JP2007236784A - X線診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線の曝射に基づき被検体内の画像を作成して表示する技術に関し、体軸と表示画面とを真っ直ぐにして表示画像を表示してもX線が曝射されたにも関わらず非表示となる領域を低減させる表示技術を提供する。
【解決手段】方形絞りが画成する方形照射野を、被検体の体軸と一の辺の延び方向とが直交するように固定し、曝射されたX線の検出によってX線検出素子より出力されたX線像から、方形照射野に対応する画素を前記一の辺の延び方向に抽出して、当該方向とその直交方向とを2次元座標軸とする表示画像を作成する。
【選択図】図6
【解決手段】方形絞りが画成する方形照射野を、被検体の体軸と一の辺の延び方向とが直交するように固定し、曝射されたX線の検出によってX線検出素子より出力されたX線像から、方形照射野に対応する画素を前記一の辺の延び方向に抽出して、当該方向とその直交方向とを2次元座標軸とする表示画像を作成する。
【選択図】図6
Description
本発明は、X線を曝射して被検体を透過したX線像を表示するX線診断装置に関し、特にX線像の表示技術に関する。
X線診断装置は、X線を曝射して被検体を透過したX線像を表示する装置である。X線像の各画素は、透過した被検体の各部位のX線減衰率の影響を受けている。透過したX線の強度に基づいて画像を作成することで、透過した被検体内を観察することができる。
被検体を透過したX線を検出する構成としては、イメージ・インテンシファイアと呼ばれる装置がある。
イメージ・インテンシファイアは、シンチレータ等の蛍光面でX線を光に変換し、蛍光面と接して作られた光電面から光電子を放出させ、フォーカス電極及び陽極で作られる電子レンズで集束加速させて、出力蛍光面に電子像を形成させる。更に出力蛍光面で電子像を可視像に変換してカメラで撮影し、画像データを得る。
このイメージ・インテンシファイアは、フォーカス電極及び陽極で作られる電子レンズを収容する真空管が大型化するため、近年では、X線平面検出器が代用されるようになってきた(例えば、「特許文献1」参照。)。X線平面検出器は、TFT、光電変換膜、及び画素容量によって画素が構成され、この画素が縦横の各辺に数百個から数千個アレイ状に並べられて平面上に拡がる。
X線平面検出器は、イメージ・インテンシファイアよりも小型で軽量である。被検体の関心領域を拡大あるいは縮小撮像したいという要望に応えて、X線平面検出器を被検体の関心領域に容易に近接させることが可能となってきた。
図12は、X線平面検出器を被検体の関心領域に近接させた場合を示す図である。図13は、近接撮影によって得られるX線像を示す図である。X線診断装置は、X線管球51から発生したX線をX線絞り52で方形に絞って被検体Pを透過させてX線平面検出器6で検出させる。X線の曝射時、被検体は頭部や肩等の凹凸形状を有するため、X線平面検出器は、この凹凸を回避すべく曝射軸を中心に回転しつつ関心領域に近接される。
そのため、図13に示すように、被検体Pの近接撮影によっては、X線平面検出器の画素の並び方向と被検体Pの体軸方向とがずれたX線像Gが形成される。また、関心領域の一によっては、X線管球51、X線絞り52、及びX線平面検出器6を配した支持体が回転等するため、照射野54と被検体Pの体軸ともずれる場合がある。
ここで、作成したX線像を表示する場合、表示画面とX線像に移る被検体Pの体軸とをまっすぐに合わせることでX線像Gによる診断が行いやすいため、X線像Gを回転補正して表示させることがある。
図14に示すように、モニタMには、X線検出器の回転によって体軸が画素の並びとずれて撮影されたX線像Gが、回転補正によって、表示画面の副走査方向と体軸とを同一方向にされて表示される。
通常、モニタMは、方形状を有し、また照射野も方形に絞られる。被検体Pを表示画面の最大まで拡大して表示しようとすると、回転補正によって、X線像Gの四隅の領域が表示されないこととなる。X線像Gの四隅には、X線が曝射された領域も存在する。このX線が曝射されながらもX線像Gの回転補正によって表示することができなくなった領域については、不要被爆ということになる。不要被爆は極力低減させるべきである。