JP2008309594A - 慣性計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物の動きや地磁気等の外的要因が変化する場合においても、ノイズ,誤差の影響を低減した検出値を得ることができる慣性計測装置を提供することである。
【解決手段】複数種類の検出装置2,3を備えた慣性計測装置1であって、前記各検出装置2,3には各々所定値が設定されており、いずれかの検出装置2,3の検出値が所定値を超えた際に、超えた検出装置2,3による検出値の参照割合を低下させる。所定値を超えた検出装置2,3の検出値の参照割合を、所定値を超える前の参照割合の20%以下に設定する。
【選択図】図1
【解決手段】複数種類の検出装置2,3を備えた慣性計測装置1であって、前記各検出装置2,3には各々所定値が設定されており、いずれかの検出装置2,3の検出値が所定値を超えた際に、超えた検出装置2,3による検出値の参照割合を低下させる。所定値を超えた検出装置2,3の検出値の参照割合を、所定値を超える前の参照割合の20%以下に設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両,船舶,潜水艦,浮標,航空機(ロケットを含む),人工衛星,人体,動物,ロボット等の測定対象物に取り付けられ、その姿勢角や方位角を検出する慣性計測装置に関するものである。
慣性計測装置は、加速度,角速度,及び周囲の地磁気を検知することにより、測定対象物の姿勢角や方位角を検出(推定)する。このような慣性計測装置が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1には、それぞれの加速度感知軸とそれぞれの角速度感知軸とを、測定対象物体に定義される各軸(例えば前向軸、下向軸、右向軸等)に自由に対応付けすることができるようにした慣性計測装置が開示されている。特許文献1に開示されている発明を実施することにより、慣性計測装置のそれぞれの加速度感知軸とそれぞれの角速度感知軸とを、測定対象物体で定義された軸に任意に対応させることができるようになる。
また、検出精度を向上させることができる構成を備えた慣性計測装置が特許文献2に開示されている。特許文献2には、人工衛星の姿勢の推定の精度を向上させるために、修正するべき誤差成分にカルマンゲインと呼ばれる係数を乗算したものを予測値に加えて推定値を算出する構成が開示されている。
特開2001−264351号公報
特開2002−323322号公報
特許文献1には、それぞれの加速度感知軸とそれぞれの角速度感知軸とを、測定対象物体に定義される各軸(例えば前向軸、下向軸、右向軸等)に自由に対応付けすることができるようにした慣性計測装置が開示されている。特許文献1に開示されている発明を実施することにより、慣性計測装置のそれぞれの加速度感知軸とそれぞれの角速度感知軸とを、測定対象物体で定義された軸に任意に対応させることができるようになる。
また、検出精度を向上させることができる構成を備えた慣性計測装置が特許文献2に開示されている。特許文献2には、人工衛星の姿勢の推定の精度を向上させるために、修正するべき誤差成分にカルマンゲインと呼ばれる係数を乗算したものを予測値に加えて推定値を算出する構成が開示されている。
慣性計測装置の各センサで取得された加速度値や角速度値にはノイズが含まれている。よって慣性計測装置は、検出精度を向上させるために、このノイズをいかにして除去するかという問題を抱えている。
ところで、慣性計測装置は、様々な測定対象物に搭載されるものであり、特に、ヘリコプタは、離陸前,離陸の瞬間,及び離陸後では特性が逐次変化するため、特許文献1,2に開示されているような手法ではとても適切な推定値を算出することはできない。また、加速度センサ,角速度センサ,磁気センサの検出値に所定値及び所定範囲を設け、検出値や単位時間あたりの検出値の変化量を、各々所定値及び所定範囲と比較し、各センサの検出値の参照割合を自動的に変化させる手法では、測定対象物の刻々と変化する挙動のすべてに適切な推定値を算出することができない。
そこで本発明は、測定対象物の動きや地磁気等の外的要因が変化する場合においても、ノイズ,誤差(ドリフト)の影響を低減した検出値を得ることができる慣性計測装置を提供することを目的とする。
ところで、慣性計測装置は、様々な測定対象物に搭載されるものであり、特に、ヘリコプタは、離陸前,離陸の瞬間,及び離陸後では特性が逐次変化するため、特許文献1,2に開示されているような手法ではとても適切な推定値を算出することはできない。また、加速度センサ,角速度センサ,磁気センサの検出値に所定値及び所定範囲を設け、検出値や単位時間あたりの検出値の変化量を、各々所定値及び所定範囲と比較し、各センサの検出値の参照割合を自動的に変化させる手法では、測定対象物の刻々と変化する挙動のすべてに適切な推定値を算出することができない。
