JP2008092170A - パケット中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲートウェイ間やゲートウェイとホスト間のトンネル化された通信経路を、シ‐ムレスに最適化する。
【解決手段】Note−CとGW−Bにユニキャスト用のトンネル83を追加する(ユニキャスト最適化)。次に、Note−Cは、GW間ヘッダが付加された第1のIPパケットをマルチキャストアドレスが設定されたIPヘッダでカプセル化した第2のIPパケットをGW−Cに送信する。このマルチキャスト用の第2のIPパケットパケットは、トンネル91を経由してCE6001に転送される。CE6001は、受信した前記第22のIPパケットをコピーし、それを、トンネル91を介してGW−AとGW−Bに転送する(マルチキャスト最適化)。
【選択図】図3

Description

本発明は、通信ネットワークで接続された任意のホストを仮想的にグループ化し、閉域網を提供する技術に関する。
近年、ネットワークのIP(Internet Protocol)化が進展している。最近のIPネットワークでは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)以外のホストも接続されるようになってきている。ここで、PC以外のホストとは、IP通信が可能な家電製品等の機器の総称である。
IPネットワークに接続されるホストは、これまでは高機能なPCが主体であったが、IP対応の家電製品(以下、IP対応家電製品と記載)も接続されるようになってきている。このため、IPネットワークの利用形態は、IP対応家電製品の制御や、IP対応家電製品間でのコンテンツの送受信まで広がっている。このため、IPネットワークでは、IP通信が可能な機器(以下、ホストと記載)の数と種類が増加している。また、今までは接続されなかった低機能なホストも接続されるようになってきている。
このように、IPネットワークに接続されるホスト数が増えると、ホストをグループ化して、ホスト管理を容易にする必要が生じる。また、低機能のホストの接続数が増加することによって、よりホストに負担の少ない単純な方法でのグループ間通信の実現する必要が生じる。
このため、グループ化をVPN(Virtual Private Network)で構築して、ホスト間の通信を実現する方法が想定される。この場合、VPNを設定したネットワーク間にセキュリティを考慮したトンネル接続等を設定する。ここで、トンネル接続とは、例えば、PC1‐GW1‐GW2‐PC2の接続構成であった場合、PC1とPC2でVPNを構成する場合におけるGW1‐GW2間のトンネル接続のことである。尚、PC1とPC2はパーソナルコンピュータ、GW1とGW2はゲートウェイである。このようにしてトンネル化されたネットワークでは、各ホストに仮のIPアドレスが割り当てられる。そして、その仮のIPアドレスを用いたIPルーティング処理により、ホスト間の通信が実現される。
本出願人は、IPネットワークに接続されたホストをグループ化し、同じグループに属するホスト(グループメンバ)がグループ内で閉じたIPパケット通信を行うグループ内通信(グループメンバ間通信)に関する発明(第1の従来発明)をPCT出願している(特許文献1参照)。また、上記発明をさらに進展させた発明として、仮想閉域網を構築しているGWがその仮想閉域網内でブロードキャスト/マルチキャスト用のパケットを転送する機能を、GW同士内で閉じた仮想マルチキャストアドレス/仮想ブロードキャストアドレスにより転送できるパケット中継装置に関する発明(第2の従来発明)を日本特許庁に出願している(特許文献2参照)。また、さらには、トンネル化されたGW間通信において、IPパケットに独自のヘッダを付加することで、GW間のパケット転送効率を向上させると共に、トンネル化をGW‐クライアント間まで行い、クライアント側がIPパケットに独自のヘッダを付加する手法に関する発明(第3の従来発明)についても日本特許庁に出願している(特許文献3参照)。上記第3の従来発明では、GW間の通信がトンネル化され、GW間で直接通信可能である。このため、IPアドレスを使用せずにGW間で効率的にパケット転送できるように、IPヘッダのアドレス部を通番やグループ番号等(GW間ヘッダ)に変換或いは追加して転送するようにしている。また、更には、クライアントも、前記GW間ヘッダを処理可能にして、クライアントがGWとトンネルを確立できる
ようにしている。
WO 2005/027438 A1 PCT/JP2005/003788 PCT/JP2006/305840 RFC1631 RFC2391
しかしながら、上記既出願の発明では、以下1)、2)に示すような問題があった。
1)ネットワーク的に近いクライアント(端末)同士やGW同士での通信において、トンネル化の接続経路によっては、無駄なパケット転送が生じる。
2)最近では、1つのクライアント(端末)がIP通信用に有線/無線等の多様な通信手段を備え、該クライアントがIP通信する際には、それら複数の通信手段の中から使用する通信手段を選択できるようになってきている。しかしながら、現状では、該クライアントは、IP通信中に、それら複数の通信手段の切り替えをシームレスに行うことができない。
上記1)の問題点を、図面を参照しながら具体的に説明する。
図50は、IPネットワーク(ネットワークシステム)においてホストのグループ化を行ったシステムの一例である。
同図に示すIPネットワークは、ローカルネットワークとして、自宅のネットワーク3000、実家のネットワーク4000及び出張先のネットワーク5000を備えている。自宅のネットワーク3000は、ゲートウェイGW−A(以下、GW−Aと略記)と、そのGW−Aに接続されたデスクトップ型パーソナルコンピュータであるPC−Aとノート型パーソナルコンピュータであるNote−Cから構成されている。
実家のネットワーク4000は、ゲートウェイGW−B(以下、GW−Bと略記)と、そのGW−Bに接続されたデスクトップ型パーソナルコンピュータであるPC−Bから構成されている。出張先のネットワーク5000は、ゲートウェイGW−C(以下、GW−Cと略記)を備えている。
ここで、GW−AとGW−Bは前記特許文献3に開示されているGW間ヘッダが付加されたIPパケットを処理可能なパケット中継装置である。また、GW−Cは前記GW間ヘッダが付加されていない通常のIPパケットのみを処理可能なパケット中継装置である。Note−Cは、前記特許文献3の第5実施形態として開示されているGW間ヘッダが付加されたIPパケットを処理可能なクライアント(端末)である。
GW−AとGW−Bは、CE6001を介して通信回線で互いに接続されている。また、GW−CとCE6001はインターネット7000を介して接続されている。CE6001はPE6011を経由してインターネット7000と接続されている。GW−Cは、PE6012とPE6013を経由してインターネット7000と接続されている。GW−AとGW−B間は前記GW間ヘッダが付加されたIPパケットによってトンネル化され、それらの間にはトンネル8000が設定されている。
上記構成のIPネットワークにおいて、ネットワーク3000内でGW−Aの配下にあるPC−A、Note−Cと、ネットワーク4000内でGW−Bの配下にあるPC−Bは、GW−AとGW−Bによってグループ1(Group1)に所属するように管理され
ている。GW−AとGW−B間は、トンネル8000を利用してユニキャス、マルチキャスト及びブロードキャストによるパケット通信が可能となっている。
ここで、CE6001は、例えば、MPLS‐VPN(Multiprotocol Label Switching
‐ Virtual Private Network)等において、エンド・ユーザ・ネットワークからISP(Internet Service Provider)/キャリアのMPLSバックボーンと接続する出口である終端される機器であるCE(Customer Edge)デバイスである。また、PE6011〜PE6013は、ISP/キャリア内のMPLSネットワーク上で、エンド・ユーザ・ネットワークと接続される最も端に設置される機器であるPE(Provider Edge)デバイスである。
図51は、図50に示すIPネットワークにおいて、Note−Cが自宅のネットワークシステム3000から出張先のネットワーク5000に移動した状態を示す図である。このように、Note−CがIPネットワーク内の他のネットワークに移動した場合、Note−Cは、初期接続としてGW−Cを利用して、GW−Aとトンネル8001を確立する(このとき、GW−AとNote−C間にトンネル8001が設定される)。Note−CがGW−Bへのパケット転送する場合、GW−Aは、トンネル8000、8001を利用して、Note−CとGW−B間のパケット転送処理を確立させる。このとき、ネットワーク4000内のPC−Bがネットワーク5000内のNote−CにFTP(File Transfer Protocol)でファイル転送を行うと、パケットは、図51中において破線で示すように、PC−BからGW−B、CE6001、GW−A、CE6001、PE6011、PE6013,PE6012、GW−Cを経由してNote−Cに送られる。
この場合、GW−AとCE6001間でパケットが往復されるため、GW−AとCE6001間で無駄なパケット転送が発生する(不要なパケット経路9001が形成される)。また、GW−Aにもパケット転送処理の負荷がかかる。
このように、特許文献3の発明のパケット中継装置(GW)や端末装置(クライアント)は、ネットワーク的に近いクライアント同士やGW同士での通信においては、トンネルの接続経路によって、無駄なパケット転送が発生してしまうという問題があった。
また、特許文献3の発明のGWやクライアントは、メインルートとサブルートを管理できないため、メインルートとサブルートの切り替えができず、GW間やGWとクライアント間のトンネル化経路を最適化できなかった。
本発明の目的は、GW間やGWとクライアント(端末)間のトンネル化経路を最適経路にシームレスに変更できるようにすることである。また、本発明の別の目的は、複数のIP通信用の通信手段を備えるクライアント(端末)が、IP通信中に、それら複数の通信手段をシームレスに切り替えできるようにすることである。
本発明のパケット中継装置は、自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置を前提とする。
本発明のパケット中継装置の第1態様は、前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に転送する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自配下の端末と送受信する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関する前記グループメンバ間通信用のルーティング
情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に格納されている前記管理情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、前記自配下の端末との間で、前記第2のIPパケットを送受信する第1の送受信手段と、該記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、前記第1の送受信手段により受信された前記第2のIPパケットに前記グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダが付加された前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、他のパケット中継装置に送信すると共に、他のパケット中継装置から自装置配下の端末宛の前記第1のIPパケットを受信する第2の送受信手段と、該第2の送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除して、前記第2のIPパケットを作成し、その第2のIPパケットを前記第1の送受信手段に出力する第2のパケット作成手段とを備える。
本発明のパケット中継装置の第1態様によれば、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を操作することにより、ネットワークシステムにおいて、パケット中継装置間の通信ルート(パケット転送経路)を、シームレスかつ容易に、切り替えることができる。したがって、転送効率の良い通信ルートを適宜選択することにより、パケット転送効率を向上できる。
本発明のパケット中継装置の第2態様は、前記パケット中継装置の第1態様が備える手段に加え、前記管理情報と前記ルート識別情報を更新することにより、前記第1のIPパケットの通信ルートを最適化する通信ルート最適化手段を、さらに備える。
本発明の第2態様のパケット中継装置によれば、ネットワークシステムにおいて、前記パケット転送経路を最適化することができる。
本発明のパケット中継装置の第3態様は、前記第1態様のパケット中継装置が備える手段に加え、自配下の端末が前記第2のIPパケットの通信に利用している通信ルートの使用状況を監視して、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を、前記通信ルートに配置されている他のパケット中継装置と同期して更新する同期更新手段を、さらに備える。
本発明の第4態様のパケット中継装置によれば、同じグループに属する端末を収容するパケット中継装置が、グループ間通信で使用するルートの状況の変化に応じて、迅速に、前記ルーティング情報とルート識別情報を同期更新処理できる。
本発明の端末装置は、自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置とIPパケットを通信する端末装置を前提とする。
本発明の端末装置の第1態様は、前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に送信する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自装置内部で送受信処理する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関する前記グループメンバ間通信用のルーティング情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に格納されている前記
ルーティング情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して、IPヘッダの送信元アドレスとして自端末の実IPアドレスが、宛先アドレスとして送信先の端末の仮想IPアドレスが設定された前記第2のIPパケットに、グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダを付加して、前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、自装置を収容しているパケット中継装置に送信すると共に、前記パケット中継装置から前記第1のIPパケットを受信する送受信手段と、該送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除し、次に、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して前記第2のIPパケットを作成する第2のパケット作成手段とを備える。
本発明の端末装置の第1態様によれば、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を更新することにより、前記パケット転送経路を、シームレスかつ容易に、切り替えできる。したがって、端末装置側で、転送効率の良い通信ルートを適宜選択して、パケット転送効率を向上することができる。
本発明の端末装置の第2態様は、上記端末装置の第1態様において、前記送受信手段は、有線通信用の通信手段と無線通信用の通信手段を備え、前記パケット中継装置との前記第1のIPパケットの送受信を、該有線通信用通信手段と該無線通信用通信手段を利用して行う。
本発明の端末装置の第2態様によれば、前記第1のIPパケットを通信する際、該有線通信手段と該無線通信手段を利用できる。したがって、前記第1のIPパケットを、有線ルートと無線ルートの両ルートを利用して通信できる。
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
1)ゲートウェイ間またはクライアント(端末)とゲートウェイ間での通信において、通信経路を随時変更できるので、パケット転送効率を向上させることができる。
2)複数の通信手段を備えるクライアント(端末)が、通信中に、それら複数の通信手段をシームレスに切り替えて、通信経路を、随時、シームレスに切り替えることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態は、図51に示した問題点を解消するためのGW間通信経路の最適化手法を提供する。この手法は2段階に分けて実施される。この手法について、図1〜図3を参照しながら説明する。尚、図1〜図3において、図51と同一の構成要素には同じ符号を付与しており、これらの構成要素の説明は省略する。
<通信経路の最適化手法>
{最適化第一段階}
図1は、第1実施形態におけるパケット転送経路の最適化第一段階の手法を示す図である。
図51に示すようにNote−Cが自宅のネットワーク3000から出張先のネットワーク5000に移動したとする。この場合、最適化経路への第一段階として、まず、図1に示すように、Note−CとGW−B間にP‐P(point-to-point)接続の通信経路を追加する。すなわち、Note−CとGW−B間にユニキャスト用のトンネル83を確立する。このトンネル83は、物理的には、GW−B、CE6001、PE6011、PE6013、PE6012、GW−C、Note−Cという通信経路として確立される。このトンネル確立は、前記特許文献3の発明の第5実施形態に開示されている手法を利用して行われる。すなわち、Note−Cは前記特許文献の第5実施形態のクライアントと同様な構成をしており、GW−Aとトンネルを確立できる。尚、第1実施形態では、GW−CからCE6001は前記通常のIPパケット(GW間ヘッダでカプセル化されていないIPパケット)しか処理できないため、図4に示すフォーマットのIPパケットを用いて、ユニキャストやブロードキャスト/マルチキャストでのパケット通信を行う。上記IPパケットに詳細については、後述する。
これにより、PC−BからNote−CへのFTP等によるユニキャスト用のパケットは、図1において破線の矢印で示すように、トンネル83を流れる。このため、PC−BとNote−C間でユニキャストパケット通信が行われる際のGW−Aにおける処理負荷が軽減される。また、CE6001とGW−A間で不要なユニキャスパケットが流れないため、IPネットワークネットワークにおける通信負荷(トラッフィック)も軽減される。
{最適化第二段階}
最適化経路への第二段階では、マルチキャストとブロードキャストの最適化を行う。
図2は、図1のネットワークシステムにおいてマルチキャストが行われる場合に生じる問題点を説明する図である。図2に示すように、例えば、Note−CからVoIP(Voice
over IP)がPC−AやPC−Bにマルチキャストで転送される場合を考える。この場合、図2中で破線の矢印で示すように、Note−CからGW−Bに送信されるパケットがGW−Aを中継するため、GW−AとCE6001間で余分なパケットが転送される。すなわち、GW−AとCE6001間に不要なパケット経路81が生成されてしまう。
これを解決する方法は、GW−A、GW−B及びNote−Cが、実ネットワーク上で有効となるマルチキャストアドレスに参加することである。これにより、GW−AとGW−Bの間にあるCE6001は、マルチキャストアドレスが指定されたパケットをコピーして、他の2方向(GW−AとGW−Bへ)にルーティングする。
