JP2008187258A - 通信方法および通信装置 - Google Patents

通信方法および通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008187258A
JP2008187258A JP2007016726A JP2007016726A JP2008187258A JP 2008187258 A JP2008187258 A JP 2008187258A JP 2007016726 A JP2007016726 A JP 2007016726A JP 2007016726 A JP2007016726 A JP 2007016726A JP 2008187258 A JP2008187258 A JP 2008187258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packet
session
unit
service instance
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007016726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4744457B2 (ja
Inventor
Atsushi Kano
淳 加納
Hirokazu Matsunami
宏和 松波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2007016726A priority Critical patent/JP4744457B2/ja
Publication of JP2008187258A publication Critical patent/JP2008187258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4744457B2 publication Critical patent/JP4744457B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】QoS品質の異なる複数のセッションを用いてパケットを伝送するに際して、CPUリソースの消費を抑えて、パケットを効率よく伝送できる通信方法および通信装置を提供する。
【解決手段】第1セッションでの伝送対象パケットか第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するとともに、第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットに対しては、そのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査し、パケットサイズが所定の閾値を超えるパケットは、第2セッションでの圧縮対象パケットと判別されたパケットであっても、第1セッションで圧縮せずに伝送する。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信方法および通信装置に関するものである。
従来、送信機側から受信機側にデータを伝達させる通信技術は、種々の方式のものが提案されているが、近年では、パケット指向や送信先の自由度等の理由でIP(インターネットプロトコル: Internet Protocol : RFC 791 IETF)に基づく方法が好んで選択されている。また、伝送の目的が音声や動画等のメディアパケット伝送目的である場合は、IPパケットを下位層としてUDP(ユーザダイアグラムプロトコル: User Datagram Protocol : RFC 768 IETF)、更にその上位層の通信方式としてRTP(リアルタイムトランスポートプロトコル: A Transport Protocol for Real-Time Applications : RFC 1889 IETF)が好んで用いられている。
RTP/UDP/IPプロトコルを用いたメディアパケット伝送方式は、デファクトスタンダードとなっていることから、多くの運用共通性確保および相互接続互換性のためには、この方式を選択せざるを得ない場合が多い。
RTP/UDP/IPプロトコルを用いたメディアパケットストリームを、任意のインターネットノード間で接続するためのIPベースの回線交換手段として、SIP(Session Initiation Protocol : RFC 3261 IETF)プロトコルがあり、今日ではVoIP電話やIPベースでのTV電話での回線交換用途に広く用いられている。
また、近年では、デジタル通信方式による通信においても、伝送帯域の大容量化が実現されており、高速なワイヤレス通信手段として、多種多様なインターネットアプリケーションデータを透過させることが可能になってきている。このような高速ワイヤレス通信手段の一例として”High Capacity-Spatial Division Multiple Access (HC-SDMA) WTSC- 2005-032(ATIS/ANSI)”が開示されており、この方式に準拠するシステムの一例としてiBurstシステムが知られている。
ところで、一般に、ワイヤレス伝送方式は、有線伝送方式とは異なり、無線状況如何ではトラフィックデータの伝達が必ずしも保証されないという問題を内包している。すなわち、ワイヤレス伝送方式を用いる限り、無線状況の悪化によってデータ伝送が滞ることは避けられず、また、無線状況如何によっては、データ転送の遅滞が長時間に及ぶことも考えられる。
無線の悪化によるパケットの伝達不能は、直ちにデータ紛失になるわけではない。例えば、ワイヤレスでIPに基づく伝送経路を提供する場合には、通常は、デジタルワイヤレス伝送路上のL2 RLC(Radio Link Control)でARQ(Automatic Repeat reQuest)を実施することにより、受信に失敗したデータを再送させるようにしている。
しかしながら、ARQを実施すると、無線状況が悪化して伝送が滞った場合には、ARQによる再送が繰り返し行なわれることになるため、後続データが滞ってゆくことになる。このため、伝送不能期間が長期になる場合には、後続データが送信機側のデータキューに溜まって、著しく遅延して伝達されたり、あるいは、送信機に無限の容量を持つメモリを実装することは不可能であることから、任意に設けられるパケット廃棄基準に従って廃棄されたりすることになる。
一方、インターネットアプリケーションは、一般にそれぞれ個別に、必要とする伝達帯域や許容伝送遅延時間といったサービス品質(QoS: Quality of Service)要求を持っている。TCP/IPプロトコルを用いたアプリケーションでは、TCPレベルでの再送とアプリケーションレベルでの再送とが行われる場合が多い。このようなアプリケーションでは、上位層での再送は秒単位のタイマを用いて行なわれるため、下位層でのパケットロスが秒単位での遅延を引き起こし、スループットにインパクトを与えてしまう問題がある。したがって、データ通信が主たる目的である場合では、ARQによる再送は上位プロトコルによる再送回数を減らす効果があり有効に機能する。
これに対し、VoIPアプリケーションでは、通常、上位層でのデータ再送は行なわれず、遅延によって再生機会を逸したCODECペイロードは、アプリケーションにより廃棄される。したがって、VoIPアプリケーションでは、遅延したデータの伝達確実性確保のために、後続するデータの到着遅延を発生させるよりも、許容を超えて遅延するパケットは積極的に廃棄し、後続するデータが実時間で到着する可能性を向上させる方が、主観的画質もしくは音声品質の維持には有効となる場合がある。このように、限度を超えて遅延するパケットについては再送を抑制すれば、VoIPアプリケーションに適した伝送路を提供することが可能となる。