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、X線の曝射に基づき被検体内の画像を作成して表示する技術に関し、体軸と表示画面とを真っ直ぐにして表示画像を表示してもX線が曝射されたにも関わらず非表示となる領域を低減させる表示技術を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、X線を曝射するX線管球と、被検体の体軸と直交する方向と一の辺の延び方向とが同一に固定された方形照射野を画成するX線絞りと、所定平面状に配列されたX線検出素子を有し、X線の曝射軸を中心に回転可能なX線平面検出器と、前記X線絞りと前記X線平面検出器との間に介挿され、前記被検体を載置する寝台と、前記X線検出器より出力されるX線像データから前記方形照射野に対応する画素データを前記一の辺の方向に抽出して、当該方向とその直交方向とを座標軸とする表示画像を作成する表示画像作成手段と、前記表示画像を表示するモニタと、を備えること、を特徴とする。
また、前記X線絞りと前記X線平面検出器を両端に支持し、前記X線絞りと前記X線検出器とを通る線を軸線として回動可能な支持体と、前記X線絞りを前記支持体の回動方向と逆方向に同一量回転させるアクチュエータと、をさらに備えるようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
また、前記画像作成手段は、前記X線平面検出器の回転角度を検出する検出器を含み、前記X線平面検出器の回転角度と反対の角度の方向に前記方形照射野に対応する画素を抽出するようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
本発明のX線診断装置では、X線絞りが画成する方形照射野を、被検体の体軸と一の辺の延び方向とが直交するように固定し、曝射されたX線の検出によってX線検出素子より出力されたX線像から、方形照射野に対応する画素を前記一の辺の延び方向に抽出して、当該方向とその直交方向とを2次元座標軸とする表示画像を作成するようにした。
これによると、照射野の一の辺の方向と体軸と直交する方向とが同一となり、その照射野の画像が体軸と体軸に直交する方向に抽出される。従って、表示される画像は、モニタの副走査方向に体軸が沿うようにして表示される。従って、表示画像を回転補正する必要がなくなり、X線が曝射されているが、表示されない無用な曝射箇所をなくすことができる。
以下、本発明に係るX線診断装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係るX線診断装置の外観を示している。
本実施形態のX線診断装置100は、X線を曝射し、被検体Pを透過したX線を検出することでX線像データを取得し、X線像データから表示しようとする領域の画素データを被検体Pの体軸と直交する方向に沿う配列で抽出してモニタMに表示させる。
このX線診断装置100は、天井取り付け部1で天井に固定されている。天井取り付け部1には、湾曲形状を有する支持アーム2がその一端でぶら下がり支持されている。支持アーム2と天井取り付け部1の接続部分には、アクチュエータが内包されており、支持アーム2は、支持されている一端を通り天井平面及び床平面と直交する軸を中心として軸回転する。
支持アーム2には、アームホルダ3を介してCアーム4が支持されている。Cアーム4は、略C字形状を有しており、背面側が支持されている。アームホルダ3には、アクチュエータが内包されており、Cアーム4は、アームホルダ3及びCアーム4を通り天井平面及び床平面と平行な軸を中心に軸回転する。また、Cアーム4の背面には、Cアーム4の延び方向にレールが配設されており、Cアーム4は、アームホルダ3を通りCアーム4の背面延び方向を円周とした円周上を移動する。
Cアーム4の一端には、X線発生部5が設置され、他端にはX線平面検出器6が設置されている。X線発生部5とX線平面検出器6とは、その向きを対向させて設置されている。X線平面検出器6は、アクチュエータに接続されており、X線発生部5とX線平面検出器6とを通る軸(曝射軸)を中心として軸回転し、またX線発生部5の方向へ接近又は離反移動する。
すなわち、X線発生部5とX線平面検出器6は、支持アーム2とCアーム4とでなる支持体によってX線診断装置100に支持されている。X線発生部5とX線平面検出器6は、支持アーム2の回転軸を通るように支持されている。
X線発生部5とX線平面検出器6との間には、被検体Pを載置する天板7が介挿される。天板7は、床に固定された天板保持部8に支持される。天板保持部8には、アクチュエータが内包され、天板7を天板保持部8から押し出し又は引き戻し移動させる。
