JP2008129205A - パルス光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】高非線形ファイバが不要で、光増幅器の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なく、かつ、ペデスタルが少ない増幅された光パルスを発生可能なパルス光源を提供する。
【解決手段】パルス光源は、繰り返し周波数が可変の種パルスを出力する種パルス光源1と、正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFA2と、フィルタ3とを備える。正常分散EDFA2の3次の非線形効果である自己位相変調を用いて種パルスのスペクトルを広げる。スペクトルが広げられた種パルスの中心波長付近にはペデスタルが存在する。このスペクトルが広げられた種パルスの中心波長付近を外した領域をフィルタ3で切り出すことで、ペデスタルの少ない光パルスを発生させる。
【選択図】図1
【解決手段】パルス光源は、繰り返し周波数が可変の種パルスを出力する種パルス光源1と、正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFA2と、フィルタ3とを備える。正常分散EDFA2の3次の非線形効果である自己位相変調を用いて種パルスのスペクトルを広げる。スペクトルが広げられた種パルスの中心波長付近にはペデスタルが存在する。このスペクトルが広げられた種パルスの中心波長付近を外した領域をフィルタ3で切り出すことで、ペデスタルの少ない光パルスを発生させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、パルス光源、特にピークパワーの大きいパルスを必要とする計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野に用いるのに好適なパルス光源に関する。
パルス光源に関する従来技術として、以下のようなものが知られている。
(1)非線形媒質(Nonlinear medium)により自己位相変調(SPM:self phase modulation)で広がったスペクトルをフィルタリングすることにより信号強度を揃える技術(例えば、特許文献1参照)。この技術では、非線形媒質によりSPMで広がったスペクトルをフィルタリングすることにより信号強度を揃えるようにしている。
(2)高非線形ファイバ(HNLF:highly-nonlinear fiber)でSC(supercontinuum)を発生させてフィルタリングすることによりペデスタルを抑制する技術(例えば、非特許文献2参照)。この技術では、高非線形ファイバでスペクトルを広げている。
(3)利得スイッチ光源と、パルス圧縮器と、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)と、高非線形ファイバ(HNLF)と、フィルタとを備えた構成のパルス光源(例えば、非特許文献3参照)。このパルス光源では、種パルス光源としての利得スイッチ光源(半導体レーザを電流で変調して比較的短いパルスを発生する)を使い、このパルスをパルス圧縮器で圧縮して、EDFAで増幅する。この後、この増幅した信号を高非線形ファイバでスペクトルを広げてフィルタリングすることによりペデスタルを抑制している。
(4)高非線形ファイバ(HNLF)のSPMでスペクトルを広げてフィルタリングすることによりペデスタルを抑制する技術(例えば、非特許文献4参照)。
(5)正常分散EDFAを用いてSCを発生させる技術(例えば、非特許文献5参照)。この技術では、広帯域でフラットなスペクトルを目指している。また、正常分散EDFAの非線形・分散・利得の詳細な最適化を行い、シミラリトンを発生させている。また、通常のEDFAのEDF長が数m〜数10mであるのに対し、1kmのEDFを使用している。
P.V. Mamyshev, ECOC1998,475 K. Taira et al.,CLEO2003, CThQ3. A. Oguri et al., CLEO-PR2005, CThC3-P4 K. Igarashi et al., ECOC2005, Mo3.4.2. Y. Ozeki et al., EL, 38, 1642(2002)
P.V. Mamyshev, ECOC1998,475 K. Taira et al.,CLEO2003, CThQ3. A. Oguri et al., CLEO-PR2005, CThC3-P4 K. Igarashi et al., ECOC2005, Mo3.4.2. Y. Ozeki et al., EL, 38, 1642(2002)
ところで、上記非特許文献(1)〜(4)に記載された技術はいずれも、高非線形ファイバ(HNLF)のSPMでスペクトルを広げる方式であり、高非線形ファイバが必要となる。このように高非線形ファイバのSPMによりスペクトルを広帯域化する方式では、非線形媒質によって発生するチャープは非線形であり、ペデスタルの少ない綺麗な光パルスを得るのが難しいという問題があった。