このように、同じIPに基づくアプリケーションでも、求めるQoS要求は大きく異なることになる。このような異なるQoSに同時に応える伝送経路を提供する方法として、IntServe(Integrated Service)型QoS制御がある。IntServe型QoS制御方式は、明示的にネットワークリソースを管理することにより、特定のユーザパケットの流れ(パケットフロー)にQoSを提供し、リアルタイムアプリケーションで要求されるエンドツーエンドQoSを提供する手段となる。
一般に、IntServe型QoS制御は「リソースリザベーション(resource reservation)」と呼ばれる帯域予約のメカニズムと、「アドミッション制御(admission control)」と呼ばれる動的なフロー管理メカニズムとによって実現するが、ワイヤレス伝送経路の場合には、リソースリザベーションにより無線上のチャネルを複数確保して異なるQoS制御を行うように制御し、上位プロトコルの性質に応じてパケット毎に、伝送に用いるパケットフローを選択する手法が用いられる場合がある。つまり、アドミッション制御の煩雑な処理は簡略化して、物理的なチャネルによる帯域分配を行う。このような規格にX.S0011-004-D "cdma2000 Wireless IP Network Standard: Quality of Service and Header Reduction" (3GPP2)等がある。
X.S0011-004-D におけるQoS制御手法の基本的な考え方は、一つのPPPセッション上に形成されるフローを、複数のサービスインスタンスで構成することにある。サービスインスタンスとは、データ伝送を担う概念的な主体を指し、各ノード間での実装は任意に決定される。X.S0011-004-Dでは、PDSN−PCF間でのサービスインスタンスをA10コネクションにより実装する旨、定めている。
X.S0011-004-Dを用いて複数のサービスインスタンスを確立させ、サービスインスタンス毎に異なるQoSを与えることで、きめ細かいQoS制御を実現させることができる。X.S0011-004-D でのQoS制御では、メインサービスインスタンスは、一つのPPP(Point to Point Protocol)セッションにつき一つだけ存在し、他のサービスインスタンスを通らない全てのパケットがここを流れる。
MS(Mobile Station: X.S0011-004-Dにおける移動機)は、X.S0011-004-D のQoS制御手法が規定するRSVP (Resource reSerVation Protocol)プロトコルによりPDSN (Packet Data Serving Node)とネゴシエーションを行い、補助サービスインスタンスを確立させる。補助サービスインスタンスには、RSVPプロトコルによってネゴシエーションされたパケット種別選択方法・伝送方法が適用される。X.S0011-004-DにおけるRSVPは、RFCで規定されている同名のプロトコルに比べて、ノード間のQoSネゴシエーションに特化したものと位置づけることができる。
パケット種別選択方法としては、特定のRTPセッションを識別することが目的となる場合が多いが、IPパケットに含まれる、IPアドレスやUDPポート番号、RTPペイロードタイプ、各種のRTPセッションで固有の固定値等で識別できる。
このようにして識別した特定RTPセッションパケットは、補助サービスインスタンスに、その他のパケットは、メインインスタンスに流すよう制御を行うことにより、特定のRTPセッションにのみ異なるQoS制御を行うことができる。なお、各サービスインスタンスに関してQoS制御パラメータを指定する技術に関しては、例えば下記の特許文献1および特許文献2に開示されている。
また、近年では、ワイヤレス伝送路の帯域増加によって、ワイヤレス伝送路を用いての動画像の伝送も可能となってきている。この場合に使用可能な画像コーディックとしては、例えばH.264があり、これにより高圧縮が可能であるとともに、パケットの欠落にも耐えることが可能となる。
特表2005−529554号公報 特開平9−247190号公報
ところが、画像コーディックが生成するパケットには、例えばH.264の場合、Iピクチャフレーム、Pピクチャフレーム、Bピクチャフレーム等あり、それぞれサイズが異なるとともに、パケットが伝送路上で欠けた場合における受信側再生画像の主観的評価も異なる。
Iピクチャフレームは、サイズが大きく、またパケット伝送路上で欠落した場合には、GOP(Group Of Picture)時間分画像の再生が滞ることになる。このため、特にワイヤレス伝送路の場合には、帯域が制限されているため、パケット伝送が滞った場合には積極的にパケットを廃棄したいが、Iピクチャフレームに関しては、できるだけ廃棄しない方が良い。
逆に、BピクチャフレームやPピクチャフレームは、サイズが小さく、伝送路上でパケットが廃棄されても、受信側における主観的な評価は、Iピクチャフレームが欠落した場合よりは落ちないので、ワイヤレス伝送路上でパケット伝送が滞った場合には、Iピクチャフレームが廃棄されるよりも、BピクチャフレームやPピクチャフレームを積極的に廃棄するのが望ましい。
一方、補助サービスインスタンスにROHC (Robust Header Compression : RFC 3095 IETF) の圧縮を施せば、大幅な伝送効率の向上が望めるが、Iピクチャフレームは、サイズが大きいために、ROHC圧縮においてフラグメントの対象になってしまうことが多く、これによりROHCの圧縮率が低下し、伝送効率が低下することが懸念される。これを防止するには、フラグメントが発生するようなサイズの大きなパケットは、補助サービスインスタンスに透過させなければ良いが、Iピクチャフレームであるか、他のフレームのピクチャフレームであるかを判断するには、パケットの内部構成に熟知する必要があるとともに、パケットの解析が必要であるため、比較的多くのCPUリソースを消費することになる。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、QoS品質の異なる複数のセッションを用いてパケットを伝送するに際して、CPUリソースの消費を抑えて、パケットを効率よく伝送できる通信方法および通信装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る通信方法の発明は、伝送すべきパケットを、第1セッションでは圧縮せずに伝送し、第2セッションでは圧縮して伝送する通信方法において、
前記パケットが、前記第1セッションでの伝送対象パケットか、前記第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するパケット種別判別ステップと、
前記パケット種別判別ステップで前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査するパケットサイズ検査ステップと、
を含み、前記パケット種別判別ステップで前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットであっても、前記パケットサイズ検査ステップでパケットサイズが前記所定の閾値を超えるパケットは、前記第1セッションで圧縮せずに伝送することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の通信方法において、
前記第2セッションでのパケット圧縮はROHC(Robust Header Compression)により行い、