そこで本発明は、測定対象物の動きや地磁気等の外的要因が変化する場合においても、ノイズ,誤差(ドリフト)の影響を低減した検出値を得ることができる慣性計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、複数種類の姿勢検出センサを備えた慣性計測装置であって、特定の条件下で、いずれかのセンサの検出値の参照割合を低下させることを特徴とする慣性計測装置である。
請求項1の発明では、特定の条件下で、いずれかのセンサの検出値の参照割合を低下させるので、測定対象物の不安定な振動を検出せずに済む。その結果、測定対象物の姿勢の検出精度を向上させることができる。
また、一定の条件が満たされた際に、低下させた参照割合を元に戻すことにより、状況に応じて測定対象物の姿勢角,方位角の検出を適正に行うことができるようになる。
例えば、測定対象物(航空機)が離陸する際に、いずれかの検出装置による検出を停止し(又は検出値の参照割合を低下させ)、安定飛行に移行する及び/又は所定時間が経過すると停止した検出装置による検出を開始する(又は低下させた参照割合を元に戻す)。
また、一定の条件が満たされた際に、低下させた参照割合を元に戻すことにより、状況に応じて測定対象物の姿勢角,方位角の検出を適正に行うことができるようになる。
例えば、測定対象物(航空機)が離陸する際に、いずれかの検出装置による検出を停止し(又は検出値の参照割合を低下させ)、安定飛行に移行する及び/又は所定時間が経過すると停止した検出装置による検出を開始する(又は低下させた参照割合を元に戻す)。
請求項2の発明は、複数種類の検出装置を備えた慣性計測装置であって、前記各検出装置には各々所定値が設定されており、いずれかの検出装置の検出値が所定値を超えた際に、超えた検出装置による検出値の参照割合を低下させることを特徴とする慣性計測装置である。
請求項2の発明では、各検出装置に各々所定値を設定し、所定値を越えた検出装置の検出値の参照割合を低下させるので、変動の大きい検出値の影響を小さくすることができる。これにより、測定対象物の適正な姿勢角,方位角を推定することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明の慣性計測装置において、所定時間が経過すると、低下させた参照割合を元に戻すようにした。
請求項3の発明では、所定時間が経過すると、低下させた参照割合を元に戻すようにしたので、検出装置の検出値を、測定対象物の姿勢角,方位角の推定に有効に反映させることができるようになる。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の発明の慣性計測装置において、前記複数種類の姿勢検出センサには、少なくとも加速度検出装置と角度検出装置とが含まれていることを特徴とする。
請求項4の発明では、複数種類の検出装置には、少なくとも加速度検出装置と角度検出装置とが含まれているので、測定対象物の適正な姿勢角,方位角を適切に推定することができる。
請求項5の発明は請求項4の慣性計測装置の発明において、前記加速度検出装置,及び角度検出装置が、互いに交差する複数のセンサで構成されており、前記交差する複数のセンサのうち、所定値を超えたセンサの検出値の参照割合を低下させることを特徴とする慣性計測装置である。
請求項5の発明では、交差する複数のセンサのうちの、変動の影響を受ける方向のセンサの検出値の参照割合だけを低下させることができる。よって、交差する複数のセンサのうちの粗悪な検出値の影響のみを小さくすることができ、測定対象物の適正な姿勢角,方位角を推定することができる。
請求項6の発明は請求項2乃至請求項5の慣性計測装置の発明において、所定値を超えた検出装置の検出値の参照割合を、所定値を超える前の参照割合の20%以下に設定することを特徴とする慣性計測装置である。
請求項6の発明では、所定値を超えた検出装置の検出値の参照割合を、所定値を超える前の参照割合の20%以下に設定するので、変動の大きい検出値の影響を、より低減することができるようになる。
請求項7の発明は、請求項2乃至請求項6のうちのいずれかの慣性計測装置の発明において、検出値が所定値を超えたか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とする慣性計測装置である。
請求項7の発明では、検出値が所定値を超えたか否かを判定する判定手段を備えたので、検出値が所定値を超えたことを適正に検出することができる。
