JP2006218037A - 腹膜灌流装置とその駆動プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 腹膜灌流システム1は、ディスポ回路1aとこれが装着される腹膜灌流装置1bとから構成されている。システム1では、装置1bにおける制御部40がクランプ部30を制御してディスポ回路1aのライン10a〜10fの開閉動作を実行し、また、シリンダ22の駆動制御により透析液に正圧あるいは負圧を加えて透析液の移送を制御する。
制御部40には、加温バッグ12および排液バッグ13の重量信号を受け付ける計量信号受付部45が接続されており、重量に関する信号の入力を受け付けた場合に、ポンプ方式と落差方式との両方式を実行可能となっている。ユーザは、入力部41を通して実行方式の選択を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記課題を解決しようとなされたものであって、患者の状態や処置状況などに応じて落差方式とポンプ方式とを選択可能な構成の腹膜灌流装置とその駆動プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る腹膜灌流装置は、液貯留部および排液貯留部と、これらと患者の腹腔との間を結ぶラインとから構成される輸液回路に対して接続可能であり、輸液回路内の液の流動制御を実行する制御部を有する装置であって、制御部からの信号に基づいて液貯留部内およびライン内の少なくとも一方に圧力を加えることで、輸液回路内の液を移送する加圧移送部と、制御部からの信号に基づいてラインの開閉動作を実行することで輸液回路での液の流路の切替えを行う流路切替部と、制御部に接続され、輸液回路における液貯留部および排液貯留部と患者の腹腔との各間での液の流動状況に関する検出信号を受け付ける流動信号受付部と、ユーザ(患者や看護師)からの入力信号を受け付け、当該入力信号を制御部に出力する入力信号受付部とからなり、輸液回路の液貯留部および排液貯留部および患者の腹腔の各間に輸液回路内および患者の腹腔との間での液の流動が可能な落差を有し、且つ、流動信号受付部に検出信号の入力があった場合において、制御部は、加圧移送部からの加圧力を液の移送に用いる第1の移送手段と、落差を液の移送に用いる第2の移送手段とを、入力信号受付部へのユーザの入力信号に基づいて選択することを特徴とする。
上記本発明に係る腹膜灌流装置では、流動信号受付部に対して、液貯留部および排液貯留部における液の重量を検出する重量測定器を接続可能としておき、制御部が、流動信号受付部への重量測定器の接続を以って、第2の移送手段が選択可能である旨の判断をし、且つ、両貯留部での液の重量変化を液の流動状況として受け付けるという構成を採用することもできる。
また、上記本発明に係る腹膜灌流装置では、制御部が、液貯留部から患者の腹腔へ注液する処理と、患者の腹腔に前記液を所要時間保持する処理と、患者の腹腔から排液貯留部に液を排出する処理とを1サイクルとし、当該サイクルを複数回繰り返す制御を実行することを特徴とする。
また、上記本発明に係る腹膜灌流装置では、上述のように、制御部が、複数のサイクルでの注液する処理および排液する処理を第1の移送手段を用いて実行し、最終サイクル終了の際に輸液回路の上記各間に液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付部に前記検出信号の入力があった場合において、第2の移送手段を用いて排液する処理を実行するという構成を採ることもできる。
本発明に係る腹膜灌流装置の駆動プログラムは、上述のように、輸液回路における液貯留部および排液貯留部と患者の腹腔との各間に落差を有し、当該落差によって液の流動が可能であり、且つ、流動信号受付ステップで検出信号の受け付けが確認されたという条件を満足する場合において、落差方式を用いた第2の移送手段を選択することが可能となり、加圧によって液を移送する第1の移送手段と上記第2の移送手段とを、ユーザからの入力信号に基づき選択することが可能となる。よって、本発明に係る腹膜灌流装置の駆動プログラムは、患者の状態や処置状況などに応じて落差方式とポンプ方式とを選択可能であり、コスト面および作業性および処理選択の自由度という観点から優位である。
(腹膜灌流システム1の構成)