図3は、図1のネットワークシステムを最適化する手法を示す図である。図4は、図3のネットワークシステムにおいて、マルチキャストで使用するIPパケットのフォーマットを示す図である。
ここで、図4に示すパケット10のフォーマットを説明する。図4に示すIPパケット10は、IPヘッダ11とデータ部12から構成されている。IPヘッダ11は、IPv4やIPv6で規定された規格に準拠したIPヘッダである。図3のネットワークシステムの場合には、このIPヘッダ11に、宛て先アドレスして「マルチキャストアドレス」が設定する。データ部12内には、IPヘッダ21とデータ22とから構成されるIPパケットをGW間ヘッダ23でカプセル化したパケット20が格納されている。このように、IPパケット10は、前記パケット20を、IPヘッダ11でカプセル化した構成となっている。
第1実施形態では、Note−Cは、GW−AやGW−Bとパケット通信を行う場合、上記IPパケット10をGW−Cに送信する。Note−CがPC−AやPC−Bとマル
チキャストを行う場合、上記IPパケット10は、マルチキャストアドレスが設定されたIPヘッダでカプセル化されているので、このIPパケット10により、Note−CとGW−A、GW−B間に仮想的なトンネル91(以下、便宜上、仮想トンネル91と呼ぶ)が形成される。この仮想トンネル91は、Note−C、GW−C、PE6012、PE6013、インターネット7000、PE6011、CE6001及びGW−A、GW−B間に仮想的に形成される。
第1実施形態では、上述した解決方法を採用して前記不要なパケット経路81を無くすため、GW−A、GW−B、Note−Cが実ネットワーク上で有効となるマルチキャストアドレスに参加するようにする。Note−CがIPヘッダ11にマルチキャストアドレスが設定されたIPパケット10をGW−Cに送信すると、そのIPパケット10は、前記仮想トンネル91を経由してCE6001に転送される。CE6001は、受信したIPパケット10をコピーしてルーティング処理を行い、そのコピーしたIPパケットをGW−AとGW−Bに転送する。この結果、図3に示すように、Note−CがGW−AとGW−Bに対してマルチキャストを行う場合、前記不要なパケット経路81を解消できる。すなわち、図1に示すネットワークシステムを、図3に示すマルチキャスト用に最適化できる。
また、Note−Cは、グループ1のメンバにブロードキャストを行う場合にも、上記パケット10のIPヘッダ11に「マルチキャストアドレス」を設定する。これにより、Note−Cから送信されるブロードキャスト用パケットは、上記マルチキャスト用パケットの転送メカニズムと同様な方法で、CE6001によりルーティング処理されて、GW−AとGW−Bを経由して転送されブロードキャストとしてPC−AとPC−Bに送信される。ずなわち、CE6001はNote−Cが送信したパケット10を受信すると、そのIPヘッダ11を参照して、パケット10がマルチキャストパケットであると認識する。そして、そのパケット10をコピーして、そのコピーしたパケットをGW−AとGW−Bに転送する。
このように、IPヘッダ11でカプセル化されたIPパケット10を導入することで、図3に示すように、Note−CとPC−A及びPC−B間のユニキャストは、トンネル8001(Note−CとGW−A間のトンネル)とトンネル83を利用して行われる。また、Note−CとPC−A及びPC−B間のマルチキャスト/ブロードキャストは、仮想トンネル91(Note−CとGW−A、GW−B間のトンネル)を利用して行われる。尚、上記トンネル8001、83の確立は、前記特許文献3の発明に開示された手法を用いて行われる。
<トンネル化の段階的切り替えの契機>
第1実施形態では、上述した段階的なトンネルのルート切り替えは、例えば、下記1)、2)、3)のような契機で行われる。
1)ダイレクトに二段階で最適化
Note−CのユーザがFTPやマルチキャストによる電話会議等を行うヘビーユーザであることが予め想定されるような場合は、グループ1でのネットワーク構成時に、ダイレクトに上記最適化第二段階の構成を構築する。
2)パケット使用量に応じた段階的な構成変更(末端端末による判断)
Note−CやPC−B等のようなパケット通信経路の端に位置する末端端末が、ユニキャストやマルチキャストの状況を判断して、各最適化段階への移行を実施する。
3)パケット通過量に応じた段階的な構成変更(中継装置による判断)
GW−Aのようなパケット通信経路においてパケットを他のGWに中継するGW(中継装置)が中継するパケットの通過量を判断して、Note−CやPC−B等の末端端末に対して各最適段階への移行を要求し、それら末端端末が各最適化段階への移行を実施する。
ところで、Note−Cが頻繁に移動するような場合、その都度、トンネル化の構築化や移行を行うと各GWに対して余計な負荷がかっかってしまう。このため、このような場合には、あえて初期のトンネル化状態を維持する。
{段階的切り替え処理フロー}
<2)のトンネル化の段階的切り替え処理フロー>
上記2)の末端端末による段階的なトンネルのルート切り替えの契機処理を図5のフローチャートを参照しながら説明する。図5は、第1実施形態における末端端末による段階的なトンネルのルート切り替え契機処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。ここで、末端端末は、図1のネットワークシステムにおいては、Note−CやPC−Bに相当する。
末端端末は、自身のパケット送受信を計上する(S11)。次に、末端端末は、ユニキャストの使用量が予め定められた規定値(第1の規定値)を超えたか判断する(S12)。末端端末は、前記第1の規定値を超えていると判断すれば(S12、YES)ステップS13の処理に移行し、超えていないと判断すれば(S12、NO)、処理はステップS15に移行する。
ステップS13では、末端端末はパケット通信経路が最適化なし状態(前記最適化第1段階が実施されていない状態)であるか判断する。そして、末端端末が最適化なし状態と判断すれば(S13、YES)、処理をステップS14に移行する。一方、最適化状態である(前記最適化第1段階が実施されている状態である)と判断すれば、処理をステップS11に戻す。ステップS14では、図1に示す最適化段階1の状態に遷移する。
ステップS15においては、末端端末はマルチキャスト/ブロードキャストの使用量が予め定められた規定値(第2の規定値)を超えたか判断する。末端端末は、前記第2の規定値を超えていないと判断すれば(S15、NO)ステップS11の処理に戻り、第2の規定値を超えていると判断すれば(S15、YES)ステップS16の処理に移行する。
ステップS16では、末端端末はパケット通信経路が最適化なし状態(前記最適化第1段階が実施されていない状態)であるか判断する。そして、末端端末が最適化なし状態と判断すれば(S16、YES)処理はステップS17に移行し、最適化なし状態でない(前記最適化第1段階が実施されている状態)と判断すれば、処理はステップS18に移行する。
ステップS17では、図1に示す最適化第1段階の状態に遷移する。ステップS18では、末端端末は最適化第1段階であるか判断する。そして、末端端末が最適化第1段階であると判断すると(S18、YES)、処理をステップS19に移行する。一方、末端端末が最適化第1段階でないと判断すると(S18、NO)、処理をステップS11に戻す。
ステップS19では、図3に示す最適化第2段階の状態に遷移する。
<3)のトンネル化の段階的切り替え処理フロー>
上記3)の中継装置による段階的なトンネルのルート切り替えの契機処理を図6のフローチャートを参照しながら説明する。図6は、第1実施形態における中継装置による段階
的なトンネルのルート切り替え契機処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。ここで、中継装置は、図1のネットワークシステムにおいてはGW−Aに相当する。
中継装置は、自身のパケット送受信を計上する(S31)。次に、中継装置は、ユニキャストの使用量が予め定められた規定値(第3の規定値)を超えたか判断する(S32)。中継装置は、前記第3の規定値を超えていると判断すれば(S32、YES)ステップS33の処理に移行し、超えていないと判断すれば(S32、NO)、処理はステップS35に移行する。
ステップS33では、中継装置はパケット通信経路が最適化なし状態(前記最適化第1段階が実施されていない状態)であるか判断する。そして、中継装置が最適化なし状態と判断すれば(S33、YES)、処理をステップS34に移行する。一方、最適化状態である(前記最適化第1段階が実施されている状態である)と判断すれば、処理をステップS31に戻す。ステップS34では、図1に示す最適化段階1の状態に遷移する。
ステップS35においては、中継装置はマルチキャスト/ブロードキャストの使用量が予め定められた規定値(第4の規定値)を超えたか判断する。中継装置は、前記第4の規定値を超えていないと判断すれば(S35、NO)ステップS31の処理に戻り、第4の規定値を超えていると判断すれば(S35、YES)ステップS36の処理に移行する。
ステップS36では、中継装置はパケット通信経路が最適化なし状態(前記最適化第1段階が実施されていない状態)であるか判断する。そして、中継装置が最適化なし状態と判断すれば(S36、YES)処理はステップS37に移行し、最適化なし状態でない(前記最適化第1段階が実施されている状態)と判断すれば、処理はステップS38に移行する。
ステップS37では、図1に示す最適化第1段階の状態に遷移する。ステップS38では、中継装置は最適化第1段階であるか判断する。そして、中継装置が最適化第1段階であると判断すると(S38、YES)、処理をステップS39に移行する。一方、中継装置が最適化第1段階でないと判断すると(S38、NO)、処理をステップS31に戻す。
ステップS39では、図3に示す最適化第2段階の状態に遷移する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、GW間経路を最適化経路へシームレスに変更する手法に関するものである。
{ネットワーク構成}
図7は、第2実施形態のネットワークシステムの全体構成図である。
第2実施形態のネットワークシステムは、実家のネットワーク100、自宅のネットワーク200及び出張先のネットワーク300を備えている。これら3つのネットワークはコアネットワークであるインターネット400によって互いに通信接続されている。
ネットワーク100はホストとしてデスクトップ型パーソナルコンピュータPC−A(以下、PC−Aと記載)を備えており、パケット中継装置としてゲートウェイGW−A(以下、GW−Aと記載)を備えている。PC−AはGW−Aと接続されている。
ネットワーク200はホストとしてサーバ201を備えており、パケット中継装置としてゲートウェイGW−B(以下、GW−Bと記載)を備えている。サーバ201はGW−Bと接続されている。
ネットワーク300は、ホストとしてノート型パーソナルコンピュータNote−C(以下、Note−Cと記載)を備えており、パケット中継装置としてゲートウェイGW−C(以下、GW−Cと記載)を備えている。Note−CはGW−Cと接続されている。
GW−AとGW−Bは、CE401を介して接続されている。CE401は、PE411と通信回線によって接続されている。PE411は、通信回線によりインターネット400と接続されている。GW−Cは、通信回線によりPE412と接続されている。PE412は、通信回線によりインターネット400と接続されている。尚、CE402はCEデバイスであり、PE411〜413はPEデバイスである。
上記構成のIPネットワークにおいて、PC−Aとサーバ201とNote−Cがグループ1(Group1)としてグループ化されている。このグループ化は、前記特許文献3に開示された手法によって実施されている。
{最適化経路への段階的なシームレス変更}
図7に示すネットワークシステムでユニキャストによるパケット転送を行なう場合に、最適化経路へ段階的にシームレスに変更する場合を考える。この場合、一時的に2ルート(既存ルートと新規ルート)でのパケット転送が必要になる。
ここでは、GW−AとGW−B間にトンネル501が確立され、GW−BとGW−C間にトンネル502が確立されており、ネットワーク100内のPC−Aとネットワーク300内のNote−C間に、前記トンネル501と前記トンネル502から成るルート(既存ルート)が設定されていたとする。この場合、新規に、GW−AとGW−C間にトンネル503を確立し、PC−AとNote−C間に、このトンネル503経由の新規ルートを設定する。
トンネル501は、GW−A、CE401及びGW−Bを結ぶ通信経路(通信路)である。トンネル502は、GW−B、CE401、PE411、インターネット400、PE413、PE412及びGW−Cを結ぶ通信経路である。トンネル503は、GW−A、CE401、PE411、インターネット400、PE413、PE412及びGW−Cを結ぶ通信経路である。
GW−Aは、Note−Cへのユニキャスト用パケットを、前記既存ルートと前記新規ルート)の2つのルートに同時に送信する。このため、GW−Cは、前記2つのルートから同じユニキャストパケットを受信することになる。このため、GW−Cは、遅れて受信したほうのユニキャストパケットを廃棄する処理(遅達廃棄処理)等が必要となる。
図8は、第2実施形態のネットワークシステムにおける一時的な2ルート転送状態を示す図である。図8は、図7のネットワークシステムに対応しており、図7と同一の構成要素には同じ符号を付与している。
図8において、GW−Aは、自身が収容するネットワーク(ローカルネットワーク)100とグローバルネットワークXとを接続している。GW−Bは、グローバルネットワークXと自身が収容するネットワーク(ローカルネットワーク)200とグローバルネットワークYとを接続している。GW−Cは、グローバルネットワークYと自身が収容するネットワーク(ローカルネットワーク)300とを接続している。このように、GW−Bは、グローバルネットワークXとグローバルネットワークYを中継するゲートウェイとなっている。尚、後述する図15、図27、図32のネットワークシステムも、図7と同様な構成となっている。
第2実施形態では、上記遅達廃棄処理を、図8に示すようなGW間ヘッダ110が先頭に付加されたパケット101をユニキャスト用パケットとして使用することで実現する。
GW間ヘッダ110は、前記特許文献3に開示されたGW間ヘッダに、さらに、「メイン/サブ(Main/Sub)」、「ルートコード(RouteCode)」及び「パケット通番(PN)」を含むGW間拡張ヘッダ112を付加した構成となっている。ここで、これら第2実施形態で追加する上記3項目の機能について説明する。
メイン/サブ:ルートの識別用の情報であり、2つのルートの内、どちらのルートを経由して送信されてきたパケットであるかを識別するために使用される。第2実施形態では、メインルートを「M」、サブルートを「S」で示す。
ルートコード:2つのルートで転送されていることを識別するためのコード。
第2実施形態施形態では、GW−AとGW−C間に設けられた2ルートには「AC」を付与する。また、GW−A、GW−B及びGW−Cを接続する2ルートには「ABC」というコードを付与する。
パケット通番:2つのルートに同時に転送するパケットに付与される通番。
着信先では、この通番を基に遅達破棄を行う。
GW間ヘッダ110は、上記3項目に加え、「転送通番(TN)」、「グループ通番(GN)」、「宛先通番(DN)」、「送信元通番(SN)」が設定される。これら4項目については、特許文献3に詳しい説明がある。尚、転送通番は、特許文献3では「転送通し番号」と表記されている。また、特許文献3では、グループ通番は「グループ通し番号」と、宛先通番は「宛先通し番号」と、送信元通番は「送信元通し番号」と表記されている。第2実施形態では、GW間ヘッダ110の内、前記特許文献3の発明で使用されている上記4項目から成る部分を「標準GW間ヘッダ111」と名づける。
ユニキャスト用パケット101は、GW間ヘッダ110、TCP/IPヘッダ120及びデータ(Data)130から構成される。
第2実施形態のGWは、前記特許文献3の発明のGWが備えるテーブルに加え、「ルートコードテーブル(RouteCodeテーブル)」を新たに備える。また、特許文献3の発明のGWが保有している「グローバルテーブル」と「受信転送テーブル」のレコードに「サブ内部管理転送通番(SubLTN)」を追加する。
図9、図10、図11に、それぞれ、図8に示すGW−A、GW−B、GW−Cが保有するテーブル(内部テーブル)を示す。
図9に示すように、GW−Aは、ローカルテーブル(Localテーブル)200A、ルートコードテーブル(RouteCodeテーブル)210A、グローバルテーブル(Grobalテーブル)220A、受信転送テーブル230A、送信転送テーブル240Aを備える。GW−B、GW−Cも、GW−Aと同様に、ローカルテーブル(200B、200C)、ルートコードテーブル(210B、210C)、グローバルテーブル(220B、220C)、受信転送テーブル(230B、230C)及び送信転送テーブル(240B、240C)を備える(図10、図11参照)。
ローカルテーブル200(200A、200B、200C)は、各エントリのレコードに「実IPアドレス(R−IP)」、「発信元通番(SN)」及び「グループ通番(GN)」を格納する。ルートコードテーブル210(210A、210B、210C)は、各エントリのレコードに「ルートコード(RouteCode)」を格納する。グローバルテーブル220(220A、220B、220C)は、各エントリのレコードに「仮想IPアドレス(V−IP)」、「宛先通番(DN)」、「グループ通番(GN)」、「内部管理通番(LTN)」及び「サブ内部管理通番(SubLTN)」を格納する。受信転送
テーブル230(230A、230B、230C)は、「転送通番(TN)」、「ローカル転送通番(LTN)」及び「サブローカル転送通番(SubLTN)」を格納する。送信転送テーブル240(240A、240B、240C)は、「内部管理転送通番(LTN)」、「転送通番(TN)」、「グループ通番(GN)」及び「出力ポート値(OUTPUT POTR)」を格納する。
上記テーブル200〜240の内、ローカルテーブル200及び送信転送テーブル240のレコード構成は、前記特許文献3の同一名称のテーブルと同様な構成となっており、それらのテーブルのレコード構成については、特許文献3に詳しく記載されている。
第2実施形態のグローバルテーブル220及び受信転送テーブル230のレコードは、特許文献3に開示されたレコードの最後に、「サブ内部管理転送通番(サブ内部管理転送識別番号)」を追加した構成となっている。また、第2実施形態のGWは、特許文献3のGWが備えていないルートコードテーブル210を備えている。
サブ内部管理転送通番は、サブルートのルーティング情報を管理するために導入されたものであり、内部管理転送通番(内部管理転送識別番号)と同様の仕組みで、サブルートのルーティング情報を管理するために使用される。すなわち、本実施形態では、内部管理転送通番がメインルートのルーティング情報を管理するために用いられ、サブ内部管理転通番がサブルートのルーティング情報を管理するために用いられる。
受信転送テーブル230は、GWが、外部ネットワーク(グローバルネットワーク)から受信したIPパケットを、GW配下のネットワーク(ローカルネットワーク)にルーティング処理するために使用されるテーブルである。送信転送テーブル240は、GWが、自配下のネットワーク内の端末が送信してきたIPパケットを前記外部ネットワークにルーティング処理するために使用されるテーブルである。
ローカルテーブル200は、GWが、自配下のネットワーク内の端末に割り当てられた「実IPアドレス(R−IP)」と「発信元通番(SN)」、及び「該端末が属するグループの番号(グループ通番)」を管理するために使用されるテーブルである。グローバルテーブル220は、GWが、自配下のネットワーク内の端末に割り当てられた「仮想IPアドレス(V−IP)」と「宛先通番(DN)」、及び、「該端末が属するグループの番号(グループ通番)」、さらには、「該端末が送信したIPパケットが転送されるメインルートの内部管理転送通番(LTN)」と「該端末が送信したIPパケットが転送されるサブルートの内部管理転送通番(SubLTN)」を管理するために使用されるテーブルである。