請求項8の発明は請求項2乃至請求項7のうちのいずれかの慣性計測装置の発明において、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えると、参照割合を70%以下に設定することを特徴とする慣性計測装置である。
請求項8の発明では、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えると、参照割合を70%以下に設定するので、検出装置の応答性の悪影響を除外することができるようになる。
請求項9の発明は請求項8の慣性計測装置の発明において、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えたか否かを判定する変化量判定手段を備えたことを特徴とする慣性計測装置である。
請求項9の発明では、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えたか否かを判定する変化量判定手段を備えたので、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えたことを適正に判定することができるようになる。
本発明は、各検出装置に各々所定値が設定されており、いずれかの検出装置の検出値が所定値を超えた際に、超えた検出装置による検出値の参照割合を低下させることにより、簡単な構成で測定対象物の姿勢角,方位角,位置を適正に求めることができる。すなわち、従来は、いかなる状態においても最適な検出精度を保とうとする余り、検出してもほとんど意味がない成分まで検出することが心掛けられており、精度を向上させるにつれて製造コストが上昇していた。しかし、本発明では、逆に、不要な成分(所定値を超えた検出装置による検出値)を除外(切り捨て又は参照割合を低下)することによって、検出精度の向上化を図った。このように着想を従来の固定された観念から転換することによって、検出精度の向上を実現することができるようになった。すなわち、本発明を実施することによって、実情に見合った検出結果(測定対象物の姿勢角,方位角,位置)を得ることができるようになる。
さらに、本発明を実施すると、測定対象物の動きや地磁気等の外的要因が変化する場合においても、ノイズ,誤差の影響を低減した検出値を得ることができるので、測定対象物の姿勢角,方位角,位置を適正に推定することができる。
さらに、本発明を実施すると、測定対象物の動きや地磁気等の外的要因が変化する場合においても、ノイズ,誤差の影響を低減した検出値を得ることができるので、測定対象物の姿勢角,方位角,位置を適正に推定することができる。
図1は、本発明を実施した慣性計測装置1の信号系統図である。図1に示すように慣性計測装置1は、検出装置(姿勢角,方位角検出センサ)として3軸(x,y,z軸)方向の加速度をそれぞれ検出する加速度センサ2x,2y,2zと、3軸(x,y,z軸)周りの角度を検出する角度センサ3x,3y,3z(ジャイロスコープ,ジャイロセンサ,レートジャイロ,角速度センサ等)と、地磁気センサ4と、GPS受信機6とを備えている。角度センサ3x,3y,3zとしては、角度を直接検出できるジャイロスコープや、角度を間接的に(角速度を検出し、検出した角速度を時間積分する等で)求めることができる角速度センサやレートジャイロを採用することができる。
また、慣性計測装置1は、制御装置5と表示器9とを備えている。制御装置5には、各センサによって検出された検出信号が入力され、ヨー角(方位角),ロール角(左右の傾き角),ピッチ角(進行方向の前後の傾き角)とを演算する。
制御装置5は、CPU7とメモリ8とを備えている。メモリ8には、予め設定された各センサの所定値Pが記憶されている。CPU7は、各センサから受信した検出信号と、メモリ8に記憶されている所定値Pとを比較し、どちらが大きいかを判定する判定機能を有している。すなわちCPU7は、検出値が所定値Pを越えたか否かを判定する判定機能(判定手段)を有している。また、CPU7は、検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲Rを越えたか否かを判定する判定機能(変化量判定手段)を有している。さらに、角度センサ3x,3y,3zの代わりに角速度センサを採用した場合には、CPU7は、角速度センサによって検出された検出信号値を積分演算して角度データを算出する。
表示器9は、制御装置5の演算結果を表示する機能を備えている。表示器9としては、例えば安価なパーソナルコンピュータを採用することができる。表示器9と制御装置5とは例えばRS−232CやUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のシリアルケーブルや、種々の信号ケーブルで接続可能である。
