部122が格納している通信先リストに含まれる通信先に対応づけて通信先リスト格納部122が格納している通信先リストを取得してもよい。その他、通信先リスト取得部380は、ユーザによって指定されたユーザの家族の通信先リストを取得してもよい。この場合、データ送信制御装置110は、ユーザとユーザの家族との対応づけを予め記憶していてよい。
なお、データ送信サーバ120は、予め定められた第1の期間(例えば夜間)に受信した電子メールについてはアドレス帳フィルタモードで処理しつつ、迷惑メールフィルタをパスした電子メールを記憶しておいてよい。そしてデータ送信サーバ120は、予め定められた第2の期間(例えば昼間)に受信した電子メールについては、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードで処理してよい。そして、データ送信サーバ120は、アドレス帳フィルタモードからアドレス帳・迷惑メールフィルモードに選択モードを変えた場合(第1の期間に含まれる時刻から第2の期間に含まれる時刻に変わった場合)に、記憶している電子メールを、順次又は一括して通信端末140に送信してよい。
以上説明したように、データ送信サーバ120を実際の製品に適用すると、信頼できる発信元からのデータをユーザに確実に提供することができる場合がある。
図4は、データ送信サーバ120が電子メールを処理する処理フローの一例を示す。データ受信部300がユーザ宛の電子メールを受信する(S402)と、条件フィルタ部320及び通信先リストフィルタ部340は、当該ユーザが設定している迷惑メール設定を取得する(S404)。なお、ここでいう迷惑メール設定とは、送信条件格納部310が格納している条件、通信先リスト格納部122が格納しているアドレス帳データ、並びに設定格納部370が格納しているフィルタモード及び条件フィルタ部320が実行すべきフィルタの組み合わせを含む。
そして、通信先リストフィルタ部340は、送信元メールアドレスに一致するメールアドレスが通信先リスト格納部122が格納しているアドレス帳データに含まれるか否かを判断する(S410)。送信元メールアドレスに一致するメールアドレスが通信先リスト格納部122が格納しているアドレス帳データに含まれる場合には、当該電子メールを通信端末140に送信し(S412)、処理を終了する。
一方、S410において、通信先リストフィルタ部340が、送信元メールアドレスに一致するメールアドレスが通信先リスト格納部122が格納しているアドレス帳データに含まれない旨を判断した場合には、データフィルタ部330は、電子メールデータに基づいてフィルタするか否かを判断する(S432)。具体的には、データフィルタ部330は、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードが指定されている場合に、電子メールデータに基づいてフィルタする旨を判断する。S432において、データフィルタ部330が電子メールデータに基づいてフィルタしない旨を判断した場合には、電子メールを破棄して(S442)、処理を終了する。
S432において、データフィルタ部330が電子メールデータに基づいてフィルタする旨を判断した場合には、データフィルタ部330は、電子メールデータに基づいて迷惑メールであるか否かを判断する(S434)。なお、S434における具体的な処理フローについては図5に関連して説明する。そして、データフィルタ部330が迷惑メールである旨を判断した場合(S436:Yes)には、電子メールを破棄して(S442)、処理を終了する。データフィルタ部330が迷惑メールでない旨を判断した場合(S436:No)には、出力部350はメールボックスに保存するか否かを判断する。一例として、出力部350は、アドレス帳フィルタモードが指定されている場合に、メールボックスに保存すべき旨を判断する。出力部350がメールボックスに保存する旨を判断した場合には、データ格納制御部354が電子メールをデータ格納部124に格納し(S440)、処理を終了する。出力部350がメールボックスに保存しない旨を判断した場合には、データ送信部352が通信端末140にメールを送信し(S412)、処理を終了する。
なお、本図の例では、説明が複雑になることを防ぐために、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードが指定されている場合の処理フローについて説明したが、アドレス帳フィルタモードが指定されている場合に、S410において、送信元メールアドレスに一致するメールアドレスが通信先リスト格納部122が格納しているアドレス帳データに含まれない旨を通信先リストフィルタ部340が判断すると、当該メールを通信端末140に送信せずに破棄してよい。
