JP2008060871A - 階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物及びその作成方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】銀行券を始めとする証券印刷物、パスポートや資格証等の証明印刷物等の貴重印刷物において、任意の階調画像に機械読取情報を埋め込み、かつ、階調及び情報を再現する画線が細密な幾何学模様となる印刷物を提供する。
【解決手段】印刷物上で階調画像を再現する処理であるスクリーン処理の際に用いるスクリーン形状に、画線面積率の増減にかかわらず、一定の画線構成を有する領域を設け、その領域の画線構成がパターンマッチングや周波数特性に適した図形とすることによって、任意の画像に情報の埋め込みを可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物及びその作成方法に関する。
貴重印刷物と称することができる銀行券を始めとする証券印刷物、パスポートや資格証等の証明印刷物の印刷面には、様々な要素が付与されて構成されている。この要素を大別すると、情報要素、セキュリティ要素及び模様等の証券デザイン要素に分けられる。
情報要素とは、貴重印刷物が道具としての役割を果たすために必要な要素である。例えば、銀行券における金額又はパスポートにおける顔写真等がこれに該当する。さらに視覚的情報として想定できる情報要素をその形態から分類すると、金額等の文字記号、マーク等の二値画像及び写真画像等の階調画像となる。
情報要素は、様々な状況に合わせた形態が必要である。例えば、銀行券の情報要素の一つである金額は、目視により確認できる形態、触覚により確認できる形態、ATM等の各種の機械により確認できる形態として盛り込まれている。
セキュリティ要素とは、その印刷物が本物であることを証明するために必要な要素である。各種の偽造防止策又は機械読取用パターン等がこれに該当する。セキュリティ要素については、真偽を判定する者の習熟度(一般人〜専門家)、真偽判定手段(目視〜特殊装置)及び偽変造手段(コピー機〜高性能印刷製版システム)の各々のレベルに合わせた要素が必要である。
証券デザイン要素とは、その印刷物が貴重印刷物として視覚的にアピールするために必要な要素である。例えば、唐草、神格化された具象及び意匠、凹版肖像に見られる配線又は細密な画線で構成された幾何学模様等がこれに該当する。唐草や神格化された具象及び意匠が文化的側面から発達したのに対して、凹版配線や幾何学模様は、昔から実施されている偽造方法の光学的写真製版による複製に対抗した印刷画線として発達したという背景を持つ貴重印刷物独特の形態である。
貴重印刷物における証券デザイン要素は、貴重印刷物が一見して他の一般的な印刷物とは異なる類のものであるという注意を喚起する意味も持っている。すなわち、確実な保管を促し、安易な偽造及び改ざんをけん制する一種のサインとしての役割を果たす。故に、他の二つの要素と同様、貴重印刷物に不可欠な要素である。
情報要素、セキュリティ要素及び証券デザイン要素としての役割を兼ね備えた印刷画線の構成の例には、凹版配線による肖像、マイクロ文字及びマーク、又は模様の大小による特殊スクリーン処理等がある。中でもオフセット印刷を用いて任意の階調を有する画像を証券印刷物に付すには、特殊スクリーン処理が適当である。
ここでいうスクリーン処理(又はスクリーニング)とは、連続階調を有する画像を画線部(印刷物におけるインキ着色部)と非画線部とに分け、画像の階調を印刷物における単位当たりの画線面積率に置き換えて、印刷物上表す処理のことである。スクリーン処理を行って得られる代表的な画線構成は、楕円やひし形の大小から成る網点である。他に、微細な点の粗密から成るFMスクリーン等が知られている。
デジタル製版におけるスクリーン処理においては、印刷物上のどの領域を画線部とするか、又は非画線部とするかをプログラム上で規定する規則(以下「スクリーン」という。)が必要である。スクリーンは、一般に画線の形状を決定するスクリーン形状、単位あたりの大きさを決定するスクリーン線数及び配置方向を決定するスクリーン角度の三つの要素から成る。
階調をスクリーン処理することによって得られた画線(以下「階調再現画線」という。)は、画線の太細、大小又は多少等によって単位面積当たりの面積率が変化する。この階調再現画線が人間の目の分解能を超えて十分に細かい場合、階調再現画線は印刷インキの濃淡として認識される。
特殊スクリーン処理とは、スクリーンに複雑な形状を用いて画像の階調を再現した技術である。特殊スクリーンの例として、本願出願人は、既に「ハーフトーンスクリーン作成法及びその印刷物」を発明している(特許文献1参照)。
これによれば、任意の情報要素となる階調画像を、伝統的な証券の特徴の一つである多数の円や多角形等の幾何学的図形から成る意匠性が高い模様の証券デザイン要素で再現した証券印刷物を得ることができる。さらに、再現された画像は、階調と画線形状を判定の拠り所とした真偽判定手段となるセキュリティ要素として用いることが可能である。
特殊スクリーン処理された画像がセキュリティ要素と成り得るのは、複製した場合に、特殊スクリーン処理された画像が、全体的な階調の濃淡と個々の画線形状との双方を忠実に再現しなくてはならないためである。特殊スクリーン処理により得られた画像は、彩紋等の曲線の集合で構成された絵柄や網点を用いて再現した階調よりも偽造が難しいとされている。それは、主としてスキャナによる入力や画像処理による画線抽出等に対して抑止力があるからである。
特殊スクリーンを採用した貴重印刷物を真偽判定する場合には、まず目視にて全体的な階調の濃淡を観察し、次に10倍程度の拡大鏡を用いて画線形状を観察して真正品と比較する。このように特殊スクリーンは、設置場所が限定される専用機器を必要としない簡易な真偽判定手段の一つと言える。
