JP2007002705A - 電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品42の冷却を続ける。
【解決手段】 冷媒を吸入圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動式のモータ30と、モータ30を駆動する電気回路40とを一体とした電動圧縮機であり、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けている。
これによれば、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けることにより、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品42の冷却を続けることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 冷媒を吸入圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動式のモータ30と、モータ30を駆動する電気回路40とを一体とした電動圧縮機であり、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けている。
これによれば、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けることにより、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品42の冷却を続けることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、圧縮機、モータおよびモータの駆動用電気回路が一体となった電動圧縮機に関するものであり、特に、エンジンルーム内などで高温環境下に置かれる車両用の電動圧縮機などに用いて有効である。
圧縮機、モータおよびモータの駆動用電気回路が一体となった電動圧縮機として、発明者らは、略円筒状に形成されたモータハウジングの外筒面側に駆動用電気回路を収納するケーシングを一体化した発明(下記特許文献1)を既に開示している。このように、インバータ(モータの駆動用電気回路)一体型の電動圧縮機では、圧縮機のハウジング内を流れる圧縮前で低温の吸入冷媒にて電気部品(インバータ素子)の冷却と行っている。
このように、吸入冷媒でインバータ素子の冷却を兼ねる構造として、別途インバータ素子冷却用の機構を設ける必要をなくしている。また、発明者らは下記特許文献2にて、電気部品をモータハウジングの外筒面と接する仮想の接平面と外筒面との間に形成される溝部に収納して、駄肉部(デットスペース)を有効活用することを開示している。
特開2002−5024号公報
特開2003−222078号公報
しかしながら、上記した従来技術では、電動圧縮機を停止させて冷媒の循環が止まると、対流熱伝達も無くなり、インバータ素子の冷却も機能しなくなってしまう。通常、電動圧縮機停止時はインバータ素子からの発熱も止まるため問題はないが、エンジン温度が高い状態でイグニッションスイッチを切ると、エジエータの冷却ファンが停止するため、エンジンの余熱でエンジンルーム内が高温となる場合がある。
このような雰囲気ではインバータ素子の温度が運転時よりも上昇する可能性があり、インバータ素子の耐熱性が問題となっていた。本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品の冷却を続けることのできる電動圧縮機を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮する圧縮機構(20)と、
圧縮機構(20)を駆動する電動式のモータ(30)と、
モータ(30)を駆動する電気回路(40)とを一体とした電動圧縮機であり、
吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷手段(50)を設けたことを特徴としている。
圧縮機構(20)を駆動する電動式のモータ(30)と、
モータ(30)を駆動する電気回路(40)とを一体とした電動圧縮機であり、
吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷手段(50)を設けたことを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷手段(50)を設けることにより、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品(42)の冷却を続けることができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)を、電気回路(40)の収納空間(K)内に配置したことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、電気部品(42)の冷却を行うための蓄冷手段(50)を配置する箇所として最も直接的であり、スペース確保や設置も容易である。