JP2006525855A - 吻合接合装置 - Google Patents

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Abstract

治療剤を放出する吻合接合装置を提供する。治療剤は、吻合接合装置の存在により生ずる狭窄を抑制する瘢痕治療剤でありうる。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、全体としては薬学的組成物、方法、および装置に関し、より具体的には所望の治療薬を放出する吻合接合装置に関する。
関連技術の説明
血管吻合作製は、20世紀初頭にバイパス手術が初めて行われてから、血管手術にとって不可欠なものとなっている。簡単に述べると、バイパスは、代替となる導管を作製して、閉塞した(または損傷した)動脈の周囲に血液が流れるようにするものである。最も一般的には、この吻合は、動脈(代表的には冠動脈、頸動脈または下肢に血液を供給している動脈)がアテローム性動脈硬化症(プラーク)または凝血塊によって完全もしくは部分的に閉塞して、その動脈が血液を供給する組織に虚血が起こった時に行われる。障害領域への血流を回復する試みでは、導管(典型的には、患者自身の、別の部位から採取した動脈または静脈の一つ、または人工血管)の一端を血管内の閉塞部に対し近位(上流)に挿入し、もう一端を閉塞部に対し遠位(下流)に挿入して、虚血組織に達する血液代替路を提供する。元からある血管へ導管を接続することは「吻合」と呼ばれ、血管閉塞部との位置関係によってさらに、「近位」または「遠位」と表わされる。伝統的に血管吻合は、血管または心臓外科医が開放手術中に導管(例えば伏在静脈、内乳動脈、人工血管)の各端を、その場で縫合して実施されてきた。手による吻合の縫合には時間がかかり(吻合ごとに、場所に応じて、終了までに約5〜10分を要する)、結果として患者の手術、麻酔および/または心臓/肺バイパスの時間を長くする。
最近、無縫合吻合装置が考案されて、血管吻合の作製が機械化されている。様々なタイプおよび設計の吻合装置があるが、いずれのものも縫合なしに、簡単に血管縫合を半自動的に行い、接合時間を大きく短縮する(多くは数秒まで)ように設計されている。理想的な吻合装置は、常に再現性があり、丸みのある平滑な吻合を作製し、縫合と同じ強さおよび密閉性を有し、動脈交叉クランピングおよび心肺バイパス(冠動脈内バイパス移植-CABG内)の必要性を排し、手術時間を短縮する。これら特性の1つまたは複数を達成できる装置は、吻合装置としての資格があるだろう。
近年、吻合接合装置の構造は進歩を遂げているが、それでも当技術分野では、吻合接合装置の使用に関連する問題を緩和、減少および/または阻止できる、所望治療薬を放出できる新規の吻合装置が求められている。本発明は、このような装置(ならびにこのような装置を作るための組成物および方法)および、さらにその他関連する利点を提供する。
発明の概要
簡単に述べると、本発明は、所望の治療薬を放出する吻合接合装置を提供する。
例えば発明の一局面では、発明は、(i)吻合接合装置、および(ii)瘢痕治療薬を含む吻合接合装置を提供する。治療薬は、装置が患者に挿入された時に、治療薬が装置から持続的に放出する形で装置と結びついている。治療薬は、狭窄を阻害する治療的に有効な速度で装置から放出される。
代表的態様では、治療薬はアントラサイクリン(例えばドキソルビシンまたはミトキサントロン)、タキサン(パクリタキセルまたはドキセタキセル)、シロリムスまたはシロリムス類似体(例えばエバロリムス)のような免疫抑制剤、および/あるいはポドフィロトキシン(例えばエトポシド)である。発明の様々な態様において、所望治療薬は、例えばポリマーのようなキャリアと混合され、そして/またはそれから放出される。発明のさらに別の態様では、吻合接合装置は、抗トロンボゲン形成薬および/または抗血小板薬(例えばヘパリン)をさらに含む(または含んでもよい)。
本発明の別の態様では、2つの血管構造の間に経路または同一血管構造の異なる2カ所の間をつなぐ経路の作製が望まれる患者内に吻合接合装置を導入するステップを含み、このとき吻合接合装置が上記治療薬を放出する装置の一つである、2つの血管構造の間をつなぐ、または同一血管構造の異なる2カ所をつなぐ経路を作製する方法が提供される。このような方法を利用することにより、動脈から動脈、静脈から動脈、動脈から静脈、動脈から人工血管、人工血管から動脈、静脈から人工血管または人工血管から静脈を含む、様々な血管構造の間に経路または吻合を作ることできる。
本発明のさらに別の局面では、吻合装置のすべて、または一部をアントラサイクリン、タキサン、シロリムスもしくはシロリムス類似体のような免疫抑制剤、またはポドフィロトキシン、あるいは再狭窄治療薬でコーティングすることを含む、吻合接合装置を作製する方法が提供される。様々な態様において、装置は、所望治療薬を装置に噴霧、または装置を治療薬に浸漬することにより、治療薬でコーティングできる。
発明のさらに別の局面では、ヘパリンのような抗トロンボゲン形成薬および/または抗血小板薬でコーティングされるか、またはそうでない場合にはこれを放出するのに適合した吻合接合装置が提供される。吻合接合装置にはさらに、そのエコー源性(即ち超音波での視覚化性)を高めるコーティングが施される。
本発明のこれら、およびその他局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって明らかになるだろう。これに加えて、ここには特定の手順または組成物(例えば装置、組成物、化合物または薬物、およびこのような装置、組成物、化合物または薬物を作製する方法等)を詳細に説明する様々な参照が記載され、それゆえに参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。PCT出願が参照される場合には、その基本となる、または引用された米国出願もまた、参照によりその全体が本明細書に組み入れられることも理解する。
発明の詳細な説明
発明を記載する前に、その理解の一助とするために、以下用いる一部用語の定義について記載する。
吻合」とは、2またはそれ以上の、通常分離した空間または器官(例えば血管)の間の直接または間接的な連絡または接合である。本用語はまた、例えば手術によって作られた、2つの血管または、その他血液を含むもしくは血液を運搬する構造の間の連絡路をも意味する。
吻合接合装置」とは、血管吻合(即ち動脈から動脈、静脈から動脈、動脈から静脈、動脈から人工血管、人工血管から動脈、静脈から人工血管または人工血管から静脈への吻合)の作製を、吻合の作製で一般的に行われる手縫合なしに機械化する任意の血管装置を表す。本用語はまた、縫合を使用しない半自動的血管吻合を簡便化し、接合にかかる時間を実質的に短縮する(多くは数秒まで)よう設計された、吻合接合装置(以下説明する)も表し、このような装置には数多くのタイプおよび設計が存在する。本用語はさらに、標的血管の孔または開口部(例えば血管の側部または端部にある)への血管移植体の付着を容易にする装置を表す。吻合接合装置は、血管外側および/または血管壁内(例えば組織の外膜、壁内または内膜層)に固定してもよく、ならびに/あるいは装置の一部を血管管腔内に置いてもよい。
吻合接合装置はまた、導管または迂回シャントを通って、1つの構造から別の構造に至る新たな流れを作るのに用いてもよい。従ってこのような装置(本明細書では「バイパス装置」とも称する)は、典型的には少なくとも1つの管状構造を含み、この場合管状構造は管腔を画定する。吻合接続装置は、その中を血液が流れることができる、1つの管状構造または複数の管状構造を含んでもよい。少なくとも管状構造の一部は、血管外部に存在して(即ち血管外)迂回通路を提供する。装置の一部は、管腔内および/または血管組織内に存在してもよい。
理想的な吻合接合装置は再現性があり、丸みのある、平滑な吻合を作り出し、縫合と同じ(または縫合より優れた)強さと密封性を有し、動脈交叉クランピングおよび心肺バイパスの必要性を減らし、さらに処置時間も短縮する。これら特性の1つまたは複数を達成できる装置は、吻合接合装置としての資格があるだろう。
「繊維症」または「瘢痕化」は、傷害または医学的介入に対する反応における繊維性組織の形成を表す。繊維症または瘢痕を阻止する治療薬は: 血管新生を阻害すること、結合組織細胞(例えば繊維芽細胞、平滑筋細胞、血管平滑筋細胞)、および/または免疫炎症細胞(例えばマクロファージ、リンパ細胞、好中球)の移動または増殖を阻害すること、ECM産生を減らすこと、ならびに/あるいは組織のリモデリングを阻害することを含む、1または複数の機構を通して実現できる。これに加えて記載の各種治療薬は、適切であれば、組織の再生(同型の細胞による傷害細胞の置換)を低下させるというさらなる利点も有するだろう。さらに、各種治療薬は、炎症プロセス(例えば前炎症性サイトカイン産生、前炎症性ケモカイン産生)を阻害するというさらなる利点を有する。
本記載では、いずれの濃度範囲、パーセンテージ範囲、比の範囲または整数の範囲も、特に記載がないかぎり、引用した範囲内のすべての整数値を含み、適切な場合にはその分数(ある整数の10分の1および100分の1の等のように)も含むと理解しなければならない。本明細書に使用する場合、「約」または「本質的に含む」は、±15%を意味する。本明細書に使用する場合、不定冠詞の使用は、単数および複数の名詞または名詞句を表すと理解すべきである(即ち「1または複数の」列挙要素または成分を意味する)。選択語(例えば「または」)の使用は、選択対象の1つ、両方またはその組合せのいずれかを意味すると理解すべきである。これに加えて、本明細書に記載の配列、構造および置換基の様々な組合せに由来する、個々の化合物または化合物の群は、各化合物または化合物の群が個々に記載されているのと同程度に本出願に開示されていると理解すべきである。それ故に、特定の配列、構造または置換基の選択は、本発明の範囲内である。
上記のように、本発明は、所望の治療薬を放出するのに適合した吻合接合装置を提供する。本発明での好ましい薬剤は、瘢痕治療薬である。現在利用可能な吻合接合装置は、手術時間を短縮し、動脈の交叉クランピング(脳内に塞栓性の発作を起こすことが知られている介入法)および心肺バイパスの使用(脳虚血および意識障害に関係することが知られている)に伴う病的状態を排除し、血管手術を大きく改善する可能性を有しているが、それらは手術後の吻合狭窄の問題は排除しておらず、そしてそれに寄与することもないだろう。具体的には、手術中の移植組織またはレシピエント動脈への傷害および/または吻合の結果としての血流パターンの変化により生じた障害は、再狭窄と呼ばれる周知の臨床問題を引き起こす(またはこの状況では、正しくは「狭窄」と呼ぶこともできる)。再狭窄は、血管の閉塞を解除しようとする、実際的には、天然状態の組織のあらゆる操作または摂動を含む血管再構築手術に反応して起こり、血管病の介入処置の有効性を制限している主因子である。
再狭窄は、血管壁の肥厚および動脈から組織に供給される血流の損失をもたらす、傷害に対する血管壁の反応の一形態である。血管壁への傷害は、サイトカインを放出する内皮細胞および平滑筋細胞(SMC)を損傷し、その結果、その領域にマクロファージ、リンパ細胞および好中球(即ち、既知白血球の一部)のような炎症細胞が集まる。次に白血球は、血管壁の構成細胞(主に内皮細胞およびSMC)の挙動に影響を与える各種サイトカイン、成長因子および組織分解酵素を放出する。血管SMCの刺激は、これら細胞の血管内側(血管内膜)への移動および細胞外マトリックスの分泌を誘導する。これが共同して内層を肥厚(新血管内膜過形成として知られる)させて血管管腔を狭くし、血流を害する程度に狭くなることもある。
吻合接合装置を用いた血管バイパス手術が数多く行われるほど、狭窄/再狭窄率の低い装置の作製がますます緊急の課題となるだろう。本発明は、治療薬の放出に適合する、またそれによって狭窄の発生を阻止する吻合接合装置を提供する。装置は、手術前には薬剤が装置と結びついた形で存在するが、装置を宿主内に挿入した後に装置は薬剤を、薬剤がもはや装置と結びつかない形で溶出またはその他の形で放出し、それにより薬剤は局所組織または遠隔組織と相互作用するようになる形で治療薬を含んでいるという意味で「適合」している。本発明による装置をより更に理解するために、以下に:(I)薬剤;(II)薬剤を含む組成物; および(III)吻合接合装置を、さらに詳しく論じる。
簡単に説明すると、広範囲の薬剤(本明細書では「治療薬」または「薬物」とも称する)が、本発明の文脈の中で利用できる。薬剤は1つまたは複数の物質、例えばポリマーキャリアから処方してもよく、これら処方は本明細書に後述されている。多数の好適な治療薬が、本明細書内に具体的に明示されており、またその他の薬剤も、実施例21〜31に示すように、インビトロおよびインビボ(動物)モデルに基づいて容易に決定できる。例えば、好ましい治療薬は、繊維症を阻害できる、瘢痕治療薬としても知られる薬剤であり、代表的な瘢痕治療薬としては、抗増殖性である、および/または細胞移動を阻害する、および/または炎症を阻害する、および/または抗血管新生性である薬剤が挙げられる。
実施例21に記載のアッセイは、薬剤が繊維芽細胞および/または平滑筋細胞の細胞増殖を阻害できるか判定するのに用いることができる。発明の一局面において、薬剤は、細胞増殖の阻害に関して、約10-6〜約10-10Mの範囲のIC50を有する。実施例28に記載のアッセイは、薬剤が繊維芽細胞および/または平滑筋細胞の移動を阻害できるか判定するのに用いることができる。発明の一局面では、薬剤は、細胞移動の阻害に関して、約10-6〜約10-9Mの範囲のIC50を有する。本明細書に記載のアッセイは、薬剤が、マクロファージ中の一酸化窒素産生(実施例22)、および/またはマクロファージによるTNF-アルファ産生(実施例23)、および/またはマクロファージによるIL-1ベータ産生(実施例29)、および/またはマクロファージによるIL-8産生(実施例30)、および/またはマクロファージによるMCP-1産生の阻害(実施例31)を含む炎症プロセスを阻害できるか判定するのに用いることができる。発明の一局面では、薬剤は、これら炎症プロセスのいずれか1つの阻害に関して、約10-6〜約10-10Mの範囲のIC50を有する。実施例26に記載のアッセイは、薬剤がMMP産生を阻害できるか判定するのに用いることができる。発明の一局面では、薬剤は、MMP産生の阻害に関して、約10-4〜約10-8Mの範囲のIC50を有する。実施例27に記載のアッセイ(CAMアッセイとしても知られる)は、薬剤が血管新生を阻害できるか判定するのに用いることができる。発明の一局面では、薬剤は、血管新生の阻害に関して、約10-6〜約10-10Mの範囲のIC50を有する。繊維症を阻害する薬剤もまた、ラット頸動脈モデルでの血管内膜過形成の発生の阻害(実施例25)および/またはウサギ外科的癒着モデルでの外科的癒着形成の減少(実施例24)を含むインビトロモデルによって、明らかにできる。
以下を含む多数の治療化合物が、本発明に有用であることが明らかにされている:
A. 5-リポキシゲナーゼインヒビターおよびアンタゴニスト
本発明の態様の1つでは、吻合接合装置と結びついた薬学的に活性な化合物は、5-リポキシゲナーゼインヒビターまたはアンタゴニストである。この生物活性を有する化合物の例としては、以下のものを挙げることができるが、本発明はこれら具体的に列挙する各化合物が、本発明の吻合接合装置と関連付けできることを規定する: Wy-50295(2-ナフタレン酢酸、アルファ-メチル-6-(2-キノリニルメトキシ)-、(S)-)、ONO-LP-269(2,11,14-エイコサトリエンアミド、N-[4-ヒドロキシ-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-8-キノリニル]-、(E,Z,Z)-)、リコフェロン(1H-ピロリジン-5-酢酸、6-(4-クロロフェニル)-2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-7-フェニル-)、CMI-568(尿素、N-ブチル-N-ヒドロキシ-N'-[4-[3-(メチルスルホニル)-2-プロポキシ-5-[テトラヒドロ-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-2-フラニル]フェノキシ]ブチル]-、トランス-)、IP-751((3R,4R)-(デルタ6)-THC-DMH-11-オイク酸)、PF-5901(ベンゼンメタノール、アルファ-ペンチル-3-(2-キノリニルメトキシ)-)、LY-293111(安息香酸、2-[3-[3-[(5-エチル-4'-フルオロ-2-ヒドロキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]プロポキシ]-2-プロピルフェノキシ]-)、RG-5901-A(ベンゼンメタノール、アルファ-ペンチル-3-(2-キノリニルメトキシ)-、塩酸塩)、リロピロックス(2(1H)-ピリジノン、6-[[4-(4-クロロフェノキシ)フェノキシ]メチル]-1-ヒドロキシ-4-メチル-)、L-674636(酢酸、((4-(4-クロロフェニル)-1-(4-(2-キノリニルメトキシ)フェニル)ブチル)チオ)-AS])、7-[[3-(4-メトキシ-テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)フェニル]メトキシ]-4-フェニルナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン、MK-886(1H-インドール-2-プロパン酸、1-[(4-クロロフェニル)メチル]-3-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-アルファ,アルファ-ジメチル-5-(1-メチルエチル)-)、キフラポン(1H-インドール-2-プロパン酸、1-[(4-クロロフェニル)メチル]-3-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-アルファ,アルファ-ジメチル-5-(2-キノリニルメトキシ)-)、キフラポン(1H-インドール-2-プロパン酸、1-[(4-クロロフェニル)メチル]-3-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-アルファ,アルファ-ジメチル-5-(2-キノリニルメトキシ)-)、ドセベノン(2,5-シクロヘキサジエン-1,4-ジオン、2-(12-ヒドロキシ-5,10-ドデカジニル)-3,5,6-トリメチル-)、ジロートン(尿素、N-(1-ベンゾ[b]チエン-2-イルエチル)-N-ヒドロキシ-、またはその類似体もしくは誘導体。
B. ケモカインレセプターアンタゴニストCCR(1,3,&5)
本発明の態様の1つでは、吻合接合装置と結びついた薬学的に活性な化合物は、ケモカインレセプターアンタゴニストである。この生物活性を有する化合物の例としては、以下のものを挙げることができるが、本発明はこれら具体的に列挙する各化合物が、本発明の吻合接合装置と関連付けできることを規定する: ONO-4128(1,4,9-トリアザスピロ(5.5)ウンデカン-2,5-ジオン、1-ブチル-3-(シクロヘキシルメチル)-9-((2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)メチル-)、L-381、CT-112(L-アルギニン、L-トレオニル-L-トレオニル-L-セリル-L-グルタミニル-L-バリル-L-アルギニル-L-プロリル-)、AS-900004、SCH-C、ZK-811752、PD-172084、UK-427857、SB-380732、vMIP II、SB-265610、DPC-168、TAK-779(N,N-ジメチル-N-[4-[2-(4-メチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-8-イルカルボキサミド]ベンジル]テトラヒドロ-2H-ピラン-4-塩化アミニウム)、TAK-220、KRH-1120、またはその類似体もしくは誘導体。
C. 細胞周期インヒビター
本発明の態様の1つでは、吻合接合装置と結びついた薬学的に活性な化合物は、細胞周期インヒビターである。この生物活性を有する化合物の例としては、以下のものを挙げることができるが、本発明はこれら具体的に列挙する各化合物が、本発明の吻合接合装置と関連付けできることを規定する: タキサン(例えばパクリタキセル(以下に、より詳細に論ずる)およびドセタキセル)(Schiff et al., Nature 277:665-667, 1979; Long and Fairchild, Cancer Research 54:4355-4361, 1994; Ringel and Horwitz, J. Nat'l Cancer Inst. 83(4):288-291, 1991; Pazdur et al., Cancer Treat. Rev. 19(40):351-386, 1993)、エタニダゾール(Etanidazole)、ニモラゾール(Nimorazole)(B.A. Chabner and D.L. Longo. Cancer Chemotherapy and Biotherapy - Principles and Practice. Lippincott-Raven Publishers, New York, 1996, p.554)、高圧酸素を用いたペルフルオロ化合物、輸血、エリスロポイエチン、BW12C、ニコチンアミド、ヒドララジン、BSO、WR-2721、ludR、DUdR、エタニダゾール、WR-2721、BSO、モノ-置換ケト-アルデヒド化合物(L.G. Egyud. Keto-aldehyde-amine addition products and method of making same. 米国特許第4,066,650号, Jan 3, 1978)、ニトロイミダゾール(K.C. Agrawal and M. Sakaguchi. Nitroimidazole radiosensitizers for Hypoxic tumor cells and compositions thereof. 米国特許第4,462,992号, Jul. 31, 1984)、5-置換-4-ニトロイミダゾール(Adams et al., Int. J. Radiat. Biol. 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上記細胞周期インヒビターの多くは、広範囲の類似体および誘導体も有しており、本発明の局面の1つにおいては、上記各化合物の類似体および誘導体は吻合接合装置と関係してもよい。例示的類似体および誘導体としては、これに限定されないが:シスプラスチン、シクロホスファミド、ミソニダゾール、チリパザミン、ニトロソ尿素、メルカプトプリン、メトトレキセート、フルオロウラシル、エピルビシン、ドキソルビシン、ビンデシンおよびエトポシドを挙げることができる。類似体および誘導体は、(CPA)2Pt[DOLYM]および(DACH)Pt[DOLYM]シスプラチン(Choi et al., Arch. Pharmacal Res. 22(2):151-156, 1999)、シス-[PtCl2(4,7-H-5-メチル-7-オキソ]1,2,4[トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン)2](Navarro et al., J. Med. Chem. 41(3):332-338, 1998)、[Pt(シス-1,4-DACH](トランス-Cl2)(CBDCA)]・1/2MeOHシスプラチン(Shamsuddin et al., Inorg. Chem. 36(25):5969-5971, 1997)、4-ピリドキセートジアミンヒドロキシ白金(Tokunaga et al., Pharm. Sci. 3(7):353-356, 1997)、Pt(II)・・・Pt(II) (Pt2[NHCHN(C(CH2)(CH3))]4)(Navarro et al., Inorg. Chem. 35(26):7829-7835, 1996)]、254-Sシスプラチン類似体(Koga et al., Neurol. Res. 18(3):244-247, 1996)、o-フェニレンジアミンリガンド担持シスプラチン類似体(Koeckerbauer & Bednarski, J. Inorg. Biochem. 62(4):281-298, 1996)、トランス,シス-[Pt(OAc)2I2(エン)](Kratochwil et al., J. Med. Chem. 39(13):2499-2507, 1996)、エストロゲン性1,2-ジアリールエチレンジアミンリガンド(イオウ含有アミノ酸およびグルタチオンを有する)担持シスプラチン類似体(Bednarski, J. Inorg. Biochem. 62(1):75, 1996)、シス-1,4-ジアミノシクロヘキサンシスプラチン類似体(Shamsuddin et al., J. Inorg. Biochem. 61(4):291-301, 1996)、シス-[Pt(NH3)(4-アミノTEMP-O){d(GpG)}]の5'配向性異性体(Dunham & Lippard, J. Am. Chem. Soc. 117(43):10702-12, 1995)、キレート化ジアミン担持シスプラチン類似体(Koeckerbauer & Bednarski, J. Pharm. Sci. 84(7):819-23, 1995)、1,2-ジアリールエチレンアミンリガンド担持シスプラチン類似体(Otto et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol. 121(1):31-8, 1995)、(エチレンジアミン)白金(II)錯体(Pasini et al., J. Chem. Soc., Dalton Trans. 4:579-85, 1995)、CI-973シスプラチン類似体(Yang et al., Int. J. Oncol. 5(3):597-602, 1994)、シス-ジアミンジクロロ白金(II)ならびにその類似体であるシス-1,1-シクロブタンジカルボシラト(2R)-2-メチル-1,4-ブタンジアム-ミン白金(II)およびシス-ジアミン(グリコラト)白金
Figure 2006525855
シス-アミン-シクロヘキシルアミン-ジクロロ白金(II)(Yoshida et al., Biochem. Pharmacol. 48(4):793-9, 1994)、ゲム-ジホスホネートシスプラチン類似体(FR 2683529)、(メソ-1,2-ビス(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)エチレンジアミン)ジクロロ白金(II)(Bednarski et al., J. Med. Chem. 35(23):4479-85, 1992)、係留ダンシル基を含有するシスプラチン類似体(Hartwig et al., J. Am. Chem. Soc. 114(21):8292-3, 1992)、白金(II)ポリアミン(Siegmann et al., Inorg. Met.-Containing Polym. Mater., (Proc. Am. Chem. Soc. Int. Symp.), 335-61, 1990)、シス-(3H)ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)(Eastman, Anal. Biochem. 197(2):311-15, 1991)、トランス-ジアミンジクロロ白金(II)およびシス-(Pt(NH3)2(N3-シトシン)Cl)(Bellon & Lippard, Biophys. Chem. 35(2-3):179-88, 1990)、3H-シス-1,2-ジアミノシクロヘキサンジクロロ白金(II)および3H-シス-1,2-ジアミノシクロヘキサンマロナート白金(II)(Oswald et al., Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol. 64(1):41-58, 1989)、ジアミノカルボキシラト白金(EPA 296321)、トランス-(D,1)-1,2-ジアミノシクロヘキサンキャリアリガンド担持白金類似体(Wyrick & Chaney, J. Labelled Compd. Radiopharm. 25(4):349-57, 1988)、アミノアルキルアミノアントラキノン-誘導シスプラチン類似体(Kitov et al., Eur. J. Med. 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Perkin Trans. 1(19):3145-3146, 1998)、1,4-オキサヘテロエパン(oxaheteroepane)成分を有する5-フルオロウラシル誘導体(Gomez et al., Tetrahedron 54(43):13295-13312, 1998)、5-フルオロウラシルおよびヌクレオシド類似体(Li, Anticancer Res. 17(1A):21-27, 1997)、シス-およびトランス-5-フルオロ-5,6-ジヒドロ-6-アルコキシウラシル(Van der Wilt et al., Br. J. Cancer 68(4):702-7, 1993)、シクロペンタン5-フルオロウラシル類似体(Hronowski & Szarek, Can. J. Chem. 70(4):1162-9, 1992)、A-OT-フルオロウラシル(Zhang et al., Zongguo Yiyao Gongye Zazhi 20(11):513-15, 1989)、N4-トリメトキシベンゾイル-5'-デオキシ-5-フルオロシチジンおよび5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(Miwa et al., Chem. Pharm. Bull. 38(4):998-1003, 1990)、1-ヘキシルカルバモイル-5-フルオロウラシル(Hoshi et al., J. Pharmacobio-Dun. 3(9):478-81, 1980; Maehara et al., Chemotherapy (Basel) 34(6):484-9, 1988)、B-3839(Prajda et al., In Vivo 2(2):151-4, 1988)、ウラシル-1-(2-テトラヒドロフリル)-5-フルオロウラシル(Anai et al., Oncology 45(3):144-7, 1988)、1-(2'-デオキシ-2'-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)-5-フルオロウラシル(Suzuko et al., Mol. Pharmacol. 31(3):301-6, 1987)、ドキシフルリジン(Matuura et al., Oyo Yakuri 29(5):803-31, 1985)、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(Bollag & Hartmann, Eur. J. Cancer 16(4):427-32, 1980)、1-アセチル-3-O-トルイル-5-フルオロウラシル(Okada, Hiroshima J. Med. Sci. 28(1):49-66, 1979)、5-フルオロウラシル-m-ホルミルベンゼン-スルホネート(JP 55059173)、N'-(2-フラニジル)-5-フルオロウラシル(JP 53149985)および1-(2-テトラヒドロフリル)-5-フルオロウラシル(JP 52089680); 4'-エピドキソルビシン(Lanius, Adv. Chemother. Gastrointest. Cancer, (Int. Symp.), 159-67, 1984); N-置換デアセチルビンブラスチンアミド(ビンデシン)硫酸塩類(Conrad et al., J. Med. Chem. 22(4):391-400, 1979);およびCu(II)-VP-16(エトポシド)錯体(Tawa et al., Bioorg. Med. Chem. 6(7):1003-1008, 1998)、ピロールカルボキサアミジノ担持エトポシド類似体(Ji et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 7(5):607-612, 1997)、4β-アミノエトポシド類似体(Hu, University of North Carolina Dissertation, 1992)、γ-ラクトン環-修飾アリールアミノエトポシド類似体(Zhou et al., J. Med. Chem. 37(2):287-92, 1994)、N-グルコシルエトポシド類似体(Allevi et al., Tetrahedron Lett. 34(45):7313-16, 1993)、エトポシドA-環類似体(Kadow et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2(1):17-22, 1992)、4'-デスヒドロキシ-4'-メチルエトポシド(Saulnier et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2(10):1213-18, 1992)、ペンドラム環エトポシド類似体(Sinha et al., Eur. J. Cancer 26(5):590-3, 1990)およびE-環デスオキシエトポシド類似体(Saulnier et al., J. Med. Chem. 32(7):1418-20, 1989)を包含する。別の局面では、本発明は、上記細胞周期インヒビターのそれぞれが、治療上有効な様式および治療上有効な濃度にて、吻合接合装置と関連して置かれることを規定する。
発明の好ましい態様の1つでは、細胞周期インヒビターは、チューブリンと結合して異常な有糸分裂紡錘体を形成することによって、有糸分裂(M期)を妨害する化合物であるパクリタキセル、またはその類似体もしくは誘導体である。簡単に説明すると、パクリタキセルは、高度に誘導体化されたジテルペノイドであり(Wani et al., J. Am. Chem. Soc. 93:2325, 1971)、セイヨウイチイ(Taxus brevifolia) タイヘイヨウイチイ(Pacific Yew) より集め乾燥させた樹皮、およびタイヘイヨウイチイのTaxomyces Andreanaeおよび内部寄生性真菌(Endophytic Fungus)から得られている(Stierle et al., Science 60:214-216, 1993)。「パクリタキセル」(ここでは、例えばTAXOL(登録商標)、TAXOTERE(登録商標)、ドセタキセル、パクリタキセルの10-デスアセチル類似体、およびパクリタキセルの3'N-デスベンゾイル-3'N-t-ブトキシカルボニル類似体のような、処方剤、プロドラッグ、類似体および誘導体を包含すると理解するものとする)は、当業者周知の技術を用いて、容易に調製できる。
Figure 2006525855
または、例えばSigma Chemical Co., St. Louis, Missouri(T7402-Taxus brevifolia由来)を含む、各種商業的供給源より得ることができる。
パクリタキセル誘導体または類似体の代表例としては、7-デオキシ-ドセタキソール、7,8-シクロプロパタキサン類、N-置換2-アセチドン類、6,7-エポキシパクリタキセル類、6,7-修飾パクリタキセル類、10-デサセトキシタキソール、10-デアセチルタキソール(10-デアセチルバッカチンIIIより)、タキソールのホスホノオキシおよびカルボネート誘導体、タキソール2',7-ジ(ナトリウム1,2-ベンゼンジカルボキシレート、10-デサセトキシ-11,12-ジヒドロタキソール-10,12(18)-ジエン誘導体、10-デサセトキシタキソール、プロタキソール(2'-および/または7-O-エステル誘導体)、(2'-および/または7-O-カルボネート誘導体)、タキソール側鎖の非対称合成、フルオロタキソール類、9-デオキソタキサン、(13-アセチル-9-デオキソバッカチンIII、9-デオキソタキソール、7-デオキシ-9-デオキソタキソール、10-デサセトキシ-7-デオキシ-9-デオキソタキソール、水素またはアセチル基ならびにヒドロキシおよび tert-ブトキシカルボニルアミノを含有する誘導体、スルホン化2'-アクリロイルタキソールおよびスルホン化2'-O-アシル酸タキソール誘導体、スクシニルタキソール、2'-γ-アミノブチリルタキソールホルメート、2'-アセチルタキソール、7-アセチルタキソール、7-グリシンカルバメートタキソール、2'-OH-7-PEG(5000)カルバメートタキソール、2'-ベンゾイルおよび2',7-ジベンゾイルタキソール誘導体、他のプロドラッグ類(2'-アセチルタキソール; 2',7-ジアセチルタキソール; 2'スクシニルタキソール; 2'-(ベータ-アラニル)-タキソール); 2'ガンマ-アミノブチリルタキソールホルメート; 2'-スクシニルタキソールのエチレングリコール誘導体; 2'-グルタリルタキソール; 2'-(N,N-ジメチルグリシル)タキソール; 2'-(2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオニル)タキソール; 2'オルトカルボキシベンゾイルタキソール; タキソールの2'脂肪族カルボン酸誘導体; プロドラッグ類 {2'(N,N-ジエチルアミノプロピオニル)タキソール、2'(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、7(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、2',7-ジ-(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、7(N,N-ジエチルアミノプロピオニル)タキソール、2',7-ジ(N,N-ジエチルアミノプロピピオニル)タキソール、2'-(L-グリシル)タキソール、7-(L-グリシル)タキソール、2',7-ジ(L-グリシル)タキソール、2'-(L-アラニル)タキソール、7-(L-アラニル)タキソール、2',7-ジ(L-アラニル)タキソール、2'-(L-ロイシル)タキソール、7-(L-ロイシル)タキソール、2',7-ジ(L-ロイシル)タキソール、2'-(L-イソロイシル)タキソール、7-(L-イソロイシル)タキソール、2',7-ジ(L-イソロイシル)タキソール、2'-(L-バリル)タキソール、7-(L-バリル)タキソール、2'7-ジ(L-バリル)タキソール、2'-(L-フェニルアラニル)タキソール、7-(L-フェニルアラニル)タキソール、2',7-ジ(L-フェニルアラニル)タキソール、2'-(L-プロリル)タキソール、7-(L-プロリル)タキソール、2',7-ジ(L-プロリル)タキソール、2'-(L-リシル)タキソール、7-(L-リシル)タキソール、2',7-ジ(L-リシル)タキソール、2'-(L-グルタミル)タキソール、7-(L-グルタミル)タキソール、2',7-ジ(L-グルタミル)タキソール、2'-(L-アルギニル)タキソール、7-(L-アルギニル)タキソール、2',7-ジ(L-アルギニル)タキソール}、修飾フェニルイソセリン側鎖を有するタキソール類似体、タキソテール(Taxotere)、(N-デベンゾイル-N-tert-(ブトキシカルボニル)-10-デアセチルタキソール、およびタキサン類(例えばバッカチンIII、セファロマニン、10-デアセチルバッカチンIII、ブレビフォリオール(brevifoliol)、ユナンタクシン(yunantaxusin)およびタクスシン); ならびに他のタキサン類似体および誘導体、例えば、14-ベータ-ヒドロキシ-10デアセチバッカチンIII、デベンゾイル-2-アシルパクリタキセル誘導体、ベンゾエートパクリタキセル誘導体、ホスホノオキシおよびカルボネートパクリタキセル誘導体、スルホン化2'-アクリロイルタキソール; スルホン化2'-O-アシル酸パクリタキセル誘導体、18-サイト-置換パクリタキセル誘導体、塩素化パクリタキセル類似体、C4メトキシエーテルパクリタキセル誘導体、スルフェンアミドタキサン誘導体、臭素化パクリタキセル類似体、ジラードタキサン誘導体、ニトロフェニルパクリタキセル、10-デアセチル化置換パクリタキセル誘導体、14-ベータ-ヒドロキシ-10デアセチルバッカチンIIIタキサン誘導体、C7タキサン誘導体、C10タキサン誘導体、2-デベンゾイル-2-アシルタキサン誘導体、2-デベンゾイルおよび-2-アシルパクリタキセル誘導体、新規C2およびC4官能基を担持するタキサンおよびバッカチンIII類似体、n-アシルパクリタキセル類似体、10-デアセチルタキソールA、10-デアセチルタキソールB、および10-デアセチルタキソールの10-デアセチルバッカチンIIIおよび7-保護-10-デアセチルバッカチンIII誘導体、タキソールの安息香酸塩誘導体、2-アロイル-4-アシルパクリタキセル類似体、オルト-エステルパクリタキセル類似体、2-アロイル-4-アシルパクリタキセル類似体、ならびに1-デオキシパクリタキセルおよび1-デオキシパクリタキセル類似体を包含する、その他タキサン類似体および誘導体を挙げることができる。
局面の1つでは、細胞周期インヒビターは次式(C1)を有するタキサンである:
Figure 2006525855
式中、グレーの強調部分は置換されていてもよく、非強調部分はタキサンの核である。側鎖(図中「A」で印を付けている)は、細胞周期インヒビターとして良好な活性を化合物が有するための順番で存在していることが望ましい。この構造を有する化合物の例としては、パクリタキセル(Merck Index entry 7117)、ドセタキソール(タキソテール Merck Index entry 3458)、および3'-デスフェニル-3'-(4-ニトロフェニル)-N-デベンゾイル-N-(t-ブトキシカルボニル)-10-デアセチルタキソールを挙げることができる。
局面の1つでは、パクリタキセルのような好適なタキサン、ならびにその類似体および誘導体は、米国特許第5,440,056号に構造(C2)を有するものとして開示されている:
Figure 2006525855
式中、Xは、酸素(パクリタキセル)、水素(9-デオキシ誘導体)、チオアシルまたはジヒドロキシ前駆体でよく;R1は、パクリタキセルもしくはタキソテール側鎖、あるいは式(C3)のアルカノイルから選択され
Figure 2006525855
式中、R7は、水素、アルキル、フェニル、アルコキシ、アミノ、フェノキシ(置換または非置換)から選択され; R8は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、フェニル(置換または非置換)、アルファもしくはベータ-ナフチルから選択され;そしてR9は、水素、アルカノイル、置換アルカノイル、およびアミノアルカノイルから選択され; このとき置換は、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルアルコキシル(allalkoxyl)、カルボキシル、ハロゲン、チオアルコキシル、N,N-ジメチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロおよび-OSO3Hを指し、さらに/またはこのような置換を含む基を指してもよく; R2は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシル、アルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシおよびペプチジアルカノイルオキシ(peptidyalkanoyloxy)から選択され; R3は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシル、アルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシおよびペプチジアルカノイルオキシから選択され、さらにシリル含有基もしくはイオウ含有基であってもよく; R4は、アシル、アルキル、アルカノイル、アミノアルカノイル、ペプチジルアルカノイルおよびアロイルから選択され; R5は、アシル、アルキル、アルカノイル、アミノアルカノイル、ペプチジルアルカノイルおよびアロイルから選択され; R6は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシルアルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシ、およびペプチジアルカノイルオキシから選択される。
局面の1つでは、本発明において細胞周期インヒビターとして有用なパクリタキセル類似体または誘導体は、PCT国際特許出願WO93/10076号に開示されている。この出願に開示されているように、類似体または誘導体は、以下の構造式(式C4)に示すように、タキサンに抗腫瘍活性を付与するために、C13の位置でタキサン核に結合する側鎖を有していなければならない。
Figure 2006525855
WO93/10076は、タキサン核が、既存のメチル基を除いていずれの位置でも置換されていることができることを開示している。置換としては、例えば水素、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アリールオキシが挙げられる。これに加えて、オキソ基を2、4、9、10の位置の炭素に結合してもよい。同様に、オキセタン環も炭素4および5に結合してもよい。同様に、オキシラン環も4の位置の炭素に結合してもよい。
局面の1つでは、本発明において有用であるタキサンを基礎とする細胞周期インヒビターは、米国特許第5,440,056号に開示されており、それは9-デキソタキサンを開示している。これらは、上記タキサン構造式(式C4)の9の位置にある炭素でオキソ基を欠いた化合物である。タキサン環は、1、7および10の位置の炭素で(独立に)、H、OH、O-RまたはO-CO-Rで置換されていてもよく、このときRは、アルキルもしくはアミノアルキルである。同様に、それは2および4の位置の炭素で(独立に)、アリオール(aryol)、アルカノイル、アミノアルカノイルまたはアルキル基で置換されていてもよい。式(C3)の側鎖は、R7およびR8で(独立に)、フェニル環、置換フェニル環、直鎖アルカン/アルケン、およびH、OもしくはNを含む基で置換されていてもよい。R9は、Hまたは置換もしくは非置換アルカノイル基で置換されていてもよい。
一般的にタキサンは、さらにパクリタキセルは特に、抗微小管剤として、より具体的には安定化剤として働くことによって細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これら化合物は、非小細胞(NSC)肺癌; 小細胞肺癌; 乳癌; 前立腺癌; 子宮頚癌; 子宮内膜; 頭部癌および頸部癌を含む、増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
吻合結合装置に関係する薬剤は、発明の局面の1つでは、抗微小管活性を有しており、このとき抗微小管活性を試験するアッセイは当技術分野において周知であり、例えば、Allan, V.J. and Vale, R.D. 1991. Cell cycle control of microtubule-based transport and tubule formation in vitro. J. Cell Biol. 113:347-359; Coue, M., Lombillo, V.A. and Mclntosh, J.R. 1991. Microtubule depolymerization promotes particle and chromosome movement in vitro. J. Cell Biol. 112:1165-1175; and Dabora, S.L. and Sheetz, M.P. 1988. Microtubule dependent formation of a tubular vesicular network with characteristics of the endoplasmic reticulum from cultured cell extracts. Cell 54:27-35.を挙げることができる。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ビンカアルカロイドである。ビンカアルカロイドは以下の一般構造を有する。それらはインドールジヒドロインドールダイマーである。
Figure 2006525855
米国特許第4,841,045号および第5,030,620号に開示されているように、R1は、ホルミルまたはメチル基、あるいはHでよい。R1は、アルキル基またはアルデヒド置換アルキル(例えばCH2CHO)でもよいであろう。R2は、典型的にはCH3またはNH2基である。しかしながら、それは、それに代わって低級アルキルエステルで置換されていることもでき、またはジヒドロインドール核に結合しているエステルをC(O)-Rで置換されていてもよく、このときは、NH2、アミノ酸エステルまたはペプチドエステルである。R3は、典型的にはC(O)CH3、CH3またはHで置換されていてもよい。または、タンパク質断片をマレオイルアミノ酸のような二官能基を用いて結合してもよい。R3も置換されて、さらに置換されていてもよいアルキルエステルを形成できる。R4は、-CH2-または単結合でよい。R5およびR6は、H、OHまたは低級アルキルのいずれかでよく、典型的には-CH2CH3でよい。またはR6およびR7は、一つになってオキセタン環を形成してもよい。R7はあるいはHでもよい。さらなる置換としては、メチル基が他のアルキル基で置換された分子を挙げることができ、そして不飽和環はそれによって、アルカン、アルケン、アルキン、ハロゲン、エステル、アミドまたはアミノ基といった側基の付加により誘導されてもよい。
例示的なビンカアルカロイド(Vinca Alkaloids)はビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンであり、以下の構造を有する:
Figure 2006525855
類似体は、典型的には、活性を持つために側基(斜線部分)を必要とする。これら化合物は、抗微小管剤として機能することによって、より具体的には重合を阻害することによって、細胞周期インヒビターとして働くと考えられている。これら化合物は、NSC肺癌;小細胞肺癌;乳癌;前立腺癌;脳癌;頭部および頸部癌; 網膜芽腫; 膀胱癌; および陰茎癌; ならびに軟組織肉腫を含む増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、カンプトテシン、またはその類似体もしくは誘導体である。カンプトテシンは、以下の一般構造を有する。
Figure 2006525855
この構造では、Xは、典型的にはOであるが、別の基でもよく、例えば21-ラクタム誘導体の場合にはNHである。R1は、典型的には、HまたはOHであるが、別の基でもよく、例えば末端がヒドロキシル化されたC1〜C3アルカンでもよい。R2は、典型的にはHまたは(CH3)2NHCH2のようなアミノ含有基であるが、別の基でもよく、例えばNO2、NH2、ハロゲン(例えば米国特許第5,552,156号に開示されているような)またはこれらの基を含む短いアルカンでもよい。R3は、典型的にはHまたはC2H5のような短いアルキルである。R4は、典型的にはHであるが、別の基でもよく、例えばR1を有するメチレンジオキシ基でもよい。
例示的なカンプトテシン化合物としては、トポテカン、イリノテカン(CPT-11)、9-アミノカプトテシン、21-ラクタム-20(S)-カンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、SN-38、9-ニトロカプトテシン、10-ヒドロキシカプトテシンを挙げることができる。典型的な化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
カンプトテシンはここに示すように5個の環を有する。Eで示した環は、最大の活性および最小の毒性のためには未変性でなければならない(カルボキシル化型よりはむしろラクトン型)。これら化合物は細胞周期インヒビターとして有用であり、その場合、これらはトポイソメラーゼIインヒビターおよび/またはDNA開裂剤として機能する。トポイソメラーゼIインヒビターは、Liu, L.F. and Miller, K.G. (1981) PNAS 76:3487-3491が記載したような弛緩アッセイを用いて同定できる。それらは、例えばNSC肺癌; 小細胞肺癌;および子宮頚癌を含む、増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ポドフィロトキシン、またはその誘導体もしくは類似体である。このタイプの代表的な化合物は、エトポシドまたはテニポシドであり、それらは以下の構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、トポイソメラーゼIIインヒビターおよび/またはDNA開裂剤であることによって細胞周囲インヒビターとして機能すると考えられている。トポイソメラーゼIIインヒビターは、Liu, L.F. et al. (1981) Nucleic Acids Res. 9:3979-3989により記載されているような活性アッセイを用いて同定できる。それらは、例えば小細胞肺癌、前立腺癌および脳癌、ならびに網膜芽腫において抗増殖薬剤として有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、アントラサイクリンである。アントラサイクリンは次の一般構造を有し、この場合R群は、様々な有機基でよい:
Figure 2006525855