前述のような特殊スクリーン処理と同様の技術を応用して、本願出願人は、階調画像に機械読取情報を重畳した印刷物を発明している(特許文献2参照)。しかし、この発明では、「・・・機械で読み取られることを目的にあらかじめ決められた任意の形状・・・」とあるように、採用し得る機械読取手法は、パターンマッチングによる画線形状抽出及び抽出した画線の位置座標の判定である。このような読取手法を用いた印刷物では、印刷条件の変動による画線形状の変化の影響を受けやすいため読取精度が低下しやすいという問題があった。また、付与できる情報についても限定的であった。さらに、機械読取用エレメント同士の位置関係をカモフラージュするためのダミーエレメント及びパターンマッチングの際に必要な空白部等が必要なため、画線形状が限定されやすく、美観の点で大きな問題があった。そこで、パターンマッチングに加えて他の読取精度が高い機械読取手法に供することが可能で、情報が付与しやすく、かつ、印刷物の美観を考慮して情報の設計、すなわち画線形状と情報との関係を規定することが可能な模様、いわゆるスクリーン処理して得た画線を有する印刷物が求められている。
特許第3470312号 特願2000−181552
本発明は以上の問題を鑑み、任意の階調画像に機械読取情報を埋め込み、かつ、階調及び情報を再現する画線が証券デザイン要素たる細密な幾何学模様となる印刷物及びその作成方法を提供することを目的としている。
本発明は、基材上の一部又は全部に、基材の色とは異なる色から成る階調画像が施された印刷物であって、階調画像の少なくとも一部に機械読取可能な情報を含む機械読取領域を有し、機械読取領域は、所望する情報を有する画像構成パターンのみが複数配列されて成るか、又は所望する情報を有する画像構成パターン及び情報を有しない画像構成パターンが複数配列されて成り、情報を有する画像構成パターンは、基材の色から成る第1の色領域と、基材の色とは異なる第2の色領域と、第1の色領域と第2の色領域との境界線により形成された情報図形から成り、情報を有しない画像構成パターンは、第1の色領域及び/又は第2の色領域から成り、情報図形を所定の機械読取手法により解析することで所定の情報を読み取ることが可能なことを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物である。
また、本発明における階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物は、第1の色領域と第2の色領域の面積の比率により、階調画像を表現していることを特徴とする。
また、本発明における階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物は、第1の色領域と第2の色領域の面積の比率により、階調画像を表現していることを特徴とする。
また、本発明における階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物は、情報を有する画像構成パターンは、少なくとも一つの情報図形を有していることを特徴とする。
また、本発明は、基材上の一部又は全部に、基材の色とは異なる色から成る階調画像が施され、階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法であって、機械読取情報を構成するための画像構成パターンを作成し、基材上に施す階調画像を一端多値画像として作成した後、二値画像に変換し、画像構成パターンに埋め込むための所望の情報を入力し、画像構成パターンと同じ大きさを有する二値画像の階調領域においての階調の平均値を算出し、算出した階調の平均値に該当する画像構成パターンを画像構成パターンと同じ大きさを有する二値画像の階調領域に貼り付けることで機械読取情報を付与することが可能な階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法である。
また、本発明は、画像構成パターンと同じ大きさを有する二値画像の階調領域は、所望する情報を有する画像構成パターン又は所望する情報を有する画像構成パターンと情報を有していない画像構成パターンを複数配列して形成することを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法である。
また、本発明は、所望する情報を有する画像構成パターンは、基材の色から成る第1の色領域と、基材の色とは異なる第2の色領域と、第1の色領域と第2の色領域の境界線から成る情報図形によって構成することを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法である。
また、本発明は、所望する情報を有する一つの画像構成パターンと、所望の情報と同じ情報を有する他の画像構成パターンとは、情報図形が同一の形状又は少なくとも形状の一部を成すことを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物である。
また、本発明は、画像構成パターンを貼り付ける二値画像の階調領域は、第1の色領域と第2の色領域の面積の比率により階調画像を表現することを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法である。
本発明によれば、任意の階調画像を用いて真偽判定を行うことが可能となり、また、伝統的な証券の特徴の一つである多数の円や多角形等の幾何学的図形から成る意匠性の高い特殊スクリーン処理して得られる画線構成に、機械読取情報を埋め込むことが可能な印刷物を提供することができる。
本発明によれば、機械読取に必要な装置が使用不可能な場合であっても、真偽判定手段として画線形状を拡大鏡等によって確認することにより、画像の改ざん等の有無を確認することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
《印刷物の構成の例》
機械読取情報を埋め込んだ印刷物の例を図1に、図1に示した印刷物の部分的な拡大図を図2に示す。機械読取情報を埋め込んだ印刷物a1(以下「機械読取情報印刷物」という。)の表面には、少なくとも1点の階調画像a2が印刷されている。階調画像a2の大きさ、形状及び絵柄は任意である。
《印刷物を構成する色》
階調画像a2は、その階調を再現するために、第1の色領域及び第2の色領域を少なくとも有する。例えば、第1色は印刷物におけるインキの色であり、第2色は用紙の色である。階調画像の階調の濃淡は、一般的なオフセット印刷により作製された印刷物における網点のように、第1の色領域と第2の色領域との比率によって再現されている。