また、上記非特許文献(5)では、正常分散EDFAの自己位相変調(非線形現象)と、利得と、分散とをうまく組み合わせることでシミラリトンを発生させている。このシミラリトンは、線形チャープを持っていて、放物線形状のスペクトルの時間波形を持っている。しかしながら、この非特許文献(5)に記載された技術では、正常分散EDFAの非線形・分散・利得の詳細な最適化が必要となるという問題があった。また、この技術では、種パルス光源が限定されたものになり易いという問題があった。つまり、種パルス光源は、世の中の一般的なものはモードロックレーザがほとんどであり、パルス幅が500〜600フェムト秒程度のかなりピークパワーの高い光源を使わないと、通常のEDFAではなかなかシミラリトンはできないことが経験的にわかっている。このように、種パルス光源がモードロックレーザにほぼ限定されてしまう。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、高非線形ファイバが不要で、光増幅器の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なく、かつ、ペデスタルが少ない増幅された光パルスを発生可能なパルス光源を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るパルス光源は、繰り返し周波数が可変の種パルスを出力する種パルス光源と、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器と、フィルタと、を備え、前記光増幅器の3次の非線形効果を用いて前記種パルスのスペクトルを広げ、前記光増幅器でスペクトルが広げられた種パルスの中心波長を外した領域を前記フィルタで切り出して光パルスを発生させる、ことを要旨とする。
この態様によれば、種パルス光源から出力される種パルスのスペクトルを光増幅器の3次の非線形効果、例えば自己位相変調(SPM)により広げ、スペクトルが広げられた種パルスの中心波長を外した領域をフィルタで切り出して光パルスを発生させるので、ペデスタルの少ない光パルスを発生させることができる。また、種パルスのスペクトルを広げるための高非線形ファイバが不要になる。さらに、光増幅器の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なくなる。従って、高非線形ファイバが不要で、光増幅器の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なく、かつ、ペデスタルが少ない増幅された光パルスを発生可能なパルス光源を得ることができる。なお、フィルタとして、例えばBPF(Band-Pass Filter),LWPF(Long Wave Pass Filter),SWPF(Short Wave Pass Filter)などが使用可能である。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記種パルス光源は、半導体レーザを直接変調する方式のレーザ光源を備えることを要旨とする。
この態様によれば、直接変調タイプだと、繰り返し周波数を大幅に変えられる。モードロックレーザでは、多少は変えられるが、基本的には繰り返し周波数は固定である。繰り返し周波数を大幅に変えられることにより、計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野における適用範囲が広がる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記直接変調する方式のレーザ光源は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源であることを要旨とする。この態様によれば、繰り返し周波数を大幅に変えられる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記種パルス光源は、前記種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバを備えることを要旨とする。この態様によれば、ペデスタルがさらに抑制されたより綺麗な光パルスを発生することができる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記種パルス光源は、前記種パルスを圧縮するパルス圧縮器を備えることを要旨とする。
半導体レーザを直接変調する方式のレーザ光源或いは半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源からの種パルスは、数ps程度の若干太いパルス幅のものしか出せない。この態様によれば、種パルスをパルス圧縮器でもっとパルス幅の小さいパルスにすることができるので、光増幅器でより大きな3次の非線形効果(自己位相変調)を起こして種パルスのスペクトルを広げ易くなる。これにより、パルス幅のより小さい光パルスが得られる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記パルス圧縮器は、CPF,DDF,SDPFおよびCDPFのいずれかであることを要旨とする。
なお、ここにいう「CPF」は、(comb-like profiled fiber)の略語で、非線形光ファイバ(HNLF)と単一モード光ファイバ(SMF)のペアを多段接続した構成を有するものである。「DDF」は、(dispersion decreasing profiled fiber)の略語である。「SDPF」は、(step-like dispersion profiled fiber)の略語で、分散の異なる複数の光ファイバを用いてファイバ長手方向の分散プロファイルを変化させたものである。また、「CDPF」は、(comb-like dispersion profiled fiber)の略語で、分散の異なる2種類の光ファイバを用いてファイバ長手方向の分散プロファイルを変化させたものである。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記種パルス光源は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源と、前記種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバと、該分散補償ファイバでチャープ補償された前記種パルスを増幅する第2の光増幅器と、前記種パルスを圧縮するパルス圧縮器と、を備えることを要旨とする。