パーソナルコンピュータで表示器を構成する場合には、検出値を表示するための表示ソフトウェアを予めインストールしておく。インストールされた表示ソフトウェアは、受信した信号を利用者が把握し易くなるように表示する機能を有している。すなわち、数値そのものを画面表示したり、グラフ化して視覚的に検出結果が把握し易くなるようにすることができる。
慣性計測装置1を搭載する測定対象物によって、各センサの検出値の参照割合を例えば表1に示すように予め設定し、メモリ8に記憶しておく。例えば、表1の「通常状態」に示すように、加速度センサ2x,2y,2zの参照割合をそれぞれ15%とし、角度センサ3x,3y,3zの参照割合をそれぞれ10%とし、地磁気センサ4を15%とし、GPS受信機6を10%とする。
ここで、仮に加速度センサ2x,2y,2zの検出値が、それぞれ所定値Px,Py,Pzを超えた場合には、表1の「パターン1」や「パターン3」のように設定する。
「パターン1」では、加速度センサ2x,2y,2zのそれぞれに0.2(すなわち20%)を乗算し、全体に占める参照割合を各々15%から3.5%へ減少させる。そして全体合計を100%にするために、角度センサ3x,3y,3zの参照割合をそれぞれ11.5%増加させ、21.5%としている。
「パターン1」では、加速度センサ2x,2y,2zのそれぞれに0.2(すなわち20%)を乗算し、全体に占める参照割合を各々15%から3.5%へ減少させる。そして全体合計を100%にするために、角度センサ3x,3y,3zの参照割合をそれぞれ11.5%増加させ、21.5%としている。
また、「パターン3」では、加速度センサ2xの所定値Pxの越え方が大きいため、ゼロを乗算し、参照割合をゼロとしている。また、加速度センサ2yの検出値には0.1(10%)が乗算され、加速度センサ2zの検出値には0.2(20%)が乗算されている。「パターン3」でも、全体合計を100%にするために角度センサ3xの検出値の参照割合を11.5%増の21.5%とし、角度センサ3yの検出値の参照割合を13.5%増の23.5%とし、角度センサ3zの検出値の参照割合を15.5%増の25.5%としている。
また、角度センサ3x,3y,3zの検出値が所定値Pを超えた場合には、例えば「パターン2」に示すように設定することができる。「パターン2」では、角度センサ3x,3y,3zの検出値の参照割合を2%(通常状態の参照割合10%に0.2を乗算)とし、併せて全体を100%にするために加速度センサ2x,2y,2zをそれぞれ8%ずつ増加させて23%としている。
すなわち慣性計測装置1は、これらの各センサによって検出された各検出値を、上記の参照割合で融合し、測定対象物の姿勢角(ヨー角,ロール角,ピッチ角)を求める。通常状態からパターン1〜パターン3への切替は、検出値が所定値Pを越えた時点で自動的に切り替えるのが好ましいが、手動で切り替えてもよい。また、検出値が所定値Pを下回るか、又は検出値が所定値Pを越えてから所定時間が経過した時点でパターン1〜パターン3から通常状態に自動的に又は手動で切り替える。
以上で説明したように、検出値が所定値Pを越えた際に、全体に対する参照割合にさらに20%以下の係数を乗算することにより、当該センサによる検出値の参照割合を低下させる。
次に、各センサの検出値の変化量について説明する。
検出値が所定値Pを越えていなくても、変化量が大きければ演算が追いつかず、適正な演算結果(検出値)を得ることができない。そのため、所定範囲Rを設定し、変化量が大きい場合として、所定範囲Rを越える場合を想定した。ここで変化量とは、例えばセンサの前回の検出値と今回の検出値との差として定義することができる。センサの検出間隔を一定に保つと、前回の検出値と今回の検出値との差は、所定時間(単位時間)当たりの変化量として見ることができる。以下、図面を参照しながら引き続き変化量及び所定値について説明する。
検出値が所定値Pを越えていなくても、変化量が大きければ演算が追いつかず、適正な演算結果(検出値)を得ることができない。そのため、所定範囲Rを設定し、変化量が大きい場合として、所定範囲Rを越える場合を想定した。ここで変化量とは、例えばセンサの前回の検出値と今回の検出値との差として定義することができる。センサの検出間隔を一定に保つと、前回の検出値と今回の検出値との差は、所定時間(単位時間)当たりの変化量として見ることができる。以下、図面を参照しながら引き続き変化量及び所定値について説明する。