以下、印刷物が第1の色領域及び第2の色領域より構成されている場合について述べる。階調画像を構成する第1の色領域及び第2の色領域に使う具体的な色は任意である。また、それぞれの色は、前述の例とは逆の第1の色領域に使う色は用紙の色、第2の色領域に使う色はインキの色であってもよい。なお、特に言及しない限り、第1の色領域及び第2の色領域に使う色に関する記載は、両者を入れ替えた場合も可能であるとする。さらに、印刷物を構成する領域は、3種類以上、例えば2色以上のインキを用いて印刷されたものであってもよい。
《印刷物の階調再現方法》
階調画像は、少なくともその一部が以下に述べる画像構成パターンa6によって構成されている。画像構成パターンa6は、第1の色領域a4及び第2の色領域a5から成る。階調画像には、その階調を再現するために第1の色領域及び第2の色領域の占有比率が互いに異なる多種類の画像構成パターンが存在し、階調画像の階調を再現している。また、幅広い階調を再現する意図から、第1の色領域又は第2の色領域のみの画像構成パターンa7が存在する場合もある。
1個の画像構成パターンにおける第1の色領域の面積率は、階調画像が有する階調に応じて増減している。例えば、階調画像の階調が濃い個所では画像構成パターンの第1の色領域の面積率が高く、階調画像の階調が淡い個所では画像構成パターンの第1の色領域の面積率が低い。また、階調の濃淡と第1の色領域の面積率の高低が前述の関係と逆も可能である。
以下に画像構成パターンが有する第1の色領域について述べる。領域の形状及び大きさについては、第1の色領域と第2の色領域の比率が概ね50%である場合の例とする。画像構成パターンが有する第1の色領域の形状は、真正な印刷物との比較対照を行う意図から、一般的に人間が拡大鏡を用いて観察しその形を認識できる程度の単純な構成とする。例えば、円や多角形等の幾何学的図形、又はそれらを複数組み合わせて得られた模様である。また、幾何学的図形を組み合わせてできた模様が、記号又は文字等の意味を持つ形状を成していてもよい。
《第1の色領域の大きさ》
1個の画像構成パターンが有する第1の色領域の大きさの下限は、拡大率5〜10倍程度の簡易な拡大鏡を用いて、その形状及び個数を確認できる程度の大きさとする。第1の色領域が線状の場合の太さについては、第1の色領域の形状の複雑さと印刷手段の技術的水準によるものであり、例えば、現在のオフセット印刷を用いるのであれば、第1の色領域の太さは概ね20ミクロン以上である。
第1の色領域の大きさの上限は特にない。階調画像の階調再現性を重視する場合は、印刷物と印刷物を観察する者との間の距離を考慮して、第1の色領域の大きさを決定する。例えば、ランドルド氏環を用いた視力測定法で視力1.0を示す観察者が20〜30センチの距離から印刷物を観察する場合、第1の色領域の間隔が概ね0.4ミリ以下になるよう大きさを設定すると、第1の色領域の間隔を認識できなくなる。同時に第1の色領域と第2の色領域が混色することで両者の割合による濃淡が生じるので、階調画像の階調として認識することができるようになる。図2に示すような形状を有する第1の色領域a4の場合、一辺の長さが概ね500〜1,000ミクロン程度で、機械読取情報印刷物上にて細部まで再現された階調画像を得られることとなる。
《機械読取領域》
図2に示した印刷物a1の部分的な拡大図における領域a3は、機械読取に供する領域(以下「機械読取領域」という。)である。階調画像は、少なくとも1箇所の機械読取領域を有する。機械読取とは、次のような処理のことをいう。まず、スキャナやCCDカメラ等の光学的読取装置を用いて画像を入力する。次に入力した画像から、パターンマッチング等による画線の形状、あるいは2次元高速フーリエ変換等による周波数成分を始めとする、画像の特性(以下、「画像特性」という。)を得る。あらかじめ規定した画像特性と埋め込まれた情報の関係に基づき得られた画像特性から画像に埋め込まれた情報を読み取ることをいう。
機械読取領域の大きさ及び形状は任意であり、階調画像の全体であっても一部であってもよい。階調画像を2色以上のインキにて印刷した場合、フィルタを用いた光学的色分解、又は画像処理的手法等により、第1の色領域又は第2の色領域の形状を抽出できれば、第1の領域及び第2の領域の上に他の色が重なっていてもよい。
機械読取領域a3は、第1の色領域a4及び第2の色領域a5より成る複数の画像構成パターンa6を有する。1個の画像構成パターンは、第1の色領域が占める面積と第2の色領域が占める面積とが概ね等しく、かつ、濃淡に変化が見られないような場合において、上下左右に繰り返し配列されているうちの1単位と見なされる大きさ及び形状を有する。画像構成パターンの形状、大きさ及び印刷物上に配置される向き(一般的な網点では網点角度に相当)は任意である。
機械読取領域以外の領域についても、情報を有しない画像構成パターンを用いてもよい。その他、一般商業印刷物に見られる円形やひし形の網点等の任意の階調再現手段を用いることも可能である。また、画像構成パターンと類似した構成を持ちながら機械読取不能な網点を用いるなど、機械読取領域をカムフラージュしてもよい。
《画像構成パターン》
以上のように、画像構成パターンは、第1の色領域及び第2の色領域が階調画像の階調を再現し、かつ、拡大鏡を用いた観察にて観察者が判別できる幾何学的模様を成す。さらに、画像構成パターンのうち、スキャナ等の光学的読取手段を備えた機械読取装置によって読み取られた場合に、その形状的特徴を各種画像解析手法(パターンマッチング、高速フーリエ変換等により周波数特性を解析する方法)にて解析できるようなパターンを、特に情報パターンと称する。
画像の形状あるいは周波数的な特性は、どのような情報パターンを用いても得られる。しかし、一般の円形やひし形の網点等を用いて任意の階調画像を再現した場合は、階調の濃淡によって第1の色領域に相当する画線(インキ着色部)の形状や間隔が変化するので、任意の階調を有する画像から一定の特性を読み取ることが困難となる。よって、任意の階調を再現しながら画像解析可能な情報パターンとするには、画像特性を埋め込む情報に基づいて制御するための構成が少なくとも一箇所必要となる。すなわち、画像構成パターンの示す第1の色領域面積率にかかわらず、第1の色領域及び第2の色領域の境界線が、一定の図形又はその一部を成すことである。画像特性を意図的に制御する目的とした、第1の色領域及び第2の色領域の境界線によって、少なくともその一部が形成される図形を以下、情報図形と称する。