図8を参照しながら、図7のネットワークシステムにおけるユニキャストパケットの2ルート転送を説明する。
本例では、メインルートをトンネル501とトンネル502とから構成されるルートとし、サブルートをトンネル503で構成されるルートとする。GW−Aは、出力ポートとしてGW−B向けのポート(出力ポートAB)とGW−C向けのポート(出力ポートAC)を備える。メインルートとサブルートは上記のようになっているため、GW−Aは、メインルート向けのパケットは出力ポートABから、サブルート向けのパケットは出力ポートACから送信する。
{処理概要}
・GW−Aは、新たに作成したトンネル503用の出力ポートACに関するレコードを送信転送テーブル240Aに追加する(図9(e)参照)。
・GW−Aは、ユニキャストパケットを送るホストの仮想IPアドレス(“cD”)に対してサブルートとなるルートの通番(“5”)を設定する。
・GW−Aは、上記仮想IPアドレス(“cD”)がDNとなっているユニキャストのIPパケットに対して、GW間ヘッダ110を追加する。そして、このGW間ヘッダ110が付加されたパケット101をメインルートとサブルートの2つのルートに送信する。
・GW−Bは、標準GW間ヘッダ111のみ処理して転送処理を行う(前記特許文献3参照)。
・GW−Cは、メインルートとサブルートの2つのルートから受信したパケット101のGW間ヘッダ110に設定されている「GN」、「DN」、「SN」、「ルートコード」、「PN」をチェックし、遅達廃棄処理を行う。
{内部テーブルの設定}
図12は、第2実施形態の2ルート決定時おけるGW−Aの内部テーブル設定処理を示すフローチャートである。図12を参照しながら、GW−AがGW−Cとの間に2つのユニキャストパケットの通信用ルートを設定する場合の処理手順を説明する。ここでは、図8の例を取り上げながら説明する。尚、この処理を開始する前に、GW−Aは、GW−Cとの間にトンネルを確立しているものとする。
GW−Aは、ユニキャスト用の2つのルートを決定する(S40)。図8の例では、GW−AとGW−C間に2つのルートを決定する。すなわち、出力ポートABを利用するルートと出力ポートACを利用するルートの2つのルートを決定する。
GW−Aは、ユニキャストパケット送信用の通信経路のルートコードをルートコードテーブル210Aに設定する(S41)。図8の例では、GW−AとGW−C間のトンネルを通信経路とするため、“AC”というルートコードをルートコードテーブル210Aに設定する。
次に、ユニキャストの送信相手側のゲートウェイが管理しているローカルテーブル200からユニキャストの宛先情報(実IPアドレスと発信元通番のペア)を抽出する(S42)。図8の例では、実IPアドレス(“c”)と発信元通番(“103”)を抽出する。
続いて、送信転送テーブル240Aを参照して、送信転送テーブル240Aに新規ルートの内部管理転送通番(LTN)が設定されているか調べる(S43)。そして、その新規ルートの内部管理転送通番が設定されていなければ(S43、NO)ステップS44に処理を移行し、該内部管理転送通番が設定されていれば(S43、YES)ステップS45の処理に移行する。
ステップS44においては、送信転送テーブル240Aに、新規ルート用の内部管理転送通番と、それに対応する転送通番、グループ番号(以下、グループ通番とも呼ぶ)及び出力ポート値で構成されるレコードを追加する。そして、ステップS44の処理が終了すると、ステップS45の処理に移行する。
図8の例では、GW−Aは、送信転送テーブル240Aに、内部管理転送通番(“5”)、転送通番(“1”)、グループ番号(“20”)及び出力ポート値(“AC”)から成るレコードを追加する。
ステップS45では、ステップS12で抽出したユニキャスト宛先情報(実IPアドレスと発信元通番のペア)を基に、グローバルテーブル220Aの該ユニキャスト宛先情報
に対応するサブ内部管理転送通番(SubLTN)に前記新規ルートの内部管理転送通番を設定する。GW−Aは、このステップS45の処理を、ステップS42で抽出した全てのユニキャスト宛先情報について行う。
図8の例では、グローバルテーブル220Aの「cD」と“103”が格納されているレコードのサブ内部管理転送通番項目に“5”が設定される。
ここでは、GW−Aについて説明したが、GW−Cも、図12とほぼ同様の処理を行い、ルートコードテーブル210C、グローバルテーブル220C及び送信転送テーブル240Cを更新する。
{単純なルート切り替え方法}
図7に示すようにGW−AとGW−C間で2ルート転送を行っているものとする。すなわち、GW−AとGW−Cが、トンネル501とトンネル502で構成されるメインルートとトンネル503によるサブルートを利用して2ルート転送を行っているものとする。この場合に、GW−Cが、上記2つのルートからの受信パケット量を基に、GW−Aへの転送ルートを1つのルートの転送に切り替える方法について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
図13は、第2実施形態においてGW−Cが実行するルート切り替え方法の処理手順を示すフローチャートである。
GW−Cは、前記メインルートと前記サブルートから受信するユニキャストのパケットを計数する(S51)。そして、それぞれのルートにおいて、計数したパケット数が予め定められた規定値以上であるか判断し(S52)、上記規定値以上でなければ処理をステップS51に戻す。一方、上記規定値以上であれば、処理をステップS53に移行する。
ステップS53では、メインルートとサブルートを入れ替える処理を行い、GW−Cとのユニキャストの通信経路を該サブルートのみにする。すなわち、該サブルートを新たなメインルートとし、このメインルートを利用してGW−Cとユニキャストを行う。
ステップS53において、GW−Cは、グローバルテーブル220Cの発信元通番がGW−A(“101”)となっているレコードの内部管理転送通番とサブ内部管理転送通番を入れ替える処理を行う。すなわち、該レコードの内部管理転送通番を“5”に切り替える。
GW−Cは、例えば、メインルートとサブルートからそれぞれ20パケットを受信後に、メインルートとサブルートを切り替え、通信経路を1つのルートに一本化する。
GW−Aも、GW−Cと同様に、グローバルテーブル220Aの宛先通番がGW−Cとなっているレコードの内部管理転送通番とサブ内部管理転送通番を入れ替える処理を行う。すなわち、グローバルテーブル220Aの宛先通番がGW−C(“103”)となっているレコードの内部管理転送通番をサブ内部管理転送通番に切り替える。具体的には、内部管理転送通番を“5”に設定する。
このように、GW−Cは、2ルートからパケットを受信し、遅達廃棄処理を行いながら、実際の採用ルートを決定することが可能である。また、本実施形態では、ユニキャストを行っているゲートウェイのグローバルテーブル220の内部管理転送通番とサブ内部管理転送通番を入れ替える処理を行うだけで、簡単・迅速にメインルートとサブルートを切り替えることができる。
{転送率の良いルートを残す方法}
図7に示すように、GW−Cが、GW−Aとメインルートとサブルートの2つのルート
でユニキャストしている場合に、ユニキャストを転送率の良い方のルートのみで行う方法について説明する。
図14は、第2実施形態において、GW−Cが、上記2つのルートでGW−Aとユニキャストを行っている場合に、上記2つのルートの遅達廃棄率を監視して、転送率が良い方をメインルートとして残す方法の処理手順を示すフローチャートである。
GW−Cは、上記2つのルートからの受信パケットを計数する(S61)。そして、上記2つのルートのそれぞれから予め定められた規定値以上のパケットを受信したか判断する(S62)。ステップS62において、規定値(例えば、20個)以上のパケットを受信していいと判断すれば(S62、NO)処理をステップS61に戻し、規定値以上のパケットを受信していると判断すれば(S62、YES)ステップS63に移行する。
ステップS63では、メインルートとサブルートのそれぞれについて、前記受信パケットの遅達廃棄率を調べる。そして、メインルートの方がサブルートよりもの受信パケットの遅達廃棄率が高いか判断する(S64)。そして、メインルートでの受信パケットの遅達廃棄率の方が高いと判断示した場合には(S64、YES)処理をステップS65に移行し、サブルートでの受信パケットの遅達廃棄率の方が高いと判断した場合には処理をステップS66に移行する。
ステップS65では、メインルートとサブルートを切り替え、該サブルートを新たなメインルートにし、ユニキャストをこのメインルートに一本化する。ステップS66では、サブルートを削除し、メインルートを残し、ユニキャストを該メインルートで行う。
ステップS65の処理は、図13のステップS53の処理と同様である。すなわち、GW−CとGW−Aは、ステップS53と同様な処理を行い、グローバルテーブル220と送信転送テーブル240を更新する。
ステップS66では、GW−Cは、グローバルテーブル220Cの発信元通番がGW−A(“101”)となっているレコードに設定されているサブ内部管理転送通番(“5”)を削除する。また、送信転送テーブル240Cから、上記削除されたサブ内部管理転送通番(“5”)に対応するレコードを削除する。GW−Aも、GW−Cと同様な処理を行い、内部管理転送通番(“5”)をグローバルテーブル220Aから削除すると共に。送信転送テーブル240Aから、上記内部管理転送通番(“5”)に対応するレコードを削除する。
{メインルートからサブルートへの切り替えによるルート一本化}
図15は、GW−AとGW−C間で、図8に示すようにメインルートとサブルートを用いて2ルートでユニキャストを行っていた状態において、メインルートからサブルートへの切り替え(ルート一本化)が発生した状態を示す図である。このルート一本化は、GW−A、GW−B及びGW−Cが、内部管理転送通番とサブ内部管理転送通番の切り替えや、受信転送テーブル230、送信転送テーブル240から不要な転送通番(TN)や内部管理転送通番(LTN)を削除することで実施される。
図16、17、18は、それぞれ、図15に示すようなルート切り替えが行われた際のGW−A、GW−B、GW−Cの内部テーブルの状態を示す図である。
図15に示すように、GW−AとGW−C間に確立されたトンネル503(図3参照)を通信経路とするルートがサブルートからメインルートに切り替わり、この新たなメインルートのみでGW−AとGW−C間でユニキャストが行われる場合、GW−A、GW−B及びGW−Cは、それぞれの内部テーブルを、それぞれ、図16、17、18に示す状態
に変更する。
GW−Aは、ルートコードテーブル210Aに設定されていたルートコード(“AC”)を削除する。また、グローバルテーブル220Aにおいては、内部管理転送通番(“2”)とサブ内部管理転送通番(“5”)を交換した後、サブ内部管理転送通番を削除する。この結果、内部管理転送通番に“5”が設定される(図16(c)参照)。また、送信転送テーブル240Aから上記グローバルテーブル220Aにおいて削除された内部管理転送通番(“2”)に対応するレコードを削除する(図16(e)参照)。
GW−Bは、メインルートが削除されたため、そのメインルートに関係する転送通番に関するレコードを削除する。すなわち、受信転送テーブル230Bから、“2”と“5”の転送通番に対応するレコードを削除する(図17(d)参照)。
GW−Cは、ルートコードテーブル210Cに設定されているルートコード(“AC”)を削除する。また、グローバルテーブル220C内の宛先通番が“101”となっているレコードにおいて、内部管理転送通番“1”とサブ内部管理転送通番(“5”)を入れ替えた後、サブ内部管理転送通番(“1”)を削除する。さらに、送信転送テーブル240Aから、上記削除されたサブ内部管理転送通番(“1”)に対応するレコードを削除する。
以上のようなGW−A、GW−B及びGW−Cの内部テーブル更新処理により、GW−AとGW−C間のユニキャスト用の通信経路がトンネル503に一本化される。
<GWのテーブル設定処理フロー>
上述した図15に示すGW−AとGW−B間の通信経路を一本化する際のGW−AとGW−Bの内部テーブル処理を、ぞれぞれ、図19と図20を参照しながら説明する。
{GW−Aの内部テーブル処理}
図19は、第2実施形態におけるGW−Aの内部テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。
GW−Aは、GW−C向けのルートを1つのルートに決定する(S70)。図15の例では、出力ポートACを利用するルート、すなわち、サブルートに決定する。この処理で、グローバルテーブル220Aの仮想IPアドレス(V−IP)が“cD”となっている行の内部管理転送通番(LTN)とサブ内部管理転送通番(SubLTN)を交換し、その後で、サブ内部管理転送通番を削除する。
GW−Aは、ルートコードテーブル210Aからルートコードを削除する(S71)。図15の例では、“AC”というルートコードが削除される(図16(b)参照)。
次に、グローバルテーブル220Aから削除された内部管理転送通番を抽出する(S72)。図15の例では、“2”という内部管理転送通番が抽出される。
続いて、ステップS72で抽出した全ての内部管理転送通番について、ステップS73〜S76の処理を行う。尚、以下の説明では、ステップS72で抽出された個々の内部管理転送通番を、便宜上、「抽出内部管理転送通番」と呼ぶ。
ステップS72では、抽出内部管理転送通番がグローバルテーブル220A以外のテーブルで定義(設定)されているか判断する。そして、定義されていなければ処理をステップS74に移し、定義されていれば処理をステップS76に移す。
ステップS74では、送信転送テーブル240Aから、抽出内部管理転送通番が設定さ
れている行(レコード)を削除する。図15の例では、送信転送テーブル240Aの2行目のレコードが削除される(図16(e)参照)。
続いて、ステップS74で削除したレコードの出力ポート項目に設定されていた出力ポートで定義されている対向GWに対して、転送通番の削除依頼を行う(S75)。図15の例では、GW−Bに対して、“2”という転送通番の削除を依頼する。尚、以下の説明では、上記削除依頼のあった転送通番を、便宜上、「対象転送通番」と呼ぶことにする。
一方、ステップS73において、抽出内部管理転送通番が他のテーブルで定義されていない場合には、該抽出内部管理転送通番が他のルートで使用中であるため、その抽出内部管理転送通番に関する削除処理は行わない(S76)。
{GW−Bの内部テーブル処理}
図20は、図15に示すようにルート一本化がなされた場合に、GW−Bが行う内部テーブルの設定処理の手順を示すフローチャートである。GW−Bは、図19のステップS76の処理により、GW−Aから“2”という転送通番の削除依頼を受け取ると、図20のフローチャートに示す処理を実行する。
GW−Bは、GW−Aから転送通番の削除依頼を受け取る(S80)。図15の例では、転送通番(“2”)の削除依頼を受け取る。
GW−Bは、上記削除依頼のあった転送通番が同じグループの他のGWで設定されているかどうかについて情報を収集する(S81)。図15の例では、GW−AとGW−Cについて、GW−B向けの前記転送通番(“2”)の情報を収集する。
そして。上述情報収集結果に基づき、他のGWで対象転送通番が使用されているか判断する(S82)。そして、該対象転送通番が使用されていなければ、処理をステップS83に移す。一方、該対象転送通番が使用されていれば、処理をステップS88に移す。
ステップS83では、前記対象転送通番が設定されているレコードを受信転送テーブル230Bから削除する。図15の例では、受信転送テーブル230Bから2行目のレコードを削除する(図17(d)参照)。
続いて、ステップS83で削除された対象転送通番に対応する内部管理転送通番は“Local”であるか判断する(S84)。そして、該内部管理転送通番が“Local”でなければステップS85に処理を移し、“Local”であれば本フローチャートの処理を終了する。図15の例では、前記内部管理転送通番は“Local”でないので、ステップS85に処理を移す。
ステップS85では、前記内部管理転送通番(以下、対象内部管理転送通番)が他のテーブル(グローバルテーブル220)で定義(設定)されているか判断する。そして、他のテーブルで定義されていなければ処理をステップS86に移し、他のテーブルで定義されていれば処理をステップS89に移す。図15の例では、前記内部管理転送通番(“2”)がグローバルテーブル220Bで定義(設定)されているので、処理をステップS89に移す。
ステップS86では、送信転送テーブル240Bから前記対象内部管理転送通番が設定されている行(レコード)を削除する。そして、その削除した内部管理転送通番(削除内部管理転送通番)に対応する出力ポート向けのGWに対して、該削除内部管理転送通番の削除依頼を行う(S87)。
{各GWの構成}
図21は、第2実施形態のGW(GW−A、GW−B及びGW−C)の構成例を示す図である。
同図に示すGW600は、端末(ローカル側ネットワーク)と接続されるローカル側インターフェース611と、CEやPE、または対向するGWと接続されるグローバル側インターフェース612を備えている。また、GW間ヘッダ&NAT処理部613(以下、ヘッダ処理部613と略記)、転送通番処理部614、IPルーティング処理部615、トンネル処理部616、パケット送受信部617、仮想IP&Group&転送通番管理テーブル618(以下、管理テーブル618と略記)、転送通番テーブル619及びIPルーティングテーブル620を備えている。
本実施形態のGWは、上記構成要素に加え、ルート管理処理部631、ルートコードテーブル632及び遅達管理バッファ633を備えている。本実施形態の特徴は、これらの構成要素631〜633を備えていることであり、これら3つの構成要素631〜633の作用により、IPパケットに対するGW間拡張ヘッダ112の付加やルートコードの管理などを実現している。
管理テーブル618は、図9〜図11と図16〜図18におけるローカルテーブル200とグローバルテーブル220に対応している。転送通番テーブル619は、図9〜図11と図16〜図18の受信転送テーブル230と送信転送テーブル240に対応している。
第2実施形態のGW600が処理するパケットは4種類がある。「IPパケットにGW間標準ヘッダ111とGW間拡張ヘッダ112が付加されたパケット」(以下、GW間拡張ヘッダ付パケットと記載)、「IPパケットにGW間標準ヘッダ111が付加されたパケット」(以下、GW間標準ヘッダ付パケットと記載)、「IPパケットにGW間標準ヘッダ111が付加されたGW中継用のパケット」(以下、GW間標準ヘッダ付中継用パケットと記載)、「通常のIPパケット(GW間標準ヘッダ111及びGW間拡張ヘッダ112が付加されていないIPパケット)」(以下、通常IPパケットと記載)の4つである。
これら4種類のパケットは、GW600内部で以下の流れで処理される。尚、「←→」は双方向の流れを示す。
GW間拡張ヘッダ付パケット:パケット送受信部617←→トンネル処理部616←→ルート管理処理部631←→転送通番処理部614←→ヘッダ処理部613
GW間標準ヘッダ111:パケット送受信部617←→トンネル処理部616←→転送通番処理部614←→ヘッダ処理部613
GW間標準ヘッダ付中継用パケット:パケット送受信部617←→トンネル処理部616←→転送通番処理部614←→トンネル処理部616←→パケット送受信部617
通常IPパケット:パケット送受信部617←→トンネル処理部616←→IPルーティング処理部615←→ヘッダ処理部613