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)を、少なくともモータ(30)を収納するハウジング(31)内に配置したことを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、蓄冷手段(50)をハウジング(31)内に配置し、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、蓄冷手段(50)によって電気部品(42)が接触するハウジング(31)の冷却を続けることによっても電気部品(42)の冷却を続けることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の電動圧縮機において、電気回路(40)は、略円筒状に形成されたハウジング(31)の外筒面(311)側に一体化されており、
蓄冷手段(50)を、外筒面(311)と接する仮想の接平面(S)と外筒面(311)との間に形成される空間(32)部分に配置したことを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、駄肉部(デットスペース)を有効活用して電動圧縮機の大型化や重量増を抑制しつつ、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品(42)の冷却を続けることができる。
蓄冷手段(50)を、外筒面(311)と接する仮想の接平面(S)と外筒面(311)との間に形成される空間(32)部分に配置したことを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、駄肉部(デットスペース)を有効活用して電動圧縮機の大型化や重量増を抑制しつつ、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品(42)の冷却を続けることができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項3または請求項4に記載の電動圧縮機において、ハウジング(31)には、冷媒の吸入ポート(34)が設けられており、圧縮機構(20)は、ハウジング(31)内から冷媒を吸引することを特徴としている。この請求項5に記載の発明によれば、ハウジング(31)内を流れる吸入冷媒によって電気部品(42)を確実に冷却することができる。
従って、電気部品(42)の放熱能力を増大させるべく、電気部品(42)を大型化する必要がなく、且つ、耐熱温度の高い電気部品(42)を使用する必要が無いので、電気回路(40)の小型化および製造原価低減を図りつつ、電気回路(40)の信頼性および耐久性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)を、電気回路(40)の収納空間(K)の外方側に配置したことを特徴としている。
この請求項6に記載の発明によれば、蓄冷手段(50)の量を多く取ることができ、蓄冷能力を大きくすることができる。また、電気回路(40)をエンジンルーム雰囲気から断熱する効果もある。
また、請求項7に記載の発明では、請求項2または請求項6に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)として、ステアリン酸もしくはn−トリアコンタン(C3OH62)を用いたことを特徴としている。蓄冷材の種類として、顕熱を利用するものと潜熱を利用するものがある。顕熱を利用するものとしては熱容量の大きい物質が用いられる。この方法は使用する温度によらず能力がほぼ一定となる利点がある反面、単位体積あたりの蓄冷能力はあまり大きくないという欠点がある。
潜熱を利用するものとしては狙いの温度付近が融点(または沸点)となる物質が用いられる。潜熱は顕熱よりも単位体積あたりの蓄冷能力が高い利点があるが、相変化(液体→固体)が生じる温度付近でないと能力を発揮できないという欠点がある。この請求項7に記載の発明によれば、請求項2の電気回路(40)の収納空間(K)内、もしくは請求項6の収納空間(K)の外方側に配置する場合は狙いの温度を60℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
また、請求項8に記載の発明では、請求項3に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)として、n−エイコサン(C2OH42)もしくはn−オクタデカン(C18H38)を用いたことを特徴としている。この請求項8に記載の発明によれば、請求項3のハウジング(31)内に配置する場合は狙いの温度を30℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