図3の(あ)乃至(か)に示した画像構成パターンa11、a15、a19、a25、a31及びa35は、情報パターンとなり得るパターンの1例である。例えば、(あ)に示した画像構成パターンa11が有する第1の色領域a12及び第2の色領域a13の境界に生じた情報図形a14の画像特性を、機械読取に利用することとする。(う)に示した画像構成パターンa19は、(あ)に示した画像構成パターンa11が有する情報図形a14と、形状及び大きさが同一の情報図形a22を有する。この画像構成パターンa11及びa19については、例えば、高速2次元フーリエ変換した場合に得られるスペクトルを比較してみると、各々情報図形a14及びa19に由来するスペクトルのピークが確認できる。
また、画像構成パターンa19は、画像構成パターンa11にはない第1の色領域a23及び第2の色領域a24を有し、画像構成パターンにおける第1の色領域の面積率がa11とは異なる。したがって、画像構成パターンa11とa19は、異なる濃さの階調を再現することが可能となる。よって、情報図形の形状及び大きさが同一であれば、階調の濃淡に左右されない画像特性を持つ階調画像を再現することができる。
さらに、(お)に示した画像構成パターンa31は、画像構成パターン内にける情報図形a34が、(あ)に示した画像構成パターンa11が有する情報図形a14とは位置が異なる。このようなパターンについても、例えば画像の周波数特性を解析するようなフーリエ変換を利用した画像解析手法を用いれば、画像構成パターンa11と同じ画像特性を再現できる階調画像を持たせることができる。
加えて、(い)、(え)及び(か)に示す画像構成パターンa15、a25及びa35は、各々画像構成パターンa11、a19及びa31と第1の色領域と第2の色領域が逆の関係ある。このようなパターンについても、例えば画像の周波数特性を解析するようなフーリエ変換を利用した画像解析手法を用いると、(あ)に示した画像構成パターンa11と同じ画像特性を再現できる階調画像を持たせることができる。
図4の(さ)及び(し)に示される画像構成パターンa51及びa55は、情報図形の一部を有する例である。第1の色領域a52(a56)と第2の色領域a53(a57)との境界線が、図3の(あ)に示される情報図形a14と一部が一致する。このように情報図形の一部を有する画像構成パターンも、情報図形に由来する画像特性を部分的に再現できる階調画像を持たせることができる。
次に、画像構成パターンの中でも情報パターンではないものについては、非情報パターンと称することとする。1個の画像構成パターンが情報パターンであるか非情報パターンであるかは、情報図形の少なくとも一部を有しているか否かによる。
前述のように、機械読取情報印刷物は少なくとも1箇所の機械読取領域を有する。各々の機械読取領域は少なくともその一部が情報パターンで構成されている。機械読取領域が複数ある場合、各々の機械読取領域を構成する画像構成パターンは、同一であっても異なるものであってもよい。
情報パターンを読み取る光学的装置には、例えば、CCDを備えたスキャナやデジタルカメラ等を用いる。また、読み取った印刷物を解析する方法には、2次元高速フーリエ変換等を用いることができる。例えば、2次元高速フーリエ変換を市販の画像解析ソフト等により行うと、スペクトルが画像として得られることとなる。この得られたスペクトルを照合することで埋め込まれた情報を取り出すことができる。なお、機械読取情報印刷物の読取方法については任意である。
《階調画像の作成方法の例》
以上のような画像構成パターンを用いて階調画像を再現する方法の例を、図5に示す。
《作成に要する装置》
作成に要する装置については、図6にその一例を示す。この装置は、コンピュータの有する中央演算装置のような演算手段d1、内部メモリのような演算手段がデータの一時記憶に用いる一時記憶手段d2、ハードディスク又は光磁気ディスクのようなデータを書き込んで保存が可能なデータ格納手段d3、スキャナ又はデジタルカメラのような絵画や写真をデジタル情報に変換して入力することができる画像入力手段d4、市販の画像処理ソフトや描画ソフトを格納したハードディスクのような画像描画手段d5、キーボード又はマウスのような利用者がデータを入力する場合に用いるデータ入力手段d6、プリンタ又はフィルム出力機のような出力手段d7及びモニタのような表示手段d8によって構成されている。作成過程にある階調画像及び必要な素材は、デジタルデータとしてこれらの手段の間でやり取りされる。また、データ格納手段d3に市販の画像処理ソフト等をあらかじめ格納して、画像の描画等の際に利用してもよい。
《画像構成パターンの作成s1》
階調画像を再生する方法として、まず画像描画手段d5を用いて演算手段d1で画像構成パターンを作成する(s1)。画像構成パターンは、数種類のパターンを組み合わせることで複雑な情報となる。例えば、0から9までを表す10種類の画像構成パターンを組み合わせることによって、10進法にて表される数を任意の桁数だけ付与する等してもよい。
画像構成パターンの具体的な作成方法は任意であり、例えば、画像処理ソフト等を利用することでもよい。この場合、所望する形の画像構成パターンを、例えば、画像処理ソフトの描画機能を用いて白と黒との2値画像として作成する。なお、機械読取情報印刷物においては、例えば白が第2の色領域、黒が第1の色領域となるように作成する。作成する画像構成パターンの寸法(ピクセル数)は、階調画像を再現したい階調数(階調の段階の数)に依存する。ピクセル数は再現したい階調数から1を減じた数以上が必要なので、例えば、再現したい階調数が256階調である場合、255ピクセル以上が必要になる。画像構成パターンを第1の色領域面積率を変えて再現したい階調数だけ作成する。第1の色領域面積率は0%から100%までのいずれであってもよく、均等に分散していると、画像の階調再現性が向上する。