米国特許第5,594,158号によれば、好適なR群は: R1は、CH3またはCH2OHであり; R2はダウノサミンまたはHであり; R3およびR4は、独立にOH、NO2、NH2、F、Cl、Br、I、CN、Hまたはこれらに由来する基であり; R5〜R7は、すべてHであるか、R5およびR6は、Hであり、R7およびR8はアルキルもしくはハロゲンであるか、またはその逆であり: R7およびR8は、Hであり、そしてR5およびR6は、アルキルもしくはハロゲンである。
米国特許第5,843,903号によれば、R2は、複合ペプチドでもよい。米国特許第4,215,062号および第4,296,105号によれば、R5は、OHまたはエーテル結合アルキル基でよい。R1もまた、式中のXが、Hまたはアルキル基である-CH2CH(CH2-X)C(O)-R1のような、その端部にC(O)結合部分を有するアルキルまたは分岐アルキル基のような、C(O)以外の基によりアントラサイクリンに結合できる(例えば、米国特許第4,215,062号参照)。R2は、または、官能基=N-NHC(O)-Yにより結合した基でもよく、このときYは、フェニルまたは置換フェニル環のような基である。または、R3は以下の構造を有する:
Figure 2006525855
構造中R9は、環の平面内または外のいずれかにあるOHであり、あるいはR3のような第二糖成分である。R10は、Hでもよく、または芳香族基、少なくとも1つの環窒素を有する飽和もしくは部分的に飽和した5もしくは6員複素環のような基と共に第二級アミンを形成してもよい(米国特許第5,843,903号参照)。または、R10は、アミノ酸に由来してもよく、構造 C(O)CH(NHR11)(R12)を有し、式中R11は、Hであるか、またはR12と共にC3〜C4員アルキレンを形成する。R12は、H、アルキル、アミノアルキル、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト、フェニル、ベンジルまたはメチルチオでよい(米国特許第4,296,105号参照)。
代表的なアントラサイクリン(Anthracycline)はドキソルビシン(Doxorubicin)、ダウノルビシン(Daunorubicin)、イダルビシン(Idarubicin)、エピルビシン(Epirubicin)、ピラルビシン(Pirarubicin)、ゾルビシン(Zorubicin)およびカルビシン(Carubicin)である。好適な化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
その他の好適なアントラサイクリン(Anthracyclines)は、次の構造を有するアントラマイシン(Anthramycin)、ミトキサントロン(Mitoxantrone)、メノガリル(Menogaril)、ノガラマイシン(Nogalamycin)、アクラシノマイシンA (Aclacinomycin A)、オリボマイシンA (Olivomycin A)、クロモマイシンA3 (Chromomycin A3)、およびプリカマシイン(Plicamycin)である:
Figure 2006525855
これら化合物は、トポイソメラーゼインヒビターであることによって、および/またはDNA開裂薬剤により、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これらは、小細胞肺癌; 乳癌; 子宮内膜癌; 頭部および頸部癌; 網膜芽腫; 肝臓癌; 胆管癌; 島細胞癌; および膀胱癌、ならびに軟組織肉腫を含む増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、白金化合物である。一般に、好適な白金錯体は、Pt(II)またはPt(IV)でよく、この基本構造を有する:
Figure 2006525855
構造中XおよびYは硫酸、リン酸、カルボキシレートおよびハロゲンなどの陰イオン脱離基であり; R1およびR2は、アルキル、アミン、アミノアルキルであり、いずれもさらに置換されていてもよく、基本的に不活性または架橋基である。Pt(II)錯体では、Z1およびZ2は存在しない。Pt(IV)では、Z1およびZ2は、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシレート、エステル、硫酸またはリン酸のような陰イオン基でよい。例えば、米国特許第4,588,831号および第4,250,189号を参照されたい。
好適な白金錯体は、複数の白金原子を含んでもよい。例えば、米国特許第5,409,915号および第5,380,897号を参照されたい。例えば、次のタイプのビス白金およびトリ白金錯体:
Figure 2006525855
例示的白金化合物は、次の構造を有するシスプラチン(Cisplatin)、カルボプラチン(Carboplatin)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)およびミボプラチン(Miboplatin)である:
Figure 2006525855
これら化合物は、DNAに結合することによって、即ちDNAのアルキル化剤として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これら化合物は、NSC肺癌; 小細胞肺癌; 乳癌; 子宮頚癌; 脳癌; 頭部および頸部癌; 食道癌; 網膜芽腫; 肝臓癌; 胆管癌; 膀胱癌; 陰茎癌; および陰門癌; ならびに軟組織肉腫を含む、細胞増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ニトロソ尿素である。ニトロソ尿素は以下の一般構造(C5)を有し、この場合に典型的なRを次に示す。
Figure 2006525855
Figure 2006525855
その他の好適なRとしては、環式アルカン、アルカン、ハロゲン置換基、糖、アリールおよびヘテロアリール基、ホスホニルおよびスルホニル基が挙げられる。米国特許第4,367,239号に開示されているように、Rは、CH2-C(X)(Y)(Z)でも好適であり、このときXおよびYは、同一または異なる次の基のメンバーでよい:フェニル、シクルヘキシルまたは、ハロゲン、低級アルキル(C1〜C4)、トリフルオロメチル、シアノ、フェニル、シクロヘキシル、低級アルキルオキシ(C1〜C4)のような基で置換されているフェニルもしくはシクロヘキシル基。Zは次の構造を有する: -アルキレン-N-R1R2、この場合のR1およびR2は、同一または異なる次の基のメンバーでよい: 低級アルキル(C1〜C4)およびベンジル、またはR1とR2とは一緒になって、ピロリジン、ピペリジン、モルフォリン、チオモルフォリン、N-低級アルキルピペラジンのような飽和5もしくは6員複素環を形成してもよく、この場合複素環は、場合によって低級アルキル基で置換されてもよい。
米国特許第6,096,923号に開示されているように、式(C5)のRおよびR'は、同一でもまたは異なっていてもよく、この場合それぞれは1〜10個の炭素を有する置換または非置換炭化水素でもよい。置換基としては、ヒドロカルビル、ハロ、エステル、アミド、カルボン酸、エーテル、チオエーテルおよびアルコール基が挙げられる。米国特許第4,472,379号に開示されているように、式(C5)のRは、アミド結合およびピラノース構造(例えばメチル2'-[N-[N-(2-クロロエチル)-N-ニトロソ-カルバモイル]-グリシル]アミノ-2'-デオキシ-α-D-グルコピラノシド)でよい。米国特許第4,150,146に開示されているように、式(C5)のRは、2〜6個の炭素のアルキル基でよく、エステル、スルホニル、またはヒドロキシル基で置換されていてもよい。それはまた、カルボン酸(carboxylica acid)またはCONH2基で置換されていてもよい。
例示的なニトロソ尿素はBCNU(カルムスチン)(BCNU (Carmustine))、メチル-CCNU(セムスチン)(Methyl-CCNU (Semustine))、CCNU(ロムスチン)(CCNU (Lomustine))、ラニムスチン(Ranimustine)、ニムスチン(Nimustine)、クロロゾトシン(Chlorozotocin)、ホテムスチン(Fotemustine)、ストレプトゾシン(Streptozocin)およびストレプトゾシン(Streptozocin)であり、以下の構造を有する:
Figure 2006525855
これらニトロソ尿素化合物は、DNAと結合することによって、即ちDNAアルキル化剤として機能することによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これら細胞周期インヒビターは、例えば島細胞癌; 小細胞肺癌; メラノーマ; および脳癌のような細胞増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ニトロイミダゾール(Nitroimidazole)であり、この場合例示的ニトロイミダゾールはメトロニダゾール(Metronidazole)、ベンズニダゾール(Benznidazole)、エタニダゾール(Etanidazole)およびミソニダゾール(Misonidazole)であり、次の構造を有する:
Figure 2006525855
好適なニトロイミダゾール化合物は、例えば米国特許第4,371,540号および第4,462,992号に開示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、メトトレキセート(Methotrexate)、またはエダトレキセート(Edatrexate)、トリメトレキセート(Trimetrexate)、ラルチトレキセード(Raltitrexed)、ピリトレキシム(Piritrexim)、デノプテリン(Denopterin)、トムデクス(Tomudex)およびプテロプテリン(Pteropterin)を含むその誘導体もしくは類似体のような葉酸アンタゴニストである。メトトレキセート類似体は次の一般構造を有する:
Figure 2006525855
R基そのものは、有機基、特に米国特許第5,166,149号および第5,382,582号に記載の基から選択できる。例えばR1は、Nでよく、R2は、NまたはC(CH3)でよく、R3およびR3'は、Hまたはアルキル、例えばCH3でよく、R4は、単結合またはNRでよく、この場合のRはHまたはアルキル基である。R5,6,8は、H、OCH3でよく、またはそれらはハロゲンまたはヒドロ基でもよい。R7は、次の一般構造を持つ側鎖である:
Figure 2006525855
構造中、メトトレキセートの場合は、n=1、プテロプテリンの場合は、n=3である。側鎖中のカルボキシル基は、エステル化されても、またはZn2+塩のような塩を形成してもよい。R9およびR10はNH2でもよく、またはアルキル置換されていてもよい。
例示的な葉酸アンタゴニスト化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、葉酸の代謝拮抗物質として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これらは、例えば軟組織肉腫、小細胞肺癌、乳癌、脳癌、頭部および頸部癌、膀胱癌および陰茎癌を含む、細胞増殖性疾患の治療に役立つことが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、シタラビンおよび、エノシタビン、FMdC((E(-2'-デオキシ-2'-(フルオロメチレン)シチジン)、ゲムシタビン、5-アザシチジン、アンシタビンおよび6-アザウリジンを含む、その誘導体もしくは類似体のようなシチジン類似体である。例示的化合物は以下の構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、ピリミジンの代謝拮抗物質として働く細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これら化合物は、例えば膵臓癌、乳癌、子宮頚癌、NSC肺癌、および胆管癌を含む、細胞増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ピリミジン類似体である。局面の1つでは、ピリミジン類似体は次の一般構造を有し:
Figure 2006525855
構造中、糖環上の位置2'、3'および5'(それぞれR2、R3およびR4)は、H、ヒドロキシル、ホスホリル(例えば米国特許第4,086,417号参照)またはエステル(米国特許第3,894,000号参照)でよい。エステルは、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクロ/アリール型でよい。2'炭素は、R2またはR2'のいずれかでヒドロキシル化することができ、その他の基はHである。または、2'炭素は、ハロゲン、例えばゲムシタビン(Gemcytabine)のようなフルオロまたはジフルオロシチジンで置換されていることができる。または、糖はフリル基のような別の複素環基またはアルカン、アルキルエーテルもしくはC(O)NH(CH2)5CH3のようなアミド結合アルカンで置換されていることができる。2°アミンは、アミド(例えば米国特許3,991,045号参照)またはウレタン(例えば米国特許第3,894,000号参照)結合と結合した脂肪族アシル(R1)で置換されていることができる。それはさらに置換されて第四級アンモニウム塩を形成できる。ピリミジン環中のR5は、NまたはCRでよく、このときRは、H、ハロゲン含有基、またはアルキルである(例えば米国特許第4,086,417号参照)。R6およびR7は、一緒になってオキソ基を形成できるか、またはR6=-NH-R1およびR7=Hである。R8は、Hであるか、またはR7およびR8は、一緒になって二重結合を形成するか、またはR8はXでよく、この場合Xは次のとおりである:
Figure 2006525855
具体的なピリミジン類似体は、米国特許第3,894,000号(例えば2'-O-パルミチル-アラ-シチジン、3'-O-ベンゾイル-アラ-シチジン、および10以上の例を参照);米国特許第3,991,045号(例えばN4-アシル-1-β-D-アラビノフラノシルシトシン、およびそこに記載されている、パルミトイルのような多数のアシル基誘導体を参照)に開示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、5-フルオロウラシル、またはカルモフール(Carmofur)、ドキシフルリジン(Doxifluridine)、エミテフール(Emitefur)、テガフール(Tegafur)およびフロクスウリジン(Floxuridine)を含むその類似体または誘導体のようなフルオロ-ピリミジン類似体である。例示的化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
その他の好適なフルオロピリミジン類似体としては、5-FudR(5-フルオロデオキシウリジン)、または5-ヨードデオキシウリジン(5-ludR)、5-ブロモデオキシウリジン(5-BudR)、フルオロウリジン三リン酸(5-FUTP)およびフルオロデオキシウリジン一リン酸(5-dFUMP)を含む、その類似体または誘導体を挙げることができる。例示的化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、ピリミジンの代謝拮抗剤として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。これら化合物は、乳癌、子宮頚癌、非メラノーマ皮膚癌、頭部および頸部癌、食道癌、胆管癌、膵臓癌、島細胞癌、陰茎癌および陰門癌のような、細胞増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、プリン類似体である。プリン類似体は次の一般構造を有する:
Figure 2006525855
構造中Xは、典型的には炭素である; R1は、H、ハロゲン、アミンまたは置換フェニルである; R2は、H、第一級、第二級または第三級アミン、イオウ含有基、典型的には-SH、アルカン、環式アルカン、複素環または糖である; R3は、H、糖(典型的にはフラノースまたはピラノース構造)、置換糖または環式もしくは複素環式アルカンもしくはアリール基である。このタイプの化合物については、例えば米国特許第5,602,140号を参照されたい。
ペントスタチンの場合には、X-R2は-CH2CH(OH)-である。この場合は、第二炭素原子は、Xと隣接する窒素原子との間で、環に挿入される。X-N二重結合は単結合になる。
米国特許第5,446,139号は、次式に示すタイプの好適なプリン類似体を記載している。
Figure 2006525855
式中、Nは、窒素を表し、V、W、X、Zは以下の条件付きで炭素または窒素でよい。環Aは、その構造内に0〜3個の窒素原子を有することができる。環A内に2個の窒素原子がある場合は、1つはW位置になければならない。1個しか存在しない場合は、それはQ位置にあってはならない。VおよびQは同時に窒素であってはならず、ZおよびQは同時に窒素であってはならない。Zが窒素の時は、R3は存在しない。さらに、R1〜R3は、独立に、H、ハロゲン、C1〜C7アルキル、C1〜C7アルケニル、ヒドロキシル、メルカプト、C1〜C7アルキルチオ、C1〜C7アルコキシ、C2〜C7アルケニルオキシ、アリールオキシ、ニトロ、第一級、第二級または第三級アミン含有基の1つである。R5〜R8は、Hであるか、または最大2つの位置は、独立にOH、ハロゲン、シアノ、アジド、置換アミノの一つを含んでもよく、R5およびR7は一緒になって二重結合を形成することができる。Yは、H、C1〜C7アルキルカルボニルまたは一、二、または三リン酸塩である。
例示的な好適なプリン類似体としては、6-メルカプトプリン(6-Mercaptopurine)、チグアノシン(Thiguanosine)、チアミプリン(Thiamiprine)、クラドリビン(Cladribine)、フルダリビン(Fludaribine)、ツベルシジン(Tubercidin)、ピューロマイシン(Puromycin)、ペントキシフィリン(Pentoxyfilline)を挙げることができる; これら化合物は、リン酸化されてもよい。例示の化合物は、以下の構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、プリンの代謝拮抗剤として働くことで、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ナイトロジェンマスタードである。多くの好適なナイトロジェンマスタードが知られており、本発明において細胞周期インヒビターとして好適に用いられる。好適なナイトロジェンマスタードはシクロホスファミドとしても知られている。
好ましいナイトロジェンマスタードは次の一般構造を有する:
Figure 2006525855
構造中Aは:
Figure 2006525855
または-CH3もしくはその他アルカン、または塩素化アルカン、典型的にはCH2CH(CH3)Cl、またはBのような多環式基、またはCのような置換フェニル、またはDのような複素環基である。
Figure 2006525855
好適なナイトロジェンマスタードは、米国特許第3,808,297号に開示されており、この場合Aは、次のとおりである:
Figure 2006525855
R1〜R2は、HまたはCH2CH2Clであり; R3は、Hまたはヒドロペルオキシのような酸素含有基であり; R4は、アルキル、アリール、複素環でよい。
環式成分は、未変性である必要はない。例えば、次のタイプの構造を記載する米国特許第5,472,956号、第4,908,356号、第4,841,085号を参照されたい:
Figure 2006525855
構造中R1は、HまたはCH2CH2Clであり、そしてR2〜R6は各種置換基である。
例示的ナイトロジェンマスタードとしては、メチルクロロエタミン、およびメチルクロロエタミンオキシド塩酸塩、ノベンビチン(Novembichin)およびマンノムシチン(Mannomustine)(ハロゲン化糖)を含むその類似体または誘導体を挙げることができる。例示的化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
ナイトロジェンマスタードは、シクロホスファミド(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、ペルホスファミド(Perfosfamide)またはトロホスファミド(Torofosfamide)でよく、これら化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
ナイトロジェンマスタードは、エストラムスチン(Estramustine)、またはフェネステリン(Phenesterine)、プレドニムスチン(Prednimustine)およびエストラムスチンPO4 (Estramustine PO4)を含むその類似体または誘導体でよい。したがって、本発明の、好適なナイトロジェンマスタード型細胞周期インヒビターは次の構造を有する:
Figure 2006525855
ナイトロジェンマスタードは、クロラムブシル(Chlorambucil)、またはメルファラン(Melphalan)およびクロルナファジン(Chlormaphazine)を含むその類似体または誘導体でよい。したがって、好適な本発明のナイトロジェンマスタード型細胞周期インヒビターは、次の構造を有する:
Figure 2006525855
ナイトロジェンマスタードはウラシルマスタードでもよく、これは次の構造を有する:
Figure 2006525855
ナイトロジェンマスタードは、DNAに対しアルキル化剤として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。ナイトロジェンマスタードは、例えば小細胞肺癌、乳癌、子宮頚癌、頭部および頸部癌、前立腺癌、網膜芽腫、および軟組織肉腫を含む、細胞増殖性疾患の治療に有用であることが示されている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ヒドロキシ尿素である。ヒドロキシ尿素は次の一般構造を有する:
Figure 2006525855
好適なヒドロキシ尿素は、例えば、米国特許第6,080,874号に開示されており、この場合R1は:
Figure 2006525855
であり、R2は、1〜4個の炭素を有するアルキル基であり、R3は、H、アシル、メチル、エチル、およびメチルエーテルのようなその混合物のいずれか1つである。
その他の好適なヒドロキシ尿素は、例えば米国特許第5,665,768号に開示されており、この場合R1は、シクロアルケニル基、例えばN-[3-[5-(4-フルオロフェニルチオ)-フリル]-2-シクロペンテン-1-イル]N-ヒドロキシ尿素であり; R2は、Hまたは1〜4個の炭素を有するアルキル基であり、R3は、Hであり; Xは、Hまたは陽イオンである。
その他の好適なヒドロキシ尿素は、例えば米国特許第4,299,778号に開示されているが、ここではR1は、1個または複数のフッ素原子で置換されているフェニル基であり; R2は、シクロプロピル基であり; そしてR3およびXは、Hである。
その他の好適なヒドロキシ尿素は、例えば米国特許第5,066,658号に開示されているが、ここではR2およびR3は、近接する窒素と一緒になって以下を形成する:
Figure 2006525855
ここではmは1または2であり、nは0〜2であり、Yはアルキル基である。
局面の1つでは、ヒドロキシ尿素は次の構造を有する:
Figure 2006525855
ヒドロキシ尿素は、DNA合成を阻害する働きによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、マイトマイシンC (Mitomycin C)、またはポルフィロマイシン(Porphyromycin)のようなその類似体もしくは誘導体のようなマイトマイシン(Mytomicin)である。好適な化合物は次の一般構造を有する:
Figure 2006525855
これら化合物は、DNAアルキル化剤として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。マイトマイシンは、例えば食道癌、肝臓癌、膀胱癌および乳癌のような細胞増殖性疾患の治療に有用であることが知られている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ブスルファン(Busulfan)、またはトレオスルファン(Treosulfan)、インプロスルファン(Improsulfan)、ピポスルファン(Piposulfan) およびピポブロマン(Pipobroman)のようなその類似体もしくは誘導体のようなアルキルスルホネートである。例示的化合物は次の構造を有する:
Figure 2006525855
Figure 2006525855
これら化合物は、DNAアルキル化剤として働くことによって、細胞周期インヒビターとして機能すると考えられている。
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ベンズアミドである。さらに別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターはニコチンアミドである。これら化合物は次の基本構造を有する:
Figure 2006525855
構造中のXは、OまたはSである; Aは、通常はNH2であるが、それはOHでも、もしくはアルコキシ基でもよい; Bは、NまたはC-R4であり、この時R4は、HもしくはOCH2CH2OHのようなエーテル結合ヒドロキシル化アルカンであり、アルカンは直鎖状でも、または分岐していてもよく、また1もしくは複数のヒドロキシル基を含んでよい。または、Bは、Bを含有する環内の二重結合が単結合の場合にはN-R5でもよい。R5は、H、およびアルキルもしくはアリール基でよい(例えば米国特許第 4,258,052号参照); R2は、H、OR6、SR6またはNHR6であり、このときR6は、アルキル基である; R3は、H、低級アルキル、-O-Meもしくは-O-エチルのようなエーテル結合低級アルキルである(例えば、米国特許第5,215,738号参照)。
好適なベンズアミド化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
この場合、さらなる化合物が米国特許第5,215,738号に開示されている(約32の化合物が記載されている)。
好適なニコチンアミド化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
この場合、さらなる化合物が米国特許第5,215,738号に開示されており(約58の化合物、例えば5-OHニコチンアミド、5-アミノニコチンアミド、5-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)ニコチンアミドが記載されている)、そして化合物は次の構造を有し:
Figure 2006525855
また米国特許第4,258,052号に開示されている(約46の化合物、例えば1-メチル-6-ケト-1,6-ジヒドロニコチン酸が記載されている)。
局面の1つでは、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、テモゾロミド(Temozolomide)、またはダカルバジン(Dacarbazine)を含むその類似体もしくは誘導体のようなテトラジン化合物である。好適な化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
その他の好適なテトラジン化合物は、HClおよびHBr塩を含むプロカルバジン(Procarbazine)であり、次の構造を有する:
Figure 2006525855
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、アクチノマイシンD (Actinomycin D)、またはダクチノマイシン(Dactinomycin)、アクチノマイシンC1 (Actinomycin C1)、アクチノマイシンC2 (Actinomycin C2)、アクチノマイシンC3 (Actinomycin C3)およびアクチノマイシンF1 (Actinomycin F1)を含む、このファミリーのその他メンバーである。好適な化合物は次の基本構造を有する:
Figure 2006525855
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ベンゾデパ(Benzodepa)、またはメツレデパ(Meturedepa)、ウレデパ(Uredepa)およびカルボコン(Carboquone)を含むその類似体もしくは誘導体のようなアジリジン化合物である。好適な化合物は次の基本構造を有する:
Figure 2006525855
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、ミトラクトール(Mitolactol)、またはミトボロニトール(Mitobronitol)およびマンノムスチン(Mannomustine)を含むその類似体もしくは誘導体のようなハロゲン化糖である。好適な化合物は次の基本構造を有する:
Figure 2006525855
別の局面では、本発明の吻合結合装置に関係する細胞周期インヒビターは、アザセリン(Azaserine)、または6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシンおよび5-ジアゾウラシル(ピリミジン類似体でもある)を含むその類似体もしくは誘導体のようなジアゾ化合物である。好適な化合物は次の基本構造を有する:
Figure 2006525855
細胞周期阻害として働くことができ、本発明の吻合結合装置と関係することができるその他の化合物は、パゼリプチン(Pazelliptine); ワートマニン(Wortmannin); メトクロプラミド(Metoclopramide); RSU; ブチオニン スルホキシム(Buthionine sulfoxime); ターメリック(Tumeric); クルクミン(Curcumin); AG337、チミジレート合成酵素インヒビター; レバミゾール(Levamisole); レンチナン(Lentinan)、多糖; ラゾキサン(Razoxane)、EDTA類似体; インドメタシン(Indomethacin); クロロプロマジン(Chlorpromazine); αおよびβインターフェロン; MnBOPP; ガドリニウム(Gadolinium) テキサフィリン; 4-アミノ-1,8-ナフタルイミド; スタウロスポリン(Staurosporine) CGP誘導体; およびSR-2508である。
したがって、局面の1つでは、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNAアルキル化剤である。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、抗微小管剤である。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、トポイソメラーゼインヒビターである。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNA開裂剤である。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、代謝拮抗剤である。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、アデノシンデアミナーゼを阻害することによって(例えばプリン類似体として)機能する。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、プリン環合成を阻害することによって、および/またはヌクレオチド相互変換インヒビターとして(例えばメルカプトプリンのようなプリン類似体として)機能する。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、ジヒドロ葉酸還元を阻害することによって、および/またはチミジン一リン酸遮断剤(例えばメトトレキセート)として機能する。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNAに損傷を起こすことによって機能する(例えばブレオマイシン(Bleomycin))。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNAインターカレーション剤および/またはRNA合成阻害として機能する(例えばドキソルビシン(Doxorubicin))。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、ピリミジン合成を阻害することによって機能する(例えばN-ホスホノアセチル-L-アスパラギン酸)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、リボヌクレオチドを阻害することによって機能する(例えばヒドロキシ尿素)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、チミジン一リン酸を阻害することによって機能する(例えば5-フルオロウラシル)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNA合成を阻害することによって機能する(例えばシタラビン(Cytarabine))。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、DNA付加体形成を誘導することによって機能する(例えば白金化合物)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、タンパク質合成を阻害することによって機能する(例えばL-アスパラギナーゼ)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、微小管機能を阻害することによって機能する(例えばタキサン)。別の局面では、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、図1に示す生物学経路中の1または複数のステップで作用する。
本発明で有用なさらなる細胞周期インヒビター、ならびにそれらの作用メカニズムについての説明は、
Figure 2006525855
に見出すことができる。
態様の1つでは、本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターは、カンプトテシン、ミトキサントロン、エトポシド、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン、メトトレキセート、ペロルシドA、マイトマイシンC (Mitomycin C)またはCDK-2インヒビター、または記載の化合物分類メンバーの類似体もしくは誘導体である。
本発明の吻合結合装置と関係する細胞周期インヒビターの他の例としては、例えば7-ヘキサノイルタキソール(QP-2)、サイトカラシンA、ラントラクリンD(lantrunculin D)、アクチノマイシン-D、Ro-31-7453(3-[6-ニトロ-1-メチル-3-インドリル]-4-[1-メチル-3-インドリル]ピロール-2,5-ジオン)、PNU-151807、ブロスタリシン、C2-セラミド、シタラビンオクホスファート(2(1H)-ピリミジノン、4-アミノ-1-[5-O-[ヒドロキシ(オクタデシルオキシ)ホスフィニル]-β-D-アラビノフラノシル]-、一ナトリウム塩)、パクリタキセル(5β,20-エポキシ-1,2アルファ,4,7β,10β,13アルファ-ヘキサヒドロキシタキス-11-エン-9-オン-4,10-ジアセテート-2-ベンゾエート-13-(アルファ-フェニルヒプレート))、ドキソルビシン(5,12-ナフタセンジオン、10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-アルファ-L-リキソ-ヘキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-、(8S)-シス-)、ダウノルビシン(5,12-ナフタセンジオン、8-アセチル-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-アルファ-L-リキソ-ヘキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-1-メトキシ-、(8S-シス)-)、塩酸ゲムシタビン(シチジン、2'-デオキシ-2',2'-ジフロロ-、一塩酸塩)、ニタクリン(1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチル-N'-(1-ニトロ-9-アクリジニル)-)、カルボプラチン(白金、ジアミン[1,1-シクロブタンジカルボキシラト(2-)]-、(SP-4-2)-)、アルトレタミン(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン、N,N,N',N',N”,N”-ヘキサメチル-)、テニポシド(フロ[3',4':6,7]ナフト[2,3-d]-1,3-ジオキソール-6(5aH)-オン、5,8,8a,9-テトラヒドロ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-9-[[4,6-O-(2-チエニルメチレン)-β-D-グルコピラノシル]オキシ]-、[5R-[5アルファ,5aβ,8aアルファ,9β(R*)]]-)、エプタプラチン(白金、[(4R,5R)-2-(1-メチルエチル)-1,3-ジオキソラン-4,5-ジメタンアミン-カッパN4,カッパN5][プロパンジオエート(2-)-カッパO1,カッパO3]-、(SP-4-2)-)、塩酸アムルビシン(5,12-ナフタセンジオン、9-アセチル-9-アミノ-7-[(2-デオキシ-β-D-エリスロ-ペントピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,11-ジヒドロキシ-、塩酸塩、(7S-シス)-)、イホスファミド(2H-1,3,2-オキサザホスホリン-2-アミン、N,3-ビス(2-クロロエチル)テトラヒドロ-,2-オキシド)、クラドリビン(アデノシン、2-クロロ-2'-デオキシ-)、ミトブロニトール(D-マンニトール、1,6-ジブロモ-1,6-ジデオキシ-)、フルダリビンリン酸(9H-プリン-6-アミン、2-フルオロ-9-(5-O-ホスホノ-β-D-アラビノフラノシル)-)、エノシタビン(ドコサンアミド、N-(1-β-D-アラビノフラノシル-1,2-ジヒドロ-2-オキソ-4-ピリミジニル)-)、ビンデシン(ビンカロイコブラスチン、3-(アミノカルボニル)-O4-デアセチル-3-デ(メトキシカルボニル)-)、イダルビシン(5,12-ナフタセンジオン、9-アセチル-7-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-アルファ-L-リキソ-ヘキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,9,11-トリヒドロキシ-、(7S-シス)-)、ジノスタチン(ネオカルジノスタチン)、ビンクリスチン(ビンカロイコブラスチン、22-オキソ-)、テガフール(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン、5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2-フラニル-)、ラゾキサン(2,6-ピペラジンジオン、4,4'-(1-メチル-1,2-エタンジイル)ビス-)、メトトレキセート(L-グルタミン酸、N-[4-[[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]-)、ラルチトレキセド(L-グルタミン酸、N-[[5-[[(1,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソ-6-キナゾリニル)メチル]メチルアミノ]-2-チエニル]カルボニル]-)、オキサリプラチン(白金、(1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N')[エタンジオエート(2)-O,O']-、[SP-4-2-(1R-トランス)]-)、ドキシフルリジン(ウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロ-)、ミトラクトール(ガラクチトール、1,6-ジブロモ-1,6-ジデオキシ-)、ピラウビシン(5,12-ナフタセンジオン、10-[[3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-4-O-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-アルファ-L-リキソ-ヘキソピラノシル]オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-、[8S-[8アルファ,10アルファ(S*)]]-)、ドセタキセル((2R,3S)-N-カルボキシ-3-フェニルイソセリン、N-tert-ブチルエステル、(5β,20-エポキシ-1,2アルファ,4,7β,10β,13アルファ-ヘキサヒドロキシタキス-11-エン-9-オン 4-アセテート 2-ベンゾエート-との13-エステル)、カペシタビン(シチジン、5-デオキシ-5-フルオロ-N-[(ペンチルオキシ)カルボニル]-)、シタラビン(2(1H)-ピリミドン、4-アミノ-1-β-D-アラビノフラノシル-)、バルルビシン(ペンタン酸、2-(1,2,3,4,6,11-ヘキサヒドロ-2,5,12-トリヒドロキシ-7-メトキシ-6,11-ジオキソ-4-((2,3,6-トリデオキシ-3-((トリフルオロアセチル)アミノ)-アルファ-L-リキソ-ヘキソピラノシル)オキシ)-2-ナフタセニル)-2-オキソエチルエステル(2S-シス)-)、トロホスファミド(3-2-(クロロエチル)-2-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサザホスホリン 2-オキシド)、プレドニムスチン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、21-[4-[4-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]フェニル]-1-オキソブトキシ]-11,17-ジヒドロキシ-、(11β)-)、ロムスチン(尿素、N-(2-クロロエチル)-N'-シクロヘキシル-N-ニトロソ-)、エピルビシン(5,12-ナフタセンジオン、10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-アルファ-L-アラビノ-へキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-、(8S-シス)-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
上記のように、本発明は、前記分類の各細胞周期インヒビターを、吻合結合装置と関連付けることを提供する。以下の節は、発明の別の局面において吻合結合装置と関係する化合物を明示し、説明する。いくつかの例では、以下記載の化合物は細胞周期インヒビターとして機能することができ、細胞周期インヒビターに関する本節でも論じられる。
D. アントラサイクリン
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置はアントラサイクリンと治療的に関係しており、この場合アントラサイクリンは次の一般構造を有し、このときR基は、各種の有機基でよい:
Figure 2006525855
米国特許第5,594,158号に記載されるように、好適なR基は次のとおりである: R1は、CH3またはCH2OH; R2は、ダウノサミンまたはH; R3およびR4は、独立にOH、NO2、NH2、F、Cl、Br、I、CN、Hまたはこれらに由来する基の1つであり; R5は、水素、ヒドロキシまたはメトキシであり; そしてR6〜R8は、すべて水素である。または、R5およびR6は、水素であって、R7およびR8は、アルキルもしくはハロゲンであるか、またはその逆である。
米国特許第5,843,903号に記載されるように、R1は、複合ペプチドでもよい。米国特許第4,296,105号では、R5は、エーテル結合アルキル基でもよい。米国特許第4,215,062号では、R5は、OHまたはエーテル結合アルキル基でよい。R1はまた、CH2CH(CH2-X)C(O)-R1のような、式中のXはHまたはアルキル基である、その端部にC(O)結合成分を有するアルキルまたは分岐アルキル基のようなC(O)以外の基によって、アントラサイクリン環と結合してもよい(例えば米国特許第4,215,062号参照)。R2は、または、官能基=N-NHC(O)-Yにより結合してもよく、この場合Yは、フェニルまたは置換フェニル環のような基である。またはR3は、次の構造を有してもよい:
Figure 2006525855
構造中R9は、環平面内または外のOHであるか、あるいはR3のような第二糖成分である。R10はHであるか、あるいは芳香族基、飽和または部分飽和した、少なくとも1つの環窒素を有する5または6員複素環のような基と第二級アミンを形成してもよい(米国特許第5,843,903号参照)。または、R10は、アミノ酸に由来してもよく、C(O)CH(NHR11)(R12)の構造を有し、この場合R11はHであるか、またはR12と共にC3〜4員アルキレンを形成する。R12は、H、アルキル、アミノアルキル、アミノ、ヒドロキシ、メルカプト、フェニル、ベンジルまたはメチルチオでよい(米国特許第4,296,105参照号)。
例示的アントラサイクリンはドキソルビシン(Doxorubicin)、ダウノルビシン(Daunorubicin)、イダルビシン(Idarubicin)、エピルビシン(Epirubicin)、ピラルビシン(Pirarubicin)、ゾルビシン(Zorubicin)およびカルビシン(Carubicin)である。好適な化合物は、次の構造を有する:
Figure 2006525855
Figure 2006525855
その他の好適なアントラサイクリンは、次の構造を有するアントラマイシン(Anthramycin)、ミトキサントロン(Mitoxantrone)、メノガリル(Menogaril)、ノガラマイシン(Nogalamycin)、アクラシノマイシンA (Aclacinomycin A)、オリボマイシンA (Olivomycin A)、クロモマイシンA3 (Chromomycin A3)、およびプリカマイシン(Plicamycin)である:
Figure 2006525855
その他の代表的なアントラサイクリンとしては、FCE 23762ドキソルビシン誘導体(Quaglia et al., J. Liq. Chromatogr. 17(18):3911-3923, 1994)、アンナマイシン(Zou et al., J. Pharm. Sci. 82(11):1151-1154, 1993)、ルボキシル(Rapoport et al., J. Controlled Release 58(2):153-162, 1999)、アントラサイクリン二糖ドキソルビシン類似体(Pratesi et al., Clin. Cancer Res. 4(11):2833-2839, 1998)、N-(トリフルオロアセチル)ドキソルビシンおよび4'-O-アセチル-N-(トリフルオロアセチル)ドキソルビシン(Berube & Lepage, Synth. Commun. 28(6):1109-1116, 1998)、2-ピロリノドキソルビシン(Nagy et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. U.S.A. 95(4):1794-1799, 1998)、二糖ドキソルビシン類似体(Arcamone et al., J. Nat'l Cancer Inst. 89(16):1217-1223, 1997)、4-デメトキシ-7-O-[2,6-ジデオキシ-4-O-(2,3,6-トリデオキシ-3-アミノ-□-L-リキソ-へキソピラノシル)-□-L-リキソ-へキソピラノシル]-アドリアミシノンドキソルビシン二糖類似体(Monteagudo et al., Carbohydr. Res. 300(1):11-16, 1997)、2-ピロリノドキソルビシン(Nagy et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. U.S.A. 94(2):652-656, 1997)、モルホリニルドキソルビシン類似体(Duran et al., Cancer Chemother. Pharmacol. 38(3):210-216, 1996)、エナミノマロニル-β-アラニンドキソルビシン誘導体(Seitz et al., Tetrahedron Lett. 36(9):1413-16, 1995)、セファロスポリンドキソルビシン誘導体(Vrudhula et al., J. Med. Chem. 38(8):1380-5, 1995)、ヒドロキシルビシン(Solary et al., Int. J. Cancer 58(1):85-94, 1994)、メトキシモルホリノドキソルビシン誘導体(Kuhl et al., Cancer Chemother. Pharmacol. 33(1):10-16, 1993)、(6-マレイミドカプロイル)ヒドラゾンドキソルビシン誘導体(Willner et al., Bioconjugate Chem. 4(6):521-7, 1993)、N-(5,5-ジアセトキシペンタ-1-イル)ドキソルビシン(Cherif & Farquhar, J. Med. Chem. 35(17):3208-14, 1992)、FCE 23762メトキシモルホリニルドキソルビシン誘導体(Ripamonti et al., Br. J. Cancer 65(5):703-7, 1992)、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルドキソルビシン誘導体(Demant et al., Biochim. Biophys. Acta 1118(1):83-90, 1991)、ポリデオキシヌクレオチドドキソルビシン誘導体(Ruggiero et al., Biochim. Biophys. Acta 1129(3):294-302, 1991)、モルホリニルドキソルビシン誘導体(EPA 434960)、ミトキサントロンドキソルビシン類似体(Krapcho et al., J. Med. Chem. 34(8):2373-80, 1991)、AD198ドキソルビシン類似体(Traganos et al., Cancer Res. 51(14):3682-9, 1991)、4-デメトキシ-3'-N-トリフルオロアセチルドキソルビシン(Horton et al., Drug Des. Delivery 6(2):123-9, 1990)、4'-エピドキソルビシン(Drzewoski et al., Pol. J. Pharmacol. Pharm. 40(2):159-65, 1988; Weenen et al., Eur. J. Cancer Clin. Oncol. 20(7):919-26, 1984)、アルキル化シアノモルホリノドキソルビシン誘導体(Scudder et al., J. Nat'l Cancer Inst. 80(16):1294-8, 1988)、デオキシジヒドロヨードオキソルビシン(EPA 275966)、アドリブラスチン(Kalishevskaya et al., Vestn. Mosk. Univ., 16(Biol.1):21-7, 1988)、4'-デオキシドキソルビシン(Schoelzel et al., Leuk. Res. 10(12):1455-9, 1986)、4-デメチオキシ-4'-o-メチルドキソルビシン(Giuliani et al., Proc. Int. Congr. Chemother. 16:285-70-285-77, 1983)、3'-デアミノ-3'-ヒドロキシドキソルビシン(Horton et al., J. Antibiot. 37(8):853-8, 1984)、4-デメトキシドキソルビシン類似体(Barbieri et al., Drugs Exp. Clin. Res. 10(2):85-90, 1984)、N-L-ロイシルドキソルビシン誘導体(Trouet et al., Anthracyclines (Proc. Int. Symp. Tumor Pharmacother.), 179-81, 1983)、3'-デアミノ-3'-(4-メトキシ-1-ピペリジニル)ドキソルビシン誘導体(U.S. 4,314,054)、3'-デアミノ-3'-(4-モルソリニル)ドキソルビシン誘導体(U.S. 4,301,277)、4'-デオキシドキソルビシンおよび4'-o-メチルドキソルビシン(Giuliani et al., Int. J. Cancer 27(1):5-13, 1981)、アグリコンドキソルビシン誘導体(Chan & Watson, J. Pharm. Sci. 67(12):1748-52, 1978)、SM 5887(Pharma Japan 1468;20, 1995)、MX-2(Pharma Japan 1420;19, 1994)、4'-デオキシ-13(S)-ジヒドロ-4'-ヨードドキソルビシン(EP 275966)、モルホリニルドキソルビシン誘導体(EPA 434960)、3'-デアミノ-3'-(4-メトキシ-1-ピペリジニル)ドキソルビシン誘導体(U.S. 4,314,054)、ドキソルビシン-14-吉草酸塩、モルホリノドキソルビシン(U.S. 5,004,606)、3'-デアミノ-3'-(3”-シアノ-4”-モルホリニルドキソルビシン; 3'-デアミノ-3'-(3”-シアノ-4”-モルホリニル)-13-ジヒドキソルビシン; (3'-デアミノ-3'-(3”-シアノ-4”-モルホリニル)ダウノルビシン; 3'-デアミノ-3'-(3”-シアノ-4”-モルホリニル)-3-ジヒドロダウノルビシン; および3'-デアミノ-3'-(4”-モルホリニル-5-イミノドキソルビシンおよび誘導体(U.S. 4,585,859)、3'-デアミノ-3'-(4-メトキシ-1-ピペリジニル)ドキソルビシン誘導体(U.S. 4,314,054)ならびに3-デアミノ-3-(4-モルホリニル)ドキソルビシン誘導体(U.S. 4,301,277)を挙げることができる。