また、請求項9に記載の発明では、請求項4に記載の電動圧縮機において、蓄冷手段(50)として、ポリグリコールE6000もしくはn−オクタコサン(C28H58)を用いたことを特徴としている。この請求項9に記載の発明によれば、請求項4の空間(32)部分に配置する場合は狙いの温度を40℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について添付した図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動圧縮機10の斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態(請求項1、2、7に対応)における電動圧縮機10の部分断面側面図である。本実施形態は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いた車両用空調装置の電動圧縮機に本発明を適用したものである。
以下、本発明の実施の形態について添付した図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動圧縮機10の斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態(請求項1、2、7に対応)における電動圧縮機10の部分断面側面図である。本実施形態は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いた車両用空調装置の電動圧縮機に本発明を適用したものである。
電動圧縮機10は、図1に示すように、冷媒を吸入圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動するDCブラシレス式のモータ30と、モータ30を駆動するインバータ回路などからなるモータ駆動用の電気回路40とを一体に構成したものであり、とくに圧縮機構20とモータ30とは、同軸上、且つ、直列に並んで一体化されている。
また、電気回路40を収納するケーシング41は、少なくともモータ30が収納された略円筒状のハウジング31の外筒面311側にボルトにて組み付けられ、圧縮機構20およびモータ30に一体化されている。なお、本実施形態では、ハウジング31およびケーシング41などの容器は、全てアルミニウム合金製である。
そして、電動圧縮機10は、電気回路40がモータ30を挟んで走行用のエンジンと反対側に位置するよう、走行用エンジンのクランクケースにボルトにて組み付け固定されている。なお、この例では、電動圧縮機10をクランクケースに組み付けたが、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車では、車両ボディに組み付けても良い。
また、ケーシング41は、外筒面31aと接する仮想の接平面Sを挟んでハウジング31と反対側に位置して、仮想の接平面Sとしての座面33(図1参照)に底プレート41aを接して固定されている。そして、電気部品42は、図2に示すように、底プレート41aに接するように電気回路40に固定されて収納空間Kに収納されている。
なお、電気部品42とは、電気回路40を構成する電気部品のうち、例えばIGBT、MOS−FETおよびアルミ電解コンデンサなどの比較的発熱量の大きいインバータ素子である。ケーシング41をハウジング31に固定するに当たっては、底プレート41aを座面33上に配置し、その後、底プレート41aをボルトやビスにて固定する。なお、底プレート41aと座面33との間には、シール手段として図示しないガスケットが配置されている。
また、底プレート41aを座面33に固定した後は、ケーシング41内に本発明の要部である蓄冷材(蓄冷手段)50を電気回路40上に固定する。この蓄冷材50は、ステアリン酸もしくはパラフィンの一種であるn−トリアコンタン(C3OH62)を伝熱性の高いケースに封入したものである。
その後、図示しないパッキンやガスケットなどのシール手段を介してケーシング41にケーシングカバー41cを装着する。そして、ハウジング31の軸方向端部のうち圧縮機構20と反対側には、図2に示すように、冷媒の吸入ポート34が設けられており、圧縮機構20はハウジング31内から冷媒を吸引して圧縮し、吐出ポート35から圧縮された冷媒を吐出する。
本実施形態での作用について説明する(図2参照)。蓄冷材50の存在のために、冷媒循環初期は、インバータ素子42冷却の能力は多少下がる。しかし、初期はインバータ素子42の発熱量も少ないため問題とはならない。冷媒循環停止後、蓄冷材(保冷材)50が存在しているため、温度変化のために必要な熱量が大きくなる。そのためインバータ内部の温度変化が鈍感になる。この効果により、エンジンなど外部からの熱がインバータケースを通してインバータ各素子42に伝わるデッドソーク(走行後のイグニッションスイッチOFF状態)のようなモード時でも温度上昇が抑えられる。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。まず、冷媒を吸入圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動式のモータ30と、モータ30を駆動する電気回路40とを一体とした電動圧縮機であり、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けている。これによれば、吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷材50を設けることにより、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品42の冷却を続けることができる。
また、蓄冷材50を、電気回路40の収納空間K内に配置している。これによれば、電気部品42の冷却を行うための蓄冷材50を配置する箇所として最も直接的であり、スペース確保や設置も容易である。
また、蓄冷材50として、ステアリン酸もしくはn−トリアコンタン(C3OH62)を用いている。蓄冷材の種類として、顕熱を利用するものと潜熱を利用するものがある。顕熱を利用するものとしては熱容量の大きい物質が用いられる。この方法は使用する温度によらず能力がほぼ一定となる利点がある反面、単位体積あたりの蓄冷能力はあまり大きくないという欠点がある。
潜熱を利用するものとしては狙いの温度付近が融点(または沸点)となる物質が用いられる。潜熱は顕熱よりも単位体積あたりの蓄冷能力が高い利点があるが、相変化(液体→固体)が生じる温度付近でないと能力を発揮できないという欠点がある。これによれば、電気回路40の収納空間K内に配置する場合は狙いの温度を60℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態(請求項3、5、8に対応)における電動圧縮機10の構造概要を図面に基づき説明する。図3は、電動圧縮機10の断面側面図である。冷凍サイクルは図示を省略するが、10は本発明に係るスクロール型の電動圧縮機であり、この電動圧縮機10から吐出する高温高圧の冷媒から放熱を行うための図示しない放熱器、その放熱器から流出した冷媒を減圧する図示しない減圧器、その減圧器にて減圧された冷媒を蒸発させる図示しない蒸発器などを冷媒配管路にて環状に接続して冷凍サイクルが構成されている。
次に、本発明の第2実施形態(請求項3、5、8に対応)における電動圧縮機10の構造概要を図面に基づき説明する。図3は、電動圧縮機10の断面側面図である。冷凍サイクルは図示を省略するが、10は本発明に係るスクロール型の電動圧縮機であり、この電動圧縮機10から吐出する高温高圧の冷媒から放熱を行うための図示しない放熱器、その放熱器から流出した冷媒を減圧する図示しない減圧器、その減圧器にて減圧された冷媒を蒸発させる図示しない蒸発器などを冷媒配管路にて環状に接続して冷凍サイクルが構成されている。
電動圧縮機10は概略、メインハウジング31aの中にモータ30、ミドルハウジング31b、旋回スクロール6、固定スクロール8を順に挿嵌し、最後にメインハウジング31aの開口端に吐出側ハウジング31cを嵌合した構造となっている。1はシャフトであり、その図3左側端には軸心に対して所定量だけ偏心したクランク部2が形成されており、図示しないバランサ部がシャフト1に固定されている。
3aはモータ30のアーマチュア部であり、ステータ部3bに電力の供給を受けた時にシャフト1を回転駆動する。本実施形態の場合は、メインハウジング31aの内部にモータ30と圧縮機構20とが構成されている。4はシャフト1の一端側に取り付けられたラジアル軸受であって、同じく他端側に取り付けられたラジアル軸受5と共に、シャフト1を回転可能に支持している。
6は旋回スクロールであり、概ね円板状の端板部6aと、それから軸線方向に突出するように形成された渦巻き形の羽根部6bとからなっている。旋回スクロール6の全体は、端板部6aに圧入して取り付けられている旋回スクロール軸受7を介して、シャフト1のクランク部2によって回転可能に支持されていて、シャフト1の中心軸線の回りに公転運動をする。図示しないが、旋回スクロール6の公転運動のみを許す複数個の自転防止ピンを有していて旋回スクロール6の自転運動を阻止するようになっている。
8は固定スクロールであり、旋回スクロール6と同様な端板部8aと、渦巻き形の羽根部8bを備えていて、旋回スクロール6と噛み合うように組み付けられている。固定スクロール8は、モータ30と同様にメインハウジング31aの中に挿嵌されている。そして、旋回スクロール6の渦巻き形の羽根部6bと、固定スクロール8の渦巻き形の羽根部8bとが噛み合うことにより、これらの羽根部6b・8bの問に軸線方向に見たときに三日月形に見える作動室9が複数個形成される。
そして、冷凍サイクルから戻って来て吸入ポート34からモータ30内を通過して吸入室9a内へ導入される気体冷媒のような流体を、外周において作動室9が吸入室9aに向かって開いた時に作動室9の内部へ吸入し、旋回スクロール6が公転をする間に旋回スクロール6および固定スクロール8の中心部に向かって作動室9が半径方向に移動しながら縮小することによって流体を圧縮する。
最後に作動室9が中心部の作動室に向かって開いた時に、吐出圧に達した冷媒が固定スクロール8の端板部8aに設けられた吐出孔8cを通過して、端板部8aと吐出側ハウジング31cとで形成された吐出室35a内へ吐出される。吐出孔8cの外側には図示しない吐出弁があり、吐出室35a内の冷媒が吐出孔8cを介して逆流しないよう端板部8a上に装着されている。吐出室35a内へ吐出された高圧の冷媒は、吐出室35aから外部へ連通させた吐出ポート35から圧縮機外部の冷凍サイクル(放熱器)へ向けて吐出される。