本実施の形態に係る腹膜灌流システム1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、腹膜灌流システム1の主用構成を示すブロック構成図である。
腹膜灌流装置1bは、ディスポ回路1aにおけるライン10a〜10fのクランプを実行することでディスポ回路1aにおける液の流路を切替えるためのクランプ部30と、カセット部15に装着されるカセット装着部21、およびカセット装着部21に対しエアーの出し入れを実行するためのシリンダー22を有する。シリンダー22とカセット装着部21との間は、エアチューブ20によって繋がれており、その中ほどから分岐した部分にバルブ24および圧力センサ25が設けられている。シリンダ22は、そのピストン駆動によってエアチューブ20およびカセット装着部21を介して、カセット部15の下蓋15bの内方に対して正圧または負圧を加え、ダイアフラム15cを駆動する。また、エアシリンダー22には、ストロークを検出するエンコーダ23が装着されている。
図1に示すように、腹膜灌流装置1bには、制御部40、入力部41、表示部42、データ格納部43、ドライバ44、計量信号受付部45およびヒータ46などを備えている。この内、制御部40は、例えば、CPUから構成されており、予めデータ格納部43に格納された駆動プログラムに基づいてクランプ部30、シリンダー22を駆動するドライバー44およびヒータ46を駆動するための指示信号を出力する。また、制御部40には、上記シリンダー22に装着されたエンコーダ23に信号線が接続されており、シリンダー22のロッドストロークに関する位置情報が入力されるようになっている。
データ格納部43には、制御部40が装置駆動制御を実行するのに必要とする制御条件などが予め格納されており、制御部40は、装置駆動にあたってデータ格納部43からの情報を取り出し、あるいは、入力部41から入力されたデータをこのデータ格納部43へと格納する。
(計量器51、52の設置)
本実施の形態に係る腹膜灌流システム1は、上記構成を基本としているが、次に説明する構成を選択的に付加することができる。付加できる構成について、図2を用いて説明する。
なお、本実施の形態では、加温バッグ12と排液バッグ13との液重量を測定できるように計量器51、52を敷設する構成としているが、計量器51については、加温バッグ12の下ではなく、給液バッグ11の下に敷設することにしてもよい。ただし、この場合には、加温バッグ12の下に敷設した場合の液重量変化とはその変化状態が異なってくるため、予め腹膜灌流装置1bのデータ格納部43に格納しておく駆動に関するデータを適合させておく必要がある。
(腹膜灌流システム1の駆動)
上記構成を有する腹膜灌流システム1の駆動形態について、図3〜9を用いて説明する。
図3に示すように、腹膜灌流システム1では、プライミング処理が実行される(ステップS1)。プライミング処理は、例えば、制御部40からの指示信号を受け付けたドライバ44がシリンダを駆動するとともに制御部40からの信号に基づいてクランプ部30の駆動を行うことで実行される。このステップS1については、従来のポンプ方式による灌流処理と同一であるので、詳しい説明を省略する。
図3に示すように、制御部40は、上記ステップS2で計量器51、52からの信号線の接続を確認した際(ステップS2:Y)表示部42に”落差方式を用いた処理を実行するか”の確認要求を実行する(ステップS7)。当該処理では、制御部40は、表示部42に上記メッセージを表示させ、入力部41からのユーザの選択入力を待つ。ユーザが落差方式を採用しない旨の入力を行ったとき(ステップS7:N)には、制御部40は、ステップS3を実行する。
落差方式を用いた腹膜透析処理については、後述する。
なお、腹膜灌流システム1では、透析処理を実行し始める前であれば、ユーザがリセットスイッチ(不図示)をONすることで、制御部40がステップS1からの処理を再実行させるようにすることが可能となっている。
腹膜灌流システム1において、計量器51、52からの信号線が接続されていない場合(ステップS2:N)、あるいは、信号線は接続されているがユーザが落差方式を実行しない旨の選択を行った場合(ステップS7:N)には、患者に対してはポンプ方式による透析処理が実行されることになる。ポンプ方式による透析処理について、図4を用いて説明する。