前記パケットサイズ検査ステップで用いる前記所定の閾値は、前記ROHCにおいてパケットが分割されて圧縮されるパケットサイズに基づいて設定することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の通信方法において、
前記第2セッションでのパケット圧縮はROHC(Robust Header Compression)により行い、
前記パケットサイズ検査ステップで用いる前記所定の閾値は、前記ROHCに期待する圧縮率に基づいて設定することを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信方法において、
前記第2セッションでの伝送対象パケットは、Iピクチャフレームを含むことを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項5に係る通信装置の発明は、伝送すべきパケットを、第1セッションでは圧縮せずに伝送し、第2セッションでは圧縮して伝送する通信装置において、
前記パケットが、前記第1セッションでの伝送対象パケットか、前記第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するパケット種別判別手段と、
前記パケット種別判別手段で前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査するパケットサイズ検査手段と、
前記パケットサイズ検査ステップでパケットサイズが前記所定の閾値を超えるパケットは、前記第1セッションで圧縮せずに伝送するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とするものである。
本発明では、単に、第1セッションでの伝送対象パケットか第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するとともに、第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットに対しては、そのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査することで、第2セッションでの圧縮対象パケットと判別されたパケットであっても、そのパケットサイズが所定の閾値を超えるパケットは、第1セッションで圧縮せずに伝送するようにしたので、CPUリソースの消費を抑えて、第2セッションにおける圧縮効率を向上できるとともに、第2セッションに流れるデータ量を抑えて、データの流れをスムースにでき、結果として、第1セッションおよび第2セッションに流れるデータ量を平坦化して、パケットを効率よく伝送することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る通信方法を実施する通信システムの一例の概略構成を示すものである。ここでは、無線通信システムに適用した場合を示しており、本発明に係る通信装置である無線通信端末1は、無線基地局2との間にTDMA/TDDによるデジタルワイヤレスリンクを形成し、無線基地局2を介してPPPパケットを、本発明に係る通信装置であるPDSN3まで伝達する。無線基地局2は、無線通信端末1との間にデジタルワイヤレスリンクを形成するととともに、PDSN3との間でA11シグナリングプロトコルを用いてA10コネクションを形成して、無線通信端末1とPDSN3との間のPPPパケットを仲介する。
PDSN3は、PPPサーバとしての機能を有し、無線通信端末1からのPPP接続要求を受け付けるとともに、グローバルIPアドレスを無線通信端末1に割り振る。無線通信端末1は、PDSN3から割り振られたグローバルIPアドレスを用いて、インターネット4上に存在する任意のIPアドレスのインターネット機器と通信を行う。ここでは、無線通信端末1は、SIP(Session Initiation Protocol : RFC 3261 IETF)クライアント機能を有し、SIPプロトコルを用いてSIPサーバ5および対向のTV電話機6と通信を行うものとする。
図2は、図1に示した本発明に係る無線通信端末1の一例の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。この無線通信端末1は、携帯テレビ電話としての機能を有するもので、アンテナ11、無線通信部12、制御部13、H.264CODEC(画像コーディック)14、カメラ部15、表示部16、キーパッドを有する入力部17を備えている。
制御部13は、パケット種別判別手段を構成するIPプロトコルスタック管理部21およびRTP/UDP/IPパケット管理部22を有するとともに、無線通信部12で受信した無線基地局2からの受信パケットを処理する機能として、受信パケットバッファ23、PPPパケットヘッダ除去部24、フロー判定部25およびROHC展開部26を有している。また、無線通信部12から無線基地局2への送信パケットを処理する機能として、パケットサイズ検査部30を有するとともに、メインサービスインスタンス(第1セッション)に対応付けられたPPPパケット構築部31および送信バッファ32と、補助サービスインスタンス(第2セッション)に対応付けられたROHC圧縮部33、PPPパケット構築部34および送信バッファ35とを有している。さらに、IPプロトコルスタック管理部21に接続して、PPPクライアント部36、RSVPクライアント部37、SIPプロトコル管理部38が設けられている。
この無線通信端末1では、図1において、例えば無線通信端末1からの呼接続要求がSIPサーバ5の回線交換により、TV電話機6とTV電話用のRTPセッションが確立されると、無線通信端末1に備えられたカメラ部15および表示部16を用いて、TV電話機6とのTV電話が可能となる。以下、音声通話に関しては、従来の構成と同様であるので、その詳細な構成および説明は省略して、画像データの通信処理について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
カメラ部15からの画像データは、H.264CODEC14でデジタルデータに変換して制御部13に供給する。制御部13では、H.264CODEC14で画像コーディック変換されたPPPoEパケットからPPPパケットを抽出して(ステップS1)、ROHC圧縮に適合するパケットか否かを判定し(ステップS2)、適合する場合には、補助サービスインスタンスに対応するパケットとして、RTP/UDP/IPパケット管理部22を経てパケットサイズ検査部30に供給して、パケットサイズが所定の閾値未満か否かを検査する(ステップS3)。
ここで、パケットサイズが閾値未満の場合には、PPPのプロトコル種別をROHCに変更して(ステップS4)、補助サービスインスタンスにおいて、ROHC圧縮部33で圧縮処理し(ステップS5)、その後、PPPパケット構築部34を経て対応する送信バッファ35に一旦格納して(ステップS6)、無線通信部12による送信処理に移行し(ステップS7)、これによりPPPパケット形式でアンテナ11からデジタルワイヤレスリンクを用いて送信する。
これに対し、ステップS2でROHC圧縮に適合しないと判定されたパケットは、IPプロトコルスタック管理部21から、メインサービスインスタンスにおいてPPPのプロトコル種別はIPのまま変更することなく(ステップS8)、PPPパケット構築部31を経て対応する送信バッファ32に一旦格納して(ステップS6)、無線通信部12による送信処理に移行し(ステップS7)、PPPパケット形式でアンテナ11からデジタルワイヤレスリンクを用いて送信する。