図2は、加速度センサの検出値をプロットしたグラフである。カッコ書きで加速度の隣に角度を併記したが、以下の説明は加速度について説明するものの、角度(地磁気も同様)と読み替えて解釈することも可能である。図2(a)では、加速度の各x,y,z成分の検出値は所定値P(Px,Py,Pz)を越えておらず、また、検出値の変動の幅(変化量)も所定範囲R内に入っている。この場合には、検出値は通常状態(表1)で設定された参照割合を適用することができる。
一方、図2(b)に示す例では、各検出値は所定範囲R内に入っているが、検出値の一部が所定値Pを越えている。時刻t1における検出値が最初に所定値Pを越えており、時刻t1以降においても検出値が度々所定値Pを越えている。この場合には、加速度センサの参照割合を上述したように低下させる。
さらに、図2(c)に示す例では、各検出値は所定値Pを越えていないが、検出値の変化量が大きく、単位時間当たりの変化量が所定範囲Rを越えている。図2(c)において時刻t2における検出値と、直後の時刻t3における検出値との差が所定範囲Rを越えている。検出は、例えば0.5秒〜2秒間隔で行われる。図2(a)〜図2(c)においては、0.5秒〜2秒の等間隔でセンサによる検出が行われ、検出値がプロットされている。
検出値の単位時間当たりの変化量が所定範囲Rを越えた場合には、所定範囲Rを越えた検出値の参照割合を通常状態(表1)の70%以下(好ましくは30%以下)に設定する。
上述の例では、単位時間を検出間隔としたが、代わりに、間に1回〜数回の検出を挟んでもよい。すなわち、例えば3回又はそれ以上の回数の検出が行われる時間を単位時間としてもよい。
上述の例では、単位時間を検出間隔としたが、代わりに、間に1回〜数回の検出を挟んでもよい。すなわち、例えば3回又はそれ以上の回数の検出が行われる時間を単位時間としてもよい。
表1には記載していないが、検出装置としてGPS受信機6を採用することもできる。GPSは、測定対象物(航空機や車等の移動するもの)が移動することにより、その位置の変化から移動方位を推定する。しかし、移動速度が遅い場合(停止を含む)には、単位時間当たりの移動量が小さくなるため、移動方位の推定が困難になる。すなわち、算出された方位データの信頼性が低くなる。よって、予めGPS受信機6による検出値に下限値を設定しておき、検出値が下限値を下回ると、GPS受信機6による検出値の参照割合を低下させるようにする。この場合には、加速度センサ2x,2y,2zの検出値の参照割合を上昇させると、測定対象物の方位角の推定の精度を向上させることができるようになる。
次に、測定対象物を具体的に例示して説明する。
測定対象物がヘリコプタであり、さらにヘリコプタが離陸する直前,離陸する瞬間,及び離陸直後においては、加速度センサ2x,2y,2zの検出値が所定値Px,Py,Pzを越えると共に、加速度センサ2x,2y,2zの各検出値の単位時間当たりの変化量が所定範囲Rを越える。この場合には、加速度センサ2x,2y,2zの検出値の参照割合をゼロとし、角度センサ3x,3y,3zの検出値(角速度の積分値)の参照割合を増加させることにより、離陸時におけるヘリコプタの姿勢角,方位角をほぼ適正に算出することができる。
測定対象物がヘリコプタであり、さらにヘリコプタが離陸する直前,離陸する瞬間,及び離陸直後においては、加速度センサ2x,2y,2zの検出値が所定値Px,Py,Pzを越えると共に、加速度センサ2x,2y,2zの各検出値の単位時間当たりの変化量が所定範囲Rを越える。この場合には、加速度センサ2x,2y,2zの検出値の参照割合をゼロとし、角度センサ3x,3y,3zの検出値(角速度の積分値)の参照割合を増加させることにより、離陸時におけるヘリコプタの姿勢角,方位角をほぼ適正に算出することができる。
そしてヘリコプタがホバリング状態になると、加速度センサ2x,2y,2zによる検出値の参照割合を通常状態に戻し、相対的に参照割合を増加させていた角度センサ3x,3y,3zによる検出値の参照割合も通常状態に戻す。以上の動作を、ヘリコプタの離陸時から経過時間に応じて各センサによる検出値の参照割合を変更するように予め設定しておいてもよい。例えば、離陸してから所定時間が経過したら、停止していた(参照割合が低く設定されていた)センサによる検出を開始する(参照割合を通常状態に戻す)。
また、ヘリコプタが安定して飛行している場合であって、旋回飛行している場合には、機体には遠心力が作用している。旋回の仕方によっては、一概に係数(加速度センサ2x,2y,2zの検出値の参照割合に乗算する20%以下の係数)を設定することはできないが、旋回中は角度センサ3x,3y,3zで検出された検出値の参照割合を増加させることによって、適正な姿勢角を推定することができる。
また、ゆるやかな旋回時のような全体的な動きが少ない場合には、さらに重力(表1には示さず)を参照するのが好ましい。