次に、発明の要部に関して説明する。電気回路40およびそれに付随する電気部品42を収容するケーシング41は、メインハウジング31aに一体に形成され、そのケーシング41に電気部品42がメインハウジング31aに接するように電気回路40を固定した後、図示しないパッキンやガスケットなどのシール手段を介してケーシング41にケーシングカバー41cが装着されている。
吸入冷媒は低温であるため、モータ30部分を通過する際に対流熱伝達により、周囲熱を奪っていく。電気部品42直下のハウジング部分(インバータ取付面)を冷却することにより、熱伝導で電気部品42の温度上昇を抑えている。
そして、ハウジング31の内部、図3の実施例ではメインハウジング31aに接するようステータコイルとの間と、ミドルハウジング31bに接するよう蓄冷材50が配置されている。また、この蓄冷材50は、パラフィンの一種であるn−エイコサン(C2OH42)もしくはn−オクタデカン(C18H38)を用いている。
次に、前述した第1実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態では、まず、蓄冷材50を、少なくともモータ30を収納するハウジング31内に配置している。これによれば、蓄冷材50をハウジング31内に配置し、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、蓄冷材50)によって電気部品42が接触するハウジング31の冷却を続けることによっても電気部品42の冷却を続けることができる。
また、ハウジング31には、冷媒の吸入ポート34が設けられており、圧縮機構20は、ハウジング31内から冷媒を吸引するようにしている。これによれば、ハウジング31内を流れる吸入冷媒によって電気部品42を確実に冷却することができる。
従って、電気部品42の放熱能力を増大させるべく、電気部品42を大型化する必要がなく、且つ、耐熱温度の高い電気部品42を使用する必要が無いので、電気回路40の小型化および製造原価低減を図りつつ、電気回路40の信頼性および耐久性を向上させることができる。
また、蓄冷材50として、n−エイコサン(C2OH42)もしくはn−オクタデカン(C18H38)を用いている。これによれば、ハウジング31内に配置する場合は狙いの温度を30℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
(第3実施形態)
図4は、本発明の実施形態に係る電動圧縮機の分解斜視図であり、図5は、図2のA−A断面に相当する断面での本発明の第3実施形態(請求項4、9に対応)における電動圧縮機10の断面図である。図4・5に示すように、外筒面311と接する仮想の接平面Sと外筒面311との間に形成される部位には、空間32がハウジング31の軸方向から見て、略対称の位置に形成されている。
図4は、本発明の実施形態に係る電動圧縮機の分解斜視図であり、図5は、図2のA−A断面に相当する断面での本発明の第3実施形態(請求項4、9に対応)における電動圧縮機10の断面図である。図4・5に示すように、外筒面311と接する仮想の接平面Sと外筒面311との間に形成される部位には、空間32がハウジング31の軸方向から見て、略対称の位置に形成されている。
本実施形態では駄肉部(デットスペース)となる空間32に蓄冷材50を配置したものである。また、この蓄冷材50は、ポリグリコールE6000もしくはパラフィンの一種であるn−オクタコサン(C28H58)を用いている。
次に、上述した各実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態では、まず、電気回路40は、略円筒状に形成されたハウジング31の外筒面311側に一体化されており、蓄冷材50を、外筒面311と接する仮想の接平面Sと外筒面311との間に形成される空間32部分に配置している。これによれば、駄肉部(デットスペース)を有効活用して電動圧縮機の大型化や重量増を抑制しつつ、冷媒の循環が停止した後もしばらくの間、電気部品42の冷却を続けることができる。
また、蓄冷材50として、ポリグリコールE6000もしくはn−オクタコサン(C28H58)を用いている。これによれば、空間32部分に配置する場合は狙いの温度を40℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態(請求項6、7に対応)における電動圧縮機10の部分断面側面図である。上述した各実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態では、蓄冷材50を、電気回路40の収納空間Kの外方側に配置している。これによれば、蓄冷材50の量を多く取ることができ、蓄冷能力を大きくすることができる。また、電気回路40をエンジンルーム雰囲気から断熱する効果もある。
図6は、本発明の第4実施形態(請求項6、7に対応)における電動圧縮機10の部分断面側面図である。上述した各実施形態と異なる特徴部分を説明する。本実施形態では、蓄冷材50を、電気回路40の収納空間Kの外方側に配置している。これによれば、蓄冷材50の量を多く取ることができ、蓄冷能力を大きくすることができる。また、電気回路40をエンジンルーム雰囲気から断熱する効果もある。