E. タキサン
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置はタキサン、またはその誘導体もしくは類似体と治療的に関係する。簡単に述べると、例えばパクリタキセルのようなタキサンは、チューブリンに結合して、異常な有糸分裂紡錘体を形成することによって、有糸分裂(M期)を妨害する化合物である。
タキサンのパクリタキセルは、セイヨウイチイ(タイヘイヨウイチイ)より集め乾燥させた樹皮から、ならびにタイヘイヨウイチイのTaxomyces Andreanaeおよび内部寄生性真菌から得られる(Stierle et al., Science 60:214-216, 1993)、高度に誘導されたジテルペノイドである(Wani et al., J. Am. Chem. Soc. 93:2325, 1971)。これは製剤化され、製品TAXOL(登録商標)を含む市販組成物になっている。パクリタキセルの類似体および誘導体は、例えばTAXOTERE(登録商標)のような市販品、ならびにドセタキセル、パクリタキセルの10-デスアセチル類似体およびパクリタキセルの3'N-デスベンゾイル-3'N-t-ブトキシカルボニル類似体を含む)
Figure 2006525855
タキサンは、ここに示した参考文献内に引用されている技術を用いて作ることができるか、または例えばSigma Chemical Co., St. Louis, Missouri(T7402-セイヨウイチイ由来)を含む、様々な商業的供給元から入手できる。
タキサンのさらなる代表例としては、7-デオキシ-ドセタキソール、7,8-シクロプロパタキサン類、N-置換2-アゼチドン類、6,7-エポキシパクリタキセル類、6,7-修飾パクリタキセル類、10-デサセトキシタキセル、10-デアセチルタキソール(10-デアセチルバッカチンIIIより)、タキソールのホスホノオキシおよびカルボネート誘導体、タキソール2',7-ジ(ナトリウム1,2-ベンゼンジカルボキシレート、10-デサセトキシ-11,12-ジヒドロタキソール-10,12(18)-ジエン誘導体、10-デサセトキシタキソール、プロタキソール(2'-および/または7-O-エステル誘導体)、(2'-および/または7-O-カルボネート誘導体)、タキソール側鎖の非対称合成、フルオロタキソール類、9-デオキソタキサン、(13-アセチル-9-デオキソバッカチンIII、9-デオキソタキソール、7-デオキシ-9-デオキソタキソール、10-デサセトキシ-7-デオキシ-9-デオキソタキソール、水素またはアセチル基ならびにヒドロキシおよびtert-ブトキシカルボニルアミノを含有する誘導体、スルホン化2'-アクリロイルタキソールおよびスルホン化2'-O-アシル酸タキソール誘導体、スクシニルタキソール、2'-γ-アミノブチリルタキソールホルメート、2'-アセチルタキソール、7-アセチルタキソール、7-グリシンカルバメートタキソール、2'-OH-7-PEG(5000)カーバメートタキソール、2'-ベンゾイルおよび2',7-ジベンゾイルタキソール誘導体、その他プロドラッグ類(2'-アセチルタキソール; 2',7-ジアセチルタキソール; 2'スクシニルタキソール; 2'-(ベータ-アラニル)-タキソール); 2'ガンマ-アミノブチリルタキソールホルメート; 2'-スクシニルタキソールのエチレングリコール誘導体; 2'-グルタリルタキソール; 2'-(N,N-ジメチルグリシル)タキソール; 2'-(2-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオニル)タキソール; 2'オルトカルボキシベンゾイルタキソール; タキソールの2'脂肪族カルボン酸誘導体; プロドラッグ類 {2'(N,N-ジエチルアミノプロピオニル)タキソール、2'(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、7(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、2',7-ジ-(N,N-ジメチルグリシル)タキソール、7(N,N-ジエチルアミノプロピオニル)タキソール、2',7-ジ(N,N-ジエチルアミノプロピオニル)タキソール、2'-(L-グリシル)タキソール、7-(L-グリシル)タキソール、2',7-ジ(L-グリシル)タキソール、2'-(L-アラニル)タキソール、7-(L-アラニル)タキソール、2',7-ジ(L-アラニル)タキソール、2'-(L-ロイシル)タキソール、7-(L-ロイシル)タキソール、2',7-ジ(L-ロイシル)タキソール、2'-(L-イソロイシル)タキソール、7-(L-イソロイシル)タキソール、2',7-ジ(L-イソロイシル)タキソール、2'-(L-バリル)タキソール、7-(L-バリル)タキソール、2'7-ジ(L-バリル)タキソール、2'-(L-フェニルアラニル)タキソール、7-(L-フェニルアラニル)タキソール、2',7-ジ(L-フェニルアラニル)タキソール、2'-(L-プロリル)タキソール、7-(L-プロリル)タキソール、2',7-ジ(L-プロリル)タキソール、2'-(L-リシル)タキソール、7-(L-リシル)タキソール、2',7-ジ(L-リシル)タキソール、2'-(L-グルタミル)タキソール、7-(L-グルタミル)タキソール、2',7-ジ(L-グルタミル)タキソール、2'-(L-アルギニル)タキソール、7-(L-アルギニル)タキソール、2',7-ジ(L-アルギニル)タキソール}、修飾フェニルイソセリン側鎖を有するタキソール類似体、タキソテール、(N-デベンゾイル-N-tert-(ブトキシカルボニル)-10-デアセチルタキソール、およびタキサン類(例えば、バッカチンIII、セファロマニン(cephalomannine)、10-デアセチルバッカチンIII、ブレビホリオール、ユナンタクシンおよびタクシン); ならびに他のタキサン類似体および誘導体、例えば、14-ベータ-ヒドロキシ-10デアセチルバッカチンIII、デベンゾイル-2-アシルパクリタキセル誘導体、ベンゾエートパクリタキセル誘導体、ホスホノオキシおよびカルボネートパクリタキセル誘導体、スルホネート化2'-アクリロイルタキソール; スルホン化2'-O-アシル酸パクリタキセル誘導体、18-サイト-置換パクリタキセル誘導体、塩素化パクリタキセル誘導体、C4メトキシエーテルパクリタキセル誘導体、スルフェンアミドタキサン誘導体、臭素化パクリタキセル類似体、ジラールタキサン誘導体、ニトロフェニルパクリタキセル、10-デアセチル化置換パクリタキセル誘導体、14-ベータ-ヒドロキシ-10デアセチルバッカチンIIIタキサン誘導体、C7タキサン誘導体、C10タキサン誘導体、2-デベンゾイル-2-アシルタキサン誘導体、2-デベンゾイルおよび-2-アシルパクリタキセル誘導体、新規C2およびC4官能基を持つタキサンおよびバッカチンIII類似体、n-アシルパクリタキセル類似体、10-デアセチルタキソールA、10-デアセチルタキソールB、および10-デアセチルタキソールの10-デアセチルバッカチンIIIおよび7-保護-10-デアセチルバッカチンIII誘導体、タキソールの安息香酸誘導体、2-アロイル-4-アシルパクリタキセル類似体、オルト(orthro)-エステルパクリタキセル類似体、2-アロイル-4-アシルパクリタキセル類似体および1-デオキシパクリタキセルならびに1-デオキシパクリタキセル類似体を含むその他のタキサン類似体および誘導体を挙げることができる。
局面の1つでは、タキサンは式(C1)を有する:
Figure 2006525855
式中グレーで強調した部分は置換されていてもよく、強調されていない部分はタキサンのコアである。側鎖(図中「A」で表した)は、化合物が良好な活性を有する状態で存在することが望ましい。本構造を有する化合物の例としては、パクリタキセル(Merck Index entry 7117)、ドセタキセル(タキソテール(Taxotere)、Merck Index entry 3458)および3'-デスフェニル-3'-(4-ニトロフェニル)-N-デベンゾイル-N-(t-ブトキシカルボニル)-10-デアセチルタキソールが挙げられる。
別の局面では、パクリタキセルならびにその類似体および誘導体のような好適なタキサンは、特許第5,440,056号に構造(C2)を有するものとして開示されている:
Figure 2006525855
式中、Xは、酸素(パクリタキセル)、水素(9-デオキシ誘導体)、チオアシルまたはジヒドロキシ前駆体でよい; R1は、パクリタキセルまたはタキソテール側鎖もしくは式(C3)のアルカノイルから選択され
Figure 2006525855
式中、R7は、水素、アルキル、フェニル、アルコキシ、アミノ、フェノキシ(置換もしくは非置換)から選択され; R8は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、フェニル(置換もしくは非置換)、アルファもしくはベータ-ナフチルから選択され;そしてR9は、水素、アルカノイル、置換アルカノイル、およびアミノアルカノイルから選択され; このとき置換は、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アルアルコキシル(allalkoxyl)、カルボキシル、ハロゲン、チオアルコキシ、N,N-ジメチルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロおよび-OSO3Hから選択されることもできるし、さらにこのような置換を含む基を指すこともできる; R2は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシル、アルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシおよびペプチジアルカノイルオキシ(peptidyalkanoyloxy)から選択され; R3は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシル、アルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシ、およびペプチジアルカノイルオキシ(peptidyalkanoyloxy)から選択され、さらにシリル含有基またはイオウ含有基であってもよく; R4は、アシル、アルキル、アルカノイル、アミノアルカノイル、ペプチジルアルカノイルおよびアロイルから選択され; R5は、アシル、アルキル、アルカノイル、アミノアルカノイル、ペプチジルアルカノイルおよびアロイルから選択され: R6は、水素または酸素含有基、例えば、水素、ヒドロキシルアルコイル、アルカノイルオキシ、アミノアルカノイルオキシ、およびペプチジアルカノイルオキシ(peptidyalkanoyloxy)から選択される。
局面の1つでは、本発明において有用なパクリタキセル類似体および誘導体は、PCT国際特許出願第WO 93/10076号に開示されている。この明細書に開示されているように、類似体または誘導体は、以下構造(式C4)中に示すように、タキサンに抗腫瘍活性を付与するために、C13の位置でタキサン核に結合する側鎖を有していなければならない。
Figure 2006525855
WO 93/10076は、タキサン核が、既存のメチル基を除いていずれの位置で置換されていてもよいことを開示している。置換基としては、例えば、水素、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ、アリロイルオキシが挙げられる。これに加え、オキソ基が2、4、9、10の位置の炭素に結合していてもよい。同様に、オキセタン環が炭素4および5に結合していてもよい。同様に、オキシラン環が4の位置の炭素に結合していてもよい。
局面の1つでは、本発明において有用であるタキサンは、米国特許第5,440,056号に開示されており、それは9-デオキソタキサンを開示している。これらは、上記タキサン構造(式C4)の9の位置にある炭素についてオキソ基を欠いている化合物である。タキサン環は、1、7および10の位置の炭素で(独立に)、H、OH、O-R、またはO-CO-Rによって置換されていてもよく、このときRは、アルキルまたはアミノアルキルである。同様に、それは2および4の位置の炭素で(独立に)、アロイル、アルカノイル、アミノアルカノイルまたはアルキル基で置換されていてもよい。式(C3)の側鎖は、R7およびR8で(独立に)、フェニル環、置換フェニル環、直線アルカン/アルケンおよびH、OもしくはNを含む基で置換されていてもよい。R9は、H、または置換もしくは非置換アルカノイル基で置換されていてもよい。
F. サイクリン依存型プロテインキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、サイクリン依存型プロテインキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、このとき、この生物活性を有する例示的な化合物としては: R-ロスコビチン、CYC-101、CYC-103、CYC-400、MX-7065、アルボシジブ(alvocidib)(4H-1-ベンゾピラン-4-オン、2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-(3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル)-、シス-(-)-)、SU-9516、AG-12275、PD-0166285、CGP-79807、ファスキャプリジン(fascaplysin)、GW-8510(ベンゼンスルホンアミド、4-[[(Z)-(6,7-ジヒドロ-7-オキソ-8H-ピロロ[2,3-g]ベンゾチアゾール-8-イリデン)メチル]アミノ]-N-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-)、GW-491619、インジルビン3'モノキシム、GW8510、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
G. EGF(上皮増殖因子)レセプターキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、EGF(上皮増殖因子)キナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: エルロチニブ(4-キナゾリンアミン、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)-、一塩酸塩)、ビアトリス(Viatris)、エルブスタチン、BIBX-1382、ゲフィチニブ(4-キナゾリンアミン、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-(4-モルホリニル)プロポキシ))、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
H. エラスターゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、エラスターゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ONO-6818、シベレスタット水酸化ナトリウム(グリシン、N-[2-[[[4-(2,2-ジメチル-1-オキソプロポキシ)フェニル]スルホニル]アミノ]ベンゾイル]-)、エルドステイン(酢酸、[[2-オキソ-2-[(テトラヒドロ-2-オキソ-3-チエニル)アミノ]エチル]チオ]-)、MDL-100948A、MDL-104238(N-[4-(4-モルホリニルカルボニル)ベンゾイル]-L-バリル-N'-[3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-(1-メチルエチル)-2-オキソブチル]-L-2-アゼトアミド)、MDL-27324(L-プロリンアミド、N-[[5-(ジメチルアミノ)-1-ナフタレニル]スルホニル]-L-アラニル-L-アラニル-N-[3,3,3-トリフルオロ-1-(1-メチルエチル)-2-オキソプロピル]-、(S)-)、SR-26831(チエノ[3,2-c]ピリジニウム、5-[(2-クロロフェニル)メチル]-2-(2,2-ジメチル-1-オキソプロポキシ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-5-ヒドロキシ-)、Win-68794、Win-63110、SSR-69071(2-(9(2-ピペリジノエトキシ)-4-オキソ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2-イルオキシメチル)-4-(1-メチルエチル)-6-メチオキシ-1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン-1,1-ジオキシド)、(N(アルファ)-(1-アダマンチルスルホニル)N(エプシロン)-スクシニル-L-リシル-L-プロリル-L-バリナル)、Ro-31-3537(Nアルファ-(1-アダマンタンスルホニル)-N-(4-カルボキシベンゾイル)-L-リシル-アラニル-L-バリナル)、R-665、FCE-28204、((6R,7R)-2-(ベンゾイルオキシ)-7-メトキシ-3-メチル-4-ピバロイル-3-セフェム1,1-ジオキシド)、1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン、2-(2,4-ジニトロフェニル)-、1,1-ジオキシド [CAS]、L-658758(L-プロリン、1-[[3-[(アセチルオキシ)メチル]-7-メトキシ-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-イル]カルボニル]-、S,S-ジオキシド、(6R-シス)-)、L-659286(ピロリジン、1-[[7-メトキシ-8-オキソ-3-[[(1,2,5,6-テトラヒドロ-2-メチル-5,6-ジオキソ-1,2,4-トリアジン-3-イル)チオ]メチル]-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-イル]カルボニル]-、S,S-ジオキシド、(6R-シス)-)、L-680833(ベンゼン酢酸、4-[[3,3-ジエチル-1-[[[1-(4-メチルフェニル)ブチル]アミノ]カルボニル]-4-オキソ-2-アゼチジニル]オキシ]-、[S-(R*,S*)]-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
I. 第Xa因子インヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、第Xa因子インヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: CY-222、フォンダパリヌクスナトリウム(アルファ-D-グルコピラノシド、メチルO-2-デオキシ-6-O-スルホ-2-(スルホアミノ)-アルファ-D-グルコピラノシル-(1-4)-O-β-D-グルコピラヌロノシル-(1-4)-O-2-デオキシ-3,6-ジ-O-スルホ-2-(スルホアミノ)-アルファ-D-グルコピラノシル-(1,4)-O-2-O-スルホ-アルファ-L-イドピラヌロノシル-(1-4)-2-デオキシ-2-(スルホアミノ)-、6-(硫化水素塩))、ダナパロイドナトリウム、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
J. ファルネシルトランスフェラーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ファルネシルトランスフェラーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ジクロロベンゾプリム(2,4-ジアミノ-5-[4-(3,4-ジクロロベンジルアミノ)-3-ニトロフェニル]-6-エチルピリミジン)、B-581、B-956(N-[8(R)-アミノ-2(S)-ベンジル-5(S)-イソプロピル-9-スルファニル-3(Z),6(E)-ノナジエノイル]-L-メチオニン)、OSI-754、ペリリルアルコール(1-シクロヘキセン-1-メタノール、4-(1-メチルエテニル)-[CAS]、RPR-114334、ロナファルニブ(1-ピペリジンカルボキサミド、4-[2-[4-[(11R)-3,10-ジブロモ-8-クロロ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン-11-イル]-1-ピペリジニル]-2-オキソエチル]-)、Sch-48755、Sch-226374、(7,8-ジクロロ-5H-ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン-11-イル)-ピリジン-3-イルメチルアミン、J-104126、L-639749、L-731734(ペンタンアミド、2-[[2-[(2-アミノ-3-メルカプトプロピル)アミノ]-3-メチルペンチル]アミノ]-3-メチル-N-(テトラヒドロ-2-オキソ-3-フラニル)-、[3S-[3R*[2R*[2R*(S*),3S*]]]-)、L-744832(ブタン酸、2-((2-((2-((2-アミノ-3-メルカプトプロピル)アミノ)-3-メチルペンチル)オキシ)-1-オキソ-3-フェニルプロピル)アミノ)-4-(メチルスルホニル)-、1-メチルエチルエステル、(2S-(1(R*(R*)),2R*(S*),3R*))-)、L-745631(1-ピペラジンプロパンチオール、β-アミノ-2-(2-メトキシエチル)-4-(1-ナフタレニルカルボニル)-、(βR,2S)-)、N-アセチル-N-ナフチルメチル-2(S)-[(1-(4-シアノベンジル)-1H-イミダゾール-5-イル)アセチル]アミノ-3(S)-メチルペンタミン、(2アルファ)-2-ヒドロキシ-24,25-ジヒドロキシルアノスト-8-エン-3-オン、BMS-316810、UCF-1-C(2,4-デカジエンアミド、N-(5-ヒドロキシ-5-(7-((2-ヒドロキシ-5-オキソ-1-シクロペンテン-l-イル)アミノ-オキソ-1,3,5-ヘプタトリエニル)-2-オキソ-7-オキサビシクロ(4.1.0)ヘプタ-3-エン-3-イル)-2,4,6-トリメチル-、(1S-(1アルファ,3(2E,4E,6S*),5アルファ,5(1E,3E,5E),6Aアルファ))-)、UCF-116-B、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
K. フィブリノーゲンアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、フィブリノーゲンアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: 2(S)-[(p-トルエンスルホニル)アミノ]-3-[[[5,6,7,8-テトラヒドロ-4-オキソ-5-[2-(ピペリジン-4-イル)エチル]-4H-ピラゾロ-[1,5-a][1,4]ジアゼピン-2-イル]カルボニル]-アミノ]プロピオン酸、ストレプトキナーゼ(キナーゼ(活性化酵素)、ストレプト-)、ウロキナーゼ(キナーゼ(活性化酵素)、ウロ-)、プラスミノーゲンアクチベータ、パミテプラーゼ、モンテプラーゼ、ヘベルキナーゼ、アニストレプラーゼ、アルテプラーゼ、プロ-ウロキナーゼ、ピコタミド(1,3-ベンゼンジカルボキサミド、4-メトキシ-N,N'-ビス(3-ピリジニルメチル)-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
L. グアニレートシクラーゼ刺激体
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、グアニレートシクラーゼ刺激体と治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: イソソルビド-5-モノニトレート(D-グルシトール、1,4:3,6-ジアンヒドロ-、5-ニトレート)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
M. 熱ショックタンパク質90アンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、熱ショックタンパク質90アンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ゲルダナマイシン; NSC-33050(17-アリルアミノゲルダナマイシン)、リファブチン(リファマイシンXIV、1',4-ジデヒドロ-1-デオキシ-1,4-ジヒドロ-5'-(2-メチルプロピル)-1-オキソ-)、17AAG、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
N. HMGCoAリダクターゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、HMGCoAリダクターゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては:BCP-671、BB-476、フルバスタチン(6-ヘプテン酸、7-[3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルエチル)-1H-インドール-2-イル]-3,5-ジヒドロキシ-、一ナトリウム塩、[R*,S*-(E)]-(±)-)、ダルバスタチン(2H-ピラン-2-オン、6-(2-(2-(2-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-4,4,6,6-テトラメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)エテニル)テトラヒドロ)-4-ヒドロキシ-、(4α,6β(E))-(+/-)-)、グレンバスタチン(2H-ピラン-2-オン、6-[2-[4-(4-フルオロフェニル)-2-(1-メチルエチル)-6-フェニル-3-ピリジニル]エテニル]テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-、[4R-[4α,6β(E)]]-)、S-2468、N-(1-オキソドデシル)-4アルファ、10-ジメチル-8-アザ-トランス-デカル-3β-オール、アトルバスタチンカルシウム(1H-ピロール-1-ヘプタン酸、2-(4-フルオロフェニル)-β,δ-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-、カルシウム塩[R-(R*,R*)]-)、CP-83101(6,8-ノナジエン酸、3,5-ジヒドロキシ-9,9-ジフェニル-、メチルエステル、[R*,S*-(E)]-(+/-)-)、プラバスタチン(1-ナフタレンヘプタン酸、1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-β,デルタ,6-トリヒドロキシ-2-メチル-8-(2-メチル-1-オキソブトキシ)-、一ナトリウム塩、[1S-[1α(βS*,δS*),2α,6α,8β(R*),8aα]]-)、U-20685、ピタバスタチン(6-ヘプテン酸、7-[2-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)-3-キノリニル]-3,5-ジヒドロキシ-、カルシウム塩(2:1)、[S-[R*,S*-(E)]]-)、N-((1-メチルプロピル)カルボニル)-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-ペルヒドロ-イソキノリン、ジヒドロメビノリン(酪酸、2-メチル、1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル[1アルファ(R*),3α,4aα,7β,8β(2S*,4S*),8aβ]]-)、HBS-107、ジヒドロメビノリン(ブタン酸、2-メチル-、1,2,3,4,4a,7,8,8a-オクタヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル[1アルファ(R*),3α,4aα,7β,8β(2S*,4S*),8aβ]]-)、L-669262(ブタン酸、2,2-ジメチル-、1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-6-オキソ-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニル[1S-[1α,7β,8β(2S*,4S*),8aβ]]-)、シムバスタチン(ブタン酸、2,2-ジメチル-、1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル、[1S-[1α,3α,7β,8β(2S*,4S*),8aβ]]-)、ロスバスタチンカルシウム(6-ヘプテン酸、7-(4-(4-フルオロフェニル)-6-(1-メチルエチル)-2-(メチル(メチルスルホニル)アミノ)-5-ピリミジニル)-3,5-ジヒドロキシ-カルシウム塩(2:1)(S-(R*,S*-(E))))、メグルトール(2-ヒドロキシ-2-メチル-1,3-プロパンジカルボン酸)、ロバスタチン(ブタン酸、2-メチル-、1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-3,7-ジメチル-8-[2-(テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン-2-イル)エチル]-1-ナフタレニルエステル、[1S-[1α(R*),3α,7β,8β(2S*,4S*),8aβ]]-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
O. ヒドロオロチン酸デヒドロゲナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ヒドロオロチン酸インヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: レフルノミド(4-イソキサゾールカルボキサミド、5-メチル-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-)、ラフルニムス(2-プロペンアミド、2-シアノ-3-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-N-(3-メチル-4(トリフルオロメチル)フェニル)-、(Z)-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
P. IKK2インヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、IKK2インヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: MLN-120B、SPC-839、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
Q. IL-1、ICEおよびIRAKアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、IL-1、ICEおよびIRAKアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: E-5090(2-プロペン酸、3-(5-エチル-4-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-ナフタレニル)-2-メチル-、(Z)-)、CH-164、CH-172、CH-490、AMG-719、イグラチモド(N-[3-(ホルミルアミノ)-4-オキソ-6-フェノキシ-4H-クロメン-7-イル]メタンスルホンアミド)、AV94-88、プラルナッカサン(pralnacasan)(6H-ピリダジノ(1,2-a)(1,2)ジアゼピン-1-カルボキサミド、N-((2R,3S)-2-エトキシテトラヒドロ-5-オキソ-3-フラニル)オクタヒドロ-9-((1-イソキノリニルカルボニル)アミノ)-6,10-ジオキソ-、(1S,9S)-)、(2S-シス)-5-[ベンジルオキシカルボニルアミノ-1,2,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-4-(オキソアゼピノ[3,2,1-ヒ]インドール-2-カルボニル)-アミノ]-4-オキソ酪酸、AVE-9488、エソナリモド(ベンゼン酪酸、アルファ-[(アセチルチオ)メチル]-4-メチル-ガンマ-オキソ-)、プラルナッカサン(pralnacasan)(6H-ピリダジノ(1,2-a)(1,2)ジアゼピン-1-カルボキサミド、N-((2R,3S)-2-エトキシテトラヒドロ-5-オキソ-3-フラニル)オクタヒドロ-9-((1-イソキノリニルカルボニル)アミノ)-6,10-ジオキソ-、(1S,9S)-)、トラネキサム酸(シクロへキサンカルボン酸、4-(アミノメチル)-、トランス-)、Win-72052、ロマザリト(Romazarit)(Ro-31-3948)(プロパン酸、2-[[2-(4-クロロフェニル)-4-メチル-5-オキサゾリル]メトキシ]-2-メチル-)、PD-163594、SDZ-224-015(L-アラニンアミド N-((フェニルメトキシ)カルボニル)-L-バリル-N-((1S)-3-((2,6-ジクロロベンゾイル)オキシ)-1-(2-エトキシ-2-オキソエチル)-2-オキソプロピル)-)、L-709049(L-アラニンアミド、N-アセチル-L-チロシル-L-バリル-N-(2-カルボキシ-1-ホルミルエチル)-、(S)-)、TA-383(1H-イミダゾール、2-(4-クロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-4,5-ジフェニル-、一塩酸塩、シス-)、EI-1507-1(6a,12a-エポキシベンズ[a]アントラセン-1,12(2H,7H)-ジオン、3,4-ジヒドロ-3,7-ジヒドロキシ-8-メトキシ-3-メチル-)、エチル4-(3,4-ジメトキシフェニル)-6,7-ジメトキシ-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)キノリン-3-カルボン酸塩、EI-1941-1、TJ-114、アナキンラ(インターロイキン1レセプターアンタゴニスト(ヒトイソフォームX還元型)、N2-L-メチオニル-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
R. IL-4アゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、IL-4アゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: グラチラミル(glatiramir)酢酸塩(L-グルタミン酸、L-アラニン、L-リジンおよびL-チロシンとの重合体、アセテート(塩)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
S. 免疫調節剤
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、免疫調節剤と治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: バイオリムス、ABT-578、メチルスルファミン酸3-(2-メトキシフェノキシ)-2-[[(メチルアミノ)スルホニル]オキシ]プロピルエステル、シロリムス、CCI-779(ラパマイシン42-(3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン酸塩))、LF-15-0195、NPC15669(L-ロイシン、N-[[(2,7-ジメチル-9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]-)、NPC-15670(L-ロイシン、N-[[(4,5-ジメチル-9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]-)、NPC-16570(4-[2-(フルオレン-9-イル)エチルオキシ-カルボニル]アミノ安息香酸)、スルホスファミド(エタノール、2-[[3-(2-クロロエチル)テトラヒドロ-2H-1,3,2-オキサザホスホリン-2-イル]アミノ]-、メタンスルホン酸塩(エステル)、P-オキシド)、トレスペリムス(2-[N-[4-(3-アミノプロピルアミノ)ブチル]カルバモイルオキシ]-N-(6-グアニジノヘキシル)アセトアミド)、4-[2-(フルオレン-9-イル)エトキシカルボニルアミノ]-ベンゾ-ヒドロキサム酸、ラキニモド、PBI-1411、アザチオプリン(6-[(1-メチル-4-ニトロ-1H-イミダゾール-5-イル)チオ]-1H-プリン)、PBI0032、ベクロメタゾン、MDL-28842(9H-プリン-6-アミン、9-(5-デオキシ-5-フルオロ-β-D-スレオ-ペンタ-4-エノフラノシル)-、(Z)-)、FK-788、AVE-1726、ZK-90695、ZK-90695、Ro-54864、ダイデムニン-B、イリノイ(ダイデムニンA、N-[1-(2-ヒドロキシ-1-オキソプロピル)-L-プロリル]-、(S)-)、SDZ-62-826(エタナミニウム、2-[[ヒドロキシ[[1-[(オクタデシルオキシ)カルボニル]-3-ピペリジニル]メトキシ]ホスホニル]オキシ]-N,N,N-トリメチル-、不活性塩)、アルギリンB (argyrin B)((4S,7S,13R,22R)-13-エチル-4-(1H-インドール-3-イルメチル)-7-(4-メトキシ-1H-インドール-3-イルメチル)18,22-ジメチル-16-メチル-エン-24-チア-3,6,9,12,15,18,21,26-オクタアザビシクロ[21.2.1]-ヘキサコサ-1(25),23(26)-ジエン-2,5,8,11,14,17,20-ヘプタオン)、エベロリムス(ラパマイシン、42-O-(2-ヒドロキシエチル)-)、SAR-943、L-687795、6-[(4-クロロフェニル)スルフィニル]-2,3-ジヒドロ-2-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-3-オキソ-4-ピリダジンカルボニトリル、91Y78(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン、1-β-D-リボフラノシル-)、オーラノフィン(金、(1-チオ-β-D-グルコピラノース 2,3,4,6-テトラアセテート-S)(トリエチルホスフィン)-)、27-0-デメチルラパマイシン、チプレダン(tipredane)(アンドロスタ-1,4-ジエン-3-オン、17-(エチルチオ)-9-フルオロ-11-ヒドロキシ-17-(メチルチオ)-、(11β,17アルファ)-)、AI-402、LY-178002(4-チアゾリジノン、5-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチレン]-)、SM-8849(2-チアゾールアミン、4-[1-(2-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)エチル]-N-メチル-)、ピセアタンノール、レスベラトロル、トリアムシノロンアセトニド(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、9-フルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16,17-[(1-メチルエチリデン)ビス(オキシ)]-、(11β,16アルファ)-)、シクロスポリン(シクロスポリンA-)、タクロリムス(15,19-エポキシ-3H-ピリド(2,1-c)(1,4)オキサアザシクロトリコシン-1,7,20,21(4H,23H)-テトロン、5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-ヘキサデカヒドロ-5,19-ジヒドロキシ-3-(2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシシクロヘキシル)-1-メチルエテニル)-14,16-ジメトキシ-4,10,12,18-テトラメチル-8-(2-プロペニル)-、(3S-(3R*(E(1S*,3S*,4S*)),4S*,5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*))-)、グスペリムス(ヘプタンアミド、7-[(アミノイミノメチル)アミノ]-N-[2-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]-1-ヒドロキシ-2-オキソエチル]-、(+/-)-)、ピバル酸チキソコルトール(プレグン-4-エン-3,20-ジオン、21-[(2,2-ジメチル-1-オキソプロピル)チオ]-11,17-ジヒドロキシ-、(11β)-)、アレファセプト(1-92 LFA-3(抗原)(ヒト)免疫グロブリンG1(ヒトヒンジ-CH2-CH3ガンマ1-鎖)との融合タンパク質、ダイマー)、プロピオン酸ハロベタゾール(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、21-クロロ-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-17-(1-オキソプロポキシ)-、(6アルファ,11β,16β)-)、イロプロストトロメタモール(ペンタン酸、5-[ヘキサヒドロ-5-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシ-4-メチル-1-オクテン-6-イニル)-2(1H)-ペンタレニリデン]-)、ベラプロスト(1H-シクロペンタ[b]ベンゾフラン-5-酪酸、2,3,3a,8b-テトラヒドロ-2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-4-メチル-1-オクテン-6-イニル)-)、リメキソロン(rimexolone)(アンドロスタ-1,4-ジエン-3-オン、11-ヒドロキシ-16,17-ジメチル-17-(1-オキソプロピル)-、(11β,16アルファ,17β)-)、デキサメタゾン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、9-フルオロ-11,17,21-トリヒドロキシ-16-メチル-、(11β,16アルファ)-)、スリンダク(シス-5-フルオロ-2-メチル-1-[(p-メチルスルフィニル)ベンジリデン]インデン-3-酢酸)、プログルメタシン(proglumetacin)(1H-インドール-3-酢酸、1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチル-、2-(4-(3-((4-(ベンゾイルアミノ)-5-(ジプロピルアミノ)-1,5-ジオキソペンチル)オキシ)プロピル)-1-ピペラジニル)エチルエステル、(+/-)-)、ジプロピオン酸アルクロメタゾン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、7-クロロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-17,21-ビス(1-オキソプロポキシ)-、(7アルファ,11β,16アルファ)-)、ピメクロリムス(15,19-エポキシ-3H-ピリド(2,1-c)(1,4)オキサアザシクロトリコシン-1,7,20,21(4H,23H)-テトロン、3-(2-(4-クロロ-3-メトキシシクロヘキシル)-1-メチルエテニル)-8-エチル-5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a-ヘキサデカヒドロ-5,19-ジヒドロキシ-14,16-ジメトキシ-4,10,12,18-テトラメチル、(3S-(3R*(E(1S*,3S*,4R*)),4S*,5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*))-)、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート(プレグン-4-エン-3,20-ジオン、11,21-ジヒドロキシ-17-(1-オキソブトキシ)-、(11β)-)、ミトキサントロン(9,10-アントラセンジオン、1,4-ジヒドロキシ-5,8-ビス[[2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]アミノ]-)、ミゾリビン(1H-イミダゾール-4-カルボキサミド、5-ヒドロキシ-1-β-D-リボフラノシル-)、プレドニカルベート(prednicarbate)(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、17-[(エトキシカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-21-(1-オキソプロポキシ)-、(11β)-)、ロベンザリット(安息香酸、2-[(2-カルボキシフェニル)アミノ]-4-クロロ-)、グルカメタシン(glucametacin)(D-グルコース、2-[[[1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-イル]アセチル]アミノ]-2-デオキシ-)、フルオコルトロン 一水和物((6アルファ)-フルオロ-16アルファ-メチルプレグナ-1,4-ジエン-11β,21-ジオール-3,20-ジオン)、フルオコルチンブチル(プレグナ-1,4-ジエン-21-オイク酸、6-フルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3,20-ジオキソ、ブチルエステル、(6アルファ,11β,16アルファ)-)、ジフルプレドネート(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、21-(アセチルオキシ)-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-17-(1-オキソブトキシ)-、(6アルファ,11β)-)、酢酸ジフロラゾン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、17,21-ビス(アセチルオキシ)-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-、(6アルファ,11β,16β)-)、吉草酸デキサメタゾン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、9-フルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16-メチル-17-[(1-オキソペンチル)オキシ]-、(11β,16α)-)、メチルプレドニゾロン、プロピオン酸デプロドン(プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、11-ヒドロキシ-17-(1-オキソプロポキシ)-、(11.ベータ.)-)、ブシラミン(L-システイン、N-(2-メルカプト-2-メチル-1-オキソプロピル)-)、アムシノニド(ベンゼン酢酸、2-アミノ-3-ベンゾイル-、一ナトリウム塩、一水和物)、アセメタシンン(1H-インドール-3-酢酸、1-(4-クロロベンゾイル)-5-メトキシ-2-メチル-、カルボキシメチルエステル)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。更に、ラパマイシンの類似体としては、タクロリムスおよびその誘導体(例えばEP0184162B1および米国特許第6,258,823号)、エベロリムスおよびその誘導体(例えば、米国特許第5,665,772号)を挙げることができる。シロリムス類似体および誘導体のさらなる代表例は
Figure 2006525855
に見出すことができる。代表的な米国特許としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
シロリムス、エベロリムスおよびタクロリムスの構造を次に示す:
Figure 2006525855
Figure 2006525855
さらなるシロリムス類似体および誘導体としては、タクロリムスおよびその誘導体(例えば欧州特許第0184162B1号および米国特許第6,258,823号)、エベロリムスおよびその誘導体(例えば米国特許第5,665,772号)を挙げることができる。シロリムス類似体および誘導体のさらなる代表例としては、ABT-578を挙げることができ、また他の例を
Figure 2006525855
に見出せるだろう。
代表的な米国特許としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
T. イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ミコフェノール酸モフェチル(4-ヘキセン酸、6-(1,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-メトキシ-7-メチル-3-オキソ-5-イソベンゾフラニル)-4-メチル-、2-(4-モルホリニル)エチルエステル、(E)-)、リバビリン(1H-1,2,4-tトリアゾール-3-カルボキサミド、1-β-D-リボフラノシル-)、チアゾフリン(4-チアゾールカルボキサミド、2-β-D-リボフラノシル-)、ビラミジン(viramidine)、アミノチアジアゾール、チオフェンフリン(thiophenfurin)、チアゾフリン、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。さらなる代表例としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
U. ロイコトリエンインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ロイコトリエンインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ONO-4057(ベンゼンプロパン酸、2-(4-カルボキシブトキシ)-6-[[6-(4-メトキシフェニル)-5-ヘキセニル]オキシ]-、(E)-)、ONO-LB-448、ピロドマスト1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン、4-ヒドロキシ-1-フェニル-3-(1-ピロリジニル)-[CAS]、Sch-40120(ベンゾ[b][1,8]ナフチリジン-5(7H)-オン、10-(3-クロロフェニル)-6,8,9,10-テトラヒドロ-)、L-656224(4-ベンゾフラノール、7-クロロ-2-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-5-プロピル-)、MAFP(メチルアラキドニルフルオロリン酸)、オンタゾラスト(2-ベンゾキサゾールアミン、N-[2-シクロヘキシル-1-(2-ピリジニル)エチル]-5-メチル-、(S)-)、アメルバント(amelubant)(カルバミン酸、((4-((3-((4-(1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル)フェノキシ)メチル)フェニル)メトキシ)フェニル)イミノメチル)-エチルエステル)、SB-201993(安息香酸、3-[[[[6-[(1E)-2-カルボキシエテニル]-5-[[8-(4-メトキシフェニル)オクチル]オキシ]-2-ピリジニル]メチル]チオ]メチル]-)、LY-203647(エタノン、1-[2-ヒドロキシ-3-プロピル-4-[4-[2-[4-(1H-テトラゾール-5-イル)ブチル]-2H-テトラゾール-5-イル]ブトキシ]フェニル]-)、LY-210073、LY-223982(ベンゼンプロパン酸、5-(3-カルボキシベンゾイル)-2-[[6-(4-メトキシフェニル)-5-ヘキセニル]オキシ]-、(E)-)、LY-293111(安息香酸、2-[3-[3-[(5-エチル-4'-フルオロ-2-ヒドロキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)オキシ]プロポキシ]-2-プロピルフェノキシ]-)、SM-9064(ピロリジン、1-[4,11-ジヒドロキシ-13-(4-メトキシフェニル)-1-オキソ-5,7,9-トリデカトリエニル]-、(E,E,E)-)、T-0757(2,6-オクタジエンアミド、N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,7-ジメチル、(2E)-)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