カウンタ値kが(n−1)に達した場合、制御部40は、カウンタ値kを(n)とし(ステップS32)、また、タイマーをリセットする(ステップS33)。そして、複数のサイクルの最終サイクルにおいて、制御部40は、加温バッグ12から患者の腹腔へと透析液の移送を実行するように、クランプ部30およびシリンダ22を駆動する(ステップS34)。制御部40は、タイマーの経過時間tが時間Tとなった後に(ステップS35:Y)、患者の腹腔から排液バッグ13へと液の移送を実行し(ステップS36)、その後に処理を終了する。
本実施の形態に係る腹膜灌流システム1では、計量信号受付部45に計量器51、52からの信号線が接続されて計量信号Sig.51、Sig.52が受け付け可能である旨の判断がなされ(ステップS2:Y)、且つ、入力部41からユーザがポンプ方式と落差方式との併用による透析処理を選択する旨の入力があった(ステップS8:Y)のを条件として、2方式併用による透析処理が実行される(ステップS15)。以下では、この処理方法について、図5を用いて説明する。なお、本方式による透析処理では、カウンタ値kが(n−1)に達するまでの処理に付いては上記ポンプ方式と同様であるので、あらためての説明を省略する。
また、本実施の形態では、2方式併用による透析処理を実行する場合、複数の透析サイクルの内の最終サイクルにおいて、排液処理に落差方式を採用することとするが、上記ポンプ方式による複数の透析サイクルを終了後に、さらに落差方式による排液処理だけを延長して実行することとしてもよい。このような駆動のステップ毎の動作を次表に示す。
4.液移送時における制御部40が実行する制御動作(ポンプ方式)
上記2つの方式における液移送の内、ポンプ方式を用いた場合における制御部40がクランプ部30およびシリンダ22の駆動に関する指示について、図6および図7を用いて説明する。
図6(a)に示すように、ポンプ方式を用いて給液バッグ11から加温バッグ12へと透析液を移送する場合には、制御部40が先ず内蔵のカウンタをリセットし(ステップS61)、クランプ33〜35を閉状態とする(ステップS62)。次に、制御部40は、クランプ36を開状態とし(ステップS63)、クランプ32を閉状態(ステップS64)、クランプ31を開状態とする(ステップS65)。そして、制御部40は、上記クランプ31〜36の各開閉状態を維持しながら、ドライバ44に対してシリンダ22の駆動を指示する(ステップS66)。このような駆動を実施するとき、給液バッグ11内の透析液は、ライン10aおよびライン10fを通り、カセット部15の内方へと移送される。
なお、カウンタ値jのアップする値mは、カセット部15の内部容積と給液バッグ11から加温バッグ12への移送液量との関係によって、予めデータ格納部43に格納されている。例えば、カセット部15の内部容積が50mLであって、移送液量が2Lの場合には、値mが2L/50mL=40に設定されることになる。
図6(b)に示すように、ポンプ方式を用いて加温バッグ12から患者の腹腔へと透析液を移送する場合には、上記同様に、制御部40が先ず内蔵のカウンタをリセットし(ステップS81)、クランプ31、33、34を閉状態とする(ステップS82)。次に、制御部40は、クランプ36を開状態とし(ステップS83)、クランプ35を閉状態(ステップS84)、クランプ32を開状態とする(ステップS85)。そして、制御部40は、上記クランプ31〜36の各開閉状態を維持しながら、ドライバ44に対してシリンダ22の駆動を指示する(ステップS86)。このような駆動によって、加温バッグ12内で所要の温度まで加温された透析液は、ライン10bおよびライン10fを通り、加温バッグ12からカセット部15の内方へと移送される。
なお、カウンタ値jのアップする値mは、上記給液バッグ11から加温バッグ12への移送時と同様の値が設定されている。
図7に示すように、ポンプ方式を用いて患者の腹腔から排液バッグ13へと透析液を移送する場合には、上記同様に、制御部40が先ず内蔵のカウンタをリセットし(ステップS101)、クランプ31、32、34を閉状態とする(ステップS102)。次に、制御部40は、クランプ36を開状態とし(ステップS103)、クランプ33を閉状態(ステップS104)、クランプ35を開状態とする(ステップS105)。そして、制御部40は、上記クランプ31〜36の各開閉状態を維持しながら、ドライバ44に対してシリンダ22の駆動を指示する(ステップS106)。このような駆動によって、患者の腹腔内に貯留された液(透析液および患者から排出される水分および老廃物など)は、ライン10eおよびライン10fを通り、患者の腹腔からカセット部15の内部空間へと移送される。