ヘッダ処理部613は、ローカル側インターフェース611からIPパケット(以下、ローカルバス側IPパケットと記載)を受信すると、それが通常IPパケットであるか、グループメンバ間で送受信されるIPパケット(以下、グループメンバ間通信IPパケットと記載)であるか判断する。この判断は、ローカルパス側IPパケットの宛先アドレス(DA)が管理テーブル618に設定されているか否かによってなされる。すなわち、該宛先アドレスが管理テーブル618(前記グローバルテーブル)に設定されていればグループメンバ間通信IPパケットであると判断し、設定されていなければ通常IPパケットであると判断する。そして、ローカルパス側IPパケットが通常IPパケットであれば、
それをIPルーティング処理部615に転送する。一方、ローカルパス側IPパケットがグループメンバ間で通信されるIPパケットであれば、管理テーブル618を参照して、そのグループメンバ間通信IPパケットの宛先アドレスに対してNAT(Network Address
Translation)処理を施す。このNAT処理により、前記グループメンバ間通信IPパケットの宛先アドレス(D)または送信元アドレス(S)について、仮想IPアドレスと実IPアドレス(ローカルアドレス)間の変換が行われる。ヘッダ処理部613は、さらに、IPパケットに対して、宛先通番(DN)、発信元通番(SN)を付加すると共に、内部管理転送通番(LTN)を転送通番処理部614に通知する。また、管理テーブル618にサブ内部管理転送通番(SubLTN)が設定されている場合には、それも転送通番処理部614に通知する。
ヘッダ処理部613は、転送通番処理部614からGW間標準ヘッダ111を有するIPパケット(GW間拡張ヘッダ付パケットまたはGW間標準ヘッダ付パケット)を受け取った場合には、管理テーブル618を参照して、送信元アドレスを実IPアドレスから仮想IPアドレスに、宛先アドレスを仮想IPアドレスから実IPアドレスに変換する。また、GW間標準ヘッダ111を削除する。そして、そのGW間標準ヘッダ111が削除されたIPパケットを、ローカル側インターフェース611を介して端末に送信する。また、ヘッダ処理部613は、IPルーティング処理部615からIPパケットを受け取った場合には、それを、ローカル側インターフェース611を介して端末に送信する。
転送通番処理部614は、ヘッダ処理部613からIPパケットを受け取った場合、ヘッダ処理部613から通知された内部管理転送通番を基に転送通番テーブル619を参照し、そのIPパケットに転送通番(TN)、グループ通番(GN)を付加すると共に、出力ポート情報を取得する。そしてGW間標準ヘッダ111が付加されたIPパケットをトンネル処理部616に送ると共に、出力ポート情報(OutPort)をトンネル処理部616に通知する。転送通番処理部614は、ヘッダ処理部613から内部管理転送通番に加え、サブ内部管理転送通番も通知された場合には、そのサブ内部管理転送通番を基に転送通番テーブル619を参照して、ヘッダ処理部613から受け取ったIPパケットにGW間標準ヘッダ111を付加すると共に、出力ポート情報を取得する。そして、そのGW間標準ヘッダ111が付加されたIPパケットと出力ポート情報をトンネル処理部616に送る。
また、転送通番処理部614は、トンネル処理部616またはルート管理処理部631からIPパケット(GW間拡張ヘッダ付パケット、GW間標準ヘッダ付パケット、またはGW間標準ヘッダ付中継用パケット)を受け取った場合、そのIPパケットのGW間標準ヘッダ111に設定された転送通番(TN)を基に転送通番テーブル619を参照し、前記IPパケットの送信先がローカル(Local)であれば前記IPパケットをヘッダ処理部613に送信先がLTNであればトンネル処理部616に送る。
IPルーティング処理部615は、ヘッダ処理部613から通常IPパケットを受け取った場合には、IPルーティングテーブル620を参照し、その通常IPパケットの宛先アドレス(DA)に対応する出力ポート情報を取得する。そして、その通常IPパケットと出力ポート情報をトンネル処理部616に送る。また、IPルーティング処理部615は、トンネル処理部616から通常IPパケットを受け取った場合には、IPルーティングテーブル620を参照し、その通常IPパケットの宛先アドレス(DA)に対応する出力ポート情報を取得する。そして、その通常IPパケットとその出力ポート情報をヘッダ処理部613に送る。
トンネル処理部616は、転送通番処理部614、IPルーティング処理部615またはルート管理処理部631から受け取るIPパケットを暗号化し、その暗号化したIPパ
ケットをパケット送受信部617に転送する。また、トンネル処理部616は、パケット送受信部617から受け取るIPパケットを復号化し、その復号化したIPパケットをルート管理処理部631、転送通番処理部614またはIPルーティング処理部615に転送する。
パケット送受信部617は、トンネル処理部616から受け取るIPパケットを、グローバル側インターフェース612を介して送信する。また、パケット送受信部617は、グローバル側インターフェース612を介して受信するIPパケットをトンネル処理部616に転送する。
<GWの処理の詳細>
図22〜図24のフローチャートを参照しながら、本実施形態のGW(GW−A、GW−B、GW−C)の処理の詳細を説明する。ここでは、図8と図15のネットワークシステムにおいてネットワーク100内のPC−Aがネットワーク300内のNote−Cに対してIPパケットを送信する場合の処理について説明する。
{GW−Aの処理}
図22は、GW−Aがローカル側インターフェース611から受信したIPパケットをグローバル側インターフェース612から送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。図22を参照しながら、GW−Aによる上記IPパケットの受信・送信処理を説明する。
ヘッダ処理部613は、ローカル側インターフェース611からIPパケットを受信する(S101)。ヘッダ処理部613は、管理テーブル618を参照して、ステップS110の処理を行う。このステップS110の処理は、ステップS111〜S116から構成される。
まず、ヘッダ処理部613は、ステップS101で受信したIPパケット(以下、受信IPパケット)の宛先アドレス(DA)がグローバルテーブル220Aの存在するか判断する(S111)。そして、宛先アドレスが存在する場合には処理をステップS112に移し、存在しない場合には処理をステップS115に移す。
ステップS112では、グローバルテーブル220Aを参照して、前記宛先アドレスに対応するグループ通番(GN)を抽出する。また、ローカルテーブル200Aを参照して、前記受信IPパケットの送信元アドレス(SA)に対応するグループ番号(GN)を抽出する。そして、グローバルテーブル220Aから抽出したグループ通番とローカルテーブル200から抽出したグループ通番が同じであるか判断する(S112)。
そして、両グループ通番が同じであれば処理をステップS113に移し、同じでなければ処理をステップS116に移す。
ステップS113では、グローバルテーブル220Aから前記宛先アドレス(DA)に対応する宛先通番(DN)を取得する。また、ローカルテーブル200Aから前記送信元アドレス(SA)に対応する発信元通番(SN)を取得する。そして、該宛先通番と該発信元通番を前記受信IPパケットのGW間標準ヘッダ111に付加する。
続いて、グローバルテーブル220Aから前記宛先アドレス(DA)に対応する内部管理転送通番(LTN)を取得する。そして、宛先通番と発信元通番が付加されたIPパケットを転送通番処理部614に転送する。このとき、前記内部管理転送通番を転送通番処理部614に指定(通知)する(S114)。
ステップS115では、受信IPパケットをIPルーティング処理部615に転送する。
ステップS116では、受信IPパケットが対象グループ(グループメンバ)外のIPパケットであるとみなして、その受信IPパケットを廃棄する。
ステップS114に続いて、転送通番処理部614が転送通番テーブル619とルートコードテーブル632を参照してステップS120の処理を行う。ステップS120は、ステップS121〜S123から構成される。
まず、転送通番処理部614は、ヘッダ処理部613から指定された内部管理転送通番(LTN)を基に送信転送テーブル240Aを参照し、送信転送テーブル240Aから該内部管理転送通番に対応する転送通番(TN)と発信元通番(SN)を取得する。そして、それらをヘッダ処理部613から受け取ったIPパケットのGW間標準ヘッダ111に設定する(S121)。
次に、ルートコードテーブル632にルートコード(RouteCode)が設定されているか判断する(S122)。この判断は、GW−Aが、現在、IPパケットの2ルート転送を行う必要があるか否かを判断するためのものである。
ステップS122で、ルートコードが設定されていないと判断すると処理をステップS123に移し、ルートコードが設定されていると判断すると処理をステップS130に移す。
ステップS123では、送信転送テーブル240Aを参照して前記指定内部管理転送通番(LTN)に対応する出力ポート情報(Outport)を取得する。そして、前記GW間標準ヘッダ111が付加されたIPパケットをトンネル処理部616に転送する。このとき、転送通番処理部614は、前記出力ポート情報をトンネル処理部616に指定(通知)する。ステップS123の処理が終了すると、処理をステップS140に移す。
ステップS130の処理は、ルート管理処理部631によって実行される。ルート管理処理部631は、管理テーブル618と転送通番テーブル619を参照して、ステップS130の処理を実行する。ステップS130は、ステップS131〜S133で構成される。
尚、ルート管理処理部631は、ステップS130の処理を開始するにあたって、転送通番処理部614からGW間標準ヘッダ111が付加されたIPパケットを受け取ると共に、内部管理転送通番(LTN)を指定(通知)される。
まず、ルート管理処理部631は、転送通番処理部614から指定された内部管理転送通番(LTN)を基にグローバルテーブル220Aを参照して、その内部管理転送通番に基づいてグローバルテーブル220Aを参照して、グローバルテーブル220Aに前記内部管理転送通番に対応するサブ内部管理転送通番(SubLTN)が設定されているか判断する(S131)。そして、サブ内部管理転送通番が設定されていれば処理をステップS132に移し、サブ内部管理転送通番が設定されていなければ処理をステップS123に戻す。
ステップS132では、内部管理転送通番に関係する情報をメイン(Main)とするメインルート用GW間拡張ヘッダと、サブ内部管理転送通番に関係する情報をサブ(Sub)とするサブルート用GW間拡張ヘッダを生成する。
次に、ルートコードテーブル632に設定されているルートコードを取得すると共に、グローバルテーブル220Aから内部管理転送通番(LTN)に対応する出力ポート情報(メインルート出力ポート情報)とサブ内部管理転送通番に対応する出力ポート情報(サブルート出力ポート情報)を取得する。そして、前記ルートコードとパケット通番を、前記メインルート用GW間拡張ヘッダと前記サブルート用GW間拡張ヘッダに設定して、両GW間拡張ヘッダを完成させる。また、ルート管理処理部631は、内部管理転送通番とサブ内部管理転送通番を基に送信転送テーブル240Aを参照して、送信転送テーブル240Aから、内部管理転送通番に対応する出力ポート情報とサブ内部管理転送通番に対応する出力ポート情報を取得する。そして、メインルート用GW間拡張ヘッダが付加されたIPパケット(メインルート用IPパケット)とサブルート用GW間拡張ヘッダが付加されたIPパケット(サブルート用IPパケット)をトンネル処理部616に送信する。このとき、前記メインルート用IPパケットをトンネル処理部616に送信する際には、そのIPパケットを出力すべきポート示す出力ポート情報をトンネル処理部616に通知する。同様に、前記サブルート用IPパケットをトンネル処理部616に送信する際には、そのIPパケットを出力すべきポートを示す出力ポート情報をトンネル処理部616に通知する(S133)。
ステップS140の処理は、トンネル処理部616とパケット送受信部617によって実行される。
ステップS140では、トンネル処理部616がルート管理処理部631、転送通番処理部614またはIPルーティング処理部615から受信するパケットを暗号化する。パケット送受信部617は、この暗号化されたパケットを、ルート管理処理部631、転送通番処理部614またはIPルーティング処理部615が転送通番処理部614に通知(指定)したグローバル側インターフェース612の出力ポートから送信する。
このステップS140の処理により、前記メインルート用IPパケットがGW−Bに送信され、前記サブルート用IPパケットがGW−Cに送信される。
{GW−Bの処理}
図23を参照しながら、GW−Bによるグローバル側インターフェース612から受信したIPパケットの処理について説明する。図23は、GW−Bがグローバル側インターフェース612から受信するIPパケットを処理する手順を示すフローチャートである。
まず、パケット送受信部617は、グローバル側インターフェース612からIPパケットを受信し、そのIPパケット(以下、受信IPパケット)をトンネル処理部616に転送する(S201)。
続いて、トンネル処理部616が前記受信IPパケットについてステップS210の処理を行う。ステップS210は、ステップS211〜S212から構成される。
ステップS211で、トンネル処理部616は前記受信IPパケットを復号化する。そして、該復号化により得られたIPパケットのヘッダがGW間ヘッダ(GW間標準ヘッダ111とGW間拡張ヘッダ112から構成されるヘッダ)であるか判断する(S211)。そして、該IPパケットのヘッダがGW間ヘッダであれば処理をステップS212に移し、GW間ヘッダでなければ処理をステップS213に移す。
ステップS212では、トンネル処理部616は、前記GW間ヘッダに設定されているルートコードが遅達廃棄対象であるか判断する。この判断では、前記GW間ヘッダに設定されているルートコードがルートコードテーブル632に設定されているかしらべ、そのルートコードがルートコードテーブル632に設定されていれば、そのルートコードは遅達廃棄対象であると判断する。ルートコードテーブル632にそのルートコードが設定されているか判断する。トンネル処理部616は、前記ルートコードが遅達廃棄対象である
と判断すれば処理をステップS214に移し、遅達廃棄対象でないと判断すれば処理をステップS220に移す。
ステップS213では、トンネル処理部616は、前記受信IPパケットを通常のIPパケットであると判断し、それをIPルーティング処理部615に転送する。
ステップSS214の処理は、GW−Bがトンネル処理部616から受け取ったIPパケットを転送するか、または、遅達廃棄するかによって異なる。転送の場合には、後述するステップS220を行う。また、遅達廃棄する場合には、後述する、GW−Cのルート管理処理部631の処理を行う。
ステップS220の処理は、転送通番処理部614によって実行される。ステップS220は、ステップS221〜S223から構成される。
ステップS221では、転送通番処理部614はトンネル処理部616から受け取ったIPパケットのGW間ヘッダの転送通番(TN)を基に受信転送テーブル230Bを参照し、受信転送テーブル230Bからその宛先通番に対応する内部管理転送通番(LTN)を取得する。そして、この内部管理転送通番を指定する。
次に、転送通番処理部614は、前記指定した内部管理転送通番(以下、指定内部管理転送通番と記載)を基に送信転送テーブル240Bを参照し、送信転送テーブル240Bから該指定内部管理転送通番に対応する転送通番(TN)とグループ通番(GN)を取得する。そして、トンネル処理部616から受け取ったIPパケットのGW間ヘッダの転送通番(TN)とグループ通番(GN)を、それぞれ、上記取得した転送通番とグループ通番に書き換える(S222)。
続いて、転送通番処理部614は、前記指定内部管理転送通番を基に送信転送テーブル240Bを参照し、送信転送テーブル240Bから前記指定内部管理転送通番対応する出力ポート(OutPort)を取得し、その出力ポートを指定して、前記GW間ヘッダの一部(宛先通番と発信元通番)が書き換えられたIPパケットをトンネル処理部616に転送する(S223)。
ステップS223に続いて、ステップS230の処理が行われる。ステップS230の処理は、トンネル処理部616とパケット送受信部617によって実行される。
ステップS230では、トンネル処理部616は、転送通番処理部614から受け取ったIPパケットを暗号化する。そして、その暗号化したIPパケットを、転送通番処理部614から指定された出力ポートと共にパケット送受信部617に送信する。パケット送受信部617は、転送通番処理部614から受け取ったIPパケットをグローバル側インターフェース612の前記指定された出力ポートから送信する。
このステップS230の処理により、前記IPパケットがGW−Cに送信される。
{GW−Cの処理}
図24を参照しながら、GW−Cがグローバル側インターフェース612からIPパケットを受信した場合の処理を説明する。図24は、GW−Cがグローバル側インターフェース612から受信したIPパケットをローカル側インターフェース611に出力する処理を示すフローチャートである。
パケット送受信部617は、グローバル側インターフェース612からIPパケットを受信し、それをトンネル処理部616に転送する(S301)。
次に、トンネル処理部616がステップS310の処理を実行する。ステップS310は、ステップS311〜S312から構成される。
ステップS311では、トンネル処理部616は、パケット送受信部617から受け取ったIPパケット(第1のIPパケット)を復号化する。そして、該復号化により得られたIPパケット(第2のIPパケット)のヘッダがGW間ヘッダ(GW間標準ヘッダ111とGW間拡張ヘッダ112から構成されるヘッダ)であるか判断する。そして、GW間ヘッダであれば処理をステップS312に移し、GW間ヘッダでなければ処理をステップS313に移す。
ステップS312では、トンネル処理部616はルート管理処理部631にルートコードが設定されているか判断する。そして、トンネル処理部616は、ルートコードが設定されていれば、前記第2のIPパケットをルート管理処理部631に転送し、処理をステップS320に移す。一方、トンネル処理部616は、ルートコードが設定されていなければ、ステップS330に移す。
ステップS313では、トンネル処理部616は、前記第2のIPパケットをIPルーティング処理部615に転送する。
ステップS320の処理は、ルート管理処理部631により実行される。ステップS320は、ステップS321〜S324から構成される。
ステップS321では、ルート管理処理部631は、前記第2のIPパケットのGW間ヘッダに設定されているルートコードが遅達廃棄対象であるか判断する。この判断では、GW間ヘッダに設定されているルートコードがルートコードテーブル632に設定されているか調べ、設定されていれば、そのルートコードが遅達廃棄対象であると判断する。ルート管理処理部631は、前記ルートコードが遅達廃棄対象であると判断すると処理をステップS322に移し、遅達廃棄対象でないと判断すると処理をステップS325に移す。
ステップS322では、ルート管理処理部631は、前記第2のIPパケットのGW間ヘッダに設定されているグループ通番(GN)、宛先通番(DN)、ルートコード(RouteCode)及びパケット通番(Packet通番)を調べ、それらの組みが遅達管理バッファ633に格納されているか判断する。そして、それらの組が遅達管理バッファ633に有れば、前記第2のIPパケットを遅達パケットとして廃棄する(S326)。
一方、前記グループ通番、宛先通番、ルートコード及びパケット通番の組みが遅達管理バッファ633に無ければ、それらの組みを遅達管理バッファ633に保存する(S323)。
ステップS323の処理が終了すると、ルート管理処理部631は、前記第2のIPパケットからGW間拡張ヘッダ112を削除し、該GW間拡張ヘッダ112が削除されたIPパケット(第3のIPパケット)を転送通番処理部614に転送する(S324)。
ステップS312でNOと判断された場合、または、ステップS324の処理が終了すると処理がステップS330に移行する。