また、ステップS2でROHC圧縮に適合するパケットと判定されても、ステップS3でパケットサイズ検査部30によりパケットサイズが閾値以上と判定された場合には、再度、メインサービスインスタンスに振り分けて、同様にして、PPPのプロトコル種別はIPのまま変更することなく(ステップS8)、PPPパケット構築部31を経て対応する送信バッファ32に一旦格納して(ステップS6)、無線通信部12による送信処理に移行する(ステップS7)。
ここで、ステップS3でパケットサイズの検査に用いる閾値は、例えば、ROHC圧縮においてフラグメントが発生するサイズを基準にして設定することができる。すなわち、ROHC圧縮では、大きなパケットを圧縮する際、大き過ぎるパケットは複数のROHCパケットに分割してそれぞれを圧縮するが、分割パケット毎に圧縮ヘッダを付与する必要があるため、圧縮効率が低下することが懸念される。このため、あまりにも大きなパケットは、ROHC圧縮を行う必然性がなくなるので、フラグメントが発生するサイズを基準に閾値を設定すれば、ROHCの圧縮効率を高めることが可能となる。
また、このパケットサイズの閾値は、ROHC圧縮に期待する圧縮率を基準に設定することもできる。すなわち、ROHC圧縮では、一般に、RTP/UDP/IPヘッダの合計40バイトを1〜数バイトに圧縮している。これは、例えばペイロードサイズが20バイト程度で有る場合は、パケット全体として70%程度の圧縮率となり非常に有用である。しかしながら、ペイロードサイズが1000バイト程度で有る場合は、4%程度の圧縮率となり、誤差の範疇となる。このため、あまりにも大きなペイロードサイズの場合は、ROHC圧縮を行う必要性が少ないので、ROHC圧縮に期待する圧縮率を基準に閾値を設定することで、効率よく圧縮することが可能となる。
あるいは、RTPペイロードタイプが既知で有る場合は、コーディックが生成するパケット種別のサイズ差に基づいて、パケットサイズ閾値を設定することもできる。例えば、H.264画像コーディックの場合、画像サイズにもよるが、Iピクチャフレームパケットは2000バイト弱のサイズとなるのに対して、BピクチャフレームやPピクチャフレームでは500バイトを超えない場合が多い。したがって、例えば、A10、GRE等の各ヘッダサイズから導かれる全パケットサイズが、MTU(Maximum Transmission Unit)値を超えないようなペイロードサイズ(例えば、1400バイト程度)を、パケットサイズの判定閾値として用いれば、Iピクチャフレームとその他のピクチャフレームとを切り分けることが可能となる。
このように、ROHC圧縮に対応するパケットとして補助サービスインスタンスに割り振られたパケットであっても、そのパケットサイズが閾値以上の比較的大きなパケットは、再度メインサービスインスタンスに振り分けて透過させることにより、補助サービスインスタンスでのROHCの圧縮効率を向上できるとともに、補助サービスインスタンスに流れるデータ量を抑えることができ、補助サービスインスタンスにおけるデータの流れをスムースにできる。また、結果として、メインサービスインスタンスおよび補助サービスインスタンスに流れるデータ量を平坦化させることができるので、無線リソースを効果的に用いることも可能となる。
また、H.264画像コーディックにおいては、Iピクチャフレームの発生頻度がGOPの時間に依存して少ない(通常GOP当りIピクチャフレームの数は1)のに対して、BピクチャフレームやPピクチャフレームは動きを示す画像情報であることから、非常に多い特徴を持っている。このため、Iピクチャフレームが欠落すると、次のGOPにおけるIピクチャフレームを受信するまで、画像の再生が行えないため、IピクチャフレームはBピクチャフレームやPピクチャフレームに比べて欠落させたくない要求がある。本実施の形態によれば、このようなニーズにも応えることができ、特に、無線状況が悪化しつつある環境において、無線悪化に対する動画像の主観的画質を向上させることができる。つまり、同じ電波出力であれば、無線通信端末1からより遠くはなれている無線基地局2に対して動画像を運搬するデジタルワイヤレス伝送路を提供することができる。
一方、図2において、無線基地局2からPPPパケット形式で送信されたパケットは、アンテナ11を経て無線通信部12で受信して制御部13に供給する。制御部13では、受信パケットを受信パケットバッファ23に一旦蓄積して、PPPパケットヘッダ除去部24を経てフロー判定部25に供給する。フロー判定部25は、デジタルワイヤレスチャネルに対応付けされたサービスインスタンスの種別に応じて、受信パケットをROHC展開部26またはIPプロトコルスタック管理部21に振り分けるもので、補助サービスインスタンスの受信パケットはROHC展開部26に、メインサービスインスタンスの受信パケットはIPプロトコルスタック管理部21に、それぞれ振り分ける。ROHC展開部26では、供給されたIPパケットを展開してRTP/UDP/IPパケット管理部22を経てH.264CODEC14に供給し、ここで画像データに変換して表示部16に表示する。
図4は、図1に示した無線基地局2の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。無線基地局2は、無線通信端末1との間にワイヤレスデジタルチャネルを確立して無線通信端末とのインターフェースを実現するアンテナ41および無線通信部42と、PDSN3とのインターフェースを実現するA10/GRE通信部43と、無線通信部42およびA10/GRE通信部43の間でのパケットの中継を制御する制御部44とを有している。
また、制御部44は、無線通信部42で受信した無線通信端末1からの受信パケットをA10/GRE通信部44に中継する機能として、受信パケットバッファ45と、フロー判定部46と、メインサービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部47および送信バッファ48と、補助サービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部49および送信バッファ50とを有しており、A10/GRE通信部44で受信したPDSN3からの受信パケットを無線通信部42に中継する機能として、フロー判定部51と、メインサービスインスタンスに対応付けられたPPPパケット構築部52および送信バッファ53と、補助サービスインスタンスに対応付けられたPPPパケット構築部54および送信バッファ55とを有している。
図4において、A10/GRE通信部43で受信したPDSN3からの受信パケットは、フロー判定部51に送り、ここでA10コネクションに対応付けされたサービスインスタンス種別に従って、メインサービスインスタンスの受信パケットの場合には、PPPパケット構築部52を経て送信バッファ53に、補助サービスインスタンスの受信パケットの場合には、PPPパケット構築部54を経て送信バッファ55に振り分ける。
また、無線通信部42で受信されて受信パケットバッファ45に格納された無線通信端末1からの受信パケットは、フロー判定部46に送り、ここでデジタルワイヤレスチャネルに対応付けされたサービスインスタンス種別に従って、メインサービスインスタンスの受信パケットの場合には、A10/GREパケット構築部47を経て送信バッファ48に、補助サービスインスタンスの受信パケットの場合には、A10/GREパケット構築部49を経て送信バッファ50に振り分ける。
無線通信端末1、無線基地局2およびPDSN3は、X.S0011-004-Dに対応しており、一つのPPPセッションを複数のサービスインスタンスで構成することができる。無線基地局2とPDSN3との間のサービスインスタンスは、GRE(Generic Routing Encapsulation RFC 2784)プロトコル上のA10コネクションで実現されており、このA10コネクションを一つのPPPセッションで複数確立させることで、複数のサービスインスタンスとして実現する。