この態様によれば、利得スイッチ光源からの種パルスはチャープを持っているので、これを分散補償ファイバで補償することができる。この種パルスは、第2の光増幅器で増幅され、パルス圧縮器で圧縮される。これにより、チャープ補償され、ピークパワーが大きくかつパルス幅の小さい種パルスを種パルス光源から出力することができる。従って、ピークパワの大きいパルスを必要とする計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野に用いるのに好適なパルス光源を実現することができる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器および前記第2の光増幅器は偏波保持型の光増幅器であることを要旨とする。
この態様によれば、直線偏光の光パルスを発生するパルス光源を実現することができ、アプリケーション側から好ましい。もう一つは、直線偏光の種パルスを正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器に入力した方がこの光増幅器での非線形が起き易くなり、好ましい。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記フィルタで切り出された前記光パルスを増幅する第3の光増幅器を備えることを要旨とする。この態様によれば、ペデスタルが少ない綺麗になった光パルスを第3の光増幅器で増幅するので、エネルギの無駄が少なくて、効率的である。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器が希土類添加光ファイバ増幅器であることを要旨とする。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記希土類添加光ファイバ増幅器がEDFA,TDFA,YDFAのいずれかであることを要旨とする。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器でスペクトルが広げられた種パルスのスペクトルは少なくとも前記種パルスの3倍以上広がっていることを要旨とする。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器の最大非線形位相シフトがπ以上であることを要旨とする。
なお、ここにいう「非線形位相シフトφ」は、下記の式で定義される。
φ=γ∫o LPdz
ここで、γは非線形定数、Pはピークパワー、zはファイバの長手方向の長さである。
φ=γ∫o LPdz
ここで、γは非線形定数、Pはピークパワー、zはファイバの長手方向の長さである。
光増幅器では利得があるので、Pがファイバの長さに応じて増加する。ファイバの長手方向の長さzが0からLまでの範囲でのPの積分値とγの積が、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器の非線形(非線形位相シフト)の強さを示す度合いである。光通信などの分野では、通常は光増幅器で非線形が起きないように使うので、φが例えば0.1以下になるようにし、非線形がなるべく起きない領域で使っている。この態様によれば、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器の最大非線形位相シフトがπ以上とすることで、その光増幅器に入力する種パルスの強度が、通常光通信で使うレベルよりはるかに大きくなり、ピークパワーの大きな光パルスが得られる。これにより、特にピークパワーの大きいパルスを必要とする計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野に用いるのに好適なパルス光源を実現することができる。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器のファイバ長さが100m以下であることを要旨とする。
本発明の他の態様に係るパルス光源は、前記フィルタの後に分散補償器を設けたことを要旨とする。
この態様によれば、フィルタで切り出されたパルスの分散補償をすることにより、フィルタで切り出された後のパルスよりもパルスの時間幅を短くすることができる。
本発明によれば、高非線形ファイバが不要で、光増幅器の非線形・分散・利得の最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なく、かつ、ペデスタルが少ない増幅された光パルスを発生可能なパルス光源を得ることができる。また、スペクトルを広げているのは正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器であるので、低コストのパルス光源を実現することができる。
本発明を具体化したパルス光源の各実施態様を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るパルス光源の概略構成を示している。図2はパルス光源各部でのスペクトルを、図3は同各部での時間波形をそれぞれ示している。
図1は、第1実施形態に係るパルス光源の概略構成を示している。図2はパルス光源各部でのスペクトルを、図3は同各部での時間波形をそれぞれ示している。
パルス光源は、図1に示すように、繰り返し周波数が可変の種パルス10(図2(A),図3(A)参照)を出力する種パルス光源1と、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器としての正常分散EDFA2と、フィルタ3と、を備える。種パルス光源1と、正常分散EDFA2と、フィルタ3とは、光ファイバ4で接続されている。
このパルス光源は、正常分散EDFA2の3次の非線形効果である自己位相変調(SPM)を用いて種パルス10のスペクトルを広げるようになっている。正常分散EDFA2でスペクトルが広げられた種パルス11(図2(B)参照)の中心波長付近にはペデスタル12が存在する。このスペクトルが広げられた種パルス11の中心波長付近を外した領域をフィルタ3で切り出すことで、ペデスタルの少ない光パルス13(図2(C),図3(B)参照)を発生させるようになっている。