ステップS330の処理は、転送通番処理部614により実行される。ステップS330は、ステップS331〜S332から構成される。
ステップS331では、転送通番処理部614は、GW間標準ヘッダ111の転送通番(TN)を基に受信転送テーブル230Cを参照し、受信転送テーブル230Cから該転送通番に対応する内部管理転送通番(LTN)を取得する。そして、その内部管理転送通番を指定する。
次に、転送通番処理部614は、前記指定内部管理転送通番が“Local”指定であると認識し、前記第3のIPパケットをヘッダ処理部613に転送する(S332)。
ステップS332の処理に続いて、ステップS340の処理が行われる。ステップS340の処理は、ヘッダ処理部613によって実行される。ステップS340は、ステップS341〜S342から構成される。
ステップS341では、ヘッダ処理部613は、前記第3のIPパケットのGW間標準ヘッダ111に設定されている宛先通番(DN)と発信元通番(SN)を基にローカルテーブル200Cとグローバルテーブル220Cを参照し、前記宛先通番に対応する宛先アドレス(D)と前記発信元通番に対応する送信元アドレス(S)を取得する。前記宛先アドレスは、前記宛先通番を基にローカルテーブル200Cから取得される。前記送信元アドレスは、前記発信元通番を基にグローバルテーブル220Cから取得される。そして、ヘッダ処理部613は、前記第3のIPパケットのIPヘッダの宛先アドレス(D)と送信元アドレス(S)を、それぞれ、上記取得した宛先アドレスと送信元アドレスに書き換える。
続いて、ヘッダ処理部613は、前記第3のIPパケットからGW間標準ヘッダ111を削除する。そして、該GW間標準ヘッダ111が削除されたIPパケットを、ローカル側インターフェース611を介してローカル側ネットワーク300に転送する(S342)。
[第3実施形態]
前記第1及び第2実施形態で示したIPネットワークシステムにおいて、あるGWが2ルートで通信を行う場合、その通信の開始/終了において、パケットの通信経路(転送経路)に配置されている全てのGWが最新のGW間拡張ヘッダ情報を共有する必要がある。このために、前記通信の開始の前と終了後に、各GWが保有するGW間拡張ヘッダ情報を最新のものに同期をとって更新する処理が必要となる。
第3実施形態は、このようなGW間でのGW間拡張ヘッダ情報更新の同期処理の実現方法に関するものである。
ここでは、図7に示すネットワークシステムを例にして、上記GW間拡張ヘッダ情報の同期更新処理について説明する。すなわち、PC−A、サーバ201及びNote−Cがグループ1としてグループ化されており、PC−AがGW−A配下の端末、サーバ201がGW−B配下の端末、Note−CがGW−C配下の端末となっている場合を例にして説明する。また、前提として、GW−AとGW−B間及びGW−BとGW−C間が既にトンネルで接続されているものとする。つまり、GW−AとGW−Cとの間で1ルートの通信が既に行われているものとする。この状態において、GW−AとGW−C間で新たにユニキャスト用トンネルが確立され、GW−AとGW−C間が2ルートでの通信に移行する場合の処理について説明する。
図25は、GW−AとGW−C間での通信が1ルートから2ルートに移行する場合において、GW−A、GW−B及びGW−Cが、GW間拡張ヘッダ情報を、同期をとりながら更新する方法を示すシーケンス図である。
図25を参照しながら、上記GW間拡張ヘッダ情報の同期更新処理について説明する。
GW−AとGW−B間でトンネルが確立し、グループ1での通信(グループ1通信)が確立済みであるとする(SQ1)。また、GW−BとGW−C間でも、トンネルが確立し、グループ1通信が確立済みであるとする(SQ2)。
この状態で、GW−AとGW−C間でユニキャスト用のトンネルを確立し(SQ3)、
GW−AとGW−C間で2ルート転送を開始する(SQ4)。尚、上記トンネル確立に先立って、GW−AとGW−Cとの間でGW間認証を行うようにしてもよい。
このトンネル確立により、GW−AとGW−Cは、ルートコードを決定する。また、GW間拡張ヘッダ情報のチェックを開始する。
次に、GW−AとGW−Cとの間で、GW間拡張ヘッダ情報の同期処理が実行される(SQ5)。
このGW間拡張ヘッダ情報同期処理により、GW−Aは、ルートコードテーブル210Aとグローバルテーブル220A、及び送信転送テーブル240Aに、GW−Cとユニキャストを行うために必要な情報を設定する(SQ6)。また、GW−Cも、ルートコードテーブル210Cとグローバルテーブル220C、及び送信転送テーブル240Cに、GW−Aとユニキャストを行うために必要な情報を設定する(SQ7)。
すなわち、GW−Aは、ルートコードテーブル210Aにルートコード(“AC”)を設定する(図9(a)参照)。また、グローバルテーブル220Aの仮想IPアドレス(V−IP)項目がGW−C配下のNote−Cの仮想IPアドレス(“cD”)となっているレコードのサブ内部管理転送通番項目に“5”を設定する(図9(c)参照)。また、さらに、グローバルテーブル220Aに、上記サブ内部管理転送通番(“5”)に関するレコードを追加する(図9(e)参照)。
GW−Cは、ルートコードテーブル210Cにルートコード(“AC”)を設定する(図11(a)参照)。また、グローバルテーブル220Cの仮想IPアドレス(V−IP)項目がGW−A配下のPC−Aの仮想IPアドレス(“aD”)となっているレコードのサブ内部管理転送通番項目に“5”を設定する(図11(c)参照)。また、さらに、送信転送テーブル240Cの上記サブ内部管理転送通番に関するレコードを追加する(図11(e)参照)。
以上のようにして、GW−AとGW−Cが、自身のルートコードテーブル210、グローバルテーブル220及び送信転送テーブル240を同期更新すると、既存のルートと今回、新規に追加されたルートの2つのルートを利用した2ルート転送状態が開始される(SQ8)。
すなわち、GW−A→GW−B→GW−Cの既存ルートとGW−A→GW−Cの新規ルートの2ルートを利用して、GW−AとGW−C間でユニキャストが行われる。そして、GW−AとGW−Cは、受信するIPパケットのGW間拡張ヘッダ112のチェックを開始する。
その後、第2実施形態で説明した方法により、ルートを一本化するルート切り替えが発生し、ユニキャスト用のルートが確定する(SQ9)。この場合、例えば、前記新規ルートに一本化されたと仮定する。
GW−Aは、ルートコードテーブル210Aに設定されているルートコード(“AC”)を削除する(SQ10)。GW−Cは、ルートコードテーブル210Cに設定されているルートコード(“AC”)を削除する(SQ11)。
以上のようにして、2ルート転送は終了し、GW−AとGW−Cは、受信するIPネットワークのGW間拡張ヘッダ112のチェックを終了する(SQ12)。
続いて、GW−AとGW−B間、及びGW−BとGW−C間で上記ルート一本化に伴い不要となったルートの削除同期処理が実行される(SQ13、SQ14)。
このルート削除同期処理により、GW−Aは、図16に示すように、グローバルテーブル220Aと送信転送テーブル240Aを更新する(SQ14)。また、GW−Bは、図17に示すように、受信転送テーブル230Bを更新する(SQ16)。また、さらに、GW−Cは、図18に示すように、グローバルテーブル220Cと送信転送テーブル240Cを更新する(SQ17)。
[第4実施形態]
前述した第2実施形態は、GW間通信がユニキャストである場合に、GW間通信経路(転送経路)を、最適化経路に段階的かつシームレスに移行する方法であった。
第4実施形態(以下、本実施形態)は、GW間通信がブロードキャスト/マルチキャストである場合に、GW間通信経路(転送経路)を、最適化経路に段階的かつシームレスに移行する方法に関するものである。
図26は、第4実施形態のネットワークシステムにおける一時的な2ルート転送状態を示す図である。尚、図26において、図7に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付与している。
第4実施形態においても、図26に示すように、GW−AとGW−C間で、一時的に2ルートでの通信(転送)が必要になる。
図26に示すように、第4実施形態では、GW−AとGW−B間にトンネル501を確立すると共に、GW−BとGW−C間にトンネル502を確立する。また、マルチキャスト用のトンネル504を、GW−AとGW−B、GW−C間に確立する。このトンネル504は、前記第1実施形態の仮想トンネル91と同様なトンネルである。GW−A配下のPC−Aは、これらのトンネルを利用して、GW−B配下のサーバ201とGW−C配下のNote−Cにブロードキャスト/マルチキャストでパケットを送信する。この場合、GW−Aからトンネル504に送信されたブロードキャスト/マルチキャストのパケットは、CE401によりコピーされ、トンネル504を介してGW−Bに転送されると共にGW−C側にも転送される。PE411に転送された前記ブロードキャスト/マルチキャストのパケットは、PE411、インターネット400、PE413及びPE412を経由してGW−Cに送られる。なお、図26に示すGW−AとGW−C間に確立されているトンネル503は、ユニキャスト用のトンネルである。
このように、図26に示すIPネットワークにおいては、PC−Aが送信するブロードキャスト/マルチキャストのパケットは、2つのルート、すなわち、トンネル501とトンネル502から構成される第1ルートと、トンネル504から構成される第2ルートの2つのルートを利用して転送される。この場合、GW−Cは同じブロードキャスト/マルチキャストのパケットを2つのルートから受信するので、遅達廃棄処理を行う。
図27〜図30を参照しながら、第4実施形態の手法によるブロードキャスト/マルチキャストのシームレスな経路変更方法を説明する。
図27は、第4実施形態におけるシームレスな経路変更方法を全体的に示す図である。図28、29、30は、それぞれ、上記シームレスな経路変更方法を実現するGW−A、GW−B、GW−Cの内部テーブルの構成と状態を示す図である。尚、図28〜図30に示すテーブルの前状態は、図16〜図18に示すようになっているものと仮定して説明を行う。
{概要}
第4実施形態では、図28〜図30に示すように、受信転送テーブル230のレコード
にグループ通番(GN)項目を追加する。これは、各GWが受信したパケットのグループを特定するためである。ブロードキャストやマルチキャストでは、1つのパケットが複数拠点に転送されるため、転送通番(TN)の共通化やグループ通番(GN)の強制変換を行う必要が生じる。
本実施形態では、下記1)〜6)の処理を行う。
1)GW−Aは、グローバル側インターフェース612に、新たに“ABC”というブロードキャスト/マルチキャスト用の出力ポートを設ける。そして、図28(e)に示すように、この出力ポート(“ABC”)を送信転送テーブル240Aの空き内部管理転送通番(“2”)のレコードに設定する。
2)図28(c)に示すように、GW−Aは、ブロードキャスト用の仮想IPアドレス(“Broad”)に対して、サブルート用の内部管理転送通番としてサブ内部管理転送通番(“2”)を設定する。また、マルチキャスト用の仮想IPアドレス(“Multi”)に対しても、同様に、サブ内部管理転送通番(“2”)を設定する。
3)GW−A、GW−B及びGW−Cで共通に使用可能な転送通番(“2”)を割り出し、GW−AとGW−Cは、その転送通番(“2”)を、それぞれの送信転送テーブル240に設定する(図28(c)と図30(c)を参照)。
4)GW−A、GW−B及びGW−Cは、上記割り出した共通転送通番(“2”)を、ぞれぞれの受信転送テーブル230Aに、配下端末のグループ1におけるそれぞれのグループ通番(GN)と共に設定する(図28(d)、図29(d)、図30(d)を参照)。
5)GW−Aは、PC−AからIPヘッダにブロードキャストアドレスが設定されたIPパケットを受け取ると、そのIPパケットにGW間ヘッダ110(GW間標準ヘッダ111とGW間拡張ヘッダ112)を付加して、2ルートに送信する(図27参照)。
6)GW−Bは、上記GW−Aが送信したブロードキャストパケットを2つのルートから受信すると、そのパケットのGW間標準ヘッダ111(TN、GN、DN、SN)のみを参照し、GW−Cへの転送処理を行う。また、上記2つのルートからのブロードキャストパケットのGW間ヘッダ110のグループ通番(GN)、宛先通番(DN)、発信元通番(SN)、ルートコード(RouteCode)及びパケット通番(PN)をチェックして、ローカル(Local)への転送パケット、すなわち配下のサーバ201に転送するパケットに関する遅達廃棄処理を行う。
6)GW−Cは、上記2ルートから受信したブロードキャストパケットのGW間ヘッダ110に設定されたグループ通番(GN)、宛先通番(DN)、発信元通番(SN)、ルートコード(RouteCode)及びパケット通番(PN)をチェックし、遅達廃棄処理を行う。
{GWの内部テーブル設定処理}
GW−A、GW−B及びGW−Cの内部設定処理を説明する。ここでは、GW−Aの内部テーブル設定処理を例にして説明する。
図31は、第4実施形態におけるGW−Aの内部テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。
GW−Aは、ブロードキャストパケットを送信する2つのルートを決定する(S401)。次に、ルートコードをルートコードテーブル210Aに設定する(S402)。図2
8の例では、ルートコードとして“ABC”が設定される。
続いて、上記2つのルートに配置された全てのゲートウェイ(GW−A、GW−B、GW−C)で共通の空き転送通番(TN)を抽出する(S403)。図28の例では、空き転送通番として“2”が抽出される。
上記抽出した転送通番を、受信転送テーブル230Aに追加する(S404)。図28の例では、GW−Aは、ブロードキャストパケット/マルチキャストパケットの発信元のゲートウェイであるので、受信転送テーブル230Aに、「転送通番(“2”)」、「内部管理転送通番(“Local”)」、「グループ通番(“1”)」及び「サブ内部管理転送通番(無設定)」の4項目から構成されるレコードが追加される。
次に、ブロードキャスト/マルチキャスト用の出力ポートに対応する内部管理転送通番(LTN)を送信転送テーブル240Aに追加する。図28の例では、送信転送テーブル240Aの空きエントリに、「内部管理転送通番(“2”)」、「転送通番(“2”)」、「グループ通番(無設定)」及び「出力ポート(“ABC”)」から構成されるレコードが追加される。
続いて、グローバルテーブル220Aからブロードキャスト/マルチキャスト用のアドレスを抽出する(S406)。図28の例では、1つのブロードキャスアドレス(“Broad”)と1つのマルチキャストアドレス“Multi”が抽出される。
そして、最後に、グローバルテーブル220Aのブロードキャス用の仮想IPアドレスまたはマルチキャスト用の仮想IPアドレスが設定されたレコードの「サブ内部管理転送通番」の項目に、ステップS405で送信転送テーブル240Aに追加した内部管理転送通番(共通送信用内部管理転送通番)を追加する(S407)。
このステップS407の処理は、ステップS406で抽出したアドレスの数だけ繰り返す。ステップS407に繰り返し処理により、図28の例では、グローバルテーブル220Aのブロードキャスト用仮想IPアドレス(“Broad”)が設定されたレコードとマルチキャスト用仮想IPアドレスが設定されたレコードのサブ内部管理転送通番項目にサブ内部管理転送通番(“2”)が設定される。
{ルート切り替え}
図28に示すように一時的にブロードキャストパケット/マルチキャストパケットを2ルートで転送している状態において、ルート切り替えを行い、ルートを一本化する手法について、図32〜図35を参照しながら説明する。
図32は、図28に示すブロードキャスト/マルチキャストの2ルート転送状態を、1ルートでの転送に切り替えた状態を示す図である。図32において、図28の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付与している。図33、34、35は、それぞれ、図32に示す状態におけるGW−A、GW−B、GW−Cの内部テーブルの内容を示す図である。
図28において、メインルートがGW−Aの出力ポートABからパケットが送信されるルート、サブルートがGW−Aの出力ポートABCからパケットが送信されるルートであるとする。図32は、上記メインルートと上記サブルートを切り替え、ブロードキャスト/マルチキャスト用のルートを上記サブルートに一本化した例を示している。
このようなサブルートへの一本化は、GW−A、GW−B及びGW−Cが、それぞれの
内部テーブルにおいて、内部管理転送通番(LTN)とサブ内部管理転送通番(SubLTN)の切り替える処理や、送信転送テーブル240において不要な内部管理転送通番(LTN)を削除する処理を実行することで実現される(図33〜図35を参照)。
上記ルート一本化により、内部テーブルを、図28〜図30に示す状態から図33〜図35のような状態に変更するGW−A、GW−B、GW−Cの処理を説明する。
{2ルート対象のGWの内部テーブル変更処理}
図36は、GW−Aが内部テーブルを、図28に示す状態から図33に示す状態に変更する処理を示すフローチャートである。図28では、GW−Aが2ルート転送の発信元のGW(2ルート対象のGW)となっている。図36のフローチャートは、前述した図19のフローチャートと同様である。
GW−Aは、ブロードキャスト/マルチキャスト用のルートを1つのルート決定する(S501)。図32の例では、GW−Aは、パケットを出力ポートABCから送信するルートに決定する。この処理において、グローバルテーブル220Aの仮想IPアドレス(V−IP)が“Broad”に設定されている行と“Multi”に設定されている行について、内部管理転送通番(LTN)とサブ内部管理転送通番(SubLTN)を交換し、交換後に、サブ内部管理転送通番を削除する。
ルートコードテーブル210Aから、上記ルート決定に伴い不要になったルートコードを削除する(S502)。この処理により、図33(b)に示すように、ルートコードテーブル210Aからルートコード(“ABC”)が削除される。
グローバルテーブル220Aの削除対象となったルートに対応する内部管理転送通番(LTN)を抽出する(S503)。この処理により、グローバルテーブル220Aから“3”と“4”の内部管理転送通番が抽出される。
ステップS503で抽出した内部管理転送通番の数だけ、以下に説明するステップS504〜S507の処理を繰り返す。図28の例では、ステップS504〜S506の処理が2回繰り返される。
ステップS504では、前記内部管理転送通番(以下、対象内部管理転送通番)が他のテーブルに設定(定義)されているか判断する。そして、他のテーブルに定義されていなければ処理をステップS505に移し、他のテーブルで定義されていれば処理をステップS507に移す。
ステップS505では、送信転送テーブル240Aから前記対象内部管理転送通番が設定されている行(レコード)を削除する。この処理により、最初に、“3”の内部管理転送通番が設定されている行が送信転送テーブル240Aから削除される。そして、2回目に、“4”の内部管理転送通番が設定されている行が送信転送テーブル240Aから削除される。
ステップS507では前記対象内部管理転送通番が他のルートで使用されている削除処理は行わない。
ステップS505の処理が終了すると、ステップS504で削除した行の出力ポート項目に設定されていた出力ポートの対向GWに対して、上記削除行に設定されていた転送通番(TN)の削除依頼を行う(S506)。この処理により、最初に、GW−Bに対して転送通番“3”の削除依頼が行われ、2回目に、GW−Bに対して転送通番“4”の削除依頼が行われる。
以上の処理により、GW−Aの内部テーブルに内、グローバルテーブル220Aと送信転送テーブル240Aが、それぞれ、図33(c)、(e)に示すように変更される。
{転送通番(TN)削除処理対象のGWの内部テーブル変更処理}
<GW−Bの処理>
図37は、第4実施形態におけるGW−Bの内部テーブル変更処理を示すフローチャートである。図37のフローチャートは、前述した図20のフローチャートと同様である。
GW−Bは、図36のステップS506の処理により、GW−Aから2つの転送通番(“3”と“4”)について削除依頼を受ける(S511)。
この削除依頼を受けて、GW−Bは、送信転送テーブル240Bを参照し、上記削除依頼を受けた2つの転送通番(“3”と“4”)が、同じグループ(この場合は、PC−Aが属するグループ通番(GN)が“1”のグループ1)の他のGW(GW−AとGW−C)向けに設定されているか収集する(S512)。図32の例では、GW−AとGW−Cに対して、GW−B向けの転送通番“3”と“4”の情報を収集する。
続いて、その収集結果を基に、他のGWで上記削除依頼を受けた転送通番(対象転送通番)が使用されているか判断する(S513)。そして、前記対象転送通番が他のGWで使用されていなければ処理をステップS514に移し、使用されていれば処理をステップS519に移す。図32の例では使用されていないので、処理はステップS514に移行する。
ステップS514では、前記対象転送通番を受信転送テーブル230Bから削除する。この処理により、受信転送テーブル230Bから転送通番として“3”と“4”が設定されている行が削除される。
ステップS514に続いて、上記受信転送テーブル230Aから削除した転送通番の内部管理転送通番(LTN)は“Local”であったか判断する(S515)。“Local”でなければ処理をステップS516に移し、“Local”であれば本フローチャートの処理を終了する。図32の例では、転送通番“3”に対応する内部管理転送通番は“2”であり、転送通番“4”に対応する内部管理転送通番は“5”である(図29(d)参照)。このため、処理はステップS516に移る。
ステップS516では、上記転送通番が他のテーブルで定義されているか判断する。そして、他のテーブルで定義されていなければ処理をステップS517に移し、定義されていれば処理をステップS520に移す。図32の例では、内部管理転送通番“2”は受信転送テーブル230Aで定義されているが、内部管理転送通番“5”は定義されていない。
このため、転送通番“2”については処理をステップS520に移し、転送通番“5”については処理をステップS517に移す。
ステップS517では、送信転送テーブル240Bから対象の内部管理転送通番が設定されている行を削除する。図32の例では、送信転送テーブル240Aの内部管理転送通番“5”が設定されている行が削除される。
そして、最後に、ステップS517で削除した内部管理転送通番に対応する出力ポート向けのGWに対して、該内部管理転送通番に対応する転送通番(TN)の削除依頼を行う(S518)。図32の例では、上記削除された内部管理転送通番に対応する出力ポートが“BC”であったので、GW−Cに対して、転送通番“1”の削除依頼を行う。
<GW−Cの処理>
GW−Cの処理は、GW−Bと同様に図37のフローチャートに示した手順で行われる。ここでは、図27の例を取り上げて説明する。
ステップS511で、GW−Bから転送通番“1”の削除依頼を受け取る。ステップS512の処理を実行して、GW−AとGW−BからGW−C向けの転送通番“1”の情報を収集する。次に、ステップS513の判断処理を実行し、送信転送テーブル240CにGW−Bからの転送通番“1”の設定があると判断する。このため、ステップS519に移行し、図37のフローチャートの処理を終了する。
{各GWの処理}
<GW−Aの処理>
図38は、第4実施形態におけるGW−AのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。図38において、図20と同じステップには同一のステップ番号を付与している。図38のフローチャートは、図20のフローチャートと全く同様である。したがって、図38のフローチャートの説明は割愛する。
<GW−Bの処理>
図39は、第4実施形態におけるGW−BのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。図39において、図23と同じステップには同一のステップ番号を付与している。また、図39のステップS240(S241〜S244)及びステップS260(S261、S262)は、それぞれ、図24のステップS320、ステップS330、ステップS340及びステップS340と同様である。また、図39のステップS245とS246は、それぞれ、図24のステップS325とS326と同様である。
図39のステップS250(S251、S252)は、図24のステップS330(S331、S332)と似ているが、ステップS251とステップS331の処理が少し異なる。これは、第4実施形態のGWが備える受信転送テーブルのレコードは、第2実施形態のGWが備える受信転送テーブルのレコードと構成が異なるからである。すなわち、本実施形態の受信転送テーブルのレコードは、グループ通番(GN)の項目を有している。
ここで、ステップS251の処理を説明する。ステップS251において、転送通番処理部614は、GW間ヘッダの転送通番(TN)を基に受信転送テーブル230Bを参照し、該転送通番が設定されているレコードにグループ通番(GN)の設定(指定)がある場合には、GW間ヘッダにそのグループ通番(GN)を設定する。また、上記レコードに設定されておる内部管理転送通番(LTN)を指定する。
図27の例では、GW−Bは、グローバル側インターフェース612からGW−Aが送信したブロードキャストパケット105、106を受信する。ブロードキャストパケット105のGW間ヘッダ110の転送通番(TN)は“3”であり、ブロードキャストパケット106の転送通番(TN)は“2”である。したがって、図29(d)の受信転送テーブル230Bを参照することにより、ブロードキャストパケット105のGW間ヘッダ110に設定されている転送通番“2”にはグループ通番“10”が指定されていることが分かる。また、ブロードキャストパケット106のGW間ヘッダ110に設定されている転送通番“3”にはグループ通番が指定されていないことが分かる。したがって、この場合、ブロードキャストパケット106のGW間ヘッダ110のグループ通番(GN)を“10”に設定(変更)する。また、上記受信転送テーブル230Bの該当レコードの内部管理転送通番は“Local”となっているので、指定内部管理転送通番を“Local”とする。ブロードキャストパケット105は、グループ通番“20”が設定されているので、そのGW間ヘッダのグループ通番(GN)は書き換えられない。
転送通番処理部614は、ブロードキャストパケット105またはブロードキャストパケット106のいずれか一方(先に受信したブロードキャストパケット)をヘッダ処理部613に転送する。そして、ステップS260において、ヘッダ処理部613は、前記ブロードキャストパケットのGW間ヘッダに設定されている宛先通番“255”と発信元通番“101”を基にローカルテーブル200Bとグローバルテーブル220Bを参照し、ブロードキャストパケット106のTCP/IPヘッダ120の宛先アドレス(DA)、送信元アドレス(SA)を、それぞれ、“Broad”と“aD”に設定(変更)する(S261)。続いて、ヘッダ処理部613は、前記ブロードキャストパケットからGW間ヘッダ110を削除し、その削除により得られたIPパケット107を、ローカル側インターフェース611を介してサーバ201に転送する。
<GW−Cの処理>
図40は、第4実施形態おけるGW−CのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。図40において、図24と同じステップには同一のステップ番号を付与している。また、図40にいて、図39のステップと同じステップには同一のステップ番号を付与している。GW−Cの転送通番処理部614の処理は、GW−Bの転送通番処理部614と同様である(ステップS250を参照)
図27の例の場合、GW−Cは、GW−Bからブロードキャストパケット105とブロードキャストパケット108を受信する。そして、先に受信したブロードキャストパケットについて、ステップS320、S250、S340の順に処理を行い、IPパケット109を、ローカル側インターフェース611を介してNote−Cに転送する。
[第5実施形態]
第5実施形態は、上述した第4実施形態のようにマルチキャストルートを追加する場合における、各GW間でのGW間拡張ヘッダ情報の同期処理の手法に関するものである。
図41は、第5実施形態における各GW間でのGW間拡張ヘッダ情報の同期処理のシーケンスを説明する図である。図41は、図27に示すように、GW−A、GW−B、GW−Cが、配下に、グループ1に属する端末を所有しており、GW−AとGW−B、GW−BとGW−C、GW−AとGW−Cがトンネル接続状態であるときに、新規にブロードキャスト/マルチキャスト用のトンネルが確立され、2ルートでのブロードキャスト/マルチキャスに移行する場合のシーケンスを示している。
図41を参照しながら、ブロードキャスト/マルチキャストのルートを1ルートから2ルートに移行する場合におけるGW間拡張ヘッダ情報の同期処理のシーケンスを説明する。
GW−AとGW−B間にトンネルを確立し、GW−AとGW−B間でグループ1での通信(以下、グループ1通信)を確立する(SQ21)。続いて、GW−BとGW−C間にトンネルを確立し、GW−BとGW−C間でグループ1通信を確立する(SQ22)。さらに、続いて、GW−AとGW−C間にトンネルを確立し、GW−AとGW−C間でグループ1通信を確立する(SQ23)。
ここで、GW−AとGW−Bに確立されたトンネルとGW−BとGW−C間に確立されたトンネルから構成される通信経路は、ブロードキャスト/マルチキャストが可能であるとする(1ルートでのブロードキャスト/マルチキャストが可能な状態)。
次に、GW−A、GW−B及びGW−C間でブロードキャスト/マルチキャストを行うためのトンネルを確立し(SQ24)、GW−A、GW−B及びGW−C間で、2ルートでのブロードキャスト/マルチキャストの転送を開始する(SQ25、SQ26)。
前記シーケンスSQ24で確立するトンネル(以下、新規トンネルと記載)は、例えば、図26に示すように、GW−AとGW−B、GW−Cが設けられているときに、GW−AとGW−B、GW−C間に新たにブロードキャスト/マルチキャスト用のトンネルを確立することにより実現される。この場合、GW−Aは新規トンネルを利用して、図4に示すようなフォーマットのパケットをCEに送信する。このパケットのIPヘッダ11には、マルチキャストのアドレスが設定される。
前記CEは、前記パケットのIPヘッダ11にマルチキャストのアドレスが設定されているので、そのパケットをGW−BとGW−Cに転送する。したがって、この場合、GW−A→GW−B→GW−Cという既存のブロードキャスト/マルチキャスト用ルートと、GW−A→CE→GW−B→GW−CというルートとGW−A→CE→GW−Cというルートから構成される新規ブロードキャスト/マルチキャスト用ルートができる。
前記シーケンスSQ24、SQ25、SQ26においては、ルートコードを決定する。GW−A、GW−B及びGW−Cは、それぞれが保有するルートコードテーブル210に前記ルートコードを設定する。また、GW−A、GW−B及びGW−Cは、GW間拡張ヘッダのチェックを開始する。
次に、GW−A、GW−B及びGW−C間でGW間拡張ヘッダ情報同期処理を行い、共通内部管理転送通番(共通送信用内部管理転送通番と共通受信用内部管理転送通番)の割り当てを行う(SQ27、SQ28)。上記シーケンスSQ27、SQ28のGW間拡張ヘッダ情報同期処理により、GW−A、GW−B及びGW−Cは、グローバルテーブル220、受信転送テーブル230及び送信転送テーブル240に、2ルート転送に必要な情報を設定する(SQ29、SQ30、SQ31)。
以上のようにして、GW−A、GW−B及びGW−C間で、ブロードキャスト/マルチキャスト用パケットが2ルートで転送される状態になる(SQ32)。
その後、GW−A、GW−B及びGW−Cは、切り替え系を確定する。すなわち、ブロードキャスト/マルチキャスト用のルートを一本化するため、メインルートとして残すルートを確定する(SQ33、SQ34)。
上記シーケンスSQ33、SQ34で確定したルート切り替え情報に基づき、GW−A、GW−B、GW−Cは、グローバルテーブル220、受信転送テーブル230及び送信転送テーブル240を変更し、ルートコードテーブルからルートを削除する(SQ35、SQ36、SQ37)。
そして、GW−A、GW−C及びGW−C間での2ルートでのブロードキャスト/マルチキャストによるパケット転送を終了する(SQ38、SQ39)。この2ルート転送の終了に伴い、GW−A、GW−B及びGW−Cは、受信するIPパケットのGW間拡張ヘッダのチェックを終了する。
続いて、GW−A、GW−B及びGW−Cは、ルート一本化に伴い、不要となったルートを削除するための同期処理を実行する(SQ40、SQ41)。そして、上記不要ルート削除同期処理の結果に応じて、GW−A、GW−B及びGW−Cは、グローバルテーブル220、受信転送テーブル及び送信転送テーブル240を変更する(SQ42、SQ43、SQ44)。
[第6実施形態]
GW間のトンネル化だけでなく、GWとホスト(端末)間もトンネルすることでセキュ
リティを向上させるような用途も想定されえる。例えば、外出先のカフェから、ノートパソコンのようなホストで社内LANに接続するような場合である。本出願人は、前記特許文献3で、そのようなホストの構成を提案している。
第6実施形態では、前述したGW間経路のシームレスな切り替えを可能とする機能をホストに持たせることで、ホストが接続されるGWの処理や資源(ハードウェアやソフトウェア)の負担を軽減したシームレスなネットワーク切り替え手法を実現するものである。
{第1の2ルート接続例}
<構成>
図42は、第6実施形態におけるNote−Cの2ルート接続の構成例を示す図である。同図において、図1の構成要素と同一な構成要素には同じ符号を付与している。
図42において、実家のPC−B、自宅のPC−A及び出張先のNote−Cがグループ1に属している。Note−Cは、有線と無線のLANインターフェースを備えており、GW−Aとの間にトンネル701、702の2つのトンネルを確立している。トンネル701はNote−Cの有線LANインターフェースを利用した有線通信によるトンネルであり、トンネル702はNote−Cの無線LANインターフェースを利用した無線通信によるトンネルである。また、トンネル701、702及びトンネル703は、いずれも、ユニキャスト及びブロードキャスト/マルチキャストでの通信が可能となっている。このため、Note−Cは、自宅のPC−Aと実家のPC−Bに接続可能な状態となっている。
<シーケンス>
図43は、Note−Cが図42に示すような2ルート接続状態に至るまでの手順を示すシーケンス図である。
以下に述べるシーケンスは、GW−AとGW−Bがグループ1で通信確立状態にあるときに、Note−Cが、突然、GW−Aに対して有線と無線の回線で2ルート接続を行う場合のシーケンスである。
GW−AとGW−B間でトンネル8000を確立し、GW−AとGW−B間でグループ1の通信を確立する(SQ51)。Note−Cは、GW−Aに対してグループ1での通信接続を要求する(SQ52)。GW−Aは、Note−Cとのグループ1での通信接続を許可する応答を返す(SQ53)。
次に、GW−AとNote−Cは、トンネル701を確立し、グループ1での通信(有線)を確立する(SQ54)。続いて、GW−AとNote−Cは、トンネル702を確立し、グループ1での通信(無線)を確立する(SQ55)。
続いて、トンネル701とトンネル702に対して、GW−AとNote−Cで共通なトンネル通番(TN)を割り当てる。そして、GW−AとNote−C間で、トンネル701とトンネル702による2ルート転送を開始する(SQ56)。
次に、GW−AとGW−Bとの間、及びGW−BとNote−Cとの間で、GW間拡張ヘッダ情報同期処理を行う(SQ57、SQ58)。このGW間拡張ヘッダ情報同期処理において、GW−A、GW−B及びNote−Cは、GW間拡張ヘッダ情報を交換し、ルートコードなどのGW間拡張ヘッダ情報を決定する。
続いて、上記GW間拡張ヘッダ情報の交換結果に基づき、GW−A、GW−B及びNo
te−Cは、それぞれのグローバルテーブル220、受信転送テーブル230及び送信転送テーブル240を設定(更新)する(SQ59、SQ60、SQ61)。
以後、Note−Cは、有線のトンネル701と無線のトンネル702を利用して、GW−A、GW−Bとの間で2ルート転送状態になる(SQ62)。
{第2の2ルート接続例}
<構成>
図44は、第6実施形態における、Note−Cが2ルート接続を行う他の構成例を示す図である。図44において、図42と同一の構成要素には同じ符号を付与している。
図44を参照しながら、Note−Cによる2ルート接続の他の構成を説明する。
GW−Cは、第2実施形態のGW−Cのように、GW間ヘッダ(GW間標準ヘッダ111とGW間拡張ヘッダ112)を認識して、GW間ヘッダを有するIPパケット101を中継可能なゲートウェイである。
GW−AとGW−C間には、ユニキャスト及びブロードキャスト/マルチキャストが可能なトンネル710が確立されている。また、Note−CとGW−C間には、有線通信用のトンネル721と無線通信用のトンネル722が確立されている。トンネル721とトンネル722は、共に、ユニキャスト及びブロードキャスト/マルチキャストでの通信が可能である。
したがって、Note−Cは、GW−A配下のPC−Aと、トンネル721もしくはトンネル722とトンネル710を利用して、ユニキャスト及ぶブロードキャスト/マルチキャストでの通信が可能である。また、Note−Cは、GW−B配下のPC−Bと、トンネル721もしくはトンネル722、トンネル710及びトンネル8000を利用して、ユニキャスト及びブロードキャスト/マルチキャストでの通信が可能である。
<シーケンス>
図45は、図44に示すNote−Cの2ルート接続を構成するための処理手順を示すシーケンス図である。
GW−B、GW−A及びGW−Cは、トンネルを確立し、グループ1での通信を確立する。すなわち、GW−BとGW−A間にトンネル8000を、GW−AとGW−C簡にトンネル710を確立し、トンネル8000とトンネル710を利用したグループ1での通信を確立する(SQ71)。
Note−Cは、GW−Aに対してグループ1の通信接続を要求する(SQ72)。
GW−Aは、上記グループ1通信接続要求を受け取ると、グループ1通信接続応答(Note−CとGW−C間でのグループ1通信接続応答)をNote−Cに返す(SQ73)。
Note−CとGW−Cは、トンネル721を確立し、そのトンネル721を利用する有線によるグループ1通信を確立する(SQ74)。続いて、Note−CとGW−Cは、トンネル722を確立し、そのトンネル722を利用する無線によるグループ1通信を確立する(SQ75)。
Note−CとGW−Cは、共通の転送通番(TN)を割り当て、トンネル721、722による2ルート転送を開始する(SQ76)。
GW−BとGW−C間、GW−AとGW−C間及びGW−CとNote−C間で、GW間拡張ヘッダ情報同期処理を行う(SQ77、SQ78、SQ79)。
上記GW間拡張ヘッダ情報同期処理では、ルートコードを決定し、GW−A、GW−B、GW−C及びNote−C間でGW間拡張ヘッダ情報を交換する。
GW−B、GW−C及びNote−Cは、それぞれのグローバルテーブル220、受信転送テーブル230及び送信転送テーブル240を設定(更新)する(SQ80、SQ81、SQ82)。
そして、Note−Cは、GW−C、GW−A、GW−Bとの間で、2ルート転送状態となる(SQ83)。この2ルート転送において、Note−CとGW−Cは、GW間ヘッダ(GW間標準ヘッダとGW間拡張ヘッダ)のチェックを行う。
{Note−Cの構成}
図46は、図43、45のNote−Cのシステム構成を示す図である。
Note−C800は、ユーザ領域810とカーネル領域830を備え、それらの領域の境界に2つの実LANインターフェース(実LAN−IF)821R、821cと仮想LANインターフェース(仮想LAN‐IF)823が設けられている。
ユーザ領域810には、ユーザ用のアプリケーションプログラムであるクライアントアプリケーション811が設けられている。カーネル領域830には、物理LANドライバ831R(第1の物理LANドライバ)、無線LANカード832、物理LANドライバ831c、有線LANカード833、仮想LANドライバ834、GW間ヘッダ&NAT処理部835(以下、ヘッダ処理部835と記載)、転送通番処理部836、ルート管理処理部837、トンネル処理部838が設けられている。
物理LANドライバ831Rは、実LANインターフェース821R、無線LANカード832及びトンネル処理部838に接続されている。また、物理LANドライバ831cは、無線LANカード832、有線LANカード833及びトンネル処理部838に接続されている。仮想LANドライバ834は、仮想LANインターフェース823に接続されている。
無線LANカード832は、無線によりIPパケットを送受信するNIC(Network Interface Card)であり、無線LAN(不図示)に接続されている。有線LANカード833は、有線によりIPパケットを送受信するNICであり、有線LAN(不図示)に接続されている。無線LANカード832と有線LANカード833は、図21のグローバル側インターフェース612に相当する。
ヘッダ処理部835、転送通番処理部836、ルート管理処理部837及びトンネル処理部838は、それぞれ、図21のヘッダ処理部613、転送通番処理部614、ルート管理処理部631及びトンネル処理部616とほぼ同等の機能を備える。
Note−Cにおいては、クライアントアプリケーション811によって、GW−Cに送信するデータを含むIPパケットが生成される。このIPパケットは、IPv4(Internet Protocol version 4)またはIPv6(Internet Protocol version 6)の規格に従ったフォーマットになっている。
クライアントアプリケーション811によって生成されたIPパケットは、その宛先アドレス(DA)を基に、内部に保持されているルーティング情報(例えば、グローバルテーブル)を参照することにより、通常のIPパケット(以下、通常IPパケットと記載)であるかまたはグループ内通信用のIPパケット(以下、グループ内通信用IPパケットと記載)であるか判断される。すなわち、例えば、IPパケットの宛先アドレスが仮想I
Pアドレスであり、その仮想IPアドレスが前記グローバルテーブルに設定されていれば、グループ内通信用IPパケットと判断する。その逆であれば、通常IPパケットと判断する。そして、通常IPパケットであれば、実LANインターフェース821Rまたは実LANインターフェース821cに送られる。一方、グループ内通信用IPパケットであれば、仮想LANインターフェース823に送られる。尚、グループ内通信用IPパケットは、前記グループメンバ間通信IPパケットと同じものある。
通常IPパケットは、実LANインターフェース821R、物理LANドライバ831R及び無線LANカード832、または、実LANインターフェース821c、物理LANドライバ831c及び有線LANカード833を経由して送信される。
これに対し、グループ内通信用IPパケットは、仮想LANインターフェース823により、無線LANカード832を使用して送信されるか、または、有線LANカード833を使用して送信されるか判断される。仮想LANインターフェース823は、前記有線LANと前記無線LANの通信状態をチェックし、転送効率の良い方のLANインターフェースから、グループ内通信用IPパケットが送信されるように制御する。 第6実施形態では、このように、仮想LANインターフェース823が、物理LANドライバ831cと物理LANドライバ831Rから、それぞれ、前記有線LANと無線LANの通信状態に関する情報(トラフィック量など)を入力し、グループ内通信用IPパケットの転送ルートをシームレスに切り替える。
仮想LANインターフェース823は、グループ内通信用IPパケットを仮想LANドライバ834に出力する際、そのグループ内通信用IPパケットを送信すべきLANインターフェース(無線LANカード832または有線LANカード833)を指定する。
仮想LANドライバ834は、仮想LANインターフェース823から指定されたLANインターフェース情報(以下、便宜上、指定LANインターフェース情報と記載)をヘッダ処理部835に伝える。この指定LANインターフェース情報は、ヘッダ処理部835、転送通番処理部836、ルート管理処理部837、トンネル処理部838と、順次、伝送される。
トンネル処理部838は、前記指定LANインターフェース情報に従って、ルート管理処理部837から受け取るグループ内通信用IPパケットを、物理LANドライバ831Rまたは物理LANドライバ831cに送る。
ヘッダ処理部835、転送通番処理部836、ルート管理処理部837及びトンネル処理部838の機能(処理)は、前述した図21のGWのヘッダ処理部835、転送通番処理部836、ルート管理処理部837及びトンネル処理部838と同様である。したがって、前記グループ内通信用IPパケットは、前記GW間ヘッダ(前記GW間標準ヘッダと前記GW間拡張ヘッダから構成されるヘッダ)が付加されて、物理LANドライバ831cまたは物理LANドライバ831Rに送られる。
Note−Cは、GW−Cから、通常IPパケットまたは前記GW間ヘッダによりカプセル化されたIPパケット(以下、カプセル化パケットと記載)を受信する。Note−Cは、GW−Cから送信されてくる上記2種類のパケットを、無線LANカード832または有線LANカード833で受信する。無線LANカード832は、受信したパケットを物理LANドライバ831Rに転送する。有線LANカード833は、受信したパケットを物理LANドライバ831cに転送する。
物理LANドライバ831c、831Rは、受信したパケットが、通常IPパケットま
たはカプセル化パケットであるか判断する。そして、通常IPパケットであれば、それを実LANインターフェース821c、821Rに転送する。一方、カプセル化パケットであれば、それをトンネル処理部838に転送する。
実LANインターフェース821c、821Rは、物理LANドライバ831c、831Rから受信した通常IPパケットをクライアントアプリケーション811に渡す。
トンネル処理部838で受信されたカプセル化パケットは、トンネル処理部838、ルート管理処理部837、転送通番処理部836及びヘッダ処理部835により、前述した図21のGW800と同様の処理を施されて、仮想LANドライバ834に渡される。このようにして、仮想LANドライバ834は、カプセル化パケットからGW間ヘッダが外されたパケット(通常IPパケット)をトンネル処理部838から受け取る。仮想LANドライバ834は、その受け取った通常IPパケットを仮想LANインターフェース823に送る。仮想LANインターフェース823は、仮想LANドライバ834から受け取った前記通常IPパケットをクライアントアプリケーション811に渡す。
{Note−Cの詳細構成}
図47は、図46に示すNote−Cのカーネル領域830のより詳細な構成を示す図である。図47において、図46の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付与している。また、図21の構成要素と同じ構成要素にも同じ符号を付与している。
物理LANドライバ831cと物理LANドライバ831Rは、GWのグローバル側インターフェース612に相当する。また、仮想LANインターフェース823は、GWのローカル側インターフェース611に相当する。
GWは、グローバル側インターフェース612を介して対向GWとIPパケット(通常IPパケットまたはカプセル化パケット)の送受信を行う。これに対し、Note−Cは、物理LANドライバ831cまたは物理LANドライバ831Rを介して、有線LANまたは無線LANとの間でIPパケット(通常IPパケットまたはカプセル化パケット)の送受信を行う。
また、GWは、ローカル側インターフェース611を介してGW配下のホストとIPパケットの送受信を行うが、Note−Cでは、仮想LANインターフェース823を介してクライアントアプリケーション811とIPパケットの送受信を行う。
{Note−Cのパケット送受信処理}
図47に示すNote−Cの内部システムによるIPパケットの送受信処理を説明する。
<パケット送信処理>
図48は、第6実施形態におけるNote−Cのパケット送信処理の手順を示すフローチャートである。図48において、図22のステップと同一のステップには同じステップ番号を付与している図48のフローチャートが図22のフローチャートと異なるのは、ステップ601とステップ640の処理である。
ステップ601において、Note−Cは、仮想LANインターフェース823からクライアントアプリケーション811が生成したIPパケットを受信する。このIPパケットは、仮想LANインターフェース823からヘッダ処理部835に転送される。Note−Cは、以後、GWと同様に、ステップS110〜S130の処理を行う。
ステップS640では、トンネル処理部838は、転送通番処理部836またはルート
管理処理部837から送信されてくるIPパケット(カプセル化パケット)に対して暗号化等の処理を施し、該処理が施されたIPパケットを、指定出力ポートに対応する物理LANドライバ(物理LANドライバ831Cまたは物理LANドライバ831R)へ送信する。
<パケット受信処理>
図49は、第6実施形態におけるNote−Cのパケット受信処理の手順を示すフローチャートである。図49において、図24のステップと同一のステップには同じステップ番号を付与している。図49のフローチャートが図24のフローチャートと異なるのは、ステップ701とステップS740の処理である。
ステップ701において、Note−Cは、物理LANドライバ831c、831Rで、GW−Cから送られてくるIPパケットを無線LANカード832または有線LANカード833を経由して受信する。このIPパケットは、物理LANドライバ831cまたは物理LANドライバ831Rからトンネル処理部838に転送される。Note−Cは、以後、GWと同様に、ステップS310〜S330の処理を行う。
ステップS740では、ヘッダ処理部835は、まず、GWのヘッダ処理部613と同様の処理(を行う(S741)。このステップS741の処理は、図40のステップS341の処理と同様である。そして、次に、カプセル化パケットからGW間ヘッダを削除して通常IPパケットを生成し、その通常IPパケットを仮想LANインターフェース823に転送する(S742)。
第6実施形態では、ホスト(端末)としてノートパソコンを例示したが、本実施形態の構成はノートパソコン以外の各種形態のホストにも適用可能である。
また、本実施形態の端末装置は、前述した実施形態のGWと同様に、前記した通信ルートの最適化や、前述したルート切り替えを契機とする内部テーブルの同期更新を行うことも可能である。これらの処理は、前述したGWと同様な手法により実現できる。
{変形例}
上述した実施形態は本発明をGW(ゲートウェイ)に適用したものであるが、本発明は、ルータなどの他のパケット中継装置にも適用可能である。また、上述した第1、2、4、6実施形態のネットワークシステムは、CPE(Customer Premises Equipment)としてCEデバイス を利用しているが、本発明のパケット中継装置は、CEデバイス以外のCPEを利用するネットワークシステムにも適用可能である。
(付記1)
自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置であって、
前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に転送する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自配下の端末と送受信する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関する前記グループメンバ間通信用のルーティング情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に格納されている前記管理情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、
前記自配下の端末との間で、前記第2のIPパケットを送受信する第1の送受信手段と、
該記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、前記第1の送受信手段により受信された前記第2のIPパケットに前記グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダが付加された前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、
該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、他のパケット中継装置に送信すると共に、他のパケット中継装置から自装置配下の端末宛の前記第1のIPパケットを受信する第2の送受信手段と、
該第2の送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除して、前記第2のIPパケットを作成し、その第2のIPパケットを前記第1の送受信手段に出力する第2のパケット作成手段と、
を備えることを特徴とするパケット中継装置。
(付記2)
付記1記載のパケット中継装置であって、
自装置が受信した前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、他のパケット中継装置に転送する転送手段を、
さらに備える。
(付記3)
付記1記載のパケット中継装置であって、
前記第2の送受信手段は、
他のパケット中継装置に送信する前記第1のIPパケットを暗号化する暗号化手段と、他のパケット中継装置から受信した前記第1のIPパケットを復号化する復号化手段と、
を備える。
(付記4)
付記1記載のパケット中継装置であって、
前記管理情報は、
自配下の第1の端末に割り当てられた実IPアドレスに対応する、前記第1の端末に割り当てられた発信元識別番号と前記第1の端末が属する前記グループ番号を格納する第1テーブルと、
前記第1の端末の仮想IPアドレスに対応する、前記第1の端末が送信する前記第2のIPパケットの宛先である第2の端末に割り当てられた宛先識別番号と前記第1の端末が属するグループのグループ番号と前記内部管理転送番号と前記サブ内部管理転送番号を格納する第2テーブルと、
前記内部管理転送番号に対応するIPパケットのルーティング情報と、前記サブ内部管理転送番号に対応する前記第2のIPパケットのルーティング情報を格納する第3テーブルと、
受信した前記第2のIPパケットのルーティング情報を、前記内部管理転送番号と前記サブ内部管理転送番号と前記グループ番号により管理している第4テーブルから構成される。
(付記5)
付記1記載のパケット中継装置であって、
前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を、自配下の端末が前記第2のIPパケットを通信するために使用しているルートの状況に応じて更新する更新手段を、
さらに備える。
(付記6)
付記1記載のパケット中継装置であって、
前記自配下の端末が前記メインルートと前記サブルートを利用して前記第1のIPパケットを通信しているときに、他のパケット中継装置から前記端末宛ての第1のIPパケットを受信した場合、その第1のIPパケットを識別するためのパケット識別情報を格納する格納手段と、
該格納手段に格納されている前記パケット識別情報を基に、前記メインルートと前記サブルートから受信する前記端末を宛先とする同一な2つの前記第1のパケットの内、遅れて受信した第1のIPパケットを廃棄する遅達廃棄処理手段を、
さらに備える。
(付記7)
付記1記載のパケット中継装置であって、
前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を更新することにより、前記第1のIPパケットの通信ルートを最適化する通信ルート最適化手段を、
さらに備える。
(付記8)
付記7記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段は、前記第2のIPパケットを送受信している端末において、前記第2のIPパケットの通信量が規定値を超えたときに、前記通信ルートを最適化する。
(付記9)
付記7記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段は、前記通信ルートの中継地点に配置されたパケット中継装置において、前記第1のIPパケットの転送量が規定値を超えたときに、前記通信ルートを最適化する。
(付記10)
付記7記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段は、前記通信ルートの最適化を段階的に実施する。
(付記11)
付記10記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段は、まず、第一段階として前記第1のIPパケットを通信するルートを追加して前記第2のIPパケットを2つのルートで通信するようにし、次に、第二段階として前記第1のIPパケットを通信している2つのルートを、前記第2のIPパケットの転送率が良いほうのルートに一本化する。
(付記12)
付記11記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段が最適化する通信ルートは、ユニキャスト用の通信ルートである。
(付記13)
付記12記載のパケット中継装置であって、
前記情報管理手段は、
前記第一段階において、追加された通信ルートに関するルーティング情報を前記記憶手段に追加し、
前記第二段階において、少なくとも前記内部管理転送番号または前記サブ内部管理転送番号のいずれか一方の設定を変更することにより、前記ルーティング情報から不要になった通信ルートに関係する転送識別番号と、前記内部管理転送番号もしくは前記サブ内部管理転送番号を削除する。
(付記14)
付記11記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段が最適化する通信ルートは、マルチキャスト用の通信ルートである。
(付記15)
付記14記載のパケット中継装置であって、
前記情報管理手段は、
前記第一段階において、追加された通信ルートに関するルーティング情報の追加と、前記転送番号の共通化と、前記グループ番号の強制変換を行い、
前記第二段階において、少なくとも前記内部管理転送番号または前記サブ内部管理転送番号のいずれか一方の設定を変更することにより、前記ルーティング情報から不要になった通信ルートに関係する転送識別番号と、前記内部管理転送番号もしくは前記サブ内部管理転送番号を削除する。
(付記16)
付記11記載のパケット中継装置であって、
前記最適化手段が最適化する通信ルートは、ブロードキャスト用の通信ルートである。(付記17)
付記16記載のパケット中継装置であって、
前記情報管理手段は、
前記第一段階において、追加された通信ルートに関するルーティング情報の追加と、前記転送番号の共通化と、前記グループ番号の強制変換を行い、
前記第二段階において、少なくとも前記内部管理転送番号または前記サブ内部管理転送番号のいずれか一方を設定変更し、前記ルーティング情報から不要になった通信ルートに関係する転送識別番号と、前記内部管理転送番号もしくは前記サブ内部管理転送番号を削除する。
(付記18)
付記7記載のパケット中継装置であって、
前記通信ルート最適化手段は、自装置が2つの通信ルートから規定値以上の前記第2のIPパケットを受信したときに、前記第2段階として、メインルートとサブルートの切り替えを実施する。
(付記19)
付記1記載のパケット中継装置であって、
自配下の端末が前記第2のIPパケットの通信に利用している通信ルートの使用状況を監視して、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を、前記通信ルートに配置されている他のパケット中継装置と同期して更新する同期更新手段を、
さらに備える。
(付記20)
付記19記載のパケット中継装置であって、
前記同期更新手段は、自装置が前記第1のIPパケットの通信ルートを1ルートから2ルートに切り替えるときに、前記同期更新を実施する。
(付記21)
付記19記載のパケット中継装置であって、
前記同期更新手段は、自装置が前記第1のIPパケットの通信ルートを2ルートから1ルートに切り替えるときに、前記同期更新を実施する。
(付記22)
自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置とIPパケットを通信する端末装置であって、
前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に送信する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自装置内部で送受信処理する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関する前記グループメンバ間通信用のルーティング情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を
記憶する記憶手段と、
該記憶手段に格納されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して、IPヘッダの送信元アドレスとして自端末の実IPアドレスが、宛先アドレスとして送信先の端末の仮想IPアドレスが設定された前記第2のIPパケットに、グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダを付加して、前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、
該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、自装置を収容しているパケット中継装置に送信すると共に、前記パケット中継装置から前記第1のIPパケットを受信する送受信手段と、
該送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除し、次に、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して前記第2のIPパケットを作成する第2のパケット作成手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
(付記23)
付記22記載の端末装置であって、
前記送受信手段は、有線通信用の通信手段と無線通信用の通信手段を備え、前記パケット中継装置との前記第1のIPパケットの送受信を、該有線通信用通信手段と該無線通信用通信手段を利用して行う。
(付記24)
付記22記載の端末装置であって、
前記パケット中継装置間ヘッダを利用したルーティング処理が可能なパケット中継装置とトンネルを確立するトンネル確立手段を、
さらに備える。
(付記25)
付記22記載の端末装置であって、
前記管理情報は、
自配下の第1の端末に割り当てられた実IPアドレスに対応する、前記第1の端末に割り当てられた発信元識別番号と前記第1の端末が属する前記グループ番号を格納する第1テーブルと、
前記第1の端末の仮想IPアドレスに対応する、前記第1の端末が送信する前記第2のIPパケットの宛先である第2の端末に割り当てられた宛先識別番号と前記第1の端末が属するグループのグループ番号と前記内部管理転送番号と前記サブ内部管理転送番号を格納する第2テーブルと、
前記内部管理転送番号に対応するIPパケットのルーティング情報と、前記サブ内部管理転送番号に対応する前記第2のIPパケットのルーティング情報を格納する第3テーブルと、
受信した前記第2のIPパケットのルーティング情報を、前記内部管理転送番号と前記サブ内部管理転送番号と前記グループ番号により管理している第4テーブルから構成される。
(付記26)
付記22記載の端末装置であって、
前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を更新することにより、前記第1のIPパケットの通信ルートを最適化する通信ルート最適化手段を、
さらに備える。
(付記27)
付記22記載の端末装置であって、
自装置が前記第1のIPパケットの通信に利用している通信ルートの使用状況を監視して、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を、前記通信ルートに配置されている他のパケット中継装置と同期して更新する同期更新手段を、
さらに備える。
本発明の第1実施形態における、パケット転送経路の最適化の対象となるネットワークシステムを示す図である。 図1のネットワークシステムにおいてマルチキャストが行われる場合に生じる問題点を説明する図である。 図1のネットワークシステムを最適化する手法を示す図である。 第1実施形態において、Note−Cがパケット通信で使用するIPパケットのフォーマットを示す図である。 第1実施形態における末端端末による段階的なトンネルのルート切り替え契機処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第1実施形態における中継装置による段階的なトンネルのルート切り替え契機処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 第2実施形態のネットワークシステムの全体構成図である。 第2実施形態のネットワークシステムにおける一時的な2ルート転送状態を示す図である。 第2実施形態のネットワークシステムのGW−Aが保有するテーブルを示す図である。 第2実施形態のネットワークシステムのGW−Bが保有するテーブルを示す図である。 第2実施形態のネットワークシステムのGW−Cが保有するテーブルを示す図である。 第2実施形態の2ルート決定時おけるGW−Aの内部テーブル設定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態においてGW−Cが実行する、単純なルート切り替え方法の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態においてGW−Cが実行する、転送率が良い方をメインルートとして残すルート切り替え方法の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態において、図8に示すように2ルートでユニキャストを行っていた状態から、メインルートからサブルートへの切り替えが発生した状態を示す図である。 第2実施形態において、図15に示すようなルート切り替えが行われた際におけるGW−Aの内部テーブルの状態を示す図である。 第2実施形態において、図15に示すようなルート切り替えが行われた際におけるGW−Bの内部テーブルの状態を示す図である。 第2実施形態において、図15に示すようなルート切り替えが行われた際におけるGW−Cの内部テーブルの状態を示す図である。 第2実施形態におけるGW−Aの内部テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における、図15に示すようにルート一本化がなされた場合に、GW−Bが行う内部テーブルの設定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のGW(GW−A、GW−B及びGW−C)の構成例を示す図である。 第2実施形態において、GW−Aがローカル側インターフェースから受信したIPパケットをグローバル側インターフェースから送信するまでの処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態において、GW−Bがグローバル側インターフェースから受信するIPパケットを処理する手順を示すフローチャートである。 第2実施形態において、GW−Cがグローバル側インターフェースから受信したIPパケットをローカル側インターフェースに出力するまでの処理手順を示すフローチャートである 第3実施形態における、GW間拡張ヘッダ情報の同期更新処理のシーケンス図である 第4実施形態のネットワークシステムにおける一時的な2ルート転送状態を示す図である。 第4実施形態におけるシームレスな経路変更方法を全体的に示す図である。 第4実施形態において、図27に示すシームレスな経路変更方法を実現するGW−Aの内部テーブルの構成と状態を示す図である。 第4実施形態において、図27に示すシームレスな経路変更方法を実現するGW−Bの内部テーブルの構成と状態を示す図である。 第4実施形態において、図27に示すシームレスな経路変更方法を実現するGW−Cの内部テーブルの構成と状態を示す図である。 第4実施形態におけるGW−Aの内部テーブル設定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態において、図28に示すブロードキャスト/マルチキャストの2ルート転送状態を、1ルートでの転送に切り替えた状態を示す図である。 図32に示す状態におけるGW−Aの内部テーブルの内容を示す図である。 図32に示す状態におけるGW−Bの内部テーブルの内容を示す図である。 図32に示す状態におけるGW−Cの内部テーブルの内容を示す図である。 第4実施形態において、GW−Aが内部テーブルを、図28に示す状態から図33に示す状態に変更する処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるGW−Bの内部テーブル変更処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるGW−AのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるGW−BのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。 第4実施形態おけるGW−CのIPパケットの送受信処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における各GW間でのGW間拡張ヘッダ情報の同期処理のシーケンスを説明する図である。 第6実施形態におけるNote−Cの2ルート接続の構成例を示す図である。 Note−Cが図42に示すような2ルート接続状態に至るまでの手順を示すシーケンス図である。 第6実施形態における、Note−Cが2ルート接続を行う他の構成例を示す図である。 図44に示すNote−Cの2ルート接続を構成するための処理手順を示すシーケンス図である。 図43、45のNote−Cのシステム構成を示す図である。 図46に示すNote−Cのカーネル領域のより詳細な構成を示す図である。 第6実施形態におけるNote−Cのパケット送信処理の手順を示すフローチャートである。 第6実施形態におけるNote−Cのパケット受信処理の手順を示すフローチャートである。 IPネットワーク(ネットワークシステム)においてホストのグループ化を行ったシステムの一例である。 図50に示すIPネットワークにおいて、Note−Cが自宅のネットワークシステム3000から出張先のネットワーク5000に移動した状態を示す図である。
符号の説明
PC−A、PC−B、Note−C グループ1に属する端末(ホスト)
GW−A、GW−B、GW−C ゲートウェイ
X、Y グローバルネットワーク
10 IPパケット
11 IPヘッダ
12 データ部
20 IPパケット
21 IPヘッダ
22 データ
23 GW間ヘッダ
83、503、8000,8001 トンネル(ユニキャスト)

91 仮想トンネル

100 ネットワーク(サブネットワーク)
101 IPネットワーク
110 GW間ヘッダ
111 GW間標準ヘッダ
112 GW間拡張ヘッダ
120 TCP/IPヘッダ
130 データ
105、106、108 ブロードキャストパケット(カプセル化パケット)
107、109 IPパケット(通常IPパケット)
200 ネットワーク(サブネットワーク)
201 サーバ
200(200A、200B、200C) ローカルテーブル
210(210A、210B、210C) ルートコードテーブル
220(220A、220B、220C) グローバルテーブル
230(230A、230B、230C) 受信転送テーブル
240(240A、240B、240C) 送信転送テーブル
300 ネットワーク(サブネットワーク)
400 インターネット
401、6001 CE(Customer Edge)デバイス
411〜413、6011〜6013 PE(Provider Edge)デバイス
501、502 トンネル(ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト)
503 トンネル(ユニキャスト)
504 トンネル(マルチキャスト、ブロードキャスト)


600 ゲートウェイ(GW)
611 ローカル側インターフェース
612 グローバル側インターフェース
613 ヘッダ処理部
614 転送通番処理部
615 IPルーティング処理部
616 トンネル処理部
617 パケット送受信部
618 管理テーブル
619 転送通番テーブル
631 ルート管理処理部
632 ルートコードテーブル
633 遅達管理バッファ
701 GW−AとNote−C間のトンネル(有線)
702 GW−AとNote−C間のトンネル(無線)
710 GW−AとGW−C間のトンネル(ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト)
721 GW−CとNote−C間のトンネル(有線)
722 GW−CとNote−C間のトンネル(無線)

800 Note−C(クライアント)
810 ユーザ領域
811 クライアントアプリケーション
821C 実LANインターフェース(有線)
821R 実LANインターフェース(無線)
823 仮想LANインターフェース
830 カーネル領域
831C、831R 物理LANドライバ
832 無線LANカード
833 有線LANカード
834 仮想LANドライバ
835 ヘッダ処理部
836 転送通番処理部
837 ルート管理処理部
838 トンネル処理部

Claims (5)

  1. 自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置であって、
    前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に転送する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自配下の端末と送受信する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関する前記グループメンバ間通信用のルーティング情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に格納されている前記管理情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、
    前記自配下の端末との間で、前記第2のIPパケットを送受信する第1の送受信手段と、
    該記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、前記第1の送受信手段により受信された前記第2のIPパケットに前記グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダが付加された前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、
    該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、他のパケット中継装置に送信すると共に、他のパケット中継装置から自装置配下の端末宛の前記第1のIPパケットを受信する第2の送受信手段と、
    該第2の送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除して、前記第2のIPパケットを作成し、その第2のIPパケットを前記第1の送受信手段に出力する第2のパケット作成手段と、
    を備えることを特徴とするパケット中継装置。
  2. 請求項1記載のパケット中継装置であって、
    前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を更新することにより、前記第1のIPパケットの通信ルートを最適化する通信ルート最適化手段を、
    さらに備える。
  3. 請求項1記載のパケット中継装置であって、
    自配下の端末が前記第2のIPパケットの通信に利用している通信ルートの使用状況を監視して、前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を、前記通信ルートに配置されている他のパケット中継装置と同期して更新する同期更新手段を、
    さらに備える。
  4. 自装置が収容するサブネットワークをグローバルネットワークに接続し、該サブネットワーク内の端末を仮想的にグループ化して、グループメンバ間通信により仮想閉域網を構築するパケット中継装置とIPパケットを通信する端末装置であって、
    前記グループ間通信に使用するメインルートを識別するための内部管理転送番号と前記グループ内通信に使用するサブルートを識別するためのサブ内部管理転送番号と他のパケット中継装置に送信する第1のIPパケットの転送ルートを識別するための転送番号とグループを識別するためのグループ番号により管理された前記第1のIPパケット及び自装置内部で送受信処理する第2のIPパケットの前記メインルート及び前記サブルートに関
    する前記グループメンバ間通信用のルーティング情報と、前記メインルートと前記サブルートの2つのルートで転送されていることを識別するための情報であるルート識別情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に格納されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を設定、更新する情報管理手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して、IPヘッダの送信元アドレスとして自端末の実IPアドレスが、宛先アドレスとして送信先の端末の仮想IPアドレスが設定された前記第2のIPパケットに、グループメンバ間通信用の情報とメインルートに関する情報と前記ルート識別情報とパケットを識別するためのパケット識別番号を含むパケット中継装置間ヘッダを付加して、前記第1のIPパケットを作成する第1のパケット作成手段と、
    該第1のパケット作成手段により作成された前記第1のIPパケットを、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報と前記ルート識別情報を参照して、自装置を収容しているパケット中継装置に送信すると共に、前記パケット中継装置から前記第1のIPパケットを受信する送受信手段と、
    該送受信手段により受信された前記第1のIPパケットから前記パケット中継装置間ヘッダを削除し、次に、前記記憶手段に記憶されている前記ルーティング情報を参照して前記第2のIPパケットを作成する第2のパケット作成手段と、
    を備えることを特徴とする端末装置。
  5. 請求項4記載の端末装置であって、
    前記送受信手段は、有線通信用の通信手段と無線通信用の通信手段を備え、前記パケット中継装置との前記第1のIPパケットの送受信を、該有線通信用通信手段と該無線通信用通信手段を利用して行う。
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