無線基地局2は、無線通信端末1からのワイヤレス接続要求により、TDMA/TDDによるデジタルワイヤレスチャネルを確立する。このTDMA/TDDのフレーム構成の一例を図5に示す。
図5に示すフレーム構成では、1フレームが5msecとなっており、無線通信端末1の送信フレームであるアップリンクフレームおよび無線基地局2の送信フレームであるダウンリンクフレームは、それぞれスロット0〜スロット2の3スロットを有している。アップリンクの1スロットは545μsec、ダウンリンクの1スロットは1090μsecとなっている。また、アップリンクフレームとダウンリンクフレームとの間には、10μsecのガードタイムが設けられており、ダウンリンクフレームと次のフレームのアップリンクフレームとの間には、85μsecのガードタイムが設けられている。
このフレーム構成では、アップリンクおよびダウンリンクともに3スロットを有しているので、それぞれを異なるデジタルワイヤレスチャンネルとして用いることにより、同時に3つのサービスインスタンスを確立することができる。
無線基地局2は、無線通信端末1との間にデジタルワイヤレスチャネルを確立させた場合、デジタルワイヤレスチャネルを、A11シグナリングプロトコルを用いてPDSN3と無線基地局2との間に形成されるA10コネクションに関連づけする。無線基地局2は無線通信端末1からTDMA/TDD時分割多重数分のデジタルワイヤレス接続要求を受け付けて確立させる制御を行う。
無線通信端末1は、送信するべきデータがある場合には、無線基地局2との間に一つのデジタルワイヤレスチャネルを確立させる。無線基地局2は、無線通信端末1との間にデジタルワイヤレスチャネルが確立すると、A11シグナリングプロトコルを用いて、PDSN3との間にA10コネクションを確立させ、無線通信端末1との間に確立したデジタルワイヤレスチャネルと関連付けする。このようにして無線通信端末1−無線基地局2−PDSN3との間に、サービスインスタンスが確立する。
無線通信端末1、無線基地局2およびPDSN3は、無線通信端末1が未だサービスインスタンスを確立していない状態でサービスインスタンスを確立させた場合には、これをメインサービスインスタンスとして認識して、無線通信端末1はPDSN3との間でPPP確立のための情報交換を行い、グローバルIPアドレスを取得する。
これに対し、既にメインサービスインスタンスを確立している状態から、追加のサービスインスタンスを確立した場合は、無線通信端末1、無線基地局2およびPDSN3は、当該サービスインスタンスを補助サービスインスタンスであると認識して、無線通信端末1はPDSN3との間でのPPP確立のための情報交換およびグローバルIPアドレスの取得は行わない。
図6は、図1に示したPDSN3の一例の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。PDSN3は、無線基地局2とのインターフェースを実現するA10/GRE通信部61と、リンクレイヤおよびフィジカルレイヤレベルでのインターネット接続インターフェースを実現するLL/PL送受信部62と、A10/GRE通信部61およびLL/PL送受信部62の間でのパケットの中継を制御する制御部63とを有している。
また、制御部63は、A10/GRE通信部61で受信した無線基地局2からの受信パケットをLL/PL送受信部62に中継する機能として、受信パケットバッファ65と、フロー判定部66と、自分(PDSN)向けのパケットを受けるIPプロトコルスタック管理部67と、メインサービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部68と、補助サービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部69およびROHC展開部70と、A10/GREパケット構築部68やROHC展開部70を経たパケットをLL/PL送受信部62に送信するための送信バッファ71とを有している。なお、IPプロトコルスタック管理部67には、RSVPサーバ72およびPPPサーバ73が接続されている。
また、制御部63は、インターネット4を介してLL/PL送受信部62で受信したTV電話機6からの受信パケットを、A10/GRE通信部61に中継する機能として、受信パケットバッファ81と、パケット種別判別手段を構成するパケットフィルタ部82と、パケットサイズ検査部83と、補助サービスインスタンスに対応付けされたROHC圧縮部84、A10/GREパケット構築部85および送信バッファ86と、メインサービスインスタンスに対応付けされたA10/GREパケット構築部87および送信バッファ88とを有している。
以下、インターネット4を介してLL/PL送受信部62で受信したTV電話機6からのパケットを、無線基地局2に中継する場合の動作について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
LL/PL送受信部62で受信したTV電話機6からの受信パケットは、受信パケットバッファ81に一時格納された後、パケットフィルタ部82により、RSVPサーバ72で無線通信端末1とネゴシエーションされた基準に従って、ROHC圧縮に適合するパケットか否かを判定し(ステップS11)、適合する場合には、補助サービスインスタンスに対応するパケットとして、パケットサイズ検査部83に供給して、パケットサイズが閾値未満か否かを検査する(ステップS12)。なお、このパケットサイズの閾値は、図2および図3において説明した無線通信端末1のパケットサイズ検査部30におけるパケットサイズ閾値と同様に設定する。
ここで、パケットサイズが閾値未満の場合には、PPPのプロトコル種別をROHCに変更して(ステップS13)、補助サービスインスタンスにおいて、ROHC圧縮部84で圧縮処理し(ステップS14)、さらに、プロトコル種別としてROHCのPPPヘッダを追加する(ステップS15)。その後、A10/GREパケット構築部85においてGRE/IPヘッダをカプセル化し(ステップS16)、対応する送信バッファ86に一旦格納して(ステップS17)、A10/GRE通信部61による送信処理に移行し(ステップS18)、これにより無線基地局2に送信する。
これに対し、ステップS11でROHC圧縮に適合しないと判定されたパケットは、メインサービスインスタンスに対応するパケットとして、プロトコル種別としてIPのPPPヘッダを追加して(ステップS19)、メインサービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部87においてGRE/IPヘッダをカプセル化し(ステップS16)、対応する送信バッファ88に一旦格納して(ステップS17)、A10/GRE通信部61による送信処理に移行する(ステップS18)。
また、ステップS11でROHC圧縮に適合するパケットとして補助サービスインスタンスに振り分けられたパケットであっても、ステップS12において、パケットサイズが閾値以上と判定された場合には、プロトコル種別としてIPのPPPヘッダを追加して(ステップS19)、再度メインサービスインスタンスに振り分け、同様にして、メインサービスインスタンスに対応付けられたA10/GREパケット構築部87においてGRE/IPヘッダをカプセル化し(ステップS16)、対応する送信バッファ88に一旦格納して(ステップS17)、A10/GRE通信部61による送信処理に移行する(ステップS18)。
