JP2007084641A - デジタル機器接続用キャップ部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐薬品性とヒンジ特性に優れ且つ成形性にも優れるデジタル機器接続用キャップ部品を提供する。
【解決手段】デジタル機器接続用キャップ部品の材料として、曲げ弾性率が300MPaから1000MPaの範囲のポリアセタール樹脂組成物を用いる。該ポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂と、(B)粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下の水素添加された芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合ブロックを少なくとも1個有する重合体及び任意成分としての(C)ポリオレフィン系樹脂からなり、(A)が10〜99.5重量部、(B)+(C)が0.5〜90重量部の範囲であり、(B)/(C)が100/0〜20/80重量%の範囲であるものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のデジタル機器接続部に多く用いられている樹脂製キャップ部品に関するもので、耐薬品性と柔軟性を併せ持つデジタル機器接続用キャップ部品を提供することに関する。
近年、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯音楽プレーヤなどのデジタル機器が普及し、その本体には電源ソケットやパーソナルコンピュー接続ソケット(USB)など多くの連結用ソケットが取付けられている。これらソケット部を使用しない時は、埃などの侵入を防ぐ目的でキャップ部品を取付けている。キャップ部品とは、前記のように携帯電話やデジタル機器の連結部(接合部)を覆う部品のことを指し、コネクター部品ともいう。このキャップ部品は、取り外しが容易でなければならず、またハンドクリームや整髪剤などの薬品に対しても安定である必要があり、柔軟性と耐薬品性に優れている熱可塑性エラストマーが多く使用されている。
しかしながら、熱可塑性エラストマーは柔軟性に優れているものの成形性に問題があり、長期間連続成形すると材料から発生するガス成分が多く金型のガス抜き部を詰まらせ、キャビティー内にガス成分が堆積し成形品の寸法が出し難いと言う問題がある。また、成形収縮率が小さく且つ固化速度が遅い為に金型からの型離れも悪く、成形サイクルも長くなる欠点も有する。
特開2002−141140
本発明は、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のデジタル機器において使用されるキャップ部品であって、ハンドクリームや整髪剤などの薬品に対して安定で且つ柔軟性・ヒンジ特性に優れた、耐薬品性と柔軟性とを併せ持つデジタル機器接続用キャップ部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為鋭意検討した結果、本発明者は、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のデジタル機器連結部に使用されるキャップ部品を曲げ弾性率が300MPaから1000MPaの特定のポリアセタール樹脂製とすることで、上記課題を解決することができることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の構成をする。
(1)曲げ弾性率が300MPaから1000MPaの範囲のポリアセタール樹脂組成物からなるデジタル機器接続用キャップ部品。
(2)該ポリアセタール樹脂組成物が、(A)ポリアセタール樹脂と、(B)粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下の水素添加された芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合ブロックを少なくとも1個有する重合体及び任意成分としての(C)ポリオレフィン系樹脂からなり、(A)が10〜99.5重量部、(B)+(C)が0.5〜90重量部の範囲であり、(B)/(C)が100/0〜20/80重量%の範囲からなるポリアセタール樹脂組成物で構成されていることを特徴とする上記(1)記載のデジタル機器接続用キャップ部品。
(3)該ポリアセタール樹脂(A)が、下記式(1)で表される数平均分子量が10000〜500000のポリオキシメチレンブロック共重合体(A−1)である事を特徴とする上記(2)記載のデジタル機器用キャップ部品。
Figure 2007084641
[式中、A以外(以下Bブロックという)は、m=2〜98モル%、n=2〜98モル%、m+n=100モル%であり、mはnに対してランダムあるいはブロックで存在し、数平均分子量500〜10、000である両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエン残基。但し、Bブロックはヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合をもつものであってもよい。k=2〜6から選ばれる整数であり、2つのkは各々同一であっても異なっていてもよい。Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。Aは、下記式(2)で表されるポリオキシメチレン共重合体残基。
Figure 2007084641
(Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。jは2〜6から選ばれる整数である。x=95〜99.9モル%、y=5〜0.1モル%、x+y=100モル%、yはxに対してランダムに存在する。式(1)中、2つのAブロックの数平均分子量5、000〜250、000)]
本発明によれば、ポリアセタール樹脂に粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下の水素添加された芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合ブロックの少なくとも1個有する重合体からなるポリアセタール樹脂組成物を用いる事で、耐薬品性とヒンジ特性に優れるデジタル機器接続用キャップ部品を提供する事ができる。