V. MCP-1アンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、MCP-1アンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ニトロナプロキセン(2-ナフタレン酢酸、6-メトキシ-アルファ-メチル4-(ニトロオキシ)ブチルエステル(アルファS)-)、ビンダリット(Bindarit)(2-(1-ベンジルインダゾール-3-イルメトキシ)-2-メチルプロパン酸)、1-アルファ-25ジヒドロキシビタミンD3、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
W. MMPインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、MMPインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: D-9120、ドキシシクリン(2-ナフタセンカルボキサミド、4-(ジメチルアミノ)-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-3,5,10,12,12a-ペンタヒドロキシ-6-メチル-1,11-ジオキソ-[4S-(4α,4aα,5α,5aα,6α,12aα)]-)、BB-2827、BB-1101(2S-アリル-N1-ヒドロキシ-3R-イソブチル-N4-(1S-メチルカルバモイル-2-フェニルエチル)-スクシンアミド)、BB-2983、ソリマスタット(solimastat)(N'-[2,2-ジメチル-1(S)-[N-(2-ピリジル)カルバモイル]プロピル]-N4-ヒドロキシ-2(R)-イソブチル-3(S)-メトキシスクシンアミド)、バチマスタット(ブタンジアミド、N4-ヒドロキシ-N1-[2-(メチルアミノ)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-2-(2-メチルプロピル)-3-[(2-チエニルチオ)メチル]-、[2R-[1(S*),2R*,3S*]]-)、CH-138、CH-5902、D-1927、D-5410、EF-13(γ-リノレン酸リチウム塩)、CMT-3(2-ナフタセンカルボキサミド、1,4,4a,5,5a,6,11,12a-オクタヒドロ-3,10,12,12a-テトラヒドロキシ-1,11-ジオキソ-、(4aS,5aR,12aS)-)、マリマスタット(Marimastat)(N-[2,2-ジメチル-1(S)-(N-メチルカルバモイル)プロピル]-N,3(S)-ジヒドロキシ-2(R)-イソブチルスクシンアミド)、TIMP'S、ONO-4817、レビマスタット(L-バリンアミド、N-((2S)-2-メルカプト-1-オキソ-4-(3,4,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル)ブチル)-L-ロイシル-N,3-ジメチル-)、PS-508、CH-715、ニメスリド(nimesulide)(メタンスルホンアミド、N-(4-ニトロ-2-フェノキシフェニル)-)、ヘキサヒドロ-2-[2(R)-[1(RS)-(ヒドロキシカルバモイル)-4-フェニルブチル]ノナノイル]-N-(2,2,6,6-エトラメチル-4-ピペリジニル)-3(S)-ピリダジンカルボキサミド、Rs-113-080、Ro-1130830、シペマスタット(Cipemastat)(1-ピペリジンブタンアミド、β-(シクロペンチルメチル)-N-ヒドロキシ-γ-オキソ-アルファ-[(3,4,4-トリメチル-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジニル)メチル]-、(アルファR,βR)-)、5-(4'-ビフェニル)-5-[N-(4-ニトロフェニル)ピペラジニル]バルビツール酸、6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ノルハルマン-1-カルボン酸、Ro-31-4724(L-アラニン、N-[2-[2-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソエチル]-4-メチル-1-オキソペンチル]-L-ロイシル-、エチルエステル)、プリノマスタット(prinomastat)(3-チオモルホリンカルボキサミド、N-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-((4-(4-ピリジニルオキシ)フェニル)スルホニル)-、(3R)-)、AG-3433(1H-ピロール-3-プロパン酸、1-(4'-シアノ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-b-[[[(3S)-テトラヒドロ-4,4-ジメチル-2-オキソ-3-フラニル]アミノ]カルボニル]-、フェニルメチルエステル、(bS)-)、PNU-142769(2H-イソインドール-2-ブタンアミド、1,3-ジヒドロ-N-ヒドロキシ-アルファ-[(3S)-3-(2-メチルプロピル)-2-オキソ-1-(2-フェニルエチル)-3-ピロリジニル]-1,3-ジオキソ-、(アルファR)-)、(S)-1-[2-[[[(4,5-ジヒドロ-5-チオキソ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]-カルボニル]アミノ]-1-オキソ-3-(ペンタフルオロフェニル)プロピル]-4-(2-ピリジニル)ピペラジン、SU-5402(1H-ピロール-3-プロパン酸、2-[(1,2-ジヒドロ-2-オキソ-3H-インドール-3-イリデン)メチル]-4-メチル-)、SC-77964、PNU-171829、CGS-27023A、N-ヒドロキシ-2(R)-[(4-メトキシベンゼン-スルホニル)(4-ピコリル)アミノ]-2-(2-テトラヒドロフラニル)-アセトアミド、L-758354((1,1'-ビフェニル)-4-ヘキサン酸、アルファ-ブチル-ガンマ-(((2,2-ジメチル-1-((メチルアミノ)カルボニル)プロピル)アミノ)カルボニル)-4'-フルオロ-、(αS-(αR*,ガンマS*(R*)))-)、GI-155704A、CPA-926、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。さらなる代表例としては、
Figure 2006525855
Figure 2006525855
Figure 2006525855
を挙げることができる。
X. NFカッパBインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、NFカッパBインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: AVE-0545、オキシ-104(ベンズアミド、4-アミノ-3-クロロ-N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)-)、デックスリポタム(dexlipotam)、INDRA、R-フルルビプロフェン([1,1'-ビフェニル]-4-酢酸、2-フルオロ-アルファ-メチル)、SP100030(2-クロロ-N-[3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-カルボキサミド)、AVE-0545、ビアトリス(Viatris)、AVE-0547、Bay 11-7082、Bay 11-7085、15デオキシ-プロスタイランジン(prostaylandin)J2、ボルテゾミブ(ボロン酸、[(1R)-3-メチル-1-[[(2S)-1-オキソ-3-フェニル-2-[(ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]ブチル]-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
Y. NOアゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、NOアゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: NCX-4016(安息香酸、2-(アセチルオキシ)-、3-((ニトロオキシ)メチル)フェニルエステル)、NCX-2216、L-アルギニン、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
Z. P38 MAPキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、P38 MAPキナーゼと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: GW-2286、CGP-52411、BIRB-798、SB220025、RO-320-1195、RWJ-67657、RWJ-68354、SCIO-469、SCIO-323、AMG-548、CMC-146、SD-31145、CC-8866、Ro-320-1195、PD-98059(4H-1-ベンゾピラン-4-オン、2-(2-アミノ-3-メトキシフェニル)-)、CGH-2466、ドラマピモド(doramapimod)、SB-203580(ピリジン、4-[5-(4-フルオロフェニル)-2-[4-(メチルスルフィニル)フェニル]-1H-イミダゾール-4-イル]-)、SB-220025((5-(2-アミノ-4-ピリミジニル)-4-(4-フルオロフェニル)-1-(4-ピペリジニル)イミダゾール))、SB-281832、PD169316、SB202190、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。さらなる代表例としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
AA. ホスホジエステラーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ホスホジエステラーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: CDP-840(ピリジン、4-[(2R)-2-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-フェニルエチル]-)、CH-3697、CT-2820、D-22888(イミダゾ[1,5-a]ピリド[3,2-e]ピラジン-6(5H)-オン、9-エチル-2-メトキシ-7-メチル-5-プロピル-)、D-4418(8-メトキシキノリン-5-[N-(2,5-ジクロロピリジン-3-イル)]カルボキサミド)、1-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)エタノンオキシム、D-4396、ONO-6126、CDC-998、CDC-801、V-11294A(3-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシベンジル]-6-(エチルアミノ)-8-イソプロピル-3H-プリン塩酸塩)、S,S'-メチレン-ビス(2-(8-シクロプロピル-3-プロピル-6-(4-ピリジルメチルアミノ)-2-チオ-3H-プリン))テトラヒドロクロリド、ロリプラム(2-ピロリジノン、4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-)、CP-293121、CP-353164(5-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキサミド)、オキサグレラート(oxagrelate)(6-フタラジンカルボン酸、3,4-ジヒドロ-1-(ヒドロキシメチル)-5,7-ジメチル-4-オキソ-、エチルエステル)、PD-168787、イブジラスト(1-プロパノン、2-メチル-1-[2-(1-メチルエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-)、オキサグレラート(oxagrelate)(6-フタラジンカルボン酸、3,4-ジヒドロ-1-(ヒドロキシメチル)-5,7-ジメチル-4-オキソ-、エチルエステル)、グリセオ酸(アルファ-L-タロ-オクタ-4-エノフラヌロン酸、1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-3,6-無水-6-C-カルボキシ-1,5-ジデオキシ-)、KW-4490、KS-506、T-440、ロフルミラスト(ベンズアミド、3-(シクロプロピルメトキシ)-N-(3,5-ジクロロ-4-ピリジニル)-4-(ジフルオロメトキシ)-)、ロリプラム、ミルリノン、トリフルシナル(triflusinal)(安息香酸、2-(アセチルオキシ)-4-(トリフルオロメチル)-)、塩酸アナグレライド(イミダゾ[2,1-b]キナゾリン-2(3H)-オン、6,7-ジクロロ-1,5-ジヒドロ-、一塩酸塩)、シロスタゾール(2(1H)-キノリノン、6-[4-(1-シクロヘキシル-1H-テトラゾール-5-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-)、プロペントフィリン(1H-プリン-2,6-ジオン、3,7-ジヒドロ-3-メチル-1-(5-オキソヘキシル)-7-プロピル-)、クエン酸シルデナフィル(ピペラジン、1-((-3-(4,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル)スルホニル)-4-メチル、2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルビキシレート-(1:1))、タダラフィル(ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4-b)インドール1,4-ジオン、6-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-、(6R-トランス))、バルデナフィル(ピペラジン、1-(3-(1,4-ジヒドロ-5-メチル(-4-オキソ-7-プロピルイミダゾ(5,1-f)(1,2,4)-トリアジン-2-イル)-4-エトキシフェニル)スルホニル)-4-エチル-)、ミルリノン([3,4'-ビピリジン]-5-カルボニトリル、1,6-ジヒドロ-2-メチル-6-オキソ-)、エノキシモン(2H-イミダゾール-2-オン、1,3-ジヒドロ-4-メチル-5-[4-(メチルチオ)ベンゾイル]-)、テオフィリン(1H-プリン-2,6-ジオン、3,7-ジヒドロ-1,3-ジメチル-)、イブジラスト(1-プロパノン、2-メチル-1-[2-(1-メチルエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-)、アミノフィリン(1H-プリン-2,6-ジオン、3,7-ジヒドロ-1,3-ジメチル-、1,2-エタンジアミンとの配合体(2:1)-)、アセブロフィリン(7H-プリン-7-酢酸、1,2,3,6-テトラヒドロ-1,3-ジメチル-2,6-ジオキソ-、トランス-4-[[(2-アミノ-3,5-ジブロモフェニル)メチル]アミノ]シクロヘキサノールとの配合体(1:1))、プラフィブリド(プロパンアミド、2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-N-[[(4-モルホリニルメチル)アミノ]カルボニル]-)、塩酸ロプリノン(3-ピリジンカルボニトリル、1,2-ジヒドロ-5-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル-6-メチル-2-オキソ-、一塩酸塩-)、ホスホサール(安息香酸、2-(ホスホノオキシ)-)、アムリノン([3,4'-ビピリジン]-6(1H)-オン、5-アミノ-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
BB. TGFベータインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、TGFベータインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: マンノース-6-リン酸、LF-984、タモキシフェン(エタンアミン、2-[4-(1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ]-N,N-ジメチル-、(Z)-)、トラニラスト、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
CC. トロンボキサンA2アンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、トロンボキサンA2アンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: CGS-22652(3-ピリジンヘプタン酸、.ガンマ.-[4-[[(4-クロロフェニル)スルホニル]アミノ]ブチル]-、(.+-.)-)、オザグレル(2-プロペン酸、3-[4-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)フェニル]-、(E)-)、アルガトロバン(2-ピペリジンカルボン酸、1-[5-[(アミノイミノメチル)アミノ]-1-オキソ-2-[[(1,2,3,4-テトラヒドロ-3-メチル-8-キノリニル)スルホニル]アミノ]ペンチル]-4-メチル-)、ラマトロバン(9H-カルバゾール-9-プロパン酸、3-[[(4-フルオロフェニル)スルホニル]アミノ]-1,2,3,4-テトラヒドロ-、(R)-)、トラセミド(3-ピリジンスルホンアミド、N-[[(1-メチルエチル)アミノ]カルボニル]-4-[(3-メチルフェニル)アミノ]-)、ガンマリノール酸((Z,Z,Z)-6,9,12-オクタデカトリエン酸)、セラトロダスト(ベンゼンヘプタン酸、ゼータ-(2,4,5-トリメチル-3,6-ジオキソ-1,4-シクロヘキサジエン-1-イル)-、(+/-)-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
DD. TNFaアンタゴニスト/TACEインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、TNFaアンタゴニスト/TACEインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: E-5531(2-デオキシ-6-0-[2-デオキシ-3-0-[3(R)-[5(Z)-ドデセノイルオキシ]-デシル]-6-0-メチル-2-(3-オキソテトラデカンアミド)-4-O-ホスホノ-β-D-グルコピラノシル]-3-0-[3(R)-ヒドロキシデシル]-2-(3-オキソテトラデカンアミド)-アルファ-D-グルコピラノース-1-O-リン酸塩)、AZD-4717、グリコホスホペプチカール、UR-12715(安息香酸、2-ヒドロキシ-5-[[4-[3-[4-(2-メチル-1H-イミダゾール[4,5-c]ピリジン-1-イル]メチル]-1-ピペリジニル]-3-オキソ-1-フェニル-1-プロペニル]フェニル]アゾ](Z))、PMS-601、AM-87、キシロアデノシン(9H-プリン-6-アミン、9-β-D-キシロフラノシル-)、RDP-58、RDP-59、BB2275、ベンジダミン、E-3330(ウンデカン酸、2-[(4,5-ジメトキシ-2-メチル-3,6-ジオキソ-1,4-シクロヘキサジエン-1-イル)メチレン]-、(E)-)、N-[D,L-2-(ヒドロキシアミノカルボニル)メチル-4-メチルペンタノイル]-L-3-(2'-ナフチル)アラニル-L-アラニン、2-アミノエチルアミド、CP-564959、MLN-608、SPC-839、ENMD-0997、Sch-23863((2-[10,11-ジヒドロ-5-エトキシ-5H-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-S-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン)、SH-636、PKF-241-466、PKF-242-484、TNF-484A、シロミラスト(シス-4-シアノ-4-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]シクロヘキサン-1-カルボン酸)、GW-3333、GW-4459、BMS-561392、AM-87、クロリクロメン(酢酸、[[8-クロロ-3-[2-(ジエチルアミノ)エチル]-4-メチル-2-オキソ-2H-1-ベンゾピラン-7-イル]オキシ]-、エチルエステル)、サリドマイド(1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン、2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-)、ベスナリノン(ピペラジン、1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4-(1,2,3,4-テトラヒドロ-2-オキソ-6-キノリニル)-)、インフリキシマブ、レンチナン、エタネルセプト(236-467-免疫グロブリンG1(ヒトガンマ1-鎖Fc断片)との1-235-腫瘍壊死因子レセプター(ヒト)融合タンパク質)、ジアセレイン(2-アントラセンカルボン酸、4,5-ビス(アセチルオキシ)-9,10-ジヒドロ-9,10-ジオキソ、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
EE. チロシンキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、チロシンキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: SKI-606、ER-068224、SD-208、N-(6-ベンゾチアゾリル)-4-(2-(1-ピペラジニル)ピリド-5-イル)-2-ピリミジンアミン、セラストロール(24,25,26-トリノロレアナ-1(10),3,5,7-テトラエン-29-オイク酸、3-ヒドロキシ-9,13-ジメチル-2-オキソ-、(9.ベータ.,13アルファ,14β,20アルファ)-)、CP-127374(ゲルダナマイシン、17-デメトキシ-17-(2-プロペニルアミノ)-)、CP-564959、PD-171026、CGP-52411(1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン、4,5-ビス(フェニルアミノ)-)、CGP-53716(ベンズアミド、N-[4-メチル-3-[[4-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-)、イマチニブ(4-((メチル-1-ピペラジニル)メチル)-N-[4-メチル-3-[[4-(3-ピリジニル)-2-ピリミジニル]アミノ]-フェニル]ベンズアミドメタンスルホネート)、NVP-AAK980-NX、KF-250706(13-クロロ,5(R),6(S)-エポキシ-14,16-ジヒドロキシ-11-(ヒドロキシイミノ(hydroyimino))-3(R)-メチル-3,4,5,6,11,12-ヘキサヒドロ-1H-2-ベンズオキサシクロテトラデシン-1-オン)、5-[3-[3-メトキシ-4-[2-[(E)-2-フェニルエテニル]-4-オキサゾリルメトキシ]フェニル]プロピル]-3-[2-[(E)-2-フェニルエテニル]-4-オキサゾリルメチル]-2,4-オキサゾリジンジオン、ゲニステイン、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
FF. ビトロネクチンインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ビトロネクチンインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: O-[9,10-ジメトキシ-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロ-4-[(1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジニル)ヒドラゾノ]-8-ベンズ(e)アズレニル]-N-[(フェニルメトキシ)カルボニル]-DL-ホモセリン2,3-ジヒドロキシプロピルエステル、(2S)-ベンゾイルカルボニルアミノ-3-[2-((4S)-(3-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)-プロピル)-2,5-ジオキソ-イミダゾリジン-1-イル)-アセチルアミノ]-プロピオネート、Sch-221153、S-836、SC-68448(β-[[2-2-[[[3-[(アミノイミノメチル)アミノ]-フェニル]カルボニル]アミノ]アセチル]アミノ]-3,5-ジクロロベンゼンプロパン酸)、SD-7784、S-247、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
GG. 繊維芽細胞増殖因子インヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、繊維芽細胞増殖因子インヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: CT-052923([(2H-ベンゾ[d]1,3-ジオキサラン-5-メチル)アミノ][4-(6,7-ジメトキシキナゾリン-4-イル)ピペラジニル]メタン-1-チオン、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
HH. プロテインキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、プロテインキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: KP-0201448、NPC15437(ヘキサンアミド、2,6-ジアミノ-N-[[1-(1-オキソトリデシル)-2-ピペリジニル]メチル]-)、ファスジル(1H-1,4-ジアゼピン、ヘキサヒドロ-1-(5-イソキノリニルスルホニル)-)、ミドスタウリン(midostaurin)(ベンズアミド、N-(2,3,10,11,12,13-ヘキサヒドロ-10-メトキシ-9-メチル-1-オキソ-9,13-エポキシ-1H,9H-ジインドロ[1,2,3-gh:3',2',1'-Im]ピロロ[3,4-j][1,7]ベンゾジアゾニン-11-イル)-N-メチル、(9アルファ,10β,11β,13アルファ)-)、ファスジル(1H-1,4-ジアゼピン、ヘキサヒドロ-1-(5-イソキノリニルスルホニル)-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
II. PDGFレセプターキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、PDGFレセプターキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: RPR-127963Eならびに、その類似体および誘導体を挙げることができる。
JJ. 内皮細胞増殖因子レセプターキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、内皮細胞増殖因子レセプターキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: CEP-7055、SU-0879((E)-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-(アミノチオカルボニル)アクリロニトリル)、BIBF-1000、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
KK. レチノイン酸レセプターアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、レチノイン酸レセプターアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: エタロテン(Ro-15-1570)(ナフタレン、6-[2-[4-(エチルスルホニル)フェニル]-1-メチルエテニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,1,4,4-テトラメチル-、(E)-)、(2E,4E)-3-メチル-5-(2-((E)-2-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)エテニル)-1-シクロヘキセン-1-イル)-2,4-ペンタジエン酸、トコレチネート(レチノイン酸、3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン-6-イルエステル、[2R*(4R*,8R)]-(±)-)、アリレチノイン(aliretinoin)(レチノイン酸、シス-9、トランス-13-)、ベキサロテン(安息香酸、4-(1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,8,8-ペンタメチル-2-ナフタレニル)エテニル)-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
LL. 血小板由来増殖因子レセプターキナーゼインヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、血小板由来増殖因子レセプターキナーゼインヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: レフルノミド(4-イソキサゾールカルボキサミド、5-メチル-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
MM. フィブリノギンアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、フィブリノギンアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ピコタミド(1,3-ベンゼンジカルボキサミド、4-メトキシ-N,N'-ビス(3-ピリジニルメチル)-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
NN. 抗真菌剤
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、フィブリノギンアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ミコナゾール、スルコニゾール、パルテノリド、ロスコニチン、ニスタチン、イソコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、イミダゾール、イトラコナゾール、テルピナフィン、エロナゾール(elonazole)、ビホナゾール、クロトリマゾール、コナゾール、テルコナゾール(ピペラジン、1-[4-[[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ]フェニル]-4-(1-メチルエチル)-、シス-)、イソコナゾール(1-[2-(2-6-ジクロロベンジルオキシ)-2-(2-,4-ジクロロフェニル)エチル])、グリセオフルビン(スピロ[ベンゾフラン-2(3H),1'-[2]シクロヘキサン]-3,4'-ジオン、7-クロロ-2',4,6-トリメト-オキシ-6'-メチル-、(1'S-トランス)-)、ビホナゾール(1H-イミダゾール、1-([1,1'-ビフェニル]-4-イルフェニルメチル)-)、硝酸エコナゾール(1-[2-[(4-クロロフェニル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1H-硝酸イミダゾール)、クロコナゾール(1H-イミダゾール、1-[1-[2-[(3-クロロフェニル)メトキシ]フェニル]エテニル]-)、セルタコナゾール(1H-イミダゾール、1-[2-[(7-クロロベンゾ[b]チエン-3-イル)メトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-)、オモコナゾール(1H-イミダゾール、1-[2-[2-(4-クロロフェノキシ)エトキシ]-2-(2,4-ジクロロフェニル)-1-メチルエテニル]-、(Z)-)、フルトリマゾール(1H-イミダゾール、1-[(2-フルオロフェニル)(4-フルオロフェニル)フェニルメチル]-)、フルコナゾール(1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、アルファ-(2,4-ジフルオロフェニル)-アルファ-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-)、ネチコナゾール(1H-イミダゾール、1-[2-(メチルチオ)-1-[2-(ペンチルオキシ)フェニル]エテニル]-、一塩酸塩、(E)-)、ブトコナゾール(1H-イミダゾール、1-[4-(4-クロロフェニル)-2-[(2,6-ジクロロフェニル)チオ]ブチル]-、(+/-)-)、クロトリマゾール(1-[(2-クロロフェニル)ジフェニルメチル]-1H-イミダゾール、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
OO. ビスホスホネート
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ビスホスホネートと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: クロドロネート、アレンドロネート、パミドロネート、ゾレドロネート、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
PP. ホスホリパーゼA1インヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ホスホリパーゼA1インヒビターと治療的に関係しており、このとき、この生物活性を有する例示的化合物としては: ロテプレドノールエタボネート(アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボン酸、17-[(エトキシカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-3-オキソ-、クロロメチルエステル、(11β,17アルファ)-、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
QQ. ヒスタミンH1/H2/H3レセプターアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ヒスタミンH1/H2/H3レセプターアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ラニチジン(1,1-エテンジアミン、N-[2-[[[5-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-フラニル]メチル]チオ]エチル]-N'-メチル-2-ニトロ-)、ニペロチジン(N-[2-[[5-[(ジメチルアミノ)メチル]フルフリル]チオ]エチル]-2-ニトロ-N'-ピペロニル-1,1-エテンジアミン)、ファモチジン(プロパンイミドアミド、3-[[[2-[(アミノイミノメチル)アミノ]-4-チアゾリル]メチル]チオ]-N-(アミノスルホニル)-)、酢酸ロキシタジンHCl(アセトアミド、2-(アセチルオキシ)-N-[3-[3-(1-ピペリジニルメチル)フェノキシ]プロピル]-、一塩酸塩)、ラフチジン(アセトアミド、2-[(2-フラニルメチル)スルフィニル]-N-[4-[[4-(1-ピペリジニルメチル)-2-ピリジニル]オキシ]-2-ブテニル]-、(Z)-)、ニザタジン(1,1-エテンジアミン、N-[2-[[[2-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-チアゾリル]メチル]チオ]エチル]-N'-メチル-2-ニトロ-)、エブロチジン(ベンゼンスルホンアミド、N-[[[2-[[[2-[(アミノイミノメチル)アミノ]-4-チアゾリル]メチル]チオ]エチル]アミノ]メチレン]-4-ブロモ-)、ルパタジン(5H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン、8-クロロ-6,11-ジヒドロ-11-[1-[(5-メチル-3-ピリジニル)メチル]-4-ピペリジニリデン]-、三塩酸塩-)、フェキソフェナジンHCl(ベンゼン酢酸、4-[1-ヒドロキシ-4-[4(ヒドロキシジフェニルメチル)-1-ピペリジニル]ブチル]-アルファ,アルファ-ジメチル-、塩酸塩、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
RR. マクロライド系抗生物質
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、マクロライド系抗生物質と治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ジリスロマイシン、(エリスロマイシン、9-デオキソ-11-デオキシ-9,11-[イミノ[2-(2-メトキシエトキシ)エチリデン]オキシ]-、[9S(R)]-)、フルリスロマイシンエチルスクシネート(エリスロマイシン、8-フルオロ-モノ(エチルブタンジオエート)(エステル)-)、エリスロマイシンスチノプレート(エリスロマイシン、2'-プロパノエート、N-アセチル-L-システインとの配合体(1:1))、クラリスロマイシン(エリスロマイシン、6-O-メチル-)、アジスロマイシン(9-デオキソ-9a-アザ-9a-メチル-9a-ホモエリスロマイシン-A)、テリスロマイシン(3-De((2,6-ジデオキシ-3-C-メチル-3-O-メチル-アルファ-L-リボ-ヘキソピラノシル)オキシ)-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-(オキシカルボニル((4-(4-(3-ピリジニル)-1H-イミダゾール-1-イル)ブチル)イミノ))-)、ロキシスロマイシン(エリスロマイシン、9-[O-[(2-メトキシエトキシ)メチル]オキシム])、ロキタマイシン(ロイコマイシン V、4B-ブタノエート 3B-プロパノエート)、RV-11(エリスロマイシンモノプロピオネートメルカプトスクシネート)、酢酸ミデカマイシン(ロイコマイシン V、3B,9-ジアセテート 3,4B-ジプロパノエート)、ミデカマイシン(ロイコマイシン V、3,4B-ジプロパノエート)、ジョサマイシン(ロイコマイシン V、3-アセテート 4B-(3-メチルブタノエート)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
SS. GPIIb IIIaレセプターアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、GPIIb IIIaレセプターアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: 塩酸チロフィバン(L-チロシン、N-(ブチルスルホニル)-O-[4-(4-ピペリジニル)ブチル]-、一塩酸塩-)、エプチフィバチド(L-システインアミド、N6-(アミノイミノメチル)-N2-(3-メルカプト-1-オキソプロピル)-L-リシルグリシル-L-アルファ-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-プロピル-、環状(1->6)-ジスルフィド、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
TT. エンドセリンレセプターアンタゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、エンドセリンレセプターアンタゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ボセンタン(ベンゼンスルホンアミド、4-(1,1-ジメチルエチル)-N-[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-(2-メトキシフェノキシ)[2,2'-ビピリミジン]-4-イル]、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
UU. ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターアゴニスト
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターアゴニストと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: ゲムフィブロジル(ペンタン酸、5-(2,5-ジメチルフェノキシ)-2,2-ジメチル-)、フェノフィブレート(プロパン酸、2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]-2-メチル-、1-メチルエチルエステル)、シプロフィブレート(プロパン酸、2-[4-(2,2-ジクロロシクロプロピル)フェノキシ]-2-メチル-)、マレイン酸ロシグリタゾン(2,4-チアゾリジンジオン、5-((4-(2-(メチル-2-ピリジニルアミノ)エトキシ)フェニル)メチル)-、(Z)-2-ブテンジオエート(1:1))、塩酸ピオグリタゾン(2,4-チアゾリジンジオン、5-[[4-[2-(5-エチル-2-ピリジニル)エトキシ]フェニル]メチル]-、一塩酸塩、(+/-)-)、エトフィリンクロフィブレート(プロパン酸、2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-、2-(1,2,3,6-テトラヒドロ-1,3-ジメチル-2,6-ジオキソ-7H-プリン-7-イル)エチルエステル)、エトフィブレート(3-ピリジンカルボン酸、2-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]エチルエステル)、クリノフィブレート(ブタン酸、2,2'-[シクロヘキシリデンビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[2-メチル-])、ベンザフィブレート(プロパン酸、2-[4-[2-[(4-クロロベンゾイル)アミノ]エチル]フェノキシ]-2-メチル-)、ビニフィブレート(3-ピリジンカルボン酸、2-[2-(4-クロロフェノキシ)-2-メチル-1-オキソプロポキシ]-1,3-プロパンジイルエステル、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
VV. エストロゲンレセプター作用物質
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、エストロゲンレセプター作用物質と治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: エストラジオール、17-β-エストラジオール、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
WW. ソマトスタチン類似体
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ソマトスタチン類似体と治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: アンギオペプチン、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
XX. シロリムスおよびシロリムス類似体
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、シロリムス、またはその誘導体もしくは類似体のような免疫抑制剤と治療的に関係している。簡単に述べると、シロリムス(「ラパマイシン」とも呼ばれる)はマクロライド系抗生物質である。治療上、本剤は免疫抑制剤に分類される。その作用機序分類は、細胞周期インヒビターおよびmTORR(ラパマイシンの哺乳動物の標的)インヒビターである。シロリムス、エベロリムスおよびタクロリムスの構造を以下に示す。
Figure 2006525855
Figure 2006525855
さらなるシロリムス類似体および誘導体としては、タクロリムスおよびその誘導体(例えば、EP0184162B1および米国特許第6,258,823号参照)、エベロリムスおよびその誘導体(例えば米国特許第5,665,772号)を挙げることができる。シロリムス類似体および誘導体のさらなる代表例は、
Figure 2006525855
に見出すことができる。
代表的な米国特許としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
YY. ポドフィロトキシン
本発明の局面の1つでは、吻合接合装置は、ポドフィロトキシン、またはその誘導体もしくは類似体と治療的に関係している。このタイプの例示的化合物はエトポシドまたはテニポシドであり、それらは次の構造を有する:
Figure 2006525855
ZZ. 血管新生インヒビター
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、血管新生インヒビターと治療的に関係しており、この場合、この生物活性を有する例示的化合物としては: 2-ME(NSC-659853)、PI-88(D-マンノース、O-6-O-ホスホノ-アルファ-D-マンノピラノシル-(1-3)-O-アルファ-D-マンノピラノシル-(1-3)-O-アルファ-D-マンノピラノシル-(1-3)-O-アルファ-D-マンノピラノシル-(1-2)-硫化水素塩)、サリドマイド(1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン、2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-)、CDC-394、CC-5079、ENMD-0995(S-3-アミノ-フタリドグルタリミド)、AVE-8062A、バタラニブ(Vatalanib)、SH-268、ハロフギノン臭化水素酸塩)、またはその類似体もしくは誘導体を挙げることができる。
AAA. ピロリジン系抗生物質
本発明の局面の1つでは、吻合結合装置は、ピロリジン系抗生物質と治療的に関係している。ピロリジン系抗生物質の代表例は、アニソマイシンである。
II. 組成物および調剤
本発明の吻合接合装置に関係する治療剤は、所望の効果を提供するために、他の成分と調合してもよい。例えば、治療剤はキャリヤーと調合してもよく、この場合キャリヤーは薬剤を吻合接合器に付着させる、および/または吻合接合器からの薬剤の放出速度に作用する働きをする。この局面においては、広範囲のキャリヤーが選択でき、ポリマーまたは非ポリマー起源のいずれでもよい。以下に詳しく述べる、ポリマーおよび非ポリマーをベースとするキャリヤーおよび調剤は、単に例示として提供されるものであり、限定を目的としない。
本発明の1つの態様では、例えば生体分解性および非生体分解性成分の両方を含む広範囲のポリマーを、1または複数の上記で述べた薬剤を含有および/または送出するために用いることができる。生体分解性組成物の代表例としては、アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、澱粉、セルロースおよびその誘導体(例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、アルギン酸エステル、カゼイン、デキストラン、多糖類、フィブリノーゲン、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(トリメチレンカルボネート)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(アルキルカルボネート)およびポリ(オルトエステル)、ポリエステル、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリジオキサン、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(酒石酸)、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ポリ(アミノ酸)(例えばポリ(グルタミン酸)、そのようなポリマーのコポリマーならびにそのようなポリマーの配合物を挙げることができる
Figure 2006525855
別の態様では、キャリヤーはポリエステルでよい。使用可能なポリエステルとしては、ポリ(ヒドロキシエステル)を挙げることができる。別の態様では、ポリエステルは、ラクチド、酪酸、グリコリド、グリコール酸、ε-カプロラクトン、ガンマ-カプロラクトン、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-ベロラクトン、γ-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、トリメチレンカルボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたは1,5-ジオキセパン-2オンから選択される、1または複数のモノマーの残基を含むことができる。これらポリエステルは、直鎖状または分岐鎖状物質でよい。分岐鎖状物質は、開環重合過程を開始できる3またはそれ以上の官能基を有する開始剤を用いて調製できる。このタイプの開始剤の例としては、トリエタノールアミンおよびペンタエリスリトールを挙げることができる。
別の態様では、キャリヤーはポリ(アルキレンオキシド)-ポリ(エステル)ブロックコポリマー(例えば、X-Y、X-Y-X、またはY-X-Yで、ここでXは、ポリアルキレンオキシド[例えばポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのジブロックおよびトリブロックコポリマー(例えばBASF製のPluronicおよびPluronic R ポリマー)であり、Yはポリエステルであり、前記ポリエステルはラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε-カプロラクトン、ガンマ-カプロラクトン、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-ベロラクトン、γ-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、トリメチレンカルボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたは1,5-ジオキセパン-2オン[例えばPLGA、PLA、PCL、ポリジオキサノンおよびそのコポリマー]から選択される1または複数のモノマーの残基を含むことができる。
非分解性ポリマーの代表例としては、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)(「EVA」)コポリマー、シリコンゴム、アクリルポリマー(例えばポリアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリメチルメタクリレート、ポリアルキルシアノアクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(例えば、ナイロン6,6)、ポリ(スチレン-ブロック-イソブチレン-ブロック-スチレン)、ポリウレタン(例えばポリ(エステルウレタン)、ポリ(エーテルウレタン)、ポリ(エステル-尿素)、ポリ(カルボネートウレタン))、ポリエーテル(例えばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、Pluronicおよびポリ(テトラメチレングリコール))、およびビニルポリマー[例えばポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニルフタレート)、ポリ(スチレン)]、ならびにそのコポリマーおよび混合物を挙げることができる。ポリマーはまた、陰イオン性(例えばアルギン酸塩、カラゲーニン、カルボキシメチルセルロースおよびポリ(アクリル酸)、または陽イオン性(例えばキトサン、ポリ-L-リジン、ポリエチレンイミンおよびポリ(アリルアミン))のいずれでもよい。
Figure 2006525855
例示的なポリマーキャリヤーとしては、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリウレタン、疎水性セルロース誘導体、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)、ポリ無水物、ポリ(カプロラクトン)もしくはポリ(乳酸)とポリエチレングリコールとのコポリマー(例えばMePEG)、ならびにその混合物を挙げることができる。