なお、カウンタ値jのアップする値pは、上記給液バッグ11から加温バッグ12への液移送時および加温バッグ12から患者の腹腔への液移送時の値mよりも大きな値が設定されている。即ち、予め患者の除水量などを考慮し、この値を注液量に加算した値が設定されている。
本実施の形態に係る腹膜灌流システム1では、計量信号受付部45への計量器51、52からの信号線の接続およびユーザからの落差方式を選択する旨の入力信号を受け付けた場合において、制御部40は、給液バッグ11、加温バッグ12および排液バッグ13と患者の腹腔との各間での液移送に落差方式を用いる。これについて、図8および図9を用いて説明する。
図8(a)に示すように、制御部40は、落差方式による液移送処理を実行しようとする際に、先ず落差方式イニシャル確認処理を実行する。この処理では、制御部40がクランプ部30におけるクランプ31〜36を全閉状態とし(ステップS121)、そのクランプ31〜36の状態を維持して、計量器51、52からの計量信号Sig.51、Sig.52を受信できているか否かの確認を実行する(ステップS122)。制御部40は、計量信号Sig.51、Sig.52を正常に受信できていることを確認した場合(ステップS122:Y)、当該イニシャル確認処理を終了する。
(2)落差方式による給液バッグ11から加温バッグ12への液移送
腹膜灌流システム1では、落差方式による液移送処理が選択された場合には、制御部40はクランプ部30の開閉動作を制御することで液の移送を行うのであるが、その制御の基準として各計量器51、52からの液重量値が用いられる。
ステップS133において、制御部40が△WX=0と判断した場合(ステップS133:N)には、表示部42に異常発生に関する警告を実施し、また、不図示の警報機などを用いて、ユーザに異常発生を知らせる(ステップS135)。即ち、落差方式を用いて液移送を実行しているにも拘わらず、△WX=0であるということは、液の移送がなされておらず流動が滞っていることを示すもので、処理の上で異常事態であることを示す。
(3)落差方式による加温バッグ12から患者の腹腔への液移送
図9(a)に示すように、本実施の形態に係る腹膜灌流システム1では、落差方式を用いる加温バッグ12から患者の腹腔への液移送において、先ず、制御部40がクランプ部30に対して、クランプ32、35の開指示を出力する(ステップS141)。次に、制御部40は、計量器51からの計量信号Sig.51を監視し(ステップS142)、計量器51における液重量の変化△WX≠0の条件を満足する場合に(ステップS142:Y)、WX=0となるまで(ステップS143:N)クランプ32、35を開状態に維持する。
制御部40は、上記ステップS142において異常を検知することなく、ステップS143においてWX=0と判断したときに、クランプ部30に対してクランプ32、35閉指示を出力し(ステップS145)、本動作を終了する。
(4)落差方式による患者の腹腔から排液バッグ13への排液処理
落差方式による患者の腹腔から排液バッグ13への排液処理では、先ず、制御部40はクランプ部30に対してクランプ33、35の開指示を出力する(ステップS151)。そして、この液移送動作の場合には、クランプ33、35を開状態の場合において、制御部40は計量器52からの計量信号Sig.52を監視する(ステップS152)。ステップS152において、計量器52での液重量の変化△WY≠0の場合(ステップS152:Y)のときには、制御部40は計量重量WY=W2の条件を満足するまでクランプ33、35の開状態を維持する(ステップS153:N)。
(本実施の形態に係る腹膜灌流装置1bおよびその駆動プログラムが有する優位性)
本実施の形態に係る腹膜灌流システム1が備える腹膜灌流装置1bは、図1の構成ブロック図に示すように、計量信号受付部45を有するところに特徴がある。上述のように、計量信号受付部45には、加温バッグ12および排液バッグ13における各液重量を検知する計量器51、52からの信号線が接続可能である。