この発明の実施形態を、以下に詳細に説明する。本発明の(A)成分に用いられるポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒド、またはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを重合し、重合体の両末端をエーテル、エステル基により封鎖したホモポリマーをはじめ、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位をオキシメチレンに対して、0.1〜40モル%を含有するオキシメチレンコポリマーや、さらに分岐状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックポリマーから選ばれる少なくとも一種である。
これらの中で好ましいポリアセタール樹脂としては、オキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、炭素数2以上のオキシアルキレン基をオキシメチレンユニットに対して、0.1〜5モル%、より好ましくは0.2〜3モル%を含有するポリアセタール重合体(A−2)である。中でも特に好ましいポリオキシメチレン樹脂としては、下記式(1)で表される数平均分子量10、000〜500、000であるポリオキシメチレンブロック共重合体(A−1)である。このポリオキシメチレンブロック共重合体(A−1)は、国際公開第01/009213号パンフレットに示す方法により製造する事が可能である。
Figure 2007084641
[式中、A以外(以下Bブロックという)は、m=2〜98モル%、n=2〜98モル%、m+n=100モル%であり、mはnに対してランダムあるいはブロックで存在し、数平均分子量500〜10、000である両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエン残基。但し、Bブロックはヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合をもつものであってもよい。k=2〜6から選ばれる整数であり、2つのkは各々同一であっても異なっていてもよい。Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。Aは、下記式(2)で表されるポリオキシメチレン共重合体残基。
Figure 2007084641
(Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。jは2〜6から選ばれる整数である。x=95〜99.9モル%、y=5〜0.1モル%、x+y=100モル%、yはxに対してランダムに存在する。式(1)中、2つのAブロックの数平均分子量5、000〜250、000)]
上記ポリオキシメチレンブロック共重合体(A−1)は、オレフィン成分を含むポリマーとの相容性改良に効果があり、その点では(A−1)の単独使用が最も効果があるが、ポリオキシメチレン共重合体(A−2)と併用する場合は(A−1)/(A−2)の重量比が、100/0〜10/90の範囲で任意に用いることが可能であり、100/0〜20/80の範囲が好ましく、100/0〜30/70の範囲が特に好ましい。
また、本発明で用いるポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレイト(ASTM−D1238−57Tの条件で測定)は、成形加工の面から0.5g/10分以上であり、耐久性の面からから100g/10分、好ましくは1.0〜80g/10分、さらに好ましくは5〜60g/10分、最も好ましくは7〜50g/10分の範囲である。
本発明のポリオキシメチレン樹脂には、従来のポリオキシメチレン樹脂に使用されている安定剤、例えば熱安定剤、耐候(光)安定剤等を単独、またはこれらを組み合わせて用いることが出来る。熱安定剤としては、酸化防止剤、ホルムアルデヒドやぎ酸の捕捉剤およびこれらの併用が効果を発揮する。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明の(B)成分に用いられる、水素添加されたビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体は、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合したブロックを必ず1個以上持った重合体を水素添加したものである。
具体的には次のブロック共重合体を挙げることができる。
(1)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックA(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90重量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)とからなるブロック共重合体
(2)共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックC(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97重量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)とからなるブロック共重合体
(3)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックA(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90重量%以上である)と少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)及び共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックC(共役ジエン化合物の含有量が少なくとも97重量%以上である)とからなるブロック共重合体
(4)ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体
ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体に用いるビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等があげられ、これらは二種以上を使用しても良く、特にスチレンが好ましい。共役ジエンは1対の共役二重結を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられるが、特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは二種以上を使用しても良い。
水素添加されたビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体におけるビニル芳香族化合物の含有量は、通常3〜90重量%の中から好適に選ぶことが可能であり、好ましくは5〜88重量%、より好ましくは10〜86重量%である。なお、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体のビニル芳香族化合物の含有量が、50重量%以下、好ましくは40重量%以下の場合はゴム的な弾性特性を示し、50重量%を超え、好ましくは60重量%を超える場合は柔軟な軟質樹脂的な特性を示す。