各アクチュエータの駆動により、X線診断装置100では、支持アーム2及びCアーム4が回転及び円周移動し、被検体Pの関心領域にX線が曝射されて関心領域をX線が透過するように、体軸方向及び体軸回りの位置調整が行われる。
図2乃至図4は、X線診断装置100のX線の曝射及び被検体Pを透過したX線の検出の構成を詳細に示している。図2は、X線診断装置100のX線の曝射及び被検体Pを透過したX線の検出に係る構成を示す構成図である。図3は、X線絞り52の回転機構を示す構成図である。図4は、X線平面検出器6のX線像データの出力構成を示す構成図である。
図2に示すように、X線発生部5には、X線平面検出器6の方向に向かって順にX線管球51とX線絞り52が内設されている。X線管球51とX線絞り52との設置距離は一定距離に予め固定されている。
X線管球51は、X線を発生する真空管である。フィラメント(陰極)に加熱電流を供給して電子を放出させ、フィラメントとタングステン陽極との間に高電圧を印加して電子を加速させ、タングステン陽極に衝突させる。加速した電子がタングステン陽極に衝突するとX線が発生する。高電圧の印加は、例えば、高周波数インバータ方式、すなわち50/60Hzの交流電源を整流して直流とし、それを数kHz以上の高周波数の交流に変換して昇圧するとともにそれを再度整流して印加する方式のものが適用される。X線管球51から発生したX線は、X線絞り52を通過して被検体Pの関心領域Rを透過し、X線平面検出器6に取り込まれる。
X線絞り52は、タングステンやモリブデン等のX線を吸収する素材で組成された絞り羽53を四方に配置している。絞り羽53は、その端面が、隣接する羽の端面と直交して配置され、四方の絞り羽53の端面で囲まれる照射野54は方形となっている。各絞り羽53は、それぞれアクチュエータに接続されており、隣接する羽の端面と直交する方向に平行移動可能となっている。X線絞り52は、各絞り羽53を所定量移動させ、照射野54を操作者所望の縦横長を有するサイズに画成する。
図3に示すように、X線絞り52は、アクチュエータ55に接続されている。このアクチュエータ55は、X線絞り52をX線の曝射軸を中心に軸回転させる。尚、アクチュエータ55は、絞り羽53を支持するフレームに接続されて、X線絞り52全体を軸回転させるため、各絞り羽53の位置関係は維持される。
支持アーム2には、支持アーム2の一端を通り天井平面及び床平面と直交する軸を中心とした軸回転を検出する検出器21が内包されている。検出器21は、例えば支持アーム2を回転させるアクチュエータに対応するエンコーダであり、支持アーム2の回転方向及び回転角度を示す回転量を検出する。
検出器21が検出した回転量は、X線絞り52の回転量を制御する制御ユニット56に出力される。制御ユニット56は、支持アーム2の回転量が入力されると、X線絞り52をその反対方向に同一角度回転させる電気信号をアクチュエータ55に出力する。
アクチュエータ55は、電気信号が供給されて駆動し、X線絞り52を支持アーム2の回転とは反対の方向に同一角度回転させる。即ち、X線絞り52の曝射軸と直交する方向の向きは維持される。
X線平面検出器6は、多行多列のX線検出素子を配している。X線検出素子は、図4(a)に示すように、画素61を含み、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換型や、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形が主流である。このX線平面検出器6は、X線を可視光に変換して可視光の光量に応じた電荷を形成する。
このX線平面検出器6からは、X線検出素子配列に従って画素単位の電荷が読み出されることによって、各画素データにX線検出素子の配列を行列とする座標系(素子配列座標系)の座標定義がなされたX線像データが出力される。
図4(b)に示すように、各画素61は、可視光を感知し入射光量に応じた電荷を形成するフォトダイオード62と、このフォトダイオード62により形成された電荷を蓄積する蓄電用コンデンサ63とで構成されている。
フォトダイオード62のカソード端子と蓄電用コンデンサ63の一方の端子との接続点は、図4(a)に示す電源ライン64(64−1,64−2・・・64−n)により逆バイアス電源(−Vn)に接続され、フォトダイオード62のアノード端子と蓄電用コンデンサ63の他方の端子との接続点はTFT65のソース端子に接続されている。