その他代表的ポリマーとしては、カルボン酸ポリマー、ポリアセテート、ポリアクリルアミド、ポリカルボネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルブチラール、ポリシラン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリ(エステル-アミド)、ポリ(エステル-イミド)、ポリ(エステル-尿素)、ポリ(エステル-ウレタン-尿素)、ポリ(無水物-エステル)、ポリ(無水物-イミド)ポリオキシド、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリスルホニド、ハロゲン化ポリビニル、ピロリドン、ゴム、熱硬化ポリマー、架橋性アクリルおよびメタクリルポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、スチレンアクリルコポリマー、酢酸ビニルポリマーおよびコポリマー、ビニルアセタールポリマー類およびコポリマー、エポキシ、メラミン、その他アミノ樹脂、フェノールポリマー、およびそのコポリマー、水不溶性セルロースエステルポリマー(セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、セルロースアセテートフタレート、およびその混合物を含む)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、多糖類、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシアクリレート、デキストラン、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ならびに(N-ビニルピロリドン、N-ビニルラクタム、N-ビニルブチロラクタム、N-ビニルカプロラクタム、極性ペンダント基を有する他のビニル化合物、親水性エステル化基を有するアクリレートおよびメタクリレート、ヒドロキシアクリレート、ならびにアクリル酸)のホモポリマーおよびコポリマー、およびその組合せ; セルロースエステルおよびエーテル、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリウレタン、ポリアクリル酸塩、天然および合成エラストマー、ゴム、アセタール、ナイロン、ポリエステル、スチレン、ポリブタジエン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカルボネート、(ビニル化合物、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルアセテート)のホモポリマーおよびコポリマーを挙げることができる。
ポリマーおよびそれらの調製に関する特許の代表例としては、
Figure 2006525855
を挙げることができる。
ポリマーは、所望の放出特性および/または特定の所望性質を持つ、様々な形態に形作ることができる。例えば、ポリマーは、pHのような特定の誘導事象に暴露すると、治療剤を放出するように形作ることができる
Figure 2006525855
pH感受性ポリマーの代表例としては、ポリ(アクリル酸)-ベースポリマーおよび誘導体(例えば、ポリ(アミノカルボン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルアクリル酸)のようなホモポリマー、そのようなホモポリマーのコポリマー、およびポリ(アクリル酸)と上記のようなアクリルモノマーとのコポリマーを含む)を挙げることができる。その他pH感受性ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル-メチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピル-メチルセルロースアセテートコハク酸塩、セルロースアセテートトリメリレート(cellulose acetate trimellilate)、キトサンおよびアルギン酸類を挙げることができる。さらに別のpH感受性ポリマーは、pH感受性ポリマーと水溶性ポリマーとの、または水不溶性ポリマーとの任意の混合物を包含する。
同様に、ポリマーは、温度感受性に形作ることもできる
Figure 2006525855
Figure 2006525855
熱ゲル化ポリマーの代表例としては、ホモポリマー、例えば、ポリ(N-メチル-N-n-プロピルアクリルアミド)、ポリ(N-n-プロプルアクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-n-プロポリピルメタクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N,n-ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N-シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-エチルメチルアクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-エチルアクリルアミド)、ポリ(N-シクロプロピルメタクリルアミド)およびポリ(N-エチルアクリルアミド)を挙げることができる。さらなる熱ゲル化ポリマーを、上記モノマー間のコポリマーを調製することによって、またはこのようなホモポリマーを、アクリルモノマー(例えばアクリル酸、ならびにメタアクリル酸、アクリレートのようなその誘導体、およびブチルメタクリレート、アクリルアミドやN-n-ブチルアクリルアミドのようなその誘導体)などの他の水溶性ポリマーと組み合わせることによって作製してもよい。
熱ゲル化セルロースエーテル誘導体のその他の代表例、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースのような、およびF-127のようなPluronicが使用できる。
本発明のポリマーを用いて、例えば棒状装置、ペレット状、スラブ状、粒子状、ミセル、フィルム、モールド、縫合糸、糸、ゲル、クリーム、軟膏、スプレーまたはカプセルを含む、広範囲の形状に形作ることができる
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薬剤は、ポリマー中への溶解、ポリマーマトリックス内への閉塞、共有結合による結合、またはマイクロカプセル内への封入によって取り込むことができる。本発明のある好ましい態様では、治療用組成物は、コーティングミクロスフェア(ナノメートルからマイクロメートルの範囲の大きさ)、ペースト、各種サイズの糸または縫合糸、フィルムおよびスプレーのような、非カプセル型調合物として提供される。
1つの態様では、キャリヤーは非ポリマーでよい。これら非ポリマー剤は、ショ糖誘導体(例えばショ糖酢酸イソ酪酸、ショ糖オレイン酸); 、ステロール類、例えば、コレステロール、スチグマステロール、ベータ-シトステロールおよびエストラジオール; コレステリルエステル、例えば、コレステリルステアリン酸エステル; C12〜C24脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸; C18〜C36モノ-、ジ-およびトリアシルグリセリド類、例えば、モノオレイン酸グリセリン、モノリノール酸グリセリン、モノラウリル酸グリセリン、グリセリルモノドコサノエート(glyceryl monodocosanoate)、モノミリスチン酸グリセリン、グリセリルモノジセノエート(glyceryl monodicenoate)、ジパルミチン酸グリセリン、グリセリルジドコサノエート(glyceryl didocosanoate)、ジミリスチン酸グリセリン、ジデカン酸グリセリン、グリセリルトリドコサノエート(glyceryl tridocosanoate)、トリミリスチン酸グリセリン、グリセリルトリデセノエート(glyceryl tridecenoate)、トリステアリン酸グリセリンおよびその混合物; ショ糖脂肪酸エステル、例えば、ショ糖ステアリン酸エステルおよびショ糖パルミチン酸エステル; ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノパルチミン酸エステルおよびソルビタントリステアリン酸エステル; C16〜C18脂肪酸アルコール、例えば、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、およびセトステアリルアルコール; 脂肪アルコールおよび脂肪酸のエステル類、例えば、セチルパルミテートおよびセテアリルパルチメート; 脂肪酸無水物、例えば、無水ステアリン酸; ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびそのリソ誘導体を含むリン脂質; スフィンゴミエリン類、例えば、ステアリルおよびパルミトイルおよびトリコサニルスフィンゴミエリンのような; セラミド類、例えば、ステアリルおよびパルミトイルセラミド; グリコスフィンゴ脂質類; ラノリンおよびラノリンアルコール類、リン酸カルシウム類、焼結および非焼結ヒドロキシアパタイト、ゼオライト; ならびにその組合せ、および混合物を挙げることができる。
非ポリマー型送達システムおよびその調製に関係する特許の代表例としては、米国特許第5,736,152号;第5,888,533号;第6,120,789号;第5,968,542号;および第5,747,058号を挙げることができる。これら送達システムは、本発明の吻合接合器に関係する薬剤の調剤に用いても良い。
ここに示した薬剤を担持および/または運搬するのに利用できるその他化合物としては、ビタミンをベースとした組成物(例えば、ビタミンA、D、Eおよび/またはKに基づくもの、PCT公開番号WO 98/30205およびWO 00/71163を参照)およびリポソーム
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を上げることができる。
好ましくは、本発明の治療用組成物は、使用目的に適した様態に構成される。本発明のある局面では、治療用組成物は、生体適合性であり、数日間から数ヶ月間の間、1または複数の薬剤を放出するものとする。さらに、本発明の治療用組成物は、数ヶ月間安定であり、無菌状態で製造および維持できるものであることが好ましい。
本発明の特定の局面では、治療用組成物は、特定の使用に応じて30 nm〜500μmの範囲の大きさに形作ることができる。あるいはまた、このような組成物は、フィルムまたはコーティングの形に固形化する「スプレー」として容易に塗布できるだろう。このようなスプレーは、様々な大きさ、例えば0.1μmから9μm、10μmから30μmおよび30μmから100μmの大きさののミクロスフェアまたは微粒子から調製できる。
本発明の治療用組成物はまた、様々な「ペースト」またはゲルの形態にも調製できる。例えば、本発明の1つの態様では、ある温度(例えば37℃より高い温度)では液体であり、別の温度(例えば体温または37℃より低い温度)では固体または半固体である治療用組成物が提供される。さらに、Pluronic F-127のようなポリマーも含まれ、それは低温(例えば4℃)では固体であり、体温でゲルである。
本発明の更に別の局面では、本発明の治療用組成物はフィルムの形態にできる。好ましくは、このようなフィルムは一般に、厚さが5、4、3、2、または1 mmより薄く、より好ましくは0.75 mmまたは0.5 mmより薄く、最も好ましくは500μmより薄い。このようなフィルムは、可撓性であると同時に良好な引っ張り強さ(例えば50より大きく、好ましくは100より大きく、より好ましくは150または200N/cm2より大きい)、良好な接着力(即ち湿った、または濡れた表面に容易に付着する)、およびコントロールされた透過性を持つことが好ましい。
本発明のある態様では、治療用組成物は、界面活性剤(例えばF-127、L-122、L-92、L-81およびL-61のようなPluronic)、可塑剤(例えばトリアセチン、トリエチル、クエン酸塩、グリセリン、ジエチルフタル酸エステル、ポリ(エチレングリコール)、粘着性を下げる薬剤、および均展剤のような、追加成分も含むことができる。
本発明のある態様では、治療剤またはキャリヤーは、放射線不透過性、エコー発生材料および磁気共鳴画像(MRI)反応性材料(即ちMRI造影剤)も含むことができ、超音波、蛍光透視、および/またはMRIによる装置の視覚化を補助することができる。例えば、装置は、エコー発生または放射線不透過性である組成物から作る、またはコーティングしてもよい(例えば、粉末のタンタル、タングステン、炭酸バリウム、酸化ビスマス、硫酸バリウム、メタラジミド(Metrazimide)、イオパミドール(Iopamidol)、イオヘキソール(Iohexol)、イオプロミド(Iopromide)、イオビトリドール(Iobitridol)、イオメプロール(Iomeprol)、イオペントール(Iopentol)、イオベルソール(Ioversol)、イオキシラン(Ioxilan)、イオジキサノール(Iodixanol)、イオトロラン(Iotrolan)、アセトリゾ酸(Acetrizoic Acid)誘導体、ジアトリゾ酸(Diatrizoic Acid)誘導体、イオタラム酸(Iothalamic Acid)誘導体、イオキシタラム酸(Ioxithalamic Acid)誘導体、メトリゾ酸(Metrizoic Acid)誘導体、ヨーダミド(Iodamide)、親油剤、ヨージパミド(Iodipamide)およびイオグリカム酸(Ioglycamic Acid)のような材料を用いるか、または音響境界面を与えるマイクロスフェアまたは気泡を加えて、エコー発生性または放射線不透過性に作製する)。MRIでの視覚化に関しては、造影剤(例えばガドリニウム(III)キレートまたは酸化鉄化合物を装置内または装置上に、例えばコーティングの成分としてまたは装置の隙間容積の中(例えばルーメン、リザーバ、もしくは装置を形作るのに用いる構造材料内)に組み入れることができる。
本発明のさらなる局面では、疎水性化合物を含有し、放出するように適合されたポリマーが提供され、このキャリヤーが疎水性化合物を炭水化物、タンパク質またはポリペプチドと組み合わせて含有する。ある態様では、ポリマーキャリヤーは1または複数の疎水性化合物の領域、ポケットまたは顆粒を含有または含む。例えば、本発明の1つの態様では、疎水性化合物は、疎水性化合物を含有するマトリックス内に組み込み、続いて前記マトリックスをポリマーキャリヤー内に組み込んでも良い。この点に関しては、例えば、澱粉、セルロース、デキストラン、メチルセルロースおよびヒアルロン酸のような炭水化物および多糖類、アルブミン、コラーゲンおよびゼラチンのようなタンパク質またはポリペプチドを含む、多様なマトリックスを利用できる。別の態様では、疎水性化合物を、疎水性コアの中に封入し、次にこのコアを親水性のシェルの中に含有させてもよい。
ここに記載の薬剤の含有および送出しに同様に利用できるその他キャリヤーとしては:ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(Cserhati and Hollo, Int. J. Pharm. 108:69-75, 1994)、リポソーム(例えばSharma et al., Cancer Res. 53:5877-5881, 1993; Sharma and Straubinger, Pharm. Res. 11(60):889-896, 1994; WO 93/18751; 米国特許第5,242,073号参照)、リポソーム/ゲル(WO 94/26254)、ナノカプセル(Bartoli et al., J. Microencapsulation 7(2):191-197, 1990)、ミセル(Alkan-Onyuksel et al., Pharm. Res. 11(2):206-212, 1994)、装置(Jampel et al., Invest. Ophthalm. Vis. Science 34(11):3076-3083, 1993; Walter et al., Cancer Res. 54:22017-2212, 1994)、ナノ粒子(Violante and Lanzafame PAACR)、ナノ粒子-修飾型(米国特許第5,145,684号)、ナノ粒子(表面修飾型)(米国特許第5,399,363号)、タキソール乳液/溶液(米国特許第5,407,683号)、ミセル(界面活性剤)(米国特許第5,403,858号)、合成リン脂質化合物(米国特許第4,534,899号)、ガス運搬分散液(米国特許第5,301,664号)、フォーム、スプレー、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、分散ベシクル、粒子またはドロップレット、固体もしくは液体エアゾール、ミクロエマルジョン(米国特許第5,330,756号)、重合シェル(ナノ-およびマイクロ-カプセル)(米国特許第5,439,686号)、タキソイド-ベース組成物の界面活性剤液(米国特許第5,438,072号)、乳液(Tarr et al., Pharm Res. 4:62-165, 1987)、ナノスフェアー
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および装置(米国特許第4,882,168号)。
本発明のある態様では、治療剤は化学的に修飾され、プロドラッグを形作ってもよい。このプロドラッグは、次に直接装置の中または上に組み入れることができ、またはこのプロドラッグは、更に上記のようなキャリヤーを含んでもよく、この組合せは装置の中または上に組み入れることができる。例えば、ヒドロキシル基を含む治療剤は、カルボン酸官能基を含むキャリヤーに共有結合できる。例えば、パクリタキセルは、コポリマーのポリ(グルタミン酸)またはアクリル酸ポリマーに共有結合できる。
本発明のある態様では、官能基を含むキャリヤーを装置の中または上に塗布または組み入れることができる。そして、キャリヤー上のこれら官能基と共有結合する能力を有する治療剤をキャリヤーに共有結合できる。キャリヤーへの治療剤の結合に、リンカーまたはスペーサー基を用いることもできる。好ましい態様では、治療剤は加水分解、酵素分解またはその組合せが可能である結合またはリンカーを介して供有結合する。
ここに提供する薬剤は、無菌組成物(例えば組成物をエチレンオキシドで処理するか、または放射線照射(例えばガンマ線照射または電子ビーム照射のような電離線照射)することによって)として調剤し、防腐剤もしくはヒトへの投与に好適なその他賦形剤と共に包装することもできる。同様に、ここに提供する装置(例えばコーティングカテーテル)は、ヒトへの装着(例えば挿入、埋め込み等)に関し好適に滅菌および調製できる。
本発明の様々な局面において、薬剤は治療用コーティングに調剤され、前記コーティングは吻合接合器上に配置される。好ましい態様では、治療的コーティングは、1または複数の次の特性を有する: (a) SMC増殖を減ずる、抑制する、または阻止する能力; (b) SMCの移動を減ずる、抑制する、または阻止する能力 (c) 細胞外マトリックスの産生を減ずる、抑制する、または阻止する能力 (d) 移植された外来物に対する白血球細胞の炎症反応を減ずる、抑制する、または阻止する能力、および (e) 吻合部位での血栓の発生を減ずる、抑制する、または防止する能力。
III. 吻合接合装置
上記のように、本発明は、所望の治療剤を放出する吻合接合装置を提供する。好ましい態様では、このような装置は、近位および/または遠位部吻合での狭窄/再狭窄の発生率を減らすことができる。吻合が、臨床的に重要な狭窄/再狭窄を発生させることを前もって予測することは困難であることから、いずれの吻合接合装置にとっても、新規血管過形成の発生率を減らすことができる治療的コーティングは有益である。以下に(A) 1または複数の、所望治療剤を放出する吻合装置を作製するための一般的方法、および (B) 所望の治療剤を放出する吻合接続装置の例示的態様を提供する。
A. 1または複数の、所望の治療剤を放出する吻合装置を作製するための一般的方法
瘢痕治療剤、または瘢痕治療剤を含む組成物は、様々な方法で装置に組み込むことができる。例えば、薬剤、または薬剤を含む組成物を、装置の一部、または装置全体に含浸させる、固着する(例えば接続する)、連結する、接合する、その上または中に配置する、取付ける、付着させる、接着する、隣接させる、閉じ込める、吸収させる、吸着させることができる。好ましい局面では、薬剤は装置から放出可能であり、そして装置を宿主内に挿入した後に装置から放出される。
したがって、本発明の1つの態様では、アントラサイクリン(例えばドキソルビシン、ミトキサントロンおよびその類似体もしくは誘導体)、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびその類似体もしくは誘導体)、シロリムス(sirolimus)(ラパマイシン(Rapamycin)またはラパムン(Rapamune)としても知られる)ならびに、これに限定されないが、エバロリムスおよびタクロリムス(FK506としても知られる)のようなシロリムスの類似体および誘導体、ならびに/あるいはポドフィロトキシンのような所望の治療剤は、吻合接続装置表面に塗布するコーティングとして調合される。薬剤は、幾つかの形態で吻合接合装置の全体または一部に塗布できる: (a) 吻合接合装置の血管内部分の表面に塗布されるポリマーおよび/または非ポリマーコーティングの形態; (b) 吻合接合装置の血管外(血管外膜または血管腔外)および/または血管内の表面に塗布されるポリマーおよび/または非ポリマーコーティングの形態; (c) 吻合接合装置を形成している構成材料(例えば金属、ポリマー、セラミクス)の中に組み入れた形態; (d) 吻合部外膜表面に適用する形態(例えば処置中に用いる注射可能物質、ペースト、ゲルもしくはメッシュとして); (e) 吻合部の管腔内面に適用する形態(例えば、処置中に適用される注射可能物質、ペースト、ゲルまたはメッシュとして−「血管腔内舗装(endoluminal paving)」としても知られている); (f) 注入剤として溶液を血管腔内(局所または全身的)に注入する形態; (g) 人工血管移植体内に組み入れるか、またはコーティングとして塗布する形態; (h) 心膜内に、注入液または持続放出調剤として溶液を注入する形態; (i) 血管(移植体または動脈)壁内に溶液、および/または持続放出調剤として注入する形態; (j) 装置表面に直接適用するか、または装置内に吸収させる形態、および(j)上記のいずれかの組合せ。
1つの局面では、吻合接合器は、その構造内に複数のリザーバを含んでもよく、それぞれのリザーバは治療剤を収納し、保護するように構成されている。リザーバは、装置表面内にあるディベット(divets)または装置本体内の小孔または溝から形つくられてもよい。1つの局面では、リザーバは装置構造内の空隙からできている。リザーバは単一のタイプの薬剤、または1つより多いタイプの薬剤を収納できる。薬剤は、キャリヤー(例えばポリマーまたは非ポリマー材料)と共に調剤して、リザーバに充填してもよい。充填されたリザーバは、薬剤送達貯蔵場所として機能でき、キャリヤーからの薬剤の放出動態に応じて、一定の時間をかけて薬剤を放出できる。ある態様では、リザーバに複数の層を備えてもよい。各層は、ある特定量(用量)の薬剤を有する、異なる薬剤を含むことができ、また各層は異なる組成を有して、基質から放出される薬剤量をさらに特別に調整してもよい。多層キャリヤーはさらに、薬剤の放出を防止するバリア層を含んでもよい。バリア層を用いると、例えば、空隙から溶出した薬剤の方向を制御できる。
ある態様では、装置は、COSEAL(ペンタエリスリトールポリ(エチレングリコール)エーテルテトラ-スルフヒドリル](4-アームドチオールPEG)とペンタエリスリトールポリ(エチレングリコール)エーテルテトラ-スクシンイミジルグルタレート](4-アームドNHS PEG)(Cohesion Technologies, Palo Alto, CA製)との反応を用いて生成された架橋結合材料)のような手術用シーラント、あるいはシアノアクリレート(オクチルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、メトキシプロピルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート)または架橋結合メチル化コラーゲン-ポリ(エチレングリコール)材料のような生体組織接着剤(例えば、米国特許第5,874,500号; 5,936,035号; 6,273,114号; 6,312,725号; 6,495,127号およびPCT公開番号 WO 2004/028547参照)を用いて標的血管を密閉して、液体の漏れを防いでもよい。
本発明に関連して利用される、特に好ましい薬剤は、化学療法(即ち全身性)において一般的に用いられる濃度の少なくとも10%未満、5%未満、または、さらには1%未満の濃度で使用すべきである(Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics. Editors J.G. Hardman, L.L. Limbird. Consulting editor A. Goodman Gilman Tenth Edition. McGraw-Hill Medical publishing division. 10th edition, 2001参照)。
上記治療剤に加えて、1または複数の所望治療剤を組み合わせるか、またはコーティングするか、あるいは、さもなければ吻合装置全体または一部から別々に放出することができる。別の態様では、治療剤および/またはキャリヤーは、さらに抗炎症剤、抗血小板剤、抗血栓剤、抗菌剤および/または殺菌剤を含んでもよい。抗血栓剤および/または抗血小板剤の代表例としては、ヘパリン、ヘパリン断片、ヘパリン複合体(例えばベンザルコニウムヘパリネート、トリドデシルアンモニウムヘパリネート)、硫酸デキストラン、ダナパロイド、レピルジン、ヒルジン、AMP、アデノシン、2-クロロアデノシン、アスピリン、フェニルブタゾン、インドメタシン、メクロフェナメート、ヒドロクロロキン、ジピリダモール、イロプロスト、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキサマブ(abcixamab)、エプチフィバチド、チロフィバン、ストレプトキナーゼ、および/またはプラスミノーゲンアクチベータ)を挙げることができ、さらに効果を高める。
最後に、装置は、無菌形状およびヒトでの使用に好適な形で、好ましく提供されなければならないことに注意すべきである。
吻合接合装置を薬剤でコーティングするか、またはその中に薬剤を組み込むことによって、所望の薬剤または薬剤の十分な局所レベルに達することができ、それにより吻合部位での狭窄/再狭窄の発生の頻度を減らすと同時に、薬剤に対する全身暴露の問題を解消することができる。幾つかの薬剤に関しては、薬剤の吻合接続装置への付着にポリマーキャリヤーを必要としないものの、幾つかのポリマーキャリヤーは、この態様での使用に特に好適である。例示的ポリマーキャリヤーは、ポリウレタン(例えばCHRONOFLEX ALおよびCHRONOFLEX AR (CT Biomaterials)、HYDROMED640 (CT Biomaterials)、HYDROSLIP C (CT Biomaterials)、HYDROTHANE AL(CT Biomaterials)、Bionate 80A (PTG Medical LLC))、アクリルもしくはメタクリルコポリマー(例えばポリ(エチレン-co-アクリル酸)、セルロース誘導ポリマー(例えばニトロセルロースRS、SSニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート)、アクリレートおよびメタクリレートコポリマー(例えばポリ(ヒドロキシメタリレート(hydroxymetharylate))、ポリ(エチレン−co-酢酸ビニル)ならびにその混合物のようなポリマーキャリヤーである。
1つの態様では、吻合接合装置の全体または一部、例えば吻合部位で組織と接触する装置部分、または装置管腔内に属する部分は、2003年9月16日出願の、「Stent with Medicated Multi-Layer Hybrid Polymer Coating」と題する米国特許出願(U.S. Serial No. 10/662,877)に記載されているように、プライマー(結合)層および薬剤放出層でコーティングされる。
標的治療のためのハイブリッドポリマー送達システムを開発するために、物理的および薬剤放出特徴のいずれについても、システムの特性を制御、操作できることが望ましい。活性薬剤を、表面ハイブリッドポリマー層内に吸収させる、またはハイブリッドポリマーコーティング液に直接組み入れることができる。表面ポリマー層内へ薬剤を吸収させることは、実験室でのポリマー-薬剤性能評価にとって有効な方法であるが、商業的製造では、ポリマーおよび吸収させる薬剤を前もって混合し、流し込み混合液にしておくことが好ましい。コーティング内のポリマーに対する活性薬剤の割合を制御するためにコーティング混合液内に2要素を組み合わせることによって、より高い効率が達成できる。このような割合は、医薬層の最終的な性質にとって重要なパラメータであり、即ち、それらは活性作用成分濃度および薬学的に活性な期間をさらによく制御できるようにする。
薬剤放出システムに用いる典型的なポリマーとしては、水溶性セルロースエステル、親水性および疎水性型を含む各種ポリウレタンポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酢酸ビニルのようなPVPコポリマー、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびメチルメタクリレート(PMMA-HEMA)といったコポリマーのような親水性ポリマー、ならびにカルボキシルおよび/またはヒドロキシルのような官能基を含有するその他親水性および疎水性アクリレートポリマーおよびコポリマーを挙げることができる。
セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、およびニトロセルロースのようなセルロースエステルを用いてよい。本発明の1つの局面では、治療剤は、セルロースエステルと共に調剤される。ニトロセルロースは、その活性薬剤との適合性およびコーティングに粘着性および付着性を付与しない能力から、好ましいセルロースエステルである。ニトロセルロースは、周囲条件および加工条件において、封入された薬剤を安定化することが示されている。窒素含有量=11.8〜12.2%のニトロセルロースを含め、各種等級のニトロセルロースが入手可能であり、吻合接合器のコーティングに用いることができる。これら調剤に用いられるコーティング固形物と組み合わせた時に、適切な流動学的特性を提供するために、3.5、0.5または0.25秒を含む各種粘度等級を用いることができる。より高い、またはより低い粘度等級も使用できるだろう。しかしながら、より高い粘度等級は、その高い粘性故に使用がより困難になるだろう。したがって、一般的には、3.5、0.5または0.25秒のような、より低い粘度等級が好ましい。引っ張り強度、伸長性、可撓性および軟化点といった物理的性質は、粘度(分子量)と関連し、分子量が小さくなるほど低くなり、特に0.25秒等級以下になる。
セルロース誘導体は水和グルコース構造を含んでいる。ニトロセルロースは、疎水性の水不溶性ポリマーであり、高い水耐性を持つ。この構造が多くの活性薬剤に対する高い適合性をもたらし、これがニトロセルロース内に封入された薬剤に高い安定度を提供している。
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ニトロセルロースは、硬い、比較的不可撓性のポリマーであり、医療装置の製造に一般的に用いられる多くのポリマーに対して限定された粘着力を有している。また、結合マトリックス内に1種類のポリマーだけを用いた場合には、薬剤溶出動態の制御も制限される。したがって本発明の1つの態様では、治療剤は、吻合接合器に随伴する前に、2またはそれ以上のポリマーと調合される。1つの局面では、薬剤は、ポリウレタンおよびニトロセルロースと調合され、ハイブリッドポリマー薬を提供し、マトリックスに加えられる。ポリウレタンは、特に接合器がプライマーで前コーティングされている場合に、高い可撓性を有するハイブリッドポリマーマトリックスおよび粘着力を吻合接合器に付与する。ポリウレタンはまた、コーティングからの薬剤の溶出を遅延または加速するのにも用いることができる。脂肪族、芳香族、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびポリカルボネートは、コーティングに使用できるタイプのポリウレタンである。1つの局面では、瘢痕治療剤(例えばパクリタキセル)を、ポリウレタンおよびセルロース誘導体を含むキャリヤー内に組み込んでもよい。場合により、調剤にベンザルコニウムヘパリネートまたはトリドデシルアンモニウムヘパリネート)のようなヘパリン複合体を含めてもよい。
下記構造より、どのようにして親水性ポリウレタンポリマーが、ポリマー構造中に含まれる親水性基の数に基づいて作られることを多少見ることができる。本発明の1つの局面では、吻合接合器には、治療剤、セルロースエステルおよび水不溶性、可撓性およびセルロースエステルと適合性であるポリウレタンを含有する調剤に関係している。
Figure 2006525855
ポリビニルピロリドン(PVP)は、一般的でない錯化およびコロイド特性を有するポリアミドであり、実質的に生理学的に不活性である。PVPおよびその他親水性ポリマーは、一般的に生体適合性である。PVPを、薬剤放出速度を上げるために、薬剤が加えられたハイブリッドポリマー組成物の中に組み入れてもよい。1つの態様では、薬剤添加ハイブリッドポリマー組成物に用いるPVPの濃度は、20%未満でなければならない。この濃度では、層は生体分解性または不安定性にならない。一般的には、PVPの濃度は1%未満から80%超までが実用的と考えられる。本発明の1つの局面では、吻合接合器と関係する治療剤は、PVPポリマーと調合される。
Figure 2006525855
ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリメチルメタクリレートヒドロキシエチルメタクリレート(PMMA/HEMA)を含むアクリレートポリマーおよびコポリマーは生体適合性として知られており、その結果コンタクトレンズおよび眼内レンズに広く応用されている。このクラスのポリマーは、一般的に平滑筋および内皮細胞を殆ど増殖させず、また極めて炎症反応も低い(Bar)。これらポリマー/コポリマーは、薬剤およびその他ポリマーならびに本発明の層とも適合性である。したがって、1つの局面では、本発明の吻合接合装置は、上記治療剤およびアクリレートポリマーもしくはコポリマーを含む組成物と関係する。
Figure 2006525855
薬剤添加コーティングは、有機溶媒のコーティング溶液として調製できる。溶液は、非反応性であり、室温で貯蔵した時に18ヶ月までの保存期間を有しうる。浸漬またはスプレーしてから自然乾燥するといった単純な操作を用いて、薬剤含有組成物を吻合接合器に塗布できる。装置を高温(例えば約40℃〜約120℃)で乾燥することによって、残存溶媒を取り除き、約0.3〜30ミクロンの厚さを持つ生体適合表面層を生成することができる。乾燥工程は、コーティングされた装置を減圧下(即ち真空)に置くことも包含できる。乾燥後、表面層は、実質的に無菌包装期間中、ポリマー層に封入された薬剤および保存条件によって一般的に3〜5年間は安定である。
当技術分野では、多くのこのような薬剤放出組成物が幾つかの基質、例えば金属およびシリコンのようなある種のプラスチック、ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン、ある種のポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標))には十分に接着しない場合があることが認識されている。多くの例では、薬剤放出層を十分に付着するためには、このような表面に各種前処理または前コーティングを行う必要がある。コロナ放電または電離プラズマのような前処理が、当業者に既知である。このような処理はさらに、薬剤溶出層を装置表面に結合できるようにする、各種プライマーコーティングも含む。さらには、薬剤溶出層の均一性および/または結合性を向上させるために、前処理またはプライマー処理した装置表面に中間層を配置してもよい。中間層は、プライマー層または薬剤溶出層とは異なるポリマー組成物を含むことができる。薬剤溶出層は、実質的には、連続的に配置された複数の層で構成されていてよい。幾つかの薬剤溶出層は、組成物中の他の薬剤溶出層とは異なるポリマー組成物、および/または薬剤を含む、ならびに/あるいは薬剤濃度であってよい。このような組成構成物を用いて、1または複数の薬剤について、望ましい薬剤溶出プロフィールを達成する。
プライマー層に用いられるポリマーは、架橋性でもよく、そしてコーティングはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、その他アミノ樹脂およびフェノール樹脂のようなポリマーに対する架橋剤を含んでもよい。ポリマーは、例えばカルボキシル官能性アクリルポリマー、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー、アミン官能性アクリルポリマー、メチルオール官能性、およびアミド官能性アクリルポリマーから選択できる。それらは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートアクリル酸、メタアクリル酸、スチレンメタクリレート、およびスチレンアクリレート、ならびにそのコポリマーから選択される架橋性アクリルでよく、さらにポリウレタン、ポリカルボネートウレタン、シリコン-ウレタン、脂肪族ポリウレタン、ポリビニルピリジンコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアミドコポリマー、ポリイミドコポリマー、その他当業者既知のポリマーのその他ポリマーのような非アクリルポリマーをプライマー層に用いてもよい。
プライマー層は、好ましくは水溶性ポリマーであり、溶液中の親水性ポリマーとは有意に反応せず、水吸収性が低く、高い可撓性を提供し、基質への吻合接合器の結合性を高める疎水性ポリマーを含んでもよい。使用可能な好適な市販品としては、ACRYLOID (Rohm & Haas) AT-63、AT-51、AT-81、WR-97のようなアクリル樹脂; PRIMACOR (DOW) 5989、5990のようなエチレンアクリル酸コポリマー; CYMELヘキサメトキシメチルメラミン(CYTEC Industries)303、370、380のようなメラミン樹脂; EPON (Shell) 1001のようなエポキシ樹脂; およびBUTVAR B-79 (Monsanto)のようなポリビニルブチラル、TECOFLEX 93A、CHRONOFLEX ARのようなポリウレタンを挙げることができる。好ましいアクリル樹脂安定化ポリマーとしては、エポキシ樹脂とは反応できるが、ポリマーに親水性は付与しないヒドロキシルまたはカルボキシルのような反応基を挙げることができる。
1つの態様では、コーティングは、極性ペンダント基を有する親水性ビニルポリマーのような水溶性ポリオレフィン、親水性エステル化基を有するポリアクリレートもしくはメタクリレート、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、または当技術分野既知の疎水特性を有するその他ポリマーのような、プライマーおよび/または薬剤リザーバ層に用いた親水性ポリマーを含んでもよい。本発明の1つの局面では、親水性ポリマーは、PVPまたはPVP/VA (GAF) E-335およびE-635のようなPVP/酢酸ビニルである。
親水性ポリマー成分は、参照によりここに組み込まれているConcise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, Kroschwitz, ed. (Wiley 1990), pp. 458-59に開示されているすべてのクラスのものでよい。ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、またはポリビニルアルコールのようなポリマーは、単独または組み合わせて受け入れることができる。好適な親水性ポリマーの例としては、以下の化合物のホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる:極性ペンダント基を有するビニルポリマーのようなポリオレフィン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルラクタム、N-ビニルブチロラクタム、N-ビニルカプロラクタム、スチレンスルホン酸ナトリウムモノマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパン硫酸、ビリニルスルホン酸ナトリウム、ビニルピリジン、親水性エステル化基を有するアクリレートまたはメタクリレート。その他の親水性ポリマーとしては、適当な親水性が存在する限りにおいて、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、多糖類、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシアクリレート、ポリメタクリレート、ならびにビニル化合物とヒドロキシアクリレートまたはアクリル酸のコポリマーを挙げることができる。その他の例としては、デキストラン、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、およびポリペプチドが挙げられる。他の親水性成分は、当業者に既知である。
コーティングは、例えばACRYLOID Thermoplastic Acrylic Ester Resins for Industrial Finishing, Rohm & Haas, Bulletin 82A37 (1987)に定義されているように、架橋性アクリル樹脂と、カルボキシル、ヒドロキシル、アミドまたはメチル基を含有する少なくとも1つの成分とを含むアクリル化合物、例えばアクリル酸およびメタアクリル酸のポリマーおよびコポリマー、ならびにそのエステルを含んでもよい。官能基を持つ次ののACRYLOIDポリマーが好ましい: AT-51(ヒドロキシル)、AT-63(ヒドロキシル)、AT-81(カルボキシル)、およびWR-97(ヒドロキシル)。RHOPLEX B-15J(Rohm & Haas)のような架橋性アクリル樹脂乳液、およびAROLON 820-W-49(Reichhold)のようなスチレンアクリル樹脂乳液も用いることができる。
各種ポリマー、例えばエポキシ樹脂、特にEPOTUF 38-505 (Reichhold)のような硬化エポキシポリマーを用いてもよく、好ましくはEPOTUF 37-618 (Reichhold)のようなポリアミドで硬化したもの、ビニルポリマー、特に酢酸ビニル、ポリビニルブチラールのようなビニルアセタール、およびエチレンビニルアセテートコポリマーである。必要な特性を有するその他適当なポリマーは、当業者には明らかであろう。ポリマーは、必須ではないが、ヒドロキシル、モノ-、ジ-および第三級アミンのような反応基または反応の点、カルボキシルのような酸、アミド、または化学反応性である点を表すその他の基を含むことが好ましい。アクリル樹脂の場合、これは架橋可能である「官能性」を有すると称される。ポリマーおよび化学反応性である点は、医療装置表面に対し、さらに親水性ポリマーおよび/または生体活性薬剤に対して水素結合のような引力を作り出すことができる。このような結合は極めて強く、おそらくは、共有、イオンまたはその他結合を必要とせずに、所望の接着および可撓性をコーティングに提供する。
反応基を持つポリマーは、金属基質を提示する吻合接合器を有するプライマー層に好ましい。しかしながら、アクリルまたはスチレンコポリマーのような、このような基を持たないポリマーもまた、効果的に使用できる。反応基はまた、反応して架橋結合マトリックスを形作るか、または架橋結合マトリックスの形成を助ける。望ましい場合は、尿素樹脂、メラミン、イソシアネート、フェノール、およびその他のような架橋リンカーを組み入れ、ポリマー鎖上の化学反応点と相互作用させて、本発明のポリマー自体を架橋してもよい。あるいは、架橋結合剤自体が反応して、ポリマーを安定化して、その中に親水性ポリマーが織り込まれた、付着性の、可撓性コーティングをもたらす架橋結合マトリックスを形作ってもよい。架橋結合は、次の層を塗布した際に、溶媒がポリマー層を過剰に攻撃し、分解しないようにすることで、効果的な接着を促進するのに役立つ。
薬剤リザーバ層は、様々な親水性を有するポリマーの混合物を含んでもよい。相対的により疎水性であるポリマーは、ニトロセルロースのようなセルロースエステル、ポリカルボネートウレタン、本開示の中に既に引用したような、官能基を持つ、または持たないアクリレートポリマーおよびコポリマーから選択できる。比較的より親水性なポリマーは、PVPおよびそのコポリマーのような親水性ペンダント基を持つビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、HEMA、HEMA-アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、および本開示の中に既に引用したようなその他の親水性ポリマー/コポリマーから選択できる。
溶出する薬剤の総量、溶出速度および溶出時間の長さは、薬剤放出層のコーティングの量、厚さおよび/または数、層の親水性、キャリヤーへの薬剤の溶解度、表面バリア層(薬剤/キャリヤー層表面の特別なコーティングまたは修飾)の使用、可塑剤のような添加物の使用、ならびに薬剤が放出される媒体への薬剤の溶解度の影響を受ける。薬剤溶出速度は、HPLC、UV分光測定法および放射線標識薬剤からの放射活性の測定(カウント)を含む、当技術分野周知の方法を用いて測定できる。
本発明は、接着試験および屈曲試験にかけたときでさえ、非常に耐久性であるコーティングを生成することができる調剤を提供する。コーティングは、生きた組織に対し非反応性であり、ある態様では、血液中で、特にヘパリン複合体が調剤に含まれている場合には、非血栓形成性である。ある一部の調剤は、実質的に生体分解性でないコーティングを提供する。
コーティングは、装置上に連続的な、または不連続な表面層を形作ってもよく、装置表面のすべて、または一部を覆ってもよい。コーティングは、コーティングした装置の使用期間を通して、コーティングに望まれる質を保持するのに十分な厚さと性能とを持つかたちで吻合装置の表面に塗布される。本発明のコーティングは、薄く、0.9〜100ミクロンのオーダーでよく、好ましくは約50ミクロン未満、より好ましくは約30ミクロン未満である。
コーティングは、広範な基質に好ましく接着し、水性液に長期間浸した時に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(塩化ビニル)、シリコン、ポリカルボネート、ならびにステンレス鋼、白金、金、ニッケル、チタン、ニッケルチタン合金およびクロムのような金属および合金を含む様々なポリマーおよび金属基質、ならびに接着問題を示すものと一般的に考えられているその他表面からの剥がれに対し耐性である。
コーティングは、浸漬、鋳込み、吸入、スプレー、はけ塗り、スピン、すり込み、溶媒溶液流延、接触またはスクリーン印刷、インクジェット、電着、粉末、ウエブ、スロットダイ、イオンビームおよびレーザー付着、ラミネーション、自己集合、あるいは当業者既知のその他方法によって、塗布できる。
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(http://thinkcycle.media.mit.edu/thinkcycle/notes/noveldesignforendotrachealtub e html); および 「Medical Device Manufacturing by Laser Micromachining Technology」, 1999. (http://www.resonetics.com/MDmfg.htm))。
一部のタイプの装置に関しては、表面にガスプラズマまたはその他イオン化処理を施し、基質への接着力を高める必要があるだろう。例えば、装置を、コーティング工程前に、ポリマーによるコーティング、プラズマ処理、炎処理、コロナ処理による表面処理、表面酸化または還元、表面エッチング、機械による平滑化または粗面化、またはグラフティングによって修飾してもよい。
上記のように、広範囲のポリマーおよび非ポリマー金属を用いて、治療剤を装置の上または中に組み入れることができる。これら治療剤含有組成物または治療剤のみを用いた装置のコーティングは、治療剤を装置内または装置上へ組み入れるのに用いることが可能な工程および様々なコーティング工程の1つに過ぎず、装置内または装置上への薬剤の組み入れるための異なる方法は幾つかあるだろう。
1. 浸漬コーティング
浸漬コーティングは、吻合接合装置に瘢痕治療剤を随伴するのに用いることができるコーティング工程の1つである。1つの態様では、治療剤を、治療剤のための溶媒に溶解し、次に装置上にコーティングする。様々な溶媒が使用でき、以下に記載する。
溶媒は、溶媒が医療装置を大きい程度には溶解せず、また装置により大きい程度には吸収されないような装置に対し不活性な溶媒であってよい。装置は、治療剤/溶媒溶液に、特定時間、部分的または完全に浸すことができる。治療剤/溶媒溶液内への侵入速度は変えられる(例えば0.001 cm/秒から50 cm/秒へ)。次に装置は、溶液から取り出すことができる。装置を溶液から取り出すことができる速度は、変更できる(例えば0.001 cm/秒から50 cm/秒へ)。コーティングされた装置は自然乾燥できる。浸漬工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、装置表面に治療剤がコーティングされるだろう。
溶媒は、装置を溶解しないが、しかし装置に吸収されるものでもよい。したがって、これら溶媒は、装置を幾分膨潤させる。装置は、治療剤/溶媒溶液に、特定時間(数秒間から数日間)、部分的または完全に浸すことができる。治療剤/溶媒溶液内への侵入速度は変えられる(例えば0.001cm/秒から50cm/秒へ)。次に装置は、溶液から取り出すことができる。装置を溶液から取り出すことができる速度は、変更できる(例えば0.001 cm/秒から50 cm/秒へ)。コーティングされた装置は自然乾燥できる。浸漬工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、医療装置内に治療剤が吸収されるだろう。治療剤はまた、装置表面に存在してもよい。表面に随伴する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用溶媒の中に浸漬することにより、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
溶媒は、装置により吸収され、さらに装置を溶解するものでもよい。装置は、治療剤/溶媒溶液に、特定時間(数秒間から数時間)、部分的または完全に浸すことができる。治療剤/溶媒溶液内への侵入速度は変えられる(例えば0.001cm/秒から50cm/秒へ)。次に装置は、溶液から取り出すことができる。装置を溶液から取り出すことができる速度は、変更できる(例えば0.001 cm/秒から50 cm/秒へ)。コーティングされた装置は自然乾燥できる。浸漬工程は、具体的な適用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程が、治療剤を、医療装置中に吸収されるだけでなく、表面会合させる結果をもたらす。好ましい態様では、装置の溶媒への暴露時間は、装置が有意な、永久的寸法変化を起こさない時間であろう。治療剤はまた、装置表面上に存在することができる。表面に随伴する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用溶媒に浸漬するか、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
1つの態様では、治療剤およびポリマーは、ポリマーおよび繊維症インヒビターの両方に関する溶媒に溶解されてから装置の上にコーティングされる。
ポリマー溶液を用いた治療剤懸濁液が調製できる。懸濁液は、ポリマーは溶解できるが治療剤は溶解できない溶媒、またはポリマーは溶解でき、その中に治療剤がその溶解限界以上存在している溶媒を選ぶことで、調製できる。上記と類似の工程では、装置は、繊維症インヒビターおよびポリマー溶液の懸濁液に浸漬し、装置を薬剤含有ポリマー組成物でコーティングできる。
2. スプレーコーティング
スプレーコーティングは、吻合接合装置に薬剤を随伴するのに用いることができる別のコーティング工程である。スプレーコーティング工程では、治療剤の溶液または懸濁液は、ポリマーまたは非ポリマーキャリヤーと共に、または無しに噴霧され、ガス流によってコーティング対象の装置に向けられる。エアブラシ(例えばBadger Air-brush Company, Franklin Park, IL社製モデル2020、360、175、100、200、150、350、250、400、3000、4000、5000、6000)、スプレー塗装装置、TLC試薬噴霧器(例えばPart # 14545および14654、Alltech Associates, Inc. Deerfield, IL、および超音波スプレー装置(例えば、Sono-Tek, Milton, NYより入手できるもの)のようなスプレー装置が使用できる。また、パウダー噴霧器および静電吹付け器も使用できる。
1つの態様では、治療剤は繊維症薬の溶媒に溶解され、次に装置に吹き付けられる。溶媒は、溶媒が医療装置を大きい程度には溶解せず、また装置により大きい程度には吸収されないような、装置に対して不活性な溶媒であってよい。装置は所定の位置に保持できるか、または装置はX、YまたはZ平面、もしくはそれら面の組合せを動くことができるマンドレルまたはロッド上に取付けることができる。上記スプレー装置の1つを用いて装置をスプレーコーティングし、装置を部分的または完全に治療剤/溶媒溶液でコーティングすることができる。治療剤/溶媒溶液をスプレーする速度は変更でき(例えば0.001 mL/秒から10 mL/秒まで)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は、自然乾燥できる。スプレーコーティング工程は、具体的な使用に応じて1回または複数回繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、装置表面は治療剤でコーティングされるだろう。