また、ゆるやかな旋回時のような全体的な動きが少ない場合には、さらに重力(表1には示さず)を参照するのが好ましい。
測定対象物が、地上を滑走する車両又は離陸滑走中の航空機のように横滑りが少ないものである場合には、方位角を推定する際には、GPS受信機6による方位データ(検出値)の参照割合を大きく設定するのが好ましい。また、測定対象物が、船舶や飛行中の航空機の場合には、測定対象物は流体中を移動するので流体中で流されて横滑りすることがあるため、方位角を推定する際には、GPS受信機6による方位データ(検出値)の参照割合を小さくするのが好ましい。
次に、測定対象物が、海上や河川に配置する浮標(ブイ)の場合について考える。浮標は、水面が上下すると、常に入力があるため、入力に対する出力のノンリニアリティやヒステリシスを勘案し、また、演算誤差が拡大されることを考慮して、角度センサ3x,3y,3zによる検出値の参照割合を低くし、加速度センサ2x,2y,2zによる検出値の参照割合を高くするのが好ましい。
以上のように各センサの検出値の参照割合を、状況に応じてその都度変更することにより、より適正な測定対象物の姿勢角,方位角,位置を得ることができるようになる。上述の例では、測定対象物を個別に例示して説明したが、測定対象物を、人体,動物,ロボット等とすることもできる。
変更した参照割合は、所定時間が経過したり、状況(特定の条件)の変化が検出された場合等の、一定条件を満たした際に自動的に、又は手動で元の状態に復帰させる。
変更した参照割合は、所定時間が経過したり、状況(特定の条件)の変化が検出された場合等の、一定条件を満たした際に自動的に、又は手動で元の状態に復帰させる。
1 慣性計測装置
2x,2y,2z 加速度センサ
3x,3y,3z 角度センサ
4 地磁気センサ
5 制御装置
6 GPS受信機
7 CPU
8 メモリ
9 表示器
P 加速度センサの検出値の所定値
R 検出値の単位時間当たりの変化量を規定する所定範囲
2x,2y,2z 加速度センサ
3x,3y,3z 角度センサ
4 地磁気センサ
5 制御装置
6 GPS受信機
7 CPU
8 メモリ
9 表示器
P 加速度センサの検出値の所定値
R 検出値の単位時間当たりの変化量を規定する所定範囲
Claims (9)
- 複数種類の検出装置を備えた慣性計測装置であって、
特定の条件下で、いずれかの検出装置の検出値の参照割合を低下させることを特徴とする慣性計測装置。 - 複数種類の検出装置を備えた慣性計測装置であって、
前記各検出装置には各々所定値が設定されており、いずれかの検出装置の検出値が所定値を超えた際に、超えた検出装置による検出値の参照割合を低下させることを特徴とする慣性計測装置。 - 所定時間が経過すると、低下させた参照割合を元に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の慣性計測装置。
- 前記複数種類の検出装置には、少なくとも加速度検出装置と角度検出装置とが含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の慣性計測装置。
- 前記加速度検出装置,及び角度検出装置は、互いに交差する複数のセンサで構成されており、
前記交差する複数のセンサのうち、所定値を超えたセンサの検出値の参照割合を低下させることを特徴とする請求項4に記載の慣性計測装置。 - 所定値を超えた検出装置の検出値の参照割合を、所定値を超える前の参照割合の20%以下に設定することを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちのいずれかに記載の慣性計測装置。
- 検出値が所定値を超えたか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項6のうちのいずれかに記載の慣性計測装置。
- 検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えると、参照割合を70%以下に設定することを特徴とする請求項2乃至請求項7のうちのいずれかに記載の慣性計測装置。
- 検出値の単位時間当たりの変化量が、予め設定した所定範囲を超えたか否かを判定する変化量判定手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の慣性計測装置。
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2007
- 2007-06-13 JP JP2007156888A patent/JP2008309594A/ja active Pending
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