このように、パケットフィルタ部82によりROHC圧縮に対応するパケットとして補助サービスインスタンスに振り分けられたパケットであっても、そのパケットサイズが閾値以上の比較的大きなパケットは、再度メインサービスインスタンスに振り分けて透過させることにより、補助サービスインスタンスでのROHCの圧縮効率を向上できるとともに、補助サービスインスタンスに流れるデータ量を抑えることができ、補助サービスインスタンスにおけるデータの流れをスムースにできる。
一方、無線基地局2からのパケットを、インターネット4を介してTV電話機6に中継する場合には、A10/GRE通信部61で受信した無線基地局2からの受信パケットを、受信パケットバッファ65に一時的に格納する。この受信パケットのうち、メインサービスインスタンスに含まれるパケットには、無線通信端末1からPDSN3向けの、例えばPPPやRSVPといったパケットが存在するので、フロー判定部66により、自分(PDSN)向けのパケットはIPプロトコルスタック管理部67に送信する。また、メインサービスインスタンスを通る自分宛以外のパケットは、A10/GREパケット構築部68でヘッダを除去した後、送信バッファ71を経てLL/PL送受信部62に送信し、補助サービスインスタンスに含まれるパケットは、A10/GREパケット構築部69でヘッダを除去し、さらにROHC展開部70でROHC展開してIPパケットに復元した後、送信バッファ71を経てLL/PL送受信部62に送信する。
図8は、図1に示した無線通信システムにおけるX.S0011-004-Dを用いたデジタルワイヤレスシステムでのサービスインスタンスフローの概略図である。無線通信端末1は、電源投入後、無線基地局2のエリアに存在する場合は、メインサービスインスタンスを確立する。また、無線通信端末1は、TV電話を開始する際、PDSN3との間でX.S0011-004-Dで規定されるRSVPプロトコルを用いて補助サービスインスタンスにおけるパケット種別選択方法・伝送方法のネゴシエーションを行う。
ここで、パケット種別選択方法に関しては、SIPプロトコルによりネゴシエーションした対向TV電話機6のIPアドレスや使用するUDPポート番号、RTPペイロードがH.264であることがネゴシエーションされる。また、伝送方式に関しては、当該補助サービスインスタンスにて、RFC3095で規定されるROHCを適用することがネゴシエーションされる。なお、図6において、無線通信端末1には、パケット廃棄処理部35が設けられており、無線基地局2にも、パケット廃棄処理部56が設けられており、TV電話機6には、H.264CODEC91が設けられている。
図9は、図1において無線通信端末1がTV電話機6と補助サービスインスタンスを用いて通信する際のプロトコルスタックの変遷を示すものである。無線通信端末1は、H.264CODEC14が生成したデジタル画像データを、PPPパケット上のRTP/UDP/IPパケットにROHC圧縮を施して、補助サービスインスタンスに対応するデジタルワイヤレスチャネルを用いて無線基地局2に送信する。
無線基地局2は、無線通信端末1から補助サービスインスタンスに対応するデジタルワイヤレスチャネルに送信されたデータを受信し、その受信データを、補助サービスインスタンスに対応するA10コネクションに対して送信する。PDSN3は、無線基地局2との間の補助サービスインスタンスに対応するA10コネクションからデータを受信して、ROHC展開を行った後、当該データをインターネット4にルーティングする。
PDSN3は、無線通信端末1との間でのネゴシエーションしたパケット種別に合致するH.264 RTP/UDP/IPパケットをインターネット4から受信すると、RTP/UDP/IPパケットにROHC圧縮を施した後、PPPパケットに再構築し、補助サービスインスタンスに対応するA10コネクションを用いて無線基地局2にルーティングする。
無線基地局2は、補助サービスインスタンスに対応するA10コネクションからのデータを補助サービスインスタンスに対応するデジタルワイヤレスチャネルを用いて無線通信端末1に対して送信する。無線通信端末1は、補助サービスインスタンスに対応するデジタルワイヤレスチャネルからデータを受信すると、ROHC展開を行った後、H.264ペイロードを取り出して、H.264CODEC14に送信する。
以上、補助サービスインスタンスに流れるデータについて説明したが、メインサービスインスタンスには、補助サービスインスタンスに流れない全てのデータを流すことになる。この際、メインサービスインスタンスには、ROHC圧縮は施さない。
図10は、図1において無線通信端末1がSIPサーバ4とメインサービスインスタンスを用いて通信する際のプロトコルスタックの変遷を示すものである。図10から明らかなように、メインサービスインスタンスでは、ROHC圧縮処理は実施されず、PPPより上位層で特別な処理は行わない。
図9に示したように、ROHC圧縮は、PPP層より上位層によるQoSの一環として機能し、補助サービスインスタンスのQoS制御となるが、無線基地局2と無線通信端末1との間でのデジタルワイヤレスチャネルでも、メインサービスインスタンスと補助サービスインスタンスの間でQoS制御が行われる。以下、デジタルワイヤレスチャネル上のQoSについて説明する。
無線通信端末1から無線基地局2に送信されるデータや、無線基地局2から無線通信端末1に送信されるデータは、無線状況の悪化により伝達が滞る場合がある。このような場合、送信データは、送信側の送信バッファに蓄えられ、無線状況が改善し送信可能になるのを待つことになる。しかし、無線状況が改善されない場合もあり、その場合は、後続のデータにより送信バッファが溢れることになるため、より古いデータは廃棄される。
補助サービスインスタンスに流通するパケットは、H.264画像データをRTPペイロードとするRTP/UDP/IPパケットであるので、再送により到着の信頼性を上げるより、パケット廃棄してでも到着の実時間性を確保した方が主観的画像品質は良いといえる。したがって、補助サービスインスタンスでは、送信バッファのサイズを小さくし、3秒程度以上過去のパケットが積極的に廃棄されるよう制御を行う。逆に、メインサービスインスタンスでは、用途が限定されておらず、SIPプロトコル等のTV電話を維持するための重要なデータが流通することも鑑みて、比較的大きな送信バッファを用意して、パケットの廃棄ができるだけ発生しないように制御する。
このように、メインサービスインスタンスと補助サービスインスタンスとで送信バッファのサイズに差を持たせることにより、メインサービスインスタンスには、パケット欠落を回避しデータの到着信頼性を上げるQoSが与えられ、補助サービスインスタンスには、データの実時間到着の確度を上げるQoSが与えられることになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、フラグメントの対象になるパケットをメインサービスインスタンスに透過させるようにしたので、補助サービスインスタンスでのROHCのフラグメントを回避でき、伝送効率をあげることができる。したがって、H.264画像データについては、Iピクチャフレームは、メインサービスインスタンスにてベストエフォードQoSを適用して透過することができ、伝送路による欠落を抑えることができる。なお、この場合、受信側では、フレームパケットのリオーダリングが機能するので多少のパケット到着順位の逆転はそれほど問題にならない。また、メインサービスインスタンスにIピクチャフレームが支配的に流れるようになるので、サービスインスタンス間の平坦化が行え、良好な受信画像を得ることができる。しかも、単にパケットサイズのみで、サービスインスタンスの種別を判定できるので、パケット種別等の判別といった比較的CPUリソースを消費する処理を行わなくて済む。したがって、PDSNのように比較的多数のコネクションを制御するノードにも有効に実装することができる。