溶媒は、装置を溶解しないが、しかし装置により吸収されるものでもよい。そのため、これら溶媒は、装置を幾分膨潤させる。装置は、治療剤/溶媒溶液で部分的または完全にスプレーコーティングすることができる。治療剤/溶媒溶液の噴霧速度は変更可能であり(例えば0.001 mL/秒から10 mL/秒へ)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は自然乾燥できる。スプレー工程は、具体的な使用に応じて、1回またはそれ以上の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、医療装置内に治療剤が吸収されるだろう。治療剤はまた、装置表面に存在してもよい。表面に随伴する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用の溶媒の中に浸漬すること、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
溶媒は、装置により吸収され、さらに装置を溶解するものでもよい。装置は、治療剤/溶媒溶液で、部分的または完全にスプレーコーティングできる。治療剤/溶媒溶液の噴霧速度は変更可能であり(例えば0.001mL/秒から10mL/秒へ)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は自然乾燥できる。スプレーコーティング工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程が、治療剤を、医療装置中に吸収されるだけでなく、表面会合させる結果をもたらす。1つの態様では、装置の溶媒への暴露時間は、装置が重大な永久的寸法変化を起こさない時間であろう。治療剤はまた、装置表面上に存在してもよい。表面に随伴する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用溶媒に浸漬するか、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
1つの態様では、治療剤およびポリマーは、ポリマーおよび繊維症インヒビターの両方に関する溶媒に溶解されてから装置の上にコーティングされる。
溶媒は、溶媒が医療装置を大きい程度には溶解せず、また装置により大きい程度には吸収されないような、装置に対して不活性な溶媒であってよい。装置は、治療剤/ポリマー/溶媒溶液で、特定時間、部分的または完全にスプレーコーティングできる。治療剤/溶媒溶液の噴霧速度は変更可能であり(例えば0.001mL/秒から10mL/秒へ)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は自然乾燥できる。スプレーコーティング工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、装置表面に治療剤/ポリマーがコーティングされるだろう。
溶媒は、装置を溶解しないが、しかし装置により吸収されるものでもよい。そのため、これら溶媒は、装置を幾分膨潤させる。装置は、治療剤/ポリマー/溶媒溶液で部分的または完全にスプレーコーティングすることができる。治療剤/溶媒溶液の噴霧速度は変更可能であり(例えば0.001 mL/秒から10 mL/秒へ)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は自然乾燥できる。スプレー工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。この工程により、装置の表面に治療剤/ポリマーがコーティングされると同時に、治療剤は医療装置内に吸収される可能性を得ることができる。治療剤はまた、装置表面に存在してもよい。表面に随伴する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用の溶媒の中に浸漬すること、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
溶媒は、装置により吸収され、さらに装置を溶解するものである。装置は、治療剤/溶媒溶液で、部分的または完全にスプレーコーティングできる。治療剤/溶媒溶液の噴霧速度は変更可能であり(例えば0.001 mL/秒から10 mL/秒へ)、治療剤の良好なコーティングを確実に得ることができる。コーティングされた装置は自然乾燥できる。スプレーコーティング工程は、具体的な使用に応じて、1回または複数の回数繰り返すことができる。装置は、真空下で乾燥して残存溶媒レベルを下げることができる。好ましい1つの態様では、装置の溶媒への暴露時間は、装置に重大な永久的な寸法の変化(コーティング自体に伴う変化以外の)が起こらない時間であろう。治療剤はまた、装置表面上に存在してもよい。表面に会合する治療剤の量は、コーティングされた装置を治療剤用溶媒に浸漬するか、またはコーティングされた装置に治療剤用溶媒をスプレーすることによって減らすことができる。
コーティング溶液は、低い粘度、典型的には100CPS未満を持ち、良好な拡散特性を有している。コーティングは、高温で、一般的には約50℃〜約140℃で焼付け、有機溶媒を飛ばすことが好ましい。コーティングはまた、より沸点の高い溶媒については、真空オーブン内で乾燥することもできる。ポリエチレンのような幾つかの表面については、ガスプラズマまたはその他イオン化処理を施し、コーティングと基質との相互作用および接着を向上させる必要がある。
コーティングは、ポリウレタン、ポリエステル、スチレンポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、ポリカルボネートおよび塩化ポリビニルのような安定化ポリマーに加えて、ポリマーを含んでもよく、好ましくは内層に含み、装置表面への接着を向上させる。
本発明のハイブリッドポリマーキャリヤー層と組み合わせることができる活性薬剤の例としては、本明細書内の他所、以下に記載されるものに加えて、プラスミン、ストレプトキナーゼ、単鎖ウロキナーゼ、ウロキナーゼ、t-PA(組織型プラスミノーゲン活性化因子)、アミノカプロン酸を含む抗フィブリンおよびフィブリン溶解剤; アスピリン、プロスタサイクリン(および類似体)を含む抗血小板剤; モノクローナル抗体、ペプチド(例えばReoPro、Cilastagel、エプチフィバチド、チロフィバン、チクロピジン、バピプロスト(Vapiprost)、ジピリダモール、ホスホコリン、アンギオペプチン、アルガトロバン)、トロンボキサン誘導体を含む糖タンパク質IIb/IIIa剤; デキストラン、ヘパリン、LMWヘパリン(エノキサパリン(Enoxaparin)、ダルテパリン(Dalteparin)、ヒルジン、組換え体ヒルジン、抗トロンビン、合成抗トロンビン、トロンビンインヒビター、ワーファリン(Warfarin)(およびその他クマリン)を含む抗トロンビンおよび抗凝固剤; ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、メトトレキセート、シスプラチン、フルオロウラシル、ラパマイシン、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸、コルチコステロイド、コルヒチン、ニトロプルシドを含む、細胞分裂抑制、抗増殖および細胞静止剤; パクリタキセル、アンギスタチンおよびエンドスタチンを含む、抗血管形成および血管静止剤;遺伝物質およびオリゴヌクレオチド;ACEインヒビター(例えばシラザプリル(Cilazapril)、リシノプリル(Lisinopril)、カプトプリル(Captopril)); 増殖因子(例えばVEGF、FGF)アンタゴニスト; 酸化防止剤およびビタミン類(例えばプロブコール(Probucol)、トコフェロール(Tocopherol)); カルシウム拮抗剤(例えばニフェジピン); 魚油(オメガ3-脂肪酸); ホスホジエステラーゼインヒビター(例えばジピリダモル); 硝酸ドナー(例えばモルシドミン(Molsidomine)); ソマトスタチン類似体(例えばアンギオペプチン); 免疫抑制剤および抗炎症剤(例えばプレドニゾロン、グルココルチコイドおよびデキサメタゾン); 抗菌剤(例えばリファマイシン)およびアルファ、ベータおよびガンマ線放射アイソトープを含む放射線核(例えばRe-188、Re-186、I-125、Y-90); セレコキシブおよびバイオックスのようなCOX-2インヒビター; キナーゼインヒビター、例えば、上皮増殖因子キナーゼインヒビター、チロシンキナーゼインヒビター、MAPキナーゼインヒビタータンパク質トランスフェラーゼインヒビター、Resten-NG、ならびにその他生物学的に活性な薬剤および生物学的反応修飾因子、ならびにその他、単独または組合せにより複数の作用を同時に発揮して再狭窄を阻止し、抗繊維症作用に加えて所望の生物学的作用を提供するものが挙げられる。
本発明のコーティングを用いて装置表面に随伴できる活性薬剤の量は、一般的には、約0.05μg/mm2から約1 mg/mm2の範囲であるが、薬剤、所望の用量レベル、薬剤放出層の組成、吻合接合器のタイプ、吻合接合器の直径および長さ、層の数、および活性薬剤の塗布方法、コーティングの厚み、活性薬剤の化学的特性を含む様々な要素、およびその他要素に応じて、それより少ないまたは多い付加量を用いることができる。これら要素を調整して、長期にわたって所望量の活性薬剤を調節可能なかたちで放出する、耐久性のあるコーティングを提供する。代表的な、望ましい放出パターンでは、活性薬剤の1〜25%が最初の数日間で放出され、残りは30日またはそれ以上の日数をかけて徐々に放出される。他の放出パターンは、本発明の方法および組成物を用いて、望まれる治療効果に応じ(例えば抗血管形成、抗増殖等)容易に達成できる。
ハイブリッドポリマー層は、吻合接合装置でそれらを有効に応用できるようにする物理的特性を有している。例えば、ハイブリッドポリマーは、金属製の吻合接合装置表面と優れた接着を示す。本発明のハイブリッドポリマー層の接着は、米国特許第5,997,517号に記載されているような、ある種の結合層を用いることによって可能となる。
さらに、ハイブリッドポリマーは、多層組成物構造と一緒になり、製造、滅菌、保管の間および吻合接続装置の患者内に入れられた場合でさえ、薬剤層が装置表面にしっかり接着し続け、長期間の移植の間にそれらの接着を失わないことを確実にする。コーティングは、吻合接続器の機械的機能を変えないことが好ましい。
本発明の1つの態様では、吻合接続器の製造は、結合プライマー層を適用することから始められる。1つの態様では、プライマー層は、約0.01ミクロンから約25ミクロンのオーダーの厚さでよい。架橋結合プライマー層は、非架橋結合層より薄くてよい。プライマー層は、吻合接合器をプライマーコーティング溶液に浸漬し、続いて高温で乾燥してコーティング溶液中の溶媒を飛ばし、望ましい場合にはプライマー層を硬化し、架橋することによって塗布できる。
プライマー層は、乱気流にあてて、硬化中に生じた不要な架橋を開裂してもよい。プライマーコーティングを吻合接合器にスプレーすることもできる。典型的な硬化手順は、100℃〜120℃で15〜60分間の乾燥を含む。ハイブリッドプライマーポリマー層は、特にアミン、ヒドロキシルおよびカルボキシル等の官能基を有する、アクリレートポリマーおよびコポリマー、エポキシ樹脂、アミン樹脂、エチレンアクリル酸コポリマー、ポリウレタン(特により疎水性の種類)、酢酸ビニル、ポリエーテルスルホンとのようなポリビニルピロリドンのコポリマー、ならびにその他のようなポリマーおよびコポリマーを含有する、ポリマー合金を含む。
ある態様では、1または複数の中間層の使用は選択的であるが、使用することが好ましい。中間層は、高温での類似の硬化手順を含む、プライマー層について記載した方法と実質的に同一である方法を用いて、プライマー層の上に塗布できる。中間層は、組成物コーティング層の可撓性、弾性およびコーティング均一性を高めるのに用いられる。適切に組み立てられると、組成物中の薄層はその成分の特性を獲得することが分かっている。中間層は、組成物層の可撓性、弾性および拡張性の特性に寄与し、高めるためのものである。この役割をよく果たすポリマーの例は、曲げ弾性率(1%セカントモジュール(psi))(ASTM手順D790)が1,000または3,000より大きく、破断時の伸び率が200%または300%より大きいポリカルボネート-ポリウレタンである。代表的な態様では、プライマー層は、約0.1〜約5ミクロンの厚さであることが好ましく、中間層は約0.01〜約25ミクロンの厚さであることが好ましい。
ポリマーまたはコポリマーは、必要に応じて、接着、コーティング均一性、および可撓性を向上させるために中間層に用いもよい。このようなポリマーとしては、これに限定されないが、ビニルアセタール、特にポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリカルボネートウレタン、およびアクリレートポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
薬剤放出ハイブリッドポリマー層は、2またはそれ以上のポリマーを、1または複数の薬剤と一緒に含むことができ、それらは有機溶媒または溶媒混合物中に溶解することができる。薬剤は、通常は有機溶媒混合物に溶解されるが、固体粒子として分散して存在してもよい。ハイブリッドポリマーマトリックスは、乾燥するとポリマー合金を形作る。好ましい態様では、この層は典型的には約1ミクロンから約10ミクロンの厚さでよい。ハイブリッドポリマーマトリックスは、1層として、または2層もしくはそれ以上の層として塗布でき、また異なる薬剤を同一または異なる層に存在させてもよい。多層を用いる場合は、異なる層が同一または異なる薬剤放出特性を有することができる。
可溶性薬剤は、分子レベルでポリマー合金にすることができる。有機溶媒または溶媒混合物は、液体の間、そして乾燥工程を通じて、ポリマーの可溶性薬剤成分に関する相互溶媒であるものを選ぶことができる。さらに、溶媒は基質を膨潤する能力を有し、それによって薬剤ハイブリッドポリマー成分の幾つかについて表面から基質表面内に浸透させ、接着性を向上できることが望ましい。薬剤放出層のポリマー成分は、セルロースエステルを含んで薬剤成分を安定化し、保存することができ、通常はポリウレタンを含有する。ポリウレタンは、薬剤放出層に可撓性、接着促進、弾性、および拡張性を付与する。ポリビニルピロリドン(PVP)、PVPコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド水溶性セルロースエーテルのような親水性の水溶性ポリマー、およびヒドロキシルメチルセルロースのようなエステルなどを含むその他ポリマーを、層内に組み入れてもよい。既に引用したグループから選択された薬剤は、単独または組み合わせて組み込むことができる。
本発明の1つの態様では、コーティング溶液は、まずポリマー成分を溶媒混合物中に溶解することで調製する。個々のポリマー成分を、別々に溶液に溶解してから、個々のポリマーの個別溶液を一つにまとめることも可能である。次に、薬剤は、通常ハイブリッドポリマー溶液に組み入れられるが、薬剤をポリマーの前に添加することもできる。次に薬剤放出コーティングを、既に1または複数のポリマーコーティングを有する吻合接合器の上に、他のポリマーコーティングに用いられるものと同一の方法を用いて塗布する。コーティング後、コーティングを5〜60分間、約40℃〜約120℃の温度で乾燥する。
コーティングされた吻合接合器は、包装して滅菌できる。本発明に従い調製された吻合接合器の滅菌には、エチレンオキシドが有用である。
上記のように、本発明のコーティングは、プライマー(結合)層、および場合により中間層を含むことができる。プライマー層は、アクリレート/カルボキシルポリマー、エポキシポリマーおよびポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)またはエチレンアクリル酸コポリマー(EAA)のようなポリマーの組合せ、エポキシポリマーおよびポリカルボネートウレタンから形作ることができる。プライマー層に使用できるその他ポリマーとしては、例えばポリイミドコポリマー、ポリアミドコポリマー、ポリエーテルスルホンポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、ポリエチレンオキシドポリマー、および金属プライマー塗布に一般的に用いられるその他ポリマーが挙げられる。中間層は、例えばポリカルボネートポリウレタン、ブチルアクリレートを含む可撓性のアクリレートポリマー/コポリマー、ポリビニルブチラール、または単独もしくはハイブリッドポリマーとの組合せで用いられるその他の弾性ポリマーが挙げられる。
1つの態様では、本発明による使用に好適な薬剤放出層ポリマーの組合せは、アクリレート/カルボキシルポリマー+エポキシポリマー+ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)である。別の組合せとしては、RSニトロセルロースに以下のいずれかを加えたものが挙げられる:ポリテトラメチレンエーテルグリコールウレタン、ポリカルボネート-ウレタン、PVP、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、および/またはポリ(2-ヒドロキシメチルメタクリレート)。
上記いずれかのコーティングと組み合わせて使用できる活性成分としては、例えばパクリタキセル、ドキソルビシン、ミコフェノール酸、ベンザルコニウムヘパリネート、リファマイシンおよびメトトレキセート、5-FU、タクロリムスおよびその他薬剤のような、上記いずれかの分類由来の薬剤が挙げられる。
吻合接合装置は様々な配置および大きさに作られることから、正確な用量は装置の大きさ、表面積および設計に共なって変化するだろう。しかしながら、この技術分野の応用では、ある一定の原理が適用できる。薬剤用量は、単位面積当たり(コーティングされる装置部分の)の用量の関数として計算でき、総薬剤投与用量は計算でき、そして活性薬剤の適正な表面積濃度が計算できる。吻合接合装置への薬剤塗布の方法にかかわらず、単独または組み合わせて使用される好ましい治療剤は、次の塗布および投与指針に従って投与しなければならない:
本発明のある態様では、治療剤の塗布は、装置全体または一部に直接沈着することにより(例えば米国特許第6,096,070号および6,299,604号参照)、および/または送達システムまたはキャリヤー(例えば上記のようなポリマー、リポソーム、またはビタミン)と混合し、装置全体または一部に塗布すること(上記「組成物および調剤」に掲載の特許、特許出願および参考文献を参照)で実施できる。
本発明のある局面では、治療剤は、非共有結合を用いて吻合装置に結合できる。例えば、比較的低水溶性であるか、または非水溶性である化合物の場合、化合物は有機溶媒中に指定濃度で溶解できる。この適用のために選ばれる溶媒は、ポリマー装置表面を溶解または膨潤しない。吻合接合装置は、次に溶液内に浸漬し、引き上げ、そして乾かす(自然乾燥および/または真空乾燥)ことができる。または、薬剤溶液は、現用のスプレーコーティング技術を用いて、装置表面にスプレーできる。典型的には、この方法でコーティングされた吻合接合装置からの薬剤放出は、比較的短時間であり、それが置かれる体液中(最も一般的には装置管腔部については血液、そして装置外部については細胞外液)の薬剤の溶解度、およびポリマー内への液体拡散度の関数である。
別の局面では、治療剤は、吻合装置の製造に用いられる成分ポリマーの表面を膨潤または溶解する能力を有する溶媒に溶かすことができる。溶媒/装置ポリマーの組合せに応じて、薬剤を装置のポリマー部分の表層内に拡散することができるように、装置をある期間薬剤溶液に浸漬する。または、薬剤溶液は、装置表面全体または一部にスプレーしてもよい。薬剤の放出プロフィールは、表面ポリマー層への薬剤の溶解度に依存する。この方法を用いると、溶媒による吻合接合装置の重きな歪み、または寸法変化は起こらないと核心できるであろう。
装置、または装置の一部が、上記の溶媒方法を用いても表面層へ治療剤を組み込むことができない材料(例えばステンレス鋼、ニチノール)から構成される場合は、装置表面上に薄いポリマー層が沈着するように、装置表面をプラズマ重合法で処理することができる。このような方法の例としては、装置のパリレンコーティング、およびヒドロシクロシロキサンモノマーなどの種々のモノマーの使用が挙げられる。パリレンプライマー層は、パリレン塗布器(例えばCookson Electronics社製 PDS 2010 LABCOTER2)および好適な試薬(例えばジ-p-キシレンまたはジクロロージ-p-キシレン)をコーティング供給材料として用いて、吻合接合装置上に沈着できる。パリレン化合物は、例えば、Parylene N(ジ-p-キシレン)、Parylene C(Parylene NおよびParylene Dの一塩素化誘導体もしくはParylene Nの二塩素化誘導体)を含めSpecialty Coating Systems, Indianapolis, IN)から販売されている。
次に、上記浸漬コーティングまたはスプレーコーティングを用いて、装置のコーティング表面内に治療剤を組み込んでもよい。
ある程度の水溶性を持つ治療剤に関しては、これら化合物の吻合装置上への保持時間は比較的短い。イオン基を含有する治療剤の場合は、疎水性成分を有する反対の荷電を持つ化合物とこれら薬剤とをイオン的に複合体にできる。例えば、アミン基含有治療剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような化合物と複合体を形成できる。カルボキシル基含有化合物は、塩化トリドデシメチアンモニウム(tridodecymethyammonium)(TDMAC)と複合体を形成できる。例えば、ミトキサントロンは、2つの第二級アミン基を有しており、塩化塩になる。この化合物は、複合体を形成するためにドデシル硫酸ナトリウムに加えることができる。この複合体は、有機溶媒に溶解でき、次に浸漬コーティングまたはスプレーコーティングすることができる。ドキソルビシンはアミン基を有しており、したがってSDSと複合体を形成できる。次に、この複合体は、浸漬コーティングまたはスプレーコーティング法によって、装置に塗布できる。
利用可能な官能基を持つ治療剤は、幾つかの化学的方法を用いて吻合接合装置表面に共有結合できる。装置の製造に使用したポリマー材料が利用可能な表面官能基を持っている場合は、これらを薬剤の共有結合に用いることができる。例えば、装置表面がカルボン酸基を含む場合は、これらの基を活性化カルボン酸基(例えば酸性塩化物、スクシンイミジル誘導体、4-ニトロフェニルエステル誘導体等)に変換することができる。これら活性化カルボン酸基は、次に治療剤(例えばミトキサントロン)上に存在するアミン官能基と反応させることができる。
適当な官能基を含有しない表面については、プラズマ処理法により、ポリマー表面にこれらの基を導入できる。例えば、プラズマ処理工程によりカルボン酸基を導入できる(例えばO2および/またはCO2を供給ガス混合物の成分として使用する)。カルボン酸基はまた、ガス流内にアクリル酸またはメタクリル酸を用いても導入できる。次にこれらカルボン酸基を、その後治療剤上に存在するアミン官能基と反応できる活性化カルボン酸基(例えば酸性塩化物、スクシンイミジル誘導体、4-ニトロフェニルエステル誘導体等)に変換できる。
ある局面では、薬剤含有層を、薬剤放出層を保護する働きをする、および/または薬剤の遅延放出手段を提供する表面層でコーティングしてもよい。例えば、1つの局面では、装置はプライマー層(例えばパリレンコーティング)でコーティングしてから、次に薬剤溶液(例えばパクリタキセル溶媒液)でコーティングしてもよい。次に溶媒を除去する。次に、コーティングした装置を、例えばパリレンを含有する表面コーティングでコーティングする。
本発明のある局面では、治療剤または治療剤/キャリヤーコーティングを、治療剤の放出または治療剤/キャリヤー層の表面特性を変更する働きをする別の層で更にコーティングすることができる。例えば、治療剤/キャリヤー層は、潤滑面を生ずるコーティングでコーティングできる。この局面に有用なポリマーとしては、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレンオキシド)を挙げることができる。例えば、治療剤/キャリヤー層は、その中では治療剤がキャリヤーに比べ溶解度が小さい表面コーティングでコーティングしてもよい。または、治療剤/キャリヤー層は、その中では治療剤がキャリヤーより溶解度が高い表面コーティングでコーティングしてもよい。
本発明の別の局面では、コーティングした装置に、コーティングされた領域の表面の架橋結合密度を高める処置を施すことができる。これは、コーティングされた装置をプラズマ処理にかけることで実施できる。
吻合接合装置上からの所望治療剤の投与に関して、送出される総用量、装置表面積および薬剤送出し時間の長さの関数としての薬剤用量は、少なくとも部分的には、化合物の溶解性および、薬剤が装置管腔内表面に添加されたのか、装置の壁内(即ち血管壁内)部分に添加されたのか、これらの組み合わせなのかに依存する。一般的には、水不溶性薬剤については、薬剤が吻合接合装置の管腔内表面から送出される場合、化合物は、濃度および圧力勾配が共に低い血管壁内に移動する傾向があるため、より低用量の薬剤とより短い薬剤送出し時間が用いられる。水溶性化合物については、薬剤が管腔内表面から「洗い流され」て、水性の血流内に運び去られる傾向があることから、より多い用量およびより長い送出し時間が使用される。これとは逆に、水不溶性薬剤を吻合接合装置の血管外膜表面に添加する場合は、傾向は逆になり−化合物は流体静力学および圧力勾配に逆らって血管壁内に移動しなければならないため、より高用量の薬剤およびより長い薬剤送出し期間が用いられるだろう。水溶性化合物の場合には、薬剤は組織液内に拡散する傾向があり(血管壁から出ていく)、流体静力学および圧力勾配に逆らって血管壁内に移動しなければならないために、より高用量とより長い送出し時間が採用されるだろう。血管壁内に投与された薬剤は、その2つの複合型として挙動し、通常、可溶性および不溶性治療剤の両方について、経血管外膜的に送達された薬剤に比べ、より低い用量とより短い送出し時間を必要とする。
前述および以下の部分で述べるように、吻合接合装置は、様々な設計に作られる。幾つかの設計は、内腔内表面セグメントのみを含み、幾つかは血管壁セグメントを含み、幾つかは血管外膜セグメントのみを含み、また多くは3種類の解剖学領域すべての装置セグメントを含む。
以下は、抗繊維症薬および投与範囲の記載である。本明細書に記載のいずれかの薬剤ならびに類似体及び誘導体も、本発明の実施に利用できることは容易に明らかになるだろう。例示的治療剤の薬剤投与は、薬剤が管腔内表面(血管内)から放出されるか、血管壁内(動脈壁内)表面から放出されるか、および/または外膜(血管外壁)表面から放出されるかによって変わるだろう。これらの例は、説明を目的としたものであり、制限を加えるものではない。以下に記載の投与パラメータは、薬剤および/またはその類似体もしくは誘導体の相対的効能に基づいて調整される(例えば以下記載の薬剤の2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与され、以下記載の薬剤の半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍で投与される等)。
(a) アントラサイクリン。例としてアントラサイクリンの1つであるドキソルビシンを利用する場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるドキソルビシンの総用量は、25 mg(0.1μg〜25 mgの範囲)を超えないものとする。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、1μg〜10 mgの範囲とする。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.01μg〜約100μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、ドキソルビシンは装置表面に、約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2で用いなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でドキソルビシンを放出することから、装置表面上のドキソルビシン最小濃度を約10-7〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。さらなる態様では、ドキソルビシンは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。特に好ましい態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関しては、同様の機能活性を有するドキソルビシンの類似体および誘導体(前記のような)は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、ドキソルビシンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、ドキソルビシンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
別のアントラサイクリンの例としてミトキサントロンを利用する場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはキャリヤーポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるミトキサントロンの総用量は、5 mg(約0.01μg〜約5 mgの範囲)を超えてはならない。好ましい1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約0.1μg〜約1 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.01μg〜約20μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、ミトキサントロンは装置表面に、約0.05μg/mm2〜約10μg/mm2で用いられる。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でミトキサントロンを放出することから、装置表面上のミトキサントロンの最小濃度を約10-5〜約10-8Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、ミトキサントロンは、装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。さらに好ましい態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここで論ずる場合、同様の機能活性を有するミトキサントロンの類似体および誘導体(前記のような)は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、ミトキサントロンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、ミトキサントロンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(b) タキサン。例として、タキサンの一つであるパクリタキセルを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるパクリタキセルの総用量は、25mg(約0.1μg〜約25 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、パクリタキセルは装置表面に、約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でパクリタキセルを放出することから、装置表面上のパクリタキセルの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、パクリタキセルは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。特に好ましい態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関しては、同様の機能活性を有するパクリタキセルの類似体および誘導体(ドセタキセルおよびその他前述したような)は、本発明の目的に利用できること:その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、パクリタキセルの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、パクリタキセルの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(c) 免疫抑制剤。例として、免疫抑制剤シロリムス(ラパマイシン(Rapamycin)、ラパムン(Rapamune)としても知られる)を用い場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込むか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるシロリムスの総用量は、10 mg(約0.1μg〜約10 mgの範囲)を超えてはならない。好ましい1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約100μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。別の態様では、シロリムスは装置表面に、約0.5μg/mm2〜約10μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でシロリムスを放出することから、装置表面上のシロリムスの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。さらなる態様では、シロリムスは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。特に好ましい態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。
例として、免疫抑制剤であるエベロリムスを用い場合、ポリマーコーティング内に含めた形で塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるエベロリムスの総用量は、10 mg(約0.1μg〜約10 mgの範囲)を超えてはならない。好ましい1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約10μg〜約1 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0. 1μg〜約100μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、エベロリムスは、装置表面に約0.3μg/mm2〜約10μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でエベロリムスを放出することから、装置表面上のエベロリムスの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。さらなる態様では、エベロリムスは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。特に好ましい態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。
(d)トポイソメラーゼインヒビター。例として、トポイソメラーゼインヒビターのカンプトセシンを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるカンプトセシンの総用量は、25 mg(約0.1μg〜約25 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、カンプトセシンは、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でカンプトセシンを放出することから、装置表面上のカンプトセシンの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、カンプトテシンは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関しては、同様の機能活性を有するカンプトセシンの類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えばカンプトセシンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、カンプトセシンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(e) IMPDHインヒビター。例として、IMPDHインヒビターのミコフェノール酸を用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるミコフェノール酸の総用量は、100 mg(約0.1μg〜約100 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約50 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約50μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、ミコフェノール酸は、装置表面に約0.25μg/mm2〜約25μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でミコフェノール酸を放出することから、装置表面上のミコフェノール酸の最小濃度を約10-8〜約10-3Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、ミコフェノール酸は装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関しては、同様の機能活性を有するミコフェノール酸の類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能を、親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、ミコフェノール酸の2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、ミコフェノール酸の半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(f) ポドフィロトキシン(Podophyllotoxins)。例として、ポドフィロトキシンのエトポシドを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるエトポシドの総用量は、25mg(約0.1μg〜約25mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、エトポシドは、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でエトポシドを放出することから、装置表面上のエトポシドの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、エトポシドは装置表面から、阻害活性を数時間から数ヶ月の範囲の期間維持するように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関しては、同様の機能活性を有するエトポシドの類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能を、親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、エトポシドの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、エトポシドの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(g) HSP 90アンタゴニスト。例として、HSP 90アンタゴニストのゲルダナマイシンを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるゲルダナマイシンの総用量は、25 mg(約0.1μg〜約25 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、ゲルダナマイシンは、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でゲルダナマイシンを放出することから、装置表面上のゲルダナマイシンの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、ゲルダナマイシンは装置表面から、阻害活性が数時間から数ヶ月の範囲の期間維持されるように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関して、同様の機能活性を有するゲルダナマイシンの類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること:その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、ゲルダナマイシンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、ゲルダナマイシンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(h) ピロリジン系抗生物質。例として、ピロリジン系抗生物質のアニソマイシンを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるアニソマイシンの総用量は、25 mg(約0.1μg〜約25 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、アニソマイシンは、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でアニソマイシンを放出することから、装置表面上のアニソマイシンの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、アニソマイシンは装置表面から、阻害活性が数時間から数ヶ月の範囲の期間維持されるように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関して、同様の機能活性を有するアニソマイシンの類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、アニソマイシンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、アニソマイシンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(i) 血管形成インヒビター。例として、血管形成インヒビターのハロフジノンを用いる場合、ポリマーコーティング内に含めて塗布するか、装置を形成しているポリマー内に組み込まれるか、またはポリマーを使用せずに塗布するかにかかわらず、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられるハロフジノンの総用量は、25 mg(約0.1μg〜約25 mgの範囲)を超えてはならない。1つの態様では、吻合接合装置(および吻合のその他構成要素)に用いられる薬剤の総量は、約1μg〜約10 mgの範囲でなければならない。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内でなければならない。好ましい態様では、ハロフジノンは、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いなければならない。異なるポリマーおよび非ポリマーコーティングは、異なる速度でハロフジノンを放出することから、装置表面上のハロフジノンの最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つように上記投与パラメータは、装置表面からの薬剤の放出速度と組み合わされて利用しなければならない。好ましい態様では、ハロフジノンは装置表面から、阻害活性が数時間から数ヶ月の範囲の期間維持されるように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。ここでの論議に関して、同様の機能活性を有するハロフジノンの類似体および誘導体は、本発明の目的に利用できること: その時、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、ハロフジノンの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、ハロフジノンの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
ここでの論議について、本発明の目的のために、シロリムスの類似体または誘導体(前述の誘導体または類似体のような)およびエベロリムス(および前述のその類似体および誘導体)ならびにタクロリムス(FK506としても知られるもの、および前述したその類似体および誘導体)のように、同様の機能活性を持つ、関連する免疫抑制剤が利用できること; その場合、上記投与パラメータは、類似体または誘導体の相対効能が親化合物に匹敵するように調整されること(例えば、シロリムスの2倍の効能を持つ化合物は、上記パラメータの半分で投与し、シロリムスの半分の効能を持つ化合物は、上記パラメータの2倍投与する)は容易に明らかである。
(j) 本発明の1つの局面では、吻合接合装置は治療剤を25mg未満含むが、別の局面では、装置は治療剤を約0.1μg〜約25 mgの範囲の量含む。別の局面では、吻合接合装置(および吻合のその他構成成分)に関係する薬剤の総量は、約1μg〜約10mgの範囲内である。装置の単位面積当たりの用量(即ち、薬剤が塗布および/または組み込まれる装置部分の表面積の関数としての薬剤の量)は、約0.1μg〜約10μg/mm2表面積の範囲内である。別の態様では、薬剤は、装置表面に約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2で用いられる。1つの局面では、装置は薬剤を、装置表面上の薬剤の最小濃度を約10-8〜約10-4Mに保つ速度で放出する。好ましい態様では、治療剤は装置表面から、阻害活性が数時間から数ヶ月の範囲の期間維持されるように放出される。さらなる態様では、薬剤は約1日〜約90日の範囲の期間、有効濃度で放出される。
(d) 併用治療。ここでの論議より、アントラサイクリン(例えばドキソルビシンもしくはメトトレキセート)、タキサン(例えばパクリタキセル、ドセタキセル)および/または免疫抑制剤(例えばシロリムス、エベロリムス、タクロリムス)あるいはその他前記薬剤を組合せてコーティングされた吻合接合装置を利用して、吻合狭窄/再狭窄を阻止できることは、容易に明らかである。
これに加え、吻合の血栓形成に伴い狭窄/再狭窄のリスクが高まることから、アントラサイクリン(例えばドキソルビシンもしくはミトキサントロン)、タキサン(例えばパクリタキセル、ドセタキセル)および免疫抑制剤(例えばシロリムス、エベロリムス、タクロリムス)またはその他前記薬剤を、抗血栓薬および/もしくは抗血小板剤(例えばヘパリン、ヘパリン断片、硫酸デキストラン、ダナパロイド、レピルジン、ヒルジン、AMP、アデノシン、2-クロロアデノシン、アスピリン、フェニルブタゾン、インドメタシン、メクロフェナメート、ヒドロクロロキン、ジピリダモル、イロプロスト、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキサマブ(abcixamab)、エプチフィバチド、チロフィバン、ストレプトキナーゼ、および/または組織プラスミノーゲン賦活物質)の組合せて、効果を高めることができる。または、抗血栓薬および/もしくは抗血小板剤は、アントラサイクリン、タキサン、免疫抑制剤、ポドフィロトキシンまたはその他前記薬剤とは別の場所の吻合接合装置から、あるいは別の層から放出できる(例えばこの層の上、または下)。
B. 所望の治療剤を放出する、吻合接合装置の例示態様
本発明での使用には、様々な吻合接合装置が適している。これら装置のすべては、広範な配置で組み立てられるものの、上記治療剤と組み合わせることができる。数多くの入れ替えおよび組合せが可能であるが、血管腔内に置かれる装置部分の中(即ち装置の管腔(内)表面)に組み込まれるか、またはその上にコーティングされるか、吻合接合装置の血管壁内区分(即ち血管壁を横切る装置の部分)および/または血管外膜表面(即ち血管外面(外膜)と接触する装置部分)の上にコーティングされるか、もしくはその中に組み込まれるかに関わらず、総用量、投与/単位面積および薬剤表面濃度は、上記記載の規格内にある。
吻合接合装置は、様々な材料、ポリマー、金属およびセラミック材料から作製することができる。吻合接合器または吻合接合器の部品の製造に用いることができるポリマー材料の代表例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド(例えばナイロン、およびAtofina (Philadelphia, PA)より入手可能な、PEBAXの商標で販売されているポリエーテル-ブロック co-ポリアミドポリマー類)、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリ(塩化ビニル)、シリコーン類、ポリカルボネート、ポリスルホン、エポキシ類、フルオロポリマー類(例えば、ヘキサフルオロポリピレンのホモポリマー類およびコポリマー類、フッ化ビニリデン、およびE.I. Du Pont De Nemours and Company (Wilmington, DE)より商標名TEFLONで販売されているポリ(テトラフルオロエチレン)のようなテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリアリレン-エーテルケトン、ポリアリレンエーテル類、ポリイミド類、ポリ(塩化ビニル)、ポリオキシメチレン、ならびにPEEK(ポリ(フェニルエーテルエーテルケトン))あるいはポリ(アリレンエーテルエーテルケトン)を挙げることができる。
ある局面では、吻合接合器は、コラーゲン、ポリカプロラクトン、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリ(3-ヒドロキシブチル酸(hydroxybutric acid))、ラクチドおよびグリコリドのポリマーおよびコポリマー、ならびにその他ポリ(ヒドロキシル酸)およびポリエステルを挙げることができ、この場合ポリエステルがラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε-カプロラクトン、ガンマ-カプロラクトン、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸、ベータ-ブチルラクトン、ガンマ-ブチルラクトン、ガンマ-バレロラクトン、γ-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、トリメチレンカルボン酸エステル、1,4-ジオキサン-2-オンまたは1,5-ジオキセパン-2オンから選択される1または複数のモノマーの残基を含むことができる、生体吸収性材料を含む。
吻合接合器は、例えばステンレス鋼、白金、金、ニッケル、チタン、タングステン、ニチノールのようなニッケルチタン(NiTi)合金、クロム、ジルコニウム、アルミニウム、ハフニウム、イリジウム、ニオブ、パラジウム、白金、コバルトクロム、コバルト-クロム-モリブデン合金、コバルト-クロム-タングステン合金、タンタルおよびチタン-アルミニウム金属間化合物のような、1または複数のタイプの金属または金属合金を含んでよい。
吻合接合装置は、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、二酸化チタン(チタニア)、酸化イットリウム(イットリア)および酸化ジルコニウム(ジルコニア)のような結晶または非結晶セラミック材料、二酸化ケイ素(シリカ)、ならびにこれらに基づく、およびその他元素が調合された化合物を含んでよい。その他のタイプのセラミックとしては、ケイ化ニオブ、酸化ニオブ、ケイ化タンタル、酸化タンタル、ケイ化チタン、ケイ化タングステン、酸化タングステン、ケイ化バナジウム、ケイ化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ハフニウム、硝酸クロム、酸化イリジウム、ダーライト(dahlite)、ブラッシュ鉱、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムが挙げられる(例えば米国特許第6,716,444号および6,663,662号参照)。
吻合接合装置は、発熱炭素(pyrolitic carbon)、グラファイト、ファーネスブラック、ダイヤモンド、活性炭、カーボンブラック、薫蒸炭素(fumed carbon)、ガスブラックもしくはチャンネルブラック、またはカーバインのような炭素質材料を含んでもよい。その他タイプの炭素含有材料としては、ポリマー性カーボンフィルム(例えば米国特許第6,454,797号参照)およびダイヤモンド様カーボン(DLC)フィルム(例えば、米国特許第6,726,718号および6,379,383号参照)が挙げられるが、これらは凝固時間を遅延することが示されている(例えば「Haemocompatibility Evaluation of DLC and SiC coated surfaces」 Nurdin N., Francois P., Mugnier Y., Krumeich J., More. M. Aronson B-O, Descouts P. European Cells and Materials Vol 5, 2003 (pp 17-28)参照)。
吻合接合装置は、また材料の組合せ(例えば金属とポリマー材料)または金属もしくは金属合金とセラミック材料;金属もしくは金属合金とポリマー材料; またはセラミック材料とポリマー材料との複合材のような複合材料から作製してもよい。
吻合接合装置の代表例としては、これに限定されないが、血管クリップ、血管縫合器、血管ステープル、血管クランプ、縫合装置、血液を運ぶための管セグメントを含む連結器のような吻合連結装置(即ち吻合連結器)、および吻合リングが挙げられる。
大きく、吻合接合装置は3つのカテゴリーに分類される: (1) 自動化および改良型縫合方法および装置、(2) マイクロメカニカル装置、および (3) 吻合連結装置。
(1) 自動化および改良型縫合方法および装置
自動化縫合および改良型縫合方法は、一般的には、通常1段階で複数の縫合を迅速に行い、結紮する必要または血管側に咬合クランプを使用する必要を排除している。縫合装置は、縫合糸またはその他手術用ファスナーを、装置ポートまたはその他小開口部を通して適用することによって血管導管と中空器官構造との間に吻合が形成されように、侵襲度を最小限にするのに適した装置を包含する。これら装置を用いると、出入りが制限された体領域内に比較的素早く、自動化された様式で、縫合糸およびその他ファスナーを用いることができる。侵襲性が最小限である方法を用いて吻合を完成させることにより、失血はより少なくなり、また手術部位より遠位側への血流を一時的に停止する必要がなくなる。例えば、縫合装置は、吻合に適したシャフトで支えられた血管導管、およびシャフト上を滑動可能であり、複数の針および縫合糸を保持するように構成された、血管内を通るカラーから成る。例えば米国特許第6,709,441号を参照。縫合装置は、移植体を挿入するためのキャリヤー部分、移植体を所定位置内に伸ばして支持するアーム部、およびコイルファスナーを保持しながら前進させ、細胞壁および移植体の突縁部に咬み合い吻合を完成させるのに適したニードルアセンブリから構成されてもよい。例えば、米国特許第6,709,442号参照。縫合装置は、縫合するのに適した分割ブッシュを含む長方形の連結部材を2個含んでもよい(例えば米国特許第4,350,160号参照)。
縫合装置の代表例は、Perclose-Abbott Labs, Redwood City, CA製造のHEARTFLOW装置である(全般的には、米国特許第6,358,258号, 6,355,050号, 6,190,396号, および6,036,699号ならびにPCT公開番号WO 01/19257参照)。
Coalescent Surgical(Sunnyvale, CA)のニチノールU-クリップ(Nitinol U-Clip)縫合クリップ装置は、可撓性部材に取り付けられた自己閉鎖式のニチノールワイヤループおよび迅速開放機構を持った針とからなる。この装置は、縫合作業を簡素化し、結紮を排除することによって、吻合の構築を容易にする(例えば、全般的には、米国特許第6,074,401号および6,149,658号、ならびにPCT公開番号 WO 99/62406, WO 99/62409, WO 00/59380, WO 01/17441参照)。
ENCLOSE Anastomotic Assist Device (Novare Surgical Systems, Cupertino, CA)を用いることにより、外科医は、標準的な縫合技術を用いるが、部分的閉鎖のための側部咬合動脈クランプは使用せず、動脈壁のねじりを回避して、縫合吻合を行うことができる(米国特許第6,312,445号および6,165,186号参照)。
1つの局面では、自動化および改良型縫合方法および装置は、瘢痕治療剤を含む手術用ファスナー(例えば縫合糸もしくは縫合クリップ)を送り込むことができる。別の局面では、自動化および改良型縫合方法および装置は、瘢痕治療剤を含む血管移植体を送出し、吻合を完成させることができる。
(2) マイクロメカニカル装置
マイクロメカニカル装置は、吻合を作製する、および/または血管移植体を吻合部位に固定するのに用いられる。マイクロメカニカル装置の代表例としてはステープル(貫通型または非貫通型)およびクリップが挙げられる。
吻合ステープルおよびクリップ装置は、様々な形を取ることができ、また様々なタイプの材料から作ることができる。例えばステープルおよびクリップは、チタン、ニッケル-チタン合金、またはステンレス鋼のような金属または金属合金、シリコーン、ポリ(ウレタン)、ゴムまたは熱可塑性エラストマーのようなポリマー材料から作ることができる。
ポリマー材料は、吻合完成後に溶解するように設計された、吸収性または生体分解性材料でもよい。生体分解ポリマーとしては、例えば、ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε-カプロラクトン、ガンマ-カプロラクトン、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-ベロラクトン、γ-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、トリメチレンカルボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたは1,5-ジオキセパン-2オンから選択される、1または複数のモノマーを含むホモポリマーあるいはコポリマーを挙げることができる。
ステープルおよびクリップを所定位置内に導くための装置も各種報告されている。
吻合作製に用いる非貫通型ステープルの製造業者の1社はUnited States Surgical Corp. (Norwalk, CT)である。VCSシステム(Autosuture)は、通常は断続的に用いて、高い圧縮力で組織縁部を裏返すのに用いられる、非貫通型チタン製血管クリップを適用するための自動ステープル留め装置である。(U.S. Surgical製造の吻合接合装置の記載については、例えば米国特許第6,440,146号, 6,391,039号, 6,024,748号, 5,833,698号, 5,799,857号, 5,779,718号, 5,725,538号, 5,725,537号, 5,720,756号, 5,360,154号, 5,193,731号, および5,005,749号を参照)。
吻合クリップは、ニチノールのような形状記憶金属から作られてもよく、それはU字形に開いた形態と閉じた形態との間で自動閉鎖性である。例えば米国特許第6,641,593号参照。吻合クリップは、実質的に螺旋型でよい閉鎖型を画定する形状記憶を有し、またクリップに着脱可能に取り付けてもよい針を有するワイヤから構成されてもよい。例えば、米国特許第6,551,332号参照。その他吻合クリップは、例えば、米国特許第6,461,365号;および第6,514,265号に記載されている。
自動ステープル留め装置はまた、Bypass/Ethicon, Inc. (Somerville, NJ) でも製造されており、例えば、
Figure 2006525855
に記載されている。グリコリドに富む(即ち65〜85重量%の重合化グリコリド)ポリマー配合物を含有する吸収性手術用ステープルは、例えば米国特許第4,741,337号および第4,889,119号に記載されている。ラクチド/グリコリド-コポリマーおよびポリ(p-ジオキサノン)の配合物から作製された手術用ステープルは、米国特許第4,646,741号に記載されている。その他のタイプのステープル装置は、例えば米国特許第5,234,447号; 第5,904,697号; 第6,565,582号、および米国出願公開第2002/0185517A1号に記載されている。
別の局面では、マイクロメカニカル装置は縫合クリップでもよい。例えば、縫合クリップは、ニチノールのような形状記憶金属から作られてもよく、それはU字形に開いた形態と閉じた形態との間で自動閉鎖性である。例えば米国特許第6,641,593号参照。吻合クリップは、実質的に螺旋型でよい閉鎖型を画定する形状記憶を有し、またクリップに着脱可能に取り付けてもよい針を有するワイヤから構成されてもよい。例えば、米国特許第6,551,332号参照。その他吻合クリップは、例えば、米国特許第6,461,365号; 第6,187,019号; および第6,514,265号に記載されている。
1つの局面では、本発明はマイクロメカニカル吻合装置(例えばステープルまたはクリップ)および瘢痕治療剤の組合せを提供する。
(3) 吻合連結装置
吻合連結装置は、吻合術の完了のために、第1の血管を第2の血管に、移植血管を用いるか、または用いずに接合するのに使用してもよい。1つの局面では、吻合連結装置は、縫合糸またはステープルを使用せずに、標的血管内の開口部また穴(例えば側部または血管端部の)への移植体または血管の自動取付けを容易にする。別の局面では、吻合連結装置は、その中を血液が流れることができる管腔を画定する管構造を含む(以下に説明する)。
標的血管内の開口部または穴への移植体または血管の自動取付けを容易にする吻合連結装置は、様々な形を取ることができ、また様々な材料からつくることができる。典型的には、そのような装置は、ポリマーまたは金属もしくは金属合金のような、生体適合性材料から作られる。例えば、装置は、発泡ポリ(テトラフルオロエチレン)(ePTFE)またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)のようなフルオロポリマー、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、シリコーン、ポリプロピレン、ポリスルホンあるいはポリエステルのような合成材料から作ることができる。
吻合連結装置は、吻合完成後に溶解するように工夫された、吸収性または生体分解性材料でもよい。生体分解ポリマーとしては、例えば、ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε-カプロラクトン、ガンマ-カプロラクトン、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸、ベータ-ブチロラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-ベロラクトン、γ-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、トリメチレンカルボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたは1,5-ジオキセパン-2オンから選択される、1または複数のモノマーを含むホモポリマーあるいはコポリマーを挙げることができる。
装置は、金属または金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼、チタン、鉄、ニッケル、ニッケル-チタン、コバルト、白金、タングステン、タンタル、銀、金、モリブデン、クロムおよびクローム)または金属および金属合金の組合せを含んでよい。
装置は、血管の外側、血管の管腔を取り囲む組織の中に固定することができ、そして/または装置の一部は血管の管腔内に在ってもよい。
1つの局面では、吻合連結器は、管状移植導管を標的血管から伸ばすことができるように標的血管の側壁内に置かれている、人工的に作られた開口接合器でよい。接合器は、組織穿刺部材および同心的に環状に配置された保持フィンガーを複数含んでよく、これらは移植体を接合器に防液性に固定し、保持するために管状移植導管の側壁を貫通できる。例えば、米国特許第6,702,829号および第6,699,256号参照。
別の局面では、吻合連結器は、フレームの形に作ることができる。例えば、フレームは、標的血管内に挿入されると、拡張部材が動いて移植血管を固定するような、変形可能なはさみ型に作ることができる。例えば米国特許第6,179,849号参照。
別の局面では、吻合連結器はリング状の装置でよく、それは移植体の管腔と標的血管の管腔内にある開口部とを結ぶ吻合中間領域として用いられる。例えば、吻合リングは、ステンレス鋼合金、チタン合金、またはコバルト合金から構成され、直径を拡張できるフランジを有する。例えば、米国特許第6,699,257号参照。吻合リングはまた、米国特許第6,248,117号にも記載されている。
別の局面では、吻合連結器は再吸収性である。再吸収型吻合連結装置は、例えば、グリコリドに富む(即ち65〜85重量%の重合化グリコリド)ポリマー配合物(例えば、米国特許第4,741,337号および4,889,119号参照)、またはラクチド/グリコリド-コポリマーおよびポリ(p-ジオキサノン)(例えば、米国特許第4,646,741号参照)の配合物を含んでよい。
別の局面では、吻合連結器は、生体吸収性、エラストマー材料を含む。再吸収装置で用いられるエラストマー材料の代表例は、例えば、米国特許第5,468,253号に記載されている。
別の局面では、吻合連結器は、第1の血管を第2の血管と、移植血管を用いるか、または用いずに接合するのに使用してもよい。例えば、吻合連結器は、2つの並置した心臓血管を移植する場合のように、2つの血管を横同士で接続するのに役立つ装置でよい。吻合連結器は、流れ開口部によって周囲に沿って互いに連続している、部分的に開放した2つの円柱部材として形作ることができ、それによって装置を最小侵襲的に挿入すると、元々の形状にある時の形に適合して、内壁に対し圧をかけて漏れを防止できる。例えば、米国特許第6,464,709号;第6,458,140号および第6,251,116号、ならびに米国出願公開第2003/0100920A1号を参照。
別の局面では、吻合連結器は血管移植体の設計に組み込むこともでき、展開前に中間面を取付ける段階を排除できる。例えば、吻合連結器は、前進中、血管開口部を広げるための先頭および最後部の花弁状構造、ならびに血管の開口部を閉じる間、移植体に取付くように構成されているベースを有してもよい。例えば、米国特許第6,702,828号参照。
別の局面では、吻合連結器は、フレームの形でもよい。例えば、吻合連結器は、標的血管内に挿入されると、拡張部材が動いて移植血管を固定するような、変形可能なはさみ型に作ることができる。例えば米国特許第6,179,849号参照。
別の局面では、吻合連結装置は、その反対端部に固定機構(例えばコレットまたはグロメット)を組込み、移植体と血管の間に熱結合を作り出す加熱要素を含んでもよい(例えば米国特許第6,652,544号および6,293,955号参照)。
別の局面では、吻合連結装置は、パイパス移植体の端部を2つの血管に固定するための圧縮可能な拡張式フィッティングを含む。フィッティングは、バイパス移植体の設計の中に組込んでもよく、これにより展開前に移植体をフィッティングに取付ける段階を省いてもよい(例えば米国特許第6,494,889号参照)。
別の局面では、吻合連結装置は、2つの血管を端部同士、または端部と側部で結合するための、連結ディスク部材を1組含む。部材の1つはフック部材を含み、もう一方の部材は、外転した血管組織を一つに締めるための、フックと合致する受け穴を有する(例えば米国特許第4,523,592号参照)。
Bypass/Ethicon, Inc.の吻合接合装置の代表例は、米国出願公開第2002/0082625A1号および第2003/0100910A1号、ならびに米国特許第6,036,703号、第6,036,700号、第6,015,416号および第5,346,501号に記載されている。
別の吻合連結装置は、例えば
Figure 2006525855
に記載されている装置である。
吻合連結装置は、基部大動脈接合器および遠位側冠動脈接合器を含んでもよい。例えば、大動脈吻合接合器としては、St. Jude Medical, Inc. (Maple Grove, MN) 製のSYMMETRY Bypass Aortic Connector装置が挙げられるが、これは大動脈カッターまたは孔開けアッセンブリおよび移植体送出しシステムから成る。大動脈孔開け器は、カッターを回転させて大動脈壁に丸い穴を穿つためのアンカーおよび背圧を提供する、有刺針を持った円柱状のカッターである。移植体送出しシステムは、静脈移植体の壁に穴をあける小さなフックで静脈移植体を固定する、放射状に拡張するニチノール装置である。移植体は、ストラットまたはフランジの内環および外環を用いて大動脈に固定される。St. Jude製のこの吻合接合装置またはその他吻合接合装置は、米国特許第6,309,416号、第6,302,905号、第6,152,937号、ならびにPCT公開番号第WO 00/27312号およびWO 00/27311号に記載されている。
Ethicon, Inc. (Johnson & Johnson, Somerville, NJ) のCardio Vations部門が製造するCORLINK Automated Anastomotic接合装置は、ニチノール金属合金ファスナーを用いて、移植された血管を大動脈に接合する。それは、連続する楕円形のアーチからできた中心の円柱型本体、および2組の各端部から放射状に広がる複数のピンのセットから成る。移植体は、CORLINK挿入装置内に入れられて展開し、1段階で吻合を作る。
吻合連結装置のさらなる例としては、Cardica(米国特許第6,719,769号; 6,419,681号および6,537,287号参照)、Converge Medical(Advanced Bypass Technologiesと称していた)、Onux Medical(例えば、PCT公開番号WO 01/34037参照)およびVentrica, Menlo Park, CA (VENTRICA Magnetic Vascular Positioner)(例えば、米国特許第6,719,768号; 6,517,558号および6,352,543号参照)製装置を挙げることができる。
上記のように、吻合連結装置は、血液がその中を流れる管腔を画定する管状構造を含む。これらタイプの装置(ここでは「バイパス装置」とも呼ぶ)は、血管の間の流体を連絡するための人工通路または導管として働くことができ、血管(例えば動脈)の一部から同一血管の別の部分へ、または第2の血管(例えば動脈もしくは静脈)へ、または複数の血管(例えば静脈および動脈)へ血液を送込むのに用いることができる。本発明の1つの局面では、吻合装置はバイパス装置である。
バイパス装置は、様々な端部同士および端部と側部の吻合手術に用いることができる。バイパス装置は、2つ以上の血管構造の間、または同一血管構造の2カ所の間に通路を造ることが望まれる場合、患者の中に置かれてもよい。例えば、バイパス装置は、損傷を受けて、完全または部分的に閉塞した動脈(例えば冠動脈、頸動脈、または下肢供給動脈)のような血管の周囲に血液を流せるようにする通路を作るのに用いてもよい。バイパス装置は、冠動脈バイパス手術に用いて、大動脈のような動脈からの血液を、動脈内の閉鎖部位より下流にある冠動脈部分に迂回させるのに用いることができる。
あるタイプの吻合連結装置は、2つの隣接する血管をつなぐように構成されている。装置はさらに、血液を別の血管に迂回させるための管状セグメントを含むことができる。これらタイプの接合器は、血管が切断されたか、または傷害された場合の端部同士の吻合に用いられることが多い。
バイパス装置は、その中を血液が流れることができる単一の管腔を画定する、第1の端部および第2の端部を有する管状構造を少なくとも1つ含むか、またはその中を血液が流れることができる複数の管腔を画定する、2つ以上の管状構造を含んでもよい。管状構造は、血管外部分を含み、場合により血管内部分を含んでもよい。血管外部分は血管の血管外膜組織の外に存在するのに対し、血管内部分は、血管管腔内または血管の内、中、および/または外膜組織内に存在してよい。
管状セグメントは、様々な形状の構造をとることができる。例えば、管状部分は、一般には直線、屈曲、または湾曲(例えばL型もしくは螺旋型)、先細、分岐(例えば2股もしくは3分岐)でよあってもよいし、その中を血液が流れることができる導管のネットワークを含むものであってもよい。一般に、直線または屈曲した装置は、その中を血液が流れることができる単一の管腔を有するが、一方分岐導管(例えば一般的にT型およびY型装置)ならびに導管ネットワーク(以下記載)は、その中を血液が流れることができる導管を2またはそれ以上有している。管状構造は、例えば中空円柱の形状でよく、またメッシュもしくは多孔型の枠のような支持構造を包含しても、またはしなくともよい。処置に応じて、装置は生物分解性または非生物分解; 拡張型または固定式;金属製および/またはポリマー製でよく; ならびに/あるいは形状記憶金属(例えばニチノール)を含んでもよい。ある態様では、装置は自己拡張型ステント構造を有してもよい。
バイパス装置は、典型的には生体適合材料から作られる。合成または天然由来ポリマー、または金属もしくは金属合金のような、他のタイプの接合器について記載されたいずれの上記材料も、バイパス装置の作製に用いることができる。例えば装置は、発泡ポリ(テトラフルオロエチレン)(ePTFE)またはフッ化エチレンプロピレン(FEP)のようなフルオロポリマー、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、シリコン、ポリプロピレン、ポリスルホンあるいはポリエステルのような合成材料、ならびに/あるいはコラーゲンまたは多糖類のような天然材料から作ることができる。装置は、金属または金属合金(例えばニチノール、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、ニッケル-チタン、コバルト、白金、鉄、タングステン、タンタル、銀、金、モリブデン、クロムおよびクローム)または金属およびポリマーの組合せを含んでよい。他のタイプの装置は、天然移植材料(例えば自己の血管、同種血管、または異種移植体)、あるいは合成および天然移植材料の組合せを含む。別の局面では、バイパス装置は、吻合完成後に溶解するように、吸収性または生体分解性材料(例えばポリラクチド、ポリグリコリドおよびラクチドとグリコリドのコポリマー)からつくることができる。さらに別の局面では、脱灰した骨を用い、柔軟な管状導管を提供することができる(例えば、米国特許第6,290,718号参照)。
管状構造は、近位血管に取付けるように構成された近位部、および遠位側の血管に取付けるように構成された遠位端を含む。上記のように、吻合は、血管の傷害に対するその位置から、「近位」または「遠位」として記載される。「近位」縫合は、基部血管内に位置し、「遠位」吻合は、遠位血管内に作られ、その時の結果は同一の血管でも、近位血管とは別の血管でもよい。用語「遠位」および「近位」は、管状構造を通り、ある血管から別の血管に流れる血流の方向を表すのにも用いられる。例えば、血液は近位血管(例えば動脈)から冠動脈内の傷害を迂回する冠動脈のような遠位血管内に流れることができる。
管状構造は、近位または遠位血管に直接取付けてもよい。または、バイパス装置は、移植血管を含むか、または移植血管を受け取るように構成されてもよく、それは同一または異なる血管と接合して吻合を完成することができる。移植血管の代表例としては、血液透析に用いられる血管移植体または移植体を挙げることができる(例えばAV移植体、AVシャント、またはAV移植体)。
1つの局面では、管状吻合連結器は、近位血管に取付けられる近位端および、バイパス移植体の取付けに用いられる遠位端を含む。バイパス移植体は、近位血管に固定され、吻合を完成する。血流の方向は、近位血管から管状構造の近位端内であろう。血液は管状構造の遠位端を通り外に出て、移植血管内に入る。
別の局面では、管吻合連結器は、移植血管に取付け、そして近位血管に固定される近位端、また遠位血管に取付けるために構成された遠位端を含む。血流の方向は、近位血管から移植血管内に入り、さらに管状構造の近位端に入るだろう。血液は、管状構造の遠位端を通り外に出て、遠位血管内に入るだろう。
吻合バイパス装置は、縫合糸を用いて、または用いずに吻合を形成するために、血管に様々な方法で固定でき、また血管に取付けることができる。バイパス装置は、血管の外側に取付けてもよく、そして/または装置の一部は、血管内に埋め込まれてもよい。例えば、埋め込まれた装置の一部分は、血管の管腔の中(即ち管腔内)に在ってよく、そして/または埋め込まれた装置の一部分は、血管内(即ち血管の内膜、中膜、および外膜組織内)に在ってもよい。1つの局面では、管状構造の少なくとも1つ、またはその一部分は、血管端部、または血管の側部の中に挿入できる。装置は、例えば縫合糸、ステープル、またはクリップのようなファスナー、および/あるいは接着剤を用いて、血管に直接固定できる。バイパス装置は、縫合糸を用いずに導管を標的血管に固定するための中間面を含んでもよい。中間面は、例えばフック、針状突起、ピン、クランプまたはフランジのような手段、または装置を吻合部位に連結するためのリップを含んでよい。
少なくとも1つ管状部分を含む吻合連結装置の代表例は、これに限定されないが、端部同士の吻合処置に用いる装置(例えば吻合ステントおよび吻合スリーブ)および端部と側部の吻合処置に用いる装置(例えば単管腔および多管腔型バイパス装置)を挙げることができる。
本発明の1つの局面では、吻合連結装置は、血液を、供給元の血管から移植血管に迂回させるシャントとして使用される、単一の管状部分を含む(例えば、端部同士を吻合する処置において)。1つの局面では、管状部分の端部は、上記のように、標的血管に直接または間接的に接合できる。管状部分の反対側の端部は、移植血管に取付けることができ、そこで移植血管は標的血管に固定されて吻合を完成する。
管状部分は直線形、または湾曲もしくは屈曲した形でよく(例えばL型もしくは螺旋型)、接続する血管に対し直交または角度を付けて配置してよい。1つの局面では、導管は、例えばステープル、クランプもしくはフックといったファスナーにより、または接着剤、高周波密閉により、あるいは当業者に既知のその他方法によって、所定部位に固定できる。
1つの局面では、吻合連結装置は、例えば、縫合環を用いて遠位端に溶接された管状の金属製の網目状移植体であり、標的血管を所定位置に固定する手段を提供する。例えば、米国特許第6,235,054号参照。部位内に固定されるその他タイプの導管としては、例えば米国特許第4,368,736号および第4,366,819号が挙げられる。
あるタイプの単管腔連結装置では、導管は、血管の管腔内に在るフランジ内で終わる。例えば、導管は複数の突起を有し、管状血管腔の内側に環状に配置するよう構成されている接合器を持つ管状本体を有してもよい。例えば、米国特許第6,660,015号参照。別の装置では、血管の外膜組織表面内、または表面上に取付けることができる。
別のタイプの単管腔バイパス装置は、例えば
Figure 2006525855
に記載されている。
本発明の1つの局面では、吻合連結装置は、その中を血液が移動できる管腔を2以上含む。多管腔バイパス装置は、複数(2またはそれ以上)の血管と連絡するよう構成された管状部分を2またはそれ以上含むことができる。多管腔連結装置は、様々な吻合処置に用いることができる。例えば、このような装置は、冠動脈バイパス移植(CABG)手術に用いて、血液を、閉塞した近位血管(例えば動脈)から1または複数の標的(即ち遠位)血管(例えば動脈または静脈)内に転ずことができる。
1つの局面では、少なくとも1つの管状部分を、供給元血管から標的血管に血液を転ずるためのシャントとして用いることができる。別の局面では、装置は、移植血管を標的血管に固定して吻合を完成させるための中間面として形作ってもよい。処置によって管状のアームは、長さと直径が等しくとも、または長さと直径が等しくなくともよく、また拡張可能である管状部分を含んでもよく、さらに/または形状記憶金属(例えばニチノール)を含んでもよい。さらには、管状部分は、同一材料または別材料から作ることができる。
1つの局面では、管状部分の1または複数の端部を、1または複数の血管の端部または側部に挿入してもよい。別の態様では、装置の1または複数の管状部分は、血管または移植血管の管腔内に置いてもよい。装置は、場合により、ファスナーまたは接着剤、あるいは当業者既知のその他方法を用いて、血管に固定してもよい。
多管腔接合器の少なくとも1つのアームは、移植血管に取付けることができる。移植血管は、ePTFEまたはポリエステル移植体のような人工移植体、あるいは天然移植材料(例えば自己血管、同種血管、または異種血管)、あるいは人工移植材料と天然移植材料の組合せでよい。ある態様では、移植血管は、装置の管状部分の端部に取付けられ、第2の移植血管は同じ管状部分の反対側端部、または別の管状部分の端部に取付けられる。移植血管は、さらに吻合を完成させるために、標的血管に取付けられる。
1つの局面では、装置は、合流部位から伸びる、3またはそれ以上のアームを含んでよい。例えばT多管腔装置は、一般的にT型またはY型(即ちそれぞれ2または3つの管腔を有する)でよい。例えば多管腔装置は、標的血管内に伸びる縦長部材と血管の外側に在って別の管状構造との接続を提供する第2のセクションとを有するT型の管状移植接合器でよい。例えば、米国特許第6,152,945号および第5,972,017号参照。その他の多管腔装置も記載されている(例えば、米国特許第6,152,945号; 6,451,033号; 5,755,778号; 5,922,022号; 6,293,965号; 6,517,558号および6,626,914号、ならびに米国公開番号 2004/0015180A1参照)。
別の局面では、装置は心臓の一部(例えば左心室)から冠動脈に直接血流を迂回させるためのチューブでよい。例えば装置は、弛緩期の間は心臓組織の動き反応して一方向弁により部分的に閉じることができるが、収縮期では血液を流す中空のチューブでよい(例えば、米国特許第6,641,610号参照)。装置は、1つが心臓の左心室内に配置でき、もう一方が冠動脈内に配置できる2つの開口部を有する分流チューブから成る細長い、硬質のシャント本体でよい(例えば、WO 00/15146および米国出願公開番号2003/0055371A1参照)。装置は、心臓壁内へ挿入して心臓から冠動脈への血流を提供するのに適した、バルブの付いた、L-またはT-型の管状の器具でよい(例えば、米国特許第6,123,682号参照)。
別の局面では、装置は連続する管状導管のネットワークを含んでよい。例えば、装置は一般的に軸方向、または互いに直交するように配置できる2つの管状部分を含んでよい。米国特許第6,241,761号および第6,241,764号参照。2つの管状構造の間は、各チューブの内腔の間の血液の流れを促進するフローチャンネルを使って連絡を達成してもよい。
別の局面では、吻合連結装置は2または3つの終端をもって構成される吸収性装置でよく、これは縫合を必要としない血管中間面を提供し、そしてバイパス移植体または代替血管のような横断する管腔による液体連絡を提供する。例えば米国特許出願公開第2002/0052572A1およびPCT公開番号WO 02/24114A2を参照。吻合接合器はまた、スナップ式接合器、またはそれを組織に固定するためのその他構成要素、ならびに血液の漏れを防ぐためのホメオスタシス誘導シーリングリングを含むように構成された吸収性管状構造から作ることもできる。例えば米国特許第6,056,762号参照。吻合接合器は3本の脚部をもつように設計してもよく、そのうちの2本は収縮した状態で、連続する血管内に挿入してから拡張しぴったりと適合するのに適しており、3番目の脚部は第3の導管と接続して密封するのに適している。例えば、米国特許第6,019,788号参照。
市販されている多管腔吻合連結装置の例は、SOLEM移植接合器(Jomed製、Sweden)である。この装置は、PCT公開番号WO 01/13820および米国特許第6,179,848号、第D438618号および第D429334号に詳しく記載されており、それらは遠位吻合を完成させるための、ニチノールおよびePTFE移植体から構成されるT-型接合器を含む。
1つの局面では、本発明は吻合連結装置と瘢痕治療剤、または瘢痕治療装置を含む組成物との組合せを提供する。1つの局面では、吻合連結装置は、縫合糸またはステープラーを使用せずに吻合するために、血管に取り付けることができる。ある局面では、吻合連結装置は、その中を血液が流れることができる管腔を画定する管状構造、および瘢痕治療剤を含むことができる。装置は、接続する血管の数に応じて、1、2、3またはそれ以上の管状構造により画定された1、2、3またはそれ以上の管腔を、含むことができる。
吻合接合器の、血管壁内、管腔内、または外膜内へまたはその上への導入は、血管の上皮組織を刺激または損傷することもあるし、血管の中を流れる自然の血液動態流を変化させることもある。この刺激または損傷は、生物学的現象のカスケードを誘発して、繊維性反応を起こし、これが血管内に瘢痕組織を形成させることがある。本発明による、血管と直接接触する装置の部分(例えば装置の終端部分または縁)への治療剤の組込みは、上記の瘢痕形成プロセス(例えば平滑筋細胞の増殖、細胞移動、炎症)の1つまたは複数を抑制して、血管が血管内膜過形成および狭窄形成を起こしにくくする。
したがって1つの局面では、治療剤は、装置のうち、血管または上皮組織と接触する部分だけに会合させてもよい。例えば、瘢痕治療剤は、装置の血管内部分(即ち血管管腔または血管組織内に存在する部分)にだけ組込んでもよい。瘢痕治療剤は、装置の血管内部分のすべてまたは一部に組込むことができる。別の態様では、コーティングを、装置の血管外部分のすべて、または一部に施すことができる。
瘢痕治療剤または瘢痕治療剤を含む組成物を、装置の一部、または全表面にコーティングしてもよく、または装置の一部(例えば、装置または装置構築に用いた材料の中にある間隙、リザーバ、またはディベット)、または構造全体の中に組み入れてもよい。別の局面では、薬剤を含む組成物は、装置表面内に含浸するか、または表面上に付着する。
上記のように、装置は血管の管腔内に配置される管部分を含んでよい。例えば、管部分全体を瘢痕治療剤または瘢痕治療剤を含む組成物でコーティングしてもよい。または、管部分の一部のみが瘢痕治療剤を含んでもよい。例えば、患部分の外(管腔外)面のみ、または内面(管腔内)表面だけをコーティングしてもよい。別の態様では、患部分の終端の一方または両方をコーティングできる。例えば、その中を血液が通り装置内に入る管区画(即ち近位端)の管腔内および/または管腔外表面を瘢痕治療剤または瘢痕治療剤を含む組成物でコーティングしてもよい。別の局面では、その中を通り血液が装置から外に出る管区画(即ち遠位端部)の管腔内および/または管腔外表面を瘢痕治療剤または瘢痕治療剤を含む組成物でコーティングしてもよい。
別の態様では、瘢痕治療剤または瘢痕治療剤を含む組成物は、装置を血管に固定する固定部材(例えばステープルまたはクリップのようなファスナー)によって会合させる(例えば、その上にコーティングするか、その中に組み込む)。
上記のように、吻合接合装置は、装置の臨床効果を高める手段として、繊維症-阻害薬を含むことができる。別の方法では、繊維症-阻害薬は、フィルムまたはメッシュ内にまたは上に組込むことができ、それは吻合部位(例えば、移植血管および血管の接続部)の血管の周囲に取り巻く形で用いる。これらのフィルムまたはラップは、上記いずれかの吻合接合装置と共に用いることができ、典型的には、手術時に吻合の外側を取り巻いて置かれる。血管ラップの代表例は、米国特許第6,575,887号および第6,495,579号、ならびに2003年9月26日提出の、「Perivascular Wraps」と題する同時係属中の出願(U.S. Ser. No. 10/673,046)に記載されている。別の態様では、薬剤は吻合部位にスプレー、ペースト、ゲル等の形で送り込まれる。さらに別の方法では、繊維症-インヒビターは、接合装置を用いて血管に固定される移植血管の中に、または上に組込むことができる。移植血管および瘢痕治療剤を移植血管内および移植血管上に組込む方法の代表例は、血液透析に応用される血管移植体および移植体(例えばAV移植体、AVシャント、およびAVフィステル)を含めて、2003年11月20日提出の、「Medical Implants and Anti-Scarring Agents」と題する同時係属中の出願に記載されている(U.S. Ser. No. 60/523,908)。
当業者には、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、広範囲の治療剤、組成物および方法を用いて、ここに記載の組成物、装置および方法に変化を作り出せることは容易に明らかである。
実施例
実施例1
パリレンコーティング
吻合接合装置の金属部分を、HPLC等級のイソプロパノールに浸漬して洗浄した。次に洗浄した吻合接合装置を、パリレンコーティング器およびコーティング送り材料としてジ-p-キシレンまたはジクロロ-ジ-p-キシレンのいずれかを用いてパリレンコーティングした。
実施例2
パクリタキセルコーティング−末端コーティング
パクリタキセルを5 mLのHPLC等級THFに溶解して、パクリタキセル溶液を調製した。次にパリレンコーティングされた吻合接合装置の末端をパクリタキセル/THF溶液に浸漬した。様々なインキュベート時間の後、吻合接合装置を取り出し、強制エアオーブン(50℃)内で乾燥させた。次に吻合接合装置を真空オーブン内で、更に一晩乾燥させた。各溶液に用いたパクリタキセルの量は様々であり、吻合接合装置の末端にコーティングされたパクリタキセル量は0.06 mg/mm2〜10 mg/mm2の範囲内であった。
実施例3
パクリタキセルコーティング−完全コーティング
パクリタキセル溶液を、パクリタキセルを5 mLのHPLC等級THFに溶解して調製した。次にパリレンコーティングされた吻合接合装置全体をパクリタキセル/THF溶液に浸漬した。様々なインキュベート時間の後、吻合接合装置を取り出し、強制エアオーブン(50℃)の内で乾燥させた。次に吻合接合装置を真空オーブン内で、更に一晩乾燥させた。各溶液に用いたパクリタキセルの量は様々であり、吻合接合装置の末端にコーティングされたパクリタキセル量は0.06 mg/mm2〜10 mg/mm2の範囲内であった。
実施例4
パリレンオーバーコーティングの塗布
パクリタキセルでコーティングされた吻合接合装置をパリレンコーティング器の中に入れ、パクリタキセルでコーティングされた吻合接合装置(実施例2または実施例3)にパリレンのさらなる薄層を沈着させた。コーティング時間を変えると、パリレントップコーティングの厚みが変化し、多様なパクリタキセルの溶出プロフィールを得ることができる。
実施例5
エコー発生コーティング層の塗布
イソシアネートプレポリマーであるDesmodur(Bayer AG)を、ジメチルスルホキシドとテトラヒドロフランの50:50混合液に溶解した。次にパクリタキセル/パリレンをオーバーコーティングされた吻合接合装置(実施例4)をプレポリマー溶液内に浸漬した。次に吻合接合装置を取り出してから、コーティングを室温で3〜5分間、部分乾燥させた。次に吻合接合装置を水の入ったビーカーに(室温)3〜5分間浸して、重合反応を素早く誘導した。エコー発生コーティングが形成された。
実施例6
パクリタキセル/ポリマーコーティング−末端コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各EVA溶液に加えた。吻合接合装置の末端を、パクリタキセル/EVA溶液内に浸漬した。末端がコーティングされた吻合接合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を真空下、24時間さらに乾燥させた。浸漬コーティングの工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。
実施例7
パクリタキセル/ポリマーコーティング−外面コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各EVA溶液に加えた。吻合接合装置(クランプで支えられた)の外面を、エアブラシスプレー器を用いてコーティングした。吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。スプレーコーティング工程を繰り返し、最初クランプが支えていた装置部分の装置を確実にコーティングした。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。コーティング工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。
実施例8
パクリタキセル/ポリマーコーティング−内面コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各EVA溶液に加えた。吻合接合装置の内面を、コーティング溶液を装置管腔内に徐々に注入し、コーティング溶液が装置の内面をコーティングする角度で装置を徐々に回転させることによってコーティングした。吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。コーティング工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。コーティングの厚みは、コーティング溶液をTHFで希釈することによって調節した。
実施例9
パクリタキセル/ポリマーコーティング−近位端コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各EVA溶液に加えた。吻合接合装置の近位端部を、パクリタキセル/EVA溶液内に浸漬した。近位端をコーティングされた吻合接合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。浸漬コーティング工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。
実施例10
パクリタキセル/ポリマーコーティング−遠位端コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各EVA溶液に加えた。吻合接合装置の遠位端を、パクリタキセル/EVA溶液内に浸漬した。遠位端がコーティングされた吻合接合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。コーティング工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。
実施例11
パクリタキセル/ヘパリンコーティング−端部コーティング
ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル){EVA}[60%酢酸ビニル]の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルおよびトリドデシルメチル塩化アンモニウム−ヘパリン複合体溶液(PolySciences)を各EVA溶液に加えた。吻合接合装置の端部をパクリタキセル/EVA溶液に浸漬した。端部がコーティングされた吻合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。
実施例12
パクリタキセルヘパリン/ヘパリンコーティング
パクリタキセルヘパリンをコーティングした吻合装置(実施例7)のコーティングを施していない部分を、様々な量のトリドデシルメチル塩化アンモニウム−ヘパリン複合体溶液(PolySciences)を含有する5%EVA溶液に浸漬した。末端コーティングされた吻合接合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間乾燥させた。これにより、吻合接合装置の末端がパクリタキセル/ヘパリンコーティングコーティングされ、さらに吻合接合装置の残りの部分がヘパリンでコーティングされた吻合接合装置が提供される。
実施例13
パクリタキセル/ポリマーコーティング−端部コーティング
ポリ(スチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン)(SIBS)の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各SIBS溶液に加えた。吻合接合装置の端部をパクリタキセル/SIBS溶液に浸漬した。端部コーティングされた吻合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を真空下、24時間さらに乾燥させた。浸漬コーティング工程を繰り返し、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/パクリタキセルの量を増やしてもよい。
実施例14
パクリタキセル/ポリマー−エコー発生オーバーコート
実施例9のコーティングサンプルを、DESMODUR(Bayer AG)、イソシアネートプレポリマー(ジメチルスルホキシドとテトラヒドロフランの50:50混合液)溶液に浸漬した。次に吻合接合装置を取り出し、コーティングを室温で3〜5分間、部分乾燥させた。次に吻合接合装置を水の入ったビーカーに(室温)3〜5分間浸して、重合反応を素早く誘導した。エコー発生コーティングが形成された。
実施例15
ポリマー/エコー発生コーティング
ポリ(スチレン−co−イソブチレン−ブロック−スチレン)(SIBS)の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。吻合接合装置をSIBS溶液に浸漬した。溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。実施例9のコーティングサンプルを、DESMODUR(Bayer AG)、イソシアネートプレポリマー(ジメチルスルホキシドとテトラヒドロフランの50:50混合液)溶液に浸漬した。次に吻合接合装置を取り出し、コーティングを室温で3〜5分間、部分乾燥させた。次に吻合接合装置を水の入ったビーカーに(室温)3〜5分間浸して、重合反応を素早く誘導した。吻合接合装置を真空下、室温で24時間乾燥させた。コーティングされた吻合接合装置の端部をパクリタキセル溶液内に浸した。吻合接合装置を取り出し、40℃で1時間乾かしてから、真空下、24時間乾燥させた。
ポリマーコーティングが吸収するパクリタキセルの量は、パクリタキセルの濃度、浸漬時間ならびにパクリタキセル溶液の溶媒組成を変えることによって、変更できる。
実施例16
パクリタキセル/シロキサンコーティング−末端コーティング
吻合接合装置をガス状のテトラメチルシクロテトラシロキサンに曝し、次に吻合接合装置表面を低エネルギープラズマ重合にかけることでそれを重合させ、吻合接合装置をシロキサン層でコーティングした。シロキサン層の厚みは、重合時間を延ばすことによって増やすことができる。次に吻合接合装置の末端をパクリタキセル/THF溶液に浸した。パクリタキセルはシロキサンコーティング内に吸収される。次に吻合接合装置を溶液から取り出し、強制エアオーブンの中で、40℃で2時間乾燥させた。次に吻合接合装置を真空下、室温で24時間さらに乾燥させた。吻合接合装置端部にコーティングされるパクリタキセルの量は、パクリタキセル/THF溶液の濃度を変えることにより、さらに吻合接合装置端部をパクリタキセル/THF溶液に浸す時間を変えることによって変更できる。
実施例17
ヘパリンコーティング
吻合接合装置を、様々な量のトリドデシルメチル塩化アンモニウム−ヘパリン複合体溶液(PolySciences)を含有する溶液に浸漬した。様々なインキュベート時間の後、吻合接合装置を取り出し、強制エアオーブン(50℃)内で乾燥させた。次に、吻合接合装置は、真空オーブンの中で一晩さらに乾燥させた。
実施例18
パリレン/ヘパリンコーティング
パリレンでコーティングされた吻合接合装置(実施例1)を、様々な量のトリドデシルメチル塩化アンモニウム−ヘパリン複合体溶液(PolySciences)を含有する溶液に浸漬した。様々なインキュベート時間の後、吻合接合装置を取り出し、強制エアオーブン(50℃)内で乾燥させた。次に、吻合接合装置は、真空オーブンの中で一晩さらに乾燥させた。
実施例19
ヘパリン/ポリマーコーティング
ポリ(スチレン-co-イソブチレン−スチレン)(SIBS)の5%溶液を、溶媒としてTHFを用いて調製した。様々な量のトリドデシルメチル塩化アンモニウム−ヘパリン複合体溶液(PolySciences)を各SIBS溶液に加えた。吻合接合装置をパクリタキセル/SIBS溶液に浸漬した。吻合接合装置を溶液から取り出した後、吻合接合装置を強制エアオーブン(40℃)内に3時間置いて、コーティングを乾燥させた。次にコーティングされた吻合接合装置を、真空下、24時間さらに乾燥させた。浸漬コーティング工程を繰り返して、吻合接合装置にコーティングされるポリマー/ヘパリンの量を増やしてもよい。
実施例20
スプレーコーティング装置
ポリ(スチレン-co-イソブチレン−スチレン)(SIBS)の2%溶液を、THFを溶媒として用いて調製した。様々な量のパクリタキセルを各溶液に加えた。ピンセットで吻合接合装置を固定してから、エアブラシを用いてパクリタキセル/ポリマー溶液の1つでスプレーコーティングした。それから装置を自然乾燥した。次にピンセットを使って装置を別の場所に固定し、パクリタキセル/ポリマーの第2のコーティングを施した。装置は、自然乾燥してから真空下、一晩置いて乾燥させた。装置にコーティングされるパクリタキセルの総量は、溶液中のパクリタキセル含有量を変更すること、ならびに施すコーティングの回数を増やすことによって変更できる。
実施例21
細胞増殖に対するミトキサントロンの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
集密度70〜90%の繊維芽細胞をトリプシン処理し、600個/ウェルの割合で96-ウェルプレートに播き、一晩接着させた。ミトキサントロンをDMSOで10-2Mの濃度に調製し、10倍希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした。薬剤希釈液を培地で1/1000に希釈し、細胞に加えて総量を200μL/ウェルにした。各薬剤濃度は、3個のウェルで試験した。繊維芽細胞およびミトキサントロンを含有するプレートを37℃で72時間培養した(In vitro toxicol. (1990) 3:219; Biotech. Histochem. (1993) 68:29; Anal. Biochem. (1993) 213:426)。
アッセイを終了させるために、培地を穏やかに吸引して取り除いた。CYQUANT 400X GR色素インジケータ(Molecular Probes; Eugene, OR)の1/400希釈液を、1×細胞溶解バッファーに加え、混合液200μLをプレートのウェルに加えた。プレートを室温にて、遮光して、3〜5分間インキュベートした。蛍光マイクロプレートリーダーで、励起波長約480 nm、最大発光約520 nmで、蛍光を読み取った。3つのウェルの平均を取り、DMSOコントロールに対する平均相対蛍光単位を比較して、50%阻害濃度(IC50)を決定した。n=4の多重実験の平均を用いて、IC50値を決定した。アッセイの結果を図2に示す。
実施例22
マクロファージの一酸化窒素産生に及ぼすミトキサントロンの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
マウスマクロファージ細胞株RAW264.7を、トリプシン処理してフラスコから細胞を取り出し、6-ウェルプレートの個別ウェル内に播いた。約2×106 細胞を、5% 熱不活化ウシ胎児血清(FBS)を含有する培地2 mLに播いた。RAW 264.7細胞を37℃で1.5時間インキュベートし、プラスチックに接着させた。ミトキサントロンをDMSOで10-2M濃度に調製し、10倍の連続希釈を行い、保存濃度の範囲(10-8M〜10-2M)にした。培地を取り除き、細胞を、ミトキサントロン有りまたは無しに、1 ng/mLのマウスIFNγおよび5 ng/mLの、LPSの5% FBS含有新鮮培地の中でインキュベートした。ミトキサントロンは、事前に調製しておいた、1/1000希釈のミトキサントロンDMSO保存溶液を各ウェルに直接加えて、細胞に添加した。IFNγ、LPSにミトキサントロンを加えたもの、または抜いたものを含むプレートを37℃で24時間インキュベートした(Chem. Ber. (1879)12; 426; J. AOAC(1977) 60-594; Ann. Rev. Biochem. (1994) 63:175)。
24時間が終了した時点で、細胞から上清を集め、亜硝酸塩の産生についてアッセイした。各サンプルは、上清を96ウェルプレートに50μLずつ小分けして入れ、グレース(Greiss)試薬A(スルファニルアミド0.5 g、H3PO4 1.5 mL、ddH2O 48.5 mL)を50μLおよびグレース(Greiss)試薬B(N-(1-ナフチル)-エチレンジアミン0.05 g、H3PO4 1.5 mL、ddH2O 48.5 mL)を50μL加え、3重測定で試験した。光学密度を、マイクロプレート分光光度計を用いて、562 nmの吸光度について素早く測定した。3つのウェルの吸光度を、バックグランドを差し引いてから平均化し、亜硝酸塩標準曲線(1μM〜2 mM)から濃度値を得た。50%阻害濃度(IC50)は、平均亜硝酸塩濃度を陽性コントロール(IFNγおよびLPSで刺激した細胞)と比較することで決定した。n=4多重実験の平均値を用いて、ミトキサントロンのIC50値を決定した。アッセイの結果を、図2に示す。
実施例23
マクロファージによるTNF-α産生に及ぼすBAY11-7082の効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
