JP2008075950A - 溶融炉の炉底監視方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度を測定することなく、炉底耐火材の侵食や損傷等の炉底異常を正確に検知することができる溶融炉の炉底監視方法及び装置を提供する。
【解決手段】耐火材18、19を鋼板製ケーシング17で被覆した炉本体14内に被処理物を投入し、炉蓋と炉底に夫々設けた電極11、13間に直流電源13により電圧を印加することにより被処理物を溶融し、スラグ層22とその下方にメタル層23とが炉内に貯留されるようにした電気式溶融炉10における炉底耐火材の異常を検出する溶融炉の炉底監視方法において、溶融炉内のスラグ層22の厚さ、電極11、13への供給電圧、炉本体14の側壁放熱量、炉体重量のうち少なくとも何れか一の測定因子を時系列的に測定し、該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、該変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度を測定することなく、炉底耐火材の侵食や損傷等の炉底異常を検知することができる溶融炉の炉底監視方法及び装置に関する。
廃棄物を溶融処理する溶融炉は、廃棄物の無害化、減容化及び資源化の観点からその必要性が高まりつつある。溶融炉には、重油等を燃料として被処理物を溶融するバーナ式溶融炉や、電気を熱源として被処理物を溶融する電気抵抗式溶融炉及びプラズマ式溶融炉等が知られている。
一例として、プラズマ式溶融炉につき図6を参照して説明する。プラズマ式溶融炉50は、炉頂部から垂下される主電極51と、炉底59に配設される炉底電極52とを有し、これらの両電極間に直流電圧53を印加することによりプラズマアークを発生する。そして、投入ホッパ55より炉本体54内に投下された被処理物をプラズマ熱により加熱して溶融する。被処理物は溶融して溶融スラグ56と、これより比重が大である溶融メタル57が炉本体54内に溜まり、出滓口58より排出される。炉本体54内は高温に維持されるため、その内部は耐火材60により形成され、この耐火材60を鋼板製のケーシング63により被覆した構造となっている。炉底の耐火構造は、溶融メタルに接触する内側は侵食に強いアーチ状レンガ61を配設し、このレンガ61とケーシング63の間に耐火レンガ62を配設した構成などがある。
このような溶融炉においては、炉内から溶融メタルや溶融スラグが漏れ出す可能性があり、水蒸気爆発等の危険性があることから炉底は水冷却しない場合が多い。しかし、自然空冷の場合は冷却が弱く、水冷構造を有していない炉底耐火材はメタルやスラグによって侵食されてしまう。一般に、侵食の進行は、耐火物同士を固着させる目地から発生し、目地の侵食が進むと耐火レンガの固定が劣弱となりメタルより比重の小さい耐火レンガが剥離してメタル中に浮き上がる。耐火レンガは剥離部を中心として徐々に拡大し、該剥離部近傍の炉底ケーシングの温度は上昇する。ケーシングは、耐熱温度以上(350℃程度)まで昇温すると変形、抜け落ち等の不具合が発生してしまう惧れがある。従って、炉底の鉄皮温度を監視する必要がある。
炉体温度の測定には、特許文献1(特開平11−218320号公報)に記載されるように、炉本体底部から耐火物に貫通するごとく熱電対65(図6参照)を設置し、耐火物の温度を測定したり、炉底ケーシングに温度センサを設置して炉底表面の温度を測定する方法が一般的であった。温度センサとしては、熱電対やサーモグラフィ装置が用いられることが多い。
また、特許文献2(特開2001−4283号公報)には、測定した温度情報に基づいて耐火材層の検査を行う方法が開示されている。これは、ロータリーキルンのレンガ壁の壁中及び壁外に温度センサを設け、得られた温度検出信号に基づいて耐火材層の厚さ若しくは内部状況を監視するものである。
特開平11−218320号公報 特開2001−4283号公報
上記したように、電気式溶融炉において水冷構造を備えない炉底耐火材は侵食、崩壊し易く、炉底耐火材が侵食や崩壊で消失すると炉内の溶融物が炉底ケーシングまで到達し、溶融物が漏れ出す状況に発展しかねない。
そこで、特許文献2に記載されるように温度計により測定した温度に基づいて炉耐火物の損耗状態を監視する方法があるが、これは温度測定の精度に問題があった。
炉体の温度測定は、特許文献1や特許文献2に記載される熱電対を用いた方法や、放射温度計を用いる方法が一般に用いられている。
しかし、熱電対を耐火材に埋めこむ場合、腐食や熱により断線してしまうという問題があった。また、熱電対によりケーシング表面温度を計測する場合は、耐火材の断熱性のために計測温度の変化が小さく、また図7に示すように、スラグ温度など運転条件の変動による影響が定常運転時でも±20℃程度存在し、精度のよい温度計測は困難であった。
一方、放射温度計を用いる場合は、表面放射率が計測面の状況で大きく変化するため正確な値が把握できず、また計測面内に放射率分布が発生することから、温度の絶対値評価が難しいという問題があった。
このように従来の技術では、運転条件の変動や計測誤差を考慮すると炉底ケーシングや炉底耐火材の計測温度による評価では、炉底耐火材の異常を正確に検知することはできなかった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度を測定することなく、炉底耐火材の侵食や損傷等の炉底異常を正確に検知することができる溶融炉の炉底監視方法及び装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、内側に耐火材が配設され、その外側を鋼板製ケーシングにより覆われた炉本体内に被処理物を投入し、炉蓋と炉底に夫々設けた電極間に電圧を印加することにより被処理物を溶融し、スラグ層とその下方にメタル層とが炉内に貯留されるようにした電気式溶融炉における炉底監視方法において、
前記溶融炉内のスラグ層の厚さ、電極への供給電圧、炉本体の側壁放熱量、炉体重量のうち少なくとも何れか一の測定因子を時系列的に測定し、該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、該変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判定することを特徴とする。
炉底耐火材が異常侵食したり離脱することにより、耐火材は溶融してスラグ層に取り込まれスラグ層の厚さが厚くなる。従って、スラグ層厚さの時系列変化を測定することにより、炉底耐火材の異常を容易に検知できる。また、スラグ層の厚さが厚くなると抵抗が増加するため、供給電圧が増加する。従って、供給電圧の時系列変化によっても炉底耐火材の異常を容易に検知できる。
また、耐火材が異常な状態のまま運転を継続すると、徐々に炉底に溶融メタルが蓄積されメタル厚さが増大した運転を行うことになる。メタル層は熱伝導率がスラグ層よりも大きいため、側壁放熱量が増加する。従って、側壁熱量の時系列変化を測定することによって炉底耐火材の異常を容易に検知できる。さらに、スラグ層よりも比重の大きいメタル層厚さが厚くなると、炉体重量も増加する。従って、炉体重量の時系列変化を測定することによっても炉底耐火材の異常を容易に検知できる。
このように、何れの測定因子によっても炉底耐火材の異常を検知することが可能である。
本発明によれば、測定精度が低く運転条件に左右され易い炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度などの温度計測値を用いることなく、正確に炉底異常を検知することができる。また、新たに設備を設置することなく既存の設備で炉底耐火材を監視することができるため低コストとすることができる。
また、前記スラグ層の厚さ若しくは前記供給電圧の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第1のステップと、
前記第1のステップにより異常が検知されない場合に、前記側壁放熱量若しくは前記炉体重量の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第2のステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、耐火材異常の段階に合わせて、第1のステップと第2のステップを備える構成としたため、確実に炉底異常を検知することでき、溶融炉の安定運転を保障することが可能である。
また、内側に耐火材が配設され、その外側を鋼板製ケーシングにより覆われた炉本体を有し、該炉本体の炉蓋と炉底の夫々に電極が配設され、該電極間に電圧を印加する直流電源が接続され、前記炉本体内に被処理物が溶融したスラグ層とその下方にメタル層が貯留された電気式溶融炉における炉底監視装置において、
前記溶融炉内のスラグ層の厚さ、電極への供給電圧、炉本体の側壁放熱量、炉体重量のうち少なくとも何れか一の測定因子を時系列的に測定する測定手段と、該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、該変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記判定手段は、前記スラグ層の厚さ若しくは前記供給電圧の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により異常が検知されない場合に、前記側壁放熱量若しくは前記炉体重量の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第2の判定手段と、を備えることを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、測定精度が低く運転条件に左右され易い炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度などの温度計測値を用いることなく、正確に炉底異常を検知することができる。また、新たに設備を設置することなく既存の設備で炉底耐火材を監視することができるため低コストとすることができる。さらに、耐火材異常の段階に合わせて、第1のステップ(第1の判定手段)と第2のステップ(第2の判定手段)を備える構成としたため、確実に炉底異常を検知することでき、溶融炉に重大なトラブルを引き起こすことなく安定運転を保障することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例では炉底監視対象である溶融炉として、一例としてプラズマ式溶融炉につき説明するが、被処理物を溶融処理する溶融炉であれば特にこれに限定されるものではない。
図1は本実施例1に係る炉底監視装置を備えた溶融炉の側断面図、図2は本実施例1に係る炉底監視方法のフロー図、図3は炉底耐火材の侵食、剥離に伴う炉内状況の変化を示す図、図4は(a)はスラグ層厚さの時系列変化を示すグラフ、(b)はプラズマ電圧の時系列変化を示すグラフ、図5(a)は側壁熱量の時系列変化を示すグラフ、(b)は炉体重量の時系列変化を示すグラフである。
まず、図1を参照して、本実施例に係る炉底監視装置が設置されるプラズマ式溶融炉10につき説明する。プラズマ式溶融炉10は、炉本体14の炉蓋から主電極11が垂下され、これに対向して炉底から炉底電極12が挿設されている。主電極11は、電極昇降装置28により上下動自在に配設される。プラズマ式灰溶融炉10では、これらの電極間に直流電源13により直流電圧を印加して炉内にプラズマアーク24を発生させる。投入ホッパ21より投入された被処理物は、炉壁に設けられた被処理物投入口20より炉内に投下され、プラズマアーク熱及び前記電極間を流れる電流のジュール熱により溶融処理され、溶融スラグ22として炉底に溜まる。また溶融スラグ22の下部には比重差により溶融メタル23が形成されている。溶融後は、適宜出滓口25より排出される。
炉本体14の側壁及び蓋部の内側は不定形耐火材15で形成され、炉底には、侵食に強いアーチ状の耐火レンガ18が内側に配設され、その下に耐火レンガ19が配設される。これらの耐火物の外表面は鋼板製のケーシング16で被覆されている。炉体側壁の全周若しくは一部には、冷却水が通流する冷却ジャケット26が配設されている。水冷ジャケットの入口側と出口側には温度計と流量計(何れも図示略)が設置されている。
また本実施例では、スラグ層厚さ測定手段、電極への供給電圧測定手段、側壁放熱量測定手段、炉体重量測定手段のうち少なくとも何れかを備える構成となっている。
さらに、スラグ層厚さ、供給電圧、側壁放熱量、炉体重量の少なくとも何れか一の測定因子に基づいて炉底耐火材18、19の異常を検知する制御装置49が設けられている。
スラグ層厚さは、電極間の電流値及び抵抗値とプラズマアーク24の抵抗値から溶融スラグ22の抵抗を求め、溶融スラグ22の抵抗値とスラグ層の厚さの関係よりスラグ層の厚さを求める方法や、溶融スラグ22と溶融メタル23の比重差を用い、棒状部材を炉内に侵入させてその浮力差によりスラグ層厚さを測定する方法(特開2002−147737参照)などがある。
電極への供給電圧は、直流電源13により測定できる。
側壁放熱量は、水冷ジャケット26の出口側の温度計と入口側の温度計での水の温度差と、水冷ジャケット26に流れる冷却水量とから測定できる。側壁放熱量は、スラグ層22からの放熱量とメタル層23からの放熱量と炉底耐火材からの放熱量の合計である。
炉体重量は、ロードセル等の重量測定装置27により測定できる。炉体重量は、スラグ層重量とメタル層重量と耐火材とケーシングの重量の合計である。
本実施例は、測定手段によりこれらの測定因子を時系列的に測定し、制御装置40により該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判断するものである。
炉底耐火材が短時間に異常侵食したり、レンガ18の目地に溶融メタル23が差し込むと、レンガ18と溶融メタル23の比重の差からレンガ18が浮上り離脱することがある。離脱したレンガ18は短時間で溶融するためスラグ層22となり、図3(a)に示されるようにスラグ層22の厚さが厚くなる。従って、定期的にスラグ層厚さを計測し、スラグ層厚さの異常状態を示す変異点を検出することで炉底耐火材の異常を検知できる。図4(a)にスラグ層厚さσの時系列変化を示す。ここでは、一例としてメタル傾動を一定間隔で実施する場合を示している。傾動と傾動の間で、投入灰中メタルは沈降し、上部スラグがオーバーフローにより出滓することでスラグ厚さは減少する。正常時は傾動サイクルごとにこの変化パターンを繰り返すが、耐火材に異常が発生するとこの変化パターンと異なる変異点が検出される。この変異点は、炉底耐火材の浮き上がり等による耐火材離脱、スラグ化をあらわす。
また、スラグ層22が厚くなるとスラグ層22における抵抗が増加するため、プラズマ電流を一定にして運転する場合、プラズマ電圧が通常よりも上昇する。そこで、供給電圧を測定し、電圧異常を示す変異点を検出することで炉底耐火材の異常を検知できる。図4(b)にプラズマ電圧Vの時系列変化を示す。図4(a)に示したスラグ厚さの減少に伴い、プラズマ電圧も一定の変化パターンで減少する。正常時は傾動サイクルごとにこの変化パターンを繰り返すが、耐火材に異常が発生するとこの変化パターンと異なる変異点が検出される。これは、主電極11とスラグ面の間の抵抗をR、スラグ層の抵抗をR、電流をIとすると、電圧VはV=(R+R)Iで表されるが、スラグ厚さの急激な増加でRが増加し、Vが急増することによる。この変異点は、炉底耐火材の浮き上がり等による耐火材離脱、スラグ化をあらわす。
さらに、耐火材が異常な状態のまま運転を継続すると、当初はスラグ層22が厚くなり上記したような異常現象が観察されるが、徐々に炉底に溶融メタル23が蓄積され、且つ、溶融スラグ22はオーバーフローにより出滓口25より排出されるためスラグ層22は通常状態に戻る。定常運転では定期的に炉を傾けて溶融メタル23を排出するが、通常の傾動角度では過剰堆積した溶融メタル23は排出されないので、図3(b)に示されるようにメタル厚さが増大した運転を行うことになる。
メタル層23が厚くなると、その上のスラグ層22で発熱した熱はメタル層23へ流れ、さらに半径方法へ移動して側壁の水冷ジャケット26で吸熱されるため、側壁放熱量が増加するとともに、通常よりも過剰の電力を投入する必要がある。従って、側壁熱量の増加と電力投入量の増加から炉底レンガ18の異常を検知できる。図5(a)に側壁放熱量Qの時系列変化を示す。通常は、メタル層厚さ増加に伴いスラグ層厚さが減少する。そうするとスラグ層の熱伝導率よりもメタル層の熱伝導率が大きいため、側壁放熱量が増加する。正常時は傾動サイクルごとにこの変化パターンを繰り返すが、耐火材に異常が発生するとこの変化パターンと異なる変異点が検出される。この変異点は炉底耐火材の浮き上がり等による耐火材離脱、スラグ化、スラグとメタルの入れ替わりがあったことをあらわす。
また、炉底耐火材がメタル層23に置き換わりメタル層23が厚くなると、炉底耐火材よりも溶融メタル23の比重が大きいので、炉体重量が増加する。よって、炉体重量を計測し、初期の正常時の重量と比較することで、炉底耐火材の消失を検知できる。図5(b)に炉体重量Gの時系列変化を示す。通常は、メタル層厚さ増加に伴いスラグ層厚さが減少する。溶融スラグ22の比重より溶融メタル23の比重の方が大きいため、炉体重量が増加する。正常時は傾動サイクルごとにこの変化パターンを繰り返すが、耐火材に異常が発生するとこの変化パターンと異なる変異点が検出される。この変異点は、側壁放熱量の変異点と同様に、炉底耐火材の浮き上がり等による耐火材離脱、スラグ化、スラグとメタルの入れ替わりがあったことをあらわす。
次に、図2を参照して本実施例に係る炉底監視方法のフローを炉内状況とともに説明する。
プラズマ式溶融炉10の定常運転を開始したら(S1)、スラグ層厚さ、電極への供給電圧、側壁放熱量、炉体重量の少なくとも何れかの測定因子を時系列的に測定する(S2)。スラグ層厚さの変異点若しくは供給電圧の変異点が検出されたか否かを判断し(S3)、検出されたら耐火材の侵食、剥離等によりスラグ層厚さが増大したことが判明し(S4)、炉底耐火材の異常ありと判定する(S5)。
一方、スラグ層厚さの変異点若しくは供給電圧の変異点が検出されなかった場合は、側壁放熱量の変異点若しくは炉体重量の変異点が検出されたか否かを判断し(S6)、検出された場合、スラグ化した耐火材が、メタルと入れ替わることによりメタル層厚さが増大したことが判明し(S7)、炉底耐火材の異常ありと判定する(S8)。