本発明の目的からは、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックA(ビニル芳香族化合物の含有量が少なくとも90重量%以上である)と、少なくとも1個のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックB(ビニル芳香族化合物の含有量が3重量%以上、90重量%未満である)とからなるブロック共重合体が好ましく、ビニル芳香族化合物の含有量は、50〜90重量%の範囲、好ましくは60〜88重量%の範囲、特に好ましくは62〜86重量%の範囲である。ビニル芳香族化合物の含有量は紫外分光光度計、赤外分光光度計や核磁気共鳴装置等を用いて測定できる。 以下、具体的な測定は、国際公開第03/035705号パンフレットに記載された測定方法に従って実施した。
これら水素添加されたビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも1個有する重合体は、粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下であることが必要である。粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下では、常温(23℃)付近での柔軟性、ヒンジ特性が良好となる。さらに柔軟性、ヒンジ特性から60〜−30℃の範囲が好ましく、更には、50〜−10℃の範囲が特に好ましい。tanδの測定は、ARESダイナミックアナライザー(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー(株)、日本国)を用い、ねじりモード(測定周波数:1Hz)で求めた。
本発明の(C)成分に用いられるオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ブタジエン、イソプレン、ノルボルネンなどの化合物の単独重合体/共重合体およびその水素添加物であり、他の共重合可能な化合物との共重合体である。具体的にはポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエン、イソプレンの水素添加物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などがあげられる。さらに、これらをα,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸)及び/又はそれらの酸無水物で(必要により過酸化物を併用して)変性した酸変性オレフィン系樹脂である。また、これらのオレフィン化合物と酸無水物を共重合したものでも良い。これらの未変性オレフィン系樹脂と酸変性オレフィン系樹脂は2種類以上を併用することも可能である。
本発明において使用する(C)成分は、酸変性オレフィン系樹脂を用いる方が耐衝撃性やハクリの面から好ましい。その酸変性オレフィン系樹脂を用いる場合の酸変性率は3〜0.01重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜0.05重量%の範囲、特に好ましくは1〜0.1重量%の範囲である。酸変性率が3重量%を超えると、熱安定性が損なわれるため好ましくなく、0.01を超えると改良効果が発現される。この酸変性オレフィン系樹脂の酸変性率は、樹脂サンプルを熱キシレンで溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてナトリウムメチラートで滴定して求めることができる。
本発明の組成物の(A)、(B)及び(C)成分の割合は、(A)成分が10〜99.5重量部に対して(B)+(C)成分が90〜0.5重量部である。好ましくは(A)成分15〜99.0重量部に対して(B)+(C)成分が85〜1.0重量部、さらに好ましくは(A)成分20〜98.0重量部に対して(B)+(C)成分が80〜2.0重量部である。また、(B)、(C)成分の割合は(B)/(C)が100/0〜20/80重量%の範囲である事が必要であり、100/0〜30/70重量%の範囲が好ましく、100/0〜40/60重量%の範囲がさらに好ましい。
また、(A)、(B)及び(C)成分の分散状態は、(A)成分が連続相をとり(B)成分と(C)成分が分散相として存在するケース、(B)と(C)成分が連続相をとり(A)成分が分散層として存在するケース、及び両者の中間段階とが存在するが何れでもかまわない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何等限定するものではない。
まず、実施例及び比較例で用いた樹脂について説明する。
[使用成分の内容]
A.ポリアセタール樹脂
(A−1)ポリオキシメチレンブロック共重合体
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整し、水+蟻酸=4ppmであるトリオキサンを40モル/hrで、同時に環状ホルマールとして1、3−ジオキソランを2モル/hrで重合機に供給し、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10−5モルになるように、また連鎖移動剤として、下記式(3)の両末端ヒドロキシル基水素添加ポリブタジエン(Mn=2330)をトリオキサン1モルに対し1×10−3モルになるように連続的にフィードし重合を行った。重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行った後、そのポリマーを濾過、洗浄し、濾過洗浄後の粗ポリオキシメチレン共重合体1重量部に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して20重量ppmになるよう添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。
次に、上記乾燥粗ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコールービス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3重量部、ステアリン酸カルシウム0.02重量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているポリオキシメチレン共重合体に必要に応じて水および/またはトリエチルアミンを添加し、押出機の設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたポリオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレタイズされた。得られたポリオキシメチレンブロック共重合体は曲げ弾性率2550MPaで、メルトフローレイト9.3g/10分(ASTM D−1238−57T)であった。