TFT65のゲート端子は、各走査線66(66−1,66−2・・・66−n)により列毎に共通に接続され、走査線駆動部67の各走査線端子に接続されている。また、TFT65のドレイン端子は、信号線68(68−1,68−2・・・68−n)により行毎に共通に接続され、リードアウトアンプ68aを介してマルチプレクサ69の各スイッチ69−1,69−2・・・69−nに接続されている。
このような構成を有するX線平面検出器6において、被検体を透過したX線が入射されると、X線は可視光に変換され、この可視光がフォトダイオード62により受光される。フォトダイオード62は、光エネルギに比例した電荷を形成し、これを蓄電用コンデンサ63に供給する。
この蓄電用コンデンサ63に蓄積された電荷は、最上位の走査線66−1から順に走査線66を介して、最上位の信号線68−1から順に画素単位で画像信号として読み出される。読み出された順序に画像信号が並び、素子配列座標系で画素データが行列に並ぶX線像データとなる。
図5は、X線診断装置100の曝射例を示している。
このX線診断装置100は、被検体Pの関心領域Rを拡大あるいは縮小撮像するために、各部の回転又は移動によってX線平面検出器6を被検体Pの関心領域Rに近接させてから、X線発生部5によりX線を曝射する。X線の曝射により被検体Pの関心領域Rを透過したX線をX線平面検出器6で検出し、X線像データを出力する。出力されたX線像データから照射野54の領域のみをその辺の延び方向に沿って抽出し、抽出した画素データから表示画像を作成して、モニタMに表示する。
X線平面検出器6は、支持アーム2の回転、Cアームの回転及び円周移動、天板7の介挿移動、X線平面検出器6の回転及び被検体Pへの接近移動により、被検体Pの凹凸を回避しつつ被検体Pの関心領域へ近接する。X線発生部5とX線平面検出器6とは共にCアーム4の両端に設置されているため、X線平面検出器6の近接ではX線発生部5とX線平面検出器6の対向関係を崩れず、X線平面検出器6の規程位置に曝射軸が維持される。
X線平面検出器6の近接のために、支持アーム2が回転すると、伴ってX線絞り52が支持アーム2の回転方向と逆の方向に同一角度回転する。このため、支持アーム2の回転前後においても照射野54の向きは固定される。照射野54の向きは、支持アーム2の始動前に操作者又はリセット起動により、照射野54の一辺の延び方向と被検体Pの体軸と直交する方向とが同一方向になるように初期設定される。
図6は、X線平面検出器6と照射野54と被検体Pの位置関係を示している。
X線平面検出器6を例えば−α度回転させて被検体Pに近接させると、画素61の行列方向に対して、被検体Pの体軸方向及び体軸と直交する方向はα度ずれる。一方で、支持アーム2が−β度回転するとX線絞り52はβ度回転し、照射野54の一辺の延び方向と被検体Pの体軸と直交する方向とは、初期設定時にされた同一方向に固定される。従って、照射野54の体軸に直交する辺の延び方向と画素61の列方向とは、α度ずれる。
照射野54の体軸に直交する辺の延び方向と画素61の列方向とがα度ずれた位置関係では、X線平面検出器6は、画像内に列方向に対してα度傾いた照射野54の画像を含んだX線像データを出力する。
図7に、出力されたX線像データから照射野54の画素データのみを抽出して表示画像データを作成する画像作成手段の構成を示す。
X線診断装置100は、演算制御部91とプログラムメモリ92とワークメモリ93と画像メモリ94を備える。プログラムメモリ92には、表示画像データを作成するプログラムが記憶されており、当該プログラムをワークメモリ93に展開し、演算制御部91で解読及び命令実行する。画像メモリ94には、X線平面検出器6から出力されたX線像データが記憶される。
また、X線診断装置100は、X線焦点−X線検出素子間の距離検出器95と、X線絞り52の開度検出器96と、X線平面検出器6の回転量検出器97とを備える。
距離検出器95は、X線焦点とX線検出素子間の距離を検出して距離情報を出力する。例えば、距離検出器95は、エンコーダであり、X線平面検出器6に接続されて、X線平面検出器6をX線発生部5の方向へ接近又は離反移動させるアクチュエータに対応する。X線焦点の位置は、X線管球51から所定の距離でほぼ一定する。距離検出器95は、X線平面検出器6の移動量を検出して、当該移動量を移動開始前の初期値に累積的に加算する。得られた累積値をX線焦点とX線検出素子間の距離情報としてワークメモリ93に出力する。
開度検出器96は、X線絞り52の開度を検出して開度情報を出力する。例えば、開度検出器96は、エンコーダであり、各絞り羽53を移動させる各アクチュエータに対応する。それぞれの絞り羽53の移動量を検出して、各移動量についての移動開始前の初期値に累積的に加算する。得られた各累積値を開度情報としてワークメモリ93に出力する。