フィルタ3は、BPF(Band-Pass Filter),LWPF(Long Wave Pass Filter),SWPF(Short Wave Pass Filter)のいずれかが用いられる。また、このフィルタ3は、切り出す波長が可変の波長可変フィルタで、カセット(図示省略)に例えば誘電体多層膜フィルタが入っていて、マイクロメータで誘電体多層膜フィルタの角度を変えると、切り出す波長が変わるようになっている。
また、正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFA2のファイバ長さ(EDF長)は、例えば100m以下である。
なお、フィルタ3の後に分散補償器を設けてもよい。この構成により、フィルタ3で切り出されたパルスの分散補償をすることにより、フィルタ3で切り出された後のパルスよりもパルスの時間幅を短くすることができる。
以上の構成を有する第1実施形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
○種パルス光源1から出力される種パルス10のスペクトルを正常分散EDFA2の3次の非線形効果である自己位相変調(SPM)により広げ、スペクトルが広げられた種パルス11の中心波長を外した領域をフィルタ3で切り出して光パルス13を発生させるので、ペデスタルの少ない光パルスを発生させることができる。
○種パルス10のスペクトルを広げるための高非線形ファイバが不要になる。
○正常分散EDFA2の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源1の制約が少なくなる。
○従って、高非線形ファイバが不要で、正常分散EDFA2の非線形・分散・利得の詳細な最適化が不要で、種パルス光源の制約が少なく、かつ、ペデスタルが少ない増幅された光パルスを発生可能なパルス光源を得ることができる。
○種パルス10のスペクトルを広げているのは正常分散および3次の非線形効果である自己位相変調(SPM)を持つ正常分散EDFA2であるので、低コストのパルス光源を実現することができる。
○チャープは上記非特許文献5に記載された技術のシミラリトンほど綺麗な線形チャープである必要はない。どちらかというと、正常分散EDFA2に非線形チャープと線形チャープの中間のチャープを持つパルスを入力すれば、出力される光パルス13としては十分に綺麗なものが得られる。
○パルス光源は、正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFA2の最大非線形位相シフトがπ以上であるのが望ましい。ここにいう「非線形位相シフトφ」は、上記の式で定義される。このように正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFA2の最大非線形位相シフトがπ以上にすることにより、正常分散EDFA2に入力する種パルスの強度が、通常光通信で使うレベルよりはるかに大きくなり、ピークパワーの大きな光パルス13が得られる。これにより、特にピークパワーの大きいパルスを必要とする計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野に用いるのに好適なパルス光源を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るパルス光源を図4、図5(A),(B)および図6に基づいて説明する。図4は第2実施形態に係るパルス光源の概略構成を示している。図5(A)は種パルス光源から出力される種パルスのスペクトルを示している。図5(B)は正常分散EDFAの自己位相変調(SPM)を用いてスペクトルが広げられた種パルスのスペクトルと、それがフィルタで切り出された後のスペクトルとをそれぞれ示している。そして、図6はフィルタで切り出されて出力される光パルスの自己相関波形を示している。
次に、第2実施形態に係るパルス光源を図4、図5(A),(B)および図6に基づいて説明する。図4は第2実施形態に係るパルス光源の概略構成を示している。図5(A)は種パルス光源から出力される種パルスのスペクトルを示している。図5(B)は正常分散EDFAの自己位相変調(SPM)を用いてスペクトルが広げられた種パルスのスペクトルと、それがフィルタで切り出された後のスペクトルとをそれぞれ示している。そして、図6はフィルタで切り出されて出力される光パルスの自己相関波形を示している。
本実施形態に係るパルス光源の種パルス光源1は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源21と、該利得スイッチ光源21から出力される種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバ(DCF)22と、チャープ補償された種パルス(例えば、7psの種パルス)を増幅する第2の光増幅器23と、該光増幅器23で増幅された種パルスを圧縮するパルス圧縮器24と、を備える。パルス圧縮器24で圧縮されて出力される種パルス100のパルス幅は例えば約1psである。
利得スイッチ光源 (GSLD)21は、分布帰還型半導体レーザ(DFB-LD)などの半導体レーザ(図示省略)をパルス発生器(PPG:pulse pattern generator) (図示省略)などからの電気パルス(例えば400psの電気パルス)で利得スイッチ駆動して種パルスを発生するように構成されている。
利得スイッチ光源 (GSLD)21で発生した種パルスは、分散補償ファイバ22でチャープ補償される。このチャープ補償された種パルスは、第2の光増幅器23でパルス圧縮器24での圧縮に最適なパルスエネルギー(ピークパワー)まで増幅される。この増幅された種パルスは、パルス圧縮器24で圧縮されて種パルス100(図5(A)参照)が生成されて、第1の光増幅器25へ出力される。このようにして種パルス光源1のパルス圧縮器23から図5に示す種パルス100が出力される。図5で符号100aは種パルス100のペデスタル成分である。
種パルス光源1の第2の光増幅器23は、偏波保持型の光増幅器(PM-EDFA)である。また、第1の光増幅器25は、図1に示す上記正常分散EDFA2と同様に正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFAで、この第1の光増幅器25も偏波保持型の光増幅器(PM-EDFA)である。