Figure 2007084641
(A−2)ポリオキメチレン共重合体
熱媒を通すことのできるジャケット付き2軸のパドル型連続重合機を80℃に調整し、水+蟻酸=4ppmであるトリオキサンを40モル/hrで、同時に環状ホルマールとして1、3−ジオキソランを2モル/hrで重合機に供給し、重合触媒としてシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1モルに対し5×10−5モルになるように、また連鎖移動剤としてメチラール[(CHO)CH]をトリオキサン1モルに対し2×10−モルになるように連続的にフィードし重合を行った。重合機から排出されたポリマーをトリエチルアミン1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を完全に行った後、そのポリマーを濾過、洗浄し、濾過洗浄後の粗ポリオキシメチレン共重合体1重量部に対し、第4級アンモニウム化合物として、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム蟻酸塩を窒素の量に換算して20重量ppmになるよう添加し、均一に混合した後120℃で乾燥した。
次に、上記乾燥粗ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコールービス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3重量部、ステアリン酸カルシウム0.02重量部を添加し、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給した。押出機中の溶融しているポリオキシメチレン共重合体に必要に応じて水および/またはトリエチルアミンを添加し、押出機の設定温度200℃、押出機における滞留時間5分で不安定末端部の分解を行った。不安定末端部の分解されたポリオキシメチレン共重合体はベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出されペレタイズされた。得られたポリオキメチレン共重合体は曲げ弾性率2600MPa で、メルトフローレイト9.0g/10分(ASTM D−1238−57T)であった。
B.芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも一個有する重合体
(B−1)重合体(1)
窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶媒中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、A−B−A構造を有し、数平均分子量190,000、分子量分布1.9、全結合スチレン量70重量%、ポリマー中のブロックスチレン全ての含有量が5重量%であり、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量が14重量%であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体を重合した。その後、窒素ガスで置換された別のリアクターへ重合液を移送し、水素加圧下で水素添加触媒を用いてポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率98.9%のポリマーを得た。この水素反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100重量部に対して3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−A構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも一個有する重合体を得た。このポリマーのtanδピーク温度は15℃であった。
(B−2)重合体(2)
窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶媒中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、A−B−A構造を有し、数平均分子量180,000、分子量分布1.8、全結合スチレン量68重量%、ポリマー中のブロックA全ての含有量が13重量%であり、ブタジエン部分の1,2−ビニル結合量が14%であるスチレン−ブタジエンランダム共重合体を重合した。その後、窒素ガスで置換された別のリアクターへ重合液を移送し、水素加圧下で水素添加触媒を用いてポリブタジエン部分のエチレン性不飽和結合に対して実施し、水素添加率98.0%のポリマーを得た。この水素反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100重量部に対して3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、水素添加されたA−B−A構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも一個有する重合体を得た。このポリマーのtanδピーク温度は5℃であった。
C.オレフィン系樹脂
(C−1)無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(商品名タフマーMH7010、三井化学(株)製、マレイン酸変性率0.5重量%)
また、実施例で得た試料の特性を評価するための各種測定方法について述べる。
[測定方法及び評価方法]
(1)曲げ弾性率測定
ポリアセタール樹脂ペレットを80℃で3時間乾燥させた後、シリンダー温度が200℃に設定された成形機(金型温度:80℃設定)でASTM 用試験片を作成、ASTM D790の規格に準じて測定した。
(2)ヒンジ性能
図1記載のキャップ部品(本体長さ:20m、幅:7mm、肉厚:2mm、ヒンジ部寸法:2φ×6mm)を成形し、キャップ部品のヒンジ部を冶具で固定した。その後、50gの荷重を反ヒンジ部側に加えて角度90℃まで繰返し屈曲させ、10000回繰返した時のヒンジ部破壊の有無を、下記判定基準に従って評価した。
<ヒンジ特性判定基準>
◎:亀裂、破壊とも観察されない
○:1mm以下の微細な亀裂が観察された
×:屈曲試験できず
(3)耐薬品性試験
ASTM D638試験片をニベア(花王製ハンドクリーム)に、23℃環境下で96時間浸漬させ、浸漬前後の成形品寸法変化と重量変化及び引張強度、伸度保持率を測定した。尚、成形品の寸法変化と重量変化は、下記判定基準に従って評価した。
成形条件は、樹脂温度を200℃、金型温度を80℃として成形した。
<寸法変化判定基準>
◎:〜10μm以下の寸法変化量
○:10〜15μmの寸法変化量
△:15〜20μmの寸法変化量
×:20μm以上の寸法変化量
<重量変化判定基準>
◎:〜0.3重量%以下の重量変化量
○:0.3〜0.5重量%の重量変化量
△:0.5〜0.7重量%の重量変化量
×:0.7重量%以上の重量変化量
<引張強度保持率及び引張伸度保持率判定基準>
ISO 527−1&−2(’93)の試験方法に準じて評価した。
(4)成形性評価
試験片を60×60×2mmの平板を用いて、樹脂温度200℃、金型温度30℃で10000ショット連続成形した時のモールドデポジット発生の有無を、下記判定基準に従って評価をした。
<モールドデポジット性判定基準>
◎:キャビティー内及びガス抜き部の何れにもモールドデポジットは発生しなかった。
○:ガス抜き部に僅かにモールドデポジットが発生した。
×:キャビティー内及びガス抜き部の何れにもモールドデポジットが発生し、不織布で拭き取る事ができなかった。
[実施例1]
ポリアセタール樹脂(A−1)40重量%と芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体ブロックを少なくとも一個有する重合体(B−2)60重量%、及びトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.05重量%、ステアリン酸カルシウム0.10重量%を加え、ブレンダーで均一ブレンドした後、200℃に設定されたL/D=42の25mmφ二軸押出機を用いてスクリュー回転数200rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1における(B−2)成分の重量比60重量%を40重量%に変更し、(C−1)成分を10重量%とした以外は実施例1と全く同様に実施して実施例2の樹脂ペレットを得た。
[実施例3]
実施例1における(B−2)成分に代えて(B−1)成分を30重量%用いた以外は実施例1と全く同様にして実施例3の樹脂ペレットを得た。
[比較例1]
実施例1における(A−1)成分及び(B−2)成分を使用することに代えて、(A−2)成分を20重量%、(C−1)成分を80重量%用いた以外は実施例1と全く同様に実施して比較例1とした。
[比較例2]
ポリアセタール樹脂(A−2)100重量%にトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.05重量%、ステアリン酸カルシウム0.10重量%を加え、ブレンダーで均一ブレンドした後、200℃に設定されたL/D=42の25mmφ二軸押出機を用いてスクリュー回転数200rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表1に示した。
Figure 2007084641
ヒンジ特性を評価したポリアセタール樹脂製キャップ部品断面図 ヒンジ特性を評価したポリアセタール樹脂製キャップ部品意匠面からみた図
符号の説明
1 キャップ部品本体
2 ヒンジ部
3 キャップ部品意匠面
4 ヒンジ部
本発明のデジタル機器接続用キャップ部品は、耐薬品性とヒンジ特性とに優れたポリアセタール樹脂組成物から構成されているので、携帯電話やデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のデジタル機器連結部におけるキャップ部品として好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 曲げ弾性率が300MPaから1000MPaの範囲のポリアセタール樹脂組成物からなるデジタル機器接続用キャップ部品。
  2. 該ポリアセタール樹脂組成物が、(A)ポリアセタール樹脂と、(B)粘弾性スペクトルにおけるtanδの主分散ピークが60℃以下の水素添加された芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合ブロックを少なくとも1個有する重合体及び任意成分としての(C)ポリオレフィン系樹脂からなり、(A)が10〜99.5重量部、(B)+(C)が0.5〜90重量部の範囲であり、(B)/(C)が100/0〜20/80重量%の範囲からなるポリアセタール樹脂組成物で構成されていることを特徴とする請求項1記載のデジタル機器接続用キャップ部品。
  3. 該ポリアセタール樹脂(A)が、下記式(1)で表される数平均分子量が10000〜500000のポリオキシメチレンブロック共重合体(A−1)である事を特徴とする請求項2記載のデジタル機器用キャップ部品。
    Figure 2007084641
    [式中、A以外(以下Bブロックという)は、m=2〜98モル%、n=2〜98モル%、m+n=100モル%であり、mはnに対してランダムあるいはブロックで存在し、数平均分子量500〜10、000である両末端をヒドロキシアルキル化された水素添加液状ポリブタジエン残基。但し、Bブロックはヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合をもつものであってもよい。k=2〜6から選ばれる整数であり、2つのkは各々同一であっても異なっていてもよい。Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。Aは、下記式(2)で表されるポリオキシメチレン共重合体残基。
    Figure 2007084641
    (Rは水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基より選ばれ各々同一であっても異なっていてもよい。jは2〜6から選ばれる整数である。x=95〜99.9モル%、y=5〜0.1モル%、x+y=100モル%、yはxに対してランダムに存在する。式(1)中、2つのAブロックの数平均分子量5、000〜250、000)]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008260821A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリオキシメチレン樹脂組成物およびその成形体
JP2018024894A (ja) * 2012-08-03 2018-02-15 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物

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