また、本実施の形態に係る腹膜灌流システム1では、ポンプ式の液移送手段を採る場合も、落差方式の液移送手段を採る場合も、共通のディスポ回路1aを用いているので、従来の灌流処理を採る場合に比べて、備えておかなければならないディスポ回路の種類を低減することができる。
(その他の事項)
上記実施の形態で用いた腹膜灌流システム1および腹膜灌流装置1bの構成、あるいはその駆動プログラムについては、本発明の構成および作用・効果を解りやすく説明するために用いたものであって、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、上記実施の形態では、計量器51、52からの計量信号Sig.51、Sig.52を信号線の接続により計量信号受付部45に入力するものとしたが、本発明に係る腹膜灌流装置は、このような構成に限定を受けるものではなく、無線や光などを用いたデータ伝送方式を採用することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、計量器51、52をそれぞれ加温バッグ12の下部および排液バッグ13の下部に配することとしたが、配置場所については、これ以外にも給液バッグ11の下部などでもよい。そして、落差方式を採る場合の液の移送管理には、重量での監視以外にも各種流量管理方法を採用することができる。例えば、ライン10a〜10dなどに流速計などを配しておくことでも監視が可能である。
1a.ディスポ回路
1b.腹膜灌流装置
10a〜10f.ライン
11.給液バッグ
12.加温バッグ
13.排液バッグ
14.濃度変更用バッグ
15.カセット部
15a.上蓋
15b.下蓋
15c.ダイアフラム
15d.開口部
20.エアチューブ
21.カセット装着部
22.シリンダー
23.エンコーダ
24.バルブ
25.圧力センサ
30.クランプ部
31〜36.クランプ
40.制御部
41.入力部
42.表示部
43.データ格納部
44.ドライバ
45.計量信号受付部
46.ヒータ
51、52.計量器
Claims (12)
- 液貯留部および排液貯留部と、これらと患者の腹腔との間を結ぶラインとから構成される輸液回路に対して接続可能であり、前記輸液回路内の液の流動制御を実行する制御部を有する腹膜灌流装置であって、
前記制御部からの信号に基づいて、前記液貯留部内およびライン内の少なくとも一方に圧力を加えることで、前記液を移送する加圧移送部と、
前記制御部からの信号に基づいて、前記ラインの開閉動作を実行することで前記輸液回路での液の流路の切替えを行う流路切替部と、
前記制御部に接続され、前記輸液回路における液貯留部および排液貯留部と前記患者の腹腔との各間での前記液の流動状況に関する検出信号を受け付ける流動信号受付部と、
ユーザからの入力信号を受け付け、当該入力信号を制御部に出力する入力信号受付部とからなり、
前記各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付部に前記検出信号の入力があった場合において、
前記制御部は、前記加圧移送部からの加圧力を前記液の移送に用いる第1の移送手段と、前記落差を前記液の移送に用いる第2の移送手段とを、前記入力信号受付部への前記入力信号に基づき選択する
ことを特徴とする腹膜灌流装置。 - 前記流動信号受付部には、前記液貯留部および排液貯留部における前記液の重量を検出する重量測定器が接続可能となっており、
前記制御部は、前記流動信号受付部への前記重量測定器の接続を以って、前記第2の移送手段が選択可能である旨の判断をし、且つ、前記両貯留部での前記液の重量変化を前記液の流動状況として受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の腹膜灌流装置。 - 前記制御部は、前記液貯留部から患者の腹腔へ注液する処理と、前記患者の腹腔に前記液を所要時間保持する処理と、前記患者の腹腔から排液貯留部に液を排出する処理とをもって1サイクルとし、当該サイクルを複数回繰り返す制御を実行する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の腹膜灌流装置。 - 前記各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付部に前記検出信号の受付があった場合において、