図5は、データフィルタ部330が電子メールを処理する処理フローの一例を示す。条件フィルタ部320は、なりすましメールをフィルタするか否かを判断する(S500)。具体的には、条件フィルタ部320は、設定格納部370がなりすましフィルタを実行すべき旨を格納しているか否かを判断する。設定格納部370がなりすましフィルタを実行すべき旨を格納している場合には、経路フィルタ部322は、受信した電子メールがなりすましメールに該当するか否かを判断する(S501)。例えば、経路フィルタ部322は、上述したように、電子メールが送られてきた経路と、電子メールの送信元アドレスが示す送信されてくるべき経路との間の整合性を判断することによって、なりすましメールに該当するか否かを判断する。なりすましメールに該当しないと判断された場合にはS502に処理を進め、なりすましメールに該当すると判断された場合には迷惑メールと判断する(S520)。S500において、経路フィルタ部322がなりすましメールをフィルタしない旨を判断した場合には、S501を実行せずにS502に処理を進める。
S502において、発信元フィルタ部332は、送信者拒否・許可するフィルタリング設定がなされているか否かを判断する。具体的には、発信元フィルタ部332は、送信者拒否・許可フィルタを実行すべき旨を設定格納部370が格納している場合に、送信者拒否・許可するフィルタリング設定がなされている旨を判断する。
発信元フィルタ部332が送信者拒否・許可するフィルタリング設定がなされている旨を判断した場合には、発信元フィルタ部332は、送信元メールアドレスが設定されたメールアドレスにマッチするか否かを判断する(S504)。なお、データがショートメッセージ等である場合には、発信元フィルタ部332は、送信元の電話番号が設定された電話番号にマッチするか否かを判断する。S504において、発信元フィルタ部332が送信元メールアドレス/電話番号が設定されたメールアドレス/電話番号にマッチする旨を判断した場合には、マッチする送信者を拒否する設定であるか否かを判断する(S506)。マッチする送信者を拒否する設定である場合には迷惑メールと判断する(S520)。マッチする送信者を許可する設定である場合(拒否する設定でない場合)には、S510に処理を進める。
また、S504において、発信元フィルタ部332が送信元メールアドレス/電話番号が設定されたメールアドレス/電話番号にマッチしない旨を判断した場合には、マッチする送信者を拒否する設定であるか否かを判断する(S508)。マッチする送信者を拒否する設定である場合にはS510に処理を進め、マッチする送信者を許可する設定である場合(拒否する設定でない場合)には迷惑メールと判断する(S520)。なお、S502において発信元フィルタ部332が送信者拒否・許可するフィルタリング設定がなされていない旨を判断した場合には、S504を実行せずにS510に処理を進める。
S510においては、データ内容フィルタ部334は、未承諾広告メールを拒否するフィルタリング設定がなされているか否かを判断する。具体的には、データ内容フィルタ部334は、未承諾広告フィルタを実行すべき旨を設定格納部370が格納している場合に、未承諾広告メールを拒否するフィルタリング設定がなされている旨を判断する。データ内容フィルタ部334は、未承諾広告メールを拒否するフィルタリング設定がなされている旨を判断した場合には、電子メールの件名に「未承諾広告※」が含まれるか否かを判断する(S512)。件名に「未承諾広告※」が含まれる場合には、迷惑メールと判断(S520)し、件名に「未承諾広告※」が含まれない場合には、S514に処理を進める。
S514においては、データ内容フィルタ部334は、URLリンク付メールを拒否するフィルタリング設定がなされているか否かを判断する。具体的には、データ内容フィルタ部334は、URLフィルタを実行すべき旨を設定格納部370が格納している場合に、URLリンク付メールを拒否するフィルタリング設定がなされている旨を判断する。データ内容フィルタ部334は、URLリンク付メールを拒否するフィルタリング設定がなされている旨を判断した場合には、電子メールの本文にURLが含まれているか否かを判断する(S516)。本文に本文にURLが含まれている場合には、迷惑メールと判断(S520)し、本文にURLが記載されていない場合には、迷惑メールでないと判断する(S518)。