なお、本発明は、上述した無線通信に限らず、有線通信および有線通信に用いる通信装置にも有効に適用することができる。
本発明に係る通信方法を実施する無線通信システムの一例の概略構成を示す図である。 図1に示した無線通信端末の一例の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。 図2に示した無線通信端末の要部の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示した無線基地局の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した無線通信端末と無線基地局との間のTDMA/TDD通信によるフレーム構成の一例を示す図である。 図1に示したPDSNの一例の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。 図6に示したPDSNの要部の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示した無線通信システムにおけるX.S0011-004-Dを用いたデジタルワイヤレスシステムでのサービスインスタンスフローの概略図である。 図1において、無線通信端末がTV電話機と補助サービスインスタンスを用いて通信する際のプロトコルスタックの変遷を示す図である。 図1において無線通信端末がSIPサーバとメインサービスインスタンスを用いて通信する際のプロトコルスタックの変遷を示す図である。
符号の説明
1 無線通信端末
2 無線基地局
3 PDSN
4 インターネット
5 SIPサーバ
6 TV電話機
11 アンテナ
12 無線通信部
13 制御部
14 H.264CODEC
15 カメラ部
16 表示部
17 入力部
21 IPプロトコルスタック管理部
22 RTP/UDP/IPパケット管理部
23 受信パケットバッファ
24 PPPパケットヘッダ除去部
25 フロー判定部
26 ROHC展開部
30 パケットサイズ検査部
31,34 PPPパケット構築部
32,35 送信バッファ
33 ROHC圧縮部
36 PPPクライアント部
37 RSVPクライアント部
38 SIPプロトコル管理部
61 A10/GRE通信部
62 LL/PL送受信部
63 制御部
65 受信パケットバッファ
66 フロー判定部
67 IPプロトコルスタック管理部
68,69 A10/GREパケット構築部
70 ROHC展開部
71 送信バッファ
72 RSVPサーバ
73 PPPサーバ
81 受信パケットバッファ
82 パケットフィルタ部
83 パケットサイズ検査部
84 ROHC圧縮部
85,87 A10/GREパケット構築部
86,88 送信バッファ

Claims (5)

  1. 伝送すべきパケットを、第1セッションでは圧縮せずに伝送し、第2セッションでは圧縮して伝送する通信方法において、
    前記パケットが、前記第1セッションでの伝送対象パケットか、前記第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するパケット種別判別ステップと、
    前記パケット種別判別ステップで前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査するパケットサイズ検査ステップと、
    を含み、前記パケット種別判別ステップで前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットであっても、前記パケットサイズ検査ステップでパケットサイズが前記所定の閾値を超えるパケットは、前記第1セッションで圧縮せずに伝送することを特徴とする通信方法。
  2. 前記第2セッションでのパケット圧縮はROHC(Robust Header Compression)により行い、
    前記パケットサイズ検査ステップで用いる前記所定の閾値は、前記ROHCにおいてパケットが分割されて圧縮されるパケットサイズに基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
  3. 前記第2セッションでのパケット圧縮はROHC(Robust Header Compression)により行い、
    前記パケットサイズ検査ステップで用いる前記所定の閾値は、前記ROHCに期待する圧縮率に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
  4. 前記第2セッションでの伝送対象パケットは、Iピクチャフレームを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信方法。
  5. 伝送すべきパケットを、第1セッションでは圧縮せずに伝送し、第2セッションでは圧縮して伝送する通信装置において、
    前記パケットが、前記第1セッションでの伝送対象パケットか、前記第2セッションでの伝送対象パケットかを判別するパケット種別判別手段と、
    前記パケット種別判別手段で前記第2セッションでの伝送対象パケットと判別されたパケットのパケットサイズが所定の閾値を超えるか否かを検査するパケットサイズ検査手段と、
    前記パケットサイズ検査ステップでパケットサイズが前記所定の閾値を超えるパケットは、前記第1セッションで圧縮せずに伝送するように制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
JP2007016726A 2007-01-26 2007-01-26 通信方法および通信装置 Expired - Fee Related JP4744457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007016726A JP4744457B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 通信方法および通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007016726A JP4744457B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 通信方法および通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008187258A true JP2008187258A (ja) 2008-08-14
JP4744457B2 JP4744457B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=39730031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007016726A Expired - Fee Related JP4744457B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 通信方法および通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4744457B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502873A (ja) * 2009-09-24 2013-01-24 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 広帯域無線通信システムでマルチホップ中継通信のための装置及び方法