また、蓄冷材50として、ステアリン酸もしくはn−トリアコンタン(C3OH62)を用いている。これによれば、電気回路40の収納空間Kの外方側に配置する場合は狙いの温度を60℃付近とし、上記した蓄冷材の融点が適している。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、本発明を車両用空調装置に適用したが、その他の冷凍サイクルにも適用することができる。また、上述の第2実施形態では、スクロール式の圧縮機構20採用したが、ロータリ式やローリングピストンなどのその他形式の圧縮機構であっても良い。また、各実施形態で示した蓄冷材50の配置部位と蓄冷材との組み合わせも限定するものではないし、蓄冷材50は顕熱を利用する蓄冷材であっても良い。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、本発明を車両用空調装置に適用したが、その他の冷凍サイクルにも適用することができる。また、上述の第2実施形態では、スクロール式の圧縮機構20採用したが、ロータリ式やローリングピストンなどのその他形式の圧縮機構であっても良い。また、各実施形態で示した蓄冷材50の配置部位と蓄冷材との組み合わせも限定するものではないし、蓄冷材50は顕熱を利用する蓄冷材であっても良い。
また、電気回路40の収納空間Kを形成するケーシング41は、図2の実施形態のように底プレート41aが無くて電気部品42が直接ハウジング31に接するよう電気回路40を固定するものであっても良いし、ケーシング41はハウジング31に一体化されていても良い。また、ケーシング41の部分が無く、ケーシングカバー41cで電気回路40全体を覆った構成であっても良い。
20…圧縮機構
30…モータ
31…ハウジング
32…空間
34…吸入ポート
40…電気回路
50…蓄冷材(蓄冷手段)
311…外筒面
K…収納空間
S…接平面
30…モータ
31…ハウジング
32…空間
34…吸入ポート
40…電気回路
50…蓄冷材(蓄冷手段)
311…外筒面
K…収納空間
S…接平面
Claims (9)
- 冷媒を吸入圧縮する圧縮機構(20)と、
前記圧縮機構(20)を駆動する電動式のモータ(30)と、
前記モータ(30)を駆動する電気回路(40)とを一体とした電動圧縮機であり、
吸入冷媒の冷熱を蓄熱する蓄冷手段(50)を設けたことを特徴とする電動圧縮機。 - 前記蓄冷手段(50)を、前記電気回路(40)の収納空間(K)内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
- 前記蓄冷手段(50)を、少なくとも前記モータ(30)を収納するハウジング(31)内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
- 前記電気回路(40)は、略円筒状に形成された前記ハウジング(31)の外筒面(311)側に一体化されており、
前記蓄冷手段(50)を、前記外筒面(311)と接する仮想の接平面(S)と前記外筒面(311)との間に形成される空間(32)部分に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。 - 前記ハウジング(31)には、冷媒の吸入ポート(34)が設けられており、前記圧縮機構(20)は、前記ハウジング(31)内から冷媒を吸引することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電動圧縮機。
- 前記蓄冷手段(50)を、前記電気回路(40)の収納空間(K)の外方側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
- 前記蓄冷手段(50)として、ステアリン酸もしくはn−トリアコンタン(C3OH62)を用いたことを特徴とする請求項2または請求項6に記載の電動圧縮機。
- 前記蓄冷手段(50)として、n−エイコサン(C2OH42)もしくはn−オクタデカン(C18H38)を用いたことを特徴とする請求項3に記載の電動圧縮機。
- 前記蓄冷手段(50)として、ポリグリコールE6000もしくはn−オクタコサン(C28H58)を用いたことを特徴とする請求項4に記載の電動圧縮機。
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---|---|---|---|---|
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KR101755693B1 (ko) | 2011-05-25 | 2017-07-07 | 한온시스템 주식회사 | 전동식 압축기용 인버터의 냉각 구조 |
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2005
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