本実施例によれば、炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度などの精度の低い温度計測を用いることなく、正確に炉底耐火材の侵食や剥離等の異常を検知することができる。また、新たに設備を設置することなく既存の設備で炉底耐火材を監視することができるため低コストとすることができる。さらに、耐火材異常の進行度に合わせて、段階的に異常を検知する構成としたため、確実に炉底異常を検知することでき、溶融炉に重大なトラブルを引き起こすことなく安定運転を保障することができる。
本発明は、炉底ケーシング温度や炉底耐火材温度を測定することなく、炉底耐火材の侵食や損傷等の炉底異常を正確に検知することができるため、プラズマ式溶融炉を始めとして、電気抵抗式溶融炉、バーナ式溶融炉、旋回式溶融炉、反射式溶融炉等の何れの溶融炉にも適用可能である。
本実施例1に係る炉底監視装置を備えた溶融炉の側断面図である。 本実施例1に係る炉底監視方法のフロー図である。 炉底耐火材の侵食、剥離に伴う炉内状況の変化を示す図で、(a)は、スラグ層厚さが増大した状態、(b)はメタル層厚さが増大した状態を示す。 (a)はスラグ層厚さの時系列変化を示すグラフ、(b)はプラズマ電圧の時系列変化を示すグラフである。 (a)は側壁熱量の時系列変化を示すグラフ、(b)は炉体重量の時系列変化を示すグラフである。 従来の溶融炉の断面を示す全体構成図である。 従来の温度計により測定した炉底温度の測定値である。
符号の説明
10 プラズマ式溶融炉
11 主電極
12 炉底電極
13 直流電源
14 炉本体
17 炉底ケーシング
18 アーチ状レンガ
19 耐火レンガ
21 投入ホッパ
22 溶融スラグ(スラグ層)
23 溶融メタル(メタル層)
25 スラグ出滓口
26 冷却ジャケット
27 炉体重量測定計
28 電極昇降装置
40 制御装置

Claims (4)

  1. 内側に耐火材が配設され、その外側を鋼板製ケーシングにより覆われた炉本体内に被処理物を投入し、炉蓋と炉底に夫々設けた電極間に電圧を印加することにより被処理物を溶融し、スラグ層とその下方にメタル層とが炉内に貯留されるようにした電気式溶融炉における炉底監視方法において、
    前記溶融炉内のスラグ層の厚さ、電極への供給電圧、炉本体の側壁放熱量、炉体重量のうち少なくとも何れか一の測定因子を時系列的に測定し、該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、該変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判定することを特徴とする溶融炉の炉底監視方法。
  2. 前記スラグ層の厚さ若しくは前記供給電圧の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第1のステップと、
    前記第1のステップにより異常が検知されない場合に、前記側壁放熱量若しくは前記炉体重量の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第2のステップと、を備えることを特徴とする前記請求項1記載の溶融炉の炉底監視方法。
  3. 内側に耐火材が配設され、その外側を鋼板製ケーシングにより覆われた炉本体を有し、該炉本体の炉蓋と炉底の夫々に電極が配設され、該電極間に電圧を印加する直流電源が接続され、前記炉本体内に被処理物が溶融したスラグ層とその下方にメタル層が貯留された電気式溶融炉における炉底監視装置において、
    前記溶融炉内のスラグ層の厚さ、電極への供給電圧、炉本体の側壁放熱量、炉体重量のうち少なくとも何れか一の測定因子を時系列的に測定する測定手段と、該測定因子の一定の時系列変化パターンとは異なる変異点を検出し、該変異点が検出されたら炉底耐火材の異常と判定する判定手段と、を備えることを特徴とする溶融炉の炉底監視装置。
  4. 前記判定手段は、前記スラグ層の厚さ若しくは前記供給電圧の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段により異常が検知されない場合に、前記側壁放熱量若しくは前記炉体重量の少なくとも何れか一方の測定因子に基づいて炉底耐火材の異常を検知する第2の判定手段と、を備えることを特徴とする前記請求項3記載の溶融炉の炉底監視装置。
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