前記制御部は、前記複数のサイクルの内、最終サイクルにおける前記排出する処理に対して前記第2の移送手段を採る
ことを特徴とする請求項3に記載の腹膜灌流装置。 - 前記制御部は、前記複数のサイクルにおける前記注液する処理および排液する処理を前記第1の移送手段を用いて実行し、最終サイクル終了の際に前記各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付部に前記検出信号の入力があった場合において、第2の移送手段を用いて前記排液する処理を実行する
ことを特徴とする請求項3に記載の腹膜灌流装置。 - 前記制御部は、前記第2の移送手段を実行している場合において、前記流動信号受付部からの検出信号より前記液の流動が滞っていると判断したときに、警報を発する
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の腹膜灌流装置。 - 液貯留部および排液貯留部と、これらと患者の腹腔との間を結ぶラインとから構成される輸液回路に対して、前記ライン内の液の流動制御を実行する腹膜灌流装置の駆動プログラムであって、
前記輸液回路のラインにおいて、前記液の移送を実行する移送ステップと、
前記輸液回路におけるラインの開閉動作を実行することで前記輸液回路における液の流路を切替える流路切替ステップと、
前記輸液回路のラインでの前記液の流動状況に関する検出信号を受け付ける流動信号受付ステップと、
ユーザからの入力信号を受け付ける入力信号受付ステップとを有し、
前記輸液回路における液貯留部および排液貯留部と前記患者の腹腔との各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付ステップで前記検出信号を受け付けた旨が確認された場合において、前記移送ステップでは、前記輸液回路のライン内の液に圧力を加えて当該液を流動させる第1の移送手段と、前記落差を用いて前記液を流動させる第2の移送手段とを、前記入力受付ステップでの前記入力信号に基づいて選択する
ことを特徴とする腹膜灌流装置の駆動プログラム。 - 前記流動信号受付ステップでは、前記輸液回路における液貯留部および排液貯留部の前記液の重量変化を前記検出信号として受け付ける
ことを特徴とする請求項7に記載の腹膜灌流装置の駆動プログラム。 - 前記移送ステップは、前記輸液回路の液貯留部から前記患者の腹腔へ注液する注液サブステップと、前記患者の腹腔に所要時間貯留した液を、前記輸液回路の排液貯留部に排出する排出サブステップとを有し、
灌流処理は、前記注液サブステップと前記患者の腹腔に前記液を貯留する期間と前記排出サブステップとで構成されるサイクルを複数回繰り返すことで実行される
ことを特徴とする請求項7または8に記載の腹膜灌流装置の駆動プログラム。 - 前記輸液回路における液貯留部および排液貯留部と前記患者の腹腔との各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付ステップで前記検出信号を受け付けた旨が確認された場合において、前記移送ステップでは、前記複数のサイクルの内、最終サイクルにおける前記排出サブステップに対して前記第2の移送手段を適用して実行する
ことを特徴とする請求項9に記載の腹膜灌流装置の駆動プログラム。 - 前記輸液回路における液貯留部および排液貯留部と前記患者の腹腔との各間に前記液の流動が可能な落差を有し、且つ、前記流動信号受付ステップで前記検出信号を受け付けた旨が確認された場合において、前記移送ステップでは、前記複数のサイクルにおける注液サブステップおよび排出サブステップに前記第1の移送手段を適用し、その後さらに、前記第2の移送手段を用いて排出処理を実行する
ことを特徴とする請求項9に記載の腹膜灌流装置の駆動プログラム。 - 前記移送ステップで前記第2の移送手段を適用して前記液の移送が実行されており、且つ、前記流動信号受付ステップで前記検出信号より前記液の流動が滞った旨の判断がなされた場合には、警報を発する警報ステップを実行する
ことを特徴とする請求項7から11の何れかに記載の腹膜灌流装置の駆動プログラム。
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