JPWO2011114817A1 (ja) * 2010-03-18 2013-06-27 日本電気株式会社 発熱が小さい、テレビ電話機能を持つ携帯電話機
JP2017092869A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 株式会社Pfu 映像処理装置、映像処理システム、および、映像処理方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004280407A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Canon Inc 情報転送装置
JP2006237940A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Kyocera Corp パケット通信装置、パケット通信システム、パケット通信方法、及びパケット通信プログラム
JP2006304198A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Nec Network & Sensor Systems Ltd 画像圧縮装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004280407A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Canon Inc 情報転送装置
JP2006237940A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Kyocera Corp パケット通信装置、パケット通信システム、パケット通信方法、及びパケット通信プログラム
JP2006304198A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Nec Network & Sensor Systems Ltd 画像圧縮装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013502873A (ja) * 2009-09-24 2013-01-24 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 広帯域無線通信システムでマルチホップ中継通信のための装置及び方法
US9253818B2 (en) 2009-09-24 2016-02-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus and method for multi-hop relay communication in broadband wireless communication system
JPWO2011114817A1 (ja) * 2010-03-18 2013-06-27 日本電気株式会社 発熱が小さい、テレビ電話機能を持つ携帯電話機
JP2017092869A (ja) * 2015-11-16 2017-05-25 株式会社Pfu 映像処理装置、映像処理システム、および、映像処理方法
US10263743B2 (en) 2015-11-16 2019-04-16 Pfu Limited Video-processing apparatus, video-processing system, and video-processing method

Also Published As

Publication number Publication date
JP4744457B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100608844B1 (ko) VoIP 서비스를 제공하는 무선통신 시스템
JP4680890B2 (ja) インターネットデータパケットの通信の通信装置及び通信方法
JP4702852B2 (ja) 異なる種類のデータを含むインターネットパケットを通信する無線電気通信装置及び方法
EP2763361B1 (en) Method and system for transmitting IP message, negotiating bandwidth saving capability and saving network bandwidth
US20040242219A1 (en) Wireless communication device and usage band determination method
US11930391B2 (en) Wireless communications apparatus and methods
KR20110036640A (ko) 무선 통신 시스템 및 이동국
EP2159976A1 (en) Relay device and relay method
JP4856251B2 (ja) 無線通信ネットワークにおけるヘッダの抑制
US20100008238A1 (en) Upper node station and packet transmission method
KR100667351B1 (ko) 멀티미디어 데이터 전송 방법, 장치 및 이를 위한프로그램이 기록된 기록매체 및 멀티미디어 데이터 전송제어 방법
JP4744457B2 (ja) 通信方法および通信装置
US8730800B2 (en) Method, apparatus, and system for transporting video streams
WO2005065060A2 (en) Optimized radio bearer configuration for voice over ip
US8160099B2 (en) Radio communication terminal, radio base station, and packet communication method
US10798141B2 (en) Multiplexing data
US8077668B2 (en) Radio communication terminal, radio base station, and packet communication method
JP5134942B2 (ja) 無線通信端末、無線基地局及びパケット通信方法
JP5033603B2 (ja) 無線通信端末、無線基地局及びパケット通信方法
JP5033604B2 (ja) 送信側無線通信装置及びパケット送信方法
Sevenich Multiplexing time-critical data over tactical subnetworks of low bandwidth
EP2182684A1 (en) Packet scheduling method, system and device
KR20060011678A (ko) 보이스 오버 아이피 서비스를 제공하는 이동통신시스템에서 실시간 전송 프로토콜 패킷과 실시간 전송제어 프로토콜 패킷의 구분 전송 방법 및 장치
KR20080094417A (ko) 무선 통신망을 이용한 실시간 멀티미디어 서비스에서 망상황 정보 전송 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080911

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees