JP2007042667A - 有機質正特性サーミスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱硬化性樹脂を用いた有機質正特性サーミスタにおいて、繰返し使用に対しても安定した動作を維持可能なサーミスタを提供すること。
【解決手段】 対向する1対の電極2,3と、当該1対の電極2,3の間に配置されたサーミスタ素体1と、を備え、サーミスタ素体1が、熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、造核剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ10。または、サーミスタ素体1が、メソゲン基を有する架橋性化合物を含む熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ10。
【選択図】 図1
【解決手段】 対向する1対の電極2,3と、当該1対の電極2,3の間に配置されたサーミスタ素体1と、を備え、サーミスタ素体1が、熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、造核剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ10。または、サーミスタ素体1が、メソゲン基を有する架橋性化合物を含む熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ10。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機質正特性サーミスタに関し、より詳しくは、昇温したときに特定の温度領域で急激に抵抗値が増大する特性、すなわちPTC(Positive Temperature Coefficient)特性を有する有機質正特性サーミスタに関する。
有機質正特性サーミスタは、例えば、温度検出器、自己制御型ヒーターにおいて用いられ、PTC特性を示す際の電気抵抗値の立ち上がりが急峻でかつその変化率が大きく、また、室温における抵抗値が十分に小さいことが求められる。
従来、有機質正特性サーミスタが備えるサーミスタ素体として、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に金属粉末やカーボンブラックを分散させたもの(例えば、特許文献1。)や、エポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステル、シリコーン、ポリウレタン及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物中に、炭素繊維、黒鉛繊維、黒鉛層間化合物繊維、金属繊維及びセラミック繊維等の繊維状導電性物質を分散させたものが知られている(例えば、特許文献2。)。
しかし、熱可塑性樹脂を用いた有機質正特性サーミスタの場合、製造工程において架橋処理や不燃化処理が必要であり、工程が複雑化するという問題があった。一方、熱硬化性樹脂を用いた有機質正特性サーミスタの場合、抵抗値のばらつきが大きくなる傾向があり、また、室温における抵抗値を小さくすることが困難であった。そこで、本発明者らは、熱硬化性樹脂を用いたサーミスタ素体において、導電性粒子としてスパイク状の突起を有するものを用いることにより、PTC特性を示す際の電気抵抗値の立ち上がりや、室温における抵抗値を改善する技術を提案した(特許文献3)。
米国特許第3591526号明細書
米国特許第4966729号明細書
特開平5−198403号公報
しかしながら、熱硬化性樹脂を用いた従来の有機質正特性サーミスタの場合、サーミスタが繰返し用いられたときに、昇温及び降温を伴う熱履歴によってその特性が変化して、室温抵抗値が上昇してしまうという問題があった。すなわち、繰返し使用に対する動作の安定性の点でまだ十分でなかった。
そこで、本発明は、熱硬化性樹脂を用いた有機質正特性サーミスタにおいて、繰返し使用に対しても安定した動作を維持可能なサーミスタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の有機質正特性サーミスタは、対向する1対の電極と、当該1対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、サーミスタ素体が、熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、造核剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなるものである。
上記本発明の有機質正特性サーミスタは、サーミスタ素体が造核剤を含有していることにより、繰返し使用に対しても安定した動作を維持することが可能となった。
このような効果をより顕著なものとするため、上記造核剤が、有機酸金属塩及びベンジリデンソルビトールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の有機質正特性サーミスタは、対向する1対の電極と、当該1対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、サーミスタ素体が、メソゲン基を有する架橋性化合物を含む熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなるものである。
この有機質正特性サーミスタは、メソゲン基を有する架橋性化合物を熱硬化性樹脂として用いたことにより、繰返し使用に対して安定した動作を維持することが可能となった。
一般に、熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物は、大部分がアモルファスの状態にあると考えられる。これに対して、上記本発明の場合、造核剤を用いたこと、又はメソゲン基を有する架橋性化合物を含む熱硬化性樹脂を用いたことによって、硬化物中に結晶化した微細な部分が生じると考えられる。この点で造核剤とメソゲン基を有する架橋性化合物とは技術的特徴が共通するものである。そして、サーミスタが加熱されてPTC特性を示す際に結晶部分が溶融し、その後サーミスタが冷却されたときにその部分が再び結晶化することにより、加熱及び冷却の繰り返し動作に対する安定性が向上したものと、本発明者は推定している。ただし、本発明は係る作用を奏するものに限定されるものではない。
メソゲン基を有する熱硬化性樹脂は、メソゲン基及び複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物を含むことが好ましい。これにより、耐熱性等の点で更に改善されたサーミスタが得られる。
また、メソゲン基を有する架橋性化合物を用いる場合において、樹脂組成物が造核剤を更に含有することが好ましい。これにより、動作安定性改善の効果が相乗的により顕著に発現する。
上記サーミスタ素体は、PTC特性を示す際の抵抗変化率及び低い室温抵抗値のバランスの点から、導電性粒子をサーミスタ素体全量に対して5〜65質量%含有することが好ましい。
本発明によれば、熱硬化性樹脂を用いながら、繰返し使用に対しても安定した動作を維持可能なサーミスタが提供される。また、本発明によれば、PTC特性を示す際の立ち上がりの温度のばらつきが小さいサーミスタを得ることが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明によるサーミスタの好適な一実施形態を模式的に示す斜視図である。図1に示すサーミスタ10は、互いに対向するように配置された1対の電極2及び電極3と、電極2及び電極3の間においてそれぞれの電極に密着して設けられたサーミスタ素体1と、から構成され、全体として略直方体状をなしている。サーミスタ10には、必要に応じて、電極2に電気的に接続されたリード(図示せず)と、電極3に電気的に接続されたリード(図示せず)とが更に設けられてもよい。このサーミスタ10はPTC特性を示す有機質正特性サーミスタであり、過電流・加熱保護素子、自己制御型発熱体、温度センサ等として好適に用いることができる。
電極2及び電極3は、サーミスタの電極として機能する導電性の材料で形成されている。電極2及び電極3を構成する材料としては、ニッケル、銀、金、アルミニウム等の金属や、炭素からなることが好ましい。また、その厚さは1〜100μmであることが好ましく、サーミスタの軽量化の点からは、1〜50μmであることがより好ましい。電極2及び電極3の少なくとも一方は、サーミスタ素体1側の面が粗面化されていることが好ましい。また、リードは、それぞれ電極2及び電極3から外部に電荷を放出又は注入することが可能な電気伝導性を有していれば、その形状や材質について特に限定されない。
サーミスタ素体1は、熱硬化性樹脂及び導電性粒子を含有する樹脂組成物の硬化物で形成されている。樹脂組成物の硬化物は、熱硬化性樹脂が架橋構造を形成することによって形成される。
上記樹脂組成物は、造核剤を含有するか、又は熱硬化性樹脂がメソゲン基を有する架橋性化合物を含むものである。あるいは、上記樹脂組成物がメソゲン基を有する架橋性化合物及び造核剤を共に含有していてもよい。
造核剤は、結晶性ポリマーが溶融状態から冷却固化する過程で、結晶の核となり結晶化を促進するとともに結晶サイズを制御するために用いられる造核剤として知られているものであれば、特に制限なく用いることができる。なお、この造核剤は、核剤と呼ばれる場合もある。造核剤は、粒子状の状態でサーミスタ素体1中に分散している。
造核剤は、有機酸金属塩及びベンジリデンソルビトールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む粒子であることが好ましい。有機酸金属塩の好適な具体例としては、安息香酸ナトリウム及びビス(p−t−ブチル安息香酸)アルミニウム等の安息香酸塩や、下記式(3)で表されるナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(例えば、旭電化工業社製「アデカスタブNA−11」(商品名)。)及び旭電化工業社製「アデカスタブNA−21」(商品名)等のリン酸エステル金属塩が挙げられる。
ベンジリデンソルビトールとしては、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、及びビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。ベンジリデンソルビトールを含む造核剤の市販品としては、「Millad 3988」(商品名、Milliken Chemical社製)、「ゲルオールMD」(商品名、新日本理化社製)等がある。造核剤を用いる場合、その量は、サーミスタ素体全量に対して0.04〜0.3質量%とすることが好ましい。
熱硬化性樹脂は1種又は2種以上の架橋性化合物を含む樹脂であり、必要に応じて硬化剤、硬化触媒等の存在下で、硬化反応により架橋構造を形成する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステル、シリコーン、ポリウレタン及びフェノール樹脂等の、架橋性官能基を複数有する架橋性化合物を含む樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物は、加熱等により硬化して硬化物となる。
熱硬化性樹脂は、メソゲン基及び複数の架橋性官能基を有する架橋性化合物を含んでおり、特に、メソゲン基及び複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂全体に対して、メソゲン基を有する架橋性化合物の割合は、25〜100質量%が好ましい。
メソゲン基は、液晶分子の構造に代表されるように、その複数が配列して結晶相を形成し得る基として知られている化学構造である。メソゲン基としては、例えば、ビフェニル、フェニルベンゾエート、ナフタレン、アントラセン、アゾベンゼン又はスチルベンから水素原子が脱離した基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。より具体的には、下記化学式(11)又は(12)で表される2価の基が好ましい。
メソゲン基を有する架橋性化合物は、メソゲン基を1又は2以上有する。例えば、エポキシ基及びメソゲン基を有する架橋性化合物の場合、「E」をエポキシ基を有する置換基、「M」をメソゲン基、「S」をアルキレン基、オキシアルキレン基等のスペーサー基としたときに、「E−M−E」、「E−M−S−M−E」のように表される。これら化合物は、例えば、フェノール水酸基及びメソゲン基を有する化合物と、エピクロロヒドリンとの反応のような公知の方法により合成することができる。
より具体的には、エポキシ基及びメソゲン基を有する架橋性化合物としては、4−(オキシラニルメトキシ)ベンゾイックアシッド−4,4’−[1,8−オクタンジイルビス(オキシ)]ビスフェノールエステル、4−(オキシラニルメトキシ)ベンゾイックアシッド−4,4’−[1,6−ヘキサンジイルビス(オキシ)]ビスフェノールエステル、4−(オキシラニルメトキシ)ベンゾイックアシッド−4,4’−[1,4−ブタンジイルビス(オキシ)]ビスフェノールエステル、4−(4−オキシラニルブトキシ)ベンゾイックアシッド−1,4’−フェニレンエステル、4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテルが挙げられる。特に、下記化学式(1)で表されるポリエポキシ化合物(4−(オキシラニルメトキシ)ベンゾイックアシッド−4,4’−[1,8−オクタンジイルビス(オキシ)]ビスフェノールエステル)又は式(2)で表されるポリエポキシ化合物が好ましい。式(2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。式(2)のポリエポキシ化合物(Rが水素原子)を含むエポキシ樹脂は、大日本インキ社製「EXA7035」(商品名)等の市販品として入手可能である。また、メソゲン基を有するこれらのポリエポキシ化合物を、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル等の他のポリエポキシ化合物と併用することもできる。
熱硬化性樹脂として複数のエポキシ基を有する架橋性化合物(ポリエポキシ化合物)を用いる場合、これに硬化剤を組み合わせることが好ましい。この場合の硬化剤としては、酸無水物、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、ポリフェノール、ポリメルカプタン、第三アミン及びルイス酸錯体等が挙げられる。これらの中でも、酸無水物又は芳香族ポリアミンが好ましい。酸無水物を用いると、脂肪族ポリアミン等のアミン系の硬化剤を用いる場合よりも、サーミスタの初期の室温抵抗値を低くしたり、抵抗変化率を大きくしたりすることができる傾向にある。
芳香族ポリアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(DDS)、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシビフェニル(DDB)、4,4’−ジアミノ−α−メチルスチルベン(DSt)、4,4’−ジアミノフェニルベンゾエート(DBz)等が好適に用いられる。
酸無水物としては、ドデセニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート等が好ましい。
酸無水物の好適な他の具体例としては、上記の他、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、無水メチルナジック酸、無水マレイン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレングリコールビストリメリテート、クロレンド酸無水物及びテトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
以上のような酸無水物を、単独で又は複数組み合わせて、硬化剤として用いることができる。
硬化剤の含有割合は、架橋性樹脂や硬化剤の種類等に応じて適宜決定すればよい。例えば、ポリエポキシ化合物に硬化剤として酸無水物を組み合わせる場合、ポリエポキシ化合物中のエポキシ基に対して当量比で、0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2となるような含有割合で硬化剤を含有させることができる。硬化剤の当量比がエポキシ基に対して0.5未満、あるいは1.5を超えると、未反応のエポキシ基及び酸無水物基が増加することにより、サーミスタ素体の機械的強度が低下したり、サーミスタの抵抗変化率が低下したりする傾向にある。
導電性粒子は、電気伝導性を有する粒子であれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属粒子若しくはセラミック系導電性粒子を用いることができる。金属粒子の金属材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、銀、亜鉛、コバルト、及び銅紛にニッケルめっきを施したもの等が挙げられる。セラミック系導電性粒子の材料としては、TiC及びWC等が挙げられる。これら導電性粒子は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
導電性粒子としては、特に、金属粒子が好ましい。導電性粒子として金属粒子を用いると、サーミスタの抵抗変化率を十分に大きく維持しつつ、室温抵抗値をより低下させることができ、例えば、本発明のサーミスタを過電流保護素子として用いる場合に好適である。さらに、金属粒子の中でも、酸化され難い等、化学的安定性の観点から、ニッケル粒子が特に好ましい。
導電性粒子の形状は特に限定されず、球状、フレーク状、繊維状及び棒状等が挙げられる。導電性粒子の表面には、スパイク状の突起が形成されていることが好ましい。スパイク状の突起が形成されている導電性粒子を用いることにより、隣接する粒子間におけるトンネル電流が流れやすくなるため、サーミスタの抵抗変化率を十分に確保したまま、室温抵抗値をより低くすることができる。また、真球状の粒子に比べて、粒子同士の中心間距離を大きくすることができるため、さらに大きな抵抗変化率を得ることができる。
スパイク状の突起が形成されている導電性粒子は、一次粒子が個別に分散した粉体であってもよいが、10〜1000個程度の一次粒子が鎖状に連なりフィラメント状の二次粒子を形成しているものが好ましい。また、その材質は金属が好ましく、ニッケルを主成分とするものがより好ましい。さらに、導電性粒子は、比表面積が0.3〜3.0m2/gであって、見かけ密度が3.0g/cm3以下であることが好ましい。ここで、「比表面積」とは、BET一点法に基づく窒素ガス吸着法により求められる比表面積のことを意味する。
また、導電性粒子の一次粒子の平均粒径は、0.1〜7.0μmであることが好ましく、0.5〜5.0μmであることがより好ましい。ここで、一次粒子の平均粒径はフィッシャー・サブシーブ法で測定される値とする。
商業的に入手可能なスパイク状の突起を有する導電性粒子としては、例えば、「INCO Type210」、「INCO Type255」、「INCO Type270」、「INCO Type287」(いずれもINCO社製、商品名)等が挙げられる。
樹脂組成物における導電性粒子の含有割合は、樹脂組成物全体量を基準として5〜65質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることがより好ましい。導電性粒子の含有割合が5質量%未満であると、低い室温抵抗値が得られ難くなる傾向にあり、65質量%を超えると、大きな抵抗変化率を得ることが困難になる傾向にある。
樹脂組成物は、上記成分に加えて、反応性希釈剤、可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。反応性希釈剤としては、特に、架橋性化合物としてのポリエポキシ化合物と組み合わせる場合、モノエポキシ化合物が好ましい。モノエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3級カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。また、可塑剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
樹脂組成物には、更に他の成分、例えば、熱可塑性樹脂や、ワックス、油脂、脂肪酸、高級アルコール等の低分子有機化合物等を、必要に応じてさらに加えてもよい。熱可塑性樹脂は樹脂組成物中に溶解させてもよいし、粒子状の状態で分散させてもよい。
上記樹脂組成物は、各種撹拌機、分散機、ミル等の装置を用いて、上述した構成成分を混合することにより、得られる。このとき、低粘度化のために、樹脂組成物に対し、アルコールやアセトンに代表されるような各種有機溶剤や、反応性希釈剤等の溶媒を加えてもよい。混合時間は、特に限定されないが、通常、10〜30分間混合することで、各成分を均一に溶解又は分散させることができる。また、混合温度は、特に限定されないが、例えば25〜80℃とすればよい。混合後の樹脂組成物は、混合中に混入した気泡を除去するため、真空下で脱泡することが好ましい。
サーミスタ10は、例えば、上記樹脂組成物をBステージ化したBステージ樹脂からなるシートを、対向する2枚の導体層の間に挟んだ状態で加熱することにより樹脂組成物を硬化してサーミスタ素体1を形成させる硬化工程を備える製造方法により、好適に製造することができる。この方法の場合、対向する2枚の上記導体層が電極2、3となる。このようにBステージ樹脂のシートを用いる製造方法は、熱可塑性樹脂を用いたサーミスタの製造とほぼ同様の設備を用いて実施可能である点で、好ましい。
Bステージ樹脂からなるシートは、離型フィルム(シリコーンで表面処理したPETフィルム等)の上に樹脂組成物を塗布し、塗膜を加熱することにより得ることができる。離型フィルムからシートを剥がして、硬化工程に用いられる。
硬化工程における加熱条件は、樹脂組成物の硬化が十分に進行するように、熱硬化性樹脂や硬化剤の種類等に応じて適宜調整される。硬化工程は、予備硬化と、これに続く本硬化との2段階で行ってもよい。硬化後の積層体を裁断することにより、所定のサイズの板状のサーミスタが得られる。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メソゲン基を有しないエポキシ樹脂(「アラルダイトF」(商品名)、旭電化社製)、硬化剤(「ハードナー」(商品名)、チバガイギー社製)、造核剤(「アデカスタブNA11」(商品名)、旭電化工業社製)及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。樹脂組成物を離型性のPETフィルム上に塗布し、加熱して樹脂組成物をBステージ化することにより、Bステージ樹脂からなるシートを形成させた。そして、PETフィルムから剥がしたシートを2枚のNi箔で挟んでプレス成形して、シートの両面にNi箔が貼り合わされた貼り合わせ体を得た。続いて、予備硬化(80℃、30分)及び本硬化(140℃、1時間)を経てBステージ樹脂を硬化することにより、サーミスタ素体を備える積層体を得た。最後に、積層体をパンチングにより打ち抜いて、5×3mmの主面を有し、厚さ0.8mmの板状のサーミスタを得た。