そして、パルス圧縮器23からの種パルス100が入力される第1の光増幅器25は、上記第1実施形態の正常分散EDFA2と同様に、正常分散および3次の非線形効果を持つ正常分散EDFAである。この第1の光増幅器25の自己位相変調(SPM)を用いてパルス圧縮器24から出力される種パルス100(図5(A)参照)のスペクトルを広げるようになっている。第1の光増幅器25でスペクトルが広げられた種パルス110(図5(B)参照)の中心波長(1550nm)付近にはペデスタル成分120が含まれているので、この中心波長(1550nm)付近を外した領域をフィルタ3で切り出すことで、ペデスタルの少ない光パルス130(図6参照)を発生させるようになっている。ここでは、フィルタ3は、図5(B)の曲線200で示すように、中心波長(1570nm)付近の光を最も透過する波長選択特性を持つように調節されている。
なお、フィルタ3の後に分散補償器を設けてもよい。この構成により、フィルタ3で切り出されたパルスの分散補償をすることにより、フィルタ3で切り出された後のパルスよりもパルスの時間幅を短くすることができる。
以上の構成を有する第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下のような作用効果を奏する。
○種パルス光源1に利得スイッチ光源 (GSLD)21を用いているので、種パルスの繰り返し周波数を大幅に変えることができる。
○種パルス光源1は、利得スイッチ光源 (GSLD)21から出力される種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバ(DCF)22を備えているので、ペデスタルがさらに抑制されたより綺麗な光パルス130を発生することができる。
○種パルスの発生のために利得スイッチ光源(GSLD)21を用いると、緩和振動によるペデスタル成分が多くなりがちであった。スペクトルを広げて利得スイッチ光源(GSLD)21の緩和振動成分を除去することにより、ペデスタルが抑制された綺麗な光パルス130を発生することができる。
○半導体レーザを直接変調する方式のレーザ光源或いは半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源からの種パルスは、数ps程度の若干太いパルス幅のものしか出せない。本実施形態では、種パルス光源1は、利得スイッチ光源 (GSLD)21から出力されて分散補償ファイバ(DCF)22でチャープ補償された種パルスを圧縮するパルス圧縮器24を備えている。この構成により、種パルスをパルス圧縮器24でもっとパルス幅の小さいパルスにすることができるので、第1の光増幅器25でより大きな3次の非線形効果(自己位相変調)を起こして種パルスのスペクトルをその非線形効果により広げ易くなる。これにより、パルス幅のより小さい光パルス130が得ることができる。
○パルス光源の種パルス光源1は、利得スイッチ光源21と、分散補償ファイバ22と、チャープ補償された種パルスを増幅する第2の光増幅器23と、パルス圧縮器24と、を備える。この構成により、利得スイッチ光源21からの種パルスはチャープを持っているので、これを分散補償ファイバ22で補償することができる。この種パルスは、第2の光増幅器23で増幅され、パルス圧縮器24で圧縮される。これにより、チャープ補償され、ピークパワーが大きくかつパルス幅の小さい種パルス100(図5(A)参照)を種パルス光源1のパルス圧縮器24から出力することができる。従って、ピークパワーの大きいパルスを必要とする計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野に用いるのに好適なパルス光源を実現することができる。
○正常分散および3次の非線形効果を持つ第1の光増幅器25および第2の光増幅器23はそれぞれ偏波保持型の光増幅器(PM-EDFA)である。この構成により、直線偏光の光パルス130を発生するパルス光源を実現することができ、アプリケーション側から好ましい。もう一つは、直線偏光の種パルスを正常分散および3次の非線形効果を持つ第1の光増幅器25に入力した方がこの光増幅器25での3次の非線形効果(自己位相変調)が起き易くなり、好ましい。
○正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器である第1の光増幅器25でスペクトルが広げられた種パルス110のスペクトルは、図5(A),(B)に示すように、少なくとも種パルス100の3倍以上広がっているのが望ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るパルス光源を説明する。
本実施形態に係るパルス光源は、図4に示す上記第2実施形態に係るパルス光源において、フィルタ3で切り出された光パルス130(図6参照)を増幅する第3の光増幅器(図示省略)を備える。
次に、第3実施形態に係るパルス光源を説明する。
本実施形態に係るパルス光源は、図4に示す上記第2実施形態に係るパルス光源において、フィルタ3で切り出された光パルス130(図6参照)を増幅する第3の光増幅器(図示省略)を備える。
なお、フィルタ3の後に分散補償器を設けてもよい。この構成により、フィルタ3で切り出されたパルスの分散補償をすることにより、フィルタ3で切り出された後のパルスよりもパルスの時間幅を短くすることができる。
以上の構成を有する第3実施形態によれば、上記第2実施形態の奏する作用効果に加えて以下のような作用効果を奏する。
○ペデスタルが少ない綺麗になった光パルス130を第3の光増幅器で増幅するので、エネルギの無駄が少なくて、効率的である。
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として正常分散EDFAをそれぞれ用いているが、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として、正常分散EDFA以外の希土類添加光ファイバ増幅器を用いた構成にも本発明は適用可能である。つまり、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として、EDFA,TDFA,YDFAのいずれかの希土類添加光ファイバ増幅器を用いても良い。
・上記各実施形態では、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として正常分散EDFAをそれぞれ用いているが、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として、正常分散EDFA以外の希土類添加光ファイバ増幅器を用いた構成にも本発明は適用可能である。つまり、正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器として、EDFA,TDFA,YDFAのいずれかの希土類添加光ファイバ増幅器を用いても良い。
・上記第2実施形態では、種パルス光源1は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源21を備えた構成について説明したが、種パルス光源1が半導体レーザを直接変調する方式のレーザ光源を備えた構成のパルス光源にも本発明は適用可能である。この構成により、繰り返し周波数を大幅に変えられる。モードロックレーザでは、多少は変えられるが、基本的には繰り返し周波数は固定である。繰り返し周波数を大幅に変えられることにより、計測、分光、物理、バイオなどの非通信の分野における適用範囲が広がる。
1…種パルス光源、2…正常分散EDFA、3…フィルタ、4…光ファイバ、10,100…種パルス、11,110…スペクトルを広げられた種パルス、12…ペデスタル、120…ペデスタル成分、13,130…光パルス、21…利得スイッチ光源、22…分散補償ファイバ、23…第2の光増幅器、24…パルス圧縮器、25…第1の光増幅器。
Claims (15)
- 繰り返し周波数が可変の種パルスを出力する種パルス光源と、
正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器と、
フィルタと、を備え、
前記光増幅器の3次の非線形効果を用いて前記種パルスのスペクトルを広げ、
前記光増幅器でスペクトルが広げられた種パルスの中心波長を外した領域を前記フィルタで切り出して光パルスを発生させる、ことを特徴とするパルス光源。 - 前記種パルス光源は、半導体レーザを直接変調する方式のレーザ光源を備えることを特徴とする請求項1に記載のパルス光源。
- 前記直接変調する方式のレーザ光源は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源であることを特徴とする請求項2に記載のパルス光源。
- 前記種パルス光源は、前記種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバ)を備えることを特徴とする請求項2叉は3に記載のパルス光源。
- 前記種パルス光源は、前記種パルスを圧縮するパルス圧縮器を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記パルス圧縮器は、CPF,DDF,SDPFおよびCDPFのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のパルス光源。
- 前記種パルス光源は、半導体レーザを利得スイッチ駆動する利得スイッチ光源と、前記種パルスをチャープ補償する分散補償ファイバと、該分散補償ファイバでチャープ補償された前記種パルスを増幅する第2の光増幅器と、前記種パルスを圧縮するパルス圧縮器と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のパルス光源。
- 前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器(第1の光増幅器2)および前記第2の光増幅器は偏波保持型の光増幅器であることを特徴とする請求項7に記載のパルス光源。
- 前記フィルタで切り出された前記光パルスを増幅する第3の光増幅器を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器が希土類添加光ファイバ増幅器であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記希土類添加光ファイバ増幅器がEDFA,TDFA,YDFAのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器でスペクトルが広げられた種パルスのスペクトルは少なくとも前記種パルスの3倍以上広がっていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器の最大非線形位相シフトがπ以上であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記正常分散および3次の非線形効果を持つ光増幅器のファイバ長さが100m以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一つに記載のパルス光源。
- 前記フィルタの後に分散補償器を設けたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一つに記載のパルス光源。
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- 2006-11-17 JP JP2006312135A patent/JP2008129205A/ja active Pending
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