同様にして、画像構成パターンを機械読取情報印刷物に付与したい種類の数だけ作成させる。例えば、二進法の数字を用いたい場合は2種類、十進法の数字を用いたい場合は10種類の画像構成パターンを作成する。付与する情報と画像構成パターンとの関連付けは任意であり、利用者が好みの形状の第1の色領域を有する画像構成パターンを用いて情報付与するように規定することによって、得られる機械読取情報印刷物の第1の色領域の形状を紋様として完成度の高いものとすることが可能である。すなわち、作成する画像構成パターンの総数は、(再現したい階調数)*(印刷物に付与したい情報の種類)である。画像構成パターンの寸法は任意であるが、少なくとも同じ情報を有する画像構成パターン同士が同じ寸法により構成されると、階調画像の階調を変じても機械読取情報印刷物に同じ情報を埋め込むことが可能である。
作成された画像構成パターンについては、第1の色領域面積率を演算手段d1で測定する。例えば、画像構成パターンの総ピクセル数及び黒色のピクセル数を測定し、黒色のピクセル数を総ピクセル数にて除算する。情報画像構成パターン及び得られた第1の色領域面積率の情報をデータ格納手段d3に保存する。
《階調画像の階調を有する多値画像の作成s2》
次に、階調画像の階調を有する多値画像を作成する。多値画像とは、白と黒以外の中間色を階調として有する画像であり、8ビットグレースケール画像が代表例である。多値画像が有する階調、すなわち階調画像の階調及びその作成方法は特に限定しない。例えば、画像描画手段d5にて画像を描画する。または、画像入力手段d4により写真その他の画像を入力して用いてもよい。このようにして得られた画像はデータ格納手段d3に保存する。以下、階調画像の階調を有する多値画像を、階調多値画像と称する。
《情報の入力s3》
階調画像に付与したい情報(以下「埋め込み情報」という。)を、データ入力手段d6等を用いて入力し、データ格納手段d3に格納する(s3)。なお、情報の内容、形式及び容量は任意である。
《多値画像の読み込みs4》
階調画像の階調を有する多値画像の作成(s2)において作成及び保存した階調多値画像を演算手段d1で読み込む(s4)。
《階調の判定及び画像構成パターンの選択s5》
ステップ(s3)にて入力した埋め込み情報及びステップ(s4)にて読み込んだ多値画像の階調に基づき、二値画像形式の階調画像を作成する。多値画像の階調を二値画像にて再現する方法には、公知の技術を用いてもよい。例えば、階調多値画像と同じ長さ寸法の二値画像(以下「新規画像」という。)を作成し、画像解像度は印刷に適当な任意の解像度、例えば、1200dpi乃至5080dpi程度とすればよい。
階調多値画像の端から順に、1個の画像構成パターンと同じ長さ寸法を有する領域の階調について、平均値を算出する。埋め込み情報に合致し、かつ算出した階調の平均値及びに相当する画像構成パターンをデータ格納手段d3から検索し、該当する画像構成パターンを入力する。
入力した画像構成パターンを、新規画像の階調多値画像に対する階調の平均値を算出した領域と同じ位置に貼り付ける。これらを繰り返して階調画像のすべての領域について、階調の平均値の算出と新規画像への画像構成パターンの貼り付けを行い、二値画像形式の階調画像を完成する。そして完成した画像を、データ格納手段d32保存する。
作成した二値画像形式の階調画像を印刷し、機械読取情報印刷物を得る。印刷方法は、インクジェット方式のプリンタ又は印刷用版面(PS版等)を作成し、オフセットその他の方式の印刷機を用いて印刷してもよい。
《閉図形型画像構成パターンの例》
次に、特に再現可能な階調の範囲が広い画像構成パターンの例として、閉図形型画像構成パターンを用いる場合について述べる。画像構成パターンによって再現可能な階調の範囲が広いほど機械読取領域における画像構成パターンの存在率を高くすることが可能なので、画像構成パターンに由来する画像特性が顕著な機械読取情報印刷物が得られる。また、階調画像の階調の相違にかかわらず、画像構成パターンが存在可能なので、任意の階調画像を有する印刷物を機械読取に供することができる。
図7は、閉図形型画像構成パターンの例を示した図である。閉図形型画像構成パターンc1は、任意の形状を有する第1の色領域c2と第2の色領域c3の境界c4である。ここで、第1の色領域と第2の色領域の境界が他の情報図形と少なくとも一部が一致するとき、情報図形を表すと称する。また、c1の閉図形型画像構成パターンのように、1本の輪郭線により情報図形が構成されているものを閉図形型情報図形と称する。
ある情報図形を表す第1の色領域及び第2の色領域の形状は一つではない。例えば、図6の(C1)及び(C2)に示した閉図形型画像構成パターンc11及びc21は、図7に示した閉図形型画像構成パターンc1と同様の情報図形c4を有している。閉図形型画像構成パターンc11における第1の色領域c12の形状は情報図形c4にかかわらず任意である。また、閉図形型画像構成パターンc21における第2の色領域c23はその内側に任意の形状の第1の色領域c24を有する等してもよい。
図8の(C3)は、第1の色領域c32及び第2の色領域c33が三角形の情報図形c34を表す閉図形型画像構成パターンc31を示した図である。(C4)は、第1の色領域c42及び第2の色領域c43が四角形の情報図形c44を表す閉図形型画像構成パターンc41を示した図である。このように、閉図形型画像構成パターンが表す情報図形の形状及び大きさは任意に設定可能である。
図9は、閉図形型画像構成パターンにて階調を再現した例であり、図10は図9に示された閉図形型画像構成パターンc111、c121、c131、c141、c151及びc161の拡大図である。図10の(C11)、(C12)、(C13)及び(C14)に示した閉図形型画像構成パターンcc111、c121、c131及びc141は、各々第1の色領域c112、c122、c132及びc142の形状及び面積が異なる閉図形型画像構成パターンである。しかし、第2の色領域c113、c123、c133及びc143は形状、大きさ及び向きが同一で、各画像構成パターンにおける第1の色領域と第2の色領域との境界は、ともに情報図形c114である。
図10の(C15)及び(C16)に示した画像構成パターンc151及びc161は、各々情報図形の内側に存在する第2の色領域c153及びc163の中に任意の形状の第1の色領域c154及びc164を有する閉図形型画像構成パターンの例である。情報図形の内側に存在する第2の色領域の中の第1の色領域を、以下、内包第1の色領域と称する。また、閉図形型画像構成パターンのうち、内包第1の色領域を有するパターンと内包第1の色領域がないパターンとを特に区別する場合には、前者を閉図形内包型画像構成パターン、後者を閉図形単独型画像構成パターンと称する。
閉図形内包型画像構成パターンは、閉図形単独型画像構成パターンよりも、高い濃度の階調を再現することが可能である。図9に示した画像b1では、閉図形単独型画像構成パターンでは再現できない階調のみを閉図形内包型画像構成パターンにて再現したが、画像構成パターンによる階調再現方法はこの限りではない。よって、閉図形単独型画像構成パターンと閉図形内包型画像構成パターンがグレースケール中に混在していてもよい。
前述のように、閉図形型画像構成パターンにおける第1の色領域及び内包第1の色領域の形状は任意である。最も広い範囲の階調を再現することができる閉図形型画像構成パターンの組合せは、図9に示した画像b1のような組合せである。図10の(C11)及び(C16)に各々示した閉図形型画像構成パターンc111及びc161の部分的な拡大図を図11に示す。画像b1のような組合せとは、すなわち、第1の色領域面積率が極端に低く、0%に近い階調は閉図形単独型画像構成パターンを用いて再現し、再現する閉図形単独型画像構成パターンは、(C17)に示すように、c111のような情報図形を表す第1の色領域c112の外周c116が情報図形c114と相似の関係にあるパターンである。さらに、第1の色領域面積率が極端に高く100%に近い階調は、閉図形内包型画像構成パターンを用いて再現し、再現する閉図形内包型画像構成パターンは、(C18)に示すように、c161のように情報図形を表す第2の色領域c163の内周c166が情報図形c114と相似の関係にあるパターンである。この場合、メッセージ画像の階調が印刷で再現できる限界とほぼ同等の範囲が画像構成パターンで再現可能となる。
図9に示した画像b1のように、閉図形型画像構成パターンは組合せによって広い範囲の階調を再現することが可能である。第1の色領域の形状は、画像b1では類似した形状(この場合は円形又はそれに類似した閉図形)の画像構成パターンのみを用いているが、任意の形状第1の色領域を有する画像構成パターンを用いてもよい。例えば図8のC1に示す画像構成パターンc11のように第1の色領域c12が情報図形c4と異なる形状を用いた場合には、情報図形と第1の色領域とが周波数的に干渉しない。よって、画像の周波数特性の解析が容易になる。
さらに、図3の(あ)及び(お)を用いて述べたように、情報図形は画像構成パターンの中での位置が互いに異なる関係にあってもよい。よって、情報図形が互いに異なる位置にあるような閉図形型画像構成パターンがグレースケール中に混在していてもよい。
以上のように階調再現に閉図形型画像構成パターンを組み合わせて用いた場合、比較的広い範囲の階調を再現することができる。階調を再現するのに用いる画像構成パターンの種類数は任意であり、数が多く、第1の色領域面積率が均等に分散している場合ほど、再現された階調画像の品質が向上する。さらに、第1の色領域面積率が0%付近及び100%付近のように、閉図形型画像構成パターンで再現できない濃度の階調を再現したい場合は、画像構成パターン(非情報)を用いてもよい。また階調の再現性や美観その他の理由により、画像構成パターンで再現可能な特定の階調を画像構成パターン(非情報)で再現してもよい。
個々の情報図形がどのような情報を意味するのかについては、利用者が任意に規定して用いる。例えば、図8の(C1)に示した閉図形型画像構成パターンc11、図8の(C3)に示した画像構成パターンc31及び図8の(C4)に示した画像構成パターンc41と、三つの画像構成パターンを用いることでよい。複雑な情報を埋め込むために、任意の形状及び大きさの複数の閉図形型情報図形を表す画像構成パターンを用いてもよい。例えば、図12に示す画像構成パターンp101は、四つの閉図形型情報図形p110、p111、p112及びp113を有する画像構成パターンの例である。
情報図形の形状として好ましい形状は機械読取の際に用いる画像解析手法によるが、例えば、単純なパターンマッチングを用いるのであれば、三角形、四角形又は星型のような頂点やその他の特徴点が判別しやすい形状を情報図形に用いる。2次元高速フーリエ変換等の周波数解析を用いる場合は、前述したように、第1の色領域及び第2の色領域の輪郭が情報図形を表さない部分は、情報図形と異なる形にすると、情報図形との干渉を生じないので解析が比較的容易である。
《多重型画像構成パターンの例》
次に、多様な情報を埋め込むことが可能な画像構成パターンの例として、多重型画像構成パターンを用いる場合について述べる。
図13に示す画像構成パターンm1は、第1の色領域m2及び第2の色領域m3の境界が2個の円形の情報図形m4及びm5を有しており、形状が一致するような多重型画像構成パターンの例である。このように、情報図形が別の情報図形を内包している場合を以下、多重型情報図形と称し、多重型情報図形を表すような画像構成パターンを、以下、多重型画像構成パターンと称する。多重型画像構成パターンm1では、個々の情報図形m4及びm5の大きさとm6及びm7の他に、両者の位置関係m8に由来する画像特性を機械読取によって読み取ることができる。
情報図形と境界が一致する第1の色領域及び第2の色領域は、図13の限りではない。例えば、図14の(M1)及び(M2)に示す多重型画像構成パターンm11とm21のように、境界が情報図形又は情報図形の一部と一致していればよい。
図14の(M3)は、第1の色領域m32と第2の色領域m33との境界が、2個の三角形の情報図形m34と一致すること、すなわち、2個の三角形の情報図形m34を表す多重型画像構成パターンの例を示した図である。同様に、(M4)は第1の色領域m42と第2の色領域m43が3個の四角形の情報図形m44を表す多重型画像構成パターンの例を示した図で、(M5)は、第1の色領域m52と第2の色領域m53が円形及び四角形の情報図形m54を表す多重型画像構成パターンの例を示した図で、(M6)は第1の色領域m62と第2の色領域m63が6つの頂点を持つ星形及び三角形の情報図形m64を表す多重型画像構成パターンの例を示した図である。これらの例のように、多重型画像構成パターンにおける情報図形の形状、大きさ、向き及び個数は任意に設定可能である。
図15は多重型画像構成パターンにて階調を再現した画像の例で、図16は図15に示された多重型画像構成パターンm111、m121、m131、m141、m151及びm161の拡大図である。
図16の(M11)及び(M12)に各々示した多重型画像構成パターンm111及びm121は、画像構成パターンが多数の情報図形を表し、かつ、第1の色領域面積率が極端に低く、0%に近い場合の例である。多重型画像構成パターンm111及びm121では、各々第1の色領域m112及びm122と、第2の色領域m113及びm123とが、情報図形m114の一部を表している。多重型画像構成パターンm111及びm121は各々の情報図形の一部を表すことで、個々の情報図形の正確な形状よりもパターン中に存在するすべての情報図形を示すことを優先している。第1の色領域と第2の色領域との境界が情報図形m114の少なくとも一部を表すような多重型画像構成パターンは、この限りではない。情報図形同士の間隔、太細及び印刷の適性条件等を考慮して任意のパターンを用いてもよい。
図16の(M13)及び(M14)に各々示した多重型画像構成パターンm131及びm141は、画像構成パターンが多数の情報図形を表し、かつ、第1の色領域面積率が中間の50%に近い場合の例である。この例は、最も外側の情報図形の内側に各々存在する第1の色領域m134及びm144と、第2の色領域m135及びm145が同一である。情報図形の外側の第1の色領域m132及びm142と、第2の色領域m133及びm143との面積比を異ならせることで、パターン全体の第1の色領域面積率を異ならしている。
または、第1の色領域面積率が中間の50%に近い場合に、最も外側情報図形の内側に各々存在する第1の色領域及び第2の色領域を変じてもよい。例えば最も内側の情報図形の内側に存在する第1の色領域又は第2の色領域の更に内側に第2の色領域又は第1の色領域を設ける等して第1の色領域面積率を変じてもよい。
図16の(M15)に各々示した多重型画像構成パターンm151は、画像構成パターンが多数の情報図形を表し、かつ、第1の色領域面積率が極端に高い100%に近い場合の例である。この例のように、情報図形m114の内側に存在する第2の色領域m155の内側に任意の形状の第1の色領域m154を設け、第1の色領域m154と第2の色領域m155との面積比を変ずることにより、パターン全体の第1の色領域面積率を変じてもよい。
更に高い第1の色領域面積率を示すパターンを必要とする場合は、例えば、(M16)に示す非画像構成パターンm161のように、情報図形のいくつかを表さない非画像構成パターンを用いてもよい。ただし、m161のような非画像構成パターンでは、異なる情報図形を表す画像構成パターンと読取時に区別がつかない可能性があるので、機械読取領域に用いるのは、他に情報図形を表す画像構成パターンが存在する場合とする。また、美観等の点から画像構成パターンにて再現可能な階調の一部を非画像構成パターンにて再現することも可能である。
画像構成パターンの周波数特性を制御し、階調画像に情報付与する方法は、前述の閉図形と同様、多重図形に対して利用者が任意に規定してもよい。例えば、図14の(M2)に示した画像構成パターンm21、図14の(M3)に示した画像構成パターンm31及び図14の(M4)に示した画像構成パターンm41の三つとして用いることができる。更に複雑な情報を埋め込むために、任意の形状及び大きさの複数の多重型情報図形を表す画像構成パターンを用いてもよい。例えば、図17に示す画像構成パターンp151は、4箇所に多重型情報図形p152、p153、p154及びp155を表している。
更に複雑な画像構成パターンとして、図18の(p20)に示す画像構成パターンp201のように、任意の形状及び大きさの閉図形型情報図形p202、p203及びp204と、任意の形状及び大きさの多重型情報図形p205とを任意の数だけ用いてもよい。また、(p25)に示す画像構成パターンp251のように、画像構成パターンに任意の形状及び大きさを有し、情報図形を表さない第1の色領域p255が任意の数だけ含まれていても、情報付与は可能である。
機械読取情報を埋め込んだ印刷物の例を示した図 図1に示した機械読取領域の拡大図 画像構成パターンの例を示した図(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)、(か) 画像構成パターンの例を示した図(さ)、(し) 階調画像の階調を再現する二値画像の作成方法の例を示した図 階調画像の階調を再現する二値画像の作成する装置の例を示した図 閉図形型画像構成パターンの例を示した図 閉図形型画像構成パターンの例を示した図(C1)、(C2)、(C3)、(C4) 閉図形型画像構成パターンにて階調再現した画像の例を示した図 図7に示した画像構成パターンの拡大図の例 図8に示した閉図形型画像構成パターンの部分的な拡大図の例 複数の閉図形情報図形を有する閉図形型画像構成パターンの例を示した図 多重型画像構成パターンを説明した図 多重型画像構成パターンの例を示した図 多重型画像構成パターンにて階調再現した画像の例を示した図 図13に示した画像構成パターンの例を拡大した図 複数の多重型情報図形を有する画像構成パターンの例を示した図 閉図形型情報図形及び多重型情報図形を含む画像構成パターンの例を示した図
符号の説明
a1 機械読取情報を埋め込んだ印刷物
a2 階調画像
a3 機械読取領域
a4、a12、a16、a20、a23、a26、a32、a36、a52、a56、
c2、c12、c22、c24、c32、c42、c112、c122、c132、
c142、c152、c162、m2、m12、m22、m32、m42、m52、
m62、m112、m122、m132、m134、m142、m144、m152、
m154、m162、p102〜p105、p255
第1の色領域
a5、a13、a17、a21、a24、a27、a30、a33、a37、a53、
a57、c3、c13、c23、c33、c43、c113、c123、c133、