なお、S510において、データ内容フィルタ部334が未承諾広告メールを拒否するフィルタリング設定がなされていない旨を判断した場合には、S512を実行せずにS514に処理を進める。また、S514において、データ内容フィルタ部334がURLリンク付メールを拒否するフィルタリング設定がなされていない旨を判断した場合には、S516を実行せずにS518に処理を進める。なお、図4及び図5の処理フローにおいては、データ送信サーバ120がなりすましフィルタ、アドレス帳フィルタ、送信者拒否・許可フィルタ、未承諾広告フィルタ、及びURLフィルタの順でフィルタリング処理を行う場合を例に挙げて説明したが、データ送信サーバ120は、当該順番以外にも、多様な順番でフィルタリング処理を行ってよい。
図6は、通信先リスト格納部122が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。通信先リスト格納部122は、ユーザの電話番号及びユーザのメールアドレスの組合せに対応づけて、1以上の通信相手のアドレス帳データを格納する。アドレス帳データは、メールアドレス1、メールアドレス2、電話番号1、電話番号2、ホームページ、及び住所を含む。なお、アドレス帳データのメールアドレス1、メールアドレス2、電話番号1、電話番号2、ホームページ、及び住所の各フィールドの内容は、通信端末140においてユーザが自由に入力することができる。例えば、ユーザは、通信相手の携帯電話に送信するためのメールアドレスをメールアドレス1の値として入力し、インターネットを通じて送信するためのメールアドレスをメールアドレス2の値として入力してよいし、その逆でもよい。
なお、通信端末140は、通信先リスト格納部122が格納しているデータと同じデータを格納してもよい。しかしながら、通信端末140が格納しているデータと、通信先リスト格納部122が格納しているデータとは、少なくとも1つの通信先について、通信先を特定することができる少なくとも一部のデータ(例えば、電話番号、メールアドレス等)が整合されていればよく、全ての通信先についての全てのデータが整合されている必要は必ずしもない。また、通信端末140は、通信先リスト格納部122が格納しているデータのうち必要なデータをデータ送信制御装置110を通じて取得して、例えば揮発性メモリに格納してもよく、このような状態は、この発明における「通信先リスト格納部122が通信端末140が格納する通信先リストと整合された通信先リストを格納している」状態に含まれる。
なお、本図の例では、通信先リスト格納部122は、メールアドレス「abc@sss.ne.jp」を持つユーザ(以下、ユーザABCとする。)に対応づけて、メールアドレス「aaa@sss.ne.jp」を持つユーザ(以下、ユーザAAAとする。)、メールアドレス「bbb@ddd.ne.jp」を持つユーザ(以下、ユーザBBBとする。)、及びメールアドレス「ccc@aaa.ne.jp」を持つユーザ(以下、ユーザCCCとする。)のアドレス帳データを格納している。ところで、通信先リスト格納部122は、ユーザAAAに対応づけて、ユーザABC及びメールアドレス「ddd@sss.ne.jp」を持つユーザ(以下、ユーザDDDとする。)のアドレス帳データを格納している。このような場合、通信先リストフィルタ部340は、ユーザABC宛のメールのうち、ユーザAAA、ユーザBBB、及びユーザCCCだけでなく、ユーザDDDのメールアドレスと送信元アドレスが一致すれば、その電子メールをユーザABC宛に送信してよい。
図7は、設定格納部370が格納するデータの一例をテーブル形式で示す。設定格納部370は、ユーザの電話番号及びユーザのメールアドレスの組合せに対応づけて、アドレス帳フィルタ設定、なりすましフィルタを実行するか否か、送信者拒否・許可フィルタを実行するか否か、未承諾広告メールフィルタを実行するか否か、及びURLフィルタを実行するか否かを示す値を格納している。なお、アドレス帳フィルタ設定は、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードを指定していることを示す「併用」、アドレス帳フィルタモードを指定していることを示す「単独」、及び迷惑メールフィルタモードを指定していることを示す「OFF」を含む。また、設定格納部370は、なりすましフィルタ、未承諾広告フィルタ、及びURLフィルタのそれぞれについて、それぞれのフィルタを実行することを示す「ON」及び実行しないことを示す「OFF」のいずれかを格納する。