メソゲン基を有しないエポキシ樹脂(「アラルダイトF」(商品名)、旭電化社製)、硬化剤(「ハードナー」(商品名)、チバガイギー社製)、造核剤(「アデカスタブNA11」(商品名)、旭電化工業社製)及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。樹脂組成物を離型性のPETフィルム上に塗布し、加熱して樹脂組成物をBステージ化することにより、Bステージ樹脂からなるシートを形成させた。そして、PETフィルムから剥がしたシートを2枚のNi箔で挟んでプレス成形して、シートの両面にNi箔が貼り合わされた貼り合わせ体を得た。続いて、予備硬化(80℃、30分)及び本硬化(140℃、1時間)を経てBステージ樹脂を硬化することにより、サーミスタ素体を備える積層体を得た。最後に、積層体をパンチングにより打ち抜いて、5×3mmの主面を有し、厚さ0.8mmの板状のサーミスタを得た。
(実施例2)
式(2)で表されるポリエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(「EXA7035」(商品名)、大日本インキ社製)、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
式(2)で表されるポリエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(「EXA7035」(商品名)、大日本インキ社製)、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
(実施例3)
エポキシ樹脂「EXA7035」、硬化剤「ハードナー」、造核剤「アデカスタブNA11」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
エポキシ樹脂「EXA7035」、硬化剤「ハードナー」、造核剤「アデカスタブNA11」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
(実施例4)
式(1)で表されるポリエポキシ化合物、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
式(1)で表されるポリエポキシ化合物、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
(比較例)
エポキシ樹脂「アラルダイトF」、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
(サーミスタの評価)
エポキシ樹脂「アラルダイトF」、硬化剤「ハードナー」及びフィラメント状Niパウダー(インコ社製、フィッシャー・サブシーブ法による平均粒径:2.2〜2.8μm)の所定量を混合し、真空圧下で脱泡しながら攪拌して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてサーミスタを作製した。
(サーミスタの評価)
上記で作製した各サーミスタについて、初期の室温(23℃)抵抗値(初期抵抗値)と、PTC特性を発現させる加熱処理を1000回行った後の室温抵抗値(1000回動作後抵抗値)とを測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、メソゲン基を有する架橋性化合物及び造核剤のうち少なくとも一方を用いた実施例のサーミスタは、1000回動作後も初期抵抗値をほぼ維持しており、十分な動作安定性を示すことが確認された。これに対して、メソゲン基を有しないエポキシ樹脂を用い、造核剤を用いなかった比較例のサーミスタは、1000回動作後に抵抗値が大きく上昇した。
1…サーミスタ素体、2…電極、3…電極、10…サーミスタ。
Claims (6)
- 対向する1対の電極と、当該1対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、
前記サーミスタ素体が、熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、造核剤と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ。 - 前記造核剤が、有機酸金属塩及びベンジリデンソルビトールから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1記載の有機質正特性サーミスタ。
- 対向する1対の電極と、当該1対の電極の間に配置されたサーミスタ素体と、を備え、
前記サーミスタ素体が、メソゲン基を有する架橋性化合物を含む熱硬化性樹脂と、導電性粒子と、を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、有機質正特性サーミスタ。 - メソゲン基を有する前記架橋性化合物が、メソゲン基及び複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物である、請求項3記載の有機質正特性サーミスタ。
- 前記樹脂組成物が造核剤を更に含有する、請求項3又は4記載の有機質正特性サーミスタ。
- 前記サーミスタ素体が、前記導電性粒子を前記サーミスタ素体全量に対して5〜65質量%含有する、請求項1〜5の何れか一項に有機質正特性サーミスタ。
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