c143、c153、c163、m3、m13、m23、m33、m43、m53、
m63、m113、m123、m133、m135、m143、m145、m153、
m155、m163、p106〜p109
第2の色領域
a6、a11、a15、a19、a25、a31、a35、a51、a55、p151、p201、p251 画像構成パターン
a7、c161 画像構成パターン(非情報)
a8、a14、c4、c34、c44、c114、m4、m5、m34、m44、m54m64、m114 情報図形
b1、b2 画像構成パターンにより階調再現された画像
c1、c11、c21、c31、c41、p101 画像構成パターン(閉図形型画像構成パターン)
c111、c121、c131、c141、c151
画像構成パターン(閉図形型画像構成パターンのうち閉図形単独型画像構成パターン)
c115、c165 画像構成パターンの部分
c116 第1の色領域の外周
c154、c164、p114 内包第1の色領域
c166 第2の色領域の内周
d1 演算手段
d2 一時記憶手段
d3 データ格納手段
d4 画像入力手段
d5 画像描画手段
d6 データ入力手段
d7 出力手段
d8 表示手段
m1、m11、m21、m31、m41、m51、m61、m111、m121、
m131、m141、m151、m161 画像構成パターン(多重型画像構成パターン)
m6 情報図形m4の大きさ
m7 情報図形m5の大きさ
m8 情報図形m4及びm5の位置関係
p110、p111、p112、p113、p202、p203、p204、p252、p253 閉図形型情報図形
p152、p153、p154、p155、p205、p254 多重型情報図形
s1 画像構成パターンの作成
s2 階調画像の階調を有する多値画像の作成
s3 情報の入力
s4 多値画像の読み込み
s5 階調の判定及び画像構成パターンの選択
s6 階調画像の階調を再現する二値画像の作成

Claims (9)

  1. 基材上の一部又は全部に、基材の色とは異なる色から成る階調画像が施された印刷物であって、前記階調画像の少なくとも一部に機械読取可能な情報を含む機械読取領域を有し、前記機械読取領域は、所望する情報を有する画像構成パターンのみが複数配列されて成るか、又は前記所望する情報を有する画像構成パターン及び情報を有しない画像構成パターンが複数配列されて成り、前記情報を有する画像構成パターンは、前記基材の色から成る第1の色領域と、前記基材の色とは異なる第2の色領域と、前記第1の色領域と前記第2の色領域との境界線により形成された情報図形から成り、前記情報を有しない画像構成パターンは、前記第1の色領域及び/又は前記第2の色領域から成り、前記情報図形を所定の機械読取手法により解析することで所定の情報を読み取ることが可能なことを特徴とする階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物。
  2. 前記機械読取領域に配列された複数の前記画像構成パターンにおいて、所望する一つの情報に該当する情報図形は、同一の形状又は少なくとも前記形状の一部を成していることを特徴とする請求項1記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物。
  3. 前記第1の色領域と前記第2の色領域の面積の比率により、前記階調画像を表現していることを特徴とする請求項1又は2記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物。
  4. 前記情報を有する画像構成パターンは、少なくとも一つの情報図形を有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物。
  5. 基材上の一部又は全部に、基材の色とは異なる色から成る階調画像が施され、前記階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法であって、前記機械読取情報を構成するための画像構成パターンを作成し、前記基材上に施す前記階調画像を一端多値画像として作成した後、二値画像に変換し、前記画像構成パターンに埋め込むための所望の情報を入力し、前記画像構成パターンと同じ大きさを有する前記二値画像の階調領域における階調の平均値を算出し、前記算出した階調の平均値に該当する画像構成パターンを前記画像構成パターンと同じ大きさを有する前記二値画像の階調領域に貼り付けることで機械読取情報を付与することが可能な階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法。
  6. 前記画像構成パターンと同じ大きさを有する前記二値画像の階調領域は、前記所望する情報を有する前記画像構成パターン又は前記所望する情報を有する画像構成パターンと情報を有していない前記画像構成パターンを複数配列して形成することを特徴とする請求項5記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法。
  7. 前記所望する情報を有する前記画像構成パターンは、前記基材の色から成る第1の色領域と、前記基材の色とは異なる第2の色領域と、前記第1の色領域と前記第2の色領域の境界線から成る情報図形によって構成することを特徴とする請求項5又は6記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法。
  8. 前記所望する情報を有する一つの前記画像構成パターンと、前記所望の情報と同じ情報を有する他の前記画像構成パターンとは、前記情報図形が同一の形状又は少なくとも前記形状の一部を成すことを特徴とする請求項5、6又は7記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物。
  9. 前記画像構成パターンを貼り付ける前記二値画像の階調領域は、前記第1の色領域と前記第2の色領域の面積比率により階調画像を表現することを特徴とする請求項5、6、7又は8記載の階調画像内に機械読取情報を付与した印刷物の作成方法。

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