また、設定格納部370は、送信者拒否・許可フィルタについては、所定のパターンにマッチする送信元アドレスの電子メールを受信することを拒否することを示す「拒否」、所定のパターンにマッチする送信元アドレスの電子メールを許可することを示す「許可」、及び送信者拒否・許可フィルタを実行しないことを示す「OFF」のいずれかを格納する。なお、本図の例では、設定格納部370は、いずれのユーザについても「拒否」を格納している。
なお、条件フィルタ部320及び通信先リストフィルタ部340は、データ受信部300が受信した電子メールの送信先メールアドレスに対応づけて設定格納部370が格納しているアドレス帳フィルタ、なりすましフィルタ、送信者拒否・許可フィルタ、未承諾広告メールフィルタ、及びURLフィルタの各フィールドを取得することで、図4のS404で説明した迷惑メール設定を取得することができる。
図8は、送信条件格納部310が格納するデータの一例をテーブル形式で示す。送信条件格納部310は、ユーザの電話番号及びユーザのメールアドレスの組合せに対応づけて、パターン1、パターン2、及びパターン3の3つのメールアドレスパターンを格納する。メールアドレスパターンは、送信元アドレスとマッチさせる文字列パターンであってよい。メールアドレスパターンは、例えば、図中の「xxx@xxx.info」のようなメールアドレス全体であってもよいし、「xxx.net」のようなメールアドレスの一部をなすドメイン全体であってもよいし、「.com」のようなドメインの一部であってもよい。
発信元フィルタ部332は、送信元アドレスと送信条件格納部310が格納しているメールアドレスパターンとを比較して、送信元アドレスと当該メールアドレスパターンとが部分一致又は完全一致する場合に、送信元アドレスとメールアドレスパターンとがマッチする旨を判断する。なお、発信元フィルタ部332は、設定格納部370が格納する送信者拒否・許可フィルタの値が「許可」である場合に、メールアドレスパターンにマッチする送信元アドレスの電子メールをユーザに送信すべき電子メールとして選択する。また、発信元フィルタ部332は、送信者拒否・許可フィルタの値が「拒否」である場合に、メールアドレスパターンにマッチしない送信元アドレスの電子メールをユーザに送信すべき電子メールとして選択する。
なお、本図においては、説明が複雑になることを防ぐために、送信条件格納部310がメールアドレス中の少なくとも一部の文字列自体をメールアドレスパターンとして格納する例について説明したが、送信条件格納部310は、例えば正規表現或いは正則表現等と呼ばれる、メールアドレス中の少なくとも一部の文字列の集合を表現する文字列を含むメールアドレスパターンを格納してよいことは言うまでもない。また、本図においては、送信条件格納部310が一例として3つのメールアドレスパターンを格納する例について説明したが、送信条件格納部310が格納するメールアドレスパターンの数は1以上であってよい。
例えば「.com」、「.co.jp」のように広く使用されるドメインのメールアドレスを所有する人は多いが、一方でこのようなアドレスは、迷惑メールの送信元アドレスとしても頻繁に使用される場合が多い。このようなドメインを含む送信元アドレスの電子メールを「拒否」するよう設定すると、例えばそのようなドメインのメールアドレスを持つ友人からのメールが迷惑メールとして削除されてしまうこと場合がある。しかしながら、データ送信制御装置110は、送信元メールアドレスがアドレス帳に含まれていれば、送信者拒否・許可フィルタでフィルタリングすることなく通信端末140に送信することができる。このため、ユーザは、受け取りたい人のメールアドレスをアドレス帳に載せてさえいれば、友人からのメールが迷惑メールとして削除されてしまったのではないか等という無用な心配をしなくて済むようになる場合がある。
図9は、通信端末140においてアドレス帳データを更新するアドレス帳更新シーケンスの一例を示す。本図の例では、通信回線150aを通じて通信する携帯情報端末である通信端末140a及び通信回線150cを通じて通信する通信端末140eを用いてアドレス帳データを更新する場合を例に挙げて説明するが、その他の通信端末140を用いてアドレス帳データを更新する場合のシーケンスも、本図と同様のシーケンスでアドレス帳を更新することができることは言うまでもない。