回転量検出器97は、X線平面検出器6の曝射軸回りの回転量を検出して回転量情報を出力する。回転量情報は回転方向と回転角度を含む。例えば、回転量検出器97は、エンコーダであり、X線平面検出器6を回転させるアクチュエータに対応する。X線平面検出器6の回転量を検出して、当該回転量を回転開始前の初期値に累積的に加算する。得られた累積値を回転量情報としてワークメモリ93に出力する。
ワークメモリ93には、プログラムや演算制御部91の演算結果の他、距離検出器95が出力した距離情報と、絞りサイズ検出器96が出力した開度情報と、回転量検出器97が出力した回転量情報とが記憶される。
演算制御部91は、X線像データから照射野54の画素データを抽出して、表示画像データを作成する。照射野54の画素データは、ワークメモリ93に記憶された距離情報、開度情報、及び回転量情報から特定する。距離情報、開度情報、及び回転量情報から、X線検出器6上の照射野54のサイズ、照射野54の始点、及び画素61の列方向に対する照射野54の傾きを特定して画素データを抽出する。
始点は、照射野54における被検体Pの頭方向左隅とする。特定した照射野54の始点から、特定した照射野54の傾き方向を列方向として一列ずつ画素データを順次読み出し、始点を原点として傾き方向とその直交する方向を行列とする座標系(照射野座標系)の座標定義がなされた表示画像データを作成する。画素データの抽出は、X線像データの座標定義を、素子配列座標系から、特定した始点を原点として照射野54の辺の延び方向を行列とした照射野座標系へ変更してから、原点を基準としてモニタMに対応する範囲に対して行う。
図8は、演算制御部91が実行する表示画像作成フローを示している。
まず、X線診断装置100では、各アクチュエータを駆動させて、X線平面検出器6を被検体Pの関心領域Rに凹凸を回避しながら近接させる。
距離検出器95は、X線平面検出器6の移動量を検出し、距離情報をワークメモリ93に出力している。回転量検出器97は、X線平面検出器6の回転量を検出し、回転量情報をワークメモリ93に出力している。開度検出器96は、開度情報をワークメモリ93に出力している。
操作者がマンマシンインターフェースを用いて撮影開始を指示する入力を行う。この入力に応じてX線診断装置100では、X線発生部5からX線が曝射され、X線が天板7に載置された被検体Pの関心領域Rを透過してX線平面検出器6に入射する。X線平面検出器6では、画素61の電荷をX線検出素子の並びに従って読み出し、素子配列座標系の座標定義がなされたX線像データを画像メモリ94に出力する。
演算制御部91は、ワークメモリ93から距離情報と開度情報を読み出す(S01)。距離情報と開度情報を読み出すと、実際にX線平面検出器6に投影された照射野54のサイズを算出する(S02)。
図9は、照射野54のサイズを算出する模式図である。
開度情報が示すX線絞り52上における照射野54のサイズを、縦長Lv及び横長Lwとする。距離情報が示すX線焦点とX線検出素子との間を距離Lcとする。X線焦点とX線絞り52との距離Lfは固定されており、予めプログラムメモリ92に格納されている。X線平面検出器6上の照射野54のサイズは、X線絞り52上における照射野54のサイズよりもLc/Lf倍となる。
演算制御部91は、対向する絞り羽53の移動量の累積値をそれぞれ加算し、X線絞り52上における照射野54の縦長Lvと横長Lwを算出する。縦長Lvと横長Lwを算出すると、演算制御部91は、La=Lv×Lc/Lfの演算をし、得られた値を照射野54のX線平面検出器6上の縦長Laとする。また、演算制御部91は、Lb=Lw×Lc/Lfの演算をし、得られた値を照射野54のX線平面検出器6上の横長Lbとする。
X線平面検出器6上の照射野54のサイズを算出すると、演算制御部91は、ワークメモリ93から回転量情報を読み出す(S03)。
回転量情報を読み出すと、回転量情報から、X線像データの座標定義を照射野54の辺の延び方向を基準とした2次元座標系に変更し(S04)、照射野54における被検体Pの頭方向左隅の変更後の座標(a,b)を原点(0,0)に変更する(S05)。
図10は、素子配列座標系の座標定義を照射野座標系の座標定義に変更する処理を示している。図10(a)座標系の変更前、図10(b)は照射野54の辺の延び方向を基準とした2次元座標系(中間座標系)への変更後、図10(c)はこの2次元座標系を経て照射野座標系への変更を終了した後のX線像データGを示している。
図10(a)に示すように、X線像データGは、素子配列座標系(u,v)で定義され、照射野54の領域は、この座標系において傾いて含まれている。演算制御部91は、回転量情報が示すX線平面検出器6の回転量α度を用いて、X線像データGに回転処理を施し、X線像データGの座標系を中間座標系(x,y)に変更する。図10(b)に示すように、X線像データGの各画素の座標について、x=cosαu+sinαv及びy=−sinαu+cosαvの演算をし、画素データの座標定義を(x,y)に変更する。尚、回転の中心は、曝射軸が通る座標とする。この曝射軸が通る座標は、X線平面検出器6が曝射軸を中心に回転するため一定に定まっている。
プログラムメモリ92には、曝射軸の座標が予め記憶されている。演算制御部91は、曝射軸が通る座標をプログラムメモリ92から読み出し、曝射軸の座標の値から照射野54における被検体Pの頭方向左隅を挟む1対の絞り羽53の移動量の累積値を減算して、当該左隅の中間座標系(x,y)における座標(a,b)を算出する。
図10(c)に示すように、演算制御部91は、この左隅の座標の値a及びbを用いて、各画素データの座標定義全てについて、X=x−a及びY=y−bの演算をし、画素データの座標定義を照射野座標系(X,Y)に変更する。
これにより、X線像データGの座標定義は、照射野54における被検体Pの頭方向左隅の座標を原点(0,0)とし、かつ体軸と直交する方向と体軸方向とを座標軸とする照射野座標系(X,Y)に変更される。
X線像データGの座標定義を変更すると、演算制御部91は、照射野54の画素データを照射野座標系に即した行列方向の並び順で抽出して表示画像データを作成する(S06)。
演算制御部91は、値X=0,値Y=0に初期化し、値Xを横長Lbまで所定数ずつカウントアップさせながら、順次座標(X,Y)が定義された画素データを抽出し、ワークメモリ93に抽出順に配列して記憶させていく。値Xが横長Lbとなると、値X=0とし値Yを所定数カウントアップし、値Xを横長Lbまで所定数ずつカウントアップさせながら、順次座標(X,Y)が定義された画素データを抽出し、ワークメモリ93に抽出順に配列して記憶させていく。
これにより、X線像データから照射野54の画像データが体軸と体軸に直交する方向を行列として座標定義された表示画像データがワークメモリ93上に作成される。
演算制御部91は、ワークメモリ93に記憶された表示画像データをモニタMに表示させる(S07)。
図11は、X線診断装置100より表示される表示画像のモニタM上の位置関係を示している。表示画像データDは、X線像データGから体軸と体軸に直交する方向に抽出され、かつその抽出方向を座標軸とした座標系で配列している。従って、モニタMには、モニタMの副走査方向に被検体Pの体軸が沿うようにして表示画像データDが表示される。
このように、本実施形態のX線診断装置100では、照射野54を表示すると、その照射野54の体軸方向がモニタMの副走査方向と同一方向となる。照射野54の一の辺と体軸と直交する方向とを固定するようにX線絞り52の回転を制御し、かつこの一の辺の方向を2次元座標の座標軸として照射野54を抽出したことによる。
そのため、モニタMの副走査方向に体軸が沿うように表示画像を回転補正する必要がなくなり、X線が曝射されているがモニタM上には表示されない無用な曝射箇所をなくすことができる。
100 X線診断装置
1 天井取り付け部
2 支持アーム
21 検出器
3 アームホルダ
4 Cアーム
5 X線発生部
51 X線管球
52 X線絞り
53 絞り羽
54 照射野
55 アクチュエータ
56 制御ユニット
6 X線平面検出器
61 画素
62 フォトダイオード
63 蓄電用コンデンサ
64 電源ライン
65 TFT
66 走査線
67 走査線駆動部
68 信号線
68a リードアウトアンプ
69 マルチプレクサ
7 天板
8 天板保持部
91 演算制御部
92 プログラムメモリ
93 ワークメモリ
94 画像メモリ
95 距離検出器
96 開度検出器
97 回転量検出器
M モニタ
G X線像データ
D 表示画像データ
P 被検体
R 関心領域
1 天井取り付け部
2 支持アーム
21 検出器
3 アームホルダ
4 Cアーム
5 X線発生部
51 X線管球
52 X線絞り
53 絞り羽
54 照射野
55 アクチュエータ
56 制御ユニット
6 X線平面検出器
61 画素
62 フォトダイオード
63 蓄電用コンデンサ
64 電源ライン
65 TFT
66 走査線