ヒトマクロファージ細胞株、THP-1を、各ウェルが10%FCS含有培地2 mL中に1×106 個の細胞を含むように12ウェルプレートに播いた。オプソニン処理したザイモサンは、20mgのザイモサンAを、2 mLのddH2Oに懸濁して、均一な懸濁液が得られるまでホモジェナイズして調製した。ホモジェナイズしたザイモサンを250gで沈殿し、ヒト血清4 mLに再懸濁して最終濃度を5 mg/mLとし、37℃の水槽内で20分間インキュベートして、オプソニン処理した。Bay 11-7082は、DMSO中に10-2Mの濃度に調製してから、10倍連続希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした(J. Immunol. (2000) 165:411-418; J. Immunol. (2000) 164: 4804-4811; J. Immunol Meth. (2000) 235 (1-2): 33-40)。
オプソニン処理したザイモサン1 mg/mLを加えてTHP-1細胞を刺激し、TNFαを産生させた。Bay 11-7082は、前もって1/1000希釈して調製しておいたDMSO保存溶液を各ウェルに直接加えることによって、THP-1細胞に添加した。各薬剤濃度は、3つのウェルで試験した。プレートを37℃で24時間インキュベートした。
24時間刺激した後、上清を集めてTNFα産生を定量した。上清のTNFα濃度は、標準曲線を得るためのヒト組換え体TNFαを用いたELISAにより決定した。96-ウェルMaxiSorbプレートを、コーティングバッファー(0.1Mの炭酸ナトリウム、pH9.5)で希釈した100μLの抗ヒトTNFα捕捉抗体で一晩、4℃でコーティングした。使用した捕捉抗体の希釈は、ロット特異的であり、経験的に決定した。次に捕捉抗体を吸引し、プレートを洗浄バッファー(PBS、0.05% TWEEN-20)で3回洗った。プレートを、200μL/ウェルのアッセイ希釈液(PBS、10%および1/16;(b)で1時間、室温でブロックした。組換え体ヒトTNFαを500 pg/mLで調製し、連続希釈して7.8 pg/mL〜500 pg/mLの標準曲線を作製した。サンプルの上清および標準物質は、3重測定でアッセイし、捕捉抗体でコーティングしたプレートに加えた後、室温にて、2時間インキュベートした。プレートを5回洗浄してから、検出試薬(ビオチン化抗ヒトTNFα検出抗体+アビジン-HRP)100μLと1時間、室温でインキュベートした。このインキュベートに続いて、プレートを7回洗浄し、基質液(テトラメチルベンチジン、H2O2)100μLをプレートに加え、30分間、室温でインキュベートした。次に停止液(2N H2SO4)をウェルに加え、黄色の反応物を、570nmのλ補正と共に450 nmで読み取った。3つ組のデータ読み取りから平均値を決定し、バックグランドの平均値を差し引いた。TNFα濃度値は、標準曲線より得た。50%阻害濃度(IC50)は、TNFα濃度と陽性コントロール(オプソニン処理したザイモサンで刺激したTHP-1細胞)と比較することによって決定した。n=4の反復実験の平均値を用いて、Bay 11-7082のIC50値を決定した。
実施例24
繊維症阻害薬を評価するための外科的接着モデル
ウサギの子宮角を用いて、調剤のインビボでの抗繊維症能を評価した。成熟したニュージーランド白色兎(NZW)の雌を全身麻酔した。無菌的処置を用いて腹部を正中線の2層で開き、子宮を露出した。両方の子宮角を腹腔の外まで持ち上げて、カテーテルのフレンチスケールで大きさを調べた。フレンチスケールが#8〜#14の間の角(直径2.5〜4.5 mm)が、本モデルに好適と考えた。子宮角と反対側の腹膜壁の両方を、#10の外科用メスを使って45°の角度で、長さ2.5 cm、幅0.4 cmの範囲を、斑点状の出血が観察されるまで擦過した。擦過面を、出血が止まるまでタンポナーデした。次に、個々の角を腹膜壁と向かい合わせて、擦過面の端から2 mm外側の2カ所で縫合し、固定した。調剤を塗布し、腹部を3層に閉じた。14日後、ウサギを剖検し、接着の広がりおよび強さについて、定性的および定量的にスコア化して評価した。
実施例25
ラットバルーン傷害頸動脈モデルでの初期過形成発達に及ぼすパクリタキセル含有メッシュの評価
ラットバルーン傷害頸動脈モデルを用いて、設置後14日目の初期過形成の発達に及ぼすパクリタキセル含有メッシュの効果を実証した。
コントロール群
体重400〜500 gのウィスター(Wistar)ラットを、1.5%ハロタン含有酸素を用いて麻酔し、左外頸動脈を露出した。A2 French Fogartyバルーン塞栓摘出カテーテル(Baxter, Irvine, CA)を外頸動脈の動脈切開部に入れ、左総頸動脈から大動脈に進めた。バルーンを、若干の抵抗を生ずるのに十分な量(約0.02 ml)の生理食塩水で膨らませてから捻りを加えながら頸動脈分岐点まで引き抜いた。次にバルーンを萎ませ、処置を更に2回繰り返した。この技法により動脈壁は膨張し、内皮細胞が剥脱する。カテーテルを除去した後、外頸動脈は結紮した。右総頸動脈は傷害せずに、コントロールとして用いた。
局所、血管周囲へのパクリタキセル処理
左総頸動脈を傷害した直後に、動脈の遠位区を長さ1 cm露出し、1×1 cmのパクリタキセル含有メッシュを使って処置した。次に、傷口を閉じて、ラットを14日間維持した。
組織学および免疫組織化学
犠牲死させる際は、ラットを二酸化炭素で安楽死させてから、10%リン酸緩衝ホルムアルデヒドを15分間、100 mmHgで加圧注入した。両側の頸動脈を集め、一晩固定液の中に漬けた。固定した動脈を処理し、パラフィンワックスに包埋した。傷害を与えた左頸動脈のインプラント領域の内外それぞれ2 mm、およびそれに対応するコントロールの右頸動脈領域内外2 mmについて、厚さ3μmの連続切片を作製した。切片は、マイヤー(Mayer)のヘマトキシリン−エオシンで染色して細胞数を測定し、Movatのペンタクロム染色液で染色して形態計測分析および細胞外マトリックス成分の評価を行った。
結果
図3〜5から、パクリタキセルメッシュ調剤を用いた血管周囲へのパクリタキセル送出しによって、初期過形成が劇的に軽減することは明らかである。
実施例26
マトリックスメタロプロテイナーゼ産生に及ぼすパクリタキセルおよびその他抗微小管剤の効果
A. 材料および方法
1. IL-1刺激AP-1転写活性はパクリタキセルにより阻害される
軟骨細胞に、AP-1作動型CATレポーター遺伝子を含む構築体をトランスフェクションし、IL-1で刺激し、各種濃度のパクリタキセル存在下または非存在下にIL-1(50 ng/ml)を加えて24時間インキュベートした。パクリタキセル処理は、濃度依存的な様式でCAT活性を下げた(平均値±SD)。アスタリスク(*)の付いたデータは、t-試験により、p<0.05でIL-1誘導CAT活性に比べ有意である。示した結果は、3回独立に行った実験の代表である。
2. IL-1誘導AP-1DNA結合活性、AP-1 DNAに及ぼすパクリタキセルの効果
結合活性は、放射線標識したヒトAP-1配列プローブおよびゲル移動度シフトアッセイを用いて調べた。未処理または様々な量のパクリタキセル(10-7〜10-5M)で処理後に更にIL-1β(20 ng/ml)で処理した軟骨細胞からの抽出物を、過剰量のプローブと共に氷上で30分間インキュべートし、続いて非変性ゲル電気泳動にかけた。「com」レーンは、過剰量の非標識AP-1オリゴヌクレオチドを含んでいる。示した結果は、3回独立に行った実験の代表である。
3. IL-1誘導MMP-1およびMMP-3mRNA発現に及ぼすパクリタキセルの効果
細胞を、各種濃度(10-7〜10-5M)のパクリタキセルで24時間処理した。次に、パクリタキセル存在下、IL-1β (20 ng/ml)で更に18時間処理した。トータルRNAを単離し、ノーザン(Northern)ブロット分析によりMMP-1mRNAレベルを決定した。続いてブロットを洗い(stripped)、ハウスキーピング遺伝子として用いられる32P-放射標識ラットGAPDH cDNAで再プロービングした。示した結果は4回独立に実施した実験の代表である。コラゲナーゼ-1およびストロメリシン発現mRNAレベルの定量。MMP-1およびMMP-3発現レベルは、GAPDHを用いて標準化した。
4. コラゲナーゼ発現に及ぼすその他抗微小管の効果
初代軟骨細胞培養体を、ウシ軟骨から新たに単離した。細胞を100×20 mmの培養皿の中に、2.5×106/mlの割合で播き、5% FBSを含むハム(Ham)のF12培地の中で、一晩、37℃でインキュベートした。細胞を無血清培地の中で一晩飢餓状態に置いてから、各種濃度の抗微小管剤で6時間処理した。次にIL-1(20 ng/ml)を各プレートに加えて、プレートを更に18時間インキュベートした。トータルRNAを、酸性化グアニジンイソチオシアネート法を用いて単離し、変性ゲルを用いたゲル電気泳動にかけた。変性RNAサンプル(15μg)を1%変性ゲルによるゲル電気泳動で分析し、ナイロンメンブレンに移し、32P-標識コラゲナーゼcDNAプローブとハイブリダイズした。内部標準として用いた32P-標識グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)cDNAより、試料がほぼ等しいことが確認された。現像したフィルムをImageQuantでスキャンして、定量分析した。
B. 結果
1. マトリックスメタロプロテイナーゼファミリーに対するプロモータ
図6Aは、ゲラチナーゼBを除くすべてのマトリックスメタロプロテイナーゼが転写エレメントAP-1およびPEA-3を含むことを示している。コラゲナーゼおよびストロメリシンのようなマトリックスメタロプロテイナーゼの発現が、転写因子のAP-1の活性化に依存していることは、よく確立されている。したがって、AP-1のインヒビターは、マトリックスメタロプロテイナーゼの発現を阻害するだろう。
2. AP-1転写活性に及ぼすパクリタキセルの効果
図6Bに示されるように、IL-1はAP-1転写活性を刺激して5倍高くした。一過性にトランスフェクションした軟骨細胞をパクリタキセルで前処理すると、IL-1誘導のAP-1レポーター遺伝子のCAT活性は低下した。したがって、IL-1誘導AP-1活性は、軟骨細胞では、パクリタキセルによって濃度依存的な様式で(10-7〜10-5M)低下した。これらのデータは、パクリタキセルが軟骨細胞におけるAP-1活性の強力なインヒビターであることを実証した。
3. AP-1 DNA結合活性に及ぼすパクリタキセルの効果
AP-1活性に対するパクリタキセルの阻害が、非特異的効果ではないことを確認するために、軟骨細胞の核溶解物を用いて、オリゴヌクレオチドへのIL-1誘導のAP-1結合に及ぼすパクリタキセルの効果を検証した。図19Cに示すように、濃度10-7〜10-5Mのパクリタキセルで、24時間前処理した軟骨細胞由来溶解物では、IL-1誘導結合活性は低下した。AP-1転写活性のパクリタキセルによる阻害は、DNAに対するAP-1結合の低下と密接に相関していた。
4. コラゲナーゼおよびストロメリシン発現に及ぼすパクリタキセルの効果
パクリタキセルはAP-1活性の強力なインヒビターであることから、パクリタキセルまたはIL-1誘導の、炎症性疾患に関与する重要な2種類のマトリックスメタロプロテイナーゼ、コラゲナーゼまたはストロメリシンの発現に対する効果について検証した。簡単に述べると、図20に示すように、IL-1誘導は、軟骨細胞におけるコラゲナーゼおよびストロメリシンのmRNAレベルを上昇させた。パクリタキセルによる軟骨細胞の24時間前処理は、コラゲナーゼおよびストロメリシンmRNAのレベルを有意に下げた。10-5 Mのパクリタキセルで、完全な阻害があった。結果は、パクリタキセルが2種類のマトリックスメタロプロテイナーゼの発現を、AP-1活性を阻害するのと同様の濃度で完全に阻害したことを示した。
5. コラゲナーゼ発現に及ぼす抗微小管の効果
図7A〜Hは、抗微小管剤がコラゲナーゼの発現を阻害することを示している。コラゲナーゼのの発現は、炎症誘発性サイトカインであるIL-1を加えることで促進された。軟骨細胞と各種抗微小管剤、特にLY290181、ヘキシレングリコール、酸化ジュウテリウム、グリシンエチルエステル、AIF3、ツベルシジンエポチロンおよびエチレングリコールビス-(スクシンイミジルスクシネート)との前インキュベートは、すべてがIL-1誘導のコラゲナーゼ発現を、1×10-7M程度の低い濃度で阻害した。
C. 考察
パクリタキセルは、インビトロでのコラゲナーゼおよびストロメリシンの発現を、10-6 Mの濃度で阻害できた。この阻害は、ゲラチナーゼBを除くすべてのメタロプロテイナーゼの誘導に必要な段階であるAP-1活性の阻害により説明できることから、パクリタキセルはAP-1に依存する他のマトリックスメタロプロテイナーゼも阻害することが期待される。これらマトリックスメタロプロテイナーゼのレベルは、すべての炎症疾患で上昇しており、マトリックス分解、細胞移動および増殖、ならびに血管形成において重要な役割を果たしている。したがって、コラゲナーゼおよびストロメリシンのようなマトリックスメタロプロテイナーゼの発現のパクリタキセルによる阻害は、炎症性疾患において有利な効果となるだろう。
コラゲナーゼの発現に対するパクリタキセルの阻害効果に加えて、LY290181、ヘキシレングリコール、酸化ジュウテリウム、グリシンエチルエステル、AIF3、ツベルシジンエポチロン(tubercidin epothilone)およびエチレングリコールビス-(スクシンイミジルスクシネート)はすべてIL-1誘導コラゲナーゼ発現を、1×10-7Mの低い濃度で阻止した。即ち、抗微小管剤は、様々な濃度において、AP-1経路を阻害できる。
実施例27
パクリタキセルによる血管形成の抑制
A. ニワトリ漿尿膜(「CAM」)アッセイ
受精した、ニワトリ胚を、無殻培養前3日間インキュベートした。この処置の間に、気室周辺にある殻を取り除き、卵の内容物を空にした。次に内殻膜を使い、殻の反対側に穴を空けて卵の中身を、丸みを帯びた端から外にゆっくり滑り出させた。卵の内容物を、丸底の、滅菌したガラス製ボールにあけて、ペトリ皿で蓋をした。次にこれらを相対湿度90%、CO2 3%のインキュベータに入れて、3日間インキュベートした。
パクリタキセル(Sigma, St. Louis, MI)を0.25、0.5、1、5、10、30μg/10 ulの濃度に小分けした0.5%のメチルセルロース水溶液と混合した。パクリタキセルは水不溶性であるため、ガラスビーズを用いて微粒子にした。10μLの小分けしたこの溶液をパラフィルムの上で1時間乾かし、直径2mmのディスクを作製した。次にパクリタキセルを含んだ乾燥ディスクを、注意しながらインキュベート6日目の各CAMの成長端に置いた。パクリタキセルを含まないメチルセルロースディスクを同一時期のCAMの上に置いて、コントロールを得た。2日間暴露した後(インキュベート8日目)、立体顕微鏡を使って血管系を調べた。白色の透明な液体であるLiposyn IIをCAM内に注入して、血管の詳細の視認性を上げた。未染色の、生きた胚の血管系は、ビデオカメラ(Dage-MTI Inc., Michigan City, IN)と接続したZeiss社製立体顕微鏡を用いて画像化した。次にこれらビデオ信号を、160×に拡大して表示し、画像解析システム(Vidas, Kontron; Etching, Germany)を用いてキャプチャーした。次にグラフィックレコーダを使ってネガ像を作製した(Model 3000; Matrix Instruments, Orangeburg, NY)。
8日齢の無殻胚の膜を、2%グルタールアルデヒドの0.1Mカコジル酸ナトリウムバッファー液に浸した;CAMの下にさらなる固定液を注入した。10分後、インサイチュー(in situ)にて、CAMを取り出し、新鮮な固定液の中に2時間、室温で置いた。次に組織をショ糖を6%含むカコジル酸バッファーで一晩洗浄した。問題の領域を1%四酸化オスミウムで、1.5時間、4℃で後固定した。次に組織を、一連の濃度勾配のエタノールで脱水し、溶媒をプロピレンオキシドと交換して、Spurr樹脂に包埋した。ダイヤモンドナイフを使って薄切片を作製し、銅製グリッドの上に置いて、Joel 1200EX電子顕微鏡で調べた。同様にして、0.5 mm切片を作製し、光学顕微鏡用にトルエンブルーで染色した。
発生11日目に、ニワトリ胚を鋳型法に用いた。Mercox樹脂(Ted Pella, Inc., Redding, CA)を、30ゲージ皮下注射針を用いて、CAMの血管系に注射した。鋳型材はMercox CL-2Bポリマー2.5グラムおよび重合時間5分の触媒(55%過酸化ペンゾイル)0.05グラムから構成されている。注射後、インサイチューにて1時間、室温でプラスチックを固まらせてから、オーブン内で一晩、65℃で固まらせた。次にCAMを水酸化ナトリウムの50%水溶液に入れて、すべての有機成分を消化した。プラスチック製の鋳型を蒸留水でよく洗い、自然乾燥し、金/パラジウムでコーティングしてから、Philips 501B走査型電子顕微鏡を使って観察した。
アッセイの結果は、次の通りであった。インキュベート6日目、胚は放射状に広がる血管網の中心に置かれた;CAMが胚の近くに発生した。これら増殖結果は、表面近くにあり、容易に見ることができることがこのシステムを血管形成の研究に関する理想的なモデルにしている。CAMの生きている、未染色の毛細血管網を、立体顕微鏡を使って、非侵襲性に画像化できる。
CAMの横断切片は、外側外胚葉が二重の細胞層から成ること、より幅の広い中胚葉層が毛細血管を含み、これが内胚葉、血管外膜細胞、および内側の単一内肺葉細胞層近くにあることを示した。電子顕微鏡レベルでは、CAM毛細血管の典型的な詳細構造が示された。典型的には、これら血管は、内胚葉の内側の細胞層と密接な関係にある。
0.25、0.5、1、5、10または30μgの濃度のパクリタキセルに暴露してから48時間後に、各CAMを、ビデオ/コンピュータインターフェイスを装備した立体顕微鏡を用いて、生きた状態で調べ、血管新生への効果について評価した。この画像化装置は、毛細血管内の血液細胞を直接見ることができる160×の倍率で用いた; これにより対象となる領域の血流を容易に評価し、記録できた。本研究については、血管形成の抑制は、毛細血管網および血管血流を欠いたCAMの面積(直径2〜6 mmを測定)として定義した。実験を通して、無血管域は、4ポイントの無血管階調に基づいて評価した(表1)。このスケールでは、最大阻害を示す全体的阻害を、無血管階調スケールの3として表している。パクリタキセルは、極めて一定の結果を示し、その濃度に応じて、48時間以内に最大の無血管域(直径6 mmまたは無血管階調スケールの3)を誘導した。
(表1)無血管階調
Figure 2006525855
抗血管形成反応陽性を示す
様々な濃度のパクリタキセルの効果に関する、用量依存的な実験データを表2に示す。
(表2)
Figure 2006525855
典型的なパクリタキセル処理CAMでは、中心に置かれた透明なメチルセルロースディスクの下に直径6mmの無血管領域が認められる。若干高倍率にすると、このような無血管領域の外周が明瞭となる;周囲を取り囲む機能的血管の多くが、パクリタキセル供給源から方向を変えて遠ざかっていた。このような血流の急な方向転換は、正常状態では観察されることはない。パクリタキセルの効果の別の特徴は、血液細胞の集合を表す無血管領域内の血島の形成であった。
要約すると、本試験は、CAMにパクリタキセルを作用させた48時間後に、血管形成は抑制されることを実証した。血管の抑制は、パクリタキセルの効果を3つの移行段階として表す無血管域を形成した。中心にある、最も影響を受けた無血管領域は、血管外に遊出した赤血球を伴う破壊された毛細血管を含む; このことは、内皮細胞間の細胞間接続が無いことを意味している。内胚葉および外胚葉細胞はそれらの接続を維持しており、従ってこれら胚葉層は無傷で残っていた; しかしながら、それらは若干厚くなっていた。正常の血管域に近くなると、血管はその接合複合を維持しており、従ってこれらも無傷のままであった。パクリタキセル処理域の外周では、さらなる血管の増殖は抑制されており、このことは典型的な血管の方向転換または「肘曲げ」効果から明らかであった。
実施例28
平滑筋細胞の移動に及ぼすパクリタキセルの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
初代ヒト平滑筋細胞を、アッセイの前に、インスリンおよびヒト塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)を含む平滑筋細胞基礎培地中で16時間、血清飢餓状態に置いた。移動アッセイに関しては、細胞をトリプシン処理してフラスコから細胞を剥がし、移動培地で洗浄し、移動培地で2〜2.5×105細胞/mLの濃度まで希釈した。移動培地は、ヒト血清アルブミンを0.35%含む無フェノールレッドダルベッコ改良イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Medium)(DMEM)から成る。平滑筋細胞100μL(約20,000〜25,000細胞)をボイデンチャンバーアッセンブリ(Chemicon QCM Chemotaxis 96-well migration plate)の頂部に加えた。底側のウェルには、走化性因子である組換え体ヒト血小板由来増殖因子(rhPDGF-BB)を、総容積150μLに10ng/mLの濃度で加えた。パクリタキセルは、DMSOを用いて10-2Mの濃度に調製し、10倍に連続希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした。パクリタキセルは、前もって1/1000希釈に調製したパクリタキセルDMSO保存液を頂部チャンバー中の細胞に直接加えることで、細胞に加えた。プレートを4時間インキュベートし、細胞を移動させた。
4時間後に、頂部チャンバー中の細胞を廃棄し、フィルターの下側に付着している平滑筋細胞を、細胞剥離溶液(Cell Detachment Solution)(Chemicon)中、30分間、37℃で剥離した。剥がされた細胞を、DNA結合CyQuant GR色素を含む溶解バッファーで溶解し、室温で15分間インキュベートした。蛍光マイクロプレートリーダーで、励起波長約480 nm、最大発光約520 nmで蛍光を読み取った。バックグランドの蛍光を減じた後に、3つのウェルの相対蛍光単位を平均化し(化学誘因物質を含まないコントロールチャンバー)、さらに移動中の細胞の平均数を、25,000細胞/ウェルから98細胞/ウェルまで連続希釈した平滑筋細胞の標準曲線から得た。50%阻害濃度(IC50)は、パクリタキセル存在時の移動細胞の平均数を、陽性コントロール(rhPDGF-BBに対する反応の平滑筋細胞走化性)とを比較することによって決定した。図8参照。参考文献:Biotechniques (2000) 29:81; J. Immunol Methods (2001) 254:85。
実施例29
マクロファージによるIL-1β産生に及ぼすゲルダナマイシンの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
ヒトマクロファージ細胞株、THP-1を、各ウェルが10%FCS含有の培地2 mL中に1×106の細胞を含むように12ウェルプレートに播いた。オプソニン処理したザイモサンは、20 mgのザイモサンAを2 mLのddH2Oに再懸濁して、均一な懸濁液が得られるまでホモジェナイズして、調製した。ホモジェナイズしたザイモサンを250gで沈殿し、ヒト血清4mLに再懸濁して最終濃度を5 mg/mLとし、37℃の水槽内で20分間インキュベートしてオプソニン処理した。ゲルダナマイシンは、DMSO中に10-2Mの濃度に調製してから、10倍連続希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした。
オプソニン処理したザイモサン1 mg/mLを加えてTHP-1細胞を刺激して、IL-1βを産生させた。ゲルダナマイシンは、前もって1/1000希釈して調製しておいたDMSO保存溶液を各ウェルに直接加えることによって、THP-1細胞に添加した。各薬剤濃度は、3つのウェルで試験した。プレートは、37℃で24時間インキュベートした。
24時間刺激した後、上清を集めてIL-1β産生を定量した。上清のIL-1β濃度は、標準曲線を得るためのヒト組換え体IL-1βを用いたELISAにより決定した。96-ウェルMaxiSorbプレートを、コーティングバッファー(0.1Mの炭酸ナトリウム、pH9.5)で希釈した100μLの抗ヒトIL-1β捕捉抗体で一晩、4℃でコーティングした。使用した捕捉抗体の希釈は、ロット特異的であり、経験的に決定した。次に捕捉抗体を吸引し、プレートを洗浄バッファー(PBS、0.05% Tween-20)で3回洗った。プレートを、200μL/ウェルのアッセイ希釈液(PBS、10% FCS、pH 7.0)で1時間、室温にてブロックした。ブロックした後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄した。標準体およびサンプルは、次にようにして調製した: (a) サンプルの上清は、1/4および1/8に希釈した; (b) 組換え体ヒトIL-1βは1000 pg/mLに調製してから、連続希釈して15.6pg/mL〜1000 pg/mLの標準曲線とした。サンプルの上清および標準体は、3重測定でアッセイし、捕捉抗体でコーティングしたプレートに加えた後、室温にて2時間インキュベートした。プレートを5回洗浄してから、検出試薬(ビオチン化抗ヒトIL-1β検出抗体+アビジン-HRP)100μLで1時間、室温でインキュベートした。このインキュベートに続いて、プレートを7回洗浄し、基質液(テトラメチルベンチジン、H2O2)100μLをプレートに加え、30分間、室温でインキュベートした。次に停止液(2N H2SO4)をウェルに加え、黄色の反応物を、570 nmのλ補正と共に450 nmで読み取った。3回のデータ読み取りから平均値を決定し、バックグランドの平均値を差し引いた。IL-1β濃度の値は、標準曲線より得た。50%阻害濃度(IC50)は、IL-1β濃度と陽性コントロール(オプソニン処理したザイモサンで刺激したTHP-1細胞)と比較することによって決定した。n=4の反復実験の平均値を用いて、ゲルダナマイシンのIC50値を決定した。図9参照。参考文献: J. Immunol. (2000) 165:411-418; J. Immunol. (2000) 164:4804-4811; J. Immunol Meth. (2000) 235 (1-2): 33-40
実施例30
マクロファージによるIL-8産生に及ぼすデルダナマイシンの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
ヒトマクロファージ細胞株THP-1を、各ウェルが10%FCS含有の培地2 mL中に1×106の細胞を含むように12ウェルプレートに播いた。オプソニン処理したザイモサンは、20 mgのザイモサンAを2 mLのddH2Oに再懸濁して、均一な懸濁液が得られるまでホモジェナイズして、調製した。ホモジェナイズしたザイモサンを250gで沈殿し、ヒト血清4 mLに再懸濁して最終濃度を5 mg/mLとし、37℃の水槽内で20分間インキュベートしてオプソニン処理した。ゲルダナマイシンは、DMSO中に10-2Mの濃度に調製してから、10倍連続希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした。
オプソニン処理したザイモサン1mg/mLを加えて、THP-1細胞を刺激し、IL-8を産生させた。ゲルダナマイシンは、前もって1/1000希釈して調製しておいたDMSO保存溶液を各ウェルに直接加えることによって、THP-1細胞に添加した。各薬剤濃度は、3つのウェルで試験した。プレートは、37℃で24時間インキュベートした。
24時間刺激した後、上清を集めてIL-8産生を定量した。上清のIL-8濃度は、標準曲線を得るためのヒト組換え体IL-8を用いたELISAにより決定した。96-ウェルMaxiSorbプレートをコーティングバッファー(0.1Mの炭酸ナトリウム、pH9.5)で希釈した100μLの抗ヒトIL-8捕捉抗体で一晩、4℃でコーティングした。使用した捕捉抗体の希釈は、ロット特異的であり、経験的に決定した。次に捕捉抗体を吸引し、プレートを洗浄バッファー(PBS、0.05% Tween-20)で3回洗った。プレートを、200μL/ウェルのアッセイ希釈液(PBS、10% FCS、pH 7.0)で1時間、室温でブロックした。ブロックした後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄した。標準体およびサンプルは、次のように調製した: (a) サンプルの上清は、1/100および1/1000に希釈した; (b) 組換え体ヒトIL-8は200 pg/mLに調製してから、連続希釈して3.1 pg/mL〜200 pg/mLの標準曲線とした。サンプルの上清および標準体は、3重測定でアッセイし、捕捉抗体でコーティングしたプレートに加えた後、室温にて2時間インキュベートした。プレートを5回洗浄してから、検出試薬(ビオチン化抗ヒトIL-8検出抗体+アビジン-HRP)100μLで1時間、室温にてインキュベートした。このインキュベートに続いて、プレートを7回洗浄し、基質液(テトラメチルベンチジン、H2O2)100μLをプレートに加え、30分間、室温でインキュベートした。次に停止液(2N H2SO4)をウェルに加え、黄色の反応物を、570 nmのλ補正と共に450 nmで読み取った。3回のデータ読み取りから平均値を決定し、バックグランドの平均値を差し引いた。IL-8濃度の値は、標準曲線より得た。50%阻害濃度(IC50)は、IL-8濃度と陽性コントロール(オプソニン処理したザイモサンで刺激したTHP-1細胞)と比較することによって決定した。n=4の反復実験の平均値を用いて、ゲルダナマイシンのIC50値を決定した。図10参照。参考文献: J. Immunol. (2000) 165:411-418; J. Immunol. (2000) 164:4804-4811; J. Immunol Meth. (2000) 235 (1-2): 33-40
実施例31
マクロファージによるMCP-1産生に及ぼすゲルダナマイシンの効果を評価するためのスクリーニングアッセイ
ヒトマクロファージ細胞株、THP-1を、各ウェルが10% FCS含有の培地2 mL中に1×106の細胞を含むように12ウェルプレートに播いた。オプソニン処理したザイモサンは、20 mgのザイモサンAを2 mLのddH2Oに再懸濁して、均一な懸濁液が得られるまでホモジェナイズして、調製した。ホモジェナイズしたザイモサンを250 gで沈殿し、ヒト血清4mLに再懸濁して最終濃度を5 mg/mLとし、37℃の水槽内で20分間インキュベートしてオプソニン処理した。ゲルダナマイシンは、DMSO中に10-2Mの濃度に調製してから、10倍連続希釈して保存濃度範囲(10-8M〜10-2M)にした。
オプソニン処理したザイモサン1 mg/mLを加えてTHP-1細胞を刺激し、MCP-1を産生させた。ゲルダナマイシンは、前もって1/1000希釈して調製しておいたDMSO保存溶液を各ウェルに直接加えることによって、THP-1細胞に添加した。各薬剤濃度は、3つのウェルで試験した。プレートは、37℃で24時間インキュベートした。
24時間刺激した後、上清を集めてMCP-1産生を定量した。上清のMCP-1濃度は、標準曲線を得るためのヒト組換え体MCP-1を用いたELISAにより決定した。96-ウェルMaxiSorbプレートをコーティングバッファー(0.1Mの炭酸ナトリウム、pH 9.5)で希釈した100μLの抗ヒトMCP-1捕捉抗体で一晩、4℃でコーティングした。使用した捕捉抗体の希釈は、ロット特異的であり、経験的に決定した。次に捕捉抗体を吸引し、プレートを洗浄バッファー(PBS、0.05% Tween-20)で3回洗った。プレートを、200μL/ウェルのアッセイ希釈液(PBS、10% FCS、pH 7.0)で1時間、室温でブロックした。ブロックした後、プレートを洗浄バッファーで3回洗浄した。標準体およびサンプルは、次にようにして調製した: (a) サンプルの上清は、1/100および1/1000に希釈した; (b) 組換え体ヒトMCP-1は500 pg/mLに調製してから、連続希釈して7.8 pg/mL〜500 pg/mLの標準曲線とした。サンプルの上清および標準体は、3重測定でアッセイし、捕捉抗体でコーティングしたプレートに加えた後、室温にて2時間インキュベートした。プレートを5回洗浄してから、検出試薬(ビオチン化抗ヒトMCP-1検出抗体+アビジン-HRP)100μLで1時間、室温でインキュベートした。このインキュベートに続いて、プレートを7回洗浄し、基質液(テトラメチルベンチジン、H2O2)100μLをプレートに加え、30分間、室温でインキュベートした。次に停止液(2N H2SO4)をウェルに加え、黄色の反応物を、570 nmのλ補正と共に450 nmで読み取った。3回のデータ読み取りから平均値を決定し、バックグランドの平均値を差し引いた。MCP-1濃度の値は、標準曲線より得た。50%阻害濃度(IC50)は、MCP-1濃度と陽性コントロール(オプソニン処理したザイモサンで刺激したTHP-1細胞)と比較することによって決定した。n=4の反復実験の平均値を用いて、ゲルダナマイシンのIC50値を決定した。図11参照。参考文献:J. Immunol. (2000) 165:411-418; J. Immunol. (2000) 164:4804-4811; J. Immunol Meth. (2000) 235 (1-2): 33-40。
上記より、ここでは例示を目的として、本発明の具体的態様を記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、様々な変更を加えることができることを認めるだろう。したがって、本発明は、添付の請求によるもの以外、制限されることはない。
細胞周期インヒビターが、生物学的経路の1または複数のステップでどのように働くかを示す図。 細胞増殖に及ぼすミトキサントロンの作用を評価するためのスクリーニングアッセイの結果を示すグラフ(ヒト繊維芽細胞の増殖の場合、ミトキサントロンIC50=20nM)。 ラットバルーン傷害モデルより得た非損傷頸動脈の写真。 ラットバルーン傷害モデルより得た損傷頸動脈の写真。 ラットバルーン傷害モデルのパクリタキセル/メッシュ処理頸動脈の写真(パクリタキセル345μgを、10:90PLGメッシュ上に50:50PLGコーティング)。 マトリックス金属プロテアーゼの転写制御の概略図。 IL-1がAP-1転写活性を刺激していることを示すブロット。 図7A〜7Hは、コラゲナーゼ発現の阻害に関する各種抗微小管剤の作用を示すブロットである。 平滑筋細胞の移動に及ぼすパクリタキセルの作用を評価するためのスクリーニングアッセイの結果を示すグラフ(パクリタキセルIC50=0.76nM)。 マクロファージによるIL-1β産生に及ぼすゲルダナマイシンの作用を評価するためのスクリーニングアッセイの結果を示すグラフ(THP-1細胞によるIL-1β産生の場合、IC50=20nM)。 マクロファージによるIL-8産生に及ぼすゲルダナマイシンの作用を評価するためのスクリーニングアッセイの結果を示すグラフ(THP-1細胞によるIL-8産生の場合、IC50=27nM)。 マクロファージによるMCP-1産生に及ぼすゲルダナマイシンの作用を評価するためのスクリーニングアッセイの結果を示すグラフ(THP-1細胞によるMCP-1産生の場合、IC50=7nM)。

Claims (117)

  1. 吻合連結装置と瘢痕治療剤とを含む吻合連結装置であって、該薬剤は、狭窄を抑制するために治療的に有効な濃度で装置から放出可能である、装置。
  2. 瘢痕治療剤と混合した状態のポリマーキャリアを更に含む、請求項1記載の吻合連結装置。
  3. 血液が流れることができる管腔を画定している管状構造を含み、該管状構造は第1の端部および第2の端部を有する、請求項1記載の吻合連結装置。
  4. 2つ以上の管状構造を含む、請求項3記載の吻合連結装置。
  5. 2つの管状構造を含む、請求項4記載の吻合連結装置。
  6. 3つの管状構造を含む、請求項4記載の吻合連結装置。
  7. 血管外部分を含む、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  8. 血管内部分をさらに含む、請求項7記載の吻合連結装置。
  9. 血管内部分が血管の管腔内に存在するように構成されている、請求項8記載の吻合連結装置。
  10. 血管内部分が血管の組織内に存在するように構成されている、請求項8記載の吻合連結装置。
  11. 金属または金属合金を含む材料から作られている、請求項1記載の吻合連結装置。
  12. 金属または金属合金が、ステンレス鋼、チタン、白金、タンタル、ジルコニウム、クロム、コバルトクロム、コバルト-クロム-モリブデン合金、コバルト-クロム-タングステン合金、ニッケル-チタン合金、およびチタン-アルミニウム合金からなる群より選択される、請求項11記載の吻合連結装置。
  13. 結晶質または非晶質セラミック材料を含む、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  14. セラミック材料が、酸化アルミニウム類、酸化チタン類、ヒドロキシアパタイト、酸化イットリウム類、酸化ケイ素類および酸化ジルコニウム類からなる群より選択される、請求項13記載の吻合連結装置。
  15. ポリマーを含む材料から作られている、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  16. ポリマーが、シリコーン類、ポリウレタン類、ポリスルホン、エポキシ類、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリアリーレン-エーテルケトン、ポリアリーレンエーテル類、ポリイミド類、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、およびポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される、請求項15記載の吻合連結装置。
  17. 複合材料を含む材料から作られている、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  18. 複合材料が金属または金属合金およびセラミック材料を含む、請求項17記載の吻合連結装置。
  19. 複合材料がポリマー材料をさらに含む、請求項18記載の吻合連結装置。
  20. 複合材料が金属または金属合金およびポリマー材料を含む、請求項17記載の吻合連結装置。
  21. 複合材料がセラミック材料およびポリマー材料を含む、請求項17記載の吻合連結装置。
  22. 第1の動脈を第2の動脈に、動脈を静脈に、または第1の静脈を第2の静脈に取付けるように構成されている、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  23. 血管を移植血管に連結するように構成されている、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  24. 血管が動脈または静脈である、請求項23記載の吻合連結装置。
  25. 薬剤を含む薬剤放出層をさらに含む、請求項1記載の吻合連結装置。
  26. 薬剤放出層が装置全体または一部に存在する、請求項25記載の吻合連結装置。
  27. 瘢痕治療剤を含む薬剤放出層をさらに含み、該薬剤放出層は装置の血管外部分の表面に存在している、請求項7記載の吻合連結装置。
  28. 瘢痕治療剤を含む薬剤放出層をさらに含み、該薬剤放出層は装置の血管内部分の表面に存在している、請求項7記載の吻合連結装置。
  29. 瘢痕治療剤を含む薬剤放出層をさらに含む、請求項3記載の吻合連結装置。
  30. 薬剤放出層が管状構造の管腔外面に存在する、請求項29記載の吻合連結装置。
  31. 薬剤放出層が管状構造の管腔内面に存在する、請求項29記載の吻合連結装置。
  32. 薬剤放出層が管状構造の第1の端部または第2の端部に存在する、請求項29記載の吻合連結装置。
  33. 薬剤放出層が、管状構造の第1の端部および第2の端部に存在する、請求項29記載の吻合連結装置。
  34. 2つ以上の薬剤放出層を含む、請求項25記載の吻合連結装置。
  35. 2つの薬剤放出層を含み、第1の薬剤放出層が第1の組成物を有し、第2の薬剤放出層が第2の組成物を有する、請求項34記載の吻合連結装置。
  36. 第1の組成物と第2の組成物とが異なる、請求項35記載の吻合連結装置。
  37. 薬剤放出層が生体分解性ポリマーを含む、請求項25記載の吻合連結装置。
  38. 生体分解性ポリマーが、ラクチド、グリコリド、乳酸、ε-カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オン、1,5-ジオキセパン-2-オン、1,4-ジオキセパン-2-オン、ヒドロキシ吉草酸、およびヒドロキシ酪酸からなる群より選択される、1または複数のモノマーから形成される、請求項37記載の吻合連結装置。
  39. 生体分解性ポリマーキャリアが、ポリ(乳酸)、乳酸とグリコール酸のコポリマー、ラクチドとグリコリドのコポリマー、D,L-ラクチドとグリコリドのコポリマー、ラクチドとε-カプロラクトンのコポリマー、またはポリ(カプロラクトン)を含む、請求項37記載の装置。
  40. 薬剤放出層が、ヒアルロン酸、キトサン、またはアルギン酸ナトリウムを含む、請求項25記載の吻合連結装置。
  41. 薬剤放出層が非ポリマーキャリアを含む、請求項25記載の吻合連結装置。
  42. 非ポリマーキャリアが、イソ酪酸酢酸スクロース、ステアリン酸カルシウム、スクロースエステル、オレイン酸スクロース、およびロウからなる群より選択される、請求項41記載の装置。
  43. ロウがパラフィンロウまたは微結晶ロウである、請求項42記載の装置。
  44. 薬剤放出層が非生体分解性ポリマーを含む、請求項25記載の吻合連結装置。
  45. 非生体分解性ポリマーが、セルロースエステル類、ポリウレタン類、ポリビニル-ピロリドン類、アクリレートポリマーおよびコポリマー、メタクリレートポリマーおよびコポリマー、ならびにポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ならびにその配合物からなる群より選択される、請求項44記載の吻合連結装置。
  46. 装置表面に配置された結合層をさらに含み、該結合層が薬剤放出層を該装置表面に結合する、請求項25記載の吻合連結装置。
  47. 第1の結合層の組成が薬剤放出層の組成とは異なる、請求項46記載の吻合連結装置。
  48. 装置表面に配置された結合層および表面層をさらに含み、薬剤が該結合層と該表面層の間に存在している、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  49. 第1の結合層が、ポリエチレン-アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、アクリレートポリマー、ならびにカルボキシル、ヒドロキシル、アセチル、およびアミノ官能性を含む官能基を有するコポリマーからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項46記載の吻合連結装置。
  50. 第1の結合層と薬剤放出層の間に配置される第2の結合層をさらに含み、該第2の結合層が該薬剤放出層を該第1の結合層に結合する、請求項46記載の吻合連結装置。
  51. 第2の結合層が、第1の結合層の組成または薬剤放出層の組成とは異なる組成を有する、請求項50記載の吻合連結装置。
  52. 第2の結合層が、ポリウレタン類、ポリカーボネートウレタン類、アルキルおよびアリールウレタン類、エチルおよびブチルメタクリレートのポリマーおよびコポリマー、ならびにポリビニルアセタールポリマーからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項50記載の吻合連結装置。
  53. ポリビニルアセタールポリマーがポリビニルブチラールである、請求項52記載の吻合連結装置。
  54. 移植血管をさらに含む、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  55. 移植血管が瘢痕治療剤を含む、請求項54記載の吻合連結装置。
  56. 装置の表面が、瘢痕治療剤を約0.01μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項1記載の吻合連結装置。
  57. 装置の表面が、瘢痕治療剤を約0.25μg/mm2〜5μg/mm2含む、請求項1記載の吻合連結装置。
  58. 薬剤が、平滑筋細胞または繊維芽細胞、またはその両方の増殖を抑制する、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  59. 薬剤が、さらに炎症、細胞移動、または血管形成、あるいはその組合せを抑制する、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  60. 薬剤が炎症を抑制する、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  61. 薬剤が細胞移動を抑制する、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  62. 薬剤が血管形成を抑制する、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  63. 薬剤がシロリムスまたはその類似体もしくは誘導体ではない、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  64. 薬剤が細胞周期インヒビターである、請求項1または2記載の装置。
  65. 細胞周期インヒビターがアントラサイクリンである、請求項64記載の吻合連結装置。
  66. アントラサイクリンが、ドキソルビシン、ミトキサントロン、またはその類似体もしくは誘導体である、請求項65記載の吻合連結装置。
  67. 装置の表面が、細胞周期インヒビターを約0.01μg/mm2〜約100μg/mm2含む、請求項64記載の吻合連結装置。
  68. 装置の表面が、細胞周期インヒビターを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項64記載の吻合連結装置。
  69. 細胞周期インヒビターが抗微小管剤である、請求項64記載の吻合連結装置。
  70. 抗微小管剤がタキサンである、請求項67記載の吻合連結装置。
  71. タキサンが、パクリタキセル、ドセタキセル、またはその誘導体もしくは類似体である、請求項68記載の吻合連結装置。
  72. 装置の表面が、パクリタキセルを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項71記載の吻合連結装置。
  73. 装置の表面が、パクリタキセルを約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2含む、請求項71記載の吻合連結装置。
  74. 細胞周期インヒビターがポドフィロトキシンである、請求項64記載の吻合連結装置。
  75. ポドフィロトキシンが、エトポシドまたはその誘導体もしくは類似体である、請求項74記載の吻合連結装置。
  76. 装置の表面が、エトポシドを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項75記載の吻合連結装置。
  77. 装置の表面が、エトポシドを約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2含む、請求項75記載の吻合連結装置。
  78. 細胞周期インヒビターがトポイソメラーゼインヒビターである、請求項64記載の吻合連結装置。
  79. トポイソメラーゼインヒビターがカンプトセシンである、請求項78記載の吻合連結装置。
  80. 装置の表面が、カンプトセシンを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項79記載の吻合連結装置。
  81. 装置の表面が、カンプトセシンを約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2含む、請求項79記載の吻合連結装置。
  82. 薬剤が熱ショックタンパク質90アンタゴニストである、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  83. 熱ショックタンパク質90アンタゴニストが、ゲルダナマイシン、アニソマイシン、またはその類似体もしくは誘導体である、請求項82記載の吻合連結装置。
  84. 装置の表面が、ゲルダナマイシンを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項83記載の吻合連結装置。
  85. 装置の表面が、ゲルダナマイシンを約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2含む、請求項83記載の吻合連結装置。
  86. 薬剤がピロリジン系抗生物質である、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  87. ピロリジン系抗生物質がアニソマイシンである、請求項86記載の吻合連結装置。
  88. 装置の表面が、アニソマイシンを約0.1μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項87記載の吻合連結装置。
  89. 装置の表面が、アニソマイシンを約0.25μg/mm2〜約5μg/mm2含む、請求項87記載の吻合連結装置。
  90. 薬剤が免疫変調剤である、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  91. 免疫変調剤が、シロリムスまたはその類似体もしくは誘導体である、請求項90記載の吻合連結装置。
  92. シロリムス類似体が、エベロリムス、バイオリムス、またはタクロリムスである、請求項91記載の吻合連結装置。
  93. 装置の表面が、シロリムスを約0.1μg/mm2〜約100μg/mm2含む、請求項91記載の吻合連結装置。
  94. 装置の表面が、シロリムスを約0.5μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項91記載の吻合連結装置。
  95. 装置の表面が、エベロリムスを約0.1μg/mm2〜約100μg/mm2含む、請求項92記載の吻合連結装置。
  96. 装置の表面が、エベロリムスを約0.3μg/mm2〜約10μg/mm2含む、請求項92記載の吻合連結装置。
  97. 薬剤がイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)インヒビターである、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  98. IMPDHインヒビターがミコフェノール酸である、請求項97記載の吻合連結装置。
  99. 装置の表面が、ミコフェノール酸を約0.1μg/mm2〜約50μg/mm2含む、請求項98記載の吻合連結装置。
  100. 装置の表面が、ミコフェノール酸を約0.25μg/mm2〜約25μg/mm2含む、請求項98記載の吻合連結装置。
  101. 抗血栓薬、抗血小板薬、またはその組合せをさらに含む、請求項1または2記載の吻合連結装置。
  102. 抗血栓薬がヘパリンまたはその誘導体である、請求項101記載の吻合連結装置。
  103. ヘパリン誘導体が、ベンザルコニウムヘパリネートまたはトリドデシルメチルアンモニウムヘパリネートである、請求項102記載の吻合連結装置。
  104. 請求項1〜103のいずれか一項記載の装置を宿主動物内に埋込む工程を含む、吻合部位の瘢痕化を抑制するための方法。
  105. 瘢痕化を抑制するための方法であって、吻合連結装置を宿主動物内に配置する工程を含み、該吻合連結装置が瘢痕治療剤または狭窄を抑制する薬剤を放出する方法。
  106. 2つの血管構造の間、または同一血管構造の異なる2つの部分の間に通路を造る方法であって、吻合連結装置を、患者の中の、2つの血管構造の間、または同一血管構造の異なる2つの部分の間に通路を造ることが望まれるところに導入する工程を含み、該吻合連結装置が請求項1〜103のいずれか一項記載の装置である方法。
  107. 動脈と静脈の間に通路を造る方法であって、吻合連結装置を、患者の中の、動脈と静脈の間に通路を造ることが望まれるところに導入する工程を含み、該吻合連結装置が請求項1〜103のいずれか一項記載の装置である方法。
  108. 第1の動脈と第2の動脈の間に通路を造る方法であって、吻合連結装置を、患者の中の、第1の動脈と第2の動脈の間に通路を造ることが望まれるところに導入する工程を含み、該吻合連結装置が請求項1〜103のいずれか一項記載の装置である方法。
  109. 吻合部位における内膜過形成を治療する、または予防する方法であって、請求項1〜103のいずれか一項記載の吻合連結装置を吻合部位に送達する工程を含む方法。
  110. 吻合部位が動脈吻合である、請求項109記載の方法。
  111. 吻合部位が静脈吻合である、請求項109記載の方法。
  112. 装置が吻合部位の血管外部分に送達される、請求項109記載の方法。
  113. 装置が吻合部位の血管内部分に送達される、請求項109記載の方法。
  114. 瘢痕治療剤を放出するのに適合された、吻合ステープル装置。
  115. 瘢痕治療剤を放出するのに適合された、吻合クリップ装置。
  116. 瘢痕治療剤を放出するのに適合された、縫合装置。
  117. 瘢痕治療剤が、パクリタキセル、カンプトセシン、ミコフェノール酸、ミトキサントロン、ドキソルビシン、エトポシド、ゲルダナマイシン、およびその類似体もしくは誘導体からなる群より選択される、請求項114〜116のいずれか一項記載の装置。
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