通信端末140aは、ユーザからの操作に応じて、メモリ等の記憶媒体に格納しているアドレス帳データを更新する(S900)。そして、通信端末140aは、更新された時点から所定の時間が経過した時点で、更新されたアドレス帳データである更新データをデータ送信制御装置110に送信する(S902)。そして、データ送信制御装置110は、通信先リスト格納部122が格納している通信端末140aのアドレス帳データを、更新データに従って更新する(S910)。
一方、通信端末140eからデータ送信制御装置110にアクセスした場合には、通信端末140eはデータ送信制御装置110から提供される認証画面をユーザに提示して、パスワード等を入力させることでシステムにログインする(S920)。ログインすると、データ送信制御装置110は、通信端末140eが格納しているアドレス帳データと比較して、更新されたデータである更新データを通信端末140eに送信する(S912)。そして、通信端末140eは、受信した更新データを用いて、格納しているアドレス帳を更新することによって、アドレス帳とデータ送信制御装置110が格納しているアドレス帳データと整合させる(S922)。
そして、通信端末140eは、通信端末140eにおいて既に更新されていたアドレス帳のデータを示す更新データをデータ送信制御装置110に送信する(S924)。そして、データ送信制御装置110は、通信先リスト格納部122が格納している通信端末140aのアドレス帳データを、更新データに従って更新する(S914)。
そして、データ送信制御装置110は、例えば通信端末140eからの更新データを用いてアドレス帳を更新してから所定の時間が経過した時点で、更新データを通信端末140aに送信する(S916)。そして、通信端末140aは、データ送信制御装置110から受信した更新データに従ってアドレス帳を更新することによって、アドレス帳とデータ送信制御装置110が格納しているアドレス帳データとを整合させる(S904)。このようにして、通信先リスト格納部122、複数の通信端末140の間で、それぞれが格納している通信先リストを整合させる。
図10は、通信端末140によりアドレス帳データを更新した更新画面の一例を示す。画面1000は、アドレス帳を更新した直後の画面の一例を示す。通信端末140は、アドレス帳を更新すると、更新した内容をアドレス帳に保存させることを示す保存アイコン1002を画面1000に表示する。この時点では、通信端末140は更新内容を揮発性メモリ上に保持しているだけで、不揮発性メモリ上に記憶されたアドレス帳には保存していない。通信端末140は、保存アイコン1002に対応づけられた所定のボタンが押下される等によって更新した内容をアドレス帳に保存する旨の指示を受け付けると、不揮発性メモリ上に保持している更新内容をアドレス帳に保存する。
アドレス帳への保存が完了すると、画面1010を表示して、保存が完了した旨をユーザに通知する。通信端末140は、通信先リスト格納部122が格納するアドレス帳データを更新するか否かを示す更新アイコン1012を画面1010に表示する。通信端末140は、更新アイコン1012に対応づけられた所定のボタンが押下される等によって更新した内容で通信先リスト格納部122のアドレス帳データを更新する旨の指示を受け付けると、更新データをデータ送信制御装置110に送信して、データ送信制御装置110に通信先リスト格納部122のアドレス帳データを更新させる。
なお、画面1010を表示して所定の時間が経過すると、通信端末140は、通信先リスト格納部122上のアドレス帳データを更新することなく、アドレス帳の他の通信先を編集する編集画面を表示してよい。この場合、通信端末140は、所定の期間が経過した時点で、或いはユーザから手動で通信先リスト格納部122のアドレス帳データを更新する旨の指示を受け付けた時点で、前回通信先リスト格納部122のアドレス帳データを更新させてから後に更新された全更新データをデータ送信制御装置110に送信して、データ送信制御装置110に通信先リスト格納部122のアドレス帳データを更新させる。なお、このとき、通信端末140は、通信先リスト格納部122において既に更新されていて通信端末140においてまだ更新されていないデータをデータ送信制御装置110を通じて取得して、通信端末140のアドレス帳を更新してもよいことは言うまでもない。