67 走査線駆動部
68 信号線
68a リードアウトアンプ
69 マルチプレクサ
7 天板
8 天板保持部
91 演算制御部
92 プログラムメモリ
93 ワークメモリ
94 画像メモリ
95 距離検出器
96 開度検出器
97 回転量検出器
M モニタ
G X線像データ
D 表示画像データ
P 被検体
R 関心領域
Claims (3)
- X線を曝射するX線管球と、
被検体の体軸と直交する方向と一の辺の延び方向とが同一に固定された方形照射野を画成するX線絞りと、
所定平面状に配列されたX線検出素子を有し、X線の曝射軸を中心に回転可能なX線平面検出器と、
前記X線絞りと前記X線平面検出器との間に介挿され、前記被検体を載置する寝台と、
前記X線検出器より出力されるX線像データから前記方形照射野に対応する画素データを前記一の辺の方向に抽出して、当該方向とその直交方向とを座標軸とする表示画像を作成する表示画像作成手段と、
前記表示画像を表示するモニタと、
を備えること、
を特徴とするX線診断装置。 - 前記X線絞りと前記X線平面検出器を両端に支持し、前記X線絞りと前記X線検出器とを通る線を軸線として回動可能な支持体と、
前記X線絞りを前記支持体の回動方向と逆方向に同一量回転させるアクチュエータと、
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1記載のX線診断装置。 - 前記画像作成手段は、
前記X線平面検出器の回転角度を検出する検出器を含み、
前記X線平面検出器の回転角度と反対の角度の方向に前記方形照射野に対応する画素を抽出すること、
を特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006066167A JP2007236784A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | X線診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006066167A JP2007236784A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | X線診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007236784A true JP2007236784A (ja) | 2007-09-20 |
Family
ID=38582904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006066167A Withdrawn JP2007236784A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | X線診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007236784A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012098949A1 (ja) * | 2011-01-18 | 2012-07-26 | 株式会社 日立メディコ | 移動型x線装置 |
WO2014054899A1 (ko) * | 2012-10-04 | 2014-04-10 | 주식회사 바텍 | 엑스선 촬영장치 |
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JP2018015659A (ja) * | 2017-11-02 | 2018-02-01 | キヤノン株式会社 | 制御装置、放射線撮影装置、制御方法及びプログラム |
-
2006
- 2006-03-10 JP JP2006066167A patent/JP2007236784A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN103327897A (zh) * | 2011-01-18 | 2013-09-25 | 株式会社日立医疗器械 | 移动型x射线装置 |
US8804908B2 (en) | 2011-01-18 | 2014-08-12 | Hitachi Medical Corporation | Mobile X-ray apparatus |
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