図11は、通信端末140がフィルタリング設定を入力する入力画面の一例を示す。通信端末140は、迷惑メール設定を含む複数の設定項目の中から、設定する設定項目をユーザに選択させるメール設定項目選択画面1110を表示する。メール設定項目選択画面1110のように迷惑メール設定がカーソルで選択されている状態で、カーソル位置の項目を選択する動作に対応づけられたボタンが押下される等すると、通信端末140は、フィルタリングモードを選択するフィルタリングモード選択画面1120を表示する。
フィルタリングモード選択画面1120は、アドレス帳・迷惑メールフィルタモードを選択する選択項目1122、アドレス帳フィルタモードを選択する選択項目1124、及び迷惑メールフィルタモードを選択する選択項目1126を含む。フィルタリングモード選択画面1120のようにアドレス帳・迷惑メールフィルタモード(選択項目1122)が選択されている状態で、選択された項目を選択する動作に対応づけられたボタンが押下される等すると、通信端末140は、アドレス帳フィルタリングの詳細設定を行うアドレス帳フィルタ詳細設定画面1130を表示する。なお、通信端末140は、アドレス帳・迷惑メールフィルタモード又はアドレス帳フィルタモードが選択されている状態で当該ボタンが押下される等した場合に、アドレス帳フィルタモード詳細設定画面1130を表示する。
アドレス帳フィルタ詳細設定画面1130は、アドレス帳にない送信者からの電子メールを破棄することを選択する選択項目1132、アドレス帳にない送信者からの電子メールを一定期間メールボックスに保存することを選択する選択項目1134を含む。また、アドレス帳フィルタ詳細設定画面1130は、オプションとして、アドレス帳にない送信者からのメールリストを受信することを指示するチェックボックス1136を有する。通信端末140は、選択された選択項目又はチェックされたチェックボックスを示す情報をデータ送信制御装置110に送信する。データ送信制御装置110は、通信端末140のユーザに与えられたメールアドレスに対応づけて当該情報を記憶する。例えば、出力部350は、アドレス帳にない送信者からの電子メールを一定期間メールボックスに保存することが選択された場合には、当該電子メールを一定期間だけデータ格納部124に格納してよい。また、アドレス帳にない送信者からのメールリストを受信することが指示されている場合には、出力部350は当該電子メールのメールリストを通信端末140に送信する。
図12は、データ送信制御装置110をコンピュータ等の電子情報処理装置で構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。データ送信制御装置110は、CPU周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、及び表示装置1580を有する。入出力部は、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570を有する。
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、及びグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、及びRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。
入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、データ送信制御装置110が起動時に実行するブート・プログラム、あるいはデータ送信制御装置110のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。CPU1505により実行されるプログラムは、データ送信制御装置110を、図1から図11に関連して説明したデータ受信部300、送信条件格納部310、条件フィルタ部320、通信先リストフィルタ部340、出力部350、設定指示受付部360、設定格納部370、及び通信先リスト取得部380として機能させる。
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDまたはPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用して、ネットワークを介してプログラムをデータ送信制御装置110に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。